説明

印刷回路基板コイル

本願は、リッツ線から形成されるコアを擬態する、多層印刷回路基板(PCB)用コイルに関する。PCBは、複数の交互する導体層と絶縁層とを含み、導体層は協働してコイルを形成するように相互連結される。各導体層は、要求されたコイル形状を追従し、かつ複数の個別の導体セグメントに分割されるトレースを含む。導体セグメントは、層を越えて電気的に接続され、規則的な繰り返しパターンで層の間をうねる複数の電流経路(すなわちフィラメント)を提供する。コイルは、各フィラメントがペア・コイルに近い状態で実質的に同量の時間を費やすように配置される。故に、各フィラメントは、実質的なコイルの自己または相互インダクタンスに等価になる。各導体層は、複数の関連するトレースおよび中間層コネクターを含むことができ、双方は、各フィラメントが、上方向/下方向だけでなく内方向/外方向も規則的な繰り返しパターンでうねるように相互接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁石コイルに関連し、特に多層印刷回路基板用電磁石コイルに関連する。
【背景技術】
【0002】
電磁石コイルは、電気応用の幅広い範囲で使用され、パワーの誘導的移動に関連する電気応用分野で使用されている。例えば、電気コイルの種々の形状が、変圧器、誘導的パワー結合、およびモーター内において使用されている。歴史的に見ると、電気コイルは、1本の電線を1回以上のループ状にして巻き付けることで形成されてきた。コイルの直径、電線のタイプおよび直径、電線およびコイルのループ数(すなわち、回転数)並びに他の特性は、典型的には要求される電磁石のパワー伝導特性を提供するように選択される。
【0003】
交流電流(AC)は、導体内で電流自体を分布させる傾向を有し、導体の表面近くの電流密度は、中心部の電流密度よりも大きくなることが、良く知られている。この現象は、通常「表皮効果」と呼ばれる。表皮効果は、AC電流の周波数の増加と共に導体の実効抵抗を増加させるように作用する。表皮効果を克服する取り組みにおいて、高周波数の応用で使用される電磁石コイルは、しばしばリッツ線で巻かれる。リッツ線は、一般に特殊タイプの電線として特徴付けられ、個別に絶縁フィルムがコーティングされ、撚り合された沢山の細い線を含む。個別の線は、組み合わされ、しばしば種々の撚り合せレベルを含む所定のパターンを注意深く従うことになる(撚線のグループが、一緒に撚り合わされる等)。電線は、典型的には撚り合わされ、個別の撚線の各々が、ペア・コイルに近い状態で実質的に等量の時間を費やすようにされる。従って、撚線の各々は、ペア・コイルからの実質的に等量の磁束線を遮断し、コイルの自己インダクタンスまたは相互インダクタンスの特性に実質的に等しくなることに寄与する。分離した細い線の組合せのおかげで、組み合わされた導体は、すべての断面積を使用することで、固体導体よりも大きな表面積を有することになるので、表皮効果を低減することになる。表皮効果低減および撚線の特有の構成の成果として、リッツ線・コイルに関連するパワー損失は、高周波数の応用に使用するときに、実質的に従来の単線のコイルよりも少なくなる。このように有利であっても、リッツ線は、多くの不利な点に悩まされる。第1に、リッツ線・コイルの抵抗は、理論的に得られる値よりも高くなる。何故なら、個別の撚線は円形なので、絶縁体でコーティングされると、断面積全体が、かなりの量の不導体要素、例えば空気および絶縁体を含むことになる。第2に、得られる構造が比較的繊細で、各撚線は破損しやすい。外側のシース(sheath)が、撚線を保護するために、度々組み込まれる。このシースが、全体コストに追加され、理論的に得られる値を越える高い抵抗値を提供する。第3に、導体は、熱的に隔離され、導体自体は別として、熱を伝導する経路を有していない。そして、パワー処理は、熱的配慮のために低減される可能性がある。第4に、リッツ線およびリッツ線・コイルの製作プロセスは、比較的高くつき、かつ特殊で高価な設備を必要とする。第5に、リッツ線は、線間のパッキング密度および撚線間の分離により占有される空間のために、種々の応用で要求される大きさよりも分厚くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電線コイルは、比較的製作するのに高価であり(特に、リッツ線・コイル)、比較的大きな空間を占有し、たびたびコイルを印刷回路基板に機械的に搭載することが必要となる。