説明

印刷システム

【課題】プルプリントに際して無駄なトラフィックの増加を抑えてプリントサーバからプリンタへ予めデータを転送しておくことのできる印刷システムを提供する。
【解決手段】ユーザが、印刷指示の送信の前後所定時間内に、プリンタ方向へ移動を開始した、プリンタの近くで移動終了した、などの特定行動をとった場合は、その印刷指示は急ぎの印刷であると判断し、またその特定行動の内容からユーザが使用するプリンタを予測し、プリントサーバからそのプリンタへ印刷データを即時転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末から受信した印刷データをプリントサーバで記憶しておき、プリンタからの転送要求に応じて、プリントサーバからプリンタへ印刷データを転送する印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ端末から印刷データをプリントサーバに送信して記憶させておき、該プリントサーバとネットワークを通じて接続されているプリンタからの転送要求に応じて、プリントサーバからプリンタへ印刷データを転送して該プリンタで印刷を実行する印刷システムがある。この印刷システムは、一般にプルプリントシステムと呼ばれる。
【0003】
プルプリントシステムは、ネットワークに接続されている複数のプリンタの中の任意のプリンタで印刷を実行することができるので、たとえば、自分の近くにあるプリンタが使用中の場合に、他の空きプリンタで印刷をすることができる、といった利点がある。
【0004】
一方で、上記プルプリントシステムでは、プリンタから転送要求を受信してからその転送要求に係る印刷データをプリントサーバからプリンタに転送するので、通常のホールド印刷に比べて、転送に要する時間だけ印刷の開始が遅れてしまう。
【0005】
そこで、ユーザの位置に近い複数のホールド印刷機能付きプリンタへプリントサーバから予めデータを送信しておき、いずれかのプリンタで印刷が完了すると、残りのプリンタへその印刷済みのデータを削除するように指示することで、転送待ち時間を無くすようにした印刷システムが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。また、この印刷システムでは、複数のホールド印刷機能付きプリンタへプリントサーバから予めデータを送信する際の通信負荷を低減すべく、1)全てのジョブを転送しておくのではなく、ジョブの一部分を先に送信しておき、印刷を開始したプリンタへのみ残りのジョブを送信する、2)ユーザからプリンタまでの距離に応じて上記1)において予め送信しておくジョブの量を増減させる、3)ユーザの移動経路の履歴に応じて上記1)で予め送信しておくジョブの量を増減させる、といった点も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−269298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されている印刷システムでは、ユーザの位置に近い複数のプリンタへ予めデータを転送しておくので、転送待ちの問題は軽減される。しかし、上記1)〜3)の対策を行ったとしても、すべてのユーザのすべてのジョブについて、データの一部分とはいえ、予めデータを複数のプリンタへ送信するので、ネットワークトラフィックが増えてしまい、無駄が多い。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、プルプリントに際して、無駄なトラフィックの増加を抑えてプリントサーバからプリンタへ予めデータを転送しておくことのできる印刷システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0010】
[1]ユーザの端末から印刷指示と共に送信された印刷データをプリントサーバが受信して記憶すると共に、プリンタにてユーザから印刷データの転送要求を受けた場合に、その転送要求に係る印刷データを前記プリントサーバから前記プリンタへ転送する印刷システムであって、
印刷指示の送信前または送信後の所定期間内に前記印刷指示を出したユーザが特定の行動をとった場合に、前記印刷指示に係る印刷データを前記プリントサーバから所定のプリンタに自動転送する
ことを特徴とする印刷システム。
【0011】
上記発明では、印刷指示の送信前後の所定期間内に該印刷指示を出したユーザが特定の行動をとった場合に、該印刷指示に係る印刷データをプリントサーバから所定のプリンタに自動転送する。特定の行動は、たとえば、ユーザが、印刷指示の送信前後の所定時間内に、プリンタ方向へ移動を開始した、プリンタの近くで移動終了した、などで、印刷出力のためにユーザがプリンタへ向かったことを推定し得る行動である。
【0012】
[2]前記特定の行動は、移動開始、移動終了、の少なくとも一方である
ことを特徴とする[1]に記載の印刷システム。
【0013】
[3]前記移動終了は、移動終了位置がプリンタから所定距離内の移動終了である
ことを特徴とする[2]に記載の印刷システム。
【0014】
上記発明では、移動終了位置がプリンタから所定距離内の移動終了であれば、ユーザがプリンタに向かって移動しプリンタの前で立ち止まったことが特定される。
【0015】
[4]前記所定のプリンタは複数台である
ことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の印刷システム。
【0016】
上記発明では、転送先が1台の場合、そのプリンタが他のユーザによって使用中であれば印刷開始までに待ち時間が生じるので、予め複数台のプリンタに印刷データを自動転送する。
【0017】
[5]前記特定の行動が、移動終了位置がプリンタから所定距離内の移動終了である場合は、前記移動終了位置に近いプリンタを前記所定のプリンタに優先的に選択する
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の印刷システム。
【0018】
上記発明では、ユーザがプリンタに向かって移動しプリンタの前で立ち止まった場合、印刷データの自動転送先として、その立ち止まっているユーザに近いプリンタを優先的に選択する。
【0019】
[6]前記特定の行動が、前記印刷指示を出したユーザの座席から所定距離内に移動開始位置のある移動開始である場合は、前記ユーザの座席に近いプリンタを前記所定のプリンタに優先的に選択する
ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の印刷システム。
【0020】
上記発明では、ユーザが自席の近くで印刷指示を出して移動を開始している場合は、ユーザが自席の近くのプリンタで印刷する可能性が高いと推定し、印刷データの自動転送先として、該ユーザの座席に近いプリンタを優先的に選択する。
【0021】
[7]前記特定の行動が移動開始の場合は、その移動方向に位置するプリンタを前記所定のプリンタに選択する
ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の印刷システム。
【0022】
上記発明では、ユーザの移動方向にあるプリンタを、印刷データの自動転送先として選択する。
【0023】
[8]前記特定の行動をとったユーザに係る前記自動転送の実績回数が規定回数以上の場合は、前記実績回数が前記規定回数未満の場合より前記所定のプリンタの台数を多くする
ことを特徴とする[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の印刷システム。
【0024】
上記発明では、自動転送の実績回数が多いユーザは、忙しい人と考えられるので、そのような人が、印刷データの転送先にて他人がそのプリンタを使用中のために印刷待ちにならぬように、印刷データの自動転送先を多くする。
