単画像からのステレオペア検索装置及びステレオペア検索方法
【課題】複数の単画像にオーバーラップ領域がある場合、その複数の画像の組合せの中から、ステレオ画像と同等の効果を持つステレオペアを検索する。
【解決手段】画像検索場所の地理座標情報と人工衛星により撮影された衛星画像を格納する衛星画像撮影データベースに格納された衛星画像のポリゴン情報とに基づいて、前記画像検索場所とオーバーラップする領域を有する衛星画像を検索する衛星画像検索部と、検索された衛星画像が複数存在する場合に、複数の前記衛星画像のそれぞれの組み合わせについて、各衛星画像を撮影した際の人工衛星の位置座標と衛星画像の中心座標とを3次元で特定する衛星位置特定部と、前記複数の衛星画像のうちの任意の対となる第1の衛星画像と第2の衛星画像とに対応する前記人工衛星位置座標と前記中心座標と、に基づいて、ステレオペア条件を満たす衛星画像の対を抽出するステレオペア画像抽出部と、を有するステレオペア検索装置。
【解決手段】画像検索場所の地理座標情報と人工衛星により撮影された衛星画像を格納する衛星画像撮影データベースに格納された衛星画像のポリゴン情報とに基づいて、前記画像検索場所とオーバーラップする領域を有する衛星画像を検索する衛星画像検索部と、検索された衛星画像が複数存在する場合に、複数の前記衛星画像のそれぞれの組み合わせについて、各衛星画像を撮影した際の人工衛星の位置座標と衛星画像の中心座標とを3次元で特定する衛星位置特定部と、前記複数の衛星画像のうちの任意の対となる第1の衛星画像と第2の衛星画像とに対応する前記人工衛星位置座標と前記中心座標と、に基づいて、ステレオペア条件を満たす衛星画像の対を抽出するステレオペア画像抽出部と、を有するステレオペア検索装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像からのステレオペア検索技術に関し、特に、地球観測衛星から撮影された画像のうち、同一地点の複数の単画像から、ステレオ画像と同等の立体感を持つ単画像のペア(ステレオペア)を検索する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
1972年に地球観測衛星であるLandSatが打ち上げられて以来、地球観測衛星で撮影された画像を利用して、衛星や惑星の地形図や土地被覆分類、地図の作成などの地理空間情報を取得する試みが数多く行われてきた。以下、地球観測衛星と称するが、撮影対象は地球に限定されず、他の衛星や惑星などを含む。
【0003】
現在では、画像撮影技術の精度の向上に伴って、細い道路の形状やビル、または小さな建物にいたるまで、詳細に地物を判読することが可能な設備を備えた地球観測衛星が次々と打ち上げられている。現在ではピクセル分解能1m以下の衛星画像を商用ベースで利用することが可能となってきた。
【0004】
平面画像の撮影のみでなく、立体感をもつステレオ撮影を行うことが出来る設備を備えた地球観測衛星が近年増えてきている。地球観測衛星から撮影されたステレオ画像からは、数値標高モデルやステレオ図化による地形図、地図の作図を行うことが可能である。
【0005】
そのため、地球観測衛星から撮影された衛星画像を利用した地理空間情報の取得、例えば地形図や地図作成などを行うことが一般的になりつつある。衛星画像の分解能がメートル以下級であり、かつ、ステレオ画像が入手可能になったことから、海外や現地調査が困難な地域に関して、より詳細な地形図や地図を衛星画像から作成しようとする機会が多くなってきた。
【0006】
下記特許文献1には、左右の航空写真画像データと左右画像のカメラ情報、及び、標定要素情報及びユーザの指定したステレオペア画像データに基づいて、取得済みの3次元地図データを入手し、この3次元地図データと上記ステレオペア画像データとに基づいて立体観測して3次元計測し、当該地物の3次元座標データを得ることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−165501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
地球観測衛星で撮影される衛星画像には、単画像撮影によって取得される単画像とステレオ撮影によって取得されるステレオ画像とが存在する。地球観測衛星から撮影された単画像やステレオ画像は、ともに地形図や地図の更新、作成に使用されており、特にステレオ画像は地形図や地図作成分野において単画像より有用である。
【0009】
しかしながら、ステレオ画像を撮影する設備を備えた人工衛星は高価であり総数も少ないため、現在までにアーカイブされている高分解能の衛星画像のほとんどが単画像であり、ステレオ画像が関心地域に存在しない場合がほとんどである。
【0010】
また、上記特許文献1の技術も、飛行機に立体画像を作成するための左右の航空写真画像データを取得するための設備が設けられていることが前提となる。
【0011】
本発明は、複数の単画像にそれぞれオーバーラップ領域がある場合、その複数の画像の組合せの中から、ステレオ画像と同等の効果を持つステレオペアを検索することが出来るステレオペア検索技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記問題を達成するために、本発明によるステレオペア検索システムは、地図データベースと衛星画像撮影情報データベースと衛星軌道情報データベースと標高情報データベースを備えたホストシステムと、ホストシステムにネットワークを通して接続され、関心地域の地理情報を指定し、その指定地域に存在するステレオペア検索結果を表示するホスト端末から成り、ホストシステムには衛星画像撮影情報データベースと衛星軌道情報データベースを更新する手段と、更新された衛星画像撮影情報と衛星軌道情報を利用して、ホスト端末から指定された関心地域に存在している複数の衛星画像を検索する手段と、検索された複数の画像から2枚の衛星画像を抜き出し、ステレオペア条件を計算する手段と、計算されたステレオペア条件角からステレオペアを検索する手段と、検索したステレオペアの条件の優劣を計算する手段を設けたものである。
【0013】
本発明の一観点によれば、画像検索場所の地理座標情報と人工衛星により撮影された衛星画像を格納する衛星画像撮影データベースに格納された衛星画像のポリゴン情報とに基づいて、前記画像検索場所とオーバーラップする領域を有する衛星画像を検索する衛星画像検索部と、前記衛星画像検索部によって検索された衛星画像が複数存在する場合に、複数の前記衛星画像のそれぞれの組み合わせについて、各衛星画像を撮影した際の人工衛星の位置座標とそれぞれの衛星画像の中心座標とを3次元で特定する衛星位置特定部と、前記複数の衛星画像のうちの任意の対となる第1の衛星画像と第2の衛星画像とを撮影した第1の衛星位置と第2の撮影位置と、対応する前記中心座標と、に基づいて、ステレオペア条件を演算するステレオペア角演算部と、前記ステレオペア角演算部が演算したステレオペア条件のうち、ステレオペア画像となりうるステレオペア条件を満たす衛星画像の対を抽出するステレオペア画像抽出部と、を有することを特徴とするステレオペア検索装置が提供される。
【0014】
前記衛星位置特定部は、前記中心座標から、撮影された地点から見た撮影時の前記人工衛星が存在している位置を表す衛星方位角で示される方向に伸ばした第1の直線と、前記撮影時の前記人工衛星の衛星軌道との交点を特定し、当該交点の2次元位置に対応する高さを衛星軌道データベースより求めることができる。
【0015】
前記ステレオペア角演算部は、前記第1の衛星位置と前記画像検索場所の中心位置とを結ぶ第2の直線と、前記第2の衛星位置と前記画像検索場所の中心位置とを結ぶ第3の直線との成す収束角の2等分線と前記第1の衛星位置と前記第2の衛星位置とを結ぶ第4の直線との交点からの前記第4の直線に対する垂線と前記2等分線とのの成す非対称角と、前記第1の衛星位置と前記第2の衛星位置と前記中心位置とを含む平面と地表面との成す角のうち前記2等分線と、前記交点から地表面に下ろした垂線の交点と前記中心位置とを結ぶ線分から成す角である2等分線仰角とを求めることができる。
【0016】
前記収束角と前記非対称角と前記2等分線仰角との3つの角度が、それぞれ、30°≦収束角704≦60°、非対称角705≦20°、60°≦2等分線仰角713≦90°のステレオ3条件を全て満たす画像のペアを検索するステレオペア画像検索部を有することが好ましい。
【0017】
前記衛星位置特定部が求めた前記第1の衛星位置と前記第2の撮影位置の座標と、前記中心座標とを、3次元直角座標系に変換する座標変換部を備えることが好ましい。
【0018】
