説明

印刷データレイアウト装置、印刷データレイアウト方法、及びプログラム

【課題】複数の静止画の集合からなる副印刷データを複数の用紙媒体に渡って主印刷データとともにより適切にレイアウトして印刷することを目的とする。
【解決手段】主印刷データと副印刷データとをページ内に混在して印刷するための印刷データレイアウト装置が、複数ページに渡り印刷される主印刷データを取得する手段と、複数の画像から構成される副印刷データを取得する手段と、前記主印刷データを1枚の用紙媒体に対して印刷する指定を行う指定手段と、前記副印刷データを構成する各画像を前記主印刷データが印刷される各用紙媒体へ順に割り付ける手段と、各用紙媒体に割り付けた前記副印刷データを構成する各画像の関連性を保つようにレイアウトする手段と、を備えることによって課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データレイアウト装置、印刷データレイアウト方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主印刷データと副印刷データとをページ内に混在して印刷するものとしては、広告埋め込み印刷技術が知られている(特許文献1参照)。広告埋め込み印刷技術では、利用者が所望する文書等(主印刷データ)を印刷する際に印刷装置が広告サーバから広告画像を取得して、主印刷データの余白部分に広告(副印刷データ)を埋め込んで印刷する。この例によれば、この際、印刷装置側では、主印刷データの余白部分のサイズを調べて印刷可能な広告画像のサイズを算出し、これを広告要求に付加して広告サーバへ送信する。広告サーバ側では、サーバの利用者である広告要求者の嗜好情報が予め登録されており、受信した広告要求から得られる広告要求者の情報と広告画像のサイズとから提供する広告(広告データ)を決定し、これを印刷装置へ送り返す。そして、広告データを受信した印刷装置は、主印刷データの余白部分にこれを印刷して印刷物を完成させている。
【0003】
広告について更に言及すれば、近年は、様々なアイデアと手法によって広告の効果を上げるべく、その形態が多様化する傾向にある。中でもインターネット上の広告では、より広告効果のあるアニメーションや動画、複数回の広告で完結するシリーズ広告等を利用したものが増加しつつあり、同様に印刷物においてもより広告効果を上げることが求められている。
新しい形態の広告データの一つでもあるアニメーションや動画を印刷物として出力する技術としては、動画を静止画に変換して印刷する技術が知られている(特許文献2、特許文献3参照)。動画を静止画に変換して印刷する技術では、動画を構成するフレーム画像を抽出して複数の静止画に変換し、これらを1ページ内に時系列の順にレイアウトしてから印刷する。この際に使用される印刷レイアウトは、予め動画印刷用として用意されたもの(特許文献2)、或いは電子文書内に埋め込まれていた動画の存在領域を分割したものを使用する(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−196540号公報
【特許文献2】特開2005−039626号公報
【特許文献3】特開平11−212748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の広告埋め込み印刷技術では、各ページ単位の余白を基に広告のレイアウトを行っている。よって、例として挙げた新しい形態の広告のようなアニメーション、動画、シリーズである副印刷データを主印刷データとともに適切にレイアウトして印刷することができないという問題があった。
より具体的には、従来の技術では広告に代表される副印刷データを1ページ内に収めて印刷しようとするので、動画広告のように複数の静止画に分解される副印刷データを主印刷データとともに印刷する場合は、以下の問題があった。つまり、各ページにおける副印刷データの印刷領域サイズを制限するのであれば、各静止画のサイズをその枚数に応じて縮小することで印刷領域サイズ内に収める必要がある。各静止画のサイズを維持するのであれば、各ページにおける副印刷データの印刷領域サイズを静止画の枚数倍必要とする。前者は内容が小さく分かりにくい、後者は副印刷データの印刷領域が広すぎるというようにいずれも副印刷データの印刷という観点では不適切な印刷結果となる。
