印刷システム、印刷制御装置およびプログラム
【課題】印刷対象文書の一部を印刷対象から除外することなく、印刷出力における経済性をより適切に向上させることが可能な技術を提供する。
【解決手段】印刷システムにおいて、印刷対象データの出力コンセプトに関するユーザ設定が受け付けられる。また、印刷対象データが解析され、出力コンセプトに応じて「低重要度ページ」(所定の基準よりも低い重要度を有するページ)が抽出される。そして、低重要度ページに対して、出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定(エコ設定)がページ単位で適用される。たとえば、出力コンセプトが「メール印刷」の場合には、引用部分のみを含むページが「低重要度ページ」として抽出され、当該低重要度ページに対して「2in1」、「モノクロ」、「低解像度」、「再生紙」などの各種の経済性向上設定が設定される。
【解決手段】印刷システムにおいて、印刷対象データの出力コンセプトに関するユーザ設定が受け付けられる。また、印刷対象データが解析され、出力コンセプトに応じて「低重要度ページ」(所定の基準よりも低い重要度を有するページ)が抽出される。そして、低重要度ページに対して、出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定(エコ設定)がページ単位で適用される。たとえば、出力コンセプトが「メール印刷」の場合には、引用部分のみを含むページが「低重要度ページ」として抽出され、当該低重要度ページに対して「2in1」、「モノクロ」、「低解像度」、「再生紙」などの各種の経済性向上設定が設定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システムおよびそれに関連する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷システムにおいて、経済性を向上させることが可能な技術が存在する。
【0003】
たとえば、特許文献1には、電子メールを印刷する際に、当該電子メール本文中に他の電子メールを引用した部分(引用部分)が存在する場合に、当該引用部分の印刷出力を省略する技術が記載されている。これによれば、引用部分の印刷出力を省略することにより、印刷用紙の節約等を図ることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−59078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザが電子メールの印刷を指示している場合においては、ユーザは電子メール本文内の最新の文書部分のみならず引用部分をも参照したいという要望を有していることも多い。このような状況において、上記特許文献1に記載の技術のように、印刷対象文書(電子メール)内の引用部分(最新の文書部分以外の部分)を印刷出力しないことは必ずしも適切ではない。
【0006】
そこで、この発明は、印刷出力における経済性をより適切に向上させることが可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、印刷システムであって、印刷対象データの出力コンセプトに関するユーザ設定を受け付ける手段と、前記印刷対象データを解析し、前記出力コンセプトに応じて、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出する抽出手段と、前記低重要度ページに対して、前記出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定をページ単位の印刷設定として適用する設定手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る印刷システムにおいて、前記出力コンセプトは、電子メールにおける非引用部分の確認を主眼とする第1のコンセプトであり、前記抽出手段は、前記印刷対象データに関する複数の印刷出力ページのうち、前記電子メールで引用されている他の電子メールからの引用部分のみで構成されるページを前記低重要度ページとして抽出することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2の発明に係る印刷システムにおいて、前記第1のコンセプトに応じて定められた前記経済性向上設定は、サイズ関連設定とカラー関連設定と画質関連設定と用紙関連設定とのうちの少なくとも1つに関する設定内容を含むことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2の発明に係る印刷システムにおいて、前記第1のコンセプトに応じて定められた前記経済性向上設定は、2in1設定を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1の発明に係る印刷システムにおいて、前記出力コンセプトは、テキスト文書の確認を主眼とする第2のコンセプトであり、前記抽出手段は、前記印刷対象データに関する複数の印刷出力ページのうち、テキスト以外の構成要素の構成割合が所定値以上のページを前記低重要度ページとして抽出することを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5の発明に係る印刷システムにおいて、前記第2のコンセプトに応じて定められた前記経済性向上設定は、モノクロ設定を含まず且つ2in1設定を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかの発明に係る印刷システムにおいて、前記設定手段は、前記低重要度ページとして抽出されたページ数に応じて、縮小印刷設定に関する前記経済性向上設定を前記低重要度ページに適用するか否かを決定することを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、印刷システムであって、印刷対象データを解析し、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出する抽出手段と、前記低重要度ページに対するページ単位設定を、当該低重要度ページの情報に応じて設定する設定手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明は、請求項8の発明に係る印刷システムにおいて、前記設定手段は、当該低重要度ページに含まれるコンテンツの種類に応じて経済性向上設定を決定し、前記低重要度ページに対して前記経済性向上設定を適用することを特徴とする。
【0016】
請求項10の発明は、請求項9の発明に係る印刷システムにおいて、前記印刷対象データの出力コンセプトに関するユーザ設定を受け付ける受付手段、をさらに備え、前記抽出手段は、前記印刷対象データを解析し、前記出力コンセプトに応じて前記低重要度ページを抽出し、前記設定手段は、前記低重要度ページに対して、前記コンテンツの種類に応じて前記出力コンセプトごとに定められた前記経済性向上設定を適用することを特徴とする。
【0017】
請求項11の発明は、請求項8の発明に係る印刷システムにおいて、前記設定手段は、前記低重要度ページとして抽出されたページ数に応じて、縮小印刷設定に関する前記経済性向上設定を前記低重要度ページに適用するか否かを決定することを特徴とする。
【0018】
請求項12の発明は、コンピュータに、a)印刷対象データの出力コンセプトに関するユーザ設定を受け付けるステップと、b)前記印刷対象データを解析し、前記出力コンセプトに応じて、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出するステップと、c)前記出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定をページ単位の印刷設定として前記低重要度ページに適用するステップと、を実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【0019】
請求項13の発明は、コンピュータに、a)印刷対象データを解析し、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出するステップと、b)前記低重要度ページに対するページ単位の印刷設定を、当該低重要度ページの情報に応じて設定するステップと、を実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【0020】
請求項14の発明は、印刷制御装置であって、印刷対象データの出力コンセプトに関するユーザ設定を受け付ける手段と、前記印刷対象データを解析し、前記出力コンセプトに応じて、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出する抽出手段と、前記低重要度ページに対して、前記出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定をページ単位で適用する設定手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1ないし請求項14に記載の発明によれば、印刷出力における経済性をより適切に向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】印刷システム(プリントシステム)の構成を示す概略図である。
【図2】コンピュータ(印刷制御装置)における機能ブロックを示す図である。
【図3】MFP(印刷装置)の構成を示す概略図である。
【図4】コンピュータにおける印刷制御動作を示すフローチャートである。
【図5】出力コンセプト等に関する設定画面を示す図である。
【図6】各出力コンセプトに応じて抽出される低重要度ページと各出力コンセプトに応じて変更されるエコ設定とに関するデータテーブルを示す図である。
【図7】抽出された「低重要度ページ」のページ数と適用されるエコ設定とに関するデータテーブルを示す図である。
【図8】低重要度ページの抽出例等(出力コンセプトが「文書印刷」である場合)を示す図である。
【図9】低重要度ページの抽出例等(出力コンセプトが「図表印刷」である場合)を示す図である。
【図10】低重要度ページの抽出例等(出力コンセプトが「メール印刷」である場合)を示す図である。
【図11】低重要度ページの抽出例等(出力コンセプトが「ウエブページ印刷」である場合)を示す図である。
【図12】低重要度ページの抽出例等(出力コンセプトが「更新文書印刷」である場合)を示す図である。
【図13】低重要度ページの抽出例等(出力コンセプトが「アンケート印刷」である場合)を示す図である。
【図14】設定確認画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
<1.システム概要>
図1は、印刷システム(プリントシステム)100の構成を示す概略図である。
【0025】
図1に示すように、印刷システム100は、印刷出力機構等を有する印刷装置(印刷出力装置)10と、印刷対象データに関する印刷出力用データ等を印刷装置10に対して送信するコンピュータ(印刷制御装置)90とを備える。
【0026】
コンピュータ90は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムとして構成される。コンピュータ90は、CPU、半導体メモリ(RAM等)およびハードディスク等を備えている。コンピュータ90は、そのCPU等を用いて各種のソフトウエアプログラムを実行することによって様々な機能を実現する。また、コンピュータ90は、表示部(ディスプレイ等)および操作入力部(キーボード、マウス等)を備えており、各種の情報の表示出力動作および操作入力動作を行うことができる。
【0027】
具体的には、コンピュータ90には所定のOS(オペレーティングシステム)がインストールされており、コンピュータ90は各種のアプリケーションソフトウエアプログラム(単に「プログラム」とも称する)PR1を当該OS上で実行することが可能である。例えば、コンピュータ90は、文書作成ソフトウエアなどのプログラムPR1を実行することが可能である。コンピュータ90は、当該プログラムPR1において、印刷対象文書(印刷対象ファイル)に対する作成動作および編集動作を行うことも可能である。
【0028】
