説明

単一成分黄色発光エレクトロルミネセンス蛍光体

【課題】単一成分黄色発光エレクトロルミネセンス蛍光体、その製造方法及びそれを含むエレクトロルミネセンスランプを提供する。
【解決手段】電界により刺激されたときに0.420〜0.500のx色度座標及び0.420〜0.460のy色度座標を有する黄色発光を生じる蛍光体。好ましい蛍光体は、式、ZnS:Cu,Cl,Mnにより表すことができ、更に追加的にAu及び(又は)Sbを含有できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロルミネセンス蛍光体に関し、詳しくは、刺激されたときに黄色発光を示すエレクトロルミネセンス蛍光体に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロルミネセンス(EL)は、電界励起下での光の放出である。このメカニズムに基づいて、ELランプやディスプレーが、携帯型コンピューター、通信装置及び消費者用電子製品に対する需要が増大しつつあるために、フラットパネルディスプレーの分野において数多くの用途を見出しつつある。また、ELランプは、見る角度に無関係に均一な光の放出を与え、機械的衝撃及び振動に対して敏感ではない。それらは、50〜1000Hzの周波数で約100〜300V(ピーク対ピーク)のAC電圧を発生するインバーターを使用することによって、1.5〜9ボルトで容易にDC駆動することができる。
【0003】
二つの主要なELランプの構成は、一般に、薄手フィルム及び厚手フィルムと称される。薄手フィルムELランプは、CVDのような蒸着技術を使用して、ガラス支持体上に誘電性物質、蛍光体及び導電性酸化物の薄層を交互に付着させることによって作成される。これとは対照をなして、厚手フィルムランプは、粉末状材料を樹脂質材料に懸濁させ、次いで、慣用のスクリーン印刷技術を使用してこれらの材料をプラスチックフィルム上に層状に塗布することによって作成される。従って、厚手フィルムELランプは薄く、柔軟で且つ頑丈であることができ、これによってそれらを広範囲の照明用途に対して好適なものとしている。
【0004】
慣用の厚手フィルムELランプの横断面の例示を図1に示す。ランプ2は、二つの誘電体層20及び22を有する。プラスチックフィルム12bの上に被覆されたアルミニウム又はグラファイトのような第一導体4がランプ2の第一電極を形成するが、第二プラスチックフィルム12a上に被覆された酸化錫インジウムのような透明導体6の薄層が第二電極を形成している。二つの導電性電極4と6の間に挟まれているのが誘電性物質14の二つの層20及び22であって、該誘電性物質は例えばシアノエチルセルロース又はシアノエチルでんぷんであることができる。第一電極4と隣接しているのは、強誘電性物質10、好ましくはチタン酸バリウムの粒子が埋封されている誘電性物質14の層である。第二電極6に隣接しているのは、エレクトロルミネセンス蛍光体8の粒子が埋封されている誘電性物質14の層である。厚手フィルムELランプのために入手できる蛍光体は、種々の活性剤、例えば、Cu、Au、Ag、Mn、Br、I又はClをドープしてある硫化亜鉛から主としてなる。これらの蛍光体の例が、米国特許第5,009,808号、同5,702,643号、同6,090,311号及び同5,643,496号に記載されている。典型的には、EL蛍光体の個々の粒子は、それらの水分誘発分解抵抗性を向上させるために無機被覆により包封される。このような被覆の例が、米国特許第5,220,243号、同5,244,750号、同6,309,700号及び同6,064,150号に記載されている。
【0005】
アクセントを付けた照明用途、サイン伝達、マルチカラー情報ディスプレーなどのためには、ELランプ製作者に選択すべき広範囲の発光色を提供することが望ましい。更に、それぞれの色についてはブレンドよりもむしろ単一成分蛍光体を提供することが望ましい。何故ならば、ブレンド中の異なった蛍光体が異なった速度で分解し、発光色をシフトさせる傾向があるからである。不幸にして、EL蛍光体の発光色の範囲は、多少限られる傾向がある。特に、色の選択は、可視スペクトルの青色から緑色の領域に向けて大きく偏っていて、黄色から赤色の領域で入手できる選択候補は少ない。
【0006】
