説明

単一PoCグループセッションの分割方法及びシステム

【課題】既存のPoCグループセッションを終了せずに新しいPoCグループセッションを分割する。
【解決手段】PoCクライアントが、自身が属するセッションを管理するPoCサーバーのPFにセッション分割を要請する段階と、前記PoCサーバーのPFが、PoCサーバーのCFにセッション分割を要請する段階と、前記PoCサーバーのCFがセッション分割を要請しながら、新しいPoCセッションのために必要な情報を前記新しいPoCセッションに参加することを希望する少なくとも1つのPoCクライアントに転送する段階と、前記新しいPoCセッションに参加することを希望するPoCクライアントが現在のPoCサーバーのCFを介して新しいPoCセッションを管理するPoCサーバーのCFに連結し、新しいPoCセッションに参加する段階と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PoCグループセッションの一部の参加者が新しく且つ独立的なPoCプセッションを設定しようとする時、PoCグループセッションを終了せずに、PoCグループセッションを分割することによって、新しいセッションを設定するPoCグループセッションの分割方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信技術が画期的に発展し、移動通信網が拡大されるにしたがって、携帯電話を用いたさらに拡張され且つ膨大な付加サービスやアプリケーションの開発がなされている。しかも、携帯電話のユーザの要求も増加し、位置サービス、マルチメディアサービス、PTT(push to push)サービスのような付加サービスに拡大されている。PTTサービスは、従来、無線機やTRSなどで可能であったグループ通話と音声通話はもちろん、インスタントメッセンジャー、状態表示など多様な付加機能をサポートする。
【0003】
現在、移動通信網においてこのようなPTT機能を用いたPoC(Push-to-talk over cellular:以下、PoCという)サービスに対する標準化が論議されている。PoCサービスの固有な特徴のうち1つは、ユーザが複数のPoCセッションに参加することができるので、セッションを移動しつつ通話をすることができるという点である。ユーザが複数のセッションを移動しつつ通話をすることができるという特徴は、移動通信サービスを定義している団体であるOMA(Open Mobile Alliance)の要求事項に明示されている。
【0004】
図1は、一般的なPoCサービスシステムを示す概略図である。図1を参照すれば、PoCクライアント10は、移動端末(PoC端末)に内蔵されるサービス要請者であり、アクセス網20を介してSIP(session Initiation Protocol)及びIP(Internet Protocol)マルチメディア機能をサポートするSIP/IPコア30網に連結される。
【0005】
前記PoCクライアント10は、PoCユーザ端末機に常駐しながらPoCサービスへの接続を可能にする。前記PoCクライアント10の主な機能は、PoCセッションを開始し、現在進行中のPoCセッションに参加し、PoCセッションを終了することである。その他、トークバーストを形成して伝達し、インスタントパーソナルアラート(Instant Personal alert)をサポートし、Pocサービスに接続した時、認証する役目を行う。以下、別の言及がない限り、PoCクライアント10という用語は、PTTサービス加入者と同じ意味として使われる。
【0006】
SIP/IP基盤のコア網は、PoCサービスをサポートするために、PoCサーバ60と、GLMS(Group List and Management System)50、及びプレゼンスサーバ70に連結される。
【0007】
前記PoCサーバ60は、PoCセッションを維持、管理するためのPoC制御機能部(Controlling PoC Function)の機能、又は、一対一のPoC通話や多者間のPoC通話(グループPoC通話)のためにPoCセッションに参加するためのPoC参加機能部(Participating PoC Function)の機能を有する。
【0008】
前記PoCサーバ60の機能別ブロックを図2を参照して説明する。
図2は、一般的なPoCサーバを示す概略図である。
前記PoCサーバは、PoCセッションを全般的に維持、管理するためのPoC制御機能部(Controlling PoC Function)(以下、CFという)と、各PoCセッションを維持、管理するためのPoC参加機能部(Participating PoC Function)(以下、PFという)とに分けられ、これについて各表を参照してさらに詳細に説明すれば、次の通りである。
【0009】
【表1】

【0010】
表1のように、CFは、PoCセッションを維持する役目をする。前記PoCサーバは、PoCクライアントの話す権利(floor)に対する要請を受け入れて、クライアントが権限を付与される順序を定め、クライアントに権限を付与する。また、前記PoCサーバは、特定のPoCクライアントが要請したトークバーストをグループPoC通話に参加した全てのクライアントに分配し、前記グループPoC通話に参加したPoCクライアントに関する情報を提供する。