また、コンピュータ90は、印刷動作を制御するソフトウエアプログラム(プリンタドライバプログラム(単に「プリンタドライバ」あるいは「プログラム」とも称する)PR2を実行することも可能である。例えば、プリンタドライバPR2は、アプリケーションソフトウエアプログラムPR1から呼び出されて実行される。プリンタドライバPR2は、ユーザからの設定操作等に基づき印刷対象ファイルに関する各種印刷設定を行って、印刷出力データを生成し印刷装置10に送信する。これにより、ユーザーからの印刷指示に基づき当該印刷対象ファイルが印刷装置10によって印刷出力される。
【0029】
なお、プログラムPR1,PR2は、ネットワークを経由してダウンロードされて取得されるようにしてもよく、あるいは、各種の可搬性記録媒体(CD−ROM,USBメモリ等)を介して取得されるようにしてもよい。
【0030】
コンピュータ90は、そのCPUにおいて、ハードディスク等に格納されているプログラムPR1,PR2等を実行することによって、各種の処理部を実現する。具体的には、図2に示すように、コンピュータ90は、印刷指示受付部81、低重要度ページ抽出部82、設定決定部83、印刷出力用データ生成部84およびデータ送信部85等を含む各種の処理部を実現する。
【0031】
印刷指示受付部81は、ユーザからの印刷指示を受け付ける処理部である。当該印刷指示には、印刷対象データBDの出力コンセプトCP(後述)に関するユーザ設定等が含まれる。
【0032】
低重要度ページ抽出部82は、印刷対象データBDを解析し、所定の基準よりも低い重要度を有するページを「低重要度ページ」として抽出する処理部である。低重要度ページ抽出部82は、ユーザにより設定された出力コンセプトCPに応じた基準に従って、印刷対象データBDから低重要度ページを抽出する。
【0033】
設定決定部83は、印刷設定(文書単位の印刷設定とページ単位の印刷設定との双方を含む)を決定する処理部である。設定決定部83は、低重要度ページ抽出部82によって抽出された「低重要度ページ」に対するページ単位設定を、当該低重要度ページの情報(当該ページのコンテンツの種類および/または当該ページのページ数等)に応じて設定する。後述するように、設定決定部83は、出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定(エコ設定)を適用して、各低重要度ページのページ単位での印刷設定を決定する。
【0034】
印刷出力用データ生成部84は、設定決定部83によって決定された変更後の印刷設定内容で、印刷出力用データを生成する処理部である。
【0035】
データ送信部85は、印刷出力用データ生成部84によって生成された印刷出力用データを印刷装置10に向けて送信する処理部である。
【0036】
図3は、印刷装置(画像形成装置とも称する)10の構成を示す概略図である。ここでは、印刷装置10は、マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral)(MFPとも略称する)として構成されているものとする。当該MFPは、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能およびデータ通信機能などを備える装置(複合機とも称する)である。
【0037】
図3に示すように、MFP10は、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5、入出力部6およびコントローラ9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
【0038】
画像読取部2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って、当該原稿の画像データ(原稿画像とも称する)を生成する処理部である。
【0039】
印刷出力部3は、対象画像に関する画像データに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
【0040】
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、ネットワークNWを介したネットワーク通信が可能である。このネットワーク通信では、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)およびFTP(File Transfer Protocol)等の各種のプロトコルが利用され、当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先との間で各種のデータを授受することが可能である。
【0041】
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)および不揮発性メモリ等の格納装置で構成される。格納部5には、印刷設定に関するデータテーブルDT(DT1,DT2)(図6および図7)等が格納される。
【0042】
入出力部6は、MFP10に対する入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。なお、入出力部6は、操作部とも称される。
【0043】
具体的には、MFP10には、入出力部6として機能する操作パネル部が設けられている。この操作パネル部は、各種ハードキーとタッチスクリーン63(不図示)とを有している。
【0044】
タッチスクリーン63は、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成されており、表示部6bの一部として機能するとともに、操作入力部6aの一部としても機能する。詳細には、タッチスクリーン63は、液晶表示パネルに各種の情報を表示することが可能であるとともに、液晶表示パネルに対する操作者の手指の操作位置を検知して、各種の入力を受け付けることも可能である。たとえば、タッチスクリーン63に表示された仮想的なボタンが操作者の手指によって触れられると、このような操作は当該仮想的なボタンに対する押下操作であるとみなされる。
【0045】
コントローラ9は、MFP10を統括的に制御する制御部であり、CPUと、各種の半導体メモリ(RAMおよびROM等)とを備えて構成される。コントローラ9の制御下において各種の処理部が動作することによって、MFP10の各種の機能が実現される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM等)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)PR3(不図示)を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラムPR3等は、ネットワークを経由してダウンロードされて取得されるようにしてもよく、あるいは、各種の可搬性記録媒体(USBメモリ等)を介して取得されるようにしてもよい。
【0046】
具体的には、コントローラ9は、入力制御部11、表示制御部12、印刷出力制御部18等を含む各種の処理部を実現する。
【0047】
入力制御部11は、ユーザからの各種指示入力を受け付ける処理部である。
【0048】
表示制御部12は、各種画面等をタッチスクリーン63に表示する表示動作を制御する処理部である。
【0049】
印刷出力制御部18は、コンピュータ90のプリンタドライバPR2等と協働して、印刷出力処理(認証印刷処理等)を制御する処理部である。印刷出力制御部18は、コンピュータ90から送信されてくる印刷出力用データ等に基づいて、印刷出力動作を実行する。
【0050】
<2.動作>
図4は、コンピュータ90における印刷制御動作を示すフローチャートである。
【0051】
この印刷システム100では、コンピュータ90において、印刷対象データBDに対する印刷指示がプリンタドライバPR2を用いてユーザにより付与されることによって、印刷動作が行われる。
【0052】
具体的には、まず、ユーザーは、コンピュータ90において、アプリケーションソフトウェアプログラムPR1を用いて印刷対象文書(印刷対象データBD)を作成し、アプリケーションソフトウェアプログラムPR1からプリンタドライバPR2を呼び出す。
【0053】
そして、プリンタドライバPR2の設定画面GA0(不図示)を用いて各種の設定動作が行われる(ステップS1)。ここでは、当該各種の設定動作において、「自動エコプリント」等に関する設定内容が指定(設定)されるものとする。具体的には、プリンタドライバPR2の設定画面GA0内の或るボタンの押下に応答してダイアログ画面GA1(図5参照)が表示され、当該ダイアログ画面(設定画面)GA1を用いて、「自動エコプリント」等に関する設定内容が指定される。
【0054】
図5に示すように、チェック欄R1にチェック印が付されることによって、「自動エコプリント」モードが設定される。「自動エコプリント」モードは、経済性を向上させることが可能な設定(経済性向上設定とも称する)をページ単位で自動的に設定するモードである。「自動エコプリント」モードにおいては、後述するように、「出力コンセプト」(CP)ごとに定められた経済性向上設定(「エコ設定」とも称する)が適用される。
【0055】
「出力コンセプト」は、印刷指示ユーザによる印刷出力の意図等(コンセプトとも称される)を表現するものである。この「出力コンセプト」は、印刷対象データBDにおける各ページの重要度を判定する際などに用いられる。
【0056】
ここでは、出力コンセプトCPとして、「文書印刷」、「図表印刷」、「メール印刷」、「ウエブページ印刷」、「更新文書印刷」、「アンケート印刷」の6種類のコンセプトCP1〜CP6(図6参照)を例示する。出力コンセプトCPは、印刷対象データBDの内容に基づいてユーザにより選択される。なお、図6は、各出力コンセプトCPに応じて抽出される低重要度ページと各出力コンセプトCPに応じて変更されるエコ設定とを記憶したデータテーブルDT1を示す図である。
【0057】
「文書印刷」は、テキスト文書の印刷出力および確認を主眼とする出力コンセプトであり、主にテキスト文書を印刷する際に選択される。「図表印刷」は、画像、図および/または表を含む文書の印刷出力および確認を主眼とする出力コンセプトであり、当該画像等を含む文書を印刷する際に選択される。「メール印刷」は、電子メールの非引用部分の印刷出力および確認を主眼とする出力コンセプトであり、電子メール(特に引用部分を含むもの)を印刷する際に選択される。「ウエブページ印刷」は、ウエブページの非広告部分の印刷出力および確認を主眼とする出力コンセプトであり、ウエブページ(特にバナー広告を含むもの)を印刷する際に選択される。「更新文書印刷」は、更新部分と非更新部分との両者を含む文書のうち、更新部分の印刷出力および確認を主眼とする出力コンセプトであり、更新部分を含む文書を印刷する際に選択される。「アンケート印刷」は、アンケートに関する複数の回答欄のうち記入済み回答欄の印刷出力および確認を主眼とする出力コンセプトであり、アンケートの回答欄を含む文書を印刷する際に選択される。
【0058】
図5の設定画面GA1のドロップダウンリストR2において適宜の選択肢がユーザ操作により選択されることによって、「出力コンセプト」の種類が設定される。その後、OKボタンBN1が押下されると、チェック欄R1およびドロップダウンリストR2での選択内容が確定され、再び設定画面GA0に戻る。なお、キャンセルボタンBN2が押下されると、チェック欄R1およびドロップダウンリストR2での変更内容がキャンセルされる。
【0059】
設定画面GA1にて詳細な出力コンセプトCPとともに「自動エコプリント」モードが設定され設定画面GA0に戻った後、設定画面GA0内のOKボタン(不図示)が押下されると、印刷対象データBDに対する印刷指示が受け付けられる。この印刷指示は、「自動エコプリント」且つ「出力コンセプト」の指定内容を伴うものである。
【0060】
次のステップS2においては、コンピュータ90は、印刷対象データBDを解析し、印刷対象データBDのページごとの重要度を判定する。当該重要度は、ユーザにより指定された出力コンセプトCPごとの基準に基づいて判定される。そして、コンピュータ90は、出力コンセプトCPに応じた「低重要度ページ」を抽出する。この低重要度ページは、所定の基準よりも低い重要度を有するページであり、詳細には、出力コンセプトCPに応じて決定されて抽出される。なお、後述するように、印刷対象データBDに関する複数の印刷出力ページのうち、低重要度ページに対してはページ単位の設定変更処理がステップS3で施され、それ以外のページ(「高重要度ページ」(所定の基準よりも高い重要度を有するページ))に対してはユーザにより指定された(文書単位の)印刷設定が維持される。
【0061】
