説明

印刷制御プログラム、情報処理装置、及び、印刷装置

【課題】排出ローラなどの排出部を複数備える印刷装置においてシートの排出の不具合を低減すること。
【解決手段】画像が印刷されたシートを排出する複数の排出部を備える印刷装置と通信可能に接続されている情報処理装置に、排出部から排出されたシートへの印刷に用いられた着色剤の累積の使用量を排出部毎に取得する使用量取得処理(S101)と、使用量取得処理によって取得された累積の使用量が最も多い排出部以外の排出部を選択する選択処理(S103)と、選択処理によって選択された排出部を指定して印刷装置に印刷データを送信する送信処理(S105)と、を実行させる印刷制御プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置が備える複数の排出部の中からシートを排出させる排出部を選択する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排出トレイ毎に排出ローラを備える印刷装置において、排出トレイに送り込まれる用紙の枚数をこれら排出トレイごとに集計し、最小の枚数が計数された排出トレイを用紙排出用に選択するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−024595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、シートに付着している着色剤が排出ローラに付着すると、ジャム等の排出の不具合が起き易くなる。従来はこのような問題について考慮されていなかった。
本明細書では、排出ローラなどの排出部を複数備える印刷装置においてシートの排出の不具合を低減する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される印刷制御プログラムは、画像が印刷されたシートを排出する複数の排出部を備える印刷装置と通信可能に接続されている情報処理装置に、前記排出部から排出された前記シートへの印刷に用いられた着色剤の累積の使用量を前記排出部毎に取得する使用量取得処理と、前記使用量取得処理によって取得された前記累積の使用量が最も多い前記排出部以外の前記排出部を選択する選択処理と、前記選択処理によって選択された前記排出部を指定して前記印刷装置に印刷データを送信する送信処理と、を実行させる。
【0006】
また、上記印刷制御プログラムは、前記選択処理において、前記使用量取得処理によって取得された前記累積の使用量が最も少ない前記排出部を選択してもよい。
【0007】
また、各前記排出部は、前記シートを排出方向に搬送する排出ローラであって、前記排出方向に直交する方向の幅が前記シートの前記排出方向に直交する方向の幅より狭い排出ローラを有し、前記使用量取得処理において、前記シートにおいて前記排出ローラと接触する領域への印刷に用いた前記着色剤の累積の使用量を取得してもよい。
【0008】
また、上記印刷制御プログラムは、前記シートの領域であって前記累積の使用量を求める対象となる対象領域の設定をユーザから受け付ける領域設定処理を前記情報処理装置に実行させ、前記選択処理において、前記領域設定処理によって設定された前記対象領域への印刷に用いられた前記着色剤の累積の使用量が最も多い前記排出部以外の前記排出部を選択してもよい。
【0009】
また、上記印刷制御プログラムは、前記排出部から排出された前記シートの累積の枚数を前記排出部毎に取得する枚数取得処理を前記情報処理装置に実行させ、前記選択処理において、前記枚数取得処理によって取得された前記累積の枚数に基づいて選択される前記排出部が一つだけである場合はその前記排出部を選択し、前記累積の枚数に基づいて選択される前記排出部が複数ある場合は、それら複数の前記排出部のうち前記使用量取得処理によって取得された前記累積の使用量が最も多い前記排出部以外の前記排出部を選択してもよい。
【0010】
また、上記印刷制御プログラムは、前記排出部から排出された前記シートの累積の枚数を前記排出部毎に取得する枚数取得処理を前記情報処理装置に実行させ、前記選択処理において、前記使用量取得処理によって取得された前記累積の使用量に基づいて選択される前記排出部が一つだけである場合はその前記排出部を選択し、前記累積の使用量に基づいて選択される前記排出部が複数ある場合は、それら複数の前記排出部のうち前記枚数取得処理によって取得された前記累積の枚数が最も多い前記排出部以外の前記排出部を選択してもよい。
【0011】
また、上記印刷制御プログラムは、前記排出部から排出された前記シートの累積の枚数を前記排出部毎に取得する枚数取得処理と、前記使用量取得処理によって取得された前記累積の使用量に基づく前記排出部の選択を優先するか、又は、前記枚数取得処理によって取得された前記累積の枚数に基づく前記排出部の選択を優先するかの設定をユーザから受け付ける優先設定処理と、を前記情報処理装置に実行させ、前記選択処理において、前記優先設定処理によって前記累積の使用量に基づく前記排出部の選択を優先するよう設定されている場合は前記使用量取得処理によって取得された前記累積の使用量が最も多い前記排出部以外の前記排出部を選択し、前記優先設定処理によって前記累積の枚数に基づく前記排出部の選択を優先するよう設定されている場合は前記枚数取得処理によって取得された前記累積の枚数が最も多い前記排出部以外の前記排出部を選択してもよい。
【0012】
