説明

印刷システム、印刷システムの制御方法及びプログラム

【課題】消費される画像記録媒体(例えば用紙)の量の削減を図ることが可能になる印刷システムを提供すること。
【解決手段】受付手段(30)は、印刷データの印刷要求を受け付ける。待機手段(31)は、印刷データの印刷の実行を待機させる。判定手段(32)は、所与の操作受付期間内に所定操作が行われたか否かを判定する。実行制御手段(33)は、判定手段(32)の判定結果に基づいて、印刷データの印刷の実行を中止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷システム、印刷システムの制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
アプリケーションプログラムで作成された文書や画像をプリンタ装置に印刷させる印刷システムが一般的に知られている。例えば商品販売の場では、POS(Point Of Sales)アプリケーションプログラムで生成されたレシートをプリンタ装置に印刷させる印刷システムが利用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、上記のような商品販売の場で利用される印刷システムでは、商品の購入者がレシートを必要としない場合があっても、レシートが印刷されていた。その結果、用紙などの画像記録媒体が無駄に消費されている場合があった。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、消費される画像記録媒体(例えば用紙)の量の削減を図ることが可能になる印刷システム、印刷システムの制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る印刷システムは、印刷データの印刷要求を受け付ける受付手段と、前記印刷データの印刷の実行を待機させる待機手段と、所与の操作受付期間内に所定操作が行われたか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記印刷データの印刷の実行を中止させる実行制御手段と、を含む。
【0006】
また、本発明に係る印刷システムの制御方法は、印刷データの印刷要求を受け付ける受付ステップと、前記印刷データの印刷の実行を待機させる待機ステップと、所与の操作受付期間内に所定操作が行われたか否かを判定する判定ステップと、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記印刷データの印刷の実行を中止させる実行制御ステップと、を含む。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、印刷データの印刷要求を受け付ける受付手段、前記印刷データの印刷の実行を待機させる待機手段、所与の操作受付期間内に所定操作が行われたか否かを判定する判定手段、及び、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記印刷データの印刷の実行を中止させる実行制御手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0009】
本発明によれば、消費される画像記録媒体(例えば用紙)の量の削減を図ることが可能になる。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記実行制御手段は、前記判定結果に基づいて、前記印刷データの代わりに、前記印刷データに対応する代替印刷データであって、かつ、印刷に用いられる画像記録媒体の量が前記印刷データよりも少ない代替印刷データの印刷を印刷手段に実行させるようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記実行制御手段は、基準タイミングから、前記所定操作が行われたタイミングまでの時間の長さに基づいて、前記印刷データ又は前記代替印刷データのいずれか一方の印刷を前記印刷手段に実行させるようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。
【0013】
[1.第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る印刷システムについて説明する。
【0014】
[1−1.構成]
図1は、第1実施形態に係る印刷システムの全体構成を示す図である。図1に示すように、第1実施形態に係る印刷システム1は、POS装置10と、プリンタ装置20と、を含んで構成される。
【0015】
図1に示すように、POS装置10は制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、入力部14、表示部15、光ディスク読み取り部16、及びインタフェース(I/F)17を含むコンピュータシステムである。
【0016】
制御部11はオペレーティングシステム及びその他のプログラムに従って各種情報処理を実行する。主記憶部12は例えばRAM(Random Access Memory)などであり、補助記憶部13や光ディスクに記憶されたプログラムが主記憶部12に読み出される。主記憶部12は制御部11のワークメモリとしても用いられる。補助記憶部13は例えばハードディスク装置やメモリカードなどである。
【0017】
入力部14は例えばキーボード又はマウスであり、ユーザの操作入力を受け付ける。表示部15は例えばディスプレイであり、制御部11からの指示に従って各種情報を表示する。光ディスク読み取り部16は、光ディスク(情報記憶媒体)に記憶されたプログラムやデータを読み取る。
【0018】
インタフェース17はPOS装置10に各種周辺機器を接続するためのインタフェースを含む。制御部11と周辺機器との間ではインタフェース17を介してデータが授受される。インタフェース17は、例えばUSB(Universal Serial Bus)インタフェース規格に則ったインタフェースを含む。なお、インタフェース17はPOS装置10をLAN(Local Area Network)などの通信ネットワークに接続するためのインタフェースを含むようにしてもよい。
