説明

半導電性ローラの製造方法

【課題】使用に伴う表面粗さの変化が少ない半導電性ローラの製造方法の提供。
【解決手段】軸芯体の周囲に形成された弾性層の表面に結着樹脂と粗し粒子とを含む表面層形成用の塗料を塗布する工程を有する半導電性ローラの製造方法において、該粗し粒子として表面処理を施したものを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置用の現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ、搬送ローラに使用される半導電性ローラの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やファクシミリ、プリンター等の電子写真画像形成装置には、帯電ローラや現像ローラとして、103〜1010Ωの半導電性領域でその目的にあった導電性(電気抵抗)を有する半導電性ローラが用いられている。このような半導電性ローラは、金属などの導電性材料からなるスリーブ或いはシャフト等の導電性支持体の外周面に、導電剤等を配合したゴム等の弾性層を形成し、その弾性層の上に導電性を付与した表面層が設けられている。表面層には、所望の表面粗さを付与するための粒子(以降「粗し粒子」ともいう)を含有させることがある(特許文献1)。このような半導電性ローラは、使用によって表面層の結着樹脂の摩耗に伴って、粗し粒子が脱落し、表面粗さが変化することがある。当該半導電性ローラを現像ローラとして用いた場合、トナーの搬送性能が変化し、電子写真画像の濃度変化を招来してしまうことがある。また、帯電ローラとして用いた場合には帯電性能が変化することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−352014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明は、長期の使用によっても表面粗さの変化が抑制された半導電性ローラの製造方法を提供することに向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、軸芯体の周囲に形成された弾性層の表面に結着樹脂と粗し粒子とを含む表面層形成用の塗料を塗布する工程を有している半導電性ローラの製造方法において、該粗し粒子が、UV処理、コロナ処理およびプラズマ処理から選ばれる少なくとも1つの表面処理を施されたものであることを特徴とする半導電性ローラの製造方法に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば繰り返し画像出力においても表面層中の粒子が脱落しにくいため、使用によっても表面粗さが変化しにくい半導電性ローラを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】半導電性ローラの斜視図である。
【図2】半導電性ローラの軸に直交する方向の断面図である。
【図3】塗料の分散装置の説明図である。
【図4】浸漬塗工装置の説明図である。
【図5】画像形成装置の一例を示す概略図である。
【図6】プロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
【図7】半導電性ローラの電気抵抗の測定装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明者らは繰り返し画像出力時の半導電性ローラの表面層からの粗し粒子の脱落及び、浸漬塗工時の粒子の垂れ落ちについて鋭意研究、検討を重ねてきた。その結果、表面層塗料分散前に、粒子の表面に、コロナ処理、プラズマ処理、UV処理のいずれか1つ以上の処理を行うと、表面層樹脂と粒子の濡れ性が増して、繰り返し画像出力時の該粒子の脱落及び浸漬塗工時の該粒子の垂れ落ちを防止できることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明に係る半導電性ローラの製造方法は、軸芯体の周囲に形成された弾性層の表面に結着樹脂と粗し粒子とを含む表面層形成用の塗料を塗布する工程を有している。そして、粗し粒子(以降、単に「粒子」と称する)として、UV処理、コロナ処理およびプラズマ処理から選ばれる少なくとも1つの表面処理を施されたものを用いる。好ましくは粒子の表面をUV処理するものであり、より好ましくはエキシマUV処理するものである。ここで、コロナ処理、プラズマ処理は放電による処理であり、熱による粒子の温度上昇があるため、粒子の物性に影響を与える場合がある。一方UV処理は光源による処理であるため、熱の影響は小さく、粒子を均一に処理しやすいため好ましい。また、エキシマUV処理は、エキシマランプを使用するため、UV処理に用いられる低圧水銀ランプよりも光の波長が短い。そのため、粒子表面の分子結合を切断しやすく、より高い表面処理能力を有するため、好ましい。