【0011】
下記表2のように、PFは、PoCセッションにおいてCFと各クライアント間のセッションを管理する。PFは、発言権をCFからクライアントに中継する役目をする。PFは、CFとPoCクライアントとの間にメディアを中継し、異なるコーデック間にトランコーディングを提供し、2つの活性化されたPoCセッションで同時に対話が進行される時、2つのPoCセッションのうちユーザが選択した1つをフィルタリングする機能を提供する。
【0012】
【表2】

【0013】
前記PoCサービスシステムは、PoCグループセッションの開設のために必要なPoCグループとPoCグループ目録を提供するGLMS50サーバと、前記PoCグループとPoCグループ目録を管理するグループ管理/運営部40を含む。
【0014】
また、前記PoCサービスシステムは、PoCサービスを望む個人またはグループの存在可否に関する情報を提供し維持するプレゼンスサーバ70と、一対一PoC通話や一対他者間のPoC通話のための他のユーザとの連結を提供するために、例えば、他のユーザのSIP/IPコア網とPoCサーバを含む遠隔PoC網80とを含む。
【0015】
前記PoCサービスシステムでは、PoCユーザが自身の端末機を介してGLMS50にグループ及びグループメンバーに関する情報を入力することができ、GLMS50から転送された個人あるいはグループ目録を用いて自身が呼出することができるPoCユーザの情報を受信することができる。選択的に、前記GLMS50内のグループ及びグループメンバーに関する情報は、インターネットやイントラネットのような信頼できる通信網を介して入力され、修正され、管理されることができる。
【0016】
前記PoCサービスを利用するために、PoCユーザは、SIP/IPコア網に自身のPoC端末機のアドレスを登録する。PoCユーザの要請に基づいて前記SIP/IPコア網は、PoCユーザ情報を格納する。したがって、他のPoCユーザがグループPoC通話をしようとすれば、まず、自身の情報をSIP/IPコア網に登録し、GLMS50から転送されたグループ識別情報を用いて自身のSIP/IPコア網にPoC通話を要請する。前記SIP/IPコア網は、通話を要請するPoCユーザの情報を用いてアドレス決定及びドメイン位置決定を行った後、通話を要請するPoCユーザが登録されたホームPoCサーバにPoC通話要請を伝達する。前記PoCサーバは、PoCセッション開設を準備し、このようなPoC通話要請によってGLMS50からユーザ個々の情報を獲得した後、当該SIP/IPコア網にPoC通話要請信号を伝達する。PoC通話要請がイントラドメイン内のユーザに対するものである場合、前記PoCサーバは、PF及びCFを共に行うようになる。通話要請されたPoCユーザを管理する前記PoCサーバは、SIP/IPコア網の位置決定手続を実行した後、前記PoCユーザから受信された情報を用いてPoCユーザに通話を要請する。
【0017】
図3は、一般的なPoCセッション設定手続に関する流れ図である。
PoCクライアントAは、自身が話そうとする個人やグループに関する情報を含むINVITEメッセージをSIP/IPコア網Aに送る。前記SIP/IPコア網Aは、PoCクライアントAが送ったINVITEメッセージの情報からPoCサービスを示すパラメータを認識し、PoCクライアントAを管理するPoCサーバAにINVITE要請を転送する。PoCサーバAは、PoC通話のタイプによってホームPoCサーバとしての機能を異に具現する。例えば、一対一PoC通話あるいはad−hocグループPoC通話のようにPoCセッションを設定する場合は、自身のホームPoCサーバ機能がCF及びPFを共に実行するように具現し、PoCクライアントBを担当するPoCサーバBにINVITEメッセージを転送する。予定(pre-arranged)グループ通話である場合には、事前に準備されたPoCセッションに参加するので、セッション管理機能をホームPoCサーバで具現することができない。したがって、CFを行う前記PoCサーバAにINVITEメッセージが転送される。前記SIP/IPコア網は、INVITEメッセージを中継し、PoCサーバAあるいはBのアドレスを探し出すための通路の役目をする。前記INVITEメッセージがPoCクライアントBに転送されれば、PoCクライアントBは、警報音、呼出音、光、警笛のような応答をPoCクライアントAに送る。PoCユーザBがPoC通話を受け入れる場合、OK応答がPoCクライアントAに転送される。その結果、PoC通話が設定される。すなわち、PoCクライアントAがCFを行うPoCサーバから発言権を渡されることによって、最終的にPoC通話が開設される。
【0018】
前述のようなPoCサービスは、2人の個人間のPoC通話又は2人以上の個人間のグループPoC通話を提供し、また、1つのPoCクライアントがPoC端末を用いて複数のグループPoC通話に参加する多重PoCセッションをサポートする。PoCグループ通話の途中に、1つのグループの一部のメンバーがPoCグループセッションの分離を希望することができる。1つのPoCグループセッションに参加したメンバーの数が非常に多くて、発言権を得ることが難しいか、そのようなグループの一部のメンバーが分離されたグループPoC通話を希望する時、PoCグループセッションは、分割されることができる。
