説明

半身浴用カバー

【課題】従来の半身浴用カバーは、浴槽の湯気を広く利用し湯温を保つのに十分でなく、コンパクトな収納や、簡素で作り易い構成に対応し切れていない。
【解決手段】複数の独立した空気室が形成された気泡樹脂シートが平坦にして2層平行に、空気室の凸側の面を対向させて重ねられ、中央部を除く左右の上縁部と左右の側縁部が融着されて袋状に形成される。開いた中央部から頭と首を出し、上半身が袋状部分で覆われ、下端の気泡樹脂シートが湯面に浮き、覆う。前側の気泡樹脂シートを長くして湯面をさらに広く、足も覆う。融着された部分や腕を出す開口部が裂かれないように補強用テープが接着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半身浴時に装着する半身浴用カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
入浴法の一つとして半身浴がある。首から下のほぼ全身を湯に浸かる全身浴が水圧による肺や心臓の負担が増えるのに比較して身体に優しい入浴法とされる。血行を良くし、発汗作用による老廃物の排出、新陳代謝を高めることで健康や美容に寄与する。日常的には、副交感神経が優位の状態にしてストレスを低減し、睡眠を促進する。
【0003】
従来の半身浴に用いる半身浴用カバーは、呼称は様々であるが、肩部から上半身を覆う目的で主に使用される。例えば、特許文献1を参照すると、特開平10−310920号公報中の図面の図2と図6で示されるように、防水性素材でマント状された被服を上半身に装着し、被服の下縁を湯面に密着させる例がある。胸の前側で着脱自在の両側縁部と腕を出す開口部を設けている。同号中の図7で示されるように、下縁までの裾部を長くして湯面を大きく覆うようにすると、装着時に前側を閉じるのが煩わしく、水より比重の大きい防水性素材では湯面に沈み、湯面を覆えない。また、同号中の図2で示される面ファスナーの取り付け接着部が水に濡れると剥がれやすく、防水性素材の捨てる部分や、ファスナーなどの材料費が高くなる。
【0004】
特許文献2を参照すると、特開2002―306566号公報中の図面の図1で示されるように、外被の部分を防水素材でマント状、あるいはケープ状に形成して上半身に装着する。面状ファスナーなどの留具で前側を閉じて上半身を覆って使用する。薄い防水素材に留具を配設するのは手間と剥がれや裂れの問題が生じる。また、湯面を広く覆うことができない。
【0005】
また、特許文献3を参照すると、実用新案登録3092096号公報中の図面の図1で示されるように、薄い樹脂シートなどでケープ状に形成し、真ん中に頭を出す開口部を設け、傘状に開いて下縁に設けた複数のピンポン玉を浮かし、湯面を覆う。開口部から下縁までの長さが同程度で浴槽や身体の位置によっては湯面を覆わず、あるいは比重が水より大きい樹脂シートの多くが湯面に沈み、湯気を溜積することが困難である。また、折りたたみにくい。
【0006】
さらに、特許文献4を参照すると、特開2004−305263号公報中の図面の図1で示されるように、軟質合成樹脂製の独立気泡性の発泡体であるシート素材で半円形の後身項と扇形の左右前身項、および短冊形の左右まちを接合して半円状の立体的空洞を形成する半身浴用上衣がある。5つの柔軟なシートを合わせ、さらに曲線状の接合は手間がかかる。また、浴槽の湯面を広く覆うことができず、折りたたみにくい。
【0007】
【特許文献1】特開平10−310920号公報
【特許文献2】特開2002−306566号公報
【特許文献3】実用新案登録3092096号公報
【特許文献4】特開2004−305263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上に述べた従来の(呼称は様々な)半身浴用カバーは、上半身を包み、一部は湯面も覆い、半身浴を快適にすることを目的としている。しかし、断熱性や浴槽の湯の効果的利用に限界があり、目的を達成するのに十分でない。また、コンパクトな収納や簡素で作り易い構成に対応しきれていない。
【0009】
本発明の半身浴用シートは、このような従来の技術が有していた問題を解決しようとするものである。上半身と湯面を覆って半身浴の効果と快適性を改良し、作り易く、簡素で、コンパクトに収納しやすい半身浴用カバーを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そして、本発明は上記目的を達成するため、請求項1で示されるように、複数の凸部を有する軟質樹脂フィルムと平坦な軟質樹脂フィルムの対向する平面部を融着して多数の独立した空気室が一面に形成された気泡樹脂シートが用いられる。この気泡樹脂シートは、独立した気泡(キャップ)を有する既存の気泡緩衝材と同じ工程で作られ、軽く、断熱性に優れ、熱融着が容易で安価なものである。
