説明

半導電性部材及びそれを有する現像ロール、帯電ロール、転写ベルト

【課題】部位によるバラツキがなく、安定した帯電性を有する半導電性部材の提供。
【解決手段】一般式 (M)n・X で表されるアルカリ金属塩を表面層中に含有することを特徴とする半導電性部材。[但し、nはXのアニオン価数に等しく、MはNa、K、Liであり、XはCl,Br,I,F,CHCOO,CFCOO,CH(COOH)CHCOO,(CHCOO,CH(COOH)CHCOO,(CHCOO,(HOOC)Ar(COO),Ar(COO,(HOOC)Ar(COO),(HOOC)Ar(COO,Ar(COO,(HOOC)Ar(COO),(HOOC)Ar(COO,(HOOC)Ar(COO,Ar(COO,Ar−SO,Ar(SO、アクリル酸アニオンユニットを有するオリゴマーまたはポリマー、メタクリル酸アニオンユニットを有するオリゴマーまたはポリマーであり、Arはベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニルである。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導電性部材、特に電子写真方式の画像形成装置における現像ロール、帯電ロール、転写ベルトに関し、さらに詳しくは、適度な体積抵抗率を有し、体積抵抗率の分布が均一でバラツキが小さく、体積抵抗率の湿度依存性が小さく、さらに高電圧を繰り返し印加しても体積抵抗率の変化が少ない半導電性部材であって、特に電子写真方式の画像形成装置における現像ロール、帯電ロール、帯電ベルト、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気・電子機器の分野において、静電気を精密に制御することができる樹脂材料が求められている。例えば、電子写真方式の複写機やファクシミリ、レーザービームプリンターなどの画像形成装置においては、帯電、露光、現像、転写、定着、除電の各工程を経て、画像が形成されている。これら各工程では、静電気を精密に制御することが必要である。
電子写真方式の画像形成装置においては、一般に、感光体ドラム表面を均一かつ一様に帯電する工程、露光により感光体ドラム表面に静電潜像(静電荷像)を形成する工程、現像剤(トナー)によって静電潜像を可視像(トナー像)に現像する工程、感光体ドラム上のトナーを転写材(例えば、転写紙)上に転写する工程、転写材上のトナーを加圧加熱して融着する定着工程、及び感光体ドラム上に残留するトナーを清掃するクリーニング工程、などの各工程によって、画像が形成されている。
【0003】
このような画像形成装置に装着されている帯電ロール(またはベルト)、現像ロール、トナー層厚規制ブレード、転写ベルトなどには、その表面層が半導電性であること、具体的には、107〜1011Ωm程度の体積抵抗率を有することが要求されている。例えば、帯電ロールを用いた帯電方式では、電圧を印加した帯電ロールを感光体ドラムに接触させることにより、感光体ドラム表面に直接電荷を与えて、一様かつ均一に帯電させている。現像ロールを用いた現像方式では、現像ロールとトナー供給ロールとの間の摩擦力により、トナーを現像ロールの表面に帯電状態で付着させ、これをトナー層厚規制ブレードで一様にならした後、感光体ドラム表面の静電潜像に対して電気吸引力により飛翔させて現像している。転写ベルトを用いる転写方式では、転写ベルトにトナーと逆極性の電圧を印加して電界を発生させ、該電界の静電気力によって感光体上のトナーを転写材上に転写させている。
【0004】
したがって、画像形成装置における現像ロール等の各部材には、適度の範囲の低い体積抵抗率を有する半導電性であることが要求される。その体積抵抗率は、分布が均一であることが必要であり、場所的に体積抵抗率が異なると、高品質の画像を得ることができない。例えば、帯電ロールの体積抵抗率の分布が均一でなければ、感光体ドラム表面を一様かつ均一に帯電させることができず、画像の品質が低下する。また、これらの部材には、高電圧が繰り返し印加されるが、それによって体積抵抗率が大きく変動すると、安定して高品質の画像を得ることができない。湿度や温度の変化によって、これらの部材の体積抵抗率が大きく変動すると、やはり安定して高品質の画像を得ることができない。温度の変化に対しては、装置をウォーミングすることにより対処することが可能であるが、通常の使用環境下では、湿度の変化に対処することは難しい。
【0005】
従来、高分子材料やその成形品の電気抵抗率を調整する方法としては、(1)成形品の表面に有機系帯電防止剤を塗布する方法、(2)高分子材料に有機系帯電防止剤を練り込む方法、(3)高分子材料にカーボンブラックや金属粉などの導電性フィラーを練り込む方法、及び(4)高分子材料に電解質を練り込む方法が知られている。
【0006】