これらの問題に対処するために、印刷回路基板にコイルを直接的に一体化させることが知られており、例えば、らせん状(spiral)のトレース(trace)を使用して印刷回路基板上にコイルを形成することで一体化させることが知られている。いくつかの応用例において、印刷回路基板は、多層のらせん状のトレースを含み、このトレースは、必要なターン数のコイルを形成するために、ビア(via)によって共に結合される(例:米国特許番号6,914,508号、フェレンツィ他、2005年7月5日取得)。印刷回路基板用コイルは、電線コイルに関していくつかの有利な点を提供することができるが、従来の印刷回路基板用コイルは、従来の単線が直面した特定の問題に悩まされることになる。例えば、誘導電流の不均等な分布およびPCBコイル内のインダクタンスの不均等な分布に関連する問題である。更に、積層化されたPCBコイルは、あるコイルが、他のコイルよりも磁界を多く受けることで、望ましくない寄生容量を招く可能性がある。最終的に、上記問題は、一層高い抵抗と損失を生じさせる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、リッツ線から形成されるコアを擬態(simulate)する、多層印刷回路基板(PCB)用コイルを提供する。PCBは、複数の交互する導体層と絶縁層とを含む。各導体層は協働してコイルを形成するように相互連結される。各導体層は、トレースを含み、このトレースは、要求されたコイル形状を追従し、かつ複数の個別の導体セグメントを提供するように分割される。一実施例において、PCBの各導体層は、通常のらせん形状のトレースを含み、このトレースは、複数の電気的に個別のセグメントを有する。セグメントは、層を越えて電気的に接続され、層の間をうねって経由する複数の電流経路(すなわち、フィラメント)を提供する。一実施例において、コイルは、各フィラメント(filament)がペア・コイルに近い状態で実質的に等量の時間を費やすように配置される。従って、各フィラメントは、実質的にコイルの自己インダクタンスまたは相互インダクタンスと等しいように寄与する。
【0006】
一実施例において、PCBの各層は、実質的に同一の広がりを有するらせん状のトレースを含み、このトレースは、積層化の関係で交互に他のトレースの上になる。この実施例において、上記トレースは、実質的に同一のセグメント部分を含むことができ、この結果、異なる層のセグメントを電気的に結合することを容易にする整列された交差点を提供することができる。
【0007】
一実施例において、異なる層のセグメントは、層の間を拡張するビア(via)によって交差点において電気的に接続される。各交差点は、ビアの箇所または近くで障害を最小化するような特別な形状にすることができる。一実施例において、各交差点は、各導体層のために個別のビアを含む。例えば,4層のPCBコイルは、4つのビアを含むことができる。他の実施例において、いくつか又はすべての導体層は、マルチプル・ビア(multiple via)を含むことができる。
【0008】
上述のように、フィラメントは、複数の導体層を介して上方向および下方向にうねる(undulate)。更に、一実施例において、フィラメントは、動作に付加的度合いを提供するために、内方向および外方向にうねさせることもできる。一実施例において、コイルの各層は、ペアの関係を拡大させるような実質的に並行になるらせんの形状で、隣接のセグメント化された2つのトレースを含むことができる。この実施例において、コイルは、中間層及び/又は中間層コネクターを含むことができ、この双方が、異なる層のセグメントおよびペアとなるトレースのセグメントとを接続する。接続の際、各撚線が、ペア・コイルに近い状態で実質的に等量の時間を費やすように、上方向/下方向および内方向/外方向にうねる複数のフィラメントを規定するようなパターンで、異なる層のセグメントとペアのトレースのセグメントとを接続する。各フィラメントの上方向/下方向および内方向/外方向のうねりは、リッツ線・コイルの撚線の捻り特性を擬態している。
【0009】
