説明

半透明の化粧ファンデーション

3.5以上、好ましくは4.5以上、より好ましくは5.0以上の次式に従って測定されるΔLT値を有する化粧ファンデーション組成物であって、
ΔLT=ΔL2−ΔL1
式中:
ΔL1=L1110−L115
ΔL2=L2110−L215
1は製品が適用されていない素肌で得たLyの測定値であり、
2は製品が適用されている皮膚で得たLyの測定値であり、
yは、鏡面からの特定角度yでの明度値である組成物
が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、半透明の化粧ファンデーション組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧スキンファンデーションは既知であり、長年知られている。こうしたファンデーションの配合者は、下にある皮膚を目立たなくするファンデーションの能力を増大させると同時に、皮膚に極めて不自然な見た目を与えないという、2つの明らかに相反する課題に直面している。しかし、皮膚の自然な外観を保持することは、下にある皮膚を見えるようにする半透明製品を使用することによって達成されるのが最良であり、それは皮膚を目立たなくすることとは明らかに反対である。それだけでなく、年齢と共に皮膚の半透明性が減少し、化粧スキンファンデーションの熟年ユーザーは一般に、見掛けの半透明性を実際に増大させるファンデーションを所望するようになる。現在、皮膚の半透明性の問題に対処する唯一実行可能な手法は、被覆範囲を減少させること、すなわち組成物中の金属酸化物顔料濃度を減少させて、適用に際して、実際に目立たなくなる皮膚を少なくなるようにすることである。この手法では、せいぜい、下にある皮膚に固有の半透明性をほぼ維持できる程度であり、こうしたファンデーションでは対象とする表面の十分な被覆範囲を提供することができない。見掛けの半透明性を少量ではあるがさらに増大させることは、組成物に光沢のある皮膚軟化剤を添加することによって成され得るが、こうした増大は消費者のニーズを満たすのには不十分である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、下にある皮膚の被覆範囲を大きくできるが、半透明性を維持し、さらには向上させて自然な外観を維持できるファンデーションを提供することによって先行技術の上記欠点に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、3.5以上、好ましくは4.5以上、より好ましくは5.0以上の次式に従って測定されるΔLT値を有する化粧ファンデーション組成物であって、
ΔLT=ΔL2−ΔL1
式中:
ΔL1=L1110−L115
ΔL2=L2110−L215
1は、製品が適用されていない素肌で得たLyの測定値であり、
2は、製品が適用された皮膚で得たLyの測定値であり、
yは、鏡面から特定角度yにおける明度値である組成物
が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
指定がない限り、本明細書の重量、測定値、及び濃度は、全て組成物全体に関して25℃で測定される。
【0006】
特に指示のない限り、本明細書で言及する組成物の割合は全て、組成物全体(すなわち、存在する構成成分全ての和)の重量百分率であり、また全ての比は重量比である。
【0007】
金属酸化物粒子に関連して本明細書で使用する時、ドーピング又はコーティング材料の重量は全て、下にある金属酸化物粒子、すなわちドープされた又はコーティングされた粒子の重量百分率として与えられる。この定義は、ドーピング又はコーティング材料自体が金属酸化物である場合であっても適用される。故に、粒子がxグラム重量であり、コーティング又はドーピング材料がyグラム重量である場合、コーティング又はドーピング材料の重量百分率はy/x*100である。
【0008】
化粧ファンデーション組成物に関連して本明細書で使用する時、金属酸化物日焼け止め剤粒子の重量百分率は、下にある金属酸化物粒子といずれかのドーピング又はコーティングとを合わせた重量を、化粧ファンデーション組成物全体の重量で割ったものである。故に、粒子がxグラム重量であり、コーティング又はドーピング材料がyグラム重量であり、化粧ファンデーション組成物全体(コーティング又はドーピングされた金属酸化物粒子を含む)がzグラム重量である場合、金属酸化物粒子の重量百分率は(x+y)/z*100である。
【0009】
特に指示のない限り、ポリマーの分子量は全て数平均分子量である。
【0010】
組成物中の架橋オルガノポリシロキサンエラストマーの重量百分率に関する本明細書の言及は、その組成物中の固体のオルガノポリシロキサンエラストマーの重量百分率に関するものである。
【0011】
指示がない限り、本文内で参照する文献の出典全ての内容全体を、本明細書に参考として組み込む。
【0012】
実際に測定した値の特定の例を提示する場合を除いて、本明細書で言及する数値は、「約」という言葉が付与されていると考えるべきである。
【0013】
半透明性は、光を当てられた表面がその光を扱う方向の基準として考えることができる。より具体的には、表面が一定角度、例えば垂直から45°の角度にて照らされる場合、観測者が表面の同じ部分を異なる角度で観察することによって見える光度の差として考えることができる。経験的には、45°にて一定に照らされる場合、最も極端な差は、45°の入射光線の鏡面反射率バンドから測定される場合(この場合、垂直からは測定されない)、表面の同じ部分が15°(「彩度バンド」と呼ばれることが多い)と110°(後方散乱光)角度から観察した場合に見られるものである。これは、図2にて示され、以下でより詳細に議論される。結果として、15°及び110°にて測定された光度の差は、半透明性の基準として見なすことができ、大きな正の値は、半透明性が大きい表面を示し、小さい正の値、さらには負の値は半透明性が低い表面であることを示す。
【0014】
皮膚、特に若くて健康的な皮膚は比較的高い半透明性を有するが、それは15°及び110°にて測定される光度の差が大きいことを意味する(110°の場合よりも15°での方がより多くの光を吸収する)。この効果はまた、皮膚の組成によって説明でき、その説明によれば光は皮膚に入って、離れることができ、結果として測定角度によって異なる光路長さとなり、これはベール−ランバートの法則に従う。
【0015】
着手中の問題(ファンデーションでコーティングされた皮膚の消費者による知覚)に戻ると、金属酸化物粒子で皮膚を覆うと、光が皮膚に入るのを妨げられて、15°及び110°を含む全ての方向にて光散乱が増大するという作用があることは明白である。15°で散乱した光の光路の長さが110°で散乱したものよりも減少するので(実際、110°では、光路の長さがほとんど減少しない)、15°における光度の増大は110°の場合よりも顕著に大きくなり、金属酸化物の被覆範囲が増大するにつれて知覚される半透明性が減少するようになる。本発明者らが直面する問題は、知覚される半透明性を増大させると同時に、金属酸化物粒子による皮膚の被覆範囲を保持し、さらには増大させることであった。
