印刷システム、情報処理装置、画像処理装置、印刷方法及びプログラム
【課題】修正後の画像データを印刷する場合において、ユーザの作業負担を軽減させつつ、且つ消費される資源を節約する。
【解決手段】 印刷システム1は、記憶装置10に第1の画像データ15が記憶されている状態で、その第1の画像データ15に対応する修正後の第2の画像データ16を取得した場合、それら第1の画像データ15と第2の画像データ16とを比較して差分の検出される修正領域を特定する。そして印刷システム1は、第2の画像データ16において修正領域に基づく画像成分18を検出する。印刷システム1は、その画像成分18を配置した印刷レイアウト20を作成し、第1の画像データ15に基づき既に印刷出力された印刷済用紙17に対して、上記印刷レイアウト20に基づき画像成分18を印刷する。
【解決手段】 印刷システム1は、記憶装置10に第1の画像データ15が記憶されている状態で、その第1の画像データ15に対応する修正後の第2の画像データ16を取得した場合、それら第1の画像データ15と第2の画像データ16とを比較して差分の検出される修正領域を特定する。そして印刷システム1は、第2の画像データ16において修正領域に基づく画像成分18を検出する。印刷システム1は、その画像成分18を配置した印刷レイアウト20を作成し、第1の画像データ15に基づき既に印刷出力された印刷済用紙17に対して、上記印刷レイアウト20に基づき画像成分18を印刷する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、情報処理装置、画像処理装置、印刷方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、過去に印刷出力を行った画像データに対して修正版となる画像データを印刷出力させることが広く行われている。例えばユーザは、過去に画像データの印刷指示を行った後に、その画像データに修正の必要な箇所があることを発見すると、その画像データに対して修正操作を行った後、改めて印刷指示を行う。この場合、修正後の画像データを全て印刷出力すると、修正前と同一内容となるページが無駄になってしまう。
【0003】
上記のように修正後の画像データを再印刷する場合において、特許文献1には、過去に印刷出力された第1の印刷ジョブと、修正後となる第2の印刷ジョブとを比較して、第2の印刷ジョブのうち第1の印刷ジョブとは異なる文書内容が存在するページを検出し、その検出されたページのみを印刷出力する印刷システムが開示されている。このような構成によれば、修正部分が含まれるページのみが印刷出力されるので、全てのページを再印刷する場合に比べて印刷用紙を節約することができる。その一方で、上記のような構成では、修正部分が含まれるページを印刷出力するために新たな印刷用紙を消費するので、修正部分の含まれるページ数が増えるに連れて消費される印刷用紙も多くなる。
【0004】
特許文献2には、ユーザが操作パネルを介して修正前の画像データに手書き修正を行うことにより、過去に印刷出力された印刷済用紙に対してその修正箇所を上書き印刷する技術が開示されている。すなわち特許文献2に開示された複合機は、修正前の画像データに基づき印刷出力された印刷済用紙がセットされた後、操作パネルにおいてユーザによる画像データの修正指示が行われると、給紙される印刷済用紙に対して、その印刷済用紙と同色のトナーで修正対象となる部分を上書き印刷して消去した後、その消去した部分に対して修正後の情報を再印刷する構成である。このような構成によれば、印刷済用紙に対して修正箇所を上書き印刷するので、新規な印刷用紙を消費せずに済む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−134817号公報
【特許文献2】特開2010−93528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に開示された複合機は、以下のような問題がある。すなわち特許文献2に開示された複合機は、操作パネルなどに表示される画像データに対して、ユーザが手作業で修正操作を行う構成である。このような構成では、ユーザ自身が修正の必要なページを自身で探し出したり、修正部分の1つ1つに対して修正操作を行ったりしなければならないので手間となる。仮に修正部分が多いとその分ユーザの作業負担が増加する。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、修正後の画像データを印刷する場合において、ユーザの作業負担を軽減させつつ、且つ消費される資源を節約することのできる印刷システム、情報処理装置、画像処理装置、印刷方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、印刷システムであって、画像データを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得される画像データを記憶する記憶手段と、前記取得手段によって取得された画像データが前記記憶手段に記憶されている第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データである場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段と、前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段と、前記第1の画像データに基づいて既に印刷出力された印刷済用紙を給紙する給紙手段と、前記給紙手段によって給紙される印刷済用紙に対して、前記印刷レイアウト作成手段によって作成された印刷レイアウトに基づき前記画像成分を印刷する印刷手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0009】
このような構成によれば、ユーザの作業負担を軽減させつつ、且つ印刷用紙を節約することができる。すなわち印刷システムは、第1の画像データと第2の画像データとを比較して修正領域を自動検出するようになっている。これによりユーザが手作業により修正領域を検出する手間が省ける。また印刷システムは、第1の画像データに基づき既に印刷出力された印刷済用紙に対して、第2の画像データにおける修正領域に基づく画像成分、つまり修正後の画像成分を印刷するので、新たな印刷用紙を消費しないで済む。
【0010】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の印刷システムにおいて、前記印刷レイアウト作成手段は、前記印刷レイアウトを作成する際、前記修正領域に対応する位置に所定の描画パターンを更に配置し、前記印刷手段は、前記印刷レイアウト作成手段によって作成される印刷レイアウトに基づいて前記印刷済用紙に対して前記描画パターンの印刷を行うことを特徴とする構成である。
【0011】
このような構成によれば、修正領域に対応する位置に描画パターンが配置されて印刷レイアウトが作成されるので、給紙される印刷済用紙の修正対象となる部分に対して描画パターンを上書きすることができる。これにより修正対象となる部分が描画パターンで上書き印刷されるので、例えばユーザに修正対象となった箇所を比較的容易に知覚させることができる。
【0012】
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の印刷システムにおいて、前記描画パターンは、取消線であることを特徴とする構成である。
【0013】
このような構成によれば、印刷済用紙における修正対象となる部分が取消線で上書きされるため、ユーザに対して修正箇所を適切に理解させることができる。
【0014】
請求項4にかかる発明は、請求項2に記載の印刷システムにおいて、前記描画パターンは、塗り潰しであることを特徴とする構成である。
【0015】
このような構成によれば、印刷済用紙における修正対象となる部分が塗り潰されるため、その修正対象となる部分を目立たせないことができる。
【0016】
請求項5にかかる発明は、請求項4に記載の印刷システムにおいて、前記印刷レイアウト作成手段は、塗り潰される領域に対して前記画像成分を配置した印刷レイアウトを作成することを特徴とする構成である。
【0017】
このような構成によれば、塗り潰される領域に対して画像成分が配置されるので、修正対象となった部分を目立たせずに修正後の内容で印刷物を提供することが可能である。
【0018】
請求項6にかかる発明は、1乃至4の何れかに記載の印刷システムにおいて、前記検出手段は、更に、前記第1又は第2の画像データに含まれる前記修正領域の近傍に位置する余白領域を検出し、前記印刷レイアウト作成手段は、前記画像成分を前記余白領域に配置した印刷レイアウトを作成することを特徴とする構成である。
【0019】
このような構成によれば、余白領域に画像成分が配置されるので、画像成分を印刷済用紙に印刷する際、その印刷済用紙と画像成分との印字が重なってしまうことを防止することができる。
【0020】
請求項7にかかる発明は、請求項6に記載の印刷システムにおいて、前記印刷レイアウト作成手段は、前記画像成分が前記余白領域に収まるように前記画像成分を拡大又は縮小して配置することを特徴とする構成である。
【0021】
このような構成によれば、画像成分を適切に余白領域に納めることができる。
【0022】
請求項8にかかる発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の印刷システムにおいて、前記印刷レイアウト作成手段は、前記画像成分又は前記修正領域の面積が所定値以上の場合に、前記印刷済用紙の裏面に対してその画像成分を配置することを特徴とする構成である。
【0023】
このような構成によれば、例えば表面に修正領域を付すスペースがない場合などに、修正領域を裏面に付すことが可能であるので使い勝手が良くなる。
【0024】
請求項9にかかる発明は、請求項1乃至8の何れかに記載の印刷システムにおいて、前記印刷手段は、印字色を指定して前記画像成分を印刷することを特徴とする構成である。
【0025】
このような構成によれば、例えば画像成分を用紙色に対して色違いで印刷出力することが可能であるので、ユーザに対して修正箇所を比較的容易に区別させることが可能になる。
【0026】
請求項10にかかる発明は、印刷ジョブを生成して送信する情報処理装置であって、印刷ジョブの生成対象となる画像データを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得される画像データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された画像データに基づいて印刷ジョブを生成して送信する印刷ジョブ出力手段と、前記記憶手段に記憶された第1の画像データに基づいて生成された印刷ジョブが前記印刷ジョブ出力手段によって送信された後に、前記取得手段によって前記第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データが取得された場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段と、前記検出手段によって前記修正領域が検出されることに伴い、前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段と、を備え、前記印刷ジョブ出力手段は、前記第1の画像データに基づいて出力された印刷済用紙を修正するための印刷ジョブを、前記印刷レイアウト作成手段によって作成される印刷レイアウトに基づいて生成し、該印刷ジョブを送信することを特徴とする構成である。
【0027】
このような構成によれば、ユーザの作業負担を軽減させつつ、且つ印刷用紙を節約することができる。すなわち情報処理装置は、第1の画像データと第2の画像データとを比較して修正領域を自動検出するようになっている。これによりユーザが手作業により修正領域を検出する手間が省ける。また情報処理装置は、第1の画像データに基づいて出力された印刷済用紙を修正するための印刷ジョブを、印刷レイアウト作成手段によって作成される印刷レイアウトに基づいて生成し、その印刷ジョブを送信する構成である。これによりその印刷ジョブに基づいて印刷処理が行われる場合に、第1の画像データに基づいて既に印刷出力された印刷済用紙に対して画像成分が付されるので、新たな印刷用紙を消費しないで済む。
【0028】
請求項11にかかる発明は、印刷ジョブを受信して印刷出力を行う画像処理装置であって、受信する印刷ジョブに含まれている画像データを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得される画像データを記憶する記憶手段と、前記取得手段によって取得された画像データが前記記憶手段に記憶されている第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データである場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段と、前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段と、前記第1の画像データに基づき既に印刷出力された印刷済用紙を給紙する給紙手段と、前記給紙手段によって給紙される印刷済用紙に対して、前記印刷レイアウト作成手段によって作成された印刷レイアウトに基づき前記画像成分を印刷する印刷手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0029】
このような構成によれば、ユーザの作業負担を軽減させつつ、且つ印刷用紙を節約することができる。すなわち画像処理装置は、第1の画像データと第2の画像データとを比較して修正領域を自動検出するようになっている。これによりユーザが手作業により修正領域を検出する手間が省ける。また画像処理装置は、第1の画像データに基づき既に印刷出力された印刷済用紙に対して、第2の画像データにおける修正領域に基づく画像成分、つまり修正後の画像成分を印刷するので、新たな印刷用紙を消費しないで済む。これにより印刷用紙を節約することができる。
【0030】
請求項12にかかる発明は、印刷方法であって、(a) 第1の画像データを取得するステップと、(b) 前記ステップ(a)において取得される第1の画像データを記憶するステップと、(c) 前記第1の画像データに基づいて印刷出力を行うステップと、(d) 前記第1の画像データに基づく印刷出力が行われた後、前記第1の画像データを記憶している状態で、前記第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データが取得された場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出するステップと、(e) 前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出するステップと、(f) 前記ステップ(e)において抽出される前記画像成分を配置した印刷レイアウトを作成するステップと、(g) 前記ステップ(c)で印刷出力された前記第1の画像データに基づく印刷済用紙を給紙するステップと、(h) 前記ステップ(g)によって給紙される印刷済用紙に対し、前記ステップ(f)で作成された印刷レイアウトに基づいて印刷出力を行うステップと、を有することを特徴とする構成である。
【0031】
このような構成によれば、ユーザの作業負担を軽減させつつ、且つ印刷用紙を節約することができる。すなわち印刷方法は、第1の画像データと第2の画像データとを比較して修正領域を自動検出する。これによりユーザが手作業により修正領域を検出する手間が省ける。また印刷方法は、第1の画像データに基づき既に印刷出力された印刷済用紙に対して、第2の画像データにおける修正領域に基づく画像成分、つまり修正後の画像成分を印刷する。これにより新たな印刷用紙を消費しないで済むので、印刷用紙を節約することができる。
【0032】
請求項13にかかる発明は、印刷ジョブを生成して送信するためのプログラムであって、コンピュータにおいて実行されることにより、前記コンピュータを、印刷ジョブの生成対象となる画像データを取得して所定の記憶手段に記憶させる取得手段、前記記憶手段に記憶された画像データに基づいて印刷ジョブを生成して送信する印刷ジョブ出力手段、前記記憶手段に記憶された第1の画像データに基づいて生成された印刷ジョブが前記印刷ジョブ出力手段によって送信された後に、前記取得手段によって前記第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データが取得された場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段、および、前記検出手段によって前記修正領域が検出されることに伴い、前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段、として機能させ、前記印刷ジョブ出力手段には、前記第1の画像データに基づいて出力された印刷済用紙を修正するための印刷ジョブを、前記印刷レイアウト作成手段によって作成される印刷レイアウトに基づいて生成させると共に、該印刷ジョブを送信させることを特徴とする構成である。
【0033】
このような構成によれば、ユーザの作業負担を軽減させつつ、且つ印刷用紙を節約することができる。すなわち上記構成によれば、第1の画像データと第2の画像データとを比較して修正領域を自動検出するようになっている。これによりユーザが手作業により修正領域を検出する手間が省ける。また上記構成によれば、第1の画像データに基づいて出力された印刷済用紙を修正するための印刷ジョブを、印刷レイアウト作成手段によって作成される印刷レイアウトに基づいて生成し、その印刷ジョブを送信する構成である。これによりその印刷ジョブに基づいて印刷処理が行われる場合に、第1の画像データに基づいて既に印刷出力された印刷済用紙に対して画像成分が付されるので、新たな印刷用紙を消費しないで済む。
【0034】
請求項14にかかる発明は、印刷ジョブを受信して印刷出力を行う画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置を、受信する印刷ジョブに含まれている画像データを取得し、所定の記憶手段に記憶させる取得手段、前記取得手段によって取得された画像データが前記記憶手段に記憶されている既に印刷出力済みの第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データである場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段、前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段、および、前記第1の画像データに基づいて既に印刷出力された印刷済用紙を給紙させ、前記印刷レイアウト作成手段によって作成された印刷レイアウトに基づき、前記画像成分を前記印刷済用紙に印刷させる印刷制御手段、として機能させることを特徴とする構成である。
【0035】
このような構成によれば、ユーザの作業負担を軽減させつつ、且つ印刷用紙を節約することができる。すなわち上記構成によれば、第1の画像データと第2の画像データとを比較して修正領域を自動検出するようになっている。これによりユーザが手作業により修正領域を検出する手間が省ける。また上記構成によれば、第1の画像データに基づき既に印刷出力された印刷済用紙に対して、第2の画像データにおける修正領域に基づく画像成分、つまり修正後の画像成分を印刷するので、新たな印刷用紙を消費しないで済む。これにより印刷用紙を節約することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、第1の画像データと第2の画像データとを比較することで修正領域が自動で検出されるので、ユーザが自身で修正領域を探し出す必要がなくなる。これによりユーザの作業負担が軽減される。また本発明によれば、第1の画像データに基づいて既に印刷出力された印刷済用紙に対して、修正領域に基づく画像成分が印刷されるので、新たに印刷用紙を消費しないで済む。これにより印刷用紙を節約することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】印刷システムの全体構成例を示す図である。
【図2】印刷システムにおいて実行される処理の概略を模式的に示す図である。
【図3】印刷システムにおいて実行される処理の概略を模式的に示す図である。
【図4】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図5】情報処理装置における制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図6】情報処理装置において実行される処理を模式的に示す図である。
【図7】印刷レイアウトの一例を示す図である。
【図8】印刷処理が行われた印刷済用紙の一例を示す図である。
【図9】印刷レイアウトの一例を示す図である。
【図10】印刷処理が行われた印刷済用紙の一例を示す図である。
【図11】印刷レイアウトの一例を示す図である。
【図12】印刷処理が行われた印刷済用紙の一例を示す図である。
【図13】情報処理装置における制御部によって実行される全体的な処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】情報処理装置における制御部によって実行される抽出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】情報処理装置における制御部によって実行される配置処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図17】画像処理装置における制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図18】印刷システムによって実行される処理を模式的に示す図である。
【図19】画像処理装置における制御部によって実行される全体的な処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図20】画像処理装置における制御部によって実行される出力処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0039】
図1は、本実施形態における印刷システム1の全体構成例を示す図である。印刷システム1は、例えばパーソナルコンピュータなどで構成される情報処理装置2と、その情報処理装置2とネットワーク3を介して相互にデータ通信可能に接続される画像処理装置5とで構成される。ネットワーク3は、例えば、一般的なオフィス内に構築されるLAN(Local Area Network)である。但し、これに限定されずネットワーク3は、WAN(Wide Area Network)などの広域通信網を含む複合ネットワークであってもよい。
【0040】