【0019】
POS装置10は、例えば、マイクロソフト社製のウィンドウズ(登録商標)がオペレーティングシステムとしてインストールされ、かつ、POSアプリケーションプログラム(以下、「POSアプリケーション」と記載する。)がインストールされたパーソナルコンピュータによって実現される。POSアプリケーションはレシート画像を生成する機能を備える。図2はPOSアプリケーションによって生成されるレシート画像の一例を示す。
【0020】
POS装置10にはインタフェース17を介してプリンタ装置20が相互にデータ授受可能に接続される。プリンタ装置20はPOSアプリケーションによって生成されたレシート画像を印刷するために用いられる。図1に示すように、プリンタ装置20は制御部21、記憶部22、印刷部23、インタフェース(I/F)24,25、及びボタン部26を含む。
【0021】
制御部21はプリンタ装置20全体の制御を行う。記憶部22はRAMやROM(Read Only Memory)を含んで構成される。記憶部22は、制御部21によって実行されるプログラムを記憶する。インタフェース24はPOS装置10とプリンタ装置20との間でデータを授受するためのインタフェースを含む。例えば、インタフェース24はUSBインタフェース規格に則ったインタフェースを含む。なお、インタフェース17はPOS装置10をLAN(Local Area Network)などの通信ネットワークに接続するためのインタフェースを含むようにしてもよい。インタフェース25にはボタン部26が接続される。ボタン部26の操作状態を示す操作信号がインタフェース25を介して制御部21に供給される。また、ボタン部26はLED(Light Emitting Diode)を含み、このLEDの点灯又は消灯を制御するための信号がインタフェース25を介してボタン部26に供給される。
【0022】
印刷部23は、POS装置10から供給される所定データ形式の印刷データの印刷を実行する。すなわち、印刷部23は、POS装置10から供給される印刷データに基づいて、用紙などの画像記録媒体に画像を形成する。印刷データには、例えば、画像記録媒体に画像を形成するためのコマンドデータや、画像記録媒体を切断するためのコマンドデータなどが含まれる。
【0023】
例えば、印刷システム1は商品販売の場で利用され、プリンタ装置20は、商品の購入者が代金を支払う場所に設置される。特に、ボタン部26は、例えば商品の購入者、又は商品の代金を購入者から受け取る者が、代金の支払い又は受け取りの際に押し易い位置に設置される。
【0024】
以下、印刷システム1において、消費される画像記録媒体(例えば用紙)の量の削減を図るための技術について説明する。
【0025】
[1−2.機能ブロック]
図3は印刷システム1で実現される機能を示す機能ブロック図である。図3に示すように、印刷システム1は、要求受付部30、待機部31、判定部32、及び実行制御部33を機能的に含む。第1実施形態では、これらの機能ブロックがプリンタ装置20で実現される。つまり、要求受付部30、待機部31、判定部32、及び実行制御部33は、制御部21がプログラムを実行することによって実現される。
【0026】
要求受付部30は、印刷データ(一枚のレシートの印刷データ)の印刷要求を受け付ける。待機部31は、操作受付期間を確保するために、印刷データの印刷の実行を待機させる。判定部32は、操作受付期間内に所定操作が行われたか否かを判定する。具体的には、判定部32はボタン部26が押下されたか否かを判定する。実行制御部33は、判定部32の判定結果に基づいて、印刷データの印刷の実行を中止させる。
【0027】
[1−3.処理]
印刷システム1で実行される処理について説明する。まず、プリンタ装置20に供給する印刷データ(一枚のレシートの印刷データ)がPOS装置10で生成されるまでの処理について説明する。図4は、この処理について説明するための図である。なお、図4には二つのPOSアプリケーション40a,40bが記載されているが、実際には、これらのPOSアプリケーション40a,40bの少なくとも一方がPOS装置10にインストールされている。
【0028】
まず、POSアプリケーション40aからレシート画像の印刷を要求された場合について説明する。この場合、GDI(Graphic Device Interface)プログラム41によって、レシート画像の描画命令を表すメタデータが生成される。GDIプログラム41はオペレーティングシステムの一部として提供されるプログラムである。メタデータはデバイスに依存しないデータである。
【0029】
メタデータはスプーラ42を介して印刷データ生成プログラム43a(プリンタドライバ)に供給される。印刷データ生成プログラム43aは、所定データ形式(以下では「第1形式」と記載する。)の印刷データをメタデータに基づいて生成する。例えば、印刷データ生成プログラム43aは、プリンタ装置20を利用する前に使用していた、プリンタ装置20とは仕様の異なるプリンタ装置のプリンタドライバであり、第1形式の印刷データは、プリンタ装置20を利用する前に使用していたプリンタ装置に対応するデータ形式の印刷データである。
【0030】
ここで、POSアプリケーション40bからレシート画像の印刷が要求された場合についても説明しておく。この場合、第1形式の印刷データが印刷データ生成プログラム43bによって生成される。印刷データ生成プログラム43bは「プリンタドライバ」以外の名称で呼ばれるプログラムであり、例えばPOSアプリケーション40bの一部として提供される。
【0031】
印刷データ生成プログラム43a,43bが生成した印刷データはスプーラ42に供給される。スプーラ42はプリンタ装置20の状態を監視しながら印刷データをポートドライバ44に供給する。ランゲージモニタプログラム46は、スプーラ42からポートドライバ44への印刷データの供給を監視する。ランゲージモニタプログラム46は、スプーラ42からポートドライバ44への印刷データの供給を検出した場合、その印刷データのポートドライバ44への供給を抑止し、その印刷データを印刷データ変換プログラム45に供給する。
