説明

卓上設置と壁掛け設置の兼用機器のベース部材

【課題】機器を壁掛け設置したとき、一対のベース部材が機器の前方から目視されることがなく、しかも、機器を卓上に設置するとき、同部材の組立が簡易な、卓上設置と壁掛け設置の兼用機器のベース部材を提供する。
【解決手段】機器を卓上に設置する場合、まず、一方のベース部材51の各爪部52に機器の本体の各穴を係合し、次に、機器のカバーの各穴に他方のベース部材51の各爪部を係合するように、他方のベース部材を一方のベース部材に接近すると、(E)の状態に至る。続いて、他方のベース部材を一方のベース部材に対して矢印方向にずれaの距離だけ移動すると、両ベース部材は組み立てられ、ロックがかかる。すなわち、各凸部53bが各アーム部53の弾性によって各リブ51bを乗り越えると、他方のベース部材は一方のベース部材に対して逆方向に移動することを阻止される。機器を壁掛け設置する場合、一方のベース部材の各穴53cを他方のベース部材の各凸部51cに係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卓上にも壁にも設置することができる機器のベース部材に関する。機器の具体例としては、パーソナル・コンピュータの周辺機器やパーソナル・コンピュータの本体を挙げることができる。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、本出願前に頒布された刊行物に記載されているスタンドについて説明する(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図10(A)はスタンド21(図13,14参照)のスタンド部材1の平面図、図10(B)はスタンド部材1の正面図、図10(C)はスタンド部材1の側面図、図11(A)は図10(A)におけるA−A線の矢視断面図、図10(B)は図10(A)におけるB−B線の矢視断面図を、それぞれ示す。
【0004】
図中、1はスタンド部材、2は一方の面に挟持面3が形成され、他方の面は上部から下部に傾斜すると共に左右に湾曲した湾曲傾斜面2aが形成された挟持部、3は挟持部2の下面に対して直交した平面状の挟持面、4は平板状に形成され一側部が挟持面の下端部に一体形成された載置部、5は載置部4の上面に形成され挟持面3に対して直交した平面状の載置面、6は載置部4の挟持部2の反対側の側面の一端側に突設された嵌合凸部、6aは嵌合凸部6の一側部に基端部側から先端部側に向けて拡がるように傾斜して形成された凸部傾斜部、7は載置部4の側面の嵌合凸部6の反対側の他端側に穿設された嵌合凹部、7aは嵌合凹部7の内壁の凸部傾斜部6aが当接する面に凸部傾斜部6aに対応して形成された凹部傾斜部、8は挟持部2の湾曲傾斜面2aに穿設された貫通孔8aの底部に形成され挟持部2の下面に連通したビス止め孔、9は載置面5上の両側部に突設された載置面側固定凸部、10は載置面5の挟持面3側の端部中央部から挟持面3の上端部近傍に渡って開口形成された開口部、11は開口部10の上端部から下方に向けて開口部10を覆う平板状に延設された脱着レバー部、12は脱着レバー部11の挟持面3と面一の面の略中央部に突設され上部が傾斜した挟持面側固定凸部である。
【0005】
ここで、スタンド部材11は金型成形により一体形成されたPSやABS等の合成樹脂により形成されている。
【0006】
嵌合凸部6の下面は載置部4の下面と面一に形成されている。嵌合凹部7は載置部4の側面及び下面側に渡って開放して形成されている。嵌合凹部7は嵌合凸部6が嵌合するように略同一形状に形成されている。
【0007】
脱着レバー部11は所定の厚みを有する平板状に形成され、その下端部は載置部4の下面近傍まで延びている。脱着レバー部11の下端部を挟持部2側に指等で押圧することにより、脱着レバー部11は弾性的に曲がり、挟持面側固定凸部12の先端部は挟持面3に対して面一又は陥没する。指を離すと、脱着レバー部11は復元して、挟持面側固定凸部12は挟持面3に対して突出する。
