印刷データ受信装置、画像処理装置及びプログラム
【課題】印刷データを送信する装置の機能に変更を加えることなく、送信された印刷データに基づく印刷が開始されるまでの時間を短縮する。
【解決手段】画像形成装置30にて、送信部42が、文書ファイル内のファイル構成情報をオフセット及びサイズを指定してサーバに要求し、受信部43が、ファイル構成情報を受信し、ファイル構成情報解析部46が、ファイル構成情報を解析して文書ファイル内のオブジェクトのオフセット及びサイズを取得し、ページ処理順序決定部48が、印刷設定に基づいてページ処理順序を決定し、ダウンロード順序決定部49が、ページ処理順序に基づいてオブジェクトのダウンロード順序を決定し、送信部42が、オブジェクトをオフセット及びサイズを指定してダウンロード順序に従って繰り返しサーバに要求し、受信部43が、ダウンロード順序に従ってオブジェクトを繰り返し受信する。
【解決手段】画像形成装置30にて、送信部42が、文書ファイル内のファイル構成情報をオフセット及びサイズを指定してサーバに要求し、受信部43が、ファイル構成情報を受信し、ファイル構成情報解析部46が、ファイル構成情報を解析して文書ファイル内のオブジェクトのオフセット及びサイズを取得し、ページ処理順序決定部48が、印刷設定に基づいてページ処理順序を決定し、ダウンロード順序決定部49が、ページ処理順序に基づいてオブジェクトのダウンロード順序を決定し、送信部42が、オブジェクトをオフセット及びサイズを指定してダウンロード順序に従って繰り返しサーバに要求し、受信部43が、ダウンロード順序に従ってオブジェクトを繰り返し受信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データ受信装置、画像処理装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
PCが、PDFファイルなどの文書ファイルをプリントデータに変換せずにプリンタに送信する場合に、印刷すべき文書ファイルからその文書ファイルの解析開始時にアクセスすべき情報を抽出して、プリンタに送信し、その文書ファイルのうちの所定のデータを、プリンタから要求されるたびに抽出して、プリンタに送信する技術は知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
PCが、印刷すべきPDFファイルからクロスリファレンステーブルおよびトレーラを抽出し、印刷装置に対して、抽出されたクロスリファレンステーブルおよびトレーラを先に送信し、その後にPDFファイルのボディを送信し、印刷装置が、PCから、クロスリファレンステーブルおよびトレーラを受信し、その後にボディを受信し、受信されたクロスリファレンステーブルおよびトレーラを使用することにより、ボディの受信の完了を待たずに、PDFファイルの印刷処理を開始する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
画像形成装置であらかじめXPSのFixedPage単位で分割し、画像形成装置のメモリの余裕状況と分割されたXPSファイルのサイズから、画像形成装置で処理可能なサイズをPCまたは画像形成装置において判断して、その判断に基づいて分割されたファイルを結合または連続してPCから画像形成装置に送信する技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−171204号公報
【特許文献2】特開2007−257592号公報
【特許文献3】特開2008−305267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、印刷データを送信する装置の機能に変更を加えることなく、送信された印刷データに基づく印刷が開始されるまでの時間を短縮することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、複数の要素がその処理順序とは関係ない順序で配置された配置データと、当該複数の要素がそれぞれ配置された複数の位置を管理する管理データとを含む印刷データを送信する印刷データ送信装置に対し、当該管理データの位置及び大きさを指定して、当該管理データの送信を要求する第1の要求手段と、前記第1の要求手段による要求に応じて送信された前記管理データを受信する第1の受信手段と、前記複数の要素の取得順序を特定する特定手段と、前記印刷データ送信装置に対し、前記第1の受信手段により受信された前記管理データに基づいて決定される前記複数の要素の位置及び大きさを、前記特定手段により特定された前記取得順序で順次指定して、当該複数の要素の送信を要求する第2の要求手段と、前記第2の要求手段による要求に応じて順次送信された前記複数の要素を順次受信する第2の受信手段とを備えたことを特徴とする印刷データ受信装置である。
請求項2に記載の発明は、前記特定手段は、前記複数の要素のうちの取得対象となる少なくとも1つの要素を特定し、前記第2の要求手段は、前記印刷データ送信装置に対し、前記第1の受信手段により受信された前記管理データに基づいて決定される前記少なくとも1つの要素の位置及び大きさを順次指定して、当該少なくとも1つの要素の送信を要求し、前記第2の受信手段は、前記第2の要求手段による要求に応じて順次送信された前記少なくとも1つの要素を順次受信することを特徴とする請求項1に記載の印刷データ受信装置である。
請求項3に記載の発明は、前記配置データに対して設定された複数の論理的単位の処理順序を受け付ける受付手段と、前記印刷データ送信装置に対し、前記複数の論理的単位と前記複数の要素との対応情報の位置及び大きさを指定して、当該対応情報の送信を要求する第3の要求手段と、前記第3の要求手段による要求に応じて送信された前記対応情報を受信する第3の受信手段とを更に備え、前記特定手段は、前記受付手段にて受け付けた前記複数の論理的単位の処理順序と、前記第3の受信手段により受信された前記対応情報とに基づいて、前記取得順序を特定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷データ受信装置である。
請求項4に記載の発明は、前記配置データに対して設定された複数の論理的単位の印刷の要否を受け付ける受付手段と、前記印刷データ送信装置に対し、前記複数の論理的単位と前記複数の要素との対応情報の位置及び大きさを指定して、当該対応情報の送信を要求する第3の要求手段と、前記第3の要求手段による要求に応じて送信された前記対応情報を受信する第3の受信手段とを更に備え、前記特定手段は、前記受付手段にて受け付けた前記複数の論理的単位の印刷の要否と、前記第3の受信手段により受信された前記対応情報とに基づいて、前記少なくとも1つの要素を特定することを特徴とする請求項2に記載の印刷データ受信装置である。
請求項5に記載の発明は、前記第1の要求手段は、予め定められた位置及び大きさを指定して、前記管理データの送信を要求し、前記第1の受信手段により当該管理データが完全な形で受信されなかった場合に、当該予め定められた位置及び大きさの少なくとも何れか一方を変更した後の位置及び大きさを指定して、当該管理データの送信を再度要求することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の印刷データ受信装置である。
請求項6に記載の発明は、前記第1の受信手段により受信された前記管理データと、前記第2の受信手段により受信された前記複数の要素とを記憶する第1の記憶手段と、前記印刷データにおける前記管理データの位置を示す第1の位置情報を当該管理データに関連付けて記憶し、前記印刷データにおける前記複数の要素の位置をそれぞれ示す複数の第2の位置情報を当該複数の要素のそれぞれに関連付けて記憶する第2の記憶手段とを更に備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の印刷データ受信装置である。
請求項7に記載の発明は、前記第2の記憶手段に記憶された前記第1の位置情報に基づいて、前記印刷データにおける前記管理データの位置に対応する前記第1の記憶手段における位置に当該管理データを書き込み、前記第2の記憶手段に記憶された前記複数の第2の位置情報に基づいて、前記印刷データにおける前記複数の要素の位置にそれぞれ対応する前記第1の記憶手段における複数の位置に、当該複数の要素をそれぞれ書き込む書き込み手段を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の印刷データ受信装置である。
請求項8に記載の発明は、複数の要素がその処理順序とは関係ない順序で配置された配置データと、当該複数の要素がそれぞれ配置された複数の位置を管理する管理データとを含む印刷データを送信する印刷データ送信装置に対し、当該管理データの位置及び大きさを指定して、当該管理データの送信を要求する第1の要求手段と、前記第1の要求手段による要求に応じて送信された前記管理データを受信する第1の受信手段と、前記複数の要素の取得順序を特定する特定手段と、前記印刷データ送信装置に対し、前記第1の受信手段により受信された前記管理データに基づいて決定される前記複数の要素の位置及び大きさを、前記特定手段により特定された前記取得順序で順次指定して、当該複数の要素の送信を要求する第2の要求手段と、前記第2の要求手段による要求に応じて順次送信された前記複数の要素を順次受信する第2の受信手段と、前記第1の受信手段により受信された前記管理データを、前記印刷データにおける当該管理データの位置に対応する位置に記憶し、前記第2の受信手段により受信された前記複数の要素のそれぞれを、前記印刷データにおける当該複数の要素の位置にそれぞれ対応する複数の位置に記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記管理データにより管理される前記複数の位置にそれぞれ記憶された前記複数の要素を画像化する画像化手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置である。
請求項9に記載の発明は、コンピュータに、複数の要素がその処理順序とは関係ない順序で配置された配置データと、当該複数の要素がそれぞれ配置された複数の位置を管理する管理データとを含む印刷データを送信する印刷データ送信装置に対し、当該管理データの位置及び大きさを指定して、当該管理データの送信を要求する第1の要求機能と、前記第1の要求機能での要求に応じて送信された前記管理データを受信する第1の受信機能と、前記複数の要素の取得順序を特定する特定機能と、前記印刷データ送信装置に対し、前記第1の受信機能で受信された前記管理データに基づいて決定される前記複数の要素の位置及び大きさを、前記特定機能で特定された前記取得順序で順次指定して、当該複数の要素の送信を要求する第2の要求機能と、前記第2の要求機能での要求に応じて順次送信された前記複数の要素を順次受信する第2の受信機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、印刷データを送信する装置の機能に変更を加えることなく、本構成を有していない場合に比較して、送信された印刷データに基づく印刷が開始されるまでの時間を短縮することができる。
請求項2の発明によれば、印刷データを送信する装置の機能に変更を加えることなく、本構成を有していない場合に比較して、送信される印刷データの容量を削減することができる。
請求項3の発明によれば、印刷データに設定された複数の論理的単位の処理順序を考慮しつつ、本構成を有していない場合に比較して、送信された印刷データに基づく印刷が開始されるまでの時間を短縮することができる。
請求項4の発明によれば、印刷データに設定された複数の論理的単位の印刷の要否を考慮しつつ、本構成を有していない場合に比較して、送信される印刷データの容量を削減することができる。
請求項5の発明によれば、印刷データ内の要素の位置を管理する管理データを、管理データの位置及び大きさの少なくとも何れか一方が不明であっても受信することができる。
請求項6の発明によれば、印刷データ内の管理データ及び要素に対する処理を本来の処理順序で実行させることができる。
請求項7の発明によれば、印刷データ内の管理データ及び要素に対する処理を、その処理に変更を加えなくても、本来の処理順序で実行させることができる。
請求項8の発明によれば、印刷データを送信する装置の機能に変更を加えることなく、本構成を有していない場合に比較して、送信された印刷データに基づく印刷が開始されるまでの時間を短縮することができる。
請求項9の発明によれば、印刷データを送信する装置の機能に変更を加えることなく、本構成を有していない場合に比較して、送信された印刷データに基づく印刷が開始されるまでの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態が適用されるクラウドプリントシステムの構成例を示した図である。
【図2】本発明の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成例を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるPDFファイルの分割ダウンロードについて模式的に示した図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるPDFファイルの分割ダウンロードで得られたデータの処理方法について模式的に示した図である。
【図5】本発明の実施の形態において画像形成装置がファイル構成情報を取得するときの処理の流れを示した図である。
【図6】本発明の実施の形態において画像形成装置がファイル構成情報を取得するときの処理の流れの説明で用いるPDFファイルの構造を示した図である。
【図7】本発明の実施の形態において画像形成装置がファイル構成情報を取得するときの処理の流れの説明で用いるPDFファイルの構造を示した図である。
【図8】本発明の実施の形態において画像形成装置がオブジェクトを取得するときの処理の流れを示した図である。
【図9】本発明の実施の形態における画像形成装置の機能構成例を示したブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態における画像形成装置の動作例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用されるクラウドプリントシステムの全体構成例を示したものである。
図示するように、このクラウドプリントシステムは、クライアント端末10と、画像形成装置30a,30b,30cと、クラウドプリントサーバ50とが、ネットワーク90に接続されている。
尚、図では、画像形成装置30a,30b,30cを示したが、これらを区別する必要がない場合は、画像形成装置30と称する。また、図には、3つの画像形成装置30しか示していないが、4つ以上の画像形成装置30を設けてもよい。
【0011】
クライアント端末10は、クラウドプリントサーバ50に格納されている電子文書ファイル(以下、単に「文書ファイル」という)をユーザの操作に応じて選択し、画像形成装置30で文書ファイルの印刷をクラウドプリントサーバ50に指示するコンピュータ装置である。ここで、クライアント端末10としては、PC(Personal Computer)、携帯端末、携帯電話等を用いるとよい。
【0012】
