説明

印刷システムとその制御方法及びプログラム

【課題】ファクシミリデータを受信した場合に、印刷させる複数のユーザを特定して、特定した複数のユーザが同じファクシミリデータを出力可能にすると共に、ファクシミリデータを出力した場合に、同じファクシミリデータを他のユーザが出力しないように抑止することで、不要な印刷を減らす仕組みを提供する。
【解決手段】プリントサーバ102は、FAXサーバ102からユーザIDと印刷データを受信し、受信した印刷データを、ユーザIDと対応付けて管理し、当該印刷データが印刷済みか否かを識別する識別情報を管理し、複合機106から印刷要求を受け付けると、印刷要求に従って、印刷データを複合機106に出力し、印刷データを出力した場合に、他のユーザからの印刷を抑止するべく、当該印刷データと同じ印刷データを印刷済みに変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ファクシミリデータを印刷するための印刷システムとその制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、FAXシステムは、FAX装置で受信し、自動で紙が出力される。受け取るユーザは紙が出ている状態を目視で確認し、FAX受信を認識する。
【0003】
この場合、FAXを受け取るべきユーザが、対象FAX受信後即座にその紙を回収できれば良いが、企業内など1台のFAX装置を複数のユーザで共有している場合、FAXを受け取るべきではないユーザの目に触れたり、紛失したり、セキュリティ面での懸念点が存在する。
【0004】
そこで、特許文献1には、ユーザが任意の印刷条件でFAX受信データを適宜印刷する手段およびその方法、またFAX受信データのセキュリティを確保する手段およびその方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−191473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1のシステムでは、FAXデータの受信を告知したあと、ユーザの操作がなされると、パスワードの入力を受け付け、パスワードが一致した場合に、FAXデータを印刷することでセキュリティを強化している。
【0007】
しかしながら、特許文献1のシステムでは、パスワードを知っているユーザであれば誰でも印刷することができてしまうため、複数のユーザでFAX装置を共有する場合、セキュリティの観点より、出力できるユーザを特定する必要がある。
【0008】
FAXで申込書を受信し、申込に対して申込できるか否かを判断して、回答する業務がある(例えば、与信業務)。このような業務においては、複数の担当者が、回答する申込書を選択し、処理しているが、複数の担当者が受信したFAXデータ(申込書)を出力できるように、FAXデータを担当者分生成し、出力させるような仕組みにした場合、誰かが出力したにも関わらず、他の担当者が再度出力して確認業務を行ってしまうという問題があった。
【0009】
また、FAXデータを担当者分生成せずに業務を行っている担当者に未出力のFAXデータがあることを通知することで、上記問題点を解決することも可能であるが、誰かがFAXデータを出力してしまうと、出力した担当者以外は、FAX装置の前にいって、FAXデータを確認したが、通知されたFAXデータが存在していないので、誰が出力したのか・受信したFAXデータに対して確実に回答がされたのかなど担当者に聞いて確認しなければならず、追加の業務が発生してしまい、業務効率が悪くなってしまうという問題点があった。
【0010】
そこで、本発明は、ファクシミリデータを受信した場合に、印刷させる複数のユーザを特定して、特定した複数のユーザが同じファクシミリデータを出力可能にすると共に、ファクシミリデータを出力した場合に、同じファクシミリデータを他のユーザが出力しないように抑止することで、不要な印刷を減らす仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的を達成するために、ファクシミリデータを受信可能なファクシミリサーバと、当該ファクシミリデータに対応する印刷データを蓄積するプリントサーバと、当該印刷データを印刷することが可能な画像形成装置と通信可能な印刷システムであって、前記ファクシミリサーバは、ファクシミリデータを受信するファクシミリデータ受信手段と、前記ファクシミリデータに従って、当該ファクシミリデータを印刷するユーザを特定するユーザ特定手段と、前記ファクシミリデータから印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記特定したユーザに前記ファクシミリデータを印刷可能にするべく、前記特定したユーザのユーザIDと前記印刷データを送信する印刷データ送信手段とを備え、前記プリントサーバは、前記ファクシミリサーバから前記ユーザIDと前記印刷データを受信する印刷データ受信手段と、前記受信した印刷データを、前記ユーザIDと対応付けて管理し、当該印刷データが印刷済みか否かを識別する識別情報を管理する印刷データ管理手段と、前記画像形成装置から印刷要求を受け付ける印刷要求受付手段と、前記印刷要求に従って、前記印刷データを前記画像形成装置に出力する出力手段と、前記印刷データを出力した場合に、他のユーザからの印刷を抑止するべく、当該印刷データと同じ印刷データを印刷済みに変更する変更手段とを備え、前記画像形成装置は、当該画像形成装置にログインしたユーザIDに対応する印刷データを印刷するべく、前記プリントサーバに対して印刷要求する印刷要求手段と、前記印刷要求手段に従って、前記プリントサーバから受け付けた印刷データを印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、前記プリントサーバは、前記出力手段で出力する印刷データがファクシミリデータに対応する印刷データか否かを判定するファクシミリデータ判定手段と、前記ファクシミリデータ判定手段でファクシミリデータに対応する印刷データであると判定された場合に、同じファクシミリデータから生成された印刷データを特定する印刷データ特定手段とを更に備え、前記変更手段で印刷済みに変更する印刷データは、前記印刷データ特定手段で特定された印刷データであることを特徴とする。
