説明

印刷システム

【課題】本発明は、印刷キュー/ログに表示する内容をユーザーが容易に変更することが可能な印刷装置、及びそれを含むコンピュータシステムを提供する。
【解決手段】Webサーバ機能を備えた印刷装置と、前記印刷装置へ、印刷ジョブを送信する複数のコンピュータと、を備える、コンピュータシステムであって、前記コンピュータから送信された前記印刷ジョブに関する情報が、前記WebサーバによりWebページとして提供される、コンピュータシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して印刷キュー/ログに関する情報をフレキシブルに提供するための印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置は一般に、受信した印刷ジョブのキュー状態の情報を提供する印刷キューの表示機能を備えている。これらの印刷キューの表示機能は、文書名、印刷の状態などの印刷ジョブに関する情報を提供することで、印刷を実行したユーザーや、印刷装置の管理者の利便性を向上させる一助となっている。
【0003】
これに関し、印刷キューの表示機能を向上させることに関する特許出願が行われている。
【0004】
例えば、特許文献1は、印刷ジョブの各印刷ページに対してサムネイル画像を作成して、印刷キューの表示からサムネイル画像を表示できるようにし、ユーザーが印刷ジョブの内容を画像で確認することを可能にする、プリンタ装置と通信可能なデータ処理装置を記載している。このデータ処理装置は、またサムネイル画像を選択したり、コピー&ペーストすることで、印刷したいページを選択することが可能であり、画像を見ながら印刷ジョブを編集生成することも可能である。
【0005】
また、特許文献2は、印刷キューの表示にセキュリティー機能を備えたネットワークプリントシステムを記載している。このネットワークプリントシステムは、ホストコンピュータから印刷キューの表示要求を受信した際、印刷キュー内にある各印刷ジョブに対して、表示要求したホストコンピュータによって送信された印刷ジョブであるかどうかを判別し、表示要求したホストコンピュータが送信した印刷ジョブと、他のコンピュータによって送信された印刷ジョブとで印刷キューに表示する印刷ジョブの情報を異ならせ、印刷キュー表示における情報漏洩に対するセキュリティーを向上させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−282476
【特許文献2】特開2004−13495
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、これらは印刷装置に備えられた機能により印刷キューの表示を提供する方式を採用しているため、印刷キューの表示に新たな印刷情報を追加したり、表示の形式を変更するためには、印刷装置本体の制御ソフトを更新する必要があり、ユーザーが容易に変更できるようなものではなかった。また、印刷装置に備えられた印刷キューの表示機能は、制御プログラムの容量や開発コストの観点などから、固定した表示パターンに、いくつかのパラメータによる可変性を持たせた程度の自由度になりがちであった。
【0008】
本発明は、印刷キュー/ログに表示する内容をユーザーが容易に変更することが可能な印刷システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、ネットワークを介して接続されたホスト機器と印刷装置を含む印刷システムであって、前記ホスト機器は、印刷データを作成すると共に、該印刷データの属性情報を含むWebページを作成するデータ作成手段と、該データ作成手段によって作成された印刷データとWebページの情報を前記印刷装置に送信する送信手段とを有し、前記印刷装置は、前記印刷データの印刷処理を行う印刷処理手段と、前記ホスト機器からの要求に従って、前記Webページの情報に基づくWebページのWebリストを作成するリスト作成手段とを有する印刷システムを提供することによって達成できる。
【0010】
第2の発明は、前記Webページリストは、リストアップされたWebページにリンクでき、前記ホスト機器に送信され、表示される印刷システムを提供することによって達成できる。
【0011】
第3の発明は、前記Webリストは、前記印刷処理手段によって印刷処理が行われた印刷データを除く印刷キューリストである印刷システムを提供することによって達成できる。