たとえば、「文書印刷」設定時には、複数の印刷出力ページのうち、主に文章(テキスト)を含むページは、「高重要度ページ」(比較的高い重要度を有するページ)であると判定される。一方、画像、図および/または表のみで構成されるページ(詳細には、「画像」、「図」および「表(ひょう)」のいずれかの構成割合(テキスト要素以外の構成要素の構成割合)が所定値以上(たとえば90%以上)のページ)は、「低重要度ページ」(比較的低い重要度を有するページ)として抽出される(図6参照)。すなわち、テキスト(文字)の確認等を主眼とする「文書印刷」においては、テキスト以外の要素で主に構成されるページが「低重要度ページ」(「文書印刷」における所定の基準よりも低い重要度を有するページ)として抽出される。より具体的には、図8に示すような全7ページの文書においては、グラフ(「図」)のみを有する3つのページ(第3ページPG3、第4ページPG4および第7ページPG7)が「低重要度ページ」として抽出される。
【0062】
逆に、「図表印刷」設定時には、複数の印刷出力ページのうち、画像、図および/または表を主に含むページは、「高重要度ページ」であると判定される。一方、テキストのみで構成されるページ(主にテキストを含むページ)が「低重要度ページ」として判定されて抽出される(図6参照)。すなわち、画像、図および/または表の確認等を主眼とする「図表印刷」においては、テキスト要素のみで構成されるページが「低重要度ページ」(「図表印刷」における所定の基準よりも低い重要度を有するページ)として抽出される。より具体的には、図9に示すような全7ページの文書においては、テキストのみを有する4つのページ(第1ページPG1、第2ページPG2、第5ページPG5および第6ページPG6)が「低重要度ページ」として抽出される。
【0063】
また、「メール印刷」設定時には、複数の印刷出力ページのうち、非引用部分(最新の文章部分等)を含むページは、「高重要度ページ」であると判定される。一方、他メールを引用した部分(印刷対象の電子メールにて引用されている他の電子メールからの引用部分)のみで構成されるページが「低重要度ページ」として抽出される(図6参照)。すなわち、電子メールの印刷時においては、最新の文章部分(非引用部分)が主要な部分(主な確認対象部分)であり、引用部分のみで構成されるページが「低重要度ページ」(「メール印刷」における所定の基準よりも低い重要度を有するページ)として抽出される。より具体的には、図10に示すような全6ページの文書においては、引用部分のみを有する4つのページ(第3ページPG3〜第6ページPG6)が「低重要度ページ」として抽出される。なお、行頭の記号「>」を識別することなどによって、電子メールの文章における各行が引用部分であることが認識されればよい。
【0064】
また、「ウエブページ印刷」設定時には、複数の印刷出力ページのうち、非広告部分を主に含むページは、「高重要度ページ」であると判定される。一方、広告(詳細にはバナー広告)AD(図11参照)のみで構成されるページが「低重要度ページ」として判定されて抽出される(図6参照)。すなわち、ウエブページの印刷時においては、バナー広告以外の部分が主要な部分(主な確認対象部分)であり、バナー広告のみで構成されるページが「低重要度ページ」(「ウエブページ印刷」における所定の基準よりも低い重要度を有するページ)として抽出される。より具体的には、図11に示すような全4ページの文書においては、バナー広告のみを有する2つのページ(第3ページPG3および第4ページPG4)が「低重要度ページ」として抽出される。
【0065】
また、「更新文書印刷」設定時には、複数の印刷出力ページのうち、文書内における更新部分UD(図12参照)を含むページは、「高重要度ページ」であると判定される。一方、文書内における非更新部分のみで構成されるページが「低重要度ページ」として判定されて抽出される(図6参照)。すなわち、この出力コンセプト(「更新文書印刷」)の設定時においては、文書内において更新された部分(更新部分)が主要な部分(主な確認対象部分)であり、文書内において更新されなかった部分(非更新部分)のみで構成されるページが「低重要度ページ」(「更新文書印刷」における所定の基準よりも低い重要度を有するページ)として抽出される。より具体的には、図12に示すような全6ページの文書においては、更新部分UDを含まない4つのページ(第1ページPG1〜第4ページPG4)が「低重要度ページ」として抽出される。なお、各ページにおける更新部分の有無等は、印刷対象データBD内の更新履歴データ等を用いることによって認識されればよい。
【0066】
また、「アンケート印刷」設定時には、複数の印刷出力ページのうち、アンケートの回答文書において記入済みの回答欄RA(図12参照)を含むページは、「高重要度ページ」であると判定される。一方、その内部に含まれる回答欄RAの全てが空白であるページ(端的に言えば、空白の回答欄のみを有するページ)が「低重要度ページ」として判定されて抽出される(図6参照)。この出力コンセプト(「アンケート印刷」)の設定時においては、文書内のアンケート回答欄のうち回答がなされたもの(記入がなされた回答欄)が主要な部分(主な確認対象部分)である。そのため、アンケート回答欄のうち回答がなされていないもの(記入がなされていない空白の回答欄)のみで構成されるページ(その内部の全ての回答欄が空白回答欄であるページ)が「低重要度ページ」(「更新文書印刷」における所定の基準よりも低い重要度を有するページ)として抽出される。より具体的には、図13に示すような全3ページの文書においては、6つのアンケート回答欄RA1〜RA6のうち、記入済み回答欄RA1,RA2以外の空白回答欄RA3〜RA6のみを含む2つのページ(第2ページPG2および第3ページPG3)が、「低重要度ページ」として抽出される。なお、各回答欄の抽出および当該各回答欄における記入の有無等は、印刷対象データBDに対する画像処理等によって認識されればよい。
【0067】
そして、ステップS3においては、出力コンセプトCPごとに定められた経済性向上設定(エコ設定)が「低重要度ページ」に対してページ単位で適用される(図6参照)。換言すれば、ステップS2で抽出されたページの情報(当該ページに含まれるコンテンツの種類および当該ページのページ数)に応じて経済性向上設定がページごとに適用される。より具体的には、「低重要度ページ」のコンテンツの種類に応じて出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定がページ単位で決定される。また、低重要度ページのページ数に応じて、低重要度ページに対する経済性向上設定が決定される。
【0068】
たとえば、「文書印刷」設定時においては、「サイズ関連設定」と「用紙関連設定」とに関して、経済性向上設定の適用が決定される。「文書印刷」設定時には、上述のように、画像等のみを含むページが「低重要度ページ」として抽出される(ステップS2)。そして、このステップS3では、「低重要度ページ」として抽出されたページ内に含まれる画像等を表現する際に、複数の経済性向上設定のうち、画像等に関する印刷結果に及ぼす影響が比較的小さい経済性向上設定(具体的には、「サイズ関連設定」と「用紙関連設定」とに関するエコ設定)が適用される。なお、複数の経済性向上設定のうち、「カラー関連設定」と「画質関連設定」とに関するエコ設定(後述)は、画像等に関する印刷結果に及ぼす影響が比較的大きい経済性向上設定であるため、「低重要度ページ」として抽出されたページ(画像等で主に構成されるページ)に対しては適用されない。
【0069】
「用紙関連設定」の経済性向上設定(設定内容)としては、例えば印刷用紙として「再生紙」を利用する設定が採用される。ユーザが文書全体に対して「普通紙」(あるいは「上質紙」)を印刷用紙として指定しているときであっても、「低重要度ページ」のページ単位設定(印刷用紙設定)が「再生紙」設定に変更される。これによれば、3ページの「低重要度ページ」が抽出されている場合(図8参照)には、3枚の印刷用紙を「普通紙」(あるいは「上質紙」)から、「再生紙」に変更し、経済性を向上させることが可能である。
【0070】
また、「サイズ関連設定」の経済性向上設定(設定内容)としては、「Nin1」設定(N枚の原稿を1枚の印刷用紙に配置する印刷設定)が採用される。たとえば、「2in1」設定(2枚の原稿を1枚の印刷用紙に配置する印刷設定)が採用されればよい。ユーザが文書全体に対して倍率100%による通常設定(換言すれば、「1in1」設定)を指定しているときであっても、「低重要度ページ」のページ単位設定が「2in1」設定に変更される。図8に示すように、2つの連続ページPG3,PG4が「低重要度ページ」として連続して抽出される場合には、当該2つの連続ページPG3,PG4に対して「2in1」が適用される。これによれば、2つの連続ページPG3,PG4が(2枚の印刷用紙ではなく)1枚の印刷用紙に出力されるので、1枚の印刷用紙を節約することができる。なお、仮に、100ページの「低重要度ページ」が抽出される場合には、50枚の印刷用紙が節約される。
【0071】
ただし、ここでは、図7に示すように、ステップS2で抽出された「低重要度ページ」のページ数に応じて、縮小印刷設定に関する経済性向上設定(「2in1」)を「低重要度ページ」に適用するか否かを決定する。具体的には、抽出された「低重要度ページ」のページ数(より詳細には連続ページ数)が所定値TH(ここでは「2」)よりも小さい場合には、「サイズ関連」のエコ設定(経済性向上設定)は適用されないものとする。なお、図7は、抽出された「低重要度ページ」のページ数と適用されるエコ設定との関係を記憶したデータテーブルDT2を示す図である。図7に示すように、「サイズ関連設定」以外の各設定(「カラー関連設定」、「画質関連設定」および「用紙関連設定」)に関しては、抽出された「低重要度ページ」のページ数に依拠することなく、「低重要度ページ」に対して経済性向上設定の適用が決定される。
【0072】
たとえば、図8に示すように、第7ページPG7の直前の第6ページPG6は「低重要度ページ」ではなく、(最後の)ページPG7は「低重要度ページ」として非連続的に(1ページのみ)抽出されている。このとき、「用紙関連設定」の経済性向上設定(「再生紙」)は、第7ページPG7に対しても、第3ページPG3および第4ページPG4と同様に適用される。一方、「サイズ関連設定」の経済性向上設定である「2in1」は、この第7ページPG7に対しては適用されない。「低重要度ページ」が単一(非連続)の場合には、「2in1」を適用しても、用紙節約効果は得られないので、見易さを重視して元の「1in1」設定が適用される。
【0073】
なお、これに限定されず、抽出された「低重要度ページ」のページ数にかかわらず、抽出された全ての「低重要度ページ」に対して「2in1」設定を適用するようにしてもよい。このときでも、サイズ縮小によるトナーの低減効果等を得ることは可能である。
【0074】
また、「図表印刷」設定時においては、「サイズ関連設定」と「カラー関連設定」と「画質関連設定」と「用紙関連設定」とに関して、経済性向上設定の適用が決定される。
【0075】
なお、ここでは、「サイズ関連設定」と「カラー関連設定」と「画質関連設定」と「用紙関連設定」とに関して経済性向上設定を適用しても、「低重要度ページ」として抽出されたページ(テキストを主に含むページ)に関する印刷結果に及ぼす影響は比較的小さいと判断されるものとする。
【0076】
「サイズ関連設定」および「用紙関連設定」のそれぞれに関する経済性向上設定は上述の通りである。
【0077】
「カラー関連設定」の経済性向上設定(設定内容)としては、例えば「モノクロ印刷」設定が採用される。ユーザが文書全体に対して「フルカラー印刷」を指定しているときであっても、「低重要度ページ」のページ単位設定が「モノクロ印刷」設定に変更される。これによれば、図9に示すように、4つのページの「低重要度ページ」が抽出されている場合には、4枚の印刷出力を「フルカラー」から「モノクロ」に変更し、トナー等を節約することが可能である。
【0078】
また「画質関連設定」の経済性向上設定(設定内容)としては、例えば「低解像度印刷」設定が採用される。ユーザが文書全体に対して「高解像度(たとえば600dpi)印刷」設定を指定しているときであっても、「低重要度ページ」のページ単位設定が「低解像度(たとえば50dpi)印刷」設定に変更される。これによれば、図9に示すように、4つのページの「低重要度ページ」が抽出されている場合には、4枚の印刷出力を「高解像度印刷」から「低解像度印刷」に変更し、トナー等を節約することが可能である。
