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単分散SiO2粒子の製造方法
説明

単分散SiO2粒子の製造方法

本発明は、テトラアルコキシシランおよび/または有機トリアルコキシシランの加水分解重縮合により単分散SiO粒子を製造する方法であって、加水分解重縮合が、水、1種または2種以上の可溶化剤および1種または2種以上のアミンを含む媒体中で行われ、高度に単分散な無孔質粒子を与える、前記方法に関する。本発明はさらに、前記方法により得られる粉体およびそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、テトラアルコキシシランおよび/または有機トリアルコキシシランの加水分解重縮合により単分散SiO粒子を製造する方法に関し、ここで前記加水分解重縮合は、水、1種または2種以上の可溶化剤および1種または2種以上のアミンを含む媒体中で行われ、そしてここで高度に単分散で無孔質の粒子を得る。本発明はまた、本発明の方法により得られる粉体、およびそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
球状SiO粒子は、産業/科学の分野における価値ある助剤として、および研究の興味深い科学的対象として、特に関心を呼んでいる。この種類の粒子の主な応用分野は、特にそれらが規定された均一な寸法で主としてnmおよびμmの範囲である場合には、標準化における使用であり、例えば、塵粒子または細胞などの小さな物体の寸法を決定するための較正標準としての使用である。考慮されるさらなる応用分野は、クロマトグラフィの分野における吸収または支持材料としての使用であり、これから派生する分離技術である。この種類の全ての用途において、粒径および粒径分布は重要な役割を果たし、従って、それらの特徴に関して予測可能で再現可能な様式で、この種類の粒子を製造できることが重要である。
【0003】
球状SiO粒子がテトラアルコキシシランの加水分解重縮合により得られることは、従来技術で知られており、例えばW. Stoeber et al.のJ. Colloid and Interface Science 26, 62 (1968)および30, 568 (1969)並びに米国特許第3,634,588号の刊行物から知られており、これら刊行物は、この目的のための基礎的反応条件を明らかにしている。これによれば、テトラアルコキシシランを過剰量の水性/アルコール性/アンモニア性加水分解混合物中に導入し、攪拌、振とう、または超音波処理などの好適な方法により、十分な混合を保証することが提唱されている。特定の実験パラメータの選択に依存して、異なる平均粒径および異なる粒径分布のSiO粒子を、ここで得ることができる。引用した刊行物によれば、試験した加水分解混合物中の種々のケイ酸エステル、アンモニアおよび水の濃度、および種々のアルコールの影響により、0.05〜2μmの間(個々の場合では約3μmまで)の平均粒径を有するSiO粒子が得られた。
【0004】
EP 1 036 763には、発色した蛍光多ケイ酸粒子の製造方法が開示されている。これに記載されている方法においても、アンモニアは、加水分解重縮合における主要な成分である。
【0005】
上記の方法においては、アンモニアの高い揮発性が問題であり、特に、方法が高温下で行われる場合に問題であることが判明している。他の気体、例えば塩化水素ガスとは対照的に、アンモニアガスは水と共沸混合物を形成しない。気体が暖かい液体より冷たい液体中によりよく溶解することは、当業者に知られた物理の法則である。テトラアルコキシシランの加水分解においては、pHは反応の実施に重要なパラメータであり、反応の間可能な限り一定に維持すべきである。特に高温の下では、この要求は、溶液中のアンモニアを用いては達成することができない。溶液中のアンモニア含有量は連続して変化し、従って溶液のpHも変化する。密封された反応装置もここでは改善策とはならず、これはアンモニアガスが液面の上に集積するからである。この問題は、特に、プラント構成を変えたり、または反応を大きな反応槽にスケールアップすると増幅される。表面積/容積率に加えて、他のパラメータ、例えば排気の経路もまた、方法において変更される。これらは全て再現性の低い結果をもたらし、これは特に、粒径および粒径分布に反映される。
【0006】
