説明

単回投与形態の連日投与に適したグアンファシンの医薬品の剤形/組成物

【課題】ADHD及び行為障害の両方を罹患する児童に特に有用なグアンファシンの副作用を低減する組成物及び剤形の提供。
【解決手段】1個の錠剤のような単回投与形態で、1日1回投与の治療計画で有効であり、また、例えば患者が容易に飲み込むことができる、経口投与で許容することができるのに十分小さいサイズを有する剤形。該剤形は、良好な製造可能性、拡張可能性及びロバストネスも有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グアンファシンの適応症のいずれかの治療に有用な方法、組成物及び剤形に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願
本出願は、2005年7月28日出願の特許文献1に係る出願の出願日の利益を主張する。
【特許文献1】米国仮出願第60/702,982号明細書
【0003】
本出願は、代理人整理番号SHIRE−0519−V01により特定され、「Modified Release Tablet Formulations with Enhanced Mechanical Properties」という発明の名称の同時に提出された出願と関連がある。前記特許出願の全内容はその全体が引用により本明細書に取り込まれることが明示される。
【0004】
グアンファシンは、刺激療法の代替療法としてのADHDの治療と、軽度から中程度の高血圧、ヘロイン離脱、困難な妊娠(difficult pregnancies)におけるある種の問題及び睡眠障害等の治療とに有用である。他の適応症への試験は進行中である。この薬剤は、ADHD及び行為障害の両方を罹患する児童に特に有用である。グアンファシンの剤形を開示する特許文献2及び3を参照せよ。前記開示はその全体が引用により本明細書に取り込まれる。
【特許文献2】米国特許公報第6,811,794号明細書
【特許文献3】米国特許公報第6,287,599号明細書
【0005】
塩酸グアンファシンは、テネックス(Tenex、登録商標)というブランド名で経口投与用の錠剤形態で販売されるα−アドレナリン受容体作動薬特性を有する中枢性降圧剤である。塩酸グアンファシンの化学名はN−アミジノ−2−(2,6−ジクロロフェニル)アセタミド塩酸塩であり、この化合物はC10ClOの分子式を有する。それは、水及びアルコールに溶けにくくアセトンにわずかに溶ける白色ないしオフホワイト色の粉末の形態である。個々の経口投与用の市販の錠剤は、1mg又は2mgのグアンファシンと等価の塩酸グアンファシンを含む。前記錠剤は、無水ラクトース、微結晶性セルロース、ポビドン、ステアリン酸及び着色料を付加的に含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
グアンファシンは、口渇、便秘、眠気、目まい、頭痛、睡眠困難(不眠)、ドライアイ、吐き気、嘔吐、皮膚の発疹又は掻痒、疲労、消化不良、下痢、心拍数低下、性的能力の減少、異常な倦怠又は衰弱、精神錯乱、精神的抑うつ、健忘症、肝毒性、下肢痙攣、(薬の使用が急に中止された場合)突発性高血圧という副作用を引き起こす場合がある。
【0007】
単純化のために「グアンファシン」という用語は、他に特に記載がない場合か、お互いが別々に記載されない場合かには、化合物グアンファシンと、塩酸グアンファシンを含むいずれかのグアンファシンの塩との両方を指すと理解される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、グアンファシンに対するいずれかの適応症の治療に有用な方法、組成物及び剤形を提供する。本発明の方法は、例えば1mg、1.5mg、2mg、2.5mg、3mg、3.5mg等の処方箋に記載の投与量のグアンファシンを含む経口治療用の組成物又は剤形を、例えば1個の錠剤のような単回投与形態で、1日1回患者に投与するステップを含む。前記1個の錠剤は、1日1回投与の治療計画で有効であり、また、経口投与で許容することができるのに十分小さいサイズを有する。前記経口投与で許容することができるとは、例えば、患者が容易に飲み込むことができることをいい、前記サイズとは、例えば、錠剤の重量をいう。したがって本発明の組成物及び方法は、ADHD、高血圧、ヘロイン離脱、困難な妊娠における特定の問題、睡眠障害等を治療するか、制御するか、影響を与えるかするうえで有用である。前記剤形は、良好な製造可能性、拡張可能性及びロバストネスも有する。
【0009】
本発明の1つの局面は、グアンファシンと、医薬品として許容可能な薬物送達手段(vehicle)とを含む1日1回の分離した単回投与形態の医薬品組成物であって、1日1回投与の治療計画で有効であり、かつ、患者にとって許容可能なサイズも有する医薬品組成物である。例えば、錠剤重量に関して典型的な許容可能なサイズは、1mgの用量に対しては170mgまで、2mgの用量に対しては340mgまで、2.5mgの用量に対しては255mgまで、3mgの用量に対しては225mgまで、3.5mgの用量に対しては245mgまで、4mgの用量に対しては300mgまでである。サイズは、例えば経口投与に対して許容可能な幾何学的な形状に応じて変化する場合がある。
【0010】
円形錠剤は、0.4インチまでの直径、好ましくは0.35インチまでの直径と、0.2インチまでの厚さ、好ましくは0.15インチまでの厚さとを有することが多い。前記直径は、例えば0.1500インチないし0.3125インチの直径で、0.2000ないし0.3125インチの直径が好ましく、0.2813ないし0.3125インチがより好ましい。前記厚さは、例えば0.1000ないし0.1400インチの厚さである。前記錠剤が長円形の場合、前記錠剤は、0.6インチ(長さ)まで及び0.2インチ(幅)までの寸法、好ましくは0.55インチ(長さ)まで及び0.15インチ(幅)までの寸法と、0.25インチまでの厚さ、好ましくは0.22インチまでの厚さとを有することが多い。前記寸法は、例えば0.5400インチ(長さ)及び0.1200インチ(幅)で、0.5000インチ(長さ)及び0.1800インチ(幅)の寸法が好ましく、0.4860インチ(長さ)及び0.2400インチ(幅)の寸法がより好ましい。前記厚さは例えば0.140ないし0.20インチである。この分離した経口投与形態の形状は、長円形、円形その他の適切な形状の場合がある。経口投与形態が例えば円形の錠剤のとき、特徴となる寸法は通常その直径及び厚さであり、長円形のとき特徴となる寸法は通常その長さ、幅及び厚さである。
【0011】
本発明の別の局面は、例えば約340mgまでの総重量の医薬品組成物である。総重量は、例えば100ないし300mgであり、130ないし300mgが好ましく、150ないし300mgがより好ましい。
【0012】
さらなる局面では本発明の好ましい錠剤は、Schleuniger錠剤硬度計を使用して測定される4.0ないし11.0kpの硬度を有し、該硬度は4.5ないし9.5kpが好ましく、4.5ないし8.0kpがより好ましい。
【0013】
別の局面は、例えば18歳以上の成人と子供とにおけるADHDの上述の医薬品組成物での治療方法である。前記子供は例えば約6−12歳及び約13−17歳である。したがって本発明は、有効なpkプロファイルと、例えば重量のようなサイズとを実現することができる錠剤を含む。別の局面では前記錠剤は、所望の錠剤硬度値を得るために十分な圧縮性も実現する。
【0014】
1日1回の単回投与形態でグアンファシンを投与することができることの利点は、例えば丸薬を毎日2、3回等摂取するのを忘れる可能性をなくすというように患者が所定の用法を守り損ねる機会を減少させることと、児童が投与のたびに薬剤を摂取することに抵抗する場合か、総じて嫌がる場合かに2回又は3回以上投与する場合に比べた前記児童への毎日の投与し易さと、例えば児童にとっては学校、スポーツの練習等、仕事等のような毎日の活動への障害が少ないことと、利便性等とを含む。
【0015】
