説明

単一および多重チャネル受信コイルを用いた同時マルチスライス磁気共鳴画像法

磁気共鳴画像(MRI)システムで対応する複数のスライス位置から同時に取得される画像データから、対象を示す複数の画像を再構成する方法が、提供される。画像データは、複数のスライス位置に対するRFエネルギーの適用後に取得される。RFエネルギーは、各スライス位置に異なる位相を提供するために、調整される。参照画像データは、画像データの取得に対して各スライス位置を励起するために用いられた位相と同じ位相を有するRFエネルギーの適用後に、各スライス位置に対して取得される。エイリアス画像は画像データから再構成され、参照画像は参照画像データから再構成される。それら両方の画像セットを用いて、非エイリアス画像が、複数のスライス位置のそれぞれに対して生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年2月25日に出願された「単一および多重チャネル受信コイルを用いた同時マルチスライス磁気共鳴画像法(Method for Simultaneous Multi-Slice Magnetic Resonance Imaging Using Single and Multiple Channel Receiver Coils.)と称する米国仮出願番号61/308,170の利益を主張する。
【0002】
本発明は、国立衛生研究所により認められたEB007827に基づく、政府支援によりなされたものである。米国政府は、本発明に関して一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
本発明は、磁気共鳴画像(MRI)方法および装置に関するものであり、特に、同時マルチスライスMRIの方法および装置に関する。単一または多重チャネル受信コイルは、複数のスライス位置から画像データを同時に取得するのに用いられる。
【0004】
MRIは、画像を生成するために核磁気共鳴(NMR)現象を用いる。人体組織のような物質が、一様な磁界(分極場B0)を受けると、その組織における核の各磁気モーメントは、この分極場と整列しようとするが、それら固有のラーモア周波数でランダムにその磁界の周りを歳差運動する。その物質又は組織が、x−y平面内でラーモア周波数に近い磁界(励起場B1)を受けた場合、正味の整列したモーメントMzが、x−y平面で回転または「傾斜」して、正味の横方向の磁気モーメントMxyを生成することができる。励磁信号B1が終了した後に、信号が励起した核または「スピン」によって放射される。その信号は、画像を生成するために受信したり、加工処理したりしてもよい。
【0005】
それら「MR」信号を利用して画像を生成する際、磁場傾斜(Gx、Gy、および、Gz)が、その信号の空間エンコードに用いられる。受信したMR信号の結果のセットは、デジタル化され、加工処理されて、多くのよく知られた再構成法の1つを用いて画像を再構成する。
【0006】
各MR信号を取得するために用いられる測定サイクルは、パルスシーケンス制御装置によって生成されるパルスシーケンスに従って、行われる。臨床的に利用可能なMRIシステムは、多くの異なる臨床応用の必要性を満たすために規定することができるパルスシーケンスのライブラリを保存する。リサーチMRIシステムは、臨床的に証明されたパルスシーケンスのライブラリを有し、新しいパルスシーケンスの開発を可能にする。
【0007】
MRIシステムで取得したMR信号は、フーリエ空間または当業者においては「k空間」と称される空間における検査対象の信号サンプルである。各MR測定サイクルまたはパルスシーケンスは、通常、そのパルスシーケンスのサンプリング軌道特性(sampling trajectory characteristic)に沿ってk空間の一部をサンプリングする。多くのパルスシーケンスは、スピンワープスキャン、フーリエスキャン、レクティリニアスキャン、デカルトスキャンなどと呼ばれるラスタースキャンのようなパターンでk空間をサンプリングする。他のパルスシーケンスは、放射状のラインや螺旋のような非デカルト軌道に沿って、k空間をサンプリングすることもできる。
【0008】
用いられる技術に応じて、多くのMRスキャンは、医療画像を生成するのに必要なデータを取得するために、多くの時間が現在必要とされている。このスキャン時間の短縮は、重要な事項である。スキャン時間を短縮することは、全体的に患者を増やし、患者の快適を向上させることができると共に、モーションアーチファクト(motion artifacts)を減らすことで画像の品質を高めることができる。多くの異なる画像方法は、スキャン時間を短くするために開発されている。
【0009】
スキャン時間を短くするための1つの方法としては、一般的に「パラレルMRI(pMRI:parallel MRI)」と呼ばれる方法がある。そのパラレルMRI法は、RFパルス(radio frequency pulse)や磁場傾斜、例えば、位相や周波数エンコード傾斜を用いて、逐次的方法で取得されなければならない空間エンコードの代わりに、RF受信コイルのアレイから空間的情報を用いる。そのアレイの空間的に独立した各受信コイルは、特定の空間情報を伝え、異なる空間的感度プロファイルを有する。その情報は、受信したMR信号の完全な空間エンコードを達成するために、用いられる。例えば、別々のコイルから受信して同時に取得したデータを結合することによって、空間エンコードを達成することができる。固定のk空間でカバーされる最大範囲を保持している間、パラレルMRI法は、取得され位相エンコードされたk空間のサンプリングライン(phase-encoded k-space sampling lines)の数を減らすことによって、k空間をアンダーサンプリングすることが可能である。別々の受信コイルによって生成された個々のMR信号の結合は、従来のk空間データ取得に比べて、受信コイルの数に関連する係数によって、画像に必要とされる取得時間の短縮を可能にする。したがって、複数の受信コイルの使用は、傾斜切り替え速度(gradient switching rates)またはRFパワーを増やすことなく、画像化速度を増加させる働きをする。
【0010】
開発され生体内撮像に適用されるパラレルイメージング技法の2つ分類として、「画像空間方法(image space methods)」および「k空間方法(k-space methods)」と呼ばれるものがある。代表的な画像空間方法としては、「SENSE(sensitivity encoding:感度符号化)」が当技術分野で周知である。また、代表的なk空間方法としては、「SMASH(simultaneous acquisition of spatial harmonics)」が、当業者分野でよく知られている。SENSEでは、アンダーサンプリングされたk空間データが、最初にフーリエ変換され、各コイルからエイリアス画像(aliased image)を生成する。その後、エイリアス画像信号は、重ね合わせられたピクセル値の線形変換によって展開される。SMASHでは、省略されたk空間ラインが、異なる受信コイルで取得された隣接するk空間ラインの重み付けされた結合を構成することによって、フーリエ変換の前に合成されるか、または、再構成される。また、SMASHは、コイルの空間感度が決定されることを必要とし、それを実行する1つの方法としては、可変の密度k空間サンプリングの使用を必要とする「自動校正(autocalibration)」がある。