画像形成装置30は、紙等の記録媒体に画像を形成し、印刷媒体として出力する装置である。ここで、画像形成装置30としては、プリンタ機能のみを備えた装置を用いてもよいし、これに加えてスキャナ機能、ファクシミリ機能等の他の画像処理機能を備えた装置を用いてもよい。本実施の形態では、印刷データ受信装置、画像処理装置の一例として、画像形成装置30を設けている。
【0013】
クラウドプリントサーバ50は、クライアント端末10として様々なデバイスを用い、自宅、オフィス、公共の場所等に設置された画像形成装置30で文書ファイルを印刷できるようにするサービス(クラウドプリントサービス)を提供するサーバコンピュータである。具体的には、画像形成装置30での文書ファイルの印刷を指示する印刷指示情報の生成がクライアント端末10から要求されると、印刷指示情報を生成し、これを画像形成装置30に送信することで印刷指示を行う。本実施の形態では、印刷データ送信装置の一例として、クラウドプリントサーバ50を設けている。
【0014】
ネットワーク90は、クライアント端末10とクラウドプリントサーバ50との間、及び、画像形成装置30とクラウドプリントサーバ50との間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、インターネットである。
【0015】
図2は、画像形成装置30のハードウェア構成例を示した図である。
図示するように、画像形成装置30は、CPU31と、RAM(Random Access Memory)32と、ROM(Read Only Memory)33と、HDD34と、操作パネル35と、画像読取部36と、画像形成部37と、通信I/F38とを備える。
【0016】
CPU31は、ROM33等に記憶された各種プログラムをRAM32にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。
RAM32は、CPU31の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
ROM33は、CPU31が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
HDD34は、画像読取部36が読み取った画像データや画像形成部37における画像形成にて用いる画像データ等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
操作パネル35は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う例えばタッチパネルである。
【0017】
画像読取部36は、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る。ここで、画像読取部36は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
【0018】
画像形成部37は、記録媒体に画像を形成する。ここで、画像形成部37は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
通信I/F38は、ネットワークを介して他の装置との間で各種情報の送受信を行う。
【0019】
ところで、図1のクラウドプリントシステムにおいて、クライアント端末10が画像形成装置30での印刷を指示した文書ファイルは、オリジナル文書と同じ体裁を異なる環境でも再現可能な形式の文書ファイルに変換されて格納されることが多い。
しかしながら、このような形式の文書ファイルの中には、例えばPDF(Portable Document Format)形式のファイル(以下、「PDFファイル」という)のように、先頭から逐次解析処理を行えないものもある。一般に、この先頭から逐次解析処理を行えない文書ファイルを画像形成装置30で印刷するには、画像形成装置30内のメモリに一旦文書ファイル全体を蓄積してからその解析処理を開始する。そうなると、先頭から逐次解析可能な、例えばPDL(Page Description Language)で記述されたデータを印刷する場合と比べて、ファイル転送に要する時間だけ、プリントスループットが低下してしまう。
また、先頭から逐次解析処理を行えない文書ファイルは、PDFファイルもそうであるように、その性質上、様々な用途で利用される印刷に不要なデータを含むことがある。この印刷に不要なデータを含む文書ファイルを画像形成装置30で印刷すると、ファイル転送に要する時間が長くなる、ファイルを蓄積するメモリが不足する等の不都合が生じることがある。
【0020】
そこで、本実施の形態では、先頭から逐次解析処理を行えず、印刷に不要なデータを含む文書ファイルを画像形成装置30で印刷する際に、文書ファイルを分割したデータのうち印刷に必要なデータのみを使用される順にクラウドプリントサーバ50からダウンロードする分割ダウンロードを行う。また、クラウドプリントサーバ50は画像形成装置30にとって外部のサーバであり、分割ダウンロードの機能を追加することが難しいので、このような分割ダウンロードを、画像形成装置30がクラウドプリントサーバ50に対し、分割したデータの位置及び大きさを指定して要求することにより行う。
【0021】
まず、本実施の形態の概略動作について説明する。尚、ここでは、先頭から逐次解析処理を行えない文書ファイル、印刷に不要なデータを含む文書ファイルとして、PDFファイルを例にとる。
図3は、画像形成装置30が、PDFファイルを分割したデータを、使用される順序でクラウドプリントサーバ50からダウンロードするときの様子を示した図である。
図示するように、クラウドプリントサーバ50には、PDFファイルが格納されている。
PDFファイルは、ヘッダ510と、ボディ520と、クロスリファレンステーブル530と、トレーラ540とからなり、ボディ520は、オブジェクトA,B,Cを含む。尚、PDFファイルは、印刷データの一例であり、オブジェクトA,B,Cは、要素の一例である。また、ボディ520は、複数の要素がその処理順序とは関係ない順序で配置された配置データの一例であり、クロスリファレンステーブル530は、複数の要素がそれぞれ配置された複数の位置を管理する管理データの一例である。
このPDFファイルを処理する場合、ヘッダ510、トレーラ540、クロスリファレンステーブル530の順にアクセスされる。そして、クロスリファレンステーブル530は、PDFファイル内のどの位置にどのオブジェクトが存在するかを管理しているので、クロスリファレンステーブル530を参照することにより、ボディ520内のオブジェクトに、使用される順序でアクセスすることが可能となっている。
【0022】
従って、PDFファイルを分割したデータをダウンロードするときの動作も、以下の通りである。
まず、画像形成装置30は、ヘッダ510のダウンロードをクラウドプリントサーバ50に要求し、クラウドプリントサーバ50からヘッダ510を取得する(D1)。
次に、画像形成装置30は、クロスリファレンステーブル530とトレーラ540とからなるデータのダウンロードをクラウドプリントサーバ50に要求し、クラウドプリントサーバ50からこのデータを取得する(D2)。
【0023】
ここで、画像形成装置30が、D2で取得したクロスリファレンステーブル530を解析することにより、ボディ520内のオブジェクトのうち、オブジェクトA及びオブジェクトCが印刷対象であり、オブジェクトC、オブジェクトAの順に使用されることを認識したものとする。
すると、画像形成装置30は、まず、オブジェクトCのダウンロードをクラウドプリントサーバ50に要求し、クラウドプリントサーバ50からオブジェクトCを取得する(D3)。そして、次に、オブジェクトAのダウンロードをクラウドプリントサーバ50に要求し、クラウドプリントサーバ50からオブジェクトAを取得する(D4)。
【0024】
尚、ここでは、ボディ520内のオブジェクトのうち、オブジェクトBは、印刷対象のオブジェクトと認識されなかったので、画像形成装置30は、オブジェクトBのダウンロードをクラウドプリントサーバ50に要求しておらず、クラウドプリントサーバ50からオブジェクトBを取得していない。
また、図には、PDFファイルを分割したデータとそのデータの元のPDFファイルでの位置とを対応付けた位置情報テーブル301も示している。
【0025】
図4は、画像形成装置30が、クラウドプリントサーバ50からダウンロードしたデータを、イメージを生成するために記憶するときの様子を示した図である。
まず、画像形成装置30は、クラウドプリントサーバ50からダウンロードしたヘッダ510を、元のPDFファイル内のヘッダ510の位置に対応する仮想ファイル302内の位置に書き込む(E1)。
次に、画像形成装置30は、クラウドプリントサーバ50からダウンロードしたクロスリファレンステーブル530とトレーラ540とからなるデータを、元のPDFファイル内のこのデータの位置に対応する仮想ファイル302内の位置に書き込む(E2)。
【0026】
次いで、画像形成装置30は、クラウドプリントサーバ50からダウンロードしたオブジェクトCを、元のPDFファイル内のオブジェクトCの位置に対応する仮想ファイル302内の位置に書き込む(E3)。そして、クラウドプリントサーバ50からダウンロードしたオブジェクトAを、元のPDFファイル内のオブジェクトAの位置に対応する仮想ファイル302内の位置に書き込む(E4)。
【0027】
尚、このような仮想ファイル302への各データの書き込みは、位置情報テーブル301を参照して行われる。即ち、画像形成装置30は、位置情報テーブル301を参照することにより、クラウドプリントサーバ50からダウンロードした各データの元のPDFファイル内の位置を特定する。そして、特定された位置に対応する仮想ファイル302内の位置に各データを書き込む。
【0028】
また、図には、画像形成装置30の機能の1つとして、画像化手段の一例としてのイメージ生成部303も示している。イメージ生成部303は、RIP(Raster Image Processor)、デコンポーザ等とも呼ばれ、PDLで記述されたデータ又はPDFファイルを1ページごとにラスタ画像に変換する機能部である。
【0029】
PDFファイルを分割したデータが使用される順にダウンロードされるので、イメージ生成部303は、全てのデータのダウンロードが完了する前に、イメージを生成する処理を開始する。
また、仮想ファイル302には、ダウンロードされたデータが元のPDFファイルと同じように配置されているので、イメージ生成部303は、通常通り、ヘッダ510、トレーラ540、クロスリファレンステーブル530の順にアクセスし、クロスリファレンステーブル530を解析することにより、ボディ520内の各オブジェクトに順にアクセスすることができる。
尚、仮想ファイル302へのデータの書き込みが、イメージ生成部303の処理に間に合わない場合は、イメージ生成部303の処理を待たせるとよい。
【0030】
次に、本実施の形態における画像形成装置30からクラウドプリントサーバ50へのダウンロード要求及びクラウドプリントサーバ50から画像形成装置30へのダウンロードを中心とした処理の流れについて説明する。尚、ここでも、先頭から逐次解析処理を行えない文書ファイル、印刷に不要なデータを含む文書ファイルとして、PDFファイルを例にとる。
【0031】
図5は、画像形成装置30が印刷要求を受けてからファイル構成情報を取得するまでの処理の流れを示した図である。尚、ファイル構成情報とは、PDFファイルの場合、ヘッダ510、クロスリファレンステーブル530、トレーラ540の部分に相当する。
【0032】
まず、画像形成装置30は、ユーザによる印刷要求を受け付ける(S1)。ここで、印刷要求は、印刷に関する設定である印刷設定を伴う。この例では、9ページ目から10ページ目までを印刷するという印刷範囲の指定を印刷設定としている。
すると、画像形成装置30は、クラウドプリントサーバ50に対して、ファイルのサイズ、種類等のファイルに関する情報(以下、「ファイル情報」という)を要求する(S2)。
これにより、クラウドプリントサーバ50から画像形成装置30に対して、種類「PDF」、サイズ「xxバイト」等のファイル情報が送られる(S3)。
【0033】
次に、画像形成装置30は、クラウドプリントサーバ50に対して、先頭からのオフセット「0バイト」、サイズ「yyバイト」を指定して、ヘッダ510を含むファイル断片のダウンロードを要求する(S4)。PDFファイルでは、ヘッダ510のサイズは可変であるので、サイズ「yyバイト」としては、ヘッダ510が収まるであろうサイズとして予め定めたサイズを用いる。
【0034】
これにより、クラウドプリントサーバ50から画像形成装置30に対して、ヘッダ510を含むファイル断片が送られる(S5)。尚、このファイル断片にヘッダ510が収まっていない場合は、例えば、オフセット「yyバイト」、サイズ「yyバイト」を指定して、再度ファイル断片のダウンロードを要求すればよい。
【0035】
次いで、画像形成装置30は、クラウドプリントサーバ50に対して、先頭からのオフセット「(xx−zz)バイト」、サイズ「zzバイト」を指定して、クロスリファレンステーブル530及びトレーラ540を含むファイル断片のダウンロードを要求する(S6)。PDFファイルでは、クロスリファレンステーブル530及びトレーラ540のサイズは可変であるので、サイズ「zzバイト」としては、クロスリファレンステーブル530及びトレーラ540が収まるであろうサイズとして予め定めたサイズを用いる。尚、クロスリファレンステーブル530及びトレーラ540を含むファイル断片はファイルの終端から検索するため、オフセットはファイルのサイズ(xxバイト)からクロスリファレンステーブル530及びトレーラ540のサイズ(zzバイト)を減じた値となっている。
【0036】
これにより、クラウドプリントサーバ50から画像形成装置30に対して、クロスリファレンステーブル530及びトレーラ540を含むファイル断片が送られる(S7)。このファイル断片にクロスリファレンステーブル530及びトレーラ540が収まっていなければ、例えば、オフセット「(xx−zz*2)バイト」、サイズ「zzバイト」を指定して、再度ファイル断片のダウンロードを要求する。
【0037】
また、画像形成装置30は、S5及びS7でダウンロードしたファイル断片を蓄積すると共に、それらのファイル断片の元のPDFファイルにおける位置を位置情報テーブル301に蓄積する(S8)。具体的には、S5でダウンロードしたファイル断片については、そのファイル断片がヘッダ510を含むことを表す情報と、そのファイル断片の元のPDFファイルにおける先頭からのオフセットとの対応を位置情報テーブル301に蓄積する。また、S7でダウンロードしたファイル断片については、そのファイル断片がクロスリファレンステーブル530及びトレーラ540を含むことを表す情報と、そのファイル断片の元のPDFファイルにおける先頭からのオフセットとの対応を位置情報テーブル301に蓄積する。尚、図では、これらの蓄積処理をS8にまとめて示したが、S5でダウンロードしたファイル断片及びその位置をS5の直後に蓄積し、S7でダウンロードしたファイル断片及びその位置をS7の直後に蓄積するようにしてもよい。
【0038】
その後、画像形成装置30は、S1で受け付けた印刷設定と、S8で蓄積したデータ内のファイル構成情報(ヘッダ510、クロスリファレンステーブル530、トレーラ540)とを解析することにより、印刷対象オブジェクトと、印刷対象オブジェクトのダウンロード順序と、印刷対象オブジェクトの元のPDFファイルにおける位置とを判別する(S9)。