【0032】
印刷データ変換プログラム45は、第1形式の印刷データを所定のデータ形式(以下では「第2形式」と記載する。)の印刷データに変換する。例えば、第2形式の印刷データは、プリンタ装置20に対応するデータ形式の印刷データである。印刷データ変換プログラム45が生成した印刷データは、ランゲージモニタプログラム46及びポートドライバ44を介してプリンタ装置20に供給され、プリンタ装置20では、この印刷データの印刷が実行され、その結果、レシート画像が印刷出力される。
【0033】
なお、印刷データ変換プログラム45及びランゲージモニタプログラム46は、例えばプリンタ装置20の開発・製造・販売元によって提供される。また、印刷データ変換プログラム45及びランゲージモニタプログラム46は、これらのプログラムが記録された光ディスクを用いて補助記憶部13にインストールされる。または、印刷データ変換プログラム45及びランゲージモニタプログラム46は、インターネットなどの通信ネットワークを介して補助記憶部13にインストールされるようにしてもよい。
【0034】
印刷データ変換プログラム45及びランゲージモニタプログラム46が存在することの利点について説明する。ここでは、レシート画像の印刷に用いるプリンタ装置20を、第1形式に則った印刷データを受け付けるプリンタ装置Aから、第2形式に則った印刷データを受け付けるプリンタ装置Bに置き換える場合を想定する。このような場合、従来、印刷データ生成プログラム43a,43bを、第2形式に則った印刷データを生成するプログラムに置き換えることが行われていた。そして、その場合、プリンタ装置Bにおいてプリンタ装置Aと同様の印刷出力が再現されない場合があった。このため、従来は、プリンタ装置Bにおいてプリンタ装置Aと同様の印刷出力が再現されるようにするために、POSアプリケーション40a,40bの仕様や設定に変更を加えなければならない場合があった。この点、印刷システム1では、印刷データ変換プログラム45によって印刷データのデータ形式が変換される。印刷システム1によれば、POSアプリケーション40a,40bの仕様や設定に変更を加えなくても、プリンタ装置Bにおいてプリンタ装置Aと同様の印刷出力が再現されるように図ることが可能になる。また、印刷システム1によれば、異なる印刷ルートでレシート画像の印刷が行われるPOSアプリケーション40a,40bについて、異なるプログラム(印刷データ変換プログラム45)を用意する必要がない。
【0035】
次に、プリンタ装置20に供給する印刷データ(一枚のレシートの印刷データ)がPOS装置10で生成された後の処理について説明する。図5は、この処理について説明するための図である。POS装置10の制御部11やプリンタ装置20の制御部21は、プログラムに従って、図5に示す処理を実行する。
【0036】
図5に示すように、まず、POS装置10は開始コマンドをプリンタ装置20に送信する(S101)。その後、POS装置10は、印刷データ変換プログラム45が生成した印刷データ(一枚のレシートの印刷データ)をプリンタ装置20に送信する(S102)。印刷データの送信が完了した場合、POS装置10は終了コマンドを送信する(S103)。開始コマンド及び終了コマンドは、一枚のレシートの印刷データの区切りをプリンタ装置20が判断できるようにするために用いられる。なお、開始コマンド及び終了コマンドの少なくとも一方があれば、プリンタ装置20は一枚のレシートの印刷データの区切りを判断できるため、開始コマンド及び終了コマンドの一方を省略するようにしてもよい。また、画像記録媒体の切断を指示するコマンドデータを終了コマンドとして用いるようにしてもよい。
【0037】
プリンタ装置20(要求受付部30)は、POS装置10から送信された開始コマンド、印刷データ、及び終了コマンドを受信し、印刷データに基づくデータを保存する(S104)。例えば、プリンタ装置20は印刷データ(コマンドデータ)を受信バッファにそのまま保存する。なお、プリンタ装置20は印刷データ(コマンドデータ)を解釈し、その印刷データを画像に変換して、該画像を画像バッファに保存するようにしてもよい。
【0038】
また、プリンタ装置20はボタン部26のLEDを点灯させる(S105)。そして、プリンタ装置20(判定部32)は、ボタン部26が押下されたか否かの監視を開始する(S106)。ボタン部26が押下されたと判定された場合、プリンタ装置20は、S104で保存されたデータに基づいて、レシート画像の印刷を実行する(S107)。その結果、例えば図2に示すようなレシート画像が印刷される。その後、プリンタ装置20はボタン部26のLEDを消灯させ(S108)、S104で保存されたデータを削除する(S109)。
【0039】
一方、ボタン部26が押下されていないと判定された場合、プリンタ装置20(待機部31、判定部32)は、基準タイミングから一定時間が経過したか否かを判定する(S110)。「基準タイミング」は、例えば、終了コマンドを受信したタイミングである。または、「基準タイミング」は、開始コマンドを受信したタイミングであってもよいし、印刷データの受信を開始又は終了したタイミングであってもよい。
【0040】
基準タイミングから一定時間が経過したと判定された場合、プリンタ装置20(実行制御部33)はレシート画像の印刷を中止する。すなわち、プリンタ装置20は、レシート画像の印刷を実行することなく、ボタン部26のLEDを消灯させ(S108)、S104で保存されたデータを削除する(S109)。この場合、POS装置10から供給された印刷データの印刷の実行が中止されることになる。また、この場合、基準タイミングから一定時間が経過するまでの期間が「操作受付期間」に相当する。
【0041】
