説明

単一チャンネル増幅器

【課題】 所望チャンネルのテレビジョン信号が不存在でも、スケルチの誤動作を防止する。
【解決手段】 複数チャンネルのテレビジョン信号が供給されているゲインコントローラ20が、誤差増幅器90からの自動利得制御信号に応じて利得を調整して、複数チャンネルのテレビジョン信号を出力する。ゲインコントローラ20からの複数チャンネルのテレビジョン信号のうち所望のもののレベルを検波器88で検出した所望チャンネルレベル検出信号と自動利得制御用基準信号とに基づいて、誤差増幅器90が自動利得制御信号を生成する。ゲインコントローラ20からの複数チャンネルのテレビジョン信号のうち不所望のもののレベルを検波器96で検出した不所望チャンネルレベル検出信号と不所望チャンネルスケルチ用基準信号とに基づいて、比較器98がスケルチ制御信号を生成し、増幅段68、76及びゲインコントローラ70にスケルチ動作をさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のテレビジョン信号のうち特定の1波のテレビジョン信号を増幅して出力する単一チャンネル増幅器に関し、特に、スケルチ手段を備えたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スケルチ手段を備えた単一チャンネル増幅器としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。特許文献1の技術によれば、様々なチャンネルのテレビジョン信号が利得可変増幅部において増幅される。この利得可変増幅部の出力信号から所望のチャンネルの信号のみを帯域通過フィルタが選択する。このフィルタの出力に応じて利得可変増幅部の利得を自動利得制御回路が制御する。また、上記帯域通過フィルタの出力側には、スイッチング部が設けられている。帯域通過フィルタの出力に所望のチャンネルの信号が不存在の時、スイッチング部をスケルチ回路が開放する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平5−22975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術によれば、所望のチャンネルのテレビジョン信号が存在している場合、自動利得制御回路によって可変利得増幅部の利得が調整され、所望のチャンネルのテレビジョン信号が予め定められたレベルで出力され、所望のチャンネルのテレビジョン信号が不存在の場合、スケルチ回路によってスイッチング部が開放され、スケルチ動作する。所望のチャンネルの信号が不存在の場合、自動利得制御回路によって可変利得増幅部の利得が最大とされ、その結果、所望のチャンネルと同一周波数のノイズのレベルが上昇し、このレベル上昇したノイズの影響を受け、スケルチ回路がスイッチング部を開放せず、スケルチ動作しないことがある。
【0005】
本発明は、所望のチャンネルのテレビジョン信号が不存在の場合でも、スケルチが誤動作することを防止した単一チャンネル増幅器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の単一チャンネル増幅器は、利得調整手段を有し、この利得調整手段には、複数チャンネルのテレビジョン信号が供給される。利得調整手段としては、例えばレベル調整手段、具体的には可変減衰手段を使用したり、可変利得増幅手段を使用したりすることができる。テレビジョン信号としては、例えば地上デジタルテレビジョン放送信号や、衛星放送信号及び衛星通信信号の一方または双方を中間周波信号に周波数変換した衛星放送中間周波信号及び衛星通信中間周波信号の一方または双方を使用することができる。利得調整手段は、自動利得制御信号に応じて利得を調整して、前記複数チャンネルのテレビジョン信号を出力する。この利得調整手段から出力された複数チャンネルのテレビジョン信号のうち所望のもののレベルを検出した所望チャンネルレベル検出信号と、自動利得制御用基準信号とに基づいて、自動利得制御手段が前記自動利得制御信号を生成して、前記利得調整手段に供給する。自動利得制御手段としては、後述するように所望チャンネルレベル検出手段と、この所望チャンネルレベル検出手段からの所望チャンネルレベル検出信号と自動利得制御用基準信号との差に応じて自動利得制御信号を生成する誤差増幅手段とを、備えるものとすることができる。前記利得調整手段の出力信号がスケルチ手段に供給され、スケルチ制御信号の供給に応じてスケルチ動作する。スケルチ手段としては、増幅手段を使用し、スケルチ制御信号の供給に応じて増幅動作を停止するものとしたり、利得調整手段の出力側とその後続の機器との間に直列にスイッチング部を接続し、スケルチ制御信号に応じてスイッチング部を開放させたり、利得調整手段の出力側と基準電位との間にスイッチング部を接続し、スケルチ制御信号に応じてスイッチング部を閉成したりするものを使用することができる。前記利得調整手段から出力された複数チャンネルのテレビジョン放送信号のうち不所望のもののレベルを検出した不所望チャンネルレベル検出信号と、不所望チャンネルスケルチ用基準信号とに基づいて、不所望チャンネルスケルチ制御手段が前記スケルチ制御信号を生成して、前記スケルチ手段に供給する。