しかしながら、(1)の方法は、成形品表面を拭いたり洗浄したりすることによって、帯電防止剤が容易に脱落するため、長期間の帯電防止効果が期待できない。(2)の方法では、有機系帯電防止剤として、界面活性剤や親水性樹脂を用いている。界面活性剤を用いる方法では、成形品表面から界面活性剤をブリードアウトさせることにより、帯電防止性を付与する機構を採用しているため、温度や湿度などの環境の変化によって、電気抵抗率や帯電防止性が大きく変化する。親水性樹脂を用いる方法では、所望の帯電防止効果を得るには、親水性樹脂を多量に配合する必要があるため、高分子材料本来の良好な物性を維持することが困難であったり、また、電気抵抗率や帯電防止性の湿度依存性が大きいという問題がある。
【0007】
前記(3)の方法は、多くの分野で採用されている。例えば、帯電ロールは、高分子材料に導電性フィラーを練り込んだ半導電性高分子複合材料(組成物)を芯金上に被覆して形成されている。しかしながら、高分子材料中に導電性フィラーを分散させて半導電性とした複合材料は、一般に、体積抵抗率の分布が極めて不均一で、そのバラツキは、多くの場合、数桁に上るものであり、実用性能上問題があった。しかも、高分子材料中に導電性フィラーを分散させた複合材料は、一般に耐電圧が充分ではなく、高電圧を繰り返し印加する用途には必ずしも適さない。また、導電性フィラーを用いて必要とされる半導電性の水準を達成するには、その充填量を多くする必要があり、そのため、高分子複合材料の成形加工性や機械的強度が低下したり、あるいは硬度が高くなりすぎたりするという問題が生じる。
【0008】
前記(4)の方法では、高分子材料に塩化リチウムや塩化カリウムなどのアルカリ金属塩(電解質)を練り込み、Li+やK+などの金属イオンにより電気抵抗率を低下させている(特許文献1参照)。しかし、この方法でアルカリ金属塩として使用している無機金属塩は、樹脂との親和性に乏しいため、凝集物による不均一存在などにより所望の抵抗が得られないといった問題があった。この凝集物を樹脂に溶解させるために、混練温度を上げたり、混練時間を長くしたりすると、樹脂または無機金属塩が分解して、実用的な機械物性や外観を損なうので、解決にはならなかった。Li塩のような潮解性のある金属塩の場合、多量に充填すると、高分子複合材料が吸湿性を持つようになるため、湿度の変化によって体積抵抗率が大きく変化したり、ブリードアウトした金属塩の潮解物により成形品の表面がべとつくという問題がある。
【特許文献1】特公昭63−14017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は上記した如き問題点を解消し、部位によるバラツキのない安定した帯電性と高い耐電圧を有する中抵抗の表面層を有する半導電性部材を提供することにある。
なお、本発明における半導電性とは体積抵抗率10〜1011Ωmであること意味するものとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明は次の構成からなる。
(1)下記一般式(1)で表されるアルカリ金属塩を表面層中に含有することを特徴とする半導電性部材。
(M)n・X ・・・ (1)
但し、
nはXのアニオン価数に等しい。
M:Na、K、Li
X:Cl,Br,I,F,CHCOO,CFCOO,CH(COOH)CHCOO,(CHCOO,CH(COOH)CHCOO,(CHCOO,(HOOC)Ar(COO),Ar(COO,(HOOC)Ar(COO),(HOOC)Ar(COO,Ar(COO,(HOOC)Ar(COO),(HOOC)Ar(COO,(HOOC)Ar(COO,Ar(COO,Ar−SO,Ar(SO、アクリル酸アニオンユニットを有するオリゴマーまたはポリマー、メタクリル酸アニオンユニットを有するオリゴマーまたはポリマー
Arはベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環を表す。
(2)表面に微粒子が固定化されており、該微粒子の平均粒子径が0.05〜1.0μmであることを特徴とする(1)に記載の半導電性部材。
(3)上記微粒子がカーボンブラックであることを特徴とする(2)記載の半導電性部材。
(4)上記カーボンブラックがその表面に少なくともカルボン酸アルカリ金属塩またはスルホン酸アルカリ金属塩を有することを特徴とする(3)記載の半導電性部材。
(5)上記半導電性部材が部材をアルカリ金属塩溶液に浸漬またはアルカリ金属塩溶液の塗布後、乾燥処理されて得られたことを特徴とする(1)〜(4)の何れかに記載の半導電性部材。
(6)上記アルカリ金属塩溶液の溶媒が、水と沸点が100℃以下の水溶性有機溶媒との混合物であることを特徴とする(5)記載の半導電性部材。
(7)(1)〜(6)の何れかに記載の半導電性部材を有する現像ロール。
(8)(1)〜(6)の何れかに記載の半導電性部材を有する帯電ロール。
(9)(1)〜(6)の何れかに記載の半導電性部材を有する転写ベルト。
(10)(7)〜(9)に記載の現像ロール、帯電ロール、転写ベルトの何れかを有した画像形成装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明の半導電性部材は部位によるバラツキがなく、安定した帯電性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