【0039】
ここで、以上の処理について、PDFファイルの具体的な記述を参照しながら、詳細に説明する。
図6は、図5のS5でダウンロードされたファイル断片に含まれるヘッダ510、及び、図5のS7でダウンロードされたファイル断片に含まれるトレーラ540の具体的な記述を示した図である。尚、クロスリファレンステーブル530については、S9の処理で用いるので、その処理の説明において詳しく述べる。
【0040】
図示するように、ヘッダ510は、記述511,512を含む。記述511は、このファイルの形式がPDFであることを示し、記述512は、PDFのバージョンが1.4であることを示す。
このヘッダ510の記述により、画像形成装置30は、S5でヘッダ510を含むファイル断片をダウンロードした際に、印刷対象の文書ファイルがPDFファイルであること、及び、PDFのバージョンが「1.4」であることを確認する。
【0041】
また、トレーラ540は、記述541〜546を含む。記述541は、以降がトレーラ540であることを示し、記述542は、PDFファイル内のオブジェクトの個数を示し、記述543は、ボディ520内のルートオブジェクト521(後述)のオブジェクトIDを示す。そして、記述544は、次の行にクロスリファレンステーブル530へのオフセット値が記述されていることを示し、記述545は、クロスリファレンステーブル530へのオフセット値を示し、記述546はPDFファイルの終端を示す。
【0042】
尚、図5のS7で、画像形成装置30は、トレーラ540に加えてクロスリファレンステーブル530も含むファイル断片をダウンロードしたが、先にトレーラ540を含むファイル断片をダウンロードし、その後、記述545で示される位置からクロスリファレンステーブル530をダウンロードするようにしてもよい。また、画像形成装置30は、このトレーラ540の記述により、ルートオブジェクト521(後述)の位置も判別する。
【0043】
図7は、図5のS9で印刷対象オブジェクト、印刷対象オブジェクトのダウンロード順序、印刷対象オブジェクトのダウンロード位置を判別する処理について説明するための図である。
【0044】
図示するように、ボディ520は、ルートオブジェクト521を含む。ここで、ルートオブジェクト521は、PDFファイルに含まれるページの数及び順序と、各ページ内のオブジェクトのオブジェクトIDのリストとを含む特別なオブジェクトである。図では、説明に関係する9ページ目及び10ページ目のみを抜き出し、これらのページについてオブジェクトIDのリストを示している。具体的には、9ページ目について、記述522は、オブジェクトID「6」のオブジェクトを示し、記述523は、オブジェクトID「128」のオブジェクトを示す。また、10ページ目について、記述524は、オブジェクトID「5」のオブジェクトを示し、記述525は、オブジェクトID「20」のオブジェクトを示し、記述526は、オブジェクトID「21」のオブジェクトを示す。
【0045】
図5に示したように印刷設定として9ページ目から10ページ目までという印刷範囲が設定されると、このルートオブジェクト521の記述により、オブジェクトID「6」のオブジェクト、オブジェクトID「128」のオブジェクト、オブジェクトID「5」のオブジェクト、オブジェクトID「20」のオブジェクト、オブジェクトID「21」のオブジェクトが、印刷対象オブジェクトとなり、このオブジェクトの順序が印刷対象オブジェクトのダウンロード順序となる。
【0046】
また、クロスリファレンステーブル530は、記述531〜537を含む。記述531は、以降がクロスリファレンステーブル530であることを示す。記述532は、オブジェクトID「5」のオブジェクトを示し、記述533は、そのオブジェクトへのオフセット値が「16」であることを示す。記述534は、オブジェクトID「6」のオブジェクトを示し、記述535は、そのオブジェクトへのオフセット値が「32」であることを示す。そして、記述536は、オブジェクトID「128」のオブジェクトを示し、記述537は、そのオブジェクトへのオフセット値が「1024」であることを示す。
【0047】
図5のS9で、画像形成装置30は、クロスリファレンステーブル530を解析し、各オブジェクトへのオフセット値に基づいて、ボディ520を任意サイズのブロックに分割し、これらのブロックにインデックスを付ける。具体的には、オブジェクトIDと、ファイル先頭からのオフセット値と、ブロックサイズとを対応付けた対応テーブルを作成する。尚、図5には示していないが、この対応テーブルも位置情報テーブル301に含めて記憶するものとする。
【0048】
その後、画像形成装置30は、先に決定したダウンロード順序に従って、ダウンロードすべきオブジェクトに対応するブロックのオフセット値及びサイズを、対応テーブルを参照して順に決定していく。
図の例では、対応テーブルにおいてオブジェクトID「6」に対応付けられたブロックのオフセット値及びサイズ、対応テーブルにおいてオブジェクトID「128」に対応付けられたブロックのオフセット値及びサイズ、対応テーブルにおいてオブジェクトID「5」に対応付けられたブロックのオフセット値及びサイズ、対応テーブルにおいてオブジェクトID「20」に対応付けられたブロックのオフセット値及びサイズ、対応テーブルにおいてオブジェクトID「21」に対応付けられたブロックのオフセット値及びサイズが、この順にダウンロード位置として使用される。
【0049】
尚、ここでは、印刷設定により決定されたページ処理順序に基づいてオブジェクトのダウンロード順序を決定したが、オブジェクトに対する処理時間等を更に考慮してオブジェクトのダウンロード順序を決定してもよい。このようなダウンロード順序の決定方法としては、例えば、イメージ生成部303(図4参照)で複数のオブジェクトに対する処理を並列に行うことが可能である場合において、印刷対象オブジェクトの中に大容量画像等の処理に時間を要するオブジェクトがあれば、そのオブジェクトをダウンロードする順番を早める方法等が考えられる。
【0050】
図8は、画像形成装置30が印刷対象オブジェクトを判別してから印刷対象オブジェクトのダウンロードを完了するまでの処理の流れを示した図である。
まず、画像形成装置30は、図5のS9で判別された印刷対象オブジェクトと、印刷対象オブジェクトのダウンロード順序と、印刷対象オブジェクトの元のPDFファイルにおける位置とを取得する(S10)。
【0051】
次に、画像形成装置30は、クラウドプリントサーバ50に対して、先頭からのオフセット「aaバイト」、サイズ「bbバイト」を指定して、9ページ目におけるオブジェクトを含むファイル断片のダウンロードを要求する(S11)。ここで、先頭からのオフセット及びサイズは、図7に関して説明した対応テーブルでそのオブジェクトのオブジェクトIDに対応付けられたオフセット値及びブロックサイズに基づいて決定するとよい。
これにより、クラウドプリントサーバ50から画像形成装置30に対して、9ページ目におけるオブジェクトを含むファイル断片が送られる(S12)。
尚、S11のダウンロード要求は、括弧内に示したように、オフセット及びサイズを変えながら、9ページ目における全てのオブジェクトについて繰り返される。これに伴い、S12のダウンロードも、9ページ目における全てのオブジェクトについて繰り返される。
【0052】
次いで、画像形成装置30は、クラウドプリントサーバ50に対して、先頭からのオフセット「ccバイト」、サイズ「ddバイト」を指定して、10ページ目におけるオブジェクトを含むファイル断片のダウンロードを要求する(S13)。ここで、先頭からのオフセット及びサイズは、図7に関して説明した対応テーブルでそのオブジェクトのオブジェクトIDに対応付けられたオフセット値及びブロックサイズに基づいて決定するとよい。
これにより、クラウドプリントサーバ50から画像形成装置30に対して、10ページ目におけるオブジェクトを含むファイル断片が送られる(S14)。
尚、S13のダウンロード要求は、括弧内に示したように、オフセット及びサイズを変えながら、10ページ目における全てのオブジェクトについて繰り返される。これに伴い、S14のダウンロードも、10ページ目における全てのオブジェクトについて繰り返される。
【0053】
そして、最後に、画像形成装置30は、9ページ目及び10ページ目における全てのオブジェクトをダウンロードしたことを確認する(S15)。
【0054】
次いで、以上のような処理を行う画像形成装置30の機能構成及び動作について詳細に説明する。尚、これまでは、先頭から逐次解析処理を行えない文書ファイル、印刷に不要なデータを含む文書ファイルとして、PDFファイルを例にとったが、ここでは、文書ファイルを具体的な形式のファイルに限定せずに説明する。
【0055】
図9は、画像形成装置30の機能構成例を示したブロック図である。
図示するように、画像形成装置30は、操作受付部40と、印刷設定記憶部41とを備える。また、送信部42と、受信部43と、ファイル情報解析部44と、ダウンロードデータ記憶部45と、ファイル構成情報解析部46と、位置情報記憶部47とを備える。更に、ページ処理順序決定部48と、ダウンロード順序決定部49とを備える。
【0056】
操作受付部40は、操作パネル35上でのユーザ操作、特に、文書ファイルの印刷を要求する印刷要求の操作を受け付ける。ここで、印刷要求は、クラウドプリントサーバ50に格納された印刷対象の文書ファイルを指定する情報(URL等)と、印刷する際の各種設定である印刷設定とを含む。また、印刷設定には、図5に示した印刷範囲(印刷するページの範囲)の他に、印刷順序(印刷するページの順序)、小冊子印刷(小冊子を作成するための印刷の指定)等がある。
印刷設定記憶部41は、操作受付部40が受け付けた印刷要求の操作で指定された印刷設定を記憶する。
【0057】
送信部42は、操作受付部40が印刷要求の操作を受け付けると、印刷対象の文書ファイルのファイル情報(種類、サイズ等)を要求する情報をクラウドプリントサーバ50に送信する。また、文書ファイルの種類が特定の種類であり、かつ、文書ファイルのサイズが閾値以上であれば、ファイル構成情報を含むファイル断片を要求する情報をクラウドプリントサーバ50に送信する。更に、ダウンロード対象オブジェクトと、ダウンロード対象オブジェクトのダウンロード順序とが決定されれば、そのダウンロード順序に従って、ダウンロード対象オブジェクトを含むファイル断片を要求する情報をクラウドプリントサーバ50に送信する。本実施の形態では、管理データの送信を要求する第1の要求手段、複数の要素又は複数の要素のうちの取得対象となる少なくとも1つの要素の送信を要求する第2の要求手段の一例として、送信部42を設けている。
【0058】
受信部43は、文書ファイルのファイル情報(種類、サイズ等)を要求する情報に応答してクラウドプリントサーバ50から送られたファイル情報(種類、サイズ等)を受信する。また、ファイル構成情報を含むファイル断片を要求する情報に応答してクラウドプリントサーバ50から送られたファイル断片を受信する。更に、ダウンロード順序に従ってダウンロード対象オブジェクトを含むファイル断片を要求する情報に応答して順にクラウドプリントサーバ50から送られたファイル断片を順次受信する。本実施の形態では、管理データを受信する第1の受信手段、複数の要素又は複数の要素のうちの取得対象となる少なくとも1つの要素を順次受信する第2の受信手段の一例として、受信部43を設けている。
【0059】
ファイル情報解析部44は、文書ファイルのファイル情報(種類、サイズ等)を受信部43から受け取り、文書ファイルの種類が特定の種類であるか、及び、文書ファイルのサイズが閾値以上であるかを判定し、その判定結果を送信部42に伝える。尚、文書ファイルの種類が特定の種類であるかは、クラウドプリントサーバ50から送られてくるMIMEタイプに基づいて判定するとよい。
【0060】
ダウンロードデータ記憶部45は、受信部43が受信したファイル構成情報を含むファイル断片及び各オブジェクトを含むファイル断片を記憶する。本実施の形態では、管理データと複数の要素とを記憶する記憶手段、第1の記憶手段の一例として、ダウンロードデータ記憶部45を設けている。
【0061】
ファイル構成情報解析部46は、ダウンロードデータ記憶部45に記憶されたファイル構成情報とそのファイル構成情報の元の文書ファイルにおける位置を示す位置情報とを対応付けた第1のテーブルを生成し、この第1のテーブルに基づいて、元の文書ファイル内のファイル構成情報の位置に対応するダウンロードデータ記憶部45内の位置にファイル構成情報を書き込む。また、ダウンロードデータ記憶部45に記憶されたファイル構成情報を解析し、文書ファイル内の各オブジェクトと各オブジェクトの元の文書ファイルにおける位置を示す位置情報とを対応付けた第2のテーブルを生成し、この第2のテーブルに基づいて、元の文書ファイル内の複数のオブジェクトの位置にそれぞれ対応するダウンロードデータ記憶部45内の複数の位置に、複数のオブジェクトをそれぞれ書き込む。本実施の形態では、印刷データにおける管理データの位置を示す第1の位置情報の一例として、第1のテーブルを用いており、印刷データにおける複数の要素の位置をそれぞれ示す複数の第2の位置情報の一例として、第2のテーブルを用いている。また、管理データと複数の要素を書き込む書き込み手段の一例として、ファイル構成情報解析部46を設けている。
【0062】
位置情報記憶部47は、ファイル構成情報解析部46により生成された第1のテーブル及び第2のテーブルからなる位置情報テーブルを記憶する。本実施の形態では、第1の位置情報と複数の第2の位置情報とを記憶する第2の記憶手段の一例として、位置情報記憶部47を設けている。
【0063】
ページ処理順序決定部48は、印刷設定記憶部41に記憶された印刷設定に基づいて、文書ファイルの印刷対象ページと、文書ファイルを印刷する際に印刷対象ページを処理する順序であるページ処理順序とを決定する。例えば、印刷設定記憶部41に記憶された印刷設定が、印刷範囲を1ページ目から3ページ目とし、印刷順序を逆順とすることを示していれば、ページ処理順序は3ページ目、2ページ目、1ページ目となる。また、印刷設定記憶部41に記憶された印刷設定が、印刷範囲を1ページ目から8ページ目とし、小冊子印刷をすることを示していれば、ページ処理順序は1ページ目、8ページ目、7ページ目、2ページ目、3ページ目、6ページ目、5ページ目、4ページ目となる。本実施の形態では、論理的単位の一例として、ページを用いており、複数の論理的単位の処理順序又は印刷の要否を受け付ける受付手段の一例として、ページ処理順序決定部48を設けている。
【0064】
ダウンロード順序決定部49は、ページ処理順序決定部48により決定された印刷対象ページ及びページ処理順序と、予め与えられたページとオブジェクトとの対応関係とに基づいて、ダウンロード対象オブジェクトと、ダウンロード対象オブジェクトのダウンロード順序とを決定する。また、位置情報記憶部47に記憶された位置情報テーブルを参照して、ダウンロード対象オブジェクトに対応する位置情報を取得し、ダウンロード順序に従って、この位置情報を送信部42に伝える。本実施の形態では、複数の要素の取得順序を特定する特定手段、複数の要素のうちの取得対象となる少なくとも1つの要素を特定する特定手段の一例として、ダウンロード順序決定部49を設けている。
【0065】