本明細書によって開示される情報処理装置は、画像が印刷されたシートを排出する複数の排出部を備える印刷装置と通信可能に接続される情報処理装置であって、前記排出部から排出された前記シートへの印刷に用いられた着色剤の累積の使用量を前記排出部毎に取得する使用量取得部と、前記使用量取得部によって取得された前記累積の使用量が最も多い前記排出部以外の前記排出部を選択する選択部と、前記選択部によって選択された前記排出部を指定して前記印刷装置に印刷データを送信する送信部と、を備える。
【0013】
本明細書によって開示される印刷装置は、情報処理装置と通信可能に接続されている印刷装置であって、前記情報処理装置から印刷データを受信する受信部と、着色剤を用いてシートに前記印刷データが表す画像を印刷する印刷部と、前記印刷部によって前記画像が印刷された前記シートを排出する複数の排出部と、前記排出部毎に設けられ、対応する前記排出部から排出された前記シートが積載される積載部と、排出した前記シートへの印刷に用いた前記着色剤の累積の使用量を前記排出部毎に記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている前記累積の使用量を前記情報処理装置に送信する送信部と、前記印刷部によって前記画像が印刷された前記シートを、前記情報処理装置によって指定された前記排出部から排出させる排出経路切替部と、を備える。
【0014】
本明細書によって開示される印刷装置は、着色剤を用いてシートに画像を印刷する印刷部と、前記印刷部によって前記画像が印刷された前記シートを排出する複数の排出部と、前記排出部毎に設けられ、対応する前記排出部から排出された前記シートが積載される積載部と、排出した前記シートへの印刷に用いた前記着色剤の累積の使用量を前記排出部毎に記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている前記累積の使用量が最も多い前記排出部以外の前記排出部を選択する選択部と、前記印刷部によって前記画像が印刷された前記シートを、前記選択部によって選択された前記排出部から排出させる排出経路切替部と、を備える。
【0015】
なお、この発明は、印刷システム、印刷制御方法、印刷制御プログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
また、本発明に備わる各部の機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら各部の機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
【発明の効果】
【0016】
上記の印刷制御プログラム、情報処理装置、及び、印刷装置によると、排出ローラなどの排出部を複数備える印刷装置においてシートの排出の不具合を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態1に係る印刷システムを示す模式図。
【図2】プリンタの概略的な内部構成を示す模式図。
【図3】選択方法を設定する流れを示す画面遷移図。
【図4】シートにおいて排出ローラと接触する領域を示す模式図。
【図5】排出部自動選択処理の流れを示すフローチャート。
【図6】選択処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図6によって説明する。
(1)印刷システムの構成
図1は、実施形態1に係る情報処理装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)2と、印刷装置としてのプリンタ3とを備える印刷システム1を示す模式図である。PC2とプリンタ3とはLAN(Local Aria Network)やインターネットなどの有線又は無線通信ネットワーク4を介して通信可能に接続されている。
【0019】
(1−1)PCの電気的構成
PC2は、CPU21、ROM22、RAM23、表示部24、操作部25、記憶部26、及び、通信インタフェース(通信I/F)部27を備えて構成されている。
CPU21は、ROM22や記憶部26に記憶されている各種のプログラムを実行することによってPC2の各部を制御する。ROM22にはCPU21によって実行される制御プログラムや各種のデータなどが記憶されている。RAM23はCPU21が各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
【0020】
表示部24は、液晶ディスプレイなどの表示装置、表示装置を駆動する駆動回路などを備えて構成されている。
操作部25は、マウスやキーボードなどの入力装置、これらの入力装置が接続される接続インタフェースなどを備えて構成されている。
【0021】
記憶部26は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリを用いて各種のプログラムやデータを記憶する装置である。記憶部26には、オペレーティングシステム(OS)40、各種のアプリケーションプログラム(アプリケーション)41、印刷制御プログラムとしてのプリンタドライバ42などが記憶されている。
通信インタフェース部27は、通信ネットワーク4を介してプリンタ3などの装置と通信可能に接続されている。なお、PC2はUSB(Universal Serial Bus)やパラレルポートを介してプリンタ3に接続されてもよい。
【0022】
CPU21と通信インタフェース部27とは使用量取得部、及び、送信部の一例である。また、CPU21は選択部の一例である。
【0023】
(1−2)プリンタの概略構成
図2は、プリンタ3の概略的な内部構成を示す模式図である。印刷部32にはトナーが収容されている図示しないトナーカートリッジが着脱可能に装着されており、印刷部32はトナーを用いてシート50に電子写真方式で画像を印刷する。トナーは着色剤の一例である。