【0011】
自動校正を用いたSMASHでさらに進歩した方法としては、例えば、米国特許番号6,841,998に記載されているような、GRAPPA(generalized autocalibrating partially parallel acquisitions:一般化自動較正型部分的並列取得)がある。GRAPPAでは、k空間の周辺領域で用いられるアンダーサンプリングと比較すると、k空間の中央に近いk空間ラインが、ナイキスト周波数でサンプリングされる。それら中央のk空間ラインは、ACS(autocalibration signal:自動校正信号)と称され、重み付け係数を決定するために用いられる。重み付け係数は、欠けたk空間のラインを合成または再構成するために用いられる。特に、個々のコイルデータの線形結合は、k空間の欠けたラインを作成するために用いられる。結合の係数は、取得したデータを、さらに高度にサンプリングされたデータにk空間の中心の近くで合わせることによって、決定される。
【0012】
他の方法としては、部分的k空間のエコープラナーイメージング(EPI:echo-planar imaging)と称される方法が用いられる。その場合、取得したk空間ラインの数が減らされて、相対的に短いエコー時間(TE)が使用される。それにより、信号の脱落(signal dropout)を最小にすることができる。また、面内SENSE(in-plane SENSE)、または、その導関数(derivative)の1つの使用によって、k空間をカバーするために必要とされる時間を、さらに減らすことができる。
【0013】
スキャン時間を減らすための他の方法が、開発されている。例えば、複数のRF受信コイルのアレイを用いて、多重画像化スライス位置から画像データを同時取得し、その後、画像再構成中に重ね合わせられたスライスを分離する方法が、D.J. Larkman他による「同時に励起される多重スライスから信号の分離ための多重コイルの使用(Use of Multicoil Arrays for Separation of Signal from Multiple Slices Simultaneously Excited)」(Journal of Magnetic Resonance Imaging、2001、13(2):313-317)で紹介されている。多重スライスの分離が、画像再構成中に分離されなければならないエイリアスピクセル(aliased pixels)の密接した空間的近接によって難しくなるという点で、この方法は制限される。例えば、画像データが、約3cmのインタースライス(inter-slice)間隔で、同時に3つのスライスから取得される場合、エイリアシングは、スライスエンコード方向に沿って存在し、このエイリアシングは、信頼できる画像を生成するために、元に戻さなければならない。エイリアスピクセルの原点は、空間で3cm離れているだけであり、それはSENSEのようなスタンダードパラレル画像化方法(standard parallel imaging methods)でそれらの分離を難しくさせているエイリアスピクセルの空間的接近である。
【0014】
エイリアスピクセルを適切に分離するために、SENSEや他の似たような方法における問題は、エイリアスピクセルの位置で複数のアレイコイル要素間の検出強度の違いから生じる。特に、アレイコイル要素の検出プロファイルが、数センチメートルの空間的規模で十分に固有ではないことが問題である。このため、高SENSEのg因子(high SENSE g-factor)を特徴とする高いレベルのノイズ増幅は、分離される画像に存在する。これは、SENSE方法の従来の実現と対照的である。従来のSENSEでは、アンダーサンプリングされる位相エンコードスキームは、スライスエンコード方向に対して直交する位相エンコード方向(phase-encoding direction)に沿ってエイリアシングを生成する。また、この平面内のエイリアシングは、画像フィールドオブビュー(FOV:image field-of-view)の半分で分離される一対のエイリアスピクセルになる。従来の脳画像に対して、FOVは、約24cmに相当する。したがって、エイリアシングが、画像平面またはスライスで生じると、エイリアスピクセル間の距離は、約12cmになる。その距離は、エイリアスされる一対のピクセル間で4倍より小さい距離であると考えられ、Larkmanによって開示されている方法では、かなりのノイズ増幅になる。したがって、Larkmanによって教示されているような現在の利用可能な方法よりもノイズ増幅が少ない同時マルチスライス画像化方法を提供することが望まれている。
【0015】
他の有名な同時マルチスライス画像化方法としては、Feinberg等による「EPIにおける同時エコー再フォーカス(Simultaneous Echo Refocusing in EPI)」(Magn. Reson. Med., 2002、48(1):1-5)がある。「SER−EPI」と称されるその方法では、実際の同時とは対照的に、スライスのRF励起が連続して起こる。読み出し傾斜パルスは、2つの連続励起の間に適用され、画像空間では読み出し方向に相当するK方向に沿って、他に関連する1つのスライスのk空間データを移動させるように働く。読み出しウィンドウ(readout window)を延ばすことによって、両方のスライスに対するk空間データは、連続してキャプチャーされる。その後、そのデータは、別々にカットされて個々に再構成されることができる。しかしながら、この方法は、いくつかの不都合な点を有する。この方法では、励起が同時ではないので、2つのスライスが、同一のエコー時間(「TE」)を有さない。実際、エコー時間TEは、通常約3ミリ秒(ms)異なる。画像強度およびコントラストが、指数関数的にエコー時間に依存するので、このエコー時間の違いには、問題がある。したがって、2つのスライスが、画像コントラストまたは強度において正確に同一ではない。SER−EPI方法の他の制限としては、第2のスライスの移動されたk空間データをキャプチャーするために必要とされる延ばされた読み出しが、全体の読み出し継続時間を増加させる。実際、この増加した継続時間が、結果として得られるEPI画像に含まれる磁化率分布B0を増加させる。
【0016】
最近では、FeinbergのSER−EPI方法は、D. A. Feinberg等による「サブセカンド全脳fMRIおよび高速拡散画像における多重エコー平面画像化(Multiplexed Echo Planar Imaging for Sub-Second Whole Brain fMRI and Fast Diffusion Imaging)」(PLos ONE (5):e15710)に記載されているように、Larkmanによって利用されている方法を含めるために、変更された。この方法はごく最近に変更された方法であるが、Larkmanによって開示されている再構成技法の制限をまだ有している。
【0017】