マンガンイオン及び銅イオンによって共同活性化された硫化亜鉛エレクトロルミネセンス(EL)蛍光体(ZnS:Mn,Cu)が周知である。これらの蛍光体の例及びそれらの製造法が米国特許第4,859,361号、同5,009,808号及び同6,682,664号に記載されている。慣用の厚手フィルムエレクトロルミネセンスランプにおいて電界により刺激されると、これらの蛍光体は、少なくとも0.520のx色度座標でのオレンジ−黄色発光を示す。しかし、0.510未満のx色度座標での発光を有する単一成分黄色発光エレクトロルミネセンス蛍光体は知られていない。
【特許文献1】米国特許第5,009,808号明細書
【特許文献2】米国特許第5,702,643号明細書
【特許文献3】米国特許第6,090,311号明細書
【特許文献4】米国特許第5,643,496号明細書
【特許文献5】米国特許第5,220,243号明細書
【特許文献6】米国特許第5,244,750号明細書
【特許文献7】米国特許第6,309,700号明細書
【特許文献8】米国特許第6,064,150号明細書
【特許文献9】米国特許第4,859,361号明細書
【特許文献10】米国特許第6,682,664号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、ランプ製作者に黄色発光EL蛍光体を提供できることは有益なことであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここに、単一成分黄色発光エレクトロルミネセンス蛍光体が本発明者により発見された。本発明の蛍光体は、電界により刺激されたときに0.420〜0.500のx色度座標及び0.420〜0.460のy色度座標を有する黄色発光を生じさせる。更に好ましくは、この蛍光体は、0.450〜0.500のx色度座標及び0.440〜0.460のy色度座標を有する発光を生じさせる。本発明の組成物は、式:ZnS:Cu,Cl,Mnにより表わすことができ、更に追加的にAu及び(又は)Sbを含有できる。
【0009】
本発明の他の観点によれば、本発明の単一成分黄色発光エレクトロルミネセンス蛍光体の製造方法が提供される。第一焼成工程において、硫化亜鉛(ZnS)が、適当量の銅(Cu)源、酸化亜鉛(ZnO)、硫黄(S)、塩化物含有フラックス及び随意成分としての金とアンチモンとから選ばれる金属源と配合される。この配合されて混合物は、空気中で約1100℃〜約1250℃の温度で約2〜約5時間焼成される。この焼成された物質は洗浄され、結晶構造に欠陥を誘発させるために機械的に加工される。この焼成された物質は、次いで適当量の銅源、マンガン源及び酸化亜鉛と配合されて中間混合物を形成させる。第二焼成工程において、この中間混合物は、空気中で約750℃〜約950℃の温度で約2〜約5時間焼成されて蛍光体とされる。
【0010】
本発明の更に他の観点によれば、本発明の単一成分黄色発光エレクトロルミネセンス蛍光体を含有する厚手フィルムエレクトロルミネセンスランプが提供される。このランプは、0.420〜0.500のx色度座標及び0.420〜0.460のy色度座標並びに50%の相対湿度(R.H.)及び70°Fの環境で100V及び400Hzで作動させたときに少なくとも約6フィート−ランベルト(ft−L)、好ましくは少なくとも約8ft−Lのの初期輝度を示す。一具体例では、このELランプは、同じ条件下で作動させたときに少なくとも約1000時間の半減期を示す。更に好ましくは、このランプは、これらの条件下で少なくとも約1500時間の半減期を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明をその他の目的、利点及び能力と共により良く理解するために、以下に説明する開示及び請求の範囲を図1と結び付けて参照されたい。
【0012】
本発明の黄色発光蛍光体は、二つの焼成工程で製造される。第一焼成工程において、硫化亜鉛(ZnS)が、適当量の銅(Cu)源、酸化亜鉛(ZnO)、硫黄(S)、塩化物含有フラックス及び随意成分としての金とアンチモンとから選ばれる金属源と配合される。好ましい具体例では、金源は塩化金(AuCl3)とZnSとの予備混合物であり、Cu源は無水硫酸銅(CuSO4)であり、Sb源は酸化アンチモン(Sb23)とZnSとの予備混合物である。塩化物含有フラックスは、塩化アルカリ金属と塩化アルカリ土類金属との混合物(好ましくは、塩化バリウム(BaCl2)、塩化マグネシウム(MgCl2)及び塩化ナトリウム(NaCl))であってよい。この配合されて混合物は、好ましくは、ZnSの重量に対する重量%で表わして、0〜0.018重量%のAu、0.06〜0.12重量%のCu、0〜0.01重量%のSb、0.3〜0.7重量%のZnO、6〜12重量%の硫黄及び4〜14重量%の塩化物含有フラックス(好ましくは、0〜4重量%の塩化バリウム、1〜5重量%の塩化マグネシウム及び1〜5重量%の塩化ナトリウム)を含有する。