尚、ここでは、ページとオブジェクトとの対応関係を予め与えられたものとしたが、クラウドプリントサーバ50に格納された文書ファイルにこの対応関係を含めておき、これをダウンロードするようにしてもよい(この場合の対応関係は、例えば図7に示したルートオブジェクト521に相当)。即ち、送信部42が、クラウドプリントサーバ50に対して、対応関係を含むファイル断片の先頭からのオフセット及びサイズを指定してこのファイル断片のダウンロードを要求する情報を送信し、これに応じて送信されたファイル断片を受信部43が受信するようにしてもよい。この場合、ページとオブジェクトとの対応関係は、複数の論理的単位と複数の要素との対応情報の一例であり、送信部42は、対応情報の送信を要求する第3の要求手段の一例であり、受信部43は、対応情報を受信する第3の受信手段の一例である。
【0066】
図10は、画像形成装置30の動作例を示したフローチャートである。
図示するように、画像形成装置30では、まず、操作受付部40が、操作パネル35上での文書ファイルを指定した印刷要求の操作を受け付ける(ステップ401)。
【0067】
このように操作受付部40が印刷要求の操作を受け付けると、送信部42が、指定された文書ファイルの種類及びサイズを要求する情報をクラウドプリントサーバ50に送信し、これに応答して送られてきた文書ファイルの種類及びサイズを、受信部43が受信する(ステップ402)。
すると、ファイル情報解析部44が、ステップ402で受信した文書ファイルの種類が特定の種類であるかどうかを判定する(ステップ403)。ここで、特定の種類とは、画像形成装置30において文書ファイルを分割してダウンロードする分割ダウンロードが可能な種類として予め定められたファイルの種類である。図3〜8で示した動作例を実現する場合は、この特定の種類をPDFとすればよい。
【0068】
その結果、ステップ402で受信した文書ファイルの種類が特定の種類でないと判定されれば、ファイル情報解析部44はその旨を送信部42に伝え、一括ダウンロードが行われる(ステップ412)。即ち、送信部42が、クラウドプリントサーバ50に対して、一括ダウンロードを要求する情報を送信し、これに応じて送信された印刷データを受信部43が受信する。
【0069】
一方、ステップ402で受信した文書ファイルの種類が特定の種類であると判定されれば、ファイル情報解析部44は、ステップ402で受信した文書ファイルのサイズが閾値以上であるかどうかを判定する(ステップ404)。
【0070】
ここで、ステップ402で受信した文書ファイルのサイズが閾値未満であると判定されれば、分割ダウンロードを行わなくても、早期に印刷は開始される。従って、ファイル情報解析部44はその旨を送信部42に伝え、一括ダウンロードが行われる(ステップ412)。即ち、送信部42が、クラウドプリントサーバ50に対して、一括ダウンロードを要求する情報を送信し、これに応じて送信された印刷データを受信部43が受信する。
【0071】
また、ステップ402で受信した文書ファイルのサイズが閾値以上であると判定されれば、ファイル情報解析部44はその旨を送信部42に伝え、ファイル構成情報を含むファイル断片がダウンロードされる(ステップ405)。即ち、送信部42が、クラウドプリントサーバ50に対して、ファイル構成情報を含むファイル断片の先頭からのオフセット及びサイズを指定してこのファイル断片のダウンロードを要求する情報を送信し、これに応じて送信されたファイル断片を受信部43が受信する。尚、受信部43が受信したファイル断片にファイル構成情報が完全な形で含まれていない場合は、オフセット及びサイズの一方又は両方を変更し、ファイル構成情報を含むファイル断片の送信を再度要求する。そして、ダウンロードされたファイル断片はダウンロードデータ記憶部45に記憶され、ファイル断片の識別情報とファイル断片の元の文書ファイルにおけるオフセットとの対応は位置情報テーブルとして位置情報記憶部47に記憶される。
【0072】
このようにファイル構成情報を含むファイル断片がダウンロードデータ記憶部45に記憶されると、ファイル構成情報解析部46は、ファイル断片からファイル構成情報を取り出して解析し、各オブジェクトのオフセット及びサイズを取得する(ステップ406)。尚、このとき、オブジェクトIDとオフセットとサイズとの対応も位置情報テーブルとして位置情報記憶部47に記憶される。
【0073】
また、ファイル構成情報には、文書ファイルが分割ダウンロード不可能な状態になっていることを示す情報も含まれるので、ファイル構成情報解析部46は、このような情報の有無に基づいて、文書ファイルが分割ダウンロード可能かどうかを判定する(ステップ407)。ここで、文書ファイルが分割ダウンロード不可能な状態になっていることを示す情報には、文書ファイルにおけるオブジェクトが配置された部分が暗号化されていることを示す情報等がある。
【0074】
その結果、文書ファイルが分割ダウンロード可能でないと判定されれば、ファイル構成情報解析部46はその旨を送信部42に伝え、一括ダウンロードが行われる(ステップ412)。即ち、送信部42が、クラウドプリントサーバ50に対して、一括ダウンロードを要求する情報を送信し、これに応じて送信された印刷データを受信部43が受信する。
【0075】
一方、文書ファイルが分割ダウンロード可能であると判定されれば、ページ処理順序決定部48が、印刷設定記憶部41に記憶された印刷設定に基づいて、印刷対象ページを特定し、ページ処理順序を決定する(ステップ408)。
【0076】
次に、ダウンロード順序決定部49が、このページ処理順序と、予め与えられたページとオブジェクトとの対応関係とに基づいて、ダウンロード対象オブジェクトと、ダウンロード対象オブジェクトのダウンロード順序とを決定する(ステップ409)。このとき、ダウンロード順序決定部49は、位置情報記憶部47に記憶された位置情報テーブルを参照することにより、ダウンロード対象オブジェクトのオブジェクトIDに対応するオフセット及びサイズを取得し、ダウンロード順序に従って送信部42に渡しておく。
【0077】
これにより、ダウンロード順序に従って、オブジェクトを含むファイル断片がダウンロードされる(ステップ410)。即ち、送信部42が、クラウドプリントサーバ50に対して、ダウンロード順序に従い、オブジェクトを含むファイル断片の先頭からのオフセット及びサイズを指定してこのファイル断片のダウンロードを要求する情報を送信し、これに応じて送信されたファイル断片を受信部43が受信する。尚、受信部43が受信したファイル断片にオブジェクトが完全な形で含まれていない場合は、オフセット及びサイズの一方又は両方を変更し、オブジェクトを含むファイル断片の送信を再度要求する。そして、ダウンロードされたファイル断片はダウンロードデータ記憶部45に記憶される。
その後、送信部42は、オブジェクトを含む全てのファイル断片のダウンロードが完了したかどうかを判定し(ステップ411)、完了していなければ、ステップ410を繰り返し、完了していれば、処理を終了する。
【0078】
一方、画像形成装置30は、ダウンロードデータ記憶部45へのデータのダウンロードが開始されると、イメージ生成部303に処理の開始を指示する。これにより、イメージ生成部303は、データのダウンロード状況とは非同期に処理を継続する。このとき、イメージ生成部303の処理に必要なデータがダウンロードデータ記憶部45に揃っていなければ、画像形成装置30は、イメージ生成部303によるデータの読み込みを待たせるように制御する。
そして、画像形成装置30は、このようなデータのダウンロードとイメージ生成処理を繰り返すことにより、画像処理を完了させる。
【0079】
尚、上記では、ファイル構成情報のオフセット及びサイズが分からないことを前提に、ファイル構成情報を含むファイル断片を予め定められたオフセット及びサイズを指定して要求した。しかしながら、文書ファイルの形式等により、ファイル構成情報のオフセット及びサイズが分かっている場合は、その分かっているオフセット及びサイズを指定して、ファイル構成情報を要求するようにしてもよい。また、ファイル構成情報を解析することによりダウンロード対象と判断されたオブジェクトについても、オフセット及びサイズが分かっていれば、その分かっているオフセット及びサイズを指定して要求してよい。
【0080】
また、上記では、先頭から逐次解析処理を行えず、かつ、印刷に不要なデータを含む文書ファイルを処理対象としたが、先頭から逐次解析処理を行えないが、印刷に不要なデータは含まない文書ファイル、又は、先頭から逐次解析処理は行えるが、印刷に不要なデータを含む含まない文書ファイルを処理対象としてもよい。
【0081】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0082】
10…クライアント端末、30…画像形成装置、40…操作受付部、41…印刷設定記憶部、42…送信部、43…受信部、44…ファイル情報解析部、45…ダウンロードデータ記憶部、46…ファイル構成情報解析部、47…位置情報記憶部、48…ページ処理順序決定部、49…ダウンロード順序決定部、50…クラウドプリントサーバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データ受信装置、画像処理装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
PCが、PDFファイルなどの文書ファイルをプリントデータに変換せずにプリンタに送信する場合に、印刷すべき文書ファイルからその文書ファイルの解析開始時にアクセスすべき情報を抽出して、プリンタに送信し、その文書ファイルのうちの所定のデータを、プリンタから要求されるたびに抽出して、プリンタに送信する技術は知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
PCが、印刷すべきPDFファイルからクロスリファレンステーブルおよびトレーラを抽出し、印刷装置に対して、抽出されたクロスリファレンステーブルおよびトレーラを先に送信し、その後にPDFファイルのボディを送信し、印刷装置が、PCから、クロスリファレンステーブルおよびトレーラを受信し、その後にボディを受信し、受信されたクロスリファレンステーブルおよびトレーラを使用することにより、ボディの受信の完了を待たずに、PDFファイルの印刷処理を開始する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
画像形成装置であらかじめXPSのFixedPage単位で分割し、画像形成装置のメモリの余裕状況と分割されたXPSファイルのサイズから、画像形成装置で処理可能なサイズをPCまたは画像形成装置において判断して、その判断に基づいて分割されたファイルを結合または連続してPCから画像形成装置に送信する技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−171204号公報
【特許文献2】特開2007−257592号公報
【特許文献3】特開2008−305267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、印刷データを送信する装置の機能に変更を加えることなく、送信された印刷データに基づく印刷が開始されるまでの時間を短縮することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、複数の要素がその処理順序とは関係ない順序で配置された配置データと、当該複数の要素がそれぞれ配置された複数の位置を管理する管理データとを含む印刷データを送信する印刷データ送信装置に対し、当該管理データの位置及び大きさを指定して、当該管理データの送信を要求する第1の要求手段と、前記第1の要求手段による要求に応じて送信された前記管理データを受信する第1の受信手段と、前記複数の要素の取得順序を特定する特定手段と、前記印刷データ送信装置に対し、前記第1の受信手段により受信された前記管理データに基づいて決定される前記複数の要素の位置及び大きさを、前記特定手段により特定された前記取得順序で順次指定して、当該複数の要素の送信を要求する第2の要求手段と、前記第2の要求手段による要求に応じて順次送信された前記複数の要素を順次受信する第2の受信手段とを備えたことを特徴とする印刷データ受信装置である。
請求項2に記載の発明は、前記特定手段は、前記複数の要素のうちの取得対象となる少なくとも1つの要素を特定し、前記第2の要求手段は、前記印刷データ送信装置に対し、前記第1の受信手段により受信された前記管理データに基づいて決定される前記少なくとも1つの要素の位置及び大きさを順次指定して、当該少なくとも1つの要素の送信を要求し、前記第2の受信手段は、前記第2の要求手段による要求に応じて順次送信された前記少なくとも1つの要素を順次受信することを特徴とする請求項1に記載の印刷データ受信装置である。
請求項3に記載の発明は、前記配置データに対して設定された複数の論理的単位の処理順序を受け付ける受付手段と、前記印刷データ送信装置に対し、前記複数の論理的単位と前記複数の要素との対応情報の位置及び大きさを指定して、当該対応情報の送信を要求する第3の要求手段と、前記第3の要求手段による要求に応じて送信された前記対応情報を受信する第3の受信手段とを更に備え、前記特定手段は、前記受付手段にて受け付けた前記複数の論理的単位の処理順序と、前記第3の受信手段により受信された前記対応情報とに基づいて、前記取得順序を特定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷データ受信装置である。
請求項4に記載の発明は、前記配置データに対して設定された複数の論理的単位の印刷の要否を受け付ける受付手段と、前記印刷データ送信装置に対し、前記複数の論理的単位と前記複数の要素との対応情報の位置及び大きさを指定して、当該対応情報の送信を要求する第3の要求手段と、前記第3の要求手段による要求に応じて送信された前記対応情報を受信する第3の受信手段とを更に備え、前記特定手段は、前記受付手段にて受け付けた前記複数の論理的単位の印刷の要否と、前記第3の受信手段により受信された前記対応情報とに基づいて、前記少なくとも1つの要素を特定することを特徴とする請求項2に記載の印刷データ受信装置である。
請求項5に記載の発明は、前記第1の要求手段は、予め定められた位置及び大きさを指定して、前記管理データの送信を要求し、前記第1の受信手段により当該管理データが完全な形で受信されなかった場合に、当該予め定められた位置及び大きさの少なくとも何れか一方を変更した後の位置及び大きさを指定して、当該管理データの送信を再度要求することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の印刷データ受信装置である。
請求項6に記載の発明は、前記第1の受信手段により受信された前記管理データと、前記第2の受信手段により受信された前記複数の要素とを記憶する第1の記憶手段と、前記印刷データにおける前記管理データの位置を示す第1の位置情報を当該管理データに関連付けて記憶し、前記印刷データにおける前記複数の要素の位置をそれぞれ示す複数の第2の位置情報を当該複数の要素のそれぞれに関連付けて記憶する第2の記憶手段とを更に備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の印刷データ受信装置である。
