印刷システム、印刷システムのワークフロー管理方法及びプログラム
【課題】印刷ジョブの実行中に、部品の交換に印刷工程で画質への影響が発生し得る場合に、部品交換の工程を組み入れても画質への影響を低減できる印刷ワーフフローを作成または修正する。
【解決手段】印刷ワークフローを情報処理装置で管理する印刷システムにおいて、印刷装置から取得する稼働情報と、印刷ジョブに設定された印刷設定とから当該印刷ジョブの実行中に前記部品の交換が必要となるかどうかを判断する。ここで、部品の交換が必要となると判断した場合、当該部品が画質に影響を与える特性の部品であるのか、当該部品が製本品質に影響を与える特性の部品であるかを識別する。そして、識別する部品の特性に従い、作成した印刷ワークフローの複数の工程中に部品交換工程を組み入れる工程位置を決定する。そして、決定した工程位置に部品交換工程を組み入れて前記作成手段が作成した印刷ワークフローを更新する。
【解決手段】印刷ワークフローを情報処理装置で管理する印刷システムにおいて、印刷装置から取得する稼働情報と、印刷ジョブに設定された印刷設定とから当該印刷ジョブの実行中に前記部品の交換が必要となるかどうかを判断する。ここで、部品の交換が必要となると判断した場合、当該部品が画質に影響を与える特性の部品であるのか、当該部品が製本品質に影響を与える特性の部品であるかを識別する。そして、識別する部品の特性に従い、作成した印刷ワークフローの複数の工程中に部品交換工程を組み入れる工程位置を決定する。そして、決定した工程位置に部品交換工程を組み入れて前記作成手段が作成した印刷ワークフローを更新する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、後処理装置を含む印刷システム、印刷システムのワークフロー管理方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、市場でデジタル印刷機を用いたプリントオンデマンド(POD(Print on Demand))印刷が普及しつつある。従来の印刷版を作成して印刷を行うコンベンショナル印刷とは異なり、POD印刷では印刷ジョブ毎に印刷の都度、オリジナルの画像データから編集、加工を行い、印刷画像データを作成して、印刷体裁などを設定して、デジタル印刷機で印刷処理を行う。
また、印刷物に付加価値を付けるために後処理装置で印刷済みの用紙を加工することもある。このような印刷ジョブに対する一連の処理は、印刷ジョブに関連付けられた工程の集まりとして定義される(印刷ワークフロー)。
【0003】
印刷ワークフローを構築して、印刷ジョブの各工程を管理するソフトウエアを印刷ワークフローシステムと呼ぶ。
印刷ワークフローシステムにおいて、システムと各装置の操作を行う操作者は印刷物を発注する顧客の要求から、印刷物を作成して納入するための一連の工程を定義して各工程の内容を入力する。印刷ワークフローシステムは定義されたワークフローの、操作者による各工程の作業時間予測を行い、作業スケジュールとして印刷ジョブに関連付けて管理する。この作業スケジュールに基づく時間情報は操作者及び各装置の稼働情報としてコスト計算に用いられる。
【0004】
印刷ワークフローシステムでは、入力された印刷物の定義を印刷画像データと共に印刷ジョブとして、各工程を実行する装置に送って実行させる。この際、印刷ワークフローシステムと各装置は相互に通信を行い、装置の状態や印刷ジョブ毎の実行状況と結果を取得することで、各工程の進捗を把握する。
これらの情報と処理前に作成した作業スケジュールを比較検討することで、以降の類似した印刷ワークフロー構築時における時間予測精度が向上する。
【0005】
また、各装置は印刷ジョブの処理中、または処理の前後で何らかの問題が発生した場合、一旦処理を中断する。また同時に問題が発生したことを装置上に表示して、操作者もしくは装置のメンテナンスを行うサービスマンに問題の解決を促すと同時に、その情報を印刷ワークフローシステムに送信する。その情報を受信した印刷ワークフローシステムは、実行中の印刷ジョブにおいて問題が発生したことをUIに表示して操作者に通知する。各装置において問題の対策が施されて、処理可能な状態に復元されると、各装置は状態が復旧したことを示す情報を印刷ワークフローシステムに送信する。この情報を受信した印刷ワークフローシステムは、印刷ジョブに対するUI表示を変更する。
【0006】
このような各装置と通信を行い印刷ジョブの進捗情報や各装置の状況を管理する印刷ワークフローシステムで、各装置で管理するインクやトナー、紙等の消耗状態を示す情報から、消耗物の交換時期を予測する技術がある。
また、消耗物の交換時期を予測した内容に基づき、消耗品を交換する時期を装置のUIに表示することで、操作者に対して事前に交換時期を通知することが行われている。さらに、印刷画像データの内容やジョブの内容から、予測された消耗品の交換時期に実行される印刷ジョブにおいて、実行可能な印刷内容を操作者に提示する技術がある。(例えば特許文献1を参照)
これらの技術により、印刷ワークフローシステムの操作者は、各装置での印刷ジョブを実際に処理する前に、その印刷ジョブの処理の可否を判断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−97242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
印刷ワークフローシステムを用いて行われるPOD印刷では、1つの印刷ジョブとして膨大なページ数の画像データやドキュメント、大量の部数を一度に印刷することを想定している。
【0009】
このような大量の印刷物を出力する印刷ジョブを処理中に、突然、部品の耐久寿命などの原因で装置の部品故障が発生することにより、処理装置での処理中に印刷ワークフローを中断することがある。故障が発生すると通常、操作者がサービスマンに故障を通知して、サービスマンが現地に到着後、修理を実施するため、故障発生から修理して印刷ジョブの処理を再開するまでに長い時間がかかることがあった。
【0010】
また操作者は中断した印刷装置の回復作業として故障した部品の交換以外に、印刷装置内に滞留した用紙を取り除いたり、用紙やインク、トナー等の消耗品を改めて補充したりしなければならない。
加えて装置の機械修理後、装置の再起動時に、中断した印刷ジョブを再開するために、印刷装置を故障前の動作条件や動作状態に戻すなどの調整作業を実施する必要がある。
【0011】
このような印刷ワークフロー構築時に予期しない復旧作業により、あらかじめ予測した操作者の作業時間やそれを基に算出したコスト情報が、実際の処理の結果と異なってしまう。
【0012】
また装置の部品交換を実施することで、交換前後で印刷ジョブの成果物である印刷物の品質に違いが出てしまうことがある。
例えば電子写真方式のデジタル印刷機では現像器、定着器、中間転写ベルトなどの部品が交換対象となる場合に、これらを交換することで印刷品質に影響を受ける。
同様に印刷後の用紙を加工して成型するための後処理工程で用いられる装置の一つとして断裁機があるが、この断裁刃等を交換することにより処理精度が変わり、断裁位置や断裁面の形状に影響を与えることがある。
このように印刷ジョブの処理中に中断してしまった場合、回復作業を行うことで同じ印刷ジョブの出力物の中断前後で品質に違いが出る可能性があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、印刷ジョブの実行中に、部品の交換に印刷工程で画質への影響が発生し得る場合に、部品交換の工程を組み入れても画質への影響を低減できる印刷ワーフフローを作成または修正できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成する本発明の印刷システムは以下に示す構成を備える。
印刷ジョブの実行に関わる印刷装置、当該印刷装置から出力されるシート材に対する後処理を行う後処理装置が実行する工程に、当該工程を管理する作業者あるいは前記印刷装置をメンテナンスすべきサービスマンが行う工程を関連づけて印刷ワークフローを情報処理装置で管理する印刷システムであって、前記情報処理装置は、前記印刷ジョブに設定される印刷設定条件に従い前記印刷装置、前記後処理装置を用いた印刷ワークフローを作成する作成手段と、前記印刷装置が実行する印刷ジョブに伴って交換すべき部品に関わる稼働情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得する稼働情報と、前記印刷ジョブに設定された印刷設定とから当該印刷ジョブの実行中に前記部品の交換が必要となるかどうかを判断する判断手段と、前記判断手段が前記部品の交換が必要となると判断した場合、当該部品が画質に影響を与える特性の部品であるのか、当該部品が製本品質に影響を与える特性の部品であるかを識別する識別手段と、前記識別手段が識別する部品の特性に従い、前記作成手段が作成した印刷ワークフローの複数の工程中に前記部品交換工程を組み入れる工程位置を決定する決定手段と、前記決定手段が決定した工程位置に前記部品交換工程を組み入れて前記作成手段が作成した印刷ワークフローを更新する更新手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、印刷ジョブの実行中に、部品の交換に印刷工程で画質への影響が発生し得る場合に、部品交換の工程を組み入れても画質への影響を低減できる印刷ワーフフローを作成または修正できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】印刷システムの構成を説明するブロック図である。
【図2】印刷ワークフローシステムの構成を説明するブロック図である。
【図3】図1で示した印刷装置の構成を説明するブロック図である。
【図4】図1に示した後処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図5】印刷ジョブ生成部が生成する印刷ジョブの概要構成を説明する図である。
【図6】印刷ワークフローシステムの印刷WFの一例を示す図である。
【図7】印刷システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【図8】部品管理データベースで管理されるデータの一例を示す図である。
【図9】部品管理データベースに格納される部品交換作業者情報を示す図である。
【図10】印刷ジョブ管理部で管理する印刷ジョブキューの概念図である。
【図11】印刷ワークフローシステムの印刷WFの一例を示す図である。
【図12】表示部に表示される操作者の作業リストの一例を示す図である。
【図13】印刷システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【図14】印刷システムで表示可能なユーザインタフェースを示す図である。
【図15】印刷システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【図16】印刷ワークフローシステムの印刷WFの一例を示す図である。
【図17】印刷システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
【0017】
図1は、本実施形態を示す印刷システムの構成を説明するブロック図である。本システムは、印刷ジョブの実行に関わる印刷装置、当該印刷装置から出力されるシート材に対する後処理を行う後処理装置が実行する工程に作業者あるいはサービスマンが行う工程を関連づけて印刷ワークフローを管理する印刷システムの例である。
図1において、101は印刷ワークフローシステムで、ネットワークを介して印刷処理を行う印刷装置102、シートに後処理を行う後処理装置103、部品情報を管理する部品管理データベース104から構成され、それぞれネットワークで結ばれて相互に通信を行う。
【0018】
図2は、図1に示した印刷ワークフローシステム101の構成を説明するブロック図である。なお、本実施形態において、印刷ワークフローシステム101は、いわゆるコンピュータシステムを備える情報処理装置で構成する場合について説明する。そして、当該情報処理装置には、印刷ワークフローシステムを統括的に制御するための印刷ワークフロー管理プログラムがインストールされ、CPU等がRAM等のメモリ資源を用いて印刷ワークフロー処理を統括的に制御する。
また、本実施形態においては、制御部201が上記印刷ワークフロー管理プログラムを実行することで、以下の機能処理を実行する。
第1の機能処理は、印刷ジョブに設定される印刷設定条件に従い前記印刷装置、前記後処理装置を用いた印刷ワークフローを作成する作成機能処理である。第2の機能処理は、印刷装置が実行する印刷ジョブに伴って交換すべき部品に関わる稼働情報を取得する取得機能処理である。第3の機能処理は、取得する稼働情報と、印刷ジョブに設定された印刷設定とから当該印刷ジョブの実行中に前記部品の交換が必要となるかどうかを判断する判断機能処理である。さらに、第4の機能処理は、部品の交換が必要となると判断した場合、当該部品が画質に影響を与える特性の部品であるのか、当該部品が製本品質に影響を与える特性の部品であるかを識別する識別機能処理である。
さらに、第5の機能処理は、識別する部品の特性に従い、前記作成手段が作成した印刷ワークフローの複数の工程中に前記部品交換工程を組み入れる工程位置を決定する決定機能処理である。さらに、第6の機能処理は、決定した工程位置に前記部品交換工程を組み入れて前記作成手段が作成した印刷ワークフローを更新する更新機能処理である。なお、各機能処理は、後述するフローチャートに基づくステップが実行されることで、それぞれの機能処理が実行される。
【0019】
図2において、201は制御部で、後述の印刷ワークフローシステム101内の各モジュールの制御を行い、システム全体の動作を決定する。202は表示部で、制御部201の制御に基づき、印刷ワークフローシステムの操作者に対して内部の動作状態や結果を表示する。また、表示部202がタッチパネルで構成される場合には、タッチパネルに表示するUI画面に対する操作者(ユーザ)からの操作を受け付けて制御部201に通知する。なお、制御部201は、本例は、作成した印刷ワークフローまたは更新した印刷ワークフローを表示する表示制御を図示しないユーザインタフェース画面を用いて行い、操作者に適切な印刷ジョブの状態を通知することができる。
203は画像生成部で、印刷装置102で印刷すべき印刷用画像データを生成する。また、画像生成部203は、印刷画像を最終的な印刷物の内容に応じて配置する面付け処理を行う。
【0020】
204は工程定義部で、表示部202上で操作者が行った操作から制御部201の制御に従い、印刷物を作成するための印刷ジョブの各工程を定義する。205は印刷ジョブ生成部で、制御部201に従い、画像生成部203で生成された印刷用画像データと、表示部202において入力されたデータ、工程定義部204で決定された処理工程から印刷ジョブを生成する。
【0021】
206は印刷ジョブ管理部で、印刷ジョブを管理する印刷ジョブキューを持ち、制御部201に従い、印刷ジョブ生成部205で生成された印刷ジョブを管理する。207は通信部で、制御部201の制御に従い、ネットワークに接続された他の通信機器との通信処理を行う。通信部207は、印刷ジョブをネットワークに接続した外部装置に送信したり、外部装置と相互に通信を行って進捗状況を把握したりする。
【0022】
図3は、図1で示した印刷装置102の構成を説明するブロック図である。
【0023】
図3において、301は制御部で、後述の印刷装置内の各モジュールの制御を行い、装置全体の動作を決定する。302は表示部で、制御部301の制御に基づき、印刷装置102の操作者に対して内部の動作状態や結果を表示する。また、表示部302がタッチパネルで構成される場合には、操作者からのUI操作を受け付けて制御部301に通知する。
