説明

印刷システム、画像形成装置とその処理方法及びプログラム

【課題】本発明の目的は、情報処理装置に印刷データを蓄積し、画像形成装置から当該情報処理装置に蓄積された所望の印刷データを印刷することができる仕組みを提供すること。
【解決手段】情報処理装置は、印刷データを画像形成装置に送信し、送信した印刷データを画像形成装置から受信し、受信した印刷データを記憶し、前記画像形成装置から印刷データを特定するための特定情報を含む印刷要求を受信すると、印刷要求のあった印刷データを取得し、印刷要求がされた前記画像形成装置に取得した印刷データを出力する。また、画像形成装置は、情報処理装置から印刷データを受信し、受信した印刷データを、印刷データの受信元となる前記情報処理装置に送信し、受信した印刷データを特定するための印刷データ特定情報と、印刷データの格納先情報とを含む書誌情報を記憶し、書誌情報の格納先情報に対応する情報処理装置に対して、印刷データの印刷要求をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
情報処理装置に印刷データを溜め置く印刷システム、画像形成装置とその処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、市場のセキュリティ意識の高まりや誤印刷の抑止により、従来クライアント端末から印刷指示した際にそのまま出力されていた印刷データを一旦複合機内のHDDやクライアント端末に溜め置き、ユーザの最終的な印刷指示により印刷を実行するプリントシステムが求められている。
【0003】
この様な要望にこたえるため、クライアント端末でユーザが印刷指示した際に複合機へ送信する前にクライアント端末に溜め置き、複合機に認証機能を備え、認証を行った後に当該ユーザのクライアント端末に保存されている情報を取得しに行き、取得した情報を複合機のUI上に表示したうえで、最終的なユーザの出力指示を受けて印刷する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−279785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような技術では、ユーザに複雑な設定を求める場合がある。例えば通常プリンタドライバは出力対象の複合機のホスト名を指定して作成されるが、特許文献1の様な技術ではクライアント端末にデータを溜め置くために、プリンタドライバの出力先を自身のクライアント端末のホスト名に変更しなくてはならない。
【0006】
また、単にクライアント端末に印刷データを溜め置いただけでは、複合機で印刷データが保存されている場所(クライアント端末)が分からないため、クライアント端末に印刷データを保存し、印刷データ保存していることを通知するための設定を行う必要があった。
【0007】
印刷データを保存していることを通知するための設定を簡便化するために、クライアント端末から印刷データを保存した際にブロードキャストをして各複合機へ印刷データの情報を受け渡す構成も考えられるが、ブロードキャストパケットはネットワークセグメントが分かれている環境ではセグメントを越えられないため環境によっては対象の複合機へ印刷データの情報を通知できないケースが存在していた。
【0008】
さらに、印刷管理サーバで印刷データを一元化することが考えられるが、サーバを管理する手間がかかるため、企業によっては印刷管理サーバの設置を望まないケースも存在していた。
【0009】
現在の複合機は、複合機の基本機能以外の機能を実現する場合、複合機上で動作するアプリケーションをインストールし拡張機能を利用させることが可能になっている。しかしながら、複合機の種類によっては、このアプリケーションが利用できるHDD(例えば、印刷データを蓄積しておく記憶領域)が用意されていない(少ない)複合機もあり、このような複合機では、印刷データを複合機上に保持させておくことができず、クライアント端末で印刷指示してすぐに印刷されないように溜め置く、溜め置き印刷を実現することが困難であった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、情報処理装置に印刷データを蓄積し、画像形成装置から当該情報処理装置に蓄積された所望の印刷データを印刷することができる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的を達成するために、情報処理装置と画像形成装置を含む印刷システムであって、前記情報処理装置は、印刷データを前記画像形成装置に送信する第1の印刷データ送信手段と、前記第1の印刷データ送信手段で送信した印刷データを前記画像形成装置から受信する第2の印刷データ受信手段と、前記第2の印刷データ受信手段で受信した印刷データを記憶する印刷データ記憶手段と、前記画像形成装置から印刷データを特定するための特定情報を含む印刷要求を受信する印刷要求受信手段と、前記印刷要求受信手段で受信した印刷要求のあった印刷データを前記印刷データ記憶手段から取得し、印刷要求がされた前記画像形成装置に取得した印刷データを出力する出力手段とを備え、前記画像形成装置は、前記情報処理装置から印刷データを受信する第2の印刷データ受信手段と、前記第2の印刷データ受信手段で受信した印刷データを、印刷データの受信元となる前記情報処理装置に送信する第2の印刷データ送信手段と、前記第2の印刷データ受信手段で受信した印刷データを特定するための印刷データ特定情報と、前記第2の印刷データ受信手段で受信した印刷データの格納先情報とを含む書誌情報を記憶する書誌情報記憶手段と、選択された書誌情報の格納先情報に対応する情報処理装置に対して、選択された書誌情報に対応する印刷データの印刷要求をする印刷要求手段と、前記印刷要求手段で印刷要求した印刷データを前記情報処理装置から受信して印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、前記画像形成装置は、前記第2の印刷データ受信手段で受信した印刷データを格納するか否かを判定する格納判定手段と、前記格納判定手段で、印刷データを格納すると判定した場合に、当該画像形成装置に前記印刷データを格納する印刷データ格納手段とを更に備え、前記第2の印刷データ送信手段は、前記印刷データを格納しないと判定した場合に、受信した印刷データを返送するべく、印刷データの受信元となる前記情報処理装置に送信することを特徴とする。
【0013】
また、前記画像形成装置は、当該画像形成装置に前記印刷データが格納されているか否かを判定する印刷データ格納判定手段を更に備え、前記印刷手段は、前記印刷データ格納判定手段で、印刷データが当該画像形成装置に格納されていると判定される場合に、選択された書誌情報に対応する印刷データを取得して印刷し、印刷データが当該画像形成装置に格納されていないと判定される場合に、前記印刷要求手段で印刷要求した印刷データを前記情報処理装置から受信して印刷することを特徴とする。