【0007】
このように構成された単一チャンネル増幅器では、所望のチャンネルのテレビジョン信号が利得調整手段に供給されているときには、自動利得制御手段からの自動利得制御信号に基づいて利得調整手段が所望のチャンネルのテレビジョン信号を所定のレベルで出力する。所望のチャンネルのテレビジョン信号が不存在の場合、自動利得制御手段からの自動利得制御信号によって利得調整手段の利得は最大利得とされるが、そのとき不所望チャンネルレベル検出信号と不所望チャンネルスケルチ用基準信号とに基づいてスケルチ手段が動作し、ノイズが出力されることを防止できる。なお、不所望チャンネルスケルチ制御手段は、不所望チャンネルレベル検出信号が不所望チャンネルスケルチ用基準信号よりも大きいときに、スケルチ制御信号を発生して、スケルチ手段を動作させることが望ましい。
【0008】
前記不所望チャンネルスケルチ制御手段は、前記不所望チャンネルレベル検出信号が前記不所望チャンネルスケルチ用基準信号よりも大きいとき、前記スケルチ手段にスケルチ動作させるように構成することができる。この場合、前記所望チャンネルレベル検出信号が、所望チャンネルスケルチ用基準信号よりも小さいとき、所望チャンネルスケルチ制御手段が、前記スケルチ制御信号を生成して、前記スケルチ手段に供給する。
【0009】
このように構成すると、所望チャンネルのレベルが所望チャンネルスケルチ用基準信号よりも小さいときには、スケルチ手段を動作させることができる。このような所望チャンネルスケルチ制御手段が設けられており、この所望チャンネルスケルチ制御手段が、自動利得制御手段の動作によって誤動作する可能性がある場合でも、不所望チャンネルスケルチ制御手段の動作によって所望チャンネルが不存在の場合でも、確実にスケルチ動作させることができる。
【0010】
前記不所望チャンネルのテレビジョン信号は前記所望チャンネルのテレビジョン信号に隣接するものとすることができる。この場合、前記利得調整手段の出力側に前記所望チャンネル及び前記不所望チャンネルのテレビジョン信号を抽出する第1のフィルタ手段が設けられ、第1のフィルタ手段の出力信号から前記不所望チャンネルレベル検出信号を生成する不所望チャンネルレベル検出手段が設けられている。第1のフィルタ手段の出力から前記所望チャンネルテレビジョン信号を抽出する第2のフィルタ手段が設けられ、第2のフィルタ手段の出力信号から前記所望チャンネルレベル検出信号を生成する所望チャンネルレベル検出手段が設けられている。
【0011】
このように構成すると、簡単な構成で、不所望のチャンネルのレベルも所望のチャンネルのレベルも、それぞれ検出することができる。
【0012】
前記利得調整手段の出力信号が中間周波信号に周波数変換された後に、第1のフィルタ手段に供給され、第1のフィルタ手段の出力信号が増幅手段によって増幅された後、前記不所望チャンネルレベル検出手段及び前記所望チャンネルレベル検出手段に供給される。なお、第2のフィルタ手段の出力信号を再度周波数変換して、元の周波数に戻すこともできる。
【0013】
このように中間周波信号に周波数変換した状態で、所望チャンネルテレビジョン信号や不所望チャンネルテレビジョン信号のレベルを検出することができるので、安定した状態でレベルを検出することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、所望チャンネルのテレビジョン信号が不存在な状態で、自動利得制御が動作していても、確実にスケルチを動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態の単一チャンネル増幅器のブロック図である。
【図2】図1の単一チャンネル増幅器を用いたヘッドエンドの一部のブロック図である。
【図3】図1の単一チャンネル増幅器における自動利得制御が行われている状態と、不所望チャンネルスケルチが動作している状態との中間周波信号のレベルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態の単一チャンネル増幅器2は、例えば図2に示すようなヘッドエンド4において使用される。ヘッドエンド4では、複数チャンネルのテレビジョン信号、例えば地上デジタルテレビジョン放送信号が分配器6に供給され、複数、例えば各チャンネルの数と同数の単一チャンネル増幅器2に供給される。各単一チャンネル増幅器2には、それぞれ特定の1つのチャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号が割り当てられており、各単一チャンネル増幅器2は、割り当てられている地上デジタルテレビジョン放送信号をそれぞれ所定のレベルに増幅して、合成器8に供給する。合成器8では、それぞれ一定のレベルに増幅された各地上デジタルテレビジョン放送信号を合成して、出力する。