情報処理装置2は、各種情報を表示する表示部2aと、ユーザによる操作指示を入力する操作入力部2bとを備えている。情報処理装置2は、ユーザの指示操作に基づき画像データを作成するアプリケーションソフトウエアなどが予めインストールされている。そして情報処理装置2は、そのアプリケーションソフトウエアによって作成されるドキュメントなどの印刷対象となる画像データを取得して、例えば情報処理装置2に内蔵される記憶装置にその画像データを格納するように構成される。
【0041】
また印刷システム1は、情報処理装置2によって作成される画像データを取得するだけでなく、他のデータ通信装置から画像データを取得するように構成されることが好ましい。例えば、上記のように構成される複数の情報処理装置2がネットワーク3にデータ通信可能に構成されても良い。そして情報処理装置2は、他の情報処理装置2によって作成された画像データをネットワーク3を介して取得することが可能に構成されても良い。また情報処理装置2は、画像データを管理する管理サーバやUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの外部記憶装置とデータ通信可能に構成されても良い。この場合、情報処理装置2は、その外部記憶装置から画像データを取得することが可能に構成される。
【0042】
情報処理装置2は、上記のようにして取得する画像データに基づいて印刷ジョブを生成し、その印刷ジョブをネットワーク3を介して画像処理装置5に送信する構成である。画像データには、文書、図形及び写真などのオブジェクトが含まれる。
【0043】
画像処理装置5は、情報処理装置2からの印刷ジョブを受信して、その印刷ジョブに基づき印刷出力を行う構成である。すなわち画像処理装置5は、ユーザに各種指示操作を行わせる操作パネル6と、受信する印刷ジョブに基づいて印刷処理を実行する印刷処理部7と、印刷媒体となる印刷用紙をストックしておくための複数の給紙カセット8と、手差しによる印刷用紙を載置するためのフィーダ部9と、を備えている。また画像処理装置5は、画像処理装置5において実行される各種処理を制御する制御部(本発明の印刷制御手段)を備えている。画像処理装置5は、上記印刷機能だけでなく、更にコピー機能、スキャナ機能及びFAX機能などを備えたMFP(Multi Function Peripheral)などと称される装置で構成されても良い。
【0044】
印刷処理部7は、印刷処理を行うために必要な以下の構成を備えている。例えば、印刷処理部7は、給紙カセット8又はフィーダ部9から印刷用紙を1枚ずつ給紙する給紙部、給紙部から給紙された印刷用紙に対して、画像データに基づき画像形成を行う画像形成部、画像形成部によって形成されるトナー像(画像)を印刷用紙に転写させる転写部、印刷用紙に転写されたトナー像を定着させる定着部、印刷された印刷物を出力する出力部、及び、画像形成部にトナーを補充するトナーボトルなどを備えている。印刷処理部7は、本発明の印刷手段に対応するものである。
【0045】
また画像処理装置5は、複数の色違いとなるトナーボトルを備えても良い。また本実施形態においては、例えば用紙色が白色である場合、画像処理装置5は、既に用紙に印刷されている画像成分を消すための白トナーが補充されたトナーボトルを備える構成であっても良い。印刷処理部7は、複数の色違いとなるトナーボトルを備えている場合、それらのトナーボトルに含まれるトナーの配分を調節することによってカラー印刷を行うことができるように構成されても良い。
【0046】
上記給紙部は、印刷用紙を給紙する際、印刷用紙の給紙元を給紙カセット8とフィーダ部9とのうち何れかに切り替えることが可能に構成される。その切り替えは、ユーザによる指定に基づき行われる。例えば受信する印刷ジョブに給紙元として給紙カセット8が指定されている場合には、給紙部は、その給紙カセット8から印刷用紙を給紙し、また給紙元としてフィーダ部9が指定されている場合には、そのフィーダ部9から印刷用紙を給紙する。また印刷用紙の給紙元の切り替えは、ユーザによる操作パネル6への操作指示に基づき行われる構成でも良い。給紙部は、本発明の給紙手段に対応するものである。
【0047】
印刷処理部7は、給紙される印刷用紙の表裏両面に対して印刷を行うことが可能に構成される。例えば印刷処理部7は、印刷用紙の表裏を反転させる搬送機構を備え、裏面印刷を行う場合はその搬送機構を介して印刷用紙の表裏を反転させて給紙する。そして印刷処理部7は、その裏面に対して印刷処理を行う。また、印刷処理部7は、給紙される印刷用紙を2度反転させることで、印刷を行った印刷面に対して再び印刷を行うことが可能に構成される。例えば、印刷処理部7は、給紙される印刷用紙の表面に対する印刷処理が完了した場合、その印刷用紙を上記搬送機構によって裏面に反転させた後、再び搬送機構を介して印刷用紙を表面に反転させた状態で給紙する。これにより印刷処理部7は、その表面に対して再印刷を行うことが可能である。
【0048】
図2,図3は、上記のようにして印刷システム1によって実行される処理の概略を模式的に示す図である。図2に示すように情報処理装置2は、画像データを記憶する記憶装置10を備えている。例えば情報処理装置2は、第1の画像データ15を取得すると、その第1の画像データ15を記憶装置10に記憶させる。そしてその画像データ15に対して印刷指示が行われると、情報処理装置2は、その第1の画像データ15に基づく印刷ジョブを生成して画像処理装置5に対して送信し、その印刷ジョブを画像処理装置5に実行させる。このようにして第1の画像データ15に基づき印刷出力された印刷済用紙17が画像処理装置5によって印刷出力される。またこの場合、記憶装置10には、既に印刷出力された第1の画像データ15が記憶されている状態である。
【0049】
図3に示すように情報処理装置2は、既に印刷出力された第1の画像データ15が記憶装置10に記憶されている状態で、その第1の画像データ15に対して例えばページ番号を付加した第2の画像データ16を取得したとする。すなわちこの第2の画像データ16は第1の画像データ15の修正版である。この場合、情報処理装置2は、第1の画像データ15と第2の画像データ16とを比較して、第2の画像データ16から差分の検出される画像成分18を抽出する。図例では、第2の画像データ16から画像成分18としてページ番号が抽出される。そして情報処理装置2は、その画像成分18を配置した印刷レイアウト20を作成する。情報処理装置2は、上記のようにして画像成分18が配置された印刷レイアウト20を生成すると、その印刷レイアウト20に基づく印刷ジョブを生成し、その印刷ジョブを画像処理装置5に対して送信する。
【0050】
画像処理装置5においては、予めユーザが手差しによって印刷済用紙17をフィーダ部9にセットする。その状態で画像処理装置5は、情報処理装置2からの印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブを実行する。印刷ジョブを実行する際、画像処理装置5は、フィーダ部9から印刷済用紙17を給紙して、その印刷済用紙17に対して画像成分18を印刷する。この場合、図例に示すように修正後の内容である画像成分18が印刷済用紙17に上書き印刷されて出力される。
【0051】
上記のような更新印刷を行うことにより、印刷システム1は、修正後の第2の画像データ16から画像成分18を自動で抽出するので、ユーザ自身が修正箇所を探し出す必要がなくなる。またこのような構成は、修正版となる画像データの作成ユーザと、修正箇所を印刷済用紙17に反映する担当ユーザとが異なる場合にも使い勝手が良い。例えば修正版となる第2の画像データ16が作成ユーザによって作成され、修正箇所を知らない担当ユーザが作成ユーザから第2の画像データ16を受け取ったとする。この場合、担当ユーザは、修正箇所を知らないので、従来であれば印刷済用紙17と第2の画像データ16とを自身で比較して修正箇所を探し出さなければならない。一方、担当ユーザは、修正版となる画像データの全ページを印刷出力することでそのような手間を省くことも可能であるが、この場合、修正前の画像データに基づき印刷出力された印刷済用紙が全て無駄になってしまう。
【0052】
本実施形態の印刷システム1によれば、修正版となる第2の画像データ16から画像成分18を自動で抽出するので、担当ユーザは、自身で修正箇所を探し出す必要がなくなり作業負担が軽減される。更に、印刷システム1は、第1の画像データ15に基づき既に印刷出力された印刷済用紙17に対して画像成分18を印刷するので紙資源を1枚も余分に消費せずに済む。これにより印刷用紙を節約することができる。
【0053】
以下、上記のように構成される印刷システム1について詳しく説明する。尚、以下においては、第1の画像データ15と第2の画像データ16とを特に区別する必要がない場合には、単に「画像データ」と称する。
【0054】
図4は、情報処理装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。図例に示すように、情報処理装置2は、この情報処理装置2の動作を制御する制御部25と、画像処理装置5や上記外部記憶装置などの外部機器と接続するためのネットワークインタフェース26と、上述した表示部2aと、操作入力部2bと、記憶装置10とを備え、それぞれがバス27を介して相互にデータ通信が可能に接続される構成である。
【0055】
制御部25は、CPU25aとメモリ25bとを備えており、各部の動作を制御するものである。CPU25aは、記憶装置10に記憶されているプログラム28を読み出して実行する。ここで、プログラム28は、制御部25を後述する各種処理部として機能させるためのプログラムである。メモリ25bは、CPU25aがプログラム28を実行することに伴う一時的なデータなどを記憶するものである。
【0056】
ネットワークインタフェース26は、情報処理装置2を、ネットワーク3(図1)に接続するためのものである。尚、ネットワークインタフェース26は、ネットワーク3に対して有線接続されるものであっても良いし、無線接続されるものであっても良い。
【0057】
記憶装置10は、ハードディスク装置などの不揮発生の記憶手段であり、上述したプログラム28を記憶すると共に、画像データを記憶する記憶領域である画像データ記憶部29を備える。但し、画像データ記憶部29は、必ずしも記憶装置10に設けられるものに限られず、例えばメモリ25bなどに設けられるものであっても構わないし、上述した外部記憶装置に設けられるものであっても構わない。
【0058】
図5は、情報処理装置2における制御部25の機能構成の一例を示すブロック図である。制御部25は、上述したCPU25aがプログラム28を実行することにより、画像データ作成部41、管理部42、検出部43、印刷レイアウト作成部44及び印刷ジョブ出力部45として機能する。これら各処理部は、各種情報を入力することで連携した動作を行うように機能する。以下、各処理部の具体的な処理内容について説明する。
【0059】
画像データ作成部41は、上述した画像データ作成用のアプリケーションソフトウエアなどが上記CPU25aによって実行されることで、画像データを作成する処理部として機能する。すなわち記憶装置10に記憶されるプログラム18には、画像データ作成部41として機能するアプリケーションソフトウエアと、上記管理部42、検出部43、印刷レイアウト作成部44及び印刷ジョブ出力部45として機能する例えばプリンタードライバーなどが含まれる。そして制御部25は、CPU25aがそれらアプリケーションソフトウエアとプリンタードライバーとを互いに連携させて実行することにより、本実施形態における各処理部41〜45として機能する構成である。但し、プログラム18は、CPU25aに実行されることにより各処理部41〜45として機能することができれば、上記構成に限られない。画像データ作成部41は、ユーザによる操作入力部2bに対する指示操作に基づいて、文書、画像及び/又は写真などのオブジェクトが含まれる画像データを作成する。また画像データ作成部41は、画像データ記憶部29に記憶されている画像データを読出して、ユーザの指示操作に基づきその画像データに対する修正を行うことも可能である。
【0060】
管理部42は、画像データ15を取得して管理する処理部である。管理部42は、ユーザの操作入力部2bに対する指示操作に基づいて、画像データ作成部41によって作成される画像データを取得して画像データ記憶部29に記憶させる。このとき管理部42は、取得部として機能する。また情報処理装置2がネットワークインタフェース26を介して他の情報処理装置2や外部記憶装置などとデータ通信可能に構成されている場合、管理部42は、それら他の情報処理装置2や外部記憶装置などから画像データを取得して画像データ記憶部29に記憶させるように構成される。
【0061】
管理部42は、画像データ記憶部29に第1の画像データ15が記憶されている状態で、その第1の画像データ15に対応する修正後のデータである第2の画像データ16を取得した場合、それら第1および第2の画像データ15,16を互いに関連付けて管理する。すなわち、第1の画像データ15と第2の画像データ16はそれぞれ異なるタイミングで取得することになるため、管理部42は、第2の画像データ16を取得したタイミングで、修正前の第1の画像データ15と、修正後の第2の画像データ16とを相互に関連付ける。このような関連付けは、管理部42において自動で行うことができる。例えば管理部42は、第1の画像データ15が画像データ記憶部29に記憶されている状態で、新たに画像データを取得した場合、その取得した画像データが第1の画像データ15に対して修正版となる第2の画像データ16であるか否かを判断する。例えば、新たに取得した画像データが第1の画像データ15と同一ファイル名である場合、管理部42は、その新たに取得した画像データが、第1の画像データ15に対して修正版となる第2の画像データ16であると判断する。管理部42は、上記のようにして第1及び第2の画像データ15,16を特定すると検出部43に対して抽出処理(後述する)を開始するように指示する。
【0062】
但し、制御部25は、必ずしも第2の画像データ15を特定した段階で抽出処理を開始する必要はない。例えば管理部42は、取得する画像データに対してユーザによる更新印刷開始の指示(以下「更新印刷指示」と称する)を受付けた場合に、検出部43に対して抽出処理を開始するように指示しても良い。
【0063】
また管理部42は、必ずしも上記のように、第1の画像データ15と第2の画像データ16とを自動判別する必要はない。例えば管理部42は、画像データの取得と同時にユーザからの更新印刷指示を受付けた場合、その取得する画像データを第2の画像データ16として特定して画像データ記憶部29に記憶させる。そして管理部42は、その第2の画像データ16に対して修正前となる第1の画像データ15を特定するための画像データ識別情報をユーザに指定させるように構成しても良い。そしてユーザにより画像データ識別情報が指定されると、管理部42は、その画像データ識別情報に基づき画像データ記憶部29を検索して第1の画像データ15を特定する。
【0064】
更に管理部42は、画像データ作成部41によって修正作業が行われている状態で、その修正作業中の画像データに対する更新印刷指示を受付けた場合、その修正作業が行われている画像データを取得して第2の画像データ16として特定しても良い。そして管理部42は、特定された第2の画像データ16を画像データ記憶部29に記憶させると共に、画像データ識別情報をユーザに指定させることで第1の画像データ15を特定するように構成しても良い。すなわち管理部42は、異なるタイミングで取得する修正前の第1の画像データ15と、その第1の画像データ15に対して修正後となる第2の画像データ16を特定することができれば、第1及び第2の画像データ15,16を特定するための手法については何れの手法を用いても構わない。
【0065】
検出部43は、管理部42からの指示に基づいて機能し、抽出処理を実行する処理部である。すなわち検出部43は、画像データ記憶部29において互いに関連付けられて記憶されている第1の画像データ15と第2の画像データ16とを読出し、それら第1の画像データ15と第2の画像データ16とを比較する。そして検出部43は、各画像データ15,16において差分が検出される領域を修正領域として検出すると共に、第2の画像データ16からその修正領域に含まれる画像成分18を抽出する。
【0066】
図6は、上記のようにして検出部43によって実行される抽出処理を模式的に示す図である。図6に示す第2の画像データ16は、第1の画像データ15の修正版である。検出部43は、第1の画像データ15と第2の画像データ16とを比較して、第1の画像データ15から第2の画像データ16と相違する修正領域50aを検出すると共に、第2の画像データ16から第1の画像データ15と相違する修正領域50bを検出する。また検出部43は、第2の画像データ16の修正領域50bに含まれる「BBBB」なる文字列を画像成分18として抽出する。
【0067】
但し、第1の画像データ15と第2の画像データ16とを比較して抽出される画像成分18が、例えばグラフなどの図形の一部である場合、検出部43は、その図形全体を画像成分18として抽出することが好ましい。これは、仮に図形の一部のみを抽出すると、印刷済用紙17にその図形の一部を印刷した場合に図形全体として理解し難くなってしまう可能性があるからである。そこで検出部43は、第1の画像データ15と第2の画像データ16とを比較して、差分が検出された場合、その差分が何れのオブジェクトに属するかを判断する。そして検出部43は、図形オブジェクト又は写真オブジェクトから差分が検出された場合には、図形全体又は写真全体を修正領域50a,50bとして抽出する。また検出部43は、図例のように文書オブジェクトから差分が検出された場合には、文書オブジェクト中において差分の検出された領域を修正領域50a,50bとして検出する。検出部43は、上記のようにして修正領域50a,50bを検出した後、第2の画像データ16における修正領域50bに基づいて画像成分18を抽出すると、その画像成分18を図5に示す印刷レイアウト作成部44に出力する。
【0068】
印刷レイアウト作成部44は、検出部43から画像成分18を受け取ることで機能し、その画像成分18を配置して印刷レイアウト20を作成する処理部である。すなわち印刷レイアウト作成部44は、検出部43から画像成分18を受け取ると、以下のようにして、その画像成分18を配置した印刷レイアウト20を作成する。画像成分18の配置位置は、予め登録される設定内容によって異なるので、以下、場合を分けて説明する。
【0069】
図7は、画像成分18が、第1の画像データ15の余白領域に対応して配置された印刷レイアウト20の一例を示す図である。印刷済用紙17は、第1の画像データ15に基づき印刷出力されたものであるので、第1の画像データ15の余白領域に対応した位置に画像成分18を配置すれば、その画像成分18は印刷済用紙17の余白領域に印刷されることになる。そこで印刷レイアウト作成部44は、検出部43から画像成分18を受け取ると、まず第1の画像データ15を参照して、その第1の画像データ15に含まれる余白領域を特定する。このとき印刷レイアウト作成部44は、第1の画像データ15における修正領域50aの近傍に位置する余白領域を特定する。また印刷レイアウト作成部44は、図例のように文書オブジェクト内に修正領域50aが存在することを検出した場合、修正領域50aの直前又は直後に存在する行間であって、且つ修正領域50の近傍を余白領域として特定する。
【0070】
余白領域を特定する際、印刷レイアウト作成部44は、画像成分18が収まるか否かを判断しても良い。すなわち印刷レイアウト作成部44は、第1の画像データ15において、修正領域50aの最も近くに存在する余白領域を検出すると、その余白領域に画像成分18が収まるか否かを判断し、その余白領域に画像成分18が収まる場合に、その余白領域を画像成分18の配置すべき位置として特定する。一方、検出した余白領域に画像成分18が収まらない場合、印刷レイアウト作成部44は、次に修正領域50aに近い余白領域に対して画像成分18が収まるか否かを判断する。このようにして印刷レイアウト作成部44は、修正領域50aの属するページ内において、画像成分18が収まる余白領域があるか否かを修正領域50aから近い順に判断していき、画像成分18が収まる余白領域が最初に見つかった場合に、その余白領域を画像成分18の配置すべき位置として特定する。
【0071】
また、例えば画像成分18の面積が比較的大きいために、修正領域50aの属するページ内において画像成分18が収まる余白領域を検出できない場合がある。この場合、印刷レイアウト作成部44は、以下のように処理を行っても良い。すなわち印刷レイアウト作成部44は、予め設定される縮小率の範囲内において画像成分18を縮小することで、その画像成分18が余白領域に収まるか否かを試みる。この判断も上記と同様に、修正領域50aから最も近い余白領域から順に行われる。そして縮小することで画像成分18が収まる余白領域が特定されると、印刷レイアウト作成部44は、その余白領域に収まるように画像成分18を縮小して配置する。それとは逆に、例えば画像成分18に対して余白領域が大きい場合、印刷レイアウト作成部44は、画像成分18を拡大して配置しても良い。
【0072】
上記のようにして印刷レイアウト作成部44は、余白領域を特定すると、その余白領域に対応する位置に画像成分18を配置して印刷レイアウト20を作成する。このとき印刷レイアウト作成部44は、修正領域50aの属するページを指定して印刷レイアウト20を作成する。これにより印刷済用紙17の修正該当ページに対して画像成分18が付されることになる。
【0073】
また図7に示すように印刷レイアウト作成部44は、修正領域50aの位置に対応して所定の描画パターン49を追加配置しても良い。例えば描画パターン49は、図例のように取消線である。修正領域50aは、第1の画像データ15の「AAAA」を含む領域であるので、その修正領域50aを反映した位置に取消線を配置することにより、印刷済用紙17に付されている「AAAA」なる修正前の記載に対して取消線が上書き印刷されることになる。これによりユーザは、印刷済用紙17の何れに対して修正が行われたのかを比較的容易に区別することができるようになる。
【0074】
但し、図3に例示したように、印刷済用紙17にページ番号を追加的に付すような場合に取消線は必要ない。そこで印刷レイアウト作成部44は、印刷レイアウト20を作成する際、第1の画像データ15の修正領域50aに画像が含まれているか否かを検知し、画像が含まれている場合に、その修正領域50aの位置に対応して描画パターン49を配置する。これにより印刷済用紙17に画像成分18を印刷する場合において、その画像成分18に対応する修正前の記載があるときには、その修正前の記載に対して取消線が上書きされ、一方、画像成分18に対応する修正前の記載がないときには、取消線が付されないことになる。
【0075】
また、上記においては、第1の画像データ15における修正領域50aに対応した位置に描画パターン49を配置して印刷レイアウト20を作成する場合を例示した。但しこれに限られず、第2の画像データ16における修正領域50bに対応した位置に描画パターン49を配置しても良い。なぜなら第2の画像データ16は、修正箇所以外の部分については第1の画像データ15と同一画像であるので、第2の画像データ16の余白領域を特定した場合、第1の画像データ15の余白領域を特定した場合と異ならない特定結果になるからである。
【0076】