【0024】
プリンタ3は、画像が印刷されたシート50が積載される複数の排出トレイ39(39A〜39D)を備えている。排出トレイ39A〜39Dは積載部の一例である。
【0025】
また、プリンタ3は、画像が印刷されたシート50を対応する排出トレイ39に排出する複数の排出部33(33A〜33D)を備えている。各排出部33はそれぞれシート50を排出方向に搬送する排出ローラ45(45A〜45D)と、排出ローラ45に従動して回転する従動ローラ46(46A〜46D)と、排出ローラ45を回転駆動する図示しないモータとを備えている。
【0026】
プリンタ3はシート50の片面にのみ画像を印刷する片面印刷とシート50の両面に画像を印刷する両面印刷とが可能であり、排出ローラ45は片面印刷されたシート50において画像が印刷されている面に接触し、従動ローラ46は片面印刷されたシート50において画像が印刷されていない面に接触する。
【0027】
排出経路切替部34は、図示しないモータによって駆動される複数のフリッパ47を備えている。画像が印刷されたシート50はフリッパ47によって搬送経路が切り替えられることによって上記4つの排出部33A〜33Dのうちのいずれか一つから排出される。
【0028】
(1−3)プリンタの電気的構成
図1に戻り、プリンタ3は、制御部31、印刷部32、排出部33、排出経路切替部34、操作部35、表示部36、通信インタフェース(通信I/F)部37、及び、記憶部38を備えている。
制御部31は、CPU31A、ROM31B、RAM31C、NVRAM31D(不揮発性メモリ)を備えている。ROM31Bはプリンタ3の各種動作を実行するためのプログラムを記憶しており、CPU31AはROM31Bから読み出したプログラムに従って各部の制御を行う。RAM31Cは、CPU31Aの作業領域、および印刷ジョブの記憶領域として用いられる揮発性のメモリであり、NVRAM31Dは、各種設定値等を記憶する不揮発性のメモリである。
【0029】
操作部35は、複数のボタンを備え、ユーザによる各種の指示の入力を受け付ける。
表示部36は、ディスプレイやランプ等を備え、様々なメッセージや設定画面等を表示する。
通信インタフェース部37は、通信ネットワーク4を介してPC2と通信可能に接続されている。
【0030】
記憶部38は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリを用いて各種のプログラムやデータを記憶する装置である。記憶部38には、排出部33毎に後述する「シート全体」についての累積のトナー使用量、「排出ローラ部分のみ」についての累積のトナー使用量、累積の排出枚数などが記憶される。
制御部31と通信インタフェース部37とは受信部、及び、送信部の一例である。
【0031】
(2)印刷システムの作動
始めに、印刷システム1の作動の概略について説明する。PC2は、ユーザから印刷が指示されると、プリンタ3から排出部33毎に当該排出部33から排出されたシート50への印刷に用いられたトナーの累積の使用量(以下、「累積のトナー使用量」という)、及び、当該排出部33から排出されたシート50の累積の枚数(以下、「累積の排出枚数」という)を取得する。
【0032】
ここで累積のトナー使用量は、排出ローラ45を交換不能である場合はプリンタ3が製造されたときからの累積の使用量であり、排出ローラ45を交換可能な場合は最後に排出ローラ45が交換されたときからの累積の使用量である。なお、いずれの場合も、排出ローラ45をクリーニング可能な場合は、最後にクリーニングが行われたときからの累積の使用量としてもよい。累積の排出枚数についても同様である。
【0033】
PC2は、累積のトナー使用量、及び、累積の排出枚数を取得すると、取得した累積のトナー使用量、累積の排出枚数、及び、ユーザにより設定された選択方法に基づいて排出部33を一つ選択し、選択した排出部33を指定してプリンタ3に印刷データを送信する。
プリンタ3は、PC2から排出部33が指定されて印刷データが送信されると、その印刷データが表す画像をシート50に印刷し、画像が印刷されたシート50をPC2によって指定された排出部33から排出させる。
【0034】
(2−1)排出部の選択方法の設定
図3は、上述した選択方法をユーザが設定する流れを示す画面遷移図である。図3において印刷画面61はアプリケーション41によって表示部24に表示される画面である。印刷画面61でユーザがプリンタ3を選択して[OK]ボタン61Aをクリックすると、プリンタ3のプリンタドライバ42にアプリケーション41からOS40を介して印刷命令が出力される。
【0035】
また、ユーザは印刷画面61でプリンタ3を選択して[プロパティ]ボタン61Bをクリックすることにより、プリンタ3のプリンタドライバ42を呼び出すことができる。呼び出されたプリンタドライバ42は印刷条件を設定するための印刷条件設定画面62を表示部24に表示する。
【0036】
印刷条件設定画面62でユーザが[排出部自動選択設定]ボタン62Aをクリックすると、プリンタドライバ42は選択方法を設定するための排出部自動選択設定画面63を表示部24に表示する。
排出部自動選択設定画面63において「ドット数を優先する」は、累積の排出枚数に基づく排出部33の選択よりも累積のトナー使用量に基づく排出部33の選択を優先する設定である。
「ドット数で決められなかった場合は排出枚数を考慮に入れる」は、「ドット数を優先する」がチェックされているときに有効になる項目であり、累積のトナー使用量のみでは排出部33を一つに絞り込めなかった場合に、累積の排出枚数を考慮に入れて排出部33を選択する設定である。