本発明は、簡単で効率良いPCBコイルを提供し、このコイルは、PCBコイルの多くの有利な点を維持する一方で、従来のPCBコイルの重大な不利な点を解消する。多層のうねる電流経路の存在は、従来のPCBコイルに比べて、表皮効果を低減させ、かつ損失を低下させている。セグメント化および中間層コネクターの使用は、要求されるうねりパターン内でコイルを電気的接続するのに、信頼性があり、実施容易な構造を提供している。加えて、フィラメントのうねりパターンは、各フィラメントがペア・コイルに近い状態でコイル内において実質的に等量の時間を費やすようなコイルを提供し、このことは、各フィラメントが、実質的にコイルの自己インダクタンスまたは相互インダクタンスと等しいように寄与することになるので、コイルの効率をさらに向上させることになる。また、本発明は、内方向/外方向のうねりを行うことができ、リッツ線・コイルの撚線による電流経路を擬態することができる。セグメント化および中間層コネクターの使用は、すなわち、1)コイル表面積をセグメント表面積に低減させ、かつ2)互いに相殺するフリンジ効果を導入することになり、寄生容量を低減させることができる。容量の低減は、コイル内のインダクタンスを最大にすることを可能にし、このことが、抵抗を小さくし、損失を少なくすることを可能にする。これらの便益は、従来の分厚いリッツ線・コイルよりも、一層薄いコイルを有するPCBコイルを提供する一方で、一層緊密な結合を可能にする。
【0010】
本発明の上記目的および他の目的、有利な点、並びに特徴は、最新の実施例および図面の詳細な記述を参照することにより、容易に理解され、評価されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】本発明の一実施例における印刷回路基板(PCB)コイルの側面図である。
【図1B】PCBコイルのトレースの分解表示による斜視図である。
【図1C】単一のフィラメントの経路を示すために陰影を付けた選択セグメントを伴う図1Bに類似の分解表示による斜視図である。
【図2A】PCBコイルの第1層(すなわち最上層)のトレースの上面図である。
【図2B】PCBコイルの第2層のトレースの上面図である。
【図2C】PCBコイルの第3層のトレースの上面図である。
【図2D】PCBコイルの第4層(すなわち最下層)のトレースの上面図である。
【図3】単一のらせん状のトレースの角部の上面図である。
【図4】単一のらせん状のトレースの直線部の上面図である。
【図5】インターフェイスでのくびれを最小化する交差くびれを示す交差PCBの斜視図である。
【図6】各層のセグメント間の接続構想の概略図である。
【図7】セグメント間の重複配置を示す交差点の透視図である。
【図8A】上方向/下方向および内方向/外方向のフィラメントのうねりを伴う第1の交差PCBコイルの最上部の導体層の上面図である。
【図8B】第1の交差PCBコイルの最下部の導体層の上面図である。
【図9】第1の交差PCBコイルの一部の分解表示による斜視図である。
【図10】3層および3重トレースを有する第2の交差PCBコイルの概略表示図である。
【図11A】第2の交差PCBコイルの最上部の導体層の上面図である。
【図11B】第2の交差PCBコイルの中間の導体層の上面図である。
【図11C】第2の交差PCBコイルの最下部の導体層の上面図である。
【図12】第2の交差PCBコイルの分解表示による斜視図である。
【図13】上方向/下方向および内方向/外方向のうねりを伴う3層コイルの第3の交差PCBコイルの概略図である。
【図14】第4の交差PCBコイルの概略表示図である。
【図15A】図14の第4の交差PCBコイルの第1層の上面図である。
【図15B】図14の第4の交差PCBコイルの第2層の上面図である。
【図15C】図14の第4の交差PCBコイルの第3層の上面図である。
【図15D】図14の第4の交差PCBコイルの第4層の上面図である。
【図16】図14の第4の交差PCBコイルの接続構想の概略図である。
【図17】第5の交差PCBコイルの概略表示図である。
