印刷システム
【課題】管理情報を用いることで、印刷物の廃棄処分の管理を可能とする。
【解決手段】画像データを管理する管理サーバと、前記管理サーバから送られた画像データを受信して、当該受信した画像データを印刷出力する情報処理装置と、前記情報処理装置の印刷指示に従って印刷を行う印刷装置と、前記印刷物に対し当該印刷物の解読を不能とする処理を施す廃棄処理装置とを備えた印刷システムであって、前記管理サーバは、前記情報処理装置に送信した画像データを識別する識別符号を記憶し、前記情報処理装置は、前記画像データとともに前記識別符号を前記印刷装置に送信し、前記印刷装置は、前記画像データに前記識別符号を合成して印刷を行い、前記廃棄処理装置は、前記印刷物の解読を不能とする処理を施す前に当該印刷物から前記識別符号を抽出し、前記管理サーバに当該識別符号を送信し、前記管理サーバは、前記印刷物から抽出された識別符号に該当する識別符号の管理データを変更する。
【解決手段】画像データを管理する管理サーバと、前記管理サーバから送られた画像データを受信して、当該受信した画像データを印刷出力する情報処理装置と、前記情報処理装置の印刷指示に従って印刷を行う印刷装置と、前記印刷物に対し当該印刷物の解読を不能とする処理を施す廃棄処理装置とを備えた印刷システムであって、前記管理サーバは、前記情報処理装置に送信した画像データを識別する識別符号を記憶し、前記情報処理装置は、前記画像データとともに前記識別符号を前記印刷装置に送信し、前記印刷装置は、前記画像データに前記識別符号を合成して印刷を行い、前記廃棄処理装置は、前記印刷物の解読を不能とする処理を施す前に当該印刷物から前記識別符号を抽出し、前記管理サーバに当該識別符号を送信し、前記管理サーバは、前記印刷物から抽出された識別符号に該当する識別符号の管理データを変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置と、印刷装置と、廃棄処理装置とで構成される印刷システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷システムでは、機密文書を印刷して本人しか受け取れないように構成されているものが存在した。また、この種の印刷システムでは、受け取りに来ない文書は自動的にシュレッダで廃棄されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記従来の印刷システムでは、受け取られた機密文書はその後適切に廃棄処分されたかどうか把握されておらず、ユーザが不安になるという欠点があった。
【特許文献1】特開2004−227216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、受け取られた機密文書がその後適切に廃棄処分されたかどうか把握されておらず、ユーザがそれを確認する手段が存在しなかったため、「もしかしたら、あのとき印刷した文書は廃棄処理されないで、どこかに残されているのではないか」と後になって不安になることがあるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の印刷システムは、画像データを管理する管理サーバと、前記管理サーバから送られた画像データを受信して、当該受信した画像データを印刷出力するための印刷指示を行う情報処理装置と、前記情報処理装置の印刷指示に従って印刷を行う印刷装置と、前記印刷装置で印刷を行った印刷物に対し当該印刷物の解読を不能とする処理を施す廃棄処理装置とを備えた印刷システムであって、前記管理サーバは、前記情報処理装置に送信した画像データを識別する識別符号を記憶し、前記情報処理装置は、前記画像データとともに前記識別符号を前記印刷装置に送信し、前記印刷装置は、前記画像データに前記識別符号を合成して印刷を行い、前記廃棄処理装置は、前記印刷物の解読を不能とする処理を施す前に当該印刷物から前記識別符号を抽出し、前記管理サーバに当該識別符号を送信し、前記管理サーバは、前記印刷物から抽出された識別符号に該当する識別符号の管理データを変更することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の印刷システムは、管理サーバが、情報処理装置に送信した画像データを識別する識別符号を記憶し、前記情報処理装置が、前記画像データとともに前記識別符号を印刷装置に送信し、前記印刷装置が、前記画像データに前記識別符号を合成して印刷を行い、廃棄処理装置が、印刷物の解読を不能とする処理を施す前に当該印刷物から前記識別符号を抽出し、前記管理サーバに当該識別符号を送信し、前記管理サーバが、前記印刷物から抽出された識別符号に該当する識別符号の管理データを変更するようにしたので、受け取られた機密文書がその後適切に廃棄処分されたかどうが把握され、ユーザはその事実を確認することができ、不安になることがないという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
受け取られた機密文書がその後適切に廃棄処分されたかどうを把握し、ユーザがその事実を確認することができるようにし、不安を解消するという目的を、プリンタを備えた印刷システムで、実現した。
【実施例1】
【0008】
図1は、本発明の印刷システムの全体構成を示したブロック図である。
図示のシステムは、管理サーバ1と、情報処理装置2と、プリンタ3と、シュレッダ4とから成る。
【0009】
管理サーバ1は、情報処理装置2が使用する画像データを保持し、情報処理装置2が作成した文書の管理を行う。この管理サーバ1は、LAN(ローカルエリアネットワーク)等を介して情報処理装置2と接続されている。また、この管理サーバ1には、LAN等を介して、またはUSB接続により、シュレッダ4が接続されている。
【0010】
情報処理装置2は、例えば、パーソナルコンピュータであり、プリンタ3に対し画像データの印刷要求を行う。この情報処理装置2は、LAN等を介して、管理サーバ1およびプリンタ3と接続されている。
プリンタ3は、情報処理装置2からの印刷要求に従って文書を印刷する画像形成装置であり、LAN等を介して、情報処理装置2と接続されている。このプリンタ3は、印刷の際、画像データと、当該画像データの識別符号である管理番号とを合成する。