【0013】
また、前記画像形成装置は、ログインしたユーザのユーザIDに対応する印刷データの一覧を前記プリントサーバに要求する一覧要求手段と、前記一覧要求に従って、印刷データの一覧を取得する印刷データ一覧取得手段と、前記取得した印刷データの一覧に他のユーザに印刷されたことを示す情報が含まれる印刷データがあるか否かを判定する印刷判定手段と、前記印刷判定手段で、他のユーザに印刷されたことを示す情報が含まれる印刷データがあると判定される場合、当該印刷データの印刷を抑止するべく他の印刷データと識別可能に印刷データの一覧を表示する一覧表示手段とを更に備え、前記プリントサーバは、前記画像形成装置から、当該画像形成装置にログインしたユーザのユーザIDに対応する印刷データの一覧の要求を受信する要求受信手段と、前記一覧要求の受信に従って、前記ユーザIDに対応する印刷データの一覧を前記画像形成装置に送信する一覧送信手段とを更に備えることを特徴とする。
【0014】
また、前記印刷データの一覧は、出力したユーザID又は出力日時を含み、前記画像形成装置は、前記一覧表示手段で表示した印刷データの一覧から印刷データを指定する指定手段を更に備え、前記一覧表示手段は、前記指定手段で印刷データが指定された場合に、指定された印刷データに対応する出力したユーザID又は出力日時を表示することを特徴とする。
【0015】
また、前記ファクシミリサーバと前記プリントサーバは別筺体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ファクシミリデータを受信した場合に、印刷させる複数のユーザを特定して、特定した複数のユーザが同じファクシミリデータを出力可能にすると共に、ファクシミリデータを出力した場合に、同じファクシミリデータを他のユーザが出力しないように抑止することで、不要な印刷を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の印刷システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2A】図1に示したFAXサーバ101、プリントサーバ102、ディレクトリサーバ103、クライアントPC105に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2B】図1に示した複合機106のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図2C】図1に示したFAXサーバ101、プリントサーバ102、ディレクトリサーバ103、クライアントPC105、複合機106のハードウェアの制御部の機能ブロック図である。
【図3】電話帳データ2012、書誌データ2023、ログイン情報2032のデータベースの一例を示す図である。
【図4】FAXデータ受信処理のフローチャートである。
【図5】印刷ジョブの通知、削除処理を示すフローチャートである。
【図6】印刷ジョブの印刷処理のフローチャートである。
【図7】複合機106の印刷ジョブ一覧画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の印刷システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【0020】
図1は、1又は複数のFAXサーバ101、1又は複数のプリントサーバ102、1又は複数のディレクトリサーバ103、1又は複数のクライアントPC105、および1又は複数の複合機106がローカルエリアネットワーク(LAN)104を介して接続される構成となっている。
【0021】
外部のFAX装置からFAX回線を介してFAXデータをFAXサーバ101が受信し、受信したFAXデータを印刷するために、FAXデータを印刷ジョブとしてプリントサーバ102に格納する。プリントサーバでは、格納した印刷ジョブを印刷するユーザを特定し、印刷ジョブを管理する(書誌情報登録)。なお、本実施形態では、外部のFAX装置からFAXサーバ101がFAXデータを直接受信するような構成を示したが、FAX装置(複合機等)がFAXデータを受信した後、FAX装置からFAXサーバ101へFAXデータを転送する構成であってもよい。
【0022】
ユーザが複合機106のカードリーダにICカードをかざす、或いはユーザIDとパスワードを入力するなどしてディレクトリサーバ103に認証要求を行う。認証要求で認証が成功すると、複合機106へ認証成功したユーザ(例えば、ユーザID)でログインを行い、印刷ジョブの一覧要求をプリントサーバ102へ行い、プリントサーバは、ユーザIDに従って、ログインしたユーザが印刷可能な印刷ジョブの一覧を送信する。複合機106は、一覧から印刷する印刷ジョブを指定し、プリントサーバ102へ印刷要求を行う。印刷要求を受け付けたプリントサーバ102は、印刷要求のあった複合機106へ要求のあった印刷ジョブを印刷する(例えばLPR印刷)。
【0023】
また、他のユーザが後で誤って印刷しないようにするとともに、誰が印刷して処理をしたかを把握できるようにするため、プリントサーバ102は、印刷した印刷ジョブと同じ、他のユーザが印刷可能な印刷ジョブの書誌情報(書誌データ)の印刷ステータスを印刷済みにして、印刷したユーザIDと出力時刻(出力日時)を書き込む。
【0024】
なお、FAXデータを受信し、印刷ジョブとしてプリントサーバ102に登録した場合、印刷可能なユーザのクライアントPC105に対して通知するように構成してもよい。
【0025】
ディレクトリサーバ103は、ネットワーク上に存在するサーバ、クライアント等のハードウェア資源や、それらを使用するユーザの属性(例えば、マイクロソフト社のWindows(登録商標)のログインユーザ名、パスワード)、アクセス権等の情報を一元記憶管理するものであり、例えば、アクティブディレクトリ(Active Directory)機能を搭載したサーバである。ディレクトリサーバ103は、複合機106やクライアントPCへのログインの際に認証するために用いる認証サーバと言い換えることも可能である。
【0026】
