説明

半田ごて

【課題】 円柱状端子に導線を半田付けするのに適した半田ごてを提供することである。
【解決手段】 円柱状端子に導線を半田付けするのに適した半田ごてであって、こて先と、該こて先を加熱する加熱部と、手で握る把持部と、電源に加熱部を接続するコードとから構成され、該こて先には、円柱状端子を取り巻くように円弧状の溝が形成されていることを特徴する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタピン等の円柱状端子に導線を半田付けするのに適した半田ごてに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子機器を組み立てる場合、半田ごてを用いて基板に各種電子部品や配線を半田付けすることが多い。このような半田ごてでは、ニクロム線ヒーター又はセラミックスヒーター等でこて先(先端チップ)を加熱し、こて先を基板のランドやワークに接触させて半田を溶融させ、こて先を離して半田を凝固させることにより半田付けを行っている。
【0003】
また、コネクタピン等の円柱状端子と導線とを半田で接続するには、一般的に半田ごてが用いられる(例えば、特許第3541307号公報参照)。半田ごてのこて先は、平形状、先鋭形状、傾斜形状等の各種形状に形成されており、用途に応じて選択される。直径が2mm程度の円柱状の端子に導線を半田付けするには、一般的に先鋭形状のこて先が選択される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3541307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、先鋭形状のこて先を使用してコネクタピン等の円柱状端子に導線を半田付けする場合、円柱状端子に熱が十分伝達されず導線の半田付けが困難であるという問題がある。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、円柱状端子に導線を半田付けするのに適した半田ごてを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、円柱状端子に導線を半田付けするのに適した半田ごてであって、こて先と、該こて先を加熱する加熱部と、手で握る把持部と、電源に加熱部を接続するコードとから構成され、該こて先には、円柱状端子を取り巻くように円弧状の溝が形成されていることを特徴する半田ごてが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる半田ごてのこて先には、円柱を取り巻くように円弧状の溝が形成されているので、こて先を介して円柱状端子に十分な熱を伝達することが可能となり、円柱状端子に導線を容易に半田付けすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明実施形態に係る半田ごての斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】円柱状のコネクタピンに導線を半田付けする様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明実施形態に係る半田ごて10の斜視図が示されている。半田ごて10は、半田ごて10を手で握る把持部12と、連結部14を介して把持部12に連結された加熱部16を含んでいる。
【0011】
加熱部16中には円筒状のセラミックスヒーターが挿入されており、加熱部16はこて先(先端チップ)18に連結されている。こて先18は例えば無酸素銅から形成されている。加熱部16に収容されたセラミックスヒーターは、コード22を介して電源に選択的に接続される。本実施形態の半田ごて10は、図2に示す如くこて先18の先端に円柱を取り巻くように円弧状の溝20が形成されていることを特徴とする。
【0012】
次に、図3を参照して、本実施形態の半田ごて10を使用した半田付け作業について説明する。24はコネクタであり、複数の円柱状のコネクタピン26を有している。各コネクタピン26の先端には接続すべき導線が挿入される穴28が形成されている。 コネクタピン26の直径は約2mmである。
【0013】
コネクタピン26に導線を半田付けするには、コネクタピン26の穴28中に導線を挿入し、半田ごて10のこて先18を矢印A方向に移動して円弧状の溝20中に円柱状のコネクタピン26を収容して熱伝導によりコネクタピン26を加熱する。
【0014】
この状態で、図示しない半田をコネクタピン26と導線の接続部に近づけて半田を溶融し、半田が十分溶融した時点でこて先18を引き離して、半田を凝固させることにより半田付けが完了する。
【0015】
上述した実施形態の半田ごて10のこて先18の先端には、コネクタピン26等の円柱状端子を取り巻くように円弧状の溝20が形成されているため、円柱状端子を円弧状の溝20中に収容してその接触面積を大きくすることにより、熱伝導により十分な熱を円柱状端子に伝達させることが可能となり、円柱状端子に導線を容易に半田付けすることができる。
【符号の説明】
【0016】
10 半田ごて
12 把持部
16 加熱部
18 こて先
20 円弧状の溝
24 コネクタ
26 コネクタピン
28 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱状端子に導線を半田付けするのに適した半田ごてであって、
こて先と、該こて先を加熱する加熱部と、手で握る把持部と、電源に加熱部を接続するコードとから構成され、
該こて先には、円柱状端子を取り巻くように円弧状の溝が形成されていることを特徴する半田ごて。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−107097(P2013−107097A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253510(P2011−253510)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】