【0014】
また、書誌情報の格納先情報は、前記第2の印刷データ送信手段で印刷データを送信した送信先の情報処理装置又は前記第2の印刷データ受信手段で印刷データを受信した受信元の情報処理装置又は前記印刷データを格納した当該画像形成装置を特定する情報であることを特徴とする。
【0015】
また、前記書誌情報はユーザ識別情報を含み、前記画像形成装置は、ユーザ識別情報に従ってログインするログイン手段と、前記書誌情報記憶手段から、前記ログイン手段でログインしたユーザ識別情報に対応する書誌情報を取得する書誌情報取得手段と、前記書誌情報取得手段で取得した書誌情報を表示する表示手段とを更に備えることを特徴とする。
【0016】
また、前記書誌情報は、前記情報処理装置又は前記画像形成装置で取得することを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明の目的を達成するために、印刷データを画像形成装置に送信し、送信した印刷データを前記画像形成装置から受信し、受信した印刷データを記憶し、印刷要求に従って記憶された印刷データを印刷要求のあった画像形成装置へ出力することが可能な情報処理装置と通信可能な画像形成装置であって、前記情報処理装置から印刷データを受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データ受信手段で受信した印刷データを、印刷データの受信元となる前記情報処理装置に送信する印刷データ送信手段と、前記印刷データ受信手段で受信した印刷データを特定するための印刷データ特定情報と、前記印刷データ受信手段で受信した印刷データの格納先情報とを含む書誌情報を記憶する書誌情報記憶手段と、選択された書誌情報の格納先情報に対応する情報処理装置に対して、選択された書誌情報に対応する印刷データの印刷要求をする印刷要求手段と、前記印刷要求手段で印刷要求した印刷データを前記情報処理装置から受信して印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、情報処理装置に印刷データを蓄積し、画像形成装置から当該情報処理装置に蓄積された所望の印刷データを印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】プリントシステム(印刷システム)の一例を示すシステム構成図である。
【図2】クライアントPC200に適用可能な情報処理装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図3】複合機100のコントローラユニットのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】クライアントPC(情報処理装置)と複合機(画像形成装置)の機能ブロック図である。
【図5】本実施形態の処理の流れを示す処理概要図である。
【図6】本実施形態におけるユーザ情報ファイルの一例を示す図である。
【図7】複合機100の操作部308で表示する文書リスト画面の一例を示す図である。
【図8】本実施形態における、クライアントPC200上での印刷指示から、印刷データを複合機に溜め置くまでの処理に関するフローチャートである。
【図9】本実施形態における、複合機100へログインし、印刷を行う処理に関するフローチャートである。
【図10】本実施形態における書誌情報管理ファイルの一例を示す図である。
【図11】他の実施形態における、クライアントPC200上での印刷指示から、印刷データを複合機に溜め置くまでの処理に関するフローチャートである。
【図12】他の実施形態における、複合機100へログインし、印刷を行う処理に関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明のクライアントPC(クライアント端末)および複合機(画像形成装置)がネットワーク(LAN700)を介して通信可能なプリントシステム(印刷システム)の一例を示すシステム構成図である。
【0022】
クライアントPC200には、プリンタドライバがインストールされており、このプリンタドライバは、アプリケーションプログラムから受け取ったデータに基づいて印刷データを作成し、該印刷データを複合機100へ送信することができる。印刷データを受け取った複合機100は送信先ホスト名(クライアントPC名)を取得し、該ホストに対して受信した印刷データを送り返す。なお、本実施形態ではホスト名を用いたが、TCP/IP通信で取得できるIPアドレスを用いてもよい。
【0023】
クライアントPC200上ではクライアントアプリケーションが動作し複合機から送られてくる印刷データを受信しクライアントPC200のHDDに保存する。クライアントアプリケーションは印刷データ受信時に該印刷データ内の書誌情報を取得する。取得した書誌情報は印刷データ送信元の複合機100へ送信する。上記の印刷データと書誌情報の受け渡しによって複合機100とクライアントPC200は書誌情報の共有を可能とする。
【0024】
複合機100上では印刷を管理するアプリケーションが動作しユーザの複合機100へのログインを検知しログインユーザのクライアントPC200に保存されている書誌情報の一覧を図7に示すようなイメージで表示する。印刷を管理するアプリケーションはユーザの印刷指示により対象の(選択された)印刷データが格納されているクライアントPC200上のクライアントアプリケーションに対し自身の複合機への印刷要求を発行する。印刷要求を受け取ったクライアントアプリケーションは要求を送信してきた複合機100に対して対象の印刷データの印刷を実行する。
【0025】
なお、本実施形態では、クライアントPC200と複合機100はそれぞれ1台で構成されているが、複数台で構成されていてもよい。
【0026】
以下、図2を用いて、図1に示したクライアントPC200に適用可能な情報処理装置のハードウエア構成について説明する。
【0027】
図2は、図1に示したクライアントPC200に適用可能な情報処理装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0028】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各PCの実行する機能を実現するために必要は後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0029】
203はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0030】