【0037】
「排出枚数を優先する」は、累積のトナー使用量に基づく排出部33の選択よりも累積の排出枚数に基づく排出部33の選択を優先する設定である。
「排出枚数で決められなかった場合はドット数を考慮に入れる」は、「排出枚数を優先する」がチェックされているときに有効になる項目であり、累積の排出枚数のみでは排出部33を一つに絞り込めなかった場合に、累積のトナー使用量を考慮に入れて排出部33を選択する設定である。
【0038】
「ドット数検出領域設定」は、シート50の領域であって累積のトナー使用量を求める対象となる対象領域を設定する項目である。「シート全体」を選択すると「シート全体」についての累積のトナー使用量を用いて排出部33が選択され、「排出ローラ部分のみ」を選択するとシート50において排出ローラ45と接触する領域(図4参照)のみについての累積のトナー使用量を用いて排出部33が選択される。
【0039】
図4は、シート50において排出ローラ45と接触する領域を示す模式図である。図4ではシート50において排出ローラ45が接触する領域を網掛で示している。排出ローラ45はシート50の排出方向に直交する方向の2か所でシート50に接触する。排出ローラ45においてシート50に接触する部分の幅(W1,W2)であって排出方向に直交する方向の幅の合計(W1+W2)は、シート50の幅であって排出方向に直交する方向の幅(Wh)より狭い。つまり、排出ローラ45はシート50の全面に接触するのではなく、シート50の一部の領域にのみ接触してシート50を搬送する。
【0040】
排出部自動選択設定画面63を表示して選択方法の設定を受け付ける処理は、領域設定処理、及び、優先設定処理の一例である。
【0041】
(2−2)累積のトナー使用量、及び、シートの累積の排出枚数の管理
プリンタ3は、排出部33毎に当該排出部33から排出されたシート50への印刷に用いられた累積のトナー使用量を「シート全体」及び「排出ローラ部分のみ」の両方について記憶している。更に、プリンタ3は排出部33毎に累積の排出枚数を記憶部38に記憶している。
【0042】
プリンタ3は、PC2から送信を要求されると、排出部33毎に「シート全体」についての累積のトナー使用量、「排出ローラ部分のみ」についての累積のトナー使用量、及び、累積の排出枚数をPC2に送信する。
【0043】
PC2は、アプリケーション41から印刷命令が出力されると、「シート全体」について印刷に用いるトナーの使用量を求め、求めた使用量を、プリンタ3から取得した「シート全体」についての累積のトナー使用量のうち選択した排出部33の累積のトナー使用量に加算する。
【0044】
更に、PC2は「排出ローラ部分のみ」について印刷に用いるトナーの使用量を求め、求めた使用量を、プリンタ3から取得した「排出ローラ部分のみ」についての累積のトナー使用量のうち選択した排出部33の累積のトナー使用量に加算する。
更に、PC2はその印刷に用いるシート50の枚数を計数し、計数した枚数を、プリンタ3から取得した累積の排出枚数のうち選択した排出部33の累積の排出枚数に加算する。
【0045】
ここで、実施形態1に係るPC2は、シート50に形成されるドット数を計数することによってトナーの使用量を求める。トナーの使用量とドット数とは比例するからである。PC2はアプリケーション41から出力された印刷命令が表す画像に色空間変換処理、ハーフトーン処理などを施すことによってプリンタ3で形成されるドットのパターンを表す二値画像を生成し、生成した二値画像からドットの数をカウントすることによってドット数を計数する。二値画像は前述した印刷データに相当する。
【0046】
なお、ドット数を計数するのではなく、トナーの残量を検出するセンサを備え、印刷前の残量と印刷後の残量との差をトナーの使用量として求めてもよい。
また、プリンタ3がカラープリンタである場合は、トナーの色毎に生成された各二値画像についてドット数を計数してもよいし、サンプルとして特定の色のみを選択し、その色についてのみドット数を計数してもよい。
【0047】
また、シート50の両面に画像を印刷する場合は、シート50において排出ローラ45に接触する面への印刷に使用されるトナーの使用量のみを加算してもよい。つまり、従動ローラ46に接触する面への印刷に使用されるトナーの使用量は加算しないようにしてもよい。
【0048】
PC2は、「シート全体」についての加算後の累積のトナー使用量、「排出ローラ部分のみ」についての加算後の累積のトナー使用量、及び、加算後の累積の排出枚数をプリンタ3に送信する。
【0049】
プリンタ3は、上述した累積のトナー使用量や累積の排出枚数をPC2から受信すると、記憶部38に記憶されている「シート全体」についての累積のトナー使用量のうちPC2によって指定された排出部33の累積のトナー使用量を、PC2から受信した「シート全体」についての加算後の累積のトナー使用量で更新する。
【0050】
同様に、プリンタ3は、記憶部38に記憶されている「排出ローラ部分のみ」についての累積のトナー使用量のうちPC2によって指定された排出部33の累積のトナー使用量を、PC2から受信した「排出ローラ部分のみ」についての加算後の累積のトナー使用量で更新する。
同様に、プリンタ3は記憶部38に記憶されている累積の排出枚数のうちPC2によって指定された排出部33の累積の排出枚数を、PC2から受信した加算後の累積の排出枚数で更新する。
【0051】
(2−3)排出部自動選択処理
図5は、排出部自動選択処理の流れを示すフローチャートである。本処理はアプリケーション41からプリンタドライバ42に印刷命令が出力されると開始される。
【0052】