従ってここでの目的は、上記の欠点を有さない単分散SiO粒子の製造方法を見出すことであった。驚くべきことに、本発明による方法は、上記の複雑な要求を満たすことが見出された。
従って本発明は、テトラアルコキシシランおよび/または有機トリアルコキシシランの加水分解重縮合により球状SiO粒子を製造する方法に関し、ここで加水分解重縮合は、水、1種または2種以上の可溶化剤および1種または2種以上のアミンを含む媒体中で行われ、そしてここで高度に単分散で無孔質の粒子を得る。
【0007】
本発明はさらに、本発明の方法により得ることができる球状SiO粒子からなる粉体ならびに、その使用であって、例えば、クロマトグラフィにおける吸収材料としての、核酸およびタンパク質の単離および精製のための、ファゴサイトーシス解析における、診断アレイにおける成分としての、分子認識現象の研究および不均一系触媒プロセスにおける固体相としての、フォトニック結晶の成分としておよび潤滑剤および/または研磨剤としての、前記使用に関する。
【0008】
本発明による方法は、アミンの使用により、反応温度に依存しないで加水分解重縮合を行うことが可能となるとの利点を有する。反応媒体中のアミンの濃度は一定を保ち、望ましい反応温度においてスケールアップが簡単に行える再現可能な反応を可能とする。この方法により、SiO粒子を含む粉体を、均一かつ再現可能な粒径または粒径分布を有して製造することができる。さらに、アミンが効果的な塩基であること、すなわち、少量のみの対応するアミンが加水分解の実施に必要であることが立証される。さらに、好ましく用いられるアミンは、安価で工業規模の製品であり、さらに、方法の実施中に排出の問題、特に排気の問題を有さないものである。明らかになったさらなる利点は、アンモニア媒体中の加水分解とは対照的に、反応槽の壁に僅かな被覆のみが生じることであり、これは副反応として、収率の減少をもたらすものである。
【0009】
従って本発明による方法は、従来技術から知られている方法に対する安価な代替案を提示し、反応の簡単化された性能に加えて、再現性および収率の改善によって特徴付けられる。用いられる有機塩基は、アンモニア溶液とは対照的に無水形態で入手可能であるため、加水分解用に等モル量の水を用いた、反応の特定の性能がさらに可能であり、すなわち、加水分解が完了したときに、添加された全ての水が反応し、反応生成物は理想的に実質的に無水の懸濁物の形態をとる。これは、トリアルコキシシランまたはトリクロロシランを用いて形成されるSiO粒子表面のその後の機能化に特に有利である。シランは、沈殿の直後に、粒子の除去または共留剤を用いた水の複雑な除去なしに、懸濁物に直接加えることができる。干渉副反応である、粒子を被覆することなしの水によるシランの加水分解は、ここでは理想的な様式で回避される。
【0010】
本発明による方法の最も簡単な態様においては、単分散SiO粒子はいわゆるワンポット法により製造され、これは実施が簡単であり、個々の成分を単純に混合することを含む。このために、テトラアルコキシシランおよび/または有機トリアルコキシシランを、水、1種または2種以上の可溶化剤および1種または2種以上のアミンを含む、加水分解混合物として好適な媒体中に導入し、密接に混合する。用いることができる好適なテトラアルコキシシランは、全て容易に加水分解可能な脂肪族アルコールのオルトケイ酸塩である。ここで第一に好適であるのは、1〜5個の炭素原子を有する脂肪族アルコールのエステルであり、すなわち、アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシまたはペントキシ基であることができ、それぞれの異性体も考慮される。上記のテトラアルコキシシランは個々に用いることができるが、混合物の形態でもよい。C〜Cアルコールのオルトケイ酸塩の使用が好ましく、特に、テトラエトキシシランである。好適な可溶化剤は、基本的には、テトラアルコキシシランおよび/または有機トリアルコキシシランおよび水と、無制限にまたは限定された程度に混和性である、全ての溶媒である。
【0011】