303は画像処理部で、印刷ジョブに指定された印刷体裁に基づき、印刷ジョブに含まれる印刷用画像データの画像処理を行い印刷に適した画像へ変換する。また、画像処理部303では、ポストスクリプト(登録商標)やPDF(Portable Document Format)等に代表されるベクトル画像を処理してラスター画像への変換を行うRIP(Raster Image Processing)処理を行う。
ここで、RIP処理は画像処理部303の内部で実施してもいいし、印刷装置102にネットワークで接続された外部装置(サーバ装置)のモジュールで実施しても構わない。つまり、クラウドコンピューティング環境で、サーバ装置が上記RIP処理をサービスを提供する環境では、上記のような外部装置でRIP処理を依頼し、RIP処理結果を受け取る構成としてもよい。
304は印刷部で、制御部301の制御に従い、印刷ジョブに指定された印刷体裁に指定された通り、画像処理部303で処理された印刷用画像データを印刷する。305は通信部で、制御部301の制御に従い、ネットワークに接続された他の通信機器との通信処理を行う。通信部305は、ネットワークに接続された印刷ワークフローシステム101で生成された印刷ジョブを受信したり、印刷装置の状態を外部装置に通知したりする。306は部品管理データベースで、印刷装置102を構成する各部品のうち、印刷処理によって消耗する部品の現在の耐久度を示す情報を管理している。
【0024】
図4は、図1に示した後処理装置103の構成を説明するブロック図である。なお、本実施形態において、印刷物の後処理加工には様々な種類があるが、主なものとしては印刷物の針綴じを行う綴じ処理、印刷物を折り曲げる折り処理、印刷物の穴開け処理等がある。また、印刷物を指定した順に並べる帳合処理、印刷物を指定した大きさに切断する断裁処理、製本処理、ラミネート加工や箔押し等の表面を加工する処理等が挙げられる。
図4において、401は制御部で、後述の後処理装置103内の各デバイスの制御を行い、装置全体の動作を決定する。
402は表示部で、制御部401の制御に基づき、後処理装置の操作者に対して内部の動作状態や結果を表示する。また、表示部402がタッチパネルで構成される場合には、操作者からのUI操作を受け付けて制御部401に伝える。
403は後処理加工部で、印刷ジョブに指定された情報に基づき、印刷装置102で印刷された印刷物に対して後処理加工を行う。404は通信部で、制御部401の制御に従い、ネットワークに接続された他の通信機器との通信処理を行う。
【0025】
図5は、図2に示した印刷ジョブ生成部205で生成された印刷ジョブの概要構成を説明する図である。
図5において、501は印刷ジョブで、ファイルヘッダ情報502、印刷体裁情報503、印刷用画像データ504から構成される。
ここで、ファイルヘッダ情報502は、印刷ジョブファイル501の構成を管理して、ファイルに含まれる構成物へのリンクを持つ。印刷体裁情報503は、印刷物を発注した顧客情報に対応付けて管理するための印刷ジョブにユニークなIDを含む。
また、印刷体裁情報503は、印刷物の構造や印刷に用いる印刷画像データへのリンク、印刷画像データのレイアウト方法、用紙指定や後処理加工を指定する情報を持つ。
【0026】
さらに、印刷用画像データ504は、図2に示した画像生成部203において生成された画像データであり、印刷において使用される画像データである。印刷用画像データの例としてはPostScript(登録商標)やPDF形式のベクター画像、またはTIFF,JPEG,RAWデータ等のラスター画像が挙げられる。
印刷用画像データ504は印刷ジョブファイルに含まれてもよいし、または画像データの実体は印刷システムがアクセス可能なネットワーク上の別の領域に保持されて、印刷体裁情報がその参照先のリンクを持つことにしてもよい。
【0027】
本実施形態において、印刷ワークフローシステムで定義される、印刷ワークフローの概念について図6を用いて説明する。
図6は、本実施形態を示す印刷ワークフローシステムのワークフロー(WF)の一例を示す図である。
図6において、601は印刷ワークフロー全体を示す。601は印刷ジョブを処理するための各装置における複数の処理工程602から構成される。印刷ワークフローシステム101の表示部202における操作者の操作に基づき必要な工程が選択されて、各処理工程は処理順に並べられ、互いの関係を定義される。表示部202は操作者に各工程において、さらに詳細な工程内での設定の入力を待つ。
【0028】
以下、印刷ワークフローシステム101が行う処理について図7を用いて説明する。
【0029】
図7は、本実施形態を示す印刷システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、印刷ワークフローシステム101が印刷ジョブの印刷中に交換される部品の種類から、印刷ジョブの作業工程中に自動的に交換作業工程を挿入する処理例である。
なお、各ステップは、印刷ワークフローシステム101の制御部201として機能するCPUがHDD等の外部記憶装置から制御プログラムをRAM等にロードして実行することで実現される。以下、制御部201が部品交換工程で部品交換作業を行う作業者が前記情報処理装置を操作する操作者で交換可能な部品であるか、サービスマンで交換可能な部品であるかどうかを判別して印刷ワークフローを更新する処理を説明する。
なお、制御部201は、操作者で交換可能な部品であると判別した場合、当該部品が画質に影響を与える特性の部品であるのか、当該部品が製本品質に影響を与える特性の部品であるかを識別する処理を実行する。
制御部201は、通信部207からネットワーク経由で接続している印刷装置102で使用されている各部品の消耗状態を示す情報を取得する(S701)。なお、制御部201は、印刷装置102には、部品管理データベース306を備えており、当該部品管理データベース306より、各部品の消耗状態を示す情報を印刷装置102から取得する。
【0030】
図8は、図3に示した印刷装置102の部品管理データベース306で管理されるデータの一例を示す図である。本例は、印刷装置102の部品の消耗状態を表すテーブルデータの一例を示す。
したがって、制御部201は、部品管理データベース306から上記テーブルに示すデータを取得する。
図8において、部品管理データベース306は、部品名称801毎に、ID802、前回交換時期803、カウンタ804の項目が管理される。ここで、カウンタ804は、交換すべき部品に関わる稼働情報が各部品毎に計数されている。
具体的には、各部品名称801は、前回交換の日時を示す前回交換時期803と、耐久上限値と使用回数から成るカウンタ804のカウンタ値から構成されるデータで管理される。カウンタ804のカウンタ値は部品の使用回数、部品設置からの経過時間、印刷処理済ページ数等の使用状況によって加算される。部品が交換されるたびに前回交換とカウンタ値の値は更新される。
S701で、制御部201が印刷装置102からデータ取得後、S702で、制御部201は表示部202において印刷ワークフローのUIを表示して、操作者が印刷ワークフローの内容の入力を行うのを待つ。
【0031】
次に、S703で、操作者からの入力を確認した後、制御部201はS701で取得した印刷装置の部品の消耗状況と、S702で入力された印刷ワークフローの内容とを比較して部品交換が必要かどうかを判断する。具体的には、部品の耐久上限値までの残り数値が、当該の印刷ワークフローにより生成される印刷ジョブの処理により新たに加算される値より小さい場合、印刷装置において印刷ジョブを印刷する途中で対象の部品を交換する必要があると判断する。ここで、制御部201が部品交換する必要があると判断した場合、S708に進む。
【0032】
一方、S703で、部品を交換する必要が無いと制御部201が判断した場合は、S704で、制御部201は、印刷ワークフローに基づき印刷ジョブ生成部205において印刷ジョブを生成させて、S705で、制御部201は生成した印刷ジョブを通信部207から印刷装置102に送信する。次に、S706で、制御部201は通信部207を介して、印刷装置102から印刷ワークフローの処理状況を取得して印刷ジョブが完了しているかどうかを判断する。ここで、印刷ジョブが完了していないと制御部201が判断した場合は、印刷ジョブの処理状況を繰り返すため、S706へ戻る。
一方、S707で、印刷ジョブの処理を完了していると制御部201が判断した場合は、本処理を終了する。その際は、制御部201は、印刷ジョブの処理を終了したら、表示部202で印刷ワークフローに終了表示を行う。
一方、S703で、部品交換が必要であると制御部201が判断した場合、制御部201は、S708で通信部207を介して部品管理データベース104にアクセスして、部品毎に交換作業者の情報を取得する。
【0033】
図9は、図1に示した部品管理データベース104に格納される部品交換作業者情報の例を示す図である。
なお、本例では、部品名称901毎に、ID902、作業者903、画質調整904、HW調整905、交換手順906、標準作業時間907を管理する例である。なお、交換手順906は、部品交換を行う作業者として操作者あるいはサービスマンで交換可能な部品であると判別した場合、部品交換処理に伴う作業手順情報を表示するために取得すべきhtmlファイルが設定されている。
図9において、例えばデータベースの"作業者"キーは"OP""SR"の値が格納されている。ここで、"OP"とは印刷装置102の操作を行う操作者を表し、"SR"とはメンテナンスを専門に行うサービスマンを表す。
操作者が交換可能な部品としては部品や周辺部品がパッケージ化されて交換設置作業が容易である部品や、安全に交換可能な部品などが挙げられる。
一方、サービスマンが交換実施を行う必要がある部品としては、交換作業に専門的知識や装置の分解等を伴うものが要求される部品(例えば熱定着ユニット、感光ドラム、搬送ベルト)や、交換時に適切な手順を実施しないと危ない部品(例えば帯電器)等が考えられる。
次に、S709で、制御部201はS708で取得したデータベースの情報の中で交換作業を実施する作業者を示す"作業者"キーを参照する。そして、制御部201は、交換対象となる部品の"作業者"キーに格納された値から、その部品が操作者によって交換可能な部品か、それともサービスマンによってのみ交換可能な部品かどうかを判断する。
【0034】
ここで、操作者による交換が可能な部品を交換する場合には、S710で、制御部201はその部品交換により、交換前後の印刷品質に変化が生じる可能性があるかを判定する。制御部201は、図9に示した部品管理データベースに示す各部品情報から、交換対象の部品について"画質調整"キーで参照する。ここで、値"1"が設定された部品は交換作業が印刷品質に影響を与える可能性のある部品である。また、部品交換後の印刷画質の調整処置として値"CAL"で示すキャリブレーション処理や、"、"CHK"で示す操作者とサービスマンによる画質確認作業が必要であることを示している。
そこで、制御部201は、S710で、交換対象部品の"画質調整"の値が"0"であると判断した場合、S711に進み、値が"1"であると判断した場合、S712に進む。
【0035】
そして、S711で、制御部201は後処理加工において、部品交換の前後で印刷物の品質に影響が生じる可能性があるかどうかを判定する。その際、制御部201は図9に示した部品管理データベースに示す各部品情報から、交換対象の部品について"ハードウェア調整(HW調整)"キーで参照する。ここで、"ハードウェア調整"キーで値に"1"が設定された部品は、交換後に後加工処理時の品質に影響を与える可能性のある部品である。
そこで、S711において、制御部201が印刷物の品質に部品交換による影響がないと判断した場合は、S713以降に進む。そして、印刷ジョブの印刷処理途中であっても部品交換を印刷ワークフロー中の部品交換が必要になる時刻において実施するよう、印刷ワークフローに交換作業を組み入れる処理を行う。
一方、S711で、印刷物の品質に何らかの影響を与える可能性があると制御部201が判断した場合は、S712において、交換作業が必要な印刷ジョブの前に、交換作業を組み入れる処理を行い、印刷ワークフローの内容を変更して、S704へ進む。つまり、本実施形態では、交換すべき部品が画質に影響を与える特性の部品である場合、あるいは製本品質に影響を与える特性の部品である場合、部品交換を行う必要のある印刷ジョブの実行前に当該部品交換を行うための部品交換工程を組み入れる処理を実行する。
【0036】
なお、S712において、制御部201は、部品交換作業を交換作業が必要な印刷ジョブの前に実行するように、印刷ジョブ管理部206の印刷ジョブキューに部品交換作業を設定後に、当該の印刷ジョブを設定する。
【0037】
一方、S711で印刷ジョブの印刷処理途中で部品交換を適宜実施すると制御部201が判断した場合、S713で、制御部201は工程定義部204に印刷ジョブの印刷工程を、部品交換作業を実行する時刻で分割する処理を行う。そして、印刷ジョブの印刷工程を分割後、S714で、分割された複数の印刷工程のジョブ間に、必要な部品交換作業を設定して、S704へ進む。
【0038】
一方、S709で、制御部201が部品管理データベース104から取得した情報に基づき、交換対象の部品が操作者による交換作業はできないものであると判断した場合、通信部207を介して部品交換作業をサービスマンに依頼する通知を行う(S715)。その際、制御部201は、部品管理データベース104から取得した情報をもとに、印刷装置102においてサービスマンによる交換実施が必要な時刻を通知する。
【0039】
なお、S712またはS714において印刷ワークフローに部品交換工程を設定後、制御部201はS704に進み、印刷ジョブ生成部205において印刷ワークフローから印刷ジョブを作成する。制御部201は、通信部207を介して作成した印刷ジョブを印刷装置102、もしくは後処理装置103に送信する(S705)。
【0040】
そして、制御部201は、印刷ジョブを送信した後、印刷ワークフローシステムは通信部207で各装置における処理状況を他印刷ジョブの処理と非同期に受信する(S706)。各装置から処理完了の通知が来るまで処理状況の取得を行い、制御部201は通信部207が完了通知を受信すると、印刷ジョブ管理部で印刷ジョブキューの更新を行わせて、表示部202に処理完了の表示を行う。
これにより、印刷ジョブの実行中に、部品の交換に印刷工程で画質への影響が発生し得る場合に、部品交換の工程を組み入れても画質への影響を低減できる印刷ワーフフローを作成または修正できる。
次に、上記の印刷ワークフローシステムの印刷ジョブキューにおける部品交換作業を設定する処理を、図10を用いて説明する。
【0041】
図10は、本実施形態を示す印刷ワークフローシステムの印刷ジョブ管理部206における、印刷ジョブのエンキュー処理を示す概念図である。
図10において、1003は印刷ジョブキューで、印刷ジョブ管理部206が印刷ジョブキュー1001に印刷ジョブ(JobID="C")1002を格納した様子を示している。
例えば印刷装置102の現像器(#2)部品の状態1004が、耐久上限値50000ページのうち既に46415ページ印刷に使用されている状態であるとする。この時、1部が50ページで構成される印刷物を100部印刷する印刷ジョブ(JobID="D")1005が印刷ワークフローシステムにおいて入力されたとする。印刷ジョブ全体では50ページ×100部=5000ページの印刷が行われるため、全てのページを印刷してこの印刷ジョブを完了してしまう前に、現像器(#2)の耐久寿命に達してしまう。