S101では、プリンタドライバ42を実行するCPU21(以下、単に「プリンタドライバ42」という)は、プリンタ3から排出部33毎に「シート全体」についての累積のトナー使用量、及び、「排出ローラ部分のみ」についての累積のトナー使用量を取得する。
以降の説明において単に累積のトナー使用量というときは、「シート全体」についての累積のトナー使用量、及び、「排出ローラ部分のみ」についての累積のトナー使用量のうち、いずれかユーザが「ドット数検出領域設定」で設定した方のトナー使用量のことをいう。
【0053】
S102では、プリンタドライバ42はプリンタ3から排出部33毎に当該排出部33から排出された累積の排出枚数を取得する。
S103では、プリンタドライバ42は排出部33を一つ選択する処理である選択処理を実行する。選択処理の詳細については後述する。
【0054】
S104では、プリンタドライバ42はアプリケーション41から出力された印刷命令と印刷条件設定画面62で設定された印刷条件とに基づいて印刷データを生成する。
S105では、プリンタドライバ42はS103で選択した排出部33を指定してプリンタ3に印刷データを送信する。
【0055】
S106では、プリンタドライバ42は印刷データに基づいて排出枚数を計数し、計数した排出枚数を、選択した排出部33の累積の排出枚数に加算する。
S107では、プリンタドライバ42は印刷データに基づいて「シート全体」についてのトナー使用量を計数し、計数したトナー使用量を、選択した排出部33の「シート全体」についての累積のトナー使用量に加算する。
【0056】
S108では、プリンタドライバ42は印刷データに基づいて「排出ローラ部分のみ」についてのトナー使用量を計数し、計数したトナー使用量を、選択した排出部33の「排出ローラ部分のみ」についての累積のトナー使用量に加算する。
S109では、プリンタドライバ42は選択した排出部33の加算後の累積の排出枚数、「シート全体」についての加算後の累積のトナー使用量、及び、「排出ローラ部分のみ」についての加算後の累積のトナー使用量をプリンタ3に送信する。
【0057】
S101は使用量取得処理の一例である。S102は枚数取得処理の一例である。また、S105は送信処理の一例である。
【0058】
(2−4)選択処理
図6は、上述した選択処理の流れを示すフローチャートである。
S201では、プリンタドライバ42は累積のトナー使用量及び累積の排出枚数のうちどちらを優先して排出部33を選択するかを判定する。
具体的には、プリンタドライバ42は前述した排出部自動選択設定で「ドット数を優先する」が設定されている場合は累積のトナー使用量を優先すると判定し、「排出枚数を優先する」が設定されている場合は累積の排出枚数を優先すると判定する。
プリンタドライバ42は、「累積のトナー使用量」を優先する場合はS202に進み、「累積の排出枚数」を優先する場合はS206に進む。
【0059】
S202では、プリンタドライバ42はプリンタ3から取得した累積のトナー使用量が最も少ない排出部33を選択する。
ここで、プリンタドライバ42は、累積のトナー使用量が最も少ない排出部33を一つだけ選択するのではなく、累積のトナー使用量が最も少ない排出部33との累積のトナー使用量の差が一定範囲内である排出部33も、累積のトナー使用量が最も少ない排出部33として選択してもよい。これは、累積のトナー使用量の差が一定範囲内である場合は排出ローラ45に付着しているトナーの量に大差がないので、排出の不具合の起き易さも概ね同程度と考えられるからである。
【0060】
S203では、プリンタドライバ42は排出部33が一つに絞り込まれたか否かを判定する。前述したようにS202では複数の排出部33が選択される場合もあるので、その場合は排出部33が一つに絞り込まれていないことになる。
プリンタドライバ42は、排出部33が一つに絞り込まれていない場合はS204に進み、一つに絞り込まれている場合は排出部自動選択処理に戻る。
【0061】
S204では、プリンタドライバ42は累積の排出枚数を基に排出部33を選択するか否かを判定する。
具体的には、プリンタドライバ42は前述した排出部自動選択設定画面63で「ドット数で決められなかった場合は排出枚数を考慮に入れる」がチェックされている場合は累積の排出枚数を基に排出部33を選択すると判定し、チェックされていない場合は累積の排出枚数を基に排出部33を選択しないと判定する。
プリンタドライバ42は、累積の排出枚数を基に排出部33を選択する場合はS205に進み、累積の排出枚数を基に排出部33を選択しない場合はS211に進む。
【0062】
S205では、プリンタドライバ42はS202で選択した排出部33のうち累積の排出枚数が最も少ない排出部33を選択する。
この場合も、プリンタドライバ42は、累積の排出枚数が最も少ない排出部33を一つだけ選択するのではなく、累積の排出枚数が最も少ない排出部33との累積の排出枚数の差が一定範囲内である排出部33も、累積の排出枚数が最も少ない排出部33として選択してもよい。これは、累積の排出枚数の差が一定範囲内である場合は排出ローラ45に付着している紙粉の量に大差がないので、排出の不具合の起き易さも概ね同程度と考えられるからである。
【0063】
以下に説明するS206〜S209はS201で「累積の排出枚数」を優先すると判定された場合の処理である。
S206では、プリンタドライバ42はプリンタ3から取得した累積の排出枚数が最も少ない排出部33を選択する。
S207では、プリンタドライバ42は排出部33が一つに絞り込まれたか否かを判定し、一つに絞り込まれていない場合はS208に進み、一つに絞り込まれている場合は排出部自動選択処理に戻る。