対応する可溶化剤は、アルコール、ケトン、ジアルキルスルホキシド、ピロリドン、アルキルニトリル、フランおよび/またはジオキサンからなる群から選択することができる。前記可溶化剤の例は、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1−メチル−2−ピロリドン、1,4−ジオキサンまたはアセトニトリルである。可溶化剤は好ましくはアルコールであり、脂肪族C〜Cアルコールが、アルコール成分として特に好適である。C〜Cアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−またはi−プロパノールおよび1−または2−ブタノールなどの使用が好ましい。これらは、加水分解混合物中に個別に存在することができるが、互いに混合物の形態で存在してもよい。1種または2種以上のアミンは、第一級、第二級および第三級有機アミンからなる群から選択することができる。アミンは、好ましくはアルカノールアミン、ジアミン、ポリアミンおよび/または第一級アルキルアミンであり、特にアミノエタノール、エチレンジアミン、オクチルアミンまたはジエチレントリアミンである。加水分解混合物として好適な媒体中のアミンの割合は、0.1〜5重量%であり、好ましくは0.5〜3重量%である。
【0012】
テトラアルコキシシランは好ましくは、加水分解混合物に1部分として添加され、ここで反応物は、純粋形態で、または代替的に上記可溶化剤の1つの溶液中に、存在することができる。総じてこの変法(process variant)は、混合物全体に対して、水を約2〜25重量%、アミンを0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%、可溶化剤を70〜90重量%、テトラアルコキシシランを2〜40重量%、好ましくは5〜15重量%含む反応混合物を用いて実施する。反応物を混合した後、反応はその直後に、または数分後に始まり、これは、形成される粒子のために反応混合物がすぐに乳白色にまたは混濁することから明らかである。反応は一般に15〜30分以内に完了し、好ましくない特別の場合にはさらに長くかかる。反応物の選択およびそれらの反応混合物中の濃度に依存して、従来技術から知られた方法と同様に、約0.01〜約10μmの間の平均粒径を有する粒子を得ることができる。加水分解重縮合は、25℃〜78℃、好ましくは30℃〜75℃、そして特に40℃〜55℃の間の温度にて実施される。
【0013】
本発明による方法のさらなる態様において、種成長法(seed growing process)が用いられ、ここでは、一次粒子のゾルが最初に製造され、反応範囲に制御された対応するシランの連続計量添加により、さらなる核生成を防ぐような様式で、得られたSiO粒子を続いて所望の粒径にする。この変法は、SiO粒子の寸法の特に優れたモニタリングおよび制御を可能とするという利点を有する。本発明による態様の第1のステップにおいて、一次粒子のゾルを最初に製造する。一次粒子を製造するために、加水分解混合物中のテトラアルコキシシランの濃度は、混合物全体に基づき、約2〜約40重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲を選択することができる。これにより、0.01〜1μmの間の平均粒径を有する一次粒子が得られる。この段階において、サンプルは一次粒子のゾルから取ることができて、例えば電子顕微鏡の支援により、その粒径、形状精度および粒径分布などの粒子の解析および、例えば気体吸着測定により一次粒子の多孔率を決定することができる。
【0014】
同様に、高温下において一次粒子製造のための反応を実施するのが有利であることが立証された。ここでの有利な温度は、25℃〜78℃、好ましくは30℃〜75℃、そして特に40℃〜55℃の間である。粒径の分散は高温下では低下することが見出されたが、ただし平均粒径も減少する。より低い温度では、すなわち室温付近では、他の条件が同一のもとでは、粒径の分散の大きい、比較的大きい粒子が得られる。さらに、望ましくない凝集もまた、ここで多く指摘される。
【0015】
本発明による変法の第2のステップにおいて、一次粒子のゾルに対して、さらなるテトラアルコキシシランのゆっくりした連続計量添加が、均一な混合と共に行われる。ここで、計量添加の速度は、ゾルに存在する粒子との完全な反応が直ちに起こり、かつ新しい一次粒子のための核を形成可能な過剰なテトラアルコキシシランが形成されることのないような方法で、制御することが重要である。反応範囲に制御されたテトラアルコキシシランの計量添加のこの方法測度により、添加されるテトラアルコキシシランの総量に依存して最終的に達成されるべき粒径を有して、ゾルにおける粒子の制御されたその後の成長が達成される。添加されるテトラアルコキシシランの総量は、加水分解混合物が過剰に存在するか、または加水分解混合物を必要な場合はさらに加えて過剰に維持する限り、原則的には重要ではない。テトラアルコキシシランの添加の間に時間制限は設けない;添加は何時間から何日間までの間延長することができる。その後の成長の中断および再開始もまた可能であり、これは、粒子がその成長の全段階において安定だからである。