本発明の別の局面では、本発明の医薬品剤形の平均血漿中濃度の薬物動態(PK)プロファイルは、グアンファシン用量1mgの剤形が食前の健康な成人患者へ投与されるときに、約29.3±8.8ng・h/mLのAUC0−lastと、約32.4±8.8ng・h/mLのAUCと、約0.98±0.26ng/mLの平均Cmaxと、約6時間のTmaxの中央値とのようなパラメーターの少なくとも1つ(該パラメーターの各々は、(上述の±値に関わらず)前記それぞれの値の±50%の、より好ましくは±40%の、特に好ましくは±20%の範囲内である。)を有するような平均血漿中濃度のPKプロファイルであり、かつ、前記剤形が2mg又は別の用量で投与され、該用量のPKプロファイルが1mgの用量に係るPKプロファイルと直線的に相関するとき、AUC0−last、AUC及びCmaxが、1mgの用量に対するAUC0−last、AUC及びCmaxと直線的に相関するような平均血漿中濃度のPKプロファイルである。1mgの用量の剤形について測定されるt1/2は17.5±3.8時間である。
【0016】
本発明の別の局面では、本発明の医薬品の剤形の平均血漿中濃度の薬物動態(PK)プロファイルは、グアンファシン用量2.5mgの剤形が食前の健康な成人患者へ投与されるとき、約81.3±35.4ng・h/mLのAUC0−lastと、約85.0±37.4ng・h/mLのAUCと、約2.49±0.93ng/mLの平均Cmaxと、約6時間のTmaxの中央値とのようなパラメーターの少なくとも1つ(該パラメーターの各々は、(上述の±値に関わらず)前記それぞれの値の±50%の、より好ましくは±40%の、特に好ましくは±20%の範囲内である。)を有するような平均血漿中濃度のPKプロファイルであり、かつ、2.5mgの用量に係るPKプロファイルと直線的に相関する用量の剤形が投与されるときには、2.5mgの用量に対するAUC0−last、AUC及びCmaxと直線的に相関するAUC0−last、AUC及びCmaxを有するような平均血漿中濃度のPKプロファイルである。1mgの用量の剤形に対して測定されるt1/2は、16.7±7.4時間である。
【0017】
本発明の別の局面では、本発明の医薬品の剤形の平均血漿中濃度の薬物動態(PK)プロファイルは、グアンファシン用量4mgの剤形が食前の健康な成人患者へ投与されるときには薬物動態(PK)プロファイルは約120±41.5ng・h/mLのAUC0−lastと、約125±46.0ng・h/mLのAUCと、約3.58±1.39ng/mLの平均Cmaxと、約5時間のTmaxの中央値とのようなパラメーターの少なくとも1つ(該パラメーターの各々は、(上述の±値に関わらず)前記それぞれの値の±50%の、より好ましくは±40%の、特に好ましくは±20%の範囲内である。)を有するような平均血漿中濃度のPKプロファイルであり、かつ、前記剤形が3mg、3.5mg又は別の用量で投与され、該用量のPKプロファイルが4mgの用量に係るPKプロファイルと直線的に相関するとき、AUC0−last、AUC及びCmaxが、4mgの用量に対するAUC0−last、AUC及びCmaxと直線的に相関するような平均血漿中濃度のPKプロファイルである。1mgの用量の剤形に対して測定されるt1/2は、17.1±5.5時間である。
【0018】
本発明の別の局面では、本発明の医薬品剤形の平均血漿中濃度の薬物動態(PK)プロファイルは、グアンファシンの量2mgの剤形が食前の6−12歳のADHD患者へ投与されるときに、約56.88±22.05ng・h/mLのAUC0−lastと、約65.20±23.88ng・h/mLのAUCと、約2.55±1.03ng/mLの平均Cmaxと、約5時間のTmaxの中央値とのようなパラメーターの少なくとも1つ(該パラメーターの各々は、(上述の±値に関わらず)前記それぞれの値の±50%の、より好ましくは±40%の、特に好ましくは±20%の範囲内である。)を有するような平均血漿中濃度のPKプロファイルであり、かつ、前記剤形が1mg又は別の用量で投与され、該用量のPKプロファイルが2mgの用量に係るPKプロファイルと直線的に相関するとき、2mgの用量に対するAUC0−last、AUC及びCmaxと直線的に相関するAUC0−last、AUC及びCmaxを有するような平均血漿中濃度のPKプロファイルである。2mgの用量の剤形に対して測定されるt1/2は、14.4±2.4時間である。
【0019】
本発明の別の局面は、本発明の医薬品剤形の平均血漿中濃度の薬物動態(PK)プロファイルは、グアンファシン用量2mgの剤形が食前の13−17歳のADHD患者へ投与されるときに、約42.74±12.85ng・h/mLのAUC0−lastと、約47.25±13.69ng・h/mLのAUCと、約1.69±0.43ng/mLの平均Cmaxと、約5時間のTmaxの中央値とのようなパラメーターの少なくとも1つ(該パラメーターの各々は、(上述の±値に関わらず)前記それぞれの値の±50%の、より好ましくは±40%の、特に好ましくは±20%の範囲内である。)するような平均血漿中濃度のPKプロファイルであり、かつ、前記剤形が1mg又は別の用量で投与され、該用量のPKプロファイルが2mgの用量に係るPKプロファイルと直線的に相関するとき、AUC0−last、AUC及びCmaxが、2mgの用量に対するAUC0−last、AUC及びCmaxと直線的に相関するような平均血漿中濃度のPKプロファイルである。2mgの用量の剤形に対して測定されるt1/2は、17.9±5.8時間である。
【0020】
本発明の剤形は、約0.1ないし約5%(w/w)、好ましくは0.25−5%(w/w)、より好ましくは0.3−4%(w/w)、0.33−3.5%(w/w)、0.5−3%(w/w)、0.75−2%(w/w)等のグアンファシンを含むのが典型的である。他の成分の量はグアンファシンの量と同様に、本明細書に示されるとおり、使用される剤形技術と、実現されるべきPKプロファイルとに応じて変化する。
【0021】
全ての患者は、実現されるべき目的のPKプロファイル及び有効性に基づき1日1回、1mg、2mg、2.5mg、3mg、3.5mg又は4mgの用量の剤形のいずれかを摂取する場合がある。(より低い用量では十分に維持されない場合には)全ての患者は、3mgの用量を摂取する場合がある。例えば十代の若者と成人とのようなより成熟した患者に対する用量は、また、重症の児童に対する用量も、例えば3.5mg又は4mgに設定される場合がある。
【0022】
目的のPKプロファイルを実現する好ましい剤形は、表1に提示される。目的のPKプロファイルを実現するより好ましい剤形は、表2に提示される。
【0023】
【表1】

*2.5mg:青色色素、3mg:緑色色素、3.5mg:赤色色素、4mg:緑色色素
【0024】
【表2】

*2.5mg:青色色素、3mg:緑色色素、3.5mg:赤色色素、4mg:緑色色素
【0025】
本発明のさらなる局面は、2種類又は3種類以上の薬物動態パラメーターか、例えば2種類、3種類又は4種類等の薬物動態パラメーターのような(例えばAUC0−last、AUC、Cmax及び/又はTmaxのような)上述の薬物動態パラメーターの組かを組み合わせる剤形を含む。例えばかかる局面は、成人患者に投与されるときに本明細書で示される1種類又は2種類以上の薬物動態パラメーターか、該パラメーターの組かを提供する剤形と、6−12歳及び/又は13−17歳の児童に投与されるときに本明細書で示される1種類又は2種類以上の薬物動態パラメーターか、該パラメーターの組かを提供する剤形とを含む。満足させられるべき2種類又は3種類以上の薬物動態パラメーターの好ましい組合せは、AUC0−t及びCmaxである。
【0026】
本発明の剤形は長期間にわたり有用である。「長期間」という用語により、本発明のグアンファシンの剤形は約1週間、1ヶ月間、(例えば2−6ヶ月間、7−11ヶ月間等のような)2−11ヶ月間、1年間、2年間又は3年間以上等の長期間にわたり患者に投与される場合があることと、前記剤形は例えばADHDのような適応症を治療するために継続的に有効であることとが意味される。
【0027】