【0008】
以上のように構成されたスタンドのスタンド部材1について、以下その組み立て方法及び縦置き時の使用方法を図面を用いて説明する。
【0009】
図12は1組のスタンド部材の各々の嵌合凸部及び嵌合凹部の嵌合動作を示す要部斜視図であり、図13は組み立てられたスタンドの平面図であり、図14は電子機器の縦置き時のスタンドの使用状態を示す要部断面図である。
【0010】
図中、1′はスタンド部材1と同一のスタンド部材、6′はスタンド部材1′の嵌合凸部、6a′は嵌合凸部6′の凸部傾斜部、7′はスタンド部材1′の嵌合凹部、7a′は嵌合凹部7′の凹部傾斜部である。なお、図12においては、説明を分かり易くするために載置面側固定凸部9は省略している。
【0011】
図13及び図14において、21はスタンド、22はスタンド21に縦に装着されたルータやモデム等のパーソナルコンピュータ周辺機器である電子機器、23,24は電子機器22を縦置きしたときにスタンド21に挟持される両側面となる筐体面、25,26は電子機器22を縦置きしたときに上面及び下面となる筐体面、27a,27bは筐体面23に穿設された載置面側凸部嵌入孔、28は筐体面23の挟持面側固定凸部12に対応する位置に穿設された挟持面側凸部嵌入孔、29a,29bは筐体面24に穿設された載置面側凸部嵌入孔、30は筐体面24の挟持面側固定凸部12に対応する位置に穿設された挟持面側凸部嵌入孔、31a,31bは筐体面25に穿設された挟持面側凸部嵌入孔、32a,32bは筐体面26の載置面側固定凸部9に対応する位置に穿設された載置面側凸部嵌入孔、33a,33bは筐体面26に穿設された挟持面側凸部嵌入孔、Xはスタンド21が載置されるスタンド載置面である。
【0012】
図12に示すように、1組のスタンド部材1,1′を準備し、各々の載置部4の側面を対面させて、スタンド部材1の嵌合凸部6とスタンド部材1′の嵌合凹部7′、及び、スタンド部材1の嵌合凹部7とスタンド部材1′の嵌合凸部6′を向き合わせる。続いて、嵌合凸部6を嵌合凹部7′に下方から挿入し嵌合すると共に、嵌合凸部6′を嵌合凹部7に下方から挿入し嵌合する。このようにして、図13に示すスタンド21が組み立てられる。嵌合凸部6及び嵌合凸部6′は先端部側又は奥手側が幅方向に拡がっているため水平方向に抜けることはない。また、嵌合凸部6,6′及び嵌合凹部7,7′には、凸部傾斜部6a,6a′及び凹部傾斜部7a,7a′が形成されているので、嵌合凸部6,6′や嵌合凹部7,7′の寸法に多少のばらつきが生じても、嵌合凸部6,6′が嵌合凹部7,7′に入らなくなったり、ぐらついたりすることがない。なお、嵌合凸部6,6′及びそれに対応する嵌合凹部7,7′の形状としては、両側部に凸部傾斜部6a,6a′、凹部傾斜部7a,7a′が形成された略台形状や、基端部側から先端部側にかけて湾曲して拡がった断面半円状や断面円形状等が用いられ、いずれも寸法のばらつきに対応できる。
【0013】
図14に示すように、電子機器22をスタンド21に縦置きに装着するには、まず、縦にした電子機器22の下部すなわち筐体面26側の端部を各々のスタンド部材1,1′の挟持面3の間に挿入する。このとき、筐体面23,24の下端部は、挟持面3に沿って挿入され、脱着レバー部11に突設された挟持面側固定凸部12の上部の傾斜面に当接しながらこれを押圧する。これにより、脱着レバー部11は弾性的に曲がって挟持面側固定凸部12は陥没する。さらに電子機器22を挿入し、筐体面26が載置面5に当接すると、挟持面側固定凸部12は筐体面23,24の挟持面側凸部嵌入孔28,30に嵌入する。また、筐体面26が載置面5に当接すると、載置面5に突設された載置面側固定凸部9は筐体面26に形成された載置面側凸部嵌入孔32a,32bに嵌入する。このようにして、電子機器22はスタンド21に装着され縦置きで保持される。
【0014】