【0011】
シュレッダ4は、印刷物を細切りすることで解読不能処理を施す廃棄処理装置である。このシュレッダ4は、細切りする直前に印刷物から管理番号を抽出する。また、このシュレッダ4は、LAN等を介して、またはUSB接続により、管理サーバ1と接続されている。
なお、上述した各機器の接続は、すべてUSB接続でも差し支えない。
【0012】
図2は、図1の管理サーバの詳細を示したブロック図である。
送受信部5は、画像データ記憶部8に記憶されている画像データに管理番号が付されたものを送信する一方、廃棄された印刷物の管理番号を受信するLANインターフェースである。
【0013】
CPU(中央演算処理装置)6は、送受信部5、管理情報記憶部7、画像データ記憶部8、管理番号付与部9、管理番号検索部10、管理情報変更部11の動作制御を行う。
管理情報記憶部7は、図3に示す管理情報を記憶するハードディスクである。
【0014】
図3は、実施例1の管理情報を示した図表である。
図示の管理情報は、管理番号と画像データのファイル名、そのファイルを送信した時刻、および廃棄情報から成る。
画像データ記憶部8は、情報処理装置2が印刷する画像データを記憶するハードディスクである。
【0015】
管理番号付与部9は、画像データを情報処理装置2に送信する際、管理番号検索部10で管理番号の数字部の最大値を検索し、検索された値をiとすると、管理番号をi+1とする。そして、送信する画像データにこの管理番号を付与し、画像データとともにこの管理番号を情報処理装置2に送信する。図3に示す場合では、i=9であるので、新管理番号は、P000010となる。なお、本実施例では、管理番号を文字と数字の組合せで表示しているが、数字のみでも構わない。
【0016】
また、管理番号付与部9は、新管理番号、送信時刻、画像データのファイル名を管理情報記憶部7に入力する。
管理番号検索部10は、管理番号を付与する際、管理情報記憶部7の管理番号の数字部が最大のものを検索する。また、この管理番号検索部10は、シュレッダ4から送信された管理番号と一致する管理情報記憶部7内の管理番号を検索する。
【0017】
管理情報変更部11は、管理情報記憶部7に記憶されている管理番号の印刷物が廃棄された場合、その管理番号に対して図3に示すように廃棄項目に「済」と書き加え、これを廃棄情報とするよう、管理情報を変更する。なお、本実施例では、廃棄項目に加える文字は「済」としたが、他の文字でも構わない。
【0018】
また、管理番号付与部9、管理番号検索部10、および管理情報変更部11は、図示しないROMに格納されたプログラムであるが、図示しないハードディスクに格納されていても構わない。
【0019】
図4は、図1の情報処理装置の詳細を示したブロック図である。
送受信部12は、管理サーバ1から画像データと管理番号を受信し、これらの画像データと管理番号をプリンタ3に送信するLANインターフェースである。
【0020】
CPU13は、送受信部12、ディスプレイ14、記憶部22の動作制御を行う。
ディスプレイ14は、送受信部12が受信した記憶部22内の画像データおよび管理番号を表示する。
記憶部22は、画像データと管理番号を記憶するハードディスクである。
【0021】
図5は、図1のプリンタの詳細を示したブロック図である。
受信部15は、情報処理装置2から画像データと管理番号を受信するLANインターフェースである。
CPU16は、受信部15、画像形成部17、合成部18の動作制御を行う。
【0022】
画像形成部17は、合成部18の印刷画像を印刷媒体上に形成し、印刷する。
合成部18は、図6に示すように印刷画像を形成する。
【0023】
図6は、印刷媒体の例を示した図である。
図示のように、合成部18は、情報処理装置2から受信した画像データの画像の先端部に管理情報である管理番号、ファイル名、送信時刻を合成し、印刷画像を形成する。この場合に印刷される管理番号は、図示の算用数字を含むものに限らず、バーコード等の機械による読み取りが可能なものでもよい。また、合成部18は、図示しないROMに格納されたプログラムであるが、図示しないハードディスクに格納されていても構わない。
【0024】
図7は、図1のシュレッダの詳細を示したブロック図である。
送信部19は、管理番号抽出部20で印刷媒体から抽出された管理番号を管理サーバ1に送信する。
【0025】
管理番号抽出部20は、廃棄される印刷媒体の印刷画像をスキャナ25が走査して生成したスキャニング画像に文字認識処理を施すことで廃棄画像から管理番号を抽出する。また、管理番号抽出部20は、図示しないROMに格納されたプログラムであるが、図示しないハードディスクに格納されていても構わない。
裁断部21は、廃棄すべき印刷媒体を裁断し、その媒体上の印刷画像を解読できなくする。
【0026】
図8は、図1のシュレッダの機械的構成を示した図である。
印刷媒体Pの表面には、プリンタ3によって画像と管理情報が印刷されている。
ピンチローラ23は、印刷媒体Pと圧接し、媒体Pの移動とともに回転する。
【0027】
駆動ローラ24は、ピンチローラ23とともに印刷媒体Pを裁断部26へ運ぶ。
スキャナ25は、印刷媒体Pの進行方向に対して裁断部26の上流側に設置されており、印刷画像を走査する。
【0028】
次に、上述したシステムの動作を説明する。
図9は、本発明のシステムの実施例1の動作を示したフローチャートである。
【0029】
ステップS1では、図1において、情報処理装置2が管理サーバ1に対して画像データを情報処理装置2に送信するように要求する。すなわち、図4において、CPU13の命令で送受信部12が、図2のCPU6に対し、送受信部5を通じて画像データ記憶部8内の画像データを情報処理装置2にダウンロードするように要求する。
【0030】
ステップS2では、図1において、管理サーバ1が情報処理装置2から要求された画像データに対して管理番号を付与する。すなわち、図2において、まず、管理番号検索部10が管理情報記憶部7内の管理番号の数字部の最大値を検索する。そして、その検索結果を元に、管理番号付与部9が、送受信部5が送信する画像データ記憶部8内の画像データに管理番号を付与する。これにより、送受信部5を通じて情報処理装置2の送信部12へ画像データとともに管理番号が送信される。