【0016】
本発明者らは、化粧スキンファンデーションによって達成される見掛け又は知覚される明度は、観測者が受光する入射光線のかなりの部分を皮膚に到達させ、侵入させ、次いで離れさせることができる不透明度の低い島と組み合わせて反射性の表面層を有する組成物を得ることによって増大させることができることを、予期せず確立した。現在販売されている化粧ファンデーション組成物の明度測定によれば、試験されたいかなるものも、本発明によって達成される3.5以上、好ましくは4.5以上、より好ましくは5.0以上のΔLTの半透明性を達成できないことがわかった。
【0017】
有利なことには、本発明の化粧ファンデーション組成物の半透明性ΔLT値は30を超えない。
【0018】
ファンデーションで覆われる皮膚の半透明性を増大させる1つの方法は、組成物に架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを包含させることである。理論に束縛されるものではないが、こうしたエラストマー類は、乾燥した膜に不透明度の低い島を形成でき、それを通った光は皮膚まで透過できる。架橋オルガノポリシロキサンエラストマー類は本明細書に用いるのに好ましいが、同じ効果をもたらす他の材料を代わりに使用してもよい。
【0019】
架橋オルガノポリシロキサンエラストマーは、化粧ファンデーション組成物の0.01重量%〜15重量%、好ましくは1重量%〜10重量%、より好ましくは2重量%〜5重量%の量で、本発明に従う化粧ファンデーション組成物に存在してもよい。
【0020】
化粧ファンデーション組成物は、乳化架橋オルガノポリシロキサンエラストマー、非乳化架橋オルガノポリシロキサンエラストマー、又はこれらの混合物を含んでいてもよい。好ましくは、架橋オルガノポリシロキサンエラストマーは、非乳化架橋オルガノポリシロキサンエラストマーだけを含む。非乳化架橋オルガノポリシロキサンエラストマーは、化粧ファンデーション組成物の0.01重量%〜15重量%、好ましくは2重量%〜5重量%の量で存在してもよい。
【0021】
本明細書で使用する時、架橋オルガノポリシロキサンエラストマーに関連して使用される場合に「非乳化」という用語は、ポリオキシアルキレン又はポリグリセリルユニットを含まない架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを包含する。
【0022】
本明細書で使用する時、架橋オルガノポリシロキサンエラストマーに関連して使用される場合に「乳化」という用語は、少なくとも1つのポリオキシアルキレン(例えば、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレン)又はポリグリセリルユニットを含む架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを包含する。
【0023】
架橋オルガノポリシロキサンエラストマーの出発材料として作用し得る硬化性オルガノポリシロキサン組成物の種類に関しては、特に制限はない。硬化オルガノポリシロキサン組成物の例は、SiH含有ジオルガノポリシロキサンとケイ素結合ビニル基を有するオルガノポリシロキサンとの付加反応により白金金属触媒下で硬化する付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物;ヒドロキシル終端ジオルガノポリシロキサンとSiH含有ジオルガノポリシロキサンとの脱水素反応により有機スズ化合物の存在下で硬化する縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物;有機スズ化合物又はチタン酸エステルの存在下で、ヒドロキシル終端ジオルガノポリシロキサンと加水分解可能なオルガノシランの縮合反応(この縮合反応は、脱水、アルコール−遊離、オキシム−遊離、アミン−遊離、アミド−遊離、カルボキシル−遊離、及びケトン−遊離反応によって例示される)により硬化する縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物;オルガノペルオキシド触媒の存在下で熱硬化するペルオキシド硬化型オルガノポリシロキサン組成物;及びガンマ線、紫外線、又は電子線のような高エネルギー放射線法により硬化するオルガノポリシロキサン組成物である。
【0024】
好ましい非乳化オルガノポリシロキサンエラストマー類は、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー類である。そのようなジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー類は、ダウ・コーニング(Dow Corning)(DC9040、DC9040及びDC9045)、ゼネラル・エレクトリック(General Electric)(SFE839及びヴェルバシル(Velvasil)シリーズ製品)、シンエツ(Shin Etsu)(KSG−15、16、18[ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー])、及びグラント・インダストリーズ(Grant Industries)(グランシル(Gransil)(登録商標)ライン材料)を包含する種々の供給元によって供給され、またシンエツ(Shin Etsu)から供給されているラウリルジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー類(例えば、KSG−31、KSG−32、KSG−41、KSG−42、KSG−43、及びKSG−44)である。極めて好ましい非乳化オルガノポリシロキサンエラストマー類は、DC9040及びKSG15である。
【0025】
本発明による化粧ファンデーション組成物はさらに、アグロメレーションを防ぐために金属酸化物顔料粒子を湿潤させる作用をもつ分散剤を含んでいてもよい。上述の明度のモデルに関して、アグロメレーションは、15°での明度を増大させると考えることができ(表面からの光のランダムな散乱が増大するからである)、それによって15°と110°との光度の差が小さくなり、従って知覚される半透明性が減少する。アグロメレーションを減らす又は回避することにより、この作用に対抗する。本発明に従って使用されてもよい分散剤は、以下で定義される部類A、B、及びC、又はそうした材料の混合物から成る群から選択されてもよい:
部類A材料は:
(a)不揮発性であり、
(b)25℃で、5cm2/s(500センチストークス)以下、好ましくは1cm2/s(100センチストークス)以下、より好ましくは0.5cm2/s(50センチストークス)以下の粘度を有し、