通常、部材の材料としては各種合成ゴムが用いられるがウレタンゴムやシリコーンゴムが各種合成ゴムの中でも、低硬度性、耐摩耗性、耐圧縮歪み性などが優れ、強力なゴム状弾性体であることが知られており、接触現像用装置に用いられる現像ロール被覆層として強度及び硬度の面からみるとウレタンゴムが最適のものと考えられていた。しかし、このウレタンゴムの体積抵抗を調整するためにカーボンブラックなどを分散すると、抵抗のバラツキや高硬度化といった不都合が生じるものであった。
【0013】
そこで、本発明者らが鋭意検討したところ、下記一般式(1)で示されるアルカリ金属塩を含有させることでゴム硬度や強度とはほぼ独立に抵抗調整ができ、しかも部位による抵抗のバラツキがほとんどない被覆層をもった現像ロールが得られることを知見した。尚、このウレタンゴムロールは静電記録装置のロール例えば帯電ロール等にも用いられる。
【0014】
(M)n・X ・・・ (1)
但し、
nはXのアニオン価数に等しい。
M:Na、K、Li
X:Cl,Br,I,F,CHCOO,CFCOO,CH(COOH)CHCOO,(CHCOO,CH(COOH)CHCOO,(CHCOO,(HOOC)Ar(COO),Ar(COO,(HOOC)Ar(COO),(HOOC)Ar(COO,Ar(COO,(HOOC)Ar(COO),(HOOC)Ar(COO,(HOOC)Ar(COO,Ar(COO,Ar−SO,Ar(SO、アクリル酸アニオンユニットを有するオリゴマーまたはポリマー、メタクリル酸アニオンユニットを有するオリゴマーまたはポリマー
Arはベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環を表す。
上記のアクリル酸アニオンユニット、メタクリル酸アニオンユニットとは、例えばアクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウムの単量体を重合させた場合に、その単量体由来ユニットが解離して生じるアニオン種を指す。オリゴマーやポリマーにする方法は一般的なラジカル重合法が用いられ、アニオンへの変換はアクリル酸やメタクリル酸ユニットを中和することでも得られる。
【0015】
更に、アルカリ金属塩として一般式(1)におけるアルカリ金属塩のM及びXが下記の何れかであることがより好ましい。
M:Na+、K+、Li+
X:Cl,Br,I,F
【0016】
これらアルカリ金属塩の添加量は多すぎるとゴム内部や表面で結晶化が進行しやすく他の部材汚染などの不具合を生じて所望の特性を発現できない。
特にナトリウム元素と塩素元素を同時に含み、エネルギー分散型X線分析(加速電圧25eV)による夫々の検出強度が下記の範囲であるようにすることが好ましい。
Na/C:0.0008から0.07
Cl/C:0.0009から0.01
【0017】
更には、特に上記1)のアルカリ金属塩の溶液(水またはアルコールなどの水溶性有機溶媒との混合液)にロールを浸漬する、またはロールに塗布や吹き付ける場合には、上記3)で示されるようにロール表面に微粒子が固定化されているとより好ましい。
アルカリ金属塩の溶液を形成するための溶媒としては、浸漬後に乾燥によって溶媒を除去する操作を容易にするために水と沸点が100℃以下の水溶性有機溶媒との混合物であることが好ましい。この様な水溶性有機溶媒としては、メタノール(65℃)、エタノール(78℃)、イソプロピルアルコール(83℃)、アセトン(56℃)、メチルエチルケトン(80℃)、テトラヒドロフラン(66℃)などを挙げることができる。
【0018】
該微粒子としては、有機粒子としてはアクリル樹脂系微粒子、ポリエステル樹脂系微粒子、ポリウレタン樹脂系微粒子を挙げることができ、無機粒子としてはカーボンブラック、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子を挙げることができる。これらは単独で用いても良いし複数種を用いても良い。また、例えばシリカの表面を樹脂コートすることによって得られる無機物と有機物とのハイブリッド粒子でもよい。
中でも、微粒子としてはゴムとの馴染みやすさなどの点でカーボンブラックが適しており、その表面にカルボン酸またはスルホン酸のアルカリ金属塩を有するとより好ましい。
微粒子の平均粒子径は0.05〜1.0μmであることが好ましい。平均粒子径の測定は一般的なSEM観察、レーザー光を利用した光散乱や回折を利用する方法によって行うことができる。
【0019】
以下に具体例に基づいて本発明を説明する。
<現像ロールの製造法>
現像ロールの代表的な製造法を以下説明する。
芯金シャフト表面に、導電性のゴム弾性層好ましくはウレタン弾性層を形成し、その弾性層の表面を後述する表面処理液で処理する。芯金シャフトはロールの使用に耐えうるものであれば金属、樹脂または金属と樹脂のハイブリッド構造の何れでも良い。その芯金表面に形成される導電性ウレタン弾性体は、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールより選ばれる1種または2種以上のポリオール混合物とイソシアネートとを反応させて得られる。上記の混合物にはポリイソシアネートやポリウレタン製造に通常用いられる触媒や助剤などの他、導電性を調整する添加剤を加えることもできる。これらの混合物を室温以上の温度で加熱しウレタン反応を進行させることで導電性ウレタン弾性体を得ることができる。