一方、基準タイミングから一定時間が経過していないと判定された場合、プリンタ装置20は、新たに開始コマンドを受信したか否かを判定する(S111)。すなわち、別のレシート画像の印刷データがPOS装置10から送信されようとしているか否かが判定される。開始コマンドが受信されていないと判定された場合、プリンタ装置20はS106の処理を再実行する。一方、開始コマンドが受信されたと判定された場合、プリンタ装置20(実行制御部33)はレシート画像の印刷を中止する。すなわち、プリンタ装置20は、レシート画像の印刷を実行することなく、ボタン部26のLEDを消灯させ(S108)、S104で保存されたデータを削除する(S109)。この場合、POS装置10から供給された印刷データの印刷の実行が中止されることになる。また、この場合、基準タイミングから、次に開始コマンドが受信されるまでの期間が「操作受付期間」に相当する。なお、新たな開始コマンドが受信された場合にはレシート画像の印刷が強制的に実行されるようにしてもよい。
【0042】
ところで、次の開始コマンドが受信されたとS111で判定された場合には、新たなレシート画像に関して、上記の処理(S104〜S111)が実行されることになる。
【0043】
[1−4.まとめ]
第1実施形態に係る印刷システム1では、プリンタ装置20がレシート画像の印刷データを受信した場合、レシート画像の印刷は直ちには開始されず、レシート画像の印刷の実行が待機される。そして、商品の購入者などが所与の期間(操作受付期間)内にボタン部26を押した場合にはレシート画像の印刷が実行される。一方、商品の購入者などが所与の期間(操作受付期間)内にボタン部26を押さなかった場合にはレシート画像の印刷が実行されない。このため、レシートを必要としない購入者に関してはレシート画像の印刷を実行しないように図ることが可能になる。その結果、消費される用紙の量の削減を図ることが可能になる。また、印刷システム1によれば、POSアプリケーション40a,40b側に変更を加えることなく、上記のような機能を実現できるようになる。
【0044】
また、印刷システム1では、ボタン部26のLEDの点灯又は消灯が制御されることによって、ボタン部26を押すことが可能な期間(操作受付期間)が商品の購入者などに案内される。その結果として、ボタン部26を押すことが可能な期間を商品の購入者などが容易に把握できるようになっている。なお、ボタン部26のLEDの色や点滅を制御することによって、ボタン部26を押すことが可能な期間が案内されるようにしてもよい。また、例えば音声などを用いて、ボタン部26を押すことが可能な期間が案内されるようにしてもよい。
【0045】
[1−5.変形例]
ボタン部26が押されなかった場合にレシート画像が印刷され、ボタン部26が押された場合にレシート画像が印刷されないようにしてもよい。また、購入者の代わりに、該購入者から商品の代金を受け取る者がボタン部26を押すようにしてもよい。さらに、印刷データ生成プログラム43a,43bは、プリンタ装置20に対応する所定データ形式(第2形式)の印刷データを生成するようにしてもよい。この場合、印刷データ変換プログラム45及びランゲージモニタプログラム46は省略することができる。
【0046】
[2.第2実施形態]
第1実施形態では要求受付部30、待機部31、判定部32、及び実行制御部33がプリンタ装置20で実現されるようにしたが、これらの機能ブロックの少なくとも一つはPOS装置10で実現されるようにしてもよい。ここでは、要求受付部30、待機部31、判定部32、及び実行制御部33がPOS装置10で実現される場合の実施形態を第2実施形態として説明する。
【0047】
[2−1.構成・機能ブロック]
第2実施形態に係る印刷システム1の全体構成は第1実施形態(図1参照)と同様である。第2実施形態に係る印刷システム1で実現される機能も基本的に第1実施形態(図3参照)と同様である。ただし、第2実施形態は、要求受付部30、待機部31、判定部32、及び実行制御部33が制御部11(印刷データ変換プログラム45)によって実現される点で第1実施形態とは相違する。
【0048】
[2−2.処理]
第2実施形態に係る印刷システム1で実行される処理について説明する。プリンタ装置20に供給する印刷データ(一枚のレシートの印刷データ)がPOS装置10で生成されるまでの処理は第1実施形態(図4参照)と同様である。一方、プリンタ装置20に供給する印刷データ(一枚のレシートの印刷データ)がPOS装置10で生成された後の処理は第1実施形態(図5参照)とは異なる。図6は、プリンタ装置20に供給する印刷データ(一枚のレシートの印刷データ)がPOS装置10で生成された後の処理を説明するための図である。図6に示す処理は制御部11(印刷データ変換プログラム45)によって実行される。
【0049】
上述のように、POSアプリケーション40a,40bからレシート画像の印刷が要求された場合、POS装置10(要求受付部30)では、その要求が受け付けられ、最終的に、一枚のレシートの印刷データが印刷データ変換プログラム45によって生成される(図4参照)。一枚のレシートの印刷データが生成された場合、図6に示すように、POS装置10は、ボタン部26のLEDを点灯するように指示するための点灯指示データをプリンタ装置20に送信する(S201)。
【0050】
点灯指示データを受信したプリンタ装置20はボタン部26のLEDを点灯させる(S202)。また、プリンタ装置20は、所定時間(例えば1/30秒)ごとに、ボタン部26の操作状態を示す操作データをPOS装置10に送信する(S203)。なお、ボタン部26が押された場合にのみ、プリンタ装置20はその旨を示す操作データをPOS装置10に送信するようにしてもよい。
【0051】