【0031】
同時に、管理番号検索部10は、図3に示すように、新管理番号、送信時刻、画像データのファイル名を管理情報記憶部7に入力する。送受信部5、管理番号付与部9、管理番号検索部10のこれらの動作はCPU6の命令で遂行される。
【0032】
ステップS3では、図2の情報処理装置において、管理サーバ1から送信された画像データと管理番号が送受信部12を通じて記憶部22に記憶され、ディスプレイ14が記憶部22内の画像データと管理番号を表示する。本ステップのこれらの動作は、CPU13の命令で遂行される。
【0033】
ステップS4では、ユーザが印刷をする場合、情報処理装置2からプリンタ3に画像データを送って印刷を実行する。すなわち、図4において、ユーザがディスプレイ14で管理サーバ1から送信された画像データの内容を確認し印刷する場合、CPU13が送受信部12を通じて記憶部22内の画像データと管理番号をプリンタ3の受信部15へ送信する。プリンタ3では、CPU16の命令で合成部18が印刷画像を形成し、画像形成部17に印刷画像を送り、画像形成部17が印刷媒体に図6のような印刷画像を印刷する。
【0034】
ステップS5では、ユーザが印刷媒体を廃棄する場合、ユーザは印刷媒体をシュレッダ4にかける。この場合、ユーザは、図8において、印刷媒体Pをその印刷面を下向きに設定する。このようにして、図6に示す印刷面をスキャナ25が走査できるようにする。
【0035】
ステップS6では、シュレッダ4で管理番号を抽出し、管理サーバ1へ送る。すなわち、図8において、印刷媒体Pがピンチローラ23と駆動ローラ24によってスキャナ25へ運ばれ、スキャナ25が図6に示す印刷面を走査する。そして、図7において、管理番号抽出部20がスキャナ25で走査された画像から管理番号「P00009」を抽出する。そして、送信部19を通じて管理サーバ1の送受信部5へ抽出した管理番号「P00009」を送信する。
【0036】
すなわち、スキャナ25で走査された画像に対し簡単な文字認識処理を施して管理番号「P00009」のみを抽出する。このとき、管理番号「P00009」以外の走査画像が残されることがないようにする。
また、管理番号がバーコードにより印刷されている場合には、バーコードの部分を切り出してその解読処理を行う。この場合には、管理情報の認識精度を高めてより確実な管理をなし得る。
【0037】
ステップS7では、図8において、印刷媒体Pがピンチローラ23と駆動ローラ24によってスキャナ25を通り越して裁断部21へ運ばれ、裁断される。
ステップS8では、図2において、管理番号検索部10がシュレッダ4から管理サーバ1へ送信されたステップS6の管理番号「P00009」と一致する管理情報記憶部7内の管理番号を検索し、管理情報変更部11が検索した番号の廃棄項目に「済」と記載する。
【0038】
以上のように、実施例1によれば、画像データの識別符号である管理番号によって印刷された文書が確実に廃棄されたかどうかを把握できるという効果がある。
【実施例2】
【0039】
実施例1では、管理サーバ1が情報処理装置2から画像データのダウンロードを要求されると直ちに管理番号を付与したが、実施例2では、この時点では管理番号を付与せず、情報処理装置2が画像データを印刷する段階になって初めて管理番号を付与する。
【0040】
その理由は、情報処理装置2が管理サーバ1から画像データを受け取ったとしても、印刷を行わない場合もあり、その場合には、秘密の管理をすべき印刷媒体が存在せず、管理番号を与える必要がないからである。
そこで、実施例2では、必要な場合に限り管理番号を付与して無駄な情報を省き、これに伴う記憶領域の無駄な使用を省くようにした。
【0041】
以上の目的により実施例2の構成および動作は実施例1と異なっている。
以下では、実施例2について、実施例1と異なる点を中心として、その構成および動作を説明する。
【0042】
システム構成については、図1に示す実施例1のシステム構成と全く同様でよい。
管理サーバについては、その構成については、図2に示す実施例1の管理サーバ1の構成と同様でよいが、そのCPU6の制御内容を若干変更する必要がある。
すなわち、管理番号付与部9および管理番号検索部10の動作は、印刷時の情報処理装置2の指示を受けた場合に開始されるように制御される。
また、図2における送受信部5は、画像データ記憶部8で記憶されている画像データ、管理情報記憶部7に記憶されている管理番号を送信し、廃棄された印刷物の管理番号、情報処理装置2からの印刷時刻、印刷するファイル名を受信するLANインターフェースとなる。
【0043】
情報処理装置については、その構成については、図4に示す実施例1の情報処理装置2の構成と同様でよいが、そのCPU13の制御内容を若干変更する必要がある。
すなわち、印刷開始に先立って印刷しようとする画像データに対して付与すべき管理番号を送信するよう、管理サーバ1に指示を送るように変更する。
また、図4における送受信部12は、管理サーバ1から画像データと管理番号を受信し、印刷時刻および印刷するファイル名を管理サーバ1に送信するLANインターフェースとなる。
【0044】
プリンタおよびシュレッダについては、図5および図7ないし図8に示す実施例1の構成および制御内容のものと全く同様でよい。
図5における合成部18は、図12に示すように情報処理装置2から受信した画像データの画像の先端部に管理番号、ファイル名、印刷時刻を合成し印刷画像を形成する。
【0045】
次に、実施例2の動作を説明する。
図10は、本発明のシステムの実施例2の動作を示したフローチャートである。また、図11は、実施例2の管理情報を示した図表である。さらに、図12は、実施例2の印刷媒体の例を示した図である。
【0046】
ステップS9では、図1において、情報処理装置2が管理サーバ1に対して画像データを情報処理装置2に送信するように要求する。すなわち、図4において、CPU13の命令で送受信部12が、図2のCPU6に対し、送受信部5を通じて画像データ記憶部8内の画像データを情報処理装置2にダウンロードするように要求する。