また印刷レイアウト作成部44は、予め設定される印刷設定に基づいて画像成分18の印字色を、印刷済用紙17の印字色とは異なるように配色しても良い。また印刷レイアウト作成部44は、画像成分18と描画パターン49とが互いに色違いに印字されるように印刷設定を自動で変更して配色を行っても良い。
【0077】
印刷レイアウト作成部44は、上記のようにして印刷レイアウト20を作成すると、その印刷レイアウト20に基づいて印刷ジョブを生成するように図5に示す印刷ジョブ出力部45に対して指示する。
【0078】
印刷ジョブ出力部45は、印刷ジョブを生成して、その印刷ジョブを画像処理装置5に対して送信する処理部である。すなわち印刷ジョブ出力部45は、印刷レイアウト作成部44からの指示を受け取ることで機能し、印刷レイアウト作成部44によって作成された印刷レイアウト20に基づき印刷ジョブを生成する。印刷ジョブ出力部45は、更新印刷を行う場合、画像処理装置5の給紙元としてフィーダ部9を指定することが好ましい。印刷ジョブ出力部45は、印刷ジョブを生成すると、その印刷ジョブを画像処理装置5に対して送信する。また印刷ジョブ出力部45は、印刷ジョブ出力部45を送信する前に、印刷済用紙17をフィーダ部9にセットするように案内する案内画面を生成して表示部2aに表示させ、ユーザによる案内画面に対する確認操作に基づき印刷ジョブを画像処理装置5に対して送信しても良い。
【0079】
次に画像処理装置5において実行される処理について説明する。画像処理装置5は、上記のようにして情報処理装置2から送信される印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブを実行することにより、フィーダ部9から給紙される印刷済用紙17に対して印刷処理を行う。
【0080】
図8は、画像処理装置5において画像成分18と描画パターン49とが印刷された印刷済用紙17の一例を示す図である。すなわち図7に示したように画像成分18が印刷レイアウト20において、修正領域50aの直後の行間に対応して配置されることで、図8に示すように印刷済用紙17においても修正前となる記載である「AAAA」なる文字列の直後の行間に画像成分18である「BBBB」なる文字列が付される。また、図7に示したように印刷レイアウト20において取消線の描画パターン49が第1の画像データ15の修正領域50aに対応した位置に配置されるので、図8に示すように印刷済用紙17においても修正前となる記載「AAAA」に対して取消線の描画パターン49が上書きされる。
【0081】
図9は、描画パターン49が塗り潰しである場合の処理を模式的に示す図である。すなわち情報処理装置2の制御部25は、複数の描画パターン49のうち何れかをユーザに予め設定させるように構成される。そして制御部25は、その設定に基づき描画パターン49を決定する。従って描画パターン49として取消線が設定されている場合には、上記のように空白領域に対する画像成分18と修正領域50aに対する取消線とが印刷され、一方、描画パターン49として塗り潰しが設定されている場合には、以下に説明するように、修正領域50aに対する塗り潰し領域と、その塗り潰し領域に対する画像成分18とが印刷される。但し、必ずしも描画パターン49を付す必要はなく、例えば描画パターン49が付されない状態で画像成分18が付されても構わない。また描画パターン49は、取消線及び塗り潰しに限定されない。
【0082】
図9(a)は、塗り潰し領域のみを配置した印刷レイアウト20aと、画像成分18のみを配置した印刷レイアウト20bとの2つの印刷レイアウト20a,20bを作成する場合を示す図である。また図9(b)は、塗り潰し領域に対して画像成分18を重ねて配置した印刷レイアウト20を示す図である。
【0083】
図9(a)に示すように、印刷レイアウト作成部44は、まず第1の画像データ15の修正領域50aの位置に対応して塗り潰し領域を配置した印刷レイアウト20aを作成する。このとき印刷レイアウト作成部44は、塗り潰し領域の配色設定を自動で行っても良い。例えば、画像処理装置5が白トナーを有している場合、印刷レイアウト作成部44は、塗り潰し領域の配色を白色に設定する。また白トナーを備えていない場合、印刷レイアウト作成部44は、予め設定される色設定に基づき配色を行う。
【0084】
続いて印刷レイアウト作成部44は、第1の画像データ15の修正領域50aの位置に対応して画像成分18を配置した印刷レイアウト20bを作成する。また印刷レイアウト作成部44は、印刷レイアウト20a,20bのそれぞれに対して、修正領域50aの属するページを指定する。これにより印刷レイアウト20bにおいて、画像成分18は、先に作成された印刷レイアウト20aの塗り潰し領域に対応して配置されることになる。画像成分18の配色を行う場合、印刷レイアウト作成部44は、塗り潰し領域に対して使用する色とは異なる色を選択する。
【0085】
次に印刷レイアウト作成部44は、印刷レイアウト20a,20bの印刷順序を指定する。すなわち印刷レイアウト作成部44は、塗り潰し領域を配置した印刷レイアウト20aを先に、画像成分18を配置した印刷レイアウト20bを後に設定し、それらを同一ページに順次印刷することを指定する。これにより印刷済用紙17に対して最初に塗り潰し領域が付されてから、その塗り潰し領域に対して画像成分18が上書き印刷されることになる。印刷レイアウト作成部44は、上記のようにして印刷レイアウト20a,20bを作成すると、印刷ジョブ出力部45に対して印刷ジョブを生成するように指示する。
【0086】
図5に示す印刷ジョブ出力部45は、印刷レイアウト作成部44によって作成される各印刷レイアウト20a,20bに基づき印刷ジョブを生成する。そして印刷ジョブ出力部45は、その印刷ジョブを画像処理装置5に送信する。
【0087】
図10は、塗り潰し領域に対して画像成分18が付された場合の印刷済用紙17の一例を示す図である。すなわち、画像処理装置5は、情報処理装置2から印刷ジョブを受信すると、印刷済用紙17がフィーダ部9にセットされていることを条件として印刷ジョブを実行する。画像処理装置5は、印刷ジョブに含まれる印刷順序に従って印刷ジョブを実行する。すなわち画像処理装置5は、印刷済用紙17に対して、まず塗り潰し領域を印刷する。印刷レイアウト20aにおいては、修正領域50aの位置に対応して塗り潰し領域が配置されているため、印刷済用紙17において修正対象となる部分に対して塗り潰し領域が上書き印刷される。
【0088】
次に画像処理装置5は、塗り潰し領域が付された印刷済用紙17を2度反転させることにより、再び印刷済用紙17の印刷面を印刷可能な状態にした後、画像成分18を印刷する。このとき印刷レイアウト20bにおいては、塗り潰し領域に対応して画像成分18が配置されているため、印刷済用紙17においても塗り潰し領域に対応して画像成分18が付される。これにより図10に示すように、印刷済用紙17の修正対象となる部分に修正後の「BBBB」なる文字列が上書き印刷される。
【0089】
また図9bに示すように、印刷レイアウト作成部44は、塗り潰し領域と画像成分18とを重ねた状態で合成した合成画像48を生成し、その合成画像48を第1の画像データ15の修正領域50aに対応した位置に配置して印刷レイアウト20を作成しても良い。このような構成によっても、第1の画像データ15において修正領域50aの位置に対応して合成画像48が配置されているので、図10に示すように印刷済用紙17に対して1度の印刷で修正対象となる部分が塗り潰されると共に画像成分18が上書き印刷される。
【0090】
ところで、印刷レイアウト作成部44が余白領域を特定する際、予め設定された縮小率の範囲内で画像成分18を縮小しても修正領域50aの属するページ内では余白領域を検出することができない場合がある。例えば画像成分18が矩形で構成される場合において、予め設定された縮小率の範囲内まで縮小された画像成分18の面積が、検出される余白領域のうち最も大きな矩形面積よりも大きい場合などである。すなわち印刷レイアウト作成部44は、最小の状態まで縮小された画像成分18の面積を検出すると共に、その画像成分18と相似の余白領域の面積を検出する。そして印刷レイアウト作成部44は、画像成分18の面積値が余白領域の面積値よりも大きい場合、印刷済用紙の17の裏面が白紙ページであることを条件としてその裏面に画像成分18を付すように印刷レイアウト20を作成しても良い。また印刷レイアウト作成部44は、裏面に対する印刷の可不可を選択させる選択画面を表示部2aに表示させても良い。この場合、印刷レイアウト20は、ユーザの選択画面に対する選択結果に基づいて、裏面に対する印刷が可能であると選択される場合に、裏面に対する印刷レイアウト20を作成する。
【0091】
但し、例えば画像成分18が図形や写真であり、その画像成分18に関する説明文が画像成分18と同一ページに記載されている場合、画像成分18のみを裏面に付してしまうと、ユーザは、出来上がった印刷物の表面と裏面とを交互に参照しなければならず不便である。そこで印刷レイアウト作成部44は、修正領域50aの属するページ内に画像成分18を付すべき余白領域を検出することができない場合であって、且つその画像成分18が図形や写真で構成される場合には、その画像成分18を裏面に付すと共に、その画像成分18と同一ページに含まれる文書についても裏面に付すように印刷レイアウト20を作成するようにしても良い。
【0092】
図11は、上記のような裏面印刷が行われる場合において、一例として図形で構成される画像成分18を配置した印刷レイアウト20を示す図である。印刷レイアウト作成部44は、図形で構成される画像成分18を配置すべき余白領域が、修正領域50aの属するページ内に検出できない場合、図例のように修正領域50aの属するページの裏面を指定して画像成分18を配置した印刷レイアウト20dを作成する。またこのとき印刷レイアウト作成部44は、修正領域50aの属するページに含まれる文書を複製し、その文書を追加配置して印刷レイアウト20dを作成する。印刷レイアウト作成部44は、印刷レイアウト20dにおいて、図形で構成される画像成分18と、文書とが1ページ内に収まるように各オブジェクトの位置関係を調節したり、各オブジェクトを拡大又は縮小したりしても良い。更に、印刷レイアウト作成部44は、修正領域50aの属するページの表面を指定して、図11に示すように修正内容に関するメッセージを配置した印刷レイアウト20cを作成しても良い。
【0093】
印刷レイアウト作成部44は、上記のようにして印刷レイアウト20c,20dを作成すると、印刷ジョブ出力部45に対して印刷ジョブを生成するように指示する。そして印刷ジョブ出力部45は、それら印刷レイアウト20c,20dに基づき印刷ジョブを生成して、その印刷ジョブを画像処理装置5に対して送信する。
【0094】
図12は、裏面印刷が行われた場合の印刷済用紙17の一例を示す図である。すなわち画像処理装置5は、情報処理装置2からの印刷ジョブを受信すると、フィーダ部9に印刷済用紙17がセットされていることを条件として、その印刷ジョブを実行する。このとき画像処理装置5は、印刷レイアウト20c,20dに従って、印刷済用紙17の表面には、修正内容に関するメッセージを印刷し、裏面には、図形で構成される画像成分18と、その画像成分18と同一ページに含まれる文書とを印刷する。これにより画像成分18とその画像成分18を説明する文書とが同一ページに付されるので、印刷システム1は、ユーザに対して印刷済用紙17の表面と裏面とを交互に参照させずに済む。また修正後の記載となる画像成分18が印刷済用紙17に対して付されるので印刷用紙を節約することができる。
【0095】
但し、裏面印刷を行う条件は、必ずしも余白領域に画像成分18が収まらない場合に限られない。例えば、修正領域50aの面積が所定値よりも大きい場合、つまり印刷済用紙17の修正対象となる部分が1ページの面積に対して所定の割合以上である場合に、その部分に描画パターン49を付すと、トナー消費量が多くなってしまうと共に、却ってそのページを見づらいものにしてしまう可能性がある。また同様に、修正領域50aの数が所定値よりも多く検出される場合にも各修正領域50aに対応して描画パターン49を配置するとトナー消費量が多くなると共に、見づらいページとなってしまうことがある。このような場合、描画パターン49を付さないことが考えられるが、同一ページに修正前の記載と修正後の記載とが混在すると何れの記載が修正後であるかの判断が難くなってしまう可能性がある。そこでこの場合には裏面印刷を行うことが好ましい。印刷レイアウト作成部44は、裏面印刷を行うために以下のように処理を行う。
【0096】
すなわち印刷レイアウト作成部44は、1ページ内において検出される全ての修正領域50aの合計面積を検出し、その合計面積が予め設定される所定値以上である場合、修正領域50aの属するページの裏面を指定して画像成分18を配置した印刷レイアウト20dを作成する。また上記と同様に印刷レイアウト20は、上述した選択画面に対するユーザの選択結果に基づいて、最終的に裏面に対する印刷が可能であるか否かを判断しても良い。これにより印刷済用紙17の裏面に画像成分18が付されるため修正対象となる部分に描画パターン49を付す必要がなくなるので、トナーを節約することができる。但し上記説明は描画パターン49の印刷を排除する趣旨ではない。
【0097】
図13は、情報処理装置2における制御部25において実行される全体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、図13を参照して制御部25において実行される全体的な処理の処理手順について詳しく説明する。尚、以下の説明は、ユーザによる更新印刷指示を受付けた場合に抽出処理が開始される場合を例示する。また図13に示す処理は、一定間隔で繰り返し実行される処理である。
【0098】
制御部25は、画像データ15を取得すると(ステップS1のYES)、その画像データを画像データ記憶部29に記憶させる(ステップS2)。その状態で更新印刷指示を受付けると(ステップS3のYES)、制御部25は、更新印刷指示により指定された第1の画像データ15が画像データ記憶部29に記憶されているか否かを検出する。つまり制御部25は、第1及び第2の画像データ15,16が特定可能であるか否かを判断する(ステップS4)。
【0099】
制御部25は、第1及び第2の画像データ15,16を特定可能である場合(ステップS4のYES)、抽出処理を実行する(ステップS5)。制御部25は、抽出処理が終了すると、次に配置処理を行う(ステップS6)。制御部25は、配置処理が終了すると印刷ジョブを生成し、その印刷ジョブを画像処理装置5に対して送信する(ステップS7)。また、制御部25は、画像データを取得しない場合(ステップS1のNO)、ステップS2をスキップする。そして制御部25は、更新印刷指示を受け付けない場合(ステップS3のNO)、及び第1及び第2の画像データ15,16を特定することができない場合(ステップS4のNO)、処理を終了する。以上により全体的な処理は全て終了する。
【0100】
図14は、制御部25において実行される抽出処理(ステップS5)の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、図14を参照しつつ抽出処理の処理手順について詳しく説明する。
【0101】
制御部25は、画像データ記憶部29から第1の画像データ15と第2の画像データ16とを読出す(ステップS21)。次に制御部25は、第1の画像データ15と第2の画像データ16とを比較する(ステップS22)。制御部25は、第1の画像データ15と第2の画像データ16とで差分を検出した場合には(ステップS23のYES)、第1の画像データ15と第2の画像データ16とから上述した修正領域50a,50bを検出する(ステップS24)。次に制御部25は、第2の画像データ16から修正領域50bに基づく画像成分18を抽出する(ステップS25)。一方、制御部25は、第1の画像データ15と第2の画像データ16とで差分を検出できない場合には(ステップS23のNO)、処理を終了する。以上により抽出処理は全て終了する。
【0102】
図15は、制御部25において実行される配置処理(ステップS6)の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、図15を参照しつつ配置処理の処理手順について詳しく説明する。
【0103】
制御部25は、まず第1の画像データ15において、修正領域50aの近傍に位置する余白領域を特定する(ステップS31)。次に制御部25は、その余白領域に対して画像成分18が収まるか否かを判断する(ステップS32)。制御部25は、余白領域に対して画像成分18が収まると判断した場合(ステップS32のYES)、その余白領域に対して画像成分18を配置して印刷レイアウトを作成する(ステップS33)。
【0104】
一方、制御部25は、ステップS32において余白領域に対して画像成分18が収まらないと判断した場合(ステップS32のNO)、画像成分18を縮小することでその余白領域に収まるか否かを更に判断する(ステップS34)。そして制御部25は、画像成分18を縮小することでその余白領域に収まると判断した場合(ステップS34のYES)、画像成分18を余白領域に収まるまで縮小し(ステップS35)、その余白領域に画像成分18を配置して印刷レイアウトを作成する(ステップS33)。
【0105】
制御部25は、ステップS33において、画像成分18を縮小してもその画像成分18を余白領域に配置することができないと判断した場合(ステップS34のNO)、画像成分18を裏面に付すことが可能か否かを判断する(ステップS36)。すなわち制御部25は、上述した選択画面を生成して表示部2aに表示させる。そして、画像成分18を裏面に付すことが可能であることを示す確認結果を入力した場合には(ステップS36のYES)、制御部25は、修正領域50aの属するページの裏面を指定して(ステップS37)、その裏面に画像成分18を配置した印刷レイアウトを作成する(ステップS33)。一方、画像成分18を裏面に付すことが不可能であることを示す確認結果を入力した場合には(ステップS36のNO)、制御部25は、印刷レイアウトの作成をキャンセルする(ステップS38)。この場合、制御部25は処理を終了する。以上により配置処理は全て終了する。
【0106】
ところで、上述した説明では、情報処理装置2において比較処理が行われる場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、上述した比較処理を、画像処理装置5において行うようにしても良い。その場合、情報処理装置2においては、上述した比較処理を行う必要がない。
【0107】
次に画像処理装置5の詳細について説明する。尚、以下においては、画像処理装置5において比較処理を行う場合を例示する。すなわちこのような構成によれば、情報処理装置2において比較処理を行う必要がないので、情報処理装置2の処理負担を軽減することができるという利点がある。
【0108】
図16は、画像処理装置5のハードウェア構成の一例を示す図である。画像処理装置5は、この画像処理装置5の動作を制御する制御部35と、情報処理装置2などの外部機器と接続するためのネットワークインタフェース36と、各種情報を記憶する記憶装置37と、上述した操作パネル6と、印刷処理部7とを備え、それぞれがバス33を介して相互にデータ通信が可能に接続される構成である。
【0109】
制御部35は、CPU35aとメモリ35bとを備えており、各部の動作を制御するものである。CPU35aは、記憶装置37に記憶されているプログラム38を読み出して実行する。ここでプログラム38は、制御部35を後述する各処理部として機能させるためのプログラムである。例えばプログラム38は、アプリケーションソフトウエアなどであり、ユーザによって予めインストールされる。メモリ35bは、CPU35aがプログラム38を実行することに伴う一時的なデータなどを記憶するものである。
【0110】
ネットワークインタフェース36は、上述した情報処理装置2と同様であり、画像処理装置5をネットワーク3に接続するためのものである。記憶装置10は、ハードディスク装置などの不揮発生の記憶手段であり、上述したプログラム38を記憶すると共に、情報処理装置2からの印刷ジョブを記憶する記憶領域である印刷ジョブ記憶部39を備える。なお、この印刷ジョブ記憶部39は、画像処理装置5に設けられる以外に、例えば外部記憶装置などに設けられるように構成しても良い。
【0111】
制御部35は、情報処理装置2からの印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部39に記憶させる。そして複数の印刷ジョブが印刷ジョブ記憶部39に記憶されている場合、制御部35は、例えば受付け順序に従って、印刷ジョブ記憶部39から順次印刷ジョブを読出して実行する。このとき印刷ジョブに給紙元としてフィーダ部9又は給紙カセット8が指定されている場合、制御部35は、その指定に従って給紙元を切り替えて印刷用紙を給紙する。また制御部35は、受信する印刷ジョブに印刷面が指定されている場合、その指定に従って、印刷用紙の表面又は裏面に対して印刷処理を行う。
【0112】
図17は、画像処理装置5における制御部35の機能構成を示すブロック図である。また図18は、制御部35の各処理部において実行される処理を模式的に示す図である。以下、図17及び図18を参照して画像処理装置5における各処理部の具体的な処理内容について説明する。ここで、制御部35は、上述したCPU35aがプログラム38を実行することにより、管理部61、検出部62及び印刷制御部63として機能する。また画像処理装置5の印刷ジョブ記憶部39には、画像データを記憶する画像データ記憶部39aが更に設けられている。
【0113】
管理部61は、情報処理装置2からの印刷ジョブを取得して管理する処理部である。すなわち管理部61は、情報処理装置2からの印刷ジョブを取得すると、その印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部39に記憶させると共に、その印刷ジョブを解析して画像データを取得し、その画像データを画像データ記憶部39aに記憶させる。このとき管理部61は、取得部として機能する。また管理部61は、ネットワークインタフェース36を介して外部記憶装置などから画像データを取得しても良い。尚、管理部61は、印刷ジョブ記憶部39に記憶した印刷ジョブが実行された場合でも、その後一定期間が経過するまでその印刷ジョブを記憶させた状態を保持するように構成される。
【0114】
管理部61は、取得する画像データが、画像データ記憶部39aに記憶されている画像データの修正版であるか否かを判断する。この判断は、上記と同様に、ファイル名の同一性に基づいて行っても良い。すなわち取得する画像データと同一ファイル名の画像データが画像データ記憶部39aに記憶されている場合、管理部61は、取得する画像データを第2の画像データ16として特定し、その第2の画像データ16と同一ファイル名の画像データを第1の画像データ15として特定する。
【0115】