請求項7に記載の発明は、前記第2の記憶手段に記憶された前記第1の位置情報に基づいて、前記印刷データにおける前記管理データの位置に対応する前記第1の記憶手段における位置に当該管理データを書き込み、前記第2の記憶手段に記憶された前記複数の第2の位置情報に基づいて、前記印刷データにおける前記複数の要素の位置にそれぞれ対応する前記第1の記憶手段における複数の位置に、当該複数の要素をそれぞれ書き込む書き込み手段を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の印刷データ受信装置である。
請求項8に記載の発明は、複数の要素がその処理順序とは関係ない順序で配置された配置データと、当該複数の要素がそれぞれ配置された複数の位置を管理する管理データとを含む印刷データを送信する印刷データ送信装置に対し、当該管理データの位置及び大きさを指定して、当該管理データの送信を要求する第1の要求手段と、前記第1の要求手段による要求に応じて送信された前記管理データを受信する第1の受信手段と、前記複数の要素の取得順序を特定する特定手段と、前記印刷データ送信装置に対し、前記第1の受信手段により受信された前記管理データに基づいて決定される前記複数の要素の位置及び大きさを、前記特定手段により特定された前記取得順序で順次指定して、当該複数の要素の送信を要求する第2の要求手段と、前記第2の要求手段による要求に応じて順次送信された前記複数の要素を順次受信する第2の受信手段と、前記第1の受信手段により受信された前記管理データを、前記印刷データにおける当該管理データの位置に対応する位置に記憶し、前記第2の受信手段により受信された前記複数の要素のそれぞれを、前記印刷データにおける当該複数の要素の位置にそれぞれ対応する複数の位置に記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記管理データにより管理される前記複数の位置にそれぞれ記憶された前記複数の要素を画像化する画像化手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置である。
請求項9に記載の発明は、コンピュータに、複数の要素がその処理順序とは関係ない順序で配置された配置データと、当該複数の要素がそれぞれ配置された複数の位置を管理する管理データとを含む印刷データを送信する印刷データ送信装置に対し、当該管理データの位置及び大きさを指定して、当該管理データの送信を要求する第1の要求機能と、前記第1の要求機能での要求に応じて送信された前記管理データを受信する第1の受信機能と、前記複数の要素の取得順序を特定する特定機能と、前記印刷データ送信装置に対し、前記第1の受信機能で受信された前記管理データに基づいて決定される前記複数の要素の位置及び大きさを、前記特定機能で特定された前記取得順序で順次指定して、当該複数の要素の送信を要求する第2の要求機能と、前記第2の要求機能での要求に応じて順次送信された前記複数の要素を順次受信する第2の受信機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、印刷データを送信する装置の機能に変更を加えることなく、本構成を有していない場合に比較して、送信された印刷データに基づく印刷が開始されるまでの時間を短縮することができる。
請求項2の発明によれば、印刷データを送信する装置の機能に変更を加えることなく、本構成を有していない場合に比較して、送信される印刷データの容量を削減することができる。
請求項3の発明によれば、印刷データに設定された複数の論理的単位の処理順序を考慮しつつ、本構成を有していない場合に比較して、送信された印刷データに基づく印刷が開始されるまでの時間を短縮することができる。
請求項4の発明によれば、印刷データに設定された複数の論理的単位の印刷の要否を考慮しつつ、本構成を有していない場合に比較して、送信される印刷データの容量を削減することができる。
請求項5の発明によれば、印刷データ内の要素の位置を管理する管理データを、管理データの位置及び大きさの少なくとも何れか一方が不明であっても受信することができる。
請求項6の発明によれば、印刷データ内の管理データ及び要素に対する処理を本来の処理順序で実行させることができる。
請求項7の発明によれば、印刷データ内の管理データ及び要素に対する処理を、その処理に変更を加えなくても、本来の処理順序で実行させることができる。
請求項8の発明によれば、印刷データを送信する装置の機能に変更を加えることなく、本構成を有していない場合に比較して、送信された印刷データに基づく印刷が開始されるまでの時間を短縮することができる。
請求項9の発明によれば、印刷データを送信する装置の機能に変更を加えることなく、本構成を有していない場合に比較して、送信された印刷データに基づく印刷が開始されるまでの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態が適用されるクラウドプリントシステムの構成例を示した図である。
【図2】本発明の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成例を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるPDFファイルの分割ダウンロードについて模式的に示した図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるPDFファイルの分割ダウンロードで得られたデータの処理方法について模式的に示した図である。
【図5】本発明の実施の形態において画像形成装置がファイル構成情報を取得するときの処理の流れを示した図である。
【図6】本発明の実施の形態において画像形成装置がファイル構成情報を取得するときの処理の流れの説明で用いるPDFファイルの構造を示した図である。
【図7】本発明の実施の形態において画像形成装置がファイル構成情報を取得するときの処理の流れの説明で用いるPDFファイルの構造を示した図である。
【図8】本発明の実施の形態において画像形成装置がオブジェクトを取得するときの処理の流れを示した図である。
【図9】本発明の実施の形態における画像形成装置の機能構成例を示したブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態における画像形成装置の動作例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用されるクラウドプリントシステムの全体構成例を示したものである。
図示するように、このクラウドプリントシステムは、クライアント端末10と、画像形成装置30a,30b,30cと、クラウドプリントサーバ50とが、ネットワーク90に接続されている。
尚、図では、画像形成装置30a,30b,30cを示したが、これらを区別する必要がない場合は、画像形成装置30と称する。また、図には、3つの画像形成装置30しか示していないが、4つ以上の画像形成装置30を設けてもよい。
【0011】
クライアント端末10は、クラウドプリントサーバ50に格納されている電子文書ファイル(以下、単に「文書ファイル」という)をユーザの操作に応じて選択し、画像形成装置30で文書ファイルの印刷をクラウドプリントサーバ50に指示するコンピュータ装置である。ここで、クライアント端末10としては、PC(Personal Computer)、携帯端末、携帯電話等を用いるとよい。
【0012】
画像形成装置30は、紙等の記録媒体に画像を形成し、印刷媒体として出力する装置である。ここで、画像形成装置30としては、プリンタ機能のみを備えた装置を用いてもよいし、これに加えてスキャナ機能、ファクシミリ機能等の他の画像処理機能を備えた装置を用いてもよい。本実施の形態では、印刷データ受信装置、画像処理装置の一例として、画像形成装置30を設けている。
【0013】
クラウドプリントサーバ50は、クライアント端末10として様々なデバイスを用い、自宅、オフィス、公共の場所等に設置された画像形成装置30で文書ファイルを印刷できるようにするサービス(クラウドプリントサービス)を提供するサーバコンピュータである。具体的には、画像形成装置30での文書ファイルの印刷を指示する印刷指示情報の生成がクライアント端末10から要求されると、印刷指示情報を生成し、これを画像形成装置30に送信することで印刷指示を行う。本実施の形態では、印刷データ送信装置の一例として、クラウドプリントサーバ50を設けている。
【0014】
ネットワーク90は、クライアント端末10とクラウドプリントサーバ50との間、及び、画像形成装置30とクラウドプリントサーバ50との間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、インターネットである。
【0015】
図2は、画像形成装置30のハードウェア構成例を示した図である。
図示するように、画像形成装置30は、CPU31と、RAM(Random Access Memory)32と、ROM(Read Only Memory)33と、HDD34と、操作パネル35と、画像読取部36と、画像形成部37と、通信I/F38とを備える。
【0016】
CPU31は、ROM33等に記憶された各種プログラムをRAM32にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。
RAM32は、CPU31の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
ROM33は、CPU31が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
HDD34は、画像読取部36が読み取った画像データや画像形成部37における画像形成にて用いる画像データ等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
操作パネル35は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う例えばタッチパネルである。
【0017】
画像読取部36は、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る。ここで、画像読取部36は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
【0018】
画像形成部37は、記録媒体に画像を形成する。ここで、画像形成部37は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
通信I/F38は、ネットワークを介して他の装置との間で各種情報の送受信を行う。
【0019】
ところで、図1のクラウドプリントシステムにおいて、クライアント端末10が画像形成装置30での印刷を指示した文書ファイルは、オリジナル文書と同じ体裁を異なる環境でも再現可能な形式の文書ファイルに変換されて格納されることが多い。
しかしながら、このような形式の文書ファイルの中には、例えばPDF(Portable Document Format)形式のファイル(以下、「PDFファイル」という)のように、先頭から逐次解析処理を行えないものもある。一般に、この先頭から逐次解析処理を行えない文書ファイルを画像形成装置30で印刷するには、画像形成装置30内のメモリに一旦文書ファイル全体を蓄積してからその解析処理を開始する。そうなると、先頭から逐次解析可能な、例えばPDL(Page Description Language)で記述されたデータを印刷する場合と比べて、ファイル転送に要する時間だけ、プリントスループットが低下してしまう。
また、先頭から逐次解析処理を行えない文書ファイルは、PDFファイルもそうであるように、その性質上、様々な用途で利用される印刷に不要なデータを含むことがある。この印刷に不要なデータを含む文書ファイルを画像形成装置30で印刷すると、ファイル転送に要する時間が長くなる、ファイルを蓄積するメモリが不足する等の不都合が生じることがある。
【0020】
そこで、本実施の形態では、先頭から逐次解析処理を行えず、印刷に不要なデータを含む文書ファイルを画像形成装置30で印刷する際に、文書ファイルを分割したデータのうち印刷に必要なデータのみを使用される順にクラウドプリントサーバ50からダウンロードする分割ダウンロードを行う。また、クラウドプリントサーバ50は画像形成装置30にとって外部のサーバであり、分割ダウンロードの機能を追加することが難しいので、このような分割ダウンロードを、画像形成装置30がクラウドプリントサーバ50に対し、分割したデータの位置及び大きさを指定して要求することにより行う。
【0021】
まず、本実施の形態の概略動作について説明する。尚、ここでは、先頭から逐次解析処理を行えない文書ファイル、印刷に不要なデータを含む文書ファイルとして、PDFファイルを例にとる。
図3は、画像形成装置30が、PDFファイルを分割したデータを、使用される順序でクラウドプリントサーバ50からダウンロードするときの様子を示した図である。
図示するように、クラウドプリントサーバ50には、PDFファイルが格納されている。
PDFファイルは、ヘッダ510と、ボディ520と、クロスリファレンステーブル530と、トレーラ540とからなり、ボディ520は、オブジェクトA,B,Cを含む。尚、PDFファイルは、印刷データの一例であり、オブジェクトA,B,Cは、要素の一例である。また、ボディ520は、複数の要素がその処理順序とは関係ない順序で配置された配置データの一例であり、クロスリファレンステーブル530は、複数の要素がそれぞれ配置された複数の位置を管理する管理データの一例である。
このPDFファイルを処理する場合、ヘッダ510、トレーラ540、クロスリファレンステーブル530の順にアクセスされる。そして、クロスリファレンステーブル530は、PDFファイル内のどの位置にどのオブジェクトが存在するかを管理しているので、クロスリファレンステーブル530を参照することにより、ボディ520内のオブジェクトに、使用される順序でアクセスすることが可能となっている。
【0022】
従って、PDFファイルを分割したデータをダウンロードするときの動作も、以下の通りである。
まず、画像形成装置30は、ヘッダ510のダウンロードをクラウドプリントサーバ50に要求し、クラウドプリントサーバ50からヘッダ510を取得する(D1)。
次に、画像形成装置30は、クロスリファレンステーブル530とトレーラ540とからなるデータのダウンロードをクラウドプリントサーバ50に要求し、クラウドプリントサーバ50からこのデータを取得する(D2)。
【0023】
ここで、画像形成装置30が、D2で取得したクロスリファレンステーブル530を解析することにより、ボディ520内のオブジェクトのうち、オブジェクトA及びオブジェクトCが印刷対象であり、オブジェクトC、オブジェクトAの順に使用されることを認識したものとする。
すると、画像形成装置30は、まず、オブジェクトCのダウンロードをクラウドプリントサーバ50に要求し、クラウドプリントサーバ50からオブジェクトCを取得する(D3)。そして、次に、オブジェクトAのダウンロードをクラウドプリントサーバ50に要求し、クラウドプリントサーバ50からオブジェクトAを取得する(D4)。
【0024】
尚、ここでは、ボディ520内のオブジェクトのうち、オブジェクトBは、印刷対象のオブジェクトと認識されなかったので、画像形成装置30は、オブジェクトBのダウンロードをクラウドプリントサーバ50に要求しておらず、クラウドプリントサーバ50からオブジェクトBを取得していない。