(c)3.0〜5.0、好ましくは3.5〜5.0の誘電率を有する。
【0026】
部類Aに属する分散剤の例としては、ジグリセリン若しくはトリグリセリン又はそれらのエステル類、あるいは1,2,3,4ブタントリオール又はエリスリトール、ジエリスリトール又はトリエリスリトール(tri erthyritol)の分枝状エステル類が挙げられる。これらのエステル類は、少なくとも1つの遊離ヒドロキシル基を有していなければならない。この部類の好ましい分散剤としては、エリスリチル(erythrityl)トリエチルヘキサノエート(ニッシン・オイリオ(Nisshin Oilio)からサラコス(Salacos)E−38として入手可能)、及びポリグリセリル−2トリイソステアレート(ニッシン・オイリオ(Nisshin Oilio)からコスモル(Cosmol)43Vとして入手可能)が挙げられる。
【0027】
本明細書で使用する時、分散剤に関連して使用される場合に「不揮発性」という用語には、次の定義の少なくとも1つを満たす物質が包含される:(a)その油が25℃及び1気圧にて約0.2mmHg以下の蒸気圧を示す;(b)その油が1気圧で少なくとも約300℃の沸点を有する。
【0028】
粘度は、10.47rad/s(100rpm)の速度及び25℃にてブルックフィールドRV++スピンドルにて測定される。
【0029】
分散剤の誘電率は、ニュージャージ州プリンストン(Princeton)のサイエンティフィカ(Scientifica)によって製造されるモデル870液体誘電率メーターを用いて20℃で測定した。計測は平衡に達した後に行った(通常、一定値になるまで5分かかった)。
【0030】
部類Bの材料は式R−X−R’に従い、R及びR’はC6〜C10アルキル基であり、Xは酸素原子又はカーボネート基、すなわち構造
【0031】
【化1】

を有する基である。
好ましくは、Xはカーボネート基である。
RはR’と同一でもよく、又は異なっていてもよい。
好ましくは、R及びR’は、独立に直鎖又は分枝鎖C7〜C9である。
より好ましくは、R及びR’の両方がC8アルキル基である。
さらにより好ましくは、R及びR’の両方が2−エチルヘキシル基であり、Xはカーボネート基である。
【0032】
この部類に入る市販の分散剤としては、テゴソフト(TEGOSOFT)DEC(ゴールドシュミットAG(Goldschmidt AG)、セチオール(CETIOL)OE(コグニス(Cognis)AG)及びセチオール(CETIOL)CCが挙げられる。
【0033】
部類Cは、イソノニルイソノナノエート(セピック(Seppic)からラノール(Lanol)99として入手可能)のみを含む。
【0034】
アグロメレーションを減少又は防ぐために金属酸化物顔料粒子を湿潤させることに加えて、分散剤はさらに、金属酸化物粒子の上に反射性表面層を提供する効果を有することがある。理論に束縛されるものではないが、これらの材料が、適用された化粧ファンデーション組成物が微視的に平滑な表面を有することを確実にできると考えられている。
【0035】
本発明の化粧ファンデーション組成物は、0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%、より好ましくは1重量%〜8重量%、さらにより好ましくは2重量%〜6重量%の分散剤を含んでいてもよい。
【0036】
本発明の化粧組成物は、金属酸化物粒子を含む。所望の効果を達成する好適な金属酸化物のいずれかが使用されてもよく、例えば金属酸化物は、着色効果、日焼け止め効果、又はこれらの効果の組み合わせを提供してもよい。好ましくは、金属酸化物粒子は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、黄酸化鉄、黒酸化鉄、赤酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムから成る群から選択される。
【0037】
有利なことには、本発明による金属酸化物粒子は、10〜500nm、好ましくは15〜200nm、より好ましくは20〜100nmの数加重平均一次粒径を有する。
【0038】
本明細書で使用する時、「一次粒径」という用語は、X線回折によって測定される場合の金属酸化物の結晶サイズを意味する。最も強いルチル線の広がりを測定することに基づく。
【0039】
さらに、金属酸化物粒子は、0.005〜100μm、好ましくは0.015〜10μm、より好ましくは0.05〜1μmの数加重平均二次粒径を有していてもよい。日焼け止め金属酸化物は、100〜250nmの数加重平均二次粒径を有するのが有利な場合がある。着色金属酸化物は、250nmを超えて500nmまでの数加重平均二次粒径を有するのが有利な場合がある。
【0040】
数加重平均二次粒径は、ニコンプ(Nicomp)370サブミクロン・パーティクル・サイザー(Sub Micron Particle Sizer)を用いて測定される。
【0041】
本発明の化粧ファンデーション組成物は、0.1重量%〜45重量%の金属酸化物粒子を含んでいてもよく、それは金属酸化物顔料、金属酸化物日焼け止め剤粒子及びこれらの材料の混合物から選択されてもよい。金属酸化物顔料は、化粧ファンデーション組成物の0.05重量%〜30重量%、好ましくは1重量%〜20重量%で存在してもよい。金属酸化物日焼け止め剤粒子は、化粧ファンデーション組成物の0.05重量%〜15重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%、より好ましくは1重量%〜5重量%で存在していてもよい。
【0042】
微小な金属酸化物粒子は、許容されない化学反応又は光化学反応を生じ得る極めて反応性の高い表面を有する。この効果に対抗するために、1以上の、シリカのような他の材料又はアルミナのような金属酸化物類を用いてこれらの表面をドープし、その表面の反応性を低下させることが知られている。この表面処理は、通常金属酸化物粒子の15〜30重量%であってもよい。有利なことには、本発明に従う化粧組成物内に含まれる金属酸化物粒子はそのようにドープされていてもよい。
【0043】
有利なことには、金属酸化物粒子は、疎水性のキャリア媒体中における粒子の分散を改善するために疎水性のコーティングが施されてもよい。有利なことには、金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の2〜25重量%、好ましくは5重量%〜15重量%、より好ましくは7重量%〜12重量%の疎水性コーティングを含む。
【0044】