【0025】
[9]前記自動転送では、前記特定の行動をとったユーザにより送信されて前記プリントサーバに記憶されている未転送の印刷データをすべて転送する
ことを特徴とする[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の印刷システム。
【0026】
上記発明では、自動転送するとき、それまでにプリントサーバに蓄積されているそのユーザの未転送の印刷データの全てを転送する。
【0027】
[10]前記自動転送では、前記特定の行動をとったユーザにより送信されて前記プリントサーバに記憶されている未転送の印刷データのうち、前記特定の行動に係る印刷指示の受信前の所定期間に受信されたものも転送する
ことを特徴とする[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の印刷システム。
【0028】
上記発明では、自動転送するとき、それまでにプリントサーバに蓄積されているそのユーザの未転送の印刷データのうち、過去所定期間に受信されたものを転送する。たとえば、ユーザが、5個の印刷データを順次送信し、最後の印刷データの送信後にプリンタに向けて移動を開始したような場合、これら5個の印刷データすべてが自動転送の対象となる。
【0029】
[11]前記所定期間に前記ユーザが前記特定の行動をとった場合は、前記印刷指示に係る印刷データを前記プリントサーバからn台のプリンタに自動転送し、前記所定期間に前記ユーザが前記特定の行動をとらなかった場合は、前記印刷指示に係る印刷データを前記プリントサーバからm台(n,mは正の整数であって、n>m)のプリンタに自動転送する
ことを特徴とする[1]乃至[10]のいずれか1つに記載の印刷システム。
【0030】
上記発明では、印刷指示の前後でユーザが特定の行動をとった場合にはn台のプリンタに印刷データを自動転送し、特定の行動をとらなかった場合は、n台より少ない台数のプリンタに印刷データを自動転送する。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る印刷システムによれば、プルプリントに際して、無駄なトラフィックの増加を抑えてプリントサーバからプリンタへ予めデータを転送しておくことができるので、通信負荷の増加を抑えつつ、プリンタの前でデータの転送待ちが生じないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態に係る印刷システムのシステム構成例を示す説明図である。
【図2】クライアントPCの概略構成を示すブロック図である。
【図3】携帯端末の構成例を示すブロック図である。
【図4】プリンタの概略構成を示すブロック図である。
【図5】プリントサーバの概略構成を示すブロック図である。
【図6】印刷システムを利用するオフィスのレイアウトマップの一例を示す説明図である。
【図7】ユーザ情報テーブルの一例を示す説明図である。
【図8】プリンタ情報テーブルの一例を示す説明図である。
【図9】即時転送判断条件入力画面の一例を示す正面図である。
【図10】即時転送方法設定画面の一例を示す正面図である。
【図11】第1の実施の形態のプリントサーバの処理を示す流れ図である。
【図12】即時転送判断処理の詳細を示す流れ図である。
【図13】図12の続きを示す流れ図である。
【図14】即時転送判断処理にて使用する各種の設定値を列挙した説明図である。
【図15】クライアントPCなどが印刷データに付加する情報の一例を示す説明図である。
【図16】送信先プリンタ抽出処理1を示す流れ図である。
【図17】送信先プリンタ抽出処理2を示す流れ図である。
【図18】送信先プリンタ抽出処理3を示す流れ図である。
【図19】プリンタの動作を示す流れ図である。
【図20】第2の実施の形態におけるプリントサーバの処理を示す流れ図である。
【図21】送信先プリンタ抽出処理4を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を説明する。
【0034】
図1は、本発明に係る印刷システム10のシステム構成例を示している。印刷システム10は、オフィスなどに設けられたLAN(Local Area Network)などのネットワーク2に、複数台のプリンタ20と、パーソナルコンピュータなどのクライアントPC40と、プリントサーバ50と、屋内ナビゲーションシステム80と、屋内無線通信用のアクセスポイント83とを接続して構成される。アクセスポイント83は複数設置されている。また、ユーザの使用する携帯端末90が無線通信によりアクセスポイント83を通じて接続される。
【0035】
印刷システム10では、次のような流れで印刷が行われる。まず、クライアントPC40からプリントサーバ50に対して印刷データ(印刷指示)が送信される。プリントサーバ50はこれを受信して一時記憶する。ユーザが希望のプリンタ20へ出向き、ユーザ認証(ユーザ識別情報の入力)や印刷対象の印刷データの指定などの操作を行うと、該操作を受けたプリンタ20はプリントサーバ50に対して印刷データの転送要求(プルプリント要求とも呼ぶ)を送信する。転送要求を受信したプリントサーバ50はその送信元のプリンタ20に対して指定された印刷データを送信し、該印刷データを受信したプリンタ20はこれを印刷出力する。
【0036】
なお、ユーザは、印刷データをクライアントPC40からプリントサーバ50へ送信できるほか、携帯端末90からクライアントPC40に対して印刷データの送信指示を送出することで、クライアントPC40に保存されている印刷データをプリントサーバ50に対して送信することができる。また、携帯端末90に保存されている印刷データを携帯端末90からプリントサーバ50へ送信することも可能になっている。
【0037】
さらに印刷システム10では、プリントサーバ50が印刷データを受信した前後の所定期間内における、その印刷データの送り主であるユーザの行動を調べ、該ユーザがその所定期間内に特定行動をとった場合は、その印刷データに係る印刷が「急ぎの印刷」であると判断し、その印刷データを所定のプリンタ20へ自動転送(以後、即時転送と呼ぶ)するようになっている。
【0038】
ここでは、ユーザの行動として、そのユーザの移動状況を追跡する。具体的には、そのユーザが携帯している携帯端末90の位置を屋内ナビゲーションシステム80で検出してユーザの行動を追跡する。
【0039】
特定行動は、移動開始、移動終了などである。詳細には、以下の4つの行動を特定行動とする。
(1)移動開始後、所定時間内に印刷指示(印刷データ)を送信し、かつその移動方向にプリンタがある。
(2)移動終了後、所定時間内に印刷指示を送信し、かつ移動終了位置がいずれかのプリンタの近く(所定距離内)である。
(3)印刷指示を送信してから所定時間内に移動開始し、かつその移動方向にプリンタがある。
(4)印刷指示を送信してから所定時間内に移動終了し、かつ移動終了位置がいずれかのプリンタの近く(所定距離内)である。
上記(1)の特定行動は、ユーザが自席などからプリンタ20に向かって移動を開始し、その所定時間内(たとえば、10秒以内)に携帯端末90などから印刷指示を送信した、といった場合に対応する。プリンタへ向かう移動の開始直後に印刷指示を送信しているので、この移動は、印刷物取得のための移動であると推定する。
【0040】
上記(2)の特定行動は、ユーザが自席などからプリンタ20まで移動し、そのプリンタの前で携帯端末90などから印刷指示を送信した、といった場合に対応する。プリンタの前まで移動し立ち止まった直後に印刷指示を送信しているので、該印刷指示に係る印刷をユーザは急いでいると推定する。
【0041】