【0079】
また、「メール印刷」設定時においても、「サイズ関連設定」と「カラー関連設定」と「画質関連設定」と「用紙関連設定」とに関して経済性向上設定の適用が決定される。
【0080】
同様に、「ウエブページ印刷」設定時、「更新文書印刷」設定時、および「アンケート印刷」設定時においても、それぞれ同様に、「サイズ関連設定」と「カラー関連設定」と「画質関連設定」と「用紙関連設定」とに関して経済性向上設定の適用が決定される。
【0081】
その後、ステップS4において、ステップS3で決定された印刷設定に基づいて、コンピュータ90は印刷出力用データを生成する。そして、コンピュータ90は、生成された印刷出力用データをMFP10に送信する。
【0082】
MFP10は、受信した印刷出力用データに基づいて、印刷出力制御部18等によって印刷対象データBDに関する印刷出力動作を実行する。
【0083】
以上のような態様によれば、出力コンセプトに応じて低重要度ページが印刷対象データから抽出され(ステップS2)、出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定(エコ設定)が当該低重要度ページに対してページ単位で適用される。したがって、印刷出力における経済性をより適切に向上させることが可能である。特に、印刷対象文書の一部ページを印刷対象から除外(削除)することなく、印刷出力における経済性を向上させることが可能である。
【0084】
たとえば、出力コンセプトCPとして「文書印刷」が設定されている場合において、図8のような印刷対象データBDに対しては、「低重要度ページ」として抽出されたページPG3,PG4に対して、「サイズ関連設定」に関して、経済性向上設定(「2in1」設定)が適用される。また、「低重要度ページ」として抽出されたページPG3,PG4,PG7に対しては、「用紙関連設定」に関して、経済性向上設定(「再生紙」設定)が適用される。したがって、印刷出力における経済性をより適切に向上させることが可能である。特に、「低重要度ページ」であるページPG3,PG4,PG7も印刷出力されるので、当該各ページPG3,PG4,PG7の印刷出力内容を確認することもできる。
【0085】
あるいは、出力コンセプトCPとして「メール印刷」が設定されている場合において、図10のような印刷対象データBDに対しては、「低重要度ページ」として抽出された4つのページPG3〜PG6のそれぞれに対して、「サイズ関連設定」と「カラー関連設定」と「画質関連設定」と「用紙関連設定」とに関して経済性向上設定の適用が決定される。詳細には、「2in1」設定、「モノクロ」設定、「低解像度」設定、「再生紙」設定が設定される。したがって、印刷出力における経済性をより適切に向上させることが可能である。特に、「低重要度ページ」であるページPG3〜PG6も印刷出力されるので、当該各ページPG3〜PG6の印刷出力内容を確認することもできる。
【0086】
<3.その他>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0087】
たとえば、上記実施形態においては、ステップS3において、自動的にエコ設定が確定される場合が例示されているが、これに限定されず、ステップS3(図4)でMFP10によって設定変更された内容が、ユーザによって確認されるようにしてもよい。
【0088】
図14は、このような確認画面GA2を示す図である。たとえば、図8に示すようにページPG3,PG4,PG7に関する設定が変更される場合において、確認画面GA2にはその変更内容が表示されている。
【0089】
具体的には、第3ページPG3については、「1in1」が「2in1」に変更されているとともに、「普通紙」が「再生紙」に変更されていることが示されている。同様に、第4ページPG4についても、「1in1」が「2in1」に変更されているとともに、「普通紙」が「再生紙」に変更されていることが示されている。また、第7ページPG7については、「普通紙」が「再生紙」に変更されていることが示されている。なお、各欄の左側のチェック欄のチェック印を外すことによって、当該変更を適用しないこと(当該変更をキャンセルすること)が可能である。
【0090】
その後、画面GA2内のOKボタンBN3が押下されることによって変更内容が確定され、ステップS4(図4)に進む。一方、画面GA2内のキャンセルボタンBN4が押下されると、印刷処理自体がキャンセルされる。
【0091】
また、上記実施形態においては、抽出された「低重要度ページ」の連続ページ数を基準にしてエコ設定の適用の是非が決定される(図4のステップS3および図7参照)場合が例示されているが、これに限定されず、抽出された「低重要度ページ」の総ページ数を基準にして、エコ設定の適用の是非が決定されるようにしてもよい。その場合において、印刷ページ順序の変更が許容され得るときには、文書内での印刷ページ順序を変更して、複数の「低重要度ページ」が連続ページとして纏めて印刷されるようにしてもよい。
【0092】
また、上記実施形態においては、「図表印刷」設定時に「サイズ関連設定」と「カラー関連設定」と「画質関連設定」と「用紙関連設定」とに関して、経済性向上設定の適用が決定されているが、これに限定されない。たとえば、「図表印刷」設定時においては、「カラー関連設定」と「画質関連設定」と「用紙関連設定」とに関して、経済性向上設定の適用が決定され、「サイズ関連設定」に関しては、経済性向上設定が適用されないようにしてもよい。具体的には、「図表印刷」設定時において、テキストのみで構成されるページが「低重要度ページ」として抽出される場合であっても、文字の大きさ(見易さ)を重視して「Nin1」設定を「1in1」のまま維持するようにしてもよい。この場合には、「2in1」への設定変更によって文字が縮小され見難くなること、を回避することができる。
【0093】
また、「サイズ関連設定」、「カラー関連設定」、「画質関連設定」、「用紙関連設定」の設定変更内容は、上述の内容に限定されない。たとえば、「サイズ関連設定」として縮小倍率印刷(「50%印刷」)等が適用されるようにしてもよい。あるいは、「画質関連設定」として、トナーセーブ印刷(たとえば「トナーセーブオン設定」)、クリアトナーを用いた光沢モード「オフ」設定、パターン密度「疎」設定等が適用されるようにしてもよい。
【0094】
また、上記実施形態においては、各出力モードにおける設定変更対象の設定項目として、「サイズ関連設定」、「カラー関連設定」、「画質関連設定」、「用紙関連設定」の4つ(もしくはこれらのうちの2つ)を例示したが、これに限定されない。たとえば、各出力モードにおいて、任意の数の設定項目について設定変更が行われるようにしてもよい。
【0095】
また、上記実施形態においては、設定変更対象の設定項目として、「サイズ関連設定」、「カラー関連設定」、「画質関連設定」、「用紙関連設定」の4つを例示したが、これに限定されず、これら以外の設定項目に関する設定内容が変更されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0096】
10 MFP(印刷装置)
90 コンピュータ
100 印刷システム
BD 印刷対象データ
CP,CP1〜CP6 出力コンセプト
DT1,DT2 データテーブル
R1 チェック欄
R2 ドロップダウンリスト
RA1〜RA6 アンケート回答欄
UD 更新部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システムおよびそれに関連する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷システムにおいて、経済性を向上させることが可能な技術が存在する。
【0003】
たとえば、特許文献1には、電子メールを印刷する際に、当該電子メール本文中に他の電子メールを引用した部分(引用部分)が存在する場合に、当該引用部分の印刷出力を省略する技術が記載されている。これによれば、引用部分の印刷出力を省略することにより、印刷用紙の節約等を図ることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−59078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザが電子メールの印刷を指示している場合においては、ユーザは電子メール本文内の最新の文書部分のみならず引用部分をも参照したいという要望を有していることも多い。このような状況において、上記特許文献1に記載の技術のように、印刷対象文書(電子メール)内の引用部分(最新の文書部分以外の部分)を印刷出力しないことは必ずしも適切ではない。
【0006】
そこで、この発明は、印刷出力における経済性をより適切に向上させることが可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、印刷システムであって、印刷対象データの出力コンセプトに関するユーザ設定を受け付ける手段と、前記印刷対象データを解析し、前記出力コンセプトに応じて、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出する抽出手段と、前記低重要度ページに対して、前記出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定をページ単位の印刷設定として適用する設定手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る印刷システムにおいて、前記出力コンセプトは、電子メールにおける非引用部分の確認を主眼とする第1のコンセプトであり、前記抽出手段は、前記印刷対象データに関する複数の印刷出力ページのうち、前記電子メールで引用されている他の電子メールからの引用部分のみで構成されるページを前記低重要度ページとして抽出することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2の発明に係る印刷システムにおいて、前記第1のコンセプトに応じて定められた前記経済性向上設定は、サイズ関連設定とカラー関連設定と画質関連設定と用紙関連設定とのうちの少なくとも1つに関する設定内容を含むことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2の発明に係る印刷システムにおいて、前記第1のコンセプトに応じて定められた前記経済性向上設定は、2in1設定を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1の発明に係る印刷システムにおいて、前記出力コンセプトは、テキスト文書の確認を主眼とする第2のコンセプトであり、前記抽出手段は、前記印刷対象データに関する複数の印刷出力ページのうち、テキスト以外の構成要素の構成割合が所定値以上のページを前記低重要度ページとして抽出することを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5の発明に係る印刷システムにおいて、前記第2のコンセプトに応じて定められた前記経済性向上設定は、モノクロ設定を含まず且つ2in1設定を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかの発明に係る印刷システムにおいて、前記設定手段は、前記低重要度ページとして抽出されたページ数に応じて、縮小印刷設定に関する前記経済性向上設定を前記低重要度ページに適用するか否かを決定することを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、印刷システムであって、印刷対象データを解析し、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出する抽出手段と、前記低重要度ページに対するページ単位設定を、当該低重要度ページの情報に応じて設定する設定手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明は、請求項8の発明に係る印刷システムにおいて、前記設定手段は、当該低重要度ページに含まれるコンテンツの種類に応じて経済性向上設定を決定し、前記低重要度ページに対して前記経済性向上設定を適用することを特徴とする。
【0016】