また、図には、PDFファイルを分割したデータとそのデータの元のPDFファイルでの位置とを対応付けた位置情報テーブル301も示している。
【0025】
図4は、画像形成装置30が、クラウドプリントサーバ50からダウンロードしたデータを、イメージを生成するために記憶するときの様子を示した図である。
まず、画像形成装置30は、クラウドプリントサーバ50からダウンロードしたヘッダ510を、元のPDFファイル内のヘッダ510の位置に対応する仮想ファイル302内の位置に書き込む(E1)。
次に、画像形成装置30は、クラウドプリントサーバ50からダウンロードしたクロスリファレンステーブル530とトレーラ540とからなるデータを、元のPDFファイル内のこのデータの位置に対応する仮想ファイル302内の位置に書き込む(E2)。
【0026】
次いで、画像形成装置30は、クラウドプリントサーバ50からダウンロードしたオブジェクトCを、元のPDFファイル内のオブジェクトCの位置に対応する仮想ファイル302内の位置に書き込む(E3)。そして、クラウドプリントサーバ50からダウンロードしたオブジェクトAを、元のPDFファイル内のオブジェクトAの位置に対応する仮想ファイル302内の位置に書き込む(E4)。
【0027】
尚、このような仮想ファイル302への各データの書き込みは、位置情報テーブル301を参照して行われる。即ち、画像形成装置30は、位置情報テーブル301を参照することにより、クラウドプリントサーバ50からダウンロードした各データの元のPDFファイル内の位置を特定する。そして、特定された位置に対応する仮想ファイル302内の位置に各データを書き込む。
【0028】
また、図には、画像形成装置30の機能の1つとして、画像化手段の一例としてのイメージ生成部303も示している。イメージ生成部303は、RIP(Raster Image Processor)、デコンポーザ等とも呼ばれ、PDLで記述されたデータ又はPDFファイルを1ページごとにラスタ画像に変換する機能部である。
【0029】
PDFファイルを分割したデータが使用される順にダウンロードされるので、イメージ生成部303は、全てのデータのダウンロードが完了する前に、イメージを生成する処理を開始する。
また、仮想ファイル302には、ダウンロードされたデータが元のPDFファイルと同じように配置されているので、イメージ生成部303は、通常通り、ヘッダ510、トレーラ540、クロスリファレンステーブル530の順にアクセスし、クロスリファレンステーブル530を解析することにより、ボディ520内の各オブジェクトに順にアクセスすることができる。
尚、仮想ファイル302へのデータの書き込みが、イメージ生成部303の処理に間に合わない場合は、イメージ生成部303の処理を待たせるとよい。
【0030】
次に、本実施の形態における画像形成装置30からクラウドプリントサーバ50へのダウンロード要求及びクラウドプリントサーバ50から画像形成装置30へのダウンロードを中心とした処理の流れについて説明する。尚、ここでも、先頭から逐次解析処理を行えない文書ファイル、印刷に不要なデータを含む文書ファイルとして、PDFファイルを例にとる。
【0031】
図5は、画像形成装置30が印刷要求を受けてからファイル構成情報を取得するまでの処理の流れを示した図である。尚、ファイル構成情報とは、PDFファイルの場合、ヘッダ510、クロスリファレンステーブル530、トレーラ540の部分に相当する。
【0032】
まず、画像形成装置30は、ユーザによる印刷要求を受け付ける(S1)。ここで、印刷要求は、印刷に関する設定である印刷設定を伴う。この例では、9ページ目から10ページ目までを印刷するという印刷範囲の指定を印刷設定としている。
すると、画像形成装置30は、クラウドプリントサーバ50に対して、ファイルのサイズ、種類等のファイルに関する情報(以下、「ファイル情報」という)を要求する(S2)。
これにより、クラウドプリントサーバ50から画像形成装置30に対して、種類「PDF」、サイズ「xxバイト」等のファイル情報が送られる(S3)。
【0033】
次に、画像形成装置30は、クラウドプリントサーバ50に対して、先頭からのオフセット「0バイト」、サイズ「yyバイト」を指定して、ヘッダ510を含むファイル断片のダウンロードを要求する(S4)。PDFファイルでは、ヘッダ510のサイズは可変であるので、サイズ「yyバイト」としては、ヘッダ510が収まるであろうサイズとして予め定めたサイズを用いる。
【0034】
これにより、クラウドプリントサーバ50から画像形成装置30に対して、ヘッダ510を含むファイル断片が送られる(S5)。尚、このファイル断片にヘッダ510が収まっていない場合は、例えば、オフセット「yyバイト」、サイズ「yyバイト」を指定して、再度ファイル断片のダウンロードを要求すればよい。
【0035】
次いで、画像形成装置30は、クラウドプリントサーバ50に対して、先頭からのオフセット「(xx−zz)バイト」、サイズ「zzバイト」を指定して、クロスリファレンステーブル530及びトレーラ540を含むファイル断片のダウンロードを要求する(S6)。PDFファイルでは、クロスリファレンステーブル530及びトレーラ540のサイズは可変であるので、サイズ「zzバイト」としては、クロスリファレンステーブル530及びトレーラ540が収まるであろうサイズとして予め定めたサイズを用いる。尚、クロスリファレンステーブル530及びトレーラ540を含むファイル断片はファイルの終端から検索するため、オフセットはファイルのサイズ(xxバイト)からクロスリファレンステーブル530及びトレーラ540のサイズ(zzバイト)を減じた値となっている。
【0036】
これにより、クラウドプリントサーバ50から画像形成装置30に対して、クロスリファレンステーブル530及びトレーラ540を含むファイル断片が送られる(S7)。このファイル断片にクロスリファレンステーブル530及びトレーラ540が収まっていなければ、例えば、オフセット「(xx−zz*2)バイト」、サイズ「zzバイト」を指定して、再度ファイル断片のダウンロードを要求する。
【0037】
また、画像形成装置30は、S5及びS7でダウンロードしたファイル断片を蓄積すると共に、それらのファイル断片の元のPDFファイルにおける位置を位置情報テーブル301に蓄積する(S8)。具体的には、S5でダウンロードしたファイル断片については、そのファイル断片がヘッダ510を含むことを表す情報と、そのファイル断片の元のPDFファイルにおける先頭からのオフセットとの対応を位置情報テーブル301に蓄積する。また、S7でダウンロードしたファイル断片については、そのファイル断片がクロスリファレンステーブル530及びトレーラ540を含むことを表す情報と、そのファイル断片の元のPDFファイルにおける先頭からのオフセットとの対応を位置情報テーブル301に蓄積する。尚、図では、これらの蓄積処理をS8にまとめて示したが、S5でダウンロードしたファイル断片及びその位置をS5の直後に蓄積し、S7でダウンロードしたファイル断片及びその位置をS7の直後に蓄積するようにしてもよい。
【0038】
その後、画像形成装置30は、S1で受け付けた印刷設定と、S8で蓄積したデータ内のファイル構成情報(ヘッダ510、クロスリファレンステーブル530、トレーラ540)とを解析することにより、印刷対象オブジェクトと、印刷対象オブジェクトのダウンロード順序と、印刷対象オブジェクトの元のPDFファイルにおける位置とを判別する(S9)。
【0039】
ここで、以上の処理について、PDFファイルの具体的な記述を参照しながら、詳細に説明する。
図6は、図5のS5でダウンロードされたファイル断片に含まれるヘッダ510、及び、図5のS7でダウンロードされたファイル断片に含まれるトレーラ540の具体的な記述を示した図である。尚、クロスリファレンステーブル530については、S9の処理で用いるので、その処理の説明において詳しく述べる。
【0040】
図示するように、ヘッダ510は、記述511,512を含む。記述511は、このファイルの形式がPDFであることを示し、記述512は、PDFのバージョンが1.4であることを示す。
このヘッダ510の記述により、画像形成装置30は、S5でヘッダ510を含むファイル断片をダウンロードした際に、印刷対象の文書ファイルがPDFファイルであること、及び、PDFのバージョンが「1.4」であることを確認する。
【0041】
また、トレーラ540は、記述541〜546を含む。記述541は、以降がトレーラ540であることを示し、記述542は、PDFファイル内のオブジェクトの個数を示し、記述543は、ボディ520内のルートオブジェクト521(後述)のオブジェクトIDを示す。そして、記述544は、次の行にクロスリファレンステーブル530へのオフセット値が記述されていることを示し、記述545は、クロスリファレンステーブル530へのオフセット値を示し、記述546はPDFファイルの終端を示す。
【0042】
尚、図5のS7で、画像形成装置30は、トレーラ540に加えてクロスリファレンステーブル530も含むファイル断片をダウンロードしたが、先にトレーラ540を含むファイル断片をダウンロードし、その後、記述545で示される位置からクロスリファレンステーブル530をダウンロードするようにしてもよい。また、画像形成装置30は、このトレーラ540の記述により、ルートオブジェクト521(後述)の位置も判別する。
【0043】
図7は、図5のS9で印刷対象オブジェクト、印刷対象オブジェクトのダウンロード順序、印刷対象オブジェクトのダウンロード位置を判別する処理について説明するための図である。
【0044】
図示するように、ボディ520は、ルートオブジェクト521を含む。ここで、ルートオブジェクト521は、PDFファイルに含まれるページの数及び順序と、各ページ内のオブジェクトのオブジェクトIDのリストとを含む特別なオブジェクトである。図では、説明に関係する9ページ目及び10ページ目のみを抜き出し、これらのページについてオブジェクトIDのリストを示している。具体的には、9ページ目について、記述522は、オブジェクトID「6」のオブジェクトを示し、記述523は、オブジェクトID「128」のオブジェクトを示す。また、10ページ目について、記述524は、オブジェクトID「5」のオブジェクトを示し、記述525は、オブジェクトID「20」のオブジェクトを示し、記述526は、オブジェクトID「21」のオブジェクトを示す。
【0045】
図5に示したように印刷設定として9ページ目から10ページ目までという印刷範囲が設定されると、このルートオブジェクト521の記述により、オブジェクトID「6」のオブジェクト、オブジェクトID「128」のオブジェクト、オブジェクトID「5」のオブジェクト、オブジェクトID「20」のオブジェクト、オブジェクトID「21」のオブジェクトが、印刷対象オブジェクトとなり、このオブジェクトの順序が印刷対象オブジェクトのダウンロード順序となる。
【0046】
また、クロスリファレンステーブル530は、記述531〜537を含む。記述531は、以降がクロスリファレンステーブル530であることを示す。記述532は、オブジェクトID「5」のオブジェクトを示し、記述533は、そのオブジェクトへのオフセット値が「16」であることを示す。記述534は、オブジェクトID「6」のオブジェクトを示し、記述535は、そのオブジェクトへのオフセット値が「32」であることを示す。そして、記述536は、オブジェクトID「128」のオブジェクトを示し、記述537は、そのオブジェクトへのオフセット値が「1024」であることを示す。
【0047】
図5のS9で、画像形成装置30は、クロスリファレンステーブル530を解析し、各オブジェクトへのオフセット値に基づいて、ボディ520を任意サイズのブロックに分割し、これらのブロックにインデックスを付ける。具体的には、オブジェクトIDと、ファイル先頭からのオフセット値と、ブロックサイズとを対応付けた対応テーブルを作成する。尚、図5には示していないが、この対応テーブルも位置情報テーブル301に含めて記憶するものとする。
【0048】
その後、画像形成装置30は、先に決定したダウンロード順序に従って、ダウンロードすべきオブジェクトに対応するブロックのオフセット値及びサイズを、対応テーブルを参照して順に決定していく。
図の例では、対応テーブルにおいてオブジェクトID「6」に対応付けられたブロックのオフセット値及びサイズ、対応テーブルにおいてオブジェクトID「128」に対応付けられたブロックのオフセット値及びサイズ、対応テーブルにおいてオブジェクトID「5」に対応付けられたブロックのオフセット値及びサイズ、対応テーブルにおいてオブジェクトID「20」に対応付けられたブロックのオフセット値及びサイズ、対応テーブルにおいてオブジェクトID「21」に対応付けられたブロックのオフセット値及びサイズが、この順にダウンロード位置として使用される。
【0049】
尚、ここでは、印刷設定により決定されたページ処理順序に基づいてオブジェクトのダウンロード順序を決定したが、オブジェクトに対する処理時間等を更に考慮してオブジェクトのダウンロード順序を決定してもよい。このようなダウンロード順序の決定方法としては、例えば、イメージ生成部303(図4参照)で複数のオブジェクトに対する処理を並列に行うことが可能である場合において、印刷対象オブジェクトの中に大容量画像等の処理に時間を要するオブジェクトがあれば、そのオブジェクトをダウンロードする順番を早める方法等が考えられる。
【0050】
図8は、画像形成装置30が印刷対象オブジェクトを判別してから印刷対象オブジェクトのダウンロードを完了するまでの処理の流れを示した図である。
まず、画像形成装置30は、図5のS9で判別された印刷対象オブジェクトと、印刷対象オブジェクトのダウンロード順序と、印刷対象オブジェクトの元のPDFファイルにおける位置とを取得する(S10)。
【0051】
次に、画像形成装置30は、クラウドプリントサーバ50に対して、先頭からのオフセット「aaバイト」、サイズ「bbバイト」を指定して、9ページ目におけるオブジェクトを含むファイル断片のダウンロードを要求する(S11)。ここで、先頭からのオフセット及びサイズは、図7に関して説明した対応テーブルでそのオブジェクトのオブジェクトIDに対応付けられたオフセット値及びブロックサイズに基づいて決定するとよい。
これにより、クラウドプリントサーバ50から画像形成装置30に対して、9ページ目におけるオブジェクトを含むファイル断片が送られる(S12)。
尚、S11のダウンロード要求は、括弧内に示したように、オフセット及びサイズを変えながら、9ページ目における全てのオブジェクトについて繰り返される。これに伴い、S12のダウンロードも、9ページ目における全てのオブジェクトについて繰り返される。
【0052】
次いで、画像形成装置30は、クラウドプリントサーバ50に対して、先頭からのオフセット「ccバイト」、サイズ「ddバイト」を指定して、10ページ目におけるオブジェクトを含むファイル断片のダウンロードを要求する(S13)。ここで、先頭からのオフセット及びサイズは、図7に関して説明した対応テーブルでそのオブジェクトのオブジェクトIDに対応付けられたオフセット値及びブロックサイズに基づいて決定するとよい。
これにより、クラウドプリントサーバ50から画像形成装置30に対して、10ページ目におけるオブジェクトを含むファイル断片が送られる(S14)。