そこで、制御部201は、印刷ジョブ1005の処理中に部品交換工程1006が発生すると判断する。そして、制御部201は、部品管理データベース104から現像器(#2)の交換作業者の情報を取得する。
図9の作業者903に示すように現像器(#2)の交換作業が操作者(OP)によって実施可能であるとすると、制御部201は、現像器(#2)が印刷物の画質に影響を与えるものかどうかを判断する。
この場合、画質調整904で示すように、現像器(#2)の交換が交換後の印刷物の画質に変化を及ぼす可能性がある場合、印刷ジョブの印刷途中で部品交換を実施するのは望ましく無い。そのため、印刷ジョブ処理実行の前に部品交換を実施するように、部品交換工程1006を印刷ジョブキュー1007に設定する。部品交換作業を実施後、印刷ジョブ1005を印刷ジョブキュー1007に設定する。
【0042】
同様に例として、印刷装置102のローラ(#1)の部品1008の状態が耐久上限250000枚のうち、245666枚まで使用している状況であるとする。この状態で1部が20ページで構成される印刷物を300部印刷する印刷ジョブ1009が印刷ワークフローシステム上で入力されたとする。印刷ジョブ全体では20部×300ページで6000ページの印刷が行われるが、全てのページを印刷する前に、ローラー(#1)の耐久上限に達してしまう。そこで、制御部201は、印刷ジョブ1009の処理中に部品交換工程1011が発生すると判断する。制御部201は部品管理データベース104から交換作業者の情報を取得する。
【0043】
例えば、図9に示す作業者903に示すようにローラー(#1)が操作者により交換作業が実施可能な部品とする。その場合、次に、制御部201は、ローラー(#1)の交換が印刷品質及び後加工の品質に影響を与えるかどうかを、図9の画質調整904とHW調整905を参照して判断する。ローラー(#1)が印刷物の品質に影響を与えない部品とすると、制御部201は、印刷ジョブの処理中に交換実施可能と判断する。
次に、制御部201は、部品交換までに処理可能な部数まで印刷処理を実施後、部品交換のために印刷処理を中断し、交換後印刷ジョブの残りを処理するように印刷ワークフローを構築する。
このようにして構築された印刷ワークフローに基づき、印刷ジョブ生成部205において複数の印刷ジョブを生成する。前述の例において、印刷ジョブ1009を処理する印刷ワークフローは、印刷工程1010と部品交換工程1011、部品交換後の印刷工程1012として定義される。
部品交換工程1011により処理が分割された印刷ジョブは、同一のJobSubIDを持つことで、制御部201は、同一の印刷ジョブから派生したことを判断可能である。印刷ジョブ管理部206は、印刷ジョブ1013、1015と部品交換工程1014を印刷ジョブキュー1016に格納する。
以下、印刷ワークフローシステムが本実施形態で示す処理を実行することにより構築した、印刷処理途中に部品交換を定義した印刷ワークフローの例を説明する。
【0044】
図11は、本実施形態を示す印刷ワークフローシステムの印刷ワークフローの例を説明する図である。
図11において、1101は印刷ワークフローで、印刷工程1102は部品交換を伴うため、部品交換工程1103を実施しながら、複数回に分けて印刷工程(分割印刷工程であって、先行する分割印刷工程と、後続する分割印刷工程からなる)を実施する。
まず、印刷装置102は印刷ワークフローに従って部品交換前に1200ページを印刷した後、操作者による部品交換工程のために停止する。操作者によるローラー(#1)の交換後、印刷装置102は印刷工程を再開させる。
そして、印刷装置102は3400ページ印刷を実行した後、再度印刷ワークフローに従い部品交換のため停止する。そして、印刷工程を停止した後、操作者は印刷装置102で廃トナー器の交換を行う。操作者が当該廃トナー器を交換した後、再度印刷装置は400ページ印刷を実行する。この際、印刷装置102は、残った400(400/5000)枚の印刷処理を行う。
【0045】
第一の実施例で構成された印刷ワークフローを処理する印刷装置の、表示部302における操作者の作業リストを図12で例示する。操作者は作業リスト1201で表示された各印刷ワークフローに対応した印刷ジョブの処理作業を確認しながら実施する。印刷ジョブの印刷工程1202と印刷装置の部品交換工程1203が処理順に表示される。同一の印刷ジョブに含まれる複数の工程は、印刷ジョブに固有のJobIDと、JobIDに関連付けられた複数のJobSubID 1204で管理される。各ジョブの印刷処理時間は1部ごとの印刷枚数や部数から計算される。また部品交換工程の作業時間は図9で示す部品管理データベースに標準作業時間907で既定の時間に基づき計算される。印刷ワークフローに含まれる処理内容と印刷装置の部品状態から予想される交換処理を積算して、操作者の作業見積もり時間1205が表示される。
【0046】
〔第2実施形態〕
以下、印刷ジョブキューに既存の印刷ジョブ群が存在する状態で新たに生成した印刷ジョブを割り込ませる処理を含む実施形態について説明する。
図13は、本実施形態を示す印刷システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、印刷ワークフローシステム101が管理する印刷ジョブキュー上で、新規に登録する印刷ジョブを登録されたいずれかの印刷ジョブ間に割り込み処理する際の印刷ワークフロー作成処理例である。
なお、各ステップは、印刷ワークフローシステム101の制御部201として機能するCPUがHDD等の外部記憶装置から制御プログラムをRAM等にロードして実行することで実現される。
印刷ジョブキュー内で後続の印刷ジョブを先行して処理するために既存の印刷ジョブ群に対して割り込み印刷の要求がなされた場合に、印刷ワークフローシステムは割り込んだ印刷ジョブ以降の印刷ジョブについて、部品交換工程が必要かどうか再計算を行う。交換が必要な場合、該当する印刷ジョブに変更を反映させる。以下の説明において、第1実施形態と同一の処理については詳細な説明を省略する。
【0047】
S1301で、印刷ワークフローシステム101の制御部201は、印刷装置102で使用されている各部品の消耗状態を取得する。そして、S1302で、印刷ワークフローシステムは表示部202において、操作者による印刷ワークフロー(印刷WF)の入力を待つ。次に、S1303で、制御部201は、印刷装置102と印刷ワークフローの内容から処理中に部品交換が必要か判定を行い、必要があると制御部201が判断した場合、印刷ワークフローに部品交換工程を定義して(S1305)、印刷ジョブを生成する(S1304)。
【0048】
この印刷ワークフローから生成された新規の印刷ジョブは通常、何も指定しない場合、印刷ジョブキューの印刷ジョブ群の末尾に付け加えられ、印刷ジョブキューに格納された順番に従い処理が実施される。
しかしながら、既に他の印刷ジョブが印刷ジョブキューで管理されている場合、操作者は顧客の要求や処理の都合により処理前の各印刷ジョブの処理順序を変更することが行われる。
【0049】
図14は、図2に示した表示部202で表示されるユーザインタフェース(UI)の一例を示す図である。本例は、印刷ジョブの割り込み位置を設定するUI画面の一例である。
図14において、1401は既に印刷装置に送信されて印刷ジョブキューとその中で管理されている印刷ジョブ群を示す。新規の印刷ジョブ1402は、印刷ジョブキューの印刷ジョブ群の末尾に付け加えられる。
印刷ワークフローシステム101の操作者はこのUIにおいて、印刷ジョブキュー内の任意の印刷ジョブを選択して上下ボタンB1を押下することにより、印刷ジョブの順序を変更することが可能である。言い換えると、制御部201は、ジョブキューを用いて新たに投入される印刷ジョブのジョブ実行順序を割り込み可能に印刷ワークフローを管理している。
【0050】
印刷ワークフローシステム101の制御部201は、操作者が表示部202において印刷ジョブの処理順序を変更する指示がなされているかどうかを判断する(S1306)。ここで、処理順序を変更すると制御部201が判断した場合、操作者が指示する上下ボタンB1に従い、表示部202において印刷ジョブの処理順序を変更、すなわち割り込み位置の設定を受け付ける(S1307)。
その後、制御部201は、印刷ジョブキュー内の割り込み位置以降の印刷ジョブについて、部品交換工程を設定する必要がないかどうかを印刷ジョブが割り込んだ条件で再計算する(S1308)。
そして、印刷ジョブの割り込み処理により割り込んだ印刷ジョブより後ろの印刷ジョブで設定済みの部品交換工程の変更か、もしくは新規設定が必要である場合、制御部201は表示部202でユーザに割り込み確認のための図14のダイアログ1403を表示する。そして、制御部201は、操作者が当該ダイアログ1403を確認して、割り込みを許可する指示を行っている(割り込みOK)かどうかを判断する。具体的には、制御部201は、図14に示すダイアログ1403で、ボタンBT1を押下しているかどうかを判断する。ここで、ボタンBT2を押下していると制御部201が判断した場合は、S1307へ戻る。
一方、S1309で、図14に示すダイアログ1403で、ボタンBT1を押下していると制御部201が判断した場合は、制御部201は、S1310に進み、印刷ジョブキューの印刷ジョブの変更を行う。
【0051】
上記の処理により、印刷ワークフローシステムは印刷ジョブキュー内の既存の印刷ジョブに対する部品交換工程を考慮して、印刷ジョブの割り込み処理を実施することが可能となる。
これにより、割り込みによって生じる既存の印刷ジョブに対応する印刷ワークフローの処理工程の再定義を、操作者が実施する必要が無くなり操作が簡便化される効果が得られる。
【0052】
〔第3実施形態〕
【0053】
以下、印刷装置において部品交換が必要な場合に、その交換作業者が操作者かサービスマンかによって異なる処理を実行する実施形態について説明する。
図15は、本実施形態を示す印刷システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、制御部201がサービスマンで交換可能な部品であると判別した場合、作成した印刷ワークフロー中の印刷工程を印刷装置102が印刷可能な条件で縮退した複数の縮退印刷工程を作成して印刷ワークフローを更新する処理例である。
なお、各ステップは、印刷ワークフローシステム101の制御部201として機能するCPUがHDD等の外部記憶装置から制御プログラムをRAM等にロードして実行することで実現される。
【0054】
以下、本実施形態の印刷ワークフローシステム101のワークフローの概要を説明する。
部品交換が必要な印刷ワークフローにおいて、印刷ワークフローシステムの制御部201が交換対象の部品が操作者による交換可能であるか、サービスマンによる交換が必要かを判定する。ここで、制御部201が対象が操作者による交換が可能な部品である場合、操作者が使用可能な交換部品の在庫があるか判定する。そして、交換部品の在庫がある場合、に操作者による部品交換を実施する。
一方、交換部品の在庫が無い場合は、交換部品に影響されないように印刷ワークフローの内容を変更して、部品交換前の印刷装置で処理可能なように縮退する。
【0055】
また、サービスマンによる部品交換が必要な場合、サービスマンのスケジュールや遠隔地にいる場合にすぐに交換作業を実施できない可能性がある。
この時にも印刷ジョブの内容を変更して、サービスマンによる部品交換前の印刷装置で処理可能な印刷ジョブに縮退を行う。
【0056】
また、操作者による部品交換作業において、交換作業時に部品交換手順を印刷装置の表示部に表示することにより操作者の交換作業を容易にする。
なお、以下のフローチャートにおいて、第1、第2実施形態と同一の処理については詳細な説明は省略する。
【0057】
印刷ワークフローシステム101の制御部201は、印刷装置102で使用されている各部品の消耗状態を取得する。次に、S1502で、印刷ワークフローシステムは表示部202において、操作者による印刷ワークフローの入力を待つ。
【0058】
次に、制御部201は、印刷ワークフローが入力された後、入力された内容と印刷装置102の部品情報に基づき、印刷装置において部品交換が必要かどうかを判定する(S1503)。ここで、部品交換が必要ないと制御部201が判断した場合は、S1504に進み、印刷ジョブを印刷装置102に送信して(S1504)。そして、制御部201は、印刷装置102から印刷ジョブの処理状況を取得して(S1505)、当該印刷ジョブが完了したかどうかを判断する(S1506)。そして、S1504で印刷装置102に送信した印刷ジョブの処理を完了したと制御部201が判断した場合、本処理を終了する。
【0059】
一方、S1503で、部品交換が必要であると制御部201が判断した場合は、制御部201は、交換対象部品が操作者もしくはサービスマンのどちらによる交換が可能かを判断する。ここで、操作者による交換か可能であると制御部201が判断した場合は、S1508において、制御部201は、在庫テーブルを参照して交換対象部品の在庫確認を行う。
【0060】
ここで、交換可能な在庫部品が存在すると制御部201が判断した場合は、S1509に進み、制御部201は、部品交換工程を印刷ワークフローに設定する。印刷ワークフローシステム101は、印刷ジョブを印刷装置102に送信して印刷処理を行わせる。
【0061】
次に、S1511で、印刷ワークフローシステム101の制御部201は、印刷装置102の処理状況を取得する。そして、S1512において、印刷処理中に印刷装置102の部品交換作業が発生すると、S1513で、制御部201は、通信部207を介して部品管理データベース104に接続を行い、図9に示したS906で示すような交換手順の情報を取得する。
そして、S1514で、制御部201は、部品管理データベース104から取得する交換手順の情報を表示部202に表示する。具体的には、制御部201が操作者で交換可能な部品であると判別した場合、部品交換処理に伴う作業手順情報を表示する交換手順表示処理を実行することで表示部202に表示される。
これにより、操作者が不慣れな部品交換の作業において、適宜作業に必要な情報を取得することが可能となる。
そして、S1515で、当該交換部品に不慣れな操作者は、S1514の表示処理に基づいて、熟練した操作者は、S1514の表示処理に関わらず、部品の交換処理を行う。
そして、S1516で、制御部201は、印刷装置102に送信した印刷ジョブの完了を印刷装置102から取得する印刷ジョブの処理状況から判断する。ここで、印刷ジョブを完了していないと制御部201判断した場合は、S1511へ戻り、印刷ジョブを完了していると制御部201判断した場合は、本処理を終了する。
【0062】
一方、S1507で、操作者により部品交換が可能でないと制御部201が判断した場合は、S1517においてサービスマンによる交換作業が必要な部品について、制御部201は通信部207を介して、サービスマンによる当該部品の交換作業を完了できる時刻を取得する。ここで、取得した時刻に基づき、制御部201は印刷装置102において印刷ジョブを処理開始する前にサービスマンが部品交換を完了可能か判断する(S1518)。
ここで、印刷ジョブ処理開始前に交換作業を完了できると制御部201が判断した場合は、S1519において、制御部201は工程定義部204に、印刷ワークフローにサービスマンによる部品交換工程を設定する。その後、制御部201は、S1509以降の処理を実行する。
図16に示す印刷ワークフロー1601では、印刷処理1603の前にサービスマンによる部品交換工程1602を定義した状態を示す。