また、205は入力コントローラで、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示機への表示を制御する。なお、図2では、CRT210と記載しているが、表示機はCRTだけではなく、液晶ディスプレイ等の他の表示機であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
【0031】
207はメインコントローラで、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HDD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0032】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0033】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォント展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0034】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0035】
次に、図3を用いて、図1に示した複合機100を制御するコントローラユニットのハードウエア構成について説明する。
【0036】
図3は、図1に示した複合機100のコントローラユニットのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0037】
図3において、316はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ部314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続する一方、LANや公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行なう。
【0038】
コントローラユニット316において、301はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。302はRAMで、CPU301が動作するためのシステムネットワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0039】
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。304はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラム、画像データ等を格納する。
【0040】
307は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部(UI)308とのインタフェース部であり、操作部308に表示する画像データを操作部308に対して出力する。また、操作部I/F307は、操作部308から本システム使用者が入力した情報(例えば、ユーザ情報等)をCPU301に伝える役割をする。なお、操作部308はタッチパネルを有する表示部を備え、該表示部に表示されたボタンを、ユーザが押下(指等でタッチ)することにより、各種指示を行うことができる。
【0041】
305はネットワークインタフェース(Network I/F)で、ネットワーク(LAN)に接続し、データの入出力を行う。306はモデム(MODEM)で、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0042】
318は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394,プリンタポート,RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においては認証で必要となるICカードの読み取り用のカードリーダ319が外部I/F部318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319によるICカードからの情報読み取りを制御し、該ICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0043】
320はイメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。
【0044】
画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0045】
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。311はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ部312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ部314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0046】
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0047】
スキャナ部314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ部314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0048】
プリンタ部312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0049】
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0050】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
【0051】
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、ICカード(例えば、ソニー社のフェリカ(FeliCa)(登録商標))内に記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0052】
以上のような構成によって、複合機100は、スキャナ部314から読み込んだ画像データをLAN700上に送信したり、LANから受信した印刷データをプリンタ部312により印刷出力することができる。
【0053】
また、スキャナ部314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線上にFAX送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ部312により出力することできる。
【0054】