【0020】
当該ポリエーテルポリオ−ルあるいはポリエステルポリオールは、前記現像ロールの弾性体層を形成するポリウレタン弾性体を調製し得るものであるならば、どのようなものでもよい。そのポリエーテルポリオ−ルとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール−エチレングリコールあるいはそれらのブレンドなどとして知られているポリアルキレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、テトラヒドロフランとアルキレンオキサイドとの共重合ポリオール、それらの各種変性体あるいはそれらのブレンドなどが例示できる。
【0021】
前記ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸等のジカルボン酸とエチレングリコールなどのポリオールとの縮合により得られる縮合系ポエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールあるいはそれらのブレンド等が挙げられる。
前記ポリイソシアネートは、ポリウレタン弾性体調製に際して常用されるものであればどのようなものでもよいのであるが、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、それらのプレポリマーまたは変性物、あるいはそれらのブレンドなどが挙げられる。
前記助剤としては、たとえば鎖延長剤、架橋剤などが挙げられる。具体的には、グリコール類、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、アミン類が例示される。
【0022】
ここで、導電性を有するポリウレタンゴムとしては、導電性カーボンブラックを少なくとも一種添加して導電性を付与した電子導電性のもの、又は過塩素酸リチウムなどのイオン導電剤の少なくとも一種を添加したイオン導電性のもの、又は電子導電性及びイオン導電性の両者を付与したハイブリッドタイプのものを挙げることができ、特に限定されない。
前記導電性ウレタン弾性体を調製するための混合物内には、シロキサン結合を有する化合物が含まれていてもよい。前記シロキサン結合を有する化合物は、ジメチルシロキサン結合を有する化合物などが例示でき、例えば、ジメチルシロキサン結合を含むイソシアネート化合物あるいはジメチルシロキサン結合を含むポリオールが挙げられる。具体的には、東レ・ダウコーニング社製の商品名SF8427やSF8428が例示できる。
【0023】
これらの化合物を自体公知の混合装置にて十分に混合した後、公知の成形方法を使用して、芯金表面に弾性体層を形成させることができる。たとえば、本発明では、公知のワンショット法あるいはプレポリマー法を採用して弾性体層を形成させることができる。この弾性体の硬度は55°(JIS A)以下、好ましくは25ないし50°(JIS A)以下が良い。硬度が55°(JIS A)を越えるとOPCとの均一な接触面を得るための軸調整が困難になる等の欠点があり、好ましくない。
【0024】
この芯金表面に形成された弾性体表面を、特定のポリイソシアネートを含む溶液にて表面処理する。この溶液に存するポリイソシアネートは、ジメチルシロキサン結合単位が10ないし70重量%含むポリイソシアネートである。好適なポリイソシアネートとしては、両末端にイソシアネート基を有し、それらのイソシアネート基の間にジメチルシロキサン結合単位が連続してあるいは他の結合単位を介して10ないし70重量%存在するポリイソシアネートが例示できる。このジメチルポリシロキサン結合単位が10重量%未満であるとOPC汚染を引き起こしやすくなり、前記結合単位が70%を超えると現像ロールの表面の摩擦係数が増大し、ロール表面が摩耗されやすくなるという欠点が生じる。
【0025】
該ポリイソシアネートの製法は、自体公知の方法を採用することができるが、例えば、ジメチルポリシロキサンあるいは必要に応じて任意のポリオールを加えた混合物に、ジイソシアネートあるいはトリイソシアネートを当量以上添加して混合物を調製し、次いで該混合物を加熱する方法が例示できる。
かくして得られたポリイソシアネートを有機溶媒に添加・混合し、溶液とすることが望ましい。前記有機溶媒としては、非プロトン性極性溶媒が好ましく、特に酢酸エチル、ジメチルホルムアミドあるいはそれらの混合物が好適である。そして、前記表面処理液の粘度を10ないし500c.p.となるように、有機溶媒の量などを調整すると効果的である。この溶液には、各種の自体公知の添加剤を配合することができる。添加剤の例としては、例えば、現像ロールにおいて常用される配合剤あるいはポリウレタン形成反応に際して常用される助剤等が例示できる。
【0026】