有利なことには、疎水性コーティングは、1以上の次の材料及びイソプロピルアルコールの混合物を金属酸化物粉末上に適用し、150℃で3時間乾燥することによって行うことができる:反応性オルガノポリシロキサン、ポリオレフィン(ポリエチレン及びポリプロピレンを包含する)、水素添加レシチン及びそれらの塩類、N−アシルアミノ酸及びそれらの塩、並びにデキストリン脂肪酸エステル類。好ましくは反応性のオルガノポリシロキサンは、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、トリオルガノシロキシケイ酸、及び両方の末端基がトリアルコキシ基で修飾されているオルガノポリシロキサンを含む。反応性オルガノポリシロキサン類のカテゴリに入る市販の材料としては、シンエツ・ケミカル社(Shin-Etsu Chemical Company Ltd)によって製造されるKF−99、KF−9901、KF−7312F、KF−7312−J、KF−7312K、KF−9001、KF−9002、X−21−5249及びX−21−5250;ダウ・コーニング・トーレ・シリコーン社(Dow Corning Toray Silicone Co. Ltd.)によって製造されるSH−1107、DC593、BY−11−015、BY−11−018及びBY−11−022;東芝・シリコーン社(Toshiba Silicone Co. Ltd.)によって製造されるTSF484、TSF483及びTSF4600;ニッポン・ユニカー社(Nippon Unicar Co. Ltd.)によって製造されるFZ3704及びAZ6200が挙げられる。
【0045】
疎水性コーティングは先行パラグラフに記載されるものに限定されず、当業者に既知の別の疎水性コーティングを代わりに使用してもよい。こうしたコーティングには、トリアルコキシル(trialkoyl)イソプロピルチタネート、好ましくはトリイソステアロイルイソプロピルチタネート及びペルフルオロコーティング、好ましくはポリペルフルオロエトキシメトキシPEG−2ホスフェートを挙げることができる。
【0046】
本発明の化粧ファンデーション組成物は、有機日焼け止め剤を含んでいてもよい。適した日焼け止め剤は、UVAを吸収する特性、UVBを吸収する特性、又はこれらの組み合わせを有することができる。
【0047】
本明細書で使用する時、「UVA」という用語は約320nm〜約400nmの波長を有する紫外線のことを指し、「UVB」という用語は約290nm〜約320nmの波長を有する紫外線のことを指す。
【0048】
有利なことには、本発明の組成物は、約2重量%〜約20重量%、好ましくは約4重量%〜約14重量%のUVAを吸収する有機日焼け止め剤を含む。この種類の適した日焼け止め剤としては、ウェニガー(Wenninger)及びマキューエン(McEwen)編の「CTFA国際化粧品成分辞典及びハンドブック(CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)」、第7版、第2巻、1672頁(化粧品工業会(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.)(ワシントン(Washington)DC)、1997年)に見出すことができる。
【0049】
好適なUVAを吸収する有機日焼け止め剤は、ジベンゾイルメタン誘導体、メチルアントラニレート及びホモメチル、1−N−アセチルアントラニレートなどのアントラニレート誘導体、及びこれらの混合物から選択されてもよい。
【0050】
好ましいUVAを吸収する有機日焼け止め剤としては、2−メチルジベンゾイルメタン、4−メチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチルジベンゾイルメタン、2,4−ジメチルジベンゾイルメタン、2,5−ジメチルジベンゾイルメタン、4,4’−ジイソプロピルベンゾイルメタン、4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−イソプロピル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2,4−ジメチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2,6−ジメチル−4’−tert−ブチル−4’メトキシジベンゾイルメタン、及びこれらの混合物から選択されるものが挙げられる。好ましいジベンゾイル日焼け止め活性剤としては、4−(1,1−ジメチルエチル)−4’メトキシジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、及びこれらの混合物から選択されるものが挙げられる。さらに好ましい日焼け止め活性剤は、4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンである。
【0051】
日焼け止め活性物質4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンは、ブチルメトキシジベンゾイルメタン又はアボベンゾンとしても知られ、ジボダン・ローレ(インターナショナル)社(Givaudan Roure(International)S.A.)(スイス、バーゼル(Basel))よりパーソル(Parsol)(登録商標)1789、及びメルク社(Merck & Co.,Inc.)(ニュージャージ州ホワイトハウスステーション(Whitehouse Station))よりユーゾレックス(Eusolex)(登録商標)9020の名前で市販されている。日焼け止め剤4−イソプロピルジベンゾイルメタンは、イソプロピルジベンゾイルメタンとしても知られているが、メルク(Merck)からユーゾレックス(Eusolex)(登録商標)8020の名称で市販されている。
【0052】
本発明の組成物はさらに、UVBを吸収する有機日焼け止め剤を含んでいてもよい。有利なことには、本発明の組成物は、約0.1重量%〜約16重量%、好ましくは約0.1重量%〜約12重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約8重量%のUVBを吸収する有機日焼け止め剤が含まれていてもよい。
【0053】
好適なUVBを吸収する有機日焼け止め剤は、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレンと呼ばれる)、シンナメート類及びこれらの誘導体、例えば2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート及びオクチル−p−メトキシシンナメートなど、サルチル酸TEA、オクチルジメチルPABA、カンファー誘導体及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物から選択される。好ましいUVBを吸収する有機日焼け止め活性剤は、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレンと呼ばれる)、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート、及びこれらの混合物である。