【図18】第6の交差PCBコイルの概略表示図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施例による印刷回路基板(PCB)コイル20を、図1A、図1B、および図1Cに示す。PCBコイル20は、一般に交差する複数の導体層14a−dおよび複数の絶縁層16a−cを含み、これらは、協働して多層コイルを形成する(図1A参照)。各導体層14a−dは、複数の分離した部分18によって規定されるトレース52a−dを含む(図1B参照)。異なる導体層14a−d内の異なるトレース52a−dの部分18は、コネクター40によって相互連結され、所定パターン(図1Cの6および7参照)で層間を介してうねるフィラメント54a−d(個別の電流経路)を規定するように相互連結している。所定パターンは、PCBコイルが、第2の誘導コイルと組み合わされたとき、フィラメント54a−dの間で誘導される実質的に均等分布されたパワーが存在するようにデザインされる。図示の実施例において、PCBコイル20は、リッツ線・コイルを擬態し、フィラメント54a−dは、オフセットの存在に拘らず、導体層14a−dを介して、実質的に並行なうねりに追従する。図示の実施例において、フィラメント54a−dは、実質的に定期的な繰り返すうねりを追従し、このとき、各フィラメント54a−dは、実質的にPCBコイル20の各導体層14a−d上で総時間と等量の時間を費やして追従する。うねりは、フィラメント54a−dの全部が、ペア・コイル(未表示)からの実質的に等価な量の磁束線を遮断するのに充分なように周期的に発生し、従って実質的に等価なパワーを誘導的に発生させ、実質的に等価なインダクタンスを示すことになる。図示した実施例において、各フィラメント54a−dは、各層を約4回通過するが、うねりの数は、応用例毎に変えることができる。
【0013】
4層のPCBコイルに関して示したが、本発明は、異なる数の層を有するPCBコイルの使用にも充分に適しており、容易に適応できる。例えば、層の数を少なく、または多くしたものが、要求される特性を有するコイルを提供するのに使用することができる。層の数が多い応用例において、本願で開示したセグメント接続パターンは、追加層へと進展させることができ、または代替の接続構想に発展させることができる。各層内のトレースおよびセグメントの寸法、形状、および構成は、要求される特性のPCBコイルを提供するように変化させることができる。例えば、本発明は、一般的な楕円形コイルに関連して図解されている。コイルの形状は、要求される応用毎に変化させることができる。例えば、本発明は、円形、矩形、正方形、および変則形状のコイルにて実施することができる。
【0014】
本発明は、コアレスのPCBコイルに関連して示される。本発明は、コアを含むコイル、例えば磁気コアを含むコイルをペアのセットにしたものに組み込むことができる。例えば、PCBコイルは、コア(未表示)を受けとめるのに充分なサイズのコイルの中心内に隙間を規定することができる。コアは、分離させて作成し、組み立て時に隙間内に搭載することができる。要求があれば、磁気材料の層、例えば強磁性体すなわち強磁性物質をPCB基板内に組み込むことで、PCB基板は、磁界を逸らせる障害物として充分に機能することができる。要求があれば、本発明は、フレキシブル回路基板のデザインに組み込むことができる。フレキシブル回路基板のデザインにおいて、フレキシブルな導体層と絶縁層とを、フレキシブルな基板上に配置することができる。また、フレキシブル回路基板のデザインは、フレキシブルなアモルファスの磁性コア材料を含むことができる。
【0015】
表示していないが、PCBコイルに関連して使用される電気/電子用部材は、PCBコイルを搭載する同一のPCB組立品上に装着させることができる。本発明は、本質的な各種の応用例において、ワイヤ・コイルまたは従来のPCBコイルの代替として使用することができる。いくつかの応用例において、PCBコイルは、結合したペアのコイルの両方に置き換えることができる。他の応用例において、PCBコイルは、従来のPCBコイルに関連して使用することができ、例えば従来のワイヤ・コイルまたは従来のPCBコイルとして使用することができる。
【0016】
本発明の開示のために、方向を示す用語、例えば「上面」、「底面」、「上方向」、および「下方向」は、図に示すPCBコイルに対して相対的な方向を示すのに使用される。同様に、「内側」「外側」のような用語は、コイルの中心に向かう方向および離れる方向を示すのに使用される。上記用語は、図解した実施例を説明するための方法として使用されるもので、本発明を特定方向の実施に制限するように意図するものではない。
【0017】