尚、S13のダウンロード要求は、括弧内に示したように、オフセット及びサイズを変えながら、10ページ目における全てのオブジェクトについて繰り返される。これに伴い、S14のダウンロードも、10ページ目における全てのオブジェクトについて繰り返される。
【0053】
そして、最後に、画像形成装置30は、9ページ目及び10ページ目における全てのオブジェクトをダウンロードしたことを確認する(S15)。
【0054】
次いで、以上のような処理を行う画像形成装置30の機能構成及び動作について詳細に説明する。尚、これまでは、先頭から逐次解析処理を行えない文書ファイル、印刷に不要なデータを含む文書ファイルとして、PDFファイルを例にとったが、ここでは、文書ファイルを具体的な形式のファイルに限定せずに説明する。
【0055】
図9は、画像形成装置30の機能構成例を示したブロック図である。
図示するように、画像形成装置30は、操作受付部40と、印刷設定記憶部41とを備える。また、送信部42と、受信部43と、ファイル情報解析部44と、ダウンロードデータ記憶部45と、ファイル構成情報解析部46と、位置情報記憶部47とを備える。更に、ページ処理順序決定部48と、ダウンロード順序決定部49とを備える。
【0056】
操作受付部40は、操作パネル35上でのユーザ操作、特に、文書ファイルの印刷を要求する印刷要求の操作を受け付ける。ここで、印刷要求は、クラウドプリントサーバ50に格納された印刷対象の文書ファイルを指定する情報(URL等)と、印刷する際の各種設定である印刷設定とを含む。また、印刷設定には、図5に示した印刷範囲(印刷するページの範囲)の他に、印刷順序(印刷するページの順序)、小冊子印刷(小冊子を作成するための印刷の指定)等がある。
印刷設定記憶部41は、操作受付部40が受け付けた印刷要求の操作で指定された印刷設定を記憶する。
【0057】
送信部42は、操作受付部40が印刷要求の操作を受け付けると、印刷対象の文書ファイルのファイル情報(種類、サイズ等)を要求する情報をクラウドプリントサーバ50に送信する。また、文書ファイルの種類が特定の種類であり、かつ、文書ファイルのサイズが閾値以上であれば、ファイル構成情報を含むファイル断片を要求する情報をクラウドプリントサーバ50に送信する。更に、ダウンロード対象オブジェクトと、ダウンロード対象オブジェクトのダウンロード順序とが決定されれば、そのダウンロード順序に従って、ダウンロード対象オブジェクトを含むファイル断片を要求する情報をクラウドプリントサーバ50に送信する。本実施の形態では、管理データの送信を要求する第1の要求手段、複数の要素又は複数の要素のうちの取得対象となる少なくとも1つの要素の送信を要求する第2の要求手段の一例として、送信部42を設けている。
【0058】
受信部43は、文書ファイルのファイル情報(種類、サイズ等)を要求する情報に応答してクラウドプリントサーバ50から送られたファイル情報(種類、サイズ等)を受信する。また、ファイル構成情報を含むファイル断片を要求する情報に応答してクラウドプリントサーバ50から送られたファイル断片を受信する。更に、ダウンロード順序に従ってダウンロード対象オブジェクトを含むファイル断片を要求する情報に応答して順にクラウドプリントサーバ50から送られたファイル断片を順次受信する。本実施の形態では、管理データを受信する第1の受信手段、複数の要素又は複数の要素のうちの取得対象となる少なくとも1つの要素を順次受信する第2の受信手段の一例として、受信部43を設けている。
【0059】
ファイル情報解析部44は、文書ファイルのファイル情報(種類、サイズ等)を受信部43から受け取り、文書ファイルの種類が特定の種類であるか、及び、文書ファイルのサイズが閾値以上であるかを判定し、その判定結果を送信部42に伝える。尚、文書ファイルの種類が特定の種類であるかは、クラウドプリントサーバ50から送られてくるMIMEタイプに基づいて判定するとよい。
【0060】
ダウンロードデータ記憶部45は、受信部43が受信したファイル構成情報を含むファイル断片及び各オブジェクトを含むファイル断片を記憶する。本実施の形態では、管理データと複数の要素とを記憶する記憶手段、第1の記憶手段の一例として、ダウンロードデータ記憶部45を設けている。
【0061】
ファイル構成情報解析部46は、ダウンロードデータ記憶部45に記憶されたファイル構成情報とそのファイル構成情報の元の文書ファイルにおける位置を示す位置情報とを対応付けた第1のテーブルを生成し、この第1のテーブルに基づいて、元の文書ファイル内のファイル構成情報の位置に対応するダウンロードデータ記憶部45内の位置にファイル構成情報を書き込む。また、ダウンロードデータ記憶部45に記憶されたファイル構成情報を解析し、文書ファイル内の各オブジェクトと各オブジェクトの元の文書ファイルにおける位置を示す位置情報とを対応付けた第2のテーブルを生成し、この第2のテーブルに基づいて、元の文書ファイル内の複数のオブジェクトの位置にそれぞれ対応するダウンロードデータ記憶部45内の複数の位置に、複数のオブジェクトをそれぞれ書き込む。本実施の形態では、印刷データにおける管理データの位置を示す第1の位置情報の一例として、第1のテーブルを用いており、印刷データにおける複数の要素の位置をそれぞれ示す複数の第2の位置情報の一例として、第2のテーブルを用いている。また、管理データと複数の要素を書き込む書き込み手段の一例として、ファイル構成情報解析部46を設けている。
【0062】
位置情報記憶部47は、ファイル構成情報解析部46により生成された第1のテーブル及び第2のテーブルからなる位置情報テーブルを記憶する。本実施の形態では、第1の位置情報と複数の第2の位置情報とを記憶する第2の記憶手段の一例として、位置情報記憶部47を設けている。
【0063】
ページ処理順序決定部48は、印刷設定記憶部41に記憶された印刷設定に基づいて、文書ファイルの印刷対象ページと、文書ファイルを印刷する際に印刷対象ページを処理する順序であるページ処理順序とを決定する。例えば、印刷設定記憶部41に記憶された印刷設定が、印刷範囲を1ページ目から3ページ目とし、印刷順序を逆順とすることを示していれば、ページ処理順序は3ページ目、2ページ目、1ページ目となる。また、印刷設定記憶部41に記憶された印刷設定が、印刷範囲を1ページ目から8ページ目とし、小冊子印刷をすることを示していれば、ページ処理順序は1ページ目、8ページ目、7ページ目、2ページ目、3ページ目、6ページ目、5ページ目、4ページ目となる。本実施の形態では、論理的単位の一例として、ページを用いており、複数の論理的単位の処理順序又は印刷の要否を受け付ける受付手段の一例として、ページ処理順序決定部48を設けている。
【0064】
ダウンロード順序決定部49は、ページ処理順序決定部48により決定された印刷対象ページ及びページ処理順序と、予め与えられたページとオブジェクトとの対応関係とに基づいて、ダウンロード対象オブジェクトと、ダウンロード対象オブジェクトのダウンロード順序とを決定する。また、位置情報記憶部47に記憶された位置情報テーブルを参照して、ダウンロード対象オブジェクトに対応する位置情報を取得し、ダウンロード順序に従って、この位置情報を送信部42に伝える。本実施の形態では、複数の要素の取得順序を特定する特定手段、複数の要素のうちの取得対象となる少なくとも1つの要素を特定する特定手段の一例として、ダウンロード順序決定部49を設けている。
【0065】
尚、ここでは、ページとオブジェクトとの対応関係を予め与えられたものとしたが、クラウドプリントサーバ50に格納された文書ファイルにこの対応関係を含めておき、これをダウンロードするようにしてもよい(この場合の対応関係は、例えば図7に示したルートオブジェクト521に相当)。即ち、送信部42が、クラウドプリントサーバ50に対して、対応関係を含むファイル断片の先頭からのオフセット及びサイズを指定してこのファイル断片のダウンロードを要求する情報を送信し、これに応じて送信されたファイル断片を受信部43が受信するようにしてもよい。この場合、ページとオブジェクトとの対応関係は、複数の論理的単位と複数の要素との対応情報の一例であり、送信部42は、対応情報の送信を要求する第3の要求手段の一例であり、受信部43は、対応情報を受信する第3の受信手段の一例である。
【0066】
図10は、画像形成装置30の動作例を示したフローチャートである。
図示するように、画像形成装置30では、まず、操作受付部40が、操作パネル35上での文書ファイルを指定した印刷要求の操作を受け付ける(ステップ401)。
【0067】
このように操作受付部40が印刷要求の操作を受け付けると、送信部42が、指定された文書ファイルの種類及びサイズを要求する情報をクラウドプリントサーバ50に送信し、これに応答して送られてきた文書ファイルの種類及びサイズを、受信部43が受信する(ステップ402)。
すると、ファイル情報解析部44が、ステップ402で受信した文書ファイルの種類が特定の種類であるかどうかを判定する(ステップ403)。ここで、特定の種類とは、画像形成装置30において文書ファイルを分割してダウンロードする分割ダウンロードが可能な種類として予め定められたファイルの種類である。図3〜8で示した動作例を実現する場合は、この特定の種類をPDFとすればよい。
【0068】
その結果、ステップ402で受信した文書ファイルの種類が特定の種類でないと判定されれば、ファイル情報解析部44はその旨を送信部42に伝え、一括ダウンロードが行われる(ステップ412)。即ち、送信部42が、クラウドプリントサーバ50に対して、一括ダウンロードを要求する情報を送信し、これに応じて送信された印刷データを受信部43が受信する。
【0069】
一方、ステップ402で受信した文書ファイルの種類が特定の種類であると判定されれば、ファイル情報解析部44は、ステップ402で受信した文書ファイルのサイズが閾値以上であるかどうかを判定する(ステップ404)。
【0070】
ここで、ステップ402で受信した文書ファイルのサイズが閾値未満であると判定されれば、分割ダウンロードを行わなくても、早期に印刷は開始される。従って、ファイル情報解析部44はその旨を送信部42に伝え、一括ダウンロードが行われる(ステップ412)。即ち、送信部42が、クラウドプリントサーバ50に対して、一括ダウンロードを要求する情報を送信し、これに応じて送信された印刷データを受信部43が受信する。
【0071】
また、ステップ402で受信した文書ファイルのサイズが閾値以上であると判定されれば、ファイル情報解析部44はその旨を送信部42に伝え、ファイル構成情報を含むファイル断片がダウンロードされる(ステップ405)。即ち、送信部42が、クラウドプリントサーバ50に対して、ファイル構成情報を含むファイル断片の先頭からのオフセット及びサイズを指定してこのファイル断片のダウンロードを要求する情報を送信し、これに応じて送信されたファイル断片を受信部43が受信する。尚、受信部43が受信したファイル断片にファイル構成情報が完全な形で含まれていない場合は、オフセット及びサイズの一方又は両方を変更し、ファイル構成情報を含むファイル断片の送信を再度要求する。そして、ダウンロードされたファイル断片はダウンロードデータ記憶部45に記憶され、ファイル断片の識別情報とファイル断片の元の文書ファイルにおけるオフセットとの対応は位置情報テーブルとして位置情報記憶部47に記憶される。
【0072】
このようにファイル構成情報を含むファイル断片がダウンロードデータ記憶部45に記憶されると、ファイル構成情報解析部46は、ファイル断片からファイル構成情報を取り出して解析し、各オブジェクトのオフセット及びサイズを取得する(ステップ406)。尚、このとき、オブジェクトIDとオフセットとサイズとの対応も位置情報テーブルとして位置情報記憶部47に記憶される。
【0073】
また、ファイル構成情報には、文書ファイルが分割ダウンロード不可能な状態になっていることを示す情報も含まれるので、ファイル構成情報解析部46は、このような情報の有無に基づいて、文書ファイルが分割ダウンロード可能かどうかを判定する(ステップ407)。ここで、文書ファイルが分割ダウンロード不可能な状態になっていることを示す情報には、文書ファイルにおけるオブジェクトが配置された部分が暗号化されていることを示す情報等がある。
【0074】
その結果、文書ファイルが分割ダウンロード可能でないと判定されれば、ファイル構成情報解析部46はその旨を送信部42に伝え、一括ダウンロードが行われる(ステップ412)。即ち、送信部42が、クラウドプリントサーバ50に対して、一括ダウンロードを要求する情報を送信し、これに応じて送信された印刷データを受信部43が受信する。
【0075】
一方、文書ファイルが分割ダウンロード可能であると判定されれば、ページ処理順序決定部48が、印刷設定記憶部41に記憶された印刷設定に基づいて、印刷対象ページを特定し、ページ処理順序を決定する(ステップ408)。
【0076】
次に、ダウンロード順序決定部49が、このページ処理順序と、予め与えられたページとオブジェクトとの対応関係とに基づいて、ダウンロード対象オブジェクトと、ダウンロード対象オブジェクトのダウンロード順序とを決定する(ステップ409)。このとき、ダウンロード順序決定部49は、位置情報記憶部47に記憶された位置情報テーブルを参照することにより、ダウンロード対象オブジェクトのオブジェクトIDに対応するオフセット及びサイズを取得し、ダウンロード順序に従って送信部42に渡しておく。
【0077】
これにより、ダウンロード順序に従って、オブジェクトを含むファイル断片がダウンロードされる(ステップ410)。即ち、送信部42が、クラウドプリントサーバ50に対して、ダウンロード順序に従い、オブジェクトを含むファイル断片の先頭からのオフセット及びサイズを指定してこのファイル断片のダウンロードを要求する情報を送信し、これに応じて送信されたファイル断片を受信部43が受信する。尚、受信部43が受信したファイル断片にオブジェクトが完全な形で含まれていない場合は、オフセット及びサイズの一方又は両方を変更し、オブジェクトを含むファイル断片の送信を再度要求する。そして、ダウンロードされたファイル断片はダウンロードデータ記憶部45に記憶される。
その後、送信部42は、オブジェクトを含む全てのファイル断片のダウンロードが完了したかどうかを判定し(ステップ411)、完了していなければ、ステップ410を繰り返し、完了していれば、処理を終了する。
【0078】
一方、画像形成装置30は、ダウンロードデータ記憶部45へのデータのダウンロードが開始されると、イメージ生成部303に処理の開始を指示する。これにより、イメージ生成部303は、データのダウンロード状況とは非同期に処理を継続する。このとき、イメージ生成部303の処理に必要なデータがダウンロードデータ記憶部45に揃っていなければ、画像形成装置30は、イメージ生成部303によるデータの読み込みを待たせるように制御する。
そして、画像形成装置30は、このようなデータのダウンロードとイメージ生成処理を繰り返すことにより、画像処理を完了させる。
【0079】
尚、上記では、ファイル構成情報のオフセット及びサイズが分からないことを前提に、ファイル構成情報を含むファイル断片を予め定められたオフセット及びサイズを指定して要求した。しかしながら、文書ファイルの形式等により、ファイル構成情報のオフセット及びサイズが分かっている場合は、その分かっているオフセット及びサイズを指定して、ファイル構成情報を要求するようにしてもよい。また、ファイル構成情報を解析することによりダウンロード対象と判断されたオブジェクトについても、オフセット及びサイズが分かっていれば、その分かっているオフセット及びサイズを指定して要求してよい。