【0016】
その後の成長操作は、好ましくは高温下で、例えば約40℃で行う。小さい粒径は、一次粒子の最小寸法のため約0.05μmに設定すべきである。一次粒子におけるより広い粒径分散――標準偏差は平均5〜25%――が、その後の成長ステップで得られる粒子では生じないことは驚くべきことであり、完全に予想外である。この方法により得られた粒子は、20%未満の標準偏差、好ましくは10%未満、そして特に好ましくは5%未満の標準偏差を有し、すなわち、これらは高度に単分散である。この第2のステップにおいて、元々存在した異なる寸法の粒子における類似性の増加および、存在する全粒子の均一なさらなる成長と共に相対標準偏差の対応する低下が見られるようである。
【0017】
本発明による上記の方法によって得られる粒子は、均一な球状形状を有し、多孔性は全く有さないことが見出される。気体吸着測定により決定されるこれらの比表面積は、理論的に計算できる表面積の1〜1.5倍であることが見出され、これはせいぜい、わずかな表面粗さの結論を許容するのみであり、細孔の存在を除外する。ゆっくりと連続したその後の成長は、一次粒子に元々存在した細孔を閉鎖し、新しい細孔は形成できないと考えられる。
【0018】
本発明による上記の変法のさらなる態様において、マトリクス内で有機的に修飾された粒子、すなわち共有結合された有機基を含む粒子も製造することができる。この種類の方法は原理的に知られている。このために、用いるテトラアルコキシシランの0.1〜100%、好ましくは1〜30%は、本発明の方法において、種成長法において、好ましくはその後の成長ステップにおいて、1種または2種以上の有機トリアルコキシシランにより、例えばシリカゲルの修飾のために知られているようにして置き換えられる。これらの化合物中の有機基は、1〜20個の炭素原子を有する脂肪族基であることができ、これらは例えばヒドロキシル、チオ、アミノもしくはカルボキシル基またはハロゲンおよびアルケニル基により、随意的に官能基化される。粒子のSiOマトリクス中への官能基化された有機基の組み込みは、既知の様式における共有結合の形成により、その後のさらなる修飾をさらに促進する。この種類の有機トリアルコキシシランの例は、例えば、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソチオシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−(アミノエチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アセトキシプロピルトリエトキシシラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−N’−(1−フェニル−1−ヒドロキシイソプロピル)チオウレア、N−(3−トリエトキシ−シリルプロピル)−N’−(1−フェニルエチル)チオウレア、またはこれらの混合物である。
【0019】
この種類の有機修飾は、無孔性および単分散性に関する粒子の特性には影響しないが、一方ではまた、修飾シリカゲルの既知の有利な特性は明らかである。本発明の方法により製造した非修飾SiO粒子は、有孔材料に対して知られているような(例えば、逆相クロマトグラフィ吸着剤の製造における)方法により、その後の処置によって、有機的に表面修飾することももちろん可能である。
【0020】