【0017】
単一チャンネル増幅器2は、図1に示すように、入力端子10を有し、これには分配器6から複数チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号が供給されている。複数チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号は、直流阻止コンデンサ12を介して可変フィルタ16に供給される。可変フィルタ16は、この単一チャンネル増幅器で増幅しようとする所望のチャンネルと、このチャンネルに隣接する複数、例えば2つの不所望のチャンネルとの地上デジタルテレビジョン放送信号を選択する。この可変フィルタ16の出力は、増幅段18によって増幅される。増幅段18の出力は、利得調整手段、例えばゲインコントローラ20によってレベル調整が行われる。
【0018】
可変フィルタ16の通過帯域は、マイクロコンピュータ28によって決定され、その決定された通過帯域とするために、DA変換器30を介して可変フィルタ16に通過帯域変更信号が供給される。マイクロコンピュータ28は、入出力チャンネル設定スイッチ32によって設定された入出力チャンネルに従って、可変フィルタ16の通過帯域を決定する。
【0019】
ゲインコントローラ20の出力は、第1周波数変換手段、例えば周波数変換器34に供給される。周波数変換器34には第1局部発振手段、例えば局部発振器36からの第1局部発振信号が供給され、ゲインコントローラ20の出力を周波数変換する。第1局部発振信号の周波数は、ゲインコントローラ20の出力中の所望チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号が所定の中間周波数となるように選択されている。周波数変換器34からの中間周波信号は、図3(a)及び(b)に示すように、所望のチャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号に対応する所望中間周波信号D及び所望の地上デジタルテレビジョン放送信号に隣接する2つの不所望の地上デジタルテレビジョン放送信号に対応する不所望中間周波信号Uを含んでいる。
【0020】
第1局部発振信号の周波数は、PLL回路38によって制御されるが、入出力チャンネル設定スイッチ32によって入出力チャンネルが設定されているマイクロコンピュータ28からの指示に基づいてPLL回路38は、第1局部発振信号の周波数制御を行う。
【0021】
周波数変換器34からの中間周波信号は、第1のフィルタ、例えばバンドパスフィルタ40に供給され、ここで所望中間周波信号D及び不所望中間周波信号U以外の周波数成分が除去される。バンドパスフィルタ40は、可変フィルタ16よりも選択性が高いものである。バンドパスフィルタ40の出力は、増幅段42で増幅され、第2のフィルタ手段、例えばSAWフィルタ44に供給される。SAWフィルタ44において所望中間周波信号Dのみが抽出される。所望中間周波信号Dは、増幅段46で増幅された後、SAWフィルタ48で再度所望中間周波信号Dのみが抽出され、増幅段50で増幅される。
【0022】
増幅段50から出力された所望中間周波信号Dは、1分岐器52及びローパスフィルタ54を介して第2の周波数変換手段、例えば周波数変換器56に供給される。周波数変換器56には、第2局部発振信号が第2局部発振手段、例えば局部発振器58から供給されており、周波数変換器56は所望中間周波信号Dを元の所望の地上デジタルテレビジョン放送信号に周波数変換する。
【0023】
局部発振器58の局部発振信号の周波数は、PLL回路60によって制御され、この制御をPLL回路60はマイクロコンピュータ28からの指示に従って行う。なお、PLL回路60とPLL回路38とには、基準信号発振器62から基準信号が供給されている。
【0024】
周波数変換器56から出力された所望のチャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号は、可変フィルタ66に供給され、不要な周波数成分が除去された後、スケルチ手段、例えば増幅段68及びゲインコントロール回路70を介して可変フィルタ74に供給される。可変フィルタ66及び74は、上述した可変フィルタ16と同一のものである。
【0025】
可変フィルタ74で、不要な信号成分が除去された後、所望のチャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号は、スケルチ手段、例えば増幅段76に供給される。可変フィルタ66及び74の通過帯域はDA変換器78によって制御され、DA変換器78はマイクロコンピュータ28に指示された通過帯域となるように、可変フィルタ66及び74に通過帯域制御信号を供給している。
【0026】
増幅段76の出力は、ハイパスフィルタ79によって不要な周波数成分が除去された後、直流阻止コンデンサ80を介して出力端子82に供給され、出力端子82から合成器8に供給される。