【0012】
第4の発明は、前記前記Webリストは、前記印刷処理手段によって印刷処理が行われた印刷データを含む印刷ログリストである印刷システムを提供することによって達成できる。
【0013】
第5の発明は、ネットワークを介して接続されたホスト機器と印刷装置を含む印刷システムに使用されるプログラムであって、印刷データを作成すると共に、該印刷データの属性情報を含むWebページを作成するデータ作成処理と、該データ作成処理によって作成された印刷データとWebページの情報を前記印刷装置に送信する送信処理と、前記印刷データの印刷処理と、前記ホスト機器からの要求に従って、前記Webページの情報に基づくWebページのWebリストを作成するリスト作成処理と、該Webリストの表示を行う表示処理とを行うプログラムを提供することによって達成できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ホスト機器上で作成された印刷ジョブに関する情報を記した印刷ジョブ情報Webページを、印刷キューとして提供することができ、また制御ソフトに新たに変更を加えること無く、プリンタドライバによるWebページ生成の処理に変更を加えるだけで、印刷キューや印刷ログの表示内容をさまざまに変更することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態におけるシステム構成図である。
【図2】(a)は、実施形態1のインデックスWebページを示す図であり、(b)は実施形態1の印刷ジョブ情報Webページを示す図である。
【図3】実施形態1のプリンタドライバの設定画面を表す図である。
【図4】実施形態1の処理を説明する図である。
【図5】実施形態1のプリンタドライバの処理を説明するフローチャートである。
【図6】実施形態1のるデータ受信時の処理を説明するフローチャートである。
【図7】実施形態1のデータ解析時の処理を説明するフローチャートである。
【図8】(a)は、実施形態2のインデックスWebページを示す図であり、(b)は、実施形態2の印刷ジョブ情報Webページを示す図である。
【図9】実施形態2のプリンタドライバの設定画面を表す図である。
【図10】実施形態2の処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態における印刷システムのシステム構成図である。同図において、本例のシステムは、印刷装置1と、印刷装置1にLAN(local area network)等のネットワークを介して接続されたパーソナルコンピュータ(PC)等のホスト機器2で構成されている。
【0017】
ホスト機器2には主記憶装置3が構築され、主記憶装置3はプリンタドライバ4、プリンタスプーラ5、入力装置6で構成されている。また、入力装置6はキーボードやマウス等で構成され、ホスト機器2は入力装置6からの操作信号に基づいてアプリケーションプログラムに従って印刷データを生成し、プリンタドライバ4に送信する。
【0018】
プリンタドライバ4では印刷データを印刷装置1に対応した中間コードに変換し、プリンタスプーラ5に送る。プリンタスプーラ5に保存された印刷データは印刷装置1に送信され、印刷装置1の受信部7を介して制御部8に送られる。
【0019】
印刷装置1は受信部7、印刷機構部9、制御部8、補助記憶部10、表示部11、及び入力操作部12で構成され、制御部8に入力した印刷データはコマンド解析され、例えばビットマップデータに変換された後、印刷機構部9の駆動に従って印刷出力される。また、表示部11と入力操作部12は、例えばオペレーションパネルとして、印刷装置1の正面に設けられている。
【0020】
図4は、本実施形態の処理を説明する図である。ホスト機器2において、入力装置6を介して印刷の実行が入力されると(図4に示すa.)、プリンタドライバ4は通常の印刷処理である印刷データのラスタライズ処理を行うと供に、印刷ジョブに関する詳細情報を記載した印刷ジョブ情報Webページ16(図2(b))のデータを作成する(図4に示すb.)。本実施形態においては、印刷ジョブ情報Webページ16のデータを作成した後に、印刷ジョブ情報Webページ16のデータが付加されていることを示すヘッダ情報と、印刷完了後にこの印刷ジョブ情報Webページ16を削除することを示すヘッダ情報とが、印刷ジョブのヘッダに付加される。また、上記印刷ジョブ情報Webページ16はホスト機器2に保存される。