標準画像取得を高速化するために、他のパラレル画像化方法、例えば、従来のSENSEやGRAPPAがあったので、同時マルチスライス方法は、従来の画像化において多くのトラクション(traction)を得ていなかった。しかしながら、上述したように、他の従来のパルスシーケンスで行うように、それらの方法が、EPIのようなパルスシーケンスで同じ加速利点を与えない。SENSEやGRAPPAのようなパラレル画像化方法とは違って、マルチスライス取得技術は、例えば、位相エンコードの数を減らすことによって、k空間データを読み出すのに費やす時間を短くすることを目的とはしていない。むしろ、それらは、取得ごとに複数の画像スライス位置から信号データを取得することを目的としている。このため、パルスシーケンスの繰り返し数を減らすことができ、同時に全体のスキャン時間を減らすことができる。例えば、3倍加速されたマルチスライス取得が、EPIシーケンスの繰り返しごとに3つの画像スライス位置から画像データを取得する。この同時取得の結果として、画像化量をカバーするのに必要とされるEPIシーケンスの繰り返し数は、減少し、それによって合計の取得時間が同時に減少する。
【0018】
したがって、現在の利用可能な同時マルチスライス画像化方法よりエイリアスピクセルのより確実な分離をすることが可能な同時マルチスライス画像化方法を提供することが望まれており、これらの技術に関連する利益は、臨床の場で実現することができる。さらに、休止状態または機能的結合fMRIを含む機能的磁気共鳴画像法(「fMRI」)に適している方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、磁気共鳴画像(MRI)システムを用いて対応する複数のスライス位置から取得される画像データから、対象を示す複数の画像を再構成する方法を提供することによって、上述の欠点を解決する。画像データは、RFエネルギーを複数のスライス位置に適用した後に、取得される。RFエネルギーは、異なる位相を複数のスライス位置のそれぞれに提供するために、調整される。また、参照画像データは、画像データの取得で各スライス位置を励起するために用いられた位相と同じ位相を有するRFエネルギーを適用した後に、各スライス位置で取得される。エイリアス画像は画像データから再構成され、参照画像は参照画像データから再構成される。それら画像セットの両方を用いることで、非エイリアス画像(unaliased image)が、複数のスライス位置のそれぞれに対して生成される。そのような方法は、従来の方法よりも短い期間で、機能的MRI(fMRI)を行ったり、脳の全体積をカバーする画像フレームの時系列を取得したりするのに有利である。この方法の有利な利点は、休止状態のfMRIを行ったり、機能的結合を評価したりするのに特に適している。したがって、ここで提供される方法は、fMRIで機能的コネクトーム(functional connectome)を評価する有利な画像化方法を提供する。
【0020】
本発明の上述の形態、他の形態、および、本発明の利点は、以下に記述される。この明細書において、参照は、この明細書の一部である添付図面で行われる。添付図面は、本発明の好ましい実施形態を示している。そのような実施形態は、本発明の十分な範囲を必ずしも示すというわけではないが、本発明の範囲を説明するためにここでは請求項を参照して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明を用いる磁気共鳴画像(MRI)システムのブロック図である。
【図2】図1のMRIシステムの構成の一部を形成するRFシステムのブロック図である。
【図3】図1のMRIシステムの他の構成の一部を形成するパラレル受信コイルアレイを含むRFシステムのブロック図である。
【図4】本発明のある実施形態を実施する際に用いられるパルスシーケンスを表現するパルスシーケンス図である。
【図5】(A)は、周波数空間において4つのRFパルスプロファイルのセットを示す図であり、(B)は、(C)のRFパルスプロファイルに対応する4つのRFパルス位相プロファイルのセットを示す図であり、(C)は、(A)のRFパルスプロファイルをフーリエ変換して結合することにより生成された合成RFパルス波形を示す図であり、(D)は、(C)の合成RFパルス波形の位相を示す図である。
【図6】(A)は、本発明のある実施形態に従って同時に励起される多重スライス位置を用いて、データ取得スキームの画像表現の図であり、(B)は、本発明のある実施形態に従って同時に励起される多重スライス位置を用いて、他のデータ取得スキームの画像表現の図である。
【図7】多重スライス位置から画像データを同時に取得して画像を再構成する方法のステップを示すフローチャートである。
【図8】再構成されたエイリアス画像において位相ドリフトを算出し補正する方法のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1を特に参照すると、例となる磁気共鳴画像システム(MRIシステム)100が示されている。MRIシステム100は、ディスプレイ104およびキーボード106を備えたワークステーション102、を有している。ワークステーション102は、市販のオペレーティングシステムを動かす市販のプログラムを実行することが可能な機械のような処理装置108を有する。ワークステーション102は、スキャンしてMRIシステム100に入力することが可能なオペレータインタフェースを提供する。ワークステーション102は、パルスシーケンスサーバ110と、データ取得サーバ112と、データ処理サーバ114と、データ記憶サーバ116と、の4つのサーバに接続されている。ワークステーション102および4つの各サーバ110、112、114、116は、互いに通信するために、接続されている。
【0023】
パルスシーケンスサーバ110は、ワークステーション102からダウンロードされた指示に従って機能し、傾斜システム118およびRF(radio frequency)システム120を操作する。所定のスキャンを行うために必要な傾斜波形が、生成され、傾斜システム118に適用される。傾斜システム118は、アセンブリ122における傾斜磁場コイルを励起し、MRI信号をエンコードする位置で用いられる磁場傾斜Gx、Gy、および、Gzを生成する。傾斜磁場コイルアセンブリ122は、分極磁気126および全身RFコイル128を備えた磁気アセンブリ124の一部を構成する。
【0024】
RF励起波形は、RFシステム120でRFコイル128、または、別々の局所コイル(図1には示されてない)に適用され、所定の磁気共鳴パルスシーケンスを行う。RFコイル128または別々の局所コイルで検出される応答MR信号は、RFシステム120で受信され、パルスシーケンスサーバ110で生成されるコマンドの指示の下で、増幅され、復調され、フィルタ処理され、そして、デジタル化される。RFシステム120は、MRパルスシーケンスで用いられる多種多様なRFパルスを生成するRF送信機を有する。RF送信機は、パルスシーケンスサーバ110からのスキャンおよび指示に応答し、所望の周波数、位相、および、パルス振幅波形のRFパルスを生成する。生成されたRFパルスは、全身RFコイル128や1つ以上のコイルまたはコイルアレイ(図示せず)に適用してもよい。
【0025】
また、RFシステム120は、1つ以上のRF受信機チャネルを有する。各RF受信機チャネルは、RFコイル128に接続され、そのRFコイル128で受信したMR信号を増幅するRFアンプと、受信したMR信号のI直角成分(quadrature components)およびQ直角成分を検出しデジタル化する検出器と、を備えている。受信したMR信号の大きさは、したがって、I成分およびQ成分の二乗和の平方根によりいずれかのサンプリングポイントで決定される。
【0026】
【数1】