このような問題を解決するために、副印刷データを構成する各画像を、主印刷データが印刷される各ページに順に割り付ける、という方法が考えられる。しかしながら、主印刷データに対して「袋綴じ印刷」、「N面印刷」、或いは「両面印刷」が指定されていた場合には、1枚の用紙媒体に対して複数ページの主印刷データが印刷されることになる。よって、各ページに対して副印刷データを割り付けた場合、各画像の関連性を保つという観点からは好ましくない。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、複数の静止画の集合からなる副印刷データを複数の用紙媒体に渡って主印刷データとともにより適切にレイアウトして印刷することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明に係る印刷データレイアウト装置は、主印刷データと副印刷データとをページ内に混在して印刷するための印刷データレイアウト装置であって、複数ページに渡り印刷される主印刷データを取得する手段と、複数の画像から構成される副印刷データを取得する手段と、前記主印刷データを1枚の用紙媒体に対して印刷する指定を行う指定手段と、前記副印刷データを構成する各画像を前記主印刷データが印刷される各用紙媒体へ順に割り付ける手段と、各用紙媒体に割り付けた前記副印刷データを構成する各画像の関連性を保つようにレイアウトする手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の静止画の集合からなる副印刷データを複数の用紙媒体に渡って主印刷データとともにより適切にレイアウトして印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】印刷データレイアウト装置の構成を示す図である。
【図2】印刷装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】印刷装置の構成を示す図である。
【図4】新しい形態の広告データの例を示す図である。
【図5】レイアウト処理に係るフローチャートを示す図である。
【図6】レイアウト処理の結果を示す図である。
【図7】レイアウト処理に係るフローチャートを示す図である。
【図8】レイアウト処理の結果を示す図である。
【図9】レイアウト処理の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係る印刷データレイアウト装置1の構成を示す図である。印刷データレイアウト装置1は、主印刷データを装置外部から取得する主印刷データ取得手段2を備えている。また、印刷データレイアウト装置1は、複数の画像から構成される副印刷データを装置外部から取得する副印刷データ取得手段3、及び袋綴じ印刷、N面印刷、及び両面印刷の指定を行うための印刷モード設定手段6を備えている。また、印刷データレイアウト装置1は、主印刷データの各ページに副印刷データを順番に1画像ずつ割り付けを行う主副印刷データ割り付け決定手段4を備えている。また、印刷データレイアウト装置1は、割り付けに従って各ページの主印刷データ及び副印刷データの配置を決めて印刷イメージの描画を行う主副印刷データ描画手段5を備えている。
【0012】
図2は、印刷データレイアウト装置1を含む印刷装置10のハードウェア構成を示す図である。図2において、20は、印刷装置10全体を制御するCentral Processing Unit(CPU)である。21は、変更を必要としないプログラムやパラメータを格納するRead Only Memory(ROM)である。22は、外部装置等から供給されるプログラムやデータを一時記憶するRandom Access Memory(RAM)である。23は、印刷データレイアウト装置1によって作成された印刷イメージを印刷前にプレビュー表示等を行う表示部、24は、印刷データレイアウト装置1によって作成された印刷イメージの印刷等を行う印刷部である。
25は、印刷装置10内外に設置されたハードディスクや可搬性のメモリカード等の記憶装置14と印刷装置10との間、又は外部のネットワーク15と印刷装置10との間でデータの授受を行うためのインターフェースである。26は、20〜25の各ユニットを通信可能に接続するシステムバスである。なお、図1に示した印刷データレイアウト装置1の各構成手段は、図2に示したハードウェア上で動作するコンピュータプログラムによって実現可能である。例えば、CPU20が、ROM21に格納されたプログラムの手順に従って処理を行うことによって、印刷装置10(印刷データレイアウト装置1)における機能及び後述するフローチャートに係る処理が実現される。
