印刷システム、印刷プログラム、印刷方法および前記プログラムを記録した記録媒体、プリンタサーバ、プリンタサーバ用プログラムおよびプリンタサーバ制御方法、並びに印刷装置、印刷装置用プログラムおよび印刷装置制御方法
【課題】プリンタの特性に応じた最適な補正データを迅速に生成することができる新規な印刷システム、印刷システム用プログラム、印刷方法およびプリンタサーバ、プリンタ、ならびに前記プログラムを記録した記録媒体の提供。
【解決手段】プリンタ110とサーバ120とからなる印刷システム100であって、プリンタ110側でテストパターン画像を印刷した画像データを作成してサーバ120側に送り、サーバ120側でその画像データに基づいて補正データを生成して適宜プリンタ100に提供する。これによって、経時劣化などを考慮したプリンタ110の特性に応じた最適な補正データを迅速に生成して提供することができる。
【解決手段】プリンタ110とサーバ120とからなる印刷システム100であって、プリンタ110側でテストパターン画像を印刷した画像データを作成してサーバ120側に送り、サーバ120側でその画像データに基づいて補正データを生成して適宜プリンタ100に提供する。これによって、経時劣化などを考慮したプリンタ110の特性に応じた最適な補正データを迅速に生成して提供することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタなどの印刷機能を有するクライアント装置と、このクライアント装置とネットワークなどを介して情報通信可能に接続されたサーバ装置とからなる印刷システム、印刷プログラム、印刷方法およびプリンタサーバ、印刷装置ならびに前記プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
以下は、印刷装置、特にインクジェット方式を採用したプリンタ(以下、「インクジェットプリンタ」と称す)について説明する。
インクジェットプリンタは、一般に安価でかつ高品質のカラー印刷物が容易に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
【0003】
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジと印字ヘッドとが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が、印刷媒体(用紙)上を、その紙送り方向に対し垂直な方向に往復しながらその印字ヘッドのノズルから液体インクの粒子をドット状に吐出(噴射)することで、印刷媒体上に所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色ごとの印字ヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(さらに、これら各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、あるいは8色のものも実用化されている)。
【0004】
ところで、このようなインクジェットプリンタに不可欠な印刷ヘッドは、直径が10〜70μm程度の微細なノズルを一定の間隔を隔てて1列、またはノズル配列方向に対して垂直方向に複数列に配設してなるものであるため、製造誤差などによって一部のノズルのインクの吐出量が規定値よりも大きく増減したり、また、同じノズルであってもインクの残量や粘度などによってインクの吐出量が変化してしまい、この結果、所定サイズのドットが形成されなくなって、いわゆる「濃度ムラ現象」という一種の印刷不良が発生してしまうことがある。
【0005】
そのため、このような「濃度ムラ現象」を回避あるいは防止するために、印字ヘッドやインクの製造技術の向上や設計改良などといった、いわゆるハード的な部分での研究開発が鋭意進められているが、製造コストや印刷品質、技術面などから100%「濃度ムラが現象」が発生しない印字ヘッドやインクを提供するのは困難となっている。
そこで、現状では前記のようなハード的な部分での改良に加え、以下に示すような印刷制御といった、いわゆるソフト的な手法を用いてこのような「濃度ムラ現象」を低減するような技術が提案されている。
【0006】
例えば、以下に示す特許文献1などでは、濃度ムラ補正手段によって記録ヘッドの濃度ムラを所定の階調特性に対して補正すると共に、記録ヘッドの画像記録素子の所定単位ごとの階調特性を階調補正手段によって補正することで記録ヘッド内のバラツキを吸収して濃度ムラを補正するようにしている。
【特許文献1】特開平3−162977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1などのような方法では、プリンタは、工場出荷時などの販売前に生成される補正データを保持するため、経時劣化などによる特性変化に応じた最適な補正データが使えないといった問題点がある。
また、補正データを個々のプリンタで保持するには、それを保持しておくための多くのメモリ容量(記憶装置)が必要になり、また、経時劣化に最適な補正データを生成するためには多くの情報処理量(CPUパワー)が必要になるといった不都合がある。
【0008】
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、個々のプリンタの状況に応じた最適な補正データを提供することができる新規な印刷システム、印刷プログラム、印刷方法およびプリンタサーバ、印刷装置ならびに前記プログラムを記録した記録媒体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
〔形態1〕前記課題を解決するために形態1の印刷システムは、
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムであって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信部と、当該画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送信されてきた補正データを受信する補正データ受信部と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記クライアント装置の画像データ送信部から送られてきた画像データを受信する画像データ受信部と、当該画像データ受信部で受信した画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、を有することを特徴とするものである。
【0010】
これによって、個々のクライアント装置は、適宜所定のテストパターン画像を印刷し、それを読み込んだ画像データをサーバ装置に送るだけで、その経時劣化(変化)状況などに合わせた最適な印字ヘッドの補正データをサーバ装置から取得することができる。
この結果、例えば、個々のクライアント装置ごとに大量の補正データを保持する必要がなくなるため、その補正データを保持するためのメモリ(記憶装置)が不要となったり、個々のクライアント装置側で独自に補正データを作成する必要がなくなるため、個々のクライアント装置の情報処理能力を無駄に消費することがないなどといった優れた効果が得られる。
【0011】
ここで、「印字ヘッドを制御するクライアント装置」とは、具体的には以下に示すように「(インクジェット方式の)プリンタ(印刷装置)」を想定しているものであるが、このように印字ヘッドそのものを備えて印刷を実行するものに限らず、他の印刷装置の印字ヘッドを制御するパソコン(PC)などの情報処理装置やパソコンのOS上などで稼働するプリンタドライバ(ソフトウェア)なども含む概念である(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0012】
また、「サーバ装置」とは、有線または無線のネットワークなどを介して前記クライアント装置と双方向に情報通信可能なものであれば、特に限定されるものでなく、パソコン(PC)やワークステーションなどの情報処理装置などを含む概念である(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0013】
また、「テストパターン画像読取部」は、テストパターン画像を、例えば、光学的に読み取ることが可能である(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0014】
また、「画像データ解析部」は、例えば、印字ヘッドの形成するドットのサイズ、印字ヘッドのドット形成位置、印字ヘッドの形成するドットの濃淡などを解析する(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0015】
また、「印字ヘッド特性取得部」は、例えば、画像データ解析部で解析された、印字ヘッドの形成するドットのサイズ、印字ヘッドのドット形成位置、印字ヘッドの形成するドットの濃淡などの解析結果から印字ヘッドの特性を求める(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0016】
また、「補正データ」は、例えば、印字ヘッドによって形成されるドットのサイズ、印字ヘッドによって形成されるドットの濃淡を補正するためのデータであり、各クライアント装置毎に生成されるものである(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0017】
〔形態2〕形態2の印刷システムは、
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムであって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備部と、当該印刷物送付準備部で送付準備の行われた前記印刷物に対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信部と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、を有することを特徴とするものである。
【0018】
すなわち、前記形態1では印刷したテストパターン画像の印刷物をクライアント装置側で、例えば、光学的に読み取ってその画像データをサーバ装置側に送るようにしたのに対し、本形態は、印刷物そのものを郵送などによってサーバ装置側に送り、サーバ装置側においてその送られた印刷物を、例えば、光学的に読み取ってその画像データを取得するようにしたものである。
【0019】
これによって、前記形態1と同様な効果が得られると共に、各クライアント装置側において一般に高価なテストパターン画像読取部が不要となるため、クライアント装置のコストを削減できると共に、クライアント装置の数が増えるに従ってシステム全体の設備コストの低減も同時に達成することができる。
また、サーバ装置側において個々のクライアント装置側から送られてきた印刷物を一括して読み取ることができるため、各クライアント装置ごとのテストパターン画像読取部の読み取り精度のバラツキを防止して正確な補正データを生成・提供することができる。
【0020】
ここで、「印刷物送付準備部」は、印刷物の送付準備を行うもので、当該印刷物に対応する識別情報を準備(生成)したり、この準備した識別情報を郵送で送らない場合は、電子情報としてサーバ装置に送信したりすることも可能である。この識別情報は、例えば、テストパターン画像データ自体の識別情報や、その情報の発信元であるクライアント装置を特定するためのクライアント装置固有のID(シリアル番号など)や、印字ヘッド特性、インク種別、インク残量、設置場所平均気温、設置場所平均湿度、延べ印刷枚数、平均印刷枚数(1日)などのステータス情報などが含まれる(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0021】
また、「印刷物」とは、テストパターン画像が印刷された印刷媒体(印刷用紙、はがき、CDメディア、DVDメディアなどの印刷が可能な媒体)のことである(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0022】
〔形態3〕形態3の印刷システムは、
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムであって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信部と、前記印刷部で印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備部と、当該印刷物送付準備部で送付準備の行われた前記印刷物および前記画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信部と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記クライアント装置の画像データ送信部から送られてきた画像データを受信する画像データ受信部と、前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データおよび画像データ受信部で受信したテストパターン画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、を有することを特徴とするものである。
【0023】
すなわち、前記形態1および2では、クライアント装置またはサーバ装置のいずれか一方にのみ、テストパターン画像の印刷物を読み取るためのテストパターン画像読取部を備えたものであるが、本形態では、このテストパターン画像読取部をクライアント装置およびサーバ装置の双方に備え、クライアント装置側およびサーバ装置側でそれぞれ独自に印刷したテストパターン画像の印刷物を、例えば、光学的に読み取ることができるようにしたものである。
【0024】
これによって、前記形態1および2と同様な効果が得られると共に、前記形態2ほど正確ではないものの、前記形態1で示した構成より遙かに正確な補正データを提供することができる。また、新たな補正データが必要となった場合でも、先に作成した補正データを部分的に修正することで新たな補正データを最初から作る必要がなくなって迅速かつ効率的に補正データを提供することができる。
【0025】
〔形態4〕形態4の印刷システムは、
形態1または3に記載の印刷システムにおいて、
前記クライアント装置の画像データ送信部は、前記テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信するに際し、当該テストパターン画像データの読み取り解像度に関する情報を送信するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態1または3に記載の印刷システムにおいては、画像データの読み取り解像度に関する情報をサーバ装置に送ることにより、前記印字ヘッドによるテストパターン(ドットパターン)画像の解像度とその読み取り解像度とが異なっていても正確な補正データを生成・提供することができる。
【0026】
ここで、「読み取り解像度に関する情報」は、スキャナ解像度の情報の他に、スキャナの読み込み設定の情報、スキャナの機種の情報などを含んでいても良い(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0027】
〔形態5〕形態5の印刷システムは、
形態2または3に記載の印刷システムにおいて、
前記クライアント装置は、さらに、
前記印刷物を前記サーバ装置に送付した旨の通知を前記サーバ装置に送信する印刷通知送信部と、当該印刷通知送信部の送信に対応して前記サーバ装置から送信される前記補正データの受信日時に関する情報を取得する補正データ受信予定情報取得部と、当該補正データ受信予定情報取得部で取得した前記補正データの受信日時に関する情報を表示する受信予定情報表示部と、を有し、
前記サーバ装置は、さらに、
前記クライアント装置の印刷通知送信部からの通知を受信する印刷通知受信部と、当該印刷通知受信部で受信した印刷通知に対応してテストパターン画像読取部の予約状況を確認する予約状況確認部と、当該予約状況確認部で確認した予約状況に基づいて前記補正データの送信日時に関する情報を算出する補正データ送信予定情報算出部と、当該補正データ送信予定情報算出部で算出された前記補正データの送信日時に関する情報を前記クライアント装置に送信する補正データ送信予定情報通知部と、を有することを特徴とするものである。
【0028】
これによって、前記形態2または3に記載の印刷システムにおいては、テストパターン画像の印刷物を生成した個々のクライアント装置側で、その印刷物の送付先に対応するサーバ装置からの補正データの実際の提供時期に関する情報を得ることができ、今後の印刷スケジュールなどに活用することができる。
ここで、「補正データの送信日時に関する情報」は、補正データを送信した日にち、時間の他に、AM、PM、深夜、早朝、年月などの情報を含んでいても良い(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0029】
〔形態6〕形態6の印刷システムは、
形態5に記載の印刷システムにおいて、
前記サーバ装置は、さらに、
前記クライアント装置の印刷物送付準備部で送付準備の行われる印刷物の送付に関する手配を行う印刷物配送手配部を有し、
前記印刷通知受信部は、前記クライアント装置の印刷通知送信部からの通知を受信したときは、印刷されたことを前記サーバ装置の印刷物配送手配部にも通知するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態2または3に記載の印刷システムにおいては、迅速かつ確実に各クライアント装置で生成されたテストパターン画像の印刷物を取得することができる。
【0030】
〔形態7〕形態7の印刷システムは、
形態1〜6のいずれかに記載の印刷システムにおいて、
前記クライアント装置は、さらに、印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得部と、前記印刷データ取得部で取得した印刷データを前記補正データ受信部で受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正部とを有し、前記印刷部は、当該印刷データ補正部で補正された印刷データに基づいて印刷を実行するようになっていることを特徴とするものである。
【0031】
これによって、前記各クライアント装置は、印刷データを受け取ると、その印刷データを、取得した補正データに基づいて補正することができるため、その印刷に使用する印字ヘッドに濃度ムラ現象などがあっても元の印刷データを忠実に再現した高品質な印刷物を得ることができる。
【0032】
〔形態8〕形態8の印刷システムは、
形態1〜7のいずれか1項に記載の印刷システムにおいて、
前記画像データ解析部は、前記印字ヘッドの形成するドットのサイズ、当該印字ヘッドのドット形成位置及び当該印字ヘッドの形成するドットの濃淡の少なくとも1つを解析するようになっていることを特徴とするものである。
【0033】
これによって、例えば、印字ヘッドを構成する各ノズルのインク吐出不良や、当該ノズルの飛行曲り等によって発生する濃度ムラやバンディングなどに対して適切な補正データを生成することができる。従って、前記各クライアント装置は、このような補正データに基づいて、印刷データを補正することができるため、その印刷に使用する印字ヘッドが、前述したようにインクの吐出不良や飛行曲りの状態にあっても元の印刷データを忠実に再現した高品質な印刷物を得ることができる。
【0034】
〔形態9〕形態9の印刷プログラムは、
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムで用いるプログラムであって、
前記クライアント装置のコンピュータを、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信部と、当該画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送信されてきた補正データを受信する補正データ受信部と、して機能させると共に、
前記サーバ装置のコンピュータを、
前記クライアント装置の画像データ送信部から送られてきた画像データを受信する画像データ受信部と、当該画像データ受信部で受信した画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、して機能させることを特徴とするものである。
【0035】
これによって、前記形態1と同様に、個々のクライアント装置は、その経時劣化(変化)状況などに合わせた最適な印字ヘッドの補正データをサーバ装置から取得することができるため、個々のクライアント装置ごとに大量の補正データを保持する必要がなくなってその補正データを保持するためのメモリ(記憶装置)が不要となったり、個々のクライアント装置側で独自に補正データを作成する必要がなくなって、個々のクライアント装置の情報処理能力を無駄に消費することがないなどといった優れた効果が得られる。
【0036】
また、前記サーバ装置としてパソコンなどの汎用のコンピュータシステムを用いることができると共に、前記クライアント装置として現在市場に出回っているインクジェットプリンタなどの印刷装置を用いる場合、その印刷装置の殆どは中央処理装置(CPU)や記憶装置(RAM、ROM)、入出力装置などからなるコンピュータシステムを備えている。
【0037】
従って、そのような汎用または標準装備のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって本印刷システムの前記各部を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0038】
〔形態10〕形態10の印刷プログラムは、
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムで用いるプログラムであって、
前記クライアント装置のコンピュータを、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備部と、当該印刷物送付準備部で送付準備の行われた前記印刷物に対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信部と、して機能させると共に、
前記サーバ装置のコンピュータを、
前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、して機能させることを特徴とするものである。
【0039】
これによって、前記形態2と同様に、各クライアント装置側において一般に高価なテストパターン画像読取部が不要となるため、クライアント装置のコストを削減できると共に、クライアント装置の数が増えるに従ってシステム全体の設備コストの低減も同時に達成することができる。
また、サーバ装置側において個々のクライアント装置から送られてきた印刷物を一括して読み取ることができるため、各クライアント装置ごとのテストパターン画像読取部の読み取り精度のバラツキを防止して正確な補正データを生成・提供することができる。
【0040】
また、前記形態9と同様に、汎用または標準装備のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって本印刷システムの前記各部を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0041】
〔形態11〕形態11の印刷プログラムは、
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムで用いるプログラムであって、
前記クライアント装置のコンピュータを、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信部と、前記印刷部で印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備部と、当該印刷物送付準備部で送付準備の行われた前記印刷物および前記画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信部と、して機能させると共に、
前記サーバ装置のコンピュータを、
前記クライアント装置の画像データ送信部から送られてきた画像データを受信する画像データ受信部と、前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データおよび画像データ受信部で受信したテストパターン画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、して機能させることを特徴とするものである。
【0042】
これによって、前記形態3と同様に、正確な補正データを提供することができると共に新たな補正データが必要となった場合には、その補正データを迅速かつ効率的に提供することができる。
また、前記形態9と同様に、汎用または標準装備のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって本印刷システムの前記各部を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0043】
〔形態12〕形態12の印刷プログラムは、
形態9または11に記載の印刷プログラムにおいて、前記クライアント装置の画像データ送信部は、前記テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信するに際し、当該テストパターン画像データの読み取り解像度に関する情報を送信するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態4と同様に、形態9または11に記載の印刷プログラムにおいては、画像データの読み取り解像度に関する情報をサーバ装置に送ることにより、前記印字ヘッドによるテストパターン(ドットパターン)画像の解像度とその読み取り解像度とが異なっていても正確な補正データを生成・提供することができる。
【0044】
また、前記形態9と同様に、汎用または標準装備のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって本印刷システムの前記各部を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0045】
〔形態13〕形態13の印刷プログラムは、
形態10または11に記載の印刷プログラムにおいて、
前記クライアント装置のコンピュータを、さらに、前記印刷物を前記サーバ装置に送付した旨の通知を前記サーバ装置に送信する印刷通知送信部と、当該印刷通知送信部の送信に対応して前記サーバ装置から送信される前記補正データの受信日時に関する情報を取得する補正データ受信予定情報取得部と、当該補正データ受信予定情報取得部で取得した前記補正データの受信日時に関する情報を表示する受信予定情報表示部として機能させると共に、
前記サーバ装置のコンピュータを、さらに、前記クライアント装置の印刷通知送信部からの通知を受信する印刷通知受信部と、当該印刷通知受信部で受信した印刷通知に対応してテストパターン画像読取部の予約状況を確認する予約状況確認部と、当該予約状況確認部で確認した予約状況に基づいて前記補正データの送信日時に関する情報を算出する補正データ送信予定情報算出部と、当該補正データ送信予定情報算出部で算出された前記補正データの送信日時に関する情報を前記クライアント装置に送信する補正データ送信予定情報通知部と、して機能させることを特徴とするものである。
【0046】
これによって、前記形態5と同様に、形態10または11に記載の印刷プログラムにおいては、テストパターン画像の印刷物を生成した個々のクライアント装置側で、その印刷物の送付先に対応するサーバ装置からの補正データの実際の提供時期に関する情報を得ることができ、今後の印刷スケジュールなどに活用することができる。
また、前記形態9と同様に、汎用または標準装備のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって本印刷システムの前記各部を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0047】
〔形態14〕形態14の印刷プログラムは、
形態13に記載の印刷プログラムにおいて、
前記サーバ装置のコンピュータを、さらに、前記クライアント装置の印刷物送付準備部で送付準備の行われる印刷物の送付に関する手配を行う印刷物配送手配部として機能させると共に、前記印刷通知受信部は、前記クライアント装置の印刷通知送信部からの通知を受信したときは、印刷されたことを前記サーバ装置の印刷物配送手配部にも通知するようになっていることを特徴とするものである。
【0048】
これによって、前記形態6と同様に、前記形態10または11に記載の印刷システムにおいては、迅速かつ確実に各クライアント装置で生成されたテストパターン画像の印刷物を取得することができる。
また、前記形態9と同様に、汎用または標準装備のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって本印刷システムの前記各部を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0049】
〔形態15〕形態15の印刷プログラムは、
形態9〜14のいずれかに記載の印刷プログラムにおいて、
前記クライアント装置のコンピュータを、さらに、印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得部と、前記印刷データ取得部で取得した印刷データを前記補正データ受信部で受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正部として機能させると共に、前記印刷部は、当該印刷データ補正部で補正された印刷データに基づいて印刷を実行するようになっていることを特徴とするものである。
【0050】
これによって、前記形態7と同様に、前記各クライアント装置は、印刷データを受け取ると、その印刷データを、取得した補正データに基づいて補正することができるため、その印刷に使用する印字ヘッドに濃度ムラ現象などがあっても元の印刷データを忠実に再現した高品質な印刷物を得ることができる。
また、前記形態9と同様に、汎用または標準装備のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって本印刷システムの前記各部を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0051】
〔形態16〕形態16の印刷プログラムは、
形態9〜15のいずれかに記載の印刷プログラムにおいて、
前記画像データ解析部は、前記印字ヘッドの形成するドットのサイズ、当該印字ヘッドのドット形成位置及び当該印字ヘッドの形成するドットの濃淡の少なくとも1つを解析するようになっていることを特徴とするものである。
【0052】
これによって、前記形態8と同様に、例えば、印字ヘッドを構成する各ノズルのインク吐出不良や、当該ノズルの飛行曲り等によって発生する濃度ムラやバンディングなどに対して適切な補正データを生成することができる。従って、前記各クライアント装置は、このような補正データに基づいて、印刷データを補正することができるため、その印刷に使用する印字ヘッドが、前述したようにインクの吐出不良や飛行曲りの状態にあっても元の印刷データを忠実に再現した高品質な印刷物を得ることができる。
【0053】
また、前記形態9と同様に、汎用または標準装備のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって本印刷システムの前記各部を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0054】
〔形態17〕形態17のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
形態9〜16のいずれかに記載の印刷プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
これによって、CD−ROMやDVD−ROM、FD、半導体チップなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介して前記形態9〜16のいずれかに記載の印刷プログラムをユーザなどの需用者に対して容易かつ確実に提供することができる。
【0055】
〔形態18〕形態18の印刷方法は、
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを用いる印刷方法であって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷ステップと、当該印刷ステップで印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信ステップと、当該画像データ送信ステップで送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送信されてきた補正データを受信する補正データ受信ステップと、を含み、
前記サーバ装置は、
前記クライアント装置から送られてきた前記テストパターン画像データを受信する画像データ受信ステップと、当該画像データ受信ステップで受信した画像データを解析する画像データ解析ステップと、当該画像データ解析ステップでの解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得ステップと、当該印字ヘッド特性取得ステップで取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成ステップと、当該補正データ生成ステップで生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信ステップと、を含むことを特徴とするものである。
【0056】
これによって、前記形態1と同様に、個々のクライアント装置は、その経時劣化(変化)状況などに合わせた最適な印字ヘッドの補正データをサーバ装置から取得することができるため、個々のクライアント装置ごとに大量の補正データを保持する必要がなくなってその補正データを保持するためのメモリ(記憶装置)が不要となったり、個々のクライアント装置側で独自に補正データを作成する必要がなくなって、個々のクライアント装置の情報処理能力を無駄に消費することがないなどといった優れた効果が得られる。
【0057】
〔形態19〕形態19の印刷方法は、
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを用いる印刷方法であって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷ステップと、当該印刷ステップで印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備ステップと、当該印刷物送付準備ステップで送付準備の行われた前記印刷物に対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信ステップと、を含み、
前記サーバ装置は、
前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データを解析する画像データ解析ステップと、当該画像データ解析ステップでの解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得ステップと、当該印字ヘッド特性取得ステップで取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成ステップと、当該補正データ生成ステップで生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信ステップと、を含むことを特徴とするものである。
【0058】
これによって、前記形態2と同様に、各クライアント装置側において一般に高価なテストパターン画像読取部が不要となるため、クライアント装置のコストを削減できると共に、クライアント装置の数が増えるに従ってシステム全体の設備コストの低減も同時に達成することができる。
また、サーバ装置側において個々のクライアント装置から送られてきた印刷物を一括して読み取ることができるため、各クライアント装置ごとのテストパターン画像読取部の読み取り精度のバラツキを防止して正確な補正データを生成・提供することができる。
【0059】
〔形態20〕形態20の印刷方法は、
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを用いる印刷方法であって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷ステップと、当該印刷ステップで印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信ステップと、前記印刷ステップで印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備ステップと、当該印刷物送付準備ステップで送付準備の行われた前記印刷物および前記画像データ送信ステップで送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信ステップと、を含み、
前記サーバ装置は、
前記クライアント装置の画像データ送信ステップから送られてきた画像データを受信する画像データ受信ステップと、前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データおよび画像データ受信ステップで受信したテストパターン画像データを解析する画像データ解析ステップと、当該画像データ解析ステップでの解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得ステップと、当該印字ヘッド特性取得ステップで取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成ステップと、当該補正データ生成ステップで生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信ステップと、を含むことを特徴とするものである。