【0047】
ステップS10では、図2の情報処理装置において、管理サーバ1から送信された画像データが送受信部12を通じて記憶部22に記憶され、ディスプレイ14が記憶部22内の画像データを表示する。本ステップのこれらの動作は、CPU13の命令で遂行される。
【0048】
ステップS11では、ユーザが印刷をする場合、ステップS12へ進む。
ステップS12では、図1において、情報処理装置2が印刷開始に先立って印刷しようとする画像データに対して付与すべき管理番号を送信するよう、管理サーバ1に指示を送る。すなわち、図4において、CPU13の制御によって情報処理装置2の送受信部12から管理サーバ1の送受信部5へ印刷情報として印刷する時刻と印刷するファイル名を送信する。
【0049】
ステップS13では、管理サーバ1が情報処理装置2が保有する画像データに対して管理番号を付与する。すなわち、図2において、まず、管理番号検索部10が管理情報記憶部7内の管理番号の数字部の最大値を検索する。そして、その検索結果を元に、管理番号付与部9が、情報処理装置2から送信された印刷情報に管理番号を付与する。これにより、送受信部5を通じて情報処理装置2の送信部12へ管理番号が送信される。
【0050】
同時に、管理番号検索部10は、図11に示すように、新管理番号、印刷時刻、画像データのファイル名を管理情報記憶部7に入力する。
【0051】
ステップS14では、図4において、CPU13が送受信部12を通じて記憶部22内の画像データと管理サーバ1から送信された管理番号をプリンタ3の受信部15へ送信する。プリンタ3では、CPU16の命令で合成部18が印刷画像を形成し、画像形成部17に印刷画像を送り、画像形成部17が印刷媒体に図12のような印刷画像を印刷する。
【0052】
ステップS15では、ユーザが印刷媒体を廃棄する場合、ユーザは印刷媒体をシュレッダ4にかける。この場合、ユーザは、図8において、印刷媒体Pをその印刷面を下向きに設定する。このようにして、図12に示す印刷面をスキャナ25が走査できるようにする。
【0053】
ステップS16では、シュレッダ4で管理番号を抽出し、管理サーバ1へ送る。すなわち、図8において、印刷媒体Pがピンチローラ23と駆動ローラ24によってスキャナ25へ運ばれ、スキャナ25が図12に示す印刷面を走査する。そして、図12において、管理番号抽出部20がスキャナ25で走査された画像から管理番号「P00009」を抽出する。そして、送信部19を通じて管理サーバ1の送受信部5へ抽出した管理番号「P00009」を送信する。
【0054】
ステップS17では、図8において、印刷媒体Pがピンチローラ23と駆動ローラ24によってスキャナ25を通り越して裁断部21へ運ばれ、裁断される。
ステップS18では、図2において、管理番号検索部10がシュレッダ4から管理サーバ1へ送信されたステップS16の管理番号「P00009」と一致する管理情報記憶部7内の管理番号を検索し、管理情報変更部11が検索した番号の廃棄項目に「済」と記載する。
【0055】
以上のように、実施例2によれば、印刷された文書が確実に廃棄されたかどうかを把握できるとともに、無駄な管理番号が付与されないようにでき、管理サーバの記憶部の残記憶容量を圧迫せず、廃棄情報の書き込みに不具合が生じることがない。よって、印刷された文書が確実に廃棄されたかどうかをより安定的に把握できるという効果がある。
【0056】
なお、上述した実施例においては、プリンタの場合について説明したが、本発明はこれに限らず、ファクシミリや複写装置、MFPにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の印刷システムの全体構成を示したブロック図である。
【図2】図1の管理サーバの詳細を示したブロック図である。
【図3】実施例1の管理情報を示した図表である。
【図4】図1の情報処理装置の詳細を示したブロック図である。
【図5】図1のプリンタの詳細を示したブロック図である。
【図6】印刷媒体の例を示した図である。
【図7】図1のシュレッダの詳細を示したブロック図である。
【図8】図1のシュレッダの機械的構成を示した図である。
【図9】本発明のシステムの実施例1の動作を示したフローチャートである。
【図10】本発明のシステムの実施例2の動作を示したフローチャートである。
【図11】実施例2の管理情報を示した図表である。
【図12】印刷媒体の例を示した図である。
【符号の説明】
【0058】
1 管理サーバ
2 情報処理装置
3 プリンタ
4 シュレッダ
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置と、印刷装置と、廃棄処理装置とで構成される印刷システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷システムでは、機密文書を印刷して本人しか受け取れないように構成されているものが存在した。また、この種の印刷システムでは、受け取りに来ない文書は自動的にシュレッダで廃棄されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記従来の印刷システムでは、受け取られた機密文書はその後適切に廃棄処分されたかどうか把握されておらず、ユーザが不安になるという欠点があった。