【0013】
図3は、印刷データレイアウト装置1を含む印刷装置10の構成を示す図である。印刷装置10は、主副印刷データ決定手段11、及び印刷データレイアウト装置1が描画したイメージをディスプレイ上にプレビュー表示する主副印刷データ表示手段12を有する。また、印刷装置10は、印刷データレイアウト装置1が描画したイメージを印刷する主副印刷データ印刷手段13を備える。印刷装置10は、主副印刷データの入力元としてハードディスクや可搬性のメモリカード等の記憶装置14、更にはLANやインターネット等のネットワーク15への接続手段を備える。
印刷装置10では、利用者が記憶装置14上にある主副印刷データを主副印刷データ決定手段11に指示することで印刷内容を決めてもよい。また、広告印刷システムのように主印刷データを利用者が指示し、副印刷データである広告データについては、インターネットを含むネットワーク15上の広告サーバから取得して使用してもよい。以下では、広告印刷システムを採用した場合を例にして説明を続ける。
【0014】
図4は、広告印刷システムにおける副印刷データ、つまり広告データの例であり、特に本実施形態が対象とする新しい形態の広告データを例示している。
(a)は、複数枚の画像で広告を完結するシリーズ広告データである。この例では、画像(副印刷データの一例)30〜画像33の順で広告を展開する。例のように画像が4つである必要はなく、画像が2つ以上で構成されるセットになる。
(b)は、集合であることに意味を持つ集合広告データである。この例は、今月の新刊TOP10を紹介する広告であり、画像40〜画像43、更には第10位までの計11枚で1セットを構成する。同様なものとしては、販売品の広告を1つ1つ別の画像に収めてセットでカタログを構成するような集合広告データも考えられる。
(c)は、アニメーションや動画からなる動画広告データである。アニメーションや動画は、連続する静止画に分解することで静止画のセットとして扱うことができる。動画の長さによって静止画の枚数が増減するが、サンプリングレートやサンプリング箇所の指定で枚数を調整できる。この例では、画像50〜画像53の順でサンプリングされており、最後のサンプリングされた静止画までが1セットとなる。
以上、(a)、(b)、(c)で示したように、本実施形態では、副印刷データを複数の静止画の集合として取り扱うことを特徴とする。なお、静止画が1枚の場合でも要素が1つの集合として同様に扱うことができるので、従来の副印刷データの形態である1枚の静止画から構成される広告データも同様に扱うことが可能である。
【0015】
図5は、印刷データレイアウト装置1でのレイアウト処理に係るフローチャートを示す図である。また、図6は、レイアウト処理の結果を示す図である。以下、図3、図5、及び図6を参照して、レイアウト処理を説明する。
レイアウト処理では、まず、印刷モード設定手段6は、印刷モード(この例では、袋綴じ印刷の有無及びN面印刷(N=2,4,8・・・)の有無)を取得する(ステップS100)。次に、主印刷データ取得手段2は、主印刷データを取得する(ステップS101)。一般に、主印刷データの選択は、利用者によって行われ、実際にどこからデータを取得するかに関しては、主副印刷データ決定手段11によって決定される。この例では、主印刷データ取得手段2は、予め登録されたネットワーク15上のサーバから取得する。主印刷データとしては、混在して印刷する副印刷データの配置が自由に行えるように印刷レイアウトの調整が簡単な文書データであることが望ましいが、画像データであっても縮小処理等で副印刷データの印刷位置を確保することができるので特に制限はない。なお、得られた主印刷データは、記憶装置14内、或いはRAM22内に一時的に保存される。
【0016】