上記(3)の特定行動は、ユーザが自席に設置されたクライアントPC40などから印刷指示を送信した後、所定期間内にプリンタに向けて移動を開始した、といった場合に対応する。印刷指示を送信した直後にプリンタに向けて移動を開始しているので、この移動は、印刷物取得のための移動であると推定する。
【0042】
上記(4)の特定行動は、ユーザが自席などからプリンタ20の近くまで来たときに携帯端末90などから印刷指示を送信し、その直後にプリンタの前に到着して移動を終了した、といった場合に対応する。プリンタの近くまで来たときに印刷指示を送信し、その後プリンタの前で立ち止まったので、該印刷指示に係る印刷をユーザは急いでいると推定する。
【0043】
即時転送による印刷データの送信先は、ユーザのとった特定行動からそのユーザが使用すると予測されるプリンタを選定する。詳細には、特定行動が移動開始に係る上記(1)または(3)の特定行動であって印刷指示送信時のユーザの位置がそのユーザの座席近くならば、そのユーザが通常使用するプリンタを優先的に選定する。(1)または(3)の特定行動であって印刷指示送信時のユーザの位置がそのユーザの座席近くでないならば、ユーザの移動方向にあるプリンタを優先的に選定する。特定行動が移動終了に係る上記(2)または(4)の場合は、移動終了位置の近くにあるプリンタを優先的に選定する。
【0044】
このように、印刷システム10では、印刷指示(印刷データ)の送信前後におけるユーザの行動に基づいて、その印刷データに係る印刷が急ぎの印刷か否かを判断し、急ぎの印刷と判断した場合に、そのユーザの行動からそのユーザが印刷に使用すると予測されるプリンタ20に対して予め印刷データを転送する。
【0045】
図2は、クライアントPC40の概略構成を示している。クライアントPC40は、制御部41と、ユーザからの操作を受け付ける操作部42と、操作画面など各種の画面が表示される表示部43と、プリントサーバ50など各種の外部装置とネットワーク2を通じて通信するためのネットワークI/F44などとを備えて構成される。制御部41は、各種演算を行うCPU(Central Processing Unit)、プログラムや固定データが記憶されたROM(Read Only Memory)、ワークメモリに使用されるRAM(Random Access Memory)などを主要部として構成される。表示部43は液晶ディスプレイなどの表示装置で構成される。操作部42はキーボードやマウスなどの操作入力装置で構成される。
【0046】
クライアントPC40には、OSプログラム、文書や画像を作成・編集するアプリケーションプログラム、ブラウザプログラム、プリントサーバ50へ印刷データを送信するためのプログラムなどがインストールされており、制御部41はこれらを実行する。
【0047】
制御部41は、アプリケーションプログラム等で作成された文書からその印刷データを作成し、これをネットワークI/F44を通じてプリントサーバ50へ送信する印刷データ送信部としての機能を果たす。また、送信する印刷データに当該印刷データの送信を指示したユーザの識別情報や送信日時を示す情報を付加する機能を果たす。
【0048】
図3は、携帯端末90の構成例を示している。携帯端末90は、CPU、ROM、RAMなどを主要部とする制御部91と、ユーザからの操作を受け付ける操作部92と、操作画面など各種の画面が表示される表示部93と、アクセスポイント83との間で無線通信を行うための無線ネットワークI/F94などを備えて構成される。携帯端末90にはOSプログラム、文書や画像を作成・編集するアプリケーションプログラム、ブラウザプログラム、プリントサーバ50へ印刷データを送信するためのプログラムなどがインストールされており、制御部91はこれらを実行する。
【0049】
制御部91は、当該携帯端末90(すなわち、これを使用するユーザ)の位置、移動開始、移動終了、移動方向を検知する検知部91a、ユーザの識別情報および検知部91aで検知した位置を示す位置情報、検知部91aで検知した移動開始、移動終了、移動方向などの情報をプリントサーバ50に送信する送信部91bの機能を果たす。ここでは、屋内ナビゲーションシステム80からの位置検出用の信号を複数のアクセスポイント83から受信することで、自装置の位置を検出するようになっている。
【0050】
なお、携帯端末90は、自端末の位置を認識し、この位置情報を、逐次、プリントサーバ50に対して送信し、これを受信したプリントサーバ50が携帯端末90から得た位置情報に時刻情報を付加して累積記憶するように構成し、この累積記憶されている位置情報から各ユーザの行動(移動開始、移動終了、移動方向など)をプリントサーバ50が認識するように構成されてもよい。
【0051】
図4は、プリンタ20の概略構成を示している。プリンタ20は、制御部21と、操作表示部22と、画像形成部23と、記憶部24と、ネットワークI/F25などを備えて構成される。
【0052】
制御部21は、CPU、ROM、RAMなどを有して構成される。制御部21のCPUでは、OSプログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラムなどが実行される。ROMには各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPUが処理を実行することで印刷ジョブの実行などプリンタ20の各機能が実現される。RAMはCPUがプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや画像データを格納する画像メモリなどとして使用される。
【0053】
操作表示部22は、表示部と操作部を備えて構成される。表示部は、液晶ディスプレイなどで構成され、初期画面、操作画面、設定画面などの各種の画面を表示する。操作部は、ユーザからジョブの投入や転送要求に関連する操作、設定操作などを受け付ける。操作部は、表示部の画面上に設けられて押下された座標位置を検出するタッチパネルのほか、テンキーや文字入力キー、スタートキーなどを備えて構成される。
【0054】
画像形成部23は、画像データに基づく画像を記録紙上に形成して印刷出力する機能を果たす。たとえば、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、入力される画像データに応じて点灯制御されるLD(Laser Diode)と、LDから射出されたレーザ光を感光体ドラム上で走査させる走査ユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有する、いわゆるレーザープリンタとして構成される。画像形成は他の方式でもかまわない。
【0055】
ネットワークI/F25は、ネットワーク2を通じて各種の外部装置と通信する。また、プリントサーバ50に対して転送要求を送信したり、プリントサーバ50から印刷データを受信したりする機能を果たす。
【0056】
記憶部24は、ハードディスク装置などの大容量不揮発の記憶装置であり、たとえば、印刷データや画像データの保存などに使用される。
【0057】
制御部21は、ユーザ認証などによりプリンタ20を使用するユーザを識別するユーザ識別部31と、プリントサーバ50に対してプルプリントの転送要求を行うプルプリントデータ要求部32と、クライアントPC40などから印刷データを受信する印刷データ受信部33と、受信した印刷データをラスタライズしてイメージデータに展開等する印刷データ処理部34と、当該プリンタの使用状況をプリントサーバ50に通知する使用状況送信部35としての機能を果たす。
【0058】