【0027】
また、受信したMR信号の位相は、以下の式で決定される。
【0028】
【数2】

【0029】
パルスシーケンスサーバ110は、生理的取得コントローラ130から患者データをオプションで受信する。コントローラ130は、患者に接続されたいろいろなセンサからの信号、例えば、電極からの心電計(ECG)信号や、肺またや他の呼吸監視装置からの呼吸信号などを受信する。そのような信号は、通常パルスシーケンスサーバ110で使用され、スキャン動作を対象者の心臓または呼吸に同期あるいは「ゲート」させる。
【0030】
また、パルスシーケンスサーバ110は、患者および磁石システムの状態に関連する各種センサからの信号を受信するスキャンルームインターフェース回路132、に接続している。患者位置合わせシステム134は、スキャンルームインターフェース回路132を介して、スキャン中、患者を所望の位置に動かすコマンドを受信する。
【0031】
RFシステム120で生成されたデジタル化されたMR信号サンプルは、データ取得サーバ112に受信される。データ取得サーバ112は、ワークステーション120からダウンロードされた指示に応じて動作し、リアルタイムMRデータを受信し、データがデータオーバランにより失われないようにバッファ記憶装置を有する。スキャンによっては、データ取得サーバ112は、取得したMRデータをデータ処理サーバ114に渡すだけである。しかしながら、取得されたNMRデータから導出される情報をスキャンのさらなるパフォーマンスの制御に必要とするスキャンでは、データ取得サーバ112は、そのような情報を生成してその情報をパルスシーケンスサーバ110に送るように、プログラムされている。例えば、プレスキャン中、MRデータを取得し、そのMRデータがパルスシーケンスサーバ110で行われるパルスシーケンスを調整するために用いられる。また、ナビゲータ信号は、スキャン中に取得されてもよく、RFシステム120または傾斜システム118の操作パラメータを調整するために用いたり、k空間がサンプリングされたビューオーダーをコントロールしたりすることができる。また、データ取得サーバ11は、MR信号を生成するために用いることもできる。MR信号は、磁気共鳴血管造影(MRA)スキャンにおける造影剤の到達を検出するのに用いられる。これら例のすべてにおいて、データ取得サーバ112は、MRデータを取得しそのMRデータをリアルタイムで処理して、スキャンの制御に使用される情報を生成する。
【0032】
データ処理サーバ114は、MRデータをデータ取得サーバ112から受信して、ワークステーション102からダウンロードされた指示に応じてMRデータを処理する。そのような処理は、例えば、未処理のk空間MRデータをフーリエ変換して2次元または3次元画像を生成するステップ、再構成された画像をフィルタ処理するステップ、取得したMRデータの逆投影画像再構成を行うステップ、機能的MR画像を生成するステップ、モーション画像またはフロー画像を算出するステップ、等を含むことができる。
【0033】
データ処理サーバ114で再構成された画像は、それらが格納されるワークステーション102に送られる。リアルタイム画像は、データベースメモリキャッシュ(図1には図示せず)に格納される。また、それら画像は、主治医が使用するために、オペレータのディスプレイ104、または、磁気アセンブリ124の近くに設けられたディスプレイ136に出力することもできる。バッチモード画像または選択されたリアルタイム画像は、ディスク記憶装置138のホストデータベースに格納される。そのような画像が、再構成されて記憶装置に転送されると、データ処理サーバ114は、ワークステーション102におけるデータ記憶サーバ116に通知する。ワークステーション102は、画像を保管したり、フィルムを生成したり、ネットワークを通じて画像を他の施設に送信したりするために、オペレータで操作することも可能である。
【0034】
図1に示すように、RFシステム120は、全身RFコイル128に接続することもできる。また、図2に示すように、RFシステム120の送信チャネル202は、RF送信コイル204に接続することもでき、また、受信チャネル206は、別々のRF受信コイル208に接続することもできる。多くの場合、送信チャネル202は、全身RFコイル128に接続され、各受信部が、別々のローカルRFコイルに接続される。
【0035】
図2を特に参照すると、RFシステム120は、所望の励起場を生成するRF送信チャネル202を有する。このRF励起場の周波数のベースまたはキャリアは、周波数合成装置210の制御に基づいて生成される。周波数合成装置210は、パルスシーケンスサーバ110からのデジタル信号のセットを受信する。それらデジタル信号は、出力212で生成されるRFキャリア信号の周波数および位相を示す。RFキャリアは、変調器およびアップコンバータ214に適用され、その振幅がパルスシーケンスサーバ110から受信した信号R(t)に応じて変調される。その信号R(t)は、生成されるRF励起パルスのエンブロープを定義する。また、その信号R(t)は、一連の格納されたデジタル値を順に読み出すことによって、生成される。それら格納されたデジタル値は、所望のRFパルスエンブロープを生成することができるように、変更することができる。
【0036】
出力216で生成されるRF励起パルスの大きさは、パルスシーケンスサーバ110からデジタルコマンドを受信する励起減衰器218によって減衰される。その後、減衰されたRF励起パルスは、RF送信コイル204を動かす電力増幅器220に適用される。
【0037】
対象で生成されるMR信号は、RF受信コイル208によってピックアップされ、前置増幅器222を介して受信減衰器224に適用される。受信減衰器224は、パルスシーケンスサーバ110から受信したデジタル減衰信号で決定される量によって、信号をさらに増幅する。受信した信号は、ラーモア周波数である、または、ラーモア周波数の周りにあり、この高周波信号は、ダウンコンバータ226における2つのステップ処理でダウンコンバートされる。ダウンコンバータ226は、最初に、MR信号をライン212上のキャリア信号と混ぜ合わせる。そして、結果として生まれた異なる信号を、基準周波数発生装置230で生成されるライン228上の基準信号と混ぜ合わせる。ダウンコンバートされたMR信号は、アナログ信号をサンプリングしてデジタル化するアナログ・デジタル・コンバータ(A/Dコンバータ)232の入力に適用される。サンプリングされてデジタル化された信号は、その後、受信信号に相当する16ビット同相(I)値および16ビット直交(16-bit quadrature)(Q)値を生成するデジタル検出器および処理装置234に適用される。受信した信号のデジタル化されたI値およびQ値の結果として生じたストリームは、データ取得サーバ112に出力される。基準周波数生成装置230は、ライン228上の基準信号を生成することに加えて、ライン236上のサンプリング信号を生成する。そのサンプリング信号は、A/Dコンバータ232に適用される。
【0038】
図2のRFシステムの他の構成が、図3に示されており、図3を参照して説明する。この他の構成は、RF送信コイル204およびRF受信コイル208が、コイルアレイ336と置き換えられている。コイルアレイ336は、少なくとも1つのRF送信コイルおよび複数の受信コイルを有し、1つ以上の送信/受信(T/R)スイッチ338を介してRF送信コイルおよび受信コイルに接続されている。対象で生成される信号は、コイルアレイ336でピックアップされ、受信チャネル306のセットの入力に適用される。各受信チャネル306における前置増幅器は、パルスシーケンスサーバ110から受信したデジタル減衰信号で決定される量によって、信号を増幅する。受信した信号は、ラーモア周波数であり、または、ラーモア周波数の近くにあり、この高周波信号は、ダウンコンバータにおける2つのステップ処理でダウンコンバートされる。ダウンコンバータは、最初に、MR信号をライン312上のキャリア信号と混ぜ合わせる。その後、結果として生まれた異なる信号を、基準周波数発生装置330で生成されるライン328上の基準信号と混ぜ合わせる。ダウンコンバータされたMR信号は、アナログ信号をサンプリングしてデジタル化するデジタル・アナログ・(A/D)コンバータの入力に適用される。サンプリングされてデジタル化された信号は、その後、受信信号に相当する16ビット同相(I)値および16ビット直交(Q)値を生成するデジタル検出器および処理装置334に適用される。受信した信号のデジタル化されたI値およびQ値の結果として生まれたストリームは、データ取得サーバ112に出力される。基準周波数生成装置330は、ライン328上の基準信号を生成することに加えて、ライン336上のサンプリング信号を生成する。そのサンプリング信号は、A/Dコンバータ232に適用される。