続いて、プリンタドライバ4は、印刷ジョブに、ラスタライズした印刷データと、作成した印刷ジョブ情報Webページ16のデータとを含めて印刷装置1に送信する(図4に示すc.)。この様にして、印刷ジョブに関する詳細情報が記載された印刷ジョブ情報Webページ16のデータが印刷装置1へと送信される。
【0021】
印刷装置1では、受信部7において、印刷ジョブ情報Webページ16を含んだ印刷ジョブが受信される。受信部では、印刷ジョブのヘッダ情報が含まれているか判定する(図4に示すd.)。
ここで、受信した印刷ジョブに、印刷ジョブ情報Webページ16のデータが含まれている場合には、その印刷ジョブ情報Webページ16のデータは、補助記憶部10(例えば、HDDなど)に用意された、Webページ保存用のディレクトリに記憶される(図4に示すe.)。この様にして、ホスト機器2で作成された印刷ジョブ情報Webページ16のデータが印刷装置1内に保存される。
【0022】
一方、印刷処理に関しては、受信部7で受信された印刷ジョブ(印刷データ)が解析部13で解析され(図4に示すh.)、印刷ジョブが印刷できる状態になると、通常の印刷手順に従って印刷処理が実行される(図4に示すi.)。
印刷処理が完了すると、印刷ジョブのヘッダ情報が解析され、印刷ジョブ情報Webページ16を削除するかどうかが判定される。印刷ジョブに印刷ジョブ情報Webページ16を削除するヘッダ情報が含まれている場合には、先のWebページ保存用のディレクトリから対応する印刷ジョブ情報Webページ16が削除される(図4に示すi.)。この様に、印刷し終った印刷ジョブの対応する印刷ジョブ情報Webページ16を削除することで、補助記憶部10には、まだ印刷が完了していない印刷ジョブに対応する印刷ジョブ情報Webページ16だけが保存されていることになる。
【0023】
ここで、図4を参照しながら説明した上記のような動作フローにおいて、入力装置6から印刷キューの表示要求があると(図4に示すf.)。この表示要求はWebページをホストするHTTPデーモン14に伝えられる。HTTPデーモン14では、印刷キューの表示要求を受信すると、Webページ保存用のディレクトリに記憶されている各印刷ジョブに関する印刷ジョブ情報Webページ16のデータに基づいて、それぞれの印刷ジョブをリストしたインデックスWebページ15(図2(a))を生成し、ホスト機器2へと送信する(図4に示すg.)。
【0024】
ここではWebページ保存用のディレクトリには、先にも述べたように、まだ印刷が完了していない印刷ジョブに対応する印刷ジョブ情報Webページ16だけが保存されているため、インデックスWebページ15は印刷キューを表している。また、このインデックスWebページ15に記載された、印刷ジョブのリストは、個々の印刷ジョブ情報Webページ16へのリンクが埋め込まれた形で提供されるため、ユーザーはリストから個々の印刷ジョブ情報Webページ16へアクセスすることが可能であり、印刷ジョブに関する詳細情報を表示することができる。
【0025】
図2(a)は、本実施形態における、インデックスWebページ15を示す図である。本実施形態では、インデックスWebページ15には、受信した印刷ジョブの名前が印刷を実行した時刻と供に一覧表示されている。各印刷ジョブの情報にはリンクが張られており、リンクを介して、個々の印刷ジョブ情報Webページ16(図2(b))を表示することができるように構成されている。
【0026】
インデックスWebページ15には、本実施形態においては、印刷ジョブの名前と実行時刻とが表示されているが、Webページ保存用のディレクトリに保存された個々の印刷ジョブ情報Webページ16から取得可能なその他の値(例えば、文書名、印刷日時、文書情報、サムネイル画像、ユーザー名、コンピュータ名、グループ名、IPアドレス、印刷に関する用紙サイズや部数などの設定情報、ホストコンピュータのオペレーションシステムから取得されたその他の値、ユーザーが入力した文字列など)や、印刷装置1が保持する利用可能な値(実施形態2において例示する)、印刷ジョブから取得可能な値、などを表示することもできることが当業者には理解されるだろう。
【0027】