【0011】
この気泡樹脂シートが上部の外縁部を共通にして、凸部の面を対向させて平行に2層重ね合わされ、中央部を除く共通の外縁部の大部分が融着されて袋状に形成される。幅の大きい融着されていない下部から身体を入れ、幅の狭い融着されていない中央部から頭を出し、袋状の部分で上半身を覆う。
【0012】
1枚の気泡樹脂シートを上部あるいは側部で折り曲げ、凸部を対向させた2層を平行に重ね合わせてもよい。上部で曲げた場合、側部の共通の外縁部の近傍を融着し、上部の中央部を切り開くことで頭を出せる袋状に形成できる。側部で折り曲げた場合、上部の中央部を除く上部と側部の共通の外縁部近傍を融着することで袋状に形成できる。側部で折り曲げた場合には、片方の側部の共通の外縁部だけを融着することで袋状にすることも可能である。
【0013】
また、請求項2で示されるように、独立した2枚の気泡樹脂シートを用いてもよい。むしろ、1枚の気泡樹脂シートを用いる場合に較べ、折り曲げる手間や、折り曲げられた部分が平坦状に重ね合わせにくいことを考慮すると作りやすい面もある。同じ幅で、平行に重ね合わされた独立した2枚の気泡樹脂シートの上部の中央部を除き、左右の上縁部と、左右の側縁部が融着されて頭を出せる袋状に形成される。
【0014】
請求項3で示されるように、中央部の中間から連続して、2層重ね合わされたうちの前(胸)側の片方の気泡樹脂シートに200mm前後の長さでスリット状に切り込んだ開閉部が形成される。広げることのできる中央部の幅が小さくても、開閉部が開き、閉じることにより頭の出し入れが容易になり、使用時に上半身からの暖気の逃げを少なくできる。また、中央部の幅を小さくできることで既存のハンガーに吊ることが可能になる。
【0015】
また、請求項4で示されるように、2重に重ね合わされた気泡樹脂シートのうち、中心軸方向に長い前側の気泡樹脂シートの中間における左右2箇所に、中心軸と平行な方向のスリット状に切り込まれた開口部が形成され、両方の腕が出せるようにする。袋状の部分で上半身を覆うと同時に、湯面を覆う。
【0016】
また、請求項5で示されるように、前側の気泡樹脂シートの下辺から連続して下辺に直行する方向のスリット状に切り込まれた開放部が左右の2箇所に設けられる。2層の気泡樹脂シートの長さが近似し、前側に相当する気泡樹脂シートが比較的短い場合に、開放部から腕を出しても上半身を覆う袋状の隙間を少なくできる。
【0017】
また、請求項6で示されるように、請求項1の外縁部の下端近傍と請求項2の左右の下端近傍が融着されず開放される。開放された気泡樹脂シートは湯面を覆いやすく、袋状の全体が不必要に浮き上がることをなくす。
【0018】
また、請求項7で示されるように、請求項1の上部の外縁部近傍の融着された部分や請求項2の左右の融着された上縁部が中心軸から離れる方向に側縁部に下方に傾斜して形成される。折り曲げられて逆さにされても水切れを良くし、また、肩の形状になじむようにする。
【0019】
また、請求項8で示されるように、中央部からスリット状の開閉部までの外形を4分の1円に近似した形状を左右に形成する。開閉部が滑らかな外形にされることで、使用時に顔や首および胸に刺激をあまり与えない。
【0020】
2層の気泡樹脂シートが融着された部分や、折り曲げられた部分の端で、ひき裂く方向に大きい力が作用すると、2層の気泡樹脂シートの間や片方の気泡樹脂シートが裂けたり、破れたりする。装着および脱着時に、頭を出し入れする上部の開いた中央部の両端や、融着された側縁部の下端、およびスリット状の開閉部や開口部の端部に生じやすい。裂かれが進み、上半身を覆う袋状部分の隙間が大きくなると半身浴用カバーの効果が希薄になる。
【0021】
請求項9で示されるように、請求項1の中央部両端の外、あるいは請求項2における中央部両端の外において、補強用テープが折り曲げられて2層の気泡樹脂シートに連続して接着される。2層の気泡樹脂シートの中央部近傍が補強されて、開いた中央部が大きく裂かれるのを抑える。
【0022】
また、請求項10で示されるように、請求項3の開閉部の少なくとも内側の端部近傍に前側の気泡樹脂シートに補強用テープが接着されて重なる部分を切り込むことで、スリット状の開閉部の内側端部が裂かれるのを抑える。
【0023】