【0019】
従来のPoCサービスでは、PoCユーザがただ1つのPoCグループセッションに対して参加することもでき、複数のセッションに参加することもできる。グループの一部のメンバーが特定のメンバーを含む新しいPoCグループセッションでPoC通話を行うために、1つのPoCセッションから新しいグループPoCセッションを分割することを希望する時、前記メンバーは、既存のPoCグループセッションを終了した後、新しいPoCグループセッションを設定する。
【0020】
図4は、従来技術によってPoCグループセッションを分割する方法を示す流れ図である。
図4で、PoCセッションXは、一部のメンバーの要求によって分割されるグループPoCセッションであり、PoCクライアントX及びPoCクライアントYは、PoCサーバーXからトークバーストを受信し、発言権を得るためのPoCグループセッション手続を行うようになる。前記PoCクライアントYが現在進行中のPoCグループセッションを分割するためには、現在進行中のPoCグループセッションを管理するCFにセッション終了要請(BYE Request)が転送される。前記セッション終了手続として、サーバーとクライアントとの間に設定されたPoCセッションXのメディアパラメータが解除される。前記PoCセッションXを終了した後、PoCクライアントYは、新しいPoCセッションを設定するために、INVITE要請を転送する。前記PoCクライアントYは、ホームネットワークのPoCサーバーにINVITE要請を転送し、PoCサーバーが新しいセッションを管理するCFになるようにする。既に既存のPoCグループセッションを終了した他のPoCユーザは、以後に独立したトークバースト制御手続を行うために、新しいPoCセッションを開設するように要請される。
【0021】
PoC通話の主要長所のうち1つは、低価の料金である。グループPoC通話に参加している一部のメンバーが構成員を分割し、特定のメンバーだけが参加するグループPoCセッションを開設するために、グループPoCセッションを分割することを望むことができる。しかしながら、前記従来のサービスは、PoCグループセッションを分割するために、現在進行中のPoCグループセッションを終了するための手続を取らなければならない。これは、終了作業の間にPoCユーザが待機しなければならないという問題を引き起こす。さらに、例えば、前記グループメンバーがさらに連結される時、さらにメディアパラメータを設定する初期化作業を行わなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開平10−164240号公報
【特許文献2】特開2002−359690号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/0120474号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の目的は、既存のPoCグループセッションの参加者のうち一部が既存のPoCグループセッションを2つ以上のPoCセッションに分割して通話することを希望する時、既存のPoCグループセッションを終了せずに、新しいPoCグループセッションを分割することができるPoCグループのセッション分割方法を提供することにある。
【0024】
また、本発明の他の目的は、新しいPoCセッションを分割した後にも、既存のPoCグループセッションを連結するためのメディアパラメータ情報を削除せずに、内在的に維持することによって、以後に既存のPoCグループセッションを復元することができるPoCグループセッションの分割方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、現在進行中のセッションを有するPoC網でのセッション分割方法は、第1PoCクライアントがセッション管理サーバーにセッション分割を要請する段階と、前記セッション分割要請に応答してセッション管理サーバーが第2PoCクライアントにセッション分割に参加することを要請し、新しいセッションを開設する段階と、を含む。
【0026】
また、上記目的を達成するために、本発明の他の態様によれば、現在進行中のセッションを有するPoCシステムは、セッション分割を要請する第1PoCクライアントと、前記セッション分割要請に応答するセッション管理サーバーと、前記セッション管理サーバーから新しいセッションに参加するような要請を受ける第2PoCクライアントと、を含む。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、本発明によれば、単一のPoCグループセッションの参加者が前記PoCグループセッションを2つ以上のPoCセッションに分割することを希望する場合、PoCグループセッションを終了せずに、分割することができる。
【0028】
その結果として、新しいPoCセッションと独立的なトークバーストを管理するPoCセッション間のプライバシー問題及びトークバーストPoCグループメンバーの増加とトークバーストトラフィックの増加による発言権問題が解決されることができる。
【0029】
新しいPoCセッションでのPoC通話後、前記PoCメンバーが既存のPoCグループセッションに戻ることを希望する場合、新しいPoCセッションのCFが既存のPoCグループセッションのPoCサーバーにパラメータ設定変更を要請することによって、既存のPoCグループセッションが容易に復旧される。