また、本発明は、地図データベースと衛星画像撮影情報データベース、衛星軌道データベースと標高情報データベースを備えたステレオペア検索装置と端末装置とからなるス衛星軌道データベーステレオペア検索システムであって、前記ステレオペア検索装置は、画像検索場所の地理座標情報と人工衛星により撮影された衛星画像を格納する前記衛星画像撮影データベースに格納された衛星画像のポリゴン情報とに基づいて、前記画像検索場所とオーバーラップする領域を有する衛星画像を検索する衛星画像検索部と、前記衛星画像検索部によって検索された衛星画像が複数存在する場合に、複数の前記衛星画像のそれぞれの組み合わせについて、各衛星画像を撮影した際の人工衛星の位置座標とそれぞれの衛星画像の中心座標とを前記衛星軌道データベースに基づいて3次元で特定する衛星位置特定部と、前記複数の衛星画像のうちの任意の対となる第1の衛星画像と第2の衛星画像とを撮影した第1の衛星位置と第2の撮影位置と、対応する前記中心座標と、に基づいて、ステレオペア条件を演算するステレオペア角演算部と、前記ステレオペア角演算部が演算したステレオペア条件のうち、ステレオペア画像となりうるステレオペア条件を満たす衛星画像の対を前記衛星画像撮影情報データベースから抽出するステレオペア画像抽出部と、を有し、前記端末装置は、前記画像検索場所を入力して前記ステレオペア検索装置に送る入力部と、前記ステレオペア画像抽出部により抽出されたステレオペア画像を表示する表示部と、を有することを特徴とするステレオペア検索システムである。
【0019】
また、本発明は、地図データベースと衛星画像撮影情報データベース、衛星軌道データベースと標高情報データベースを備えたステレオペア検索装置と端末装置とからなるステレオペア検索システムにおけるステレオペア検索方法であって、前記端末装置から入力された画像検索場所の地理座標情報と人工衛星により撮影された衛星画像を格納する前記衛星画像撮影データベースに格納された衛星画像のポリゴン情報とに基づいて、前記画像検索場所とオーバーラップする領域を有する衛星画像を検索する衛星画像検索ステップと、前記衛星画像検索ステップによって検索された衛星画像が複数存在する場合に、複数の前記衛星画像のそれぞれの組み合わせについて、各衛星画像を撮影した際の人工衛星の位置座標とそれぞれの衛星画像の中心座標とを前記衛星軌道データベースに基づいて3次元で特定する衛星位置特定ステップと、前記複数の衛星画像のうちの任意の対となる第1の衛星画像と第2の衛星画像とを撮影した第1の衛星位置と第2の撮影位置と、対応する前記中心座標と、に基づいて、ステレオペア条件を演算するステレオペア角演算ステップと、前記ステレオペア角演算ステップにより演算されたステレオペア条件のうち、ステレオペア画像となりうるステレオペア条件を満たす衛星画像の対を前記衛星画像撮影情報データベースから抽出するステレオペア画像抽出ステップと、を行うことを特徴とするステレオペア検索方法が提供される。
【0020】
本発明は、上記のステレオペア検索方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、当該プログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体であっても良い。
【発明の効果】
【0021】
本発明の地図関連情報配信システムによれば、次のような効果がある。
ステレオ画像が存在しない地域であっても、その地域に撮影日の異なる単画像または同日撮影でも異なる単画像が複数枚存在していれば、それらの単画像の組合せから、ステレオ画像と同等の効果のあるステレオペアを検索することにより、単画像の用途を拡大することができる。
【0022】
ステレオ画像であってもステレオ条件の優劣が存在する。そのため、関心地域によってはステレオ画像より、ステレオ条件が良いステレオペアを検索することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1A】本発明の一実施の形態によるステレオペア検索装置を含むシステムの一構成例を示す機能ブロック図である。
【図1B】検索処理部の詳細な構成例を示す図である。
【図2A】図2A(a)は、衛星画像撮影情報データベース(DB)に格納されているデータの構成例を示す図である。図2A(b)は、ポリゴン情報の一例を示した図である。
【図2B】衛星軌道情報データベース(DB)の一構成例を示す図である。
【図3】ステレオペア検索システムのホスト端末におけるステレオペア検索の際の表示例を示す図である。検索結果例も併せて示した図である。
【図4A】ステレオペア画像の検索処理の流れを示すフローチャート図である。
【図4B】各衛星画像に対する衛星位置を求める処理の一例を示すフローチャート図である。
【図4C】ステレオペア条件角を求める処理の一例を示すフローチャート図である。
【図5】衛星方位角と衛星軌道の交点の座標を求める処理の様子の一例を示す図である。
【図6】3次元直角座標系の例を示す図である。
【図7】ステレオペア条件を求める処理例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ステレオ撮影されていない単画像のアーカイブ数は年々増加しており、同一地域に存在する単画像が複数枚存在する場所もかなり多くなってきている。発明者は、関心地域に複数枚存在している単画像のステレオペア、すなわち異なる2枚の単画像の組合せを検索することが出来れば、そのステレオペアにステレオ画像と同等の有用性を持たせることが出来る点に着目した。
【0025】
以下、本発明の一実施の形態による単画像からのステレオペア検索技術について図面を参照しながら説明する。図1Aは、本実施の形態による単画像からのステレオペア検索装置を含むステレオペア検索システムの一構成例を示す機能ブロック図である。図1Aに示すように、本実施の形態によるステレオペア検索システムは、一般的な2次元の地図データを格納する地図データベース(DB)106と、人工衛星等が高空から撮影した衛星画像を格納する衛星画像撮影情報データベース(DB)107と、人工衛星の軌道(位置と時刻との対応)情報を格納する衛星軌道情報データベース(DB)108と、2次元的な位置に対する地表からの高さである標高情報を格納する標高情報データベース113(DB)と、を備え(又はネットワーク接続され)たホストシステム109と、ホストシステム109に対して、画像検索対象地域の緯度経度情報等を与えるための入力部111と、検索結果を表示する表示部112とを備えたホスト端末101と、を有している。
【0026】
ホストシステム109の地図データベース106は、例えば、全世界の地図をWeb経由で扱うことの出来るように地図データが格納されている。それぞれの地図データには、2次元的な位置情報が関連付けされており、この位置情報を持った地図データが登録されている。この位置情報を持った地図データにより、表示部112等に地図を表示させたり、地図上におけるあるポイント等の位置データを地図上の1点を指示する操作等により取得することもできるように構成されている。
【0027】
ホストシステム109の衛星画像撮影情報データベース107は、図2A(a)、(b)に示すように、緯度(y)、経度(x)のポイントP(x,y)で構成された図形が登録されたポリゴン情報201、撮影した画像を一意に特定する識別子であるカタログID202、対象となる衛星画像を撮影した撮影日時203、撮影された地点から見た撮影時の地球観測衛星が存在している位置を表す衛星方位角204、衛星センサーの鉛直方向と撮影方向とのなす角であるオフナディア角205など、各地球観測衛星が撮影した各画像を特定するカタログIDに対して、画像の撮影条件等の情報が登録されている。尚、衛星画像の撮影条件は、地球観測衛星を管理している各ベンダーから異なるフォーマットで公開されている場合が多いため、ホストシステム109の衛星画像撮影情報データ処理部104において、フォーマットの統一を行う。ポリゴン情報201は、例えば、図2A(b)に示すような4角形のポリゴンの場合には、{(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)、(x1,y1)}のように、閉じた多角形の各頂点の位置の組で示される。
【0028】
ホストシステム109の衛星軌道情報データベース108には、各地球観測衛星の軌道情報が登録されている。軌道情報は、例えば北アメリカ航空宇宙防衛司令部などから2行軌道要素形式として公開されているデータなどを利用することができる。また地球観測衛星を管理する各ベンダーから衛星軌道が公開されている場合があり、これらを利用することもできる。これら公開されている衛星軌道情報のフォーマット統一を、ホストシステム109の衛星軌道データ処理部110において行う。