【0063】
一方、S1518で、当該の印刷ジョブ処理前にサービスマンによる部品交換作業を完了できないと制御部201が判断した場合、S1520において、印刷装置102で部品交換前に実施可能な条件で、印刷ジョブの印刷ワークフローの設定を変更して縮退内容の定義を行う。
ここで、制御部201は、縮退処理の内容として、印刷部数の変更、ステープル等の印刷後処理の削除がある。また、当初の印刷ジョブからの変更差分はサービスマンによる部品交換作業完了後、印刷装置において実行するよう印刷ワークフローに定義する。
【0064】
そこで、図16に示す印刷ワークフロー1604では、印刷ジョブの印刷処理開始前にサービスマンによる印刷装置の部品交換1606が実施できないため、印刷ジョブの部数を変更して、部品交換前に処理可能な部数を印刷するよう変更した様子を示している(1605)。
また、図16に示す印刷ワークフロー1604では、部品交換前に処理できなかった印刷ジョブの部数は、部品交換後に処理を実施するように印刷ワークフローを設定している(1607)。
【0065】
S1520において、制御部201が印刷ワークフローの縮退内容を定義すると、S1521で、表示部202において操作者に縮退内容を表示して、縮退した印刷ワークフローを実施するかどうかを選択する入力を待つ。
そして、表示部202で縮退した印刷ワークフローを実施するように操作者から指示を受け付けたと制御部201が判断した場合は、S1519に進み、制御部201は、工程定義部204において縮退した印刷ジョブを基に、サービスマンの部品交換作業工程を含む印刷ワークフローを設定する。
【0066】
一方、表示部202で縮退した印刷ワークフローを実施しないで、再度操作者による印刷ワークフローの設定を行う指示を受け付けたと制御部201が判断した場合は、S1502に進み、操作者に印刷ワークフローの再入力を行わせる。
一方、S1521で、表示部202で当初入力した印刷ワークフローの通り処理を行うために、ワークフローを変更せずサービスマンによる部品交換を待つこと指示していると制御部201が判断した場合は、S1522に進み印刷ジョブを待機状態にする。
そして、サービスマンによる部品交換作業後に操作者により待機状態を解除すると、制御部201はS1510において通信部207を介して印刷ジョブを印刷装置に送信して処理させる。
【0067】
上記の処理により、印刷ワークフローシステムは操作者もしくはサービスマンによる部品交換がすぐに実施できない場合に、部品交換が印刷ワークフローにおける影響を最小限に抑えられるようにすることが可能となる。
また、操作者による部品交換において交換手順を表示することにより、作業効率を向上させる。
〔第4実施形態〕
【0068】
印刷システムを構成する各装置で部品故障が発生した場合、第1実施形態で示したように操作者が交換可能な部品については操作者が印刷フローの一工程として部品交換を行うが、交換部品の在庫が無い場合は部品が調達できるまで交換作業が滞る可能性がある。
その際、同じ装置を複数稼働させる印刷システム環境では、他の装置を停止してそこから取得した部品を用いて部品交換を行うことが考えられる。
このような場合に印刷ワークフローシステムは、抜き取り先の他装置から必要な部品を抜き取り可能かどうか判断する。ここで、抜き取り可能と制御部201が判断した場合は、抜き取り先の装置の印刷ジョブについて、あらためて処理中に部品交換が必要かを計算して印刷ワークフローを変更する。交換時には抜き取り対象の部品について、抜き取られる装置から交換先の装置に部品の消耗情報を送信することで、部品本体と同時に部品の情報を引き継いで管理する。以下、その実施形態について説明する。
【0069】
図17は、本実施形態を示す印刷システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、印刷ワークフローシステム101において設定された印刷ワークフローにおいて、他の装置の部品を用いて部品交換を実施する例である。より具体的には、印刷ジョブの実行に関わる複数の印刷装置、複数の印刷装置から出力されるシート材に対する後処理を行う複数の後処理装置を備えた印刷システムを想定する。そして、当該印刷システムにおいて、いずれか1つの印刷装置で前記部品の交換が必要となると判断した場合、制御部201が当該部品を備える他の印刷装置で使用している部品を利用可能な状態かどうかを判断する部品調達判断処理を行う。そして、制御部201が他の印刷装置の部品を利用可能な状態であると判断した場合は、作成した印刷ワークフロー中に部品調達工程を組み入れて更新する処理を行う
なお、各ステップは、印刷ワークフローシステム101の制御部201として機能するCPUがHDD等の外部記憶装置から制御プログラムをRAM等にロードして実行することで実現される。第1〜第3実施形態と同一の処理については詳細な説明を省略する。
【0070】
まず、S1701で、印刷ワークフローシステム101の制御部201は、印刷装置102の印刷装置102で使用されている各部品の消耗状態を取得する。
次に、制御部201は、表示部202に表示するワークフローを表示する画面に対して、操作者による印刷ワークフローの入力を待つ。は表示部202で操作者からの入力を検知すると、制御部201は、印刷装置102と印刷ワークフローの内容から処理中に部品交換が必要か判定を行う(S1703)。
ここで、部品交換が必要でないと制御部201が判断した場合、S1711へ進み、部品交換が必要であると制御部201が判断した場合、S1704で交換部品の在庫があるかどうかを判断する。ここで、印刷ワークフローシステムは在庫があると制御部201が判断した判断すると、S1709に進み、印刷ワークフローに部品交換工程を設定する。
一方、S1704で、在庫が無いと制御部201が判断した場合、S1705で、印刷ワークフローシステムの制御部201は、部品管理データベース104に登録された印刷システムの構成情報(印刷装置の機種情報を含む)を取得して、交換対象部品と同じ部品を使用している機種があるかどうかを判断する。
【0071】
ここで、同じ部品を使用している機種が存在すると制御部201が判断した場合、S1706で、印刷ワークフローシステムは抜き取り先の装置から部品を抜き取り可能かどうか判断する。ここで、制御部201は、印刷ワークフローシステムは部品が抜き取られている間に装置が印刷ジョブを処理するかどうかを参照して、稼働する予定が無いと判断した場合は、抜き取り可能な部品の候補に決定する。
なお、当該部品の抜き取り時に部品入手先の印刷装置が動作する場合でも、後処理加工に代表される全ての印刷ワークフローに共通に使用されない部品であって、当該の部品に関連する処理を含まない印刷ワークフローであれば、抜き取り可能な部品に決定する。
す。
次に、制御部201は、同時に表示部202において抜き取り実施の可否を問う表示を行い、操作者による入力を待つ(S1706)。
【0072】
ここで、操作者から抜き取り可能とする指示を受け付けたと制御部201が判断した場合、S1707で、制御部201は、抜き取り先の装置において抜き取り作業を行うために、部品交換工程を印刷ジョブキューに挿入する。また、抜き取り先の印刷装置において対象の部品を抜き取った条件で、既存の印刷ワークフローの部品交換工程に関する再計算を行い印刷WFの内容を更新する。
【0073】
一方、S1705で抜き取り可能な機種がないと判断された場合、あるいはS1706で、抜き取り可能でないと指示を操作者から受け付けていると制御部201が判断した場合は、S1710に進み、制御部201は、該当の印刷ワークフローを待機させ、S1703へ戻る。
具体的には、待機状態において、制御部201は、表示部202に待機を表示して、操作者からの待機解除の操作を待つ。そして、制御部201が表示部202において解除指示が操作者から入力されたことを確認したら、S1703に進み、印刷ワークフローにおける部品交換の必要を再度判定する。
【0074】
一方、他の印刷装置から部品を抜き取る場合、S1707からS1708へ進み制御部201は、印刷装置102に通信部305を介して、抜き取り先の装置の部品管理データベースから交換対象の部品の消耗情報を取得する。そして、取得した情報を部品交換される印刷装置の部品管理データベース306で管理させる。同時に抜き取り先の装置の部品管理データベースの部品設定を抜き取り状態に更新する。
【0075】
そして、S1709で、制御部201は、部品交換工程を印刷ワークフローに設定する。この印刷ワークフローに基づき印刷ジョブを生成し、印刷ワークフローに従い印刷ジョブの処理と部品の交換処理を行う。以後、S1711〜S1714を実行して、本処理を終了する。
【0076】
上記の処理により部品交換作業が必要な印刷ワークフローにおいて、交換部品がすぐに入手できない場合に、他装置における印刷ワークフローを考慮しつつ、他装置から部品を抜き取って交換する処理を選択実行することが可能となる。
【0077】
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0078】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0079】
101 印刷ワークフローシステム
102 印刷装置
103 後処理装置
104 部品情報データベース
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、後処理装置を含む印刷システム、印刷システムのワークフロー管理方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、市場でデジタル印刷機を用いたプリントオンデマンド(POD(Print on Demand))印刷が普及しつつある。従来の印刷版を作成して印刷を行うコンベンショナル印刷とは異なり、POD印刷では印刷ジョブ毎に印刷の都度、オリジナルの画像データから編集、加工を行い、印刷画像データを作成して、印刷体裁などを設定して、デジタル印刷機で印刷処理を行う。
また、印刷物に付加価値を付けるために後処理装置で印刷済みの用紙を加工することもある。このような印刷ジョブに対する一連の処理は、印刷ジョブに関連付けられた工程の集まりとして定義される(印刷ワークフロー)。
【0003】
印刷ワークフローを構築して、印刷ジョブの各工程を管理するソフトウエアを印刷ワークフローシステムと呼ぶ。
印刷ワークフローシステムにおいて、システムと各装置の操作を行う操作者は印刷物を発注する顧客の要求から、印刷物を作成して納入するための一連の工程を定義して各工程の内容を入力する。印刷ワークフローシステムは定義されたワークフローの、操作者による各工程の作業時間予測を行い、作業スケジュールとして印刷ジョブに関連付けて管理する。この作業スケジュールに基づく時間情報は操作者及び各装置の稼働情報としてコスト計算に用いられる。
【0004】
印刷ワークフローシステムでは、入力された印刷物の定義を印刷画像データと共に印刷ジョブとして、各工程を実行する装置に送って実行させる。この際、印刷ワークフローシステムと各装置は相互に通信を行い、装置の状態や印刷ジョブ毎の実行状況と結果を取得することで、各工程の進捗を把握する。
これらの情報と処理前に作成した作業スケジュールを比較検討することで、以降の類似した印刷ワークフロー構築時における時間予測精度が向上する。
【0005】
また、各装置は印刷ジョブの処理中、または処理の前後で何らかの問題が発生した場合、一旦処理を中断する。また同時に問題が発生したことを装置上に表示して、操作者もしくは装置のメンテナンスを行うサービスマンに問題の解決を促すと同時に、その情報を印刷ワークフローシステムに送信する。その情報を受信した印刷ワークフローシステムは、実行中の印刷ジョブにおいて問題が発生したことをUIに表示して操作者に通知する。各装置において問題の対策が施されて、処理可能な状態に復元されると、各装置は状態が復旧したことを示す情報を印刷ワークフローシステムに送信する。この情報を受信した印刷ワークフローシステムは、印刷ジョブに対するUI表示を変更する。
【0006】
このような各装置と通信を行い印刷ジョブの進捗情報や各装置の状況を管理する印刷ワークフローシステムで、各装置で管理するインクやトナー、紙等の消耗状態を示す情報から、消耗物の交換時期を予測する技術がある。
また、消耗物の交換時期を予測した内容に基づき、消耗品を交換する時期を装置のUIに表示することで、操作者に対して事前に交換時期を通知することが行われている。さらに、印刷画像データの内容やジョブの内容から、予測された消耗品の交換時期に実行される印刷ジョブにおいて、実行可能な印刷内容を操作者に提示する技術がある。(例えば特許文献1を参照)
これらの技術により、印刷ワークフローシステムの操作者は、各装置での印刷ジョブを実際に処理する前に、その印刷ジョブの処理の可否を判断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−97242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
印刷ワークフローシステムを用いて行われるPOD印刷では、1つの印刷ジョブとして膨大なページ数の画像データやドキュメント、大量の部数を一度に印刷することを想定している。
【0009】
このような大量の印刷物を出力する印刷ジョブを処理中に、突然、部品の耐久寿命などの原因で装置の部品故障が発生することにより、処理装置での処理中に印刷ワークフローを中断することがある。故障が発生すると通常、操作者がサービスマンに故障を通知して、サービスマンが現地に到着後、修理を実施するため、故障発生から修理して印刷ジョブの処理を再開するまでに長い時間がかかることがあった。
【0010】
また操作者は中断した印刷装置の回復作業として故障した部品の交換以外に、印刷装置内に滞留した用紙を取り除いたり、用紙やインク、トナー等の消耗品を改めて補充したりしなければならない。
加えて装置の機械修理後、装置の再起動時に、中断した印刷ジョブを再開するために、印刷装置を故障前の動作条件や動作状態に戻すなどの調整作業を実施する必要がある。
【0011】
このような印刷ワークフロー構築時に予期しない復旧作業により、あらかじめ予測した操作者の作業時間やそれを基に算出したコスト情報が、実際の処理の結果と異なってしまう。
【0012】
また装置の部品交換を実施することで、交換前後で印刷ジョブの成果物である印刷物の品質に違いが出てしまうことがある。
例えば電子写真方式のデジタル印刷機では現像器、定着器、中間転写ベルトなどの部品が交換対象となる場合に、これらを交換することで印刷品質に影響を受ける。
同様に印刷後の用紙を加工して成型するための後処理工程で用いられる装置の一つとして断裁機があるが、この断裁刃等を交換することにより処理精度が変わり、断裁位置や断裁面の形状に影響を与えることがある。
このように印刷ジョブの処理中に中断してしまった場合、回復作業を行うことで同じ印刷ジョブの出力物の中断前後で品質に違いが出る可能性があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、印刷ジョブの実行中に、部品の交換に印刷工程で画質への影響が発生し得る場合に、部品交換の工程を組み入れても画質への影響を低減できる印刷ワーフフローを作成または修正できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成する本発明の印刷システムは以下に示す構成を備える。