図5は、プリントサーバ50の概略構成を示している。プリントサーバ50は、CPU,ROM、RAMなどを主要部とする制御部51と、ハードディスク装置などで構成された記憶部52と、ネットワーク2を通じてクライアントPC40、屋内ナビゲーションシステム80、携帯端末90などの外部装置と通信するためのネットワークI/F53などとを備えて構成される。このほか、表示部や操作部を備えてもよい。なお、プリントサーバ50は、ネットワークI/F53を備えた汎用のサーバに所定のプログラムをインストールして構成されてもよい。
【0059】
プリントサーバ50の制御部51は、印刷データ受信部61と、印刷データ受信時刻管理部62と、ユーザ情報管理部63と、取得部64と、管理部65と、即時転送判断部66と、プルプリント管理部67と、プリンタ情報管理部68と、プリンタ使用状況取得部69と、送信先プリンタ抽出部70と、印刷データ送信部71と、印刷履歴管理部72などとしての機能を果たす。
【0060】
印刷データ受信部61は、クライアントPC40などから印刷データを受信し、該受信した印刷データを記憶部52に格納して記憶させる機能を果たす。また、印刷データ受信部61は、受信した印刷データにその印刷データに固有のジョブIDを割り当てて記憶する。
【0061】
印刷データ受信時刻管理部62は、受信した印刷データの受信時刻を管理する機能を果たす。ここでは、印刷データ受信部61が割り当てたジョブIDに対応付けて印刷データの受信時刻を記憶する。この受信時刻は受信した印刷データのヘッダ部などに記述されている送信日時を使用してもよいし、プリントサーバ50が印刷データを受信したとき、その時刻を所定の時計部や日時管理サーバに問い合わせて取得し、この取得した時刻を受信時刻としてもよい。
【0062】
ユーザ情報管理部63は、管理者などから各種のユーザ情報の設定を受け付ける機能、設定されたユーザ情報を、たとえば、図7のユーザ情報テーブル120のようにして記憶部52に記憶する機能などを果たす。
【0063】
取得部64は、ユーザの位置情報、移動開始、移動終了、移動方向などの情報を、携帯端末90もしくは屋内ナビゲーションシステム80から取得する。管理部65は、ユーザの移動開始時刻、移動終了時刻を管理する。
【0064】
即時転送判断部66は、クライアントPC40などから受信した印刷データについて即時転送を行うか否かを判断する。この判断は、印刷データを送信したユーザの該印刷データの送信前後における行動が、前述した(1)から(4)のいずれかの特定行動に該当するか否かに基づいて行う。
【0065】
プルプリント管理部67は、プリンタ20からの要求に応じて印刷データの一覧を送信したり、記憶部52に記憶されている各印刷データがプルプリント実行済みであるか否か等を管理したりする機能を果たす。
【0066】
プリンタ情報管理部68は、プルプリントや即時転送で印刷データの送信先となり得るプリンタ20に関する情報の設定を受け付けて、たとえば、図8のプリンタ情報テーブル130のようにして記憶部52に記憶する機能を果たす。
【0067】
プリンタ使用状況取得部69は、プリンタに対してそのプリンタが使用中か否かを問い合わせて、その回答をプリンタから受ける機能を果たす。
【0068】
送信先プリンタ抽出部70は、登録されているプリンタの中から、即時転送の送信先とすべきプリンタを抽出する機能を果たす。
【0069】
印刷データ送信部71は、即時転送により、あるいはプルプリント要求に基づいて印刷データをプリンタ20へ送信する。
【0070】
印刷履歴管理部72は、プルプリント要求に基づく転送や即時転送などの実行履歴を表した印刷履歴データを作成して記憶部52に記憶する機能を果たす。履歴情報として、たとえば、即時転送かプルプリント要求による転送かの転送種別、印刷データに係るユーザ名、ジョブID、受信日時、転送日時、転送先などが登録される。
【0071】
図6は、印刷システム10を利用するオフィスのレイアウトマップ110の一例を示している。レイアウトマップ110には、オフィス内でのユーザの座席位置、各プリンタ20の位置などが示されている。図中のA〜Dは、それぞれユーザ名がUserA、UserB、UserC、UserDの各ユーザの座席位置を示している。また図中のPrt1〜Prt5は、それぞれ、プリンタ名がPrinter1、Printer2、Printer3、Printer4、Printer5の各プリンタ20の配置位置を示している。
【0072】
図7は、図6のレイアウトマップ110が示す配置下において、プリントサーバ50の記憶部52に登録されたユーザ情報テーブル120の一例を示している。ユーザ情報テーブル120には、ユーザ名、該ユーザの座席位置、該ユーザが通常使用するプリンタのプリンタ名などが互いに関連付けて登録される。ここでは、ユーザ毎に、通常使用するプリンタを複数台登録することができ、また、どのプリンタを優先して使うのかを示す優先度を付加して登録することができる。優先度1は最も優先される。ここでは、優先度1から3までのプリンタを登録できる。ユーザの座席位置は、図6のレイアウトマップ110の座標上での位置座標(X,Y)で表してある。
【0073】
図8は、図6のレイアウトマップ110が示す配置下において、プリントサーバ50の記憶部52に登録されたプリンタ情報テーブル130の一例を示している。プリンタ情報テーブル130には、プリンタ名と、このプリンタ名を持つプリンタのIPアドレスと、位置情報とが対応付けて登録される。プリンタの位置情報は、図6のレイアウトマップ110の座標上での位置座標(X,Y)で表してある。
【0074】
図9は、即時転送すべきか否かの判断基準となる各種設定値の設定を受けるための即時転送判断条件入力画面140の一例を示している。即時転送判断条件入力画面140は、プリントサーバ50にて設定を行う場合はプリントサーバ50の表示部に表示され、管理者の端末装置からプリントサーバ50に対して遠隔で設定する場合にはその端末装置の表示部に表示される。
【0075】
即時転送判断条件入力画面140内の(1)から(4)はそれぞれ、前述した(1)〜(4)の特定行動に対応している。「判断時間」の欄において、「(1)移動開始から印刷指示までの時間」の項目141で設定する時間は、ユーザの行動が前述した(1)の特定行動か否かを判断する際に使用される。同様に「(2)移動終了から印刷指示までの時間」の項目142で設定する時間は、ユーザの行動が前述した(2)の特定行動か否かを判断する際に使用される。(3)、(4)の項目143、144についても同様である。
【0076】
「プリンタまでの距離」の欄では、「(2)条件時、現在位置とプリンタまでの距離」の項目145に設定する距離は、ユーザの行動が前述した(2)の特定行動か否かを判断する際に使用される。「(4)条件時、現在位置とプリンタまでの距離」の項目146に設定する距離は、ユーザの行動が前述した(4)の特定行動か否かを判断する際に使用される。
【0077】
「即時転送を実施した頻度」の欄の項目147には、最新の印刷指示から何日前までの即時転送を、計数対象の履歴にするかの基準となる日数が設定される。また、項目148には、上記期間内に何回以上の即時転送がある場合に即時転送の実績回数の多いユーザであると判断するかの基準となる回数が設定される。
【0078】
図10は、即時転送方法に関する設定を受けるための即時転送方法設定画面150の一例を示している。即時転送方法設定画面150は、プリントサーバ50にて設定を行う場合はプリントサーバ50の表示部に表示され、管理者の端末装置からプリントサーバ50に対して遠隔で設定する場合にはその端末装置の表示部に表示される。
【0079】
即時転送の方法としては、
a.未印刷の全データを即時転送する、
b.直近のデータのみ即時転送する、
c.直近のデータと、一定時間内の未印刷データを即時転送する、
の中のいずれか1つを選択することができる。また、c.を選択した場合には、上記の一定時間を何時間とするかを設定する。直近のデータとは、即時転送の起因となった印刷指示に係る印刷データである。