【0029】
衛星画像撮影情報データベース107や衛星軌道情報データベース108に格納されている情報は、定期的に更新されるようになっている。そのため、ホストシステム109に搭載されたDB更新部103において、ネットワーク102を経由して定期的に最新の情報を取得し、取得した衛星画像撮影情報は衛星画像撮影情報データ処理部104において最新のデータが作成され、衛星軌道情報は衛星軌道データ処理部110において最新のデータが作成され、各データベースの内容をDB更新部103において更新することができるように構成されている。
【0030】
ホストシステム109の標高情報データベース113には、数値標高モデルが登録されている。数値標高モデルには、例えば、SRTMやGTOPO30、USGS NED、国内では国土地理院より基盤地図情報数値標高モデルとして公開されているデータなどを用いることができる。
【0031】
ホスト端末101は、表示部112と、入力部111と、を含んで構成されており、ネットワーク102を介してホストシステム109と接続されている。ホスト端末101では、Webブラウザを通して衛星画像撮影情報データベース107に格納されたデータの検索、表示、閲覧等の要求を行う操作や、衛星軌道情報データベース108に格納されている衛星軌道情報を表示部112に表示させるための操作が可能であり、また、入力部111より関心地域の地理情報を入力し、関心地域におけるステレオペア画像の検索結果を表示部112に表示させることが可能である。関心地域の地理情報は、例えば、ポリゴン情報またはポイント情報である。ポリゴン情報またはポイント情報で構成された関心地域を、以下、「関心地域地理情報」と称する。
【0032】
図3は、ホスト端末101の表示部112に表示させた表示例である。図3に示すように、表示部112にWebブラウザを通して地図データベース106に格納された例えば関東地方の地図308を表示させ、その地図308上に、衛星画像撮影情報データベース107に格納されている衛星画像撮影ポリゴン情報301(301−1、301−2、301−3、…、301−n(nは整数))、衛星軌道情報データベース108に格納されている軌道情報302〜305を表示させることができる。また、入力部307を用いて、関心地域地理情報をポイント情報として指定することが可能である(311)。ここでは、緯度と経度との入力により、ポイント情報を指定することができる。
【0033】
または、地図308上のポリゴン306で示すように、マウスを利用してポインタ312により図形を描き、関心地域地理情報をポリゴン情報で指定することも可能である。
【0034】
以上のように、関心地域地理情報を指定した後に、検索ボタン310をクリック等することにより、関心地域情報を包含する衛星画像撮影ポリゴン情報301を有するステレオペア画像を検索することが可能であり、検索結果309として表示される。
【0035】
図3では、衛星画像撮影ポリゴン情報301(301−1、301−2、301−3)を有する単画像が、関心地域情報を含むポリゴン306を包含する単画像であることから、この例では、3つの単画像がステレオペア画像の候補として検索されていることがわかる。
【0036】
検索結果309に表示されるステレオペア画像は、お互いのカタログIDで対応付けされている。ここでは、全てのステレオペアが表示されるため、上記のように、例えば衛星画像撮影ポリゴン情報301(301−1、301−2、301−3)に基づく3枚の画像が得られた場合には、その組み合わせとして3通りの情報が表示されることになる。併せて、後述する収束角、非対象角、2等分線仰角が表示され、ステレオペアとして好ましいかどうかの指標とすることができる。
【0037】
図1Bは、検索処理部105の詳細な構成例を示す図である。図1Bに示すように、検索処理部105は、画像検索場所の地理座標情報を受け付ける地理座標情報受信部105−1と、画像検索場所の地理座標情報における衛星画像の検索を行う衛星画像検索部105−2と、衛星位置を特定する衛星位置特定部105−3と、ステレオペア角の算出を行うステレオペア角演算部105−4と、条件の良いステレオペア画像を抽出するステレオペア画像抽出部105−5と、抽出されたステレオペア画像をホスト端末101に出力するステレオペア画像出力部105−6と、各種の情報を記憶する記憶部105−7と、有しており、メモリ105−7に記憶されるプログラムに基づいて図示しないCPUにより処理を行うことができる。
【0038】
図4Aは、ステレオペア検索システムにおけるステレオペア画像検索処理の概要を示すフローチャート図である。ステレオペア検索システムでは、まず、ホスト端末101の入力部111から入力された(ステップS401)関心地域地理情報(画像検索場所の地理座標情報)を検索処理部105の地理座標情報受信部105−1が受信する。
【0039】
衛星画像検索部105−2では、関心地域地理情報と衛星画像撮影データベース107に格納された撮影情報のポリゴン情報201とから、関心地域地理情報とオーバーラップがある衛星画像を検索し(図5参照)、検索された衛星画像のカタログIDをリストとして、例えば、記憶部105−7に保持する(ステップS402)。
【0040】
ステップS403において、衛星画像検索部105−2で検索されたカタログIDが2つ以上存在しているか確認し、検索されたカタログIDが2つ以上存在していなかった場合は(ステップS403でNO)、検索結果が2枚未満であったため、ステレオペア画像を検索できなかった旨を、表示部112に表示する(ステップS407)。
【0041】
検索されたカタログIDが2枚以上あった場合には(ステップS403でYES)、衛星位置特定部105−3が、各画像を撮影した際の地球観測衛星の位置座標と、それら画像の中心座標を3次元にて特定する。この処理S404の詳細な流れを図4Bのフローチャート図に示す。図5には、衛星方位角と衛星軌道の交点の座標を求める処理の様子を示す。図5に示すように、撮影の中心座標(x0,y0,z0)501を求める場合には、2次元のx0,y0は、図2に示すポリゴン情報201から最小外接矩形を計算し、その中心座標として求めることができる。また、z0は、標高情報データベース113から(x0,y0)に対応する標高値として求めることができる(ステップS404−1)。
【0042】
次に、撮影の中心座標501から図2の衛星方位角θ204に示した方向に直線502を伸ばし(ステップS404−2)、直線502と衛星軌道情報505〜508との交点1(x1,y1)503または交点2(x2,y2)504を求める(ステップS404−3)。ただし、軌道情報505〜508は2次元データとして扱い、衛星軌道情報の高度はここでは考えない。交点1 503、交点2 504は、地球観測衛星の軌道により複数存在し、交点の存在する個数は地球観測衛星の軌道により異なる。軌道情報505〜508の情報のうち、図2のデータの撮影日時203と同じ日時の軌道情報を取得し、その衛星軌道と直線502との交点を1点特定する(ステップS404−4)。ここでは、説明の都合上、交点1(x1,y1)503を、衛星方位角の直線502と軌道情報の交点と確定したとする。求めた交点1(x1,y1)503に対応するz1の値を、衛星軌道情報データベース113から求める。各画像に対し、上記手順を繰り返し、衛星軌道情報上の交点n(xn,yn,zn)509を検索された画像の枚数分求める(ステップS404−5)。
【0043】
図6に示すように、求めた交点1 503〜交点n 509に対し、撮影の中心座標501を(X0,Y0,Z0)に、交点1 503は(X1,Y1,Z1)、交点n 509は(Xn,Yn,Zn)の3次元直角座標系に変換し、座標系の統一を行う(ステップS404−6)。(以上、図4AのステップS404)
【0044】
ステップS404で求めた各座標値を元に、ステレオペア演算部105−4が、図7に示すようにステレオペア条件を計算する(ステップS405)。以下に、ステップS405の詳細について、図4Cと図7とを参照しながら説明する。ステレオペア条件は衛星撮影位置701ともう一方の撮影位置702と、撮影の中心703からなる収束角704と、収束角704の角の2等分線706と2衛衛星間の直線707の交点709を求め(ステップS405−1)、その交点709から2衛星間の直線707に対する垂線708を引き(ステップS405−2)、垂線708と角の2等分線706との成す角である非対称角705と、2衛星の位置701,702と撮影の中心703の3点から構成される平面710と地表面711との成す角のうち、2等分線706と、交点709から地表面711に下ろした垂線の交点712と撮影の中心703を結ぶ線分から成す角である2等分線仰角713から構成されており、ステップS404で求めた各座標から3角関数を用いて求めることがでえる(ステップS405−3)。(以上ステップ405)