請求項10の発明は、請求項9の発明に係る印刷システムにおいて、前記印刷対象データの出力コンセプトに関するユーザ設定を受け付ける受付手段、をさらに備え、前記抽出手段は、前記印刷対象データを解析し、前記出力コンセプトに応じて前記低重要度ページを抽出し、前記設定手段は、前記低重要度ページに対して、前記コンテンツの種類に応じて前記出力コンセプトごとに定められた前記経済性向上設定を適用することを特徴とする。
【0017】
請求項11の発明は、請求項8の発明に係る印刷システムにおいて、前記設定手段は、前記低重要度ページとして抽出されたページ数に応じて、縮小印刷設定に関する前記経済性向上設定を前記低重要度ページに適用するか否かを決定することを特徴とする。
【0018】
請求項12の発明は、コンピュータに、a)印刷対象データの出力コンセプトに関するユーザ設定を受け付けるステップと、b)前記印刷対象データを解析し、前記出力コンセプトに応じて、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出するステップと、c)前記出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定をページ単位の印刷設定として前記低重要度ページに適用するステップと、を実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【0019】
請求項13の発明は、コンピュータに、a)印刷対象データを解析し、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出するステップと、b)前記低重要度ページに対するページ単位の印刷設定を、当該低重要度ページの情報に応じて設定するステップと、を実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【0020】
請求項14の発明は、印刷制御装置であって、印刷対象データの出力コンセプトに関するユーザ設定を受け付ける手段と、前記印刷対象データを解析し、前記出力コンセプトに応じて、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出する抽出手段と、前記低重要度ページに対して、前記出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定をページ単位で適用する設定手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1ないし請求項14に記載の発明によれば、印刷出力における経済性をより適切に向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】印刷システム(プリントシステム)の構成を示す概略図である。
【図2】コンピュータ(印刷制御装置)における機能ブロックを示す図である。
【図3】MFP(印刷装置)の構成を示す概略図である。
【図4】コンピュータにおける印刷制御動作を示すフローチャートである。
【図5】出力コンセプト等に関する設定画面を示す図である。
【図6】各出力コンセプトに応じて抽出される低重要度ページと各出力コンセプトに応じて変更されるエコ設定とに関するデータテーブルを示す図である。
【図7】抽出された「低重要度ページ」のページ数と適用されるエコ設定とに関するデータテーブルを示す図である。
【図8】低重要度ページの抽出例等(出力コンセプトが「文書印刷」である場合)を示す図である。
【図9】低重要度ページの抽出例等(出力コンセプトが「図表印刷」である場合)を示す図である。
【図10】低重要度ページの抽出例等(出力コンセプトが「メール印刷」である場合)を示す図である。
【図11】低重要度ページの抽出例等(出力コンセプトが「ウエブページ印刷」である場合)を示す図である。
【図12】低重要度ページの抽出例等(出力コンセプトが「更新文書印刷」である場合)を示す図である。
【図13】低重要度ページの抽出例等(出力コンセプトが「アンケート印刷」である場合)を示す図である。
【図14】設定確認画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
<1.システム概要>
図1は、印刷システム(プリントシステム)100の構成を示す概略図である。
【0025】
図1に示すように、印刷システム100は、印刷出力機構等を有する印刷装置(印刷出力装置)10と、印刷対象データに関する印刷出力用データ等を印刷装置10に対して送信するコンピュータ(印刷制御装置)90とを備える。
【0026】
コンピュータ90は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムとして構成される。コンピュータ90は、CPU、半導体メモリ(RAM等)およびハードディスク等を備えている。コンピュータ90は、そのCPU等を用いて各種のソフトウエアプログラムを実行することによって様々な機能を実現する。また、コンピュータ90は、表示部(ディスプレイ等)および操作入力部(キーボード、マウス等)を備えており、各種の情報の表示出力動作および操作入力動作を行うことができる。
【0027】
具体的には、コンピュータ90には所定のOS(オペレーティングシステム)がインストールされており、コンピュータ90は各種のアプリケーションソフトウエアプログラム(単に「プログラム」とも称する)PR1を当該OS上で実行することが可能である。例えば、コンピュータ90は、文書作成ソフトウエアなどのプログラムPR1を実行することが可能である。コンピュータ90は、当該プログラムPR1において、印刷対象文書(印刷対象ファイル)に対する作成動作および編集動作を行うことも可能である。
【0028】
また、コンピュータ90は、印刷動作を制御するソフトウエアプログラム(プリンタドライバプログラム(単に「プリンタドライバ」あるいは「プログラム」とも称する)PR2を実行することも可能である。例えば、プリンタドライバPR2は、アプリケーションソフトウエアプログラムPR1から呼び出されて実行される。プリンタドライバPR2は、ユーザからの設定操作等に基づき印刷対象ファイルに関する各種印刷設定を行って、印刷出力データを生成し印刷装置10に送信する。これにより、ユーザーからの印刷指示に基づき当該印刷対象ファイルが印刷装置10によって印刷出力される。
【0029】
なお、プログラムPR1,PR2は、ネットワークを経由してダウンロードされて取得されるようにしてもよく、あるいは、各種の可搬性記録媒体(CD−ROM,USBメモリ等)を介して取得されるようにしてもよい。
【0030】
コンピュータ90は、そのCPUにおいて、ハードディスク等に格納されているプログラムPR1,PR2等を実行することによって、各種の処理部を実現する。具体的には、図2に示すように、コンピュータ90は、印刷指示受付部81、低重要度ページ抽出部82、設定決定部83、印刷出力用データ生成部84およびデータ送信部85等を含む各種の処理部を実現する。
【0031】
印刷指示受付部81は、ユーザからの印刷指示を受け付ける処理部である。当該印刷指示には、印刷対象データBDの出力コンセプトCP(後述)に関するユーザ設定等が含まれる。
【0032】
低重要度ページ抽出部82は、印刷対象データBDを解析し、所定の基準よりも低い重要度を有するページを「低重要度ページ」として抽出する処理部である。低重要度ページ抽出部82は、ユーザにより設定された出力コンセプトCPに応じた基準に従って、印刷対象データBDから低重要度ページを抽出する。
【0033】
設定決定部83は、印刷設定(文書単位の印刷設定とページ単位の印刷設定との双方を含む)を決定する処理部である。設定決定部83は、低重要度ページ抽出部82によって抽出された「低重要度ページ」に対するページ単位設定を、当該低重要度ページの情報(当該ページのコンテンツの種類および/または当該ページのページ数等)に応じて設定する。後述するように、設定決定部83は、出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定(エコ設定)を適用して、各低重要度ページのページ単位での印刷設定を決定する。
【0034】
印刷出力用データ生成部84は、設定決定部83によって決定された変更後の印刷設定内容で、印刷出力用データを生成する処理部である。
【0035】
データ送信部85は、印刷出力用データ生成部84によって生成された印刷出力用データを印刷装置10に向けて送信する処理部である。
【0036】
図3は、印刷装置(画像形成装置とも称する)10の構成を示す概略図である。ここでは、印刷装置10は、マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral)(MFPとも略称する)として構成されているものとする。当該MFPは、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能およびデータ通信機能などを備える装置(複合機とも称する)である。
【0037】
図3に示すように、MFP10は、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5、入出力部6およびコントローラ9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
【0038】
画像読取部2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って、当該原稿の画像データ(原稿画像とも称する)を生成する処理部である。
【0039】
印刷出力部3は、対象画像に関する画像データに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
【0040】
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、ネットワークNWを介したネットワーク通信が可能である。このネットワーク通信では、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)およびFTP(File Transfer Protocol)等の各種のプロトコルが利用され、当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先との間で各種のデータを授受することが可能である。
【0041】
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)および不揮発性メモリ等の格納装置で構成される。格納部5には、印刷設定に関するデータテーブルDT(DT1,DT2)(図6および図7)等が格納される。
【0042】
入出力部6は、MFP10に対する入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。なお、入出力部6は、操作部とも称される。
【0043】
具体的には、MFP10には、入出力部6として機能する操作パネル部が設けられている。この操作パネル部は、各種ハードキーとタッチスクリーン63(不図示)とを有している。
【0044】
タッチスクリーン63は、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成されており、表示部6bの一部として機能するとともに、操作入力部6aの一部としても機能する。詳細には、タッチスクリーン63は、液晶表示パネルに各種の情報を表示することが可能であるとともに、液晶表示パネルに対する操作者の手指の操作位置を検知して、各種の入力を受け付けることも可能である。たとえば、タッチスクリーン63に表示された仮想的なボタンが操作者の手指によって触れられると、このような操作は当該仮想的なボタンに対する押下操作であるとみなされる。
【0045】
コントローラ9は、MFP10を統括的に制御する制御部であり、CPUと、各種の半導体メモリ(RAMおよびROM等)とを備えて構成される。コントローラ9の制御下において各種の処理部が動作することによって、MFP10の各種の機能が実現される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM等)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)PR3(不図示)を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラムPR3等は、ネットワークを経由してダウンロードされて取得されるようにしてもよく、あるいは、各種の可搬性記録媒体(USBメモリ等)を介して取得されるようにしてもよい。
【0046】