図1Bに最も良く示すように、PCBコイル20は、多層の回路基板12に組み込まれる。多層回路基板12は、多層回路基板を作成するための種々の適切な技術および装置によって作成することができ、多層回路基板は、剛性構造およびフレキシブル構造の両方の回路基板を含む。図1BのPCBコイル20は、複数の導体層14a−dによって規定され、複数の導体層は、絶縁層16a−cによって互いに分離されている。導体層14a−dおよび絶縁層16a−cは、多層回路基板の製作に使用するのに本質的に適した物質にすることができる。図示の実施例において、導体層14a−dの各々は、薄い銅の層によって形成され、上記薄銅は、回路基板の基板材料の層、例えば繊維ガラス層の片面の主要な表面上に配置される。導体層は、回路基板材料の両面の主要な表面上に配置することができ、2つのトレースが、回路基板材料の単一の層に適用できるようにする。2層以上の導体層が要求される応用例において、追加のトレースは、回路基板材料の追加層上に配置することができる。回路基板材料の層は、多層PCBを形成するために積み重ねることができる。複数の回路基板材料の層が含まれるとき、隣接する層は、追加の絶縁層、例えば繊維ガラスの薄い層によって分離することができる。PCBコイルの種々の導体層および絶縁層は、必要であれば、単一の多層PCBを形成するために、加熱して一緒に押圧することができる。例えば、多層PCBは、従来のラミネート技術および装置を使用して製作することができる。代替として、PCBコイルは、絶縁層が間に在って分離された印刷回路基板材料を、例えばスクリュー(未表示)によって機械的に相互連結するような積層化する方法を使用して製作することができる。
【0018】
図示の実施例において、導体層14a−dは、一般的に、同一のトレース52a−dを含む。図2A−2Dは、4層のPCBコイル20用のトレース52a−dを示し、これらのトレースは、本発明の実施例によって製作される。図2Aは、PCBコイル20の第1の層、すなわち最上層のらせん状のトレース52aを示す。図2Bは、第2の層のためのらせん状のトレース52bを示す。図2Cは、第3の層のためのらせん状のトレースを示す。最後に、図2Dは、PCBコイル20の第4の層、すなわち最下層用のらせん状のトレース52dを示す。一般的に同一であるが、トレース52a−dの間で、いくつかの相違点がある。例えば、セグメント18は、異なる層のセグメント18間で相互連結するために、層から層までの間でオフセットが存在させることができる。らせん状のトレース52a−dが一般的に同一であることを前提として、最上層のらせん状のトレース52aについてだけ詳細に記載する。残りのトレース52b−dは、最上層のトレース52aとの相違点で、特定する説明に値する必要の範囲において、別途説明することとする。図示のように、最上層のらせん状のトレース52aは、複数の導体セグメント18を含み、このセグメントは、おおよそ楕円形でらせん状のパターンで配置される。トレース52a内のセグメント18は、電気的導体材料の細長い部分からなり、各部分は、互いに分離しているため、電気的に絶縁されている(図2A−2D、参照)。残りのトレース52b−dの各々は、実質的にセグメント18と同一の配列を含む。導体層14a−dおよび絶縁層16a−cが組み合わされたとき、トレース52a−dは、実質的に同一の広がりをもつことになる。
【0019】
上述したように、導体層14a−dの各層のセグメント18は、複数のコネクター40によって電気的に相互連結され、複数のコネクターは、フィラメント54a−dを規定するようにセグメント18を一緒にして鎖状につなぐ(詳細は下述)。図示の実施例において、中間層コネクター40は、交差点22に配置され、交差点は、各セグメント18の反対側の端部に配置される。図7に最適に表示するように、トレース52a−dは、交差点22において各セグメント18が重なるように配置され、異なる層のセグメント18を相互連結させる従来式のビア(via)24の使用を可能にする。図示の実施例における最下層は、一層複雑な形状の交差点を有している。最下層の交差点は、バイパス部分60および62を含み、このバイパス部分は、最下層のセグメント18の外側端部と最上層のセグメントの内側端部とを接続させている。ビア24は、導体層14a−dの間を垂直方向にセグメント間で延長するように配置され、以下で詳細に説明するような配列パターンで、垂直方向に延長されている。