【0080】
上記a.では、直近のデータに加えて、未印刷の状態でプリントサーバ50に記憶されているそのユーザのすべての印刷データが即時転送の対象にされる。上記b.では、直近のデータのみが即時転送の対象にされる。未印刷のデータが溜まっていても直近のもの以外は即時転送されない。上記c.では、直近のデータと該データの受信前の一定時間内に受信された未印刷のデータとが即時転送の対象にされる。たとえば、ユーザが、複数の印刷データを前述した一定時間内に続けて送信し、最後の印刷データの送信後にプリンタに向けて移動を開始したような場合(特定行動(3)をとった場合)、その複数のデータがまとめて即時転送の対象にされる。
【0081】
なお、即時転送判断条件入力画面140や即時転送方法設定画面150での設定内容等はプリントサーバ50の記憶部52もしくはプリントサーバ50が有する図示省略の不揮発メモリに不揮発に保存される。
【0082】
次に、印刷システム10の動作について説明する。
【0083】
図11は、受信した印刷データに関してプリントサーバ50が行う処理の流れを示している。プリントサーバ50は、クライアントPC40などから印刷データを受信すると(ステップS101)、その印刷データについて即時転送を行うべきか否かを即時転送判断処理により判断する(ステップS102)。この処理の詳細は後述するが、即時転送判断処理では、前述した(1)〜(4)の特定行動をユーザがとったか否かが判断される。
【0084】
即時転送しないと判断したときは(ステップS103;No)、プリントサーバ50の記憶部52にその印刷データを保存する(ステップS105)。その後、いずれかのプリンタ20からプルプリント要求を受けると(ステップS106)、そのプルプリント要求で指定された印刷データを要求元のプリンタへ送信する(ステップS107)。
【0085】
一方、即時転送すると判断した場合は(ステップS103;Yes)、送信先プリンタ抽出処理を行って(ステップS104)、即時転送の送信先となるプリンタを抽出する。そして、その抽出した送信先のプリンタに印刷データを送信して(ステップS107)、本処理を終了する。送信先プリンタ抽出処理の詳細は後述する。
【0086】
なお、即時転送すると判断した場合にもプリントサーバ50は受信した印刷データを記憶部52に保存し、プリンタ20からプルプリント要求があった場合には、該要求に応じて印刷データを転送するようになっている。これは即時転送の送信先プリンタ以外のプリンタでユーザが印刷を実行する場合もあるので、これに対応するためである。
【0087】
図12、図13は、即時転送判断処理(図11のステップS102)の詳細を示している。なお、図14は、即時転送判断処理で使用する各種の設定値を列挙している。プリントサーバ50は、受信した印刷データからその印刷データを送信したユーザ(以後、該当ユーザとする)のユーザ名(ユーザID)、および該印刷データの送信日時Tjを読み取る(ステップS201)。図15は、クライアントPC40などが印刷データに付加する情報の一例を示している。なお、印刷データに付加されている送信日時に代えて、当該印刷データをプリントサーバ50が受信した受信日時を使用してもかまわない。
【0088】
次に、該当ユーザに関する、直前に発生したイベントMs(該当ユーザの移動開始イベント)、Me(該当ユーザの移動終了イベント)と、その日時Ts(移動開始日時)、Te(移動終了日時)を確認する(ステップS202)。たとえば、プリントサーバ50は、携帯端末90から受信される各ユーザの位置情報、移動開始、移動終了、移動方向に関する情報をその受信した日時に対応付けて記憶しておき、これを解析して、上記イベントMs、Meおよび日時Ts、Teを認識する。
【0089】
次に、該当ユーザが、移動開始後、一定時間(Ttr1)内に印刷指示を行い(Ts>Tj−Ttr1)、かつその移動方向にいずれかのプリンタ20が存在するか否かを判定する(ステップS203)。この判定は、ユーザが前述の特定行動(1)をとったか否かの判定である。なお、Ttr1は、即時転送判断条件入力画面140の項目141で設定された時間である。
【0090】
上記判定結果が真ならば(ステップS203;Yes)、Tsフラグを設定し(ステップS211)、「即時転送する」を返り値として(ステップS215)、本処理を終了する。Tsフラグは、「即時転送する」との判断が移動開始イベントに由来していることを示すフラグである。
【0091】
上記判定結果が偽ならば(ステップS203;No)、ユーザが前述の特定行動(2)をとったか否かを判定する(ステップS204)。すなわち、移動終了後、一定時間(Ttr2)内に印刷指示を送信し(Te>Tj−Ttr2)、かつ移動終了位置がプリンタの近く(Dp<Dp2)であるか否かを判定する。なお、Ttr2は、即時転送判断条件入力画面140の項目142で設定された時間である。Dpはユーザの現在位置から最寄のプリンタまでの距離であり、Dp2は即時転送判断条件入力画面140の項目145で設定された距離である。ユーザの現在位置Dpは、携帯端末90から送信されてくる位置情報に基づいて認識する。
【0092】
上記判定結果が真ならば(ステップS204;Yes)、Teフラグを設定し(ステップS212)、「即時転送する」を返り値として(ステップS215)、本処理を終了する。Teフラグは、「即時転送する」との判断が移動終了イベントに由来していることを示すフラグである。
【0093】
上記判定結果が偽ならば(ステップS204;No)、該当ユーザのイベントMs(移動開始)、Me(移動終了)が新規に発生するかの監視を開始する(ステップS205)。
【0094】
イベントMsが発生した場合は、ユーザが前述の特定行動(3)をとったか否かを判定する(ステップS206)。すなわち、印刷指示後、一定時間(Ts<Tj+Ttr3)内に移動開始し、かつ移動方向にプリンタがあるか否かを判定する。なお、Ttr3は、即時転送判断条件入力画面140の項目143で設定された時間である。
【0095】
上記判定結果が真ならば(ステップS206;Yes)、Tsフラグを設定し(ステップS213)、「即時転送する」を返り値として(ステップS215)、本処理を終了する。
【0096】
上記判定結果が偽ならば(ステップS206;No)、ユーザが前述の特定行動(4)をとったか否かを判定する(ステップS207)。すなわち、印刷指示後、一定時間(Ttr4)内に移動終了し(Te<Tj+Ttr4)、かつ移動終了位置がプリンタの近く(Dp<Dp4)であるか否かを判定する。なお、Ttr4は、即時転送判断条件入力画面140の項目144で設定された時間である。Dp4は即時転送判断条件入力画面140の項目146で設定された距離である。
【0097】
上記判定結果が真ならば(ステップS207;Yes)、Teフラグを設定し(ステップS214)、「即時転送する」を返り値として(ステップS215)、本処理を終了する。
【0098】
上記判定結果が偽ならば(ステップS207;No)、印刷指示の送信から一定時間を経過したか(Tnow>Tj+Tw)を判定し、経過していない場合は(ステップS208;No)、ステップS206に戻る。一定時間を経過した場合、すなわち、印刷指示の送信から一定時間内に新規イベントが発生しなかった場合は(ステップS208;Yes)、イベントMs、Meの発生の監視を終了し(ステップS209)、「即時転送しない」を返り値として(ステップS210)、本処理を終了する。
【0099】
次に、送信先プリンタ抽出処理(図11のS104)について説明する。送信先プリンタ抽出処理は、抽出方法が相違する複数の処理があり、それぞれについて説明する。
【0100】
<送信先プリンタ抽出処理1>