POS装置10(判定部32)は、プリンタ装置20から受信した操作データに基づいて、ボタン部26が押下されたか否かを判定する(S204)。ボタン部26が押下されたと判定された場合、POS装置10は開始コマンドをプリンタ装置20に送信する(S205)。その後、POS装置10は、印刷データ変換プログラム45が生成した印刷データ(一枚のレシートの印刷データ)をプリンタ装置20に送信する(S206)。さらに、POS装置10は終了コマンドをプリンタ装置20に送信する(S207)。この場合、プリンタ装置20では、ボタン部26のLEDが消灯され(S208)、POS装置10から受信した印刷データの印刷が実行される。すなわち、レシート画像の印刷が実行される(S209)。その結果、例えば図2に示すようなレシート画像が印刷される。
【0052】
一方、ボタン部26が押下されていないと判定された場合、POS装置10(待機部31、判定部32)は、基準タイミングから一定時間が経過したか否かを判定する(S210)。「基準タイミング」は、例えば、印刷データが印刷データ変換プログラム45によって生成されたタイミング、または点灯指示データがプリンタ装置20に送信されたタイミングである。
【0053】
基準タイミングから一定期間が経過したと判定された場合、POS装置10(実行制御部33)は本処理を中止する。この場合、プリンタ装置20に印刷データが送信されないため、印刷データの印刷が中止され、レシート画像は印刷されない。また、この場合、基準タイミングから一定時間が経過するまでの期間が「操作受付期間」に相当する。なお、図6では省略されているが、レシート画像の印刷は中止される場合には、ボタン部26のLEDを消灯するように指示するための消灯指示データがプリンタ装置20に送信され、ボタン部26のLEDが消灯される。
【0054】
一方、基準タイミングから一定期間が経過していないと判定された場合、POS装置10は、別のレシート画像の印刷がPOSアプリケーション40a,40bから新たに要求されたか否かを判定する(S211)。別のレシート画像の印刷がPOSアプリケーション40a,40bから新たに要求された場合、POS装置10は本処理を終了する。この場合、プリンタ装置20に印刷データが送信されないため、印刷データの印刷が中止され、レシート画像は印刷されない。また、この場合、基準タイミングから、別のレシート画像の印刷がPOSアプリケーション40a,40bから新たに要求されるまでの期間が「操作受付期間」に相当する。なお、別のレシート画像の印刷がPOSアプリケーション40a,40bから新たに要求された場合には、S205〜S207の処理が実行され、プリンタ装置20でレシート画像の印刷が強制的に実行されるようにしてもよい。
【0055】
ところで、別のレシート画像の印刷がPOSアプリケーション40a,40bから新たに要求されたとS211で判定された場合には、そのレシート画像に関して、上記の処理(S201〜S211)が実行されることになる。
【0056】
[2−3.まとめ]
第2実施形態に係る印刷システム1では、プリンタ装置20に供給するレシート画像の印刷データの生成が完了した場合、プリンタ装置20への印刷データの送信は直ちには開始されず、プリンタ装置20への印刷データの送信の実行が待機される。そして、商品の購入者などが所与の期間(操作受付期間)内にボタン部26を押した場合には、印刷データがプリンタ装置20に送信され、レシート画像の印刷が実行される。一方、商品の購入者などが所与の期間(操作受付期間)内にボタン部26を押さなかった場合には、印刷データがプリンタ装置20に送信されず、レシート画像の印刷が実行されない。第2実施形態に係る印刷システム1によっても、第1実施形態と同様に、レシートを必要としない購入者に関してはレシート画像の印刷を実行しないように図ることが可能になる。その結果、消費される用紙の量の削減を図ることが可能になる。また、第2実施形態に係る印刷システム1によっても、POSアプリケーション40a,40b側に変更を加えることなく、上記のような機能を実現できるようになる。
【0057】
[3.第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る印刷システムについて説明する。
【0058】
[3−1.構成]
図7は、第3実施形態に係る印刷システムの全体構成を示す図である。図7に示すように、第3実施形態に係る印刷システム1aは、POS装置10と、プリンタ装置20と、LAN2と、サーバ装置3と、画像処理装置4と、を含んで構成される。POS装置10、プリンタ装置20、サーバ装置3、及び画像処理装置4はLAN2を介して相互にデータ通信が可能である。サーバ装置3は一般的なサーバコンピュータシステムであり、例えばハードディスク記憶装置を含む。画像処理装置4は、スキャナ機能と、プリンタ装置20が備える印刷機能と同様の印刷機能と、を備える。POS装置10及びプリンタ装置20は第1実施形態(図1参照)と同様である。
【0059】
[3−2.機能ブロック]
第3実施形態に係る印刷システム1aで実現される機能は基本的に第1実施形態(図3参照)と同様である。ただし、第3実施形態では実行制御部33の動作が第1実施形態と異なる。実行制御部33は、判定部32の判定結果に基づいて、レシート画像の印刷データの代わりに、該レシート画像の印刷データに対応する代替印刷データであって、かつ、印刷に用いられる画像記録媒体(例えば用紙)の量が該レシート画像の印刷データよりも少ない代替印刷データを印刷部23に印刷させる。例えば、実行制御部33は、レシート画像の代わりに、該レシート画像に対応する画像であって、かつ、該レシート画像よりも面積が小さい画像である代替画像を印刷部23に印刷させる。
【0060】
[3−3.処理]
第3実施形態に係る印刷システム1aで実行される処理について説明する。プリンタ装置20に供給する印刷データ(一枚のレシートの印刷データ)がPOS装置10で生成されるまでの処理は第1実施形態(図4参照)と同様である。
【0061】