【0027】
1分岐器52の分岐出力、即ち増幅された所望中間周波信号Dは、増幅段86によって増幅された後、所望チャンネルレベル検出手段、例えば検波器88に供給され、所望中間周波信号Dのレベルが検出される。この検波器88の検波信号は、自動利得制御手段、例えば誤差増幅器90に供給される。誤差増幅器90には、所望チャンネル自動利得制御用基準信号源92からの所望チャンネル自動利得制御用基準信号も供給されており、誤差増幅器90は両者の差を表す誤差信号をゲインコントローラ20に供給する。これによってゲインコントローラ20がその利得を調整し、誤差増幅器90に供給される所望中間周波信号Dのレベルが、所望チャンネル自動利得制御用基準信号に等しいものに調整される。この自動利得制御が行われている状態を図3(a)に示す。
【0028】
検波器88の検波信号は、所望チャンネルスケルチ制御手段、例えば比較器93にも供給される。比較器93には所望チャンネルスケルチ用基準信号源94から所望チャンネルスケルチ用基準信号が供給されている。この所望チャンネルスケルチ用基準信号は、所望チャンネル自動利得制御用基準信号よりも値の小さいものである。比較器93は、検波器88の検波信号が所望チャンネルスケルチ用基準信号よりも小さいとき、スケルチ信号を増幅段68、76及びゲインコントローラ70に供給する。これによって、増幅段68及び76は増幅を停止し、かつゲインコントローラ70は、そのゲインを最小にする。即ち、増幅段68、76及びゲインコントローラ70がスケルチ動作する。
【0029】
ところで、所望の地上デジタルテレビジョン放送信号が、例えば深夜等に停波した場合、検波器88の検波信号は最低の値となるので、誤差増幅器90は、ゲインコントローラ20のゲインが最大となるように誤差信号をゲインコントローラ20に供給する。その結果、図3(b)に示すように、所望の地上デジタルテレビジョン放送信号の周波数帯域に存在するノイズが大きく増幅される。このノイズが、所望チャンネルスケルチ用基準信号よりも大きくなると、比較器92はスケルチ信号を発生せず、増幅段68、76及びゲインコントローラ70がスケルチ動作しないことがある。
【0030】
この問題を解決するために、増幅段42の出力信号が不所望チャンネルレベル検出手段、例えば検波器96に供給されている。増幅段42の出力信号は、図3(a)及び(b)に示すように所望中間周波信号U及び不所望中間周波信号Dを含むものであり、検波器96は、入力されている所望中間周波信号U及び不所望中間周波信号Dのうちのピークを検出するように構成されている。即ち、検波器96はピーク検波手段に構成されている。所望チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号が停波しているとき、自動利得制御が行われているので、増幅段42の出力信号には、図3(b)に示すように不所望中間周波信号Uが大きく増幅されているものが含まれている。検波器96は、この不所望中間周波信号Uのピークを検出している。
【0031】
この検波器96の検波信号は、不所望チャンネルスケルチ制御手段、例えば比較器98に供給される。比較器98には、不所望チャンネルスケルチ用基準信号源100からの不所望チャンネルスケルチ用基準信号が供給されている。この不所望チャンネルスケルチ用基準信号は、図3(a)に示すように所望の地上デジタルテレビジョン放送信号が存在する場合における不所望中間周波信号のレベルよりも大きく設定されている。さらに、同図(b)に示すように、不所望チャンネルスケルチ用基準信号は、所望の地上デジタルテレビジョン放送信号が存在するときの不所望チャンネル中間周波信号のレベルよりも小さく設定されている。不所望チャンネルスケルチ用基準信号は、所望チャンネルスケルチ用基準信号よりも大きい。そして、比較器98は、検波器96の検波信号が不所望チャンネルスケルチ基準信号よりも大きいときに、スケルチ信号を、増幅段68、76及びゲインコントローラ70に供給し、これらにスケルチ動作をさせる。従って、所望チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号が不存在の場合に、確実にスケルチ動作を行うことができる。また、所望中間周波信号Dが存在している場合には、検波器96の検波信号は不所望チャンネルスケルチ基準信号よりも小さいので、スケルチ動作することはない。
【0032】
上記の実施形態では、入力チャンネルと出力チャンネルとを同じ周波数帯としたが、異なる周波数帯とすることもできるし、或いは周波数変換を行わずに、単に増幅段18、42、46、50、68、76によって増幅するように構成することもできる。また、上記の実施形態では、地上デジタルテレビジョン放送信号を使用したが、これに限ったものではなく、例えば衛星放送中間周波信号や衛星通信中間周波信号を使用することもできる。
【0033】