【0030】
特に、新しいセッションを作るために、既存のグループセッションが分割されるので、シグナリングとリソース消費を減少させることができ、セッション分割が迅速に行われるので、PoCユーザは、新しいPoCセッションを便利に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】一般的なPoC(Push-to-talk over Cellular)サービスシステムを示す概略図である。
【図2】一般的なPoCサーバーを示す概略図である。
【図3】一般的なPoCセッション開設手続に関する流れ図である。
【図4】従来技術によってPoCグループセッションを分割する方法を示す流れ図である。
【図5】PoCグループセッションが分割される前と分割された後の状態を説明する概略図である。
【図6】PoCグループセッションが分割される前と分割された後の状態を説明する概略図である。
【図7】本発明に係るPoCグループセッション分割手続に関する概略的な流れ図である。
【図8】本発明の第1実施例によってPoCクライアントの要請によってPoCサーバーからのセッション分割要請メッセージにより実行されるセッション分割手続に関する流れ図である。
【図9】本発明の他の実施例によってPoCクライアントからのセッション分割要請メッセージにより実行されるセッション分割手続に関する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明が属する分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるように本発明の好ましい実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
本発明は、3人以上が参加するPoCグループセッションを少なくとも2つのセッションに分割するための方法及びシステムに関する。前記PoCグループセッションは、3つのグループに分割することも可能であるが、本発明の実施例では、2つのセッションに分割することに焦点を合わせて説明する。
【0034】
図5及び図6は、PoCグループセッションが分割される前と分割された後の状態を説明する概略図である。
図5及び図6を参照すれば、セッション分割前のPoCクライアント(グループメンバー)は、同一のCFを利用するが、セッション分割後には、新しいPoCセッションを別に管理するCFによりセッション別に各CFを介して互いに連結される。
【0035】
図7は、本発明に係るPoCグループセッション分割手続に関する概略的な流れ図である。
図7を参照すれば、PoCサーバーXのCF 111は、分割前に既存のPoCグループセッションを管理する。PoCクライアントY1 201は、セッション分割を要請するPoCユーザである。PoCクライアントY2 202は、分割されたセッションに参加するPoCユーザである。個人だけでなく、複数のユーザもPoCクライアントY2 202の手続と同様の方法で前記新しいセッションに参加することができる。
【0036】
前記PoCクライアントY1 201は、PoCサーバーY1内のPF 212を介してセッション分割を要請し(S100)、前記PoCサーバーY1のPF 212は、既存のPoCグループセッションを管理するPoCサーバーX 111にセッション分割を要請し、必要な手続を行う(S110)。この時、前記PoCサーバーY1のPF 212は、新しいセッションを管理するPoCサーバー機能を自身が行うように要請する。前記PoCサーバーX 111がセッション分割要請を許可し、セッション管理機能をPoCサーバーY1のPF 212に割り当てる場合、PoCサーバーX 111は、分割されるPoCグループセッションのPoCユーザに対してPoCサーバーのPF機能を行うように設定される。仮に、前記PoCサーバーXのCF 111がセッション分割要請に対する認証手続を経てセッション分割要請を許可する場合、前記PoCサーバーXのCF 111は、PoCセッション分割要請指示子とPoCサーバーY1のPFで設定したメディアパラメータ(media parameter)、新しいPoCセッションに付与される識別子及び新しいPoCセッションに参加するメンバーの識別子(個人又はグループ識別子が可能であるが、図7では個人識別子が使われている)を受信し、当該PoCクライアントY2 202にセッション分割要請を転送する(S120)。次に、前記PoCクライアントY2 202は、新しいPoCセッションを管理するPoCサーバーY1のCF 212に連結し、分割されたセッションに参加するようになる(S130)。前記PoCクライアントY1やY2のように新しいセッションに参加するPoCユーザは、既存のPoCグループセッションにトークバーストを送らないようにセッション終了手続を行わなければならない(S140)。前記セッション終了は、セッション断絶を意味するものでない。それよりは、PoCセッシション間に転送されるトークバーストが分割された他のPoCセッションに伝達されないことを意味する。これにより、前記新しいPoCセッションでは、各々のPoCサーバーCFのトークバースト制御プロトコルにより発言権を得るメカニズムを提供される(S150)。