【0064】
S208では、プリンタドライバ42は累積のトナー使用量を基に排出部33を選択するか否かを判定する。
具体的には、プリンタドライバ42は前述した排出部自動選択設定画面63で「排出枚数で決められなかった場合はドット数を考慮に入れる」がチェックされている場合は累積のトナー使用量を基に排出部33を選択すると判定し、チェックされていない場合は累積のトナー使用量を基に排出部33を選択しないと判定する。
プリンタドライバ42は、累積のトナー使用量を基にする場合はS209に進み、累積のトナー使用量を基にしない場合はS211に進む。
【0065】
S209では、プリンタドライバ42はS206で選択した排出部33のうち累積のトナー使用量が最も少ない排出部33を選択する。
S210では、プリンタドライバ42は排出部33が一つに絞り込まれたか否かを判定し、一つに絞り込まれていない場合はS211に進み、一つに絞り込まれている場合は排出部自動選択処理に戻る。
【0066】
S211では、プリンタドライバ42は、絞り込まれた排出部33の中から排出部33を一つ選択する。
具体的には、プリンタドライバ42は、S201で累積のトナー使用量を優先すると判定されている場合は、累積のトナー使用量が最も少ない排出部33のうち累積の排出枚数が最も少ない排出部33の中から排出部33を任意に一つ選択する。一方、S201で累積の排出枚数を優先すると判定されている場合は、プリンタドライバ42は、累積の排出枚数が最も少ない排出部33のうち累積のトナー使用量が最も少ない排出部33の中から排出部33を任意に一つ選択する。この選択は適宜に行うことができる。例えばそれらの排出部33のうち配置位置が最も高い排出部33を選択してもよいし、ランダムに選択してもよい。
【0067】
(4)実施形態の効果
シート50に付着しているトナーが排出ローラ45に付着すると、排出ローラ45が劣化し易くなったり、あるいは排出ローラ45に付着しているトナーによってシート50が滑り易くなったりすることにより、排出の不具合が起き易くなる。そして、一般にシート50への印刷に用いられたトナーの累積の使用量が多い排出ローラ45ほど付着しているトナーが多くなるので、シート50への印刷に用いられた累積のトナー使用量が多い排出ローラ45ほど排出の不具合が起き易くなるといえる。
実施形態1に係るプリンタドライバ42によると、少なくとも累積のトナー使用量を優先する場合は、シート50への印刷に用いられた累積のトナー使用量が最も多い排出部33以外の排出部33を選択するので、排出ローラ45へのトナーの付着による排出の不具合を低減できる。
【0068】
更に、プリンタドライバ42によると、シート50への印刷に用いられた累積のトナー使用量が最も少ない排出部33を選択するので、排出ローラ45へのトナーの付着による排出の不具合をより低減できる。
【0069】
更に、プリンタドライバ42によると、「ドット数検出領域設定」で「排出ローラ部分のみ」が選択された場合はシート50において排出ローラ45と接触しない領域への印刷に用いたトナーの使用量は考慮しないので、排出ローラ45に付着する可能性の高いトナーの使用量を精度よく累積することができる。これにより、排出の不具合が低減される排出部33をより精度よく選択できる。
【0070】
更に、プリンタドライバ42によると、「シート全体」また「排出ローラ部分のみ」のいずれかをユーザが選択できる。シート50の斜行などにより排紙ローラが接触する領域が正確にわからない場合もある。このような場合は、ユーザは「シート全体」を選択するとよい。
【0071】
更に、プリンタドライバ42によると、累積の排出枚数に基づいて選択される排出部33が一つだけである場合はその排出部33を選択し、累積の排出枚数に基づいて選択される排出部33が複数ある場合は、それら複数の排出部33のうち累積のトナー使用量が最も多い排出部33以外の排出部33を選択する。
シート50の紙粉が排出ローラ45に付着すると、排出ローラ45に付着している紙粉によってシート50が滑り易くなることにより、排出の不具合が起き易くなる。プリンタドライバ42によると、排出されたシート50の累積の排出枚数が最も少ない排出部33を選択するので、排出ローラ45への紙粉の付着による排出の不具合を低減できる。
ところで、累積の排出枚数に基づいて選択される排出部33が複数ある場合もある。プリンタドライバ42によると、排出されたシート50の累積の排出枚数に基づいて選択される排出部33が複数ある場合は累積のトナー使用量が最も多い排出部33以外の排出部33を選択するので、排出されたシート50の累積の排出枚数に基づいて選択される排出部33が複数ある場合に、排出の不具合が低減される排出部33をより適切に選択できる。
【0072】
更に、プリンタドライバ42によると、累積のトナー使用量に基づいて選択される排出部33が複数ある場合は排出されたシート50の累積の排出枚数が最も多い排出部33以外の排出部33を選択するので、累積のトナー使用量が最も少ない排出部33が複数ある場合に、排出の不具合が低減される排出部33をより適切に選択できる。
【0073】
更に、プリンタドライバ42によると、累積のトナー使用量に基づく排出部33の選択を優先するか、又は、累積の排出枚数に基づく排出部33の選択を優先するかをユーザが選択できる。
【0074】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を説明する。
実施形態1ではシート50を排出する排出部33をPC2側で選択する場合を例に説明したが、実施形態2ではプリンタ3側で排出部33を選択する。