また、プリンタ装置20に供給する印刷データ(一枚のレシートの印刷データ)がPOS装置10で生成された後の処理は第1実施形態(図5参照)と類似する。第3実施形態では、第1実施形態(図5参照)のS109の処理に代えて、図8に示す処理が実行される。図8に示すように、第3実施形態では、基準タイミングから一定期間が経過したとS110で判定された場合や、新たに開始コマンドを受信したとS111で判定された場合、ボタン部26のLEDの消灯(S108)が実行された後、プリンタ装置20は、S104で保存されたデータをサーバ装置3に送信し、該データの保存をサーバ装置3に要求する(S301)。この場合、サーバ装置3は、プリンタ装置20から受信したデータを識別するためのIDを生成し、そのIDと、プリンタ装置20から受信したデータと、を関連づけてハードディスク装置に保存する(S302)。そして、サーバ装置3は上記IDをプリンタ装置20に返信する(S303)。
【0062】
サーバ装置3からIDを受信したプリンタ装置20(実行制御部33)は、そのIDを示すID画像を生成し、そのID画像を印刷する(S304)。すなわち、プリンタ装置20(実行制御部33)はID画像の印刷データを生成し、その印刷データの印刷を実行する。「ID画像」は、例えば、IDを示すバーコード画像である。「バーコード画像」は一次元バーコード画像であってもよいし、QRコード(登録商標)などの二次元バーコード画像であってもよい。図9は、S304で印刷されるID画像の一例を示す。図2及び図9に示すように、ID画像はレシート画像に比べて面積が小さくなるため、ID画像の印刷に必要な用紙の量はレシート画像の印刷に必要な用紙の量よりも少なくなる。
【0063】
[3−4.まとめ]
第3実施形態に係る印刷システム1aでは、レシート画像の印刷データがプリンタ装置20に送信された場合、レシート画像の印刷は直ちには開始されず、レシート画像の印刷の実行が待機される。そして、商品の購入者が所与の期間(操作受付期間)内にボタン部26を押さなかった場合には、レシート画像の代わりに、そのレシート画像よりも面積の小さいID画像が印刷される。その結果、消費される用紙の量の削減を図ることが可能になる。
【0064】
図9に示すようなID画像が印刷された用紙をレシートの代わりに受け取った購入者は、下記のようにして、後でレシートを取得することができる。すなわち、まず購入者はID画像を画像処理装置4のスキャナ機能に読み取らせる。ID画像を読み取った画像処理装置4は、ID画像が示すIDをサーバ装置3に送信することによって、そのIDに関連づけて保存されたデータ(印刷データに基づくデータ)を返信するようにサーバ装置3に要求する。そして、サーバ装置3から返信されるデータを受信した画像処理装置4は、そのデータに基づいてレシート画像を印刷する。このようにして、購入者はレシートを取得することができる。
【0065】
[3−5.変形例]
ボタン部26が押されなかった場合にレシート画像が印刷され、ボタン部26が押された場合にID画像が印刷されるようにしてもよい。また、購入者の代わりに、該購入者から商品の代金を受け取る者がボタン部26を押すようにしてもよい。さらに、印刷データ生成プログラム43a,43bは、プリンタ装置20に対応する所定データ形式(第2形式)の印刷データを生成するようにしてもよい。この場合、印刷データ変換プログラム45及びランゲージモニタプログラム46は省略することができる。
【0066】
また、図8のS301〜S304の処理を実行する代わりに、プリンタ装置20は、POS装置10から受信した印刷データ(コマンドデータ)自体を示すバーコード画像を生成し、このバーコード画像をレシート画像の代わりに印刷するようにしてもよい。
【0067】
この場合、バーコード画像が印刷された用紙をレシートの代わりに受け取った購入者は、下記のようにして、後でレシートを取得することができる。すなわち、まず購入者はバーコード画像を画像処理装置4のスキャナ機能に読み取らせる。バーコード画像を読み取った画像処理装置4は、そのバーコード画像から印刷データ(コマンドデータ)を取得し、その印刷データに基づいてレシート画像を印刷する。このようにして、購入者はレシートを取得することができる。この形態ではサーバ装置3を設ける必要がなくなる。
【0068】
[4.第4実施形態]
第3実施形態では、要求受付部30、待機部31、判定部32、及び実行制御部33がプリンタ装置20で実現されるようにしたが、これらの機能ブロックの少なくとも一つはPOS装置10で実現されるようにしてもよい。ここでは、要求受付部30、待機部31、判定部32、及び実行制御部33がPOS装置10で実現される場合の実施形態を第4実施形態として説明する。
【0069】
[4−1.構成・機能ブロック]
第4実施形態に係る印刷システム1aの全体構成は第3実施形態(すなわち、第1実施形態:図1参照)と同様である。第4実施形態に係る印刷システム1aで実現される機能も基本的に第3実施形態(すなわち、第1実施形態:図3参照)と同様である。ただし、第4実施形態は、要求受付部30、待機部31、判定部32、及び実行制御部33が制御部11(印刷データ変換プログラム45)によって実現される点で第3実施形態とは相違する。
【0070】
[4−2.処理]
第4実施形態に係る印刷システム1aで実行される処理について説明する。プリンタ装置20に供給する印刷データ(一枚のレシートの印刷データ)がPOS装置10で生成されるまでの処理は第3実施形態(すなわち、第1実施形態:図4参照)と同様である。
【0071】
また、プリンタ装置20に供給する印刷データ(一枚のレシートの印刷データ)がPOS装置10で生成された後の処理は、下記に説明する点を除いて、第2実施形態(図6参照)と同様である。第4実施形態では、基準タイミングから一定期間が経過していたとS210で判定された場合や、別のレシート画像の印刷が要求されたとS211で判定された場合に、図8のS301〜S304の処理と同様の処理が実行される。すなわち、POS装置10は、印刷データをサーバ装置3に送信し、その印刷データの保存をサーバ装置3に要求する。この場合、サーバ装置3は、POS装置10から受信した印刷データを識別するためのIDを生成し、そのIDと、印刷データと、を関連づけてハードディスク装置に保存する。また、サーバ装置3は上記IDをPOS装置10に返信する。サーバ装置3からIDを受信したPOS装置10は、そのIDを示すID画像を印刷するための印刷データを生成し、その印刷データをプリンタ装置20に送信する。この場合、プリンタ装置20では、その印刷データの印刷が実行され、ID画像が印刷出力される。