なお、電子機器22をスタンド21から取り外すには、スタンド21の下面側から脱着レバー部11の下端部を指等で挟持部2側に押圧することにより、挟持面側固定凸部12を挟持面3に対して面一又は陥没させる。これにより、挟持面側固定凸部12は挟持面側凸部嵌入孔28,30から抜けるので、電子機器22を上方へ引き上げることによりスタンド21から取り外すことができる。
【0015】
次に壁掛け時の使用方法及び横置き時の使用方法について、図面を用いて説明する。
【0016】
図15は電子機器の壁掛け時のスタンドの使用状態を示す要部断面図であり、図16は電子機器の横置き時のスタンドの使用状態を示す要部断面図である。
【0017】
図15において、35はビス、Yは壁面である。
【0018】
図15に示すように、電子機器22を壁面Yに壁掛けするには、まず、スタンド21をスタンド部材1とスタンド部材1′に分離し、電子機器22の下部側の筐体面26にスタンド部材1の挟持面3を当接させ、筐体面24に載置面5を当接させ、筐体面26に穿設された挟持面側凸部嵌入孔33bに挟持面側固定凸部12を嵌入し、筐体面24に穿設された載置面側凸部嵌入孔29bに載置面側固定凸部9を嵌入し、スタンド部材1を電子機器22の下端部の筐体面26と筐体面24の角部に固定する。さらに、電子機器22の上部側の筐体面25にスタンド部材1′の挟持面3を当接させ、筐体面24に載置面5を当接させ、筐体面25に穿設された挟持面側凸部嵌入孔31bに挟持面側固定凸部12を嵌入し、筐体面24に穿設された載置面側凸部嵌入孔29aに載置面側固定凸部9を嵌入し、スタンド部材1′を電子機器22の上端部の筐体面25と筐体面24の角部に固定する。この状態で、スタンド部材1,1′を壁面Yに当接させ、各々の貫通孔8a及びビス止め孔8にビス35を挿通させ、ビス35を壁面Yに螺着して固定する。このようにして電子機器22の上下部の筐体面25,26がスタンド部材1,1′の挟持面3で挟持されて電子機器22が壁面Yに壁掛けされる。なお、貫通孔8a及びビス止め孔8は貫通しない係止孔(図示せず)であってもよく、壁面Yにビスやフック等を予め固定しておき、そのビスやフックに係止孔を係止することもできる。
【0019】
また、図16に示すように、電子機器22をスタンド部材1,1′で支持し、横置きでスタンド載置面Xに載置するには、壁掛け時と同様にしてスタンド部材1,1′を電子機器22の上下部に固定した状態で、電気機器22を筐体面23が上面となるように横にし、スタンド部材1,1′の下面をスタンド載置面Xに当接させ、横置きで載置する。
【0020】
この種のスタンドは、本出願前に頒布された他の刊行物にも記載されている(例えば、特許文献2〜4参照。)。
【0021】
【特許文献1】特開2005−157834号公報
【特許文献2】特開2005−167123号公報
【特許文献3】特開2000−134299号公報
【特許文献4】特開平9−283942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
前記従来の技術のスタンド21では、電子機器22が壁掛け設置されたとき、一対のスタンド部材1,1′が機器の前方から目視されるという支障が生じる。
【0023】
また、電子機器22を卓上に縦置きに設置するときには、次の組立操作をしなければならない。まず、一対のスタンド部材1,1′を向かい合わせる。次に、スタンド部材1の一端側の嵌合凸部6をスタンド部材1′の一端側の嵌合凹部7′に下方から挿入し嵌合する。同時に、スタンド部材1′の他端側の嵌合凸部6′をスタンド部材1の他端側の嵌合凹部7に下方から挿入し嵌合する。したがって、電子機器22を卓上に縦置きに設置するときの一対のスタンド部材1,1′の組立操作が、煩雑である。
【0024】
そこで、本発明は、前記従来の技術の欠点を改良し、機器を壁掛け設置したとき、一対のスタンド部材(本発明では、「ベース部材」と呼称する。)が機器の前方から目視されることがなく、しかも、機器を卓上に設置するとき、一対のベース部材の組立操作が簡易な、卓上設置と壁掛け設置の兼用機器のベース部材を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、前記課題を解決するため、次の手段を採用する。