具体的には、実施形態2に係るPC2はユーザから印刷が指示されるとプリンタ3から累積のトナー使用量や累積の排出枚数を取得することなくプリンタ3に印刷データを送信する。プリンタ3はPC2から印刷データが出力されるとその印刷データが表す画像をシート50に印刷するとともに、記憶部38に記憶されている累積のトナー使用量や累積の排出枚数に基づいて排出部33を選択し、選択した排出部33からシート50を排出させる。
実施形態2ではユーザによる選択方法の設定もプリンタ3において受け付けられるものとする。なお、実施形態2においても選択方法の設定はPC2で行われてもよい。
実施形態2に係る排出部自動選択処理は、PC2で行われていた排出部自動選択処理がプリンタ3で行われる点を除いて実施形態1の排出部自動選択処理と実質的に同一であるのでフローチャートは省略する。
【0075】
以上説明した実施形態2に係るプリンタ3によると、シート50への印刷に用いられた累積のトナー使用量が最も多い排出部33以外の排出部33を選択するので、排出部33へのトナーの付着による排出の不具合を低減できる。
【0076】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0077】
(1)上記実施形態では着色剤としてトナーを例に説明したが、着色剤はインクであってもよい。
【0078】
(2)上記実施形態では累積のトナー使用量が最も少ない排出部33を選択する場合を例に説明したが、累積のトナー使用量が最も多い排出部33以外であれば累積のトナー使用量が最も少ない排出部33以外の排出部33を選択してもよい。
【0079】
(3)上記実施形態では累積のトナー使用量の対象領域として「シート全体」又は「排出ローラ部分のみ」をユーザが選択できる場合を例に説明したが、どちらか一方に固定されていてもよい。
【0080】
(4)上記実施形態では累積のトナー使用量に基づく選択を優先するか、又は、累積の排紙枚数に基づく選択を優先するかをユーザが選択できる場合を例に説明したが、どちらか一方を優先するように固定されていてもよい。
【0081】
(5)上記実施形態では累積のトナー使用量に加えて累積の排紙枚数を用いて排出部33を選択する場合を例に説明したが、累積の排紙枚数は用いず、累積のトナー使用量のみを用いて選択してもよい。
【0082】
(6)上記実施形態1では印刷に用いるトナーの使用量や排出枚数を累積のトナー使用量や累積の排出枚数に加算する処理をPC2で行う場合を例に説明したが、印刷に用いるトナーの使用量や排出枚数の計数はPC2で行い、それらを累積のトナー使用量や累積の排出枚数に加算する処理はプリンタ3で行ってもよい。あるいは、印刷に用いるトナーの使用量や排出枚数の計数自体もプリンタ3で行ってもよい。
【0083】
(7)上記実施形態では選択処理(S103)の後にトナー使用量や排出枚数を加算する処理(S104〜S108)を実行する場合を例に説明したが、選択処理の前にS104〜S108の処理を実行してもよい。この場合は、印刷データが表す画像が印刷されたシート50が排出される排出部33の選択が、その印刷データの印刷に用いられるトナーの使用量や排出枚数も考量して行われることになる。
【0084】
(8)上記実施形態では情報処理装置としてパーソナルコンピュータを例に説明したが、情報処理装置は携帯電話や携帯情報端末であってもよい。
【0085】
(9)上記実施形態では印刷装置としてプリンタを例に説明をしたが、印刷装置はプリンタに限られず、コピー機やファクシミリ装置など、複数の排出部を備えた印刷をする装置であればよい。
【符号の説明】
【0086】
1・・・印刷システム、2・・・パーソナルコンピュータ、3・・・プリンタ、4・・・通信ネットワーク、21・・・CPU、24・・・表示部、25・・・操作部、26・・・記憶部、27・・・通信インタフェース部、31・・・制御部、32・・・印刷部、33(33A〜33D)・・・排出部、34・・・排出経路切替部、35・・・操作部、36・・・表示部、37・・・通信インタフェース部、38・・・記憶部、39(39A〜39D)・・・排出トレイ、42・・・プリンタドライバ、45・・・排出ローラ、46・・・従動ローラ、47・・・フリッパ、50・・・シート、61・・・印刷画面、62・・・印刷条件設定画面、63・・・排出部自動選択設定画面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が印刷されたシートを排出する複数の排出部を備える印刷装置と通信可能に接続されている情報処理装置に、
前記排出部から排出された前記シートへの印刷に用いられた着色剤の累積の使用量を前記排出部毎に取得する使用量取得処理と、
前記使用量取得処理によって取得された前記累積の使用量が最も多い前記排出部以外の前記排出部を選択する選択処理と、
前記選択処理によって選択された前記排出部を指定して前記印刷装置に印刷データを送信する送信処理と、
を実行させる印刷制御プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷制御プログラムであって、
前記選択処理において、前記使用量取得処理によって取得された前記累積の使用量が最も少ない前記排出部を選択する、印刷制御プログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の印刷制御プログラムであって、
各前記排出部は、前記シートを排出方向に搬送する排出ローラであって、前記排出方向に直交する方向の幅が前記シートの前記排出方向に直交する方向の幅より狭い排出ローラを有し、