但し、第1の画像データ15と、その第1の画像データ15に対して修正版となる第2の画像データ16を特定することができれば、必ずしも上記の判断手法に限られない。例えば、情報処理装置2において印刷ジョブを画像処理装置5に対して送信する際、その印刷ジョブに対して修正前となる第1の画像データ16の画像データ識別情報などを指定した更新印刷ジョブを送信するように構成しても良い。画像処理装置5において管理部61は、更新印刷ジョブを受信すると、取得する画像データを第2の画像データ16として特定し、更に画像データ識別情報に基づき、第2の画像データ16に対して修正前となる第1の画像データ15を特定する。具体的に説明すると、管理部61は、受信する更新印刷ジョブを解析することで取得する画像データを第2の画像データ16として特定する。そして管理部61は、その更新印刷ジョブにおいて指定される画像データ識別情報に基づき画像データ記憶部39aを検索して第1の画像データ15を特定する。
【0116】
管理部61は、上記のようにして第1及び第2の画像データ15,16を特定した場合、検出部62に対して抽出処理を行うように指示する。また管理部61は、第1の画像データ15に対して修正版となる第2の画像データ16を特定した場合、その第2の画像データ16に基づく印刷ジョブを実行しないことを決定する。これにより更新印刷ジョブによる印刷出力を抑制することができる。一方、取得する画像データが画像データ記憶部39aに記憶されている画像データの修正版であることが判断できない場合、つまり第1及び第2の画像データ15及び16の何れかを特定することができない場合、管理部61は、取得する画像データに基づく印刷ジョブを実行するように印刷制御部63に対して指示する。
【0117】
印刷制御部63は、印刷処理を制御する処理部である。すなわち印刷制御部63は、管理部61による指示を受付けることによって機能し、印刷ジョブ記憶部39から印刷ジョブを読出して印刷ジョブを印刷処理部7に実行させる。これにより印刷物が出力される。
【0118】
図18は、上記のようにして第1の画像データ15が画像データ記憶部39aに既に記憶されている状態で、その第1の画像データ15に対して修正後となる第2の画像データ16を含んだ更新印刷ジョブを受信した場合を例示している。この場合、管理部61は、上述したように、受信する印刷ジョブを解析して第2の画像データを取得する。そして第2の画像データ16に対して修正前となる第1の画像データ15を画像データ記憶部39aを検索することにより特定する。管理部61は、第1及び第2の画像データ15,16を特定すると、検出部62に対して抽出処理を行うように指示する。
【0119】
図17に戻って検出部62は、管理部61による指示を受付けることで機能し、抽出処理を実行する処理部である。検出部62は、管理部61による指示を受付けると、上記と同様にして例えば図6に示したように画像データ記憶部39aに記憶されている第1の画像データ15と第2の画像データ16とを読出し、それら第1の画像データ15と第2の画像データ16とを比較する。そして検出部62は、各画像データ15,16において差分が検出される領域のそれぞれを修正領域50a,50bとして検出すると共に、第2の画像データ16から修正領域50bに含まれる画像成分18を抽出する。
【0120】
図17に示す印刷制御部63は、検出部62から画像成分18を受け取ると、その画像成分18を配置して印刷レイアウト20を作成する処理部として機能する。すなわちこの場合、印刷制御部63は、印刷レイアウト作成部として機能する。印刷制御部63は、検出部62から画像成分18を受け取ると、そのとき登録されている設定内容に基づいて、画像成分18を配置した印刷レイアウト20を作成する。画像成分18の具体的な配置位置は、既に例示した内容と同様であるので説明を省略する。
【0121】
印刷制御部63は、画像成分18を配置した印刷レイアウト20を作成すると、その印刷レイアウト20に基づく印刷処理を印刷処理部7に実行させる。このとき印刷制御部63は、フィーダ部9に印刷済用紙17がセットされていることを条件として、そのフィーダ部9から印刷済用紙17を給紙して印刷処理を行う。このようにして図18に示すように、フィーダ部9に印刷済用紙17が手差しにより給紙されると、印刷制御部63は、その印刷済用紙17に対して画像成分18を上書き印刷する。そして画像成分18が付された印刷済用紙17が出力される。
【0122】
図19は、画像処理装置5における制御部35において実行される全体的な処理の一例を示すフローチャートである。以下、図19を参照して制御部35において実行される全体的な処理について詳しく説明する。尚、図19に示す処理は一定間隔で繰り返して実行される処理である。
【0123】
制御部35は、印刷ジョブを受信すると(ステップS41のYES)、その印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部39に記憶させると共に、画像データを取得してその画像データを画像データ記憶部39aに記憶させる(ステップS42)。次に制御部35は、第1の画像データ15が画像データ記憶部39aに記憶されている状態で、その第1の画像データ15に対して修正版となる第2の画像データ16を取得した場合、つまり第1及び第2の画像データ15,16を特定可能である場合(ステップS43のYES)、抽出処理を実行する(ステップS44)。抽出処理が終了すると、次に制御部35は、配置処理を実行する(ステップS45)。抽出処理については、図14と同様であり、配置処理については図15と同様であるので説明を省略する。
【0124】
続いて制御部35は、フィーダ部9に印刷済用紙17が給紙されたことを条件として、出力処理を実行する(ステップS46)そして印刷済用紙17の全ページにおいて出力処理が終了すると(ステップS47のYES)、制御部35は、処理を終了する。またステップ43において、第1の画像データ15又は第2の画像データ16を特定できない場合(ステップS43のNO)、取得した印刷ジョブは第1の画像データ15とは関係のない印刷ジョブなので、制御部35は、その印刷ジョブを通常通りに実行する(ステップS48)。以上により制御部35において実行される全体的な処理は終了する。
【0125】
図20は、制御部35において実行される出力処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、図20を参照しつつ、出力処理について詳しく説明する。
【0126】
制御部35は、フィーダ部9から印刷済用紙17を給紙する(ステップS51)。次に制御部35は、給紙されるページが印刷レイアウト20において指定されている該当ページである場合(ステップS52のYES)、その印刷レイアウト20において塗り潰し及び画像成分18の上書き印刷が指定されているときには(ステップS53のYES)、印刷済用紙17に対して塗り潰し印刷を行う(ステップS54)。次に制御部35は、その塗り潰し領域に対して画像成分18を上書き印刷する(ステップS55)。一方、制御部35は、印刷レイアウト20において塗り潰し及び画像成分18の上書き印刷が指定されていない場合(ステップS53のNO)、印刷レイアウト20において裏面印刷が指定されているときには(ステップS56のYES)、印刷済用紙17の裏面に対して画像成分18を印刷する(ステップS57)。これに対して、制御部35は、印刷レイアウト20において裏面印刷が指定されていない場合(ステップS56のNO)、印刷済用紙17の余白領域に対して画像成分18を印刷することが指定されていることを条件として、その余白領域に画像成分18を印刷する(ステップS58)。以上のようにして出力処理は全て終了する。
【0127】
以上のように、印刷システム1は、異なるタイミングで複数の画像データを取得した場合、つまり第1の画像データ15が画像データ記憶部29(39)に記憶されている状態で、第1の画像データ15に対して修正後となる第2の画像データ16を取得した場合、第2の画像データ16のうち第1の画像データ15に対して差分が検出される修正領域に基づいて画像成分18を検出する。そして印刷システム1は、その画像成分18を配置した印刷レイアウト20を作成し、第1の画像データ15に基づき既に印刷出力された印刷済用紙17に対して、上記印刷レイアウト20に基づき画像成分18を印刷する構成である。
【0128】
このような構成によれば、ユーザの作業負担を軽減させつつ、且つ印刷用紙を節約することができる。すなわち印刷システム1は、第1の画像データ15と第2の画像データ16とを比較して画像成分18を自動検出するようになっている。これによりユーザが自身で修正箇所を探し出す手間が省ける。また印刷システム1は、第1の画像データ15に基づき既に印刷出力された印刷済用紙17に対して、その画像成分18を印刷するので、新たな印刷用紙を1枚も消費しないで済む。また印刷システム1は、画像成分18のみを印刷するので、第2の画像データ16の全部を印刷する場合に比べてトナー消費量を節約することができる。
【0129】
このような印刷システム1の構成は、上述したように修正版となる画像データの作成ユーザと、修正箇所を印刷済用紙17に反映する担当ユーザとが異なる場合に使い勝手が良い。更に、例えば、ユーザが誤って修正前の画像データを印刷出力してしまったときであって、且つ修正後の画像データを印刷出力するための印刷用紙が用意できない場合などにも便利である。
【0130】
また上記実施形態では、印刷システム1は、印刷レイアウト20を作成する際、第1の画像データ15における修正領域50aを反映した位置に描画パターン49を追加配置した印刷レイアウト20を作成し、その印刷レイアウト20に基づいて印刷済用紙17に対して印刷を行う構成である。このような構成によれば、修正領域50aを反映した位置に対して描画パターン49が配置されるので、給紙される印刷済用紙17の修正対象となる部分に対して描画パターン49を上書きすることができる。これにより修正対象となる部分が描画パターン49で上書きされるので、例えばユーザに対して修正対象となった箇所を比較的容易に知覚させることができる。
【0131】
更に、上記実施形態においては、描画パターン49は取消線である。このような構成によれば、修正対象となる部分が取消線で上書きされるため、ユーザに対して修正箇所を適切に理解させることができる。
【0132】
また、上記実施形態においては、描画パターン49は塗り潰しである。このような構成によれば、修正対象となる部分が塗り潰されるため、その修正対象となる部分を目立たせないことができる。
【0133】
更に、上記実施形態においては、印刷システム1は、塗り潰し領域に対して画像成分18を配置した印刷レイアウト20を作成する構成である。このような構成によれば、塗り潰し領域に対して画像成分18が上書きされるので、特に、塗り潰しを用紙色と同色のトナーを用いて行った場合おいて修正前と遜色のない高品質な印刷物を提供することができる。
【0134】
また、上記実施形態においては、印刷システム1は、第1又は第2の画像データ15,16に含まれる修正領域の近傍に位置する余白領域を検出し、その余白領域に画像成分18を配置した印刷レイアウト20を作成する構成である。このような構成によれば、余白領域に画像成分18が配置されるので、画像成分18を印刷済用紙17に印刷する際、その印刷済用紙17と画像成分18との印字が重なってしまうことを防止することができる。
【0135】
更に、上記実施形態においては、印刷システム1は、画像成分18を余白領域に収まるように画像成分18を拡大又は縮小して配置した印刷レイアウト20を作成する構成である。このような構成によれば、画像成分18を適切に余白領域に納めることができる。
【0136】
また、上記実施形態においては、印刷システム1は、画像成分18又は修正領域50aの面積が所定値以上の場合に、印刷済用紙17の裏面に対して画像成分18を印刷する構成である。このような構成によれば、上述したように印刷済用紙17の表面に修正領域を付すスペースがない場合などに、画像成分18を裏面に付すことが可能であるので使い勝手が良くなる。
【0137】
更に、上記実施形態においては、印刷システム1は、印字色を指定して画像成分18を印刷する構成である。このような構成によれば、画像成分18が他の記載と色違いで印刷出力されるので、ユーザに対して修正箇所を比較的容易に区別させることが可能になる。
【0138】
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0139】
例えば、上述した実施形態では、情報処理装置2に画像データが記憶される場合と、画像処理装置5に画像データが記憶される場合とを例示した。但しこれに限られない。例えば上述したように印刷システム1は、ネットワークに接続され情報処理装置2及び画像処理装置5と互いにデータ通信可能に接続された管理サーバを備え、この管理サーバが画像データを記憶するように構成しても良い。更に印刷システム1に管理サーバが設けられる場合、上記制御部25,35が備える各処理部を管理サーバが備えても良い。このような構成によれば、情報処理装置2及び画像処理装置5に特別な構成を必要とせずに、本発明を実現することができる。
【0140】
また上述した実施形態では、印刷済用紙17は、画像処理装置5によって出力される場合を例示したがこれに限られない。例えば印刷済用紙17は、他の印刷機によって印刷されたものであっても構わない。そして印刷システム1は、その印刷済用紙17に基づく第1の画像データ15を、例えば第1の画像データ15を記憶しているデータ通信機器から取得して記憶する。その状態で、印刷システム1は、第1の画像データ15に対して修正版となる第2の画像データ16を取得した場合に、印刷済用紙17が給紙されることを条件として、その印刷済用紙17に画像成分18を上書き印刷する。
【0141】
また上述した実施形態では、画像データを記憶装置10に記憶する構成であったが、その画像データに基いて生成された印刷ジョブを記憶装置10に記憶する構成であっても構わない。そして第1の画像データ15に基づく印刷ジョブが記憶装置10に記憶されている状態で、第2の画像データに基づく印刷ジョブが生成された場合に、各印刷ジョブを解析することで第1及び第2の画像データ15,16を取得して、上述した比較処理を行っても良い。
【符号の説明】
【0142】
1 印刷システム
2 情報処理装置
5 画像処理装置
7 印刷処理部(給紙手段,印刷手段)
10 記憶装置(記憶手段)
42 管理部(取得手段)
43 検出部(検出手段)
44 印刷レイアウト作成部(印刷レイアウト作成手段)
45 印刷ジョブ出力部(印刷ジョブ出力手段)
37 記憶装置(記憶手段)
61 管理部(取得手段)
62 検出部(検出手段)
63 印刷制御部(印刷レイアウト作成手段,印刷制御手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、情報処理装置、画像処理装置、印刷方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、過去に印刷出力を行った画像データに対して修正版となる画像データを印刷出力させることが広く行われている。例えばユーザは、過去に画像データの印刷指示を行った後に、その画像データに修正の必要な箇所があることを発見すると、その画像データに対して修正操作を行った後、改めて印刷指示を行う。この場合、修正後の画像データを全て印刷出力すると、修正前と同一内容となるページが無駄になってしまう。
【0003】
上記のように修正後の画像データを再印刷する場合において、特許文献1には、過去に印刷出力された第1の印刷ジョブと、修正後となる第2の印刷ジョブとを比較して、第2の印刷ジョブのうち第1の印刷ジョブとは異なる文書内容が存在するページを検出し、その検出されたページのみを印刷出力する印刷システムが開示されている。このような構成によれば、修正部分が含まれるページのみが印刷出力されるので、全てのページを再印刷する場合に比べて印刷用紙を節約することができる。その一方で、上記のような構成では、修正部分が含まれるページを印刷出力するために新たな印刷用紙を消費するので、修正部分の含まれるページ数が増えるに連れて消費される印刷用紙も多くなる。
【0004】
特許文献2には、ユーザが操作パネルを介して修正前の画像データに手書き修正を行うことにより、過去に印刷出力された印刷済用紙に対してその修正箇所を上書き印刷する技術が開示されている。すなわち特許文献2に開示された複合機は、修正前の画像データに基づき印刷出力された印刷済用紙がセットされた後、操作パネルにおいてユーザによる画像データの修正指示が行われると、給紙される印刷済用紙に対して、その印刷済用紙と同色のトナーで修正対象となる部分を上書き印刷して消去した後、その消去した部分に対して修正後の情報を再印刷する構成である。このような構成によれば、印刷済用紙に対して修正箇所を上書き印刷するので、新規な印刷用紙を消費せずに済む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−134817号公報
【特許文献2】特開2010−93528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に開示された複合機は、以下のような問題がある。すなわち特許文献2に開示された複合機は、操作パネルなどに表示される画像データに対して、ユーザが手作業で修正操作を行う構成である。このような構成では、ユーザ自身が修正の必要なページを自身で探し出したり、修正部分の1つ1つに対して修正操作を行ったりしなければならないので手間となる。仮に修正部分が多いとその分ユーザの作業負担が増加する。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、修正後の画像データを印刷する場合において、ユーザの作業負担を軽減させつつ、且つ消費される資源を節約することのできる印刷システム、情報処理装置、画像処理装置、印刷方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、印刷システムであって、画像データを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得される画像データを記憶する記憶手段と、前記取得手段によって取得された画像データが前記記憶手段に記憶されている第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データである場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段と、前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段と、前記第1の画像データに基づいて既に印刷出力された印刷済用紙を給紙する給紙手段と、前記給紙手段によって給紙される印刷済用紙に対して、前記印刷レイアウト作成手段によって作成された印刷レイアウトに基づき前記画像成分を印刷する印刷手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0009】
このような構成によれば、ユーザの作業負担を軽減させつつ、且つ印刷用紙を節約することができる。すなわち印刷システムは、第1の画像データと第2の画像データとを比較して修正領域を自動検出するようになっている。これによりユーザが手作業により修正領域を検出する手間が省ける。また印刷システムは、第1の画像データに基づき既に印刷出力された印刷済用紙に対して、第2の画像データにおける修正領域に基づく画像成分、つまり修正後の画像成分を印刷するので、新たな印刷用紙を消費しないで済む。
【0010】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の印刷システムにおいて、前記印刷レイアウト作成手段は、前記印刷レイアウトを作成する際、前記修正領域に対応する位置に所定の描画パターンを更に配置し、前記印刷手段は、前記印刷レイアウト作成手段によって作成される印刷レイアウトに基づいて前記印刷済用紙に対して前記描画パターンの印刷を行うことを特徴とする構成である。
【0011】
このような構成によれば、修正領域に対応する位置に描画パターンが配置されて印刷レイアウトが作成されるので、給紙される印刷済用紙の修正対象となる部分に対して描画パターンを上書きすることができる。これにより修正対象となる部分が描画パターンで上書き印刷されるので、例えばユーザに修正対象となった箇所を比較的容易に知覚させることができる。
【0012】
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の印刷システムにおいて、前記描画パターンは、取消線であることを特徴とする構成である。
【0013】
このような構成によれば、印刷済用紙における修正対象となる部分が取消線で上書きされるため、ユーザに対して修正箇所を適切に理解させることができる。
【0014】
請求項4にかかる発明は、請求項2に記載の印刷システムにおいて、前記描画パターンは、塗り潰しであることを特徴とする構成である。
【0015】
このような構成によれば、印刷済用紙における修正対象となる部分が塗り潰されるため、その修正対象となる部分を目立たせないことができる。
【0016】
請求項5にかかる発明は、請求項4に記載の印刷システムにおいて、前記印刷レイアウト作成手段は、塗り潰される領域に対して前記画像成分を配置した印刷レイアウトを作成することを特徴とする構成である。
【0017】
このような構成によれば、塗り潰される領域に対して画像成分が配置されるので、修正対象となった部分を目立たせずに修正後の内容で印刷物を提供することが可能である。
【0018】
請求項6にかかる発明は、1乃至4の何れかに記載の印刷システムにおいて、前記検出手段は、更に、前記第1又は第2の画像データに含まれる前記修正領域の近傍に位置する余白領域を検出し、前記印刷レイアウト作成手段は、前記画像成分を前記余白領域に配置した印刷レイアウトを作成することを特徴とする構成である。
【0019】
このような構成によれば、余白領域に画像成分が配置されるので、画像成分を印刷済用紙に印刷する際、その印刷済用紙と画像成分との印字が重なってしまうことを防止することができる。
【0020】
請求項7にかかる発明は、請求項6に記載の印刷システムにおいて、前記印刷レイアウト作成手段は、前記画像成分が前記余白領域に収まるように前記画像成分を拡大又は縮小して配置することを特徴とする構成である。
【0021】
このような構成によれば、画像成分を適切に余白領域に納めることができる。
【0022】
請求項8にかかる発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の印刷システムにおいて、前記印刷レイアウト作成手段は、前記画像成分又は前記修正領域の面積が所定値以上の場合に、前記印刷済用紙の裏面に対してその画像成分を配置することを特徴とする構成である。
【0023】
このような構成によれば、例えば表面に修正領域を付すスペースがない場合などに、修正領域を裏面に付すことが可能であるので使い勝手が良くなる。
【0024】
請求項9にかかる発明は、請求項1乃至8の何れかに記載の印刷システムにおいて、前記印刷手段は、印字色を指定して前記画像成分を印刷することを特徴とする構成である。
【0025】
このような構成によれば、例えば画像成分を用紙色に対して色違いで印刷出力することが可能であるので、ユーザに対して修正箇所を比較的容易に区別させることが可能になる。