印刷ジョブの実行に関わる印刷装置、当該印刷装置から出力されるシート材に対する後処理を行う後処理装置が実行する工程に、当該工程を管理する作業者あるいは前記印刷装置をメンテナンスすべきサービスマンが行う工程を関連づけて印刷ワークフローを情報処理装置で管理する印刷システムであって、前記情報処理装置は、前記印刷ジョブに設定される印刷設定条件に従い前記印刷装置、前記後処理装置を用いた印刷ワークフローを作成する作成手段と、前記印刷装置が実行する印刷ジョブに伴って交換すべき部品に関わる稼働情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得する稼働情報と、前記印刷ジョブに設定された印刷設定とから当該印刷ジョブの実行中に前記部品の交換が必要となるかどうかを判断する判断手段と、前記判断手段が前記部品の交換が必要となると判断した場合、当該部品が画質に影響を与える特性の部品であるのか、当該部品が製本品質に影響を与える特性の部品であるかを識別する識別手段と、前記識別手段が識別する部品の特性に従い、前記作成手段が作成した印刷ワークフローの複数の工程中に前記部品交換工程を組み入れる工程位置を決定する決定手段と、前記決定手段が決定した工程位置に前記部品交換工程を組み入れて前記作成手段が作成した印刷ワークフローを更新する更新手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、印刷ジョブの実行中に、部品の交換に印刷工程で画質への影響が発生し得る場合に、部品交換の工程を組み入れても画質への影響を低減できる印刷ワーフフローを作成または修正できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】印刷システムの構成を説明するブロック図である。
【図2】印刷ワークフローシステムの構成を説明するブロック図である。
【図3】図1で示した印刷装置の構成を説明するブロック図である。
【図4】図1に示した後処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図5】印刷ジョブ生成部が生成する印刷ジョブの概要構成を説明する図である。
【図6】印刷ワークフローシステムの印刷WFの一例を示す図である。
【図7】印刷システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【図8】部品管理データベースで管理されるデータの一例を示す図である。
【図9】部品管理データベースに格納される部品交換作業者情報を示す図である。
【図10】印刷ジョブ管理部で管理する印刷ジョブキューの概念図である。
【図11】印刷ワークフローシステムの印刷WFの一例を示す図である。
【図12】表示部に表示される操作者の作業リストの一例を示す図である。
【図13】印刷システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【図14】印刷システムで表示可能なユーザインタフェースを示す図である。
【図15】印刷システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【図16】印刷ワークフローシステムの印刷WFの一例を示す図である。
【図17】印刷システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
【0017】
図1は、本実施形態を示す印刷システムの構成を説明するブロック図である。本システムは、印刷ジョブの実行に関わる印刷装置、当該印刷装置から出力されるシート材に対する後処理を行う後処理装置が実行する工程に作業者あるいはサービスマンが行う工程を関連づけて印刷ワークフローを管理する印刷システムの例である。
図1において、101は印刷ワークフローシステムで、ネットワークを介して印刷処理を行う印刷装置102、シートに後処理を行う後処理装置103、部品情報を管理する部品管理データベース104から構成され、それぞれネットワークで結ばれて相互に通信を行う。
【0018】
図2は、図1に示した印刷ワークフローシステム101の構成を説明するブロック図である。なお、本実施形態において、印刷ワークフローシステム101は、いわゆるコンピュータシステムを備える情報処理装置で構成する場合について説明する。そして、当該情報処理装置には、印刷ワークフローシステムを統括的に制御するための印刷ワークフロー管理プログラムがインストールされ、CPU等がRAM等のメモリ資源を用いて印刷ワークフロー処理を統括的に制御する。
また、本実施形態においては、制御部201が上記印刷ワークフロー管理プログラムを実行することで、以下の機能処理を実行する。
第1の機能処理は、印刷ジョブに設定される印刷設定条件に従い前記印刷装置、前記後処理装置を用いた印刷ワークフローを作成する作成機能処理である。第2の機能処理は、印刷装置が実行する印刷ジョブに伴って交換すべき部品に関わる稼働情報を取得する取得機能処理である。第3の機能処理は、取得する稼働情報と、印刷ジョブに設定された印刷設定とから当該印刷ジョブの実行中に前記部品の交換が必要となるかどうかを判断する判断機能処理である。さらに、第4の機能処理は、部品の交換が必要となると判断した場合、当該部品が画質に影響を与える特性の部品であるのか、当該部品が製本品質に影響を与える特性の部品であるかを識別する識別機能処理である。
さらに、第5の機能処理は、識別する部品の特性に従い、前記作成手段が作成した印刷ワークフローの複数の工程中に前記部品交換工程を組み入れる工程位置を決定する決定機能処理である。さらに、第6の機能処理は、決定した工程位置に前記部品交換工程を組み入れて前記作成手段が作成した印刷ワークフローを更新する更新機能処理である。なお、各機能処理は、後述するフローチャートに基づくステップが実行されることで、それぞれの機能処理が実行される。
【0019】
図2において、201は制御部で、後述の印刷ワークフローシステム101内の各モジュールの制御を行い、システム全体の動作を決定する。202は表示部で、制御部201の制御に基づき、印刷ワークフローシステムの操作者に対して内部の動作状態や結果を表示する。また、表示部202がタッチパネルで構成される場合には、タッチパネルに表示するUI画面に対する操作者(ユーザ)からの操作を受け付けて制御部201に通知する。なお、制御部201は、本例は、作成した印刷ワークフローまたは更新した印刷ワークフローを表示する表示制御を図示しないユーザインタフェース画面を用いて行い、操作者に適切な印刷ジョブの状態を通知することができる。
203は画像生成部で、印刷装置102で印刷すべき印刷用画像データを生成する。また、画像生成部203は、印刷画像を最終的な印刷物の内容に応じて配置する面付け処理を行う。
【0020】
204は工程定義部で、表示部202上で操作者が行った操作から制御部201の制御に従い、印刷物を作成するための印刷ジョブの各工程を定義する。205は印刷ジョブ生成部で、制御部201に従い、画像生成部203で生成された印刷用画像データと、表示部202において入力されたデータ、工程定義部204で決定された処理工程から印刷ジョブを生成する。
【0021】
206は印刷ジョブ管理部で、印刷ジョブを管理する印刷ジョブキューを持ち、制御部201に従い、印刷ジョブ生成部205で生成された印刷ジョブを管理する。207は通信部で、制御部201の制御に従い、ネットワークに接続された他の通信機器との通信処理を行う。通信部207は、印刷ジョブをネットワークに接続した外部装置に送信したり、外部装置と相互に通信を行って進捗状況を把握したりする。
【0022】
図3は、図1で示した印刷装置102の構成を説明するブロック図である。
【0023】
図3において、301は制御部で、後述の印刷装置内の各モジュールの制御を行い、装置全体の動作を決定する。302は表示部で、制御部301の制御に基づき、印刷装置102の操作者に対して内部の動作状態や結果を表示する。また、表示部302がタッチパネルで構成される場合には、操作者からのUI操作を受け付けて制御部301に通知する。
303は画像処理部で、印刷ジョブに指定された印刷体裁に基づき、印刷ジョブに含まれる印刷用画像データの画像処理を行い印刷に適した画像へ変換する。また、画像処理部303では、ポストスクリプト(登録商標)やPDF(Portable Document Format)等に代表されるベクトル画像を処理してラスター画像への変換を行うRIP(Raster Image Processing)処理を行う。
ここで、RIP処理は画像処理部303の内部で実施してもいいし、印刷装置102にネットワークで接続された外部装置(サーバ装置)のモジュールで実施しても構わない。つまり、クラウドコンピューティング環境で、サーバ装置が上記RIP処理をサービスを提供する環境では、上記のような外部装置でRIP処理を依頼し、RIP処理結果を受け取る構成としてもよい。
304は印刷部で、制御部301の制御に従い、印刷ジョブに指定された印刷体裁に指定された通り、画像処理部303で処理された印刷用画像データを印刷する。305は通信部で、制御部301の制御に従い、ネットワークに接続された他の通信機器との通信処理を行う。通信部305は、ネットワークに接続された印刷ワークフローシステム101で生成された印刷ジョブを受信したり、印刷装置の状態を外部装置に通知したりする。306は部品管理データベースで、印刷装置102を構成する各部品のうち、印刷処理によって消耗する部品の現在の耐久度を示す情報を管理している。
【0024】
図4は、図1に示した後処理装置103の構成を説明するブロック図である。なお、本実施形態において、印刷物の後処理加工には様々な種類があるが、主なものとしては印刷物の針綴じを行う綴じ処理、印刷物を折り曲げる折り処理、印刷物の穴開け処理等がある。また、印刷物を指定した順に並べる帳合処理、印刷物を指定した大きさに切断する断裁処理、製本処理、ラミネート加工や箔押し等の表面を加工する処理等が挙げられる。
図4において、401は制御部で、後述の後処理装置103内の各デバイスの制御を行い、装置全体の動作を決定する。
402は表示部で、制御部401の制御に基づき、後処理装置の操作者に対して内部の動作状態や結果を表示する。また、表示部402がタッチパネルで構成される場合には、操作者からのUI操作を受け付けて制御部401に伝える。
403は後処理加工部で、印刷ジョブに指定された情報に基づき、印刷装置102で印刷された印刷物に対して後処理加工を行う。404は通信部で、制御部401の制御に従い、ネットワークに接続された他の通信機器との通信処理を行う。
【0025】
図5は、図2に示した印刷ジョブ生成部205で生成された印刷ジョブの概要構成を説明する図である。
図5において、501は印刷ジョブで、ファイルヘッダ情報502、印刷体裁情報503、印刷用画像データ504から構成される。
ここで、ファイルヘッダ情報502は、印刷ジョブファイル501の構成を管理して、ファイルに含まれる構成物へのリンクを持つ。印刷体裁情報503は、印刷物を発注した顧客情報に対応付けて管理するための印刷ジョブにユニークなIDを含む。
また、印刷体裁情報503は、印刷物の構造や印刷に用いる印刷画像データへのリンク、印刷画像データのレイアウト方法、用紙指定や後処理加工を指定する情報を持つ。
【0026】
さらに、印刷用画像データ504は、図2に示した画像生成部203において生成された画像データであり、印刷において使用される画像データである。印刷用画像データの例としてはPostScript(登録商標)やPDF形式のベクター画像、またはTIFF,JPEG,RAWデータ等のラスター画像が挙げられる。
印刷用画像データ504は印刷ジョブファイルに含まれてもよいし、または画像データの実体は印刷システムがアクセス可能なネットワーク上の別の領域に保持されて、印刷体裁情報がその参照先のリンクを持つことにしてもよい。
【0027】
本実施形態において、印刷ワークフローシステムで定義される、印刷ワークフローの概念について図6を用いて説明する。
図6は、本実施形態を示す印刷ワークフローシステムのワークフロー(WF)の一例を示す図である。
図6において、601は印刷ワークフロー全体を示す。601は印刷ジョブを処理するための各装置における複数の処理工程602から構成される。印刷ワークフローシステム101の表示部202における操作者の操作に基づき必要な工程が選択されて、各処理工程は処理順に並べられ、互いの関係を定義される。表示部202は操作者に各工程において、さらに詳細な工程内での設定の入力を待つ。
【0028】
以下、印刷ワークフローシステム101が行う処理について図7を用いて説明する。
【0029】
図7は、本実施形態を示す印刷システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、印刷ワークフローシステム101が印刷ジョブの印刷中に交換される部品の種類から、印刷ジョブの作業工程中に自動的に交換作業工程を挿入する処理例である。
なお、各ステップは、印刷ワークフローシステム101の制御部201として機能するCPUがHDD等の外部記憶装置から制御プログラムをRAM等にロードして実行することで実現される。以下、制御部201が部品交換工程で部品交換作業を行う作業者が前記情報処理装置を操作する操作者で交換可能な部品であるか、サービスマンで交換可能な部品であるかどうかを判別して印刷ワークフローを更新する処理を説明する。
なお、制御部201は、操作者で交換可能な部品であると判別した場合、当該部品が画質に影響を与える特性の部品であるのか、当該部品が製本品質に影響を与える特性の部品であるかを識別する処理を実行する。
制御部201は、通信部207からネットワーク経由で接続している印刷装置102で使用されている各部品の消耗状態を示す情報を取得する(S701)。なお、制御部201は、印刷装置102には、部品管理データベース306を備えており、当該部品管理データベース306より、各部品の消耗状態を示す情報を印刷装置102から取得する。
【0030】
図8は、図3に示した印刷装置102の部品管理データベース306で管理されるデータの一例を示す図である。本例は、印刷装置102の部品の消耗状態を表すテーブルデータの一例を示す。
したがって、制御部201は、部品管理データベース306から上記テーブルに示すデータを取得する。
図8において、部品管理データベース306は、部品名称801毎に、ID802、前回交換時期803、カウンタ804の項目が管理される。ここで、カウンタ804は、交換すべき部品に関わる稼働情報が各部品毎に計数されている。
具体的には、各部品名称801は、前回交換の日時を示す前回交換時期803と、耐久上限値と使用回数から成るカウンタ804のカウンタ値から構成されるデータで管理される。カウンタ804のカウンタ値は部品の使用回数、部品設置からの経過時間、印刷処理済ページ数等の使用状況によって加算される。部品が交換されるたびに前回交換とカウンタ値の値は更新される。
S701で、制御部201が印刷装置102からデータ取得後、S702で、制御部201は表示部202において印刷ワークフローのUIを表示して、操作者が印刷ワークフローの内容の入力を行うのを待つ。
【0031】
次に、S703で、操作者からの入力を確認した後、制御部201はS701で取得した印刷装置の部品の消耗状況と、S702で入力された印刷ワークフローの内容とを比較して部品交換が必要かどうかを判断する。具体的には、部品の耐久上限値までの残り数値が、当該の印刷ワークフローにより生成される印刷ジョブの処理により新たに加算される値より小さい場合、印刷装置において印刷ジョブを印刷する途中で対象の部品を交換する必要があると判断する。ここで、制御部201が部品交換する必要があると判断した場合、S708に進む。
【0032】