尚、インデックスWebページ15は、本実施形態においては、HTML形式で作成されているが、例えば、XML形式などを含む、Webページを構成し得るその他の形式であってもよいことが当業者には理解されるだろう。
【0028】
図3は、本実施形態におけるプリンタドライバ4の設定画面を表す図である。設定画面には印刷ジョブ情報Webページ16に表示する項目を選択するチェックボックスが設けられており、ユーザーは個々の項目のチェックボックスをチェックすることで、印刷ジョブ情報Webページ16に組み込む情報を選択することが可能となっている。ここでは、全ての項目がチェックされており、そのため図2(b)に示される印刷ジョブ情報Webページ16にはチェックされた全ての項目が表示されている。また、設定画面にはインデックスWebページ15の表示を要求するための“プリンタの印刷キューを表示”ボタンも設けられており、ユーザーはこれらのボタンを押すことで、WebサーバにインデックスWebページ15を要求することもできるし、または、インデックスWebページ15のアドレスを直接入力することにより、要求することもできる。
【0029】
この様に、プリンタドライバ4に、印刷ジョブ情報Webページ16に表示する内容を選択できるような機能を設けておけば、プリンタドライバ4に用意されている限りは、ユーザーは印刷ジョブ情報Webページ16の内容を容易に改変することが可能である。
図5は、図4に示されるホスト機器2における制御処理(a.〜c.)の詳細を示すフロー図である。入力装置を介して印刷の実行が入力されると、プリンタドライバ4はステップ1(図5においては以降S1と省略する。例えば、S1はステップ1のことである。)において、印刷ジョブ情報Webページ16を作成する設定かどうかを判定する。NOの場合はS6へと進む。YESの場合は、S2において、印刷ジョブ情報Webページ16を作成して印刷データに付加する。この際、本実施形態においては、Webページデータが付加されていることを示すヘッダと、印刷完了後に印刷ジョブ情報Webページ16を削除することを示すヘッダとが、ヘッダ情報として印刷ジョブに書き込まれる。次に、S3において、印刷ジョブ情報Webページ16にサムネイル画像を表示する設定かどうかの判定をする。NOの場合はS6へと進む。YESの場合は、印刷ジョブからサムネイル画像を生成して印刷データに付加し、さらに、上記の印刷ジョブ情報Webページ16に、生成したサムネイル画像へのリンクが埋め込まれる。続いてフローはS6へと進み、印刷ジョブを通常の印刷制御により、中間コードへと変換し、印刷装置1へと送信する。
【0030】
以上の図5における処理により、ホスト機器2において、印刷ジョブに印刷ジョブ情報Webページ16が付加されて、印刷装置1へと送信される。
【0031】
図6は、図4に示される印刷装置1におけるデータ受信時の処理(d.〜e.)の詳細を示すフロー図である。印刷装置1は、ホスト機器2から印刷データを受信すると、ステップ1(図6においては以降ST1と省略する。例えば、ST1はステップ1のことである。)において、印刷ジョブ情報Webページ16のデータが付加されているかどうかを判定する。本実施形態においては、印刷ジョブに印刷ジョブ情報Webページ16のデータが付加されている場合は、それを示すヘッダ情報が書き込まれているため、ヘッダ部を確認することで判定され得る。印刷ジョブ情報Webページ16のデータが付加されていない場合は、フローはST3へと進む。印刷ジョブ情報Webページ16のデータが付加されている場合は、フローはST2へと進み、付加された印刷ジョブ情報Webページ16のデータを補助記憶部10(例えば、HDDなど)にある印刷ジョブ情報Webページ16のデータ保存用のディレクトリに保存する。続いてフローはST3へと進み、通常の印刷制御が行われ、印刷データは解析部13へと転送される。
【0032】