【0060】
これによって、前記形態3と同様に、正確な補正データを提供することができると共に新たな補正データが必要となった場合には、その補正データを迅速かつ効率的に提供することができる。
【0061】
〔形態21〕形態21の印刷方法は、
形態18または20に記載の印刷方法において、前記クライアント装置の画像データ送信ステップは、前記テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信するに際し、当該テストパターン画像データの読み取り解像度に関する情報を送信することを特徴とするものである。
【0062】
これによって、前記形態4と同様に、形態18または20に記載の印刷方法においては、画像データの読み取り解像度に関する情報をサーバ装置に送ることにより、前記印字ヘッドによるテストパターン(ドットパターン)画像の解像度とその読み取り解像度とが異なっていても正確な補正データを生成・提供することができる。
【0063】
〔形態22〕形態22の印刷方法は、
形態19または20に記載の印刷方法において、
前記クライアント装置は、さらに、前記印刷物を前記サーバ装置に送付した旨の通知を前記サーバ装置に送信する印刷通知送信ステップと、当該印刷通知送信ステップの送信に対応して前記サーバ装置から送信される前記補正データの受信日時に関する情報を取得する補正データ受信予定情報取得ステップと、当該補正データ受信予定情報取得ステップで取得した前記補正データの受信日時に関する情報を表示する受信予定情報表示ステップと、を含み、
前記サーバ装置は、さらに、前記クライアント装置の印刷通知送信ステップによる通知を受信する印刷通知受信ステップと、当該印刷通知受信ステップで受信した印刷通知に対応してテストパターン画像読取部の予約状況を確認する予約状況確認ステップと、当該予約状況確認ステップで確認した予約状況に基づいて前記補正データの送信日時に関する情報を算出する補正データ送信予定情報算出ステップと、当該補正データ送信予定情報算出ステップで算出された前記補正データの送信日時に関する情報を前記クライアント装置に送信する補正データ送信予定情報通知ステップと、を含むことを特徴とするものである。
【0064】
これによって、前記形態5と同様に、形態19または20に記載の印刷プログラムにおいては、テストパターン画像の印刷物を生成した個々のクライアント装置側で、その印刷物の送付先に対応するサーバ装置からの補正データの実際の提供時期に関する情報を得ることができ、今後の印刷スケジュールなどに活用することができる。
【0065】
〔形態23〕形態23の印刷方法は、
形態22に記載の印刷方法において、
前記サーバ装置は、さらに、前記クライアント装置の印刷物送付準備ステップで送付準備の行われる印刷物の送付に関する手配を行う印刷物配送手配ステップを含み、前記印刷通知受信ステップは、前記クライアント装置の印刷通知送信ステップによる通知を受信したときは、印刷されたことを前記サーバ装置の印刷物配送手配ステップにも通知することを特徴とするものである。
これによって、前記形態6と同様に、前記形態19または20に記載の印刷システムにおいては、迅速かつ確実に各クライアント装置で生成されたテストパターン画像の印刷物を取得することができる。
【0066】
〔形態24〕形態24の印刷方法は、
形態18〜23のいずれかに記載の印刷方法において、
前記クライアント装置は、さらに、印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得ステップと、前記印刷データ取得ステップで取得した印刷データを前記補正データ受信ステップで受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正ステップとを含み、前記印刷ステップは、当該印刷データ補正ステップで補正された印刷データに基づいて印刷を実行することを特徴とするものである。
【0067】
これによって、前記形態7と同様に、前記各クライアント装置は、印刷データを受け取ると、その印刷データを、取得した補正データに基づいて補正することができるため、その印刷に使用する印字ヘッドに濃度ムラ現象などがあっても元の印刷データを忠実に再現した高品質な印刷物を得ることができる。
【0068】
〔形態25〕形態25の印刷方法は、
形態18〜24のいずれかに記載の印刷方法において、
前記画像データ解析ステップは、前記印字ヘッドの形成するドットのサイズ、当該印字ヘッドのドット形成位置及び当該印字ヘッドの形成するドットの濃淡の少なくとも1つを解析することを特徴とするものである。
【0069】
これによって、前記形態8と同様に、例えば、印字ヘッドを構成する各ノズルのインク吐出不良や、当該ノズルの飛行曲り等によって発生する濃度ムラやバンディングなどに対して適切な補正データを生成することができる。従って、前記各クライアント装置は、このような補正データに基づいて、印刷データを補正することができるため、その印刷に使用する印字ヘッドが、前述したようにインクの吐出不良や飛行曲りの状態にあっても元の印刷データを忠実に再現した高品質な印刷物を得ることができる。
【0070】
〔形態26〕形態26のプリンタサーバは、
印字ヘッドを制御する印刷装置と情報通信可能に接続されたプリンタサーバであって、
前記印字ヘッドを用いて印刷されたテストパターン画像の画像データを受信する画像データ受信部と、当該画像データ受信部で受信した画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記印刷装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記印刷装置に送信する補正データ送信部と、を有することを特徴とするものである。
【0071】
これによって、プリンタサーバは、印刷装置から受け取ったテストパターン画像の画像データを解析してその解析結果から前記印字ヘッドの特性を求め、その特性に応じた補正データを生成してその補正データを前記印刷装置に送信するようになっているため、前記印字ヘッドに対応した的確な補正データを提供することができる。
【0072】
〔形態27〕形態27のプリンタサーバは、
形態26に記載のプリンタサーバにおいて、
前記印刷装置からの前記テストパターン画像が印刷された印刷物を送付した旨の通知を受信する印刷通知受信部と、当該印刷通知受信部で受信した印刷通知に対応してテストパターン画像読取部の予約状況を確認する予約状況確認部と、当該予約状況確認部で確認した予約状況に基づいて前記補正データの送信日時に関する情報を算出する補正データ送信予定情報算出部と、当該補正データ送信予定情報算出部で算出された前記補正データの送信日時に関する情報を前記印刷装置に送信する補正データ送信予定情報通知部と、を有することを特徴とするものである。
【0073】
これによって、テストパターン画像の印刷物を生成した個々のクライアント装置側に、その印刷物に対応する補正データの実際の提供時期に関する情報を与えることができ、クライアント装置側において、この情報を、今後の印刷スケジュールなどに活用させることができる。
【0074】
〔形態28〕形態28のプリンタサーバは、
形態27に記載のプリンタサーバにおいて、
前記印刷装置で送付準備の行われる印刷物の送付に関する手配を行う印刷物配送手配部を有し、
前記印刷通知受信部は、前記印刷装置からの前記通知を受信したときは、印刷されたことを前記サーバ装置の印刷物配送手配部にも通知するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、プリンタサーバは、迅速かつ確実に各クライアント装置で生成されたテストパターン画像の印刷物を取得することができる。
【0075】
〔形態29〕形態29のプリンタサーバは、
形態26〜28のいずれか1に記載のプリンタサーバにおいて、
前記画像データ解析部は、前記印字ヘッドの形成するドットのサイズ、当該印字ヘッドのドット形成位置及び当該印字ヘッドの形成するドットの濃淡の少なくとも1つを解析するようになっていることを特徴とするものである。
【0076】
これによって、例えば、印字ヘッドを構成する各ノズルのインク吐出不良や、当該ノズルの飛行曲り等によって発生する濃度ムラやバンディングなどに対して適切な補正データを生成することができる。従って、前記各クライアント装置は、このような補正データに基づいて、印刷データを補正することができるため、その印刷に使用する印字ヘッドが、前述したようにインクの吐出不良や飛行曲りの状態にあっても元の印刷データを忠実に再現した高品質な印刷物を得ることができる。
【0077】
〔形態30〕形態30のプリンタサーバ用プログラムは、
印字ヘッドを制御する印刷装置と情報通信可能に接続されたプリンタサーバ用プログラムであって、コンピュータを、前記印字ヘッドを用いて印刷されたテストパターン画像の画像データを受信する画像データ受信部と、当該画像データ受信部で受信した画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記印刷装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記印刷装置に送信する補正データ送信部と、して機能させることを特徴とするものである。
【0078】
これによって、前記形態26と同様な効果が得られると共に、ソフトウェアによって本形態を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0079】
〔形態31〕形態31のプリンタサーバ用プログラムは、
形態30に記載のプリンタサーバ用プログラムにおいて、
前記コンピュータを、さらに、前記印刷装置からの前記テストパターン画像が印刷された印刷物を送付した旨の通知を受信する印刷通知受信部と、当該印刷通知受信部で受信した印刷通知に対応してテストパターン画像読取部の予約状況を確認する予約状況確認部と、当該予約状況確認部で確認した予約状況に基づいて前記補正データの送信日時に関する情報を算出する補正データ送信予定情報算出部と、当該補正データ送信予定情報算出部で算出された前記補正データの送信日時に関する情報を前記印刷装置に送信する補正データ送信予定情報通知部と、して機能させることを特徴とするものである。
【0080】
これによって、前記形態27と同様な効果が得られると共に、ソフトウェアによって本形態を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0081】
〔形態32〕形態32のプリンタサーバ用プログラムは、
形態31に記載のプリンタサーバ用プログラムにおいて、
前記コンピュータを、さらに、前記印刷装置で送付準備の行われる印刷物の送付に関する手配を行う印刷物配送手配部として機能させると共に、前記印刷通知受信部は、前記印刷装置からの前記通知を受信したときは、印刷されたことを前記サーバ装置の印刷物配送手配部にも通知するようになっていることを特徴とするものである。
【0082】
これによって、前記形態28と同様な効果が得られると共に、ソフトウェアによって本形態を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0083】
〔形態33〕形態33のプリンタサーバ用プログラムは、
形態30〜32のいずれか1に記載のプリンタサーバ用プログラムにおいて、
前記画像データ解析部は、前記印字ヘッドの形成するドットのサイズ、当該印字ヘッドのドット形成位置及び当該印字ヘッドの形成するドットの濃淡の少なくとも1つを解析するようになっていることを特徴とするものである。
【0084】
これによって、前記形態29と同様な効果が得られると共に、ソフトウェアによって本形態を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0085】
〔形態34〕形態34のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
形態30〜33のいずれか1に記載のプリンタサーバ用プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
これによって、CD−ROMやDVD−ROM、FD、半導体チップなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介して前記形態30〜33のいずれか1に記載のプリンタサーバ用プログラムをユーザなどの需用者に対して容易かつ確実に提供することができる。
【0086】
〔形態35〕形態35のプリンタサーバ制御方法は、
印字ヘッドを制御する印刷装置と情報通信可能に接続されたプリンタサーバを制御するのに使用するプリンタサーバ制御方法であって、
前記印字ヘッドを用いて印刷されたテストパターン画像の画像データを受信する画像データ受信ステップと、当該画像データ受信ステップで受信した画像データを解析する画像データ解析ステップと、当該画像データ解析ステップでの解析結果から前記印刷装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得ステップと、当該印字ヘッド特性取得ステップで取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成ステップと、当該補正データ生成ステップで生成した補正データを前記印刷装置に送信する補正データ送信ステップと、を含むことを特徴とするものである。
これによって、前記形態26と同様な効果が得られる。
【0087】
〔形態36〕形態36のプリンタサーバ制御方法は、
形態35に記載のプリンタサーバ制御方法において、
さらに、前記印刷装置からの前記テストパターン画像が印刷された印刷物を送付した旨の通知を受信する印刷通知受信ステップと、当該印刷通知受信ステップで受信した印刷通知に対応してテストパターン画像読取ステップの予約状況を確認する予約状況確認ステップと、当該予約状況確認ステップで確認した予約状況に基づいて前記補正データの送信日時に関する情報を算出する補正データ送信予定情報算出ステップと、当該補正データ送信予定情報算出ステップで算出された前記補正データの送信日時に関する情報を前記印刷装置に送信する補正データ送信予定情報通知ステップと、を含むことを特徴とするものである。
これによって、前記形態27と同様な効果が得られる。
【0088】
〔形態37〕形態37のプリンタサーバ制御方法は、
形態36に記載のプリンタサーバ制御方法において、
さらに、前記印刷装置で送付準備の行われる印刷物の送付に関する手配を行う印刷物配送手配ステップを含み、前記印刷通知受信部は、前記印刷装置からの前記通知を受信したときは、印刷されたことを前記サーバ装置の印刷物配送手配ステップにも通知するようにしたことを特徴とするものである。
これによって、前記形態28と同様な効果が得られる。
【0089】
〔形態38〕形態38のプリンタサーバ制御方法は、
形態35〜37のいずれか1に記載のプリンタサーバ制御方法において、
前記画像データ解析ステップは、前記印字ヘッドの形成するドットのサイズ、当該印字ヘッドのドット形成位置及び当該印字ヘッドの形成するドットの濃淡の少なくとも1つを解析することを特徴とするものである。
これによって、前記形態29と同様な効果が得られる。
【0090】
〔形態39〕形態39の印刷装置は、
補正データを提供するプリンタサーバと情報通信可能に接続されると共に、印刷に用いる印字ヘッドを制御する印刷装置であって、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信する画像データ送信部と、当該画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記プリンタサーバから送信されてきた補正データを受信する補正データ受信部と、印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得部と、前記印刷データ取得部で取得した印刷データを前記補正データ受信部で受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正部とを有し、
前記印刷部は、当該印刷データ補正部で補正された印刷データに基づいて印刷を実行するようになっていることを特徴とするものである。
【0091】
これによって、印刷装置は、前記印字ヘッドを用いて印刷したテストパターン画像を、例えば、光学的に読み取ってそのテストパターン画像データをプリンタサーバに送信するだけで、その印字ヘッドの状況に応じた最適な補正データを得ることができる。
この結果、その印刷に使用する印字ヘッドに濃度ムラ現象などがあっても元の印刷データの内容を忠実に再現した高品質な印刷物を得ることができる。
【0092】
〔形態40〕形態40の印刷装置は、
請求項39に記載の印刷装置において、
前記画像データ送信部は、前記テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信するに際し、当該テストパターン画像データの読み取り解像度に関する情報を送信するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、画像データの読み取り解像度に関する情報をサーバ装置に送ることにより、前記印字ヘッドによるテストパターン(ドットパターン)画像の解像度とその読み取り解像度とが異なっていても正確な補正データを生成・提供してもらうことができる。
【0093】
〔形態41〕形態41の印刷装置は、
請求項39または請求項40に記載の印刷装置において、
前記テストパターン画像が印刷された印刷物を送付した旨の通知を前記プリンタサーバに送信する印刷通知送信部と、当該印刷通知送信部の送信に対応して前記プリンタサーバから送信される前記補正データの受信日時に関する情報を取得する補正データ受信予定情報取得部と、当該補正データ受信予定情報取得部で取得した前記補正データの受信日時に関する情報を表示する受信予定情報表示部とを有することを特徴とするものである。
これによって、サーバ装置からの補正データの実際の提供時期に関する情報を得ることができ、今後の印刷スケジュールなどに活用することができる。
【0094】
〔形態42〕形態42の印刷装置用プログラムは、
補正データを提供するプリンタサーバと情報通信可能に接続されると共に、印刷に用いる印字ヘッドを制御する印刷装置のコンピュータを、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信する画像データ送信部と、当該画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記プリンタサーバから送信されてきた補正データを受信する補正データ受信部と、印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得部と、前記印刷データ取得部で取得した印刷データを前記補正データ受信部で受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正部と、して機能させるプログラムを含み、
前記印刷部は、前記印刷データ補正部で補正された印刷データに基づいて印刷を実行することを特徴とするものである。
【0095】
これによって、前記形態39と同様の効果が得られると共に、ソフトウェアによって本形態を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0096】
〔形態43〕形態43の印刷装置用プログラムは、
請求項42に記載の印刷装置用プログラムにおいて、
前記画像データ送信部は、前記テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信するに際し、当該テストパターン画像データの読み取り解像度に関する情報を送信するようになっていることを特徴とするものである。
【0097】
これによって、前記形態40と同様の効果が得られると共に、ソフトウェアによって本形態を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0098】
〔形態44〕形態44の印刷装置用プログラムは、
請求項42または請求項43に記載の印刷装置用プログラムにおいて、
前記テストパターン画像が印刷された印刷物を送付した旨の通知を前記プリンタサーバに送信する印刷通知送信部と、当該印刷通知送信部の送信に対応して前記プリンタサーバから送信される前記補正データの受信日時に関する情報を取得する補正データ受信予定情報取得部と、当該補正データ受信予定情報取得部で取得した前記補正データの受信日時に関する情報を表示する受信予定情報表示部とを有することを特徴とするものである。
【0099】
これによって、前記形態41と同様の効果が得られると共に、ソフトウェアによって本形態を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0100】
〔形態45〕形態45のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
形態42〜44のいずれか1に記載の印刷装置用プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
これによって、CD−ROMやDVD−ROM、FD、半導体チップなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介して前記形態42〜44のいずれか1に記載の印刷装置用プログラムをユーザなどの需用者に対して容易かつ確実に提供することができる。
【0101】
〔形態46〕形態46の印刷装置制御方法は、
補正データを提供するプリンタサーバと情報通信可能に接続されると共に、印刷に用いる印字ヘッドを制御する印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御方法であって、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷ステップと、当該印刷ステップで印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信する画像データ送信ステップと、当該画像データ送信ステップにおいて送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記プリンタサーバから送信されてきた補正データを受信する補正データ受信ステップと、印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得ステップと、前記印刷データ取得ステップで取得した印刷データを前記補正データ受信ステップで受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正ステップと、を含み、
前記印刷ステップは、前記印刷データ補正ステップで補正された印刷データに基づいて印刷を実行することを特徴とするものである
これによって、前記形態39と同様の効果が得られる。
【0102】
〔形態47〕形態47の印刷装置制御方法は、
請求項46に記載の印刷装置制御方法において、
前記画像データ送信ステップは、前記テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信するに際し、当該テストパターン画像データの読み取り解像度に関する情報を送信することを特徴とするものである。
これによって、前記形態41と同様の効果が得られる。
【0103】
〔形態48〕形態48の印刷装置制御方法は、
請求項46または請求項47に記載の印刷装置制御方法において、
前記テストパターン画像が印刷された印刷物を送付した旨の通知を前記プリンタサーバに送信する印刷通知送信部と、当該印刷通知送信部の送信に対応して前記プリンタサーバから送信される前記補正データの受信日時に関する情報を取得する補正データ受信予定情報取得部と、当該補正データ受信予定情報取得部で取得した前記補正データの受信日時に関する情報を表示する受信予定情報表示部とを有することを特徴とするものである。
これによって、前記形態42と同様の効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0104】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面を参照しながら詳述する。
図1〜図14は、本発明の印刷システム100および印刷システム用プログラム、印刷方法およびプリンタサーバ、プリンタサーバ用プログラム、プリンタ、プリンタ用プログラムならびに前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する第1の実施の形態を示したものである。
【0105】
図1は、本発明に係る印刷システム100の第1の実施の形態を示した機能ブロック図である。
図示するように、この印刷システム100は、少なくとも1つ以上のプリンタ(クライアント装置)110とプリンタサーバ120とが、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN)やイーサネット(登録商標)などのローカルエリアネットワーク(LAN)などの有線・無線のネットワークNを介して相互に情報通信可能に接続された構成となっている。
また、このプリンタ110は、印字ヘッド200を備えた印刷部10と、テストパターン画像読取部12と、画像データ送信部14と、補正データ受信部16と、印刷データ取得部18と、印刷データ補正部20と、補正データ保存部22とから主に構成されており、以下、これら各部の機能について説明する。
【0106】
先ず、印刷部10は、図2および図3に示すような印字ヘッド200を用いて補正後の印刷データやテストパターン画像などを印刷媒体上に印刷して印刷物を作成するインクジェット方式の印刷手段であり、この印字ヘッド200の他に、この印字ヘッド200を印刷媒体上をその幅方向に往復移動させる図示しない印字ヘッド送り機構(マルチパス型の場合)や、印刷媒体を移動させるための図示しない紙送り機構、前記印刷用データに基づいて印字ヘッド200のインクの吐出を制御する図示しない印字ヘッドコントローラ機構などの公知の構成要素から構成されている。
【0107】
図2は、この印字ヘッド200の構造を示す部分拡大底面図、図3は、その部分拡大断面図である。
先ず、図2に示すように、この印字ヘッド200は、いわゆるラインヘッド型のプリンタに用いられる印刷用紙の紙幅方向に延びる長尺構造をしており、ブラック(K)インクを専用に吐出するノズルNが複数個(図では18個)、主走査方向に直線状に配列されたブラックノズルモジュール50と、イエロー(Y)インクを専用に吐出するノズルNが複数個、同じく主走査方向に直線状に配列されたイエローノズルモジュール52と、マゼンタ(M)インクを専用に吐出するノズルNが複数個、同じく主走査方向に直線状に配列されたマゼンタノズルモジュール54と、シアン(M)インクを専用に吐出するノズルNが複数個、同じく主走査方向に直線状に配列されたシアンノズルモジュール56といった4つ(4色)のノズルモジュール50、52、54、56が印刷方向(副走査方向)に重なるように一体的に配列して構成されている。なお、モノクロを目的とする印字ヘッドの場合は、ブラックノズルモジュール50のみ、また、さらに高画質な画像をターゲットとする印字ヘッドの場合は、ライトシアン(LS)インクやライトマゼンタ(LM)インクをそれぞれ専用に吐出するためのノズルを備えたライトシアンモジュールやライトマゼンタモジュールなどを加えた6色や8色のインクを吐出可能なものもある。
【0108】
そして、図3は、例えば、これら4つのノズルモジュール50、52、54、56のなかの1つであるブラックノズルモジュール50の内部構造を側面から示したものであり、各ノズルN1、N2、N3…ごとにそれぞれ設けられたインクチャンバー内に供給されたインクをそれら各インクチャンバーごとに設けられたピエゾ素子(piezo actuator)などの圧電素子によって各ノズルN1、N2、N3…から吐出することで、白色の印刷用紙S上に円形のドットを印字(インク着弾)するようになっている。さらに、この圧電素子に加える電圧を多段階に制御することによってインクチャンバーからのインクの吐出量を制御して各ノズルN1、N2、N3…ごとにサイズの異なるドットが印字可能となっている。
【0109】
また、このような構造をした印字ヘッド(インクモジュール)200にあっては、製造段階における各ノズルN1、N2、N3…のノズル孔の大きさのバラツキやインクの供給圧の差などにより、規定量通りにインクが吐出されない場合がある。
特に、このようなインク吐出量のバラツキは、図3に示すようにヘッド端部側に位置するノズルN1やN2などに発生し易く、このようなヘッド端部側のノズルN1やN2では規定量以上のインクが吐出されて所定サイズ以上のドットが印字されやすいといった傾向にある。
【0110】
例えば、図4に示すように、「ドットなし」を含めた8つのサイズの異なるドットを打ち分けるパターンでは、それぞれ通常のノズルで形成されるドットサイズ(図中左側)に比べて、ヘッド端部のノズルでは、それぞれ通常のノズルに比べて1〜2サイズ大きめのドット(図中右側)が形成されてしまう結果となる。
図4は、通常のノズルとヘッド端部ノズルとの吐出量の違いを示す概念図であり、図示するように、ヘッド端部ノズルで印字されるドットのサイズは、いずれのドットサイズにおいても通常のノズルで印字されるドットのサイズよりも1〜2段階大きくなる傾向がある。
【0111】
従って、インク吐出量がすべてのノズルで均一な印字ヘッド200を用いて印刷を実行した場合では、図5に示すようにいずれのドットサイズも規定サイズに印字される(すべてのドットサイズを同じにした場合)のに対し(理想的なドットパターン)、図3に示したようにヘッド端部ノズルのインク吐出量が他のノズルよりも多いといった特性のノズルモジュール50を用いて印刷を実行すると、図6に示すように、ヘッド端部ノズル(図の例では「N1」および「N1440」)によって印字されるドットのサイズのみが他のノズルで印字されるドットに比べて1〜2サイズ大きくなってしまう結果となる。なお、このようにインク吐出量が他のノズルよりも多くなる現象は、ノズル不良などによってヘッド端以外のノズルでも当然に発生する可能性がある。
【0112】
次に、テストパターン画像読取部12は、この印刷部10で印刷したテストパターン画像を光学的に読み取って、テストパターン画像の画像データであるテストパターン画像データを得る機能を提供するものであり、いわゆるスキャナなどの撮像素子を用いた公知の光学的画像読取手段によって構成されるようになっている。
ここで、このテストパターン画像読取部12で読み取るためのテストパターン画像としては、特に限定されるものではないが、例えば、前述したように前記印字ヘッド200の各ノズルによって印字可能なドットサイズが「ドットなし」を含めた8つのサイズであるときは、図7に示すような、それぞれのドットサイズのみで形成可能な8段階の濃度パターンからなるテストパターン画像を用いることが望ましい。なお、図7のテストパターン画像の縦方向は印字ヘッド200の幅であり、横方向は印刷方向を示している。
【0113】
次に、画像データ送信部14は、このテストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを、そのテストパターン画像データの識別情報と共に前記ネットワークNを介して前記サーバ装置120に送信する機能を提供するものであり、公知のデータ通信手段によって実現されている。
ここで、テストパターン画像データと共に送信する「テストパターン画像データの識別情報」としては、そのテストパターン画像データ自体の識別情報の他に、例えば、その情報の発信元であるプリンタ(クライアント装置)を特定するためのプリンタID(シリアル番号など)や、印字ヘッド特性、インク種別、インク残量、設置場所平均気温、設置場所平均湿度、延べ印刷枚数、平均印刷枚数(1日)などのステータス情報が含まれる。また、前述したテストパターン画像データの読み取り解像度に関する情報も併せて送信されるようになっている。
【0114】
次に、補正データ受信部16は、この画像データ送信部14の画像データ送信処理に対応して前記サーバ装置120から送信されてきた補正データを受信して、受信した補正データを印刷データ補正部20に送信、または補正データ保存部22に保存する機能を提供するようになっている。
ここで、「補正データ」としては、特に限定するものではないが、例えば、経時劣化やステータス変化などに起因する、印刷部10の印字ヘッド200の特性変化による印刷品質の低下を防止するために、その印字ヘッド200の特性変化に合わせて印刷データの内容を補正する際に用いるデータを対象とするものであり、その具体例については後述する。
【0115】
また、補正データ保存部22は、ハードディスクドライブ(HDD)や半導体記憶媒体などの公知のデータ記憶装置などから構成されており、前記補正データ受信部16で受信した補正データの他に、前述したプリンタステータス情報やテストパターン画像データ、後述する印刷データなどを必要に応じて読み出し自在に保存する機能を提供するようになっている。
【0116】
次に、印刷データ取得部18は、前述した印刷部10で実際の印刷に供する印刷データを外部、例えばパソコンなどの印刷指示装置(印刷データ生成装置)などから取得する機能を提供するものであり、さらに、場合によっては多値の画像データを取得してその多値の画像データから印刷データを生成する機能を提供するようになっている。
また、ここでいう「印刷データ」とは、元の画像データの各画素に対応するドットの大きさや色などに関する情報である。
【0117】
例えば、その印刷データが多値のカラー画像データからなるものであって、そのカラー画像データが多階調のRGBデータ(1画素あたり各色(R、G、B)ごとの階調(輝度値))が8ビット、256階調(0〜255)で表現される画像データであれば、これを色変換処理して前記印刷部10の印字ヘッド200の各インクに対応する多値のCMYK(4色の場合)データに変換した後、図8に示すように、各色の色データごとにN値化してそのN値に対応するサイズのドットを割り当ててなるものである。
【0118】
図8は、このように多階調の画像データから印刷データを生成するためのドット・階調変換テーブル300Aの一例を示したものである。
図の右欄に示すように、印刷データの元となる画像データのそれぞれの画素の画素値(濃度値)が8ビット、256階調で特定されており、これを階調:N=8として8値化する場合は、図示するように、7つの閾値を用いてそれぞれの画素の画素値を8つに分類するようになっている。
【0119】
すなわち、このドット・階調変換テーブル300Aによれば、多値の画像データのそれぞれの画素の画素値(輝度値)が8ビット(0〜255)で特定される場合、「32」、「64」、「96」、「128」、「159」、「191」、「223」といった7つの閾値を用い、画素値が「255〜223」の場合は、N=1(濃度「0」)、画素値が「222〜191」の場合は、N=2(濃度「36」)、画素値が「190〜159」の場合は、N=3(濃度「73」)、画素値が「158〜128」の場合は、N=4(濃度「109」)、画素値が「127〜96」の場合は、N=5(濃度「146」)、画素値が「95〜64」の場合は、N=6(濃度「182」)、画素値が「63〜32」の場合は、N=7(濃度「219」)、画素値が「31〜0」の場合は、N=8(濃度「255」)として8値化するようになっている。
【0120】
そして、同図の左欄に示すように、このようにして各画素ごとにN値化された各画素ごとに、対応するドットを設定して印刷データを生成するようになっている。
図の例では、「階調:N=8」の8値化とし、画素値として「濃度値」を選択した場合、「N=1」の場合のドットサイズは「ドットなし」、「N=2」の場合のドットサイズは、ドットの面積が最も小さい「小ドット」、「N=3」の場合のドットサイズは、小ドットよりやや大きい「中ドット」、…「N=8」の場合のドットサイズは、ドットの面積が最も広い「大ドット」にそれぞれ変換される。なお、この画素値として「輝度値」を採用する場合は、この「濃度値」とは逆の関係のドットにそれぞれ変換されることになる。
【0121】
次に、印刷データ補正部20は、この印刷データ取得部18で取得した印刷データを、前記補正データ受信部16で受信した補正データ、あるいは補正データ保存部22に保存された補正データに基づいて補正する機能を提供するようになっている。
すなわち、後に詳述するように、印刷実行部18の印字ヘッド200の特性、特にノズル特性は常に一定でなく、一般に時間の経過やステータスの変化、例えばインク残量などに伴って変化することが知られている。
【0122】
例えば、前記印刷部10の印字ヘッド200がインクジェット方式によってサイズの異なるドットを印字するものであれば、インクの残量、時間の経過や周囲の温度によってインクの粘度などが変化して、形成されるドットサイズが元の画素値に対応するものと異なったりする。また、前述したように、同じ径のノズル孔であってもその形成位置によっては、吐出されるインクの量が異なって所望のサイズのドットが得られないことがある。
従って、この印刷データ補正部20は、このような原因によって印字ヘッド200の特性が変化した場合に、前記補正データ受信部16で取得した補正データに基づいて、その特性変化に合わせて元の印刷データの内容を一部、あるいは全部を補正するようになっている。
【0123】
一例を挙げると、受信した補正データによると、印字ヘッド200のあるノズルによって印字されるドットサイズが、その印刷データで規定されるドットサイズよりも1段階大きいドットが形成されてしまうと判断される場合は、そのノズルによって印字されるドットのサイズを1段階小さなサイズにするようになっている。
これによって、印字ヘッド200の特性が変化した場合であっても、その特性変化が吸収(相殺)されることになるため、元の印刷データを充実に再現した高画質の印刷物を得ることが可能となる。
【0124】