【0045】
次いで、ステップS406において、ステレオペア画像検索部105−5が、ステレオ条件である収束角704と非対称角705と2等分線仰角713の3つの角度が、それぞれ、30°≦収束角703≦60°、非対称角705≦20°、60°≦2等分線仰角713≦90°のステレオ3条件を全て満たす画像のペアを検索する。この条件は、ステレオペアとして好ましい条件であり、条件の具体的な値は可変であるが、基本的には、上記の条件で検索をすることが好ましい。
【0046】
ステレオ3条件を満たす画像のペアがステレオペアとなる。この検索されたステレオペアをステレオ条件が良い順に並べる。以下の式にて計算される値が大きい方が、ステレオ条件が良いペアとする。
(1−(収束角703―30)/100)×α+(1−非対称角705/100)×β+(1−(90−2等分線仰角713)/100)×γ
ここでα、β、γは整数である。(ステップ406)
【0047】
ステレオペア画像出力部105−5は、検索された画像のペアは条件の良い順に、ホスト端末101にステレオペア画像を出力され、このステレオペア画像が、ホスト端末101の表示部112に表示され、検索処理が終了する。(ステップS407)
以上に説明したように、本実施の形態によれば、複数の単画像に基づいて、ステレオペアに適した単画像のペアを検索し、それに基づいてステレオ画像を作成することができるので、単画像の用途を拡大し、より多くのステレオ画像を得ることができる。
【0048】
上記の実施の形態において、添付図面に図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0049】
例えば、ステレオペア画像を検索する際に、撮影する季節の近い画像、時期の近い画像、天候が似た画像を優先的にペアとするようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、立体画像生成装置として利用できる。
【符号の説明】
【0051】
101…ホスト端末、102…公衆回線網、103…DB更新部、104…衛星画像撮影情報データ処理部、105…検索処理部、105−1…地理座標情報受信部、105−2…衛星画像検索部、105−3…衛星位置特定部、105−4…ステレオペア角演算部、105−5…ステレオペア画像抽出部、105−6…ステレオペア画像出力部、105−7…記憶部、106…地図データベース、107…衛星画像撮影情報データベース、108…衛星軌道情報データベース、109…ホストシステム、110…衛星軌道データ処理部、111…入力部、112…表示部、113…標高情報データベース、201…ポリゴン情報、202…カタログID、203…撮影日、204…衛星方位角、205…オフナディア角、301…衛星画像検索結果、302〜305…衛星軌道情報、306…マウスポインタ、307…位置情報入力部、308…地図データ、309…検索結果、310…検索ボタン、501…撮影の中心、502…直線、503、504、509…交点、505〜508…軌道情報、701、702…衛星の位置、703…撮影の中心、704…収束角、705…非対称角、706…角の2等分線、707…2衛星間の直線、708…垂線、709…交点、710…平面、711…地表面、712…交点、713…2等分線仰角。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像からのステレオペア検索技術に関し、特に、地球観測衛星から撮影された画像のうち、同一地点の複数の単画像から、ステレオ画像と同等の立体感を持つ単画像のペア(ステレオペア)を検索する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
1972年に地球観測衛星であるLandSatが打ち上げられて以来、地球観測衛星で撮影された画像を利用して、衛星や惑星の地形図や土地被覆分類、地図の作成などの地理空間情報を取得する試みが数多く行われてきた。以下、地球観測衛星と称するが、撮影対象は地球に限定されず、他の衛星や惑星などを含む。
【0003】
現在では、画像撮影技術の精度の向上に伴って、細い道路の形状やビル、または小さな建物にいたるまで、詳細に地物を判読することが可能な設備を備えた地球観測衛星が次々と打ち上げられている。現在ではピクセル分解能1m以下の衛星画像を商用ベースで利用することが可能となってきた。
【0004】
平面画像の撮影のみでなく、立体感をもつステレオ撮影を行うことが出来る設備を備えた地球観測衛星が近年増えてきている。地球観測衛星から撮影されたステレオ画像からは、数値標高モデルやステレオ図化による地形図、地図の作図を行うことが可能である。
【0005】
そのため、地球観測衛星から撮影された衛星画像を利用した地理空間情報の取得、例えば地形図や地図作成などを行うことが一般的になりつつある。衛星画像の分解能がメートル以下級であり、かつ、ステレオ画像が入手可能になったことから、海外や現地調査が困難な地域に関して、より詳細な地形図や地図を衛星画像から作成しようとする機会が多くなってきた。
【0006】
下記特許文献1には、左右の航空写真画像データと左右画像のカメラ情報、及び、標定要素情報及びユーザの指定したステレオペア画像データに基づいて、取得済みの3次元地図データを入手し、この3次元地図データと上記ステレオペア画像データとに基づいて立体観測して3次元計測し、当該地物の3次元座標データを得ることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−165501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
地球観測衛星で撮影される衛星画像には、単画像撮影によって取得される単画像とステレオ撮影によって取得されるステレオ画像とが存在する。地球観測衛星から撮影された単画像やステレオ画像は、ともに地形図や地図の更新、作成に使用されており、特にステレオ画像は地形図や地図作成分野において単画像より有用である。
【0009】
しかしながら、ステレオ画像を撮影する設備を備えた人工衛星は高価であり総数も少ないため、現在までにアーカイブされている高分解能の衛星画像のほとんどが単画像であり、ステレオ画像が関心地域に存在しない場合がほとんどである。
【0010】
また、上記特許文献1の技術も、飛行機に立体画像を作成するための左右の航空写真画像データを取得するための設備が設けられていることが前提となる。
【0011】
本発明は、複数の単画像にそれぞれオーバーラップ領域がある場合、その複数の画像の組合せの中から、ステレオ画像と同等の効果を持つステレオペアを検索することが出来るステレオペア検索技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記問題を達成するために、本発明によるステレオペア検索システムは、地図データベースと衛星画像撮影情報データベースと衛星軌道情報データベースと標高情報データベースを備えたホストシステムと、ホストシステムにネットワークを通して接続され、関心地域の地理情報を指定し、その指定地域に存在するステレオペア検索結果を表示するホスト端末から成り、ホストシステムには衛星画像撮影情報データベースと衛星軌道情報データベースを更新する手段と、更新された衛星画像撮影情報と衛星軌道情報を利用して、ホスト端末から指定された関心地域に存在している複数の衛星画像を検索する手段と、検索された複数の画像から2枚の衛星画像を抜き出し、ステレオペア条件を計算する手段と、計算されたステレオペア条件角からステレオペアを検索する手段と、検索したステレオペアの条件の優劣を計算する手段を設けたものである。
【0013】
本発明の一観点によれば、画像検索場所の地理座標情報と人工衛星により撮影された衛星画像を格納する衛星画像撮影データベースに格納された衛星画像のポリゴン情報とに基づいて、前記画像検索場所とオーバーラップする領域を有する衛星画像を検索する衛星画像検索部と、前記衛星画像検索部によって検索された衛星画像が複数存在する場合に、複数の前記衛星画像のそれぞれの組み合わせについて、各衛星画像を撮影した際の人工衛星の位置座標とそれぞれの衛星画像の中心座標とを3次元で特定する衛星位置特定部と、前記複数の衛星画像のうちの任意の対となる第1の衛星画像と第2の衛星画像とを撮影した第1の衛星位置と第2の撮影位置と、対応する前記中心座標と、に基づいて、ステレオペア条件を演算するステレオペア角演算部と、前記ステレオペア角演算部が演算したステレオペア条件のうち、ステレオペア画像となりうるステレオペア条件を満たす衛星画像の対を抽出するステレオペア画像抽出部と、を有することを特徴とするステレオペア検索装置が提供される。