【0072】
[4−3.まとめ]
第4実施形態に係る印刷システム1aでは、プリンタ装置20に供給するレシート画像の印刷データの生成が完了した場合であっても、プリンタ装置20への印刷データの送信が直ちには開始されず、プリンタ装置20への印刷データの送信の実行が待機される。商品の購入者などが所与の期間(操作受付期間)内にボタン部26を押さなかった場合には、レシート画像よりも面積の小さいID画像の印刷データがプリンタ装置20に送信され、そのID画像がレシート画像の代わりに印刷される。第4実施形態に係る印刷システム1aによっても、第3実施形態と同様、消費される用紙の量の削減を図ることが可能になる。
【0073】
[4−4.変形例]
第3実施形態と同様、上記のID画像が印刷される代わりに、レシート画像の印刷データ(コマンドデータ)自体を示すバーコード画像が印刷されるようにしてもよい。すなわち、基準タイミングから一定期間が経過していたとS210で判定された場合や、別のレシート画像の印刷が要求されたとS211で判定された場合、POS装置10は、レシート画像の印刷データ(コマンドデータ)自体を示すバーコード画像を印刷するための印刷データを生成し、その生成した印刷データをプリンタ装置20に送信するようにしてもよい。そして、プリンタ装置20では、レシート画像の印刷データ(コマンドデータ)自体を示すバーコード画像が印刷されるようにしてもよい。この形態ではサーバ装置3を設ける必要がなくなる。
【0074】
[5.第5実施形態]
第1実施形態と第3実施形態とを組み合わせるようにしてもよい。または、第2実施形態と第4実施形態とを組み合わせるようにしてもよい。すなわち、商品の購入者が、(1)レシート画像を印刷する、(2)ID画像(バーコード画像)を印刷する、(3)どちらの画像も印刷しない、の三つの選択肢のうちのいずれかを選択できるようにしてもよい。
【0075】
例えば、この実施形態では、ボタン部26は複数のボタン(例えば第1ボタンと第2ボタン)を含むようにしてもよい。そして、例えば、所与の期間(操作受付期間)内に第1ボタンが押された場合にレシート画像が印刷され、所与の期間内に第2ボタンが押された場合にID画像(バーコード画像)が印刷されるようにしてもよい。また、所与の期間内に第1ボタン及び第2ボタンのいずれも押されなかった場合には、レシート画像及びID画像のいずれも印刷されないようにしてもよい。さらに、第1ボタン及び第2ボタンが同時に押された場合には、予め定められた優先順位に従って、レシート画像又はID画像のいずれかが印刷されるようにしてもよい。
【0076】
または、この実施形態では、ボタン部26が押されたタイミングに基づいて、レシート画像又はID画像(バーコード画像)のいずれを印刷するかが決定されるようにしてもよい。図10は、ボタンが押されたタイミングと印刷制御との関係の一例について説明するための図である。図10に示す例では、操作受付期間が第1期間と第2期間とに分けられている。第1期間は、操作受付期間の開始タイミングからの経過時間(T)が0≦T≦T1(T1:所定時間)であるような期間である。一方、第2期間は、操作受付期間の開始タイミングからの経過時間(T)がT1<T≦T2(T2:所定時間)であるような期間である。例えば、第1期間内にボタン部26が押された場合、すなわち、操作受付期間の開始タイミング(基準タイミング)から、ボタン部26の押下操作が行われたタイミングまでの時間の長さ(t)が0≦t≦T1である場合、レシート画像が印刷される。また例えば、第2期間内にボタンが押された場合、すなわち、上記の時間の長さ(t)がT1<t≦T2である場合、ID画像(バーコード画像)が印刷される。また、第1期間及び第2期間内にボタン部26が押されなかった場合、レシート画像及びID画像のいずれも印刷されない。このようにすれば、ボタン部26が一つのボタンのみを含むような場合であっても、商品の購入者は上記の三つの選択肢のうちのいずれかを選択できるようになる。なお、図10に示す例では、第1期間と第2期間との間でLEDの点灯状態(例えば色)を変えるようにすると好適である。このようにすれば、商品の購入者は現在がどの期間であるのかを容易に把握できるようになる。
【0077】
[6.第6実施形態]
POS装置10には二つのプリンタ装置20が接続されるようにしてもよい。そして、一方のプリンタ装置20ではレシート画像(又はID画像など)が印刷されるようにし、他方のプリンタ装置20ではクーポン画像が印刷されるようにしてもよい。
【0078】
例えば、この実施形態では、印刷データ変換プログラム45が印刷データの内容を参照し、特定の商品名が含まれるか否かを判定する。そして、特定の商品名が含まれる場合、印刷データ変換プログラム45は、その商品名に対応するクーポン画像の印刷データを生成する。そして、印刷データ変換プログラム45は、レシート画像の印刷データを一方のプリンタ装置20に供給し、クーポン画像の印刷データを他方のプリンタ装置20に供給する。
【0079】
ところで、一方のプリンタ装置20でレシート画像の印刷が完了するタイミングと、他方のプリンタ装置20でクーポン画像の印刷が完了するタイミングとが異なっている場合、商品の購入者は、レシート画像及びクーポン画像の一方が印刷された後、他方の印刷が完了するまで待たなければならなくなる。また、レシート画像及びクーポン画像のうちの、後で印刷される方を購入者が受け取り忘れてしまうおそれもある。そこで、レシート画像の印刷が完了するタイミングと、クーポン画像の印刷が完了するタイミングとが略同じになるように制御するようにしてもよい。例えば、POS装置10(印刷データ変換プログラム45)は、レシート画像の印刷が完了するタイミングと、クーポン画像の印刷が完了するタイミングとが略同じになるように、プリンタ装置20に印刷データを供給するタイミングを二つのプリンタ装置20間で調整するようにしてもよい。また例えば、POS装置10(印刷データ変換プログラム45)は、レシート画像の印刷が完了するタイミングと、クーポン画像の印刷が完了するタイミングとが略同じになるように、印刷速度を二つのプリンタ装置20間で調整するようにしてもよい。