各ビア24は、一般的に、絶縁材料を貫通する開口部26と、開口部26を介して延長する導体28とを含み、絶縁材料の中を通過する電流経路を提供している。ビア24は、開口部26を形成するために回路基板の積層部分に穴を空けること、および導体28を形成するために開口部26を銅でめっきすることで、形成することができる。例えば、電気めっき、無電解電気めっき、または別のめっき技術を使用することができる。各ビア24は、導体層14a−dの全層を介して垂直方向に延長できるが、ビア24は、電気的接続が要求されているセグメント18の部分にのみ接続され、要求される電流フローのパターンを生成する。電気的接続が要求されているセグメント18に関して、ビア開口部用穴空け処理は、ビア開口部26内のセグメント18の部分を露出させることになる。従って、導体28がビア24に追加される(例えば、空いた穴は、銅によって電気めっきされる)とき、電気的接続が、セグメント18とビア24との間で実施される。電気的接続が要求されていないセグメント18に関して、セグメント18は、ビア24からセグメント18を分離させる孤立の開口部42を規定することになる。図7に示すように、孤立の開口部42は、ビア開口部24とは同心であり、ビア開口部26の対応する部分よりも大きな直径を有している。孤立の開口部42は、ビア開口部26よりも大きな直径を有しているので、導体28は、セグメント18とは電気的接続を構成しない。図示したビア24内の導体28は、電気めっきした銅で形成されるが、導体28は、他の導電材料によって形成することもできる。例えば、導電材料を、電線のような材料を、PCBコイル20内のビア開口部24を介して圧入することもできる(未表示)。別の実施例として、ビア開口部24は、はんだを満たして導体28を規定するようにすることもできる(未表示)。
【0020】
孤立の開口部42のために導電材料を除去することで生じる抵抗増加の潜在的問題に対処するために、交差点22は、特別な形状を有することができる。例えば、図3および図4に最適に示すように、各トレースの拡大部分44を、孤立の開口部42およびビア24の周辺に提供することで、電流フロー用の導体追加領域を提供することができる。図示の実施例において、トレースは、孤立した開口部42周辺で多少拡大され、この周辺では、隣接するループのトレース内の部分46の幅を減少させることが要求される。図5に、代替となる交差点の構成を示す。代替の構成において、各トレースは、ビア24の各々ではなく、孤立した開口部42の各々の周辺において拡大されている。拡大された領域は、厳密には必要ではなく、要求に応じて低減することができる。例えば、いくつかの応用例において、隣接するループ間の間隔は、隣接するループ内のトレース部分の幅を低減する必要がない程に充分大きくすることができる。別の応用例において、孤立の開口部42のために導体材料を除去することで生じる抵抗への影響は、トレース52a−d内の拡大領域を保証するのに充分でない可能性がある。
【0021】
上述のように、セグメント18は、コネクター40によって相互連結されることで、複数のフィラメント54a−dすなわちコイルを介する個別の電流用経路を定めている。図1Cは、トレース52a−dを示し、各トレースは、単一のフィラメント(すなわち、フィラメント54a)の陰影付セグメント18を有している。陰影付セグメント18は、S1からS78へと連続して番号付けすることで、セグメントが電気的に接続されている順序を示す。例えば、トレース52aのセグメントS1は、トレース52bのセグメントS2に電気的に接続され、セグメントS2は、トレース52cのセグメントS3に電気的に接続され、このようにしてセグメントS78まで接続される。図6は、本発明の図示する実施例の電気的接続構想を概略的に表示するもので、実施例は、全部で4つのフィラメント54a−dの部分を示し、フィラメント54a−dの各々は、異なる陰影を有する。この図は、コイル20の7つのセグメントの長い部分の側面観を示し、また中間層コネクター40によって相互連結される異なる層のセグメント18を示す。図示した接続構想は、リッツ線・コイル内の撚線のように、フィラメントが、ペア・コイル(例えば、PCBコイルに誘導的に結合する分離コイル)に近い状態で実質的に等量の時間を費やすようなコイルを提供しようとするものであり、フィラメント54a−dの各々は、実質的に等量の磁束線を遮断するので、この結果、実質的に等量の電流を誘導的に発生させるので、コイルの自己または相互インダクタンスと実質的に等しくなることに寄与する。