【0026】
1.一対のベース部材51は、同じ部材から構成され、卓上設置の際突き合わされて組み立てられ、前記ベース部材には、機器61に係合する一対の爪部52が設けられ、前記ベース部材の突き合わせ側には、一対のアーム部53が突出するように、一対の第1係合部51aが陥入するように、それぞれ設けられ、前記各アーム部には、前記各第1係合部にそれぞれ係合する第1被係合部53aと、壁掛け設置用の第2係合部53cが設けられ、前記ベース部材には、前記第2係合部に係合する第2被係合部51cが設けられ、前記卓上設置の際、一方の前記ベース部材の前記各第1係合部が他方の前記ベース部材の前記各第1被係合部と係合した後、前記両部材は突き合せ面に平行な方向に相対的に若干移動されてロックされ、前記壁掛け設置の際、一方の前記ベース部材の前記各第2係合部が他方の前記ベース部材の前記各第2被係合部と係合することを特徴とする卓上設置と壁掛け設置の兼用機器のベース部材。
【0027】
2.一方の前記ベース部材の前記各第1係合部と他方の前記ベース部材の前記各第1被係合部とはフック構造によって係合し、前記両ベース部材は前記突き合せ面が離間する方向に移動することを阻止されることを特徴とする前記1記載の卓上設置と壁掛け設置の兼用機器のベース部材。
【0028】
3.前記各第1係合部と前記各第1被係合部とは、いずれか一方がフック51a1で、他方が前記フックが当接する当接部であることを特徴とする前記2記載の卓上設置と壁掛け設置の兼用機器のベース部材。
【0029】
4.一方の前記ベース部材の前記各アーム部に設けられる第3係合部53bが前記各アーム部の弾性によって他方の前記ベース部材に設けられる第3被係合部51bに係合し、一方の前記ベース部材は他方の前記ベース部材に対して逆方向に移動することを阻止されることを特徴とする前記1記載の卓上設置と壁掛け設置の兼用機器のベース部材。
【0030】
5.前記第3係合部と前記第3被係合部とは、いずれか一方が凸部で、他方がリブであることを特徴とする前記4記載の卓上設置と壁掛け設置の兼用機器のベース部材。
【0031】
6.前記各第2係合部と前記各第2被係合部とは、いずれか一方が凸部で、他方が穴であることを特徴とする前記1記載の卓上設置と壁掛け設置の兼用機器のベース部材。
【発明の効果】
【0032】
明細書の説明から明らかなように、本発明は、次の効果を奏する。
【0033】
1.機器が壁掛け設置されたとき、一対のベース部材は、機器の背後に配置されるので、機器の前方から目視されない。したがって、体裁が良好である。
【0034】
2.機器を卓上に設置するとき、まず、一方のベース部材の一対の爪部に機器を取り付け、次に、機器に他方のベース部材の一対の爪部を取り付ける。続いて、両ベース部材を相対的に若干移動すると、両ベース部材は組み立てられ、ロックがかかる。したがって、組立操作が簡易である。
【0035】
3.機器を壁掛け設置するとき、まず、一方のベース部材の一対の第2係合部を他方のベース部材の一対の第2被係合部と係合し、次に両ベース部材の各爪部に機器を取り付ける。したがって、組立操作が簡易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の一実施例の卓上設置と壁掛け設置の兼用機器のベース部材について説明する。
【実施例1】
【0037】
本発明の実施例1について図1〜図9を参照して説明する。
【0038】
図1は、2個の同じベース部材51が向かい合わせに組立てられて卓上に設置され、一対のベース部材51の上に機器61が設置されている状態の斜視図である。なお、機器61の背面側に配置されているベース部材51は、図示されていない。
【0039】
図2は、壁掛け設置される機器61を一対のベース部材51に装着するときの斜視図である。
【0040】