【0080】
また、上記では、先頭から逐次解析処理を行えず、かつ、印刷に不要なデータを含む文書ファイルを処理対象としたが、先頭から逐次解析処理を行えないが、印刷に不要なデータは含まない文書ファイル、又は、先頭から逐次解析処理は行えるが、印刷に不要なデータを含む含まない文書ファイルを処理対象としてもよい。
【0081】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0082】
10…クライアント端末、30…画像形成装置、40…操作受付部、41…印刷設定記憶部、42…送信部、43…受信部、44…ファイル情報解析部、45…ダウンロードデータ記憶部、46…ファイル構成情報解析部、47…位置情報記憶部、48…ページ処理順序決定部、49…ダウンロード順序決定部、50…クラウドプリントサーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の要素がその処理順序とは関係ない順序で配置された配置データと、当該複数の要素がそれぞれ配置された複数の位置を管理する管理データとを含む印刷データを送信する印刷データ送信装置に対し、当該管理データの位置及び大きさを指定して、当該管理データの送信を要求する第1の要求手段と、
前記第1の要求手段による要求に応じて送信された前記管理データを受信する第1の受信手段と、
前記複数の要素の取得順序を特定する特定手段と、
前記印刷データ送信装置に対し、前記第1の受信手段により受信された前記管理データに基づいて決定される前記複数の要素の位置及び大きさを、前記特定手段により特定された前記取得順序で順次指定して、当該複数の要素の送信を要求する第2の要求手段と、
前記第2の要求手段による要求に応じて順次送信された前記複数の要素を順次受信する第2の受信手段と
を備えたことを特徴とする印刷データ受信装置。
【請求項2】
前記特定手段は、前記複数の要素のうちの取得対象となる少なくとも1つの要素を特定し、
前記第2の要求手段は、前記印刷データ送信装置に対し、前記第1の受信手段により受信された前記管理データに基づいて決定される前記少なくとも1つの要素の位置及び大きさを順次指定して、当該少なくとも1つの要素の送信を要求し、
前記第2の受信手段は、前記第2の要求手段による要求に応じて順次送信された前記少なくとも1つの要素を順次受信することを特徴とする請求項1に記載の印刷データ受信装置。
【請求項3】
前記配置データに対して設定された複数の論理的単位の処理順序を受け付ける受付手段と、
前記印刷データ送信装置に対し、前記複数の論理的単位と前記複数の要素との対応情報の位置及び大きさを指定して、当該対応情報の送信を要求する第3の要求手段と、
前記第3の要求手段による要求に応じて送信された前記対応情報を受信する第3の受信手段と
を更に備え、
前記特定手段は、前記受付手段にて受け付けた前記複数の論理的単位の処理順序と、前記第3の受信手段により受信された前記対応情報とに基づいて、前記取得順序を特定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷データ受信装置。
【請求項4】
前記配置データに対して設定された複数の論理的単位の印刷の要否を受け付ける受付手段と、
前記印刷データ送信装置に対し、前記複数の論理的単位と前記複数の要素との対応情報の位置及び大きさを指定して、当該対応情報の送信を要求する第3の要求手段と、
前記第3の要求手段による要求に応じて送信された前記対応情報を受信する第3の受信手段と
を更に備え、
前記特定手段は、前記受付手段にて受け付けた前記複数の論理的単位の印刷の要否と、前記第3の受信手段により受信された前記対応情報とに基づいて、前記少なくとも1つの要素を特定することを特徴とする請求項2に記載の印刷データ受信装置。
【請求項5】
前記第1の要求手段は、予め定められた位置及び大きさを指定して、前記管理データの送信を要求し、前記第1の受信手段により当該管理データが完全な形で受信されなかった場合に、当該予め定められた位置及び大きさの少なくとも何れか一方を変更した後の位置及び大きさを指定して、当該管理データの送信を再度要求することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の印刷データ受信装置。
【請求項6】
前記第1の受信手段により受信された前記管理データと、前記第2の受信手段により受信された前記複数の要素とを記憶する第1の記憶手段と、
前記印刷データにおける前記管理データの位置を示す第1の位置情報を当該管理データに関連付けて記憶し、前記印刷データにおける前記複数の要素の位置をそれぞれ示す複数の第2の位置情報を当該複数の要素のそれぞれに関連付けて記憶する第2の記憶手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の印刷データ受信装置。
【請求項7】
前記第2の記憶手段に記憶された前記第1の位置情報に基づいて、前記印刷データにおける前記管理データの位置に対応する前記第1の記憶手段における位置に当該管理データを書き込み、前記第2の記憶手段に記憶された前記複数の第2の位置情報に基づいて、前記印刷データにおける前記複数の要素の位置にそれぞれ対応する前記第1の記憶手段における複数の位置に、当該複数の要素をそれぞれ書き込む書き込み手段を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の印刷データ受信装置。
【請求項8】
複数の要素がその処理順序とは関係ない順序で配置された配置データと、当該複数の要素がそれぞれ配置された複数の位置を管理する管理データとを含む印刷データを送信する印刷データ送信装置に対し、当該管理データの位置及び大きさを指定して、当該管理データの送信を要求する第1の要求手段と、
前記第1の要求手段による要求に応じて送信された前記管理データを受信する第1の受信手段と、
前記複数の要素の取得順序を特定する特定手段と、
前記印刷データ送信装置に対し、前記第1の受信手段により受信された前記管理データに基づいて決定される前記複数の要素の位置及び大きさを、前記特定手段により特定された前記取得順序で順次指定して、当該複数の要素の送信を要求する第2の要求手段と、
前記第2の要求手段による要求に応じて順次送信された前記複数の要素を順次受信する第2の受信手段と、
前記第1の受信手段により受信された前記管理データを、前記印刷データにおける当該管理データの位置に対応する位置に記憶し、前記第2の受信手段により受信された前記複数の要素のそれぞれを、前記印刷データにおける当該複数の要素の位置にそれぞれ対応する複数の位置に記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記管理データにより管理される前記複数の位置にそれぞれ記憶された前記複数の要素を画像化する画像化手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
コンピュータに、
複数の要素がその処理順序とは関係ない順序で配置された配置データと、当該複数の要素がそれぞれ配置された複数の位置を管理する管理データとを含む印刷データを送信する印刷データ送信装置に対し、当該管理データの位置及び大きさを指定して、当該管理データの送信を要求する第1の要求機能と、
前記第1の要求機能での要求に応じて送信された前記管理データを受信する第1の受信機能と、
前記複数の要素の取得順序を特定する特定機能と、
前記印刷データ送信装置に対し、前記第1の受信機能で受信された前記管理データに基づいて決定される前記複数の要素の位置及び大きさを、前記特定機能で特定された前記取得順序で順次指定して、当該複数の要素の送信を要求する第2の要求機能と、
前記第2の要求機能での要求に応じて順次送信された前記複数の要素を順次受信する第2の受信機能と
を実現させるためのプログラム。
【請求項1】
複数の要素がその処理順序とは関係ない順序で配置された配置データと、当該複数の要素がそれぞれ配置された複数の位置を管理する管理データとを含む印刷データを送信する印刷データ送信装置に対し、当該管理データの位置及び大きさを指定して、当該管理データの送信を要求する第1の要求手段と、
前記第1の要求手段による要求に応じて送信された前記管理データを受信する第1の受信手段と、
前記複数の要素の取得順序を特定する特定手段と、
前記印刷データ送信装置に対し、前記第1の受信手段により受信された前記管理データに基づいて決定される前記複数の要素の位置及び大きさを、前記特定手段により特定された前記取得順序で順次指定して、当該複数の要素の送信を要求する第2の要求手段と、
前記第2の要求手段による要求に応じて順次送信された前記複数の要素を順次受信する第2の受信手段と
を備えたことを特徴とする印刷データ受信装置。
【請求項2】
前記特定手段は、前記複数の要素のうちの取得対象となる少なくとも1つの要素を特定し、
前記第2の要求手段は、前記印刷データ送信装置に対し、前記第1の受信手段により受信された前記管理データに基づいて決定される前記少なくとも1つの要素の位置及び大きさを順次指定して、当該少なくとも1つの要素の送信を要求し、
前記第2の受信手段は、前記第2の要求手段による要求に応じて順次送信された前記少なくとも1つの要素を順次受信することを特徴とする請求項1に記載の印刷データ受信装置。
【請求項3】
前記配置データに対して設定された複数の論理的単位の処理順序を受け付ける受付手段と、
前記印刷データ送信装置に対し、前記複数の論理的単位と前記複数の要素との対応情報の位置及び大きさを指定して、当該対応情報の送信を要求する第3の要求手段と、
前記第3の要求手段による要求に応じて送信された前記対応情報を受信する第3の受信手段と
を更に備え、
前記特定手段は、前記受付手段にて受け付けた前記複数の論理的単位の処理順序と、前記第3の受信手段により受信された前記対応情報とに基づいて、前記取得順序を特定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷データ受信装置。
【請求項4】
前記配置データに対して設定された複数の論理的単位の印刷の要否を受け付ける受付手段と、
前記印刷データ送信装置に対し、前記複数の論理的単位と前記複数の要素との対応情報の位置及び大きさを指定して、当該対応情報の送信を要求する第3の要求手段と、
前記第3の要求手段による要求に応じて送信された前記対応情報を受信する第3の受信手段と
を更に備え、
前記特定手段は、前記受付手段にて受け付けた前記複数の論理的単位の印刷の要否と、前記第3の受信手段により受信された前記対応情報とに基づいて、前記少なくとも1つの要素を特定することを特徴とする請求項2に記載の印刷データ受信装置。
【請求項5】
前記第1の要求手段は、予め定められた位置及び大きさを指定して、前記管理データの送信を要求し、前記第1の受信手段により当該管理データが完全な形で受信されなかった場合に、当該予め定められた位置及び大きさの少なくとも何れか一方を変更した後の位置及び大きさを指定して、当該管理データの送信を再度要求することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の印刷データ受信装置。
【請求項6】
前記第1の受信手段により受信された前記管理データと、前記第2の受信手段により受信された前記複数の要素とを記憶する第1の記憶手段と、
前記印刷データにおける前記管理データの位置を示す第1の位置情報を当該管理データに関連付けて記憶し、前記印刷データにおける前記複数の要素の位置をそれぞれ示す複数の第2の位置情報を当該複数の要素のそれぞれに関連付けて記憶する第2の記憶手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の印刷データ受信装置。
【請求項7】
前記第2の記憶手段に記憶された前記第1の位置情報に基づいて、前記印刷データにおける前記管理データの位置に対応する前記第1の記憶手段における位置に当該管理データを書き込み、前記第2の記憶手段に記憶された前記複数の第2の位置情報に基づいて、前記印刷データにおける前記複数の要素の位置にそれぞれ対応する前記第1の記憶手段における複数の位置に、当該複数の要素をそれぞれ書き込む書き込み手段を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の印刷データ受信装置。
【請求項8】
複数の要素がその処理順序とは関係ない順序で配置された配置データと、当該複数の要素がそれぞれ配置された複数の位置を管理する管理データとを含む印刷データを送信する印刷データ送信装置に対し、当該管理データの位置及び大きさを指定して、当該管理データの送信を要求する第1の要求手段と、
前記第1の要求手段による要求に応じて送信された前記管理データを受信する第1の受信手段と、
前記複数の要素の取得順序を特定する特定手段と、
前記印刷データ送信装置に対し、前記第1の受信手段により受信された前記管理データに基づいて決定される前記複数の要素の位置及び大きさを、前記特定手段により特定された前記取得順序で順次指定して、当該複数の要素の送信を要求する第2の要求手段と、
前記第2の要求手段による要求に応じて順次送信された前記複数の要素を順次受信する第2の受信手段と、
前記第1の受信手段により受信された前記管理データを、前記印刷データにおける当該管理データの位置に対応する位置に記憶し、前記第2の受信手段により受信された前記複数の要素のそれぞれを、前記印刷データにおける当該複数の要素の位置にそれぞれ対応する複数の位置に記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記管理データにより管理される前記複数の位置にそれぞれ記憶された前記複数の要素を画像化する画像化手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
コンピュータに、
複数の要素がその処理順序とは関係ない順序で配置された配置データと、当該複数の要素がそれぞれ配置された複数の位置を管理する管理データとを含む印刷データを送信する印刷データ送信装置に対し、当該管理データの位置及び大きさを指定して、当該管理データの送信を要求する第1の要求機能と、
前記第1の要求機能での要求に応じて送信された前記管理データを受信する第1の受信機能と、
前記複数の要素の取得順序を特定する特定機能と、
前記印刷データ送信装置に対し、前記第1の受信機能で受信された前記管理データに基づいて決定される前記複数の要素の位置及び大きさを、前記特定機能で特定された前記取得順序で順次指定して、当該複数の要素の送信を要求する第2の要求機能と、
前記第2の要求機能での要求に応じて順次送信された前記複数の要素を順次受信する第2の受信機能と
を実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−114405(P2013−114405A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259347(P2011−259347)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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