【0037】
前記PoCサーバーXのCFとPoCサーバーY1のPF間の機能設定によってPoCグループセッション分割のための他の手続が行われることもできる。
【0038】
例えば、前記PoCサーバーXが当該PoCクライアントY2にセッション分割要請(分割されたセッション識別子を含むINVITEメッセージ)を転送しなくても、前記PoCサーバーY1がPoCセッション分割要請指示子と新しいPoCセッションに参加するメンバーの識別子だけを用いてPoCサーバー間の機能設定を変更することによって、PoCクライアントY1の要請によってセッション分割を行うこともできる。このような場合は、前記分割されたセッションに参加するように勧められたPoCユーザがトークバーストを転送する時、新しいセッションのためのメディアパラメータを設定しなければならない。
【0039】
図8は、本発明の実施例によってPoCクライアントの要請によってPoCサーバーからのセッション分割要請メッセージにより実行されるセッション分割手続に関する流れ図である。
【0040】
概略的に説明すれば、図8は、PoCサーパーX 111のCFを利用するPoCサーバーY1 210により行われるPoCセッション分割手続を示す。前記手続で、PoCクライアントY1 201は、SIPプロトコールを用いて自身のPFを介して既存のPoCグループセッションの管理サーバーであるPoCサーバーX 110にセッション分割を要請した後、セッション分割に参加するPoCクライアントY2 202に新しいINVITE要請を転送し、セッションを分割する。
【0041】
セッション分割を要請するために、前記PoCクライアントY1 201は、自身のPoCアドレス、既存のPoCグループセッションの識別子、分割されるPoCセッションに参加するPoCクライアントのアドレス、PoCセッション分割指示子及びREFERされた網構成要素が取らなければならないMETHOD(すなわちINVITE)を含むREFER要請を転送し(S1100、S1110)、PoCサーバーから応答として承認された(Accepted)メッセージを受信する(S1200、S1210)。次に、前記REFER要請は、PoCサーバーを連結するSIP/IPコア網でアドレス決定(address resolution)の手続を経た後、PoCサーバーY1 210のPFに転送される。
【0042】
前記PoCサーバーY1 210のPFは、PoCセッション分割指示子情報を用いてPoCサーバーX 110のCFにセッション分割を要請し、PoCサーバーY1 210のPFが決定したメディアパラメータを転送し、PoCサーバーX 110から臨時応答メッセージを受信する。
【0043】
前記PoCサーバーX 110は、セッション分割要請に対するセッション政策によってセッション分割を許可し、PoCクライアントY2のアドレスに新しいINVITEメッセージを転送する(S1300、S1301)。
【0044】
前記分割されたセッションに参加するように招待されたPoCクライアントY2 202は、PoCサーバーY1 210が現在PoCセッションの新しい管理サーバー(すなわちCF)になる旨を伝達され、OKメッセージを用いてこれを承認する(S1310、S1311)。
【0045】
前記INVITEメッセージに対する応答としてセッション分割を開始するPoCユーザからOKメッセージを受信した後、前記PoCサーバーX 110のCFは、当該アドレス(SIP URI)に対してPFの機能を行い(S1400)、PoCサーバーY1 210が新しいPoCセッションの管理サーバーになることができるようにする。
【0046】
前記PoCクライアントY1及びY2に対するトークバーストを既存のPoCグループセッションに伝達することができないように、既存のPoCグループセッションのPoCユーザは、セッション分割を通知される(S1500)。その後、前記PoCクライアントXは、OK応答を転送し(S1510、S1511)、PoCサーバーY1 210が分割されたセッションに対してCFの役目を行うことができることをPoCクライアントY1 201に通知する(S1510、S1530)。
【0047】
前述のようなREFER方法を利用したセッション分割方法は、REFER要請が転送される時、セッション分割指示子を示すREFER要請ヘッダーフィールドとREFER/INVITEの要請経路(Record-Route)情報を必要とする。また、前記PoCサーバのCF 110からPoCクライアントY2に新しいINVITE要請を送る時、新しいメディア連結のためのメディアパラメータ設定手続が行われる。
【0048】
図9は、前記要請をPoCサーバXのPFに送るPoCサーバーY1により行われるPoCセッション分割手続を示す。前記PoCクライアントY1 201は、SIPプロトコルを用いて自身のPoCサーバーY1 210のPFを介して既存のPoCグループセッションの管理サーバーであるPoCサーバーX 110にセッション分割を要請する。前記PoCサーバX 110は、セッション分割に参加するPoCクライアントY2 202に既存のPoCグループセッションの連結を用いてre−INVITE要請を転送する。
【0049】