【0080】
[7.他の実施形態]
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0081】
例えば、プリンタ装置20は、ボタン部26の代わりに、他の操作部材(例えば操作レバーなど)を含んで構成される操作部を含むようにしてもよい。
【0082】
また例えば、POS装置10で実行されるオペレーティングシステムはマイクロソフト製のウィンドウズ(登録商標)に限られない。また、POS装置10で実行されるアプリケーションプログラムはPOSアプリケーション40a,40bに限られない。すなわち、プリンタ装置20で印刷される画像(文書)はPOSアプリケーション40a,40bによって生成されたレシートに限られず、他のアプリケーションプログラムによって生成された画像(文書)であってもよい。
【0083】
また例えば、POS装置10とプリンタ装置20とはLAN等の通信ネットワークを介して通信接続されるようにしてもよい。
【0084】
また例えば、ランゲージモニタプログラム46の代わりに、「ランゲージモニタプログラム」以外の名称で呼ばれるプログラム(例えば、「ポートエミュレータ」等)が用いられるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】第1実施形態に係る印刷システムの全体構成を示す図である。
【図2】レシート画像の一例を示す図である。
【図3】第1実施形態に係る印刷システムで実現される機能を示す機能ブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る印刷システムで実行される処理を説明するための図である。
【図5】第1実施形態に係る印刷システムで実行される処理を説明するための図である。
【図6】第2実施形態に係る印刷システムで実行される処理を説明するための図である。
【図7】第3実施形態に係る印刷システムの全体構成を示す図である。
【図8】第3実施形態に係る印刷システムで実行される処理を説明するための図である。
【図9】ID画像の一例を示す図である。
【図10】ボタンが押されたタイミングと印刷制御との関係の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0086】
1,1a 印刷システム、2 LAN、3 サーバ装置、4 画像処理装置、10 POS装置、11 制御部、12 主記憶部、13 補助記憶部、14 入力部、15 表示部、16 光ディスク読み取り部、17 インタフェース、20 プリンタ装置、21 制御部、22 記憶部、23 印刷部、24,25 インタフェース、26 ボタン部、30 要求受付部、31 待機部、32 判定部、33 実行制御部、40a,40b POSアプリケーション、41 GDIプログラム、42 スプーラ、43a,43b 印刷データ生成プログラム、44 ポートドライバ、45 印刷データ変換プログラム、46 ランゲージモニタプログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データの印刷要求を受け付ける受付手段と、
前記印刷データの印刷の実行を待機させる待機手段と、
所与の操作受付期間内に所定操作が行われたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記印刷データの印刷の実行を中止させる実行制御手段と、
を含むことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷システムにおいて、
前記実行制御手段は、前記判定結果に基づいて、前記印刷データの代わりに、前記印刷データに対応する代替印刷データであって、かつ、印刷に用いられる画像記録媒体の量が前記印刷データよりも少ない代替印刷データの印刷を印刷手段に実行させることを特徴とする印刷システム。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷システムにおいて、
前記実行制御手段は、基準タイミングから、前記所定操作が行われたタイミングまでの時間の長さに基づいて、前記印刷データ又は前記代替印刷データのいずれか一方の印刷を前記印刷手段に実行させることを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
印刷データの印刷要求を受け付ける受付ステップと、
前記印刷データの印刷の実行を待機させる待機ステップと、
所与の操作受付期間内に所定操作が行われたか否かを判定する判定ステップと、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記印刷データの印刷の実行を中止させる実行制御ステップと、
を含むことを特徴とする印刷システムの制御方法。
【請求項5】
印刷データの印刷要求を受け付ける受付手段、
前記印刷データの印刷の実行を待機させる待機手段、
所与の操作受付期間内に所定操作が行われたか否かを判定する判定手段、及び、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記印刷データの印刷の実行を中止させる実行制御手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−55383(P2010−55383A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219807(P2008−219807)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000107642)スター精密株式会社 (253)
【Fターム(参考)】