次に、図4を用いて、本実施形態におけるクライアントPC200(情報処理装置)と複合機(画像形成装置)の機能ブロック図について説明する。なお、図4では、基本的な機能について説明するものとし、各機能部が処理する詳細な制御については、後述するフローチャートにて説明する。
【0055】
クライアントPC200は、第1の印刷データ送信部401と、第2の印刷データ受信部402、印刷データ記憶部403、印刷要求受信部404、出力部405を備える。複合機は、第2の印刷データ受信部406、第2の印刷データ送信部407、書誌情報記憶部408、印刷要求部409、印刷部410を備える。
【0056】
第1の印刷データ送信部401は、印刷データを複合機(画像形成装置)に送信する機能部である。
【0057】
第2の印刷データ受信部402は、送信した印刷データを複合機(画像形成装置)から受信する機能部である。
【0058】
印刷データ記憶部403は、受信した印刷データを記憶する機能部である。
【0059】
印刷要求受信部404は、複合機(画像形成装置)から印刷データを特定するための特定情報を含む印刷要求を受信する機能部である。
【0060】
出力部405は、受信した印刷要求のあった印刷データを取得し、印刷要求がされた複合機(画像形成装置)に取得した印刷データを出力する機能部である。
【0061】
第2の印刷データ受信部406は、クライアントPC200(情報処理装置)から印刷データを受信する機能部である。
【0062】
第2の印刷データ送信部407は、受信した印刷データを、印刷データの受信元となるクライアントPC200(情報処理装置)に送信する機能部である。
【0063】
書誌情報記憶部408は、受信した印刷データを特定するための印刷データ特定情報と、受信した印刷データの格納先情報とを含む書誌情報を記憶する機能部である。
【0064】
印刷要求部409は、選択された書誌情報の格納先情報に対応する情報処理装置に対して、選択された書誌情報に対応する印刷データの印刷要求をする機能部である。
【0065】
印刷部410は、印刷要求した印刷データを前記情報処理装置から受信して印刷する機能部である。
【0066】
まず、図5を用いて、本実施形態の処理概要を説明する。図5は本実施形態の処理の流れを示す処理概要図である。
【0067】
501では、ユーザによりクライアントPC200上の各種アプリケーションで生成されたアプリケーションデータ(文書)を、クライアントPC200にインストールされているプリンタドライバを用いて、設定された出力対象の複合機への印刷指示を受け付ける。
【0068】
502では、印刷指示の受け付けに従って、プリンタドライバでアプリケーションデータを複合機で印刷可能なデータ(例えば、ページ記述言語のファイル)に変換し、RAW印刷を実行する。具体的には変換した印刷データを複合機のRAWポート(9100番)に送信する。なお、前述の印刷の仕組みは、通常設定されている印刷の流れで印刷を実行するものである。
【0069】
503では、複合機上で動作する印刷アプリケーションが、複合機のRAWポート(9100番)を監視し、クライアントPC200から送信されてくる印刷データを受信する。印刷データを受け取った印刷アプリケーションは受信した印刷データをそのまま印刷データ送信元のクライアントPC200のクライアントアプリケーションに印刷データを転送する。転送の際、複合機のHDDに印刷データを溜めることは行わず、受信した印刷データをそのままクライアントアプリケーションに転送する。
【0070】
複合機からの印刷データ転送を受けたクライアントアプリケーションは受信した印刷データをクライアントPC200の所定のフォルダに保存する。また保存した印刷データの書誌情報を取得し印刷データ転送元の複合機に送信する。書誌情報を受信した複合機の印刷アプリケーションは複合機のHDDの書誌情報管理ファイルに書誌情報を保存する。
【0071】
なお、本実施形態では、複合機からクライアントPC200に印刷データを転送した場合に、クライアントPC200で書誌情報を生成し、複合機に送信する構成を取ったが、これは複合機の処理能力が低い場合などを考慮した構成であり、クライアントPC200から複合機に印刷データが送信された場合に、複合機で印刷データのヘッダー情報や通信情報から取得できる情報から書誌情報を生成するように構成することも可能である。この場合、クライアントPC200の保存先ホスト名(IPアドレス)を、通信(TCP/IP等)により取得し、書誌情報として保存する。
【0072】
504では、ユーザによるICカードかざし、或いはユーザ情報入力により認証が成功することで複合機へのログインを行う。ユーザのログインを検知した印刷アプリケーションは複合機上に503で保存している書誌情報の中から当該ユーザの書誌情報を取得し、複合機画面上に文書一覧として表示する。
【0073】
505では、504で表示された文書一覧からユーザの操作により印刷対象の文書を選択し、「プリント開始」ボタンの押下によって印刷命令を実行する。印刷命令を検知した印刷アプリケーションは画面上の文書一覧で選択されている文書(書誌情報)から保存先ホスト名を取得し、この保存先ホスト名のクライアントPC200のクライアントアプリケーションに対して、文書を識別するための文書名を含む印刷命令を送信する。
【0074】
506では、複合機の印刷アプリケーションからの印刷命令を受信したクライアントアプリケーションは印刷命令に含まれる文書を識別するための文書名を元に、対象となる印刷データを取得し、当該印刷データのLPR印刷を実行し、複合機へ印刷データを送信する。複合機は印刷データを受信して、印刷を実行する。
【0075】
上述により印刷データを保持するHDD領域が存在しない場合でも溜め置きプリントを実現可能となり、またセグメントなどのネットワーク環境を意識することなく溜め置きプリントが実現可能となる。
【0076】
次に図8、図9を用いて、本実施形態の詳細な処理について説明する。
【0077】
図8は、本実施形態における、クライアントPC200上での印刷指示から、印刷データを複合機に溜め置くまでの処理に関するフローチャートである。
【0078】
ステップS801では、CPU201によりプリンタドライバが、アプリケーションのデータを取得し、複合機100で印刷可能なデータ(PDL等の印刷データ)を生成する。
【0079】
ステップS802では、CPU201により、ステップS801で生成した印刷データを複合機100のRAWポート(9100番)へ送信する。すなわち、印刷データを前記画像形成装置に送信する第1の印刷データ送信処理(印刷データ送信制御処理)である。
【0080】
ステップS803では、CPU301により、クライアントPC200から送信される印刷データを受信する(具体的にはポート9100を監視し外部からデータが送信された際にコネクトを開始する)。すなわち、情報処理装置から印刷データを受信する第2の印刷データ受信処理(印刷データ受信制御処理)である。