この溶液を用いて、前記導電性ウレタン弾性体を表面処理する方法は、特に限定されない。たとえば、前記弾性体をその表面処理液内に浸漬し、次いで加熱処理をする方法、前記表面処理液を弾性体表面に塗布し、次いで加熱する方法などが好適である。前記塗布する手段としては、スプレーコート法、ロールコート法等が例示できる。
この表面処理によって、該ウレタン弾性体は、高硬度な表面となることが好ましい。例えば硬度が、70°(JIS A)以上であると、OPC汚染の防止がより一層効果的となる。この表面処理により表面より1mm程度まで溶液が浸透していることが好ましい。
この処理液に前記弾性体を浸漬する場合について、さらに具体的な処理条件を説明すると、処理液の温度は、10ないし40℃、特に15ないし25℃に設定しておくことが好ましい。浸漬する時間は、処理液の粘度等にもよるが10分以内、好ましくは5分以内、さらに好ましくは3分以内2秒以上がよい。この時間の範囲をはずれると、表面処理層が粘着性を帯びていたり、表面処理層のヒビ割れが起こりやすくなり、優れた効果をもたらさなくなる。
【0027】
本発明の現像ロールは表面平均粗さ(Rz)を、12μm以下に調整することが好ましい。ロールの表面が粗く、特にロールの表面平均粗さが12μmを超えると、摩擦帯電が不均一となり、得られる画像の濃度ムラやカブリなどの問題が生じてくる。また、本発明の現像ロールの体積抵抗値は、8×104ないし1×108Ωの範囲に設定されることが、良好な画像を得るためにも望ましい。
【0028】
本発明によれば、弾性体表面に表面処理液を浸漬させ、あるいは塗布させ、加熱するという、極めて簡単な操作により、OPC汚染を好適に回避することができる現像ロールを提供することができる。
【0029】
また、ゴム弾性層の表面は、上述したようにイソシアネート化合物を含浸させて硬化させたイソシアネート処理により表面処理されているのが好ましい。ここで、使用する表面処理液は、イソシアネート化合物を有機溶剤に溶解させたもの、さらには、これにカーボンブラックを添加したものを用いることができる。また、アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーから選択される少なくとも1種のポリマーと、導電性付与剤と、イソシアネート成分とを含有する表面処理液を用いることもできる。
【0030】
ここで、このようにゴム弾性層の表面に、イソシアネートを含む表面処理液により表面処理された表面処理層が設けられる場合には、この表面処理により、所定の表面状態と摩擦係数が得られると共に、電気抵抗値にバラツキが小さくなり、所定の電気抵抗値を有する現像ロールを得られるようになるという効果も奏する。すなわち、ゴム弾性層が電子導電性又はハイブリッド対応の場合には、表面処理層が形成されたゴム弾性層の表層領域のカーボンブラックのストラクチャーが表面から内方に亘って徐々に切断されて電気抵抗値が徐々に小さくなるように傾斜した傾斜抵抗層が形成されており、カーボンブラックの添加量と傾斜抵抗層とを適宜設定することにより、所定の電気抵抗値が得られるようになる。
【0031】
このように表面処理により傾斜抵抗層を形成する場合に本発明のゴム弾性層に添加するカーボンブラックは、通常、充填剤として使用されるカーボンブラックではなく、導電性カーボンブラックを主体として使用する。導電性カーボンブラックは添加量のバラツキにより発現する電気抵抗値が大きく変化するので、従来、使用が敬遠されていたが、本発明では、導電性カーボンブラックを添加した導電性ポリウレタンに所定の表面処理を行って、表面処理された領域のカーボンブラックのストラクチャーを切断して傾斜抵抗層を形成するようにすることにより、狙いの電気抵抗値が安定して得られるようになった。なお、導電性カーボンブラックは、それ単独で用いてもよいが、通常のカーボンブラックを併用してもよい。なお、ゴム弾性層に添加する導電性のカーボンブラックは、ポリウレタンの原料、好ましくはポリオールと均一に分散するのが好ましく、平均粒子径が20μm以下となるように分散させた状態で使用するのが好ましい。
【0032】
なお、カーボンブラックの添加量は、目的とする電気抵抗値によって異なるが、エーテル系ポリオール100重量部に対して8重量部以下とするのが好ましい。これより多く添加すると、成形が困難になるからである。
また、ゴム弾性層の圧縮永久ひずみ(JIS K6262)は、5%以下となるようにするのが好ましい。これより大きくなると、帯電量にバラツキが生じてしまうからである。
【0033】
<アルカリ金属塩含有層の形成>
上記のようにして得られた現像ロールをアルカリ金属塩の溶液中に浸漬するか、アルカリ金属塩の溶液を塗布又は吹き付けることによって現像ロール表面にアルカリ金属塩含有層を形成する。
【0034】
本発明では、上記ロールが所望の機能を安定して発現するように鋭意検討したところ、特にロール表面の特徴が下記1)〜4)の時により好ましいことが判明した。
1)前記一般式(1)で示されるアルカリ金属塩において、ナトリウム元素と塩素元素とを同時に含み、エネルギー分散型X線分析による夫々の検出強度が下記の範囲であること。
Na/C:0.0008から0.07
Cl/C:0.0009から0.01