前記セッション分割を要請するために、PoCクライアントY1 201は、自身のPoCアドレス、既存のグループセッションの識別子、セッション分割への参加を望むPoCクライアントのアドレス(グループの場合、グループ識別子)及びPoCセッション分割指示子をre−INVITE要請に含んで送る(S2100)。
【0050】
前記転送されるre−INVITE要請は、既存のメディア連結を利用するための同一セッションダイアログ内の要請であり、前記PoCサーバーY1 210は、自身が分割されたセッションの管理サーバーになることを認知し、re−INVITE要請が転送されるPoCサーバーX 110に分割されたセッションのためのCF機能を要求する。前記re−INVITE要請は、SDP(session description protocol)の内容を用いて新しく分割されたセッションに適用されるメディアパラメータを含む。例えば、新しいPoCセッションに適用されるメディアパラメータは、RTPセッションに用いられるIPアドレスとポート番号などを含み、メディア間に使われるコーデックを設定するのに用いられる。前記re−INVITE要請は、PoCクライアントとPoCサーバとの間またはサーバー間を連結するSIP/IPコア網でアドレス決定過程を経て転送される。
【0051】
前記re−INVITE要請を受信したPoCサーバーY1 210は、PoCクライアントの要請によってPoCセッション分割指示子を用いて前記既存のPoCグループセッションに該当するPoCサーバーX 110にセッション分割を要請し(S2110)、PoCサーバーY1 210のPFが決定したメディアパラメータを転送する。この時、前記PoCサーバーX 110からre−INVITE要請に対する臨時応答メッセージを受けることができる。
【0052】
次に、PoCサーバーX 110は、前記セッション分割要請のためのセッション政策によって要請されたCF提供が承認されれば、自身は、分割されたセッション識別子と、これに該当するグループメンバーに対してPF機能を行うように設定し、引き続くセッション分割手続を行う。これにより、前記PoCサーバーXは、PoCクライアントY2のアドレスにre−INVITEメッセージを転送する(S2200、S2210)。
【0053】
前記分割されたセッションに参加するように招待されたPoCクライアントY2 202は、自身がセッション分割メンバーであることを確認し、PoCサーバーY1 210のCFが分割されたセッションの管理サーバになる旨を伝達され、OKメッセージを転送し、これを承認する(S2211、S2212)。
【0054】
前記セッション分割メンバーからre−INVITE要請に対するOK応答を受信した後、PoCサーバーX 110は、OK応答を転送することによって、これをPoCサーバーY1 210及びセッション分割を要請したPoCクライアントY1 201に通知し、セッション分割の準備が終わったことを知らせる(S2300、S2310)。
【0055】
前記分割されたセッション識別子に該当するアドレス(セッション分割メンバーのSIP URI)に対してPoCサーバーX 110がCFでなくPFの機能を行い、PoCサーバーY1 210が分割されたセッションの管理サーバーになることをセッション分割メンバーに知らせるために、PoCサーバーY1 210は、PoCセッションBYEメッセージをルーティング経路を介してPoCグループセッションメンバーに転送した後(S2400、S2410)、確認メッセージOKを受信する(S2500、S2510)。
【0056】
本発明に係る前記re−INVITE方法を利用したセッション分割方法は、re−INVITE要請が転送されれば、PoCセッション分割指示子とCF提供指示子だけでなく、分割されたセッションで用いられるメディアパラメータをSDP本文部に含んで転送する。これにより、前記セッション分割のためのPoCクライアントの要請が充足される。本発明に係る前記re−INVITE方法を用いたセッション分割方法は、さらに、PoCグループセッションの既存の経路を利用するために、REFER/INVITEの要請経路情報を必要とする。
【0057】
本発明は、既存のグループPoC通話のセッション連結をそのまま使用しながら、分割されたグループ通話を行うために、SIPを利用する。このために、図8では、POCサーバXのCFを利用するのに対し、図9では、PoCサーバーからre−INVITE要請が転送されれば、CFを提供することによって、分割されたセッションに対するCFを変化させる。図7及び図8に示された実施例は、本発明の基本思想から逸脱しない範囲内で多様な変形が可能である。
【0058】
本発明の変形された実施例として、PoCクライアントの要請によってPoCサーバXがセッション分割INVITEメッセージを受信すれば、PoCグループセッションの政策によってPoCサーバーXのCF、セッション分割目録に属する全てのメンバーの分割承認、又はPoCグループセッションの全てのメンバーの承認により分割決定をすることができる。この時、各々の場合は、当該手続が行われた後、PoCサーバーXがINVITEメッセージを転送する。
【0059】
他の変形された実施例として、セッション分割を要請する人は、一般的なPoCグループセッションのメンバーであることもでき、セッションの管理者になることもできる。例えば、政策上、PoCサーバーでセッション分割を要請する必要がある場合、セッションの管理者がセッション分割を要請することができる。