一方、S703で、部品を交換する必要が無いと制御部201が判断した場合は、S704で、制御部201は、印刷ワークフローに基づき印刷ジョブ生成部205において印刷ジョブを生成させて、S705で、制御部201は生成した印刷ジョブを通信部207から印刷装置102に送信する。次に、S706で、制御部201は通信部207を介して、印刷装置102から印刷ワークフローの処理状況を取得して印刷ジョブが完了しているかどうかを判断する。ここで、印刷ジョブが完了していないと制御部201が判断した場合は、印刷ジョブの処理状況を繰り返すため、S706へ戻る。
一方、S707で、印刷ジョブの処理を完了していると制御部201が判断した場合は、本処理を終了する。その際は、制御部201は、印刷ジョブの処理を終了したら、表示部202で印刷ワークフローに終了表示を行う。
一方、S703で、部品交換が必要であると制御部201が判断した場合、制御部201は、S708で通信部207を介して部品管理データベース104にアクセスして、部品毎に交換作業者の情報を取得する。
【0033】
図9は、図1に示した部品管理データベース104に格納される部品交換作業者情報の例を示す図である。
なお、本例では、部品名称901毎に、ID902、作業者903、画質調整904、HW調整905、交換手順906、標準作業時間907を管理する例である。なお、交換手順906は、部品交換を行う作業者として操作者あるいはサービスマンで交換可能な部品であると判別した場合、部品交換処理に伴う作業手順情報を表示するために取得すべきhtmlファイルが設定されている。
図9において、例えばデータベースの"作業者"キーは"OP""SR"の値が格納されている。ここで、"OP"とは印刷装置102の操作を行う操作者を表し、"SR"とはメンテナンスを専門に行うサービスマンを表す。
操作者が交換可能な部品としては部品や周辺部品がパッケージ化されて交換設置作業が容易である部品や、安全に交換可能な部品などが挙げられる。
一方、サービスマンが交換実施を行う必要がある部品としては、交換作業に専門的知識や装置の分解等を伴うものが要求される部品(例えば熱定着ユニット、感光ドラム、搬送ベルト)や、交換時に適切な手順を実施しないと危ない部品(例えば帯電器)等が考えられる。
次に、S709で、制御部201はS708で取得したデータベースの情報の中で交換作業を実施する作業者を示す"作業者"キーを参照する。そして、制御部201は、交換対象となる部品の"作業者"キーに格納された値から、その部品が操作者によって交換可能な部品か、それともサービスマンによってのみ交換可能な部品かどうかを判断する。
【0034】
ここで、操作者による交換が可能な部品を交換する場合には、S710で、制御部201はその部品交換により、交換前後の印刷品質に変化が生じる可能性があるかを判定する。制御部201は、図9に示した部品管理データベースに示す各部品情報から、交換対象の部品について"画質調整"キーで参照する。ここで、値"1"が設定された部品は交換作業が印刷品質に影響を与える可能性のある部品である。また、部品交換後の印刷画質の調整処置として値"CAL"で示すキャリブレーション処理や、"、"CHK"で示す操作者とサービスマンによる画質確認作業が必要であることを示している。
そこで、制御部201は、S710で、交換対象部品の"画質調整"の値が"0"であると判断した場合、S711に進み、値が"1"であると判断した場合、S712に進む。
【0035】
そして、S711で、制御部201は後処理加工において、部品交換の前後で印刷物の品質に影響が生じる可能性があるかどうかを判定する。その際、制御部201は図9に示した部品管理データベースに示す各部品情報から、交換対象の部品について"ハードウェア調整(HW調整)"キーで参照する。ここで、"ハードウェア調整"キーで値に"1"が設定された部品は、交換後に後加工処理時の品質に影響を与える可能性のある部品である。
そこで、S711において、制御部201が印刷物の品質に部品交換による影響がないと判断した場合は、S713以降に進む。そして、印刷ジョブの印刷処理途中であっても部品交換を印刷ワークフロー中の部品交換が必要になる時刻において実施するよう、印刷ワークフローに交換作業を組み入れる処理を行う。
一方、S711で、印刷物の品質に何らかの影響を与える可能性があると制御部201が判断した場合は、S712において、交換作業が必要な印刷ジョブの前に、交換作業を組み入れる処理を行い、印刷ワークフローの内容を変更して、S704へ進む。つまり、本実施形態では、交換すべき部品が画質に影響を与える特性の部品である場合、あるいは製本品質に影響を与える特性の部品である場合、部品交換を行う必要のある印刷ジョブの実行前に当該部品交換を行うための部品交換工程を組み入れる処理を実行する。
【0036】
なお、S712において、制御部201は、部品交換作業を交換作業が必要な印刷ジョブの前に実行するように、印刷ジョブ管理部206の印刷ジョブキューに部品交換作業を設定後に、当該の印刷ジョブを設定する。
【0037】
一方、S711で印刷ジョブの印刷処理途中で部品交換を適宜実施すると制御部201が判断した場合、S713で、制御部201は工程定義部204に印刷ジョブの印刷工程を、部品交換作業を実行する時刻で分割する処理を行う。そして、印刷ジョブの印刷工程を分割後、S714で、分割された複数の印刷工程のジョブ間に、必要な部品交換作業を設定して、S704へ進む。
【0038】
一方、S709で、制御部201が部品管理データベース104から取得した情報に基づき、交換対象の部品が操作者による交換作業はできないものであると判断した場合、通信部207を介して部品交換作業をサービスマンに依頼する通知を行う(S715)。その際、制御部201は、部品管理データベース104から取得した情報をもとに、印刷装置102においてサービスマンによる交換実施が必要な時刻を通知する。
【0039】
なお、S712またはS714において印刷ワークフローに部品交換工程を設定後、制御部201はS704に進み、印刷ジョブ生成部205において印刷ワークフローから印刷ジョブを作成する。制御部201は、通信部207を介して作成した印刷ジョブを印刷装置102、もしくは後処理装置103に送信する(S705)。
【0040】
そして、制御部201は、印刷ジョブを送信した後、印刷ワークフローシステムは通信部207で各装置における処理状況を他印刷ジョブの処理と非同期に受信する(S706)。各装置から処理完了の通知が来るまで処理状況の取得を行い、制御部201は通信部207が完了通知を受信すると、印刷ジョブ管理部で印刷ジョブキューの更新を行わせて、表示部202に処理完了の表示を行う。
これにより、印刷ジョブの実行中に、部品の交換に印刷工程で画質への影響が発生し得る場合に、部品交換の工程を組み入れても画質への影響を低減できる印刷ワーフフローを作成または修正できる。
次に、上記の印刷ワークフローシステムの印刷ジョブキューにおける部品交換作業を設定する処理を、図10を用いて説明する。
【0041】
図10は、本実施形態を示す印刷ワークフローシステムの印刷ジョブ管理部206における、印刷ジョブのエンキュー処理を示す概念図である。
図10において、1003は印刷ジョブキューで、印刷ジョブ管理部206が印刷ジョブキュー1001に印刷ジョブ(JobID="C")1002を格納した様子を示している。
例えば印刷装置102の現像器(#2)部品の状態1004が、耐久上限値50000ページのうち既に46415ページ印刷に使用されている状態であるとする。この時、1部が50ページで構成される印刷物を100部印刷する印刷ジョブ(JobID="D")1005が印刷ワークフローシステムにおいて入力されたとする。印刷ジョブ全体では50ページ×100部=5000ページの印刷が行われるため、全てのページを印刷してこの印刷ジョブを完了してしまう前に、現像器(#2)の耐久寿命に達してしまう。
そこで、制御部201は、印刷ジョブ1005の処理中に部品交換工程1006が発生すると判断する。そして、制御部201は、部品管理データベース104から現像器(#2)の交換作業者の情報を取得する。
図9の作業者903に示すように現像器(#2)の交換作業が操作者(OP)によって実施可能であるとすると、制御部201は、現像器(#2)が印刷物の画質に影響を与えるものかどうかを判断する。
この場合、画質調整904で示すように、現像器(#2)の交換が交換後の印刷物の画質に変化を及ぼす可能性がある場合、印刷ジョブの印刷途中で部品交換を実施するのは望ましく無い。そのため、印刷ジョブ処理実行の前に部品交換を実施するように、部品交換工程1006を印刷ジョブキュー1007に設定する。部品交換作業を実施後、印刷ジョブ1005を印刷ジョブキュー1007に設定する。
【0042】
同様に例として、印刷装置102のローラ(#1)の部品1008の状態が耐久上限250000枚のうち、245666枚まで使用している状況であるとする。この状態で1部が20ページで構成される印刷物を300部印刷する印刷ジョブ1009が印刷ワークフローシステム上で入力されたとする。印刷ジョブ全体では20部×300ページで6000ページの印刷が行われるが、全てのページを印刷する前に、ローラー(#1)の耐久上限に達してしまう。そこで、制御部201は、印刷ジョブ1009の処理中に部品交換工程1011が発生すると判断する。制御部201は部品管理データベース104から交換作業者の情報を取得する。
【0043】
例えば、図9に示す作業者903に示すようにローラー(#1)が操作者により交換作業が実施可能な部品とする。その場合、次に、制御部201は、ローラー(#1)の交換が印刷品質及び後加工の品質に影響を与えるかどうかを、図9の画質調整904とHW調整905を参照して判断する。ローラー(#1)が印刷物の品質に影響を与えない部品とすると、制御部201は、印刷ジョブの処理中に交換実施可能と判断する。
次に、制御部201は、部品交換までに処理可能な部数まで印刷処理を実施後、部品交換のために印刷処理を中断し、交換後印刷ジョブの残りを処理するように印刷ワークフローを構築する。
このようにして構築された印刷ワークフローに基づき、印刷ジョブ生成部205において複数の印刷ジョブを生成する。前述の例において、印刷ジョブ1009を処理する印刷ワークフローは、印刷工程1010と部品交換工程1011、部品交換後の印刷工程1012として定義される。
部品交換工程1011により処理が分割された印刷ジョブは、同一のJobSubIDを持つことで、制御部201は、同一の印刷ジョブから派生したことを判断可能である。印刷ジョブ管理部206は、印刷ジョブ1013、1015と部品交換工程1014を印刷ジョブキュー1016に格納する。
以下、印刷ワークフローシステムが本実施形態で示す処理を実行することにより構築した、印刷処理途中に部品交換を定義した印刷ワークフローの例を説明する。
【0044】
図11は、本実施形態を示す印刷ワークフローシステムの印刷ワークフローの例を説明する図である。
図11において、1101は印刷ワークフローで、印刷工程1102は部品交換を伴うため、部品交換工程1103を実施しながら、複数回に分けて印刷工程(分割印刷工程であって、先行する分割印刷工程と、後続する分割印刷工程からなる)を実施する。
まず、印刷装置102は印刷ワークフローに従って部品交換前に1200ページを印刷した後、操作者による部品交換工程のために停止する。操作者によるローラー(#1)の交換後、印刷装置102は印刷工程を再開させる。
そして、印刷装置102は3400ページ印刷を実行した後、再度印刷ワークフローに従い部品交換のため停止する。そして、印刷工程を停止した後、操作者は印刷装置102で廃トナー器の交換を行う。操作者が当該廃トナー器を交換した後、再度印刷装置は400ページ印刷を実行する。この際、印刷装置102は、残った400(400/5000)枚の印刷処理を行う。
【0045】
第一の実施例で構成された印刷ワークフローを処理する印刷装置の、表示部302における操作者の作業リストを図12で例示する。操作者は作業リスト1201で表示された各印刷ワークフローに対応した印刷ジョブの処理作業を確認しながら実施する。印刷ジョブの印刷工程1202と印刷装置の部品交換工程1203が処理順に表示される。同一の印刷ジョブに含まれる複数の工程は、印刷ジョブに固有のJobIDと、JobIDに関連付けられた複数のJobSubID 1204で管理される。各ジョブの印刷処理時間は1部ごとの印刷枚数や部数から計算される。また部品交換工程の作業時間は図9で示す部品管理データベースに標準作業時間907で既定の時間に基づき計算される。印刷ワークフローに含まれる処理内容と印刷装置の部品状態から予想される交換処理を積算して、操作者の作業見積もり時間1205が表示される。
【0046】
〔第2実施形態〕
以下、印刷ジョブキューに既存の印刷ジョブ群が存在する状態で新たに生成した印刷ジョブを割り込ませる処理を含む実施形態について説明する。
図13は、本実施形態を示す印刷システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、印刷ワークフローシステム101が管理する印刷ジョブキュー上で、新規に登録する印刷ジョブを登録されたいずれかの印刷ジョブ間に割り込み処理する際の印刷ワークフロー作成処理例である。
なお、各ステップは、印刷ワークフローシステム101の制御部201として機能するCPUがHDD等の外部記憶装置から制御プログラムをRAM等にロードして実行することで実現される。
印刷ジョブキュー内で後続の印刷ジョブを先行して処理するために既存の印刷ジョブ群に対して割り込み印刷の要求がなされた場合に、印刷ワークフローシステムは割り込んだ印刷ジョブ以降の印刷ジョブについて、部品交換工程が必要かどうか再計算を行う。交換が必要な場合、該当する印刷ジョブに変更を反映させる。以下の説明において、第1実施形態と同一の処理については詳細な説明を省略する。
【0047】
S1301で、印刷ワークフローシステム101の制御部201は、印刷装置102で使用されている各部品の消耗状態を取得する。そして、S1302で、印刷ワークフローシステムは表示部202において、操作者による印刷ワークフロー(印刷WF)の入力を待つ。次に、S1303で、制御部201は、印刷装置102と印刷ワークフローの内容から処理中に部品交換が必要か判定を行い、必要があると制御部201が判断した場合、印刷ワークフローに部品交換工程を定義して(S1305)、印刷ジョブを生成する(S1304)。
【0048】
この印刷ワークフローから生成された新規の印刷ジョブは通常、何も指定しない場合、印刷ジョブキューの印刷ジョブ群の末尾に付け加えられ、印刷ジョブキューに格納された順番に従い処理が実施される。
しかしながら、既に他の印刷ジョブが印刷ジョブキューで管理されている場合、操作者は顧客の要求や処理の都合により処理前の各印刷ジョブの処理順序を変更することが行われる。
【0049】
図14は、図2に示した表示部202で表示されるユーザインタフェース(UI)の一例を示す図である。本例は、印刷ジョブの割り込み位置を設定するUI画面の一例である。
図14において、1401は既に印刷装置に送信されて印刷ジョブキューとその中で管理されている印刷ジョブ群を示す。新規の印刷ジョブ1402は、印刷ジョブキューの印刷ジョブ群の末尾に付け加えられる。
印刷ワークフローシステム101の操作者はこのUIにおいて、印刷ジョブキュー内の任意の印刷ジョブを選択して上下ボタンB1を押下することにより、印刷ジョブの順序を変更することが可能である。言い換えると、制御部201は、ジョブキューを用いて新たに投入される印刷ジョブのジョブ実行順序を割り込み可能に印刷ワークフローを管理している。
【0050】