有利な実施態様ではグアンファシンの医薬品の剤形は、Rohm America,Inc.により市販されるユードラジットL(Eudragit L、登録商標)100−55(ポリ(メタクリル酸、アクリル酸エチル))、(メタクリル酸とメタクリレートとのアニオン性重合体−メタクリル酸共重合体 タイプC、NF)を含む。ユードラジットL(登録商標)100−55について本出願の出願日までにRohm America,Inc.から入手可能な全ての製品規格書は、引用によって本明細書に取り込まれる。本実施態様の組成物は総じてユードラジットL(登録商標)100−55を、100重量%(w/w)の組成物合計の中で、組成物合計の約25%から約45%まで、好ましくは約25%から約35%まで、最も好ましくは約26%、27%、28%等から約32%、33%、34%、35%(w/w)等まで含み、前記含有量は下に示されるように用量レベルに応じて任意に変化する。
【0028】
さらなる局面は、グアンファシンの浸透放出か、脈状放出か、持続放出か、制御放出か、遅延放出か、長期放出か、即時放出か、他の調節放出かを使用する従来の製剤技術に基づく剤形を使用して上述のPKプロファイルを実現する剤形を含む。
【0029】
他の局面では本発明は、上述のように調節放出製剤で提供されるグアンファシンを用いる治療方法に向けられる。前記剤形は(18歳以上の)成人患者か、約6−12歳の児童か、約13−17歳の児童かに投与され、ADHD、高血圧、ヘロイン離脱、困難な妊娠における特定の問題、睡眠障害等の治療を実現する。
【0030】
さらに別の局面では本発明は、グアンファシンを含む医薬品組成物と、例えば患者におけるADHD、高血圧、ヘロイン離脱、困難な妊娠における特定の問題、睡眠障害等のようなグアンファシンの適応症に対してグアンファシンを使用するための取扱説明書とを保持する容器を含む包装された医薬品の組成物又は剤形に関する。
【0031】
「薬物送達手段」という用語は、薬剤が製剤化されるとき使用されるいかなる物質をも含む、最も広い意味を有する。
【0032】
「容器」という用語は、前記治療用剤形を保持するためのいずれかの入れ物を含む。例えばある実施態様では前記容器は、前記剤形を収容する包装である。他の実施態様では前記容器は前記剤形を収容する包装ではない、すなわち前記容器は、包装されたか未包装かの剤形と、前記剤形の使用についての取扱説明書とを収容する箱又はバイアル瓶のような入れ物である。さらに包装技術は当業者に周知である。前記治療用剤形の使用についての取扱説明書が前記治療用剤形を収容する包装上に含まれる場合があり、それにより前記取扱説明書は前記包装された製品と、より機能的な関係を形成することが理解されるべきである。しかし前記取扱説明書は、例えばADHD、高血圧、ヘロイン離脱、困難な妊娠における特定の問題、睡眠障害等を治療する能力のような目的の機能を発揮するグアンファシンの能力に関する情報を含む場合があることが理解されるべきである。
【0033】
補助的な活性化合物が、目的の機能を発揮する前記治療用剤形の能力に顕著な影響を及ぼさない限りにおいて、又は、上述された目的の血漿中濃度薬物動態(PK)プロファイルを実現する前記治療用剤形の能力に顕著な影響を及ぼさない限りにおいて、前記組成物に組み込まれる場合もある。
【0034】
本発明のある実施態様では前記患者は、本発明の方法による治療を必要としており、また、この必要性に基づく治療のために選択される。治療を必要とする患者は当技術分野において認められており、ADHD、高血圧、ヘロイン離脱、困難な妊娠における特定の問題、睡眠障害等に関する疾病又は疾患を有するか、かかる疾病又は疾患の症状を有するか、かかる疾病又は疾患のリスクがあるかによって特定される患者を含み、例えば医学的診断のような診断に基づき(例えば、前記疾病又は疾患か、前記疾病又は疾患の症状か、前記疾病又は疾患のリスクかを治す(か、癒すか、予防するか、軽減するか、取り除くか、修正するか、是正するか、改善するか、向上させるか、影響を及ぼすかというように)治療から利益を受けることが期待される。
【0035】
治療される患者へのグアンファシンの投与は、前記患者における目的の治療を実現するために有効な用量及び期間で既知の手順を使用して実行される場合がある。治療効果を実現するために必要な治療用化合物の有効量は、患者の年齢、性別及び体重のような要素に応じて変化する場合がある。本発明の医薬品組成物におけるグアンファシンの実際の用量レベルは、患者に対して毒性を示すことなく特定の患者、組成物及び投与方法に対する目的の治療反応を実現するために有効な活性成分の量を取得するために変更される場合がある。
【0036】
使用される剤形システムに応じて、医薬品として許容可能なキャリアーは、砂糖、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール又はケイ酸のような充填剤又は増量剤と、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース又はアカシアのような結合剤と、グリセロールのような保湿剤と、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン又はタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、(例えばAC−DI−SOL(登録商標)のような)架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、(例えばエキスプロタブ(EXPLOTAB、登録商標)、プリモゲル(PRIMOJEL、登録商標)のような)デンプングリコール酸ナトリウム、(例えばプラゾン−XL(Plasone−XL)のような)架橋ポリビニルポリピロリドン及び炭酸ナトリウムのような崩壊剤と、パラフィンのような溶解遅延剤と、四級アンモニウム化合物のような吸収促進剤と、ココアバターのような賦形剤と、溶媒と、被包材料と、例えばセチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロールのような湿潤剤と、カオリン及びベントナイト粘度のような吸収剤と、タルクと、ステアリン酸と、ロイシンと、ベヘン酸グリセリルと、硬化植物油と、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体のポリエチレングリコール及びラウリル硫酸ナトリウムのような滑剤と、着色料と、保存料と、界面活性剤と、分散剤と、不活性希釈液と、アジュバント剤と、乳化剤と、コーティング剤と、甘味料、香味料及び/又は香料と、座剤用ワックスと、ラッカセイ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及びダイズ油のような油と、例えば、アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム及びこれらに類するもののような水溶性酸化防止剤と、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ−トコフェロール及びこれらに類するもののような脂溶性酸化防止剤とのような酸化防止剤と、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸及びこれらに類するもののような金属キレート剤と、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルのようなエステルと、寒天と水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムのような緩衝剤と、アルギン酸と、発熱物質を含まない水と、等張食塩水と、リンゲル液と、エチルアルコールと、クエン酸ナトリウムと、リン酸二カルシウムと、リン酸緩衝液と、医薬品の剤形において使用される当業者に既知の他の無毒な適合性物質とのいずれかを含む。錠剤上での微生物の活動の予防は、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸及びこれらに類するもののようなさまざまな抗菌剤及び抗真菌剤の添加により担保される場合がある。各々のキャリアーは、前記剤形の他の成分と適合し患者に有害でないという意味で、かつ、望ましいPKプロファイルを実現する治療用剤形の能力に影響を及ぼさないという意味で、「許容可能」でなければならない。
【0037】