図7は、図4に示される印刷装置1におけるデータ解析時の処理(h.〜i.)の詳細を示すフロー図である。印刷装置1において、解析部13は印刷データを受信すると、ステップ1(図7においては以降STP1と省略する。例えば、STP1はステップ1のことである。)において、通常の印刷制御により印刷データを解析し、印刷が実行される。続いて、印刷が完了した後に、STP2において、印刷ジョブ情報Webページ16削除命令があるかどうかが判定される。本実施形態においては、印刷ジョブ情報Webページ16のデータを削除する場合には、それを示すヘッダ情報が印刷ジョブに書き込まれているため、ヘッダ部を確認することで判定される。印刷ジョブ情報Webページ16削除命令がない場合には、このフローは終了する。Webページ削除命令がある場合には、印刷ジョブに対応する指定された印刷ジョブ情報Webページ16のデータを、印刷ジョブ情報Webページ16のデータ保存用のディレクトリから削除した後で、このフローは終了する。本実施形態においては、全ての印刷ジョブが削除命令を含んで送信されるため、印刷が完了した後には印刷ジョブ情報Webページ16のデータは保存用のディレクトリから削除され、そのため、まだ実行されてない印刷ジョブだけがインデックスWebページ15に表示され得る。なお、これらの印刷ジョブ情報Webページ16の削除、印刷の物理的な排紙を待ってから行なわれるように構成されていてもよい。
【0033】
この様に、図6における処理により、ホスト機器2で作成された印刷ジョブ情報Webページ16のデータが印刷装置1に保存され、図7における処理により、印刷ジョブの完了後に印刷ジョブ情報Webページ16のデータが印刷装置1から削除される。
【0034】
本実施形態で示されたこれらの処理を行うことで、印刷装置1は、ホスト機器2上で作成された印刷ジョブに関する情報を記した印刷ジョブ情報Webページ16を、印刷キューとして提供することが可能となり得る。また、ホスト機器2上で印刷ジョブ情報Webページ16のデータを作成するため、印刷装置1の制御ソフトに新たに変更を加えること無く、プリンタドライバ4によるWebページ生成の処理に変更を加えるだけで、印刷キューの表示内容をさまざまに変更することが可能であることが理解されるだろう。
【0035】
(実施形態2)
実施形態1においては、印刷ジョブ情報Webページ16は印刷が完了すると削除され、インデックスWebページ15には印刷が未完了の印刷ジョブのみが表示される例を述べた。本実施形態においては、印刷ジョブ情報Webページ16を印刷完了後も削除せず残し、インデックスWebページ15を印刷ログとして利用する実施形態について述べる。また、実施形態1においては、印刷ジョブ情報Webページ16の内容は、全てホスト機器2において作成され、ホスト機器2においてプリンタドライバ4が取得可能な情報のみを用いて構成されたが、本実施形態においては、印刷装置1において、印刷ジョブ情報Webページ16にさらに情報が書き込まれる例について述べる。
【0036】
図10は、本実施形態における、印刷ジョブの情報を提供する印刷ジョブ情報Webページ16に関する処理を示す図である。ホスト機器2において入力装置6を介して印刷の実行が入力されると(図10に示すa.)、プリンタドライバ4は通常の印刷処理である印刷データのラスタライズ処理を行なうと供に、印刷ジョブに関する詳細な情報を記載した印刷ジョブ情報Webページ16のデータ(図8(b))を作成する(図10に示すb.)。続いて、プリンタドライバ4はラスタライズした印刷データを通常通り印刷装置1へと送信し、別で、作成した印刷ジョブ情報Webページ16のデータも印刷装置1へと送信する(図10に示すc.)。この様にして、印刷ジョブと、その印刷ジョブに関する印刷ジョブ情報Webページ16のデータとが印刷装置1へと送信される。なお、印刷ジョブ情報Webページ16のデータの送信は、印刷ジョブとは異なるプロトコル、例えば、FTPなどのデータ転送プロトコルを用いて送信されても良い。
【0037】
印刷装置1では受信部7において、印刷ジョブと、その印刷ジョブに関する印刷ジョブ情報Webページ16とが別々に受信される。印刷装置1は、印刷ジョブを解析部13へと転送し(図10に示すd.)、そこで印刷できる状態になったら、通常の印刷手順に従ってデータの解析が行なわれ、印刷が実行される(図10に示すe.)。一方、印刷ジョブ情報Webページ16は、補助記憶部10(例えば、HDDなど)に用意された、Webページ保存用のディレクトリへと送られ記憶される(図10に示すe.)。この様にして、受信した印刷ジョブに関する印刷ジョブ情報Webページ16のデータが印刷装置1内に保存される。
【0038】