次に、主副印刷データ割り付け決定手段4は、得られた主印刷データを解析し、主印刷データの印刷枚数を算出する(ステップS102)。主印刷データの印刷枚数は、予め定めたサイズの副印刷データをページ内に仮レイアウトした状態で算出される。ここで、ステップS100において、袋綴じ印刷又はN面印刷が指定されていた場合には、1枚の用紙に2ページ以上(例えば、N面印刷の場合はNページ)の主印刷データがレイアウトされる。よって、主副印刷データ割り付け決定手段4は、当該1枚当りのページ数及び仮レイアウトの結果に基づいて、主印刷データの印刷枚数を求める。
主印刷データの解析が終了すると、副印刷データ取得手段3は、副印刷データの取得、つまり広告データの取得を行う(ステップS103)。本実施形態における広告データは、ネットワーク15上にある広告サーバから取得する構成を採用しており、副印刷データ取得手段3が広告サーバへ広告データを要求すると図4に例示したような1セットの広告データが得られる。このとき、どのような広告データが選択されるかは、広告サーバ側に委ねている。なお、得られた副印刷データも記憶装置14内、或いはRAM22内に一時的に保存される。
【0017】
副印刷データの取得が終了すると、主副印刷データ割り付け決定手段4は、ステップS104,S105,S106の処理を実行する。ステップS104では、主副印刷データ割り付け決定手段4は、取得した副印刷データの解析を行う。より具体的には、主副印刷データ割り付け決定手段4は、副印刷データ1セット内の静止画の枚数を調べる。そして、主副印刷データ割り付け決定手段4は、ステップS102で算出した印刷枚数とステップS104で得た静止画の枚数とを比較する(ステップS105)。このとき、主印刷データの印刷枚数の方が副印刷データに含まれる静止画の枚数よりも少ない場合、主副印刷データ割り付け決定手段4は、割り付けができない静止画があるので、副印刷データの交換を行う。副印刷データの交換は、主副印刷データ割り付け決定手段4が、取得した広告データを破棄し、ステップS103によって広告サーバから広告データが再度取得されることで行われる。
なお、副印刷データには動画広告データがあるが、広告サーバ側で複数の静止画に変換したものをセットとして取得してもよいし、動画の状態で取得しておいてステップS102の処理で算出された主印刷データの印刷枚数に合わせて複数の静止画に変換してもよい。このとき、動画の状態で取得した方が、サンプリングの間隔を調整する等の処理によって動画データから主印刷データの印刷枚数以内の静止画を作り出すことができるので、再度広告データの交換をしなくてもよくなるという利点がある。
このように、ステップS103〜S105の処理が繰り返えされ、ステップS106では、主副印刷データ割り付け決定手段4は、主印刷データを印刷する各用紙媒体に対して、副印刷データのセットから定められた順序で静止画を1枚ずつ割り当てる。副印刷データの印刷の順序は、セット毎に定められており、例えば、シリーズ広告データである場合は広告の展開の順序、集合広告データである場合は任意の順序、動画広告データである場合サンプリングの順序になる。
【0018】
主副印刷データ描画手段5は、各用紙媒体に割り当てられた主印刷データ及び副印刷データを各ページ上の然るべき位置へレイアウト後、描画して印刷イメージに変換する(ステップS107)。このとき、主副印刷データ描画手段5は、割り当てられた副印刷データの各静止画が連続する複数の用紙媒体に渡って同じサイズと位置とに印刷されるように主印刷データと混在させてレイアウトする。このように、副印刷データの印刷サイズと位置とを複数の用紙媒体に渡って維持することで、これらの関連性を示すことができるので、1ページ内に1セット内の全静止画を印刷せずに各用紙媒体に分散してセット内の静止画を印刷することができる。
したがって、各用紙媒体における副印刷データの印刷領域を制限するのであれば、各静止画のサイズを印刷領域一杯に使用することが可能になり、各静止画のサイズを維持するのであれば、各用紙媒体における副印刷データの印刷領域を最小にすることができる。また、逆に言えば、異なるセットを連続して印刷する場合には、そのサイズや位置を変えてやることで前後の関連性を断ち切ることができる。
なお、複数の用紙媒体に渡るデータの関連性の維持方法としてサイズと位置との維持を例に挙げたが、他にもセット毎に連番や同色の枠等の修飾をする等の様々な方法が考えられる。また、主印刷データの印刷枚数を算出するために副印刷データを用紙媒体内に仮レイアウトすると前述した。しかしながら、主印刷データの本レイアウトのみを先行して行うことで正確な印刷枚数の算出を行い、その際のレイアウト結果を保存しておいて本ステップでは主副印刷データの描画のみを行うようにしてもよい。描画された印刷イメージは、主副印刷データ表示手段12によりプレビュー表示される際の入力データ、或いは主副印刷データ印刷手段13により印刷される際の入力データとなる。