【0010】
粒子表面に上記いずれか1つ以上の処理を行うと粒子の表面が酸化する。つまり、粒子表面に極性基が発生し、親水性を示すようになる。これに対し、表面層の結着樹脂が、極性基を骨格とした、極性の高い樹脂である場合、両者の親和性が高まる。すなわち、結着樹脂と粒子の濡れ性が向上し、繰り返し画像出力時においては表面層からの粒子の脱落が抑えられ、また浸漬塗工時には粒子の垂れ落ちを抑えることが出来る。
【0011】
表面を均一に処理する条件は、粒子を流動させながら表面処理するなど、粒子が均一に酸化処理されていればよく、公知の処理方法を用いることが出来る。例えば、振動調整可能な台または、回転自在な容器に粒子を入れ処理を行う方法があげられる。
【0012】
本発明において、ローラ表面の粗さ制御のために添加される粒子としては、平均粒子径が5μm以上30μm以下の粒子が好ましい。ここでいう平均粒子径とは体積平均粒子径であり、コールターマルチサイザー2(コールター社製)にて、4回測定した時の相加平均値を指す。表面層に添加する粒子添加量は、表面層の樹脂固形分100質量部に対し、1質量部以上50質量部以下であることが好ましい。
【0013】
本発明に用いる粒子は、好適に表面処理を行える粒子であれば、特に限定されず、例えば、有機材料からなる有機粒子、あるいは無機材料からなる無機粒子を用いることができる。有機粒子としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂の如き材料を含む粒子、およびこれらの材料の2種以上を含む粒子を用いることが出来る。無機粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウムの如き材料を含む粒子、およびこれらの材料の2種以上を含む粒子を用いることが出来る。
【0014】
前記表面層を形成する結着樹脂としては、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の一種もしくは二種以上を用いることができる。あるいはエピクロルヒドリンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、シリコン系ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、ポリノルボーネンゴム等のゴムの一種もしくは二種以上を用いることができる。さらには上記樹脂の一種もしくは二種以上と上記ゴムの一種もしくは二種以上の混合物を用いることができる。また、特に極性が高く、機械強度とトナー帯電性に優れるウレタン樹脂が好ましい。ウレタン樹脂以外にも水酸基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ホルミル基、アルコキシ基、エステル基、ニトリル基を有する極性の高い樹脂が好ましい。また、本発明においては、表面層の導電性を調整するために、カーボンブラックや金属酸化物、グラファイト等を配合してもよい。導電剤としては、弾性層に含有させる導電剤として後述するものを用いることができる。
【0015】
表面層に添加するカーボンブラックは、表面層を形成する結着樹脂100質量部に対して、5質量部以上85質量部以下であることが望ましい。さらに、表面層の膜厚は、0.1μm〜100μmであることが望ましい。本発明に用いられるカーボンブラックの平均粒径は、特に制限はないが、溶液における分散性と安定性の点から、DBP吸油量を窒素吸着比表面積で除した値により制限される。DBP吸油量/窒素吸着比表面積の値は、カーボンブラックのストラクチャーの発達度合いを示す指標であり、この比が大きいほど、表面を形成する結着樹脂層の補強効果が大きく、また表面層の導電性を高めることができる。
【0016】
また、本発明において弾性層と表面層との接着性改良のために、表面層13にアミノ基を有するシランカップリング剤を添加してもよい。シランカップリング剤としては、以下の物質をあげることが出来る。γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、メチルアミノエトキシプロピルジアルコキシシラン。
【0017】
また本発明の現像装置は、潜像を担持する感光体ドラムに対向した状態でトナー担持する現像ローラを備え、該現像ローラが上記潜像担持体にトナーを付与することにより該潜像をトナー像として可視化する構成の現像装置である。そして、現像ローラとして本発明の製造方法により得られた上記半導電性ローラを具備することを特徴とする。
【0018】
本発明の現像ローラを図を用いて以下に説明する。本発明の現像ローラ6及び、帯電ローラ7は、図1及び図2に示すように、中実または中空円筒状の導電性軸芯体1の外周面に弾性層2が固定され、この弾性層2の外周面に最表面層として表面層3が積層された導電性部材から構成される。また、現像ローラ6は図1及び図2では、軸芯体1、弾性層2及び表面層3から構成されているが、弾性層2の内周や、弾性層2と表面層3の間、または表面層3の外周に、さらに他の弾性層または樹脂層を積層させてもよい。