【0054】
極めて有利なことには、本発明の化粧ファンデーション組成物は、0.1重量%〜6重量%の2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメートを含む。
【0055】
有利なことには、本発明の化粧ファンデーション組成物は油を含む。油は、化粧ファンデーション組成物の1重量%〜80重量%の量で存在してもよい。
【0056】
その油は、環状でも線状でもよく、官能化されていてもいなくてもよいシリコーン類;C10〜C30分枝状、線状又は環状アルカン類又はエステル類を包含する有機油類、及びこれらの混合物から成る群から選択されてもよいが、イソノニルイソノナノエートは除く。
【0057】
本発明の化粧ファンデーション組成物に使用されてもよい好ましい環状シリコーン類は、次式に対応する:
【0058】
【化2】

式中、nは約3〜約8である。極めて好ましくは、環状揮発性シリコーン類は、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン及びこれらの混合物から選択される。
【0059】
本発明の化粧ファンデーション組成物に使用されてもよい好ましい線状シリコーン類は、次式に対応する:
(CH33Si−O−[Si(CH32−O]m−Si(CH33
式中、mは約1〜約20、好ましくは3〜12である。
【0060】
線状シリコーン類は一般に、25℃で約0.5cm2/s(50センチストークス)未満、好ましくは0.05cm2/s(5センチストークス)未満の粘度を有し;環状シリコーンは一般に、25℃で約0.1cm2/s(10センチストークス)未満の粘度を有する。
【0061】
市販の環状シリコーン類の例としては次が挙げられる:ダウ・コーニング(Dow Corning)200、ダウ・コーニング(Dow Corning)244、ダウ・コミング(Dow Coming)245、ダウ・コーニング(Dow Corning)344、及びダウ・コーニング(Dow Corning)345(ダウ・コーニング社(Dow Corning Corp.)から市販);SF−1204及びSF−1202シリコーン流体(G.E.シリコーンズ社(G.E.Silicones)から市販)、GE7207及び7158(ゼネラル・エレクトリック社(General Electric Co.)から市販);並びにSWS−03314(SWSシリコーンズ社(SWS Silicones Corp.)から市販)。
【0062】
有用な線状ジメチコン類の好ましい例としては、DC200 5cst、DC1630及びDC5−2117が挙げられ、より好ましくは線状ジメチコンはDC5−2117を含む。
【0063】
本発明の化粧ファンデーション組成物に包含されてもよい好ましい有機油類は、イソヘキサデカン、イソドデカン及びこれらの混合物である。
【0064】
本発明の化粧ファンデーション組成物は、無水物製品又はエマルションとして配合されてもよい。化粧ファンデーション組成物がエマルションとして配合される場合、それらのエマルションは油中水型(シリコーン中水型)エマルション、又は水中油型(水中シリコーン)エマルションであってもよいが、好ましくはシリコーン中水型エマルションである。
【0065】
有利なことには、本発明の化粧ファンデーション組成物は、0.1〜70%、好ましくは1〜50%、より好ましくは5〜40%の水を含有するシリコーン中水型エマルションとして配合される。
【0066】
本発明の化粧ファンデーション組成物は、エマルションの形態であるかどうかに拘わらず、乳化剤を含んでいてもよい。乳化剤は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、双性イオン性及び両性乳化剤、並びにこれらの混合物から成る群から選択されてもよい。好適な乳化剤は、マカッチャンの洗剤及び乳化剤(北アメリカ版、317〜324頁)に開示される。
【0067】
本発明の化粧ファンデーション組成物がシリコーン中水型エマルションである場合、好ましい乳化剤は、ポリオキシアルキレンコポリマー類(シリコーンポリエーテル類としても既知)、ポリグリセリルコポリマー類及びこれらの混合物から成る群から選択される。ポリオキシアルキレンコポリマー類は、米国特許第4,268,499号に詳細に記載される。より好ましいポリエーテル類としては、DC5225C又はDC5185としてシクロペンタシロキサンとブレンドされて入手可能なPEG/PPG−18/18ジメチコン;シンエツ(Shin-Etsu)からKF6017又はKF6028として入手可能なPEG9ジメチコンが挙げられる。好ましいポリグリセリル乳化剤は、シンエツ社(Shin-Etsu Inc.)からKF6100及びKF6104として入手可能である。
【0068】
1つの実施形態において、本発明の化粧ファンデーション組成物はポリグリセリルコポリマー乳化剤のみを含み、ポリオキシアルキレン乳化剤は含まないのが好ましい。これは、ポリオキシアルキレン乳化剤が崩壊してエチレングリコール及びアルデヒド類を放出することがあり、それが一部の消費者の皮膚に対して感受性を増大させることがあるからである。
【0069】
乳化剤の総濃度は、製剤の0.01重量%〜約15重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、さらによりに好ましくは組成物の1.0重量%〜約5重量%、さらにより好ましくは約1.0重量%〜約3重量%であってもよい。
【0070】
本発明の化粧ファンデーション組成物は、任意に、1〜50μm、好ましくは5〜20μmの平均粒子直径を有する球状粒子を含有していてもよい。球状粒子に関連して本明細書で使用する時、粒子直径は一次粒子の直径と理解されるべきである。
【0071】
好ましい球状粒子としては、メチルシルセスキオキサン樹脂微小球、例えば、トスパール(Tospearl)145A及びトスパール(Tospearl)2000という名称でGEシリコーンから販売されているものなど;ポリメチルメタクリレート類の微小球ミクロパール(Micropearl)M100という名称でセピック(Seppic)から販売されているものなど;架橋ポリジメチルシロキサン類の球状粒子、特に、トレフィル(Trefil)E506C又はトレフィル(Trefil)E505Cという名称でダウ・コーニング・トーレ・シリコーン(Dow Corning Toray Silicone)から販売されているものなど、ポリアミド球状粒子、さらに具体的にはナイロン12、特に、オルガゾル(Orgasol)2002D NatC05という名称でアトケム(Atochem)から販売されているものなど、ポリスチレン(polystyerene)微小球、ダイノスフィアズ(Dynospheres)という名称でダイノ・パーティクルズ(Dyno Particles)から販売されているものなど、エチレンアクリレートコポリマー、フロベッド(FloBead)EA209という名称でコボ(Kobo)から販売されている、及びこれらの組み合わせから選択されるポリマー粒子が挙げられるが、これらに限定されない。また有用であると判明しているものは、コボ社(Kobo Inc.)からのロナスフィア(Ronasphere)LDPである。コボ社(Kobo Inc.)によって販売されるポリウレタン粒子BPD500も使用してもよい。