ベース部材51の表面の中央付近には、一対の爪部52が設けられる。一対のベース部材51は、同じ向きに組立てられる。組立構造については、図7〜9を参照して後述する。一対のベース部材51は、4本の木ねじ(図8参照)によって壁に固定される。
【0041】
機器61は、後面側の本体62と前面側のカバー63とが重ね合わされて構成される。本体62には、4個の穴62aが開けられている。
【0042】
機器61を壁掛け設置するとき、機器61の各穴62aを一対のベース部材51の各爪部52に係合する。
【0043】
図3は、機器61が卓上に設置されているときの図である。図3(A)は、一対のベース部材51の上に機器61が設置されている状態の正面図であり、図3(B)は、図3(A)における矢印方向に見た1点鎖線A−Aによる断面図である。
【0044】
カバー63の下部の中央付近には、一対の穴63aが開けられ、一方のベース部材51の各爪部52が、それぞれ各穴63aに係合している。
【0045】
本体62の下部の中央付近には、一対の穴62bが開けられ、他方のベース部材51の各爪部52が、それぞれ各穴62bに係合している。
【0046】
図4は、機器61が一対のベース部材51の上に設置されている状態の背面図である。
【0047】
本体62には、他方のベース部材51の各爪部52がスライドできる長さの各穴62bが設けられている。この長さの技術的意義については、図5と図6を参照して後述する。
【0048】
図5(A)はベース部材51の平面図であり、図5(B)は図5(A)における矢印方向に見た1点鎖線B−Bによる断面図である。図5(A)に示されるように、ベース部材51の下面には、中央からはずれた2箇所に一対のアーム部53が同一面方向に突出するように設けられる。各アーム部53の上面には、被係合部53aが垂直方向に突出するように設けられ、また、B−B線断面には、図5(B)に示されるように、凸部53bが設けられている。
【0049】
図5(C)は、ベース部材51の裏面図である。ベース部材51における各アーム部53の付近に、それぞれ係合部51aが陥入するように設けられている。各係合部51aに隣接してリブ51bが設けられている。
【0050】
各凸部53bが各アーム部53の弾性によって各リブ51bを乗り越えると、ロックがかかって、一対のベース部材51は組み立てられる。この点については、図6を参照して後述する。
【0051】
図5(D),(E)の平面図に示される一対のベース部材51の組立前の状態においては、一方のベース部材51のセンターと他方のベース部材51のセンターの間には、ずれ(オフセット)aが設定される。図5(D)の状態における一方のベース部材51の各被係合部53aを他方のベース部材51の各係合部51aに矢印方向に挿入すると、図5(E)の状態に至る。
【0052】
図5(D),(E)の平面図を、斜視図で示すと、図6(A),(B)となる。
【0053】
機器61を卓上に設置する場合、機器61を一対のベース部材51に取り付ける方法について説明する。
【0054】
図6(A)の状態において、まず、一方のベース部材51の各爪部52に機器61の本体62の各穴62bを係合し、次に、機器61のカバー63の各穴63aに他方のベース部材51の各爪部52を係合するように、他方のベース部材51を一方のベース部材51に接近すると、図6(B)の状態に至る。このとき、他方のベース部材51の各アーム部53は、一方のベース部材51の下側に収納される。
【0055】
続いて、図6(B)の状態において、他方のベース部材51を一方のベース部材51に対して矢印方向にずれaの距離だけ移動すると、図6(C)の状態に至る。この状態においては、一対のベース部材51は、組み立てられ、ロックがかかっている。すなわち、他方のベース部材51の各被係合部53aは一方のベース部材51の各係合部51aのフック51a1(図5(D)参照)に係合するので、一対のベース部材51は突き合せ面が離間する方向に移動することを阻止される。また、各凸部53bが各アーム部53の弾性によって各リブ51bを乗り越えると、他方のベース部材51は一方のベース部材51に対して逆方向に移動することを阻止される。