【0019】
導電性軸芯体1は、導電性部材の電極および支持部材として機能するもので、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼、炭素鋼の如き金属または合金、または導電性を有する合成樹脂の如き導電性の材質で構成される。更に、それらにクロム又は、ニッケルで鍍金処理を施すこともできる。尚、導電性基体の外径は、通常4mmから10mmの範囲とする。
【0020】
弾性層2は、感光体表面に形成された静電潜像にトナーを過不足なく供給するために、適切なニップ幅とニップ圧をもって感光体ドラムに押圧されるよう、現像ローラに適切な硬度や弾性を付与する。該弾性層は、通常ゴム材の成型体により形成される。上記ゴム材としては、従来より導電性ゴムローラに用いられている種々のゴム材を用いることができる。ゴム材に使用するゴムとしては、具体的には、以下のものがあげられる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、多硫化ゴム、ウレタンゴム。これらのゴムを単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0021】
この中でも、特に圧縮永久歪みが小さいという観点からシリコーンゴムを用いることが好ましい。シリコーンゴムとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルトリフルオロプロピルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリフェニルビニルシロキサン、これらポリシロキサンの共重合体が挙げられる。
【0022】
ゴム材には、導電剤を添加し、非導電性充填剤、架橋剤、触媒の如き各種添加剤が適宜配合される。導電剤としては、グラファイト、カーボンブラック、アルミニウム、銅の如き導電性金属粒子;酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタンの如き導電性金属酸化物の粒子を用いることができる。このうち、カーボンブラックは比較的容易に入手でき、良好な導電性が得られるので好ましい。非導電性充填剤としては、珪藻土、シリカ、石英粉末、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミノケイ酸、炭酸カルシウムが挙げられる。架橋剤としては、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエートが挙げられる。
【0023】
弾性層2の体積固有抵抗率は、100Vの直流電圧印加時で1×103Ω・cmから1×1010Ω・cmの範囲にあることが好ましい。例えば、導電性付与剤としてカーボンブラックを用いる場合は、ゴム材中のゴム100質量部に対して5質量部から80質量部が配合される。また、弾性層2の厚さはゴムの成型コストを低く抑える上で、1mmから6mmの範囲にあることが好ましく、2mmから5mmの範囲にあることがより好ましい。
【0024】
本発明における現像装置10の現像プロセスを以下に説明する(図5、6参照)。回転可能に支持されたトナー塗布部材7により現像ローラ6上にトナーが塗布される。さらに、紙22にトナー像を転写した後、感光体5上をクリーニングするクリーニング装置13が設けられる。現像ローラ6上に塗布されたトナーは、現像ローラ6の回転によりトナーの層厚を規制する規制ブレード9が設けられる。ここで、規制ブレード9にバイアスが印加できる場合、現像ローラ上のトナーは現像ローラ上に均一にコートされるため好ましい。また、現像ローラ6は感光体ドラム5と回転しながら接触し、感光体ドラム5上に形成された静電潜像を現像ローラ6上にコートされたトナーにより現像することにより画像が形成される。ここで、規制ブレード9に印加されるバイアスの極性は、トナーの帯電極性と同極性であり、その電圧としては現像バイアスよりも数十Vから数百V大きな絶対値の電圧が一般的である。このように規制ブレードにバイアスを印加する場合は、規制ブレードは導電性であることが好ましく、リン青銅やステンレスの如き金属であることがより好ましい。
【0025】
トナー塗布部材7の構造としては、発泡骨格状スポンジ構造や軸芯体上にレーヨン、ポリアミドの如き繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、現像ローラ6へのトナー8供給および未現像トナーの剥ぎ取りの点から好ましい。例えば、軸芯体上にポリウレタンフォームを設けた弾性ローラを用いることができる。
【0026】