【0013】
別法として、硫化亜鉛は、ZnS:Cu,Cl,Au蛍光体(例えば、OSRAM SYLVANIA タイプ728)エレクトロルミネセンス蛍光体を500メッシュの篩を通して篩い分けすることによって生じたジェットミル微粉砕粗粒オーバー(coarse over)により置き換えることができる。この粗粒オーバーは完全に仕上げられた物質であり且つ典型的に少なくとも0.07%のCu及び0.006%のAuを含有するので、このようなジェットミル微粉砕粗粒オーバーを使用するときは、配合段階でのCu及びAuの添加は必要ではない。
【0014】
上記の配合されて混合物は、空気中で約1100℃〜約1250℃の温度で約2〜約5時間焼成される。この焼成された物質は、次いで水洗され、乾燥され、穏やかに磨砕され(低強度で錬磨)てその結晶構造内に欠陥を誘発させる。磨砕時間は、使用した装置の特定のタイプ及び磨砕される物質の量に依存する。最適な磨砕時間は、エレクトロルミネセンス蛍光体の分野における当業者により容易に決定することができる。ここでは、典型的な磨砕時間は、500g〜550gの物質について75分間であった。
【0015】
磨砕の後、該物質は、酸で(スラリーのpHを塩酸で0.70〜1.20に調節することにより)、次いで、水酸化ナトリウム(NaOH)、過酸水素(H22)及びキレート剤、例えばジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)を含有する塩基性溶液で洗浄される。好ましい方法では、この塩基性溶液は、蛍光体の重量に関して、2〜4.5重量%のDTPA、2.5〜4.0重量%のNaOH及び5〜15重量%の30%H22溶液を含有する。この化学的洗浄は、蛍光体表面からフラックス残留物及び硫化銅を除去させる。この物質は、次いで、熱脱イオン水で洗浄され、次いで乾燥されて第一焼成工程を終わる。
【0016】
第二焼成工程において、第一焼成工程からの物質は、適当量の銅源、マンガン源及び酸化亜鉛と配合される。好ましくは、第一焼成工程からの物質は、この第一焼成工程からの物質の重量を基にして、0.2〜0.8重量%の無水硫酸銅(CuSO4)、1〜6.5重量%の炭酸マンガン(MnCO3)及び5〜15重量%の酸化亜鉛(ZnO)と配合される。この配合された物質は、次いで、空気中で約750℃〜約950℃の温度で約2〜約5時間焼成される。焼成された物質は、次いで、熱脱イオン水、酸、そして第一焼成工程で使用したDTPA−NaOH−H22塩基性溶液により洗浄される。どんな残留化学的残渣も除去するために最終の水洗をした後、この物質は、乾燥され、黄色発光エレクトロルミネセンス蛍光体を形成するように篩い分けされる。
【0017】
蛍光体を、50%の相対湿度(R.H.)及び70°Fの環境で100V及び400Hzで作動させた慣用の厚手フィルムエレクトロルミネセンスランプにおいて試験した。典型的には、この試験ランプは、〜40μmの厚手蛍光体層とほぼ26μmの厚手チタン酸バリウム誘電体層からなっている。このランプは、蛍光体を、アセトンとジメチルホルムアミドの混合物に溶解したシアノ樹脂結合材(信越化学)と結合させることにより構成される。特に、この結合材は、575gのアセトン、575gのジメチルホルムアミド及び400gのシアノ樹脂を混合することにより作られる。液状結合材中の蛍光体の割合は75重量%であり、結合材−蛍光体混合物を乾燥した後の蛍光体の割合は80重量%である。この蛍光体懸濁液を、酸化錫インジウム(ITO)の透明導電層を有する0.007〜0.0075inの厚手PETフィルム(CPフィルムズ社製)上にナイフ塗布する。乾燥した後、シアノ樹脂結合材に分散させたチタン酸バリウムの懸濁液を使用して、同じようにして、蛍光体層の上にチタン酸バリウム層を適用する。特に、この結合材−チタン酸バリウム混合物は、375gのシアノ樹脂結合材、375gのチタン酸バリウム及び82.5gのジメチルホルムアミドを混合することより作られる。結合材中のチタン酸バリウムの割合は45重量%であり、乾燥後の結合材中のチタン酸バリウムの割合は80重量%である。