【0039】
同時マルチスライスデータ取得の目的のために、磁気共鳴画像(MRI)システムで画像の時間的経過の取得を高速化させる方法が、提供される。例えば、エコープラナー撮像法(EPI)またはスパイラル撮像法における画像データの取得は、少なくとも2倍加速される。そのような方法は、通常、機能的MRI(fMRI)、静止状態fMRI(R−fMRI)、動脈スピンラベリング(ASL)、拡散強調画像(DWI)、および、多数の画像の取得が望ましい他の場所、に適用することができる。また、この方法は、当業者によって理解されているように、多くの他の臨床応用でデータ取得効率を有利に向上させることができる。
【0040】
この方法では、画像スライスのグループ、例えば、2つ以上のスライスが、固有のRF位相の代わりに各スライスにラベルをつけるスライス選択的調整パルス(slice-selective tailored pulse)を用いて、同時に励起される。この方法は、一般的に、「パラレルスライス位相タギング法(PSPT:parallel slice phase tagging)」と称されている。重なり合うスライスの分解は、RF位相ラベリングを用いて達成される。この方法は、単一チャネル受信コイルまたは多重チャネル受信コイルのいずれかを用いて、実行されることができることが特徴である。重なり合うスライスの分解は、「参照スライス(reference slice)」を用いて、さらに改良される。参照スライス画像のセットは、例えば、各スライスに割り当てられたラベリング位相(labeling phase)を用いて得られる。
【0041】
PSPT法は、かなり改善された全体的加速のために、SENSE加速(SENSE acceleration)と組み合わせることができる。この組み合せは、通常、「2軸加速(TAC:two-axis acceleration)」と呼ばれており、1つの軸がスライスに対して垂直であり、他の軸が位相エンコード方向となる。例えば、スライス間のクロストーク(Cross-talk)が、調整されたRFパルス形成および適切なスライス分離アルゴリズムによって特徴付けられ、減少する。さらに、コイルアレイにおける受信チャネルの増加した数は、スライス間のクロストークを減少させる。同時に励起されるスライスの時間的経過は、容易に登録することができ、例えば、アフィン登録方法(affine registration methods)と同じように剛体を用いて、登録することができる。
【0042】
本発明によって提供される方法は、臨床的に妥当な時間で脳全体にわたる高解像度機能接続データの取得を可能にする。例えば、十分に薄いスライスでR−fMRIを用いて、データを得ることができるので、位相の散逸および信号ドロップアウトが、実質的に軽減される。また、約2秒の繰り返し時間(TR)値内でデータを得ることができ、その結果、脳全体のデータセットに広がる生理的変動の干渉性(coherency)を保つことができる。EPI時間的経過方法に対して、パラレル取得は、神経科学の進歩と人間の脳疾患の診断において、時間の加速と空間分解能の増大との間のかなり改良されたトレードオフを可能とする。
【0043】
本発明に従って、MRIシステムに、複数のスライス位置から同時に画像データを取得するように指示するために用いられる、例となるパルスシーケンスは、図4に示されている。そのような例となるパルスシーケンスは、グラジエントエコープラナー撮像法(EPI)パルスシーケンス(a gradient-recalled echo planar imaging ("EPI") pulse sequence)である。パルスシーケンスは、空間選択的RF励起パルス(spatially selective radio frequency excitation pulse)402を有する。RF励起パルス402は、複数の所望の画像スライスで横方向磁化を生成するために、スライス選択的傾斜404の存在するところで実行される。スライス選択的傾斜404は、リフェージングローブ(rephasing lobe)406を有する。リフェージングローブ406は、スライス選択的傾斜404で導入された不要な位相分散をリフェーズする働きをする。このため、位相分散から生じる信号損失は、軽減される。
【0044】
RF励起パルス402は、例えば、複数のスライス位置を同時に励起させるために調際される合成RFパルスであり、各スライス位置における横方向磁化が、異なる位相で与えられる。例として、図5(A)〜図5(D)を参照すると、所望のスライスプロファイルが測定され、そして、そのスライスプロファイルのフーリエ変換が算出されて、異なるスライス位置に対して異なる位相情報を含む適切なRF励起パルス402のプロファイルを、決定する。例えば、各所望のスライス位置の場所および厚さが、選択されて用いられて、周波数空間で各スライス位置に対してRFパルスプロファイルが生成される。また、各RFパルスプロファイルの先端角度(tip angel)を別々に選択することができる。そのような4つのRFパルスプロファイルは、図5(A)に示されている。各異なるRFパルスプロファイルは、異なる周波数値およびその周波数値に関連する帯域幅を有する。その異なる周波数値および帯域幅は、それぞれ、異なる空間的位置およびスライスの厚みに相当し、対応するRFパルスによって励起される。図5(B)に示すように、各RFパルスプロファイルは、固有の位相プロファイルを有する。一般的に、N個のRFパルスプロファイルおよびN個の対応する位相プロファイルが生成され送信されて、所望のRFパルス波形が生成される。例えば、図5(A)に示すRFパルスプロファイルのフーリエ変換は、4つの別個のRFパルス波形を生成する。それらを結合させると、図5(C)に示すような合成RFパルス波形を生成する。図5(C)に示された合成RFパルス波形の位相は、図5(D)に示される。合成RFパルス波形は、N個のRFパルスプロファイルを合計し、その合計のフーリエ変換を算出することによって得ることができる。あるいは、個々のRFパルスプロファイルをそれぞれフーリエ変換して生成されるRFパルス波形を加算することによっても合成RFパルス波形を得ることが可能である。
【0045】
4つのスライス取得の典型的な位相は、第一象限、すなわち、0度、30度、60度、90度にそれぞれ存在する。位相値の多くの結合は、当業者において当然のことながら、それぞれのスライス位置を位相区別するために、簡単に実行することができる。また、個々のRFパルスは、以下に記載するように、参照画像データを取得するために用いられる。したがって、この参照画像データは、合成RFプロファイルの個々の部分を用いて合成RFパルスの励起の後に取得される画像データと同じ位相で取得されることができる。また、各複素数値合成RFパルス(complex-valued composite RF pulse)が、単一送信周波数から形成されることができる。
【0046】