このトナー塗布部材7の現像ローラ6に対する当接幅としては、1mm〜8mmが好ましく、また、現像ローラ6に対してその当接部において相対速度をもたせることが好ましい。
【0027】
本発明における塗料の製造方法は、例えば図3に示す装置を用いることができる。攪拌羽根が装備されたタンク201に分散する前の液を入れ、複数枚の羽202を備える回転軸203(以下場合により、ディスクという。)を内部に有する容器204(以下場合によりベッセルという。)にビーズメディアを入れ、回転軸を回転させながら該容器内にポンプ205を用いてタンクから配管を通って液を流す。ベッセル内で一部分散され配管を通ってタンクに戻り、またタンクからベッセルへさらにタンクへと液が流れ分散される。つまり循環式ビーズミル方式により、導電性カーボンブラックを分散させる。
【0028】
半導電性ローラ表面層の塗工方法として、浸漬、スプレー、ロールコート等が可能である。それらの中でも浸漬塗工すなわち、特開昭57−5047号公報に記載されているような浸漬槽上端から塗料をオーバーフローさせる方法は、ローラ表面層を形成する方法として簡便で生産安定性やコスト面に優れ、好ましい。
【0029】
図4は浸漬塗工装置の概略図である。D1は円筒形の浸漬槽であり、ローラ外径よりわずかに大きな内径を有し、ローラの軸方向長さより大きな深さを有している。浸漬槽D1の上縁外周には環状の液受け部が設けられており、撹拌タンクD2と接続されている。また浸漬槽D1の底部は液送ポンプD3と接続されている。
【0030】
撹拌タンクD2の塗料は、液送ポンプD3によって浸漬槽D1の底部に送り込まれる。浸漬槽の上端部からは、塗料がオーバーフローしており、浸漬槽D1の上縁外周の液受け部を介して撹拌タンクD2に戻る。
【0031】
また、本発明の現像装置は、少なくとも、一成分乾式トナーと、トナー(すなわち、トナー)を表面に担持する現像ローラと、現像ローラ上のトナー量を制御する規制ブレードを有するものである。本発明の現像ローラを用いることにより、良好な画像濃度を得られる。また、より良好な画像濃度を維持するため、トナーの体積平均粒径は3.0μm以上6.5μm以下であることが特に好ましい。
【0032】
ここで、トナーの体積平均粒径は、コールターマルチサイザー2(コールター社製)により以下の手段にて測定することができる。コールターマルチサイザー2に、個数分布および体積分布を出力するインターフェース(日科機製)ならびにパーソナルコンピューターを接続する。電解液として、一級塩化ナトリウムを用いて1質量%のNaCl水溶液を調製する。前記電解液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)1mlを加え、さらに測定試料を10mg加える。測定試料を懸濁した電解液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理する。前記超音波処理された電解液を測定サンプルとして、100μmのアパーチャーを採用する前記コールターマルチサイザーにより、1.59μmから64.00μmの範囲で16チャンネルの体積粒度分布を測定する。測定された50%D径を本発明におけるトナーの体積平均粒径とする。
【0033】
本発明に用いることのできるトナー粒子は例えば以下の方法で製造することができる。特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報、特開2006−106198号公報等に記載されている懸濁重合法を用いて直接トナー粒子を生成する方法。単量体には可溶で水溶性重合開始剤の存在下で直接重合させてトナー粒子を生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法。マイクロカプセル製法のような界面重合法、in site重合法による方法。コアセルベーション法による方法。特開昭62−106473号公報や特開昭63−186253号公報に開示されている少なくとも1種以上の粒子を凝集させ所望の粒径のトナー粒子を得る会合重合法による方法。単分散を特徴とする分散重合法による方法。非水溶性有機溶媒に必要な樹脂類を溶解させた後、水中でトナー粒子を得る乳化分散法による方法。加圧ニーダーやエクストルーダー又はメディア分散機を用いてトナー粒子成分を混練、均一分散した後、冷却し、混練物を機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突させて所望のトナー粒子の粒径に微粉砕し、更に分級工程を経てトナー粒子を製造する粉砕法。粉砕法で得られたトナー粒子を溶媒中で加熱により球形化処理し、トナー粒子を得る方法。なかでも、懸濁重合法、会合重合法、乳化分散法によるトナー粒子の製造が好ましく、小粒径のトナー粒子が容易に得られる懸濁重合方法がより好ましい。
【0034】