また、請求項11で示されるように、請求項1の外縁部の下端近傍に、あるいは請求項2の融着された左右の側縁部の下端近傍のそれぞれ2箇所で、補強用テープが折り曲げられて2層の気泡樹脂シートに連続して接着される。2層の気泡樹脂シートの下端近傍が補強されて、裂かれが進行するのを抑える。
【0024】
また、請求項12で示されるように、請求項4の前側の気泡樹脂シートの中間における左右に接着された補強用テープと重なる部分をスリット状に切り込むことで、開口部の端が裂かれるのを抑える。
【0025】
また、請求項13で示されるように、請求項5の開放部の少なくても内側端部近傍に、前側の気泡樹脂シートに補強用テープ接着されて重なる部分を切り込むことで、スリット状の内側の端部が裂かれるのを抑える。
【0026】
そして、請求項14で示されるように、請求項9、あるいは請求項11における補強用テープには、2層の気泡樹脂シートの融着されていない側の折り曲げられる部分で、2層の気泡樹脂シートが融着された部分と重ならない幅の長方形状の切り込みが前もって設けられる。気泡樹脂シートの溶着された部分の近傍の気泡樹脂シートが破れ、裂けるのを抑える。
【0027】
また、請求項15で示されるように、気泡樹脂シートを構成する軟質樹脂フィルムに、生分解樹脂のフィルムを用いることで、廃棄時における燃焼ガスの低減や、自然に分解されることにより、環境負荷を低減する。
【0028】
また、請求項16で示されるように、異なる色調の独立した2枚の気泡樹脂シートを前後に用いることにより、装着時に前後の判別が容易になる。
【0029】
さらに、請求項17で示されるように、空気吸引孔が設けられた2.5ミリメートルより浅い凹部を複数箇所に設けられた真空成形ロールを用いて熱成形される複数の凸部を有する軟質樹脂フィルムと平坦な軟質樹脂フィルムを融着することによって形成される空気室の厚さを薄くし、前記気泡樹脂シート全体を薄くする。薄くされた気泡樹脂シートを2層にして半身浴用カバーに作成することで、小さい形状に折り重ねて封筒など収納できる。
【0030】
そして、請求項18で示されるように、2重の気泡樹脂シートで作られた半身浴用カバーを複数回折り重ねて小面積にし、気密性のある袋に入れて空気を吸引して減圧し、あるいは全体を均等に押さえて空気を追い出した後に密封することで全体を薄くし、収納や配送を容易にする。
【発明の効果】
【0031】
空気室を有する気泡樹脂シートを折り重ねて、あるいは独立した同じ幅の2枚の気泡樹脂シートを2層平行に重ねることで、平坦状に扱え、共通の外縁部近傍をヒートシールバーなどで簡単に融着でき、上半身を覆う袋形状を容易に作ることができる。
【0032】
気泡樹脂シートは、広く使用されている気泡緩衝材とほぼ同様な材料とプロセスで作られ、軽く、断熱性がよい。さらに熱による融着も容易である。また、独立した空気室を面全体に多数有するため、湯面に浮きやすく、一部の空気室が破れても圧倒的多数の空気室が残り、よい特徴は消えない。
【0033】
気泡樹脂シートの面一様に設けられた多数の空気袋の凸部が内側に配されることで、平坦なシートと異なり肌に密着せず、それゆえに不快感が少なく、湯面からの湯気が袋状内部で流れやすく、その断熱性および袋状の形状とあいまって上半身を一様に温める。
【0034】
上部の中央部と、直交する方向の連続する中心軸と平行方向のスリット状で端部が閉じた開閉部を簡単に設けることで、頭の出し入れが容易になり、スリット状の左右端辺の近傍を合わせ、調節することで首や胸の近くの隙間を少なくすることが出来る。また、開閉部が設けられることにより、上部の開いた中央部の幅を単独の場合に較べて小さくでき、隙間を小さくすることができる。
【0035】
前側に相当する片方の気泡樹脂シートの中間において、左右に中心軸と平行方向のスリット状の切り込みを入れるだけで腕を出し入れする開口部を簡単に作ることができる。また、スリット状にすることにより、腕を通さない時の開口部の隙間を小さくできる。
【0036】
また、前側に相当する片方の気泡樹脂シートの左右2箇所に、下辺から連続した中心軸方向に平行なスリット状の切り込みを適当な長さで設けることにより、左右の腕を袋状の部分から出しても、下辺近傍が湯面を蔽う状態で隙間を小さくできる。
【0037】
上半身を覆う袋形状を形成する側縁部の下端を融着せずに開放することにより、背中側の気泡樹脂シートの下の端が湯面から浮くように覆うことで湯気を上半身に導く。浴槽での上半身の位置は浴槽の片側に近く、寄りかかっても背中側の気泡樹脂シートの断熱効果で冷感が抑えられる。
【0038】
融着される左右の上縁部が中心軸から離れる方向に向かって下方に傾斜して形成されることにより、浴槽で使用された後、棒状の吊り下げ部に折り曲げられて上縁部が下向きにされても、ハンガーに吊るされて上向きにされても、水の切れを良くできる。