ここで、以上のような構成をしたプリンタ110は、印刷のための各種制御や印刷部10、テストパターン画像読取部12、画像データ送信部14、補正データ受信部16、印刷データ取得部18、印刷データ補正部20、補正データ保存部22などをソフトウェア上で実現するためのコンピュータシステムを備えており、そのハードウェア構成は、図10に示すように、各種制御や演算処理を担う中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)60と、主記憶装置(Main Storage)を構成するRAM(Random Access Memory)62と、読み出し専用の記憶装置であるROM(Read Only Memory)64との間をPCI(Peripheral Component Interconnect)バスやISA(Industrial Standard Architecture)バス等からなる各種内外バス68で接続すると共に、このバス68に入出力インターフェース(I/F)66を介して、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置(Secondary Storage)70や、印刷装置72、操作パネルやマウス、キーボード、スキャナなどの入力装置74、およびプリンタサーバや図示しない印刷指示装置(パソコン)などと通信するためのネットワークNなどを接続したものである。
【0125】
そして、電源を投入すると、ROM64等に記憶されたBIOS等のシステムプログラムが、ROM64に予め記憶された各種専用のコンピュータプログラム、あるいは、CD−ROMやDVD−ROM、フレキシブルディスク(FD)などの記憶媒体を介して、またはインターネットなどの通信ネットワークNを介して記憶装置70にインストールされた各種専用のコンピュータプログラムを同じくRAM62にロードし、そのRAM62にロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPU60が各種リソースを駆使して所定の制御および演算処理を行うことで前述したような各部の各機能をソフトウェア上で実現できるようになっている。
【0126】
次に、一方のプリンタサーバ120は、図1に示すように、画像データ受信部30と、画像データ解析部32と、印字ヘッド特性取得部34と、補正データ生成部36と、補正データ送信部38と、補正データ保存部40とから主に構成されており、以下、これら各部の機能について説明する。
先ず、画像データ受信部30は、前記クライアント装置の画像データ送信部からネットワークNを介して送られてきた前記テストパターン画像データをその識別情報などと共に受信して画像データ解析部32に送信する機能を提供するようになっており、公知のデータ通信手段などによって構成されている。
【0127】
この画像データ解析部32は、この画像データ受信部30で受信した前記テストパターン画像データを解析する機能を提供するようになっている。
ここで、この画像データ解析部32における解析内容としては特に限定するものではないが、例えば、前記テストパターン画像データの各階調の平均濃度やそのドットサイズが所定サイズであるか、あるいは飛行曲がり現象やドット抜けなどが発生しているかなどを解析してその解析結果を印字ヘッド特性取得部34に送信するようになっている。
【0128】
次に、印字ヘッド特性取得部34は、この画像データ解析部32での解析結果から前記印字ヘッド200の特性を求める機能を提供するようになっている。
図9は、この印字ヘッド特性取得部34で取得した前記印字ヘッド200の特性の1つであるドットサイズに関する印字ヘッド特性テーブル300Bの一例を示したものであるである。図の例では、ノズル端部に位置するノズル番号「1」、「2」および「1440」のノズルによって印字されるドットサイズが正常なドットサイズに比べて1〜2段階大きくなっていることを示している。
【0129】
次に、補正データ生成部36は、この印字ヘッド特性取得部34で取得した印字ヘッド200の特性に応じた補正データを生成する機能を提供するようになっている。
ここで、この補正データ生成部36で生成される補正データとしては、前述したように様々であって特に限定されるものではないが、例えば、前記印字ヘッド特性取得部34で取得した印字ヘッド200の特性が、図9に示すような印字200の各ノズルのドットサイズに関するものであるときは、そのノズル端部に位置するノズル番号「1」、「2」および「1440」のノズルによって印字されるドットのサイズがそれぞれ1〜2段階小さくなるなどのようにそのノズルに対応する印刷データの画素値が小さくなるような内容のデータとなっている。
【0130】
また、この補正データ生成部36は、生成した補正データを補正データ保存部40に保存すると共に、前記印字ヘッド特性取得部34で取得した印字ヘッド200の特性の内容によっては、先ずこの補正データ保存部40にアクセスして対応する補正データが保存されているか検索する機能も発揮できるようになっている。そして、検索の結果、所望の保存データが保存されていない場合は、前記のように所定の保存データを生成することになるが、所望の保存データが保存されている場合は、その補正データの生成処理に代わってその補正データを読み出してそのまま利用するようになっている。
【0131】
次に、補正データ送信部38は、この補正データ生成部36で生成した補正データを同じくネットワークNを介してプリンタ110に送信する機能を提供するものであり、また、補正データ保存部40は、前述したように、補正データ生成部36で生成した補正データなどの各種データを保存する機能を提供するようになっている。
【0132】
ここで、このプリンタサーバ120は、前記プリンタ110と同様に、これら画像データ受信部30、画像データ解析部32、印字ヘッド特性取得部34、補正データ生成部36、補正データ送信部38、補正データ保存部40などをソフトウェア上で実現するためのコンピュータシステムを備えており、そのハードウェア構成は、図11に示すように、各種制御や演算処理を担う中央演算処理装置であるCPU80と、RAM82と、ROM84との間をPCIバスやISAバスなどからなる各種内外バス88で接続すると共に、このバス88に入出力インターフェース(I/F)86を介して、HDDなどの外部記憶装置90や、CRT、LCDモニタ等の出力装置92、操作パネルやマウス、キーボード、スキャナなどの入力装置94、および図示しない印刷指示装置などと通信するためのネットワークNなどを接続したものである。
【0133】
そして、電源を投入すると、ROM84等に記憶されたBIOSなどのシステムプログラムが、ROM84に予め記憶された各種専用のコンピュータプログラム、あるいは、CD−ROMやDVD−ROM、フレキシブルディスク(FD)などの記憶媒体を介して、またはインターネットなどの通信ネットワークNを介して記憶装置90にインストールされた各種専用のコンピュータプログラムを同じくRAM82にロードし、そのRAM82にロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPU80が各種リソースを駆使して所定の制御および演算処理を行うことで前述したような各手段の各機能をソフトウェア上で実現できるようになっている。
【0134】
なお、このプリンタ110とプリンタサーバ120との間の情報の送受信に用いるプロトコル(通信規約)としては、特に限定されるものでなく、例えばネットワークNとしてインターネットなどを用いる場合は、インターネットなどで標準的なプロトコルであるTCP/IPなどが用いられることになる。
【0135】
次に、このような構成をした印刷システム100を用いた印刷処理の流れの一例を図12および図13のフローチャート図を参照しながら説明する。
先ず、図12のフローチャート図に示すように、この印刷システム100の各プリンタ110は、電源投入後、印刷処理のための所定の初期動作や通信のための確認動作が終了したならば、最初のステップS100に移行して、テストパターン画像の印刷要求の有無を監視し、テストパターン画像の印刷要求があったと判断したとき(Yes)は、次のステップS102に移行してその印刷部10によってそのテストパターン画像を印刷してテストパターン画像の印刷物を作成して次のステップS104に移行する。
【0136】
ステップS104では、テストパターン画像読取部12によって、その印刷物を光学的に読み取って(スキャン)2進数で表現できるようなテストパターン画像データを作成した後、次のステップS106に移行し、ステップS106では、画像データ送信部14によってそのテストパターン画像データをプリンタサーバ120側に送ることになる。
【0137】
次に、プリンタサーバ120は、最初のステップS108において、画像データ受信部30がいずれかのプリンタ110からそのテストパターン画像データが送られてきたか否かを常時監視し、いずれかのプリンタ110からそのテストパターン画像データが送られてきたと判断したとき(Yes)は、次のステップS110に移行して、画像データ解析部32がそのテストパターン画像データを解析して次のステップS112に移行する。
【0138】
ステップS112では、印字ヘッド特性取得部34によってその画像データの解析結果からその画像データを送ってきたプリンタ110の印字ヘッド200の特性を取得して次のステップS114に移行し、補正データ生成部36によってその印字ヘッド200の補正データを生成し、次のステップS116に移行して、補正データ送信部38によってその補正データを、前記テストパターン画像データを送ってきたプリンタ110へ送信する。
【0139】
そして、このようにして前記テストパターン画像データをプリンタサーバ120側に送信したプリンタ110は、所定時間経過後、ステップS118に移行して、プリンタサーバ120から所望の補正データが送られてきたか否かを判断し、所定時間(日時)経過しても所望の補正データが送られてこないと判断したとき(No)は、先のステップS106に戻って再度、先にスキャンしたテストパターン画像データを送信する。なお、前記ステップS106における画像データ送信処理の有無は、画像データ送信部14から補正データ受信部16にも送られてくるため、補正データ受信部16では、テストパターン画像データの送信時間から補正データ受信待機のタイマーをスタートさせることで、容易に補正データ受信待機時間を設定することができる。
【0140】
これに対し、所定時間(日時)内に所望の補正データが送られてきたと判断したとき(Yes)は、次のステップS120に移行して、その補正データを補正データ保存部22に保存して引き続き次の判断ステップS122に移行する。
ステップS112では、補正データの保存部22等に保存された補正データの取得要求があるか否かを判断し、補正データの取得要求がないと判断したとき(No)は、そのまま処理を終了することになるが、補正データの取得要求があると判断したときは、最後のステップS124に移行して、補正データの保存処理と共に、その補正データを印刷データ補正部20などに提供して処理を終了することになる。
【0141】
このように本実施の形態に係る印刷システム100は、個々のプリンタ(クライアント装置)110が適宜所定のテストパターン画像を印刷し、それを読み込んだ画像データをプリンタサーバ120に送るだけで、そのプリンタサーバ120がその経時劣化(変化)状況などに合わせた最適な補正データを生成してそのプリンタ110へ提供することができる
。これによって、プリンタ(クライアント装置)110ごとに大量の補正データを保持する必要がなくなるため、その補正データを保持するためのメモリ(記憶装置)が不要となる。また、個々のプリンタ(クライアント装置)110側で独自に補正データを作成する必要がなくなるため、個々のクライアント装置の情報処理能力を無駄に消費することがないなどといった優れた効果が得られる。
【0142】
そして、このようにして所定の補正データの取得が可能なプリンタ110によって印刷を実行するに際しては、図13のフローチャート図に示すように、先ず最初のステップS200に移行する。
この最初のステップS200では、図示しない印刷指示装置などからその印刷部10を利用する印刷要求があるか否かを監視し、印刷要求があったと判断したとき(Yes)は、次のステップS202に移行してその印刷データ取得部18によってその印刷要求に対応する印刷データを取得したか否かを判断する。
【0143】
印刷要求がないと判断したとき(No)および印刷データを取得していないと判断したとき(No)は、そのまま待機状態に戻るが、ステップS202において印刷データを取得したと判断したとき(Yes)は、引き続き次の判断ステップS204に移行してその印字ヘッド200に対応する補正データがそのプリンタ110に存在しているか否かを判断する。
【0144】
この判断処理の結果、補正データが存在していると判断したとき(Yes)は、ステップS210までジャンプすることになるが、補正データが存在していないと判断したとき(No)は、次のステップS206に移行して前記画像データ送信部14などに対して補正データの取得要求を行ってから次の判断ステップS208に移行する。
ステップS208では、先のステップS206において行った補正データの取得要求に対する補正データを取得したか否かを判断し、取得要求を出してから所定時間経過しても補正データが取得できなかったとき(No)は、印刷処理を行わずにそのまま処理を終了するか、あるいは補正データによる印刷データの補正処理を行わない状態で強制的に印刷処理を行うことになる。
【0145】
これに対し、補正データ取得要求を出してから所定時間内に所定の補正データが取得できたとき(Yes)は、次のステップS210に移行して、前述した印刷データ補正部20によってその補正データを用いて印刷データを補正する。
そして、このようにして印刷データの補正処理が終了したならば、最後のステップS212に移行し、前記印刷部10がその印字ヘッド200を用いて印刷を実行することになる。
【0146】
このように本実施の形態に係るプリンタ100は、プリンタサーバ120から取得した補正データに基づいて補正した印刷データを用いて印刷を実行するようになっているため、前述したように印刷部10の印字ヘッド200の各ノズル間にインク吐出量のバラツキなどがあっても、常に高品質な印刷物を得ることが可能となる。
なお、本実施の形態では、プリンタ110からプリンタサーバ120へ送信される情報は、少なくともテストパターン画像データとその識別情報(プリンタIDなど)があれば良いが、この他に例えば、テストパターン画像読取(スキャン)解像度やテストパターン画像番号なども同時にプリンタサーバ120に送信し、プリンタサーバ120側の補正データ生成部36でスキャン解像度、テストパターン画像番号によって補正データを生成するようにしても問題ない。
【0147】
例えば、このテストパターン画像データとして、図7に示すような8階調の他、16階調のパターンで16個の階調データを切り出して補正データを生成するようにしても問題ない。また、スキャン解像度を送ることによって印字ヘッド200のノズル数×8倍の解像度でも4倍の解像度でも補正データを正確に生成できるようになる。さらに、現在使われているスキャナの殆どはデフォルトでガンマ特性を変えていることから、スキャナテストパターン画像読取部12として市販のスキャナを用いる場合は、その機種名や型番なども送ることによって、スキャナの特性も排除した補正データを生成することができる。
【0148】
また、このテストパターン画像データは、プリンタドライバなどと共に図示しないパソコンなどの印刷指示装置に提供されたものを用いても良いし、プリンタ110自身がネットワークNを介してインターネット上の他のサーバ装置から取得するようにしたものであっても良いし、また、個々のプリンタ110を製造する際に、予めプリンタ110内に組み込まれているものであっても良い。
【0149】
また、本実施の形態における、「プリンタ110」および「プリンタサーバ120」は、前記課題を解決するための手段の欄に記載した形態1などの印刷システムの「クライアント装置」および「サーバ装置」に対応し、「プリンタ110」の印刷部10、印字ヘッド200、テストパターン画像読取部12、画像データ送信部14、補正データ受信部16、印刷データ取得部18、印刷データ補正部20、補正データ保存部22などは、同じく前記課題を解決するための手段の欄に記載した形態1などの印刷システムの「クライアント装置」の印刷部、印字ヘッド、テストパターン画像読取部、画像データ送信部、補正データ受信部、印刷データ取得部、印刷データ補正部、補正データ保存部などにそれぞれ対応するものである。
【0150】
また、「プリンタサーバ120」の画像データ受信部30、画像データ解析部32、印字ヘッド特性取得部34、補正データ生成部36、補正データ送信部38、補正データ保存部40などは、同じく前記課題を解決するための手段の欄に記載した形態1などの印刷システムの「サーバ装置」の画像データ受信部、画像データ解析部、印字ヘッド特性取得部、補正データ生成部、補正データ送信部、補正データ保存部などにそれぞれ対応するものである。
【0151】
また、本発明の印刷システム100のプリンタ110から印字ヘッド200と印刷実行部200を分離すれば、その機能はパソコンなどの汎用の情報処理装置(画像処理装置)のみで実現することも可能となる。
すなわち、このプリンタ110のテストパターン画像読取部12、画像データ送信部14、補正データ受信部16、印刷データ取得部18、印刷データ補正部20、補正データ保存部22とをパソコンなどの汎用の情報処理装置で実現すれば、専用のプリンタ110を製作しなくとも、既存のインクジェット式印刷装置(プリンタ)などをそのまま活用することが可能となる。
【0152】
また、前述した本発明の印刷システム100を実現するための、各部は既存の殆どのプリンタに組み込まれたコンピュータシステムを用いたソフトウェア上で実現することが可能であり、そのコンピュータプログラムは、予め半導体ROMに記憶させた状態で製品中に組み込んだり、インターネットなどのネットワークを介して配信する他、図14に示すようにCD−ROMやDVD−ROM、FDなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体Rを介することによって所望するユーザなどに対して容易に提供することが可能となる。
【0153】
次に、図15〜図17は、本発明の印刷システム100および印刷システム用プログラム、印刷方法およびプリンタサーバ、プリンタサーバ用プログラム、プリンタ、プリンタ用プログラムならびに前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する第2の実施の形態を示したものである。
【0154】
図15は、本発明に係る印刷システム100の第2の実施の形態を示した機能ブロック図である。
図示するように、この印刷システム100は、前記第1の実施の形態と同様に、少なくとも1つ以上のプリンタ(クライアント装置)110とプリンタサーバ120とが、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN)やイーサネット(登録商標)などのローカルエリアネットワーク(LAN)などの有線・無線のネットワークNを介して相互に情報通信可能に接続された構成となっている。
【0155】
また、このプリンタ110は、印字ヘッド200を備えた印刷部10と、補正データ受信部16と、印刷データ取得部18と、印刷データ補正部20と、補正データ保存部22と、印刷物送付部24と、印刷通知送信部25と、補正データ受信予定情報取得部26と、受信予定情報表示部27とから主に構成されており、以下、これら各部の機能について説明する。なお、前記第1の形態の印刷システム100のプリンタ110と同一の機能を有する部分は、同一の符号を用いてその機能の説明は省略する。
先ず、印刷物送付部24は、前述したような印字ヘッド200を備えた印刷部10で印刷したテストパターン画像の識別情報を生成したりするなどの当該テストパターン画像の印刷物Pの送付準備を行うと共に、当該印刷物Pを、その識別情報などと共にプリンタサーバ120側に送付する機能を提供するようになっている。
【0156】
ここで、このテストパターン画像の印刷物Pは印刷用紙上にテストパターン画像を印刷した物理的な物体であって、前記第1の実施の形態のようにネットワークNを介してプリンタサーバ120側に送ることができないことから、郵便や宅配システムを用いて印刷物Pをその識別情報(例えば、識別情報の記載された書類、識別情報の記録されたコンピュータ読取可能な記憶媒体など)と共に、プリンタサーバ120の利用者宛(ここでは、プリンタサーバ120の管理者とする)に送付するようになっている。なお、印刷物Pの識別情報は電子情報として、印刷物Pとは別にネットワークNを介してプリンタサーバ120側に送付することも可能である。
【0157】
次に、印刷通知送信部25は、この印刷物送付部24が前記印刷物Pを前記プリンタサーバ120側に送付した旨の通知をネットワークNを介してそのプリンタサーバ120に送信する機能を提供するようになっている。
また、補正データ受信予定情報取得部26は、この印刷通知送信部25の送信に対応してそのプリンタサーバ120からネットワークNを介して送信される補正データの受信日時に関する情報を取得する機能を提供するようになっている。
さらに、受信予定情報表示部27は、この補正データ受信予定情報取得部26で取得した前記補正データの受信日時に関する情報を表示する機能を提供するものであり、具体的には、CRTや液晶モニタなどから構成されている。
【0158】
ここで、以上のような構成をした本実施の形態のプリンタ110は、前記第1の実施の形態と同様に、印刷のための各種制御や印刷部10、補正データ受信部16、印刷データ取得部18、印刷データ補正部20、補正データ保存部22、印刷物送付部24、印刷通知送信部25、補正データ受信予定情報取得部26、受信予定情報表示部27などをソフトウェア上で実現するためのコンピュータシステムを備えており、そのハードウェア構成は、図10と同様に、CPU60と、RAM62と、ROM64との間をバス68で接続すると共に、このバス68に入出力インターフェース(I/F)66を介して、外部記憶装置70や、印刷装置72、入力装置74、およびネットワークNなどを接続したものである。
【0159】
そして、同様に電源を投入すると、ROM64等に記憶されたBIOS等のシステムプログラムが、ROM64に予め記憶された各種専用のコンピュータプログラムをRAM62にロードし、そのRAM62にロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPU60が各種リソースを駆使して所定の制御および演算処理を行うことで前述したような各部の各機能をソフトウェア上で実現できるようになっている。
【0160】
次に、一方のプリンタサーバ120は、図15に示すように、画像データ解析部32と、印字ヘッド特性取得部34と、補正データ生成部36と、補正データ送信部38と、補正データ保存部40と、印刷物取得部42と、テストパターン画像読取部43と、印刷通知受信部44と、予約状況確認部45と、補正データ送信予定情報算出部46と、補正データ送信予定情報通知部47と、印刷物配送手配部48とから主に構成されており、以下、これら各部の機能について説明する。なお、前記プリンタ110と同様に前記第1の形態の印刷システム100のプリンタサーバ120と同一の機能を有する部分は、同一の符号を用いてその機能の説明は省略する。
【0161】
先ず、印刷物取得部42は、前記プリンタ110の印刷物送付部24から郵便などによって送られてきた前記印刷物Pをその識別情報などと共に取得してテストパターン画像読取部43に送る機能を提供するようになっている。
ここで、このテストパターン画像の印刷物P(識別情報の書類または記憶媒体なども含む)は、前述したように物理的な物体であり郵便や宅配システムを用いて、プリンタサーバ120の管理者宛に送付されてくるので、印刷物P(識別情報の書類または記憶媒体なども含む)の取得は前記管理者が行い、更に、当該管理者等が印刷物Pをテストパターン画像読取部43の読み取り位置に設置する。なお、識別情報が書類に記載されている場合は、その識別情報を前記管理者がプリンタサーバ120に入力したりする。一方、識別情報が記憶媒体で送付されてきた場合は、プリンタサーバ120において、その記憶媒体から識別情報を読み出す。
【0162】
次に、このテストパターン画像読取部43は、印刷物取得部で取得した前記印刷物のテストパターン画像を光学的に読み取って、読み取ったテストパターン画像データを画像データ解析部32へ送る機能を提供するものであり、前記第1の実施の形態におけるプリンタ110のテストパターン画像読取部12に相当するものである。
次に、印刷通知受信部44は、前記プリンタ110の印刷通知送信部25からの通知を受信して予約状況確認部45に通知する機能を提供するようになっている。
【0163】
また、この予約状況確認部45は、この印刷通知受信部44で受信した印刷通知に対応して前記テストパターン画像読取部43の予約状況を確認する機能を提供するようになっている。すなわち、このプリンタサーバ120に対して前記プリンタ100が多数接続されていてそれら各プリンタ110からほぼ同時に印刷物Pの処理要求があった場合、前記テストパターン画像読取部43が時間優先による処理を行っていると、後から入った処理要求に対しては処理待ち状態となり、その間は前記テストパターン画像読取部43の処理を予約している状態であり、従って、この予約状況確認部45は、後から入った処理要求に対して前記テストパターン画像読取部43の予約状況を確認する機能を発揮するようになっている。
【0164】
次に、補正データ送信予定情報算出部46は、この予約状況確認部45で確認した予約状況に基づいて前記補正データの送信日時に関する情報を算出する機能を提供するようになっている。
また、補正データ送信予定情報通知部47は、この補正データ送信予定情報算出部46で算出された前記補正データの送信日時に関する情報を前記プリンタ110の補正データ受信予定情報取得部26に送信する機能を提供するようになっている。
一方、印刷物配送手配部48は、前記プリンタクライアント装置の印刷物送付準備部で送付される印刷物の送付に関する手配、例えば、郵便物としての郵便事業者への集配の手配や宅配業者への集配の手配などを行う機能を提供するようになっている。
【0165】
そして、このような構成をした本実施の形態のプリンタサーバ120も、前記第1の実施の形態と同様に、前記画像データ解析部32、印字ヘッド特性取得部34、補正データ生成部36、補正データ送信部38、補正データ保存部40、印刷物取得部42、テストパターン画像読取部43、印刷通知受信部44、予約状況確認部45、補正データ送信予定情報算出部46、補正データ送信予定情報通知部47、印刷物配送手配部48などをソフトウェア上で実現するためのコンピュータシステムを備えており、そのハードウェア構成は、図11などと同様に、各種制御や演算処理を担う中央演算処理装置であるCPU80と、RAM82と、ROM84との間をPCIバスやISAバスなどからなる各種内外バス88で接続すると共に、このバス88に入出力インターフェース(I/F)86を介して、HDDなどの外部記憶装置90や、CRT、LCDモニタ等の出力装置92、操作パネルやマウス、キーボード、スキャナなどの入力装置94、および図示しない印刷指示装置などと通信するためのネットワークNなどを接続したものである。
【0166】
そして、電源を投入すると、ROM84等に記憶されたBIOSなどのシステムプログラムが、ROM84に予め記憶された各種専用のコンピュータプログラム、あるいは、CD−ROMやDVD−ROM、フレキシブルディスク(FD)などの記憶媒体を介して、またはインターネットなどの通信ネットワークNを介して記憶装置90にインストールされた各種専用のコンピュータプログラムを同じくRAM82にロードし、そのRAM82にロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPU80が各種リソースを駆使して所定の制御および演算処理を行うことで前述したような各手段の各機能をソフトウェア上で実現できるようになっている。
【0167】
次に、このような構成をした印刷システム100を用いた印刷処理の流れの一例を図17および図18のフローチャート図を参照しながら説明する。
先ず、図17のフローチャート図に示すように、この印刷システム100の各プリンタ110は、電源投入後、印刷処理のための所定の初期動作や通信のための確認動作が終了したならば、最初のステップS300に移行して、テストパターン画像の印刷要求の有無を監視し、テストパターン画像の印刷要求があったと判断したとき(Yes)は、次のステップS302に移行してその印刷部10によってそのテストパターン画像を印刷してテストパターン画像の印刷物を作成して次のステップS304に移行する。
【0168】
ステップS304では、前記ステップS302で作成されたテストパターン画像の印刷物を梱包するなどして郵便や宅配システムを利用してプリンタサーバ120側に送付して次のステップS306に移行する。
ステップS306では、プリンタサーバ20の印刷物取得部42がいずれかのプリンタ110からそのテストパターン画像の印刷物Pを取得したか否かを監視し、所定時間内にいずれのプリンタ110からも印刷物Pが送られてこないとき(No)は、最初のステップ300に戻ることになるが、所定の時間内に、いずれかのプリンタ110からそのテストパターン画像の印刷物Pが送られてきたと判断したとき(Yes)は、次のステップS308に移行して、テストパターン画像読取部43によって、そのテストパターン画像の印刷物Pを光学的に読み取って(スキャン)2進数で表現できるようなテストパターン画像データを作成してそのテストパターン画像データを生成する。なお、このステップS308においては、時間優先の規定により印刷物取得部42に早く到着した印刷物Pから順番に処理するようになっていることから、テストパターン画像読取部43が稼働中の場合は、予約待ち状態となる。
【0169】
次に、このようにしてプリンタ110側から送られてきた印刷物Pの画像データを生成したならば、次のステップS310に移行して画像データ解析部32がそのテストパターン画像データを解析して次のステップS312に移行する。
ステップS312では、印字ヘッド特性取得部34によってその画像データの解析結果からその画像データを送ってきたプリンタ110の印字ヘッド200の特性を取得して次のステップS314に移行し、補正データ生成部36によってその印字ヘッド200の補正データを生成し、次のステップS316に移行して、補正データ送信部38によってその補正データを、前記印刷物Pを送ってきたプリンタ110へ送信する。
【0170】
そして、このようにして前記テストパターン画像データをプリンタサーバ120側に送信したプリンタ110は、所定時間経過後、ステップS318に移行して、プリンタサーバ120から所望の補正データが送られてきたか否かを判断し、所定時間(日時)経過しても所望の補正データが送られてこないと判断したとき(No)は、先のステップS304に戻って再度、同じ印刷物Pをプリンタサーバ120側に送ることになる。なお、前記ステップS304における印刷物Pの送付処理の有無は、印刷物送付部24から補正データ受信部16にも送られてくるため、補正データ受信部16では、テストパターン画像データの送信時間から補正データ受信待機のタイマーをスタートさせることで、容易に補正データ受信待機時間を設定することができる。
【0171】
これに対し、このステップS318において、所定時間(日時)内に所望の補正データが送られてきたと判断したとき(Yes)は、次のステップS320に移行して、その補正データを補正データ保存部22などに保存して引き続き次の判断ステップS322に移行する。
ステップS312では、補正データの保存部22などに保存された補正データの取得要求があるか否かを判断し、補正データの取得要求がないと判断したとき(No)は、そのまま処理を終了することになるが、補正データの取得要求があると判断したときは、最後のステップS324に移行して、補正データの保存処理と共に、その補正データを印刷データ補正部20などに提供して処理を終了することになる。
【0172】
このように本実施の形態に係る印刷システム100では、前記第1の実施の形態が、印刷したテストパターン画像の印刷物を各プリンタ110側に読み取りってその画像データをプリンタサーバ120側に送るようにしたのに対し、印刷物Pそのものを郵送などによってプリンタサーバ120側に送り、プリンタサーバ120側においてその送られた印刷物Pを自己のテストパターン画像読取部43で読み取ってその画像データを取得するようにしたものである。
【0173】
これによって、前記第1の実施の形態と同様な効果が得られると共に、各プリンタ110側において一般に高価なテストパターン画像読取部(スキャナなど)が不要となるため、各プリンタ110のコストを削減できると共に、プリンタ110の数が増えるに従ってシステム全体の設備コストの低減も同時に達成することができる。
また、プリンタサーバ120側において個々のプリンタ110から送られてきた印刷物Pを一括して読み取ることができるため、各プリンタ110ごとのテストパターン画像読取部43の読み取り精度のバラツキを防止して正確な補正データを生成・提供することができる。
【0174】
そして、このようにして所定の補正データを取得した各プリンタ110は、所定の印刷データを取得したならば、図13の印刷処理フローに示すように、その補正データに基づいてその印刷データを適宜補正した後、自己の印字ヘッド200や印刷部10などを用いて印刷を実行することで、前記第1の実施の形態と同様に、高品質な印刷物を容易に得ることができる。
【0175】
次に、図17は、印刷物Pの送付に対する補正データの取得予定の通知に関する処理の流れを示したものである。
図17に示すように、先ず、この印刷システム100は、最初のステップS40において、プリンタ110の印刷物送付部24によってプリンタサーバ120側へテストパターン画像の印刷物Pが送付されたか否かを監視し、印刷物Pの送付があったと判断したとき(Yes)は、次のステップS402に移行してプリンタ110側の印刷通知送信部25によって印刷物Pをプリンタサーバ120側に送付した旨の通知を、その日時やプリンタIDなどに関する情報と共にネットワークNなどを介して通知して、次のステップS404に移行する。
【0176】
ステップS404では、プリンタサーバ120側の印刷通知受信部44によって印刷物送信通知が受信されたか否かが監視され、受信したと判断したとき(Yes)は、次のステップS406に移行して、予約状況確認部44が前記テストパターン画像読取部43の予約状況に関する情報を取得し、その情報から前記テストパターン画像読取部43の予約状況を確認して次のステップS408に移行する。
【0177】
ステップS408では、補正データ送信予定情報算出部46が、このステップS406で確認した前記テストパターン画像読取部43の予約状況に基づいて、前記印刷物送付部24で送付した印刷物Pに対応する補正データの生成およびその送信予定日時などに関する情報を算出する。
そして、このようにして対象の補正データの生成およびその送信予定日時などに関する情報を算出したならば、次のステップS410に移行して補正データ送信予定情報通知部47が、算出された補正データ送信予定情報をネットワークNを介して、先に通知があったプリンタ110に通知して次のステップS412に移行する。
【0178】
ステップS412では、プリンタ110の補正データ受信予定情報取得部27がプリンタサーバ120側からステップS402の通知に対応する送信予定日時に関する情報があるか否かを監視し、所定時間経過しても当該情報を取得できないと判断したとき(No)は再度ステップS402に戻って同様の処理を繰り返すことになるが、これとは反対に、当該情報を取得したと判断したとき(Yes)は、次のステップS414に移行してそのプリンタ110の受信予定情報表示部27などによってその送信予定日時に関する情報を表示して処理を終了することになる。
【0179】
このように本実施の形態では、個々のプリンタ110からプリンタサーバ120に印刷物Pを送付すると同時に、その旨をネットワークNを介してプリンタサーバ120に通知してその印刷物Pに対応する補正データの送信予定を算出して表示するようにしたことから、各プリンタ110のユーザなどは、その送付に対応するプリンタサーバ120からの補正データの実際の提供時期に関する情報を得ることができ、今後の印刷スケジュールなどに有効活用することができる。
【0180】
なお、本実施の形態では、各プリンタ110の印刷物送付部24による印刷物Pの送付と同時、あるいは送付直後に印刷物Pを送付した旨の通知を行うようにしたが、それ以前、例えばテストパターン画像の印刷前や印刷直後に、その通知を行うようにしても良い。
また、本実施の形態では、さらに、プリンタサーバ120側に各プリンタ110の印刷物送付部24で送付される印刷物Pの送付に関する手配を行う印刷物配送手配部48を設けたため、前記印刷通知受信部44は、各プリンタ110の印刷通知送信部25からの通知を受信したときは、その旨をプリンタサーバ120の印刷物配送手配部48にも通知するようになっているため、迅速かつ確実に各プリンタ110で生成されたテストパターン画像の印刷物Pの受け渡しを実現することができる。
【0181】
また、本実施の形態では、印刷物Pの配送業者の指定や連絡などの配送の手配をプリンタサーバ120の印刷物配送手配部48によって行うようにしたが、各プリンタ110のユーザが自らその印刷物Pを直接持参あるいは郵送するようにしても良い。
また、印刷するテストパターとして、そのまま送付できる形態で印刷してユーザが直接印刷してスフしても問題ない。例えば、各プリンタ110が両面印刷が可能なプリンタであり、片面は送付先の住所など宛名を印刷し、もう片面はテストパターン画像を印刷するような構成でも良い。また、印刷結果を直接送付するような場合、テストパターン画像が送付途中に傷まないように保護シートで保護したり、別途封筒に入れるようにすれば、なお、好ましい。
【0182】