【特許文献1】特開2004−227216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、受け取られた機密文書がその後適切に廃棄処分されたかどうか把握されておらず、ユーザがそれを確認する手段が存在しなかったため、「もしかしたら、あのとき印刷した文書は廃棄処理されないで、どこかに残されているのではないか」と後になって不安になることがあるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の印刷システムは、画像データを管理する管理サーバと、前記管理サーバから送られた画像データを受信して、当該受信した画像データを印刷出力するための印刷指示を行う情報処理装置と、前記情報処理装置の印刷指示に従って印刷を行う印刷装置と、前記印刷装置で印刷を行った印刷物に対し当該印刷物の解読を不能とする処理を施す廃棄処理装置とを備えた印刷システムであって、前記管理サーバは、前記情報処理装置に送信した画像データを識別する識別符号を記憶し、前記情報処理装置は、前記画像データとともに前記識別符号を前記印刷装置に送信し、前記印刷装置は、前記画像データに前記識別符号を合成して印刷を行い、前記廃棄処理装置は、前記印刷物の解読を不能とする処理を施す前に当該印刷物から前記識別符号を抽出し、前記管理サーバに当該識別符号を送信し、前記管理サーバは、前記印刷物から抽出された識別符号に該当する識別符号の管理データを変更することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の印刷システムは、管理サーバが、情報処理装置に送信した画像データを識別する識別符号を記憶し、前記情報処理装置が、前記画像データとともに前記識別符号を印刷装置に送信し、前記印刷装置が、前記画像データに前記識別符号を合成して印刷を行い、廃棄処理装置が、印刷物の解読を不能とする処理を施す前に当該印刷物から前記識別符号を抽出し、前記管理サーバに当該識別符号を送信し、前記管理サーバが、前記印刷物から抽出された識別符号に該当する識別符号の管理データを変更するようにしたので、受け取られた機密文書がその後適切に廃棄処分されたかどうが把握され、ユーザはその事実を確認することができ、不安になることがないという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
受け取られた機密文書がその後適切に廃棄処分されたかどうを把握し、ユーザがその事実を確認することができるようにし、不安を解消するという目的を、プリンタを備えた印刷システムで、実現した。
【実施例1】
【0008】
図1は、本発明の印刷システムの全体構成を示したブロック図である。
図示のシステムは、管理サーバ1と、情報処理装置2と、プリンタ3と、シュレッダ4とから成る。
【0009】
管理サーバ1は、情報処理装置2が使用する画像データを保持し、情報処理装置2が作成した文書の管理を行う。この管理サーバ1は、LAN(ローカルエリアネットワーク)等を介して情報処理装置2と接続されている。また、この管理サーバ1には、LAN等を介して、またはUSB接続により、シュレッダ4が接続されている。
【0010】
情報処理装置2は、例えば、パーソナルコンピュータであり、プリンタ3に対し画像データの印刷要求を行う。この情報処理装置2は、LAN等を介して、管理サーバ1およびプリンタ3と接続されている。
プリンタ3は、情報処理装置2からの印刷要求に従って文書を印刷する画像形成装置であり、LAN等を介して、情報処理装置2と接続されている。このプリンタ3は、印刷の際、画像データと、当該画像データの識別符号である管理番号とを合成する。
【0011】
シュレッダ4は、印刷物を細切りすることで解読不能処理を施す廃棄処理装置である。このシュレッダ4は、細切りする直前に印刷物から管理番号を抽出する。また、このシュレッダ4は、LAN等を介して、またはUSB接続により、管理サーバ1と接続されている。
なお、上述した各機器の接続は、すべてUSB接続でも差し支えない。
【0012】
図2は、図1の管理サーバの詳細を示したブロック図である。
送受信部5は、画像データ記憶部8に記憶されている画像データに管理番号が付されたものを送信する一方、廃棄された印刷物の管理番号を受信するLANインターフェースである。
【0013】
CPU(中央演算処理装置)6は、送受信部5、管理情報記憶部7、画像データ記憶部8、管理番号付与部9、管理番号検索部10、管理情報変更部11の動作制御を行う。
管理情報記憶部7は、図3に示す管理情報を記憶するハードディスクである。
【0014】
図3は、実施例1の管理情報を示した図表である。
図示の管理情報は、管理番号と画像データのファイル名、そのファイルを送信した時刻、および廃棄情報から成る。
画像データ記憶部8は、情報処理装置2が印刷する画像データを記憶するハードディスクである。
【0015】
管理番号付与部9は、画像データを情報処理装置2に送信する際、管理番号検索部10で管理番号の数字部の最大値を検索し、検索された値をiとすると、管理番号をi+1とする。そして、送信する画像データにこの管理番号を付与し、画像データとともにこの管理番号を情報処理装置2に送信する。図3に示す場合では、i=9であるので、新管理番号は、P000010となる。なお、本実施例では、管理番号を文字と数字の組合せで表示しているが、数字のみでも構わない。
【0016】
また、管理番号付与部9は、新管理番号、送信時刻、画像データのファイル名を管理情報記憶部7に入力する。
管理番号検索部10は、管理番号を付与する際、管理情報記憶部7の管理番号の数字部が最大のものを検索する。また、この管理番号検索部10は、シュレッダ4から送信された管理番号と一致する管理情報記憶部7内の管理番号を検索する。
【0017】
管理情報変更部11は、管理情報記憶部7に記憶されている管理番号の印刷物が廃棄された場合、その管理番号に対して図3に示すように廃棄項目に「済」と書き加え、これを廃棄情報とするよう、管理情報を変更する。なお、本実施例では、廃棄項目に加える文字は「済」としたが、他の文字でも構わない。
【0018】
また、管理番号付与部9、管理番号検索部10、および管理情報変更部11は、図示しないROMに格納されたプログラムであるが、図示しないハードディスクに格納されていても構わない。
【0019】
図4は、図1の情報処理装置の詳細を示したブロック図である。
送受信部12は、管理サーバ1から画像データと管理番号を受信し、これらの画像データと管理番号をプリンタ3に送信するLANインターフェースである。
【0020】
CPU13は、送受信部12、ディスプレイ14、記憶部22の動作制御を行う。
ディスプレイ14は、送受信部12が受信した記憶部22内の画像データおよび管理番号を表示する。
記憶部22は、画像データと管理番号を記憶するハードディスクである。
【0021】