再度図4を参照すると、所定の画像スライスにおける核スピンの励起に従って、画像データは、一連のグラジエントエコー信号(a series of gradient-recalled echo signals)をサンプリングすることによって取得される。交互読み出し傾斜は、プレ巻き上げ傾斜(pre-winding gradient)410の適用で始まり、そのプレ巻き上げ傾斜410は、周波数エンコード、または、k空間における所望の距離で指示される読み出しに沿って、第1サンプリングポイントを動かすために機能する。位相エンコード方向に沿うエコー信号の空間エンコードは、一連の位相エンコード傾斜ブリップ(blips)412で行われる。位相エンコード傾斜ブリップ412は、連続した信号読み出しの間で行われ、各エコー信号が別々に位相エンコードされる。位相エンコード傾斜ブリップ412は、プレ巻き上げ傾斜414の適用で始まる。プレ巻き上げ傾斜414は、k空間における所望の距離で位相エンコード方向に沿って第1サンプリングポイントを動かすために機能する。すなわち、プレ巻き上げ傾斜410および414の両方は、所望のk空間位置でk空間のサンプリングを開始するために作動する。当技術分野で周知のように、複数のスライス位置の複数のグループがサンプリングされるように、各繰り返し中に異なるスライス選択的傾斜404を適用している間、上述のパルスシーケンスは複数回繰り返される。
【0047】
図6(A)および図6(B)には、複数のスライス位置のグループが示されている。図6(A)では、スライス位置の第1グループ602が示され、スライス位置が一緒に密接してグループ化されている。スライス位置のこの密接したグループ化は、所望のフィールドオブビューの全体を通して画像データを取得するために、所望のフィールドオブビューを通じて順に動かされる。例えば、スライス位置の第1グループは、複数のグループ位置を通って、点線604で示される最後のグループ位置まで順次動かされる。重要な空気組織界面が存在する領域、例えば、脳の下部領域で画像化するとき、薄いスライス厚みを用いることで、他の領域を画像化するのに用いられるよりも利点を有することができる。このため、図6(A)に示すように、スライス位置の第2グループ606が用いられている。そのスライス位置は、再度接近して間隔を置いて配置されているが、第2グループ606の各スライス位置のスライス厚みは、第1グループ602の各スライス位置のスライスの厚みよりも薄い。スライス位置の第1グループ602のように、スライス位置の第2グループ606は、最後のグループ608に到達するまで、フィールドオブビューを通じて順次動かされる。また、図6(B)に示すように、選択されたスライス位置は、隣接して空間を置いて配置する必要はなく、むしろ、スライス位置のグループにおける各スライス位置が、間隔を置いて配置されている。このため、スライス位置のグループの次の位置が、他のグループ位置と交互に配置される。複数のスライス位置のグループ化および動作の前述の例は、ただ例を記載しただけであり、ここに記載されていない多くの他の変化が、本発明の範囲内で可能である。
【0048】
複数のスライス位置から画像データを取得する場合、ハイダイナミックレンジ受信機(high dynamic range receivers)を用いることが有利である。ハイダイナミックレンジ受信機は、複数のスライス位置の同時励起に関連して増加する信号に対して適している。例となるハイダイナミックレンジ受信機としては、例えば、マーキュリーコンピュータシステム製(チェムスフォード、マサチューセッツ州)のEchoTek(登録商標)シリーズのECDR−GC316デジタル受信機がある。
【0049】
図7を参照すると、複数のスライス位置から画像データを同時取得して画像を再構成する方法のステップを示すフローチャートが図示されている。その方法は、ステップ702に示すように、複数のスライス位置から画像データを同時取得することから始まる。この画像データは、例えば、上述のパルスシーケンスを用いて取得することができる。データ取得ステップは、同時に取得される複数のスライス位置のグループにおいて複数のスライス位置から画像データを取得することを含む。参照画像データは、データ取得中に取得される。また、参照画像データは、各受信コイルおよび各スライス位置に対して取得される。したがって、単一の受信コイルが用いられる場合、1つの参照画像データは、各スライス位置で取得される。また、マルチチャネル受信コイルアレイ、例えば、nチャネル受信コイルアレイが用いられる場合、n参照画像データセットが、各スライス位置に対して取得される。
【0050】
ステップ704に示すように、取得した参照画像データから、参照画像が再構成される。それら参照画像は、複素画像である。場合によっては、緩和影響T1を避けるために、時間的経過において第1参照画像の少しだけを捨てることで利点を有することができる。それらの再構成された参照画像は、その後、平均化され、ステップ706に示すように、改良された信号対ノイズ比(SNR)を有する平均参照画像が生成される。例えば、マルチチャネル受信コイルアレイにおけるコイルのそれぞれから各スライス位置で得られた参照画像は、一緒に平均化されて、そのスライス位置に対する平均参照画像が生成される。ある角度に対して、生理的変動が、このプロセスにおいて平均化されることができる。ステップ708に示すように、取得された画像データから、画像が再構成される。画像データは、複数のスライス位置から同時に取得されるので、それら再構成される画像は、エイリアス信号情報(aliased signal information)を含んでいる。このエイリアス信号情報は、ターゲット画像を生成するために、後のプロセスで非エイリアスされる(unliased)。非エイリアシングする前に、再構成された画像から不要な位相ドリフトを除去することが有利である。それら不要のRF位相ドリフトは、B0ドリフトに関連していると考えられ、対象のボディが安定してうつむけになってリラックス中のバルク磁化率の影響、または、画像取得中の加熱の影響、から生じる。このため、位相ドリフトが算出されて、ステップ710で補正される。この位相ドリフト補正プロセスを、図8を参照して以下で詳細に述べる。
【0051】
図7をまた参照すると、再構成された画像が、位相ドリフトに対して補正された後、ステップ712に示すように、画像は非エイリアスされて、ターゲット画像を生成する。通常、各エイリアスボクセル(aliased voxel)に対して、複素数が、n受信チャネルのそれぞれから存在する。また、参照画像は、Nスライスおよびボクセルのnチャネルから非エイリアスデータ(unaliased data)を提供する。連立方程式は、この情報を用いて構成されている。例えば、連立方程式は、所望の非エイリアス画像情報を得るために、特異値分解で解くことができる。データは、このプロセスにおけるチャネル全体で結合され、その手順は、各エイリアス画像において、すべてのボクセルで繰り返される。
【0052】
パラレルスライス位相タギング法に対してここで記載される再構成方法は、複素数値画像または実数値画像のどちらかの再構成を提供する。複素数値画像は、参照画像から時間位相変化を保持する。そのような位相変化は、複素数値データの使用を必要とする進歩した統計的方法が用いられる場合に、必要となり、また、半分のフーリエ再構成は、さらに複素数値画像を必要とする。しかしながら、標準的な大きさの画像が、統計的分析で用いられる場合には、実数値画像だけを再構成すればよい。
【0053】
実数値画像だけを再構成するという決定は、非エイリアシングプロセスで改善をもたらすことができる。参照画像から偏差の実数部だけを解決することによって、再構成プロセスは、複素数値画像の再構成に関して未知数の半分を含む。したがって、例えば、分離された画像情報の最小二乗調整(least squares fitting)で改善するために、実数値解決だけが望まれるときに、分離問題がより過剰決定(overdetermined)される。複素数値位相タグ付き画像データから実数値画像だけを再構成することによって、コイルの数の2倍の減少係数が有利に達成されることができる。この減少は、以前のパラレル画像技法の2倍改善される。
【0054】
上述したように、再構成方法は、取得される参照画像を利用する。例えば、連続的にtを用いた同じパルスシーケンスで、多重スライス画像データを取得する。それら参照画像は、受信コイルプロファイルから大きさ感度を空間的に変化すること、および、各特定のRF受信チャネル、ローカル磁場特性、および、RF励振位相に対して、ベクトルレセプションフィールド(vector reception field)の結合された結果から位相を空間的に変化することを含む。それら参照画像の大きさおよび位相は、例えば、以下の連立方程式を解くことにより、エイリアス画像を分離するために、利用される。
【0055】
【数3】