【0056】
機器61を壁に設置する場合、機器61を一対のベース部材51に取り付ける方法について図7〜図9を参照して説明する。
【0057】
図7(A)は、壁に設置されている機器61の正面図である。図7(B)は、図7(A)における矢印方向に見た1点鎖線C−Cによる断面図である。
【0058】
一方のベース部材51に他方のベース部材51を他方のベース部材51の各アーム部53によって連結し、両ベース部材51を壁に固定する。この点については、図8と図9を参照して後述する。
【0059】
一対のベース部材51の合計4個の爪部52に、機器61の本体62に開けられている4個の穴62aをはめる(図2参照)。このようにして、機器61は、壁に設置される。
【0060】
図8(A)において、一方のベース部材51の各アーム部53の先端付近に開けられているトラック状の穴53cを、矢印方向に他方のベース部材51の裏面に設けられている一対の凸部51c(図9(A)参照)にそれぞれはめ込む。すると、一対のベース部材51は、図8(B)と図9(B)に示されるように連結される。
【0061】
続いて、図8(B)に示されるように、4本の壁固定用の木ねじ56を両ベース部材51に開けられている4個の穴51d(図9(A)参照)を貫通して壁にねじ込む。このようにして、一対のベース部材51は、壁に固定される。
【0062】
なお、図5(A)に示されるように、各ベース部材51には、機器61を支持するための機器支持部51eが設けられている。
【0063】
本実施例1においては、一方のベース部材51の各係合部51aのフック51a1に、他方のベース部材51の各被係合部53aが係合する。この構造を、各係合部51aからフック51a1を除去して、各被係合部53aにフックを設け、このフックを各係合部51aに設けられる凹部等の当接部に当接するように設計変更することができる。
【0064】
また、一方のベース部材51のアーム部53に凸部53bが設けられ、他方のベース部材51にリブ51bが設けられているが、凸部とリブを逆に替えるように設計変更することができる。
【0065】
更に、一方のベース部材51のアーム部53に穴53cが設けられ、他方のベース部材51に凸部51cが設けられているが、穴と凸部を逆に替えるように設計変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施例の一対のベース部材の使用により機器が卓上設置されている状態の斜視図である。
【図2】壁に固定されている同ベース部材に同機器が取り付けられる前の状態の斜視図である。
【図3】同機器が卓上設置されている状態を示し、(A)は正面図、(B)は(A)における矢印方向に見た1点鎖線A−Aによる断面図である。
【図4】同機器が卓上設置されている状態の背面図である。
【図5】同ベース部材の諸図を示し、(A)は平面図、(B)は(A)における矢印方向に見た1点鎖線B−Bによる断面図、(C)は下面図、(D)は同ベース部材が突き合わされる前の状態の平面図、(E)は同ベース部材が突き合わされた状態の平面図である。
【図6】同ベース部材が突き合わされる前の状態から組み立てられた状態までの諸斜視図を示し、(A)は突き合わされる前、(B)は突き合わされた状態、(C)は組み立てられた状態である。
【図7】同機器が同壁に設置されている状態を示し、(A)は正面図、(B)は(A)における矢印方向に見た1点鎖線C−Cによる断面図である。
【図8】同機器が壁掛け設置される場合の同ベース部材の連結方法を示す表面側から見た斜視図であり、(A)は連結する前の状態、(B)は連結された状態である。
【図9】同機器が壁掛け設置される場合の同ベース部材の連結方法を示す裏面側から見た斜視図であり、(A)は連結する前の状態、(B)は連結された状態である。
【図10】従来のスタンドのスタンド部材の諸図を示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。