図16は、送信先プリンタ抽出処理1の詳細を示している。まず、即時転送判断処理においてTsフラグがセットされているか否かを調べる(ステップS301)。今回の即転転送が移動開始イベントに由来していることを示すTsフラグがセットされていれば(ステップS301;Yes)、該当ユーザの現在位置がそのユーザの座席位置付近か否かを調べる(ステップS302)。ここで、プリントサーバ50は印刷指示を受信した直後に本処理を実行するので、ユーザの現在位置は、このユーザが印刷指示の送信時に居た位置に近いと考えられる。なお、ユーザの現在位置は、そのユーザの携帯端末90から送信されてくる位置情報に基づいて認識する。
【0101】
該当ユーザの現在位置がそのユーザの座席位置付近ならば(ステップS302;Yes)、そのユーザの通常使用する複数のプリンタを、即時転送の送信先プリンタとして抽出する(ステップS303)。すなわち、この場合、ユーザは、自席で印刷指示を出して直ぐに移動を開始しているので、自席の近くのプリンタを出力先にする可能性が高い。そこで、そのユーザの通常使用するプリンタを即時転送の送信先プリンタとして複数台抽出する。なお、座席位置付近か否かは、たとえば、座席位置から半径1m以内か否かなど、固定の距離で判別してもよいし、即時転送判断条件入力画面140に当該項目も追加し、任意の距離を設定できるようにしてもよい。
【0102】
抽出対象となる通常使用するプリンタはユーザ情報テーブル120(図7参照)に登録されている。ここでは、たとえば、優先度1〜3の3台のプリンタを即時転送の送信先プリンタとして抽出する。ユーザ情報テーブル120に登録されている台数より少ない台数のプリンタを抽出する場合には、優先度の高いものから優先的に抽出する。
【0103】
送信先プリンタ抽出処理1では、送信先プリンタが1台の場合にそのプリンタを他のユーザが使用中ならばすぐに印刷を開始できなくなるので、複数台のプリンタを即時転送の送信先プリンタとして抽出している。
【0104】
該当ユーザの現在位置がそのユーザの座席位置付近でない場合は(ステップS302;No)、このユーザの移動方向に設置されている複数のプリンタを即時転送の送信先プリンタとして抽出する(ステップS305)。すなわち、ユーザが自分の席以外の場所で移動を開始した状態のため、移動方向に設置されている複数のプリンタを抽出している。この場合、たとえば、移動方向にあってユーザの現在位置に近いプリンタから優先的に抽出するようにしてもよい。
【0105】
Tsフラグがセットされていない場合は(ステップS301;No)、ユーザの現在位置に近い複数のプリンタを即時転送の送信先プリンタとして抽出する(ステップS304)。Tsフラグがセットされていなければ、今回の即時転送が移動終了イベントに由来していることを示すTeフラグがセットされている。したがって、このユーザは、移動終了位置(現在位置)の近くのプリンタを出力先にする可能性が高い。そこで、ユーザの現在位置に近い複数のプリンタを即時転送の送信先に抽出する。この場合、ユーザの現在位置に近いものから優先的に複数台を抽出する。
【0106】
<送信先プリンタ抽出処理2>
図17は、送信先プリンタ抽出処理2の流れを示している。送信先プリンタ抽出処理2では、即時転送判断条件入力画面140の項目147において設定した期間内に実行された即時転送の回数が、同画面140の項目148で設定された設定回数以上の場合には、該設定回数未満の場合よりも即時転送での送信先プリンタの台数を増やすようになっている。これは、忙しい人や忙しい時期にはある程度偏りがあると考えられるので、そのような忙しい人や時期において、プリンタの待ち時間を減らすことが目的である。つまり、即時転送の送信先プリンタを多くすれば、そのすべてが他のユーザによって使用中となる確率は低く、空きプリンタを即座に使用できる可能性が高まることによる。
【0107】
送信先プリンタ抽出処理2では、まず、設定された期間内における該当ユーザに係る即時転送の実行回数が、設定回数以上か否かを調べ(ステップS401)、設定回数未満ならば(ステップS401;No)、ステップS402からS406の処理を行ってステップS412へ移行する。ステップS412では、今回の即時転送に係る履歴情報を保存する。
【0108】
ステップS402からS406の処理は、即時転送の送信先プリンタとして抽出するプリンタの台数が1台である点を除き、図16の送信先プリンタ抽出処理1と同一である。
【0109】
詳細には、Tsフラグがセットされているか否かを調べ(ステップS402)、Tsフラグがセットされていれば(ステップS402;Yes)、該当ユーザの現在位置がそのユーザの座席位置付近か否かを調べる(ステップS403)。該当ユーザの現在位置がそのユーザの座席位置付近ならば(ステップS403;Yes)、そのユーザの通常使用する1台のプリンタを、即時転送の送信先プリンタとして抽出して(ステップS404)、ステップS412へ移行する。
【0110】
該当ユーザの現在位置がそのユーザの座席位置付近でない場合は(ステップS403;No)、該ユーザの移動方向に設置されている1台のプリンタを即時転送の送信先プリンタとして抽出して(ステップS405)、ステップS412へ移行する。
【0111】
Tsフラグがセットされていない場合は(ステップS402;No)、ユーザの現在位置に近い1台のプリンタを即時転送の送信先プリンタとして抽出して(ステップS406)、ステップS412へ移行する。
【0112】
即時転送の過去の実行回数が少ないので、ステップS404、S405、S406では、即時転送の送信先プリンタを1台のみとしている。
【0113】
設定された期間内における該当ユーザに係る即時転送の実行回数が、設定回数以上ならば(ステップS401;Yes)、ステップS407からS411の処理を行ってステップS412へ移行する。ステップS407からS411の処理内容は図16の送信先プリンタ抽出処理1と同一であり説明を省略する。
【0114】
このように送信先プリンタ抽出処理2では、即時転送の履歴(実行回数)が多いユーザの場合は、履歴が少ないユーザよりも印刷データの転送先とするプリンタの台数を増やすので、無駄なトラフィックの増加を防ぎつつ、急ぎの印刷の多いユーザが、他人によるプリンタ使用中によって印刷待ちとなるケースが低減される。
【0115】
<送信先プリンタ抽出処理3>
図18は、送信先プリンタ抽出処理3の流れを示している。送信先プリンタ抽出処理3では、即時転送の送信先プリンタとして最適なプリンタをまず1台抽出し、そのプリンタが使用中ならば、これに代えて別の1台のプリンタを抽出するようになっている。これにより、他ユーザの使用中による印刷待ちを回避しつつ、無駄なネットワークトラフィックの発生をさらに防ぐことができる。
【0116】
詳細には、まず、即時転送判断処理においてTsフラグがセットされているか否かを調べ(ステップS501)、今回の即転転送が移動開始イベントに由来していることを示すTsフラグがセットされていれば(ステップS501;Yes)、該当ユーザの現在位置がそのユーザの座席位置付近か否かを調べる(ステップS502)。該当ユーザの現在位置がそのユーザの座席位置付近ならば(ステップS502;Yes)、そのユーザの通常使用するプリンタを1台、即時転送の送信先プリンタとして抽出する(ステップS503)。ここでは、優先度の高いプリンタ、すなわち、優先度1のプリンタを選択する。
【0117】
次に、このプリンタが使用中か否かを調べる(ステップS504)。具体的には、ステップS503で抽出したプリンタに対して、現在使用中か否かを問い合わせる。使用中でなければ(ステップS504;No)、本処理を終了する。使用中ならば(ステップS504;Yes)、別のプリンタを1台抽出して(ステップS505)、本処理を終了する。別のプリンタには通常使用するプリンタの中から優先度の高いものを優先的に選択する。ここでは優先度2のプリンタを抽出する。なお、この抽出したプリンタが使用中か否かを調べ、使用中ならば、さらに別のプリンタを抽出するようにしてもよい。