2)部材の表面に微粒子が固定化されており、その平均粒子径が0.05〜1.0μmであること。
3)前記微粒子がカーボンブラックであること。
4)前記カーボンブラックがその表面に少なくともカルボン酸アルカリ金属塩またはスルホン酸アルカリ金属塩を有すること。
上記4)の状態を形成する方法としては、カーボンブラックの表面を化学的に処理し、上記のカルボン酸アルカリ金属塩またはスルホン酸アルカリ金属塩を形成させる方法、及びカーボンブラックを分散させる際の分散剤としてカルボン酸アルカリ金属塩またはスルホン酸アルカリ金属塩を用いる方法を挙げることができる。
【0035】
次に後述する実施例及び比較例の現像ロールの評価に用いたレーザープリンタ100(以下、単にプリンタ100という)について説明する。
まず、プリンタ100の基本的な構成について説明する。図1は、プリンタ100を示す概略構成図である。図2に示すように、プリンタ100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を形成するための4つのプロセスカートリッジとしてのプロセスユニット1Y,M,C,Kを備えている。これらは、現像剤として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kは同様の構成となっているので、図2では、プロセスユニット1についてY,M,C,Kを省略して説明する。
【0036】
図2は、プロセスユニット1の概略説明図である。各プロセスユニット1は、潜像担持体であるドラム状の感光体2、感光体クリーニング装置3、除電装置(不図示)、帯電ローラ4、現像装置5等を備えている。プロセスユニット1は、プリンタ100本体に着脱可能であり、プリンタ100から不意の脱落を防止するストッパーを解除することにより一度に消耗部品を交換できるようになっている。
【0037】
感光体2は、後述する駆動手段により、図中時計回り方向に150[mm/sec]の線速で回転駆動される。帯電ローラ4は、感光体2の表面にあっ接されており、感光体2の回転により従動回転している。また帯電ローラ4には、図示しない高圧電源回路によって高電圧が印加され、感光体2の表面を−500[V]に帯電している。
露光手段である光書込ユニット70は、感光体2に対して画像情報を露光し、静電潜像を形成する。光書込ユニット70には、レーザーダイオードを用いたレーザービームスキャンや、LED等が用いられる。
【0038】
現像装置5は一成分接触現像であり、現像装置5が備える現像剤担持体である現像ロール11には不図示の高圧電源から所定の現像バイアスが供給され感光体2上の静電潜像をトナー像として顕像化する。そして、後述する中間転写ベルト16上に中間転写される。感光体クリーニング装置3は、クリーニングブラシやクリーニングブレードを感光体2の表面に摺擦させることで、中間転写工程を経た後の感光体2表面に付着している転写残トナーを除去する。
【0039】
不図示の除電装置は、クリーニング後の感光体2の残留電荷を除電する。この除電により、感光体2の表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
各プロセスユニット1は、中間転写ベルト16の表面移動方向の並列に4つ配置され、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの順で可視像を形成する。一次転写ローラ19には、一次転写バイアスが印加され、感光体2の表面のトナー像は中間転写ベルト16表面に転写される。中間転写ベルト16は、不図示の駆動モータによって図1中矢印方向に無端移動されるようになっており、各色の可視像がその表面に順次転写され、重ねられることによりフルカラー画像を形成する。
【0040】
中間転写ベルト16上に形成されたフルカラー画像は、二次転写ローラ20と二次転写部対向ローラ18との対向部である二次転写ニップに到達する。そして、二次転写ローラ20に所定の電圧が印加されることにより、記録体である用紙Pに転写される。画像が転写された用紙Pは、定着装置34へ搬送され、その表面にフルカラー画像が定着され、筐体の上カバー50の上面であるスタック部にスタックされる。
二次転写ニップで用紙Pに転写されず、中間転写ベルト16上に残留したトナーは、転写ベルトクリーニング装置21によって回収される。
【0041】
現像装置5は、不図示の非磁性一成分現像剤であるトナーを収容する縦長のトナー収容室6と、トナー収容室6の下方に配設されたトナー供給室7とを有している。トナー供給室7の下部には、現像剤担持体としての現像ロール11と、現像ロール11に当接して設けられた現像剤規制部材としての薄層化ブレード12とを備える。さらに、現像ロール11に当接し、現像ロール11に現像剤を供給する供給ローラ15を備える。現像ロール11は、感光体2に接触して配置され、不図示の高圧電源から所定の現像バイアスが印加される。
【0042】