また、本実施形態の印刷システムは、上述した構成の1又は複数のFAXサーバ101、1又は複数のプリントサーバ102、1又は複数のディレクトリサーバ103、1又は複数のクライアントPC105、および1又は複数の複合機106が、1又は複数のWANを介して接続される構成であってもよい。
【0027】
また、本実施形態では、各サーバを別筺体として説明したが、同一筺体とすることが可能なサーバは同一筺体とすることも可能である。例えば、FAXサーバ101とプリントサーバ102。
【0028】
以下、図2Aと図2Bを用いて、図1に示したFAXサーバ101、プリントサーバ102、ディレクトリサーバ103、クライアントPC105、複合機106に適用可能な情報処理装置のハードウェアの構成について説明する。
【0029】
図2Aは、図1に示したFAXサーバ101、プリントサーバ102、ディレクトリサーバ103、クライアントPC105に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
【0030】
図2Aは、図1に示したFAXサーバ101、プリントサーバ102、ディレクトリサーバ103、クライアントPC105に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0031】
図2Aにおいて、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0032】
203はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0033】
また、205は入力コントローラで、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。なお、図2Aでは、CRT210と記載しているが、表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
【0034】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0035】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワーク(例えば、図1に示したLAN600)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0036】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0037】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0038】
なお、FAXサーバ101には、FAXボードを備えている。
【0039】
次に、図2Bを用いて、図1に示した複合機106のハードウェア構成について説明する。
【0040】
図2Bは、図1に示した複合機106のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0041】
図2Bにおいて、316はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続する一方、LAN(例えば、図1に示したLAN600)や公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0042】
コントローラユニット316において、301はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。302はRAMで、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0043】
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。304はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラム,画像データ等を格納する。
【0044】
307は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部(キーボード)308とのインタフェース部である。また、操作部I/F307は、操作部308から入力したキー情報(例えば、スタートボタンの押下)をCPU301に伝える役割をする。
【0045】
305はネットワークインタフェース(Network I/F)で、ネットワーク(LAN)600に接続し、データの入出力を行う。306はモデム(MODEM)で、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0046】
318は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394,プリンタポート,RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においては認証で必要となる携帯端末のICカード(記憶媒体)の読み取り用のカードリーダ319が外部I/F部318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319による携帯端末のICカードからの情報読み取りを制御し、該携帯端末のICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0047】
320はイメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。
【0048】
画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0049】
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。311はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ部312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0050】
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0051】