本発明による方法のさらなる態様において、1種または2種以上の染料、特に蛍光染料を、加水分解重縮合の間にさらに加える。染料は好ましくは、末端シリル化(蛍光)染料である。末端シリル化(蛍光)染料は、一般式RSiRを有し、この式中、R、RおよびRは同一または異なっており、そしてハロゲン原子、アルキル、アリール、アルコキシまたはシリルオキシ基を表わし、Rは、複合構造A−B−C−Aを有し、式中、mおよびnは、0および1の値をとることができる。ここでAは、アルキル鎖またはヘテロ類似構造を示し、好ましくは1〜20個の鎖要素(chain member)を有する。Bは、機能性配列(functional sequence)を表わし、これは個々の場合において、カルボニル、オキシカルボニル、アミノカルボニルもしくはアミノチオカルボニル基、またはヘテロ原子例えば酸素、窒素もしくは硫黄を示すことができる。Cは、好適な様式でAに結合する鎖または環構造を有する、二機能性有機配列を表わす。これは好ましくはアルキレン単位または置換およびヘテロ類似アルキレン基であり、これらは各々の場合、炭素、窒素、酸素もしくは硫黄原子を介して、例えばエステルもしくはアミドとして、Aに結合している。これは、Rの二機能性配列Cがまた、ヒドロキシ酸またはアミノカルボン酸およびこれらのエステルおよびアミドの構造要素も表わすことができることを意味する。一般式R=A−B−C−A中のAは、Cに、またはnが0である場合はBに、またはmおよびnが0である場合はAに結合する可能性を、構造的に付与する発蛍光系(fluorophoric system)または染料分子を表わす。
【0021】
この結合挙動を実現するために、構造要素Aは、置換または付加の従来の反応スキームに到達可能な1種または2種以上の官能基を含む。個々の場合において、これらは、カルボン酸もしくはスルホン酸基またはこれらの活性化された誘導体、求核基例えばヒドロキシル、メルカプトもしくはアミノ基、置換可能なハロゲン原子を含む構造、例えばハロアルキル、ハロアルキルカルボニルもしくはハロアシル基、エポキシド配列もしくは類似系またはヘテロクムレン、例えばイソシアネートもしくはイソチオシアネート、または他の方法で活性化された多重結合系である。反応性織物染料、例えばCibacron型の、Rにおいて結合配列を構築するための反応性クロロトリアジニル基礎構造(chlorotriazinyl substructure)を含むものを用いることも同様に可能である。Aは、発色系としての好適性に対して構造的制限を含まない。一般的な全ての発色団または蛍光団、例えばベンゾイダルおよびキノイダル芳香族および複素芳香族化合物、例えばトリアリールメタン、アントラキノン(anthraxquinone)、クロメン、キサンテン、インドール、キノリン、アクリジン、フェノキサジン、フェノチアジンおよびフェナジン、並びにアゾおよびスチルベン染料、インジゴ誘導体、フタロシアニン、および他のテトラピロール染料、さらにポリメチン(シアニン)も、本発明による方法により、多ケイ酸マトリクスに組み込むことができる。R、R、および/またはRのアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシまたはペントキシ基、好ましくはエトキシ基であることができる。
【0022】
化学合成の観点から、リンカー配列A−B−C−Aは、1つまたは2つ以上のステップにおいて作ることができる。合成ステップは、ワンポット変法として行うことが有利であると立証された。ここで、関与する反応物中の官能基の性質および数により、構造異性体または多重結合が生じ得るが、これは均一な粒子の発色の目的に対しては重要ではない。リンカー配列A−B−C−Aを作るのに必要な付加および置換反応は、粒子生成の間に加水分解混合物に適合する溶媒中で行う。これらには、例えば、水、アルコール、およびエーテルが含まれ、特に、二極性非プロトン性溶媒、例えばアセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−モルホリンオキシドおよびジメチルスルホキシドである。しかし、例えば、(ハロゲン化)炭化水素などの比較的非極性溶媒中で開始してこれらの溶媒を揮発させ、残留物を上記の可溶化剤へ移動させることも可能である。従って、加水分解感受性反応物および中間体も、リンカー配列A−B−C−Aを作るために使用可能であることが保証される。
【0023】
粒子形成の方法において、一般式RSiRで表わされる末端シリル化(蛍光)染料を、単離された化学化合物またはin situ合成生成物として用いることができる。
一般に、末端シリル化(蛍光)染料それ自体および必要な反応中間体の精製および特徴づけは、ここでは省略することができるが、ただし、これは原則として可能であり、慣用の手段および方法が用いられる。
【0024】