【0039】
開閉部端辺の中央部近傍の外形を4分の1円の滑らかな曲線にすることで、装着、脱着、および使用時に鋭い端部が肌に当たる痛感が緩和される。
【0040】
2枚の気泡樹脂シートの片方を長くすることにより、上半身のみでなく、湯面、および湯面から出る足も覆うことができる。また、気泡樹脂シートに設けられた複数の独立した気泡により気泡樹脂シートが湯面から浮くことで湯気が外に逃げず、足が冷えず、湯の温度の低下を少なく、半身浴時における上半身周りの温まった温度の低下を防ぐ。
【0041】
融着された上縁部の中央部近傍や融着された側縁部の下端近傍に、補強用テープが折り曲げられて2層の気泡樹脂シートに接着されることにより、使用時に加わる力で上縁部や側縁部の融着された部分が裂かれるのをさらに抑制する。
【0042】
腕を出し入れする開口部が、補強用テープと前側に相当する気泡樹脂シートが重ねられた部分をスリット状に切り込むことにより形成される開口部は、裂かれが拡大するのを効果的に防止する。
【0043】
上縁部や側縁部に接着された補強用テープに、2層の気泡樹脂シートが融着されていない側において、融着部にかからない幅の長方形状の切り込みが設けられることにより、気泡樹脂シートが補強用テープの側部に沿って切れが進行し、裂かれが拡大するのを防止する。
【0044】
気泡樹脂シートを構成する軟質樹脂フィルムに生分解樹脂を用いることで燃焼時でのダイオキシンなどの有毒ガスが発生せず、通常のプラスチックに比べて二酸化炭素発生量が少ない。捨てられても、微生物に分解されて自然に戻るなど、環境に対する負荷を低減できる。
【0045】
本発明の半身浴用カバーを半身浴時に使用することで、身体を冷やすことなく半身浴を快適に行え、相対的に湯量を少なく、湯温を低めにでき、結果、水やガス、および電力の使用量が少なく、地球環境に悪影響を与える二酸化炭素の発生を抑制できる。
【0046】
本発明の半身浴用カバーは平坦状であり、全体が矩形近似の形状であるため、折り重ねやすく、複数回折り重ねることによって簡単に小さい容積にすることができる。
【0047】
深さ2.5ミリメートルより浅い凹部が多数形成された真空成形ロールで熱成形された空気室を有する気泡樹脂シートにすると、複数回折り重ねてさらに容積を小さくでき、規定形状以下が必要な封筒への収納が可能になるか、容易になる。
【0048】
また、気密性の袋に入れて軽く均一に押えたり、あるいは減圧した後に密閉することで全体を薄くし、さらに容積を小さくでき、軽いこととあいまって収納、配送の選択肢が広がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
以下、本発明の実施の形態を図1から図5に基づいて説明する。
【0050】
図1は、本発明の半身浴用カバーの実施例を示す。平坦状に広げられた状態である。1と2は前側(胸側)の気泡樹脂シートと後ろ側(背中側)の気泡樹脂シートで、3と4は独立した空気室である。5と6は融着された左右の上縁部で、7は非融着の開いた中央部である。また、8はスリット状に切り込まれた開閉部である。そして、9と10は融着された左右の側縁部であり、11と12はスリット状に切り込まれた左右の開口部である。前側の気泡樹脂シート1と、後ろ側の気泡樹脂シート2は同じ幅で2層重ね合わされ、図1の近接した複数の実線で示されるように、左右の上縁部5と6、および、側縁部9と10が融着されることによって袋状に形成される。
【0051】
装着時において、矩形近似で、中心軸方向に長い前側の気泡樹脂シート1と、中心軸方向に短い後ろ側の気泡樹脂シート2が平坦状にされて平行に2層重ね合わされる。後ろ側の気泡樹脂シート2は、破線で示される下辺13までの長さである。ここで記述される気泡樹脂シート1と2は、物を梱包する時に用いられる気泡緩衝材とほぼ同様のプロセスと材料で作られる。中心軸とは、図の左右対称に分ける対称線に相当する。
【0052】
前側の気泡樹脂シート1と後ろ側の気泡樹脂シート2は、多数の独立した空気室3と4の凸部を有する面を対向させて配置される。空気室3と4は次のように形成される。吸引孔を有する深さ数ミリメートルの凹部を多数有する真空成形ロールで熱成形されて多数の凸部を有する軟質樹脂フィルムと、平坦な軟質樹脂フィルムが対向する別ロールで熱圧着され、空気室3と4が形成される。
【0053】