印刷ワークフローシステム101の制御部201は、操作者が表示部202において印刷ジョブの処理順序を変更する指示がなされているかどうかを判断する(S1306)。ここで、処理順序を変更すると制御部201が判断した場合、操作者が指示する上下ボタンB1に従い、表示部202において印刷ジョブの処理順序を変更、すなわち割り込み位置の設定を受け付ける(S1307)。
その後、制御部201は、印刷ジョブキュー内の割り込み位置以降の印刷ジョブについて、部品交換工程を設定する必要がないかどうかを印刷ジョブが割り込んだ条件で再計算する(S1308)。
そして、印刷ジョブの割り込み処理により割り込んだ印刷ジョブより後ろの印刷ジョブで設定済みの部品交換工程の変更か、もしくは新規設定が必要である場合、制御部201は表示部202でユーザに割り込み確認のための図14のダイアログ1403を表示する。そして、制御部201は、操作者が当該ダイアログ1403を確認して、割り込みを許可する指示を行っている(割り込みOK)かどうかを判断する。具体的には、制御部201は、図14に示すダイアログ1403で、ボタンBT1を押下しているかどうかを判断する。ここで、ボタンBT2を押下していると制御部201が判断した場合は、S1307へ戻る。
一方、S1309で、図14に示すダイアログ1403で、ボタンBT1を押下していると制御部201が判断した場合は、制御部201は、S1310に進み、印刷ジョブキューの印刷ジョブの変更を行う。
【0051】
上記の処理により、印刷ワークフローシステムは印刷ジョブキュー内の既存の印刷ジョブに対する部品交換工程を考慮して、印刷ジョブの割り込み処理を実施することが可能となる。
これにより、割り込みによって生じる既存の印刷ジョブに対応する印刷ワークフローの処理工程の再定義を、操作者が実施する必要が無くなり操作が簡便化される効果が得られる。
【0052】
〔第3実施形態〕
【0053】
以下、印刷装置において部品交換が必要な場合に、その交換作業者が操作者かサービスマンかによって異なる処理を実行する実施形態について説明する。
図15は、本実施形態を示す印刷システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、制御部201がサービスマンで交換可能な部品であると判別した場合、作成した印刷ワークフロー中の印刷工程を印刷装置102が印刷可能な条件で縮退した複数の縮退印刷工程を作成して印刷ワークフローを更新する処理例である。
なお、各ステップは、印刷ワークフローシステム101の制御部201として機能するCPUがHDD等の外部記憶装置から制御プログラムをRAM等にロードして実行することで実現される。
【0054】
以下、本実施形態の印刷ワークフローシステム101のワークフローの概要を説明する。
部品交換が必要な印刷ワークフローにおいて、印刷ワークフローシステムの制御部201が交換対象の部品が操作者による交換可能であるか、サービスマンによる交換が必要かを判定する。ここで、制御部201が対象が操作者による交換が可能な部品である場合、操作者が使用可能な交換部品の在庫があるか判定する。そして、交換部品の在庫がある場合、に操作者による部品交換を実施する。
一方、交換部品の在庫が無い場合は、交換部品に影響されないように印刷ワークフローの内容を変更して、部品交換前の印刷装置で処理可能なように縮退する。
【0055】
また、サービスマンによる部品交換が必要な場合、サービスマンのスケジュールや遠隔地にいる場合にすぐに交換作業を実施できない可能性がある。
この時にも印刷ジョブの内容を変更して、サービスマンによる部品交換前の印刷装置で処理可能な印刷ジョブに縮退を行う。
【0056】
また、操作者による部品交換作業において、交換作業時に部品交換手順を印刷装置の表示部に表示することにより操作者の交換作業を容易にする。
なお、以下のフローチャートにおいて、第1、第2実施形態と同一の処理については詳細な説明は省略する。
【0057】
印刷ワークフローシステム101の制御部201は、印刷装置102で使用されている各部品の消耗状態を取得する。次に、S1502で、印刷ワークフローシステムは表示部202において、操作者による印刷ワークフローの入力を待つ。
【0058】
次に、制御部201は、印刷ワークフローが入力された後、入力された内容と印刷装置102の部品情報に基づき、印刷装置において部品交換が必要かどうかを判定する(S1503)。ここで、部品交換が必要ないと制御部201が判断した場合は、S1504に進み、印刷ジョブを印刷装置102に送信して(S1504)。そして、制御部201は、印刷装置102から印刷ジョブの処理状況を取得して(S1505)、当該印刷ジョブが完了したかどうかを判断する(S1506)。そして、S1504で印刷装置102に送信した印刷ジョブの処理を完了したと制御部201が判断した場合、本処理を終了する。
【0059】
一方、S1503で、部品交換が必要であると制御部201が判断した場合は、制御部201は、交換対象部品が操作者もしくはサービスマンのどちらによる交換が可能かを判断する。ここで、操作者による交換か可能であると制御部201が判断した場合は、S1508において、制御部201は、在庫テーブルを参照して交換対象部品の在庫確認を行う。
【0060】
ここで、交換可能な在庫部品が存在すると制御部201が判断した場合は、S1509に進み、制御部201は、部品交換工程を印刷ワークフローに設定する。印刷ワークフローシステム101は、印刷ジョブを印刷装置102に送信して印刷処理を行わせる。
【0061】
次に、S1511で、印刷ワークフローシステム101の制御部201は、印刷装置102の処理状況を取得する。そして、S1512において、印刷処理中に印刷装置102の部品交換作業が発生すると、S1513で、制御部201は、通信部207を介して部品管理データベース104に接続を行い、図9に示したS906で示すような交換手順の情報を取得する。
そして、S1514で、制御部201は、部品管理データベース104から取得する交換手順の情報を表示部202に表示する。具体的には、制御部201が操作者で交換可能な部品であると判別した場合、部品交換処理に伴う作業手順情報を表示する交換手順表示処理を実行することで表示部202に表示される。
これにより、操作者が不慣れな部品交換の作業において、適宜作業に必要な情報を取得することが可能となる。
そして、S1515で、当該交換部品に不慣れな操作者は、S1514の表示処理に基づいて、熟練した操作者は、S1514の表示処理に関わらず、部品の交換処理を行う。
そして、S1516で、制御部201は、印刷装置102に送信した印刷ジョブの完了を印刷装置102から取得する印刷ジョブの処理状況から判断する。ここで、印刷ジョブを完了していないと制御部201判断した場合は、S1511へ戻り、印刷ジョブを完了していると制御部201判断した場合は、本処理を終了する。
【0062】
一方、S1507で、操作者により部品交換が可能でないと制御部201が判断した場合は、S1517においてサービスマンによる交換作業が必要な部品について、制御部201は通信部207を介して、サービスマンによる当該部品の交換作業を完了できる時刻を取得する。ここで、取得した時刻に基づき、制御部201は印刷装置102において印刷ジョブを処理開始する前にサービスマンが部品交換を完了可能か判断する(S1518)。
ここで、印刷ジョブ処理開始前に交換作業を完了できると制御部201が判断した場合は、S1519において、制御部201は工程定義部204に、印刷ワークフローにサービスマンによる部品交換工程を設定する。その後、制御部201は、S1509以降の処理を実行する。
図16に示す印刷ワークフロー1601では、印刷処理1603の前にサービスマンによる部品交換工程1602を定義した状態を示す。
【0063】
一方、S1518で、当該の印刷ジョブ処理前にサービスマンによる部品交換作業を完了できないと制御部201が判断した場合、S1520において、印刷装置102で部品交換前に実施可能な条件で、印刷ジョブの印刷ワークフローの設定を変更して縮退内容の定義を行う。
ここで、制御部201は、縮退処理の内容として、印刷部数の変更、ステープル等の印刷後処理の削除がある。また、当初の印刷ジョブからの変更差分はサービスマンによる部品交換作業完了後、印刷装置において実行するよう印刷ワークフローに定義する。
【0064】
そこで、図16に示す印刷ワークフロー1604では、印刷ジョブの印刷処理開始前にサービスマンによる印刷装置の部品交換1606が実施できないため、印刷ジョブの部数を変更して、部品交換前に処理可能な部数を印刷するよう変更した様子を示している(1605)。
また、図16に示す印刷ワークフロー1604では、部品交換前に処理できなかった印刷ジョブの部数は、部品交換後に処理を実施するように印刷ワークフローを設定している(1607)。
【0065】
S1520において、制御部201が印刷ワークフローの縮退内容を定義すると、S1521で、表示部202において操作者に縮退内容を表示して、縮退した印刷ワークフローを実施するかどうかを選択する入力を待つ。
そして、表示部202で縮退した印刷ワークフローを実施するように操作者から指示を受け付けたと制御部201が判断した場合は、S1519に進み、制御部201は、工程定義部204において縮退した印刷ジョブを基に、サービスマンの部品交換作業工程を含む印刷ワークフローを設定する。
【0066】
一方、表示部202で縮退した印刷ワークフローを実施しないで、再度操作者による印刷ワークフローの設定を行う指示を受け付けたと制御部201が判断した場合は、S1502に進み、操作者に印刷ワークフローの再入力を行わせる。
一方、S1521で、表示部202で当初入力した印刷ワークフローの通り処理を行うために、ワークフローを変更せずサービスマンによる部品交換を待つこと指示していると制御部201が判断した場合は、S1522に進み印刷ジョブを待機状態にする。
そして、サービスマンによる部品交換作業後に操作者により待機状態を解除すると、制御部201はS1510において通信部207を介して印刷ジョブを印刷装置に送信して処理させる。
【0067】
上記の処理により、印刷ワークフローシステムは操作者もしくはサービスマンによる部品交換がすぐに実施できない場合に、部品交換が印刷ワークフローにおける影響を最小限に抑えられるようにすることが可能となる。
また、操作者による部品交換において交換手順を表示することにより、作業効率を向上させる。
〔第4実施形態〕
【0068】
印刷システムを構成する各装置で部品故障が発生した場合、第1実施形態で示したように操作者が交換可能な部品については操作者が印刷フローの一工程として部品交換を行うが、交換部品の在庫が無い場合は部品が調達できるまで交換作業が滞る可能性がある。
その際、同じ装置を複数稼働させる印刷システム環境では、他の装置を停止してそこから取得した部品を用いて部品交換を行うことが考えられる。
このような場合に印刷ワークフローシステムは、抜き取り先の他装置から必要な部品を抜き取り可能かどうか判断する。ここで、抜き取り可能と制御部201が判断した場合は、抜き取り先の装置の印刷ジョブについて、あらためて処理中に部品交換が必要かを計算して印刷ワークフローを変更する。交換時には抜き取り対象の部品について、抜き取られる装置から交換先の装置に部品の消耗情報を送信することで、部品本体と同時に部品の情報を引き継いで管理する。以下、その実施形態について説明する。
【0069】
図17は、本実施形態を示す印刷システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、印刷ワークフローシステム101において設定された印刷ワークフローにおいて、他の装置の部品を用いて部品交換を実施する例である。より具体的には、印刷ジョブの実行に関わる複数の印刷装置、複数の印刷装置から出力されるシート材に対する後処理を行う複数の後処理装置を備えた印刷システムを想定する。そして、当該印刷システムにおいて、いずれか1つの印刷装置で前記部品の交換が必要となると判断した場合、制御部201が当該部品を備える他の印刷装置で使用している部品を利用可能な状態かどうかを判断する部品調達判断処理を行う。そして、制御部201が他の印刷装置の部品を利用可能な状態であると判断した場合は、作成した印刷ワークフロー中に部品調達工程を組み入れて更新する処理を行う
なお、各ステップは、印刷ワークフローシステム101の制御部201として機能するCPUがHDD等の外部記憶装置から制御プログラムをRAM等にロードして実行することで実現される。第1〜第3実施形態と同一の処理については詳細な説明を省略する。
【0070】
まず、S1701で、印刷ワークフローシステム101の制御部201は、印刷装置102の印刷装置102で使用されている各部品の消耗状態を取得する。
次に、制御部201は、表示部202に表示するワークフローを表示する画面に対して、操作者による印刷ワークフローの入力を待つ。は表示部202で操作者からの入力を検知すると、制御部201は、印刷装置102と印刷ワークフローの内容から処理中に部品交換が必要か判定を行う(S1703)。
ここで、部品交換が必要でないと制御部201が判断した場合、S1711へ進み、部品交換が必要であると制御部201が判断した場合、S1704で交換部品の在庫があるかどうかを判断する。ここで、印刷ワークフローシステムは在庫があると制御部201が判断した判断すると、S1709に進み、印刷ワークフローに部品交換工程を設定する。
一方、S1704で、在庫が無いと制御部201が判断した場合、S1705で、印刷ワークフローシステムの制御部201は、部品管理データベース104に登録された印刷システムの構成情報(印刷装置の機種情報を含む)を取得して、交換対象部品と同じ部品を使用している機種があるかどうかを判断する。
【0071】
ここで、同じ部品を使用している機種が存在すると制御部201が判断した場合、S1706で、印刷ワークフローシステムは抜き取り先の装置から部品を抜き取り可能かどうか判断する。ここで、制御部201は、印刷ワークフローシステムは部品が抜き取られている間に装置が印刷ジョブを処理するかどうかを参照して、稼働する予定が無いと判断した場合は、抜き取り可能な部品の候補に決定する。
なお、当該部品の抜き取り時に部品入手先の印刷装置が動作する場合でも、後処理加工に代表される全ての印刷ワークフローに共通に使用されない部品であって、当該の部品に関連する処理を含まない印刷ワークフローであれば、抜き取り可能な部品に決定する。
す。
次に、制御部201は、同時に表示部202において抜き取り実施の可否を問う表示を行い、操作者による入力を待つ(S1706)。
【0072】
ここで、操作者から抜き取り可能とする指示を受け付けたと制御部201が判断した場合、S1707で、制御部201は、抜き取り先の装置において抜き取り作業を行うために、部品交換工程を印刷ジョブキューに挿入する。また、抜き取り先の印刷装置において対象の部品を抜き取った条件で、既存の印刷ワークフローの部品交換工程に関する再計算を行い印刷WFの内容を更新する。
【0073】
一方、S1705で抜き取り可能な機種がないと判断された場合、あるいはS1706で、抜き取り可能でないと指示を操作者から受け付けていると制御部201が判断した場合は、S1710に進み、制御部201は、該当の印刷ワークフローを待機させ、S1703へ戻る。
具体的には、待機状態において、制御部201は、表示部202に待機を表示して、操作者からの待機解除の操作を待つ。そして、制御部201が表示部202において解除指示が操作者から入力されたことを確認したら、S1703に進み、印刷ワークフローにおける部品交換の必要を再度判定する。
【0074】