グラファイト懸濁液(アチェソンコロイド社)を使用して、乾燥されたチタン酸ナトリウム誘電体層に50〜80μmの厚手グラファイト層からなる後部電極を適用する。リード線が付けられ、このランプ全体が、両側に適用される透明な可撓性フィルム(ハネウエル社製のアクラムTC200)と積層される。ランプを安定化させ且つ代表的な測定値を得るために、その輝度を測定する24時間前からランプを作動させた。本明細書で使用するときの輝度とは、100V及び400Hzで24時間作動させた慣用の厚手フィルムエレクトロルミネセンスランプにおける蛍光体の輝度を意味する。半減期は、24時間の輝度を測定するときの時間と、輝度が初期の24時間輝度の50%まで低下するときの時間との間のランプの作動時間である。本明細書でいうx及びy色度座標は、1931年の国際照明委員会(CIE)標準オブザーバー(2°)についていう。
【実施例】
【0018】
例1
約1重量%の塩素を含有する550g量のZnSを、0.5重量%のAuを含有する15.58gのZnSとAuCl3との混合物、1.20gの無水CuSO4、1.67重量%のSbを含有する1.65gのZnSとSb23との混合物、2.86gの酸化亜鉛(ZnO)、45.66gの硫黄と、そして8.56gの塩化バリウム(BaCl2)、25.68gの塩化マグネシウム(MgCl2)及び11.41gの塩化ナトリウム(NaCl)を含有する塩化物フラックスと混合した。次いで、この混合物を空気中で1150℃で4時間10分焼成した。次いで、焼成された物質を熱脱イオン(DI)水で数回洗浄して塩化物フラックスの大部分を除去し、120℃で15時間乾燥した。この物質を75分間磨砕し、塩酸溶液で洗浄し(pH0.7〜1.2)、続いて熱DI水で数回洗浄し(pH>4まで)、次いで4重量%のDTPA、2.8重量%のNaOH及び8.57重量%のH22を含有する塩基性溶液(35%溶液)で洗浄した。次いで、蛍光体を熱DI水で洗浄し、次いで120℃で15時間乾燥して第一焼成工程を完了した。
【0019】
第二焼成工程において、第一焼成工程からの物質の50gを0.25gのCuSO4、3.16gのMnCO3及び5.00gのZnOと配合し、空気中で850℃で3時間30分焼成した。この物質を炉内で3時間30分で850℃から450℃に冷却した。その後、焼成された塊(ケーキ)を炉から取出し、空気中で室温まで自然冷却させた。この焼成された物質を熱脱イオン水、塩酸で洗浄し、次いでDTPA−NaOH−H22の塩基性溶液(4.5重量%のDTPA、3.8重量%のNaOH及び8.57重量%のH22を含有する)(35%溶液)で洗浄した。最終水洗後に、この物質を乾燥し、篩い分けして仕上げられた単一成分黄色発光エレクトロルミネセンス蛍光体を形成させた。
【0020】
例2
OSRAM SYLVANIA タイプ728 エレクトロルミネセンス蛍光体を500メッシュの篩を通して篩い分けすることによって生じたジェットミル微粉砕粗粒オーバーの550g量を、0.42重量%のSbを含有する2.62gのZnSとSb23の混合物、2.81gの酸化亜鉛(ZnO)、44.84gの硫黄と、そして16.82gの塩化バリウム(BaCl2)、16.82gの塩化マグネシウム(MgCl2)及び11.21gの塩化ナトリウム(NaCl)を含有する塩化物フラックスと混合した。次いで、この混合物を空気中で1150℃で4時間10分焼成した。次いで、焼成された物質を熱脱イオン(DI)水で数回洗浄して塩化フラックスの大部分を除去し、120℃で15時間乾燥した。この物質を75分間磨砕し、4重量%のDTPA、2.5重量%のNaOH及び10重量%のH22を含有する塩基性溶液(30%溶液)で洗浄した。次いで、蛍光体を熱DI水で洗浄し、次いで120℃で15時間乾燥して第一焼成工程を完了した。
【0021】
第二焼成工程において、第一焼成工程からの物質の100gを、0.50gのCuSO4、6.50gのMnCO3及び10.00gのZnOと配合し、空気中で850℃で1時間焼成した。室温に冷却した後、この物質を再度1時間焼成した。焼成された物質を熱脱イオン水、酢酸で洗浄し、次いでDTPA−NaOH−H22の塩基性溶液(4重量%のDTPA、2.5重量%のNaOH及び10重量%のH22)(30%溶液)で洗浄した。最終水洗後に、この物質を乾燥し、篩い分けして仕上げられた単一成分黄色発光エレクトロルミネセンス蛍光体を形成させた。
【0022】
例3
この蛍光体は、Sb物質を第一焼成工程で添加しなかったことを除き、例2と同様にして製造した。