【0019】
図6に、印刷モード設定手段6により袋綴じ印刷が指定された場合の主印刷データ及び副印刷データの割り当てと印刷の結果の例を示す。60、63、66、69、72は、この順で利用者に読まれる印刷物の用紙媒体、61、64、67、70、73は、主印刷データの印刷領域を表す。なお、この場合は、袋綴じ印刷が指定されているので、1枚の用紙媒体中に2ページ分の主印刷データが印刷される。62、65、68、71は、副印刷データ30、31、32、33をこの順で印刷するための印刷領域である。印刷領域62、65、68、71は、4枚分の用紙媒体60、63、66、69に渡り同じサイズと位置とを維持し、副印刷データ30、31、32、33の順序と関連性を表現する。この例では、副印刷データであるシリーズ広告データが4枚の画像からなるセットであるのに対し、主印刷データが10ページ以上(用紙媒体で5枚)の印刷物である。よって、最初の4枚の用紙媒体の一部を副印刷データの印刷領域として確保するようにレイアウトされる。
【0020】
主副印刷データ割り付け決定手段4は、副印刷データの印刷サイズに関しては、取得した副印刷データの静止画のサイズを使用するか、予め広告印刷する場合のレイアウトを決めておいてここに副印刷データを拡大縮小して当てはめる。主副印刷データ割り付け決定手段4は、副印刷データの印刷位置に関しては、主印刷データを邪魔しないという点でページ周辺が望ましい。特に動画広告データの印刷では、ページ周辺に印刷しておくと印刷物のページをパラパラと捲って動画のようにして見ることも可能となる。
なお、図6では、袋綴じ印刷(用紙媒体1枚に対して2ページを印刷)の場合の例を示したが、N面印刷(N=2,4,8・・・)の場合もレイアウト処理は同様である。
以上、本実施形態によれば、複数の静止画の集合からなる副印刷データを、袋綴じ又はN面印刷が指定された場合にも、複数の用紙媒体に渡って主印刷データとともに順に関連性を保って印刷することができる。よって、新しい形態の広告のようなアニメーション、動画、シリーズである副印刷データを主印刷データとともに適切にレイアウトして印刷することが可能になる。また、この例のように広告システムへ適用した場合では、袋綴じ印刷やN面印刷が指定されている場合でも、複数の用紙媒体に渡る広告によってより広告が利用者の目に触れる機会が増える。よって、広告主にとって広告費の費用対効果を大きくすることが期待できる。
【0021】
<第2の実施形態>
本実施形態に係る印刷データレイアウト装置1の構成は、基本的に、第1の実施形態に示したものと同じである。本実施形態では、印刷モード設定手段6により両面印刷が指定された場合について説明する。
一般的に、両面印刷を行う場合には、奇数ページと偶数ページとでは綴じ方向に対して左右の余白又は上下余白が線対称になる。更に両面印刷で印刷されたデータは、綴じ方向に一致する方向で綴じて読まれる場合が多く、副印刷データの配置位置は、綴じ方向に対して線対称な位置に取ることが、視認性の点から望ましい。このように構成した場合の処理について以下で説明する。
【0022】
図7は、本実施形態に係る印刷データレイアウト装置1でのレイアウト処理に係るフローチャートを示す図である。また、図8は、両面印刷の場合のレイアウト処理の結果を示す図である。以下、図3、図7、及び図8を参照して、レイアウト処理を説明する。
レイアウト処理では、まず、印刷モード設定手段6は、印刷モード(この例では、両面印刷の有無)を取得する(ステップS200)。このとき、両面印刷が指定されていたものとする。
次に、主印刷データ取得手段2は、主印刷データの取得を行う(ステップS201)。主印刷データの取得処理は、第1の実施形態と同様に行われる。続いて、主副印刷データ割り付け決定手段4は、得られた主印刷データを解析し、主印刷データの印刷枚数を算出する(ステップS202)。主印刷データの印刷枚数は、予め定めたサイズの副印刷データをページ内に仮レイアウトした状態で算出される。ここで、両面印刷が指定されているので、奇数ページと偶数ページとでは、綴じ位置を基準に線対称な位置に主印刷データがレイアウトされる。よって、主副印刷データ割り付け決定手段4は、仮レイアウトの結果に基づいて、主印刷データの印刷枚数を求める。