上述のとおり、前述のPKプロファイルを実現するための剤形と、投与計画とは、即時放出、制御放出、持続放出、長期放出、遅延放出、脈状放出、浸透放出等の技術を、望ましい結果を実現するために単独又は併用で使う場合がある。剤形及び調製の原理の例は、例えばHandbook of Pharmaceutical Excipents,American Pharmaceutical Association 4th edition,2003(Rowe,Sheskey and Weller)と、Marcel Dekker,Inc.出版のPharmaceutical Dosage Forms:Tablets(Lieberman,Lachman and Schwarts,editors)current editionと、Remington’s Pharmaceutical Sciences(A.Gennaro,editor,20th edition,2000)とに記載される。従来の持続放出又は制御放出の方法については、例えばR.K.Chang and J.R.Robinson,chapter 4:“Sustained Drug Release from Tablets and Particles Through Coating”,in Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,volume 3,edited by H.A.Lieberman,L.Lachman,and J.B.Schwartz,Marcel Dekker,Inc.,1991と、RJ.Campbell and G.L.Sackett,chapter 3:“Film coating”,in Pharmaceutical Unit Operations:Coating,edited by K.E.Avis,AJ.Shukla,and R. K.Chang,Interpharm Press,Inc.,1999とを参照せよ。代替的な剤形技術の原理は、米国特許公報第6,878,386号、第6,849,661号、第6,827,947号、第6,702,803号、第6,793,936号、第6,780,436号、第6,746,692号、第6,638,535号、第6,635,277号、第6,627,223号にも説明される。これらの開示の全ては、全体が引用により本明細書に取り込まれる。
【0038】
本明細書で特に例示されるグアンファシンの剤形と異なる他のグアンファシンの剤形が、単体で、又は、溶解調節剤等といっしょに、例えば前記薬品の即時放出か長期にわたる放出かを可能にする医薬品として許容可能な水不溶性又は水溶性の被膜形成剤のようなコーティング剤で任意にコーティングされるコアを有するビーズの形態で提供される場合がある。例えば米国特許公報第4,728,512号を参照せよ。二相性又は多相性の放出プロファイルは、全て目的のPKプロファイルを実現するために、即時放出性ビーズを遅延放出性ビーズか、持続放出性ビーズか、他の制御放出性ビーズかと組み合わせることにより、又は、異なる放出プロファイルを有するさまざまな長期放出性ビーズを提供することにより、実現される場合がある。
【0039】
ビーズは、水不溶性ポリマーか、水不溶性ポリマーの組合せか、水不溶性ポリマー及び水溶性ポリマーの組合せかで、薬剤を含有する従来のコアをコーティングすることにより調製される場合がある。これは層の組合せか、単一のコーティング剤中におけるポリマーの組合せかの場合がある。得られたビーズ(又は小さい錠剤)は、その後カプセル内に収容される場合がある。カプセル殻中のビーズ以外に、(例えばカプセル殻中の1種類又は2種類以上の即時放出錠剤と、1種類又は2種類以上の遅延、持続放出錠剤とのような)カプセル殻中の錠剤も、目的の放出プロファイルを得るために使用される場合がある。
【0040】
さまざまなポリマー材料が、例えば即時放出、持続放出、遅延放出等のような目的の放出パターンの型を実現するために使用される場合がある。例えば、単回投与単位の投与量を組み合わせることが望まれる場合であって、加えて持続放出機能又は遅延放出機能を有する投与物がお互いに組み合わせられる場合か、即時放出機能を有する投与物と組み合わせられる場合かには、(例えば以下で論じられる)複数回投与形態が単回経口投与といっしょに、数時間かけて複数回、迅速かつ完全に活性薬品の投与量を患者へ送達する場合がある。
【0041】
利用され得るビーズ構造の例は豊富に存在し、以下を含む。
・糖をコアとするビーズであって、該コアの上を活性薬品でコーティングされ、その後ポリマー、及び/又は、活性薬品及びポリマーの混合物か、いずれかの異なる順序のこれらの層かでコーティングされ、各々の場合において前記層中の成分の活性薬品濃度が選択される、糖をコアとするビーズ。
・活性薬品のコアを含むビーズであって、前記コア上をポリマーで、及び/又は、活性薬品及びポリマーの混合物か、いずれかの異なる順序のこれらの層かでコーティングされ、各々の場合において前記層中の成分の活性薬品濃度が選択される、ビーズ。
・活性成分に係る放出タイミング又は放出速度が異なる、上述の複数のタイプのビーズを含む錠剤又はカプセル剤。
【0042】
マトリックスビーズ、すなわち持続放出又は遅延放出を実現するための層がないビーズが使用される場合もある。かかるマトリックスに使用される成分は通常、従来の持続放出性又は遅延放出性ポリマーから選択される。
【0043】
ある実施態様ではグアンファシンを含有する粒子は錠剤に組み込まれる、具体的には、錠剤マトリックスに組み込まれることにより錠剤に組み込まれる場合があり、該錠剤マトリックスは服用後速かに前記粒子を分散させる。これらの粒子をかかる錠剤に組み込むために充填剤/結合剤が錠剤に添加されるが、該錠剤は、前記粒子を許容可能であるが打錠工程での前記粒子の破壊は許容しない。この目的に適する材料は、(例えばアビセル(AVICEL、登録商標)のような)微結晶性セルロース、(例えばエムコソイ(EMCOSOY、登録商標)のような)大豆多糖類、(例えばスターチ(STARCH、登録商標)1500、ナショナル(NATIONAL、登録商標)1551のような)アルファ化デンプン及び(例えばカルボワックス(CARBOWAX、登録商標)のような)ポリエチレングリコールを含むがこれらに限定されない。前記材料は典型的には5−75%(w/w)の範囲で存在し、好ましい範囲は一般的には25−50%(w/w)である。
【0044】
例えば酢酸フタル酸セルロースと、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、酢酸フタル酸ポリビニルと、ユードラジット(EUDRAGIT、登録商標)及びアクリレーゼ(ACRYLEZE、登録商標)アクリルポリマーとのようなさまざまな腸溶性材料が使用される場合もある。これらは胃で溶けず腸で溶ける、所望の時期における腸での薬剤放出のためのコーティング剤である。より高いpH値で溶解する前記腸溶性材料は大腸特異的送達システムに頻繁に使用され、その全体が本発明のシステムにおいて従来より使用可能である。本発明で使用される腸溶性ポリマーは従来より、pHに感受的でない他の既知のコーティング用製品と混合することにより加工される場合もある。かかるコーティング用製品の例は、例えばユードラジット(登録商標)RS及びユードラジット(登録商標)RLのような市販の、小量のメタクリル酸トリメチルアンモニオエチル塩化物を含む中性メタクリル酸エステルと、例えばユードラジット(登録商標)NE30D及びユードラジット(登録商標)NE30のようないずれかの官能基を有しない中性エステル分散液と、最も好ましくはユードラジット(登録商標)L100−55と、他のpH非依存性コーティング用製品とを含む。
【0045】