ここで、図10を参照しながら説明した上記のようなフローにおいて、入力装置6から印刷ログの表示要求が入力されたとする(図10に示すf.)。この表示要求はWebページをホストするHTTPデーモン14に伝えられる。HTTPデーモン14では、印刷ログの表示要求を受信すると、補助記憶部10のWebページ保存用ディレクトリに記憶されている各印刷ジョブに関する印刷ジョブ情報Webページ16のデータに基づいて、それぞれの印刷ジョブをリストした、インデックスWebページ15(図8(a))を生成し、ホスト機器2へと送信する(図10に示すg.)。
本実施形態においては、印刷ジョブ情報Webページ16は印刷が完了したあとも削除されず、Webページ保存用ディレクトリに保存されたままにされているため、インデックスWebページ15には印刷し終った印刷ジョブも含まれており、そのため印刷ログを表している。また、このインデックスWebページ15に記載された、印刷ジョブのリストは、個々の印刷ジョブ情報Webページ16へのリンクが埋め込まれた形で提供されるため、ユーザーはリストから個々の印刷ジョブ情報Webページ16へアクセスすることが可能であり、印刷ジョブに関する詳細情報を表示することができる。
【0039】
この様にして、ホスト機器2上で生成した印刷ジョブに関する詳細情報を記載した印刷ジョブ情報Webページ16が、印刷装置1に備えられた機能を用いて、印刷ログ情報としてユーザーに提供され得る。
【0040】
図8(a)は、本実施形態における、インデックスWebページ15を示す図である。本実施形態では、インデックスWebページ15には、受信した印刷ジョブの名前が印刷を実行した時刻と供に一覧表示されている。先にも述べたように、これらには印刷が完了した印刷ジョブも含まれている点に留意されたい。各印刷ジョブの情報にはリンクが張られており、リンクを介して、個々の印刷ジョブ情報Webページ16(図8(b))を表示することができるように構成されている。またさらに、リストには印刷の実行に関するステータス情報(ここでは、“印刷済”、“削除”のことを指す)も表示されている点に留意されたい。
【0041】
図8(b)は、本実施形態における、印刷ジョブ情報Webページ16を示す図である。図8(b)は、実施形態1における図2(b)に示されるものとほぼ同じものである。しかしながら、本実施形態においては、印刷ジョブを制御するためのボタン等が、印刷ジョブが完了しているため不要になり表示されなくなっており、代わりに、印刷が無事に行なわれたか、キャンセルされたか等の情報を表す、印刷の実行に関するステータス情報(ここでは、“印刷ジョブはキャンセルされました”)が提供されている。
【0042】
図9は、本実施形態におけるプリンタドライバ4の設定画面を示す図である。実施形態1における図3とほぼ同じものであるが、本実施形態においては、印刷装置1側で書き込むことが必要な情報(ここでは、印刷結果、印刷完了日時など)に関するチェックボックスがさらに設けられている。また、本実施形態においては、印刷ログの有効期限も設定できるようになっている。
【0043】
本実施形態においては、実施形態1と異なり印刷が完了しても印刷ジョブ情報Webページ16のデータの削除が行なわれないため、そのままにして置くと、保存用のディレクトリに印刷ジョブ情報Webページ16のデータが溜まり続けてしまう。そのため、印刷ジョブ情報Webページ16のデータを削除する期限を設定する項目が設けられている。
図9においては、例えば、30日間と期限が指定されており、印刷装置1の制御ソフトは、印刷ジョブを実行した時から30日が経過すると印刷ジョブ情報Webページ16のデータを削除するように構成され得る。これらの期限としては他にも、例えば、保存する印刷ジョブ情報Webページ16のデータ件数に上限を設ける(例えば、保存された印刷ジョブ情報Webページ16のデータが30件を超えた場合には、古い印刷ジョブ情報Webページ16から削除する)などであってもよい。
また、印刷ジョブ情報Webページ16のデータの削除は、印刷装置1の制御ソフトにより行なわれてもよいが、例えば、ユーザーによりインデックスWebページ15の表示が要求された際に、Webサーバ上でスクリプトを実行し、所定の条件(例えば、印刷ジョブを実行した日時から30日以上経過している)を満たす印刷ジョブ情報Webページ16のデータを削除するように構成することも可能であることが当業者には理解されるだろう。
【0044】