【0056】
nは、n番目のエイリアス信号(aliased signal)の実数部であり、
【0057】
【数4】

【0058】
n^は、n番目のエイリアス信号の虚数部であり、uNは、N番目の画像スライス位置に対応するN番目の非エイリアス信号(unaliased signal)コンポーネントの実数部であり、
【0059】
【数5】

【0060】
N^は、N番目の画像スライス位置に対応するN番目の非エイリアス信号コンポーネントの虚数部であり、SnNは、N番目の画像スライス位置およびn番目の受信コイルに対応する参照画像の大きさであり、θnNは、N番目の画像スライス位置およびn番目の受信コイルに対応する参照画像の位相である。簡単にするために、上述の方程式(3)は、以下のように表される。
【0061】
【数6】

【0062】
Sは、参照画大きさSnNの項目(entries)および参照画像位相θnNの項目(entries)を含むエンコードマトリックス(encoding matrix)であり、uは、非エイリアス画像の実数部uNおよび虚数部uN^をそれぞれ含む非エイリアス画像マトリックスであり、aは、エイリアス画像の実数部anおよび虚数部an^それぞれ含むエイリアス画像マトリックスである。
【0063】
式(3)における参照画像大きさ、および、位相を用いることによって、非エイリアス画像が、予想される空間コントラストを得るために、参照画像の結合で見積もることができる近い単一の値を有する。通常、式(3)は、参照画像の磁化ベクトルからエイリアス画像の磁化ベクトルの偏差を決定する。オプションとして、標準部分フーリエ補間(standard partial Fourier interpolation)が、ステップ714に示すように、分離される画像において実行されることができる。部分フーリエ画像化(partial Fourier imaging)のプロセスでは、参照データおよび取得したデータが、部分フーリエ補間を行う前に、調整されて非エイリアスされてゼロになる。
【0064】
実数値再構成に対して、仮定は、エイリアス画像と参照画像との間の位相の変化を無視して、作成されている。この仮定で、非エイリアス画像は、参照画像の位相によって完全に定義される位相と共に、実数値であると推定され、この状態では、式(3)は以下のように表される。
【0065】
【数7】

【0066】
式(3)のエンコードマトリックスの同等の縦列:S、および、式(3)の非エイリアスベクトルの横列:uは、取り除かれる。したがって、実数値解決法で解決する際、上述の連立方程式は、式(3)における2N元方程式に対する2n方程式とは対照的に、N元方程式に対する2n方程式を含む。受信チャネルの数:nが、スライス位置の各グループ2Nでスライス位置の2倍以上である限りは、実数値パラメータ化の解決が存在する。実数値の非エイリアス画像の仮定を通じて、エンコードマトリックスにおける参照画像位相の包含と共に、このパラメータ化は、従来の可能なパラレル画像化よりももっと高速に得ることができる。例えば、n個のコイルを有するコイルアレイに対して最大2nまで高速化することが可能である。
【0067】
パラレル画像化では、別々に取得されたスライスの信号対ノイズ比(SNR)と、非エイリアススライスと、の比率は、非エイリアス幾何学的因子またはg因子:g、および、減少または加速係数:Rの平方根、で得られる。
【0068】
【数8】

【0069】
記載された再構成方法では、k空間ラインの数が、多重スライス位置から取得中、ナイキスト基準以下に減少しないので、減少係数はR=1である。したがって、上述の再構成方法では、別々に取得されたSNRと非エイリアス画像との比率は、g因子である。
【0070】
【数9】

【0071】
g因子は、コイル共分散の1つの方法として最初に述べた。RF位相タグ付け(RFphase-tagging)の追加では、RF励起からの磁化フェーズおよび磁界シミング(magnetic field shimming)を含むことによりここで拡大される。また、g因子は、実測値画像の値だけで解決することで非エイリアシング問題の過剰決定される性質を増加させることによって、減らすことができる。
【0072】
上述したように、再構成方法は、B0におけるドリフトから生じる位相ドリフトに対してエイリアス画像の補正を含むことができる。同様に、GxおよびGy傾斜におけるノイズに対しても、エイリアス画像の補正を含むことが可能である。図8を参照すると、再構成されるエイリアス画像で位相ドリフトを算出して補正する例となる方法のステップを説明するフローチャートが示されている。一般的に、その方法は、エイリアス多重コイル画像データの複製を生成することを含む。多重コイル画像データの複製は、参照画像を合計し、各エイリアス画像で結果を比較して、位相ドリフトを補正することによって、生成される。
【0073】
したがって、位相ドリフト補正方法は、ステップ802に示すように、参照画像を合計することにより始まる。以下の式(8)で画像時間的経過の項目(entries)を示す。
【0074】
【数10】

【0075】
mは、画像を数えて、k、lは、ボクセル位置xおよびyを列挙する。この表記法を用いることによって、N番目のスライス位置に対してn受信チャネル上の参照画像の合計I、Qは、以下の式(9)で得られる。
【0076】
【数11】

【0077】
算出された参照画像の合計A0、および、参照画像の合計A0とN番目のスライス位置に対するエイリアスされた画像との間の位相差Δφmは、ステップ804で示すように、算出される。この位相差は、以下の式(10)のように表される。
【0078】
【数12】

【0079】
ステップ806で示されているように、位相ドリフト補正方法における次のステップは、多項式を算出された位相差Δφmに適合させることである。例えば、次のような適合が行われる。
【0080】
【数13】

【0081】
Rは、画像解像度であり、a0は、少なくとも一部で、傾斜磁場コイルで生成される熱移動から生じる位相ドリフトに相当し、a1kおよびa2lは、傾斜磁場コイルにおけるノイズから生じる位相ドリフトに相当する。適合プロセスの結果は、位相ドリフト補正係数の算出Φmであり、位相ドリフト補正係数は、ステップ808に示されているように、エイリアス画像から差し引かれて、そこに生じる位相ドリフトを補正する。その減算は、以下の(12)の式になる。
【0082】
【数14】