また、トナー粒子の形状は球形に近いことが好ましく、具体的にはトナー粒子の平均円形度(S)は、0.960≦S≦1.000であることが好ましい。トナーの平均円形度(S)の測定方法を以下に示す。本発明におけるトナー粒子の平均円形度とは、トナー粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではフロー式粒子像測定装置FPIA−2000型(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出した。
【0035】
【数1】

【0036】
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
【0037】
図5は、図6に示すプロセスカートリッジを用いた電子写真画像形成装置の概略構成を示す断面図である。図6のプロセスカートリッジは、現像ローラ6、トナー塗布部材7、トナー8及びブレードバイアスを印加する機構を有する規制ブレード(現像ブレード)9、感光体ドラム5、クリーニングブレード14、廃トナー収容容器13、帯電部材12を有する。そして図5の電子写真画像形成装置には図6のプロセスカートリッジ4が着脱可能に装着されている。
【0038】
図5の画像形成装置において、感光体ドラム5は矢印方向に回転し、感光体ドラム5を帯電処理するための帯電部材12によって一様に帯電され、感光体ドラム5に静電潜像を書き込む露光手段であるレーザー光11により、その表面に静電潜像が形成される。上記静電潜像は、感光体ドラム5に対して接触配置される現像装置10によってトナーを付与されることにより現像され、トナー像として可視化される。現像は露光部にトナー像を形成する反転現像を行っている。可視化された感光体ドラム5上のトナー像は、転写部材である転写ローラ17によって記録媒体である紙22に転写される。トナー像を転写された紙22は、定着装置15により定着処理され、装置外に排紙されプリント動作が終了する。一方、転写されずに感光体ドラム5上に残存した転写残トナーは、感光体表面をクリーニングするためのクリーニング部材であるクリーニングブレード14により掻き取られ廃トナー容器13に収納される。クリーニングされた感光体ドラム5は上述作用を繰り返し行う。現像装置10は、非磁性一成分トナーとして非磁性トナー8を収容した現像容器と、現像容器内の長手方向に延在する開口部に位置し感光体ドラム5と対向設置されたトナー担持体としての現像ローラ6とを備える。このような構成により現像装置10は感光体ドラム5上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。
【0039】
以下に本発明における、測定方法を示す。
【0040】
<半導電性ローラの表面粗さ測定方法>
以上により作製した半導電性ローラ表面層における最外層の表面粗さRaを、接触式表面粗さ計サーフコム480A(東京精密製)を用いて測定した。測定条件としては、JISB0601に準じ、半径2μmの触針を用い、押し付け圧0.7mN、測定速度0.3mm/sec、測定倍率5000倍、カットオフ波長0.8mm、測定長さ2.5mmで行った。ここでローラ軸方向における測定位置は弾性層両端部から中央に向かい30mmの位置を合わせて2箇所と、中央部を1箇所の計3箇所であり、それぞれ半導電性ローラの駆動側からP1、P3、P5とした。また、P1の位置で周方向に3箇所測定したRaの相加平均値をP1のRaとした。他P3、P5も同様にRaを測定した。
【0041】
<半導電性ローラの電気抵抗測定方法>
電気抵抗測定装置としては、図7に示されるような装置を用いる。測定装置、半導電性ローラは環境温度23℃、相対湿度55%に1日放置し、エージングしたものとする。半導電性ローラ6は、半導電性ローラの軸芯体の両端にそれぞれ4.9Nの荷重をかけて直径50mmの金属ドラム25に当接されている。そして、金属ドラム25を不図示の駆動手段により表面速度50mm/secで駆動することにより半導電性ローラ6は従動回転される。高圧電源HVから半導電性ローラの軸芯体に+50Vの電圧を印加する。金属ローラ25とグランドとの間に配設した既知の電気抵抗を有する抵抗器Rの両端の電位差をデジタルマルチメーターDMM(FLUKE社製 189TRUE RMS MULTIMETER)を用いて計測する。ここで抵抗器Rの電気抵抗は現像ローラの電気抵抗に対して2桁以上低く設定される。計測された、その電位差と抵抗器の電気抵抗から、現像ローラを介して金属ローラに流れた電流を計算により求め、その電流と印加電圧50Vから現像ローラの電気抵抗値を算出する。ここで、デジタルマルチメーターでの測定は、電圧印加2秒後から3秒間サンプリングを行い、その相加平均値から計算される値を半導電性ローラの抵抗値とする。
【0042】
<カーボンブラックの平均粒径>
カーボンブラックの平均粒径は以下の方法により求められる値とすることができる。
【0043】