【0023】
例1〜3からの蛍光体を使用して厚手フィルムエレクトロルミネセンスランプを作成した。試験ランプから得られた結果を下記の表に示す。
【0024】
【表1】

【0025】
現時点で本発明の好ましい具体例と見なされるものを示し説明したが、種々の変更及び修正を本発明の範囲から離れることなくなし得ることは当業者には明かである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来技術の厚手フィルムELランプの横断面図である。
【符号の説明】
【0027】
2 ランプ
4 第一電極
6 第二電極
8 エレクトロルミネセンス蛍光体
10 強誘電性物質
12a 第二プラスチックフィルム
12b プラスチックフィルム
14 誘電性物質
20,22 誘電体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電界により刺激されたときに0.420〜0.500のx色度座標及び0.420〜0.460のy色度座標を有する発光を有する単一成分黄色発光エレクトロルミネセンス蛍光体。
【請求項2】
発光が0.450〜0.500のx色度座標及び0.440〜0.460のy色度座標を有する請求項1に記載の蛍光体。
【請求項3】
ZnS:Cu,Cl,Mnにより表わされる組成を有する請求項1に記載の蛍光体。
【請求項4】
蛍光体が金とアンチモンとから選ばれる金属を更に含有する請求項3に記載の蛍光体。
【請求項5】
(a)一定量の硫化亜鉛を一定量の銅源、酸化亜鉛、硫黄、塩化物含有フラックス及び随意成分としての金とアンチモンとから選ばれる金属源と配合し、
(b)第一焼成工程において、該配合された混合物を空気中で約1100℃〜約1250℃の温度で約2〜約5時間焼成して焼成物質を形成させ、
(c)該焼成物質を洗浄し、次いでこの焼成物質を機械的に加工して結晶構造に欠陥を誘発させ、
(d)該焼成物質を一定量の銅源、マンガン源及び酸化亜鉛と配合して中間混合物を形成させ、
(e)第二焼成工程において、該中間混合物を空気中で約750℃〜約950℃の温度で約2〜約5時間焼成して蛍光体を形成させる
ことからなる単一成分黄色発光エレクトロルミネセンス蛍光体の製造方法。
【請求項6】
該配合された混合物が、ZnSの重量に対する重量%で表わして、0〜0.018重量%のAu、0.06〜0.12重量%のCu、0〜0.01重量%のSb、0.3〜0.7重量%のZnO、6〜12重量%の硫黄及び4〜14重量%の塩化物含有フラックスを含有する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
該中間混合物が、第一焼成工程からの焼成物質の重量を基にして、0.2〜0.8重量%の無水硫酸銅(CuSO)、1〜6.5重量%の炭酸マンガン(MnCO)及び5〜15重量%の酸化亜鉛(ZnO)を含有する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
単一成分黄色発光エレクトロルミネセンス蛍光体を含むエレクトロルミネセンスランプであって、作動させたときに0.420〜0.500のx色度座標及び0.420〜0.460のy色度座標を有する発光を有するエレクトロルミネセンスランプ。
【請求項9】
50%の相対湿度(R.H.)及び70°Fの環境で作動させたときに少なくとも約6フィート−ランベルト(ft−L)の初期輝度を有する請求項8に記載のランプ。
【請求項10】
50%の相対湿度(R.H.)及び70°Fの環境で100V及び400Hzで作動させたときに少なくとも約8ft−Lの初期輝度を有する請求項8に記載のランプ。
【請求項11】
該ランプが少なくとも約1000時間の半減期を示す請求項9に記載のランプ。
【請求項12】
該ランプが少なくとも約1500時間の半減期を示す請求項9に記載のランプ。

【図1】
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【公開番号】特開2006−97028(P2006−97028A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−281964(P2005−281964)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(394001685)オスラム・シルバニア・インコーポレイテッド (68)
【Fターム(参考)】