【0118】
該当ユーザの現在位置がそのユーザの座席位置付近でない場合は(ステップS502;No)、該ユーザの移動方向に設置されている1台のプリンタを即時転送の送信先プリンタとして抽出する(ステップS506)。次に、このプリンタが使用中か否かを調べ(ステップS507)、使用中でなければ(ステップS507;No)、本処理を終了する。使用中ならば(ステップS507;Yes)、別のプリンタを1台抽出して(ステップS508)、本処理を終了する。ユーザの移動方向にあって現在位置に近いプリンタを優先的に選択するとよい。
【0119】
Tsフラグがセットされていない場合は(ステップS501;No)、ユーザの現在位置に近い1台のプリンタを即時転送の送信先プリンタとして抽出する(ステップS509)。そして、このプリンタが使用中か否かを調べ(ステップS510)、使用中でなければ(ステップS510;No)、本処理を終了する。使用中ならば(ステップS510;Yes)、別のプリンタを1台抽出して(ステップS511)、本処理を終了する。
【0120】
次に、プリンタ20での処理の流れを図19に基づいて説明する。
【0121】
プリンタ20は、プリントサーバ50から印刷データを受信した場合は(ステップS601;Yes)その受信した印刷データを記憶部24に保存する。ステップS601で受信される印刷データはプリントサーバ50が即時転送により送信したものである。
【0122】
印刷データの受信がない状態で(ステップS601;No)、操作表示部22より、ユーザ識別情報の入力を受けると(ステップS603)、そのユーザの印刷データが受信済みか否かを調べる(ステップS604)。該ユーザの印刷データが受信済みでなければ(ステップS604;No)、該ユーザの印刷データの一覧をプリントサーバ50に対して要求する(ステップS605)。プリントサーバ50はこの要求を受けると、プリントサーバ50の記憶部52に保存されている該ユーザの印刷データの一覧を作成して、該要求元のプリンタ20へ返送する。
【0123】
プリンタ20はプリントサーバ50から受信した印刷データの一覧を操作表示部22に表示して(ステップS606)、ユーザから印刷対象の印刷データの選択操作を受ける(ステップS607)。そしてユーザの選択した印刷データの送信をプリントサーバ50に対してプルプリント要求する(ステップS608)。このプルプリント要求を受けたプリントサーバ50は、要求された印刷データを要求元のプリンタへ送信する。
【0124】
プリンタ20は先ほどプルプリント要求した印刷データがプリントサーバ50から転送されてきたら、それを受信して記憶部24に保存する(ステップS609)。受信および保存が完了したら、記憶部24に保存した印刷データをラスタライズし、さらに各種の処理を行って、プリント用の画像データを生成する(ステップS610)。そして、この画像データに基づく印刷を行って(ステップS611)、ステップS601に戻る。
【0125】
該ユーザの印刷データが即時転送によって受信済みならば(ステップS604;Yes)、該ユーザの受信済み印刷データの一覧を操作表示部22に表示し(ステップS612)、ユーザから印刷対象の印刷データの選択を受ける(ステップS613)。そして、この選択された印刷データを記憶部24から読み出してラスタライズ等の処理を行って(ステップS610)、印刷を実行し(ステップS611)、ステップS601に戻る。
【0126】
以上のように、本実施の形態に係る印刷システム10ではプリントサーバ50が印刷データを受信した前後の所定期間内においてその印刷データの送り主であるユーザが特定の行動(印刷物を取りに行く行動)をとった場合に、その印刷データに係る印刷が「急ぎの印刷」であると判断し、またその行動内容からユーザがその印刷データの出力先に使用するプリンタを予測し、その予測したプリンタへ印刷データを即時転送する。これにより、ユーザがプリンタに到達して操作を行う前にプリントサーバ50からプリンタ20へ印刷データが転送されるので、ユーザはプリンタの前で印刷データの転送待ちをすることなく印刷を開始することができる。従って、プルプリントシステムにおいても、急ぎの印刷を、データの転送待ちすることなく、迅速に開始することができる。
【0127】
また、印刷システム10では、急ぎの印刷と判断した場合だけ即時転送を行うと共に、即時転送の送信先プリンタを、ユーザの行動に基づいて抽出したプリンタのみに限定するので、プリントサーバ50が自動的に即時転送を行っても、その転送による無駄なネットワークトラフィックの発生を少なく抑えることができる。
【0128】
なお、送信先プリンタ抽出処理で抽出したプリンタでユーザが必ずしも印刷を実行するとは限らないが、送信先プリンタ抽出処理でより多くのプリンタを抽出すれば、それだけ、ユーザが印刷を実行するプリンタに予め印刷データが転送されている確率を高めることができる。一方、送信先プリンタ抽出処理で抽出するプリンタの台数を減らせば、トラフィックの増加を少なく抑えることができる。
【0129】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0130】
第2の実施の形態に係る印刷システムの構成は第1の実施の形態と同様であり、その動作が一部相違する。以下の相違する動作について説明する。
【0131】
第2の実施の形態では、第1の実施の形態の即時転送判断処理で「即時転送あり」と判断された場合は複数台のプリンタへ即時転送し、第1の実施の形態の即時転送判断処理で「即時転送しない」と判断された場合でも1台のプリンタへ即時転送するようになっている。
【0132】
図20は、第2の実施の形態におけるプリントサーバ50の処理の流れを示している。プリントサーバ50は、クライアントPC40などから印刷データを受信すると(ステップS701)、その印刷データについて即時転送を行うべきか否かを判断する即時転送判断処理を行う(ステップS702)。この処理の内容は第1の実施の形態で説明したもの(図12、図13に示す処理)と同一である。
【0133】
即時転送すると判断したときは(ステップS703;Yes)、図16に示す送信先プリンタ抽出処理1を行って(ステップS704)、即時転送の送信先のプリンタとして複数台のプリンタを抽出する。そして、その抽出したプリンタに印刷データを送信して(ステップS706)、本処理を終了する。
【0134】
即時転送しないと判断したときは(ステップS703;No)、図21に示す送信先プリンタ抽出処理4を行って(ステップS705)、即時転送の送信先プリンタとして1台のプリンタを抽出する。そして、その抽出した1台のプリンタに印刷データを送信して(ステップS706)、本処理を終了する。なお、1台と複数台との関係に限定されず、即時転送ありの場合に抽出するプリンタの台数nが、即時転送なしの場合に抽出するプリンタの台数mより多いようにすればよい。
【0135】
なお、第2の実施の形態では、プリントサーバ50は受信した印刷データをすべて記憶部52に記憶しておき、プリンタ20からプルプリント要求があった場合には、該要求に応じて印刷データを転送するようになっている。
【0136】
図21に示す送信先プリンタ抽出処理4では、Tsフラグがセットされているか否かを調べ(ステップS801)、Tsフラグがセットされていれば(ステップS801;Yes)、該当ユーザの現在位置がそのユーザの座席位置付近か否かを調べる(ステップS802)。該当ユーザの現在位置がそのユーザの座席位置付近ならば(ステップS802;Yes)、そのユーザの通常使用する1台のプリンタを、即時転送の送信先プリンタとして抽出して(ステップS803)、本処理を終了する。