このことは、異なるフィラメントを流れる電流を実質的に均一な分布にすることになるので、PCBコイル20での損失を低減させ、コイル全体の効率を向上させることになる。これらの恩恵は、コイル内の容量を低減させることで部分的にも向上する。距離的に分離する積層コイルの表面領域が原因で発生する比較的大きな寄生容量の代りに、比較的小さな寄生容量は、距離的に分離するセグメント表面領域を小さくすることで発生する。更に、セグメントの配列のおかげで、セグメントによって生じる容量のフリンジ効果のいくつかは、互いに相殺することが可能である。より小さな容量は、インダクタンスを、一層小さな抵抗にし、一層少ない損失を生じることを最大化させることになる。この方法で、PCBコイル20は、リッツ線・コイルを擬態することになり、しかしPCBコイルは一層薄くなり、容器密度で妨げになるリッツ線・コイルよりも一層緊密な結合を可能にする。接続構想は、応用例毎にPCBコイルのデザインおよび構成に依存して変化させることができる。図示した構想において、PCBコイル20は、セグメント18を含み、このセグメントは、4つのフィラメント(分離した電流経路)を規定するように相互連結される。さらに、4つのフィラメントは、らせん状のトレースを介して、層14a−dから層14a−dへとうねり、実質的に各層14a−d上にセグメント18と同量のものを有する。種々のフィラメント54a−dは、異なる陰影を付けて、図6に表示されている。フィラメント54aを規定するセグメント18とコネクター40の全ては、図6内で番号付けされている。混乱を避けるために、残りのフィラメント54c−dの各々の1つのセグメント18だけは、番号付けしている。フィラメント54aのように、残りのフィラメント54b−dは、同一の陰影のセグメント18の全て、および同一の陰影のセグメント18に相互連結するコネクター40の全てによって規定される。図示した接続構想を使用するとき、フィラメントの数は、導体層14a−dの数と同一になるであろう。しかし、本発明は、この規則に従う接続構想に制限されることはない。図示の実施例に適用された接続構想を開示するために、各セグメント18は、内側端18aおよび外側端18bを有するように規定されることになる。内側端18aは、らせん状の中心に最も近くなり、外側端18bは、らせん状の中心から最も遠くになる。各セグメントの内側端18aは、1つの例外を除いて、間近の下層内に在るセグメントの外側端18bに電気的に接続される。最下層14d上のセグメント18の内側端18aは、最上層14a上のセグメント18の外側端18bに電気的に接続される。この接続構想に追従することで、各フィラメント54a−dは、1つのセグメント18をコイルの最内部の端部に近づけるようにして、層14a−dの1つの層に落ちることになる。フィラメント54a−dが、最下層14dに到着するとき、フィラメント54a−dは、1つのセグメント18をコイルの最内部の端部に近づけている間に最上層14aに飛び戻り、そして1つの層毎に下降するパターンを繰り返す。このパターンは、らせん状コイルの長さに沿ってフィラメント54a−dの各々のために繰り返す。結果として、図示した実施例において、フィラメント54a−dの各々は、移動するときに中間層の14bと14cとを順番に通過しながら、最上層14aおよび最下層14dの間を繰り返しながらうねっている。見て判るように、それぞれのフィラメント54a−dは、PCBコイル20を介してうねるとき、(オフセットを有するが)本質的に互いに並行な経路を追従する。特定のセグメントおよび接続パターンは、コイルを呈示する目的の要求に合わせ、応用例毎に変化させることが可能であり、当該コイルにおいて、フィラメント54a−dの各々は、ペア・コイルから実質的に等量なパワーを誘導的に受け取り、誘導結合の自己インダクタンス特性または相互インダクタンス特性に充分に均一になるのに貢献する。例えば、パターンは、最上層に上昇しそして最下層に戻る、層と層との間を通過する各フィラメントによって反転させることができる。
【0022】