なお、本実施の形態における、「プリンタ110」および「プリンタサーバ120」は、前記課題を解決するための手段の欄に記載した形態2や5、6などの印刷システムの「クライアント装置」および「サーバ装置」に対応し、「プリンタ110」の印字ヘッド200、印刷部10、補正データ受信部16、印刷データ取得部18、印刷データ補正部20、補正データ保存部22、印刷物送付部24、印刷通知送信部25、補正データ受信予定情報取得部26、受信予定情報表示部27などは、同じく前記課題を解決するための手段の欄に記載した形態1や5、6などの印刷システムの「クライアント装置」の印字ヘッド、印刷部、補正データ受信部、印刷データ取得部、印刷データ補正部、補正データ保存部、印刷物送付準備部、印刷通知送信部、補正データ受信予定情報取得部、受信予定情報表示部などにそれぞれ対応するものである。
【0183】
また、「プリンタサーバ120」の画像データ解析部32、印字ヘッド特性取得部34、補正データ生成部36、補正データ送信部38、補正データ保存部40、テストパターン画像読取部43、印刷通知受信部44、予約状況確認部45、補正データ送信予定情報算出部46、補正データ送信予定情報通知部47、印刷物配送手配部48などは、同じく前記課題を解決するための手段の欄に記載した形態2や5、6などの印刷システムの「サーバ装置」の画像データ解析部、印字ヘッド特性取得部、補正データ生成部、補正データ送信部、補正データ保存部、テストパターン画像読取部、印刷通知受信部、予約状況確認部、補正データ送信予定情報算出部、補正データ送信予定情報通知部、印刷物配送手配部などにそれぞれ対応するものである。
【0184】
また、本実施の形態に係る印刷システム100も、そのプリンタ110から印字ヘッド200や印刷部10などを分離すれば、その機能はパソコンなどの汎用の情報処理装置(画像処理装置)のみで実現することも可能となる。
また、本実施の形態でも前記第1の実施の形態と同様に、印刷システム100を実現するための、各部は既存の殆どのプリンタに組み込まれたコンピュータシステムを用いたソフトウェア上で実現することが可能であり、そのコンピュータプログラムは、予め半導体ROMに記憶させた状態で製品中に組み込んだり、インターネットなどのネットワークを介して配信する他、図14に示すようにCD−ROMやDVD−ROM、FDなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体Rを介することによって所望するユーザなどに対して容易に提供することが可能となる。
【0185】
次に、図18および図197は、本発明の印刷システム100および印刷システム用プログラム、印刷方法およびプリンタサーバ、プリンタサーバ用プログラム、プリンタ、プリンタ用プログラムならびに前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する第3の実施の形態を示したものである。
【0186】
先ず、図18は、本発明に係る印刷システム100の第3の実施の形態を示した機能ブロック図である。
図示するように、この印刷システム100は、前記第1および第2の実施の形態と同様に、少なくとも1つ以上のプリンタ(クライアント装置)110とプリンタサーバ120とが、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN)やイーサネット(登録商標)などのローカルエリアネットワーク(LAN)などの有線・無線のネットワークNを介して相互に情報通信可能に接続された構成となっている。
【0187】
また、このプリンタ110は、図18に示すように印字ヘッド200を備えた印刷部10と、テストパターン画像読取部12と、画像データ送信部14と、補正データ受信部16と、印刷データ取得部18と、印刷データ補正部20と、補正データ保存部22と、印刷物送付部24とから主に構成されており、これら各部の機能は、前記第1および第2の実施の形態の対応する部分とほぼ同様である。
【0188】
一方のプリンタサーバ120は、図18に示すように画像データ受信部30と、画像データ解析部32と、印字ヘッド特性取得部34と、補正データ生成部36と、補正データ送信部38と、補正データ保存部40と、印刷物取得部42と、テストパターン画像読取部43とから主に構成されており、これら各部の機能も、前記第1および第2の実施の形態の対応する部分とほぼ同様である。
【0189】
また、以上のような構成をした本実施の形態のプリンタ110およびプリンタサーバ120も、前記第1および第2の実施の形態と同様に、図10および図11に示すようなハードウェア構成をしたコンピュータシステムを備えており、ROMなどに記憶されたBIOS等のシステムプログラムが、ROMに予め記憶された各種専用のコンピュータプログラムをRAMにロードし、そのRAMにロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPUが各種リソースを駆使して所定の制御および演算処理を行うことで前述したような各部の各機能をソフトウェア上で実現できるようになっている。
【0190】
そして、このような構成をした本実施の形態に係る印刷システム100を用いた印刷処理の流れの一例を図19のフローチャート図を参照しながら説明する。
先ず、図19のフローチャート図に示すように、この印刷システム100の各プリンタ110は、最初のステップS500に移行して、テストパターン画像の印刷要求の有無を監視し、テストパターン画像の印刷要求があったと判断したとき(Yes)は、次のステップS502に移行してその印刷部10によってそのテストパターン画像を印刷してテストパターン画像の印刷物を作成して次のステップS504に移行する。
【0191】
ステップS504では、前記第1の実施の形態と同様にテストパターン画像読取部12によってその印刷物を光学的に読み取って(スキャン)テストパターン画像データを作成した後、次のステップS506に移行し、ステップS506では、画像データ送信部14によってそのテストパターン画像データをプリンタサーバ120側に送ることになる。
次に、プリンタサーバ120は、最初のステップS508において、画像データ受信部30がいずれかのプリンタ110からそのテストパターン画像データが送られてきたか否かを常時監視し、いずれかのプリンタ110からそのテストパターン画像データが送られてきたと判断したとき(Yes)は、次のステップS510に移行して、画像データ解析部32がそのテストパターン画像データを解析して次のステップS512に移行する。
【0192】
ステップS512では、プリンタ110側から送られてきた先の画像データの画像データ解析部32による解析の結果、的確な補正データで生成可能であるか否かを判断し、十分に生成可能であると判断したとき(Yes)は、ステップS518までジャンプして前記第1の実施の形態における処理の流れと同様に、ステップS518におけるその解析結果からの印字ヘッド200の特性取得処理、ステップ520におけるその印字ヘッド200の特性からの補正データの生成処理、ステップ522におけるその補正データの送信処理、ステップS524における補正データの受信判断処理、ステップS526における補正データの保存処理、ステップS528における補正データの要求判断処理、およびステップS50における補正データの提供処理などを経て処理が終了することになる。
【0193】
一方、ステップS512における判断処理の結果、的確な補正データが生成困難であると判断したとき(No)、例えば、プリンタ110側のテストパターン画像読取部12のスキャナ解像度が2880dpiしかなく、これ以上の解像度が、正確な補正データを生成するのに必要な場合などのときは、次のステップS514に移行してその画像データを送ってきたプリンタ110に対してテストパターン画像データではなく、そのテストパターン画像の画像自体の印刷物Pの送付を要求する。
【0194】
前記ステップS506でテストパターン画像データを送ったプリンタ110は、その後、ステップS530に移行してプリンタサーバ120側から印刷物Pの送付要求があるか否かを監視し、所定時間経過しても印刷物Pの送付要求がないと判断したとき(No)はステップS524までジャンプすることになるが、所定時間内に印刷物Pの送付要求があったとき(Yes)は、次のステップS532に移行して前記第2の実施の形態のように印刷物送付部24によって、郵便や宅配システムを利用してその印刷物Pをプリンタサーバ120側に送付することになる。
【0195】
そして、プリンタサーバ120側は、ステップS514で印刷物Pの送付要求を行ったならば、次のステップS516に移行して、要求を行った印刷物Pが届いたか否かを判断し、所定時間を経過してもその印刷物Pが届かないと判断したとき(No)は、ステップS514に戻って再度プリンタ110に対して印刷物Pの送付要求を行うことになるが、所定時間内にその印刷物Pが届いたとき(Yes)は、自己の高性能(高解像度、高速など)なテストパターン画像読取部43を用いてその印刷物Pのテストパターン画像を読み取った後、前記第2の実施の形態と同様な処理を行うことになる。
【0196】
このように本実施の形態は、前記第1および第2の実施の形態では、プリンタ110またはプリンタサーバ120のいずれかに一方にのみ、テストパターン画像の印刷物をスキャンするためのテストパターン画像読取部を備えたものであるのに対し、本実施の形態は、このテストパターン画像読取部をプリンタ110またはプリンタサーバ120の双方に備え、プリンタ110側およびプリンタサーバ120側でそれぞれ独自に印刷したテストパターン画像の印刷物を光学的に読み取ることができるようにしたものである。
【0197】
これによって、前記第1および第2の実施の形態と同様な効果が得られると共に、前記第2の実施の形態ほど正確ではないものの、前記形態1で示した構成より遙かに正確な補正データを提供することができる。また、新たな補正データが必要となった場合でも、先に作成した補正データを部分的に修正することで新たな補正データを最初から作る必要がなくなって迅速かつ効率的に補正データを提供することができる。
【0198】
なお、図19のステップS512における補正データ生成可能性の判断処理方法としては、特に限定するものではないが、以下のような手順からなる判断処理方法が考えられる。
すなわち、1.プリンタ110から送られてきたテストパターン画像データから各階調テータを切り出す。2.補正データ保存手段22などに予め保存されている各プリンタ110の出荷時の階調データと比較する。3.比較した結果、指定閾値以下の差分であれば、そのテストパターン画像データを採用する。このとき、テストパターン画像データを修正する必要がある場合は、例えば、以下の式(1)などによってそのデータを修正する。
【0199】
Y=Y+α×F(X)…(1)
ここで、α:定数、X:差異量である。また、関数Fは、予め測定実験によって定められた関数とする。
4.これに対し、その閾値以上の差分であれば、プリンタ110に対して印刷物の送信要求を行う。
【0200】
また、本実施の形態における、「プリンタ110」および「プリンタサーバ120」は、前記課題を解決するための手段の欄に記載した形態3などの印刷システムの「クライアント装置」および「サーバ装置」に対応し、「プリンタ110」の印字ヘッド200、印刷部10、テストパターン画像読取部12、画像データ送信部14、補正データ受信部16、印刷データ取得部18、印刷データ補正部20、補正データ保存部22、印刷物送付部24などは、同じく前記課題を解決するための手段の欄に記載した形態3などの印刷システムの「クライアント装置」の印字ヘッド、印刷部、テストパターン画像読取部、画像データ送信部、補正データ受信部、印刷データ取得部、印刷データ補正部、補正データ保存部、印刷物送付準備部などにそれぞれ対応するものである。
【0201】
また、「プリンタサーバ120」の画像データ受信部30、画像データ解析部32、印字ヘッド特性取得部34、補正データ生成部36、補正データ送信部38、補正データ保存部40、テストパターン画像読取部43などは、同じく前記課題を解決するための手段の欄に記載した形態2や5、6などの印刷システムの「サーバ装置」の画像データ解析部、印字ヘッド特性取得部、補正データ生成部、補正データ送信部、補正データ保存部、テストパターン画像読取部などにそれぞれ対応するものである。
【0202】
また、本実施の形態に係る印刷システム100も、そのプリンタ110から印字ヘッド200や印刷部10などを分離すれば、その機能はパソコンなどの汎用の情報処理装置(画像処理装置)のみで実現することも可能となる。
また、本実施の形態でも前記第1および第2の実施の形態と同様に、印刷システム100を実現するための、各部は既存の殆どのプリンタに組み込まれたコンピュータシステムを用いたソフトウェア上で実現することが可能であり、そのコンピュータプログラムは、予め半導体ROMに記憶させた状態で製品中に組み込んだり、インターネットなどのネットワークを介して配信する他、図14に示すようにCD−ROMやDVD−ROM、FDなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体Rを介することによって所望するユーザなどに対して容易に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0203】
【図1】本発明に係る印刷システムの第1の実施の形態を示す機能ブロック図である。
【図2】印字ヘッドの構造を示す部分拡大底面図である。
【図3】図2の印字ヘッドの構造を示す部分拡大側面図である。
【図4】通常のノズルとヘッド端部ノズルとの吐出量の違いを示す概念図である。
【図5】すべてのノズルのインク吐出量が正常なときのドットパターンの一例を示す概念図である。
【図6】ヘッド端部のノズルのみのインク吐出量が増大したときのドットパターンの一例を示す概念図である。
【図7】テストパターン画像の一例を示す図である。
【図8】画素値と階調値(N値)および階調値とドットサイズとの関係を示したドット・階調変換テーブルの一例を示す図である。
【図9】印字ヘッド情報の一例を示す情報テーブルである。
【図10】本発明に係る印刷システムのプリンタを実現するコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図11】本発明に係る印刷システムのプリンタサーバを実現するコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図12】第1の実施の形態に係る補正データ取得処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【図13】第1の実施の形態に係る印刷処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【図14】本発明に係る各種プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の一例を示す概念図である。
【図15】本発明に係る印刷システムの第1の実施の形態を示す機能ブロック図である。
【図16】第2の実施の形態に係る補正データ取得処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【図17】第2の実施の形態に係る補正データ取得予定通知処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【図18】第3の実施の形態に係る補正データ取得処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【図19】第3の実施の形態に係る補正データ取得予定通知処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0204】
100…印刷システム、110…プリンタ(クライアント装置)、120…プリンタサーバ(サーバ装置)、200…印字ヘッド、300A…ドット・階調変換テーブル、300B…印字ヘッド特性テーブル、10…印刷部、12…テストパターン画像読取部、14…画像データ送信部、16…補正データ受信部、18…印刷データ取得部、20…印刷データ補正部、22…補正データ保存部、24…印刷物送付部、25…印刷通知送信部、26…補正データ受信予定情報取得部、27…受信予定情報表示部、30…画像データ受信部、32…画像データ解析部、34…印字ヘッド特性取得部、36…補正データ生成部、38…補正データ送信部、40…補正データ保存部、42…印刷物取得部、43…テストパターン画像読取部、44…印刷通知部、45…予約状況確認部、46…補正データ送信予定情報算出部、47…補正データ送信予定情報通知部、60、80…CPU、62、82…RAM、64、84…ROM、66、86…インターフェース、70、90…記憶装置、72…印刷装置、92…出力装置、74、94…入力装置、50…ブラックノズルモジュール、51…イエローノズルモジュール、52…マゼンタノズルモジュール、53…シアンノズルモジュール、54…ライトマゼンタノズルモジュール、55…ライトシアンノズルモジュール、S…印刷媒体(用紙)、N…ノズル、R…記録媒体
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタなどの印刷機能を有するクライアント装置と、このクライアント装置とネットワークなどを介して情報通信可能に接続されたサーバ装置とからなる印刷システム、印刷プログラム、印刷方法およびプリンタサーバ、印刷装置ならびに前記プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
以下は、印刷装置、特にインクジェット方式を採用したプリンタ(以下、「インクジェットプリンタ」と称す)について説明する。
インクジェットプリンタは、一般に安価でかつ高品質のカラー印刷物が容易に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
【0003】
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジと印字ヘッドとが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が、印刷媒体(用紙)上を、その紙送り方向に対し垂直な方向に往復しながらその印字ヘッドのノズルから液体インクの粒子をドット状に吐出(噴射)することで、印刷媒体上に所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色ごとの印字ヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(さらに、これら各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、あるいは8色のものも実用化されている)。
【0004】
ところで、このようなインクジェットプリンタに不可欠な印刷ヘッドは、直径が10〜70μm程度の微細なノズルを一定の間隔を隔てて1列、またはノズル配列方向に対して垂直方向に複数列に配設してなるものであるため、製造誤差などによって一部のノズルのインクの吐出量が規定値よりも大きく増減したり、また、同じノズルであってもインクの残量や粘度などによってインクの吐出量が変化してしまい、この結果、所定サイズのドットが形成されなくなって、いわゆる「濃度ムラ現象」という一種の印刷不良が発生してしまうことがある。
【0005】
そのため、このような「濃度ムラ現象」を回避あるいは防止するために、印字ヘッドやインクの製造技術の向上や設計改良などといった、いわゆるハード的な部分での研究開発が鋭意進められているが、製造コストや印刷品質、技術面などから100%「濃度ムラが現象」が発生しない印字ヘッドやインクを提供するのは困難となっている。
そこで、現状では前記のようなハード的な部分での改良に加え、以下に示すような印刷制御といった、いわゆるソフト的な手法を用いてこのような「濃度ムラ現象」を低減するような技術が提案されている。
【0006】
例えば、以下に示す特許文献1などでは、濃度ムラ補正手段によって記録ヘッドの濃度ムラを所定の階調特性に対して補正すると共に、記録ヘッドの画像記録素子の所定単位ごとの階調特性を階調補正手段によって補正することで記録ヘッド内のバラツキを吸収して濃度ムラを補正するようにしている。
【特許文献1】特開平3−162977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1などのような方法では、プリンタは、工場出荷時などの販売前に生成される補正データを保持するため、経時劣化などによる特性変化に応じた最適な補正データが使えないといった問題点がある。
また、補正データを個々のプリンタで保持するには、それを保持しておくための多くのメモリ容量(記憶装置)が必要になり、また、経時劣化に最適な補正データを生成するためには多くの情報処理量(CPUパワー)が必要になるといった不都合がある。
【0008】
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、個々のプリンタの状況に応じた最適な補正データを提供することができる新規な印刷システム、印刷プログラム、印刷方法およびプリンタサーバ、印刷装置ならびに前記プログラムを記録した記録媒体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
〔形態1〕前記課題を解決するために形態1の印刷システムは、
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムであって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信部と、当該画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送信されてきた補正データを受信する補正データ受信部と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記クライアント装置の画像データ送信部から送られてきた画像データを受信する画像データ受信部と、当該画像データ受信部で受信した画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、を有することを特徴とするものである。
【0010】
これによって、個々のクライアント装置は、適宜所定のテストパターン画像を印刷し、それを読み込んだ画像データをサーバ装置に送るだけで、その経時劣化(変化)状況などに合わせた最適な印字ヘッドの補正データをサーバ装置から取得することができる。
この結果、例えば、個々のクライアント装置ごとに大量の補正データを保持する必要がなくなるため、その補正データを保持するためのメモリ(記憶装置)が不要となったり、個々のクライアント装置側で独自に補正データを作成する必要がなくなるため、個々のクライアント装置の情報処理能力を無駄に消費することがないなどといった優れた効果が得られる。
【0011】
ここで、「印字ヘッドを制御するクライアント装置」とは、具体的には以下に示すように「(インクジェット方式の)プリンタ(印刷装置)」を想定しているものであるが、このように印字ヘッドそのものを備えて印刷を実行するものに限らず、他の印刷装置の印字ヘッドを制御するパソコン(PC)などの情報処理装置やパソコンのOS上などで稼働するプリンタドライバ(ソフトウェア)なども含む概念である(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0012】
また、「サーバ装置」とは、有線または無線のネットワークなどを介して前記クライアント装置と双方向に情報通信可能なものであれば、特に限定されるものでなく、パソコン(PC)やワークステーションなどの情報処理装置などを含む概念である(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0013】
また、「テストパターン画像読取部」は、テストパターン画像を、例えば、光学的に読み取ることが可能である(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0014】
また、「画像データ解析部」は、例えば、印字ヘッドの形成するドットのサイズ、印字ヘッドのドット形成位置、印字ヘッドの形成するドットの濃淡などを解析する(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0015】
また、「印字ヘッド特性取得部」は、例えば、画像データ解析部で解析された、印字ヘッドの形成するドットのサイズ、印字ヘッドのドット形成位置、印字ヘッドの形成するドットの濃淡などの解析結果から印字ヘッドの特性を求める(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0016】
また、「補正データ」は、例えば、印字ヘッドによって形成されるドットのサイズ、印字ヘッドによって形成されるドットの濃淡を補正するためのデータであり、各クライアント装置毎に生成されるものである(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0017】
〔形態2〕形態2の印刷システムは、
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムであって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備部と、当該印刷物送付準備部で送付準備の行われた前記印刷物に対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信部と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、を有することを特徴とするものである。
【0018】
すなわち、前記形態1では印刷したテストパターン画像の印刷物をクライアント装置側で、例えば、光学的に読み取ってその画像データをサーバ装置側に送るようにしたのに対し、本形態は、印刷物そのものを郵送などによってサーバ装置側に送り、サーバ装置側においてその送られた印刷物を、例えば、光学的に読み取ってその画像データを取得するようにしたものである。
【0019】
これによって、前記形態1と同様な効果が得られると共に、各クライアント装置側において一般に高価なテストパターン画像読取部が不要となるため、クライアント装置のコストを削減できると共に、クライアント装置の数が増えるに従ってシステム全体の設備コストの低減も同時に達成することができる。
また、サーバ装置側において個々のクライアント装置側から送られてきた印刷物を一括して読み取ることができるため、各クライアント装置ごとのテストパターン画像読取部の読み取り精度のバラツキを防止して正確な補正データを生成・提供することができる。
【0020】
ここで、「印刷物送付準備部」は、印刷物の送付準備を行うもので、当該印刷物に対応する識別情報を準備(生成)したり、この準備した識別情報を郵送で送らない場合は、電子情報としてサーバ装置に送信したりすることも可能である。この識別情報は、例えば、テストパターン画像データ自体の識別情報や、その情報の発信元であるクライアント装置を特定するためのクライアント装置固有のID(シリアル番号など)や、印字ヘッド特性、インク種別、インク残量、設置場所平均気温、設置場所平均湿度、延べ印刷枚数、平均印刷枚数(1日)などのステータス情報などが含まれる(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0021】
また、「印刷物」とは、テストパターン画像が印刷された印刷媒体(印刷用紙、はがき、CDメディア、DVDメディアなどの印刷が可能な媒体)のことである(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0022】
〔形態3〕形態3の印刷システムは、
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムであって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信部と、前記印刷部で印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備部と、当該印刷物送付準備部で送付準備の行われた前記印刷物および前記画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信部と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記クライアント装置の画像データ送信部から送られてきた画像データを受信する画像データ受信部と、前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データおよび画像データ受信部で受信したテストパターン画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、を有することを特徴とするものである。
【0023】
すなわち、前記形態1および2では、クライアント装置またはサーバ装置のいずれか一方にのみ、テストパターン画像の印刷物を読み取るためのテストパターン画像読取部を備えたものであるが、本形態では、このテストパターン画像読取部をクライアント装置およびサーバ装置の双方に備え、クライアント装置側およびサーバ装置側でそれぞれ独自に印刷したテストパターン画像の印刷物を、例えば、光学的に読み取ることができるようにしたものである。
【0024】
これによって、前記形態1および2と同様な効果が得られると共に、前記形態2ほど正確ではないものの、前記形態1で示した構成より遙かに正確な補正データを提供することができる。また、新たな補正データが必要となった場合でも、先に作成した補正データを部分的に修正することで新たな補正データを最初から作る必要がなくなって迅速かつ効率的に補正データを提供することができる。
【0025】
〔形態4〕形態4の印刷システムは、
形態1または3に記載の印刷システムにおいて、
前記クライアント装置の画像データ送信部は、前記テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信するに際し、当該テストパターン画像データの読み取り解像度に関する情報を送信するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態1または3に記載の印刷システムにおいては、画像データの読み取り解像度に関する情報をサーバ装置に送ることにより、前記印字ヘッドによるテストパターン(ドットパターン)画像の解像度とその読み取り解像度とが異なっていても正確な補正データを生成・提供することができる。
【0026】
ここで、「読み取り解像度に関する情報」は、スキャナ解像度の情報の他に、スキャナの読み込み設定の情報、スキャナの機種の情報などを含んでいても良い(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0027】
〔形態5〕形態5の印刷システムは、
形態2または3に記載の印刷システムにおいて、
前記クライアント装置は、さらに、
前記印刷物を前記サーバ装置に送付した旨の通知を前記サーバ装置に送信する印刷通知送信部と、当該印刷通知送信部の送信に対応して前記サーバ装置から送信される前記補正データの受信日時に関する情報を取得する補正データ受信予定情報取得部と、当該補正データ受信予定情報取得部で取得した前記補正データの受信日時に関する情報を表示する受信予定情報表示部と、を有し、
前記サーバ装置は、さらに、
前記クライアント装置の印刷通知送信部からの通知を受信する印刷通知受信部と、当該印刷通知受信部で受信した印刷通知に対応してテストパターン画像読取部の予約状況を確認する予約状況確認部と、当該予約状況確認部で確認した予約状況に基づいて前記補正データの送信日時に関する情報を算出する補正データ送信予定情報算出部と、当該補正データ送信予定情報算出部で算出された前記補正データの送信日時に関する情報を前記クライアント装置に送信する補正データ送信予定情報通知部と、を有することを特徴とするものである。
【0028】
これによって、前記形態2または3に記載の印刷システムにおいては、テストパターン画像の印刷物を生成した個々のクライアント装置側で、その印刷物の送付先に対応するサーバ装置からの補正データの実際の提供時期に関する情報を得ることができ、今後の印刷スケジュールなどに活用することができる。
ここで、「補正データの送信日時に関する情報」は、補正データを送信した日にち、時間の他に、AM、PM、深夜、早朝、年月などの情報を含んでいても良い(以下の「印刷システム」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、および「プリンタサーバ」に関する形態、「プリンタサーバ用プログラム」に関する形態、「プリンタサーバ制御方法」に関する形態、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、ならびに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
【0029】
〔形態6〕形態6の印刷システムは、
形態5に記載の印刷システムにおいて、
前記サーバ装置は、さらに、
前記クライアント装置の印刷物送付準備部で送付準備の行われる印刷物の送付に関する手配を行う印刷物配送手配部を有し、
前記印刷通知受信部は、前記クライアント装置の印刷通知送信部からの通知を受信したときは、印刷されたことを前記サーバ装置の印刷物配送手配部にも通知するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態2または3に記載の印刷システムにおいては、迅速かつ確実に各クライアント装置で生成されたテストパターン画像の印刷物を取得することができる。
【0030】
〔形態7〕形態7の印刷システムは、
形態1〜6のいずれかに記載の印刷システムにおいて、
前記クライアント装置は、さらに、印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得部と、前記印刷データ取得部で取得した印刷データを前記補正データ受信部で受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正部とを有し、前記印刷部は、当該印刷データ補正部で補正された印刷データに基づいて印刷を実行するようになっていることを特徴とするものである。
【0031】
これによって、前記各クライアント装置は、印刷データを受け取ると、その印刷データを、取得した補正データに基づいて補正することができるため、その印刷に使用する印字ヘッドに濃度ムラ現象などがあっても元の印刷データを忠実に再現した高品質な印刷物を得ることができる。
【0032】
〔形態8〕形態8の印刷システムは、
形態1〜7のいずれか1項に記載の印刷システムにおいて、
前記画像データ解析部は、前記印字ヘッドの形成するドットのサイズ、当該印字ヘッドのドット形成位置及び当該印字ヘッドの形成するドットの濃淡の少なくとも1つを解析するようになっていることを特徴とするものである。
【0033】
これによって、例えば、印字ヘッドを構成する各ノズルのインク吐出不良や、当該ノズルの飛行曲り等によって発生する濃度ムラやバンディングなどに対して適切な補正データを生成することができる。従って、前記各クライアント装置は、このような補正データに基づいて、印刷データを補正することができるため、その印刷に使用する印字ヘッドが、前述したようにインクの吐出不良や飛行曲りの状態にあっても元の印刷データを忠実に再現した高品質な印刷物を得ることができる。
【0034】
〔形態9〕形態9の印刷プログラムは、
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムで用いるプログラムであって、
前記クライアント装置のコンピュータを、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信部と、当該画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送信されてきた補正データを受信する補正データ受信部と、して機能させると共に、
前記サーバ装置のコンピュータを、
前記クライアント装置の画像データ送信部から送られてきた画像データを受信する画像データ受信部と、当該画像データ受信部で受信した画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、して機能させることを特徴とするものである。
【0035】
これによって、前記形態1と同様に、個々のクライアント装置は、その経時劣化(変化)状況などに合わせた最適な印字ヘッドの補正データをサーバ装置から取得することができるため、個々のクライアント装置ごとに大量の補正データを保持する必要がなくなってその補正データを保持するためのメモリ(記憶装置)が不要となったり、個々のクライアント装置側で独自に補正データを作成する必要がなくなって、個々のクライアント装置の情報処理能力を無駄に消費することがないなどといった優れた効果が得られる。
【0036】
また、前記サーバ装置としてパソコンなどの汎用のコンピュータシステムを用いることができると共に、前記クライアント装置として現在市場に出回っているインクジェットプリンタなどの印刷装置を用いる場合、その印刷装置の殆どは中央処理装置(CPU)や記憶装置(RAM、ROM)、入出力装置などからなるコンピュータシステムを備えている。
【0037】
従って、そのような汎用または標準装備のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって本印刷システムの前記各部を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0038】
〔形態10〕形態10の印刷プログラムは、
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムで用いるプログラムであって、