スキャナ部314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0052】
プリンタ部312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0053】
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0054】
尚、表示部はプリンタによって表示性能が異なり、タッチパネルを介して操作をできるプリンタ、単に液晶画面を備え文字列を表示(印刷状態や印刷している文書名の表示)させるだけのプリンタによって本発明は構成されている。
【0055】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
【0056】
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、携帯端末内に備えられたICカードに記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0057】
以上のような構成によって、複合機106は、スキャナ314から読み込んだ画像データをLAN600上に送信したり、LAN600から受信した印刷データをプリンタ部312により印刷出力することができる。
【0058】
また、スキャナ314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線上にFAX送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データや、FAXサーバ101で受信し、プリントサーバ102に蓄積されているFAXデータに対応する印刷ジョブをプリンタ部312により出力することできる。
【0059】
次に、図2Cを用いて、図1に示したFAXサーバ101、プリントサーバ102、ディレクトリサーバ103、クライアントPC105、複合機106の機能の概略を示す機能ブロックについて説明する。
【0060】
図2Cは、図1に示したFAXサーバ101、プリントサーバ102、ディレクトリサーバ103、クライアントPC105、複合機106のハードウェアの制御部の機能ブロック図である。
【0061】
図2において、2011はFAXボード(図2の306のモデムに相当)で、公衆FAX回線に接続される。送られてきたFAXはまずこの部分に着信する。
【0062】
2012データ制御部で、受信したFAXデータの制御を行う。この制御は後述する図4フローチャートにて詳細は説明するが、2011で受信したFAXデータの印刷ジョブを生成する。
【0063】
2013は電話帳データを管理するデータベースである。ここで管理される情報を用いて受信したFAXは印刷可能なユーザや印刷体裁を特定する。
【0064】
2014の通信I/F部およびLAN(あるいはWAN)を介して図1に示したプリントサーバ102、ディレクトリサーバ103、クライアントPC105、複合機106と通信を行う。
【0065】
2021は印刷制御部で、各印刷ジョブ(上記2012で生成された受信FAXデータの印刷ジョブも含む)に対し、複合機への印刷出力を実行する部分である。
【0066】
2022では、後述する書誌データ2023およびログイン情報2032を参照し、条件に応じてユーザに通知を行う。
【0067】
2023は印刷ジョブの書誌データを管理するデータベースである。ここで、印刷ジョブの情報が一元的に管理される。
【0068】
2024の通信I/F部およびLAN(あるいはWAN)を介して図1に示したFAXサーバ101、ディレクトリサーバ103、クライアントPC105、複合機106と通信を行う。
【0069】
2031はログイン状態制御部で、後述するログイン情報2032上で管理されるユーザがクライアントPC105にログインしているか否かを判断し、ログイン情報2032上のステータスを更新する。
【0070】
2032は各ユーザがクライアントPC105にログイン状態であるか否かを管理するデータベースである。ここで管理する情報は、後述する図5のフローチャートにて説明するが、通知を行うユーザを判断するために用いられる。
【0071】
2033の通信I/F部およびLAN(あるいはWAN)を介して図1に示したFAXサーバ101、プリントサーバ102、クライアントPC105、複合機106と通信を行う。
【0072】
2051の通信I/F部およびLAN(あるいはWAN)を介して図1に示したFAXサーバ101、プリントサーバ102、ディレクトリサーバ103、複合機106と通信を行う。
【0073】
2052はログイン制御部である。対象PCにユーザがログインした際、ログアウトした際にその情報をログイン状態制御部2031に渡す。(その後ログイン状態制御部2031がログイン情報2032を更新する。)
【0074】
2061の通信I/F部およびLAN(あるいはWAN)を介して図1に示したFAXサーバ101、プリントサーバ102、ディレクトリサーバ103、クライアントPC105と通信を行う。
【0075】
2062は認証制御部である。各ユーザが印刷を行う際、ユーザを特定するため、またセキュリティの観点より複合機にログインする仕組みを備えているものとする。そのログイン認証を司る部分である。
【0076】
2063は印刷制御部であり、各ユーザが複合機にログインした後、後述複合機パネル上UI5010で捜査時に出された印刷命令を司る。プリントサーバ102上の書誌データ2023に管理されている情報を元に印刷出力を実行する。
【0077】
2064は書誌情報制御部であり、複合機で印刷処理を実行した後にプリントサーバ102上の書誌データ2023に管理されている書誌情報を更新する。
【0078】
なお、2014、2024、2033、2051は、各装置の208の通信I/Fコントローラに相当する。
【0079】
次に、図3を用いて、本発明の印刷システムで管理する各データベースの一例について説明する。
【0080】
図3は、電話帳データ2012、書誌データ2023、ログイン情報2032のデータベースの一例を示す図である。
【0081】