従来の保護コーティング層は、水又は適切な有機溶媒中のポリマー溶液を使用する鍋式コーティング法(pan coating)又は流動床式コーティング法のような従来のコーティング技術か、水性ポリマー分散液を使用することかにより、薬剤を含有するマトリックスのコア又は薬剤が層状になったコアのようなコアの外側に直接塗布される場合がある。前記保護コーティング層のための適切な材料は、ヒドロキシエチルセルロースと、ヒドロキシプロピルセルロースと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、ポリビニルピロリドンと、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体と、エチルセルロース水性分散液と、(例えばアクアコート(AQUACOAT、登録商標)、シュアリース(SURELEASE、登録商標)のような)酢酸ポリビニルと、種々のユードラジット(登録商標)と、オパッドリー(OPADRY、登録商標)と、これらに類するものとのようなセルロース誘導体を含む。典型的なコーティングレベルは1%から6%までであり、一般的には好ましくは2−4%(w/w)である。
【0046】
オーバーコート層は、本発明の組成物にさらに任意に塗布される場合がある。オパッドリー(登録商標)と、オパッドリー II(OPADRY II、登録商標)(Colorcon)と、Colorconから市販される対応する有色及び無色の等級の製品とが、ペレットが粘着的になることから保護するために、かつ、前記製品を着色するために、使用される場合がある。保護コーティング又は着色コーティングの典型的なレベルは1%から6%までであり、一般的には好ましくは2−3%(w/w)である。例えばより迅速な放出(即時放出)を提供するために、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、セバシン酸ジブチル、トリアセチン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール及びその他のような可塑剤と、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、二酸化チタン、ケイ酸マグネシウム及びこれらに類するもののような滑剤とのような多くの成分が前記オーバーコート層の処方に組み込まれる場合がある。
【0047】
前記腸溶性コーティング剤か他のコーティング剤かの上で使用される場合がある保護層の任意の加工用成分は、前記腸溶性コーティング層を通じた透水速度を低減することにより前記薬剤の放出の遅延時間を増加させるために、前記腸溶性コーティング剤か他のコーティング剤かの後に続けてコーティングされる場合がある透水障壁層(半透性ポリマー)を含む。当業者に周知の持続放出コーティング剤は、水か適切な有機溶媒かの中でポリマー溶液を使用する鍋式コーティング法又は流動床式コーティング法のような従来のコーティング技術か、水性ポリマー分散液を使用することかにより、この目的のために使用される場合がある。例えば、酢酸セルロースと、酢酸酪酸セルロースと、酢酸プロピオン酸セルロースと、エチルセルロースと、脂肪酸及びそれらのエステルと、ワックスと、ゼインと、例えばRS、RL30D、NE30Dのような種々のユードラジット(登録商標)、アクアコート(登録商標)、シュアリース(登録商標)、酢酸セルロースラテックス等のような水性ポリマー分散液の材料とが使用される場合があるがこれらに限定されない。前記ポリマーと、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(クルーセル(KLUCEL、登録商標)、Hercules Corp.)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトセル(METHOCEL、登録商標)、Dow Chemical Corp.)及びポリビニルピロリドンのような親水性ポリマーとの組合せが使用される場合もある。
【0048】
上述の目的の放出プロファイルを実現するための前記構成その他の使用の詳細は完全に従来技術の範囲内であり、例えばポリマーとそれらの混合物との特性と、成分の相対量と、コーティング剤の厚さと、ビーズの直径と、それらの層及び組成物の数等とに関する多くとも2、3の定型的なパラメーター実験と、従来の調整とで当業者により決定される場合がある。したがって例えば一定の構成に対しては、in vitroでの溶解プロファイルが決定される場合がある。十分に従来技術の範囲内の製剤設計と、溶解プロファイルの調整とが定型的に行われる場合がある。In vitroでの所望の放出プロファイルを有する剤形は、所望の血漿中濃度レベルをもたらす。これらの血漿中濃度プロファイルは、例えばin vivoでの溶解及び吸収の特性、活性薬品の半減期等のような通常の要素を考慮すると前記in vitroでの放出プロファイルと相関関係があり、該相関関係は当業者に十分に理解されている。
【0049】
かかる放出プロファイルを有する剤形を実現するために使用される場合がある適切な材料は周知であり、酢酸ポリビニルと、酢酸セルロースと、酢酸セルロースラテックスと、酢酸酪酸セルロースと、酢酸プロピオン酸セルロースと、エチルセルロースと、脂肪酸及びそれらのエステルと、アルキルアルコールと、ワックスと、ゼイン(トウモロコシ由来のプロラミン)と、市販のユードラジット(登録商標)、アクアコート(登録商標)、シュアリース(登録商標)、コリコート(Kollicoat、登録商標)等の製品のような水性ポリマー分散液とを含むが,これらに限定されない。
【0050】
前記錠剤(と、糖衣錠、カプセル、丸薬、ペレット及び顆粒のような本発明の医薬品組成物に係る他の利用され得る固体投与形態と)は、任意にスコア化される場合がある。
【0051】
一般的に前記医薬品の剤形は、使用される剤形技術に応じて0.1重量%ないし40重量%の、より典型的には0.5−35重量%のいずれかの単一の成分を含む。
【0052】
用語の定義
max 最大実測血漿中濃度。
maxmaxの発生時間。
AUC0−last時間0から、濃度が線形台形規則(the linear trapezoidal rule)により算出される定量限界以上であった最後のサンプリング時間までの血漿中濃度対時間曲線下面積。
AUC 時間0から、AUC0−t+(Clast/λ)により算出される無限大までの血漿中濃度対時間曲線下面積であり、上式においてClastは最後の実測定量可能濃度であり、λは見かけの終末速度定数(terminal rate constant)である。
1/2 ln2/λにより算出される見かけの終末半減期。
API 活性医薬品成分。
食前 終夜、例えば通常約10−12時間の絶食。
【0053】
図面の簡単な説明
図1は、さまざまなユードラジットポリマーを使用する剤形についてのさまざまな圧縮力での硬度の範囲を示すグラフである。
【0054】
本出願を通じて引用される全ての参考文献と、発行された特許と、公開された特許出願との内容は、引用により本明細書に取り込まれる。本明細書か、「関連出願」の節で特定される出願かで説明されるいずれかの化合物の使用は、本発明の範囲内であり、本発明に包含されることが意図され、少なくともこれらの目的のために本明細書に明確に取り込まれ、また、さらに他の全ての目的のために明確に取り込まれることが理解されるべきである。
【0055】
当業者は、定型的な実験と、本明細書の内容とだけを使用して、ここで説明される具体的な手順、実施態様、請求項及び実施例との多数の均等物を認識又は確認することができるだろう。かかる均等物は、本発明の範囲内であると考えられ、添付される特許請求の範囲に含まれる。
【0056】
例えば、患者母集団の年齢と、投与量と、血液中レベルとについて数値及び範囲が本明細書で示される場合には、これらの値及び範囲に含まれる全ての数値及び範囲は本発明の範囲内に包まれることが意図されることが理解されるべきである。さらにこれらの範囲内に該当する全ての数値と、数値範囲の上限又は下限の数値とは、本出願の発明の範囲内に含まれることが意図される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
実施例
本発明は以下の実施例によりさらに例示されるが、該実施例は本発明の主題をさらに限定すると解釈されるべきではない。
【0058】
当業者は、さらなる労を要することなく、前述の説明を用いて本発明を最大限に利用することができると考えられる。したがって前述の好ましい具体的な実施態様は例示のみを目的とし、決して前記開示の残りの限定を目的とはしないと解釈されるべきである。
【0059】