前記クライアント装置のコンピュータを、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備部と、当該印刷物送付準備部で送付準備の行われた前記印刷物に対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信部と、して機能させると共に、
前記サーバ装置のコンピュータを、
前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、して機能させることを特徴とするものである。
【0039】
これによって、前記形態2と同様に、各クライアント装置側において一般に高価なテストパターン画像読取部が不要となるため、クライアント装置のコストを削減できると共に、クライアント装置の数が増えるに従ってシステム全体の設備コストの低減も同時に達成することができる。
また、サーバ装置側において個々のクライアント装置から送られてきた印刷物を一括して読み取ることができるため、各クライアント装置ごとのテストパターン画像読取部の読み取り精度のバラツキを防止して正確な補正データを生成・提供することができる。
【0040】
また、前記形態9と同様に、汎用または標準装備のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって本印刷システムの前記各部を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0041】
〔形態11〕形態11の印刷プログラムは、
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムで用いるプログラムであって、
前記クライアント装置のコンピュータを、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信部と、前記印刷部で印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備部と、当該印刷物送付準備部で送付準備の行われた前記印刷物および前記画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信部と、して機能させると共に、
前記サーバ装置のコンピュータを、
前記クライアント装置の画像データ送信部から送られてきた画像データを受信する画像データ受信部と、前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データおよび画像データ受信部で受信したテストパターン画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、して機能させることを特徴とするものである。
【0042】
これによって、前記形態3と同様に、正確な補正データを提供することができると共に新たな補正データが必要となった場合には、その補正データを迅速かつ効率的に提供することができる。
また、前記形態9と同様に、汎用または標準装備のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって本印刷システムの前記各部を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0043】
〔形態12〕形態12の印刷プログラムは、
形態9または11に記載の印刷プログラムにおいて、前記クライアント装置の画像データ送信部は、前記テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信するに際し、当該テストパターン画像データの読み取り解像度に関する情報を送信するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態4と同様に、形態9または11に記載の印刷プログラムにおいては、画像データの読み取り解像度に関する情報をサーバ装置に送ることにより、前記印字ヘッドによるテストパターン(ドットパターン)画像の解像度とその読み取り解像度とが異なっていても正確な補正データを生成・提供することができる。
【0044】
また、前記形態9と同様に、汎用または標準装備のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって本印刷システムの前記各部を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0045】
〔形態13〕形態13の印刷プログラムは、
形態10または11に記載の印刷プログラムにおいて、
前記クライアント装置のコンピュータを、さらに、前記印刷物を前記サーバ装置に送付した旨の通知を前記サーバ装置に送信する印刷通知送信部と、当該印刷通知送信部の送信に対応して前記サーバ装置から送信される前記補正データの受信日時に関する情報を取得する補正データ受信予定情報取得部と、当該補正データ受信予定情報取得部で取得した前記補正データの受信日時に関する情報を表示する受信予定情報表示部として機能させると共に、
前記サーバ装置のコンピュータを、さらに、前記クライアント装置の印刷通知送信部からの通知を受信する印刷通知受信部と、当該印刷通知受信部で受信した印刷通知に対応してテストパターン画像読取部の予約状況を確認する予約状況確認部と、当該予約状況確認部で確認した予約状況に基づいて前記補正データの送信日時に関する情報を算出する補正データ送信予定情報算出部と、当該補正データ送信予定情報算出部で算出された前記補正データの送信日時に関する情報を前記クライアント装置に送信する補正データ送信予定情報通知部と、して機能させることを特徴とするものである。
【0046】
これによって、前記形態5と同様に、形態10または11に記載の印刷プログラムにおいては、テストパターン画像の印刷物を生成した個々のクライアント装置側で、その印刷物の送付先に対応するサーバ装置からの補正データの実際の提供時期に関する情報を得ることができ、今後の印刷スケジュールなどに活用することができる。
また、前記形態9と同様に、汎用または標準装備のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって本印刷システムの前記各部を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0047】
〔形態14〕形態14の印刷プログラムは、
形態13に記載の印刷プログラムにおいて、
前記サーバ装置のコンピュータを、さらに、前記クライアント装置の印刷物送付準備部で送付準備の行われる印刷物の送付に関する手配を行う印刷物配送手配部として機能させると共に、前記印刷通知受信部は、前記クライアント装置の印刷通知送信部からの通知を受信したときは、印刷されたことを前記サーバ装置の印刷物配送手配部にも通知するようになっていることを特徴とするものである。
【0048】
これによって、前記形態6と同様に、前記形態10または11に記載の印刷システムにおいては、迅速かつ確実に各クライアント装置で生成されたテストパターン画像の印刷物を取得することができる。
また、前記形態9と同様に、汎用または標準装備のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって本印刷システムの前記各部を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0049】
〔形態15〕形態15の印刷プログラムは、
形態9〜14のいずれかに記載の印刷プログラムにおいて、
前記クライアント装置のコンピュータを、さらに、印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得部と、前記印刷データ取得部で取得した印刷データを前記補正データ受信部で受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正部として機能させると共に、前記印刷部は、当該印刷データ補正部で補正された印刷データに基づいて印刷を実行するようになっていることを特徴とするものである。
【0050】
これによって、前記形態7と同様に、前記各クライアント装置は、印刷データを受け取ると、その印刷データを、取得した補正データに基づいて補正することができるため、その印刷に使用する印字ヘッドに濃度ムラ現象などがあっても元の印刷データを忠実に再現した高品質な印刷物を得ることができる。
また、前記形態9と同様に、汎用または標準装備のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって本印刷システムの前記各部を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0051】
〔形態16〕形態16の印刷プログラムは、
形態9〜15のいずれかに記載の印刷プログラムにおいて、
前記画像データ解析部は、前記印字ヘッドの形成するドットのサイズ、当該印字ヘッドのドット形成位置及び当該印字ヘッドの形成するドットの濃淡の少なくとも1つを解析するようになっていることを特徴とするものである。
【0052】
これによって、前記形態8と同様に、例えば、印字ヘッドを構成する各ノズルのインク吐出不良や、当該ノズルの飛行曲り等によって発生する濃度ムラやバンディングなどに対して適切な補正データを生成することができる。従って、前記各クライアント装置は、このような補正データに基づいて、印刷データを補正することができるため、その印刷に使用する印字ヘッドが、前述したようにインクの吐出不良や飛行曲りの状態にあっても元の印刷データを忠実に再現した高品質な印刷物を得ることができる。
【0053】
また、前記形態9と同様に、汎用または標準装備のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって本印刷システムの前記各部を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0054】
〔形態17〕形態17のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
形態9〜16のいずれかに記載の印刷プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
これによって、CD−ROMやDVD−ROM、FD、半導体チップなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介して前記形態9〜16のいずれかに記載の印刷プログラムをユーザなどの需用者に対して容易かつ確実に提供することができる。
【0055】
〔形態18〕形態18の印刷方法は、
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを用いる印刷方法であって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷ステップと、当該印刷ステップで印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信ステップと、当該画像データ送信ステップで送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送信されてきた補正データを受信する補正データ受信ステップと、を含み、
前記サーバ装置は、
前記クライアント装置から送られてきた前記テストパターン画像データを受信する画像データ受信ステップと、当該画像データ受信ステップで受信した画像データを解析する画像データ解析ステップと、当該画像データ解析ステップでの解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得ステップと、当該印字ヘッド特性取得ステップで取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成ステップと、当該補正データ生成ステップで生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信ステップと、を含むことを特徴とするものである。
【0056】
これによって、前記形態1と同様に、個々のクライアント装置は、その経時劣化(変化)状況などに合わせた最適な印字ヘッドの補正データをサーバ装置から取得することができるため、個々のクライアント装置ごとに大量の補正データを保持する必要がなくなってその補正データを保持するためのメモリ(記憶装置)が不要となったり、個々のクライアント装置側で独自に補正データを作成する必要がなくなって、個々のクライアント装置の情報処理能力を無駄に消費することがないなどといった優れた効果が得られる。
【0057】
〔形態19〕形態19の印刷方法は、
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを用いる印刷方法であって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷ステップと、当該印刷ステップで印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備ステップと、当該印刷物送付準備ステップで送付準備の行われた前記印刷物に対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信ステップと、を含み、
前記サーバ装置は、
前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データを解析する画像データ解析ステップと、当該画像データ解析ステップでの解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得ステップと、当該印字ヘッド特性取得ステップで取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成ステップと、当該補正データ生成ステップで生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信ステップと、を含むことを特徴とするものである。
【0058】
これによって、前記形態2と同様に、各クライアント装置側において一般に高価なテストパターン画像読取部が不要となるため、クライアント装置のコストを削減できると共に、クライアント装置の数が増えるに従ってシステム全体の設備コストの低減も同時に達成することができる。
また、サーバ装置側において個々のクライアント装置から送られてきた印刷物を一括して読み取ることができるため、各クライアント装置ごとのテストパターン画像読取部の読み取り精度のバラツキを防止して正確な補正データを生成・提供することができる。
【0059】
〔形態20〕形態20の印刷方法は、
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを用いる印刷方法であって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷ステップと、当該印刷ステップで印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信ステップと、前記印刷ステップで印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備ステップと、当該印刷物送付準備ステップで送付準備の行われた前記印刷物および前記画像データ送信ステップで送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信ステップと、を含み、
前記サーバ装置は、
前記クライアント装置の画像データ送信ステップから送られてきた画像データを受信する画像データ受信ステップと、前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データおよび画像データ受信ステップで受信したテストパターン画像データを解析する画像データ解析ステップと、当該画像データ解析ステップでの解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得ステップと、当該印字ヘッド特性取得ステップで取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成ステップと、当該補正データ生成ステップで生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信ステップと、を含むことを特徴とするものである。
【0060】
これによって、前記形態3と同様に、正確な補正データを提供することができると共に新たな補正データが必要となった場合には、その補正データを迅速かつ効率的に提供することができる。
【0061】
〔形態21〕形態21の印刷方法は、
形態18または20に記載の印刷方法において、前記クライアント装置の画像データ送信ステップは、前記テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信するに際し、当該テストパターン画像データの読み取り解像度に関する情報を送信することを特徴とするものである。
【0062】
これによって、前記形態4と同様に、形態18または20に記載の印刷方法においては、画像データの読み取り解像度に関する情報をサーバ装置に送ることにより、前記印字ヘッドによるテストパターン(ドットパターン)画像の解像度とその読み取り解像度とが異なっていても正確な補正データを生成・提供することができる。
【0063】
〔形態22〕形態22の印刷方法は、
形態19または20に記載の印刷方法において、
前記クライアント装置は、さらに、前記印刷物を前記サーバ装置に送付した旨の通知を前記サーバ装置に送信する印刷通知送信ステップと、当該印刷通知送信ステップの送信に対応して前記サーバ装置から送信される前記補正データの受信日時に関する情報を取得する補正データ受信予定情報取得ステップと、当該補正データ受信予定情報取得ステップで取得した前記補正データの受信日時に関する情報を表示する受信予定情報表示ステップと、を含み、
前記サーバ装置は、さらに、前記クライアント装置の印刷通知送信ステップによる通知を受信する印刷通知受信ステップと、当該印刷通知受信ステップで受信した印刷通知に対応してテストパターン画像読取部の予約状況を確認する予約状況確認ステップと、当該予約状況確認ステップで確認した予約状況に基づいて前記補正データの送信日時に関する情報を算出する補正データ送信予定情報算出ステップと、当該補正データ送信予定情報算出ステップで算出された前記補正データの送信日時に関する情報を前記クライアント装置に送信する補正データ送信予定情報通知ステップと、を含むことを特徴とするものである。
【0064】
これによって、前記形態5と同様に、形態19または20に記載の印刷プログラムにおいては、テストパターン画像の印刷物を生成した個々のクライアント装置側で、その印刷物の送付先に対応するサーバ装置からの補正データの実際の提供時期に関する情報を得ることができ、今後の印刷スケジュールなどに活用することができる。
【0065】
〔形態23〕形態23の印刷方法は、
形態22に記載の印刷方法において、
前記サーバ装置は、さらに、前記クライアント装置の印刷物送付準備ステップで送付準備の行われる印刷物の送付に関する手配を行う印刷物配送手配ステップを含み、前記印刷通知受信ステップは、前記クライアント装置の印刷通知送信ステップによる通知を受信したときは、印刷されたことを前記サーバ装置の印刷物配送手配ステップにも通知することを特徴とするものである。
これによって、前記形態6と同様に、前記形態19または20に記載の印刷システムにおいては、迅速かつ確実に各クライアント装置で生成されたテストパターン画像の印刷物を取得することができる。
【0066】
〔形態24〕形態24の印刷方法は、
形態18〜23のいずれかに記載の印刷方法において、
前記クライアント装置は、さらに、印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得ステップと、前記印刷データ取得ステップで取得した印刷データを前記補正データ受信ステップで受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正ステップとを含み、前記印刷ステップは、当該印刷データ補正ステップで補正された印刷データに基づいて印刷を実行することを特徴とするものである。
【0067】
これによって、前記形態7と同様に、前記各クライアント装置は、印刷データを受け取ると、その印刷データを、取得した補正データに基づいて補正することができるため、その印刷に使用する印字ヘッドに濃度ムラ現象などがあっても元の印刷データを忠実に再現した高品質な印刷物を得ることができる。
【0068】
〔形態25〕形態25の印刷方法は、
形態18〜24のいずれかに記載の印刷方法において、
前記画像データ解析ステップは、前記印字ヘッドの形成するドットのサイズ、当該印字ヘッドのドット形成位置及び当該印字ヘッドの形成するドットの濃淡の少なくとも1つを解析することを特徴とするものである。
【0069】
これによって、前記形態8と同様に、例えば、印字ヘッドを構成する各ノズルのインク吐出不良や、当該ノズルの飛行曲り等によって発生する濃度ムラやバンディングなどに対して適切な補正データを生成することができる。従って、前記各クライアント装置は、このような補正データに基づいて、印刷データを補正することができるため、その印刷に使用する印字ヘッドが、前述したようにインクの吐出不良や飛行曲りの状態にあっても元の印刷データを忠実に再現した高品質な印刷物を得ることができる。
【0070】
〔形態26〕形態26のプリンタサーバは、
印字ヘッドを制御する印刷装置と情報通信可能に接続されたプリンタサーバであって、
前記印字ヘッドを用いて印刷されたテストパターン画像の画像データを受信する画像データ受信部と、当該画像データ受信部で受信した画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記印刷装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記印刷装置に送信する補正データ送信部と、を有することを特徴とするものである。
【0071】
これによって、プリンタサーバは、印刷装置から受け取ったテストパターン画像の画像データを解析してその解析結果から前記印字ヘッドの特性を求め、その特性に応じた補正データを生成してその補正データを前記印刷装置に送信するようになっているため、前記印字ヘッドに対応した的確な補正データを提供することができる。
【0072】
〔形態27〕形態27のプリンタサーバは、
形態26に記載のプリンタサーバにおいて、
前記印刷装置からの前記テストパターン画像が印刷された印刷物を送付した旨の通知を受信する印刷通知受信部と、当該印刷通知受信部で受信した印刷通知に対応してテストパターン画像読取部の予約状況を確認する予約状況確認部と、当該予約状況確認部で確認した予約状況に基づいて前記補正データの送信日時に関する情報を算出する補正データ送信予定情報算出部と、当該補正データ送信予定情報算出部で算出された前記補正データの送信日時に関する情報を前記印刷装置に送信する補正データ送信予定情報通知部と、を有することを特徴とするものである。
【0073】
これによって、テストパターン画像の印刷物を生成した個々のクライアント装置側に、その印刷物に対応する補正データの実際の提供時期に関する情報を与えることができ、クライアント装置側において、この情報を、今後の印刷スケジュールなどに活用させることができる。
【0074】
〔形態28〕形態28のプリンタサーバは、
形態27に記載のプリンタサーバにおいて、
前記印刷装置で送付準備の行われる印刷物の送付に関する手配を行う印刷物配送手配部を有し、
前記印刷通知受信部は、前記印刷装置からの前記通知を受信したときは、印刷されたことを前記サーバ装置の印刷物配送手配部にも通知するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、プリンタサーバは、迅速かつ確実に各クライアント装置で生成されたテストパターン画像の印刷物を取得することができる。
【0075】
〔形態29〕形態29のプリンタサーバは、
形態26〜28のいずれか1に記載のプリンタサーバにおいて、
前記画像データ解析部は、前記印字ヘッドの形成するドットのサイズ、当該印字ヘッドのドット形成位置及び当該印字ヘッドの形成するドットの濃淡の少なくとも1つを解析するようになっていることを特徴とするものである。
【0076】
これによって、例えば、印字ヘッドを構成する各ノズルのインク吐出不良や、当該ノズルの飛行曲り等によって発生する濃度ムラやバンディングなどに対して適切な補正データを生成することができる。従って、前記各クライアント装置は、このような補正データに基づいて、印刷データを補正することができるため、その印刷に使用する印字ヘッドが、前述したようにインクの吐出不良や飛行曲りの状態にあっても元の印刷データを忠実に再現した高品質な印刷物を得ることができる。
【0077】
〔形態30〕形態30のプリンタサーバ用プログラムは、
印字ヘッドを制御する印刷装置と情報通信可能に接続されたプリンタサーバ用プログラムであって、コンピュータを、前記印字ヘッドを用いて印刷されたテストパターン画像の画像データを受信する画像データ受信部と、当該画像データ受信部で受信した画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記印刷装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記印刷装置に送信する補正データ送信部と、して機能させることを特徴とするものである。
【0078】
これによって、前記形態26と同様な効果が得られると共に、ソフトウェアによって本形態を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0079】
〔形態31〕形態31のプリンタサーバ用プログラムは、
形態30に記載のプリンタサーバ用プログラムにおいて、
前記コンピュータを、さらに、前記印刷装置からの前記テストパターン画像が印刷された印刷物を送付した旨の通知を受信する印刷通知受信部と、当該印刷通知受信部で受信した印刷通知に対応してテストパターン画像読取部の予約状況を確認する予約状況確認部と、当該予約状況確認部で確認した予約状況に基づいて前記補正データの送信日時に関する情報を算出する補正データ送信予定情報算出部と、当該補正データ送信予定情報算出部で算出された前記補正データの送信日時に関する情報を前記印刷装置に送信する補正データ送信予定情報通知部と、して機能させることを特徴とするものである。
【0080】
これによって、前記形態27と同様な効果が得られると共に、ソフトウェアによって本形態を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0081】
〔形態32〕形態32のプリンタサーバ用プログラムは、
形態31に記載のプリンタサーバ用プログラムにおいて、
前記コンピュータを、さらに、前記印刷装置で送付準備の行われる印刷物の送付に関する手配を行う印刷物配送手配部として機能させると共に、前記印刷通知受信部は、前記印刷装置からの前記通知を受信したときは、印刷されたことを前記サーバ装置の印刷物配送手配部にも通知するようになっていることを特徴とするものである。
【0082】
これによって、前記形態28と同様な効果が得られると共に、ソフトウェアによって本形態を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0083】
〔形態33〕形態33のプリンタサーバ用プログラムは、
形態30〜32のいずれか1に記載のプリンタサーバ用プログラムにおいて、
前記画像データ解析部は、前記印字ヘッドの形成するドットのサイズ、当該印字ヘッドのドット形成位置及び当該印字ヘッドの形成するドットの濃淡の少なくとも1つを解析するようになっていることを特徴とするものである。
【0084】
これによって、前記形態29と同様な効果が得られると共に、ソフトウェアによって本形態を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0085】
〔形態34〕形態34のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
形態30〜33のいずれか1に記載のプリンタサーバ用プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
これによって、CD−ROMやDVD−ROM、FD、半導体チップなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介して前記形態30〜33のいずれか1に記載のプリンタサーバ用プログラムをユーザなどの需用者に対して容易かつ確実に提供することができる。
【0086】
〔形態35〕形態35のプリンタサーバ制御方法は、
印字ヘッドを制御する印刷装置と情報通信可能に接続されたプリンタサーバを制御するのに使用するプリンタサーバ制御方法であって、
前記印字ヘッドを用いて印刷されたテストパターン画像の画像データを受信する画像データ受信ステップと、当該画像データ受信ステップで受信した画像データを解析する画像データ解析ステップと、当該画像データ解析ステップでの解析結果から前記印刷装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得ステップと、当該印字ヘッド特性取得ステップで取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成ステップと、当該補正データ生成ステップで生成した補正データを前記印刷装置に送信する補正データ送信ステップと、を含むことを特徴とするものである。
これによって、前記形態26と同様な効果が得られる。
【0087】
〔形態36〕形態36のプリンタサーバ制御方法は、
形態35に記載のプリンタサーバ制御方法において、
さらに、前記印刷装置からの前記テストパターン画像が印刷された印刷物を送付した旨の通知を受信する印刷通知受信ステップと、当該印刷通知受信ステップで受信した印刷通知に対応してテストパターン画像読取ステップの予約状況を確認する予約状況確認ステップと、当該予約状況確認ステップで確認した予約状況に基づいて前記補正データの送信日時に関する情報を算出する補正データ送信予定情報算出ステップと、当該補正データ送信予定情報算出ステップで算出された前記補正データの送信日時に関する情報を前記印刷装置に送信する補正データ送信予定情報通知ステップと、を含むことを特徴とするものである。
これによって、前記形態27と同様な効果が得られる。
【0088】
〔形態37〕形態37のプリンタサーバ制御方法は、
形態36に記載のプリンタサーバ制御方法において、
さらに、前記印刷装置で送付準備の行われる印刷物の送付に関する手配を行う印刷物配送手配ステップを含み、前記印刷通知受信部は、前記印刷装置からの前記通知を受信したときは、印刷されたことを前記サーバ装置の印刷物配送手配ステップにも通知するようにしたことを特徴とするものである。
これによって、前記形態28と同様な効果が得られる。
【0089】
〔形態38〕形態38のプリンタサーバ制御方法は、
形態35〜37のいずれか1に記載のプリンタサーバ制御方法において、
前記画像データ解析ステップは、前記印字ヘッドの形成するドットのサイズ、当該印字ヘッドのドット形成位置及び当該印字ヘッドの形成するドットの濃淡の少なくとも1つを解析することを特徴とするものである。
これによって、前記形態29と同様な効果が得られる。
【0090】
〔形態39〕形態39の印刷装置は、
補正データを提供するプリンタサーバと情報通信可能に接続されると共に、印刷に用いる印字ヘッドを制御する印刷装置であって、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信する画像データ送信部と、当該画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記プリンタサーバから送信されてきた補正データを受信する補正データ受信部と、印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得部と、前記印刷データ取得部で取得した印刷データを前記補正データ受信部で受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正部とを有し、
前記印刷部は、当該印刷データ補正部で補正された印刷データに基づいて印刷を実行するようになっていることを特徴とするものである。
【0091】
これによって、印刷装置は、前記印字ヘッドを用いて印刷したテストパターン画像を、例えば、光学的に読み取ってそのテストパターン画像データをプリンタサーバに送信するだけで、その印字ヘッドの状況に応じた最適な補正データを得ることができる。
この結果、その印刷に使用する印字ヘッドに濃度ムラ現象などがあっても元の印刷データの内容を忠実に再現した高品質な印刷物を得ることができる。
【0092】
〔形態40〕形態40の印刷装置は、
請求項39に記載の印刷装置において、
前記画像データ送信部は、前記テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信するに際し、当該テストパターン画像データの読み取り解像度に関する情報を送信するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、画像データの読み取り解像度に関する情報をサーバ装置に送ることにより、前記印字ヘッドによるテストパターン(ドットパターン)画像の解像度とその読み取り解像度とが異なっていても正確な補正データを生成・提供してもらうことができる。
【0093】
〔形態41〕形態41の印刷装置は、
請求項39または請求項40に記載の印刷装置において、
前記テストパターン画像が印刷された印刷物を送付した旨の通知を前記プリンタサーバに送信する印刷通知送信部と、当該印刷通知送信部の送信に対応して前記プリンタサーバから送信される前記補正データの受信日時に関する情報を取得する補正データ受信予定情報取得部と、当該補正データ受信予定情報取得部で取得した前記補正データの受信日時に関する情報を表示する受信予定情報表示部とを有することを特徴とするものである。
これによって、サーバ装置からの補正データの実際の提供時期に関する情報を得ることができ、今後の印刷スケジュールなどに活用することができる。
【0094】
〔形態42〕形態42の印刷装置用プログラムは、
補正データを提供するプリンタサーバと情報通信可能に接続されると共に、印刷に用いる印字ヘッドを制御する印刷装置のコンピュータを、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信する画像データ送信部と、当該画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記プリンタサーバから送信されてきた補正データを受信する補正データ受信部と、印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得部と、前記印刷データ取得部で取得した印刷データを前記補正データ受信部で受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正部と、して機能させるプログラムを含み、
前記印刷部は、前記印刷データ補正部で補正された印刷データに基づいて印刷を実行することを特徴とするものである。
【0095】
これによって、前記形態39と同様の効果が得られると共に、ソフトウェアによって本形態を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0096】
〔形態43〕形態43の印刷装置用プログラムは、
請求項42に記載の印刷装置用プログラムにおいて、
前記画像データ送信部は、前記テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信するに際し、当該テストパターン画像データの読み取り解像度に関する情報を送信するようになっていることを特徴とするものである。
【0097】
これによって、前記形態40と同様の効果が得られると共に、ソフトウェアによって本形態を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0098】
〔形態44〕形態44の印刷装置用プログラムは、
請求項42または請求項43に記載の印刷装置用プログラムにおいて、
前記テストパターン画像が印刷された印刷物を送付した旨の通知を前記プリンタサーバに送信する印刷通知送信部と、当該印刷通知送信部の送信に対応して前記プリンタサーバから送信される前記補正データの受信日時に関する情報を取得する補正データ受信予定情報取得部と、当該補正データ受信予定情報取得部で取得した前記補正データの受信日時に関する情報を表示する受信予定情報表示部とを有することを特徴とするものである。
【0099】
これによって、前記形態41と同様の効果が得られると共に、ソフトウェアによって本形態を実現することが可能となるため、専用のハードウェアを作成して前記各部を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0100】
〔形態45〕形態45のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
形態42〜44のいずれか1に記載の印刷装置用プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
これによって、CD−ROMやDVD−ROM、FD、半導体チップなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介して前記形態42〜44のいずれか1に記載の印刷装置用プログラムをユーザなどの需用者に対して容易かつ確実に提供することができる。
【0101】
〔形態46〕形態46の印刷装置制御方法は、