【0014】
前記衛星位置特定部は、前記中心座標から、撮影された地点から見た撮影時の前記人工衛星が存在している位置を表す衛星方位角で示される方向に伸ばした第1の直線と、前記撮影時の前記人工衛星の衛星軌道との交点を特定し、当該交点の2次元位置に対応する高さを衛星軌道データベースより求めることができる。
【0015】
前記ステレオペア角演算部は、前記第1の衛星位置と前記画像検索場所の中心位置とを結ぶ第2の直線と、前記第2の衛星位置と前記画像検索場所の中心位置とを結ぶ第3の直線との成す収束角の2等分線と前記第1の衛星位置と前記第2の衛星位置とを結ぶ第4の直線との交点からの前記第4の直線に対する垂線と前記2等分線とのの成す非対称角と、前記第1の衛星位置と前記第2の衛星位置と前記中心位置とを含む平面と地表面との成す角のうち前記2等分線と、前記交点から地表面に下ろした垂線の交点と前記中心位置とを結ぶ線分から成す角である2等分線仰角とを求めることができる。
【0016】
前記収束角と前記非対称角と前記2等分線仰角との3つの角度が、それぞれ、30°≦収束角704≦60°、非対称角705≦20°、60°≦2等分線仰角713≦90°のステレオ3条件を全て満たす画像のペアを検索するステレオペア画像検索部を有することが好ましい。
【0017】
前記衛星位置特定部が求めた前記第1の衛星位置と前記第2の撮影位置の座標と、前記中心座標とを、3次元直角座標系に変換する座標変換部を備えることが好ましい。
【0018】
また、本発明は、地図データベースと衛星画像撮影情報データベース、衛星軌道データベースと標高情報データベースを備えたステレオペア検索装置と端末装置とからなるス衛星軌道データベーステレオペア検索システムであって、前記ステレオペア検索装置は、画像検索場所の地理座標情報と人工衛星により撮影された衛星画像を格納する前記衛星画像撮影データベースに格納された衛星画像のポリゴン情報とに基づいて、前記画像検索場所とオーバーラップする領域を有する衛星画像を検索する衛星画像検索部と、前記衛星画像検索部によって検索された衛星画像が複数存在する場合に、複数の前記衛星画像のそれぞれの組み合わせについて、各衛星画像を撮影した際の人工衛星の位置座標とそれぞれの衛星画像の中心座標とを前記衛星軌道データベースに基づいて3次元で特定する衛星位置特定部と、前記複数の衛星画像のうちの任意の対となる第1の衛星画像と第2の衛星画像とを撮影した第1の衛星位置と第2の撮影位置と、対応する前記中心座標と、に基づいて、ステレオペア条件を演算するステレオペア角演算部と、前記ステレオペア角演算部が演算したステレオペア条件のうち、ステレオペア画像となりうるステレオペア条件を満たす衛星画像の対を前記衛星画像撮影情報データベースから抽出するステレオペア画像抽出部と、を有し、前記端末装置は、前記画像検索場所を入力して前記ステレオペア検索装置に送る入力部と、前記ステレオペア画像抽出部により抽出されたステレオペア画像を表示する表示部と、を有することを特徴とするステレオペア検索システムである。
【0019】
また、本発明は、地図データベースと衛星画像撮影情報データベース、衛星軌道データベースと標高情報データベースを備えたステレオペア検索装置と端末装置とからなるステレオペア検索システムにおけるステレオペア検索方法であって、前記端末装置から入力された画像検索場所の地理座標情報と人工衛星により撮影された衛星画像を格納する前記衛星画像撮影データベースに格納された衛星画像のポリゴン情報とに基づいて、前記画像検索場所とオーバーラップする領域を有する衛星画像を検索する衛星画像検索ステップと、前記衛星画像検索ステップによって検索された衛星画像が複数存在する場合に、複数の前記衛星画像のそれぞれの組み合わせについて、各衛星画像を撮影した際の人工衛星の位置座標とそれぞれの衛星画像の中心座標とを前記衛星軌道データベースに基づいて3次元で特定する衛星位置特定ステップと、前記複数の衛星画像のうちの任意の対となる第1の衛星画像と第2の衛星画像とを撮影した第1の衛星位置と第2の撮影位置と、対応する前記中心座標と、に基づいて、ステレオペア条件を演算するステレオペア角演算ステップと、前記ステレオペア角演算ステップにより演算されたステレオペア条件のうち、ステレオペア画像となりうるステレオペア条件を満たす衛星画像の対を前記衛星画像撮影情報データベースから抽出するステレオペア画像抽出ステップと、を行うことを特徴とするステレオペア検索方法が提供される。
【0020】
本発明は、上記のステレオペア検索方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、当該プログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体であっても良い。
【発明の効果】
【0021】
本発明の地図関連情報配信システムによれば、次のような効果がある。
ステレオ画像が存在しない地域であっても、その地域に撮影日の異なる単画像または同日撮影でも異なる単画像が複数枚存在していれば、それらの単画像の組合せから、ステレオ画像と同等の効果のあるステレオペアを検索することにより、単画像の用途を拡大することができる。
【0022】
ステレオ画像であってもステレオ条件の優劣が存在する。そのため、関心地域によってはステレオ画像より、ステレオ条件が良いステレオペアを検索することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1A】本発明の一実施の形態によるステレオペア検索装置を含むシステムの一構成例を示す機能ブロック図である。
【図1B】検索処理部の詳細な構成例を示す図である。
【図2A】図2A(a)は、衛星画像撮影情報データベース(DB)に格納されているデータの構成例を示す図である。図2A(b)は、ポリゴン情報の一例を示した図である。
【図2B】衛星軌道情報データベース(DB)の一構成例を示す図である。
【図3】ステレオペア検索システムのホスト端末におけるステレオペア検索の際の表示例を示す図である。検索結果例も併せて示した図である。
【図4A】ステレオペア画像の検索処理の流れを示すフローチャート図である。
【図4B】各衛星画像に対する衛星位置を求める処理の一例を示すフローチャート図である。
【図4C】ステレオペア条件角を求める処理の一例を示すフローチャート図である。
【図5】衛星方位角と衛星軌道の交点の座標を求める処理の様子の一例を示す図である。
【図6】3次元直角座標系の例を示す図である。
【図7】ステレオペア条件を求める処理例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ステレオ撮影されていない単画像のアーカイブ数は年々増加しており、同一地域に存在する単画像が複数枚存在する場所もかなり多くなってきている。発明者は、関心地域に複数枚存在している単画像のステレオペア、すなわち異なる2枚の単画像の組合せを検索することが出来れば、そのステレオペアにステレオ画像と同等の有用性を持たせることが出来る点に着目した。
【0025】
以下、本発明の一実施の形態による単画像からのステレオペア検索技術について図面を参照しながら説明する。図1Aは、本実施の形態による単画像からのステレオペア検索装置を含むステレオペア検索システムの一構成例を示す機能ブロック図である。図1Aに示すように、本実施の形態によるステレオペア検索システムは、一般的な2次元の地図データを格納する地図データベース(DB)106と、人工衛星等が高空から撮影した衛星画像を格納する衛星画像撮影情報データベース(DB)107と、人工衛星の軌道(位置と時刻との対応)情報を格納する衛星軌道情報データベース(DB)108と、2次元的な位置に対する地表からの高さである標高情報を格納する標高情報データベース113(DB)と、を備え(又はネットワーク接続され)たホストシステム109と、ホストシステム109に対して、画像検索対象地域の緯度経度情報等を与えるための入力部111と、検索結果を表示する表示部112とを備えたホスト端末101と、を有している。
【0026】
ホストシステム109の地図データベース106は、例えば、全世界の地図をWeb経由で扱うことの出来るように地図データが格納されている。それぞれの地図データには、2次元的な位置情報が関連付けされており、この位置情報を持った地図データが登録されている。この位置情報を持った地図データにより、表示部112等に地図を表示させたり、地図上におけるあるポイント等の位置データを地図上の1点を指示する操作等により取得することもできるように構成されている。