まず、表面層を現像ローラから切り出し、切り出した表面層から超薄切片を作製し、観察用のサンプルとする。超薄切片の作製は、例えば結切片作製装置(ライカマイクロシステムズ(株);Leica EM FCS)を使用して行うことができる。具体的には−120℃以上−50℃以下の雰囲気下で、ディアトーム社製のダイヤモンドナイフ(Cryo dry 35°)を用いて、約50nmの厚みの超薄切片を作製する。作成した観察用サンプルをTEMで観察する。直接観察倍率は14万倍とする。撮影されたフィルムを2倍に拡大して現像し、最終的に、28万倍の写真を得る。
【0044】
該写真から、カーボンブラックの粒子500個を任意に選び出し、各々のカーボンブラック粒子について、その面積相当径(投影面積と等しい面積を持つ円の直径)を求める。
【0045】
この面積相当径の相加平均値を本発明におけるカーボンブラックの平均粒経とした。
【0046】
<カーボンブラックのDBP吸油量測定方法>
試料25gをシリンダーに入れ、ピストンを差し込み、油圧プレスで24000psi(1687Kg/cm2)の圧力を5秒間加える。この加圧後、試料を取り出し、1000μmの篩に移し、カーボンブラック塊をほぐして、篩を通過させる。この操作を4回繰り返して処理した試料をJIS K6217−4(2008)に準拠してDBP吸収量を測定した。
【実施例】
【0047】
(実施例1)
軸芯体16としてSUS304製の芯金にプライマー(商品名DY35−051,東レ・ダウコーニング社製 )を塗布、焼付けしたものを用いた。ついで、軸芯体16を金型に配置し、液状シリコーンゴム材料(商品名SE6724A/B,東レ・ダウコーニング社製 )100.0質量部に対し、以下の物質を混合した付加型シリコーンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入した。
・カーボンブラック(商品名トーカブラック#7360SB,東海カーボン社製) 35.0質量部。
・シリカ粉体(耐熱性付与剤として) 0.2質量部。
・白金触媒 0.1質量部。
【0048】
続いて、金型を加熱してシリコーンゴムを温度150℃、15分間加硫硬化し、脱型した後、さらに温度180℃、1時間加熱し硬化反応を完結させ、弾性層17を軸芯体16の外周に設けた。
【0049】
表面層の材料として、はじめに下記手順にてポリウレタンポリオールを合成した。ポリテトラメチレングリコール(商品名PTG1000SN,保土谷化学社製)100質量部に、イソシアネート化合物(商品名ミリオネートMT,日本ポリウレタン工業社製)23質量部をMEK溶媒中で段階的に混合した。続いて、窒素雰囲気下温度80℃にて6時間反応させて、重量平均分子量(Mw)20000、水酸基価18.2mgKOH/gのポリウレタンポリオールを得た。次に該ポリウレタンポリオール100質量部に対し、硬化剤(商品名コロネート2521,日本ポリウレタン工業社製)33.4質量部を混合して、次にカーボンブラック(商品名MA230,三菱化学社製)を30質量部混合した。そして総固形分比30質量部になるようにMEKに溶解、混合し、サンドミルにて均一に分散し、分散液1を得た。粒子として用いるアクリル粒子(商品名MX1500H,綜研化学社製)を風力分級機(EJ−L−3型,日鉄鉱業株式会社製)で分級し、コールターマルチサイザー2(コールター社製)による測定で体積平均粒径8.6μmとした。次に、これをステンレス製の容器の上に厚さ約2mmになるように均一に散布し、UV光源の紫外線強度を18mW/cm2とし、照射対象とUVランプの距離を10mmとし、UV処理を行なった。尚、粒子を均一に処理するためステンレス製容器を0.5cm/secで前後に移動させ、単位面積あたりのUV処理時間が120sec/cm2になるよう処理を行った。これを分散液の固形分100質量部に対して50質量部添加し、攪拌モーターで10分間攪拌し、表面層形成用塗料1を得た。次にこの表面層形成用塗料を前記弾性層上に浸漬塗工した後乾燥させ、温度150℃にて4時間加熱処理することで弾性層外周に表面層を設け、実施例1の現像ローラを得た。
【0050】
<画像出力試験方法>
キヤノン製プリンターLBP5500用のカートリッジを改造した。改造内容は以下の通りである。規制ブレードとして、厚み80μmのものを用い、特開2006−106198号公報に記載された重合方法により製造した体積平均粒径5.5μmのマゼンタトナーを充填した。得られた実施例1の現像ローラを組み込んで画像出力試験用カートリッジを作製した。プリンター(商品名:LBP5500、キヤノン株式会社製)に対して規制ブレードにブレードバイアスを印加できるように改造した。そこに先のプロセスカートリッジを組み込み、温度15℃/相対湿度9%(L/L環境)、温度30℃/相対湿度80%(H/H環境)の各環境に40日間放置し、その後各環境で画像出力試験を行った。ここでは、現像バイアスに対して−200Vのブレードバイアスを印加して1部印字率の画像を連続で7000枚画だし後、再度トナーを詰め替え、更に連続で7000枚画だしを行った。表面層粗さの測定を行った。各環境において、耐久初期、後半にかけて表面層からの粒子の脱落はみられず、画像濃度が良好であった。また、繰り返し画像出力前の表面層粗さは軸方向にむらがなく良好であった。評価結果を表1に示す。