前述の内容と実施例とにおいて、他に特に指示がなければ、全ての温度は補償されずに摂氏温度で示され、全ての割合及び百分率は重量比で示される。前述の実施例、表及び図において使用される(APIとしての)塩酸グアンファシンの粒子サイズ範囲は、5ミクロンないし25ミクロンのdv50と、10ミクロンないし50ミクロンのdv90とである。「dv」という用語は体積直径(volume diameter、同一の体積を有する球の直径)をさし、50は前記粒子の50%を意味し、90は前記粒子の90%を意味する。
【実施例1】
【0060】
前記錠剤を製造するために使用される設備の主要な要素は、撹拌バー(intensifier bar)と、ステーション数が16のロータリー式打錠機(16 station rotary tablet press)とを備えた16クオートV型ブレンダーである。全ての材料は、40メッシュのふるいを通され、グアンファシンが中央で挟み込まれた状態で、16クオートV型ブレンダー内に充填される。前記混合物は10分間混合され、前記撹拌バーは5−8分の間作動させられる。前記混合物はポリエチレンの袋に詰められ、その後前記Stokes tablet pressのホッパー部に移される。前記混合物は、必要な錠剤重量に対する適当な硬度まで圧縮される。錠剤硬度は、Schleuniger錠剤硬度計で試験される。
【0061】
ユードラジットL100−55又はユードラジットRSPOを含有する剤形は、さまざまな圧縮力で硬度について試験された。(図1を参照せよ。)
【0062】
【表3】

* メトセルK4M − ヒドロキシプロピルメチルセルロース、Dow Chemical。ユードラジットL100−55 −ポリ(メタクリル酸、アクリル酸エチル)、メタクリル酸共重合体、Rohm America,Inc.。ユードラジットRSPO −アンモニオメタクリレート共重合体、Rohm America,Inc.。コンプリトール888ATO −ジベヘン酸グリセリル、Gattefosse。ルディプレス −ラクトース/ポビドン/クロスポビドン、BASF。プロソルブHD90 −ケイ化微結晶性セルロース、Penwest。
【0063】
【表4】

【0064】
本明細書で使用されるグアンファシン錠剤の一般的な調製方法は、米国特許公報第6,811,794号及び第6,287,599号明細書に記載される同じ目的のための調製方法に類似する。
【実施例2】
【0065】
目的:本研究の目的は、表2に示される2mgの用量の単回投与後か、2mg及び4mgの用量の複数回投与後かで制御放出グアンファシンの薬物動態を評価することであった。
【0066】
方法:ADHDを有する(6−12歳の)男児及び女児と、(13−17歳の)青年とでの非盲検の用量漸増研究。患者は、25kg(55lb)又はそれ以上の体重があったが、研究者の意見では太りすぎではないと考えられた。彼らの心電図の読み(ECGs)は正常値の範囲内であり、彼らの血圧測定値は彼らの年齢、身長及び性別に対して95パーセンタイルの範囲内であった。患者は、精神医学的共存症の診断を有する場合か、患者を危険な状態に追い込むと前記研究者が判断する心疾患に係る自身又は家族の病歴を有する場合か、CYP3A4又はP450に影響する薬品を摂取している場合かには、除外された。前記患者の親又は保護者によりインフォームドコンセントが与えられた。
【0067】
患者は1日目に2mgの用量の単回投与を受け入れ、その後9−15日目には2mgの用量の繰り返しqd(1日1回)投与を、16−23日目には3mgの用量の繰り返しqd投与を、24−29日目には4mgの用量の繰り返しqd投与を受け入れた。前記用量はその後、30ないし32日目には3mgに、33ないし35日目には2mgに低減された。薬物動態評価は、2mgの用量の単回投与後と、6日間の2mg及び4mgの用量の繰り返し投与後とに実施された。
【0068】
結果:28人の登録された患者全員が前記試験を完了した。統計データは以下の表に提供される。
【0069】
【表5】

【0070】
薬物動態学的な知見は以下の表に要約される。
【0071】
【表6】

【0072】
【表7】

【0073】
【表8】

【0074】
有害事象(AEs)による中断はなかった。ECGs、血液学的パラメーター又は血清化学的検査所見について臨床的に有意な異常は観察されなかった。ほとんどのAEsは、軽度から中程度の重篤度であった。患者の≧10%において発生し、治療が原因の可能性がある、又は、おそらく治療が原因であると考えられる唯一のAEは、眠気(93%)であった。6人の患者(21%)だけが、激しい眠気を有すると判断された。
【0075】
結論:グアンファシンの薬物動態は、(6−12歳の)児童及び(13−17歳の)青年のADHD患者の両方において、2mgの用量の単回経口投与後と、2mg及び4mgの用量の複数回経口投与後とで線形である。(6−12歳の)児童における血漿中濃度及び該濃度に関連する薬物動態パラメーターは(13−17歳の)青年における血漿中濃度及び該濃度に関連する薬物動態パラメーターよりも高く、また年齢群にかかわらず、女性の患者における血漿中濃度及び該濃度に関連する薬物動態パラメーターは男性の患者における血漿中濃度及び該濃度に関連する薬物動態パラメーターよりも高い。これは、児童と比較して青年の体重が大きいことと、年齢群にかかわらず女性と比較して男性の体重が大きいこととによる可能性が最も高い。AEsは総じて軽度から中程度の重篤度であり、いかなる中断も引き起こさなかった。制御放出グアンファシンは、児童及び青年におけるADHDの治療のための安全な選択肢のようである。
【実施例3】
【0076】
目的:本研究は、表2に示される2mgの用量のグアンファシンの錠剤と4mgの用量のグアンファシンの錠剤との生物学的等価性を評価するために、また、1mg、2mg及び4mgの用量に係る用量比例性を調査するために、デザインされた。
【0077】
方法:これは、第1相、無作為、非盲検、単回投与、5期間での、別々の導入期間を有する4種類の処理によるクロスオーバーデザインであった。
【0078】
49人の健康な成人ボランティアが、前記研究を完了した。期間1の間、全患者が終夜の絶食後に1mgの用量の単回投与を受け入れた。期間2の前に患者は、1種類の処理順序(sequence)当たり13人の患者からなる4種類の処理順序に係る群のうちの1群に無作為に割り当てられた。期間2−5における処理の間、患者は自分達に割り当てられた2mg又は4mgの用量の処理を受け入れた。全患者が、本研究の過程で2回の2mgの用量の錠剤の単回投与と、2回の4mgの用量の錠剤の単回投与とを受け入れることになっていた。期間2−5の間における投与物も、終夜の絶食後に投与された。
【0079】
統計情報
性別:男性28人、女性24人
人種:白人7人、黒人5人、ヒスパニック40人、他0人
全体の平均年齢:33歳。 年齢の範囲は18−55歳を含む。
【0080】
結果:薬物動態データの要約は以下に示される。
【0081】
【表9】

【0082】
結論:グアンファシンの薬物動態は1mg、2mg及び4mgの用量に対して線形であり理に適っていたが、前記1mg及び2mgの用量の間でCmax及びAUCinfの平均値の増加分は2倍よりやや少なかった。2種類の異なるデータ組、すなわち(#1)及び(#2)に示される2mg及び4mgのグアンファシンの用量の錠剤は、それぞれの強度の錠剤と生物学的に等価であった。
【0083】
死亡か重度の有害事象かはなかった。
【実施例4】
【0084】
目的:本研究の目的は、2.5mgのグアンファシンの用量の錠剤対2mgのグアンファシンの用量の錠剤の生物学的等価性を調査することであった。
【0085】
方法:この第1相研究は、無作為、非盲検、単回投与での、3種類の処理によるクロスオーバーデザインを利用した。48人の健康な成人ボランティアが、前記研究を完了した。全患者が、6種類の処理順序に係る群のうちの1群に無作為に割り当てられ、2mg及び2.5mgのグアンファシンの用量の錠剤を受け入れた。処理期間1−3の間、患者は自分達に割り当てられた処理(終夜の絶食後における2mg又は2.5mgの用量の単回経口投与)を受け入れた。
【0086】
統計情報
性別:男性14人、女性34人
人種:白人10人、黒人1人、ヒスパニック36人、他1人