補正データを提供するプリンタサーバと情報通信可能に接続されると共に、印刷に用いる印字ヘッドを制御する印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御方法であって、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷ステップと、当該印刷ステップで印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信する画像データ送信ステップと、当該画像データ送信ステップにおいて送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記プリンタサーバから送信されてきた補正データを受信する補正データ受信ステップと、印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得ステップと、前記印刷データ取得ステップで取得した印刷データを前記補正データ受信ステップで受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正ステップと、を含み、
前記印刷ステップは、前記印刷データ補正ステップで補正された印刷データに基づいて印刷を実行することを特徴とするものである
これによって、前記形態39と同様の効果が得られる。
【0102】
〔形態47〕形態47の印刷装置制御方法は、
請求項46に記載の印刷装置制御方法において、
前記画像データ送信ステップは、前記テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信するに際し、当該テストパターン画像データの読み取り解像度に関する情報を送信することを特徴とするものである。
これによって、前記形態41と同様の効果が得られる。
【0103】
〔形態48〕形態48の印刷装置制御方法は、
請求項46または請求項47に記載の印刷装置制御方法において、
前記テストパターン画像が印刷された印刷物を送付した旨の通知を前記プリンタサーバに送信する印刷通知送信部と、当該印刷通知送信部の送信に対応して前記プリンタサーバから送信される前記補正データの受信日時に関する情報を取得する補正データ受信予定情報取得部と、当該補正データ受信予定情報取得部で取得した前記補正データの受信日時に関する情報を表示する受信予定情報表示部とを有することを特徴とするものである。
これによって、前記形態42と同様の効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0104】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面を参照しながら詳述する。
図1〜図14は、本発明の印刷システム100および印刷システム用プログラム、印刷方法およびプリンタサーバ、プリンタサーバ用プログラム、プリンタ、プリンタ用プログラムならびに前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する第1の実施の形態を示したものである。
【0105】
図1は、本発明に係る印刷システム100の第1の実施の形態を示した機能ブロック図である。
図示するように、この印刷システム100は、少なくとも1つ以上のプリンタ(クライアント装置)110とプリンタサーバ120とが、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN)やイーサネット(登録商標)などのローカルエリアネットワーク(LAN)などの有線・無線のネットワークNを介して相互に情報通信可能に接続された構成となっている。
また、このプリンタ110は、印字ヘッド200を備えた印刷部10と、テストパターン画像読取部12と、画像データ送信部14と、補正データ受信部16と、印刷データ取得部18と、印刷データ補正部20と、補正データ保存部22とから主に構成されており、以下、これら各部の機能について説明する。
【0106】
先ず、印刷部10は、図2および図3に示すような印字ヘッド200を用いて補正後の印刷データやテストパターン画像などを印刷媒体上に印刷して印刷物を作成するインクジェット方式の印刷手段であり、この印字ヘッド200の他に、この印字ヘッド200を印刷媒体上をその幅方向に往復移動させる図示しない印字ヘッド送り機構(マルチパス型の場合)や、印刷媒体を移動させるための図示しない紙送り機構、前記印刷用データに基づいて印字ヘッド200のインクの吐出を制御する図示しない印字ヘッドコントローラ機構などの公知の構成要素から構成されている。
【0107】
図2は、この印字ヘッド200の構造を示す部分拡大底面図、図3は、その部分拡大断面図である。
先ず、図2に示すように、この印字ヘッド200は、いわゆるラインヘッド型のプリンタに用いられる印刷用紙の紙幅方向に延びる長尺構造をしており、ブラック(K)インクを専用に吐出するノズルNが複数個(図では18個)、主走査方向に直線状に配列されたブラックノズルモジュール50と、イエロー(Y)インクを専用に吐出するノズルNが複数個、同じく主走査方向に直線状に配列されたイエローノズルモジュール52と、マゼンタ(M)インクを専用に吐出するノズルNが複数個、同じく主走査方向に直線状に配列されたマゼンタノズルモジュール54と、シアン(M)インクを専用に吐出するノズルNが複数個、同じく主走査方向に直線状に配列されたシアンノズルモジュール56といった4つ(4色)のノズルモジュール50、52、54、56が印刷方向(副走査方向)に重なるように一体的に配列して構成されている。なお、モノクロを目的とする印字ヘッドの場合は、ブラックノズルモジュール50のみ、また、さらに高画質な画像をターゲットとする印字ヘッドの場合は、ライトシアン(LS)インクやライトマゼンタ(LM)インクをそれぞれ専用に吐出するためのノズルを備えたライトシアンモジュールやライトマゼンタモジュールなどを加えた6色や8色のインクを吐出可能なものもある。
【0108】
そして、図3は、例えば、これら4つのノズルモジュール50、52、54、56のなかの1つであるブラックノズルモジュール50の内部構造を側面から示したものであり、各ノズルN1、N2、N3…ごとにそれぞれ設けられたインクチャンバー内に供給されたインクをそれら各インクチャンバーごとに設けられたピエゾ素子(piezo actuator)などの圧電素子によって各ノズルN1、N2、N3…から吐出することで、白色の印刷用紙S上に円形のドットを印字(インク着弾)するようになっている。さらに、この圧電素子に加える電圧を多段階に制御することによってインクチャンバーからのインクの吐出量を制御して各ノズルN1、N2、N3…ごとにサイズの異なるドットが印字可能となっている。
【0109】
また、このような構造をした印字ヘッド(インクモジュール)200にあっては、製造段階における各ノズルN1、N2、N3…のノズル孔の大きさのバラツキやインクの供給圧の差などにより、規定量通りにインクが吐出されない場合がある。
特に、このようなインク吐出量のバラツキは、図3に示すようにヘッド端部側に位置するノズルN1やN2などに発生し易く、このようなヘッド端部側のノズルN1やN2では規定量以上のインクが吐出されて所定サイズ以上のドットが印字されやすいといった傾向にある。
【0110】
例えば、図4に示すように、「ドットなし」を含めた8つのサイズの異なるドットを打ち分けるパターンでは、それぞれ通常のノズルで形成されるドットサイズ(図中左側)に比べて、ヘッド端部のノズルでは、それぞれ通常のノズルに比べて1〜2サイズ大きめのドット(図中右側)が形成されてしまう結果となる。
図4は、通常のノズルとヘッド端部ノズルとの吐出量の違いを示す概念図であり、図示するように、ヘッド端部ノズルで印字されるドットのサイズは、いずれのドットサイズにおいても通常のノズルで印字されるドットのサイズよりも1〜2段階大きくなる傾向がある。
【0111】
従って、インク吐出量がすべてのノズルで均一な印字ヘッド200を用いて印刷を実行した場合では、図5に示すようにいずれのドットサイズも規定サイズに印字される(すべてのドットサイズを同じにした場合)のに対し(理想的なドットパターン)、図3に示したようにヘッド端部ノズルのインク吐出量が他のノズルよりも多いといった特性のノズルモジュール50を用いて印刷を実行すると、図6に示すように、ヘッド端部ノズル(図の例では「N1」および「N1440」)によって印字されるドットのサイズのみが他のノズルで印字されるドットに比べて1〜2サイズ大きくなってしまう結果となる。なお、このようにインク吐出量が他のノズルよりも多くなる現象は、ノズル不良などによってヘッド端以外のノズルでも当然に発生する可能性がある。
【0112】
次に、テストパターン画像読取部12は、この印刷部10で印刷したテストパターン画像を光学的に読み取って、テストパターン画像の画像データであるテストパターン画像データを得る機能を提供するものであり、いわゆるスキャナなどの撮像素子を用いた公知の光学的画像読取手段によって構成されるようになっている。
ここで、このテストパターン画像読取部12で読み取るためのテストパターン画像としては、特に限定されるものではないが、例えば、前述したように前記印字ヘッド200の各ノズルによって印字可能なドットサイズが「ドットなし」を含めた8つのサイズであるときは、図7に示すような、それぞれのドットサイズのみで形成可能な8段階の濃度パターンからなるテストパターン画像を用いることが望ましい。なお、図7のテストパターン画像の縦方向は印字ヘッド200の幅であり、横方向は印刷方向を示している。
【0113】
次に、画像データ送信部14は、このテストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを、そのテストパターン画像データの識別情報と共に前記ネットワークNを介して前記サーバ装置120に送信する機能を提供するものであり、公知のデータ通信手段によって実現されている。
ここで、テストパターン画像データと共に送信する「テストパターン画像データの識別情報」としては、そのテストパターン画像データ自体の識別情報の他に、例えば、その情報の発信元であるプリンタ(クライアント装置)を特定するためのプリンタID(シリアル番号など)や、印字ヘッド特性、インク種別、インク残量、設置場所平均気温、設置場所平均湿度、延べ印刷枚数、平均印刷枚数(1日)などのステータス情報が含まれる。また、前述したテストパターン画像データの読み取り解像度に関する情報も併せて送信されるようになっている。
【0114】
次に、補正データ受信部16は、この画像データ送信部14の画像データ送信処理に対応して前記サーバ装置120から送信されてきた補正データを受信して、受信した補正データを印刷データ補正部20に送信、または補正データ保存部22に保存する機能を提供するようになっている。
ここで、「補正データ」としては、特に限定するものではないが、例えば、経時劣化やステータス変化などに起因する、印刷部10の印字ヘッド200の特性変化による印刷品質の低下を防止するために、その印字ヘッド200の特性変化に合わせて印刷データの内容を補正する際に用いるデータを対象とするものであり、その具体例については後述する。
【0115】
また、補正データ保存部22は、ハードディスクドライブ(HDD)や半導体記憶媒体などの公知のデータ記憶装置などから構成されており、前記補正データ受信部16で受信した補正データの他に、前述したプリンタステータス情報やテストパターン画像データ、後述する印刷データなどを必要に応じて読み出し自在に保存する機能を提供するようになっている。
【0116】
次に、印刷データ取得部18は、前述した印刷部10で実際の印刷に供する印刷データを外部、例えばパソコンなどの印刷指示装置(印刷データ生成装置)などから取得する機能を提供するものであり、さらに、場合によっては多値の画像データを取得してその多値の画像データから印刷データを生成する機能を提供するようになっている。
また、ここでいう「印刷データ」とは、元の画像データの各画素に対応するドットの大きさや色などに関する情報である。
【0117】
例えば、その印刷データが多値のカラー画像データからなるものであって、そのカラー画像データが多階調のRGBデータ(1画素あたり各色(R、G、B)ごとの階調(輝度値))が8ビット、256階調(0〜255)で表現される画像データであれば、これを色変換処理して前記印刷部10の印字ヘッド200の各インクに対応する多値のCMYK(4色の場合)データに変換した後、図8に示すように、各色の色データごとにN値化してそのN値に対応するサイズのドットを割り当ててなるものである。
【0118】
図8は、このように多階調の画像データから印刷データを生成するためのドット・階調変換テーブル300Aの一例を示したものである。
図の右欄に示すように、印刷データの元となる画像データのそれぞれの画素の画素値(濃度値)が8ビット、256階調で特定されており、これを階調:N=8として8値化する場合は、図示するように、7つの閾値を用いてそれぞれの画素の画素値を8つに分類するようになっている。
【0119】
すなわち、このドット・階調変換テーブル300Aによれば、多値の画像データのそれぞれの画素の画素値(輝度値)が8ビット(0〜255)で特定される場合、「32」、「64」、「96」、「128」、「159」、「191」、「223」といった7つの閾値を用い、画素値が「255〜223」の場合は、N=1(濃度「0」)、画素値が「222〜191」の場合は、N=2(濃度「36」)、画素値が「190〜159」の場合は、N=3(濃度「73」)、画素値が「158〜128」の場合は、N=4(濃度「109」)、画素値が「127〜96」の場合は、N=5(濃度「146」)、画素値が「95〜64」の場合は、N=6(濃度「182」)、画素値が「63〜32」の場合は、N=7(濃度「219」)、画素値が「31〜0」の場合は、N=8(濃度「255」)として8値化するようになっている。
【0120】
そして、同図の左欄に示すように、このようにして各画素ごとにN値化された各画素ごとに、対応するドットを設定して印刷データを生成するようになっている。
図の例では、「階調:N=8」の8値化とし、画素値として「濃度値」を選択した場合、「N=1」の場合のドットサイズは「ドットなし」、「N=2」の場合のドットサイズは、ドットの面積が最も小さい「小ドット」、「N=3」の場合のドットサイズは、小ドットよりやや大きい「中ドット」、…「N=8」の場合のドットサイズは、ドットの面積が最も広い「大ドット」にそれぞれ変換される。なお、この画素値として「輝度値」を採用する場合は、この「濃度値」とは逆の関係のドットにそれぞれ変換されることになる。
【0121】
次に、印刷データ補正部20は、この印刷データ取得部18で取得した印刷データを、前記補正データ受信部16で受信した補正データ、あるいは補正データ保存部22に保存された補正データに基づいて補正する機能を提供するようになっている。
すなわち、後に詳述するように、印刷実行部18の印字ヘッド200の特性、特にノズル特性は常に一定でなく、一般に時間の経過やステータスの変化、例えばインク残量などに伴って変化することが知られている。
【0122】
例えば、前記印刷部10の印字ヘッド200がインクジェット方式によってサイズの異なるドットを印字するものであれば、インクの残量、時間の経過や周囲の温度によってインクの粘度などが変化して、形成されるドットサイズが元の画素値に対応するものと異なったりする。また、前述したように、同じ径のノズル孔であってもその形成位置によっては、吐出されるインクの量が異なって所望のサイズのドットが得られないことがある。
従って、この印刷データ補正部20は、このような原因によって印字ヘッド200の特性が変化した場合に、前記補正データ受信部16で取得した補正データに基づいて、その特性変化に合わせて元の印刷データの内容を一部、あるいは全部を補正するようになっている。
【0123】
一例を挙げると、受信した補正データによると、印字ヘッド200のあるノズルによって印字されるドットサイズが、その印刷データで規定されるドットサイズよりも1段階大きいドットが形成されてしまうと判断される場合は、そのノズルによって印字されるドットのサイズを1段階小さなサイズにするようになっている。
これによって、印字ヘッド200の特性が変化した場合であっても、その特性変化が吸収(相殺)されることになるため、元の印刷データを充実に再現した高画質の印刷物を得ることが可能となる。
【0124】
ここで、以上のような構成をしたプリンタ110は、印刷のための各種制御や印刷部10、テストパターン画像読取部12、画像データ送信部14、補正データ受信部16、印刷データ取得部18、印刷データ補正部20、補正データ保存部22などをソフトウェア上で実現するためのコンピュータシステムを備えており、そのハードウェア構成は、図10に示すように、各種制御や演算処理を担う中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)60と、主記憶装置(Main Storage)を構成するRAM(Random Access Memory)62と、読み出し専用の記憶装置であるROM(Read Only Memory)64との間をPCI(Peripheral Component Interconnect)バスやISA(Industrial Standard Architecture)バス等からなる各種内外バス68で接続すると共に、このバス68に入出力インターフェース(I/F)66を介して、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置(Secondary Storage)70や、印刷装置72、操作パネルやマウス、キーボード、スキャナなどの入力装置74、およびプリンタサーバや図示しない印刷指示装置(パソコン)などと通信するためのネットワークNなどを接続したものである。
【0125】
そして、電源を投入すると、ROM64等に記憶されたBIOS等のシステムプログラムが、ROM64に予め記憶された各種専用のコンピュータプログラム、あるいは、CD−ROMやDVD−ROM、フレキシブルディスク(FD)などの記憶媒体を介して、またはインターネットなどの通信ネットワークNを介して記憶装置70にインストールされた各種専用のコンピュータプログラムを同じくRAM62にロードし、そのRAM62にロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPU60が各種リソースを駆使して所定の制御および演算処理を行うことで前述したような各部の各機能をソフトウェア上で実現できるようになっている。
【0126】
次に、一方のプリンタサーバ120は、図1に示すように、画像データ受信部30と、画像データ解析部32と、印字ヘッド特性取得部34と、補正データ生成部36と、補正データ送信部38と、補正データ保存部40とから主に構成されており、以下、これら各部の機能について説明する。
先ず、画像データ受信部30は、前記クライアント装置の画像データ送信部からネットワークNを介して送られてきた前記テストパターン画像データをその識別情報などと共に受信して画像データ解析部32に送信する機能を提供するようになっており、公知のデータ通信手段などによって構成されている。
【0127】
この画像データ解析部32は、この画像データ受信部30で受信した前記テストパターン画像データを解析する機能を提供するようになっている。
ここで、この画像データ解析部32における解析内容としては特に限定するものではないが、例えば、前記テストパターン画像データの各階調の平均濃度やそのドットサイズが所定サイズであるか、あるいは飛行曲がり現象やドット抜けなどが発生しているかなどを解析してその解析結果を印字ヘッド特性取得部34に送信するようになっている。
【0128】
次に、印字ヘッド特性取得部34は、この画像データ解析部32での解析結果から前記印字ヘッド200の特性を求める機能を提供するようになっている。
図9は、この印字ヘッド特性取得部34で取得した前記印字ヘッド200の特性の1つであるドットサイズに関する印字ヘッド特性テーブル300Bの一例を示したものであるである。図の例では、ノズル端部に位置するノズル番号「1」、「2」および「1440」のノズルによって印字されるドットサイズが正常なドットサイズに比べて1〜2段階大きくなっていることを示している。
【0129】
次に、補正データ生成部36は、この印字ヘッド特性取得部34で取得した印字ヘッド200の特性に応じた補正データを生成する機能を提供するようになっている。
ここで、この補正データ生成部36で生成される補正データとしては、前述したように様々であって特に限定されるものではないが、例えば、前記印字ヘッド特性取得部34で取得した印字ヘッド200の特性が、図9に示すような印字200の各ノズルのドットサイズに関するものであるときは、そのノズル端部に位置するノズル番号「1」、「2」および「1440」のノズルによって印字されるドットのサイズがそれぞれ1〜2段階小さくなるなどのようにそのノズルに対応する印刷データの画素値が小さくなるような内容のデータとなっている。
【0130】
また、この補正データ生成部36は、生成した補正データを補正データ保存部40に保存すると共に、前記印字ヘッド特性取得部34で取得した印字ヘッド200の特性の内容によっては、先ずこの補正データ保存部40にアクセスして対応する補正データが保存されているか検索する機能も発揮できるようになっている。そして、検索の結果、所望の保存データが保存されていない場合は、前記のように所定の保存データを生成することになるが、所望の保存データが保存されている場合は、その補正データの生成処理に代わってその補正データを読み出してそのまま利用するようになっている。
【0131】
次に、補正データ送信部38は、この補正データ生成部36で生成した補正データを同じくネットワークNを介してプリンタ110に送信する機能を提供するものであり、また、補正データ保存部40は、前述したように、補正データ生成部36で生成した補正データなどの各種データを保存する機能を提供するようになっている。
【0132】
ここで、このプリンタサーバ120は、前記プリンタ110と同様に、これら画像データ受信部30、画像データ解析部32、印字ヘッド特性取得部34、補正データ生成部36、補正データ送信部38、補正データ保存部40などをソフトウェア上で実現するためのコンピュータシステムを備えており、そのハードウェア構成は、図11に示すように、各種制御や演算処理を担う中央演算処理装置であるCPU80と、RAM82と、ROM84との間をPCIバスやISAバスなどからなる各種内外バス88で接続すると共に、このバス88に入出力インターフェース(I/F)86を介して、HDDなどの外部記憶装置90や、CRT、LCDモニタ等の出力装置92、操作パネルやマウス、キーボード、スキャナなどの入力装置94、および図示しない印刷指示装置などと通信するためのネットワークNなどを接続したものである。
【0133】
そして、電源を投入すると、ROM84等に記憶されたBIOSなどのシステムプログラムが、ROM84に予め記憶された各種専用のコンピュータプログラム、あるいは、CD−ROMやDVD−ROM、フレキシブルディスク(FD)などの記憶媒体を介して、またはインターネットなどの通信ネットワークNを介して記憶装置90にインストールされた各種専用のコンピュータプログラムを同じくRAM82にロードし、そのRAM82にロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPU80が各種リソースを駆使して所定の制御および演算処理を行うことで前述したような各手段の各機能をソフトウェア上で実現できるようになっている。
【0134】
なお、このプリンタ110とプリンタサーバ120との間の情報の送受信に用いるプロトコル(通信規約)としては、特に限定されるものでなく、例えばネットワークNとしてインターネットなどを用いる場合は、インターネットなどで標準的なプロトコルであるTCP/IPなどが用いられることになる。
【0135】
次に、このような構成をした印刷システム100を用いた印刷処理の流れの一例を図12および図13のフローチャート図を参照しながら説明する。
先ず、図12のフローチャート図に示すように、この印刷システム100の各プリンタ110は、電源投入後、印刷処理のための所定の初期動作や通信のための確認動作が終了したならば、最初のステップS100に移行して、テストパターン画像の印刷要求の有無を監視し、テストパターン画像の印刷要求があったと判断したとき(Yes)は、次のステップS102に移行してその印刷部10によってそのテストパターン画像を印刷してテストパターン画像の印刷物を作成して次のステップS104に移行する。
【0136】
ステップS104では、テストパターン画像読取部12によって、その印刷物を光学的に読み取って(スキャン)2進数で表現できるようなテストパターン画像データを作成した後、次のステップS106に移行し、ステップS106では、画像データ送信部14によってそのテストパターン画像データをプリンタサーバ120側に送ることになる。
【0137】
次に、プリンタサーバ120は、最初のステップS108において、画像データ受信部30がいずれかのプリンタ110からそのテストパターン画像データが送られてきたか否かを常時監視し、いずれかのプリンタ110からそのテストパターン画像データが送られてきたと判断したとき(Yes)は、次のステップS110に移行して、画像データ解析部32がそのテストパターン画像データを解析して次のステップS112に移行する。
【0138】
ステップS112では、印字ヘッド特性取得部34によってその画像データの解析結果からその画像データを送ってきたプリンタ110の印字ヘッド200の特性を取得して次のステップS114に移行し、補正データ生成部36によってその印字ヘッド200の補正データを生成し、次のステップS116に移行して、補正データ送信部38によってその補正データを、前記テストパターン画像データを送ってきたプリンタ110へ送信する。
【0139】
そして、このようにして前記テストパターン画像データをプリンタサーバ120側に送信したプリンタ110は、所定時間経過後、ステップS118に移行して、プリンタサーバ120から所望の補正データが送られてきたか否かを判断し、所定時間(日時)経過しても所望の補正データが送られてこないと判断したとき(No)は、先のステップS106に戻って再度、先にスキャンしたテストパターン画像データを送信する。なお、前記ステップS106における画像データ送信処理の有無は、画像データ送信部14から補正データ受信部16にも送られてくるため、補正データ受信部16では、テストパターン画像データの送信時間から補正データ受信待機のタイマーをスタートさせることで、容易に補正データ受信待機時間を設定することができる。
【0140】
これに対し、所定時間(日時)内に所望の補正データが送られてきたと判断したとき(Yes)は、次のステップS120に移行して、その補正データを補正データ保存部22に保存して引き続き次の判断ステップS122に移行する。
ステップS112では、補正データの保存部22等に保存された補正データの取得要求があるか否かを判断し、補正データの取得要求がないと判断したとき(No)は、そのまま処理を終了することになるが、補正データの取得要求があると判断したときは、最後のステップS124に移行して、補正データの保存処理と共に、その補正データを印刷データ補正部20などに提供して処理を終了することになる。
【0141】
このように本実施の形態に係る印刷システム100は、個々のプリンタ(クライアント装置)110が適宜所定のテストパターン画像を印刷し、それを読み込んだ画像データをプリンタサーバ120に送るだけで、そのプリンタサーバ120がその経時劣化(変化)状況などに合わせた最適な補正データを生成してそのプリンタ110へ提供することができる
。これによって、プリンタ(クライアント装置)110ごとに大量の補正データを保持する必要がなくなるため、その補正データを保持するためのメモリ(記憶装置)が不要となる。また、個々のプリンタ(クライアント装置)110側で独自に補正データを作成する必要がなくなるため、個々のクライアント装置の情報処理能力を無駄に消費することがないなどといった優れた効果が得られる。
【0142】
そして、このようにして所定の補正データの取得が可能なプリンタ110によって印刷を実行するに際しては、図13のフローチャート図に示すように、先ず最初のステップS200に移行する。
この最初のステップS200では、図示しない印刷指示装置などからその印刷部10を利用する印刷要求があるか否かを監視し、印刷要求があったと判断したとき(Yes)は、次のステップS202に移行してその印刷データ取得部18によってその印刷要求に対応する印刷データを取得したか否かを判断する。
【0143】
印刷要求がないと判断したとき(No)および印刷データを取得していないと判断したとき(No)は、そのまま待機状態に戻るが、ステップS202において印刷データを取得したと判断したとき(Yes)は、引き続き次の判断ステップS204に移行してその印字ヘッド200に対応する補正データがそのプリンタ110に存在しているか否かを判断する。
【0144】
この判断処理の結果、補正データが存在していると判断したとき(Yes)は、ステップS210までジャンプすることになるが、補正データが存在していないと判断したとき(No)は、次のステップS206に移行して前記画像データ送信部14などに対して補正データの取得要求を行ってから次の判断ステップS208に移行する。
ステップS208では、先のステップS206において行った補正データの取得要求に対する補正データを取得したか否かを判断し、取得要求を出してから所定時間経過しても補正データが取得できなかったとき(No)は、印刷処理を行わずにそのまま処理を終了するか、あるいは補正データによる印刷データの補正処理を行わない状態で強制的に印刷処理を行うことになる。
【0145】
これに対し、補正データ取得要求を出してから所定時間内に所定の補正データが取得できたとき(Yes)は、次のステップS210に移行して、前述した印刷データ補正部20によってその補正データを用いて印刷データを補正する。
そして、このようにして印刷データの補正処理が終了したならば、最後のステップS212に移行し、前記印刷部10がその印字ヘッド200を用いて印刷を実行することになる。
【0146】
このように本実施の形態に係るプリンタ100は、プリンタサーバ120から取得した補正データに基づいて補正した印刷データを用いて印刷を実行するようになっているため、前述したように印刷部10の印字ヘッド200の各ノズル間にインク吐出量のバラツキなどがあっても、常に高品質な印刷物を得ることが可能となる。
なお、本実施の形態では、プリンタ110からプリンタサーバ120へ送信される情報は、少なくともテストパターン画像データとその識別情報(プリンタIDなど)があれば良いが、この他に例えば、テストパターン画像読取(スキャン)解像度やテストパターン画像番号なども同時にプリンタサーバ120に送信し、プリンタサーバ120側の補正データ生成部36でスキャン解像度、テストパターン画像番号によって補正データを生成するようにしても問題ない。
【0147】
例えば、このテストパターン画像データとして、図7に示すような8階調の他、16階調のパターンで16個の階調データを切り出して補正データを生成するようにしても問題ない。また、スキャン解像度を送ることによって印字ヘッド200のノズル数×8倍の解像度でも4倍の解像度でも補正データを正確に生成できるようになる。さらに、現在使われているスキャナの殆どはデフォルトでガンマ特性を変えていることから、スキャナテストパターン画像読取部12として市販のスキャナを用いる場合は、その機種名や型番なども送ることによって、スキャナの特性も排除した補正データを生成することができる。
【0148】
また、このテストパターン画像データは、プリンタドライバなどと共に図示しないパソコンなどの印刷指示装置に提供されたものを用いても良いし、プリンタ110自身がネットワークNを介してインターネット上の他のサーバ装置から取得するようにしたものであっても良いし、また、個々のプリンタ110を製造する際に、予めプリンタ110内に組み込まれているものであっても良い。
【0149】
また、本実施の形態における、「プリンタ110」および「プリンタサーバ120」は、前記課題を解決するための手段の欄に記載した形態1などの印刷システムの「クライアント装置」および「サーバ装置」に対応し、「プリンタ110」の印刷部10、印字ヘッド200、テストパターン画像読取部12、画像データ送信部14、補正データ受信部16、印刷データ取得部18、印刷データ補正部20、補正データ保存部22などは、同じく前記課題を解決するための手段の欄に記載した形態1などの印刷システムの「クライアント装置」の印刷部、印字ヘッド、テストパターン画像読取部、画像データ送信部、補正データ受信部、印刷データ取得部、印刷データ補正部、補正データ保存部などにそれぞれ対応するものである。
【0150】
また、「プリンタサーバ120」の画像データ受信部30、画像データ解析部32、印字ヘッド特性取得部34、補正データ生成部36、補正データ送信部38、補正データ保存部40などは、同じく前記課題を解決するための手段の欄に記載した形態1などの印刷システムの「サーバ装置」の画像データ受信部、画像データ解析部、印字ヘッド特性取得部、補正データ生成部、補正データ送信部、補正データ保存部などにそれぞれ対応するものである。
【0151】
また、本発明の印刷システム100のプリンタ110から印字ヘッド200と印刷実行部200を分離すれば、その機能はパソコンなどの汎用の情報処理装置(画像処理装置)のみで実現することも可能となる。
すなわち、このプリンタ110のテストパターン画像読取部12、画像データ送信部14、補正データ受信部16、印刷データ取得部18、印刷データ補正部20、補正データ保存部22とをパソコンなどの汎用の情報処理装置で実現すれば、専用のプリンタ110を製作しなくとも、既存のインクジェット式印刷装置(プリンタ)などをそのまま活用することが可能となる。
【0152】
また、前述した本発明の印刷システム100を実現するための、各部は既存の殆どのプリンタに組み込まれたコンピュータシステムを用いたソフトウェア上で実現することが可能であり、そのコンピュータプログラムは、予め半導体ROMに記憶させた状態で製品中に組み込んだり、インターネットなどのネットワークを介して配信する他、図14に示すようにCD−ROMやDVD−ROM、FDなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体Rを介することによって所望するユーザなどに対して容易に提供することが可能となる。
【0153】
次に、図15〜図17は、本発明の印刷システム100および印刷システム用プログラム、印刷方法およびプリンタサーバ、プリンタサーバ用プログラム、プリンタ、プリンタ用プログラムならびに前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する第2の実施の形態を示したものである。
【0154】
図15は、本発明に係る印刷システム100の第2の実施の形態を示した機能ブロック図である。
図示するように、この印刷システム100は、前記第1の実施の形態と同様に、少なくとも1つ以上のプリンタ(クライアント装置)110とプリンタサーバ120とが、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN)やイーサネット(登録商標)などのローカルエリアネットワーク(LAN)などの有線・無線のネットワークNを介して相互に情報通信可能に接続された構成となっている。
【0155】
また、このプリンタ110は、印字ヘッド200を備えた印刷部10と、補正データ受信部16と、印刷データ取得部18と、印刷データ補正部20と、補正データ保存部22と、印刷物送付部24と、印刷通知送信部25と、補正データ受信予定情報取得部26と、受信予定情報表示部27とから主に構成されており、以下、これら各部の機能について説明する。なお、前記第1の形態の印刷システム100のプリンタ110と同一の機能を有する部分は、同一の符号を用いてその機能の説明は省略する。
先ず、印刷物送付部24は、前述したような印字ヘッド200を備えた印刷部10で印刷したテストパターン画像の識別情報を生成したりするなどの当該テストパターン画像の印刷物Pの送付準備を行うと共に、当該印刷物Pを、その識別情報などと共にプリンタサーバ120側に送付する機能を提供するようになっている。
【0156】
ここで、このテストパターン画像の印刷物Pは印刷用紙上にテストパターン画像を印刷した物理的な物体であって、前記第1の実施の形態のようにネットワークNを介してプリンタサーバ120側に送ることができないことから、郵便や宅配システムを用いて印刷物Pをその識別情報(例えば、識別情報の記載された書類、識別情報の記録されたコンピュータ読取可能な記憶媒体など)と共に、プリンタサーバ120の利用者宛(ここでは、プリンタサーバ120の管理者とする)に送付するようになっている。なお、印刷物Pの識別情報は電子情報として、印刷物Pとは別にネットワークNを介してプリンタサーバ120側に送付することも可能である。
【0157】
次に、印刷通知送信部25は、この印刷物送付部24が前記印刷物Pを前記プリンタサーバ120側に送付した旨の通知をネットワークNを介してそのプリンタサーバ120に送信する機能を提供するようになっている。
また、補正データ受信予定情報取得部26は、この印刷通知送信部25の送信に対応してそのプリンタサーバ120からネットワークNを介して送信される補正データの受信日時に関する情報を取得する機能を提供するようになっている。
さらに、受信予定情報表示部27は、この補正データ受信予定情報取得部26で取得した前記補正データの受信日時に関する情報を表示する機能を提供するものであり、具体的には、CRTや液晶モニタなどから構成されている。
【0158】