【0051】
(実施例2)
粒子として用いるアクリル粒子(商品名MX1500H,綜研化学社製)を体積平均粒径が7.1μmとなるように分級して、これをステンレス製の容器の上に厚さ約2mmになるように均一に散布した。太さ60μmのタングステンワイヤーを張ったコロナ帯電器により印加電圧−6KV、総電流−200μAの放電条件でタングステンワイヤーと先のアクリル粒子の距離を約20mmに保ちつつコロナ放電処理を行った。尚、粒子を均一に処理するためステンレス製容器を0.5cm/secで前後に移動させ、単位面積あたりのUV処理時間が120sec/cm2になるよう処理を行った。それ以外は実施例1と同様にして実施例3の現像ローラを得た。評価結果を表1に示す。
【0052】
(実施例3)
粒子として用いるアクリル粒子(商品名MX1500H,綜研化学社製)を分級して体積平均径を7.1μmとした。上記ウレタン粒子を容器内に収納し、真空槽内を排気して670Paの真空状態となるよう、プラズマ形成用ガスとしてエチレンガスを流量50ml/分の割合で供給した。これを容器内に導入すると共に電源より電極板に20Wの電力を供給して容器内にエチレンガスのプラズマを形成した。同時に、モーターを駆動せしめて容器を例えば150r.p.m.の回転速度で回転させ、約2時間にわたり、プラズマを作用させてアクリル粒子の表面処理を行った。それ以外は実施例1と同様にして実施例3の現像ローラを得た。評価結果を表1に示す。
【0053】
(実施例4)
粒子の表面処理としてエキシマUV処理を行った以外は実施例1と同様にして実施例4の現像ローラを得た。尚、エキシマUV光源の紫外線強度を6.0mW/cm2とし、照射対象とエキシマUVランプの距離を2mmとし、エキシマUV処理を行なった。評価結果を表1に示す。
【0054】
(実施例5)
表面層樹脂としてアクリル樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして実施例5の現像ローラを得た。評価結果を表1に示す。
【0055】
(実施例6)
表面層樹脂としてポリイミド樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして実施例6の現像ローラを得た。評価結果を表1に示す。
【0056】
(実施例7)
表面層樹脂としてメラミン樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして実施例7の現像ローラを得た。評価結果を表1に示す。
【0057】
(実施例8)
表面層樹脂としてポリアミド樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして実施例8の現像ローラを得た。評価結果を表1に示す。
【0058】
(実施例9)
表面層樹脂としてエポキシ樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして実施例9の現像ローラを得た。評価結果を表1に示す。
【0059】
(実施例10)
粒子として、体積平均粒径3.0μmであるシリコーン樹脂粒子(商品名トレフィルE500,東レ社製)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例10の現像ローラを得た。評価結果を表1に示す。
【0060】
(実施例11)
粒子として、体積平均粒径10.0μmであるフェノール樹脂粒子(商品名ユニベックスC−10,ユニチカ社製)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例11の現像ローラを得た。評価結果を表1に示す。
【0061】
(実施例12)
粒子として、体積平均粒径10.0μmであるシリカ粒子(商品名サイロスフェアC−1510,富士シリシア)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例12の現像ローラを得た。評価結果を表1に示す。
【0062】
(実施例13)
下記の要領で本発明の帯電部材としての帯電ローラを作成した。原料コンパウンドは以下の材料を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練し、調整した。
・エピクロルヒドリンゴム
(商品名:エピクロマーCG102、ダイソー(株)製) 100質量部
・炭酸カルシウム 30質量部