粒子形成の間に(蛍光)染料の均一な分散を達成するためには、テトラアルコキシシランおよび末端シリル化(蛍光)染料前駆体の、適合する反応性および好適な割合が必要である。このために、シリコンにエトキシ置換基を含む前駆体の使用が主として行われる。(蛍光)染料の種類、その誘導体化および合成すべき多ケイ酸粒子の用途に依存して、前駆体の比率は比較的大きく変化させることができ、通常は0.01〜5mol%の間である。
【0025】
本発明による方法はまた、色調(colour nuance)および複数発色の実現を可能にする。このために、一般式RSiRで表される複数の前駆体であって、結合配列(linked sequence)A−B−C−Aの構成および発蛍光系または染料Aの化学構造が異なっている前記前駆体を、粒子形成中に同時にまたは連続して計量する。しかし、発蛍光系または染料Aの化学構造について異なる末端シリル化(蛍光)染料の数は、2〜3に制限するのが有利であることが立証された。
テトラアルコキシシランおよび/または有機トリアルコキシシランおよび末端シリル化(蛍光)染料前駆体の共重縮合は、25℃〜78℃に温度調節され撹拌された反応装置内で、標準の方法により、同様に行うことができる。
【0026】
いくつかの場合において、種々の前駆体に加えてさらなる添加剤を加水分解重縮合反応に加えることが、適当であるかまたは必要であることが立証された。従って、種々の界面活性剤を用いて、マイクロエマルジョンを反応容積に作製し、または粒子分散を安定化させることができる。この種類の安定化効果はまた、ペプタイザーとして効果的な金属塩からも生じることができる。もし共重縮合の目的が、多ケイ酸マトリクスを、例えばアルミネートまたはチタネートなどの類似構造で比例的に置き換えること、または、これを他の金属でドーピングすることであれば、これは対応する金属塩の添加剤、例えば対応する金属水酸化物、酸化物およびアルコキシドなどの添加剤、または配位化合物および遊離リガンドまたはこれらからの組み合わせを添加することにより実施できる。上記領域からの添加剤は、染料含有の態様により(蛍光)染料成分A中に、例えば金属フタロシアニンまたはレーキ顔料中にすでに存在している可能性のある金属化合物からは独立して、またはそれに相乗的な様式で、計量する。
【0027】
本発明による方法の上記の態様は、従って、0.05μm〜10μmの範囲の調節可能な直径を有し、均一で高い(蛍光)染料密度または色/蛍光強度を有する、単分散SiO粒子を製造する可能性を提供する。これらの粒子は同様に、顕著な真球度、粒径分布の低い変化率および表面の低い多孔率を特徴とする。本方法は、多ケイ酸粒子が異なる色状態を有することができるような方法でデザインされる。かかる種類の粒子は、個々の場合において以下の特徴を有する:単純な発色、複数発色の付加、規定波長範囲における、また随意的に可視範囲の外側における蛍光、複数の規定波長範囲での蛍光、および発色と蛍光。本製造方法の重要な利点は、得られる粒子が一般的な緩衝液および従来の全ての溶媒において、溶出に対して安定であることにある。N,N−ジメチルホルムアミド中で長時間振とうしてさえも、(蛍光)染料の重大な単体分離(liberation)は観察されない。
【0028】
この方法で有機的に修飾されたSiO粒子は、多くの他の分野における用途、例えば、クロマトグラフィ用にカスタマイズされた吸着剤としての用途を促進する。
本発明の方法により製造されたこれらの有機的に修飾されたSiO粒子は、特に逆相クロマトグラフィにおける使用に好適である。
【0029】
構造に関する大きな可変性のために、本発明の方法により製造されたSiO粒子は、クロマトグラフィにおける吸収材料として、核酸およびタンパク質の単離および精製のために、ファゴサイトーシス解析において、診断アレイにおける成分として、分子認識現象の研究および不均一系触媒プロセスにおける固体相として、フォトニック結晶の成分としておよび潤滑剤および/または研磨剤として、好適である。従って、本発明は同様に、本発明の方法の1つによって得ることができる球状のSiO粒子からなる粉体に関し、ここでSiO粒子は、0.05〜10μmの間の平均粒径を有する。
【0030】
これらの粒子の使用は、例えばペプチド、タンパク質または核酸などの高分子量の生体分子の分離を可能にする。この種類の分子は、例えば特に、リゾチーム、リボヌクレアーゼA、ウレアーゼ、トランスフェリン、インスリン、アルドラーゼ、ミオグロビン、カタラーゼ、オボアルブミン、LDH、PAP、α−キモトリプシン、ペルオキシダーゼ、ウシ血清アルブミン、フェリチン、C−INA、クレアチンキナーゼ、カルボアンヒドラーゼ、アミルグルコシダーゼ、ヘモグロビン、インターロイキンである。本発明の方法により製造された粒子の、この種の生体分子の分離のための使用は、かかる場合に用いられていた従来材料ではこれまでに達成されていない利点を生じさせる。