【0026】
請求項10にかかる発明は、印刷ジョブを生成して送信する情報処理装置であって、印刷ジョブの生成対象となる画像データを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得される画像データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された画像データに基づいて印刷ジョブを生成して送信する印刷ジョブ出力手段と、前記記憶手段に記憶された第1の画像データに基づいて生成された印刷ジョブが前記印刷ジョブ出力手段によって送信された後に、前記取得手段によって前記第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データが取得された場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段と、前記検出手段によって前記修正領域が検出されることに伴い、前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段と、を備え、前記印刷ジョブ出力手段は、前記第1の画像データに基づいて出力された印刷済用紙を修正するための印刷ジョブを、前記印刷レイアウト作成手段によって作成される印刷レイアウトに基づいて生成し、該印刷ジョブを送信することを特徴とする構成である。
【0027】
このような構成によれば、ユーザの作業負担を軽減させつつ、且つ印刷用紙を節約することができる。すなわち情報処理装置は、第1の画像データと第2の画像データとを比較して修正領域を自動検出するようになっている。これによりユーザが手作業により修正領域を検出する手間が省ける。また情報処理装置は、第1の画像データに基づいて出力された印刷済用紙を修正するための印刷ジョブを、印刷レイアウト作成手段によって作成される印刷レイアウトに基づいて生成し、その印刷ジョブを送信する構成である。これによりその印刷ジョブに基づいて印刷処理が行われる場合に、第1の画像データに基づいて既に印刷出力された印刷済用紙に対して画像成分が付されるので、新たな印刷用紙を消費しないで済む。
【0028】
請求項11にかかる発明は、印刷ジョブを受信して印刷出力を行う画像処理装置であって、受信する印刷ジョブに含まれている画像データを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得される画像データを記憶する記憶手段と、前記取得手段によって取得された画像データが前記記憶手段に記憶されている第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データである場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段と、前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段と、前記第1の画像データに基づき既に印刷出力された印刷済用紙を給紙する給紙手段と、前記給紙手段によって給紙される印刷済用紙に対して、前記印刷レイアウト作成手段によって作成された印刷レイアウトに基づき前記画像成分を印刷する印刷手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0029】
このような構成によれば、ユーザの作業負担を軽減させつつ、且つ印刷用紙を節約することができる。すなわち画像処理装置は、第1の画像データと第2の画像データとを比較して修正領域を自動検出するようになっている。これによりユーザが手作業により修正領域を検出する手間が省ける。また画像処理装置は、第1の画像データに基づき既に印刷出力された印刷済用紙に対して、第2の画像データにおける修正領域に基づく画像成分、つまり修正後の画像成分を印刷するので、新たな印刷用紙を消費しないで済む。これにより印刷用紙を節約することができる。
【0030】
請求項12にかかる発明は、印刷方法であって、(a) 第1の画像データを取得するステップと、(b) 前記ステップ(a)において取得される第1の画像データを記憶するステップと、(c) 前記第1の画像データに基づいて印刷出力を行うステップと、(d) 前記第1の画像データに基づく印刷出力が行われた後、前記第1の画像データを記憶している状態で、前記第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データが取得された場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出するステップと、(e) 前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出するステップと、(f) 前記ステップ(e)において抽出される前記画像成分を配置した印刷レイアウトを作成するステップと、(g) 前記ステップ(c)で印刷出力された前記第1の画像データに基づく印刷済用紙を給紙するステップと、(h) 前記ステップ(g)によって給紙される印刷済用紙に対し、前記ステップ(f)で作成された印刷レイアウトに基づいて印刷出力を行うステップと、を有することを特徴とする構成である。
【0031】
このような構成によれば、ユーザの作業負担を軽減させつつ、且つ印刷用紙を節約することができる。すなわち印刷方法は、第1の画像データと第2の画像データとを比較して修正領域を自動検出する。これによりユーザが手作業により修正領域を検出する手間が省ける。また印刷方法は、第1の画像データに基づき既に印刷出力された印刷済用紙に対して、第2の画像データにおける修正領域に基づく画像成分、つまり修正後の画像成分を印刷する。これにより新たな印刷用紙を消費しないで済むので、印刷用紙を節約することができる。
【0032】
請求項13にかかる発明は、印刷ジョブを生成して送信するためのプログラムであって、コンピュータにおいて実行されることにより、前記コンピュータを、印刷ジョブの生成対象となる画像データを取得して所定の記憶手段に記憶させる取得手段、前記記憶手段に記憶された画像データに基づいて印刷ジョブを生成して送信する印刷ジョブ出力手段、前記記憶手段に記憶された第1の画像データに基づいて生成された印刷ジョブが前記印刷ジョブ出力手段によって送信された後に、前記取得手段によって前記第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データが取得された場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段、および、前記検出手段によって前記修正領域が検出されることに伴い、前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段、として機能させ、前記印刷ジョブ出力手段には、前記第1の画像データに基づいて出力された印刷済用紙を修正するための印刷ジョブを、前記印刷レイアウト作成手段によって作成される印刷レイアウトに基づいて生成させると共に、該印刷ジョブを送信させることを特徴とする構成である。
【0033】
このような構成によれば、ユーザの作業負担を軽減させつつ、且つ印刷用紙を節約することができる。すなわち上記構成によれば、第1の画像データと第2の画像データとを比較して修正領域を自動検出するようになっている。これによりユーザが手作業により修正領域を検出する手間が省ける。また上記構成によれば、第1の画像データに基づいて出力された印刷済用紙を修正するための印刷ジョブを、印刷レイアウト作成手段によって作成される印刷レイアウトに基づいて生成し、その印刷ジョブを送信する構成である。これによりその印刷ジョブに基づいて印刷処理が行われる場合に、第1の画像データに基づいて既に印刷出力された印刷済用紙に対して画像成分が付されるので、新たな印刷用紙を消費しないで済む。
【0034】
請求項14にかかる発明は、印刷ジョブを受信して印刷出力を行う画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置を、受信する印刷ジョブに含まれている画像データを取得し、所定の記憶手段に記憶させる取得手段、前記取得手段によって取得された画像データが前記記憶手段に記憶されている既に印刷出力済みの第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データである場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段、前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段、および、前記第1の画像データに基づいて既に印刷出力された印刷済用紙を給紙させ、前記印刷レイアウト作成手段によって作成された印刷レイアウトに基づき、前記画像成分を前記印刷済用紙に印刷させる印刷制御手段、として機能させることを特徴とする構成である。
【0035】
このような構成によれば、ユーザの作業負担を軽減させつつ、且つ印刷用紙を節約することができる。すなわち上記構成によれば、第1の画像データと第2の画像データとを比較して修正領域を自動検出するようになっている。これによりユーザが手作業により修正領域を検出する手間が省ける。また上記構成によれば、第1の画像データに基づき既に印刷出力された印刷済用紙に対して、第2の画像データにおける修正領域に基づく画像成分、つまり修正後の画像成分を印刷するので、新たな印刷用紙を消費しないで済む。これにより印刷用紙を節約することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、第1の画像データと第2の画像データとを比較することで修正領域が自動で検出されるので、ユーザが自身で修正領域を探し出す必要がなくなる。これによりユーザの作業負担が軽減される。また本発明によれば、第1の画像データに基づいて既に印刷出力された印刷済用紙に対して、修正領域に基づく画像成分が印刷されるので、新たに印刷用紙を消費しないで済む。これにより印刷用紙を節約することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】印刷システムの全体構成例を示す図である。
【図2】印刷システムにおいて実行される処理の概略を模式的に示す図である。
【図3】印刷システムにおいて実行される処理の概略を模式的に示す図である。
【図4】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図5】情報処理装置における制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図6】情報処理装置において実行される処理を模式的に示す図である。
【図7】印刷レイアウトの一例を示す図である。
【図8】印刷処理が行われた印刷済用紙の一例を示す図である。
【図9】印刷レイアウトの一例を示す図である。
【図10】印刷処理が行われた印刷済用紙の一例を示す図である。
【図11】印刷レイアウトの一例を示す図である。
【図12】印刷処理が行われた印刷済用紙の一例を示す図である。
【図13】情報処理装置における制御部によって実行される全体的な処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】情報処理装置における制御部によって実行される抽出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】情報処理装置における制御部によって実行される配置処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図17】画像処理装置における制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図18】印刷システムによって実行される処理を模式的に示す図である。
【図19】画像処理装置における制御部によって実行される全体的な処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図20】画像処理装置における制御部によって実行される出力処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0039】
図1は、本実施形態における印刷システム1の全体構成例を示す図である。印刷システム1は、例えばパーソナルコンピュータなどで構成される情報処理装置2と、その情報処理装置2とネットワーク3を介して相互にデータ通信可能に接続される画像処理装置5とで構成される。ネットワーク3は、例えば、一般的なオフィス内に構築されるLAN(Local Area Network)である。但し、これに限定されずネットワーク3は、WAN(Wide Area Network)などの広域通信網を含む複合ネットワークであってもよい。
【0040】
情報処理装置2は、各種情報を表示する表示部2aと、ユーザによる操作指示を入力する操作入力部2bとを備えている。情報処理装置2は、ユーザの指示操作に基づき画像データを作成するアプリケーションソフトウエアなどが予めインストールされている。そして情報処理装置2は、そのアプリケーションソフトウエアによって作成されるドキュメントなどの印刷対象となる画像データを取得して、例えば情報処理装置2に内蔵される記憶装置にその画像データを格納するように構成される。
【0041】
また印刷システム1は、情報処理装置2によって作成される画像データを取得するだけでなく、他のデータ通信装置から画像データを取得するように構成されることが好ましい。例えば、上記のように構成される複数の情報処理装置2がネットワーク3にデータ通信可能に構成されても良い。そして情報処理装置2は、他の情報処理装置2によって作成された画像データをネットワーク3を介して取得することが可能に構成されても良い。また情報処理装置2は、画像データを管理する管理サーバやUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの外部記憶装置とデータ通信可能に構成されても良い。この場合、情報処理装置2は、その外部記憶装置から画像データを取得することが可能に構成される。
【0042】
情報処理装置2は、上記のようにして取得する画像データに基づいて印刷ジョブを生成し、その印刷ジョブをネットワーク3を介して画像処理装置5に送信する構成である。画像データには、文書、図形及び写真などのオブジェクトが含まれる。
【0043】
画像処理装置5は、情報処理装置2からの印刷ジョブを受信して、その印刷ジョブに基づき印刷出力を行う構成である。すなわち画像処理装置5は、ユーザに各種指示操作を行わせる操作パネル6と、受信する印刷ジョブに基づいて印刷処理を実行する印刷処理部7と、印刷媒体となる印刷用紙をストックしておくための複数の給紙カセット8と、手差しによる印刷用紙を載置するためのフィーダ部9と、を備えている。また画像処理装置5は、画像処理装置5において実行される各種処理を制御する制御部(本発明の印刷制御手段)を備えている。画像処理装置5は、上記印刷機能だけでなく、更にコピー機能、スキャナ機能及びFAX機能などを備えたMFP(Multi Function Peripheral)などと称される装置で構成されても良い。
【0044】
印刷処理部7は、印刷処理を行うために必要な以下の構成を備えている。例えば、印刷処理部7は、給紙カセット8又はフィーダ部9から印刷用紙を1枚ずつ給紙する給紙部、給紙部から給紙された印刷用紙に対して、画像データに基づき画像形成を行う画像形成部、画像形成部によって形成されるトナー像(画像)を印刷用紙に転写させる転写部、印刷用紙に転写されたトナー像を定着させる定着部、印刷された印刷物を出力する出力部、及び、画像形成部にトナーを補充するトナーボトルなどを備えている。印刷処理部7は、本発明の印刷手段に対応するものである。
【0045】
また画像処理装置5は、複数の色違いとなるトナーボトルを備えても良い。また本実施形態においては、例えば用紙色が白色である場合、画像処理装置5は、既に用紙に印刷されている画像成分を消すための白トナーが補充されたトナーボトルを備える構成であっても良い。印刷処理部7は、複数の色違いとなるトナーボトルを備えている場合、それらのトナーボトルに含まれるトナーの配分を調節することによってカラー印刷を行うことができるように構成されても良い。
【0046】
上記給紙部は、印刷用紙を給紙する際、印刷用紙の給紙元を給紙カセット8とフィーダ部9とのうち何れかに切り替えることが可能に構成される。その切り替えは、ユーザによる指定に基づき行われる。例えば受信する印刷ジョブに給紙元として給紙カセット8が指定されている場合には、給紙部は、その給紙カセット8から印刷用紙を給紙し、また給紙元としてフィーダ部9が指定されている場合には、そのフィーダ部9から印刷用紙を給紙する。また印刷用紙の給紙元の切り替えは、ユーザによる操作パネル6への操作指示に基づき行われる構成でも良い。給紙部は、本発明の給紙手段に対応するものである。
【0047】
印刷処理部7は、給紙される印刷用紙の表裏両面に対して印刷を行うことが可能に構成される。例えば印刷処理部7は、印刷用紙の表裏を反転させる搬送機構を備え、裏面印刷を行う場合はその搬送機構を介して印刷用紙の表裏を反転させて給紙する。そして印刷処理部7は、その裏面に対して印刷処理を行う。また、印刷処理部7は、給紙される印刷用紙を2度反転させることで、印刷を行った印刷面に対して再び印刷を行うことが可能に構成される。例えば、印刷処理部7は、給紙される印刷用紙の表面に対する印刷処理が完了した場合、その印刷用紙を上記搬送機構によって裏面に反転させた後、再び搬送機構を介して印刷用紙を表面に反転させた状態で給紙する。これにより印刷処理部7は、その表面に対して再印刷を行うことが可能である。
【0048】
図2,図3は、上記のようにして印刷システム1によって実行される処理の概略を模式的に示す図である。図2に示すように情報処理装置2は、画像データを記憶する記憶装置10を備えている。例えば情報処理装置2は、第1の画像データ15を取得すると、その第1の画像データ15を記憶装置10に記憶させる。そしてその画像データ15に対して印刷指示が行われると、情報処理装置2は、その第1の画像データ15に基づく印刷ジョブを生成して画像処理装置5に対して送信し、その印刷ジョブを画像処理装置5に実行させる。このようにして第1の画像データ15に基づき印刷出力された印刷済用紙17が画像処理装置5によって印刷出力される。またこの場合、記憶装置10には、既に印刷出力された第1の画像データ15が記憶されている状態である。
【0049】
図3に示すように情報処理装置2は、既に印刷出力された第1の画像データ15が記憶装置10に記憶されている状態で、その第1の画像データ15に対して例えばページ番号を付加した第2の画像データ16を取得したとする。すなわちこの第2の画像データ16は第1の画像データ15の修正版である。この場合、情報処理装置2は、第1の画像データ15と第2の画像データ16とを比較して、第2の画像データ16から差分の検出される画像成分18を抽出する。図例では、第2の画像データ16から画像成分18としてページ番号が抽出される。そして情報処理装置2は、その画像成分18を配置した印刷レイアウト20を作成する。情報処理装置2は、上記のようにして画像成分18が配置された印刷レイアウト20を生成すると、その印刷レイアウト20に基づく印刷ジョブを生成し、その印刷ジョブを画像処理装置5に対して送信する。
【0050】
画像処理装置5においては、予めユーザが手差しによって印刷済用紙17をフィーダ部9にセットする。その状態で画像処理装置5は、情報処理装置2からの印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブを実行する。印刷ジョブを実行する際、画像処理装置5は、フィーダ部9から印刷済用紙17を給紙して、その印刷済用紙17に対して画像成分18を印刷する。この場合、図例に示すように修正後の内容である画像成分18が印刷済用紙17に上書き印刷されて出力される。
【0051】
上記のような更新印刷を行うことにより、印刷システム1は、修正後の第2の画像データ16から画像成分18を自動で抽出するので、ユーザ自身が修正箇所を探し出す必要がなくなる。またこのような構成は、修正版となる画像データの作成ユーザと、修正箇所を印刷済用紙17に反映する担当ユーザとが異なる場合にも使い勝手が良い。例えば修正版となる第2の画像データ16が作成ユーザによって作成され、修正箇所を知らない担当ユーザが作成ユーザから第2の画像データ16を受け取ったとする。この場合、担当ユーザは、修正箇所を知らないので、従来であれば印刷済用紙17と第2の画像データ16とを自身で比較して修正箇所を探し出さなければならない。一方、担当ユーザは、修正版となる画像データの全ページを印刷出力することでそのような手間を省くことも可能であるが、この場合、修正前の画像データに基づき印刷出力された印刷済用紙が全て無駄になってしまう。
【0052】
本実施形態の印刷システム1によれば、修正版となる第2の画像データ16から画像成分18を自動で抽出するので、担当ユーザは、自身で修正箇所を探し出す必要がなくなり作業負担が軽減される。更に、印刷システム1は、第1の画像データ15に基づき既に印刷出力された印刷済用紙17に対して画像成分18を印刷するので紙資源を1枚も余分に消費せずに済む。これにより印刷用紙を節約することができる。
【0053】
以下、上記のように構成される印刷システム1について詳しく説明する。尚、以下においては、第1の画像データ15と第2の画像データ16とを特に区別する必要がない場合には、単に「画像データ」と称する。
【0054】
図4は、情報処理装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。図例に示すように、情報処理装置2は、この情報処理装置2の動作を制御する制御部25と、画像処理装置5や上記外部記憶装置などの外部機器と接続するためのネットワークインタフェース26と、上述した表示部2aと、操作入力部2bと、記憶装置10とを備え、それぞれがバス27を介して相互にデータ通信が可能に接続される構成である。
【0055】
制御部25は、CPU25aとメモリ25bとを備えており、各部の動作を制御するものである。CPU25aは、記憶装置10に記憶されているプログラム28を読み出して実行する。ここで、プログラム28は、制御部25を後述する各種処理部として機能させるためのプログラムである。メモリ25bは、CPU25aがプログラム28を実行することに伴う一時的なデータなどを記憶するものである。
【0056】
ネットワークインタフェース26は、情報処理装置2を、ネットワーク3(図1)に接続するためのものである。尚、ネットワークインタフェース26は、ネットワーク3に対して有線接続されるものであっても良いし、無線接続されるものであっても良い。
【0057】
記憶装置10は、ハードディスク装置などの不揮発生の記憶手段であり、上述したプログラム28を記憶すると共に、画像データを記憶する記憶領域である画像データ記憶部29を備える。但し、画像データ記憶部29は、必ずしも記憶装置10に設けられるものに限られず、例えばメモリ25bなどに設けられるものであっても構わないし、上述した外部記憶装置に設けられるものであっても構わない。
【0058】