また、スケルチ手段として増幅段68、76及びゲインコントローラ70を使用したが、これらに限ったものではなく、例えばゲインコントローラ70を除去し、増幅段68または76のみをスケルチ信号が供給されたときスケルチ動作するように構成することもできる。或いは逆に増幅段68、76をスケルチ動作しないように構成し、ゲインコントローラ70のみでスケルチ動作するように構成することもできる。或いは、スケルチ動作しないように増幅段68、76を構成し、例えば増幅段76とハイパスフィルタ78との間に開閉スイッチを設け、スケルチ信号が発生していないとき、開閉スイッチを閉じておき、スケルチ信号が発生したとき、開放するように構成することもできる。或いは、増幅段76の出力側と基準電位、例えば接地電位との間に開閉スイッチを設け、スケルチ信号が発生していないとき開閉スイッチを開放しておき、スケルチ信号が発生したとき、開閉スイッチを閉じるように構成することもできる。
【0034】
上記の実施形態では、検波器88の検波信号を自動利得制御と所望チャンネルスケルチとに共用したが、自動利得制御用の検波器と、所望チャンネルスケルチ用の検波器とを別個に設けることもできる。また、上記の実施形態では、所望チャンネルスケルチと不所望チャンネルスケルチとに同一のスケルチ手段である増幅段68、76及びゲインコントローラ70とを使用したが、所望チャンネルスケルチ用のスケルチ手段と、不所望チャンネルスケルチ用スケルチ手段とを別個に設けることもでき、例えば増幅段68及びゲインコントローラ70とを所望チャンネルスケルチに使用し、増幅段76を不所望チャンネルスケルチに使用することもできる。
【符号の説明】
【0035】
2 単一チャンネル増幅器
20 ゲインコントローラ(利得調整手段)
90 誤差増幅器(自動利得制御手段)
68 76 増幅段(スケルチ手段)
70 ゲインコントローラ(スケルチ手段)
98 比較器(不所望チャンネルスケルチ制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数チャンネルのテレビジョン信号が供給され、自動利得制御信号に応じて利得を調整して、前記複数チャンネルのテレビジョン信号を出力する利得調整手段と、
この利得調整手段から出力された複数チャンネルのテレビジョン信号のうち所望のもののレベルを検出した所望チャンネルレベル検出信号と、自動利得制御用基準信号とに基づいて、前記自動利得制御信号を生成して、前記利得調整手段に供給する自動利得制御手段と、
前記利得調整手段の出力信号が供給され、スケルチ制御信号の供給に応じてスケルチ動作するスケルチ手段と、
前記利得調整手段から出力された複数チャンネルのテレビジョン信号のうち不所望のもののレベルを検出した不所望チャンネルレベル検出信号と、不所望チャンネルスケルチ用基準信号とに基づいて、前記スケルチ制御信号を生成して、前記スケルチ手段に供給する不所望チャンネルスケルチ制御手段とを、
具備する単一チャンネル増幅器。
【請求項2】
請求項1記載の単一チャンネル増幅器において、
前記不所望チャンネルスケルチ制御手段は、前記不所望チャンネルレベル検出信号が前記不所望チャンネルスケルチ用基準信号よりも大きいとき、前記スケルチ手段にスケルチ動作させ、前記所望チャンネルレベル検出信号が、所望チャンネルスケルチ用基準信号よりも小さいとき、前記スケルチ制御信号を生成して、前記スケルチ手段に供給する所望チャンネルスケルチ制御手段を、有する
単一チャンネル増幅器。
【請求項3】
請求項2記載の単一チャンネル増幅器において、前記不所望チャンネルのテレビジョン信号は前記所望チャンネルのテレビジョン信号に隣接し、前記利得調整手段の出力側に前記所望チャンネル及び前記不所望チャンネルのテレビジョン信号を抽出する第1のフィルタ手段が設けられ、前記第1のフィルタ手段の出力信号から前記不所望チャンネルレベル検出信号を生成する不所望チャンネルレベル検出手段が設けられ、前記第1のフィルタ手段の出力から前記所望チャンネルテレビジョン信号を抽出する第2のフィルタ手段が設けられ、第2のフィルタ手段の出力信号から前記所望チャンネルレベル検出信号を生成する所望チャンネルレベル検出手段が設けられている単一チャンネル増幅器。
【請求項4】
請求項3記載の単一チャンネル増幅器において、前記利得調整手段の出力信号が中間周波信号に周波数変換された後に、前記第1のフィルタ手段に供給され、前記第1のフィルタ手段の出力信号が増幅手段によって増幅された後、前記不所望チャンネルレベル検出手段及び前記所望チャンネルレベル検出手段に供給される単一チャンネル増幅器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−26887(P2013−26887A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160826(P2011−160826)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000109668)DXアンテナ株式会社 (394)
【Fターム(参考)】