【0060】
本発明によれば、単一のPoCグループセッションの参加者が前記PoCグループセッションを2つ以上のPocセッションに分割しようとする時、元のPoCセッションを終了せずに、分割することができる。これにより、既に開設されているPoCセッションでPoCサーバーの機能を利用し、既に活性化されたセッションの特性をそのまま利用してセッションを分割することによって、新しいPoCセッションの設定手続が簡素となる。
【0061】
従来技術では、セッション分割への参加を望むPoCユーザは、各々BYEメッセージを送り、PoCグループセッションを終了した後、新しいINVITEメッセージを転送し、セッション分割に参加する手続を行う。しかし、本発明では、このようなセッション終了手続を必要としないので、不要なシグナリング、リソース及び時間消耗を低減することができる。
【0062】
新しいセッションでの通話後、PoCメンバーが既存のPoCグループセッションに戻ることを希望する時、新しいPoCセッションを管理するPoCサーバーからプロキシーPoCサーバーにBYEメッセージを転送することによって、各々のPoCメンバーは、既存のPoCグループセッションに戻ることができる。
【0063】
また、既存のPoCグループセッションを管理するPoCサーバを利用するので、既存のPoCグループセッションのメディアパラメータのうち一部を変更することによって、新しいセッションを設定することができる。すなわち、PoCクライアントとPoCサーバーとの間に設定された既存のメディアパラメータを利用することができる。
【0064】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に記述されたが、本発明は、本発明が属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形及び変更が可能であるが自明になる。
【符号の説明】
【0065】
110 PoCサーバーX
111 PoCサーバーXのCF
201 PoCクライアントY1
202 PoCクライアントY2
210 PoCサーバーY1
212 PoCサーバーY1内のPF

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のPoCグループセッションを分割する方法であって、
PoCクライアントが、自身が属するPoCセッションを管理するセッション分割要請サーバーにセッション分割を要請し、
前記セッション分割要請サーバーが、既存のPoCセッションを管理するセッション管理サーバーに前記セッション分割を要請し、
前記セッション管理サーバーが、前記セッション分割を要請しながら、新しいPoCセッションのために必要な情報を、前記新しいPoCセッションに参加することを希望する少なくとも1つのPoCクライアントに転送し、
前記新しいPoCセッションに参加する前記PoCクライアントが、前記新しいPoCセッションを管理するセッション分割要請サーバーに、前記セッション分割要請サーバーを介して連結し、それによって前記新しいPoCセッションに参加する
ことを含む方法。
【請求項2】
前記セッション分割のために必要な情報は、前記セッションの分割要請をするPoCクライアントのアドレス、グループ識別子、前記新しいPoCセッションに参加することを希望する前記PoCクライアントのPoCアドレス、及びセッション分割指示子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セッションの分割要請をするPoCサーバーは、前記セッションの分割の要請をするPoCサーバー自身が前記新しいPoCセッションを実行することを要請する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
単一のPoCグループセッションを分割するシステムであって、
単一のセッションにおいてセッション分割を要請する少なくとも1つのPoCクライアントを有し、前記セッションの分割要請をするPoCクライアントからセッション分割要請を受け、分割されるセッションを管理するセッション管理サーバーにセッション分割を要請する、セッションの分割要請をするPoCサーバーと、
前記セッションの分割要請をするPoCサーバーからセッション分割要請を受けて新しいセッションを管理するPoC制御機能部(Controlling PoC Function(CF))を前記セッションの分割要請をするサーバーにおいて割り当て、前記セッション分割のために必要な情報を前記新しいセッションの各PoCクライアントに転送しながら前記セッション分割を要請する、前記セッション管理サーバーと
を含むシステム。
【請求項5】
先行するPoCグループセッションを終了せずに分割することによって設定されるPoCグループセッションを分割するセッション分割方法であって、
セッションの分割の要請をするサーバーによって、招待をするPoCクライアントから、セッション分割要請を受ける段階と、
前記セッションの分割の要請をするサーバーによって、セッション管理サーバーに、前記セッション分割要請を転送する段階と、
前記セッション管理サーバーが前記セッション分割要請を許可する場合、前記セッション管理サーバーからセッション管理機能を割り当てるためのメッセージを受ける段階と、