主印刷データの解析が終了すると、副印刷データ取得手段3は、副印刷データの取得、つまり広告データの取得を行う(ステップS203)。副印刷データの取得処理は、第1の実施形態と同様に実行される。
【0023】
副印刷データの取得が終了すると、主副印刷データ割り付け決定手段4は、ステップS204,S205,S206の処理を実行する。ステップS204では、主副印刷データ割り付け決定手段4は、取得した副印刷データの解析を行う。より具体的には、主副印刷データ割り付け決定手段4は、副印刷データ1セット内の静止画の枚数を調べる。そして、主副印刷データ割り付け決定手段4は、ステップS202で算出した印刷枚数とステップS204で得た静止画の枚数とを比較する(ステップS205)。このとき、主印刷データの印刷枚数の方が副印刷データに含まれる静止画の枚数よりも少ない場合、主副印刷データ割り付け決定手段4は、割り付けができない静止画があるので、副印刷データの交換を行う。印刷データの交換は、主副印刷データ割り付け決定手段4が、取得した広告データを破棄し、ステップS203によって広告サーバから広告データが再度取得されることで行われる。
なお、副印刷データには動画広告があるが、広告サーバ側で複数の静止画に変換したものをセットとして取得してもよい。また、動画の状態で取得しておいてステップS202の処理で算出された主印刷データの印刷枚数に合わせて複数の静止画に変換してもよい。このとき、動画の状態で取得した方が、サンプリングの間隔を調整する等の処理によって動画データから主印刷データの印刷枚数以内の静止画を作り出すことができるので、再度広告データの交換をしなくてもよくなるという利点がある。
【0024】
このように、ステップS203〜S205の処理が繰り返えされ、ステップS206では、主副印刷データ割り付け決定手段4は、主印刷データを印刷する各ページに対して、副印刷データのセットから定められた順序で静止画を1枚ずつ割り当てる。副印刷データの印刷の順序は、セット毎に定められており、例えば、シリーズ広告データである場合は広告の展開の順序、集合広告データである場合は任意の順序、動画広告データである場合はサンプリングの順序になる。
主副印刷データ描画手段5は、各ページに割り当てられた主印刷データ及び副印刷データを各ページ上の然るべき位置へレイアウト後、描画して印刷イメージに変換する(ステップS207)。このとき、主副印刷データ描画手段5は、副印刷データの各静止画が連続する複数ページに渡って、奇数ページと偶数ページとでは綴じ方向に対して線対称な位置で、かつ全ページに対して同じサイズで印刷されるように主印刷データと混在させてレイアウトする。このように、副印刷データの印刷サイズと位置とを複数ページに渡って維持することで、これらの関連性を示すことができるので、1ページ内に1セット内の全静止画を印刷せずに各ページに分散してセット内の静止画を印刷することができる。
【0025】
図8に、印刷モード設定手段6により両面印刷が指定された場合の主副印刷データ及び副印刷データの割り当てと印刷の結果との例を示す。図8において、80、83、86、89、92、94は、この順で利用者に読まれる印刷物のページ、81、84、87、90、93、95は、主印刷データの印刷領域を表す。なお、この場合は、両面印刷が指定されているので、1枚の用紙媒体の裏表に2ページ分の主印刷データが印刷される。82、85、88、91は、副印刷データ30、31、32、33をこの順で印刷するための印刷領域である。印刷領域82、85、88、91は、4枚分のページ80、83、86、89に渡り同じサイズを維持し、かつ奇数ページと偶数ページとでは綴じ位置を基準にして線対象な位置に配置され、副印刷データ30、31、32、33の順序と関連性を表現する。
この例では、副印刷データであるシリーズ広告データが4枚の画像からなるセットであるのに対し、主印刷データが6ページ以上の印刷物であるので、最初の4ページの一部を副印刷データの印刷領域として確保するようにレイアウトされる。副印刷データの印刷サイズに関しては、取得した副印刷データの静止画のサイズを使用するか、予め広告印刷する場合のレイアウトを決めておいてここへ副印刷データを拡大縮小して当てはめる。副印刷データの印刷位置に関しては、主印刷データを邪魔しないという点でページ周辺が望ましい。特に動画広告データの印刷では、ページ周辺に印刷しておくと印刷物のページをパラパラと捲って動画のようにして見ることも可能となる。