ここで、以上のような構成をした本実施の形態のプリンタ110は、前記第1の実施の形態と同様に、印刷のための各種制御や印刷部10、補正データ受信部16、印刷データ取得部18、印刷データ補正部20、補正データ保存部22、印刷物送付部24、印刷通知送信部25、補正データ受信予定情報取得部26、受信予定情報表示部27などをソフトウェア上で実現するためのコンピュータシステムを備えており、そのハードウェア構成は、図10と同様に、CPU60と、RAM62と、ROM64との間をバス68で接続すると共に、このバス68に入出力インターフェース(I/F)66を介して、外部記憶装置70や、印刷装置72、入力装置74、およびネットワークNなどを接続したものである。
【0159】
そして、同様に電源を投入すると、ROM64等に記憶されたBIOS等のシステムプログラムが、ROM64に予め記憶された各種専用のコンピュータプログラムをRAM62にロードし、そのRAM62にロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPU60が各種リソースを駆使して所定の制御および演算処理を行うことで前述したような各部の各機能をソフトウェア上で実現できるようになっている。
【0160】
次に、一方のプリンタサーバ120は、図15に示すように、画像データ解析部32と、印字ヘッド特性取得部34と、補正データ生成部36と、補正データ送信部38と、補正データ保存部40と、印刷物取得部42と、テストパターン画像読取部43と、印刷通知受信部44と、予約状況確認部45と、補正データ送信予定情報算出部46と、補正データ送信予定情報通知部47と、印刷物配送手配部48とから主に構成されており、以下、これら各部の機能について説明する。なお、前記プリンタ110と同様に前記第1の形態の印刷システム100のプリンタサーバ120と同一の機能を有する部分は、同一の符号を用いてその機能の説明は省略する。
【0161】
先ず、印刷物取得部42は、前記プリンタ110の印刷物送付部24から郵便などによって送られてきた前記印刷物Pをその識別情報などと共に取得してテストパターン画像読取部43に送る機能を提供するようになっている。
ここで、このテストパターン画像の印刷物P(識別情報の書類または記憶媒体なども含む)は、前述したように物理的な物体であり郵便や宅配システムを用いて、プリンタサーバ120の管理者宛に送付されてくるので、印刷物P(識別情報の書類または記憶媒体なども含む)の取得は前記管理者が行い、更に、当該管理者等が印刷物Pをテストパターン画像読取部43の読み取り位置に設置する。なお、識別情報が書類に記載されている場合は、その識別情報を前記管理者がプリンタサーバ120に入力したりする。一方、識別情報が記憶媒体で送付されてきた場合は、プリンタサーバ120において、その記憶媒体から識別情報を読み出す。
【0162】
次に、このテストパターン画像読取部43は、印刷物取得部で取得した前記印刷物のテストパターン画像を光学的に読み取って、読み取ったテストパターン画像データを画像データ解析部32へ送る機能を提供するものであり、前記第1の実施の形態におけるプリンタ110のテストパターン画像読取部12に相当するものである。
次に、印刷通知受信部44は、前記プリンタ110の印刷通知送信部25からの通知を受信して予約状況確認部45に通知する機能を提供するようになっている。
【0163】
また、この予約状況確認部45は、この印刷通知受信部44で受信した印刷通知に対応して前記テストパターン画像読取部43の予約状況を確認する機能を提供するようになっている。すなわち、このプリンタサーバ120に対して前記プリンタ100が多数接続されていてそれら各プリンタ110からほぼ同時に印刷物Pの処理要求があった場合、前記テストパターン画像読取部43が時間優先による処理を行っていると、後から入った処理要求に対しては処理待ち状態となり、その間は前記テストパターン画像読取部43の処理を予約している状態であり、従って、この予約状況確認部45は、後から入った処理要求に対して前記テストパターン画像読取部43の予約状況を確認する機能を発揮するようになっている。
【0164】
次に、補正データ送信予定情報算出部46は、この予約状況確認部45で確認した予約状況に基づいて前記補正データの送信日時に関する情報を算出する機能を提供するようになっている。
また、補正データ送信予定情報通知部47は、この補正データ送信予定情報算出部46で算出された前記補正データの送信日時に関する情報を前記プリンタ110の補正データ受信予定情報取得部26に送信する機能を提供するようになっている。
一方、印刷物配送手配部48は、前記プリンタクライアント装置の印刷物送付準備部で送付される印刷物の送付に関する手配、例えば、郵便物としての郵便事業者への集配の手配や宅配業者への集配の手配などを行う機能を提供するようになっている。
【0165】
そして、このような構成をした本実施の形態のプリンタサーバ120も、前記第1の実施の形態と同様に、前記画像データ解析部32、印字ヘッド特性取得部34、補正データ生成部36、補正データ送信部38、補正データ保存部40、印刷物取得部42、テストパターン画像読取部43、印刷通知受信部44、予約状況確認部45、補正データ送信予定情報算出部46、補正データ送信予定情報通知部47、印刷物配送手配部48などをソフトウェア上で実現するためのコンピュータシステムを備えており、そのハードウェア構成は、図11などと同様に、各種制御や演算処理を担う中央演算処理装置であるCPU80と、RAM82と、ROM84との間をPCIバスやISAバスなどからなる各種内外バス88で接続すると共に、このバス88に入出力インターフェース(I/F)86を介して、HDDなどの外部記憶装置90や、CRT、LCDモニタ等の出力装置92、操作パネルやマウス、キーボード、スキャナなどの入力装置94、および図示しない印刷指示装置などと通信するためのネットワークNなどを接続したものである。
【0166】
そして、電源を投入すると、ROM84等に記憶されたBIOSなどのシステムプログラムが、ROM84に予め記憶された各種専用のコンピュータプログラム、あるいは、CD−ROMやDVD−ROM、フレキシブルディスク(FD)などの記憶媒体を介して、またはインターネットなどの通信ネットワークNを介して記憶装置90にインストールされた各種専用のコンピュータプログラムを同じくRAM82にロードし、そのRAM82にロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPU80が各種リソースを駆使して所定の制御および演算処理を行うことで前述したような各手段の各機能をソフトウェア上で実現できるようになっている。
【0167】
次に、このような構成をした印刷システム100を用いた印刷処理の流れの一例を図17および図18のフローチャート図を参照しながら説明する。
先ず、図17のフローチャート図に示すように、この印刷システム100の各プリンタ110は、電源投入後、印刷処理のための所定の初期動作や通信のための確認動作が終了したならば、最初のステップS300に移行して、テストパターン画像の印刷要求の有無を監視し、テストパターン画像の印刷要求があったと判断したとき(Yes)は、次のステップS302に移行してその印刷部10によってそのテストパターン画像を印刷してテストパターン画像の印刷物を作成して次のステップS304に移行する。
【0168】
ステップS304では、前記ステップS302で作成されたテストパターン画像の印刷物を梱包するなどして郵便や宅配システムを利用してプリンタサーバ120側に送付して次のステップS306に移行する。
ステップS306では、プリンタサーバ20の印刷物取得部42がいずれかのプリンタ110からそのテストパターン画像の印刷物Pを取得したか否かを監視し、所定時間内にいずれのプリンタ110からも印刷物Pが送られてこないとき(No)は、最初のステップ300に戻ることになるが、所定の時間内に、いずれかのプリンタ110からそのテストパターン画像の印刷物Pが送られてきたと判断したとき(Yes)は、次のステップS308に移行して、テストパターン画像読取部43によって、そのテストパターン画像の印刷物Pを光学的に読み取って(スキャン)2進数で表現できるようなテストパターン画像データを作成してそのテストパターン画像データを生成する。なお、このステップS308においては、時間優先の規定により印刷物取得部42に早く到着した印刷物Pから順番に処理するようになっていることから、テストパターン画像読取部43が稼働中の場合は、予約待ち状態となる。
【0169】
次に、このようにしてプリンタ110側から送られてきた印刷物Pの画像データを生成したならば、次のステップS310に移行して画像データ解析部32がそのテストパターン画像データを解析して次のステップS312に移行する。
ステップS312では、印字ヘッド特性取得部34によってその画像データの解析結果からその画像データを送ってきたプリンタ110の印字ヘッド200の特性を取得して次のステップS314に移行し、補正データ生成部36によってその印字ヘッド200の補正データを生成し、次のステップS316に移行して、補正データ送信部38によってその補正データを、前記印刷物Pを送ってきたプリンタ110へ送信する。
【0170】
そして、このようにして前記テストパターン画像データをプリンタサーバ120側に送信したプリンタ110は、所定時間経過後、ステップS318に移行して、プリンタサーバ120から所望の補正データが送られてきたか否かを判断し、所定時間(日時)経過しても所望の補正データが送られてこないと判断したとき(No)は、先のステップS304に戻って再度、同じ印刷物Pをプリンタサーバ120側に送ることになる。なお、前記ステップS304における印刷物Pの送付処理の有無は、印刷物送付部24から補正データ受信部16にも送られてくるため、補正データ受信部16では、テストパターン画像データの送信時間から補正データ受信待機のタイマーをスタートさせることで、容易に補正データ受信待機時間を設定することができる。
【0171】
これに対し、このステップS318において、所定時間(日時)内に所望の補正データが送られてきたと判断したとき(Yes)は、次のステップS320に移行して、その補正データを補正データ保存部22などに保存して引き続き次の判断ステップS322に移行する。
ステップS312では、補正データの保存部22などに保存された補正データの取得要求があるか否かを判断し、補正データの取得要求がないと判断したとき(No)は、そのまま処理を終了することになるが、補正データの取得要求があると判断したときは、最後のステップS324に移行して、補正データの保存処理と共に、その補正データを印刷データ補正部20などに提供して処理を終了することになる。
【0172】
このように本実施の形態に係る印刷システム100では、前記第1の実施の形態が、印刷したテストパターン画像の印刷物を各プリンタ110側に読み取りってその画像データをプリンタサーバ120側に送るようにしたのに対し、印刷物Pそのものを郵送などによってプリンタサーバ120側に送り、プリンタサーバ120側においてその送られた印刷物Pを自己のテストパターン画像読取部43で読み取ってその画像データを取得するようにしたものである。
【0173】
これによって、前記第1の実施の形態と同様な効果が得られると共に、各プリンタ110側において一般に高価なテストパターン画像読取部(スキャナなど)が不要となるため、各プリンタ110のコストを削減できると共に、プリンタ110の数が増えるに従ってシステム全体の設備コストの低減も同時に達成することができる。
また、プリンタサーバ120側において個々のプリンタ110から送られてきた印刷物Pを一括して読み取ることができるため、各プリンタ110ごとのテストパターン画像読取部43の読み取り精度のバラツキを防止して正確な補正データを生成・提供することができる。
【0174】
そして、このようにして所定の補正データを取得した各プリンタ110は、所定の印刷データを取得したならば、図13の印刷処理フローに示すように、その補正データに基づいてその印刷データを適宜補正した後、自己の印字ヘッド200や印刷部10などを用いて印刷を実行することで、前記第1の実施の形態と同様に、高品質な印刷物を容易に得ることができる。
【0175】
次に、図17は、印刷物Pの送付に対する補正データの取得予定の通知に関する処理の流れを示したものである。
図17に示すように、先ず、この印刷システム100は、最初のステップS40において、プリンタ110の印刷物送付部24によってプリンタサーバ120側へテストパターン画像の印刷物Pが送付されたか否かを監視し、印刷物Pの送付があったと判断したとき(Yes)は、次のステップS402に移行してプリンタ110側の印刷通知送信部25によって印刷物Pをプリンタサーバ120側に送付した旨の通知を、その日時やプリンタIDなどに関する情報と共にネットワークNなどを介して通知して、次のステップS404に移行する。
【0176】
ステップS404では、プリンタサーバ120側の印刷通知受信部44によって印刷物送信通知が受信されたか否かが監視され、受信したと判断したとき(Yes)は、次のステップS406に移行して、予約状況確認部44が前記テストパターン画像読取部43の予約状況に関する情報を取得し、その情報から前記テストパターン画像読取部43の予約状況を確認して次のステップS408に移行する。
【0177】
ステップS408では、補正データ送信予定情報算出部46が、このステップS406で確認した前記テストパターン画像読取部43の予約状況に基づいて、前記印刷物送付部24で送付した印刷物Pに対応する補正データの生成およびその送信予定日時などに関する情報を算出する。
そして、このようにして対象の補正データの生成およびその送信予定日時などに関する情報を算出したならば、次のステップS410に移行して補正データ送信予定情報通知部47が、算出された補正データ送信予定情報をネットワークNを介して、先に通知があったプリンタ110に通知して次のステップS412に移行する。
【0178】
ステップS412では、プリンタ110の補正データ受信予定情報取得部27がプリンタサーバ120側からステップS402の通知に対応する送信予定日時に関する情報があるか否かを監視し、所定時間経過しても当該情報を取得できないと判断したとき(No)は再度ステップS402に戻って同様の処理を繰り返すことになるが、これとは反対に、当該情報を取得したと判断したとき(Yes)は、次のステップS414に移行してそのプリンタ110の受信予定情報表示部27などによってその送信予定日時に関する情報を表示して処理を終了することになる。
【0179】
このように本実施の形態では、個々のプリンタ110からプリンタサーバ120に印刷物Pを送付すると同時に、その旨をネットワークNを介してプリンタサーバ120に通知してその印刷物Pに対応する補正データの送信予定を算出して表示するようにしたことから、各プリンタ110のユーザなどは、その送付に対応するプリンタサーバ120からの補正データの実際の提供時期に関する情報を得ることができ、今後の印刷スケジュールなどに有効活用することができる。
【0180】
なお、本実施の形態では、各プリンタ110の印刷物送付部24による印刷物Pの送付と同時、あるいは送付直後に印刷物Pを送付した旨の通知を行うようにしたが、それ以前、例えばテストパターン画像の印刷前や印刷直後に、その通知を行うようにしても良い。
また、本実施の形態では、さらに、プリンタサーバ120側に各プリンタ110の印刷物送付部24で送付される印刷物Pの送付に関する手配を行う印刷物配送手配部48を設けたため、前記印刷通知受信部44は、各プリンタ110の印刷通知送信部25からの通知を受信したときは、その旨をプリンタサーバ120の印刷物配送手配部48にも通知するようになっているため、迅速かつ確実に各プリンタ110で生成されたテストパターン画像の印刷物Pの受け渡しを実現することができる。
【0181】
また、本実施の形態では、印刷物Pの配送業者の指定や連絡などの配送の手配をプリンタサーバ120の印刷物配送手配部48によって行うようにしたが、各プリンタ110のユーザが自らその印刷物Pを直接持参あるいは郵送するようにしても良い。
また、印刷するテストパターとして、そのまま送付できる形態で印刷してユーザが直接印刷してスフしても問題ない。例えば、各プリンタ110が両面印刷が可能なプリンタであり、片面は送付先の住所など宛名を印刷し、もう片面はテストパターン画像を印刷するような構成でも良い。また、印刷結果を直接送付するような場合、テストパターン画像が送付途中に傷まないように保護シートで保護したり、別途封筒に入れるようにすれば、なお、好ましい。
【0182】
なお、本実施の形態における、「プリンタ110」および「プリンタサーバ120」は、前記課題を解決するための手段の欄に記載した形態2や5、6などの印刷システムの「クライアント装置」および「サーバ装置」に対応し、「プリンタ110」の印字ヘッド200、印刷部10、補正データ受信部16、印刷データ取得部18、印刷データ補正部20、補正データ保存部22、印刷物送付部24、印刷通知送信部25、補正データ受信予定情報取得部26、受信予定情報表示部27などは、同じく前記課題を解決するための手段の欄に記載した形態1や5、6などの印刷システムの「クライアント装置」の印字ヘッド、印刷部、補正データ受信部、印刷データ取得部、印刷データ補正部、補正データ保存部、印刷物送付準備部、印刷通知送信部、補正データ受信予定情報取得部、受信予定情報表示部などにそれぞれ対応するものである。
【0183】
また、「プリンタサーバ120」の画像データ解析部32、印字ヘッド特性取得部34、補正データ生成部36、補正データ送信部38、補正データ保存部40、テストパターン画像読取部43、印刷通知受信部44、予約状況確認部45、補正データ送信予定情報算出部46、補正データ送信予定情報通知部47、印刷物配送手配部48などは、同じく前記課題を解決するための手段の欄に記載した形態2や5、6などの印刷システムの「サーバ装置」の画像データ解析部、印字ヘッド特性取得部、補正データ生成部、補正データ送信部、補正データ保存部、テストパターン画像読取部、印刷通知受信部、予約状況確認部、補正データ送信予定情報算出部、補正データ送信予定情報通知部、印刷物配送手配部などにそれぞれ対応するものである。
【0184】
また、本実施の形態に係る印刷システム100も、そのプリンタ110から印字ヘッド200や印刷部10などを分離すれば、その機能はパソコンなどの汎用の情報処理装置(画像処理装置)のみで実現することも可能となる。
また、本実施の形態でも前記第1の実施の形態と同様に、印刷システム100を実現するための、各部は既存の殆どのプリンタに組み込まれたコンピュータシステムを用いたソフトウェア上で実現することが可能であり、そのコンピュータプログラムは、予め半導体ROMに記憶させた状態で製品中に組み込んだり、インターネットなどのネットワークを介して配信する他、図14に示すようにCD−ROMやDVD−ROM、FDなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体Rを介することによって所望するユーザなどに対して容易に提供することが可能となる。
【0185】
次に、図18および図197は、本発明の印刷システム100および印刷システム用プログラム、印刷方法およびプリンタサーバ、プリンタサーバ用プログラム、プリンタ、プリンタ用プログラムならびに前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する第3の実施の形態を示したものである。
【0186】
先ず、図18は、本発明に係る印刷システム100の第3の実施の形態を示した機能ブロック図である。
図示するように、この印刷システム100は、前記第1および第2の実施の形態と同様に、少なくとも1つ以上のプリンタ(クライアント装置)110とプリンタサーバ120とが、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN)やイーサネット(登録商標)などのローカルエリアネットワーク(LAN)などの有線・無線のネットワークNを介して相互に情報通信可能に接続された構成となっている。
【0187】
また、このプリンタ110は、図18に示すように印字ヘッド200を備えた印刷部10と、テストパターン画像読取部12と、画像データ送信部14と、補正データ受信部16と、印刷データ取得部18と、印刷データ補正部20と、補正データ保存部22と、印刷物送付部24とから主に構成されており、これら各部の機能は、前記第1および第2の実施の形態の対応する部分とほぼ同様である。
【0188】
一方のプリンタサーバ120は、図18に示すように画像データ受信部30と、画像データ解析部32と、印字ヘッド特性取得部34と、補正データ生成部36と、補正データ送信部38と、補正データ保存部40と、印刷物取得部42と、テストパターン画像読取部43とから主に構成されており、これら各部の機能も、前記第1および第2の実施の形態の対応する部分とほぼ同様である。
【0189】
また、以上のような構成をした本実施の形態のプリンタ110およびプリンタサーバ120も、前記第1および第2の実施の形態と同様に、図10および図11に示すようなハードウェア構成をしたコンピュータシステムを備えており、ROMなどに記憶されたBIOS等のシステムプログラムが、ROMに予め記憶された各種専用のコンピュータプログラムをRAMにロードし、そのRAMにロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPUが各種リソースを駆使して所定の制御および演算処理を行うことで前述したような各部の各機能をソフトウェア上で実現できるようになっている。
【0190】
そして、このような構成をした本実施の形態に係る印刷システム100を用いた印刷処理の流れの一例を図19のフローチャート図を参照しながら説明する。
先ず、図19のフローチャート図に示すように、この印刷システム100の各プリンタ110は、最初のステップS500に移行して、テストパターン画像の印刷要求の有無を監視し、テストパターン画像の印刷要求があったと判断したとき(Yes)は、次のステップS502に移行してその印刷部10によってそのテストパターン画像を印刷してテストパターン画像の印刷物を作成して次のステップS504に移行する。
【0191】
ステップS504では、前記第1の実施の形態と同様にテストパターン画像読取部12によってその印刷物を光学的に読み取って(スキャン)テストパターン画像データを作成した後、次のステップS506に移行し、ステップS506では、画像データ送信部14によってそのテストパターン画像データをプリンタサーバ120側に送ることになる。
次に、プリンタサーバ120は、最初のステップS508において、画像データ受信部30がいずれかのプリンタ110からそのテストパターン画像データが送られてきたか否かを常時監視し、いずれかのプリンタ110からそのテストパターン画像データが送られてきたと判断したとき(Yes)は、次のステップS510に移行して、画像データ解析部32がそのテストパターン画像データを解析して次のステップS512に移行する。
【0192】
ステップS512では、プリンタ110側から送られてきた先の画像データの画像データ解析部32による解析の結果、的確な補正データで生成可能であるか否かを判断し、十分に生成可能であると判断したとき(Yes)は、ステップS518までジャンプして前記第1の実施の形態における処理の流れと同様に、ステップS518におけるその解析結果からの印字ヘッド200の特性取得処理、ステップ520におけるその印字ヘッド200の特性からの補正データの生成処理、ステップ522におけるその補正データの送信処理、ステップS524における補正データの受信判断処理、ステップS526における補正データの保存処理、ステップS528における補正データの要求判断処理、およびステップS50における補正データの提供処理などを経て処理が終了することになる。
【0193】
一方、ステップS512における判断処理の結果、的確な補正データが生成困難であると判断したとき(No)、例えば、プリンタ110側のテストパターン画像読取部12のスキャナ解像度が2880dpiしかなく、これ以上の解像度が、正確な補正データを生成するのに必要な場合などのときは、次のステップS514に移行してその画像データを送ってきたプリンタ110に対してテストパターン画像データではなく、そのテストパターン画像の画像自体の印刷物Pの送付を要求する。
【0194】
前記ステップS506でテストパターン画像データを送ったプリンタ110は、その後、ステップS530に移行してプリンタサーバ120側から印刷物Pの送付要求があるか否かを監視し、所定時間経過しても印刷物Pの送付要求がないと判断したとき(No)はステップS524までジャンプすることになるが、所定時間内に印刷物Pの送付要求があったとき(Yes)は、次のステップS532に移行して前記第2の実施の形態のように印刷物送付部24によって、郵便や宅配システムを利用してその印刷物Pをプリンタサーバ120側に送付することになる。
【0195】
そして、プリンタサーバ120側は、ステップS514で印刷物Pの送付要求を行ったならば、次のステップS516に移行して、要求を行った印刷物Pが届いたか否かを判断し、所定時間を経過してもその印刷物Pが届かないと判断したとき(No)は、ステップS514に戻って再度プリンタ110に対して印刷物Pの送付要求を行うことになるが、所定時間内にその印刷物Pが届いたとき(Yes)は、自己の高性能(高解像度、高速など)なテストパターン画像読取部43を用いてその印刷物Pのテストパターン画像を読み取った後、前記第2の実施の形態と同様な処理を行うことになる。
【0196】
このように本実施の形態は、前記第1および第2の実施の形態では、プリンタ110またはプリンタサーバ120のいずれかに一方にのみ、テストパターン画像の印刷物をスキャンするためのテストパターン画像読取部を備えたものであるのに対し、本実施の形態は、このテストパターン画像読取部をプリンタ110またはプリンタサーバ120の双方に備え、プリンタ110側およびプリンタサーバ120側でそれぞれ独自に印刷したテストパターン画像の印刷物を光学的に読み取ることができるようにしたものである。
【0197】
これによって、前記第1および第2の実施の形態と同様な効果が得られると共に、前記第2の実施の形態ほど正確ではないものの、前記形態1で示した構成より遙かに正確な補正データを提供することができる。また、新たな補正データが必要となった場合でも、先に作成した補正データを部分的に修正することで新たな補正データを最初から作る必要がなくなって迅速かつ効率的に補正データを提供することができる。
【0198】
なお、図19のステップS512における補正データ生成可能性の判断処理方法としては、特に限定するものではないが、以下のような手順からなる判断処理方法が考えられる。
すなわち、1.プリンタ110から送られてきたテストパターン画像データから各階調テータを切り出す。2.補正データ保存手段22などに予め保存されている各プリンタ110の出荷時の階調データと比較する。3.比較した結果、指定閾値以下の差分であれば、そのテストパターン画像データを採用する。このとき、テストパターン画像データを修正する必要がある場合は、例えば、以下の式(1)などによってそのデータを修正する。
【0199】
Y=Y+α×F(X)…(1)
ここで、α:定数、X:差異量である。また、関数Fは、予め測定実験によって定められた関数とする。
4.これに対し、その閾値以上の差分であれば、プリンタ110に対して印刷物の送信要求を行う。
【0200】
また、本実施の形態における、「プリンタ110」および「プリンタサーバ120」は、前記課題を解決するための手段の欄に記載した形態3などの印刷システムの「クライアント装置」および「サーバ装置」に対応し、「プリンタ110」の印字ヘッド200、印刷部10、テストパターン画像読取部12、画像データ送信部14、補正データ受信部16、印刷データ取得部18、印刷データ補正部20、補正データ保存部22、印刷物送付部24などは、同じく前記課題を解決するための手段の欄に記載した形態3などの印刷システムの「クライアント装置」の印字ヘッド、印刷部、テストパターン画像読取部、画像データ送信部、補正データ受信部、印刷データ取得部、印刷データ補正部、補正データ保存部、印刷物送付準備部などにそれぞれ対応するものである。
【0201】
また、「プリンタサーバ120」の画像データ受信部30、画像データ解析部32、印字ヘッド特性取得部34、補正データ生成部36、補正データ送信部38、補正データ保存部40、テストパターン画像読取部43などは、同じく前記課題を解決するための手段の欄に記載した形態2や5、6などの印刷システムの「サーバ装置」の画像データ解析部、印字ヘッド特性取得部、補正データ生成部、補正データ送信部、補正データ保存部、テストパターン画像読取部などにそれぞれ対応するものである。
【0202】
また、本実施の形態に係る印刷システム100も、そのプリンタ110から印字ヘッド200や印刷部10などを分離すれば、その機能はパソコンなどの汎用の情報処理装置(画像処理装置)のみで実現することも可能となる。
また、本実施の形態でも前記第1および第2の実施の形態と同様に、印刷システム100を実現するための、各部は既存の殆どのプリンタに組み込まれたコンピュータシステムを用いたソフトウェア上で実現することが可能であり、そのコンピュータプログラムは、予め半導体ROMに記憶させた状態で製品中に組み込んだり、インターネットなどのネットワークを介して配信する他、図14に示すようにCD−ROMやDVD−ROM、FDなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体Rを介することによって所望するユーザなどに対して容易に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0203】
【図1】本発明に係る印刷システムの第1の実施の形態を示す機能ブロック図である。
【図2】印字ヘッドの構造を示す部分拡大底面図である。
【図3】図2の印字ヘッドの構造を示す部分拡大側面図である。
【図4】通常のノズルとヘッド端部ノズルとの吐出量の違いを示す概念図である。
【図5】すべてのノズルのインク吐出量が正常なときのドットパターンの一例を示す概念図である。
【図6】ヘッド端部のノズルのみのインク吐出量が増大したときのドットパターンの一例を示す概念図である。
【図7】テストパターン画像の一例を示す図である。
【図8】画素値と階調値(N値)および階調値とドットサイズとの関係を示したドット・階調変換テーブルの一例を示す図である。
【図9】印字ヘッド情報の一例を示す情報テーブルである。
【図10】本発明に係る印刷システムのプリンタを実現するコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図11】本発明に係る印刷システムのプリンタサーバを実現するコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図12】第1の実施の形態に係る補正データ取得処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【図13】第1の実施の形態に係る印刷処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【図14】本発明に係る各種プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の一例を示す概念図である。
【図15】本発明に係る印刷システムの第1の実施の形態を示す機能ブロック図である。
【図16】第2の実施の形態に係る補正データ取得処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【図17】第2の実施の形態に係る補正データ取得予定通知処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【図18】第3の実施の形態に係る補正データ取得処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【図19】第3の実施の形態に係る補正データ取得予定通知処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0204】
100…印刷システム、110…プリンタ(クライアント装置)、120…プリンタサーバ(サーバ装置)、200…印字ヘッド、300A…ドット・階調変換テーブル、300B…印字ヘッド特性テーブル、10…印刷部、12…テストパターン画像読取部、14…画像データ送信部、16…補正データ受信部、18…印刷データ取得部、20…印刷データ補正部、22…補正データ保存部、24…印刷物送付部、25…印刷通知送信部、26…補正データ受信予定情報取得部、27…受信予定情報表示部、30…画像データ受信部、32…画像データ解析部、34…印字ヘッド特性取得部、36…補正データ生成部、38…補正データ送信部、40…補正データ保存部、42…印刷物取得部、43…テストパターン画像読取部、44…印刷通知部、45…予約状況確認部、46…補正データ送信予定情報算出部、47…補正データ送信予定情報通知部、60、80…CPU、62、82…RAM、64、84…ROM、66、86…インターフェース、70、90…記憶装置、72…印刷装置、92…出力装置、74、94…入力装置、50…ブラックノズルモジュール、51…イエローノズルモジュール、52…マゼンタノズルモジュール、53…シアンノズルモジュール、54…ライトマゼンタノズルモジュール、55…ライトシアンノズルモジュール、S…印刷媒体(用紙)、N…ノズル、R…記録媒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムであって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信部と、当該画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送信されてきた補正データを受信する補正データ受信部と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記クライアント装置の画像データ送信部から送られてきた画像データを受信する画像データ受信部と、当該画像データ受信部で受信した画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムであって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備部と、当該印刷物送付準備部で送付準備の行われた前記印刷物に対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信部と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項3】
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムであって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信部と、前記印刷部で印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備部と、当該印刷物送付準備部で送付準備の行われた前記印刷物および前記画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信部と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記クライアント装置の画像データ送信部から送られてきた画像データを受信する画像データ受信部と、前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データおよび画像データ受信部で受信したテストパターン画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
請求項1または3に記載の印刷システムにおいて、
前記クライアント装置の画像データ送信部は、前記テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信するに際し、当該テストパターン画像データの読み取り解像度に関する情報を送信するようになっていることを特徴とする印刷システム。
【請求項5】
請求項2または3に記載の印刷システムにおいて、
前記クライアント装置は、さらに、
前記印刷物を前記サーバ装置に送付した旨の通知を前記サーバ装置に送信する印刷通知送信部と、当該印刷通知送信部の送信に対応して前記サーバ装置から送信される前記補正データの受信日時に関する情報を取得する補正データ受信予定情報取得部と、当該補正データ受信予定情報取得部で取得した前記補正データの受信日時に関する情報を表示する受信予定情報表示部と、を有し、
前記サーバ装置は、さらに、
前記クライアント装置の印刷通知送信部からの通知を受信する印刷通知受信部と、当該印刷通知受信部で受信した印刷通知に対応してテストパターン画像読取部の予約状況を確認する予約状況確認部と、当該予約状況確認部で確認した予約状況に基づいて前記補正データの送信日時に関する情報を算出する補正データ送信予定情報算出部と、当該補正データ送信予定情報算出部で算出された前記補正データの送信日時に関する情報を前記クライアント装置に送信する補正データ送信予定情報通知部と、を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項6】
請求項5に記載の印刷システムにおいて、
前記サーバ装置は、さらに、
前記クライアント装置の印刷物送付準備部で送付準備の行われる印刷物の送付に関する手配を行う印刷物配送手配部を有し、
前記印刷通知受信部は、前記クライアント装置の印刷通知送信部からの通知を受信したときは、印刷されたことを前記サーバ装置の印刷物配送手配部にも通知するようになっていることを特徴とする印刷システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷システムにおいて、
前記クライアント装置は、さらに、
印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得部と、前記印刷データ取得部で取得した印刷データを前記補正データ受信部で受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正部とを有し、
