説明

南部ゴールドストーン粒子を含む水を海面に添加するだけで地球のCO2を削減する方法。

【課題】海の深層部にある栄養素の高い海水と表面層の海水を混ぜることで、海の表層部の肥沃化を行う。そして、その肥沃化によって海の表面層近く生じる植物プランクトンを増加されて、その増加した植物プランクトンの光合成によって地球規模でCOを削減することを目指す。
【解決手段】海面に、前記南部ゴールドストーン粒子を含む水を添加することで、南部ゴールドストーン粒子と、海の深層部に豊富に存在している海の表層部に生息していた生物の死骸由来の微細なタンパク質や栄養塩などの栄養素の高い物質の周りに存在している多くの「トンネル光子凝集体」とを、長時間に渡って連成させて、前記海の深層部と前記海の表層部を一体とした「ボーズ・アインシュタイン凝集場」とすることで、前記海の深層部(2)と前記海の表層部(4)の一体化を行うことで達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を使った海の表面層の肥沃化、及び、その肥沃化によって海の表面層近く生じる植物プランクトンの光合成による地球規模のCO削減技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海水を混合した水としては、生体組織を活性化させるための鮮度液(例えば特開2002−302401号)の製造方法があった。
【0003】
この製造方法によって製造された水は、魚を吊り上げた後の輸送中等の保管期間における鮮度のキープが可能となる。
【特許文献】特開2002−302401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この鮮度液では、魚自体の鮮度を保つことはできても、海洋の肥沃化、及び、その肥沃化によって海表層に近く生じる植物プランクトンの光合成によって地球規模でCOを削減することは出来なかった。
【0005】
そこで、本発明では、海の表面層の肥沃化、及び、その肥沃化によって海の表層近く生じる植物プランクトンの光合成による地球規模でCOを削減できる水を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1かかる発明は、海面に、南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を添加するだけで、海の深層部(2)にある栄養素の高い深層水(3)を海の表層部(4)まで流動させる方法である。
【0007】
かかる発明によれば、海の表面層の肥沃化、及び、その肥沃化によって海の表面層近く生じる植物プランクトンの光合成によって地球規模でCOを削減することが可能となる。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記海の深層部(2)にある海水と真水を混ぜることによって作り出した、請求項1に記載の南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)である。
【0009】
かかる構成によれば、前記海の深層部(2)にある海水と真水を混ぜることによって、海面にごく少量添加するだけで、前記海の深層部(2)にある前記栄養素の高い深層水(3)を前記海の表層部(4)まで流動させる、前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を作り出すことが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を、海面にごく少量添加することによって、結果として、海の表面層の肥沃化、及びその肥沃化によって海の表面層近く生じる植物プランクトンの光合成によって地球規模でCOを削減することが可能となる。それが可能となる理由は、次の通りである。海面に、ごく少量の、波動エネルギーの高い粒子であるところの前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を添加することによって、海面に添加したその前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)と、前記海の深層部(2)に豊富に存在している前記海の表層部(4)に生息していた生物の死骸由来の微細なマリンスノーやタンパク質や栄養塩という栄養素の高い物質(5)の周りに「場の量子論」に基づいて存在している多くの「トンネル光子凝集体」とを、長時間に渡って連成させて、前記海の深層部(2)と前記海の表層部(4)を一体とした「第一種巨視的量子状態であるボーズ・アインシュタイン凝集場」を作り出すことによって、前記海の深層部(2)の海水と前記海の表層部(4)の海水の一体化が行われる。
【0011】
その海水の一体化とは、前記海の深層部(2)と前記海の表層部(4)の中で、前記海の深層部(2)にある前記栄養素の高い物質(5)を含む前記栄養素の高い深層水(3)と前記海の表層部(4)の海水が混合して同じ成分となるということである。
このように、前記海の深層部(2)の海水と前記海の表層部(4)の海水が混合して同じ成分となるということは、前記海の深層部(2)にある前記栄養素の高い物質(5)が前記海の表層部(4)の海水に混ざるということであり、前記海の表層部(4)の肥沃化、及びその肥沃化によって海の表層部近く生じる植物プランクトンが増え、その増えた植物プランクトンによる光合成によって、それらの結果として地球規模でCOが削減されることとなるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明について、詳細に説明する。南部ゴールドストーン粒子とは、対称性の破れに伴って生じる励起エネルギーがきわめて小さい(極限ではゼロの)粒子のことを、南部=ゴールドストーン粒子と呼ぶ。(こうした粒子の存在を最初に予言したのはノーベル賞受賞者の南部陽一郎氏ですが、難解な南部理論をわかりやすく解説したゴールドストーン氏の名を冠して、欧米ではゴールドストーン粒子またはゴールドストンと呼ぶのが一般的です)。