図5は、図1のプリンタの詳細を示したブロック図である。
受信部15は、情報処理装置2から画像データと管理番号を受信するLANインターフェースである。
CPU16は、受信部15、画像形成部17、合成部18の動作制御を行う。
【0022】
画像形成部17は、合成部18の印刷画像を印刷媒体上に形成し、印刷する。
合成部18は、図6に示すように印刷画像を形成する。
【0023】
図6は、印刷媒体の例を示した図である。
図示のように、合成部18は、情報処理装置2から受信した画像データの画像の先端部に管理情報である管理番号、ファイル名、送信時刻を合成し、印刷画像を形成する。この場合に印刷される管理番号は、図示の算用数字を含むものに限らず、バーコード等の機械による読み取りが可能なものでもよい。また、合成部18は、図示しないROMに格納されたプログラムであるが、図示しないハードディスクに格納されていても構わない。
【0024】
図7は、図1のシュレッダの詳細を示したブロック図である。
送信部19は、管理番号抽出部20で印刷媒体から抽出された管理番号を管理サーバ1に送信する。
【0025】
管理番号抽出部20は、廃棄される印刷媒体の印刷画像をスキャナ25が走査して生成したスキャニング画像に文字認識処理を施すことで廃棄画像から管理番号を抽出する。また、管理番号抽出部20は、図示しないROMに格納されたプログラムであるが、図示しないハードディスクに格納されていても構わない。
裁断部21は、廃棄すべき印刷媒体を裁断し、その媒体上の印刷画像を解読できなくする。
【0026】
図8は、図1のシュレッダの機械的構成を示した図である。
印刷媒体Pの表面には、プリンタ3によって画像と管理情報が印刷されている。
ピンチローラ23は、印刷媒体Pと圧接し、媒体Pの移動とともに回転する。
【0027】
駆動ローラ24は、ピンチローラ23とともに印刷媒体Pを裁断部26へ運ぶ。
スキャナ25は、印刷媒体Pの進行方向に対して裁断部26の上流側に設置されており、印刷画像を走査する。
【0028】
次に、上述したシステムの動作を説明する。
図9は、本発明のシステムの実施例1の動作を示したフローチャートである。
【0029】
ステップS1では、図1において、情報処理装置2が管理サーバ1に対して画像データを情報処理装置2に送信するように要求する。すなわち、図4において、CPU13の命令で送受信部12が、図2のCPU6に対し、送受信部5を通じて画像データ記憶部8内の画像データを情報処理装置2にダウンロードするように要求する。
【0030】
ステップS2では、図1において、管理サーバ1が情報処理装置2から要求された画像データに対して管理番号を付与する。すなわち、図2において、まず、管理番号検索部10が管理情報記憶部7内の管理番号の数字部の最大値を検索する。そして、その検索結果を元に、管理番号付与部9が、送受信部5が送信する画像データ記憶部8内の画像データに管理番号を付与する。これにより、送受信部5を通じて情報処理装置2の送信部12へ画像データとともに管理番号が送信される。
【0031】
同時に、管理番号検索部10は、図3に示すように、新管理番号、送信時刻、画像データのファイル名を管理情報記憶部7に入力する。送受信部5、管理番号付与部9、管理番号検索部10のこれらの動作はCPU6の命令で遂行される。
【0032】
ステップS3では、図2の情報処理装置において、管理サーバ1から送信された画像データと管理番号が送受信部12を通じて記憶部22に記憶され、ディスプレイ14が記憶部22内の画像データと管理番号を表示する。本ステップのこれらの動作は、CPU13の命令で遂行される。
【0033】
ステップS4では、ユーザが印刷をする場合、情報処理装置2からプリンタ3に画像データを送って印刷を実行する。すなわち、図4において、ユーザがディスプレイ14で管理サーバ1から送信された画像データの内容を確認し印刷する場合、CPU13が送受信部12を通じて記憶部22内の画像データと管理番号をプリンタ3の受信部15へ送信する。プリンタ3では、CPU16の命令で合成部18が印刷画像を形成し、画像形成部17に印刷画像を送り、画像形成部17が印刷媒体に図6のような印刷画像を印刷する。
【0034】
ステップS5では、ユーザが印刷媒体を廃棄する場合、ユーザは印刷媒体をシュレッダ4にかける。この場合、ユーザは、図8において、印刷媒体Pをその印刷面を下向きに設定する。このようにして、図6に示す印刷面をスキャナ25が走査できるようにする。
【0035】
ステップS6では、シュレッダ4で管理番号を抽出し、管理サーバ1へ送る。すなわち、図8において、印刷媒体Pがピンチローラ23と駆動ローラ24によってスキャナ25へ運ばれ、スキャナ25が図6に示す印刷面を走査する。そして、図7において、管理番号抽出部20がスキャナ25で走査された画像から管理番号「P00009」を抽出する。そして、送信部19を通じて管理サーバ1の送受信部5へ抽出した管理番号「P00009」を送信する。
【0036】
すなわち、スキャナ25で走査された画像に対し簡単な文字認識処理を施して管理番号「P00009」のみを抽出する。このとき、管理番号「P00009」以外の走査画像が残されることがないようにする。
また、管理番号がバーコードにより印刷されている場合には、バーコードの部分を切り出してその解読処理を行う。この場合には、管理情報の認識精度を高めてより確実な管理をなし得る。
【0037】
ステップS7では、図8において、印刷媒体Pがピンチローラ23と駆動ローラ24によってスキャナ25を通り越して裁断部21へ運ばれ、裁断される。
ステップS8では、図2において、管理番号検索部10がシュレッダ4から管理サーバ1へ送信されたステップS6の管理番号「P00009」と一致する管理情報記憶部7内の管理番号を検索し、管理情報変更部11が検索した番号の廃棄項目に「済」と記載する。
【0038】
以上のように、実施例1によれば、画像データの識別符号である管理番号によって印刷された文書が確実に廃棄されたかどうかを把握できるという効果がある。
【実施例2】
【0039】