前側の気泡樹脂シート1と後ろ側の気泡樹脂シート2は、左右の上縁部5と6、および左右の側縁部9と10が直線状に融着され、上部の中央部7と後ろ側の気泡樹脂シート2の下辺13が開いた袋状に形成される。前側の気泡樹脂シート1は幅80ミリメートルほど、長さ110ミリメートルほどで、後ろ側の気泡樹脂シート2は幅80ミリメートルほど、長さ55ミリメートルほどにされる。下辺13近傍の開いた部分から頭と上半身を通し、さらに、中央部7の開いた部分で頭と首を通して上半身を袋状の中に収め、浴槽の湯の中に足と下半身を入れる。
【0054】
長い前側の気泡樹脂シート1には、開いた中央部7の中間から連続して中心軸に平行する方向のスリット状に切り込まれた開閉部8が設けられる。前側の気泡樹脂シート1の中央部7から開閉部8の左右の縁まで、それぞれ4分の1円近似の滑らかな外形にされる。装着、脱着時に肌に前側の気泡樹脂シート1の縁が当たっても強い刺激を受けないようにする。
【0055】
開閉部8を設けることで、開いた中央部7の左右方向の幅を小さくしても、開閉部8を開閉することにより頭を容易に通すことができ、閉じて首周りの隙間を小さくできる。また、開閉部8の縁の近傍を重ね、首周りをタオルで巻くことによって隙間をほとんどなくすことができる。
【0056】
長い前側の気泡樹脂シート1の中間における左右の2箇所に、中心軸と平行な方向のスリット状の開口部11と12が形成され、左右の腕が別々に通るようにされる。開口部11と12をスリット状にすることで、前側の気泡樹脂シート1に切り込みを入れるだけで済み、腕を通さない場合の開放部11と12での隙間を小さくできる。
【0057】
同じ幅にされた前側の気泡樹脂シート1と後ろ側の気泡樹脂シート2が融着された側縁部9と10の下端14と15の近傍は融着されずに開放され、装着時に前方向と後方向の湯面に広がるようにされる。下端14と15の近傍が比較的自由にされることで、湯面の高さや座高の個人差に対応して湯面と袋状部分との隙間を少なくしながら、肩から袋状の上部があまり離れることなく装着できる。
【0058】
融着された左右の上縁部5と6は中心軸から離れる方向に向かって下方に傾斜した直線状に形成されることで左右の肩の傾斜に対応しやすい。また、横配置のポールに折り返して上縁部5と6の部分を逆さにしても、ハンガーに吊るしても袋状の上縁部の水滴は排除され乾燥される。傾斜した上縁部5と6は、直線状でなく緩やかな曲線状に形成されてもよい。
【0059】
図2は、図1の本発明の半身浴用カバーが浴槽16で使用される状態を示す。上半身17の胸側を長い前側の気泡樹脂シート1で、背中側を短い後ろ側の気泡樹脂シート2で側縁部9と10(9は図示されてない)で閉じられ、肩18を左右の上縁部5と6(5は図示されていない)で閉じる。頭19を中央部7と開閉部8から出し、左右の腕20と21を左右の開口部11、12から出す。さらに前側の気泡樹脂シート1の裾22の部分で足23の湯面から出る部分を覆うこともできる。
【0060】
半身浴では、浴槽16の湯面を低くして上半身17の多くを湯面から出し、冬でも摂氏42度より低く、夏では39度以下の湯温で20分から30分程度の長時間湯に浸かる。血行を良くし、発汗により健康や美容に効果的とされている。冬など、浴室の温度が低い時に上半身が冷えるのを避け、また積極的に発汗を促進することが望まれる。
【0061】
上半身17は長い前側の気泡樹脂シート1と短い後ろ側の気泡樹脂シート2の袋状にされた部分で覆われる。前側の気泡樹脂シート1と後ろ側の気泡樹脂シート2は面に均一に多数の独立した空気室3と4が設けられているため湯面に浮く。また、空気室3と4がシート全面に設けられてことによる断熱効果が大きく、湯温を冷めにくくし、閉じ込められた湯気や暖気を保温する。
【0062】
前側の気泡樹脂シート1の裾22の部分と、後ろ側の気泡樹脂シート2の融着されていない開放された下辺の近傍部分24が湯面を覆い、上半身17周りの温まった空気や湯気が逃げにくくなり、湯面を広く覆うことで湯気の拡散を少なくして湯温の低下が抑制される。隙間が生じやすい中央部7や開閉部8から温まった空気や湯気を閉じ込めるため、首周りにタオルを巻くと更に効果がある。
【0063】
半身浴では腕は湯から出すことが推奨されている。また、長時間になる半身浴では読書などでリラックスすることも望まれる。前側の気泡樹脂シート1の左右の開口部11と12から腕20と21を出すことができる。左右の開口部11と12がスリット状に形成されることで、腕を出さない時の隙間を小さくできる。
【0064】