全体の平均年齢:33歳
【0087】
結果:薬物動態データの要約は以下に示される。
【0088】
【表10】

中央値が報告されるTmaxを除き、算術平均±標準偏差。
【0089】
死亡者は存在しなかった。
【0090】
結論:用量の差異に対して補正されると、2種類の異なるデータ組、すなわち(#1)及び(#2)に示される前記2.5mgのグアンファシンの用量の錠剤は、2mgのグアンファシンの用量の錠剤と各々生物学的に等価である。前記錠剤は、2mg及び2.5mgの用量が単回経口投与されるとき、本研究における健康な男性患者及び女性患者により安全かつ総じて耐容性良好のようである。
【実施例5】
【0091】
浸透圧により制御されるグアンファシン長期放出錠剤
浸透放出錠剤を製造するのに有用な設備の主要な要素は、撹拌バーと、溶媒コーティング(solvent coating)の能力を有する鍋式コーティング機(pan coater)と、ステーション数が16のロータリー式打錠機と、薬剤が放出される孔部を作り出すためのレーザー開孔システム(laser hole drilling system)とを備えた16クオートV型ブレンダーである。(キシリトール、マルトリン(Maltrin)及びマンニトールのような)オスマジェント(osmagent)を含む全ての材料は、20メッシュのふるいを通され、グアンファシンが中央で挟み込まれた状態で、16クオートV型ブレンダー内に充填される。前記混合物はポリエチレンの袋に詰められ、その後Stokes tablet pressのホッパー部に移される。前記混合物は、必要な錠剤重量に対する適当な硬度まで圧縮される。錠剤硬度は、Schleuniger錠剤硬度計で試験される。錠剤は鍋式コーティング機中で、1分間当たり60−100g以上の噴霧量(spray rate)でコーティングされる。前記コーティング溶液は、約5%の酢酸セルロース、NF(国民医薬品集)をアセトンに溶解し、その後TECのような可塑剤を25−45%添加することにより調製される。レーザーによる開孔部は、薬剤放出を可能にするためにその後前記錠剤の一側面に配置される。前記錠剤は目的のPKプロファイルを実現する。
【0092】
前述の実施例は、前述の実施例で使用される反応物及び/又は操作条件を、一般的又は具体的に説明される本発明の反応物及び/又は操作条件に置換することにより、同様の成功をもって繰り返される場合がある。
【0093】
前述の説明から当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に確認する場合があり、またその精神及び範囲から逸脱することなく、さまざまな使用方法及び条件と適合させるために本発明のさまざまな変更及び修正を行う場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】さまざまなユードラジットポリマーを使用する剤形についてのさまざまな圧縮力での硬度の範囲を示すグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量のグアンファシン、又は、医薬品として許容可能なその塩と、少なくとも1種類の薬物送達手段とを含む医薬品の剤形であって、
少なくとも18歳のヒト患者への前記グアンファシンの有効な1日1回投与を実現することができ、かつ、絶食条件下で単回投与される前記グアンファシンについて、1mgの用量のグアンファシンに対しては約29.3±20% ng・h/mLのAUC0−lastと約0.98±20% ng/mLのCmaxとを実現することができ、あるいは、PKプロファイルが1mgの用量に係るPKプロファイルと直線的に相関する2mgその他の用量に対しては前記1mgの用量に対するAUC0−last及びCmaxと直線的に関係するAUC0−last及びCmaxを実現することができ、1mgの用量に対する総剤形重量は170mgまでであり、1mgの用量と直線的に相関する2mgその他の用量に対しては総剤形重量は1mgの用量に対する総剤形重量と直線的に比例することか、
少なくとも18歳のヒト患者への前記グアンファシンの有効な1日1回投与を実現することができ、かつ、絶食条件下で単回投与される前記グアンファシンについて、2.5mgの用量のグアンファシンに対しては約81.3±20% ng・h/mLのAUC0−lastと約2.49±20% ng/mLのCmaxとを実現することができるか、あるいは、PKプロファイルが2.5mgの用量に係るPKプロファイルと直線的に相関する別の用量に対しては前記2.5mgの用量に対するAUC0−last及びCmaxと直線的に関係するAUC0−last及びCmaxを実現することができ、2.5mgの用量に対する総剤形重量は255mgまでであり、2.5mgの用量と直線的に相関する他の用量に対しては総剤形重量は2.5mgの用量に対する総剤形重量と直線的に比例することか、
少なくとも18歳のヒト患者への前記グアンファシンの有効な1日1回投与を実現することができ、かつ、絶食条件下で単回投与される前記グアンファシンについて、4mgの用量のグアンファシンに対しては約120±20% ng・h/mLのAUC0−lastと約3.58±20% ng/mLのCmaxとを実現することができるか、あるいは、PKプロファイルが4mgの用量に係るPKプロファイルと直線的に相関する3mg、3.5mg又は別の用量に対しては前記4mgの用量に対するAUC0−last及びCmaxと直線的に関係するAUC0−last及びCmaxを実現することができ、4mgの用量に対する総剤形重量は300mgまでであり、4mgの用量と直線的に相関する3mg、3.5mg又は他の用量に対しては総剤形重量は4mgの用量に対する総剤形重量と直線的に比例することか、
6−12歳のヒト患者への前記グアンファシンの有効な1日1回投与を実現することができ、かつ、絶食条件下で単回投与される前記グアンファシンについて、2mgの用量のグアンファシンに対しては約56.88±20% ng・h/mLのAUC0−lastと約2.55±20% ng/mLのCmaxとを実現することができるか、あるいは、PKプロファイルが2mgの用量に係るPKプロファイルと直線的に相関する1mg又は別の用量に対しては前記2mgの用量に対するAUC0−last及びCmaxと直線的に関係するAUC0−last及びCmaxを実現することができ、2mgの用量に対する総剤形重量は340mgまでであり、2mgの用量と直線的に相関する1mg又は他の用量に対しては総剤形重量は2mgの用量に対する総剤形重量と直線的に比例することか、
13−17歳のヒト患者への前記グアンファシンの有効な1日1回投与を実現することができ、かつ、絶食条件下で単回投与される前記グアンファシンについて、2mgの用量のグアンファシンに対しては約42.74±20% ng・h/mLのAUC0−lastと約1.69±20% ng/mLのCmaxとを実現することができるか、あるいは、PKプロファイルが2mgの用量に係るPKプロファイルと直線的に相関する1mg又は別の用量に対しては前記2mgの用量に対するAUC0−last及びCmaxと直線的に関係するAUC0−last及びCmaxを実現することができ、2mgの用量に対する総剤形重量は340mgまでであり、2mgの用量と直線的に相関する1mg又は他の用量に対しては総剤形重量は2mgの用量に対する総剤形重量と直線的に比例することかを特徴とする、有効量のグアンファシン、又は、医薬品として許容可能なその塩と、少なくとも1種類の薬物送達手段とを含む医薬品の剤形。
【請求項2】
錠剤の形態であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬品の剤形。
【請求項3】
錠剤の形態であって、前記錠剤が円形のとき0.4インチまでの直径と0.2インチまでの厚さとを有し、前記錠剤が長円形のとき0.6インチまでの長さと、0.2インチまでの幅と、0.25インチまでの厚さとを有することを特徴とする、請求項2に記載の医薬品の剤形。
【請求項4】