この南部ゴールドストーン粒子は、適当な条件が整うと、無限個のゴールドストーン粒子が生成されて特別の状態(ボーズ=アインシュタイン凝縮の状態)を作ることがある。このボーズ=アインシュタイン凝縮とは、ミクロの世界での量子効果によって多数の粒子が同一の状態へと落ち込む事で、これが起こる事によって、量子力学による物質の特異な振る舞いが巨視的な空間スケールの現象へと反映されます。
(この南部ゴールドストーン粒子は、波動が極めて大きいものもあり、それによってエネルギーの大きい粒子という意味を含むこともあります。また、南部ゴールドストーン粒子は、常温で安定したトンネル光子ということもできます。そして、ボーズ=アインシュタイン凝縮の状態とは、「この常温で安定したトンネル光子によるコヒーレントなボーズ凝集場を作ること」と言うこともできます。)
【0013】
具体的には、図1に示した「前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を海面に添加した後に起こる現象を表した図」をもとに説明する。海面に、前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を添加すると、南部ゴールドストーン粒子によって、前記海の深層部(2)に含まれる生物の死骸由来の微細なマリンスノーやタンパク質や栄養塩という栄養素の高い物質(5)の周りに存在している多くの「トンネル光子凝集体」との間で、ボーズ=アインシュタイン凝縮が起こりそれらが連成されることで、それらを含む前記海の深層部(2)の海水と前記海の表層部(4)の海水が成分上も含めて一体となる。そして、成分上も一体となるということは、混合して同じ成分となるということで、結果として、前記海の表層部(4)に関しては前記海の深層部(2)にある前記栄養素の高い物質(5)を含む前記栄養素の高い深層水(3)が混ざるということであり、これによって前記海の表層部(4)の肥沃化、そして、その肥沃化により前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を添加した海域は通常の前記海の表層部(4)に比べて植物プランクトンが多く生じることです。
【0014】
このようにして増えた植物プランクトンは、COを吸収し酸素を排出する光合成を行うので、この前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を添加した海域は、通常の前記海の表層部(3)に比べて植物プランクトンが多いことに比例してCOの吸収が多く行われることとなります。これによって、通常の前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を添加しない場合と比較して地球規模でのCO2の削減となるのです。また、この前記海の表層部(4)の肥沃化による植物プランクトンの増加は、植物プランクトンを食料とする魚が多く集まり、優良な漁場が誕生するという効果も生み出します。また、前記の成分上も一体となり混合して同じ成分となるというは、水温も前記海の表層部(4)と前記海の深層部(2)の海水が混ざり合い、平均化する及びその平均化による前記海の表層部(4)の海水の水温低下と前記海の深層部(2)の海水の水温上昇が起こるということでもあります。
【0015】
(実証試験結果)
前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を、水面に添加すると、南部ゴールドストーン粒子によって、水の深層部に含まれる多くの「トンネル光子凝集体」との間で、ボーズ=アインシュタイン凝縮が起こり、それらを含む深層部と水面部分の水が一体となる事を証明する為に、次の実証実験を行った。
【0016】
(実験の方法)
日本国の琵琶湖の水面の図2に記載の場所を観測点と定めて、前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を添加した年(2008年)と添加しない年(2008年以外)の5月と7月に、その観測点の水温の鉛直深度毎の水温を測定する方法で行った。そして、その観測年の中の主な3年(2004年、2007年、2008年)についての観測データを、それぞれ図3(2004年分)、図4(2007年分)、図5(2008年分)に記載した。
【0017】
この実験から次の結果が出た。水温は外気の温度から考えると7月の方が5月より通常高いと考えられるが、観測点に前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を添加していない年である2004年(図3)と2007年(図4)に関しては、深度が深くなると5月と7月の水温が深度で逆転している点(以下、分岐深度という)がある。この逆転現象が起こる原因は、表面から深度にむけて水温が下がっていき深度ごとに水温の層があり、その層が波などによって揺らいでいてその揺らぎによって逆転が発生するからである。しかし、観測点に前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を添加している年である2008年(図4)においては、前記分岐深度が顕著には存在しておらず(存在はする)、この揺らぎが存在しないと考えられる。(波は同じようにあるので揺らぎ自体は存在する)