実施例1では、管理サーバ1が情報処理装置2から画像データのダウンロードを要求されると直ちに管理番号を付与したが、実施例2では、この時点では管理番号を付与せず、情報処理装置2が画像データを印刷する段階になって初めて管理番号を付与する。
【0040】
その理由は、情報処理装置2が管理サーバ1から画像データを受け取ったとしても、印刷を行わない場合もあり、その場合には、秘密の管理をすべき印刷媒体が存在せず、管理番号を与える必要がないからである。
そこで、実施例2では、必要な場合に限り管理番号を付与して無駄な情報を省き、これに伴う記憶領域の無駄な使用を省くようにした。
【0041】
以上の目的により実施例2の構成および動作は実施例1と異なっている。
以下では、実施例2について、実施例1と異なる点を中心として、その構成および動作を説明する。
【0042】
システム構成については、図1に示す実施例1のシステム構成と全く同様でよい。
管理サーバについては、その構成については、図2に示す実施例1の管理サーバ1の構成と同様でよいが、そのCPU6の制御内容を若干変更する必要がある。
すなわち、管理番号付与部9および管理番号検索部10の動作は、印刷時の情報処理装置2の指示を受けた場合に開始されるように制御される。
また、図2における送受信部5は、画像データ記憶部8で記憶されている画像データ、管理情報記憶部7に記憶されている管理番号を送信し、廃棄された印刷物の管理番号、情報処理装置2からの印刷時刻、印刷するファイル名を受信するLANインターフェースとなる。
【0043】
情報処理装置については、その構成については、図4に示す実施例1の情報処理装置2の構成と同様でよいが、そのCPU13の制御内容を若干変更する必要がある。
すなわち、印刷開始に先立って印刷しようとする画像データに対して付与すべき管理番号を送信するよう、管理サーバ1に指示を送るように変更する。
また、図4における送受信部12は、管理サーバ1から画像データと管理番号を受信し、印刷時刻および印刷するファイル名を管理サーバ1に送信するLANインターフェースとなる。
【0044】
プリンタおよびシュレッダについては、図5および図7ないし図8に示す実施例1の構成および制御内容のものと全く同様でよい。
図5における合成部18は、図12に示すように情報処理装置2から受信した画像データの画像の先端部に管理番号、ファイル名、印刷時刻を合成し印刷画像を形成する。
【0045】
次に、実施例2の動作を説明する。
図10は、本発明のシステムの実施例2の動作を示したフローチャートである。また、図11は、実施例2の管理情報を示した図表である。さらに、図12は、実施例2の印刷媒体の例を示した図である。
【0046】
ステップS9では、図1において、情報処理装置2が管理サーバ1に対して画像データを情報処理装置2に送信するように要求する。すなわち、図4において、CPU13の命令で送受信部12が、図2のCPU6に対し、送受信部5を通じて画像データ記憶部8内の画像データを情報処理装置2にダウンロードするように要求する。
【0047】
ステップS10では、図2の情報処理装置において、管理サーバ1から送信された画像データが送受信部12を通じて記憶部22に記憶され、ディスプレイ14が記憶部22内の画像データを表示する。本ステップのこれらの動作は、CPU13の命令で遂行される。
【0048】
ステップS11では、ユーザが印刷をする場合、ステップS12へ進む。
ステップS12では、図1において、情報処理装置2が印刷開始に先立って印刷しようとする画像データに対して付与すべき管理番号を送信するよう、管理サーバ1に指示を送る。すなわち、図4において、CPU13の制御によって情報処理装置2の送受信部12から管理サーバ1の送受信部5へ印刷情報として印刷する時刻と印刷するファイル名を送信する。
【0049】
ステップS13では、管理サーバ1が情報処理装置2が保有する画像データに対して管理番号を付与する。すなわち、図2において、まず、管理番号検索部10が管理情報記憶部7内の管理番号の数字部の最大値を検索する。そして、その検索結果を元に、管理番号付与部9が、情報処理装置2から送信された印刷情報に管理番号を付与する。これにより、送受信部5を通じて情報処理装置2の送信部12へ管理番号が送信される。
【0050】
同時に、管理番号検索部10は、図11に示すように、新管理番号、印刷時刻、画像データのファイル名を管理情報記憶部7に入力する。
【0051】
ステップS14では、図4において、CPU13が送受信部12を通じて記憶部22内の画像データと管理サーバ1から送信された管理番号をプリンタ3の受信部15へ送信する。プリンタ3では、CPU16の命令で合成部18が印刷画像を形成し、画像形成部17に印刷画像を送り、画像形成部17が印刷媒体に図12のような印刷画像を印刷する。
【0052】
ステップS15では、ユーザが印刷媒体を廃棄する場合、ユーザは印刷媒体をシュレッダ4にかける。この場合、ユーザは、図8において、印刷媒体Pをその印刷面を下向きに設定する。このようにして、図12に示す印刷面をスキャナ25が走査できるようにする。
【0053】
ステップS16では、シュレッダ4で管理番号を抽出し、管理サーバ1へ送る。すなわち、図8において、印刷媒体Pがピンチローラ23と駆動ローラ24によってスキャナ25へ運ばれ、スキャナ25が図12に示す印刷面を走査する。そして、図12において、管理番号抽出部20がスキャナ25で走査された画像から管理番号「P00009」を抽出する。そして、送信部19を通じて管理サーバ1の送受信部5へ抽出した管理番号「P00009」を送信する。
【0054】
ステップS17では、図8において、印刷媒体Pがピンチローラ23と駆動ローラ24によってスキャナ25を通り越して裁断部21へ運ばれ、裁断される。
ステップS18では、図2において、管理番号検索部10がシュレッダ4から管理サーバ1へ送信されたステップS16の管理番号「P00009」と一致する管理情報記憶部7内の管理番号を検索し、管理情報変更部11が検索した番号の廃棄項目に「済」と記載する。
【0055】
以上のように、実施例2によれば、印刷された文書が確実に廃棄されたかどうかを把握できるとともに、無駄な管理番号が付与されないようにでき、管理サーバの記憶部の残記憶容量を圧迫せず、廃棄情報の書き込みに不具合が生じることがない。よって、印刷された文書が確実に廃棄されたかどうかをより安定的に把握できるという効果がある。