2013の電話帳データDBでは、FAX番号、CSID、名前、ダイヤルイン番号、ID〔1〕〜〔5〕(5件に限ることはない)、印刷体裁、表示名を項目として有する。FAX番号は、対象の送付元のFAX番号を登録する。CSIDには、送信元のFAX機のCSIDを登録する。名前は任意のユニークな値(例えば、顧客名)を登録する。ダイヤルイン番号をFAX番号と別途設けている理由は、ダイヤルイン番号とFAX番号が異なる場合があるためである。受信したFAXは、着信番号とこのダイヤルイン番号をマッチングさせ、送信元を特定させる。CSIDは、着信番号がわからない場合、送信元を特定させるために必要な第二の検索キーとして使用する。
【0082】
ID〔1〕〜〔5〕には、対象のFAX送信元から送付されたFAXの印刷を許可するユーザID(例えば、担当者のユーザID)を登録する。5つの項目を設けている理由は、複数のユーザが登録できるようにするためである。ID〔1〕〜〔5〕までにそれぞれ別ユーザIDが登録されている場合、対象のFAX送信元より受信したFAXデータの印刷は5ユーザ+管理者が可能となる。
図4の説明で後述する、受信したFAXデータは印刷ジョブを生成するが、その際の印刷体裁、およびそのジョブ名を、印刷体裁、表示名で管理する。なお、FAXデータの印刷ジョブは必ず表示名の先頭に「FAX」を付加する。
【0083】
2023の書誌データDBには、印刷対象、印刷ステータス、出力者、出力時刻を項目として保持する。印刷対象では、FAXデータの印刷ジョブか否か、また同じFAXデータの印刷ジョブのグループを判断もこの値で行う。印刷ステータス、出力者、出力時刻は、複合機パネルのUI上で、FAXデータの印刷ジョブを別ユーザが印刷を行った後、その旨をUI上に表現するために必要な値である。
【0084】
2032のログイン情報DBでは、通知を項目として保持する。ここでは、現在ログイン状態にあるユーザに対しては通知可、ログアウト、あるいはログインはしているもののログインしているPCがロックされた状態である場合は通知不可、のステータスを管理する。
【0085】
次に、図4〜図6を用いて、本実施形態の詳細な説明をする。
【0086】
図4を用いて、FAXデータ受信処理について説明する。図4はFAXデータ受信処理のフローチャートである。
【0087】
S41100では、外部装置(FAX機)からFAXデータを受信する。
【0088】
S41101では、S41100で受信したFAXデータをファイル化(例えばTiffファイルに変換など)し、そのファイルを、プリンタドライバを用いて印刷ジョブを生成する。印刷ジョブを生成する場合、受信したFAXのFAX番号、ダイヤルイン番号、あるいはCSIDから、電話帳データ2013を元に送信元を一意に特定する。
そして、特定した送信元の電話帳に記載されているID〔1〕〜〔5〕、印刷体裁、表示名を参照し、IDで指定されたユーザの印刷ジョブを生成する。例えば、受信したFAXデータのダイヤルイン番号が093−751−3190である場合、A4モノクロで「〔FAX〕松尾さんから」という名前のユーザAWV05501の印刷ジョブと、A4モノクロで「〔FAX〕松尾さんから」という名前のユーザAWV05502の印刷ジョブと、A4モノクロで「〔FAX〕松尾さんから」という名前のユーザAWV05503の印刷ジョブと、A4モノクロで「〔FAX〕松尾さんから」という名前のユーザAWV05504の印刷ジョブと、A4モノクロで「〔FAX〕松尾さんから」という名前のユーザAWV05505の印刷ジョブを生成する。生成したFAXデータの印刷ジョブをプリントサーバに送信する。
【0089】
なお、印刷ジョブを生成する際に、ID〔1〕〜〔5〕全てに対して生成するのではなく、ディレクトリサーバ103に問合せを行い、ログイン情報で通知可となっているユーザを特定し、このユーザのみ印刷可能にするように、印刷ジョブを生成してもよい。
【0090】
印刷ジョブには、書誌情報が含まれている。書誌情報には、電話帳データから取得したユーザIDと、印刷ジョブのグループを示すための印刷対象情報と、印刷ジョブ名と、印刷体裁が含まれている。
【0091】
S41102にて、FAXサーバ101から、S41101で生成したFAXデータの書誌情報を含む印刷ジョブを受け取る。
【0092】
S41103にて、受け取った印刷ジョブに含まれる書誌情報を書誌データDB2023に登録する。なお、書誌情報に含まれるユーザIDは、書誌データDB2023のジョブオーナに記憶される。このジョブオーナに記載のユーザがこの印刷ジョブを出力できる。
【0093】
次に、図5を用いて、印刷ジョブの通知、削除処理について説明する。図5は、印刷ジョブの通知、削除処理を示すフローチャートである。
【0094】
S42100にて、定期通知プログラムが開始する。このプログラムは定期的に動作し、その周期は本発明のセキュアFAX受注システムのパラメータで設定できる。
【0095】
S42101にて、書誌データDB2023を検索し、FAXデータの印刷ジョブの有無を確認する。
【0096】
S42102にて、S42101の結果を取得し、FAXデータの印刷ジョブが存在する場合は、後述の「印刷ステータス」の確認S42103のステップに進み、FAXデータの印刷ジョブが存在しない場合は、後述の定期通知プログラムの終了S42108に進む。
【0097】
S42102にてFAXデータの印刷ジョブの存在が確認された場合、S42103にて、書誌データDB2023を参照し、確認されたFAXデータの印刷ジョブの印刷ステータスを取得する。
【0098】
S42104にて、上記S42103の結果を取得し、対象のFAXデータの印刷ジョブの印刷ステータスが未印刷であった場合は、後述の対象ユーザの「ログイン状態」確認のS42105に進み、対象のFAXデータの印刷ジョブの印刷ステータスが印刷済みであった場合は、後述の定期通知プログラムの終了S42108に進む。
S42104にて、対象のFAXデータの印刷ジョブの印刷ステータスが未印刷であった場合、S42105にて、ログイン情報DB2032を参照し、対象のFAXデータの印刷ジョブの所有ユーザ(ジョブオーナ)の通知ステータスを取得する。
【0099】
S42106にて、上記S42105の結果を取得し、対象ユーザの通知ステータスが通知可である場合は、S42107に進み、対象ユーザの通知ステータスが通知不可である場合は、後述の定期通知プログラムの終了S42108に進む。