前記使用量取得処理において、前記シートにおいて前記排出ローラと接触する領域への印刷に用いた前記着色剤の累積の使用量を取得する、印刷制御プログラム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の印刷制御プログラムであって、
前記シートの領域であって前記累積の使用量を求める対象となる対象領域の設定をユーザから受け付ける領域設定処理を前記情報処理装置に実行させ、
前記選択処理において、前記領域設定処理によって設定された前記対象領域への印刷に用いられた前記着色剤の累積の使用量が最も多い前記排出部以外の前記排出部を選択する、印刷制御プログラム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の印刷制御プログラムであって、
前記排出部から排出された前記シートの累積の枚数を前記排出部毎に取得する枚数取得処理を前記情報処理装置に実行させ、
前記選択処理において、前記枚数取得処理によって取得された前記累積の枚数に基づいて選択される前記排出部が一つだけである場合はその前記排出部を選択し、前記累積の枚数に基づいて選択される前記排出部が複数ある場合は、それら複数の前記排出部のうち前記使用量取得処理によって取得された前記累積の使用量が最も多い前記排出部以外の前記排出部を選択する、印刷制御プログラム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の印刷制御プログラムであって、
前記排出部から排出された前記シートの累積の枚数を前記排出部毎に取得する枚数取得処理を前記情報処理装置に実行させ、
前記選択処理において、前記使用量取得処理によって取得された前記累積の使用量に基づいて選択される前記排出部が一つだけである場合はその前記排出部を選択し、前記累積の使用量に基づいて選択される前記排出部が複数ある場合は、それら複数の前記排出部のうち前記枚数取得処理によって取得された前記累積の枚数が最も多い前記排出部以外の前記排出部を選択する、印刷制御プログラム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の印刷制御プログラムであって、
前記排出部から排出された前記シートの累積の枚数を前記排出部毎に取得する枚数取得処理と、
前記使用量取得処理によって取得された前記累積の使用量に基づく前記排出部の選択を優先するか、又は、前記枚数取得処理によって取得された前記累積の枚数に基づく前記排出部の選択を優先するかの設定をユーザから受け付ける優先設定処理と、
を前記情報処理装置に実行させ、
前記選択処理において、前記優先設定処理によって前記累積の使用量に基づく前記排出部の選択を優先するよう設定されている場合は前記使用量取得処理によって取得された前記累積の使用量が最も多い前記排出部以外の前記排出部を選択し、前記優先設定処理によって前記累積の枚数に基づく前記排出部の選択を優先するよう設定されている場合は前記枚数取得処理によって取得された前記累積の枚数が最も多い前記排出部以外の前記排出部を選択する、印刷制御プログラム。
【請求項8】
画像が印刷されたシートを排出する複数の排出部を備える印刷装置と通信可能に接続される情報処理装置であって、
前記排出部から排出された前記シートへの印刷に用いられた着色剤の累積の使用量を前記排出部毎に取得する使用量取得部と、
前記使用量取得部によって取得された前記累積の使用量が最も多い前記排出部以外の前記排出部を選択する選択部と、
前記選択部によって選択された前記排出部を指定して前記印刷装置に印刷データを送信する送信部と、
を備える情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置と通信可能に接続されている印刷装置であって、
前記情報処理装置から印刷データを受信する受信部と、
着色剤を用いてシートに前記印刷データが表す画像を印刷する印刷部と、
前記印刷部によって前記画像が印刷された前記シートを排出する複数の排出部と、
前記排出部毎に設けられ、対応する前記排出部から排出された前記シートが積載される積載部と、
排出した前記シートへの印刷に用いた前記着色剤の累積の使用量を前記排出部毎に記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている前記累積の使用量を前記情報処理装置に送信する送信部と、
前記印刷部によって前記画像が印刷された前記シートを、前記情報処理装置によって指定された前記排出部から排出させる排出経路切替部と、
を備える印刷装置。
【請求項10】
着色剤を用いてシートに画像を印刷する印刷部と、
前記印刷部によって前記画像が印刷された前記シートを排出する複数の排出部と、
前記排出部毎に設けられ、対応する前記排出部から排出された前記シートが積載される積載部と、
排出した前記シートへの印刷に用いた前記着色剤の累積の使用量を前記排出部毎に記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている前記累積の使用量が最も多い前記排出部以外の前記排出部を選択する選択部と、
前記印刷部によって前記画像が印刷された前記シートを、前記選択部によって選択された前記排出部から排出させる排出経路切替部と、
を備える印刷装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−11947(P2013−11947A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142887(P2011−142887)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】