【0056】
なお、上述した実施例においては、プリンタの場合について説明したが、本発明はこれに限らず、ファクシミリや複写装置、MFPにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の印刷システムの全体構成を示したブロック図である。
【図2】図1の管理サーバの詳細を示したブロック図である。
【図3】実施例1の管理情報を示した図表である。
【図4】図1の情報処理装置の詳細を示したブロック図である。
【図5】図1のプリンタの詳細を示したブロック図である。
【図6】印刷媒体の例を示した図である。
【図7】図1のシュレッダの詳細を示したブロック図である。
【図8】図1のシュレッダの機械的構成を示した図である。
【図9】本発明のシステムの実施例1の動作を示したフローチャートである。
【図10】本発明のシステムの実施例2の動作を示したフローチャートである。
【図11】実施例2の管理情報を示した図表である。
【図12】印刷媒体の例を示した図である。
【符号の説明】
【0058】
1 管理サーバ
2 情報処理装置
3 プリンタ
4 シュレッダ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを管理する管理サーバと、
前記管理サーバから送られた画像データを受信して、当該受信した画像データを印刷出力するための印刷指示を行う情報処理装置と、
前記情報処理装置の印刷指示に従って印刷を行う印刷装置と、
前記印刷装置で印刷を行った印刷物に対し当該印刷物の解読を不能とする処理を施す廃棄処理装置と、
を備えた印刷システムであって、
前記管理サーバは、前記情報処理装置に送信した画像データを識別する識別符号を記憶し、
前記情報処理装置は、前記画像データとともに前記識別符号を前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、前記画像データに前記識別符号を合成して印刷を行い、
前記廃棄処理装置は、前記印刷物の解読を不能とする処理を施す前に当該印刷物から前記識別符号を抽出し、前記管理サーバに当該識別符号を送信し、
前記管理サーバは、前記印刷物から抽出された識別符号に該当する識別符号の管理データを変更する
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記管理サーバと、前記情報処理装置と、前記印刷装置と、前記廃棄処理装置とは、ネットワークを介して接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、前記情報処理装置に送信した画像データを識別する識別符号を当該送信時に当該画像データとともに前記情報処理装置に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記管理サーバは、前記情報処理装置に送信した画像データを識別する識別符号を当該画像データの印刷時に前記情報処理装置に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記印刷装置が前記画像データに合成して印刷を行い、前記廃棄処理装置が前記印刷物の解読を不能とする処理を施す前に当該印刷物から抽出する、前記識別符号は、バーコードである
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項1】
画像データを管理する管理サーバと、
前記管理サーバから送られた画像データを受信して、当該受信した画像データを印刷出力するための印刷指示を行う情報処理装置と、
前記情報処理装置の印刷指示に従って印刷を行う印刷装置と、
前記印刷装置で印刷を行った印刷物に対し当該印刷物の解読を不能とする処理を施す廃棄処理装置と、
を備えた印刷システムであって、
前記管理サーバは、前記情報処理装置に送信した画像データを識別する識別符号を記憶し、
前記情報処理装置は、前記画像データとともに前記識別符号を前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、前記画像データに前記識別符号を合成して印刷を行い、
前記廃棄処理装置は、前記印刷物の解読を不能とする処理を施す前に当該印刷物から前記識別符号を抽出し、前記管理サーバに当該識別符号を送信し、
前記管理サーバは、前記印刷物から抽出された識別符号に該当する識別符号の管理データを変更する
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記管理サーバと、前記情報処理装置と、前記印刷装置と、前記廃棄処理装置とは、ネットワークを介して接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、前記情報処理装置に送信した画像データを識別する識別符号を当該送信時に当該画像データとともに前記情報処理装置に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記管理サーバは、前記情報処理装置に送信した画像データを識別する識別符号を当該画像データの印刷時に前記情報処理装置に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記印刷装置が前記画像データに合成して印刷を行い、前記廃棄処理装置が前記印刷物の解読を不能とする処理を施す前に当該印刷物から抽出する、前記識別符号は、バーコードである
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−58673(P2007−58673A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−244637(P2005−244637)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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