【0100】
S42106にて対象ユーザの通知ステータスが通知可であった場合、S42107にて、対象ユーザに対して、メール等を用いて、「FAXを受信し、未出力状態」である旨を通知する。
S42108にて、定期通知プログラムを終了する。
【0101】
S42200にて、定期印刷ジョブ削除プログラムが開始する。このプログラムは定期的に動作し、その周期は本発明のセキュアFAX受注システムのパラメータで設定できる。
【0102】
S42201にて、書誌データDB2023を検索し、印刷ステータスが出力済みであるFAXデータの印刷ジョブの有無を確認する。
【0103】
S42202にて、上記S42201の結果を取得し、ステータスが出力済みであるFAXデータの印刷ジョブが存在する場合は、後述の対象印刷ジョブの削除S42203に進み、ステータスが出力済みであるFAXデータの印刷ジョブが存在しない場合は、後述の定期印刷ジョブ削除プログラムの終了S42204に進む。
【0104】
S42203にて、対象印刷ジョブを削除する。削除は、出力した日時から1日経過したものを削除するなど、設定に応じて変更可能である。
S42204にて、定期印刷ジョブ削除プログラムを終了する。
【0105】
次に、図6を用いて、印刷ジョブの印刷処理について説明する。図6は印刷ジョブの印刷処理のフローチャートである。
【0106】
S43100にて、ユーザは複合機106のカードリーダにICカードをかざす、或いはユーザIDとパスワードを入力し、ディレクトリサーバに認証要求を行い、認証結果によってログイン可否を判断する。認証が成功した場合には、ログイン可としてログインを実行する。
【0107】
S43101にて、複合機106は、S43100でログインしたユーザのユーザIDを含む印刷ジョブの一覧の要求をプリントサーバ102にする。
【0108】
S43102にて、S43101から要求されたユーザIDでログイン情報DB2032に対し検索をかけ、対象ユーザ(ユーザIDに一致するジョブオーナ)の印刷ジョブ一覧を取得、S43103にて、その検索結果を複合機106に返す。検索結果には、印刷ジョブID、印刷ジョブ名、印刷体裁、印刷ステータス、出力者、出力時刻が含まれる。
【0109】
S43104にて、S43103にて返した値を受け取り、S43105にて、その結果を複合機106のパネル上に反映する。この時の表示の詳細については、図7で後述する。
【0110】
S43106にて、ユーザの操作によって、パネル上に表示された印刷ジョブ一覧より印刷要求する印刷ジョブを選択する。
【0111】
S43107にて、選択した印刷ジョブを印刷するべく、複合機106よりプリントサーバ102に対して選択した印刷ジョブの印刷ジョブIDを含む印刷要求を発行する。
【0112】
S43108にて、S43107にて発行された印刷要求を受け取り、印刷要求に含まれる印刷ジョブIDに従って、プリントサーバ102に蓄積されている印刷ジョブを特定し、S43109にて、当該印刷ジョブに対して出力命令をし、印刷要求のあった複合機106へ出力する。なお、複合機106へ印刷ジョブを出力する際には、例えば、印刷要求を受信した際に通信(例えば、TCP/IP)で取得されるIPアドレスを基に、このIPアドレスに対して印刷ジョブを出力するものとする。
【0113】
S43110にて、書誌データDB2023上のS43109にて出力命令が発行された印刷ジョブの印刷ステータス、出力者、出力時刻を更新する。この時、出力命令が発効された印刷ジョブがFAXデータの印刷ジョブである場合、更新する書誌データDB上のレコードは対象の印刷ジョブの他、書誌データDB2023上の印刷対象にて同じ値で括られる一連の印刷ジョブのレコード(印刷対象の値が同じレコード)の印刷ステータス、出力者、出力時刻を全て同じ値で更新する。これはFAXデータの印刷ジョブが、あるユーザにて印刷出力されたことが他ユーザにもわかるよう、図7のように、複合機106のパネル上のUIにてその情報を表示させるためである。
【0114】
S43111にて、S43109にて出力された印刷ジョブを受信し、プリンタ部312より出力する。そして、S43112にて、印刷ジョブの出力フローを終了する。
【0115】
次に、図7を用いて複合機106の操作部(表示パネル)に表示する印刷ジョブ一覧画面について説明する。図7は、複合機106の印刷ジョブ一覧画面の一例を示す図である。
【0116】
図7では、S43105で、複合機106のパネル上に表示する印刷ジョブ一覧画面であり、5012で示す通り、通常の印刷ジョブ(クライアントPCからプリンタドライバを介して出力された印刷ジョブ)と共にFAXデータの印刷ジョブも同様に一覧に表示される。この時、書誌データDB2023上で印刷ステータスが印刷済みであるFAXデータの印刷ジョブのレコードはグレースケールが掛った状態で表示される。このグレースケールの掛ったレコードにフォーカスをあてる(選択状態にする)と、5011に「対象FAXは○○さんが**時**分に出力済み」と表示する。ここで○○さん、および**時**分は、それぞれ書誌データDB2023上の出力者、出力時刻の値を表示する。また、一般ユーザはグレースケールの掛った印刷出力済みFAXデータの印刷ジョブを選択している場合は、印刷ボタンを押下できず(一度出力済みのFAXデータの印刷ジョブは再出力できない)、管理者のみ別画面から再印刷出力指示することが可能である。
【0117】