【0018】
ということは、2008年(図5)に前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を添加している場合でも、波は同じようにあるので揺らぎ自体が存在するのに関わらず、前記分岐点が発生しにくいということは、表面から深度にむけて水温が下がっていってつくられている水の層がなく、「表面から深度の所にある水が一体になっている」と考える事ができる。これは、「表面から深度の所にある水が一体になっている」と、水の成分も混ざっているという事をも意味し、深度の深い水が表面の水と成分的にも混ざっているという事である。そして、その深度の深い水に栄養分が有ったとしたら、その栄養分が表面に近い水に混ざる、もしくは、深度の深いところにある栄養分が表面に上がって来るということである。
【0019】
また、図6に記載のように、前記分岐深度の発生する深度について、前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を添加している年であるところの2008年(図4)が、他の前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を添加していない年である1997年から2007年までの期間と比較して際立って浅い深度になっている。ということは、「表面から深度の所にある水が一体になっている」と考える事ができる。
【0020】
これらの実験結果より考察できることは、前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を、水面に添加すると、南部ゴールドストーン粒子によって、深層部と水面部分が一体となり、結果的に深層部と水面部の水が混ざった事を示しているということです。この実証実験より、前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を、水面に添加すると、南部ゴールドストーン粒子によって、深層部に含まれる多くの「トンネル光子凝集体」との間で、ボーズ=アインシュタイン凝縮が起こり、それらを含む深層部と水面部分の水が一体となる事が、証明できました。
【0021】
(CO削減効果等)
前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を海の表面に添加すると、前記実証実験の結果から明らかなように、前記海の表層部(4)に前記海の深層部(2)にある前記栄養素の高い物質(5)を含む前記栄養素の高い深層水(3)が混ざるということで、前記海の表層部(4)の肥沃化(栄養素が増える)が起こり、そして、その肥沃化により前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を添加した海域は通常の前記海の表層部(4)に比べて植物プランクトンが多く生じることとなります。この増殖した植物プランクトンは、COを吸収し酸素を排出する光合成を行うので、この前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を添加した海域は、通常の前記海の表層部(4)に比べて植物プランクトンが多いことに比例してCOを吸収が多く行われることとなります。これによって、地球規模のCO削減することとなるのです。
また、この植物プランクトンを食料とする魚が多く集まり、優良な漁場が誕生するという効果も生み出します。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、CO削減効果による地球環境の保護と、海に優良な漁場を作り出す事に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】前記南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を海面に添加した後に起こる現象を表した図である。
【図2】琵琶湖内の実証実験を行った場所を示した地図である。
【図3】2004年の観測データを示した図である。2007年の観測データを示した図である。
【図4】2008年の観測データを示した図である。
【図5】琵琶湖の観測点における水温鉛直分布(5月、7月)の変化を示した図である。
【図6】琵琶湖の観測点における観測年毎の分岐深度の推移の図である。
【符号の説明】
【0024】
南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)
海の深層部(2)
栄養素の高い深層水(3)
海の表層部(4)
栄養素の高い物質(5)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海面に、南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)を添加するだけで、海の深層部(2)にある栄養素の高い深層水(3)を海の表層部(4)まで流動させる方法。
【請求項2】
前記海の深層部(2)にある海水と真水を混ぜることによって作り出した、請求項1に記載の南部ゴールドストーン粒子を含む水(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−142796(P2010−142796A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−336056(P2008−336056)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(506412413)
【Fターム(参考)】