【0031】
例えば多孔質材料に比べて、小さな平均粒径、非常に狭い粒径分布および拡散障壁の欠如は、極めて高いカラム効率を実現し、従ってより高い検出限界を達成する。さらなる利点は極めて短い解析時間であり、これは従来材料の場合に必要な時間に比べて約5倍短い。さらに、物質損失は多孔質材料の使用に比べてはるかに少ない。またここでは、溶媒の選択について全く制限がない;全ての既知の溶媒を用いることができる。
以下の例は、限定することなく本発明をさらに詳細に説明することを意図している。
【0032】
例1:
一連の実験において種々のアミンを用いるが、本発明の方法におけるアミンのそれぞれの濃度の影響もまた試験する。このために、以下の反応条件を選択する:
【0033】
テトラエチル・オルトシリケート(TEOS)7.5ml
エタノール(無水)50ml、および
脱イオン水18.7ml
からなる多数の透明混合物を、平行して磁気攪拌機を用いて攪拌しながら、30℃で暖める。続いて表1に示した異なるアミンの量を添加する。
【0034】
比較反応において、アンモニア溶液11.7ml(25重量%)を混合物に加え、直径0.5μmの単分散粒子を得る。
【表1】

【0035】
上記の表から、アミンおよび、特にエタノールアミンおよびエチレンジアミンは、本発明の方法において単分散SiO粒子の製造に有利に適することが明らかである。
【0036】
例2:等モル量の水を用いた単分散シリカ粒子の製造
反応式:
(OH
Si(OR) + 2HO → SiO + 4ROH
により、テトラアルキルケイ酸1molあたり2molの水が必要である。
従来技術で常に用いられるアンモニア溶液の水性の性質により、反応に等モル量の水を加えることは不可能であった。アンモニア溶液の使用では、水は実質的に全ての場合において大幅に過剰に加えられ、これは付加的な水を加えない場合でも同様である。これは原則として、非常に少量のアンモニア溶液を添加する場合にのみ可能となったであろう。しかしこの場合、反応の性能は非常に不利である。
【0037】
表1に示された一連の実験において、加水分解に必要な水の量は、本発明によるアミンの使用により等モル量に低減される(上記反応式参照)。混合物は40℃で3時間、磁気攪拌機を用いて攪拌する。
得られた反応生成物は、走査型電子顕微鏡により計測する。
【0038】
【表2】

【0039】
本発明による無水塩基の使用は、加水分解に必要な水を特に等モル量で添加できるような様式で、反応を行うことを可能とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テトラアルコキシシランおよび/または有機トリアルコキシシランの加水分解重縮合により球状SiO粒子を製造する方法であって、加水分解重縮合が、水、1種または2種以上の可溶化剤および1種または2種以上のアミンを含む媒体中で行われることを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
一次粒子のゾルを最初に製造し、反応範囲に制御された、対応するシランの連続計量添加により、さらなる核形成を防ぐような様式において、得られたSiO粒子を続いて望ましい粒径にすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アミンが、第一級、第二級および第三級有機アミンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
アミンが、アルカノールアミン、ジアミン、ポリアミンおよび/または第一級アルキルアミンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
アミンが、アミノエタノール、エチレンジアミン、オクチルアミンまたはジエチレントリアミンであることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
媒体中のアミンの割合が、0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