【図11】(A)は図10(A)におけるA−A線の矢視断面図、(B)は図10(A)におけるB−B線の矢視断面図である。
【図12】1組の同スタンド部材の各々の嵌合凸部及び嵌合凹部の嵌合動作を示す要部斜視図である。
【図13】組み立てられた同スタンドの平面図である。
【図14】電子機器の縦置き時の同スタンドの使用状態を示す要部断面図である。
【図15】同電子機器の壁掛け時の同スタンドの使用状態を示す要部断面図である。
【図16】同電子機器の横置き時の同スタンドの使用状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0067】
51 ベース部材
51a 係合部、第1係合部
51a1 フック
51b リブ、第3被係合部
51c 凸部、第2被係合部
51d 穴
51e 機器支持部
52 爪部
53 アーム部
53a 被係合部、第1被係合部
53b 凸部、第3係合部
53c 穴、第2係合部
56 木ねじ
61 機器
62 本体
62a 穴
62b 穴
63 カバー
63a 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のベース部材は、同じ部材から構成され、卓上設置の際突き合わされて組み立てられ、
前記ベース部材には、機器に係合する一対の爪部が設けられ、
前記ベース部材の突き合わせ側には、一対のアーム部が突出するように、一対の第1係合部が陥入するように、それぞれ設けられ、
前記各アーム部には、前記各第1係合部にそれぞれ係合する第1被係合部と、壁掛け設置用の第2係合部が設けられ、
前記ベース部材には、前記第2係合部に係合する第2被係合部が設けられ、
前記卓上設置の際、一方の前記ベース部材の前記各第1係合部が他方の前記ベース部材の前記各第1被係合部と係合した後、前記両部材は突き合せ面に平行な方向に相対的に若干移動されてロックされ、
前記壁掛け設置の際、一方の前記ベース部材の前記各第2係合部が他方の前記ベース部材の前記各第2被係合部と係合することを特徴とする卓上設置と壁掛け設置の兼用機器のベース部材。
【請求項2】
一方の前記ベース部材の前記各第1係合部と他方の前記ベース部材の前記各第1被係合部とはフック構造によって係合し、前記両ベース部材は前記突き合せ面が離間する方向に移動することを阻止されることを特徴とする請求項1記載の卓上設置と壁掛け設置の兼用機器のベース部材。
【請求項3】
前記各第1係合部と前記各第1被係合部とは、いずれか一方がフックで、他方が前記フックが当接する当接部であることを特徴とする請求項2記載の卓上設置と壁掛け設置の兼用機器のベース部材。
【請求項4】
一方の前記ベース部材の前記各アーム部に設けられる第3係合部が前記各アーム部の弾性によって他方の前記ベース部材に設けられる第3被係合部に係合し、一方の前記ベース部材は他方の前記ベース部材に対して逆方向に移動することを阻止されることを特徴とする請求項1記載の卓上設置と壁掛け設置の兼用機器のベース部材。
【請求項5】
前記第3係合部と前記第3被係合部とは、いずれか一方が凸部で、他方がリブであることを特徴とする請求項4記載の卓上設置と壁掛け設置の兼用機器のベース部材。
【請求項6】
前記各第2係合部と前記各第2被係合部とは、いずれか一方が凸部で、他方が穴であることを特徴とする請求項1記載の卓上設置と壁掛け設置の兼用機器のベース部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−147475(P2008−147475A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334079(P2006−334079)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【出願人】(399040405)東日本電信電話株式会社 (286)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【Fターム(参考)】