トナー収容室6内には、トナー攪拌部材8が設けられ、反時計回りの方向に回転することによって収容されたトナーを流動させ、開口部9を通ってトナー供給室7への落下移動を促進する。また、図2に示すように、開口部9を有し、トナー収容室6とトナー供給室7とを仕切る仕切り壁、及び、開口部9を通過するトナーを誘導するトナー誘導部材14は供給ローラ15の上方に設けられている。トナー誘導部材14と供給ローラ15との最近接距離は、0[mm]よりも大きく、5[mm]よりも小さいことが望ましい。
【0043】
供給ローラ15の表面には、空孔(セル)を有した構造の発泡材料が被覆されており、トナー供給室7内に運ばれてきたトナーを効率よく付着させて取り込むと共に、現像ロール11との当接部での圧力集中によるトナー劣化を防止している。なお、供給ローラ15の発泡材料は1×10〜1×1014[Ω]の電気抵抗値に設定される。
供給ローラ15には、現像バイアスに対してトナーの帯電極性と同方向にオフセットさせた値の供給バイアスが印加される。この供給バイアスは、現像ロール11との当接部で予備帯電されたトナーを現像ロール11に押し付ける方向に作用する。
ただし、オフセットの方向はこれに限ったものではなく、トナーの種類によってはオフセットを0もしくはオフセットの方向を変えてもよい。
【0044】
供給ローラ15は反時計回りの方向に回転し、表面に付着させたトナーを現像ロール11の表面に塗布供給する。現像ロール11には、弾性ゴム層を被覆したローラが用いられ、さらに表面にはトナーと逆の極性に帯電し易い材料からなる表面コート層が設けられる。弾性ゴム層は、感光体2との接触状態を均一に保つ為に、その硬度はMD−1硬度で65[°]以下の硬度に設定され、さらに現像バイアスを作用させる為に、1×10〜1×1010[Ω]の電気抵抗値に設定される。表面粗さはRaで0.2〜2.0[μm]に設定され、のトナーが表面に保持される。現像ロール11は反時計回りの方向に回転し、表面に保持したトナーを現像ロール11と薄層化ブレード12との対向位置、さらに、現像ロール11と感光体2との対向位置へと搬送する。
【実施例】
【0045】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0046】
[実施例1〜15]
〈ロールの製造〉
ポリエーテル系ポリオール100重量部に、ケッチェンブラックEC(平均粒子径約0.1μm ケッチェンブラックインターナショナル社製)を3重量部添加し、さらに、ジフェニルメタンジイソシアネート20重量部を添加・混合し、あらかじめシャフトが配置されている120℃に予熱された金型に注入し、120℃にて120分間加熱し、両端部を除くシャフト表面に導電性ポリウレタン層が形成されたロールを得た。
【0047】
〈ロール表面の研磨〉
ロールを研磨砥石で研磨し、寸法を合わせた後、特開2004−341511号公報(北辰工業)の図1に示されている方法によって湿式研磨し、周方向の表面粗さを小さくした。
【0048】
〈表面処理液1の調製〉
酢酸エチル100重量部、イソシアネート化合物(MDI)20重量部およびアセチレンブラック(電気化学工業社製)5重量部をボールミルを用いて3時間分散混合した。
【0049】
〈ロールの表面処理1〉
表面処理液1を20℃に保ったまま、前記ロールを30秒間浸漬後、100℃に保持されたオーブンで10時間加熱した。
〈ロールの表面処理2〉
上記ロールを表1で表される表面処理液2(25℃)に浸漬したのち乾燥させ現像ロール1〜15を得た。
【0050】
【表1】

【0051】
上記現像ロール1〜15を図1に示す非磁性一成分現像方式を採用するレーザープリンタにセットし、総合評価した結果を表2に示す。
表1で示した、実施例1〜15の現像ロールを、図2で示すような現像装置5に組み込んで、30[℃]・80[%RH]の高温高湿環境と10[℃]・15[%]の低温低湿環境とで、5000枚の印字テストをする実験を行い、トナー搬送量とトナー帯電量の安定性を評価した。そして、その評価結果と得られた画像の濃度安定性を基に、各実施例の現像ロールが画像形成の使用に適しているか否か、総合評価として評価した。
【0052】
なお、評価に用いる現像装置5では、この現像装置5の現像ロールの外径は、12[mm]である。さらに、この現像ロールの表面粗さは、算術平均粗さRaが、0.2〜2.0[μm]である。また、この現像ロールには、当接部の線圧が50〜75[N/m]となるような押圧力で薄層化ブレード12が当接している。
また、非磁性一成分現像剤としては、結着樹脂、着色剤及びワックスを含有している現像剤を用いる。
表2に評価結果示す。
【0053】
表2では、トナー搬送量の安定性は、5000枚の印字テストを通じて、現像ロール上のトナー量が、7.5±2.5[g/m]であれば、「○」とし、その範囲をはずれれば「×」とした。
トナー帯電量の安定性は、5000枚の印字テストを通じて、現像ロール上のトナー帯電量が、25±10[μC/g]であれば、「○」とし、その範囲をはずれれば「×」とした。
画像濃度の安定性は、A4サイズのハーフトーン画像を印字し、面内主走査方向3点、副走査方向3点の組み合わせ計9点の反射濃度を計測し、そのバラツキの中で、9点全てが9点の平均濃度から、25%以内であれば「○」、25〜35%であれば「△」、1点でも35%以上となる点があれば「×」とした。