一方、他の印刷装置から部品を抜き取る場合、S1707からS1708へ進み制御部201は、印刷装置102に通信部305を介して、抜き取り先の装置の部品管理データベースから交換対象の部品の消耗情報を取得する。そして、取得した情報を部品交換される印刷装置の部品管理データベース306で管理させる。同時に抜き取り先の装置の部品管理データベースの部品設定を抜き取り状態に更新する。
【0075】
そして、S1709で、制御部201は、部品交換工程を印刷ワークフローに設定する。この印刷ワークフローに基づき印刷ジョブを生成し、印刷ワークフローに従い印刷ジョブの処理と部品の交換処理を行う。以後、S1711〜S1714を実行して、本処理を終了する。
【0076】
上記の処理により部品交換作業が必要な印刷ワークフローにおいて、交換部品がすぐに入手できない場合に、他装置における印刷ワークフローを考慮しつつ、他装置から部品を抜き取って交換する処理を選択実行することが可能となる。
【0077】
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0078】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0079】
101 印刷ワークフローシステム
102 印刷装置
103 後処理装置
104 部品情報データベース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブの実行に関わる印刷装置、当該印刷装置から出力されるシート材に対する後処理を行う後処理装置が実行する工程に、当該工程を管理する作業者あるいは前記印刷装置をメンテナンスすべきサービスマンが行う工程を関連づけて印刷ワークフローを情報処理装置で管理する印刷システムであって、
前記情報処理装置は、
前記印刷ジョブに設定される印刷設定条件に従い前記印刷装置、前記後処理装置を用いた印刷ワークフローを作成する作成手段と、
前記印刷装置が実行する印刷ジョブに伴って交換すべき部品に関わる稼働情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得する稼働情報と、前記印刷ジョブに設定された印刷設定とから当該印刷ジョブの実行中に前記部品の交換が必要となるかどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記部品の交換が必要となると判断した場合、当該部品が画質に影響を与える特性の部品であるのか、当該部品が製本品質に影響を与える特性の部品であるかを識別する識別手段と、
前記識別手段が識別する部品の特性に従い、前記作成手段が作成した印刷ワークフローの複数の工程中に部品交換工程を組み入れる工程位置を決定する決定手段と、
前記決定手段が決定した工程位置に部品交換工程を組み入れて前記作成手段が作成した印刷ワークフローを更新する更新手段と、
を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、さらに、前記作成手段が作成した印刷ワークフローまたは前記更新手段が更新した印刷ワークフローを表示する表示制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、さらに、前記部品交換工程で部品交換作業を行う作業者が前記情報処理装置を操作する操作者で交換可能な部品であるか、前記サービスマンで交換可能な部品であるかどうかを判別する判別手段を備え、
前記識別手段は、前記判別手段が操作者で交換可能な部品であると判別した場合、当該部品が画質に影響を与える特性の部品であるのか、当該部品が製本品質に影響を与える特性の部品であるかを識別することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項4】
前記決定手段は、交換すべき部品が画質に影響を与える特性の部品である場合、あるいは製本品質に影響を与える特性の部品である場合、部品交換を行う必要のある印刷ジョブの実行前に当該部品交換を行うための部品交換工程を組み入れることを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、さらに、前記識別手段が交換すべき部品が画質に影響を与ない特性の部品である場合で、かつ、製本品質に影響を与えない特性の部品であると識別した場合、部品交換工程の前後で前記印刷ジョブの印刷工程を分割する分割手段を備え、
前記更新手段は、前記分割手段が分割した印刷工程のうち、先行する分割印刷工程と、後続する分割印刷工程との間に前記部品を交換するための部品交換工程を組み入れて印刷ワークフローを更新することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、さらに、ジョブキューを用いて新たに投入される印刷ジョブのジョブ実行順序を割り込み可能に印刷ワークフローを管理する管理手段を備え、
前記判断手段は、前記取得手段が取得する稼働情報と、前記印刷ジョブに設定された印刷設定とから当該印刷ジョブの実行中に前記部品の交換が必要となるかどうかを前記印刷ジョブの割り込み毎に判断することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項7】
前記識別手段は、前記判別手段がサービスマンで交換可能な部品であると判別した場合、前記作成手段が作成した印刷ワークフロー中の印刷工程を前記印刷装置が印刷可能な条件で縮退した複数の縮退印刷工程に変更することを特徴とする請求項3記載の印刷システム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、さらに、前記判別手段が操作者で交換可能な部品であると判別した場合、部品交換処理に伴う作業手順情報を表示する交換手順表示手段を備えることを特徴とする請求項3記載の印刷システム。
【請求項9】
印刷ジョブの実行に関わる複数の印刷装置、当該複数の印刷装置から出力されるシート材に対する後処理を行う複数の後処理装置が実行する工程に、当該工程を管理する作業者あるいは複数の印刷装置をメンテナンスすべきサービスマンが行う工程を関連づけて印刷ワークフローを情報処理装置で管理することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記判断手段がいずれか1つの印刷装置で前記部品の交換が必要となると判断した場合、当該部品を備える他の印刷装置で使用している部品を利用可能な状態かどうかを判断する部品調達判断手段を備え、
前記作成手段は、前記部品調達判断手段が前記部品を利用可能な状態であると判断した場合は、前記作成手段が作成した印刷ワークフロー中に部品調達判断工程を組み入れることを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項11】
印刷ジョブの実行に関わる印刷装置、当該印刷装置から出力されるシート材に対する後処理を行う後処理装置が実行する工程に、当該工程を管理する作業者あるいは前記印刷装置をメンテナンスすべきサービスマンが行う工程を関連づけて印刷ワークフローを情報処理装置で管理する印刷システムのワークフロー管理方法であって、
前記情報処理装置は、
前記印刷ジョブに設定される印刷設定条件に従い前記印刷装置、前記後処理装置を用いた印刷ワークフローを作成する作成工程と、
前記印刷装置が実行する印刷ジョブに伴って交換すべき部品に関わる稼働情報を取得する取得工程と、
前記取得工程が取得する稼働情報と、前記印刷ジョブに設定された印刷設定とから当該印刷ジョブの実行中に前記部品の交換が必要となるかどうかを判断する判断工程と、
前記判断工程が前記部品の交換が必要となると判断した場合、当該部品が画質に影響を与える特性の部品であるのか、当該部品が製本品質に影響を与える特性の部品であるかを識別する識別工程と、
前記識別工程が識別する部品の特性に従い、前記作成工程が作成した印刷ワークフローの複数の工程中に部品交換工程を組み入れる工程位置を決定する決定工程と、
前記決定工程が決定した工程位置に部品交換工程を組み入れて前記作成工程が作成した印刷ワークフローを更新する更新工程と、
を備えることを特徴とする印刷システムのワークフロー管理方法。
【請求項12】
請求項11に記載の印刷システムのワークフロー管理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
印刷ジョブの実行に関わる印刷装置、当該印刷装置から出力されるシート材に対する後処理を行う後処理装置が実行する工程に、当該工程を管理する作業者あるいは前記印刷装置をメンテナンスすべきサービスマンが行う工程を関連づけて印刷ワークフローを情報処理装置で管理する印刷システムであって、
前記情報処理装置は、
前記印刷ジョブに設定される印刷設定条件に従い前記印刷装置、前記後処理装置を用いた印刷ワークフローを作成する作成手段と、
前記印刷装置が実行する印刷ジョブに伴って交換すべき部品に関わる稼働情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得する稼働情報と、前記印刷ジョブに設定された印刷設定とから当該印刷ジョブの実行中に前記部品の交換が必要となるかどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記部品の交換が必要となると判断した場合、当該部品が画質に影響を与える特性の部品であるのか、当該部品が製本品質に影響を与える特性の部品であるかを識別する識別手段と、
前記識別手段が識別する部品の特性に従い、前記作成手段が作成した印刷ワークフローの複数の工程中に部品交換工程を組み入れる工程位置を決定する決定手段と、
前記決定手段が決定した工程位置に部品交換工程を組み入れて前記作成手段が作成した印刷ワークフローを更新する更新手段と、
を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、さらに、前記作成手段が作成した印刷ワークフローまたは前記更新手段が更新した印刷ワークフローを表示する表示制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、さらに、前記部品交換工程で部品交換作業を行う作業者が前記情報処理装置を操作する操作者で交換可能な部品であるか、前記サービスマンで交換可能な部品であるかどうかを判別する判別手段を備え、
前記識別手段は、前記判別手段が操作者で交換可能な部品であると判別した場合、当該部品が画質に影響を与える特性の部品であるのか、当該部品が製本品質に影響を与える特性の部品であるかを識別することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項4】
前記決定手段は、交換すべき部品が画質に影響を与える特性の部品である場合、あるいは製本品質に影響を与える特性の部品である場合、部品交換を行う必要のある印刷ジョブの実行前に当該部品交換を行うための部品交換工程を組み入れることを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、さらに、前記識別手段が交換すべき部品が画質に影響を与ない特性の部品である場合で、かつ、製本品質に影響を与えない特性の部品であると識別した場合、部品交換工程の前後で前記印刷ジョブの印刷工程を分割する分割手段を備え、
前記更新手段は、前記分割手段が分割した印刷工程のうち、先行する分割印刷工程と、後続する分割印刷工程との間に前記部品を交換するための部品交換工程を組み入れて印刷ワークフローを更新することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、さらに、ジョブキューを用いて新たに投入される印刷ジョブのジョブ実行順序を割り込み可能に印刷ワークフローを管理する管理手段を備え、
前記判断手段は、前記取得手段が取得する稼働情報と、前記印刷ジョブに設定された印刷設定とから当該印刷ジョブの実行中に前記部品の交換が必要となるかどうかを前記印刷ジョブの割り込み毎に判断することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項7】
前記識別手段は、前記判別手段がサービスマンで交換可能な部品であると判別した場合、前記作成手段が作成した印刷ワークフロー中の印刷工程を前記印刷装置が印刷可能な条件で縮退した複数の縮退印刷工程に変更することを特徴とする請求項3記載の印刷システム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、さらに、前記判別手段が操作者で交換可能な部品であると判別した場合、部品交換処理に伴う作業手順情報を表示する交換手順表示手段を備えることを特徴とする請求項3記載の印刷システム。
【請求項9】
印刷ジョブの実行に関わる複数の印刷装置、当該複数の印刷装置から出力されるシート材に対する後処理を行う複数の後処理装置が実行する工程に、当該工程を管理する作業者あるいは複数の印刷装置をメンテナンスすべきサービスマンが行う工程を関連づけて印刷ワークフローを情報処理装置で管理することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記判断手段がいずれか1つの印刷装置で前記部品の交換が必要となると判断した場合、当該部品を備える他の印刷装置で使用している部品を利用可能な状態かどうかを判断する部品調達判断手段を備え、
前記作成手段は、前記部品調達判断手段が前記部品を利用可能な状態であると判断した場合は、前記作成手段が作成した印刷ワークフロー中に部品調達判断工程を組み入れることを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項11】
印刷ジョブの実行に関わる印刷装置、当該印刷装置から出力されるシート材に対する後処理を行う後処理装置が実行する工程に、当該工程を管理する作業者あるいは前記印刷装置をメンテナンスすべきサービスマンが行う工程を関連づけて印刷ワークフローを情報処理装置で管理する印刷システムのワークフロー管理方法であって、
前記情報処理装置は、
前記印刷ジョブに設定される印刷設定条件に従い前記印刷装置、前記後処理装置を用いた印刷ワークフローを作成する作成工程と、
前記印刷装置が実行する印刷ジョブに伴って交換すべき部品に関わる稼働情報を取得する取得工程と、
前記取得工程が取得する稼働情報と、前記印刷ジョブに設定された印刷設定とから当該印刷ジョブの実行中に前記部品の交換が必要となるかどうかを判断する判断工程と、
前記判断工程が前記部品の交換が必要となると判断した場合、当該部品が画質に影響を与える特性の部品であるのか、当該部品が製本品質に影響を与える特性の部品であるかを識別する識別工程と、
前記識別工程が識別する部品の特性に従い、前記作成工程が作成した印刷ワークフローの複数の工程中に部品交換工程を組み入れる工程位置を決定する決定工程と、
前記決定工程が決定した工程位置に部品交換工程を組み入れて前記作成工程が作成した印刷ワークフローを更新する更新工程と、
を備えることを特徴とする印刷システムのワークフロー管理方法。
【請求項12】
請求項11に記載の印刷システムのワークフロー管理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−10258(P2013−10258A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144658(P2011−144658)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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