【0081】
ステップS804では、CPU301により、ステップS803にてデータを受信開始した際に、印刷データ送信元のホスト名をコネクト情報から抽出しメモリ上に保持する。
【0082】
ステップS805では、CPU301により、ステップS803にて受信した印刷データをステップS804で取得したホスト名のクライアントPC200に送信する。具体的にはステップS803で印刷データを受信した際、複合機のHDD内に印刷データを溜めることはせずに、受信したパケットをそのままステップS804で取得したホストに対して転送する。すなわち、受信した印刷データを、印刷データの受信元となる情報処理装置に送信する第2の印刷データ送信処理(印刷データ送信制御処理)である。
【0083】
ステップS806では、CPU201により、ステップS805でクライアントPC200から転送される印刷データを受信し、クライアントPC200のHDD上の所定のフォルダに保存する。すなわち、送信した印刷データを画像形成装置から受信する第2の印刷データ受信処理(印刷データ受信制御処理)であり、受信した印刷データを記憶する印刷データ記憶処理(印刷データ記憶制御処理)である。
【0084】
ステップS807では、CPU201により、印刷データを受信開始する際に転送元の複合機100のホスト名をコネクト情報から取得しメモリ(RAM)上に保持する。
【0085】
ステップS808では、CPU201により、受信した印刷データを保存しながら印刷データ内部を解析し、書誌情報(文書ID、ユーザ名、保存先ホスト名、文書名)を取得しメモリ上に保持する。このとき文書IDとHDDの保存先パスを紐づけて保持する。また、保存先ホスト名はクライアントPC200自身が有するホスト名とする。
【0086】
ステップS809では、CPU201により、印刷データを受信した後、印刷データ取得完了情報とステップS808で取得した書誌情報(文書ID、ユーザ名、保存先ホスト名、文書名)を、ステップS807で取得したホスト名に対応する複合機100へ送信する。
【0087】
ステップS810では、CPU301により、転送先ホストのクライアントPC200からの印刷データ取得完了情報と書誌情報(文書ID、ユーザ名、保存先ホスト名、文書名)を受信する。
【0088】
ステップS811では、CPU301により、受信した印刷データ取得完了情報と書誌情報(文書ID(印刷データ特定情報)、ユーザ名(ユーザ識別情報)、保存先ホスト名(印刷データの格納先情報)、文書名)を複合機100のHDD内に保持されている書誌情報管理ファイル(図10)に書誌情報を書き込み、さらにメモリ(RAM)上に保持する。メモリ上に保存するのは、文書一覧を効率良く表示するためである。すなわち、受信した印刷データを特定するための印刷データ特定情報と、受信した印刷データの格納先情報とを含む書誌情報を記憶する書誌情報記憶処理(書誌情報記憶制御処理)である。
【0089】
図9は、本実施形態における、複合機100へログインし、印刷を行う処理に関するフローチャートである。
【0090】
ステップS901では、CPU301が複合機100へのユーザのログインを検知する。ユーザのログインは、ユーザが複合機100に対し認証情報を入力し、その認証情報を元に図6に示すようなユーザ情報ファイルから上記で入力された認証情報を検索する。検索された場合に認証成功として、ログインがなされるものである。すなわち、ユーザ識別情報に従ってログインするログイン処理である。
【0091】
なお、ユーザが入力する認証情報は認証方式によって様々な情報が考えられる。例えばカード認証の場合ではカードの製造番号であったり、ユーザのID入力式の認証方式であればユーザIDとパスワードであったりという場合も考えられる。
【0092】
図6に示すユーザ情報ファイルから当該ユーザを検索されると、複合機100上で動作する各種アプリケーションに対して当該ユーザがログインしたことを通知する。ログインされると、複合機のRAMにユーザ名(ユーザ識別情報)を含むログイン情報が記憶されるため。通知を受けると各種アプリケーションは、ログイン情報を取得する。
【0093】
図6のユーザ情報ファイルは、ユーザID、ユーザ名、メールアドレスなどが対応付いて記憶されている。
【0094】
ステップS902では、CPU301によりステップS901で取得したログイン情報からログインしたユーザのユーザ名を取得してメモリ上に保持する。上記ユーザ名を元にステップS811でメモリ上に保持している書誌情報のなかから、ユーザ名が一致する書誌情報を抽出しメモリ上に保持する。すなわち、ログインしたユーザ識別情報に対応する書誌情報を取得する書誌情報取得処理である。
【0095】
ステップS903では、CPU301により、ステップS902でメモリ上に保持した書誌情報を文書リストとして、図7に示すようなUIで複合機100上の画面に表示する。すなわち、書誌情報を表示する表示処理である。
【0096】
図7は、複合機100の操作部308で表示する文書リスト画面の一例を示す図である。
【0097】
文書リスト画面は、複合機100にログインしたユーザの印刷データの書誌情報を取得し、文書名、印刷設定、ページ数部数、日付時刻が表示される構成となっている。なお、印刷設定、ページ数部数、日付時刻は不図示であるが、図10の書誌情報管理に記憶されている。
【0098】
文書リスト画面は、印刷を実行する印刷データ(文書)を選択可能に構成されており、ユーザの指示に従って、印刷データの選択、印刷実行指示をすることが可能である。
【0099】
ステップS904では、CPU301により、ステップS903で表示された文書リストから印刷対象文書を選択し、画面上の「プリント開始」ボタンの押下に従って、印刷指示があったか否かを判定する。印刷指示があった場合には、ステップS905へ処理を移す。また、印刷指示がない場合には押下されるまで待機する。
【0100】
ステップS905では、CPU301により、選択された印刷対象文書に対応する書誌情報から文書IDを取得してメモリ上に保持する。
【0101】
ステップS906では、CPU301により、メモリ上に保持した文書ID(印刷データを特定するための特定情報)を含む印刷要求パケットを生成する。
【0102】
ステップS907では、CPU301により、ステップS906で生成した印刷要求パケットを、保存先ホスト名に従ってクライアントPC200へ送信する。すなわち、選択された書誌情報の格納先情報に対応する情報処理装置に対して、選択された書誌情報に対応する印刷データの印刷要求をする印刷要求処理である。
【0103】
ステップS908では、CPU201により、ステップS907で送信した印刷要求パケットを受信する。すなわち、印刷データを特定するための特定情報を含む印刷要求を受信する印刷要求受信処理(印刷要求受信制御処理)である。