・カーボンブラック(商品名:シーストSO、東海カーボン(株)製) 5質量部
・酸化亜鉛 5質量部
・ステアリン酸 2質量部
・DOP 10質量部
・過塩素酸ナトリウム塩 3質量部
・2−メルカプトベンズイミダゾール 1質量部
このコンパウンドに加硫促進剤としてのDM1部、加硫促進剤としてのTS0.5部、加硫剤としての硫黄1部を加えて更に15分間オープンロールで混練した。得られたコンパウンドをゴム押し出し機を使用して、熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20)を塗布した直径6mm、長さ250mmの円柱形の導電性支持体(SUS304製)の周囲にローラ状になるように成形した。その後、電気オープンの中で160℃で2時間加熱し、加硫及び接着剤の硬化を行った。その後、ゴム部分の両端部を突っ切り、ゴム部分を回転砥石で研磨し、端部直径12.00mm、中央部直径12.10mmのクラウン形状の弾性層を得た。また、この弾性層のJIS−A硬度は55度であった。次に、実施例1と同様の表面層塗料を用い、浸漬塗工により前記弾性層の表面に塗工し、30分間風乾した後、120℃で120分間乾燥した。こうして完成したローラを、実施例13の帯電ローラとした。なお、帯電ローラの10点平均粗さRz(JIS B0601)は15μmであり、表面層のマイクロ硬度(JIS−A)は42度であった。
【0063】
(実施例14)
マゼンダトナーの体積平均粒径を3.0μmとした以外は同様にして実施例1の現像ローラの評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0064】
(実施例15)
マゼンダトナーの体積平均粒径を6.5μmとした以外は同様にして実施例1の現像ローラの評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0065】
(実施例16)
トナー規制ブレードとしてSUSブレードを用い、現像ローラに対する線圧を0.15N/cmとした。更に、この規制ブレードにブレードバイアスを印加できるように改造した以外は同様にして実施例1の現像ローラの評価を行った。
【0066】
(比較例1)
粒子として実施例1と同様のアクリル粒子(商品名MX1500H,綜研化学社製)を用い、粒子の表面処理を行わない以外は実施例1と同様にして比較例1の現像ローラを得た。評価結果を表1に示す。
【0067】
以下に本発明における評価基準を示す。
【0068】
<濃度低下の評価>
反射式濃度計TC−6DS/A((有)東京電色製)を用いて、反射濃度を測定した。画像上で測定した10点の算術平均値を画像濃度の値とした。
【0069】
下記式により耐久初期、14000枚画だし後の画像濃度差を求め、下記基準で評価した。
【0070】
画像濃度差=耐久初期濃度−14000枚画だし後の濃度
A :0.05未満。
【0071】
B :0.05以上0.10未満。
【0072】
C :0.10以上0.20以下。
【0073】
D :0.20超。
【0074】
<表面層粗さRaの評価>
50本連続浸漬塗工を行い、製造した半導電性ローラを前述の方法により測定した。半導電性ローラ1本のRaを、P1、P3、P5の表面粗さRaの平均値(9点測定平均)とした。次に、以下の基準で評価した。
【0075】
Ra(平均値)において、
A :1.4μm超。
【0076】
B :1.1μm以上1.4μm以下。
【0077】
C :1.1μm未満。
【0078】
以上、実施例範囲はランクA、ランクBとする。
【0079】
【表1】

【符号の説明】
【0080】
1 軸体
2 弾性層
3 表面層
6 現像ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸芯体の周囲に形成された弾性層の表面に結着樹脂と粗し粒子とを含む表面層形成用の塗料を塗布する工程を有している半導電性ローラの製造方法において、該粗し粒子が、UV処理、コロナ処理およびプラズマ処理から選ばれる少なくとも1つの表面処理を施されたものであることを特徴とする半導電性ローラの製造方法。
【請求項2】
前記表面処理がエキシマUV処理である請求項1に記載の半導電性ローラの製造方法。
【請求項3】
前記結着樹脂がウレタン樹脂である請求項1または2に記載の半導電性ローラの製造方法。
【請求項4】
前記粗し粒子がアクリル粒子である請求項1乃至3の何れか一項に記載の半導電性ローラの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−230824(P2010−230824A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76293(P2009−76293)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】