前記印刷部は、当該印刷データ補正部で補正された印刷データに基づいて印刷を実行するようになっていることを特徴とする印刷システム。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の印刷システムにおいて、
前記画像データ解析部は、前記印字ヘッドの形成するドットのサイズ、当該印字ヘッドのドット形成位置及び当該印字ヘッドの形成するドットの濃淡の少なくとも1つを解析するようになっていることを特徴とする印刷システム。
【請求項9】
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムで用いるプログラムであって、
前記クライアント装置のコンピュータを、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信部と、当該画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送信されてきた補正データを受信する補正データ受信部と、して機能させると共に、
前記サーバ装置のコンピュータを、
前記クライアント装置の画像データ送信部から送られてきた画像データを受信する画像データ受信部と、当該画像データ受信部で受信した画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、して機能させることを特徴とする印刷プログラム。
【請求項10】
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムで用いるプログラムであって、
前記クライアント装置のコンピュータを、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備部と、当該印刷物送付準備部で送付準備の行われた前記印刷物に対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信部と、して機能させると共に、
前記サーバ装置のコンピュータを、
前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、して機能させることを特徴とする印刷プログラム。
【請求項11】
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムで用いるプログラムであって、
前記クライアント装置のコンピュータを、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信部と、前記印刷部で印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備部と、当該印刷物送付準備部で送付準備の行われた前記印刷物および前記画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信部と、して機能させると共に、
前記サーバ装置のコンピュータを、
前記クライアント装置の画像データ送信部から送られてきた画像データを受信する画像データ受信部と、前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データおよび画像データ受信部で受信したテストパターン画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、して機能させることを特徴とする印刷プログラム。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか1項に記載の印刷プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項13】
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを用いる印刷方法であって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷ステップと、当該印刷ステップで印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信ステップと、当該画像データ送信ステップで送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送信されてきた補正データを受信する補正データ受信ステップと、を含み、
前記サーバ装置は、
前記クライアント装置から送られてきた前記テストパターン画像データを受信する画像データ受信ステップと、当該画像データ受信ステップで受信した画像データを解析する画像データ解析ステップと、当該画像データ解析ステップでの解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得ステップと、当該印字ヘッド特性取得ステップで取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成ステップと、当該補正データ生成ステップで生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信ステップと、を含むことを特徴とする印刷方法。
【請求項14】
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを用いる印刷方法であって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷ステップと、当該印刷ステップで印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備ステップと、当該印刷物送付準備ステップで送付準備の行われた前記印刷物に対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信ステップと、を含み、
前記サーバ装置は、
前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データを解析する画像データ解析ステップと、当該画像データ解析ステップでの解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得ステップと、当該印字ヘッド特性取得ステップで取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成ステップと、当該補正データ生成ステップで生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信ステップと、を含むことを特徴とする印刷方法。
【請求項15】
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを用いる印刷方法であって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷ステップと、当該印刷ステップで印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信ステップと、前記印刷ステップで印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備ステップと、当該印刷物送付準備ステップで送付準備の行われた前記印刷物および前記画像データ送信ステップで送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信ステップと、を含み、
前記サーバ装置は、
前記クライアント装置の画像データ送信ステップから送られてきた画像データを受信する画像データ受信ステップと、前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データおよび画像データ受信ステップで受信したテストパターン画像データを解析する画像データ解析ステップと、当該画像データ解析ステップでの解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得ステップと、当該印字ヘッド特性取得ステップで取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成ステップと、当該補正データ生成ステップで生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信ステップと、を含むことを特徴とする印刷方法。
【請求項16】
印字ヘッドを制御する印刷装置と情報通信可能に接続されたプリンタサーバであって、
前記印字ヘッドを用いて印刷されたテストパターン画像の画像データを受信する画像データ受信部と、当該画像データ受信部で受信した画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記印刷装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記印刷装置に送信する補正データ送信部と、を有することを特徴とするプリンタサーバ。
【請求項17】
請求項16に記載のプリンタサーバにおいて、
前記印刷装置からの前記テストパターン画像が印刷された印刷物を送付した旨の通知を受信する印刷通知受信部と、当該印刷通知受信部で受信した印刷通知に対応してテストパターン画像読取部の予約状況を確認する予約状況確認部と、当該予約状況確認部で確認した予約状況に基づいて前記補正データの送信日時に関する情報を算出する補正データ送信予定情報算出部と、当該補正データ送信予定情報算出部で算出された前記補正データの送信日時に関する情報を前記印刷装置に送信する補正データ送信予定情報通知部と、を有することを特徴とするプリンタサーバ。
【請求項18】
請求項17に記載のプリンタサーバにおいて、
前記印刷装置で送付準備の行われる印刷物の送付に関する手配を行う印刷物配送手配部を有し、
前記印刷通知受信部は、前記印刷装置からの前記通知を受信したときは、印刷されたことを前記サーバ装置の印刷物配送手配部にも通知するようになっていることを特徴とするプリンタサーバ。
【請求項19】
請求項16〜請求項18のいずれか1に記載のプリンタサーバにおいて、
前記画像データ解析部は、前記印字ヘッドの形成するドットのサイズ、当該印字ヘッドのドット形成位置及び当該印字ヘッドの形成するドットの濃淡の少なくとも1つを解析するようになっていることを特徴とするプリンタサーバ。
【請求項20】
印字ヘッドを制御する印刷装置と情報通信可能に接続されたプリンタサーバ用プログラムであって、
コンピュータを、
前記印字ヘッドを用いて印刷されたテストパターン画像の画像データを受信する画像データ受信部と、当該画像データ受信部で受信した画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記印刷装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記印刷装置に送信する補正データ送信部と、して機能させることを特徴とするプリンタサーバ用プログラム。
【請求項21】
印字ヘッドを制御する印刷装置と情報通信可能に接続されたプリンタサーバを制御するのに使用するプリンタサーバ制御方法であって、
前記印字ヘッドを用いて印刷されたテストパターン画像の画像データを受信する画像データ受信ステップと、当該画像データ受信ステップで受信した画像データを解析する画像データ解析ステップと、当該画像データ解析ステップでの解析結果から前記印刷装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得ステップと、当該印字ヘッド特性取得ステップで取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成ステップと、当該補正データ生成ステップで生成した補正データを前記印刷装置に送信する補正データ送信ステップと、を含むことを特徴とするプリンタサーバ制御方法。
【請求項22】
補正データを提供するプリンタサーバと情報通信可能に接続されると共に、印刷に用いる印字ヘッドを制御する印刷装置であって、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信する画像データ送信部と、当該画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記プリンタサーバから送信されてきた補正データを受信する補正データ受信部と、印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得部と、前記印刷データ取得部で取得した印刷データを前記補正データ受信部で受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正部とを有し、
前記印刷部は、当該印刷データ補正部で補正された印刷データに基づいて印刷を実行するようになっていることを特徴とする印刷装置。
【請求項23】
請求項22に記載の印刷装置において、
前記画像データ送信部は、前記テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信するに際し、当該テストパターン画像データの読み取り解像度に関する情報を送信するようになっていることを特徴とする印刷装置。
【請求項24】
請求項22または請求項23に記載の印刷装置において、
前記テストパターン画像が印刷された印刷物を送付した旨の通知を前記プリンタサーバに送信する印刷通知送信部と、当該印刷通知送信部の送信に対応して前記プリンタサーバから送信される前記補正データの受信日時に関する情報を取得する補正データ受信予定情報取得部と、当該補正データ受信予定情報取得部で取得した前記補正データの受信日時に関する情報を表示する受信予定情報表示部とを有することを特徴とする印刷装置。
【請求項25】
補正データを提供するプリンタサーバと情報通信可能に接続されると共に、印刷に用いる印字ヘッドを制御する印刷装置のコンピュータを、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信する画像データ送信部と、当該画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記プリンタサーバから送信されてきた補正データを受信する補正データ受信部と、印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得部と、前記印刷データ取得部で取得した印刷データを前記補正データ受信部で受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正部と、して機能させるプログラムを含み、
前記印刷部は、前記印刷データ補正部で補正された印刷データに基づいて印刷を実行することを特徴とする印刷装置用プログラム。
【請求項26】
補正データを提供するプリンタサーバと情報通信可能に接続されると共に、印刷に用いる印字ヘッドを制御する印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御方法であって、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷ステップと、当該印刷ステップで印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信する画像データ送信ステップと、当該画像データ送信ステップにおいて送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記プリンタサーバから送信されてきた補正データを受信する補正データ受信ステップと、印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得ステップと、前記印刷データ取得ステップで取得した印刷データを前記補正データ受信ステップで受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正ステップと、を含み、
前記印刷ステップは、前記印刷データ補正ステップで補正された印刷データに基づいて印刷を実行することを特徴とする印刷装置制御方法。
【請求項1】
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムであって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信部と、当該画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送信されてきた補正データを受信する補正データ受信部と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記クライアント装置の画像データ送信部から送られてきた画像データを受信する画像データ受信部と、当該画像データ受信部で受信した画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムであって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備部と、当該印刷物送付準備部で送付準備の行われた前記印刷物に対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信部と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項3】
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムであって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信部と、前記印刷部で印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備部と、当該印刷物送付準備部で送付準備の行われた前記印刷物および前記画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信部と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記クライアント装置の画像データ送信部から送られてきた画像データを受信する画像データ受信部と、前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データおよび画像データ受信部で受信したテストパターン画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
請求項1または3に記載の印刷システムにおいて、
前記クライアント装置の画像データ送信部は、前記テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信するに際し、当該テストパターン画像データの読み取り解像度に関する情報を送信するようになっていることを特徴とする印刷システム。
【請求項5】
請求項2または3に記載の印刷システムにおいて、
前記クライアント装置は、さらに、
前記印刷物を前記サーバ装置に送付した旨の通知を前記サーバ装置に送信する印刷通知送信部と、当該印刷通知送信部の送信に対応して前記サーバ装置から送信される前記補正データの受信日時に関する情報を取得する補正データ受信予定情報取得部と、当該補正データ受信予定情報取得部で取得した前記補正データの受信日時に関する情報を表示する受信予定情報表示部と、を有し、
前記サーバ装置は、さらに、
前記クライアント装置の印刷通知送信部からの通知を受信する印刷通知受信部と、当該印刷通知受信部で受信した印刷通知に対応してテストパターン画像読取部の予約状況を確認する予約状況確認部と、当該予約状況確認部で確認した予約状況に基づいて前記補正データの送信日時に関する情報を算出する補正データ送信予定情報算出部と、当該補正データ送信予定情報算出部で算出された前記補正データの送信日時に関する情報を前記クライアント装置に送信する補正データ送信予定情報通知部と、を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項6】
請求項5に記載の印刷システムにおいて、
前記サーバ装置は、さらに、
前記クライアント装置の印刷物送付準備部で送付準備の行われる印刷物の送付に関する手配を行う印刷物配送手配部を有し、
前記印刷通知受信部は、前記クライアント装置の印刷通知送信部からの通知を受信したときは、印刷されたことを前記サーバ装置の印刷物配送手配部にも通知するようになっていることを特徴とする印刷システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷システムにおいて、
前記クライアント装置は、さらに、
印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得部と、前記印刷データ取得部で取得した印刷データを前記補正データ受信部で受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正部とを有し、
前記印刷部は、当該印刷データ補正部で補正された印刷データに基づいて印刷を実行するようになっていることを特徴とする印刷システム。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の印刷システムにおいて、
前記画像データ解析部は、前記印字ヘッドの形成するドットのサイズ、当該印字ヘッドのドット形成位置及び当該印字ヘッドの形成するドットの濃淡の少なくとも1つを解析するようになっていることを特徴とする印刷システム。
【請求項9】
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムで用いるプログラムであって、
前記クライアント装置のコンピュータを、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信部と、当該画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送信されてきた補正データを受信する補正データ受信部と、して機能させると共に、
前記サーバ装置のコンピュータを、
前記クライアント装置の画像データ送信部から送られてきた画像データを受信する画像データ受信部と、当該画像データ受信部で受信した画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、して機能させることを特徴とする印刷プログラム。
【請求項10】
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムで用いるプログラムであって、
前記クライアント装置のコンピュータを、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備部と、当該印刷物送付準備部で送付準備の行われた前記印刷物に対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信部と、して機能させると共に、
前記サーバ装置のコンピュータを、
前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、して機能させることを特徴とする印刷プログラム。
【請求項11】
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを有する印刷システムで用いるプログラムであって、
前記クライアント装置のコンピュータを、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信部と、前記印刷部で印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備部と、当該印刷物送付準備部で送付準備の行われた前記印刷物および前記画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信部と、して機能させると共に、
前記サーバ装置のコンピュータを、
前記クライアント装置の画像データ送信部から送られてきた画像データを受信する画像データ受信部と、前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データおよび画像データ受信部で受信したテストパターン画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信部と、して機能させることを特徴とする印刷プログラム。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか1項に記載の印刷プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項13】
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを用いる印刷方法であって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷ステップと、当該印刷ステップで印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信ステップと、当該画像データ送信ステップで送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送信されてきた補正データを受信する補正データ受信ステップと、を含み、
前記サーバ装置は、
前記クライアント装置から送られてきた前記テストパターン画像データを受信する画像データ受信ステップと、当該画像データ受信ステップで受信した画像データを解析する画像データ解析ステップと、当該画像データ解析ステップでの解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得ステップと、当該印字ヘッド特性取得ステップで取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成ステップと、当該補正データ生成ステップで生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信ステップと、を含むことを特徴とする印刷方法。
【請求項14】
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを用いる印刷方法であって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷ステップと、当該印刷ステップで印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備ステップと、当該印刷物送付準備ステップで送付準備の行われた前記印刷物に対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信ステップと、を含み、
前記サーバ装置は、
前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データを解析する画像データ解析ステップと、当該画像データ解析ステップでの解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得ステップと、当該印字ヘッド特性取得ステップで取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成ステップと、当該補正データ生成ステップで生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信ステップと、を含むことを特徴とする印刷方法。
【請求項15】
印字ヘッドを制御するクライアント装置と、当該クライアント装置と情報通信可能に接続されたサーバ装置とを用いる印刷方法であって、
前記クライアント装置は、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷ステップと、当該印刷ステップで印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信ステップと、前記印刷ステップで印刷したテストパターン画像の印刷物を前記サーバ装置に送付する準備を行う印刷物送付準備ステップと、当該印刷物送付準備ステップで送付準備の行われた前記印刷物および前記画像データ送信ステップで送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記サーバ装置から送付された補正データを受信する補正データ受信ステップと、を含み、
前記サーバ装置は、
前記クライアント装置の画像データ送信ステップから送られてきた画像データを受信する画像データ受信ステップと、前記印刷物のテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データおよび画像データ受信ステップで受信したテストパターン画像データを解析する画像データ解析ステップと、当該画像データ解析ステップでの解析結果から前記クライアント装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得ステップと、当該印字ヘッド特性取得ステップで取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成ステップと、当該補正データ生成ステップで生成した補正データを前記クライアント装置に送信する補正データ送信ステップと、を含むことを特徴とする印刷方法。
【請求項16】
印字ヘッドを制御する印刷装置と情報通信可能に接続されたプリンタサーバであって、
前記印字ヘッドを用いて印刷されたテストパターン画像の画像データを受信する画像データ受信部と、当該画像データ受信部で受信した画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記印刷装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記印刷装置に送信する補正データ送信部と、を有することを特徴とするプリンタサーバ。
【請求項17】
請求項16に記載のプリンタサーバにおいて、
前記印刷装置からの前記テストパターン画像が印刷された印刷物を送付した旨の通知を受信する印刷通知受信部と、当該印刷通知受信部で受信した印刷通知に対応してテストパターン画像読取部の予約状況を確認する予約状況確認部と、当該予約状況確認部で確認した予約状況に基づいて前記補正データの送信日時に関する情報を算出する補正データ送信予定情報算出部と、当該補正データ送信予定情報算出部で算出された前記補正データの送信日時に関する情報を前記印刷装置に送信する補正データ送信予定情報通知部と、を有することを特徴とするプリンタサーバ。
【請求項18】
請求項17に記載のプリンタサーバにおいて、
前記印刷装置で送付準備の行われる印刷物の送付に関する手配を行う印刷物配送手配部を有し、
前記印刷通知受信部は、前記印刷装置からの前記通知を受信したときは、印刷されたことを前記サーバ装置の印刷物配送手配部にも通知するようになっていることを特徴とするプリンタサーバ。
【請求項19】
請求項16〜請求項18のいずれか1に記載のプリンタサーバにおいて、
前記画像データ解析部は、前記印字ヘッドの形成するドットのサイズ、当該印字ヘッドのドット形成位置及び当該印字ヘッドの形成するドットの濃淡の少なくとも1つを解析するようになっていることを特徴とするプリンタサーバ。
【請求項20】
印字ヘッドを制御する印刷装置と情報通信可能に接続されたプリンタサーバ用プログラムであって、
コンピュータを、
前記印字ヘッドを用いて印刷されたテストパターン画像の画像データを受信する画像データ受信部と、当該画像データ受信部で受信した画像データを解析する画像データ解析部と、当該画像データ解析部での解析結果から前記印刷装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得部と、当該印字ヘッド特性取得部で取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成部と、当該補正データ生成部で生成した補正データを前記印刷装置に送信する補正データ送信部と、して機能させることを特徴とするプリンタサーバ用プログラム。
【請求項21】
印字ヘッドを制御する印刷装置と情報通信可能に接続されたプリンタサーバを制御するのに使用するプリンタサーバ制御方法であって、
前記印字ヘッドを用いて印刷されたテストパターン画像の画像データを受信する画像データ受信ステップと、当該画像データ受信ステップで受信した画像データを解析する画像データ解析ステップと、当該画像データ解析ステップでの解析結果から前記印刷装置の印字ヘッドの特性を求める印字ヘッド特性取得ステップと、当該印字ヘッド特性取得ステップで取得した印字ヘッドの特性に応じた補正データを生成する補正データ生成ステップと、当該補正データ生成ステップで生成した補正データを前記印刷装置に送信する補正データ送信ステップと、を含むことを特徴とするプリンタサーバ制御方法。
【請求項22】
補正データを提供するプリンタサーバと情報通信可能に接続されると共に、印刷に用いる印字ヘッドを制御する印刷装置であって、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信する画像データ送信部と、当該画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記プリンタサーバから送信されてきた補正データを受信する補正データ受信部と、印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得部と、前記印刷データ取得部で取得した印刷データを前記補正データ受信部で受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正部とを有し、
前記印刷部は、当該印刷データ補正部で補正された印刷データに基づいて印刷を実行するようになっていることを特徴とする印刷装置。
【請求項23】
請求項22に記載の印刷装置において、
前記画像データ送信部は、前記テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信するに際し、当該テストパターン画像データの読み取り解像度に関する情報を送信するようになっていることを特徴とする印刷装置。
【請求項24】
請求項22または請求項23に記載の印刷装置において、
前記テストパターン画像が印刷された印刷物を送付した旨の通知を前記プリンタサーバに送信する印刷通知送信部と、当該印刷通知送信部の送信に対応して前記プリンタサーバから送信される前記補正データの受信日時に関する情報を取得する補正データ受信予定情報取得部と、当該補正データ受信予定情報取得部で取得した前記補正データの受信日時に関する情報を表示する受信予定情報表示部とを有することを特徴とする印刷装置。
【請求項25】
補正データを提供するプリンタサーバと情報通信可能に接続されると共に、印刷に用いる印字ヘッドを制御する印刷装置のコンピュータを、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷部と、当該印刷部で印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取部と、当該テストパターン画像読取部で読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信する画像データ送信部と、当該画像データ送信部から送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記プリンタサーバから送信されてきた補正データを受信する補正データ受信部と、印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得部と、前記印刷データ取得部で取得した印刷データを前記補正データ受信部で受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正部と、して機能させるプログラムを含み、
前記印刷部は、前記印刷データ補正部で補正された印刷データに基づいて印刷を実行することを特徴とする印刷装置用プログラム。
【請求項26】
補正データを提供するプリンタサーバと情報通信可能に接続されると共に、印刷に用いる印字ヘッドを制御する印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御方法であって、
前記印字ヘッドを用いて所定のテストパターン画像を印刷する印刷ステップと、当該印刷ステップで印刷したテストパターン画像を読み取るテストパターン画像読取ステップと、当該テストパターン画像読取ステップで読み取ったテストパターン画像データを前記プリンタサーバに送信する画像データ送信ステップと、当該画像データ送信ステップにおいて送信された前記テストパターン画像データに対応した、前記プリンタサーバから送信されてきた補正データを受信する補正データ受信ステップと、印刷に供する印刷データを取得する印刷データ取得ステップと、前記印刷データ取得ステップで取得した印刷データを前記補正データ受信ステップで受信した補正データに基づいて補正する印刷データ補正ステップと、を含み、
前記印刷ステップは、前記印刷データ補正ステップで補正された印刷データに基づいて印刷を実行することを特徴とする印刷装置制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
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【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2006−309723(P2006−309723A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−64594(P2006−64594)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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