【0137】
該当ユーザの現在位置がそのユーザの座席位置付近でない場合は(ステップS802;No)、該ユーザの移動方向に設置されている1台のプリンタを即時転送の送信先プリンタとして抽出して(ステップS805)、本処理を終了する。
【0138】
Tsフラグがセットされていない場合は(ステップS801;No)、ユーザの現在位置に近い1台のプリンタを即時転送の送信先プリンタとして抽出して(ステップS804)、本処理を終了する。
【0139】
以上、本発明の実施形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0140】
実施の形態ではプリントサーバ50が印刷システム10としての主たる機能を担うように構成したが、印刷システム10の各機能をどの機器で行うか、もしくは複数の機器にどのように機能を分担させるかは任意であり、実施の形態で例示したシステム構成に限定されるものではない。
【0141】
たとえば、即時転送判断処理などを、プリントサーバとは独立した別のサーバに行わせてもよいし、クライアントPC40などのPC端末やいずれかのプリンタ20に行わせるように構成されてもよい。たとえば、即時転送の要否を判定したり送信先プリンタを抽出したりする処理を、プリントサーバとは別の専用サーバで行い、即時転送すると判断した場合に、該専用サーバからプリントサーバに対して、該当する印刷データの転送指示を送信するように構成してもよい。
【0142】
また、ユーザの行動を追跡する方法は、携帯端末90や屋内ナビゲーションシステム80に限定されず任意の方法でよい。GPS(Global Positioning System)を利用可能であれば、これを利用してもよい。また、携帯端末90に代えて、ユーザの位置や移動を追跡する専用の端末やICカードなどをユーザに携帯させるように構成してもよい。
【0143】
実施の形態では、即時転送判断処理において、特定行動(1)〜(4)の4つについて判断したが、これらの中の少なくとも1つを判断する構成でもかまわない。また、移動開始に関する特定行動のみ、あるいは移動終了に関する特定行動のみを即時転送判断処理での判断対象の行動としてもよい。さらに特定行動は、(1)から(4)以外の行動でもよい。急ぎの印刷であることを推定可能な行動であればよい。
【符号の説明】
【0144】
2…ネットワーク
10…印刷システム
20…プリンタ
21…制御部
22…操作表示部
23…画像形成部
24…記憶部
25…ネットワークI/F
31…ユーザ識別部
32…プルプリントデータ要求部
33…印刷データ受信部
34…印刷データ処理部
35…使用状況送信部
40…クライアントPC
41…制御部
42…操作部
43…表示部
44…ネットワークI/F
50…プリントサーバ
51…制御部
52…記憶部
53…ネットワークI/F
61…印刷データ受信部
62…印刷データ受信時刻管理部
63…ユーザ情報管理部
64…取得部
65…管理部
66…即時転送判断部
67…プルプリント管理部
68…プリンタ情報管理部
69…プリンタ使用状況取得部
70…送信先プリンタ抽出部
71…印刷データ送信部
72…印刷履歴管理部
80…屋内ナビゲーションシステム
83…アクセスポイント
90…携帯端末
91…制御部
91a…検知部
91b…送信部
92…操作部
93…表示部
94…無線ネットワークI/F
110…レイアウトマップ
120…ユーザ情報テーブル
130…プリンタ情報テーブル
140…即時転送判断条件入力画面
141〜148…項目
150…即時転送方法設定画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの端末から印刷指示と共に送信された印刷データをプリントサーバが受信して記憶すると共に、プリンタにてユーザから印刷データの転送要求を受けた場合に、その転送要求に係る印刷データを前記プリントサーバから前記プリンタへ転送する印刷システムであって、
印刷指示の送信前または送信後の所定期間内に前記印刷指示を出したユーザが特定の行動をとった場合に、前記印刷指示に係る印刷データを前記プリントサーバから所定のプリンタに自動転送する
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記特定の行動は、移動開始、移動終了、の少なくとも一方である
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記移動終了は、移動終了位置がプリンタから所定距離内の移動終了である
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記所定のプリンタは複数台である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の印刷システム。
【請求項5】
前記特定の行動が、移動終了位置がプリンタから所定距離内の移動終了である場合は、前記移動終了位置に近いプリンタを前記所定のプリンタに優先的に選択する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の印刷システム。
【請求項6】
前記特定の行動が、前記印刷指示を出したユーザの座席から所定距離内に移動開始位置のある移動開始である場合は、前記ユーザの座席に近いプリンタを前記所定のプリンタに優先的に選択する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の印刷システム。
【請求項7】
前記特定の行動が移動開始の場合は、その移動方向に位置するプリンタを前記所定のプリンタに選択する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の印刷システム。
【請求項8】
前記特定の行動をとったユーザに係る前記自動転送の実績回数が規定回数以上の場合は、前記実績回数が前記規定回数未満の場合より前記所定のプリンタの台数を多くする
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の印刷システム。
【請求項9】
前記自動転送では、前記特定の行動をとったユーザにより送信されて前記プリントサーバに記憶されている未転送の印刷データをすべて転送する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載の印刷システム。
【請求項10】
前記自動転送では、前記特定の行動をとったユーザにより送信されて前記プリントサーバに記憶されている未転送の印刷データのうち、前記特定の行動に係る印刷指示の受信前の所定期間に受信されたものも転送する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載の印刷システム。
【請求項11】
前記所定期間に前記ユーザが前記特定の行動をとった場合は、前記印刷指示に係る印刷データを前記プリントサーバからn台のプリンタに自動転送し、前記所定期間に前記ユーザが前記特定の行動をとらなかった場合は、前記印刷指示に係る印刷データを前記プリントサーバからm台(n,mは正の整数であって、n>m)のプリンタに自動転送する
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1つに記載の印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−248150(P2012−248150A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121684(P2011−121684)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】