1種または2種以上の可溶化剤が、アルコール、ケトン、ジアルキルスルホキシド、ピロリドン、アルキルニトリル、フランおよび/またはジオキサンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
テトラアルコキシシランのアルコキシ基が、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシまたはペントキシ基、好ましくはエトキシ基であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
加水分解重縮合が、25〜78℃の間、好ましくは30〜75℃の間、そして特に40〜55℃の間の温度で行われることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
1種または2種以上の染料が、加水分解重縮合の間に付加的に加えられることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
染料が、蛍光染料であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
染料が、一般式RSiRで表わされる末端シリル化(蛍光)染料であって、この式中、R、RおよびRは、同一または異なっており、そしてハロゲン原子、アルキル、アリール、アルコキシまたはシリルオキシ基を表わし、Rは、複合構造A−B−C−Aを有し、式中、mおよびnは、0および1の値をとることができ、Aは、好ましくは1〜30個の鎖要素を有するアルキル鎖またはヘテロ類似構造を示し、Bは、機能性配列を表わし、Cは、好適な様式でAに結合する鎖または環構造を有する、二機能性有機配列を示し、ここでAは、Cに、またはnが0である場合はBに、またはmおよびnが0である場合はAに結合する可能性を、構造的に付与する発蛍光系または染料分子を表わす、前記染料であることを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
の機能性配列Bが、カルボニル、オキシカルボニル、アミノカルボニルもしくはアミノチオカルボニル基、またはヘテロ原子、例えば酸素、窒素もしくは硫黄を表わすことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
の二機能性配列Cが好ましくは、炭素、窒素、酸素もしくは硫黄原子を介して、例えばエステルもしくはアミドとしてAに結合する、アルキレン単位または置換およびヘテロ類似アルキレン基を表わすことを特徴とする、請求項12および13に記載の方法。
【請求項15】
の二機能性配列Cが、ヒドロキシ酸またはアミノカルボン酸およびこれらのエステルまたはアミドの構造要素を表わすことを特徴とする、請求項12〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
アルコキシ基が、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシまたはペントキシ基、好ましくはエトキシ基であることを特徴とする、請求項12〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれかに記載の方法により得ることができる、球状SiO粒子からなる粉体。
【請求項18】
SiO粒子が、0.05〜10μmの間の平均粒径を有することを特徴とする、請求項17に記載の粉体。
【請求項19】
請求項1の記載により製造したSiO粒子からなる粉体の使用であって、クロマトグラフィにおける吸収材料としての、核酸およびタンパク質の単離および精製のための、ファゴサイトーシス解析における、診断アレイにおける成分としての、分子認識現象の研究および不均一系触媒プロセスにおける固体相としての、フォトニック結晶の成分としておよび潤滑剤および/または研磨剤としての、前記使用。

【公表番号】特表2007−528341(P2007−528341A)
【公表日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502215(P2007−502215)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001323
【国際公開番号】WO2005/085135
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】