また、図9に示すように、例えば、奇数ページ及び偶数ページ(表面及び裏面)の少なくとも一方にそれぞれ連続した余白を作り出して、副印刷データを割り付けてもよい。また、例えば、表面の副印刷データの印刷領域と裏面の副印刷データの印刷領域との夫々に、異なるセットの副印刷データを割り付けてもよい。
以上、本実施形態によれば、複数の静止画の集合からなる副印刷データを、両面印刷が指定された場合にも、複数ページに渡って主印刷データとともに順に関連性を保って印刷することができる。
【0026】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0027】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 印刷データレイアウト装置、2 主印刷データ取得手段、3 副印刷データ取得手段、4 主副印刷データ割り付け決定手段、5 主副印刷データ描画手段、6 印刷モード設定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主印刷データと副印刷データとをページ内に混在して印刷するための印刷データレイアウト装置であって、
複数ページに渡り印刷される主印刷データを取得する手段と、
複数の画像から構成される副印刷データを取得する手段と、
前記主印刷データを1枚の用紙媒体に対して印刷する指定を行う指定手段と、
前記副印刷データを構成する各画像を前記主印刷データが印刷される各用紙媒体へ順に割り付ける手段と、
各用紙媒体に割り付けた前記副印刷データを構成する各画像の関連性を保つようにレイアウトする手段と、
を備えることを特徴とする印刷データレイアウト装置。
【請求項2】
前記割り付ける手段は、前記主印刷データに対して袋綴じ印刷が指定された場合に、2ページずつが印刷される用紙媒体に渡る連続した余白を作り出すことを特徴とする請求項1記載の印刷データレイアウト装置。
【請求項3】
前記割り付ける手段は、前記主印刷データに対してN面印刷が指定された場合に、Nページずつが印刷される用紙媒体に渡る連続した余白を作り出すことを特徴とする請求項1記載の印刷データレイアウト装置。
【請求項4】
前記割り付ける手段は、前記主印刷データに対して両面印刷が指定されていた場合に、奇数ページと偶数ページとで対称な位置になるような連続した余白を作り出し、
前記レイアウトする手段は、前記副印刷データを構成する各画像を各ページに割り付けることを特徴とする請求項1記載の印刷データレイアウト装置。
【請求項5】
前記割り付ける手段は、前記主印刷データに対して両面印刷が指定されていた場合に、奇数ページ及び偶数ページの少なくとも一方にそれぞれ連続した余白を作り出し、
前記レイアウトする手段は、奇数ページ又は偶数ページのそれぞれに副印刷データを割り付けることを特徴とする請求項1記載の印刷データレイアウト装置。
【請求項6】
主印刷データと副印刷データとをページ内に混在して印刷するための印刷データレイアウト装置が実行する印刷データレイアウト方法であって、
複数ページに渡り印刷される主印刷データを取得する工程と、
複数の画像から構成される副印刷データを取得する工程と、
前記主印刷データを1枚の用紙媒体に対して印刷する指定を行う指定工程と、
前記副印刷データを構成する各画像を前記主印刷データが印刷される各用紙媒体へ順に割り付ける工程と、
各用紙媒体に割り付けた前記副印刷データを構成する各画像の関連性を保つようにレイアウトする工程と、
を備えることを特徴とする印刷データレイアウト方法。
【請求項7】
請求項6記載の印刷データレイアウト方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−116013(P2011−116013A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274884(P2009−274884)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】