【0072】
存在する場合、球状粒子は、本発明の化粧ファンデーション組成物にて、約0.01%〜約40%、より好ましくは約1%〜約10%、さらにより好ましくは約1%〜約5%の濃度で包含されていてもよい。
【0073】
本発明の化粧ファンデーション組成物はさらに、皮膚コンディショニング剤を含んでいてもよい。これらのコンディショニング剤は、保湿剤、剥離剤又は皮膚軟化剤から選択されてもよく、化粧ファンデーション組成物の約0.01重量%〜30重量%、好ましくは約1重量%〜約20重量%、より好ましくは約1重量%〜10重量%で存在してもよい。
【0074】
本発明の化粧ファンデーション組成物に包含されていてもよい保湿剤としては、多価アルコール類、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、エトキシ化グリセリン、プロポキシル化グリセリン及びこれらの混合物が挙げられる。最も好ましくは保湿剤はグリセリンを含む。
【0075】
さらに親水性のゲル化剤、例えばアクリル酸/エチルアクリレートコポリマー類、カルボキシビニルポリマー類(例えば、B.F.グッドリッチ社(B.F. Goodrich Company)からカルボポール(Carbopol)(商標)として販売されるもの)、ポリアクリルアミド類(セピック(Seppic)からセピゲル(Seppigel)305として入手可能なもの)及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが、本発明の化粧ファンデーション組成物に包含されていてもよい。
【0076】
種々の追加の任意成分を本発明の組成物に組み込んでもよい。このような追加成分の非限定例としては、ペプチド類(例えばマトリキシル[ペンタペプチド誘導体])、ファルネソール、ビサボロール、フィタントリオール、尿素、グアニジン(例えばアミノグアニジン)のような追加のスキンケア活性剤;アスコルビン酸、ビタミンA(例えばレチニルパルミテートやレチニルプロプリオネートのようなレチノイド誘導体)、ビタミンE(例えばトコフェロールアセテート)、ビタミンB3(例えばニコチン酸アミド)、ビタミンB5(例えばパンテノール)やこれらの混合物などのビタミン類及びその誘導体;抗ニキビ薬剤(レゾルシノール、サリチル酸など;酸化防止剤(例えばフィトステロール類、リポ酸):フラボノイド類(例えばイソフラボン類、フィトエストロゲン類);アロエベラ抽出物、アラントインなどの皮膚鎮静剤及び治癒剤;キレート剤及び隔離剤;精油類、芳香剤、皮膚感覚剤、不透明化剤、芳香化合物(例えば丁子油、メンソール、カンファー、ユーカリ油、オイゲノール)のような審美目的に好適な作用剤が挙げられる。
【0077】
明度の計算方法
以下で定義される方法で行われる明度の測定は全て、X−Rite(商標)MA68II分光光度計を用いて行われる。しかし、誤解を避けるために、同じ光源を用いて適切に較正され、同じ入射光線角度及び同じ反射角度(図2にて定義されるように、鏡面から15°及び110°)が使用される限り、好適な多角度分光光度計のいずれをも使用できる。
【0078】
基準の標準化
45°で入射する光線の色を、X−Rite(商標)MA68II分光光度計を用い、ヒトの目の視覚的受容応答に最も近いと考えられるCMC(測色委員会)許容誤差法により全ての製品について測定する。CMCの式(英国標準BS:6923を参照)を用い、許容度楕円を対象の色空間について計算することにより、サンプル間の小さい色の差異を評価できる。光源は、10°標準観測者でD65光源である。この光源は、平均的な日光を示すように意図され、およそ6500Kの相関色温度を有する(ISO10526:1999によって標準として認識されている)。
【0079】
隠蔽率チャート(シーン・インスツルメンツ社(Sheen Instruments Ltd.)によって供給されるチャート参照:301/2A)を示す図1を参照すると、製品は300μmの厚さにて領域(1)に適用され、黒色及び白色の半分ずつが関与する領域(2)にて隠蔽率チャートの中央で計測を行い、図の右側に示される矢印の方向にて行う。
【0080】
試験されるべき製品全てを、シェードの「バフベージュ」−カバーガール(CoverGirl)(商標)ファンデーションパレット内のシェード#111(L*=68.72 a*=11.47 b*=19.49)と比較しなければならない。L*、a*及びb*は3D色空間における座標を指し、ここでL*は色がどの程度明るいか、暗いかを示し、a*は赤から緑の軸上の位置を示し、b*は黄色から青色の軸上の位置を示し、これらの量はこの分野の当業者には既知であり、さらに定義する必要はない。
【0081】
デルタE値を、次の式を用いてこの標準に対して計算する:
【数1】

【0082】
試験に組み込むために、製品は標準に対してデルタEが0.5以下でなければならない。しかし、誤解を避けるために、この方法を再現するためにカバーガール(CoverGirl)(商標)ファンデーションを用いる必要はなく、そのデルタE値を達成できるいずれのファンデーションも許容範囲である。
【0083】
所与の製品における半透明性測定方法
反射率及びデルタLは、ヒトの皮膚のインビボ組成全体について、産業界で標準的な反射光及び色の分析装置であるX−Rite(商標)MA68 II、5アングル分光光度計を用いて測定される。図2を参照すると、分光光度計の入射光線(3)は皮膚表面(4)に対して45°であり、それは鏡面反射率(5)(また表面に対しては45°及び入射光線に対して90°)から15°、25°、45°、75°及び110°における反射光を分析する。
【0084】
本明細書で使用する時、Lyは鏡面から特定角度yで測定されたL値である。
【0085】
本明細書で使用する時、基準測定値とも呼ばれるL1は、製品が適用されていない素肌での測定値である。
【0086】
本明細書で使用する時、適用後測定値とも呼ばれるL2は、製品が適用された皮膚での測定値である。
【0087】
インビボデータの固有の変動性を考慮すると、統計学的に正確なデータを得るためには少なくとも15人の試験人が基準群として必要である。多因子分析を用いれば、本方法を用いて製品間に大きな有意差を示すデータを得ることができる。使用前に、装置と共に供給された白色及び黒色標準を使用して計器を較正する。試験人は18〜35歳の白人女性である。
【0088】