【0083】
mは、画像の時間的経過において、m番目の位相ドリフトの、補正されエイリアスされる画像(the phase drift corrected, aliased image)である。
【0084】
前述では、多重チャネル受信コイルアレイを用いた実施形態について記載したが、多重スライス位置は、単一受信チャネルを用いて利用することもできることは当業者において理解されるだろう。例えば、90度の位相差を有する2つのスライスに対して、理想的なケースを仮定すると、各スライスは、均一の位相プロファイルおよび同相Iの取得チャネルと一致する絶対位相を有する。第1スライスは、IチャネルおよびQチャネルの第2スライスで取得されることができる。このような場合、2倍の高速化が単一RFコイルで成し遂げられる。
【0085】
本発明は、好ましい実施形態の点から述べられてきたが、明示的に述べられたものは別にして、本発明の骨子を逸脱しない範囲で、均等な形態、代替形態、および変更形態が可能である
【符号の説明】
【0086】
110 パルスシーケンスサーバ
112 データ取得サーバ
114 データ処理サーバ
118 傾斜システム
120 RFシステム
130 生理的取得コントローラ
132 スキャンルームインタフェース
210 周波数合成装置
230 基準周波数発生装置
602 スライス位置の第1グループ
606 スライス位置の第2グループ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気共鳴画像(MRI)システムを用いて、対応する複数のスライス位置から同時に取得される画像データから、対象を示す複数の画像を再構成する方法において、
a)異なる位相を有するRF(radio frequency)エネルギーを、複数のスライス位置にそれぞれに適用した後に、前記MRIシステムで前記複数のスライス位置から画像データを同時に取得するステップと、
b)前記ステップa)で前記複数のスライス位置に適用された異なる位相の1つを有するRFエネルギーを、前記位相に対応する複数のスライス位置の1つに適用した後に、前記MRIシステムで参照画像データを取得するステップと、
c)前記ステップa)で適用された前記RFエネルギーの異なる位相のそれぞれに対して前記ステップb)を繰り返して、前記複数のスライス位置のそれぞれに対して参照画像データを取得するステップと、
d)前記ステップa)で取得される前記画像データから、エイリアス画像を再構成するステップと、
e)前記ステップb)および前記ステップc)で取得される前記参照画像データから、参照画像を再構成するステップと、
f)前記ステップd)で再構成された前記エイリアス画像、および、前記ステップe)で再構成された前記参照画像を用いて、前記複数のスライス位置のそれぞれに対して非エイリアス画像を生成するステップと、を有する
ことを特徴とする画像データから対象を示す複数の画像を再構成する方法。
【請求項2】
前記ステップf)は、前記参照画像の大きさ、前記参照画像の位相、および、前記エイリアス画像を、前記非エイリアス画像のそれぞれに関連付ける連立方程式を解くステップを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップf)の連立方程式を解くステップは、最小二乗推定を用いることを含む
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップf)の連立方程式を解くステップは、前記各参照画像の大きさと、前記参照画像の1つと同じ位相の正弦および余弦の少なくとも1つと、の積である項目を有するエンコードマトリックス、を用いることを含む
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップf)は、前記非エイリアス画像を生成する前に、位相ドリフトに対して前記エイリアス画像を補正することを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップa)で取得される画像データは、画像データの時間的経過である
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記画像データの時間的経過は、前記ステップa)における前記画像データの取得中に前記対象で生じるニューロン活動を表す機能的画像データである
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ステップa)で取得される前記画像データは、多重チャネル受信コイルアレイで取得され、
前記ステップb)で取得される前記参照画像データは、前記多重チャネル受信コイルアレイの多重チャネルの1つに対して取得され、
前記ステップc)は、前記複数のスライス位置のそれぞれに対して前記ステップb)を繰り返す前に、前記多重チャネル受信コイルアレイの各チャネルに対してステップb)を繰り返すステップを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ステップf)は、前記参照画像の大きさ、前記参照画像の位相、および、前記エイリアス画像を、前記非エイリアス画像のそれぞれに関連付ける連立方程式を解くステップを有する
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ステップf)は、前記多重チャネル受信コイルアレイの異なるコイルのそれぞれで、前記各スライス位置から取得される前記参照画像データに対応する前記参照画像のそれぞれを平均することよって、前記各スライス位置に対して平均参照画像を生成することを含む
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記連立方程式が、前記各平均参照画像の大きさと、前記平均参照画像の1つと同じ位相の正弦および余弦の少なくとも1つと、の積である項目を有するエンコードマトリックス、含む
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ステップf)は、
i)特定のスライス位置に対して、前記多重チャネル受信コイルアレイの異なるコイルから取得される参照画像データに対応する前記参照画像のそれぞれを合計するステップと、
ii)前記ステップf)のi)で生成される合計参照画像と前記特定のスライス位置に対応する前記エイリアス画像との位相差を、算出するステップと、
iii)前記算出された位相差を用いて、位相補正係数を決定するステップと、
iv)前記位相補正係数を前記対応するエイリアス画像に適用するステップと、を有する
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記ステップf)のiii)は、前記算出された位相差を、前記MRIシステムの一部を成す傾斜磁場コイルにおけるノイズおよび熱伝達から生じる位相ドリフトに関する条件を含む多項式に、適合させることを含む
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ステップa)で適用される前記RFエネルギーは、前記スライス位置のそれぞれの位置および位相を定義する所望のスライスプロファイルでフーリエ変換を行うことによって、調整される
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
g)前記ステップa)で画像データを取得する前にスピン調整パルスシーケンスを行うステップ、をさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ステップg)で行われる前記スピン調整パルスシーケンスは、脂肪抑制および拡散強調の少なくとも1つを提供する
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ステップa)で取得される前記画像データは、アンダーサンプリングされる画像データである
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記ステップf)は、k空間の一部のサンプリングを構成する再構成法を用いて、非エイリアス画像を生成することをさらに含む
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記k空間の一部のサンプリングを構成する再構成法は、SENSE法およびGRAPPA法の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ステップa)で取得される前記画像データは、前記画像データが画像フレームの時間的経過を示すように、一定期間で取得され、
前記ステップf)は、前記複数のスライス位置のそれぞれに対して複数の画像フレームを再構成することを含み、
それにより、前記複数のスライス位置のそれぞれに対する前記複数の画像フレームが、前記複数のスライス位置のそれぞれに対して画像の時系列を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記対象は、脳であり、
前記複数のスライス位置は、前記脳の全体積を実質的にカバーする
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記対象は、脳であり、
前記ステップa)で取得される前記画像データは、前記脳の全体積を実質的にカバーする
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記ステップa)で画像データを取得する前に、前記複数のスライス位置のぞれぞれの厚みを選択するステップ、をさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記複数のスライス位置のいくつかの厚みは、前記複数のスライス位置の他の厚みとは異なる
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
磁気共鳴画像(MRI)システムを用いて対象における複数の異なるスライス位置を位相タグ付けする方法において、
a)複数の異なるスライス位置のそれぞれに対して位置を選択するステップと、
b)前記複数の異なるスライス位置のそれぞれに対して厚みを選択するステップと、
c)前記複数の異なるスライス位置のそれぞれに対して位相値を選択するステップと、
d)前記ステップa)で選択された位置、前記ステップb)で選択された厚み、および、前記ステップc)で選択された位相値を用いて、前記複数の異なるスライス位置のそれぞれに対してRF(radio frequency)パルスプロファイルを生成するステップと、
e)前記ステップd)で生成される前記RFパルスプロファイルでフーリエ変換を行うことによって、RFパルス波形を生成するステップと、
f)前記ステップe)で生成される前記RFパルス波形を用いて前記複数の異なるスライス位置に適用されるRFエネルギーを生成するように、前記MRIシステムに指示するステップと、を有し、
前記ステップf)で生成される前記RFエネルギーは、前記ステップc)で選択される位相値に対応する前記複数の異なるスライス位置のそれぞれに、位相を与えて、前記複数の異なるスライス位置を位相タグ付けする
ことを特徴とする方法。
【請求項26】
前記ステップe)は、前記ステップe)でフーリエ変換を行う前に、前記ステップd)で生成される前記RFパルスプロファイルを結合することを含む
ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ステップe)は、前記ステップd)で生成される前記RFパルスプロファイルのそれぞれでフーリエ変換を行って、複数の中間波形を生成すること、および、前記生成された複数の中間波形を結合して、前記RFパルス波形を生成すること、を含む
ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
g)前記複数の異なるスライス位置のそれぞれに対して傾斜角度を選択するステップ、をさらに有し、
前記ステップd)は、前記ステップg)で選択される前記傾斜角度をさらに用いて前記RFパルスプロファイルを生成することを含む
ことを特徴とする請求項25に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−521013(P2013−521013A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555183(P2012−555183)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2011/026250
【国際公開番号】WO2011/106649
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(500345401)エムシーダブリユー リサーチ フオンデーシヨン インコーポレーテツド (6)
【Fターム(参考)】