具体的には、コントローラ9は、入力制御部11、表示制御部12、印刷出力制御部18等を含む各種の処理部を実現する。
【0047】
入力制御部11は、ユーザからの各種指示入力を受け付ける処理部である。
【0048】
表示制御部12は、各種画面等をタッチスクリーン63に表示する表示動作を制御する処理部である。
【0049】
印刷出力制御部18は、コンピュータ90のプリンタドライバPR2等と協働して、印刷出力処理(認証印刷処理等)を制御する処理部である。印刷出力制御部18は、コンピュータ90から送信されてくる印刷出力用データ等に基づいて、印刷出力動作を実行する。
【0050】
<2.動作>
図4は、コンピュータ90における印刷制御動作を示すフローチャートである。
【0051】
この印刷システム100では、コンピュータ90において、印刷対象データBDに対する印刷指示がプリンタドライバPR2を用いてユーザにより付与されることによって、印刷動作が行われる。
【0052】
具体的には、まず、ユーザーは、コンピュータ90において、アプリケーションソフトウェアプログラムPR1を用いて印刷対象文書(印刷対象データBD)を作成し、アプリケーションソフトウェアプログラムPR1からプリンタドライバPR2を呼び出す。
【0053】
そして、プリンタドライバPR2の設定画面GA0(不図示)を用いて各種の設定動作が行われる(ステップS1)。ここでは、当該各種の設定動作において、「自動エコプリント」等に関する設定内容が指定(設定)されるものとする。具体的には、プリンタドライバPR2の設定画面GA0内の或るボタンの押下に応答してダイアログ画面GA1(図5参照)が表示され、当該ダイアログ画面(設定画面)GA1を用いて、「自動エコプリント」等に関する設定内容が指定される。
【0054】
図5に示すように、チェック欄R1にチェック印が付されることによって、「自動エコプリント」モードが設定される。「自動エコプリント」モードは、経済性を向上させることが可能な設定(経済性向上設定とも称する)をページ単位で自動的に設定するモードである。「自動エコプリント」モードにおいては、後述するように、「出力コンセプト」(CP)ごとに定められた経済性向上設定(「エコ設定」とも称する)が適用される。
【0055】
「出力コンセプト」は、印刷指示ユーザによる印刷出力の意図等(コンセプトとも称される)を表現するものである。この「出力コンセプト」は、印刷対象データBDにおける各ページの重要度を判定する際などに用いられる。
【0056】
ここでは、出力コンセプトCPとして、「文書印刷」、「図表印刷」、「メール印刷」、「ウエブページ印刷」、「更新文書印刷」、「アンケート印刷」の6種類のコンセプトCP1〜CP6(図6参照)を例示する。出力コンセプトCPは、印刷対象データBDの内容に基づいてユーザにより選択される。なお、図6は、各出力コンセプトCPに応じて抽出される低重要度ページと各出力コンセプトCPに応じて変更されるエコ設定とを記憶したデータテーブルDT1を示す図である。
【0057】
「文書印刷」は、テキスト文書の印刷出力および確認を主眼とする出力コンセプトであり、主にテキスト文書を印刷する際に選択される。「図表印刷」は、画像、図および/または表を含む文書の印刷出力および確認を主眼とする出力コンセプトであり、当該画像等を含む文書を印刷する際に選択される。「メール印刷」は、電子メールの非引用部分の印刷出力および確認を主眼とする出力コンセプトであり、電子メール(特に引用部分を含むもの)を印刷する際に選択される。「ウエブページ印刷」は、ウエブページの非広告部分の印刷出力および確認を主眼とする出力コンセプトであり、ウエブページ(特にバナー広告を含むもの)を印刷する際に選択される。「更新文書印刷」は、更新部分と非更新部分との両者を含む文書のうち、更新部分の印刷出力および確認を主眼とする出力コンセプトであり、更新部分を含む文書を印刷する際に選択される。「アンケート印刷」は、アンケートに関する複数の回答欄のうち記入済み回答欄の印刷出力および確認を主眼とする出力コンセプトであり、アンケートの回答欄を含む文書を印刷する際に選択される。
【0058】
図5の設定画面GA1のドロップダウンリストR2において適宜の選択肢がユーザ操作により選択されることによって、「出力コンセプト」の種類が設定される。その後、OKボタンBN1が押下されると、チェック欄R1およびドロップダウンリストR2での選択内容が確定され、再び設定画面GA0に戻る。なお、キャンセルボタンBN2が押下されると、チェック欄R1およびドロップダウンリストR2での変更内容がキャンセルされる。
【0059】
設定画面GA1にて詳細な出力コンセプトCPとともに「自動エコプリント」モードが設定され設定画面GA0に戻った後、設定画面GA0内のOKボタン(不図示)が押下されると、印刷対象データBDに対する印刷指示が受け付けられる。この印刷指示は、「自動エコプリント」且つ「出力コンセプト」の指定内容を伴うものである。
【0060】
次のステップS2においては、コンピュータ90は、印刷対象データBDを解析し、印刷対象データBDのページごとの重要度を判定する。当該重要度は、ユーザにより指定された出力コンセプトCPごとの基準に基づいて判定される。そして、コンピュータ90は、出力コンセプトCPに応じた「低重要度ページ」を抽出する。この低重要度ページは、所定の基準よりも低い重要度を有するページであり、詳細には、出力コンセプトCPに応じて決定されて抽出される。なお、後述するように、印刷対象データBDに関する複数の印刷出力ページのうち、低重要度ページに対してはページ単位の設定変更処理がステップS3で施され、それ以外のページ(「高重要度ページ」(所定の基準よりも高い重要度を有するページ))に対してはユーザにより指定された(文書単位の)印刷設定が維持される。
【0061】
たとえば、「文書印刷」設定時には、複数の印刷出力ページのうち、主に文章(テキスト)を含むページは、「高重要度ページ」(比較的高い重要度を有するページ)であると判定される。一方、画像、図および/または表のみで構成されるページ(詳細には、「画像」、「図」および「表(ひょう)」のいずれかの構成割合(テキスト要素以外の構成要素の構成割合)が所定値以上(たとえば90%以上)のページ)は、「低重要度ページ」(比較的低い重要度を有するページ)として抽出される(図6参照)。すなわち、テキスト(文字)の確認等を主眼とする「文書印刷」においては、テキスト以外の要素で主に構成されるページが「低重要度ページ」(「文書印刷」における所定の基準よりも低い重要度を有するページ)として抽出される。より具体的には、図8に示すような全7ページの文書においては、グラフ(「図」)のみを有する3つのページ(第3ページPG3、第4ページPG4および第7ページPG7)が「低重要度ページ」として抽出される。
【0062】
逆に、「図表印刷」設定時には、複数の印刷出力ページのうち、画像、図および/または表を主に含むページは、「高重要度ページ」であると判定される。一方、テキストのみで構成されるページ(主にテキストを含むページ)が「低重要度ページ」として判定されて抽出される(図6参照)。すなわち、画像、図および/または表の確認等を主眼とする「図表印刷」においては、テキスト要素のみで構成されるページが「低重要度ページ」(「図表印刷」における所定の基準よりも低い重要度を有するページ)として抽出される。より具体的には、図9に示すような全7ページの文書においては、テキストのみを有する4つのページ(第1ページPG1、第2ページPG2、第5ページPG5および第6ページPG6)が「低重要度ページ」として抽出される。
【0063】
また、「メール印刷」設定時には、複数の印刷出力ページのうち、非引用部分(最新の文章部分等)を含むページは、「高重要度ページ」であると判定される。一方、他メールを引用した部分(印刷対象の電子メールにて引用されている他の電子メールからの引用部分)のみで構成されるページが「低重要度ページ」として抽出される(図6参照)。すなわち、電子メールの印刷時においては、最新の文章部分(非引用部分)が主要な部分(主な確認対象部分)であり、引用部分のみで構成されるページが「低重要度ページ」(「メール印刷」における所定の基準よりも低い重要度を有するページ)として抽出される。より具体的には、図10に示すような全6ページの文書においては、引用部分のみを有する4つのページ(第3ページPG3〜第6ページPG6)が「低重要度ページ」として抽出される。なお、行頭の記号「>」を識別することなどによって、電子メールの文章における各行が引用部分であることが認識されればよい。
【0064】
また、「ウエブページ印刷」設定時には、複数の印刷出力ページのうち、非広告部分を主に含むページは、「高重要度ページ」であると判定される。一方、広告(詳細にはバナー広告)AD(図11参照)のみで構成されるページが「低重要度ページ」として判定されて抽出される(図6参照)。すなわち、ウエブページの印刷時においては、バナー広告以外の部分が主要な部分(主な確認対象部分)であり、バナー広告のみで構成されるページが「低重要度ページ」(「ウエブページ印刷」における所定の基準よりも低い重要度を有するページ)として抽出される。より具体的には、図11に示すような全4ページの文書においては、バナー広告のみを有する2つのページ(第3ページPG3および第4ページPG4)が「低重要度ページ」として抽出される。
【0065】
また、「更新文書印刷」設定時には、複数の印刷出力ページのうち、文書内における更新部分UD(図12参照)を含むページは、「高重要度ページ」であると判定される。一方、文書内における非更新部分のみで構成されるページが「低重要度ページ」として判定されて抽出される(図6参照)。すなわち、この出力コンセプト(「更新文書印刷」)の設定時においては、文書内において更新された部分(更新部分)が主要な部分(主な確認対象部分)であり、文書内において更新されなかった部分(非更新部分)のみで構成されるページが「低重要度ページ」(「更新文書印刷」における所定の基準よりも低い重要度を有するページ)として抽出される。より具体的には、図12に示すような全6ページの文書においては、更新部分UDを含まない4つのページ(第1ページPG1〜第4ページPG4)が「低重要度ページ」として抽出される。なお、各ページにおける更新部分の有無等は、印刷対象データBD内の更新履歴データ等を用いることによって認識されればよい。
【0066】
また、「アンケート印刷」設定時には、複数の印刷出力ページのうち、アンケートの回答文書において記入済みの回答欄RA(図12参照)を含むページは、「高重要度ページ」であると判定される。一方、その内部に含まれる回答欄RAの全てが空白であるページ(端的に言えば、空白の回答欄のみを有するページ)が「低重要度ページ」として判定されて抽出される(図6参照)。この出力コンセプト(「アンケート印刷」)の設定時においては、文書内のアンケート回答欄のうち回答がなされたもの(記入がなされた回答欄)が主要な部分(主な確認対象部分)である。そのため、アンケート回答欄のうち回答がなされていないもの(記入がなされていない空白の回答欄)のみで構成されるページ(その内部の全ての回答欄が空白回答欄であるページ)が「低重要度ページ」(「更新文書印刷」における所定の基準よりも低い重要度を有するページ)として抽出される。より具体的には、図13に示すような全3ページの文書においては、6つのアンケート回答欄RA1〜RA6のうち、記入済み回答欄RA1,RA2以外の空白回答欄RA3〜RA6のみを含む2つのページ(第2ページPG2および第3ページPG3)が、「低重要度ページ」として抽出される。なお、各回答欄の抽出および当該各回答欄における記入の有無等は、印刷対象データBDに対する画像処理等によって認識されればよい。
【0067】
そして、ステップS3においては、出力コンセプトCPごとに定められた経済性向上設定(エコ設定)が「低重要度ページ」に対してページ単位で適用される(図6参照)。換言すれば、ステップS2で抽出されたページの情報(当該ページに含まれるコンテンツの種類および当該ページのページ数)に応じて経済性向上設定がページごとに適用される。より具体的には、「低重要度ページ」のコンテンツの種類に応じて出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定がページ単位で決定される。また、低重要度ページのページ数に応じて、低重要度ページに対する経済性向上設定が決定される。
【0068】