垂直から45°にて入射光線により皮膚を照らした。光源は、(前述したように)10°の標準観測者におけるD65光源である。皮膚は、相加平均基準線測定値(L1)を得るために製品を用いずに3回計測される。不透明性の基準線測定値(ΔL1)は次のように定義される:
ΔL1=L1110−L115
【0089】
次いでマーキング(例えばタトゥ)のない前腕の素肌に、3cm×3cm正方形領域(9cm2)にわたって15μlの用量で製品を適用する。指の平らな部分を掃引させ、全部で15回掃引して均一な膜状に製品を適用する。3回の掃引毎に製品の擦りつけ方向を90°回転させる。その後、製品を皮膚上で5分間放置して乾燥させる。次いで3回の測定値の相加平均(L2)を各試験人について得る。不透明性の適用後測定値(ΔL2)は次のように定義される:
ΔL2=L2110−L215
【0090】
基準線測定値ΔL1は、次いで適用後測定値ΔL2から差し引かれ、半透明性における変化(ΔLT)を得る。
ΔLT=ΔL2−ΔL1
【0091】
半透明製品は、正の値のΔLTを有する。本発明の半透明性の高い製品は、3.5以上、好ましくは4.5以上、より好ましくは5.0以上のΔLT値を有する。認識されるように、非常につやのない物質では、これらの物質が実際には反射光の量を低減することから、この数は負の場合がある。
【実施例】
【0092】
以下の実施例は、本発明の範囲内の好ましい実施形態についてさらに説明し、実証するものである。本発明の範囲から逸脱することなく本発明の多くの変更が可能であるため、これら実施例は例示のみを目的とするものであって、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0093】
本発明のリキッドファンデーションを次のように調製する:好適な容器にて、水、グリセリン、EDTA二ナトリウム及びベンジルアルコールを添加し、従来の技術を用いて透明な水相が得られるまで混合する。水相が透明になった時、メチルパラベン類を添加して透明になるまで再び混合する。シルバーソン(Silverson)SL2T又は類似の装置を用いて、得られた相を高速(標準的なヘッドで837.76rad/s(8,000rpm))で混合する。別の容器にて、KSG21、DC245、顔料分散液、その他の油、分散剤、及びパラベン類を添加し、均質な混合物が形成されるまでシルバーソン(Silverson)SL2Tを高速設定で用いて、その混合物を挽く。
【0094】
この工程の後に、水相とシリコーン相を混ぜ合わせ、シルバーソンSL2Tを用いて、水が完全に組み込まれ、エマルションが形成されるまで高速設定で挽く。次いでエラストマーを添加し、その混合物を再びシルバーソンを高速設定で用いて混合し、最終製品を得る。
【0095】
【表1】

(1)ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能
(2)シンエツ(Shin-Etsu)から入手可能
(3)デグサ(Degussa)から入手可能
(4)ミヨシ・カセイ(Miyoshi Kasei)から入手可能
(5)センシエント(Sensient)から入手可能
*これらは、シクロペンタシロキサン(D5)中のスラリーとして添加される。
【0096】
本明細書は本発明を特定して指摘し明確に請求する請求項で完結するが、添付図面と共になされる好ましい実施形態についての次の説明により、本発明がよりよく理解されるであろうと考える。添付図面では、同一の要素は同じ参照番号によって識別される。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】ΔLを計算する方法に関連して以下でより詳細に議論される隠蔽率チャートの図。
【図2】皮膚表面に対して45°の入射光線がその表面からどのように反射するかを示すダイアグラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3.5以上、好ましくは4.5以上、より好ましくは5.0以上の次式に従って測定されるΔLT値を有する化粧ファンデーション組成物であって、
ΔLT=ΔL2−ΔL1
式中:
ΔL1=L1110−L115
ΔL2=L2110−L215
1は、製品が適用されていない素肌で得たLyの測定値であり、
2は、製品が適用された皮膚で得たLyの測定値であり、
yは、鏡面から特定角度yにおける明度値である組成物。
【請求項2】
前記化粧ファンデーション組成物の0.01重量%〜15重量%、好ましくは1重量%〜10重量%、より好ましくは2重量%〜5重量%の架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを含む、請求項1に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項3】
前記架橋オルガノポリシロキサンエラストマーが非乳化架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを含む、請求項2に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項4】
前記架橋オルガノポリシロキサンエラストマーが非乳化架橋オルガノポリシロキサンエラストマーだけから成る、請求項3に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項5】
分散剤をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項6】
前記分散剤が:
(a)不揮発性であり;及び
(b)25℃で、5cm2/s(500センチストークス)以下、好ましくは1cm2/s(100センチストークス)以下、より好ましくは0.5cm2/s(50センチストークス)以下の粘度を有し;及び
(c)3.0〜5.0、好ましくは3.5〜5.0の誘電率を有する、請求項5に記載の化粧ファンデーション。
【請求項7】
前記分散剤が、式R−X−R’に従い、R及びR’はC6〜C10アルキル基であり、Xは酸素原子又はカーボネート基である、請求項5に記載の化粧ファンデーション。
【請求項8】
Xがカーボネート基である、請求項7に記載の化粧ファンデーション。
【請求項9】
RがR’とは異なる、請求項7又は8のいずれか一項に記載の化粧ファンデーション。
【請求項10】
RがR’と同一である、請求項7又は8のいずれか一項に記載の化粧ファンデーション。
【請求項11】
R及びR’が独立に、直鎖又は分枝鎖C7〜C9である、請求項7〜10のいずれか一項に記載の化粧ファンデーション。
【請求項12】
R及びR’の両方がC8アルキル基である、請求項10又は11に記載の化粧ファンデーション。
【請求項13】
R及びR’の両方が2−エチルヘキシル基であり、Xがカーボネート基である、請求項12に記載の化粧ファンデーション。
【請求項14】
前記分散剤がイソノニルイソノナノエートである、請求項5に記載の化粧ファンデーション。
【請求項15】