【0027】
ホストシステム109の衛星画像撮影情報データベース107は、図2A(a)、(b)に示すように、緯度(y)、経度(x)のポイントP(x,y)で構成された図形が登録されたポリゴン情報201、撮影した画像を一意に特定する識別子であるカタログID202、対象となる衛星画像を撮影した撮影日時203、撮影された地点から見た撮影時の地球観測衛星が存在している位置を表す衛星方位角204、衛星センサーの鉛直方向と撮影方向とのなす角であるオフナディア角205など、各地球観測衛星が撮影した各画像を特定するカタログIDに対して、画像の撮影条件等の情報が登録されている。尚、衛星画像の撮影条件は、地球観測衛星を管理している各ベンダーから異なるフォーマットで公開されている場合が多いため、ホストシステム109の衛星画像撮影情報データ処理部104において、フォーマットの統一を行う。ポリゴン情報201は、例えば、図2A(b)に示すような4角形のポリゴンの場合には、{(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)、(x1,y1)}のように、閉じた多角形の各頂点の位置の組で示される。
【0028】
ホストシステム109の衛星軌道情報データベース108には、各地球観測衛星の軌道情報が登録されている。軌道情報は、例えば北アメリカ航空宇宙防衛司令部などから2行軌道要素形式として公開されているデータなどを利用することができる。また地球観測衛星を管理する各ベンダーから衛星軌道が公開されている場合があり、これらを利用することもできる。これら公開されている衛星軌道情報のフォーマット統一を、ホストシステム109の衛星軌道データ処理部110において行う。
【0029】
衛星画像撮影情報データベース107や衛星軌道情報データベース108に格納されている情報は、定期的に更新されるようになっている。そのため、ホストシステム109に搭載されたDB更新部103において、ネットワーク102を経由して定期的に最新の情報を取得し、取得した衛星画像撮影情報は衛星画像撮影情報データ処理部104において最新のデータが作成され、衛星軌道情報は衛星軌道データ処理部110において最新のデータが作成され、各データベースの内容をDB更新部103において更新することができるように構成されている。
【0030】
ホストシステム109の標高情報データベース113には、数値標高モデルが登録されている。数値標高モデルには、例えば、SRTMやGTOPO30、USGS NED、国内では国土地理院より基盤地図情報数値標高モデルとして公開されているデータなどを用いることができる。
【0031】
ホスト端末101は、表示部112と、入力部111と、を含んで構成されており、ネットワーク102を介してホストシステム109と接続されている。ホスト端末101では、Webブラウザを通して衛星画像撮影情報データベース107に格納されたデータの検索、表示、閲覧等の要求を行う操作や、衛星軌道情報データベース108に格納されている衛星軌道情報を表示部112に表示させるための操作が可能であり、また、入力部111より関心地域の地理情報を入力し、関心地域におけるステレオペア画像の検索結果を表示部112に表示させることが可能である。関心地域の地理情報は、例えば、ポリゴン情報またはポイント情報である。ポリゴン情報またはポイント情報で構成された関心地域を、以下、「関心地域地理情報」と称する。
【0032】
図3は、ホスト端末101の表示部112に表示させた表示例である。図3に示すように、表示部112にWebブラウザを通して地図データベース106に格納された例えば関東地方の地図308を表示させ、その地図308上に、衛星画像撮影情報データベース107に格納されている衛星画像撮影ポリゴン情報301(301−1、301−2、301−3、…、301−n(nは整数))、衛星軌道情報データベース108に格納されている軌道情報302〜305を表示させることができる。また、入力部307を用いて、関心地域地理情報をポイント情報として指定することが可能である(311)。ここでは、緯度と経度との入力により、ポイント情報を指定することができる。
【0033】
または、地図308上のポリゴン306で示すように、マウスを利用してポインタ312により図形を描き、関心地域地理情報をポリゴン情報で指定することも可能である。
【0034】
以上のように、関心地域地理情報を指定した後に、検索ボタン310をクリック等することにより、関心地域情報を包含する衛星画像撮影ポリゴン情報301を有するステレオペア画像を検索することが可能であり、検索結果309として表示される。
【0035】
図3では、衛星画像撮影ポリゴン情報301(301−1、301−2、301−3)を有する単画像が、関心地域情報を含むポリゴン306を包含する単画像であることから、この例では、3つの単画像がステレオペア画像の候補として検索されていることがわかる。
【0036】
検索結果309に表示されるステレオペア画像は、お互いのカタログIDで対応付けされている。ここでは、全てのステレオペアが表示されるため、上記のように、例えば衛星画像撮影ポリゴン情報301(301−1、301−2、301−3)に基づく3枚の画像が得られた場合には、その組み合わせとして3通りの情報が表示されることになる。併せて、後述する収束角、非対象角、2等分線仰角が表示され、ステレオペアとして好ましいかどうかの指標とすることができる。
【0037】
図1Bは、検索処理部105の詳細な構成例を示す図である。図1Bに示すように、検索処理部105は、画像検索場所の地理座標情報を受け付ける地理座標情報受信部105−1と、画像検索場所の地理座標情報における衛星画像の検索を行う衛星画像検索部105−2と、衛星位置を特定する衛星位置特定部105−3と、ステレオペア角の算出を行うステレオペア角演算部105−4と、条件の良いステレオペア画像を抽出するステレオペア画像抽出部105−5と、抽出されたステレオペア画像をホスト端末101に出力するステレオペア画像出力部105−6と、各種の情報を記憶する記憶部105−7と、有しており、メモリ105−7に記憶されるプログラムに基づいて図示しないCPUにより処理を行うことができる。
【0038】
図4Aは、ステレオペア検索システムにおけるステレオペア画像検索処理の概要を示すフローチャート図である。ステレオペア検索システムでは、まず、ホスト端末101の入力部111から入力された(ステップS401)関心地域地理情報(画像検索場所の地理座標情報)を検索処理部105の地理座標情報受信部105−1が受信する。
【0039】
衛星画像検索部105−2では、関心地域地理情報と衛星画像撮影データベース107に格納された撮影情報のポリゴン情報201とから、関心地域地理情報とオーバーラップがある衛星画像を検索し(図5参照)、検索された衛星画像のカタログIDをリストとして、例えば、記憶部105−7に保持する(ステップS402)。
【0040】
ステップS403において、衛星画像検索部105−2で検索されたカタログIDが2つ以上存在しているか確認し、検索されたカタログIDが2つ以上存在していなかった場合は(ステップS403でNO)、検索結果が2枚未満であったため、ステレオペア画像を検索できなかった旨を、表示部112に表示する(ステップS407)。
【0041】
検索されたカタログIDが2枚以上あった場合には(ステップS403でYES)、衛星位置特定部105−3が、各画像を撮影した際の地球観測衛星の位置座標と、それら画像の中心座標を3次元にて特定する。この処理S404の詳細な流れを図4Bのフローチャート図に示す。図5には、衛星方位角と衛星軌道の交点の座標を求める処理の様子を示す。図5に示すように、撮影の中心座標(x0,y0,z0)501を求める場合には、2次元のx0,y0は、図2に示すポリゴン情報201から最小外接矩形を計算し、その中心座標として求めることができる。また、z0は、標高情報データベース113から(x0,y0)に対応する標高値として求めることができる(ステップS404−1)。
【0042】