【0104】
ステップS909では、CPU201により、印刷要求パケットのコネクト情報から印刷要求送信元の複合機100のホスト名を取得しメモリ上に保持する。
【0105】
ステップS910では、CPU201により、印刷要求パケットに含まれる印刷対象の文書IDを取得する。取得した印刷対象の文書IDとステップS808でメモリ上に保持した文書IDから、文書IDに紐付く保存先パスを取得し、保存先パスから印刷データを検索する。そして、文書IDに従って検索された印刷データを、複合機100に対して印刷を実行する。複合機100ではRAWポート(9100)を監視しているため、そのままRAWポート(9100)へ送信すると印刷できないため、RAW印刷以外の印刷手段で印刷実行する。例えばWindows(登録商標)の印刷コマンドであるLPRや一般的な印刷プロトコルとして用意されているFTP(File Transfer Protocol)印刷やIPP(Internet Printing Protocol)印刷等を利用する。すなわち、受信した印刷要求のあった印刷データを取得し、印刷要求がされた画像形成装置に取得した印刷データを出力する出力処理である。
【0106】
ステップS911では、CPU301により、複合機100はステップS910でクライアントPC200から送信された印刷データを受信する。
【0107】
ステップS912では、CPU301により、ステップS911で受信した印刷データの印刷を実行する。すなわち、印刷要求した印刷データを情報処理装置から受信して印刷する印刷処理(印刷制御処理)である。
【0108】
次に、本実施形態における、図10の書誌情報管理ファイルについて説明する。図10は複合機100のHDD304に記憶されている書誌情報管理ファイルの一例を示す図である。
【0109】
書誌情報管理ファイルには、印刷データに関する書誌情報を記憶するためのものであり、印刷データを一意に識別するための文書ID、印刷データを印刷したユーザのユーザ名、印刷データの保存先のホスト名、印刷データの文書名等が記憶されている。
【0110】
なお、印刷データの保存先のホスト名は、図11で後述するように、複合機100で印刷データを記憶する領域がある場合に、当該記憶領域に記憶した場合には、複合機100のホスト名が記憶される。
【0111】
次に、図11を用いて、他の実施形態の詳細な処理について説明する。図11は、他の実施形態における、クライアントPC200上での印刷指示から、印刷データを複合機に溜め置くまでの処理に関するフローチャートである。
【0112】
なお、図8と同様のステップについては、同じステップ番号を付与し、説明を省略する。
【0113】
ステップS1201では、CPU301により、ステップS803で受信した印刷データを格納する領域がHDD304にあるか否かを判断する。すなわち、受信した印刷データを格納するか否かを判定する格納判定処理である。HDD304に格納する領域が存在するか否かは、複合機100の印刷アプリケーションが格納先情報(例えば、パス)を有しているか否かで判断する。なお、格納する領域が存在するか否かの判断はこれに限ることはない。格納先がありと判断された場合には、ステップS1207へ処理を移し、格納先がなしと判断された場合には、ステップS1202へ処理を移す。
【0114】
ステップS1202では、CPU301により、ステップS803にてデータを受信開始した際に、印刷データ送信元のホスト名をコネクト情報から抽出しメモリ上に保持する。
【0115】
ステップS1203では、CPU301により、印刷データ内部を解析し、書誌情報(文書ID、ユーザ名、文書名)を取得しメモリ上に保持する。
【0116】
ステップS1204では、CPU301により、図10の書誌情報管理ファイルにメモリ上に保持した文書ID、ユーザ名、文書名と、送信元のホスト名を書き込む。なお、保存先ホスト名は、送信元のホスト名に対応する。
【0117】
ステップS1205では、CPU301により、ステップS803にて受信した印刷データをステップS1202で取得したホスト名のクライアントPC200に送信する。すなわち、印刷データを格納しないと判定した場合に、受信した印刷データを返送するべく、印刷データの受信元となる情報処理装置に送信する第2の印刷データ送信処理(送信制御処理)である。
【0118】
ステップS1206では、CPU201により、印刷データを受信し、印刷データをクライアントアプリケーションが管理する格納領域に保存する。この印刷データは文書IDで複合機100の書誌情報と対応付いている。
【0119】
ステップS1207では、CPU301により、印刷データ内部を解析し、書誌情報(文書ID、ユーザ名、文書名)を取得し、図10の書誌情報管理ファイルにメモリ上に保持した文書ID、ユーザ名、文書名と、送信元のホスト名を書き込む。なお、保存先ホスト名は、複合機100のホスト名に対応する。
【0120】
ステップS1208では、受信した印刷データを、複合機100のHDD304に保存する。なお、この複合機100に保存した印刷データは文書IDで書誌情報と対応付いている。すなわち、印刷データを格納すると判定した場合に、当該画像形成装置に印刷データを格納する印刷データ格納処理である。
【0121】
次に、図12を用いて、他の実施形態の詳細な処理について説明する。図12は、他の実施形態における、複合機100へログインし、印刷を行う処理に関するフローチャートである。
【0122】
なお、図9と同様のステップについては、同じステップ番号を付与し、説明を省略する。
【0123】
ステップS1301では、CPU301により、選択されている書誌情報の保存先ホスト名を参照し、当該複合機のホスト名と一致するか否かを判定する。すなわち、印刷データが当該複合機に格納されているか否かを判定する印刷データ格納判定処理である。
【0124】
当該複合機のホスト名と一致する場合にはステップS1302へ処理を移し、当該複合機のホスト名と一致しない場合にはステップS906へ処理を移す。
【0125】
ステップS1302では、CPU301により、選択された書誌情報の文書IDに従って、印刷データが格納されている領域から印刷データを検索し、取得する。取得した印刷データは、ステップS912で印刷が実行される。ステップS912はすなわち、印刷データが当該画像形成装置に格納されていると判定される場合に、選択された書誌情報に対応する印刷データを取得して印刷し、印刷データが当該画像形成装置に格納されていないと判定される場合に、印刷要求した印刷データを情報処理装置から受信して印刷する処理である。
【0126】
以上実施形態を説明したが、本実施形態によれば、所望の複合機(画像形成装置)に印刷データを蓄積しておくことなく、情報処理装置に印刷データを蓄積しておき、複合機(画像形成装置)から当該情報処理装置に蓄積されている印刷データから所望の印刷データを印刷することができる。