本実施形態においては、印刷ジョブ情報Webページ16のデータを、印刷ジョブの送信とほぼ同時期に送信する例を示したが、インデックスWebページ15、および印刷ジョブ情報Webページ16のデータを、印刷ログとしてのみに利用し、印刷ジョブの制御に用いない(印刷ジョブのキャンセル等に利用しない)のであれば、印刷ジョブ情報Webページ16のデータを印刷ジョブと同時期に送信する必要は無く、ホスト機器2と印刷装置1との通信に余裕ができるのを見計らって、後から送信するように構成することもできる。
【0045】
本実施形態で示されたこれらの処理を行うことで、印刷装置1は、ホスト機器2上で作成された印刷ジョブに関する情報を記した印刷ジョブ情報Webページ16を、印刷ログとして提供することが可能となり得る。さらに、印刷装置1の制御ソフトに、受信した印刷ジョブ情報Webページ16のデータへ書き込みを行なう機能を持たせておけば、印刷装置1が持つ情報をWebページに組み込むことが可能であり、印刷のステータス情報などの印刷の実行処理に伴い動的に変化する値も組み込むことができるようになる。インデックスWebページ15、および印刷ジョブ情報Webページ16にこれらの動的に変化する情報を組み込むことで、ユーザーは印刷に関する経時的な情報を取得することが可能となり、インデックスWebページ15、および印刷ジョブ情報Webページ16の利便性をさらに高めることができることが理解されるだろう。
【符号の説明】
【0046】
1・・・印刷装置
2・・・ホスト機器
3・・・主記憶装置
4・・・プリンタドライバ
5・・・プリンタスプーラ
6・・・入力装置
7・・・受信部
8・・・制御部
9・・・印刷機構部
10・・・補助記憶部
11・・・表示部
12・・・入力操作部
13・・・解析部
14・・・Webサーバ
15・・・インデックスWebページ
16・・・印刷ジョブ情報Webページ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続されたホスト機器と印刷装置を含む印刷システムであって、
前記ホスト機器は、
印刷データを作成すると共に、該印刷データの属性情報を含むWebページを作成するデータ作成手段と、
該データ作成手段によって作成された印刷データとWebページの情報を前記印刷装置に送信する送信手段と、を有し、
前記印刷装置は、
前記印刷データの印刷処理を行う印刷処理手段と、
前記ホスト機器からの要求に従って、前記Webページの情報に基づくWebページのWebリストを作成するリスト作成手段と、を有する
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記Webページリストは、リストアップされたWebページにリンクでき、前記ホスト機器に送信され、表示されることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記Webリストは、前記印刷処理手段によって印刷処理が行われた印刷データを除く印刷キューリストであることを特徴とする請求項1、又は2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記Webリストは、前記印刷処理手段によって印刷処理が行われた印刷データを含む印刷ログリストであることを特徴とする請求項1、又は2に記載の印刷システム。
【請求項5】
ネットワークを介して接続されたホスト機器と印刷装置を含む印刷システムに使用されるプログラムであって、
印刷データを作成すると共に、該印刷データの属性情報を含むWebページを作成するデータ作成処理と、
該データ作成処理によって作成された印刷データとWebページの情報を前記印刷装置に送信する送信処理と、
前記印刷データの印刷処理と、
前記ホスト機器からの要求に従って、前記Webページの情報に基づくWebページのWebリストを作成するリスト作成処理と、
該Webリストの表示を行う表示処理と、
を行うプログラム。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図2】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−218081(P2010−218081A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62425(P2009−62425)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】