たとえば、「文書印刷」設定時においては、「サイズ関連設定」と「用紙関連設定」とに関して、経済性向上設定の適用が決定される。「文書印刷」設定時には、上述のように、画像等のみを含むページが「低重要度ページ」として抽出される(ステップS2)。そして、このステップS3では、「低重要度ページ」として抽出されたページ内に含まれる画像等を表現する際に、複数の経済性向上設定のうち、画像等に関する印刷結果に及ぼす影響が比較的小さい経済性向上設定(具体的には、「サイズ関連設定」と「用紙関連設定」とに関するエコ設定)が適用される。なお、複数の経済性向上設定のうち、「カラー関連設定」と「画質関連設定」とに関するエコ設定(後述)は、画像等に関する印刷結果に及ぼす影響が比較的大きい経済性向上設定であるため、「低重要度ページ」として抽出されたページ(画像等で主に構成されるページ)に対しては適用されない。
【0069】
「用紙関連設定」の経済性向上設定(設定内容)としては、例えば印刷用紙として「再生紙」を利用する設定が採用される。ユーザが文書全体に対して「普通紙」(あるいは「上質紙」)を印刷用紙として指定しているときであっても、「低重要度ページ」のページ単位設定(印刷用紙設定)が「再生紙」設定に変更される。これによれば、3ページの「低重要度ページ」が抽出されている場合(図8参照)には、3枚の印刷用紙を「普通紙」(あるいは「上質紙」)から、「再生紙」に変更し、経済性を向上させることが可能である。
【0070】
また、「サイズ関連設定」の経済性向上設定(設定内容)としては、「Nin1」設定(N枚の原稿を1枚の印刷用紙に配置する印刷設定)が採用される。たとえば、「2in1」設定(2枚の原稿を1枚の印刷用紙に配置する印刷設定)が採用されればよい。ユーザが文書全体に対して倍率100%による通常設定(換言すれば、「1in1」設定)を指定しているときであっても、「低重要度ページ」のページ単位設定が「2in1」設定に変更される。図8に示すように、2つの連続ページPG3,PG4が「低重要度ページ」として連続して抽出される場合には、当該2つの連続ページPG3,PG4に対して「2in1」が適用される。これによれば、2つの連続ページPG3,PG4が(2枚の印刷用紙ではなく)1枚の印刷用紙に出力されるので、1枚の印刷用紙を節約することができる。なお、仮に、100ページの「低重要度ページ」が抽出される場合には、50枚の印刷用紙が節約される。
【0071】
ただし、ここでは、図7に示すように、ステップS2で抽出された「低重要度ページ」のページ数に応じて、縮小印刷設定に関する経済性向上設定(「2in1」)を「低重要度ページ」に適用するか否かを決定する。具体的には、抽出された「低重要度ページ」のページ数(より詳細には連続ページ数)が所定値TH(ここでは「2」)よりも小さい場合には、「サイズ関連」のエコ設定(経済性向上設定)は適用されないものとする。なお、図7は、抽出された「低重要度ページ」のページ数と適用されるエコ設定との関係を記憶したデータテーブルDT2を示す図である。図7に示すように、「サイズ関連設定」以外の各設定(「カラー関連設定」、「画質関連設定」および「用紙関連設定」)に関しては、抽出された「低重要度ページ」のページ数に依拠することなく、「低重要度ページ」に対して経済性向上設定の適用が決定される。
【0072】
たとえば、図8に示すように、第7ページPG7の直前の第6ページPG6は「低重要度ページ」ではなく、(最後の)ページPG7は「低重要度ページ」として非連続的に(1ページのみ)抽出されている。このとき、「用紙関連設定」の経済性向上設定(「再生紙」)は、第7ページPG7に対しても、第3ページPG3および第4ページPG4と同様に適用される。一方、「サイズ関連設定」の経済性向上設定である「2in1」は、この第7ページPG7に対しては適用されない。「低重要度ページ」が単一(非連続)の場合には、「2in1」を適用しても、用紙節約効果は得られないので、見易さを重視して元の「1in1」設定が適用される。
【0073】
なお、これに限定されず、抽出された「低重要度ページ」のページ数にかかわらず、抽出された全ての「低重要度ページ」に対して「2in1」設定を適用するようにしてもよい。このときでも、サイズ縮小によるトナーの低減効果等を得ることは可能である。
【0074】
また、「図表印刷」設定時においては、「サイズ関連設定」と「カラー関連設定」と「画質関連設定」と「用紙関連設定」とに関して、経済性向上設定の適用が決定される。
【0075】
なお、ここでは、「サイズ関連設定」と「カラー関連設定」と「画質関連設定」と「用紙関連設定」とに関して経済性向上設定を適用しても、「低重要度ページ」として抽出されたページ(テキストを主に含むページ)に関する印刷結果に及ぼす影響は比較的小さいと判断されるものとする。
【0076】
「サイズ関連設定」および「用紙関連設定」のそれぞれに関する経済性向上設定は上述の通りである。
【0077】
「カラー関連設定」の経済性向上設定(設定内容)としては、例えば「モノクロ印刷」設定が採用される。ユーザが文書全体に対して「フルカラー印刷」を指定しているときであっても、「低重要度ページ」のページ単位設定が「モノクロ印刷」設定に変更される。これによれば、図9に示すように、4つのページの「低重要度ページ」が抽出されている場合には、4枚の印刷出力を「フルカラー」から「モノクロ」に変更し、トナー等を節約することが可能である。
【0078】
また「画質関連設定」の経済性向上設定(設定内容)としては、例えば「低解像度印刷」設定が採用される。ユーザが文書全体に対して「高解像度(たとえば600dpi)印刷」設定を指定しているときであっても、「低重要度ページ」のページ単位設定が「低解像度(たとえば50dpi)印刷」設定に変更される。これによれば、図9に示すように、4つのページの「低重要度ページ」が抽出されている場合には、4枚の印刷出力を「高解像度印刷」から「低解像度印刷」に変更し、トナー等を節約することが可能である。
【0079】
また、「メール印刷」設定時においても、「サイズ関連設定」と「カラー関連設定」と「画質関連設定」と「用紙関連設定」とに関して経済性向上設定の適用が決定される。
【0080】
同様に、「ウエブページ印刷」設定時、「更新文書印刷」設定時、および「アンケート印刷」設定時においても、それぞれ同様に、「サイズ関連設定」と「カラー関連設定」と「画質関連設定」と「用紙関連設定」とに関して経済性向上設定の適用が決定される。
【0081】
その後、ステップS4において、ステップS3で決定された印刷設定に基づいて、コンピュータ90は印刷出力用データを生成する。そして、コンピュータ90は、生成された印刷出力用データをMFP10に送信する。
【0082】
MFP10は、受信した印刷出力用データに基づいて、印刷出力制御部18等によって印刷対象データBDに関する印刷出力動作を実行する。
【0083】
以上のような態様によれば、出力コンセプトに応じて低重要度ページが印刷対象データから抽出され(ステップS2)、出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定(エコ設定)が当該低重要度ページに対してページ単位で適用される。したがって、印刷出力における経済性をより適切に向上させることが可能である。特に、印刷対象文書の一部ページを印刷対象から除外(削除)することなく、印刷出力における経済性を向上させることが可能である。
【0084】
たとえば、出力コンセプトCPとして「文書印刷」が設定されている場合において、図8のような印刷対象データBDに対しては、「低重要度ページ」として抽出されたページPG3,PG4に対して、「サイズ関連設定」に関して、経済性向上設定(「2in1」設定)が適用される。また、「低重要度ページ」として抽出されたページPG3,PG4,PG7に対しては、「用紙関連設定」に関して、経済性向上設定(「再生紙」設定)が適用される。したがって、印刷出力における経済性をより適切に向上させることが可能である。特に、「低重要度ページ」であるページPG3,PG4,PG7も印刷出力されるので、当該各ページPG3,PG4,PG7の印刷出力内容を確認することもできる。
【0085】
あるいは、出力コンセプトCPとして「メール印刷」が設定されている場合において、図10のような印刷対象データBDに対しては、「低重要度ページ」として抽出された4つのページPG3〜PG6のそれぞれに対して、「サイズ関連設定」と「カラー関連設定」と「画質関連設定」と「用紙関連設定」とに関して経済性向上設定の適用が決定される。詳細には、「2in1」設定、「モノクロ」設定、「低解像度」設定、「再生紙」設定が設定される。したがって、印刷出力における経済性をより適切に向上させることが可能である。特に、「低重要度ページ」であるページPG3〜PG6も印刷出力されるので、当該各ページPG3〜PG6の印刷出力内容を確認することもできる。
【0086】
<3.その他>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0087】
たとえば、上記実施形態においては、ステップS3において、自動的にエコ設定が確定される場合が例示されているが、これに限定されず、ステップS3(図4)でMFP10によって設定変更された内容が、ユーザによって確認されるようにしてもよい。
【0088】
図14は、このような確認画面GA2を示す図である。たとえば、図8に示すようにページPG3,PG4,PG7に関する設定が変更される場合において、確認画面GA2にはその変更内容が表示されている。
【0089】
具体的には、第3ページPG3については、「1in1」が「2in1」に変更されているとともに、「普通紙」が「再生紙」に変更されていることが示されている。同様に、第4ページPG4についても、「1in1」が「2in1」に変更されているとともに、「普通紙」が「再生紙」に変更されていることが示されている。また、第7ページPG7については、「普通紙」が「再生紙」に変更されていることが示されている。なお、各欄の左側のチェック欄のチェック印を外すことによって、当該変更を適用しないこと(当該変更をキャンセルすること)が可能である。
【0090】
その後、画面GA2内のOKボタンBN3が押下されることによって変更内容が確定され、ステップS4(図4)に進む。一方、画面GA2内のキャンセルボタンBN4が押下されると、印刷処理自体がキャンセルされる。
【0091】
また、上記実施形態においては、抽出された「低重要度ページ」の連続ページ数を基準にしてエコ設定の適用の是非が決定される(図4のステップS3および図7参照)場合が例示されているが、これに限定されず、抽出された「低重要度ページ」の総ページ数を基準にして、エコ設定の適用の是非が決定されるようにしてもよい。その場合において、印刷ページ順序の変更が許容され得るときには、文書内での印刷ページ順序を変更して、複数の「低重要度ページ」が連続ページとして纏めて印刷されるようにしてもよい。
【0092】
また、上記実施形態においては、「図表印刷」設定時に「サイズ関連設定」と「カラー関連設定」と「画質関連設定」と「用紙関連設定」とに関して、経済性向上設定の適用が決定されているが、これに限定されない。たとえば、「図表印刷」設定時においては、「カラー関連設定」と「画質関連設定」と「用紙関連設定」とに関して、経済性向上設定の適用が決定され、「サイズ関連設定」に関しては、経済性向上設定が適用されないようにしてもよい。具体的には、「図表印刷」設定時において、テキストのみで構成されるページが「低重要度ページ」として抽出される場合であっても、文字の大きさ(見易さ)を重視して「Nin1」設定を「1in1」のまま維持するようにしてもよい。この場合には、「2in1」への設定変更によって文字が縮小され見難くなること、を回避することができる。
【0093】
また、「サイズ関連設定」、「カラー関連設定」、「画質関連設定」、「用紙関連設定」の設定変更内容は、上述の内容に限定されない。たとえば、「サイズ関連設定」として縮小倍率印刷(「50%印刷」)等が適用されるようにしてもよい。あるいは、「画質関連設定」として、トナーセーブ印刷(たとえば「トナーセーブオン設定」)、クリアトナーを用いた光沢モード「オフ」設定、パターン密度「疎」設定等が適用されるようにしてもよい。
【0094】
また、上記実施形態においては、各出力モードにおける設定変更対象の設定項目として、「サイズ関連設定」、「カラー関連設定」、「画質関連設定」、「用紙関連設定」の4つ(もしくはこれらのうちの2つ)を例示したが、これに限定されない。たとえば、各出力モードにおいて、任意の数の設定項目について設定変更が行われるようにしてもよい。
【0095】