図5は、情報処理装置2における制御部25の機能構成の一例を示すブロック図である。制御部25は、上述したCPU25aがプログラム28を実行することにより、画像データ作成部41、管理部42、検出部43、印刷レイアウト作成部44及び印刷ジョブ出力部45として機能する。これら各処理部は、各種情報を入力することで連携した動作を行うように機能する。以下、各処理部の具体的な処理内容について説明する。
【0059】
画像データ作成部41は、上述した画像データ作成用のアプリケーションソフトウエアなどが上記CPU25aによって実行されることで、画像データを作成する処理部として機能する。すなわち記憶装置10に記憶されるプログラム18には、画像データ作成部41として機能するアプリケーションソフトウエアと、上記管理部42、検出部43、印刷レイアウト作成部44及び印刷ジョブ出力部45として機能する例えばプリンタードライバーなどが含まれる。そして制御部25は、CPU25aがそれらアプリケーションソフトウエアとプリンタードライバーとを互いに連携させて実行することにより、本実施形態における各処理部41〜45として機能する構成である。但し、プログラム18は、CPU25aに実行されることにより各処理部41〜45として機能することができれば、上記構成に限られない。画像データ作成部41は、ユーザによる操作入力部2bに対する指示操作に基づいて、文書、画像及び/又は写真などのオブジェクトが含まれる画像データを作成する。また画像データ作成部41は、画像データ記憶部29に記憶されている画像データを読出して、ユーザの指示操作に基づきその画像データに対する修正を行うことも可能である。
【0060】
管理部42は、画像データ15を取得して管理する処理部である。管理部42は、ユーザの操作入力部2bに対する指示操作に基づいて、画像データ作成部41によって作成される画像データを取得して画像データ記憶部29に記憶させる。このとき管理部42は、取得部として機能する。また情報処理装置2がネットワークインタフェース26を介して他の情報処理装置2や外部記憶装置などとデータ通信可能に構成されている場合、管理部42は、それら他の情報処理装置2や外部記憶装置などから画像データを取得して画像データ記憶部29に記憶させるように構成される。
【0061】
管理部42は、画像データ記憶部29に第1の画像データ15が記憶されている状態で、その第1の画像データ15に対応する修正後のデータである第2の画像データ16を取得した場合、それら第1および第2の画像データ15,16を互いに関連付けて管理する。すなわち、第1の画像データ15と第2の画像データ16はそれぞれ異なるタイミングで取得することになるため、管理部42は、第2の画像データ16を取得したタイミングで、修正前の第1の画像データ15と、修正後の第2の画像データ16とを相互に関連付ける。このような関連付けは、管理部42において自動で行うことができる。例えば管理部42は、第1の画像データ15が画像データ記憶部29に記憶されている状態で、新たに画像データを取得した場合、その取得した画像データが第1の画像データ15に対して修正版となる第2の画像データ16であるか否かを判断する。例えば、新たに取得した画像データが第1の画像データ15と同一ファイル名である場合、管理部42は、その新たに取得した画像データが、第1の画像データ15に対して修正版となる第2の画像データ16であると判断する。管理部42は、上記のようにして第1及び第2の画像データ15,16を特定すると検出部43に対して抽出処理(後述する)を開始するように指示する。
【0062】
但し、制御部25は、必ずしも第2の画像データ15を特定した段階で抽出処理を開始する必要はない。例えば管理部42は、取得する画像データに対してユーザによる更新印刷開始の指示(以下「更新印刷指示」と称する)を受付けた場合に、検出部43に対して抽出処理を開始するように指示しても良い。
【0063】
また管理部42は、必ずしも上記のように、第1の画像データ15と第2の画像データ16とを自動判別する必要はない。例えば管理部42は、画像データの取得と同時にユーザからの更新印刷指示を受付けた場合、その取得する画像データを第2の画像データ16として特定して画像データ記憶部29に記憶させる。そして管理部42は、その第2の画像データ16に対して修正前となる第1の画像データ15を特定するための画像データ識別情報をユーザに指定させるように構成しても良い。そしてユーザにより画像データ識別情報が指定されると、管理部42は、その画像データ識別情報に基づき画像データ記憶部29を検索して第1の画像データ15を特定する。
【0064】
更に管理部42は、画像データ作成部41によって修正作業が行われている状態で、その修正作業中の画像データに対する更新印刷指示を受付けた場合、その修正作業が行われている画像データを取得して第2の画像データ16として特定しても良い。そして管理部42は、特定された第2の画像データ16を画像データ記憶部29に記憶させると共に、画像データ識別情報をユーザに指定させることで第1の画像データ15を特定するように構成しても良い。すなわち管理部42は、異なるタイミングで取得する修正前の第1の画像データ15と、その第1の画像データ15に対して修正後となる第2の画像データ16を特定することができれば、第1及び第2の画像データ15,16を特定するための手法については何れの手法を用いても構わない。
【0065】
検出部43は、管理部42からの指示に基づいて機能し、抽出処理を実行する処理部である。すなわち検出部43は、画像データ記憶部29において互いに関連付けられて記憶されている第1の画像データ15と第2の画像データ16とを読出し、それら第1の画像データ15と第2の画像データ16とを比較する。そして検出部43は、各画像データ15,16において差分が検出される領域を修正領域として検出すると共に、第2の画像データ16からその修正領域に含まれる画像成分18を抽出する。
【0066】
図6は、上記のようにして検出部43によって実行される抽出処理を模式的に示す図である。図6に示す第2の画像データ16は、第1の画像データ15の修正版である。検出部43は、第1の画像データ15と第2の画像データ16とを比較して、第1の画像データ15から第2の画像データ16と相違する修正領域50aを検出すると共に、第2の画像データ16から第1の画像データ15と相違する修正領域50bを検出する。また検出部43は、第2の画像データ16の修正領域50bに含まれる「BBBB」なる文字列を画像成分18として抽出する。
【0067】
但し、第1の画像データ15と第2の画像データ16とを比較して抽出される画像成分18が、例えばグラフなどの図形の一部である場合、検出部43は、その図形全体を画像成分18として抽出することが好ましい。これは、仮に図形の一部のみを抽出すると、印刷済用紙17にその図形の一部を印刷した場合に図形全体として理解し難くなってしまう可能性があるからである。そこで検出部43は、第1の画像データ15と第2の画像データ16とを比較して、差分が検出された場合、その差分が何れのオブジェクトに属するかを判断する。そして検出部43は、図形オブジェクト又は写真オブジェクトから差分が検出された場合には、図形全体又は写真全体を修正領域50a,50bとして抽出する。また検出部43は、図例のように文書オブジェクトから差分が検出された場合には、文書オブジェクト中において差分の検出された領域を修正領域50a,50bとして検出する。検出部43は、上記のようにして修正領域50a,50bを検出した後、第2の画像データ16における修正領域50bに基づいて画像成分18を抽出すると、その画像成分18を図5に示す印刷レイアウト作成部44に出力する。
【0068】
印刷レイアウト作成部44は、検出部43から画像成分18を受け取ることで機能し、その画像成分18を配置して印刷レイアウト20を作成する処理部である。すなわち印刷レイアウト作成部44は、検出部43から画像成分18を受け取ると、以下のようにして、その画像成分18を配置した印刷レイアウト20を作成する。画像成分18の配置位置は、予め登録される設定内容によって異なるので、以下、場合を分けて説明する。
【0069】
図7は、画像成分18が、第1の画像データ15の余白領域に対応して配置された印刷レイアウト20の一例を示す図である。印刷済用紙17は、第1の画像データ15に基づき印刷出力されたものであるので、第1の画像データ15の余白領域に対応した位置に画像成分18を配置すれば、その画像成分18は印刷済用紙17の余白領域に印刷されることになる。そこで印刷レイアウト作成部44は、検出部43から画像成分18を受け取ると、まず第1の画像データ15を参照して、その第1の画像データ15に含まれる余白領域を特定する。このとき印刷レイアウト作成部44は、第1の画像データ15における修正領域50aの近傍に位置する余白領域を特定する。また印刷レイアウト作成部44は、図例のように文書オブジェクト内に修正領域50aが存在することを検出した場合、修正領域50aの直前又は直後に存在する行間であって、且つ修正領域50の近傍を余白領域として特定する。
【0070】
余白領域を特定する際、印刷レイアウト作成部44は、画像成分18が収まるか否かを判断しても良い。すなわち印刷レイアウト作成部44は、第1の画像データ15において、修正領域50aの最も近くに存在する余白領域を検出すると、その余白領域に画像成分18が収まるか否かを判断し、その余白領域に画像成分18が収まる場合に、その余白領域を画像成分18の配置すべき位置として特定する。一方、検出した余白領域に画像成分18が収まらない場合、印刷レイアウト作成部44は、次に修正領域50aに近い余白領域に対して画像成分18が収まるか否かを判断する。このようにして印刷レイアウト作成部44は、修正領域50aの属するページ内において、画像成分18が収まる余白領域があるか否かを修正領域50aから近い順に判断していき、画像成分18が収まる余白領域が最初に見つかった場合に、その余白領域を画像成分18の配置すべき位置として特定する。
【0071】
また、例えば画像成分18の面積が比較的大きいために、修正領域50aの属するページ内において画像成分18が収まる余白領域を検出できない場合がある。この場合、印刷レイアウト作成部44は、以下のように処理を行っても良い。すなわち印刷レイアウト作成部44は、予め設定される縮小率の範囲内において画像成分18を縮小することで、その画像成分18が余白領域に収まるか否かを試みる。この判断も上記と同様に、修正領域50aから最も近い余白領域から順に行われる。そして縮小することで画像成分18が収まる余白領域が特定されると、印刷レイアウト作成部44は、その余白領域に収まるように画像成分18を縮小して配置する。それとは逆に、例えば画像成分18に対して余白領域が大きい場合、印刷レイアウト作成部44は、画像成分18を拡大して配置しても良い。
【0072】
上記のようにして印刷レイアウト作成部44は、余白領域を特定すると、その余白領域に対応する位置に画像成分18を配置して印刷レイアウト20を作成する。このとき印刷レイアウト作成部44は、修正領域50aの属するページを指定して印刷レイアウト20を作成する。これにより印刷済用紙17の修正該当ページに対して画像成分18が付されることになる。
【0073】
また図7に示すように印刷レイアウト作成部44は、修正領域50aの位置に対応して所定の描画パターン49を追加配置しても良い。例えば描画パターン49は、図例のように取消線である。修正領域50aは、第1の画像データ15の「AAAA」を含む領域であるので、その修正領域50aを反映した位置に取消線を配置することにより、印刷済用紙17に付されている「AAAA」なる修正前の記載に対して取消線が上書き印刷されることになる。これによりユーザは、印刷済用紙17の何れに対して修正が行われたのかを比較的容易に区別することができるようになる。
【0074】
但し、図3に例示したように、印刷済用紙17にページ番号を追加的に付すような場合に取消線は必要ない。そこで印刷レイアウト作成部44は、印刷レイアウト20を作成する際、第1の画像データ15の修正領域50aに画像が含まれているか否かを検知し、画像が含まれている場合に、その修正領域50aの位置に対応して描画パターン49を配置する。これにより印刷済用紙17に画像成分18を印刷する場合において、その画像成分18に対応する修正前の記載があるときには、その修正前の記載に対して取消線が上書きされ、一方、画像成分18に対応する修正前の記載がないときには、取消線が付されないことになる。
【0075】
また、上記においては、第1の画像データ15における修正領域50aに対応した位置に描画パターン49を配置して印刷レイアウト20を作成する場合を例示した。但しこれに限られず、第2の画像データ16における修正領域50bに対応した位置に描画パターン49を配置しても良い。なぜなら第2の画像データ16は、修正箇所以外の部分については第1の画像データ15と同一画像であるので、第2の画像データ16の余白領域を特定した場合、第1の画像データ15の余白領域を特定した場合と異ならない特定結果になるからである。
【0076】
また印刷レイアウト作成部44は、予め設定される印刷設定に基づいて画像成分18の印字色を、印刷済用紙17の印字色とは異なるように配色しても良い。また印刷レイアウト作成部44は、画像成分18と描画パターン49とが互いに色違いに印字されるように印刷設定を自動で変更して配色を行っても良い。
【0077】
印刷レイアウト作成部44は、上記のようにして印刷レイアウト20を作成すると、その印刷レイアウト20に基づいて印刷ジョブを生成するように図5に示す印刷ジョブ出力部45に対して指示する。
【0078】
印刷ジョブ出力部45は、印刷ジョブを生成して、その印刷ジョブを画像処理装置5に対して送信する処理部である。すなわち印刷ジョブ出力部45は、印刷レイアウト作成部44からの指示を受け取ることで機能し、印刷レイアウト作成部44によって作成された印刷レイアウト20に基づき印刷ジョブを生成する。印刷ジョブ出力部45は、更新印刷を行う場合、画像処理装置5の給紙元としてフィーダ部9を指定することが好ましい。印刷ジョブ出力部45は、印刷ジョブを生成すると、その印刷ジョブを画像処理装置5に対して送信する。また印刷ジョブ出力部45は、印刷ジョブ出力部45を送信する前に、印刷済用紙17をフィーダ部9にセットするように案内する案内画面を生成して表示部2aに表示させ、ユーザによる案内画面に対する確認操作に基づき印刷ジョブを画像処理装置5に対して送信しても良い。
【0079】
次に画像処理装置5において実行される処理について説明する。画像処理装置5は、上記のようにして情報処理装置2から送信される印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブを実行することにより、フィーダ部9から給紙される印刷済用紙17に対して印刷処理を行う。
【0080】
図8は、画像処理装置5において画像成分18と描画パターン49とが印刷された印刷済用紙17の一例を示す図である。すなわち図7に示したように画像成分18が印刷レイアウト20において、修正領域50aの直後の行間に対応して配置されることで、図8に示すように印刷済用紙17においても修正前となる記載である「AAAA」なる文字列の直後の行間に画像成分18である「BBBB」なる文字列が付される。また、図7に示したように印刷レイアウト20において取消線の描画パターン49が第1の画像データ15の修正領域50aに対応した位置に配置されるので、図8に示すように印刷済用紙17においても修正前となる記載「AAAA」に対して取消線の描画パターン49が上書きされる。
【0081】
図9は、描画パターン49が塗り潰しである場合の処理を模式的に示す図である。すなわち情報処理装置2の制御部25は、複数の描画パターン49のうち何れかをユーザに予め設定させるように構成される。そして制御部25は、その設定に基づき描画パターン49を決定する。従って描画パターン49として取消線が設定されている場合には、上記のように空白領域に対する画像成分18と修正領域50aに対する取消線とが印刷され、一方、描画パターン49として塗り潰しが設定されている場合には、以下に説明するように、修正領域50aに対する塗り潰し領域と、その塗り潰し領域に対する画像成分18とが印刷される。但し、必ずしも描画パターン49を付す必要はなく、例えば描画パターン49が付されない状態で画像成分18が付されても構わない。また描画パターン49は、取消線及び塗り潰しに限定されない。
【0082】
図9(a)は、塗り潰し領域のみを配置した印刷レイアウト20aと、画像成分18のみを配置した印刷レイアウト20bとの2つの印刷レイアウト20a,20bを作成する場合を示す図である。また図9(b)は、塗り潰し領域に対して画像成分18を重ねて配置した印刷レイアウト20を示す図である。
【0083】
図9(a)に示すように、印刷レイアウト作成部44は、まず第1の画像データ15の修正領域50aの位置に対応して塗り潰し領域を配置した印刷レイアウト20aを作成する。このとき印刷レイアウト作成部44は、塗り潰し領域の配色設定を自動で行っても良い。例えば、画像処理装置5が白トナーを有している場合、印刷レイアウト作成部44は、塗り潰し領域の配色を白色に設定する。また白トナーを備えていない場合、印刷レイアウト作成部44は、予め設定される色設定に基づき配色を行う。
【0084】
続いて印刷レイアウト作成部44は、第1の画像データ15の修正領域50aの位置に対応して画像成分18を配置した印刷レイアウト20bを作成する。また印刷レイアウト作成部44は、印刷レイアウト20a,20bのそれぞれに対して、修正領域50aの属するページを指定する。これにより印刷レイアウト20bにおいて、画像成分18は、先に作成された印刷レイアウト20aの塗り潰し領域に対応して配置されることになる。画像成分18の配色を行う場合、印刷レイアウト作成部44は、塗り潰し領域に対して使用する色とは異なる色を選択する。
【0085】
次に印刷レイアウト作成部44は、印刷レイアウト20a,20bの印刷順序を指定する。すなわち印刷レイアウト作成部44は、塗り潰し領域を配置した印刷レイアウト20aを先に、画像成分18を配置した印刷レイアウト20bを後に設定し、それらを同一ページに順次印刷することを指定する。これにより印刷済用紙17に対して最初に塗り潰し領域が付されてから、その塗り潰し領域に対して画像成分18が上書き印刷されることになる。印刷レイアウト作成部44は、上記のようにして印刷レイアウト20a,20bを作成すると、印刷ジョブ出力部45に対して印刷ジョブを生成するように指示する。
【0086】
図5に示す印刷ジョブ出力部45は、印刷レイアウト作成部44によって作成される各印刷レイアウト20a,20bに基づき印刷ジョブを生成する。そして印刷ジョブ出力部45は、その印刷ジョブを画像処理装置5に送信する。
【0087】
図10は、塗り潰し領域に対して画像成分18が付された場合の印刷済用紙17の一例を示す図である。すなわち、画像処理装置5は、情報処理装置2から印刷ジョブを受信すると、印刷済用紙17がフィーダ部9にセットされていることを条件として印刷ジョブを実行する。画像処理装置5は、印刷ジョブに含まれる印刷順序に従って印刷ジョブを実行する。すなわち画像処理装置5は、印刷済用紙17に対して、まず塗り潰し領域を印刷する。印刷レイアウト20aにおいては、修正領域50aの位置に対応して塗り潰し領域が配置されているため、印刷済用紙17において修正対象となる部分に対して塗り潰し領域が上書き印刷される。
【0088】
次に画像処理装置5は、塗り潰し領域が付された印刷済用紙17を2度反転させることにより、再び印刷済用紙17の印刷面を印刷可能な状態にした後、画像成分18を印刷する。このとき印刷レイアウト20bにおいては、塗り潰し領域に対応して画像成分18が配置されているため、印刷済用紙17においても塗り潰し領域に対応して画像成分18が付される。これにより図10に示すように、印刷済用紙17の修正対象となる部分に修正後の「BBBB」なる文字列が上書き印刷される。
【0089】
また図9bに示すように、印刷レイアウト作成部44は、塗り潰し領域と画像成分18とを重ねた状態で合成した合成画像48を生成し、その合成画像48を第1の画像データ15の修正領域50aに対応した位置に配置して印刷レイアウト20を作成しても良い。このような構成によっても、第1の画像データ15において修正領域50aの位置に対応して合成画像48が配置されているので、図10に示すように印刷済用紙17に対して1度の印刷で修正対象となる部分が塗り潰されると共に画像成分18が上書き印刷される。
【0090】
ところで、印刷レイアウト作成部44が余白領域を特定する際、予め設定された縮小率の範囲内で画像成分18を縮小しても修正領域50aの属するページ内では余白領域を検出することができない場合がある。例えば画像成分18が矩形で構成される場合において、予め設定された縮小率の範囲内まで縮小された画像成分18の面積が、検出される余白領域のうち最も大きな矩形面積よりも大きい場合などである。すなわち印刷レイアウト作成部44は、最小の状態まで縮小された画像成分18の面積を検出すると共に、その画像成分18と相似の余白領域の面積を検出する。そして印刷レイアウト作成部44は、画像成分18の面積値が余白領域の面積値よりも大きい場合、印刷済用紙の17の裏面が白紙ページであることを条件としてその裏面に画像成分18を付すように印刷レイアウト20を作成しても良い。また印刷レイアウト作成部44は、裏面に対する印刷の可不可を選択させる選択画面を表示部2aに表示させても良い。この場合、印刷レイアウト20は、ユーザの選択画面に対する選択結果に基づいて、裏面に対する印刷が可能であると選択される場合に、裏面に対する印刷レイアウト20を作成する。
【0091】
但し、例えば画像成分18が図形や写真であり、その画像成分18に関する説明文が画像成分18と同一ページに記載されている場合、画像成分18のみを裏面に付してしまうと、ユーザは、出来上がった印刷物の表面と裏面とを交互に参照しなければならず不便である。そこで印刷レイアウト作成部44は、修正領域50aの属するページ内に画像成分18を付すべき余白領域を検出することができない場合であって、且つその画像成分18が図形や写真で構成される場合には、その画像成分18を裏面に付すと共に、その画像成分18と同一ページに含まれる文書についても裏面に付すように印刷レイアウト20を作成するようにしても良い。
【0092】
図11は、上記のような裏面印刷が行われる場合において、一例として図形で構成される画像成分18を配置した印刷レイアウト20を示す図である。印刷レイアウト作成部44は、図形で構成される画像成分18を配置すべき余白領域が、修正領域50aの属するページ内に検出できない場合、図例のように修正領域50aの属するページの裏面を指定して画像成分18を配置した印刷レイアウト20dを作成する。またこのとき印刷レイアウト作成部44は、修正領域50aの属するページに含まれる文書を複製し、その文書を追加配置して印刷レイアウト20dを作成する。印刷レイアウト作成部44は、印刷レイアウト20dにおいて、図形で構成される画像成分18と、文書とが1ページ内に収まるように各オブジェクトの位置関係を調節したり、各オブジェクトを拡大又は縮小したりしても良い。更に、印刷レイアウト作成部44は、修正領域50aの属するページの表面を指定して、図11に示すように修正内容に関するメッセージを配置した印刷レイアウト20cを作成しても良い。