【0127】
また、ネットワーク環境でセグメント超えできない場合でも、印刷データをクライアント端末(クライアントPC200)へ保存した溜め置き印刷を実現することができる。
【0128】
さらに、複合機上で動作するアプリケーションが利用できるHDD(例えば、印刷データを蓄積しておく記憶領域)が用意されていない(少ない)複合機が存在し、印刷データを複合機上に保持させておくことができない環境でも、クライアント端末(クライアントPC200)で印刷指示した場合に、すぐに印刷されないように溜め置く、溜め置き印刷を実現することができる。
【0129】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0130】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0131】
また、本発明におけるプログラムは、図8、図9、図11、図12に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図8、図9、図11、図12の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図8、図9、図11、図12の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0132】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0133】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0134】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0135】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0136】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0137】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0138】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0139】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0140】
100 複合機
200 クライアントPC
700 LAN
401 第1の印刷データ送信部
402 第2の印刷データ受信部
403 印刷データ記憶部
404 印刷要求受信部
405 出力部
406 第2の印刷データ受信部
407 第2の印刷データ送信部
408 書誌情報記憶部
409 印刷要求部
410 印刷部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と画像形成装置を含む印刷システムであって、
前記情報処理装置は、
印刷データを前記画像形成装置に送信する第1の印刷データ送信手段と、
前記第1の印刷データ送信手段で送信した印刷データを前記画像形成装置から受信する第2の印刷データ受信手段と、
前記第2の印刷データ受信手段で受信した印刷データを記憶する印刷データ記憶手段と、
前記画像形成装置から印刷データを特定するための特定情報を含む印刷要求を受信する印刷要求受信手段と、
前記印刷要求受信手段で受信した印刷要求のあった印刷データを前記印刷データ記憶手段から取得し、印刷要求がされた前記画像形成装置に取得した印刷データを出力する出力手段と
を備え、
前記画像形成装置は、
前記情報処理装置から印刷データを受信する第2の印刷データ受信手段と、
前記第2の印刷データ受信手段で受信した印刷データを、印刷データの受信元となる前記情報処理装置に送信する第2の印刷データ送信手段と、
前記第2の印刷データ受信手段で受信した印刷データを特定するための印刷データ特定情報と、前記第2の印刷データ受信手段で受信した印刷データの格納先情報とを含む書誌情報を記憶する書誌情報記憶手段と、
選択された書誌情報の格納先情報に対応する情報処理装置に対して、選択された書誌情報に対応する印刷データの印刷要求をする印刷要求手段と、
前記印刷要求手段で印刷要求した印刷データを前記情報処理装置から受信して印刷する印刷手段と
を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記画像形成装置は、
前記第2の印刷データ受信手段で受信した印刷データを格納するか否かを判定する格納判定手段と、
前記格納判定手段で、印刷データを格納すると判定した場合に、当該画像形成装置に前記印刷データを格納する印刷データ格納手段とを更に備え、
前記第2の印刷データ送信手段は、前記印刷データを格納しないと判定した場合に、受信した印刷データを返送するべく、印刷データの受信元となる前記情報処理装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記画像形成装置は、
当該画像形成装置に前記印刷データが格納されているか否かを判定する印刷データ格納判定手段を更に備え、
前記印刷手段は、前記印刷データ格納判定手段で、印刷データが当該画像形成装置に格納されていると判定される場合に、選択された書誌情報に対応する印刷データを取得して印刷し、印刷データが当該画像形成装置に格納されていないと判定される場合に、前記印刷要求手段で印刷要求した印刷データを前記情報処理装置から受信して印刷することを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
書誌情報の格納先情報は、前記第2の印刷データ送信手段で印刷データを送信した送信先の情報処理装置又は前記第2の印刷データ受信手段で印刷データを受信した受信元の情報処理装置又は前記印刷データを格納した当該画像形成装置を特定する情報であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記書誌情報はユーザ識別情報を含み、
前記画像形成装置は、
ユーザ識別情報に従ってログインするログイン手段と、
前記書誌情報記憶手段から、前記ログイン手段でログインしたユーザ識別情報に対応する書誌情報を取得する書誌情報取得手段と、
前記書誌情報取得手段で取得した書誌情報を表示する表示手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記書誌情報は、前記情報処理装置又は前記画像形成装置で取得することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項7】