また、上記実施形態においては、設定変更対象の設定項目として、「サイズ関連設定」、「カラー関連設定」、「画質関連設定」、「用紙関連設定」の4つを例示したが、これに限定されず、これら以外の設定項目に関する設定内容が変更されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0096】
10 MFP(印刷装置)
90 コンピュータ
100 印刷システム
BD 印刷対象データ
CP,CP1〜CP6 出力コンセプト
DT1,DT2 データテーブル
R1 チェック欄
R2 ドロップダウンリスト
RA1〜RA6 アンケート回答欄
UD 更新部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷システムであって、
印刷対象データの出力コンセプトに関するユーザ設定を受け付ける手段と、
前記印刷対象データを解析し、前記出力コンセプトに応じて、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出する抽出手段と、
前記低重要度ページに対して、前記出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定をページ単位の印刷設定として適用する設定手段と、
を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷システムにおいて、
前記出力コンセプトは、電子メールにおける非引用部分の確認を主眼とする第1のコンセプトであり、
前記抽出手段は、前記印刷対象データに関する複数の印刷出力ページのうち、前記電子メールで引用されている他の電子メールからの引用部分のみで構成されるページを前記低重要度ページとして抽出することを特徴とする印刷システム。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷システムにおいて、
前記第1のコンセプトに応じて定められた前記経済性向上設定は、サイズ関連設定とカラー関連設定と画質関連設定と用紙関連設定とのうちの少なくとも1つに関する設定内容を含むことを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
請求項2に記載の印刷システムにおいて、
前記第1のコンセプトに応じて定められた前記経済性向上設定は、2in1設定を含むことを特徴とする印刷システム。
【請求項5】
請求項1に記載の印刷システムにおいて、
前記出力コンセプトは、テキスト文書の確認を主眼とする第2のコンセプトであり、
前記抽出手段は、前記印刷対象データに関する複数の印刷出力ページのうち、テキスト以外の構成要素の構成割合が所定値以上のページを前記低重要度ページとして抽出することを特徴とする印刷システム。
【請求項6】
請求項5に記載の印刷システムにおいて、
前記第2のコンセプトに応じて定められた前記経済性向上設定は、モノクロ設定を含まず且つ2in1設定を含むことを特徴とする印刷システム。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の印刷システムにおいて、
前記設定手段は、前記低重要度ページとして抽出されたページ数に応じて、縮小印刷設定に関する前記経済性向上設定を前記低重要度ページに適用するか否かを決定することを特徴とする印刷システム。
【請求項8】
印刷システムであって、
印刷対象データを解析し、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出する抽出手段と、
前記低重要度ページに対するページ単位設定を、当該低重要度ページの情報に応じて設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項9】
請求項8に記載の印刷システムにおいて、
前記設定手段は、当該低重要度ページに含まれるコンテンツの種類に応じて経済性向上設定を決定し、前記低重要度ページに対して前記経済性向上設定を適用することを特徴とする印刷システム。
【請求項10】
請求項9に記載の印刷システムにおいて、
前記印刷対象データの出力コンセプトに関するユーザ設定を受け付ける受付手段、
をさらに備え、
前記抽出手段は、前記印刷対象データを解析し、前記出力コンセプトに応じて前記低重要度ページを抽出し、
前記設定手段は、前記低重要度ページに対して、前記コンテンツの種類に応じて前記出力コンセプトごとに定められた前記経済性向上設定を適用することを特徴とする印刷システム。
【請求項11】
請求項8に記載の印刷システムにおいて、
前記設定手段は、前記低重要度ページとして抽出されたページ数に応じて、縮小印刷設定に関する前記経済性向上設定を前記低重要度ページに適用するか否かを決定することを特徴とする印刷システム。
【請求項12】
コンピュータに、
a)印刷対象データの出力コンセプトに関するユーザ設定を受け付けるステップと、
b)前記印刷対象データを解析し、前記出力コンセプトに応じて、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出するステップと、
c)前記出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定をページ単位の印刷設定として前記低重要度ページに適用するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項13】
コンピュータに、
a)印刷対象データを解析し、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出するステップと、
b)前記低重要度ページに対するページ単位の印刷設定を、当該低重要度ページの情報に応じて設定するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項14】
印刷制御装置であって、
印刷対象データの出力コンセプトに関するユーザ設定を受け付ける手段と、
前記印刷対象データを解析し、前記出力コンセプトに応じて、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出する抽出手段と、
前記低重要度ページに対して、前記出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定をページ単位で適用する設定手段と、
を備えることを特徴とする印刷制御装置。
【請求項1】
印刷システムであって、
印刷対象データの出力コンセプトに関するユーザ設定を受け付ける手段と、
前記印刷対象データを解析し、前記出力コンセプトに応じて、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出する抽出手段と、
前記低重要度ページに対して、前記出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定をページ単位の印刷設定として適用する設定手段と、
を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷システムにおいて、
前記出力コンセプトは、電子メールにおける非引用部分の確認を主眼とする第1のコンセプトであり、
前記抽出手段は、前記印刷対象データに関する複数の印刷出力ページのうち、前記電子メールで引用されている他の電子メールからの引用部分のみで構成されるページを前記低重要度ページとして抽出することを特徴とする印刷システム。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷システムにおいて、
前記第1のコンセプトに応じて定められた前記経済性向上設定は、サイズ関連設定とカラー関連設定と画質関連設定と用紙関連設定とのうちの少なくとも1つに関する設定内容を含むことを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
請求項2に記載の印刷システムにおいて、
前記第1のコンセプトに応じて定められた前記経済性向上設定は、2in1設定を含むことを特徴とする印刷システム。
【請求項5】
請求項1に記載の印刷システムにおいて、
前記出力コンセプトは、テキスト文書の確認を主眼とする第2のコンセプトであり、
前記抽出手段は、前記印刷対象データに関する複数の印刷出力ページのうち、テキスト以外の構成要素の構成割合が所定値以上のページを前記低重要度ページとして抽出することを特徴とする印刷システム。
【請求項6】
請求項5に記載の印刷システムにおいて、
前記第2のコンセプトに応じて定められた前記経済性向上設定は、モノクロ設定を含まず且つ2in1設定を含むことを特徴とする印刷システム。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の印刷システムにおいて、
前記設定手段は、前記低重要度ページとして抽出されたページ数に応じて、縮小印刷設定に関する前記経済性向上設定を前記低重要度ページに適用するか否かを決定することを特徴とする印刷システム。
【請求項8】
印刷システムであって、
印刷対象データを解析し、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出する抽出手段と、
前記低重要度ページに対するページ単位設定を、当該低重要度ページの情報に応じて設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項9】
請求項8に記載の印刷システムにおいて、
前記設定手段は、当該低重要度ページに含まれるコンテンツの種類に応じて経済性向上設定を決定し、前記低重要度ページに対して前記経済性向上設定を適用することを特徴とする印刷システム。
【請求項10】
請求項9に記載の印刷システムにおいて、
前記印刷対象データの出力コンセプトに関するユーザ設定を受け付ける受付手段、
をさらに備え、
前記抽出手段は、前記印刷対象データを解析し、前記出力コンセプトに応じて前記低重要度ページを抽出し、
前記設定手段は、前記低重要度ページに対して、前記コンテンツの種類に応じて前記出力コンセプトごとに定められた前記経済性向上設定を適用することを特徴とする印刷システム。
【請求項11】
請求項8に記載の印刷システムにおいて、
前記設定手段は、前記低重要度ページとして抽出されたページ数に応じて、縮小印刷設定に関する前記経済性向上設定を前記低重要度ページに適用するか否かを決定することを特徴とする印刷システム。
【請求項12】
コンピュータに、
a)印刷対象データの出力コンセプトに関するユーザ設定を受け付けるステップと、
b)前記印刷対象データを解析し、前記出力コンセプトに応じて、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出するステップと、
c)前記出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定をページ単位の印刷設定として前記低重要度ページに適用するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項13】
コンピュータに、
a)印刷対象データを解析し、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出するステップと、
b)前記低重要度ページに対するページ単位の印刷設定を、当該低重要度ページの情報に応じて設定するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項14】
印刷制御装置であって、
印刷対象データの出力コンセプトに関するユーザ設定を受け付ける手段と、
前記印刷対象データを解析し、前記出力コンセプトに応じて、所定の基準よりも低い重要度を有するページを低重要度ページとして抽出する抽出手段と、
前記低重要度ページに対して、前記出力コンセプトごとに定められた経済性向上設定をページ単位で適用する設定手段と、
を備えることを特徴とする印刷制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−3989(P2013−3989A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136853(P2011−136853)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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