0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%、より好ましくは1重量%〜8重量%、さらにより好ましくは2重量%〜6重量%の分散剤を含む、請求項5〜14のいずれか一項に記載の化粧ファンデーション。
【請求項16】
金属酸化物粒子をさらに含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項17】
前記金属酸化物粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄及び酸化セリウムから成る群から選択される、請求項16に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項18】
0.1重量%〜45重量%の金属酸化物粒子を含む、請求項16又は17のいずれか一項に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項19】
0.05重量%〜30重量%、好ましくは1重量%〜20重量%の着色金属酸化物粒子を含む、請求項16〜18のいずれか一項に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項20】
0.05重量%〜15重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%、より好ましくは1重量%〜5重量%の金属酸化物日焼け止め剤粒子を含む、請求項16〜19のいずれか一項に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項21】
前記金属酸化物粒子に疎水性コーティングが施される、請求項16〜20のいずれか一項に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項22】
有機日焼け止め剤をさらに含む、請求項1〜21のいずれか一項に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項23】
前記有機日焼け止め剤が、UVAを吸収する日焼け止め剤、UVBを吸収する日焼け止め剤、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項22に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項24】
前記化粧ファンデーション組成物の2〜20重量%、好ましくは4〜14重量%のUVAを吸収する日焼け止め剤を含む、請求項23に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項25】
前記UVAを吸収する日焼け止め剤が、2−メチルジベンゾイルメタン、4−メチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチルジベンゾイルメタン、2,4−ジメチルジベンゾイルメタン、2,5−ジメチルジベンゾイルメタン、4,4’−ジイソプロピルベンゾイルメタン、4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−イソプロピル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2,4−ジメチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2,6−ジメチル−4’−tert−ブチル−4’メトキシジベンゾイルメタン、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項23又は24のいずれか一項に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項26】
前記UVAを吸収する日焼け止め剤が4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンを含む、請求項23〜25のいずれか一項に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項27】
前記化粧ファンデーション組成物の0.1重量%〜16重量%、好ましくは0.1重量%〜12重量%、より好ましくは0.5重量%〜8重量%のUVBを吸収する日焼け止め剤を含む、請求項23に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項28】
前記UVBを吸収する日焼け止め剤が、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、シンナメート類及びそれらの誘導体、TEAサリチラート、オクチルジメチルPABA、カンファー誘導体、及びこれらの混合物から成るリストから選択される、請求項27に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項29】
前記UVBを吸収する日焼け止め剤が2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメートである、請求項27又は28のいずれか一項に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項30】
乳化剤をさらに含む、請求項1〜29のいずれか一項に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項31】
前記乳化剤が、ポリオキシアルキレンコポリマー、ポリグリセリルコポリマー、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項30に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項32】
1〜50μmの平均粒子直径を有する球状ポリマー粒子をさらに含む、請求項1〜31のいずれか一項に記載の化粧ファンデーション組成物。
【請求項33】
前記化粧ファンデーション組成物の1重量%〜80重量%の油をさらに含む、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化粧ファンデーション組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−500351(P2008−500351A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515233(P2007−515233)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/018077
【国際公開番号】WO2005/115312
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】