以上説明したように、本実施形態は、FAXデータ(ファクシミリデータ)を受信可能なFAXサーバ101(ファクシミリサーバ)と、当該ファクシミリデータに対応する印刷データを蓄積するプリントサーバ102と、当該印刷データを印刷することが可能な複合機106(画像形成装置)と通信可能な印刷システムであり、前記ファクシミリサーバは、ファクシミリデータを受信し(ファクシミリデータ受信)、前記ファクシミリデータに従って、当該ファクシミリデータを印刷するユーザを特定し(ユーザ特定)、前記ファクシミリデータから印刷データを生成する(印刷データ生成)、前記特定したユーザに前記ファクシミリデータを印刷可能にするべく、前記特定したユーザのユーザIDと前記印刷データを送信し(印刷データ送信)、前記プリントサーバは、前記ファクシミリサーバから前記ユーザIDと前記印刷データを受信し(印刷データ受信)、前記受信した印刷データを、前記ユーザIDと対応付けて管理し、当該印刷データが印刷済みか否かを識別する識別情報を管理し(印刷データ管理)、前記画像形成装置から印刷要求を受け付け(印刷要求受付)、前記印刷要求に従って、前記印刷データを前記画像形成装置に出力し、前記印刷データを出力した場合に、他のユーザからの印刷を抑止するべく、当該印刷データと同じ印刷データを印刷済みに変更し、前記画像形成装置は、当該画像形成装置にログインしたユーザIDに対応する印刷データを印刷するべく、前記プリントサーバに対して印刷要求し、印刷要求に従って、前記プリントサーバから受け付けた印刷データを印刷する印刷システムである。
【0118】
また、前記プリントサーバは、出力する印刷データがファクシミリデータに対応する印刷データか否かを判定し(ファクシミリデータ判定)、ファクシミリデータに対応する印刷データであると判定された場合に、同じファクシミリデータから生成された印刷データを特定し(印刷データ特定)、印刷済みに変更する印刷データは、前記特定された印刷データである。
【0119】
また、前記画像形成装置は、ログインしたユーザのユーザIDに対応する印刷データの一覧を前記プリントサーバに要求し(一覧要求)、前記一覧要求に従って、印刷データの一覧を取得し(印刷データ一覧取得)、前記取得した印刷データの一覧に他のユーザに印刷されたことを示す情報が含まれる印刷データがあるか否かを判定し(印刷判定)、他のユーザに印刷されたことを示す情報が含まれる印刷データがあると判定される場合、当該印刷データの印刷を抑止するべく他の印刷データと識別可能に印刷データの一覧を表示し(一覧表示)、前記プリントサーバは、前記画像形成装置から、当該画像形成装置にログインしたユーザのユーザIDに対応する印刷データの一覧の要求を受信し(要求受信)、前記一覧要求の受信に従って、前記ユーザIDに対応する印刷データの一覧を前記画像形成装置に送信する(一覧送信)。
【0120】
以上、本実施形態によれば、ファクシミリデータを受信した場合に、印刷させる複数のユーザを特定して、特定した複数のユーザが同じファクシミリデータを出力可能にすると共に、ファクシミリデータを出力した場合に、同じファクシミリデータを他のユーザが出力しないように抑止することで、不要な印刷を減らすことができる。
【0121】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0122】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0123】
また、本発明におけるプログラムは、図4〜図6に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図4〜図6の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図4〜図6の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0124】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0125】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0126】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0127】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0128】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0129】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0130】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0131】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0132】
101 FAXサーバ
102 プリントサーバ
103 ディレクトリサーバ
104 ネットワーク
105 クライアントPC
106 複合機
201 CPU
202 ROM
203 RAM
301 CPU
302 RAM
303 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファクシミリデータを受信可能なファクシミリサーバと、当該ファクシミリデータに対応する印刷データを蓄積するプリントサーバと、当該印刷データを印刷することが可能な画像形成装置と通信可能な印刷システムであって、
前記ファクシミリサーバは、
ファクシミリデータを受信するファクシミリデータ受信手段と、
前記ファクシミリデータに従って、当該ファクシミリデータを印刷するユーザを特定するユーザ特定手段と、
前記ファクシミリデータから印刷データを生成する印刷データ生成手段と、
前記特定したユーザに前記ファクシミリデータを印刷可能にするべく、前記特定したユーザのユーザIDと前記印刷データを送信する印刷データ送信手段とを備え、
前記プリントサーバは、
前記ファクシミリサーバから前記ユーザIDと前記印刷データを受信する印刷データ受信手段と、
前記受信した印刷データを、前記ユーザIDと対応付けて管理し、当該印刷データが印刷済みか否かを識別する識別情報を管理する印刷データ管理手段と、
前記画像形成装置から印刷要求を受け付ける印刷要求受付手段と、
前記印刷要求に従って、前記印刷データを前記画像形成装置に出力する出力手段と、
前記印刷データを出力した場合に、他のユーザからの印刷を抑止するべく、当該印刷データと同じ印刷データを印刷済みに変更する変更手段とを備え、
前記画像形成装置は、
当該画像形成装置にログインしたユーザIDに対応する印刷データを印刷するべく、前記プリントサーバに対して印刷要求する印刷要求手段と、
前記印刷要求手段に従って、前記プリントサーバから受け付けた印刷データを印刷する印刷手段と