印刷データを画像形成装置に送信し、送信した印刷データを前記画像形成装置から受信し、受信した印刷データを記憶し、印刷要求に従って記憶された印刷データを印刷要求のあった画像形成装置へ出力することが可能な情報処理装置と通信可能な画像形成装置であって、
前記情報処理装置から印刷データを受信する印刷データ受信手段と、
前記印刷データ受信手段で受信した印刷データを、印刷データの受信元となる前記情報処理装置に送信する印刷データ送信手段と、
前記印刷データ受信手段で受信した印刷データを特定するための印刷データ特定情報と、前記印刷データ受信手段で受信した印刷データの格納先情報とを含む書誌情報を記憶する書誌情報記憶手段と、
選択された書誌情報の格納先情報に対応する情報処理装置に対して、選択された書誌情報に対応する印刷データの印刷要求をする印刷要求手段と、
前記印刷要求手段で印刷要求した印刷データを前記情報処理装置から受信して印刷する印刷手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
情報処理装置と画像形成装置を含む印刷システムの処理方法であって、
前記情報処理装置が、
印刷データを前記画像形成装置に送信制御する第1の印刷データ送信制御ステップと、
前記印刷データ送信制御ステップで送信した印刷データを前記画像形成装置から受信制御する第2の印刷データ受信制御ステップと、
前記第2の印刷データ受信制御ステップで受信した印刷データを記憶手段に記憶する印刷データ記憶制御ステップと、
前記画像形成装置から印刷データを特定するための特定情報を含む印刷要求を受信制御する印刷要求受信制御ステップと、
前記印刷要求受信制御ステップで受信した印刷要求のあった印刷データを前記記憶手段から取得し、印刷要求がされた前記画像形成装置に取得した印刷データを出力する出力ステップと
を実行し、
前記画像形成装置が、
前記情報処理装置から印刷データを受信制御する第2の印刷データ受信制御ステップと、
前記第2の印刷データ受信制御ステップで受信した印刷データを、印刷データの受信元となる前記情報処理装置に送信制御する第2の印刷データ送信制御ステップと、
前記第2の印刷データ受信制御ステップで受信した印刷データを特定するための印刷データ特定情報と、前記第2の印刷データ受信制御ステップで受信した印刷データの格納先情報とを含む書誌情報を記憶手段に記憶する書誌情報記憶制御ステップと、
選択された書誌情報の格納先情報に対応する情報処理装置に対して、選択された書誌情報に対応する印刷データの印刷要求をする印刷要求ステップと、
前記印刷要求ステップで印刷要求した印刷データを前記情報処理装置から受信して印刷制御する印刷制御ステップと
を実行することを特徴とする処理方法。
【請求項9】
印刷データを画像形成装置に送信し、送信した印刷データを前記画像形成装置から受信し、受信した印刷データを記憶し、印刷要求に従って記憶された印刷データを印刷要求のあった画像形成装置へ出力することが可能な情報処理装置と通信可能な画像形成装置の処理方法であって、
前記画像形成装置が、
前記情報処理装置から印刷データを受信制御する印刷データ受信制御手段と、
前記印刷データ受信制御手段で受信した印刷データを、印刷データの受信元となる前記情報処理装置に送信制御する印刷データ送信制御手段と、
前記印刷データ受信制御手段で受信した印刷データを特定するための印刷データ特定情報と、前記印刷データ受信制御手段で受信した印刷データの格納先情報とを含む書誌情報を記憶手段に記憶する書誌情報記憶制御手段と、
選択された書誌情報の格納先情報に対応する情報処理装置に対して、選択された書誌情報に対応する印刷データの印刷要求をする印刷要求手段と、
前記印刷要求手段で印刷要求した印刷データを前記情報処理装置から受信して印刷制御する印刷制御手段と
を実行することを特徴とする処理方法。
【請求項10】
情報処理装置と画像形成装置を含む印刷システムで実行可能なプログラムであって、
前記情報処理装置を、
印刷データを前記画像形成装置に送信する第1の印刷データ送信手段と、
前記第1の印刷データ送信手段で送信した印刷データを前記画像形成装置から受信する第2の印刷データ受信手段と、
前記第2の印刷データ受信手段で受信した印刷データを記憶する印刷データ記憶手段と、
前記画像形成装置から印刷データを特定するための特定情報を含む印刷要求を受信する印刷要求受信手段と、
前記印刷要求受信手段で受信した印刷要求のあった印刷データを前記記憶手段から取得し、印刷要求がされた前記画像形成装置に取得した印刷データを出力する出力手段と
して機能させ、
前記画像形成装置を、
前記情報処理装置から印刷データを受信する第2の印刷データ受信手段と、
前記第2の印刷データ受信手段で受信した印刷データを、印刷データの受信元となる前記情報処理装置に送信する第2の印刷データ送信手段と、
前記第2の印刷データ受信手段で受信した印刷データを特定するための印刷データ特定情報と、前記第2の印刷データ受信手段で受信した印刷データの格納先情報とを含む書誌情報を記憶する書誌情報記憶手段と、
選択された書誌情報の格納先情報に対応する情報処理装置に対して、選択された書誌情報に対応する印刷データの印刷要求をする印刷要求手段と、
前記印刷要求手段で印刷要求した印刷データを前記情報処理装置から受信して印刷する印刷手段と
して機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
印刷データを画像形成装置に送信し、送信した印刷データを前記画像形成装置から受信し、受信した印刷データを記憶し、印刷要求に従って記憶された印刷データを印刷要求のあった画像形成装置へ出力することが可能な情報処理装置と通信可能な画像形成装置で実行可能なプログラムであって、
前記画像形成装置を、
前記情報処理装置から印刷データを受信する印刷データ受信手段と、
前記印刷データ受信手段で受信した印刷データを、印刷データの受信元となる前記情報処理装置に送信する印刷データ送信手段と、
前記印刷データ受信手段で受信した印刷データを特定するための印刷データ特定情報と、前記印刷データ受信手段で受信した印刷データの格納先情報とを含む書誌情報を記憶する書誌情報記憶手段と、
選択された書誌情報の格納先情報に対応する情報処理装置に対して、選択された書誌情報に対応する印刷データの印刷要求をする印刷要求手段と、
前記印刷要求手段で印刷要求した印刷データを前記情報処理装置から受信して印刷する印刷手段と
して機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−3696(P2013−3696A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131885(P2011−131885)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】