前記先行するPoCグループセッションを終了せずに招待をされたPoCクライアントから新しいPoCセッションに参加するための参加要請を受ける段階と、
前記先行するPoCグループセッションを介してトークバーストを転送しないための前記先行するPoCグループセッションの終了手続を行う段階と
を含むセッション分割方法。
【請求項6】
前記セッション分割要請は、前記招待をするPoCクライアントのアドレス、前記招待をされたPoCクライアントのアドレス、既存のPoCグループセッションの識別子、前記新しいセッションに付与される識別子、セッション分割指示子、及びメディアパラメータのうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記セッション分割要請を転送する前記段階は、前記セッションの分割の要請をするサーバーが、PoCセッション分割指示子情報を用いて前記セッション管理サーバーに前記セッション分割を要請し、前記セッションの分割の要請をするサーバーが決定したメディアパラメータを転送する、ことをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記セッションの分割の要請をするサーバーが、新しいセッションの管理サーバーになることができ、さらに、前記セッション管理サーバーが、該当するアドレスに対してPF(Participating PoC Function(PoC参加機能部))の機能を行うことを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記セッション管理サーバーにより、セッション政策によって前記セッション分割要請を許可し、前記招待をされたPoCクライアントにINVITEメッセージを転送する、段階が、さらに、前記セッション管理サーバーによって前記新しいセッションのためのメディアパラメータの設定が行われる段階を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記新しいセッションのための前記メディアパラメータは、RTP(Real Time Protocol)セッションに用いられるIPアドレスとポート番号を含み、メディア間に使われるコーデックを設定するのに用いられる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記セッション分割要請は、REFERメッセージ又はre−INVITEメッセージのうちの1つである、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
PoCグループセッションを終了せずに分割することによって設定される前記PoCグループセッションを分割するプッシュ−トゥ−トーク−オーバ−セルラ(push-to-talk-over-cellular(PoC))クライアント方法であって、
セッション分割要請サーバーにセッション分割を要請し、
セッション管理サーバーからINVITEメッセージを受けた後に、分割されたセッションに参加するためのセッション参加メッセージを転送し、
新しいセッションに参加する、招待をするPoCクライアントのトークバーストを、新しいセッションに参加しない各PoCクライアントに伝達することができないように、前記セッション管理サーバーから前記セッション分割の通知を受ける
ことを含むPoCクライアント方法。
【請求項13】
当該PoCクライアントがOK応答を転送し、前記セッション分割要請サーバーが分割されたセッションに対する役目を行うことができることを前記招待をするPoCクライアントに通知する、ことをさらに含む、請求項12に記載のPoCクライアント方法。
【請求項14】
前記セッション分割要請は、REFERメッセージ又はre−INVITEメッセージのうちの1つである、請求項12に記載のPoCクライアント方法。
【請求項15】
前記セッション分割要請は、前記招待をするPoCクライアントのアドレス、招待をされたPoCクライアントのアドレス、既存のPoCグループセッションの識別子、前記新しいセッションに付与される識別子、セッション分割指示子、及びメディアパラメータのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載のPoCクライアント方法。
【請求項16】
前記新しいセッションのための前記メディアパラメータは、RTP(Real Time Protocol)セッションに用いられるIPアドレスとポート番号を含み、メディア間に使われるコーデックを設定するのに用いられる、請求項15に記載のPoCクライアント方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−78130(P2011−78130A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281830(P2010−281830)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【分割の表示】特願2007−540271(P2007−540271)の分割
【原出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【Fターム(参考)】