前側の気泡樹脂シート1と後ろ側の気泡樹脂シート2は、袋状の面の内側に複数の独立した空気室3と4の凸部が形成される。空気室3と4は10ミリメートル以下の径の円形状で、厚さが数ミリメートルである。凸部3と4の部分が上半身17、あるいは足23と接触しても、前側の気泡樹脂シート1や後ろ側の気泡樹脂シート2が肌に貼りつくようには密着せず、快適で、温まった空気や湯気が滞らず、上半身17の全体を暖める。また、上半身17が浴槽16の壁面にもたれかかった場合でも、空気室4による断熱効果で冷感が肌に伝わることが少なくなる。
【0065】
図3は、図1で示される構成の本発明の半身浴用シートと異なる構成の実施例を示す。請求項1の構成の一部を補完するものである。一枚の気泡樹脂シートが上部の外縁部25を共通にして折り返され、独立した空気室26の凸部の面を内側に対向させて、同じ幅で平行に2層重ね合わされる。側部の共通の外縁部27と28が融着され、切り込みを入れることにより上部の中央部29が開けられた袋状に形成される。また、中央部29から連続してスリット状に切り込まれた開閉部30が設けられる。
【0066】
気泡樹脂シートが折り返された上部の共通の外縁部25の近傍に、中央部29を除き、中心軸から離れる方向に向かって下方に傾斜した融着部を左右に設け、不要の部分を除去してもよい。また、一枚の気泡樹脂シートを片方の側部の外縁部を共通にして折り返され、平行に2層にして重ね合わせ、上部の中央部と下部を除いた共通の外縁部の近傍を融着して袋状に形成することもできる。
【0067】
図4は、本発明の他の実施例を示すものである。前側の気泡樹脂シート31と後ろ側の気泡樹脂シート32の長さが近似した形状にして、袋状の部分は図1で示される半身浴用カバーと同様に作られる。全体が短くなることで、装着や収納に多少の手間が省ける。袋状の部分で上半身を覆い暖気や湯気で快適な半身浴を体験できる。湯面の多くや、湯面から出る足を覆うことができないことが図1の実施例と異なる。
【0068】
必要に応じて、前側の気泡樹脂シート31の下辺33から中心軸と平行にスリット状に切り込こまれた開放部34と35が左右に設けられる。開放部34と35から腕を出しても、前側の気泡樹脂シート31の下辺33の近傍は湯面を覆うことが可能になり、上半身周りの暖気や湯気が逃げにくくなる。
【0069】
図5は、本発明の他の実施例を示すものである。図1の構成の半身浴用カバーに補強用テープを付加したものであり、対応する部分は同じ符号で記述される。半身浴用カバーを構成する気泡樹脂シートは20マイクロメートルから30マイクロメートルほどの薄い軟質樹脂フィルムで構成されるため、気泡樹脂シートどうしが融着された端部や、気泡樹脂シートに切り込まれた端は外力によって裂かれ易い。半身浴用カバーの耐久性を向上するために、補強用テープが用いられる。
【0070】
融着された左右の上縁部5と6の開いた中央部7の両端の外の2箇所に、補強用テープ36と37が接着される。補強用テープ36と37はそれぞれの2箇所で折り曲げられ、前側の気泡樹脂シート1と後ろ側の気泡樹脂シート2に連続して接着される。頭を出し入れする時などに、中央部7の両端に引き裂く力が作用しても、補強用テープ36と37が付加してあると、無い場合に較べて裂かれにくくなる。
【0071】
また、前側の気泡樹脂シート1のスリット状の開閉部8に補強用テープ38が接着される。中央部7の中間近傍に接着された補強用テープ38と前側の気泡樹脂シート1が重なる部分を切り込むことで開閉部8が形成される。頭を出し入れする時や、装着時に、開閉部8の内側の端部に引き裂く力が作用しても裂かれにくくなる。補強用テープ38は、開閉部8のスリットの全体に接着されてもよいが、内側の端部近傍に接着されるだけでもよい。
【0072】
また、融着された左右側部の外縁部9と10の下端近傍の2箇所に補強用テープ39と40が接着される。補強用テープ39と40はそれぞれの2箇所で折り曲げられ、前側の気泡樹脂シート1と後ろ側の気泡樹脂シート2に連続して接着される。装着する時や脱着する時に外縁部9と10の下端に引き裂く力が作用しても、補強用テープ39と40で補強されることで裂かれにくくなる。
【0073】
また、前側の気泡樹脂シート1の開放部11と12に補強用テープ41と42が接着される。前側の気泡樹脂シート1の中間の左右に中心軸と平行な方向に接着された補強用テープ41と42と前側の気泡樹脂シート1が重なる部分を切り込むことで開放部11と12が形成される。腕を出し入れする時に、開放部11と12の端部に引き裂く力が作用しても裂かれにくくなる。
【0074】