錠剤の形態であって、前記錠剤が円形のとき0.1500インチないし0.3125インチの直径と、0.01000ないし0.01400インチの厚さとを有し、前記錠剤が長円形のとき0.4860ないし0.5400インチの長さと、0.1200ないし0.2400インチの幅と、0.0140ないし0.020インチの厚さとを有することを特徴とする、請求項2に記載の医薬品の剤形。
【請求項5】
前記少なくとも18歳のヒト患者はADHDを罹患しておらず健康であり、前記6−12歳及び13−17歳のヒト患者はADHDを罹患していることを特徴とする、請求項1に記載の医薬品の剤形。
【請求項6】
有効量のグアンファシン、又は、医薬品として許容可能なその塩と、少なくとも1種類の薬物送達手段とを含む錠剤の形態であって、ヒト患者への前記グアンファシンの有効な1日1回投与を実現することができ、前記錠剤のサイズは、1mgの用量の円形錠剤に対しては直径は約9/23インチまでであり、2mg及び4mgの用量の長円形錠剤に対しては長さは約0.486インチまでかつ幅は約0.240インチまでであり、2.5mg、3mg及び3.5mgの用量の円形錠剤に対しては直径は約5/16インチまでであることを特徴とする、請求項2に記載の医薬品の剤形。
【請求項7】
それぞれの錠剤重量は、1mgの用量に対しては約150mgまでであり、2mgの用量に対しては約300mgまでであり、2.5mgの用量に対しては約225mgまでであり、3mgの用量に対しては約200mgまでであり、3.5mgの用量に対しては約233.3mgまでであり、4mgの用量に対しては約266.7mgまでであることを特徴とする、請求項6に記載の医薬品の剤形。
【請求項8】
メタクリル酸とメタクリレートとのアニオン性重合体−メタクリル酸共重合体タイプC、NF を含むことを特徴とする、請求項1に記載の医薬品の剤形。
【請求項9】
前記メタクリル酸とメタクリレートとのアニオン性重合体−メタクリル酸共重合体タイプC、NFの量は約25%ないし約45%w/wであることを特徴とする、請求項7に記載の医薬品の剤形。
【請求項10】
前記剤形はADHD、高血圧、ヘロイン離脱、困難な妊娠における特定の問題、及び/又は、睡眠障害を治療するのに有効であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬品の剤形。
【請求項11】
請求項1に記載の医薬品組成物をそれを必要とする患者に投与するステップを含むことを特徴とする、ADHD、高血圧、ヘロイン離脱、困難な妊娠における特定の問題、及び/又は、睡眠障害の治療方法。
【請求項12】
ADHDが治療されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記患者は18+歳であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記患者は6−12歳であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記患者は13−17歳であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記投与が長期間にわたることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
有効量のグアンファシン、又は、医薬品として許容可能なその塩と、少なくとも1種類の薬物送達手段とを含む医薬品の剤形であって、
少なくとも18歳のヒト患者への前記グアンファシンの有効な1日1回投与を実現することができ、かつ、単回投与される前記グアンファシンについて、1mgの用量のグアンファシンに対しては約29.3±20% ng・h/mLのAUC0−lastと約0.98±20% ng/mLのCmaxとを実現することができるか、あるいは、PKプロファイルが1mgの用量に係るPKプロファイルと直線的に相関する2mg又は別の用量に対しては前記1mgの用量に対するAUC0−last及びCmaxと直線的に関係するAUC0−last及びCmaxを実現することができ、1mgの用量に対する総剤形重量は170mgまでであり、1mgの用量と直線的に相関する2mg又は他の用量に対しては総剤形重量は1mgの用量に対する総剤形重量と直線的に比例することか、
少なくとも18歳のヒト患者への前記グアンファシンの有効な1日1回投与を実現することができ、かつ、単回投与される前記グアンファシンについて、2.5mgの用量のグアンファシンに対しては約81.3±20% ng・h/mLのAUC0−lastと約2.49±20% ng/mLのCmaxとを実現することができるか、あるいは、PKプロファイルが2.5mgの用量に係るPKプロファイルと直線的に相関する別の用量に対しては前記2.5mgの用量に対するAUC0−last及びCmaxと直線的に関係するAUC0−last及びCmaxを実現することができ、2.5mgの用量に対する総剤形重量は255mgまでであり、2.5mgの用量と直線的に相関する他の用量に対しては総剤形重量は2.5mgの用量に対する総剤形重量と直線的に比例することか、
少なくとも18歳のヒト患者への前記グアンファシンの有効な1日1回投与を実現することができ、かつ、単回投与される前記グアンファシンについて、4mgの用量のグアンファシンに対しては約120±20% ng・h/mLのAUC0−lastと約3.58±20% ng/mLのCmaxとを実現することができるか、あるいは、PKプロファイルが4mgの用量に係るPKプロファイルと直線的に相関する3mg、3.5mg又は別の用量に対しては前記4mgの用量に対するAUC0−last及びCmaxと直線的に関係するAUC0−last及びCmaxを実現することができ、4mgの用量に対する総剤形重量は300mgまでであり、4mgの用量と直線的に相関する3mg、3.5mg又は他の用量に対しては総剤形重量は4mgの用量に対する総剤形重量と直線的に比例することか、
6−12歳のヒト患者への前記グアンファシンの有効な1日1回投与を実現することができ、かつ、単回投与される前記グアンファシンについて、2mgの用量のグアンファシンに対しては約56.88±20% ng・h/mLのAUC0−lastと約2.55±20% ng/mLのCmaxとを実現することができるか、あるいは、PKプロファイルが2mgの用量に係るPKプロファイルと直線的に相関する1mg又は別の用量に対しては前記2mgの用量に対するAUC0−last及びCmaxと直線的に関係するAUC0−last及びCmaxを実現することができ、2mgの用量に対する総剤形重量は340mgまでであり、2mgの用量と直線的に相関する1mg又は他の用量に対しては総剤形重量は2mgの用量に対する総剤形重量と直線的に比例することか、
13−17歳のヒト患者への前記グアンファシンの有効な1日1回投与を実現することができ、かつ、単回投与される前記グアンファシンについて、2mgの用量のグアンファシンに対しては約42.74±20% ng・h/mLのAUC0−lastと約1.69±20% ng/mLのCmaxとを実現することができるか、あるいは、PKプロファイルが2mgの用量に係るPKプロファイルと直線的に相関する1mg又は別の用量に対しては前記2mgの用量に対するAUC0−last及びCmaxと直線的に関係するAUC0−last及びCmaxを実現することができ、2mgの用量に対する総剤形重量は340mgまでであり、2mgの用量と直線的に相関する1mg又は他の用量に対しては総剤形重量は2mgの用量に対する総剤形重量と直線的に比例することかを特徴とする医薬品の剤形。

【図1】
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【公開番号】特開2012−229253(P2012−229253A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−158337(P2012−158337)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【分割の表示】特願2008−524162(P2008−524162)の分割
【原出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(507055017)シャイア エルエルシー (29)
【Fターム(参考)】