を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記プリントサーバは、
前記出力手段で出力する印刷データがファクシミリデータに対応する印刷データか否かを判定するファクシミリデータ判定手段と、
前記ファクシミリデータ判定手段でファクシミリデータに対応する印刷データであると判定された場合に、同じファクシミリデータから生成された印刷データを特定する印刷データ特定手段とを更に備え、
前記変更手段で印刷済みに変更する印刷データは、前記印刷データ特定手段で特定された印刷データであることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記画像形成装置は、
ログインしたユーザのユーザIDに対応する印刷データの一覧を前記プリントサーバに要求する一覧要求手段と、
前記一覧要求に従って、印刷データの一覧を取得する印刷データ一覧取得手段と、
前記取得した印刷データの一覧に他のユーザに印刷されたことを示す情報が含まれる印刷データがあるか否かを判定する印刷判定手段と、
前記印刷判定手段で、他のユーザに印刷されたことを示す情報が含まれる印刷データがあると判定される場合、当該印刷データの印刷を抑止するべく他の印刷データと識別可能に印刷データの一覧を表示する一覧表示手段と
を更に備え、
前記プリントサーバは、
前記画像形成装置から、当該画像形成装置にログインしたユーザのユーザIDに対応する印刷データの一覧の要求を受信する要求受信手段と、
前記一覧要求の受信に従って、前記ユーザIDに対応する印刷データの一覧を前記画像形成装置に送信する一覧送信手段とを
更に備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
前記印刷データの一覧は、出力したユーザID又は出力日時を含み、
前記画像形成装置は、
前記一覧表示手段で表示した印刷データの一覧から印刷データを指定する指定手段を更に備え、
前記一覧表示手段は、前記指定手段で印刷データが指定された場合に、指定された印刷データに対応する出力したユーザID又は出力日時を表示することを特徴とする請求項3に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記ファクシミリサーバと前記プリントサーバは別筺体であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項6】
ファクシミリデータを受信可能なファクシミリサーバと、当該ファクシミリデータに対応する印刷データを蓄積するプリントサーバと、当該印刷データを印刷することが可能な画像形成装置と通信可能な印刷システムの制御方法であって、
前記ファクシミリサーバが、
ファクシミリデータを受信するファクシミリデータ受信ステップと、
前記ファクシミリデータに従って、当該ファクシミリデータを印刷するユーザを特定するユーザ特定ステップと、
前記ファクシミリデータから印刷データを生成する印刷データ生成ステップと、
前記特定したユーザに前記ファクシミリデータを印刷可能にするべく、前記特定したユーザのユーザIDと前記印刷データを送信する印刷データ送信ステップとを実行し、
前記プリントサーバが、
前記ファクシミリサーバから前記ユーザIDと前記印刷データを受信する印刷データ受信ステップと、
前記受信した印刷データを、前記ユーザIDと対応付けて管理し、当該印刷データが印刷済みか否かを識別する識別情報を管理する印刷データ管理ステップと、
前記画像形成装置から印刷要求を受け付ける印刷要求受付ステップと、
前記印刷要求に従って、前記印刷データを前記画像形成装置に出力する出力ステップと、
前記印刷データを出力した場合に、他のユーザからの印刷を抑止するべく、当該印刷データと同じ印刷データを印刷済みに変更する変更ステップとを実行し、
前記画像形成装置が、
当該画像形成装置にログインしたユーザIDに対応する印刷データを印刷するべく、前記プリントサーバに対して印刷要求する印刷要求ステップと、
前記印刷要求ステップに従って、前記プリントサーバから受け付けた印刷データを印刷する印刷ステップと
を実行することを特徴とする制御方法。
【請求項7】
ファクシミリデータを受信可能なファクシミリサーバと、当該ファクシミリデータに対応する印刷データを蓄積するプリントサーバと、当該印刷データを印刷することが可能な画像形成装置と通信可能な印刷システムで実行可能なプログラムであって、
前記ファクシミリサーバを、
ファクシミリデータを受信するファクシミリデータ受信手段と、
前記ファクシミリデータに従って、当該ファクシミリデータを印刷するユーザを特定するユーザ特定手段と、
前記ファクシミリデータから印刷データを生成する印刷データ生成手段と、
前記特定したユーザに前記ファクシミリデータを印刷可能にするべく、前記特定したユーザのユーザIDと前記印刷データを送信する印刷データ送信手段として機能させ、
前記プリントサーバを、
前記ファクシミリサーバから前記ユーザIDと前記印刷データを受信する印刷データ受信手段と、
前記受信した印刷データを、前記ユーザIDと対応付けて管理し、当該印刷データが印刷済みか否かを識別する識別情報を管理する印刷データ管理手段と、
前記画像形成装置から印刷要求を受け付ける印刷要求受付手段と、
前記印刷要求に従って、前記印刷データを前記画像形成装置に出力する出力手段と、
前記印刷データを出力した場合に、他のユーザからの印刷を抑止するべく、当該印刷データと同じ印刷データを印刷済みに変更する変更手段として機能させ、
前記画像形成装置を、
当該画像形成装置にログインしたユーザIDに対応する印刷データを印刷するべく、前記プリントサーバに対して印刷要求する印刷要求手段と、
前記印刷要求手段に従って、前記プリントサーバから受け付けた印刷データを印刷する印刷手段として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−138815(P2012−138815A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290519(P2010−290519)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】