さらに、補強用テープ36と37が左右の上縁部5と6の融着された部分と重ならない幅で長方形状の凹部43と44の切り込みが設けられる。外力により裂かれが長方形状の凹部43と44の端辺に達して、さらに端辺に沿って裂かれが進んでも、長方形状の凹部43と44の側辺で裂かれが止まる。裂く方向の力が作用しても、大部分の力を補強用テープで受けることにより裂かれがさらに進行しにくくなる。
【0075】
また、補強用テープ39と40が左右の側部の外縁部9と10の融着された部分と重ならない幅で長方形状の凹部45と46の切り込みが設けられる。装着、脱着時の裂く方向の外力に対して補強用テープ39と40の長方形の凹部45と46で受けることにより裂かれが進行するのを抑制する。
【0076】
そして、図4で示されル実施例の下辺33のスリット状に形成された開放部34と35の少なくとも内側の端部近傍に補強用テープが接着されてもよい。補強用テープと前側の気泡樹脂シート31が重なる部分を切り込むことで開放部34と35が形成される。開放部34と35の内側の端部に引き裂く方向の外力が作用しても、補強用テープの強度により裂かれが抑制される。
【0077】
図1から図5までに示される本発明の実施例に用いられる気泡樹脂シートを構成する軟質樹脂フィルムに生分解樹脂のフィルムを用いてもよい。ポリエチレンのフィルムと近似した強度を有する生分解樹脂のフィルムが可能である。ポリ乳酸樹脂などの生分解樹脂は燃焼時に毒性のガスが発生せず、自然分解する性質を有するため、環境に与える負荷が小さい。熱による融着が可能で、袋状の形状を容易に作成することができる。環境に優しいことが本発明の目的の一つであることを、半身浴にすることで二酸化炭素の発生を少なくすることと相まって、より徹底することができる。
【0078】
本発明の半身浴用カバーの装着時に、前側の気泡樹脂シートと後ろ側の気泡樹脂シートを判別しやすくするため、色調を区別するとよい。気泡樹脂シートを構成する軟質樹脂フィルムは、薄ピンクや、薄青などさまざまな色調にすることが可能である。また、透明より、着色することで赤外光を通しにくくし、輻射による湯温や暖気の温度低下を抑えることもできる。
【0079】
本発明の半身浴用カバーは、平坦状に2層重ね合わされた矩形近似の外形を有するため、簡単に複数回折り重ねることができ、小面積にしやすい。また、使用される気泡樹脂シートは軽く、結果、収納や配送が容易になる。図1で示される半身浴用カバーでは、中心軸と直行する線を折り目にして2回折り重ねることで6層になり、さらに中心軸と平行な線の2箇所の折り目で折り重ねることにより全体で18層になる。図1で示される実施例の場合、2辺が280ミリメートルと250ミリメートルほどになる。これは、厚さが20ミリメートルほどならばA4サイズ用の封筒に収納できる形状になる。
【0080】
半身浴用カバーの気泡樹脂シートの厚さは独立した空気室の厚さによって決まる。空気室の凸部の軟質フィルムは内圧で張り切った形状でないため変形する余地があり、折り重ねた場合にはある程度薄くなる。気泡樹脂シートは、複数の凹部を有する真空成型ロールで軟質樹脂のフィルムに凸部を成形し、同時に、異なる軟質樹脂フィルムとロールで熱圧着することで作られ、凹部に対応した凸部になる複数の独立した空気室が形成される。
【0081】
折り重ね、18層にした場合の厚さを20ミリメートル以下に余裕をもってするには、2.5ミリメートルより浅い凹部を複数箇所に設けられた真空成形ロールを用いる必要がある。一般の気泡緩衝材の熱成形に用いられる真空成形ロールは、2.5ミリメートル以上の深さの凹部を有する真空成形ロールであるため、全体の厚さを薄くするには限界がある。
【0082】
従来の気泡緩衝材は、梱包された物を衝撃から緩和するために空気室(気泡)が厚くされていた。気泡緩衝材と近似したプロセス、および材料で作られる気泡樹脂シートの空気室の厚さを薄くしても本発明の目的が損なわれることはない。具体的には、軽く、浮力が大きく、断熱性がほとんど変わらず、また肌に貼り付くように密着せず、半身浴時の保温と快適性が維持される。
【0083】
折り重ねられた状態での本発明の半身浴用カバーの厚さを薄くするには、気密性の袋に収納し、適当で均一な力で厚さ方向に押え、あるいは減圧して薄くされた後に袋を密閉することで薄い状態が維持される。また、袋を梱包用として兼用することができることで収納、配送が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の半身浴用カバーの実施例
【図2】図1の半身浴用カバーの浴槽での装着使用例
【図3】本発明の半身浴用カバーの他の実施例
【図4】本発明の半身浴用カバーの他の実施例
【図5】本発明の半身浴用カバーの他の実施例
【符号の説明】
【0085】