次に、撮影の中心座標501から図2の衛星方位角θ204に示した方向に直線502を伸ばし(ステップS404−2)、直線502と衛星軌道情報505〜508との交点1(x1,y1)503または交点2(x2,y2)504を求める(ステップS404−3)。ただし、軌道情報505〜508は2次元データとして扱い、衛星軌道情報の高度はここでは考えない。交点1 503、交点2 504は、地球観測衛星の軌道により複数存在し、交点の存在する個数は地球観測衛星の軌道により異なる。軌道情報505〜508の情報のうち、図2のデータの撮影日時203と同じ日時の軌道情報を取得し、その衛星軌道と直線502との交点を1点特定する(ステップS404−4)。ここでは、説明の都合上、交点1(x1,y1)503を、衛星方位角の直線502と軌道情報の交点と確定したとする。求めた交点1(x1,y1)503に対応するz1の値を、衛星軌道情報データベース113から求める。各画像に対し、上記手順を繰り返し、衛星軌道情報上の交点n(xn,yn,zn)509を検索された画像の枚数分求める(ステップS404−5)。
【0043】
図6に示すように、求めた交点1 503〜交点n 509に対し、撮影の中心座標501を(X0,Y0,Z0)に、交点1 503は(X1,Y1,Z1)、交点n 509は(Xn,Yn,Zn)の3次元直角座標系に変換し、座標系の統一を行う(ステップS404−6)。(以上、図4AのステップS404)
【0044】
ステップS404で求めた各座標値を元に、ステレオペア演算部105−4が、図7に示すようにステレオペア条件を計算する(ステップS405)。以下に、ステップS405の詳細について、図4Cと図7とを参照しながら説明する。ステレオペア条件は衛星撮影位置701ともう一方の撮影位置702と、撮影の中心703からなる収束角704と、収束角704の角の2等分線706と2衛衛星間の直線707の交点709を求め(ステップS405−1)、その交点709から2衛星間の直線707に対する垂線708を引き(ステップS405−2)、垂線708と角の2等分線706との成す角である非対称角705と、2衛星の位置701,702と撮影の中心703の3点から構成される平面710と地表面711との成す角のうち、2等分線706と、交点709から地表面711に下ろした垂線の交点712と撮影の中心703を結ぶ線分から成す角である2等分線仰角713から構成されており、ステップS404で求めた各座標から3角関数を用いて求めることがでえる(ステップS405−3)。(以上ステップ405)
【0045】
次いで、ステップS406において、ステレオペア画像検索部105−5が、ステレオ条件である収束角704と非対称角705と2等分線仰角713の3つの角度が、それぞれ、30°≦収束角703≦60°、非対称角705≦20°、60°≦2等分線仰角713≦90°のステレオ3条件を全て満たす画像のペアを検索する。この条件は、ステレオペアとして好ましい条件であり、条件の具体的な値は可変であるが、基本的には、上記の条件で検索をすることが好ましい。
【0046】
ステレオ3条件を満たす画像のペアがステレオペアとなる。この検索されたステレオペアをステレオ条件が良い順に並べる。以下の式にて計算される値が大きい方が、ステレオ条件が良いペアとする。
(1−(収束角703―30)/100)×α+(1−非対称角705/100)×β+(1−(90−2等分線仰角713)/100)×γ
ここでα、β、γは整数である。(ステップ406)
【0047】
ステレオペア画像出力部105−5は、検索された画像のペアは条件の良い順に、ホスト端末101にステレオペア画像を出力され、このステレオペア画像が、ホスト端末101の表示部112に表示され、検索処理が終了する。(ステップS407)
以上に説明したように、本実施の形態によれば、複数の単画像に基づいて、ステレオペアに適した単画像のペアを検索し、それに基づいてステレオ画像を作成することができるので、単画像の用途を拡大し、より多くのステレオ画像を得ることができる。
【0048】
上記の実施の形態において、添付図面に図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0049】
例えば、ステレオペア画像を検索する際に、撮影する季節の近い画像、時期の近い画像、天候が似た画像を優先的にペアとするようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、立体画像生成装置として利用できる。
【符号の説明】
【0051】
101…ホスト端末、102…公衆回線網、103…DB更新部、104…衛星画像撮影情報データ処理部、105…検索処理部、105−1…地理座標情報受信部、105−2…衛星画像検索部、105−3…衛星位置特定部、105−4…ステレオペア角演算部、105−5…ステレオペア画像抽出部、105−6…ステレオペア画像出力部、105−7…記憶部、106…地図データベース、107…衛星画像撮影情報データベース、108…衛星軌道情報データベース、109…ホストシステム、110…衛星軌道データ処理部、111…入力部、112…表示部、113…標高情報データベース、201…ポリゴン情報、202…カタログID、203…撮影日、204…衛星方位角、205…オフナディア角、301…衛星画像検索結果、302〜305…衛星軌道情報、306…マウスポインタ、307…位置情報入力部、308…地図データ、309…検索結果、310…検索ボタン、501…撮影の中心、502…直線、503、504、509…交点、505〜508…軌道情報、701、702…衛星の位置、703…撮影の中心、704…収束角、705…非対称角、706…角の2等分線、707…2衛星間の直線、708…垂線、709…交点、710…平面、711…地表面、712…交点、713…2等分線仰角。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像検索場所の地理座標情報と人工衛星により撮影された衛星画像を格納する衛星画像撮影データベースに格納された衛星画像のポリゴン情報とに基づいて、前記画像検索場所とオーバーラップする領域を有する衛星画像を検索する衛星画像検索部と、
前記衛星画像検索部によって検索された衛星画像が複数存在する場合に、複数の前記衛星画像のそれぞれの組み合わせについて、各衛星画像を撮影した際の人工衛星の位置座標とそれぞれの衛星画像の中心座標とを3次元で特定する衛星位置特定部と、
前記複数の衛星画像のうちの任意の対となる第1の衛星画像と第2の衛星画像とを撮影した第1の衛星位置と第2の撮影位置と、対応する前記中心座標と、に基づいて、ステレオペア条件を演算するステレオペア角演算部と、
前記ステレオペア角演算部が演算したステレオペア条件のうち、ステレオペア画像となりうるステレオペア条件を満たす衛星画像の対を抽出するステレオペア画像抽出部と
を有することを特徴とするステレオペア検索装置。
【請求項2】
前記衛星位置特定部は、
前記中心座標から、撮影された地点から見た撮影時の前記人工衛星が存在している位置を表す衛星方位角で示される方向に伸ばした第1の直線と、前記撮影時の前記人工衛星の衛星軌道との交点を特定し、当該交点の2次元位置に対応する高さを衛星軌道データベースより求めることを特徴とする請求項1に記載のステレオペア検索装置。
【請求項3】
前記ステレオペア角演算部は、
前記第1の衛星位置と前記画像検索場所の中心位置とを結ぶ第2の直線と、前記第2の衛星位置と前記画像検索場所の中心位置とを結ぶ第3の直線との成す収束角の2等分線と前記第1の衛星位置と前記第2の衛星位置とを結ぶ第4の直線との交点からの前記第4の直線に対する垂線と前記2等分線との成す非対称角と、前記第1の衛星位置と前記第2の衛星位置と前記中心位置とを含む平面と地表面との成す角のうち前記2等分線と、前記交点から地表面に下ろした垂線の交点と前記中心位置とを結ぶ線分から成す角である2等分線仰角とを求めることを特徴とする請求項1又は2に記載のステレオペア検索装置。
【請求項4】
前記収束角と前記非対称角と前記2等分線仰角との3つの角度が、それぞれ、30°≦収束角703≦60°、非対称角705≦20°、60°≦2等分線仰角713≦90°のステレオ3条件を全て満たす画像のペアを検索するステレオペア画像検索部を有することを特徴とする請求項3に記載のステレオペア検索装置。
【請求項5】
前記衛星位置特定部が求めた前記第1の衛星位置と前記第2の撮影位置の座標と、前記中心座標とを、3次元直角座標系に変換する座標変換部を備えることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のステレオペア検索装置。
【請求項6】
地図データベースと衛星画像撮影情報データベース、衛星軌道データベースと標高情報データベースを備えたステレオペア検索装置と端末装置とからなるステレオペア検索システムであって、
前記ステレオペア検索装置は、
画像検索場所の地理座標情報と人工衛星により撮影された衛星画像を格納する前記衛星画像撮影データベースに格納された衛星画像のポリゴン情報とに基づいて、前記画像検索場所とオーバーラップする領域を有する衛星画像を検索する衛星画像検索部と、