【0054】
そして、総合評価は、現像ロール上トナー搬送量の評価またはトナー帯電量安定性の評価の何れかが「×」であれば、「×」と評価し、現像ロール上トナー搬送量の評価とトナー帯電量安定性の評価の何れも「○」で、画像濃度の安定性の評価が、「○」または「△」であれば「○」と評価し、安定性の評価の何れも「○」で、画像濃度の安定性の評価が、「×」であれば「×」と評価した。
【0055】
[実施例16〜19]
上記実施例1の表面処理液1のアセチレンブラック(デンカブラックFX−35:電気化学工業社製)を下記と置き換えた以外は実施例1と同様にして現像ロール16〜19を得、実施例1と同様に評価した。
実施例16:ポリメタクリル酸メチル系架橋粒子
(エポスターMA1002:日本触媒社製)
実施例17:ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物粒子
(エポスターMS:日本触媒社製)
実施例18:アモルファスシリカ粒子(シーホスターKE−P10:日本触媒社製)
実施例19:自己分散型カーボンブラック
(Aqua−Black162:東海カーボン社製)
【0056】
[比較例1]
上記実施例1で表面処理2を行わない事以外は実施例1と同様に行った。
[比較例2]
上記比較例1で、表面処理1を行わないこと以外は比較例1と同様にして現像ロールを得て、これを比較例2とした。
【0057】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施例で用いたレーザープリンタの概略説明図である。
【図2】図1にプリンタのプロセスユニットの概略説明図である。
【符号の説明】
【0059】
1 プロセスユニット
2 感光体
3 感孔体クリーニング装置
4 帯電ローラ
5 現像装置
6 トナー収容室
7 トナー供給室
8 トナー攪拌部材
9 開口部
11 現像ローラ
12 薄層化ブレード
14 トナー誘導部材
15 供給ローラ
16 中間転写ベルト
18 二次転写部対向ローラ
19 一次転写ローラ
20 二次転写ローラ
21 転写ベルトクリーニング装置
34 定着装置
50 筐体の上カバー
70 光書込みユニット
100 プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるアルカリ金属塩を表面層中に含有することを特徴とする半導電性部材。
(M)n・X ・・・ (1)
但し、
nはXのアニオン価数に等しい。
M:Na、K、Li
X:Cl,Br,I,F,CHCOO,CFCOO,CH(COOH)CHCOO,(CHCOO,CH(COOH)CHCOO,(CHCOO,(HOOC)Ar(COO),Ar(COO,(HOOC)Ar(COO),(HOOC)Ar(COO,Ar(COO,(HOOC)Ar(COO),(HOOC)Ar(COO,(HOOC)Ar(COO,Ar(COO,Ar−SO,Ar(SO、アクリル酸アニオンユニットを有するオリゴマーまたはポリマー、メタクリル酸アニオンユニットを有するオリゴマーまたはポリマー
Arはベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環を表す。
【請求項2】
表面に微粒子が固定化されており、該微粒子の平均粒子径が0.05〜1.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の半導電性部材。
【請求項3】
上記微粒子がカーボンブラックであることを特徴とする請求項2記載の半導電性部材。
【請求項4】
上記カーボンブラックがその表面に少なくともカルボン酸アルカリ金属塩またはスルホン酸アルカリ金属塩を有することを特徴とする請求項3記載の半導電性部材。
【請求項5】
上記半導電性部材が部材をアルカリ金属塩溶液に浸漬またはアルカリ金属塩溶液の塗布後、乾燥処理されて得られたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の半導電性部材。
【請求項6】
上記アルカリ金属塩溶液の溶媒が、水と沸点が100℃以下の水溶性有機溶媒との混合物であることを特徴とする請求項5記載の半導電性部材。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の半導電性部材を有する現像ロール。
【請求項8】
請求項1〜6の何れかに記載の半導電性部材を有する帯電ロール。
【請求項9】
請求項1〜6の何れかに記載の半導電性部材を有する転写ベルト。
【請求項10】
請求項7〜9に記載の現像ロール、帯電ロール、転写ベルトの何れかを有した画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−139832(P2010−139832A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−316796(P2008−316796)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】