1、31 前側の気泡樹脂シート
2、32 後ろ側の気泡樹脂シート
3、4、26 空気室
5、6 融着された上縁部
7、29 非融着の中央部
8 開閉部
9、10 融着された側縁部
11、12 開口部
25 上部の外縁部
27、28 共通の外縁部
34、35 開放部
36、37、38、39、40、41、42 補強用テープ
43、44、45、46 長方形状の凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の凸部を有する軟質樹脂フィルムと平坦な軟質樹脂フィルムが融着されて複数の独立した空気室が形成された気泡樹脂シートが上部の外縁部を共通にして前記凸部の面を対向させて同じ幅で平行に2層重ね合わされ、上部の中央部と下部を除く共通の外縁部近傍の大部分が融着されて袋形状が形成される半身浴用カバー。
【請求項2】
独立した2枚の前記気泡樹脂シートが2層重ね合わされ、前記中央部と下部を除く左右の上縁部と側縁部の近傍の大部分が融着されて袋形状が形成される請求項1記載の半身浴用カバー。
【請求項3】
前記中央部の中間から連続して中心軸と平行なスリット状に切り込まれた開閉部が、2層重ね合わせられたうちの片方の前記気泡樹脂シートに形成される請求項1、2記載の半身浴用カバー。
【請求項4】
2層重ね合わされたうちの中心軸方向に長い片方の前記気泡樹脂シートの中間の左右2箇所に、中心軸と平行なスリット状に切り込まれた開口部が形成される請求項1、2および3記載の半身浴用カバー。
【請求項5】
2層重ね合わされたうちの片方の前記気泡樹脂シートの下辺から連続して、中心軸に平行なスリット状に切り込まれた開放部が左右2箇所に形成される請求項1、2および3記載の半身浴用カバー。
【請求項6】
共通の前記外縁部の下端近傍と左右の前記側縁部の下端近傍が融着されずに開放される請求項1、2記載の半身浴用カバー。
【請求項7】
上部の前記外縁部近傍の融着される部分と左右の前記上縁部の近傍の融着される部分が、中心軸から離れる方向に向かって下方に傾斜して形成される請求項1、2記載の半身浴用カバー。
【請求項8】
前記中央部から前記開閉部までの外形が、4分の1円近似の形状で前記開閉部の左右の上部に形成される請求項3記載の半身浴用カバー。
【請求項9】
補強用テープが、上部の前記外縁部近傍で前記中央部の両端の外と、融着された左右の前記上縁部の前記中央部の両端の外におけるそれぞれの2箇所で折り曲げられ、2層の前記気泡樹脂シートに連続して接着される請求項1、2記載の半身浴用カバー。
【請求項10】
前記開閉部は、少なくともスリット状の内側の端部近傍において、片方の前記気泡樹脂シートに補強用テープが接着されて重なる部分を切り込みことで形成される請求項2記載の半身浴用カバー。
【請求項11】
補強用テープが、前記外縁部の側辺の下端近傍と、融着された前記側縁部の下端近傍におけるそれぞれの2箇所で折り曲げられ、2層の前記気泡樹脂シートに連続して接着される請求項1、2記載の半身浴用カバー。
【請求項12】
前記開口部が、片方の前記気泡樹脂シートに補強用テープが接着されて重なる部分を切り込むことで形成される請求項4記載の半身浴用カバー。
【請求項13】
前記開放部は、少なくとも内側の端部近傍において、片方の前記気泡樹脂シートに補強用テープが接着されて重なる部分を切り込むことで形成される請求項5記載の半身浴用カバー。
【請求項14】
補強用テープには、2層の前記気泡樹脂シートが融着されていない前記中央部や下端の側に、融着された部分と重ならない幅で長方形状の凹部が設けられる請求項9、11記載の半身浴カバー。
【請求項15】
前記気泡樹脂シートを構成する軟質樹脂フィルムに生分解樹脂のフィルムが用いられることを特徴とする請求項1、2記載の半身浴用カバー。
【請求項16】
異なる色調の独立した2枚の前記気泡樹脂シートが用いられることを特徴とする請求項2記載の半身浴用カバー。
【請求項17】
2.5ミリメートルより浅い凹部を複数箇所に設けられた真空成形ロールで熱成形されて複数の凸部を表面に有する前記軟質樹脂フィルムと、平坦な前記軟質樹脂フィルムが融着された前記気泡樹脂シートを用いる請求項1と2、および15、16記載の半身浴用カバー。
【請求項18】
複数回折り重ねられて気密性の袋の中に収納され、外力や減圧により薄くされた後に密封される請求項1から4記載の半身浴用カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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