前記衛星画像検索部によって検索された衛星画像が複数存在する場合に、複数の前記衛星画像のそれぞれの組み合わせについて、各衛星画像を撮影した際の人工衛星の位置座標とそれぞれの衛星画像の中心座標とを前記衛星軌道データベースに基づいて3次元で特定する衛星位置特定部と、
前記複数の衛星画像のうちの任意の対となる第1の衛星画像と第2の衛星画像とを撮影した第1の衛星位置と第2の撮影位置と、対応する前記中心座標と、に基づいて、ステレオペア条件を演算するステレオペア角演算部と、
前記ステレオペア角演算部が演算したステレオペア条件のうち、ステレオペア画像となりうるステレオペア条件を満たす衛星画像の対を前記衛星画像撮影情報データベースから抽出するステレオペア画像抽出部と、を有し、
前記端末装置は、前記画像検索場所を入力して前記ステレオペア検索装置に送る入力部と、前記ステレオペア画像抽出部により抽出されたステレオペア画像を表示する表示部と
を有することを特徴とするステレオペア検索システム。
【請求項7】
地図データベースと衛星画像撮影情報データベース、衛星軌道データベースと標高情報データベースを備えたステレオペア検索装置と端末装置とからなるス衛星軌道データベーステレオペア検索システムにおけるステレオペア検索方法であって、
前記端末装置から入力された画像検索場所の地理座標情報と人工衛星により撮影された衛星画像を格納する前記衛星画像撮影データベースに格納された衛星画像のポリゴン情報とに基づいて、前記画像検索場所とオーバーラップする領域を有する衛星画像を検索する衛星画像検索ステップと、
前記衛星画像検索ステップによって検索された衛星画像が複数存在する場合に、複数の前記衛星画像のそれぞれの組み合わせについて、各衛星画像を撮影した際の人工衛星の位置座標とそれぞれの衛星画像の中心座標とを前記衛星軌道データベースに基づいて3次元で特定する衛星位置特定ステップと、
前記複数の衛星画像のうちの任意の対となる第1の衛星画像と第2の衛星画像とを撮影した第1の衛星位置と第2の撮影位置と、対応する前記中心座標と、に基づいて、ステレオペア条件を演算するステレオペア角演算ステップと、
前記ステレオペア角演算ステップにより演算されたステレオペア条件のうち、ステレオペア画像となりうるステレオペア条件を満たす衛星画像の対を前記衛星画像撮影情報データベースから抽出するステレオペア画像抽出ステップと、を行うことを特徴とするステレオペア検索方法。
【請求項1】
画像検索場所の地理座標情報と人工衛星により撮影された衛星画像を格納する衛星画像撮影データベースに格納された衛星画像のポリゴン情報とに基づいて、前記画像検索場所とオーバーラップする領域を有する衛星画像を検索する衛星画像検索部と、
前記衛星画像検索部によって検索された衛星画像が複数存在する場合に、複数の前記衛星画像のそれぞれの組み合わせについて、各衛星画像を撮影した際の人工衛星の位置座標とそれぞれの衛星画像の中心座標とを3次元で特定する衛星位置特定部と、
前記複数の衛星画像のうちの任意の対となる第1の衛星画像と第2の衛星画像とを撮影した第1の衛星位置と第2の撮影位置と、対応する前記中心座標と、に基づいて、ステレオペア条件を演算するステレオペア角演算部と、
前記ステレオペア角演算部が演算したステレオペア条件のうち、ステレオペア画像となりうるステレオペア条件を満たす衛星画像の対を抽出するステレオペア画像抽出部と
を有することを特徴とするステレオペア検索装置。
【請求項2】
前記衛星位置特定部は、
前記中心座標から、撮影された地点から見た撮影時の前記人工衛星が存在している位置を表す衛星方位角で示される方向に伸ばした第1の直線と、前記撮影時の前記人工衛星の衛星軌道との交点を特定し、当該交点の2次元位置に対応する高さを衛星軌道データベースより求めることを特徴とする請求項1に記載のステレオペア検索装置。
【請求項3】
前記ステレオペア角演算部は、
前記第1の衛星位置と前記画像検索場所の中心位置とを結ぶ第2の直線と、前記第2の衛星位置と前記画像検索場所の中心位置とを結ぶ第3の直線との成す収束角の2等分線と前記第1の衛星位置と前記第2の衛星位置とを結ぶ第4の直線との交点からの前記第4の直線に対する垂線と前記2等分線との成す非対称角と、前記第1の衛星位置と前記第2の衛星位置と前記中心位置とを含む平面と地表面との成す角のうち前記2等分線と、前記交点から地表面に下ろした垂線の交点と前記中心位置とを結ぶ線分から成す角である2等分線仰角とを求めることを特徴とする請求項1又は2に記載のステレオペア検索装置。
【請求項4】
前記収束角と前記非対称角と前記2等分線仰角との3つの角度が、それぞれ、30°≦収束角703≦60°、非対称角705≦20°、60°≦2等分線仰角713≦90°のステレオ3条件を全て満たす画像のペアを検索するステレオペア画像検索部を有することを特徴とする請求項3に記載のステレオペア検索装置。
【請求項5】
前記衛星位置特定部が求めた前記第1の衛星位置と前記第2の撮影位置の座標と、前記中心座標とを、3次元直角座標系に変換する座標変換部を備えることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のステレオペア検索装置。
【請求項6】
地図データベースと衛星画像撮影情報データベース、衛星軌道データベースと標高情報データベースを備えたステレオペア検索装置と端末装置とからなるステレオペア検索システムであって、
前記ステレオペア検索装置は、
画像検索場所の地理座標情報と人工衛星により撮影された衛星画像を格納する前記衛星画像撮影データベースに格納された衛星画像のポリゴン情報とに基づいて、前記画像検索場所とオーバーラップする領域を有する衛星画像を検索する衛星画像検索部と、
前記衛星画像検索部によって検索された衛星画像が複数存在する場合に、複数の前記衛星画像のそれぞれの組み合わせについて、各衛星画像を撮影した際の人工衛星の位置座標とそれぞれの衛星画像の中心座標とを前記衛星軌道データベースに基づいて3次元で特定する衛星位置特定部と、
前記複数の衛星画像のうちの任意の対となる第1の衛星画像と第2の衛星画像とを撮影した第1の衛星位置と第2の撮影位置と、対応する前記中心座標と、に基づいて、ステレオペア条件を演算するステレオペア角演算部と、
前記ステレオペア角演算部が演算したステレオペア条件のうち、ステレオペア画像となりうるステレオペア条件を満たす衛星画像の対を前記衛星画像撮影情報データベースから抽出するステレオペア画像抽出部と、を有し、
前記端末装置は、前記画像検索場所を入力して前記ステレオペア検索装置に送る入力部と、前記ステレオペア画像抽出部により抽出されたステレオペア画像を表示する表示部と
を有することを特徴とするステレオペア検索システム。
【請求項7】
地図データベースと衛星画像撮影情報データベース、衛星軌道データベースと標高情報データベースを備えたステレオペア検索装置と端末装置とからなるス衛星軌道データベーステレオペア検索システムにおけるステレオペア検索方法であって、
前記端末装置から入力された画像検索場所の地理座標情報と人工衛星により撮影された衛星画像を格納する前記衛星画像撮影データベースに格納された衛星画像のポリゴン情報とに基づいて、前記画像検索場所とオーバーラップする領域を有する衛星画像を検索する衛星画像検索ステップと、
前記衛星画像検索ステップによって検索された衛星画像が複数存在する場合に、複数の前記衛星画像のそれぞれの組み合わせについて、各衛星画像を撮影した際の人工衛星の位置座標とそれぞれの衛星画像の中心座標とを前記衛星軌道データベースに基づいて3次元で特定する衛星位置特定ステップと、
前記複数の衛星画像のうちの任意の対となる第1の衛星画像と第2の衛星画像とを撮影した第1の衛星位置と第2の撮影位置と、対応する前記中心座標と、に基づいて、ステレオペア条件を演算するステレオペア角演算ステップと、
前記ステレオペア角演算ステップにより演算されたステレオペア条件のうち、ステレオペア画像となりうるステレオペア条件を満たす衛星画像の対を前記衛星画像撮影情報データベースから抽出するステレオペア画像抽出ステップと、を行うことを特徴とするステレオペア検索方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2012−234374(P2012−234374A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102658(P2011−102658)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)
【Fターム(参考)】
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