【0093】
印刷レイアウト作成部44は、上記のようにして印刷レイアウト20c,20dを作成すると、印刷ジョブ出力部45に対して印刷ジョブを生成するように指示する。そして印刷ジョブ出力部45は、それら印刷レイアウト20c,20dに基づき印刷ジョブを生成して、その印刷ジョブを画像処理装置5に対して送信する。
【0094】
図12は、裏面印刷が行われた場合の印刷済用紙17の一例を示す図である。すなわち画像処理装置5は、情報処理装置2からの印刷ジョブを受信すると、フィーダ部9に印刷済用紙17がセットされていることを条件として、その印刷ジョブを実行する。このとき画像処理装置5は、印刷レイアウト20c,20dに従って、印刷済用紙17の表面には、修正内容に関するメッセージを印刷し、裏面には、図形で構成される画像成分18と、その画像成分18と同一ページに含まれる文書とを印刷する。これにより画像成分18とその画像成分18を説明する文書とが同一ページに付されるので、印刷システム1は、ユーザに対して印刷済用紙17の表面と裏面とを交互に参照させずに済む。また修正後の記載となる画像成分18が印刷済用紙17に対して付されるので印刷用紙を節約することができる。
【0095】
但し、裏面印刷を行う条件は、必ずしも余白領域に画像成分18が収まらない場合に限られない。例えば、修正領域50aの面積が所定値よりも大きい場合、つまり印刷済用紙17の修正対象となる部分が1ページの面積に対して所定の割合以上である場合に、その部分に描画パターン49を付すと、トナー消費量が多くなってしまうと共に、却ってそのページを見づらいものにしてしまう可能性がある。また同様に、修正領域50aの数が所定値よりも多く検出される場合にも各修正領域50aに対応して描画パターン49を配置するとトナー消費量が多くなると共に、見づらいページとなってしまうことがある。このような場合、描画パターン49を付さないことが考えられるが、同一ページに修正前の記載と修正後の記載とが混在すると何れの記載が修正後であるかの判断が難くなってしまう可能性がある。そこでこの場合には裏面印刷を行うことが好ましい。印刷レイアウト作成部44は、裏面印刷を行うために以下のように処理を行う。
【0096】
すなわち印刷レイアウト作成部44は、1ページ内において検出される全ての修正領域50aの合計面積を検出し、その合計面積が予め設定される所定値以上である場合、修正領域50aの属するページの裏面を指定して画像成分18を配置した印刷レイアウト20dを作成する。また上記と同様に印刷レイアウト20は、上述した選択画面に対するユーザの選択結果に基づいて、最終的に裏面に対する印刷が可能であるか否かを判断しても良い。これにより印刷済用紙17の裏面に画像成分18が付されるため修正対象となる部分に描画パターン49を付す必要がなくなるので、トナーを節約することができる。但し上記説明は描画パターン49の印刷を排除する趣旨ではない。
【0097】
図13は、情報処理装置2における制御部25において実行される全体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、図13を参照して制御部25において実行される全体的な処理の処理手順について詳しく説明する。尚、以下の説明は、ユーザによる更新印刷指示を受付けた場合に抽出処理が開始される場合を例示する。また図13に示す処理は、一定間隔で繰り返し実行される処理である。
【0098】
制御部25は、画像データ15を取得すると(ステップS1のYES)、その画像データを画像データ記憶部29に記憶させる(ステップS2)。その状態で更新印刷指示を受付けると(ステップS3のYES)、制御部25は、更新印刷指示により指定された第1の画像データ15が画像データ記憶部29に記憶されているか否かを検出する。つまり制御部25は、第1及び第2の画像データ15,16が特定可能であるか否かを判断する(ステップS4)。
【0099】
制御部25は、第1及び第2の画像データ15,16を特定可能である場合(ステップS4のYES)、抽出処理を実行する(ステップS5)。制御部25は、抽出処理が終了すると、次に配置処理を行う(ステップS6)。制御部25は、配置処理が終了すると印刷ジョブを生成し、その印刷ジョブを画像処理装置5に対して送信する(ステップS7)。また、制御部25は、画像データを取得しない場合(ステップS1のNO)、ステップS2をスキップする。そして制御部25は、更新印刷指示を受け付けない場合(ステップS3のNO)、及び第1及び第2の画像データ15,16を特定することができない場合(ステップS4のNO)、処理を終了する。以上により全体的な処理は全て終了する。
【0100】
図14は、制御部25において実行される抽出処理(ステップS5)の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、図14を参照しつつ抽出処理の処理手順について詳しく説明する。
【0101】
制御部25は、画像データ記憶部29から第1の画像データ15と第2の画像データ16とを読出す(ステップS21)。次に制御部25は、第1の画像データ15と第2の画像データ16とを比較する(ステップS22)。制御部25は、第1の画像データ15と第2の画像データ16とで差分を検出した場合には(ステップS23のYES)、第1の画像データ15と第2の画像データ16とから上述した修正領域50a,50bを検出する(ステップS24)。次に制御部25は、第2の画像データ16から修正領域50bに基づく画像成分18を抽出する(ステップS25)。一方、制御部25は、第1の画像データ15と第2の画像データ16とで差分を検出できない場合には(ステップS23のNO)、処理を終了する。以上により抽出処理は全て終了する。
【0102】
図15は、制御部25において実行される配置処理(ステップS6)の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、図15を参照しつつ配置処理の処理手順について詳しく説明する。
【0103】
制御部25は、まず第1の画像データ15において、修正領域50aの近傍に位置する余白領域を特定する(ステップS31)。次に制御部25は、その余白領域に対して画像成分18が収まるか否かを判断する(ステップS32)。制御部25は、余白領域に対して画像成分18が収まると判断した場合(ステップS32のYES)、その余白領域に対して画像成分18を配置して印刷レイアウトを作成する(ステップS33)。
【0104】
一方、制御部25は、ステップS32において余白領域に対して画像成分18が収まらないと判断した場合(ステップS32のNO)、画像成分18を縮小することでその余白領域に収まるか否かを更に判断する(ステップS34)。そして制御部25は、画像成分18を縮小することでその余白領域に収まると判断した場合(ステップS34のYES)、画像成分18を余白領域に収まるまで縮小し(ステップS35)、その余白領域に画像成分18を配置して印刷レイアウトを作成する(ステップS33)。
【0105】
制御部25は、ステップS33において、画像成分18を縮小してもその画像成分18を余白領域に配置することができないと判断した場合(ステップS34のNO)、画像成分18を裏面に付すことが可能か否かを判断する(ステップS36)。すなわち制御部25は、上述した選択画面を生成して表示部2aに表示させる。そして、画像成分18を裏面に付すことが可能であることを示す確認結果を入力した場合には(ステップS36のYES)、制御部25は、修正領域50aの属するページの裏面を指定して(ステップS37)、その裏面に画像成分18を配置した印刷レイアウトを作成する(ステップS33)。一方、画像成分18を裏面に付すことが不可能であることを示す確認結果を入力した場合には(ステップS36のNO)、制御部25は、印刷レイアウトの作成をキャンセルする(ステップS38)。この場合、制御部25は処理を終了する。以上により配置処理は全て終了する。
【0106】
ところで、上述した説明では、情報処理装置2において比較処理が行われる場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、上述した比較処理を、画像処理装置5において行うようにしても良い。その場合、情報処理装置2においては、上述した比較処理を行う必要がない。
【0107】
次に画像処理装置5の詳細について説明する。尚、以下においては、画像処理装置5において比較処理を行う場合を例示する。すなわちこのような構成によれば、情報処理装置2において比較処理を行う必要がないので、情報処理装置2の処理負担を軽減することができるという利点がある。
【0108】
図16は、画像処理装置5のハードウェア構成の一例を示す図である。画像処理装置5は、この画像処理装置5の動作を制御する制御部35と、情報処理装置2などの外部機器と接続するためのネットワークインタフェース36と、各種情報を記憶する記憶装置37と、上述した操作パネル6と、印刷処理部7とを備え、それぞれがバス33を介して相互にデータ通信が可能に接続される構成である。
【0109】
制御部35は、CPU35aとメモリ35bとを備えており、各部の動作を制御するものである。CPU35aは、記憶装置37に記憶されているプログラム38を読み出して実行する。ここでプログラム38は、制御部35を後述する各処理部として機能させるためのプログラムである。例えばプログラム38は、アプリケーションソフトウエアなどであり、ユーザによって予めインストールされる。メモリ35bは、CPU35aがプログラム38を実行することに伴う一時的なデータなどを記憶するものである。
【0110】
ネットワークインタフェース36は、上述した情報処理装置2と同様であり、画像処理装置5をネットワーク3に接続するためのものである。記憶装置10は、ハードディスク装置などの不揮発生の記憶手段であり、上述したプログラム38を記憶すると共に、情報処理装置2からの印刷ジョブを記憶する記憶領域である印刷ジョブ記憶部39を備える。なお、この印刷ジョブ記憶部39は、画像処理装置5に設けられる以外に、例えば外部記憶装置などに設けられるように構成しても良い。
【0111】
制御部35は、情報処理装置2からの印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部39に記憶させる。そして複数の印刷ジョブが印刷ジョブ記憶部39に記憶されている場合、制御部35は、例えば受付け順序に従って、印刷ジョブ記憶部39から順次印刷ジョブを読出して実行する。このとき印刷ジョブに給紙元としてフィーダ部9又は給紙カセット8が指定されている場合、制御部35は、その指定に従って給紙元を切り替えて印刷用紙を給紙する。また制御部35は、受信する印刷ジョブに印刷面が指定されている場合、その指定に従って、印刷用紙の表面又は裏面に対して印刷処理を行う。
【0112】
図17は、画像処理装置5における制御部35の機能構成を示すブロック図である。また図18は、制御部35の各処理部において実行される処理を模式的に示す図である。以下、図17及び図18を参照して画像処理装置5における各処理部の具体的な処理内容について説明する。ここで、制御部35は、上述したCPU35aがプログラム38を実行することにより、管理部61、検出部62及び印刷制御部63として機能する。また画像処理装置5の印刷ジョブ記憶部39には、画像データを記憶する画像データ記憶部39aが更に設けられている。
【0113】
管理部61は、情報処理装置2からの印刷ジョブを取得して管理する処理部である。すなわち管理部61は、情報処理装置2からの印刷ジョブを取得すると、その印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部39に記憶させると共に、その印刷ジョブを解析して画像データを取得し、その画像データを画像データ記憶部39aに記憶させる。このとき管理部61は、取得部として機能する。また管理部61は、ネットワークインタフェース36を介して外部記憶装置などから画像データを取得しても良い。尚、管理部61は、印刷ジョブ記憶部39に記憶した印刷ジョブが実行された場合でも、その後一定期間が経過するまでその印刷ジョブを記憶させた状態を保持するように構成される。
【0114】
管理部61は、取得する画像データが、画像データ記憶部39aに記憶されている画像データの修正版であるか否かを判断する。この判断は、上記と同様に、ファイル名の同一性に基づいて行っても良い。すなわち取得する画像データと同一ファイル名の画像データが画像データ記憶部39aに記憶されている場合、管理部61は、取得する画像データを第2の画像データ16として特定し、その第2の画像データ16と同一ファイル名の画像データを第1の画像データ15として特定する。
【0115】
但し、第1の画像データ15と、その第1の画像データ15に対して修正版となる第2の画像データ16を特定することができれば、必ずしも上記の判断手法に限られない。例えば、情報処理装置2において印刷ジョブを画像処理装置5に対して送信する際、その印刷ジョブに対して修正前となる第1の画像データ16の画像データ識別情報などを指定した更新印刷ジョブを送信するように構成しても良い。画像処理装置5において管理部61は、更新印刷ジョブを受信すると、取得する画像データを第2の画像データ16として特定し、更に画像データ識別情報に基づき、第2の画像データ16に対して修正前となる第1の画像データ15を特定する。具体的に説明すると、管理部61は、受信する更新印刷ジョブを解析することで取得する画像データを第2の画像データ16として特定する。そして管理部61は、その更新印刷ジョブにおいて指定される画像データ識別情報に基づき画像データ記憶部39aを検索して第1の画像データ15を特定する。
【0116】
管理部61は、上記のようにして第1及び第2の画像データ15,16を特定した場合、検出部62に対して抽出処理を行うように指示する。また管理部61は、第1の画像データ15に対して修正版となる第2の画像データ16を特定した場合、その第2の画像データ16に基づく印刷ジョブを実行しないことを決定する。これにより更新印刷ジョブによる印刷出力を抑制することができる。一方、取得する画像データが画像データ記憶部39aに記憶されている画像データの修正版であることが判断できない場合、つまり第1及び第2の画像データ15及び16の何れかを特定することができない場合、管理部61は、取得する画像データに基づく印刷ジョブを実行するように印刷制御部63に対して指示する。
【0117】
印刷制御部63は、印刷処理を制御する処理部である。すなわち印刷制御部63は、管理部61による指示を受付けることによって機能し、印刷ジョブ記憶部39から印刷ジョブを読出して印刷ジョブを印刷処理部7に実行させる。これにより印刷物が出力される。
【0118】
図18は、上記のようにして第1の画像データ15が画像データ記憶部39aに既に記憶されている状態で、その第1の画像データ15に対して修正後となる第2の画像データ16を含んだ更新印刷ジョブを受信した場合を例示している。この場合、管理部61は、上述したように、受信する印刷ジョブを解析して第2の画像データを取得する。そして第2の画像データ16に対して修正前となる第1の画像データ15を画像データ記憶部39aを検索することにより特定する。管理部61は、第1及び第2の画像データ15,16を特定すると、検出部62に対して抽出処理を行うように指示する。
【0119】
図17に戻って検出部62は、管理部61による指示を受付けることで機能し、抽出処理を実行する処理部である。検出部62は、管理部61による指示を受付けると、上記と同様にして例えば図6に示したように画像データ記憶部39aに記憶されている第1の画像データ15と第2の画像データ16とを読出し、それら第1の画像データ15と第2の画像データ16とを比較する。そして検出部62は、各画像データ15,16において差分が検出される領域のそれぞれを修正領域50a,50bとして検出すると共に、第2の画像データ16から修正領域50bに含まれる画像成分18を抽出する。
【0120】
図17に示す印刷制御部63は、検出部62から画像成分18を受け取ると、その画像成分18を配置して印刷レイアウト20を作成する処理部として機能する。すなわちこの場合、印刷制御部63は、印刷レイアウト作成部として機能する。印刷制御部63は、検出部62から画像成分18を受け取ると、そのとき登録されている設定内容に基づいて、画像成分18を配置した印刷レイアウト20を作成する。画像成分18の具体的な配置位置は、既に例示した内容と同様であるので説明を省略する。
【0121】
印刷制御部63は、画像成分18を配置した印刷レイアウト20を作成すると、その印刷レイアウト20に基づく印刷処理を印刷処理部7に実行させる。このとき印刷制御部63は、フィーダ部9に印刷済用紙17がセットされていることを条件として、そのフィーダ部9から印刷済用紙17を給紙して印刷処理を行う。このようにして図18に示すように、フィーダ部9に印刷済用紙17が手差しにより給紙されると、印刷制御部63は、その印刷済用紙17に対して画像成分18を上書き印刷する。そして画像成分18が付された印刷済用紙17が出力される。
【0122】
図19は、画像処理装置5における制御部35において実行される全体的な処理の一例を示すフローチャートである。以下、図19を参照して制御部35において実行される全体的な処理について詳しく説明する。尚、図19に示す処理は一定間隔で繰り返して実行される処理である。
【0123】
制御部35は、印刷ジョブを受信すると(ステップS41のYES)、その印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部39に記憶させると共に、画像データを取得してその画像データを画像データ記憶部39aに記憶させる(ステップS42)。次に制御部35は、第1の画像データ15が画像データ記憶部39aに記憶されている状態で、その第1の画像データ15に対して修正版となる第2の画像データ16を取得した場合、つまり第1及び第2の画像データ15,16を特定可能である場合(ステップS43のYES)、抽出処理を実行する(ステップS44)。抽出処理が終了すると、次に制御部35は、配置処理を実行する(ステップS45)。抽出処理については、図14と同様であり、配置処理については図15と同様であるので説明を省略する。
【0124】
続いて制御部35は、フィーダ部9に印刷済用紙17が給紙されたことを条件として、出力処理を実行する(ステップS46)そして印刷済用紙17の全ページにおいて出力処理が終了すると(ステップS47のYES)、制御部35は、処理を終了する。またステップ43において、第1の画像データ15又は第2の画像データ16を特定できない場合(ステップS43のNO)、取得した印刷ジョブは第1の画像データ15とは関係のない印刷ジョブなので、制御部35は、その印刷ジョブを通常通りに実行する(ステップS48)。以上により制御部35において実行される全体的な処理は終了する。
【0125】
図20は、制御部35において実行される出力処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、図20を参照しつつ、出力処理について詳しく説明する。
【0126】
制御部35は、フィーダ部9から印刷済用紙17を給紙する(ステップS51)。次に制御部35は、給紙されるページが印刷レイアウト20において指定されている該当ページである場合(ステップS52のYES)、その印刷レイアウト20において塗り潰し及び画像成分18の上書き印刷が指定されているときには(ステップS53のYES)、印刷済用紙17に対して塗り潰し印刷を行う(ステップS54)。次に制御部35は、その塗り潰し領域に対して画像成分18を上書き印刷する(ステップS55)。一方、制御部35は、印刷レイアウト20において塗り潰し及び画像成分18の上書き印刷が指定されていない場合(ステップS53のNO)、印刷レイアウト20において裏面印刷が指定されているときには(ステップS56のYES)、印刷済用紙17の裏面に対して画像成分18を印刷する(ステップS57)。これに対して、制御部35は、印刷レイアウト20において裏面印刷が指定されていない場合(ステップS56のNO)、印刷済用紙17の余白領域に対して画像成分18を印刷することが指定されていることを条件として、その余白領域に画像成分18を印刷する(ステップS58)。以上のようにして出力処理は全て終了する。
【0127】
以上のように、印刷システム1は、異なるタイミングで複数の画像データを取得した場合、つまり第1の画像データ15が画像データ記憶部29(39)に記憶されている状態で、第1の画像データ15に対して修正後となる第2の画像データ16を取得した場合、第2の画像データ16のうち第1の画像データ15に対して差分が検出される修正領域に基づいて画像成分18を検出する。そして印刷システム1は、その画像成分18を配置した印刷レイアウト20を作成し、第1の画像データ15に基づき既に印刷出力された印刷済用紙17に対して、上記印刷レイアウト20に基づき画像成分18を印刷する構成である。
【0128】
このような構成によれば、ユーザの作業負担を軽減させつつ、且つ印刷用紙を節約することができる。すなわち印刷システム1は、第1の画像データ15と第2の画像データ16とを比較して画像成分18を自動検出するようになっている。これによりユーザが自身で修正箇所を探し出す手間が省ける。また印刷システム1は、第1の画像データ15に基づき既に印刷出力された印刷済用紙17に対して、その画像成分18を印刷するので、新たな印刷用紙を1枚も消費しないで済む。また印刷システム1は、画像成分18のみを印刷するので、第2の画像データ16の全部を印刷する場合に比べてトナー消費量を節約することができる。
【0129】
このような印刷システム1の構成は、上述したように修正版となる画像データの作成ユーザと、修正箇所を印刷済用紙17に反映する担当ユーザとが異なる場合に使い勝手が良い。更に、例えば、ユーザが誤って修正前の画像データを印刷出力してしまったときであって、且つ修正後の画像データを印刷出力するための印刷用紙が用意できない場合などにも便利である。
【0130】
また上記実施形態では、印刷システム1は、印刷レイアウト20を作成する際、第1の画像データ15における修正領域50aを反映した位置に描画パターン49を追加配置した印刷レイアウト20を作成し、その印刷レイアウト20に基づいて印刷済用紙17に対して印刷を行う構成である。このような構成によれば、修正領域50aを反映した位置に対して描画パターン49が配置されるので、給紙される印刷済用紙17の修正対象となる部分に対して描画パターン49を上書きすることができる。これにより修正対象となる部分が描画パターン49で上書きされるので、例えばユーザに対して修正対象となった箇所を比較的容易に知覚させることができる。
【0131】
更に、上記実施形態においては、描画パターン49は取消線である。このような構成によれば、修正対象となる部分が取消線で上書きされるため、ユーザに対して修正箇所を適切に理解させることができる。
【0132】
また、上記実施形態においては、描画パターン49は塗り潰しである。このような構成によれば、修正対象となる部分が塗り潰されるため、その修正対象となる部分を目立たせないことができる。
【0133】
更に、上記実施形態においては、印刷システム1は、塗り潰し領域に対して画像成分18を配置した印刷レイアウト20を作成する構成である。このような構成によれば、塗り潰し領域に対して画像成分18が上書きされるので、特に、塗り潰しを用紙色と同色のトナーを用いて行った場合おいて修正前と遜色のない高品質な印刷物を提供することができる。
【0134】
また、上記実施形態においては、印刷システム1は、第1又は第2の画像データ15,16に含まれる修正領域の近傍に位置する余白領域を検出し、その余白領域に画像成分18を配置した印刷レイアウト20を作成する構成である。このような構成によれば、余白領域に画像成分18が配置されるので、画像成分18を印刷済用紙17に印刷する際、その印刷済用紙17と画像成分18との印字が重なってしまうことを防止することができる。
【0135】
更に、上記実施形態においては、印刷システム1は、画像成分18を余白領域に収まるように画像成分18を拡大又は縮小して配置した印刷レイアウト20を作成する構成である。このような構成によれば、画像成分18を適切に余白領域に納めることができる。
【0136】
また、上記実施形態においては、印刷システム1は、画像成分18又は修正領域50aの面積が所定値以上の場合に、印刷済用紙17の裏面に対して画像成分18を印刷する構成である。このような構成によれば、上述したように印刷済用紙17の表面に修正領域を付すスペースがない場合などに、画像成分18を裏面に付すことが可能であるので使い勝手が良くなる。
【0137】
更に、上記実施形態においては、印刷システム1は、印字色を指定して画像成分18を印刷する構成である。このような構成によれば、画像成分18が他の記載と色違いで印刷出力されるので、ユーザに対して修正箇所を比較的容易に区別させることが可能になる。
【0138】
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0139】
例えば、上述した実施形態では、情報処理装置2に画像データが記憶される場合と、画像処理装置5に画像データが記憶される場合とを例示した。但しこれに限られない。例えば上述したように印刷システム1は、ネットワークに接続され情報処理装置2及び画像処理装置5と互いにデータ通信可能に接続された管理サーバを備え、この管理サーバが画像データを記憶するように構成しても良い。更に印刷システム1に管理サーバが設けられる場合、上記制御部25,35が備える各処理部を管理サーバが備えても良い。このような構成によれば、情報処理装置2及び画像処理装置5に特別な構成を必要とせずに、本発明を実現することができる。
【0140】
また上述した実施形態では、印刷済用紙17は、画像処理装置5によって出力される場合を例示したがこれに限られない。例えば印刷済用紙17は、他の印刷機によって印刷されたものであっても構わない。そして印刷システム1は、その印刷済用紙17に基づく第1の画像データ15を、例えば第1の画像データ15を記憶しているデータ通信機器から取得して記憶する。その状態で、印刷システム1は、第1の画像データ15に対して修正版となる第2の画像データ16を取得した場合に、印刷済用紙17が給紙されることを条件として、その印刷済用紙17に画像成分18を上書き印刷する。
【0141】
また上述した実施形態では、画像データを記憶装置10に記憶する構成であったが、その画像データに基いて生成された印刷ジョブを記憶装置10に記憶する構成であっても構わない。そして第1の画像データ15に基づく印刷ジョブが記憶装置10に記憶されている状態で、第2の画像データに基づく印刷ジョブが生成された場合に、各印刷ジョブを解析することで第1及び第2の画像データ15,16を取得して、上述した比較処理を行っても良い。
【符号の説明】
【0142】
1 印刷システム
2 情報処理装置
5 画像処理装置
7 印刷処理部(給紙手段,印刷手段)
10 記憶装置(記憶手段)
42 管理部(取得手段)
43 検出部(検出手段)
44 印刷レイアウト作成部(印刷レイアウト作成手段)
45 印刷ジョブ出力部(印刷ジョブ出力手段)
37 記憶装置(記憶手段)
61 管理部(取得手段)
62 検出部(検出手段)
63 印刷制御部(印刷レイアウト作成手段,印刷制御手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得される画像データを記憶する記憶手段と、
前記取得手段によって取得された画像データが前記記憶手段に記憶されている第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データである場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段と、
前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段と、
前記第1の画像データに基づいて既に印刷出力された印刷済用紙を給紙する給紙手段と、
前記給紙手段によって給紙される印刷済用紙に対して、前記印刷レイアウト作成手段によって作成された印刷レイアウトに基づき前記画像成分を印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記印刷レイアウト作成手段は、前記印刷レイアウトを作成する際、前記修正領域に対応する位置に所定の描画パターンを更に配置し、
前記印刷手段は、前記印刷レイアウト作成手段によって作成される印刷レイアウトに基づいて前記印刷済用紙に対して前記描画パターンの印刷を行うことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記描画パターンは、取消線であることを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記描画パターンは、塗り潰しであることを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記印刷レイアウト作成手段は、塗り潰される領域に対して前記画像成分を配置した印刷レイアウトを作成することを特徴とする請求項4に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記検出手段は、更に、前記第1又は第2の画像データに含まれる前記修正領域の近傍に位置する余白領域を検出し、
前記印刷レイアウト作成手段は、前記画像成分を前記余白領域に配置した印刷レイアウトを作成することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の印刷システム。
【請求項7】
前記印刷レイアウト作成手段は、前記画像成分が前記余白領域に収まるように前記画像成分を拡大又は縮小して配置することを特徴とする請求項6に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記印刷レイアウト作成手段は、前記画像成分又は前記修正領域の面積が所定値以上の場合に、前記印刷済用紙の裏面に対してその画像成分を配置することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の印刷システム。
【請求項9】
前記印刷手段は、印字色を指定して前記画像成分を印刷することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の印刷システム。
【請求項10】
印刷ジョブを生成して送信する情報処理装置であって、
印刷ジョブの生成対象となる画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得される画像データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された画像データに基づいて印刷ジョブを生成して送信する印刷ジョブ出力手段と、
前記記憶手段に記憶された第1の画像データに基づいて生成された印刷ジョブが前記印刷ジョブ出力手段によって送信された後に、前記取得手段によって前記第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データが取得された場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記修正領域が検出されることに伴い、前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段と、
を備え、
前記印刷ジョブ出力手段は、前記第1の画像データに基づいて出力された印刷済用紙を修正するための印刷ジョブを、前記印刷レイアウト作成手段によって作成される印刷レイアウトに基づいて生成し、該印刷ジョブを送信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
印刷ジョブを受信して印刷出力を行う画像処理装置であって、
受信する印刷ジョブに含まれている画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得される画像データを記憶する記憶手段と、
前記取得手段によって取得された画像データが前記記憶手段に記憶されている第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データである場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段と、
前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段と、
前記第1の画像データに基づき既に印刷出力された印刷済用紙を給紙する給紙手段と、
前記給紙手段によって給紙される印刷済用紙に対して、前記印刷レイアウト作成手段によって作成された印刷レイアウトに基づき前記画像成分を印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
(a) 第1の画像データを取得するステップと、
(b) 前記ステップ(a)において取得される第1の画像データを記憶するステップと、
(c) 前記第1の画像データに基づいて印刷出力を行うステップと、
(d) 前記第1の画像データに基づく印刷出力が行われた後、前記第1の画像データを記憶している状態で、前記第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データが取得された場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出するステップと、
(e) 前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出するステップと、
(f) 前記ステップ(e)において抽出される前記画像成分を配置した印刷レイアウトを作成するステップと、
(g) 前記ステップ(c)で印刷出力された前記第1の画像データに基づく印刷済用紙を給紙するステップと、
(h) 前記ステップ(g)によって給紙される印刷済用紙に対し、前記ステップ(f)で作成された印刷レイアウトに基づいて印刷出力を行うステップと、
を有することを特徴とする印刷方法。
【請求項13】
印刷ジョブを生成して送信するためのプログラムであって、コンピュータにおいて実行されることにより、前記コンピュータを、
印刷ジョブの生成対象となる画像データを取得して所定の記憶手段に記憶させる取得手段、
前記記憶手段に記憶された画像データに基づいて印刷ジョブを生成して送信する印刷ジョブ出力手段、
前記記憶手段に記憶された第1の画像データに基づいて生成された印刷ジョブが前記印刷ジョブ出力手段によって送信された後に、前記取得手段によって前記第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データが取得された場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段、および、
前記検出手段によって前記修正領域が検出されることに伴い、前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段、
として機能させ、
前記印刷ジョブ出力手段には、前記第1の画像データに基づいて出力された印刷済用紙を修正するための印刷ジョブを、前記印刷レイアウト作成手段によって作成される印刷レイアウトに基づいて生成させると共に、該印刷ジョブを送信させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
印刷ジョブを受信して印刷出力を行う画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置を、
受信する印刷ジョブに含まれている画像データを取得し、所定の記憶手段に記憶させる取得手段、
前記取得手段によって取得された画像データが前記記憶手段に記憶されている既に印刷出力済みの第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データである場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段、
前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段、および、
前記第1の画像データに基づいて既に印刷出力された印刷済用紙を給紙させ、前記印刷レイアウト作成手段によって作成された印刷レイアウトに基づき、前記画像成分を前記印刷済用紙に印刷させる印刷制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得される画像データを記憶する記憶手段と、
前記取得手段によって取得された画像データが前記記憶手段に記憶されている第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データである場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段と、
前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段と、
前記第1の画像データに基づいて既に印刷出力された印刷済用紙を給紙する給紙手段と、
前記給紙手段によって給紙される印刷済用紙に対して、前記印刷レイアウト作成手段によって作成された印刷レイアウトに基づき前記画像成分を印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記印刷レイアウト作成手段は、前記印刷レイアウトを作成する際、前記修正領域に対応する位置に所定の描画パターンを更に配置し、
前記印刷手段は、前記印刷レイアウト作成手段によって作成される印刷レイアウトに基づいて前記印刷済用紙に対して前記描画パターンの印刷を行うことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記描画パターンは、取消線であることを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記描画パターンは、塗り潰しであることを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記印刷レイアウト作成手段は、塗り潰される領域に対して前記画像成分を配置した印刷レイアウトを作成することを特徴とする請求項4に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記検出手段は、更に、前記第1又は第2の画像データに含まれる前記修正領域の近傍に位置する余白領域を検出し、
前記印刷レイアウト作成手段は、前記画像成分を前記余白領域に配置した印刷レイアウトを作成することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の印刷システム。
【請求項7】
前記印刷レイアウト作成手段は、前記画像成分が前記余白領域に収まるように前記画像成分を拡大又は縮小して配置することを特徴とする請求項6に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記印刷レイアウト作成手段は、前記画像成分又は前記修正領域の面積が所定値以上の場合に、前記印刷済用紙の裏面に対してその画像成分を配置することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の印刷システム。
【請求項9】
前記印刷手段は、印字色を指定して前記画像成分を印刷することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の印刷システム。
【請求項10】
印刷ジョブを生成して送信する情報処理装置であって、
印刷ジョブの生成対象となる画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得される画像データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された画像データに基づいて印刷ジョブを生成して送信する印刷ジョブ出力手段と、
前記記憶手段に記憶された第1の画像データに基づいて生成された印刷ジョブが前記印刷ジョブ出力手段によって送信された後に、前記取得手段によって前記第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データが取得された場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記修正領域が検出されることに伴い、前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段と、
を備え、
前記印刷ジョブ出力手段は、前記第1の画像データに基づいて出力された印刷済用紙を修正するための印刷ジョブを、前記印刷レイアウト作成手段によって作成される印刷レイアウトに基づいて生成し、該印刷ジョブを送信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
印刷ジョブを受信して印刷出力を行う画像処理装置であって、
受信する印刷ジョブに含まれている画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得される画像データを記憶する記憶手段と、
前記取得手段によって取得された画像データが前記記憶手段に記憶されている第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データである場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段と、
前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段と、
前記第1の画像データに基づき既に印刷出力された印刷済用紙を給紙する給紙手段と、
前記給紙手段によって給紙される印刷済用紙に対して、前記印刷レイアウト作成手段によって作成された印刷レイアウトに基づき前記画像成分を印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
(a) 第1の画像データを取得するステップと、
(b) 前記ステップ(a)において取得される第1の画像データを記憶するステップと、
(c) 前記第1の画像データに基づいて印刷出力を行うステップと、
(d) 前記第1の画像データに基づく印刷出力が行われた後、前記第1の画像データを記憶している状態で、前記第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データが取得された場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出するステップと、
(e) 前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出するステップと、
(f) 前記ステップ(e)において抽出される前記画像成分を配置した印刷レイアウトを作成するステップと、
(g) 前記ステップ(c)で印刷出力された前記第1の画像データに基づく印刷済用紙を給紙するステップと、
(h) 前記ステップ(g)によって給紙される印刷済用紙に対し、前記ステップ(f)で作成された印刷レイアウトに基づいて印刷出力を行うステップと、
を有することを特徴とする印刷方法。
【請求項13】
印刷ジョブを生成して送信するためのプログラムであって、コンピュータにおいて実行されることにより、前記コンピュータを、
印刷ジョブの生成対象となる画像データを取得して所定の記憶手段に記憶させる取得手段、
前記記憶手段に記憶された画像データに基づいて印刷ジョブを生成して送信する印刷ジョブ出力手段、
前記記憶手段に記憶された第1の画像データに基づいて生成された印刷ジョブが前記印刷ジョブ出力手段によって送信された後に、前記取得手段によって前記第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データが取得された場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段、および、
前記検出手段によって前記修正領域が検出されることに伴い、前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段、
として機能させ、
前記印刷ジョブ出力手段には、前記第1の画像データに基づいて出力された印刷済用紙を修正するための印刷ジョブを、前記印刷レイアウト作成手段によって作成される印刷レイアウトに基づいて生成させると共に、該印刷ジョブを送信させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
印刷ジョブを受信して印刷出力を行う画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置を、
受信する印刷ジョブに含まれている画像データを取得し、所定の記憶手段に記憶させる取得手段、
前記取得手段によって取得された画像データが前記記憶手段に記憶されている既に印刷出力済みの第1の画像データに対応する修正後の第2の画像データである場合、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを比較して差分が検出される領域を修正領域として検出する検出手段、
前記第2の画像データのうち前記修正領域に含まれる画像成分を抽出して配置した印刷レイアウトを作成する印刷レイアウト作成手段、および、
前記第1の画像データに基づいて既に印刷出力された印刷済用紙を給紙させ、前記印刷レイアウト作成手段によって作成された印刷レイアウトに基づき、前記画像成分を前記印刷済用紙に印刷させる印刷制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−92870(P2013−92870A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233888(P2011−233888)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]