見て判るように、PCBコイル20は、複数のフィラメントを含み、各フィラメントは、コイル20を経由して内側にらせんするときに、各層を介して上方向/下方向にうねる。代替実施例において、PCBコイル220は、各層内に各フィラメントの上方向/下方向のうねりを追加的に提供するように配置することができる。図8A、図8B、および図9は、本発明の代替実施例を示し、この実施例では上方向/下方向および内方向/外方向の両方のうねりを提供する。この実施例では、PCBコイル220は、絶縁層(未表示)によって分離される2つの導体層202a−bを含む。図8Aおよび図8Bに関連して、各導体層202a−bは、2つの隣接するセグメント化されたトレース206aおよび206bを含み、このトレースは、ペアの関係でらせん状の実質的に並行線の形で存在する。PCBコイル220は、中間層コネクター210(図9参照)および中間層コネクター212を含み、中間層コネクターは、複数の層202a−bのセグメント214、並びに複数のトレース206aおよび206bを集合的に接続させ、4つの分離したフィラメント208a−dを定めている。
【0023】
図9に最適に示すように、中間層コネクター210は、ペアの層202a−bのセグメント214を接続し、フィラメント208a−dの上方向/下方向のうねりを提供する。図9は、PCBコイル210の一部のための、2つの層202a−bおよび2つのトレース206a−bを示す。中間層コネクター210は、図9内で線によって表示しているが、中間層コネクター210は、異なる層202a−bのセグメント214間を電気的に接続できる従来式のビアまたは別の導体にすることができることを理解すべきである。例えば、中間層コネクター210は、上述した中間層コネクターと本質的に同一にすることができ、各々が交差点216および1つ以上のビア218を含むことができる。本実施例の中間層コネクター212は、同一層202a−b内のセグメント214を接続する。図示のように、中間層コネクター212は、トレース206a−bと一体化することができる。例えば、異なるトレース206a−b内のセグメント214は、セグメント214を形成するために使用される同一の導電材料によって一体化するように結合することができる。代替として、セグメント214は、構造に追加される別個の電気的コネクターによって結合することもできる。
【0024】
上記実施例において、PCBコイルのセグメント214は、複数のフィラメント208a−dを規定するようなパターンで接続され、複数のフィラメントは、上方向/下方向および内方向/外方向にうねっている。上記パターンは、フィラメント208a−dの各々がペア・コイル(未表示)に近い状態で実質的に等量の時間を費やせるように選択することができる。このことは、例えば複数のフィラメント208a−bを有することで達成することができ、各フィラメントが、層の各々およびトレースの各々において、実質的に等量の時間を費やすような規則的な繰り返しパターン内でうねることで達成できる。うねりの周波数は、フィラメント208a−d間で単一の要求度合いが提供できるように選択することができる。上方向/下方向のうねりと内方向/外方向のうねりとの組合せは、フィラメント208a−dの各々に対して、上方向/下方向のうねりだけのPCBコイルよりも、リッツ線・コイルのらせん構造のねじれ性質を一層厳密に擬態することを可能にする。図8Aおよび図8Bは、中間層210を表す参照番号を使用している。この表現において、同一の2つの参照番号は、中間層210において対向する端部を表現する。例えば、参照番号AおよびA’は、中間層210において対向する端部を表現し、この端部は、2つの対応するセグメント214を電気的に接続する。また、参照番号BおよびB’は、中間層210において対向する別の端部を表現している。
【0025】
上方向/下方向と内方向/外方向とのフィラメントうねりの概念は、追加の層および追加のペアのトレースを介して実行することができる。例えば、図10、図11A−C、および図12は、第2の代替コイル320を示し、このコイルは、3層302a−cおよび「3重」のトレース304a−c(例えば、3つのトレースは、共にらせん状)を有する。図10は、接続306を表示する断面図を示し、この接続は、3層および3重トレーを有するPCBコイル内に含むことができる。図10内の矢印は、1つのセグメント314の外側端から次のセグメント314の内側端への接続を示す。結果として、表示の断面図は、フィラメントの9つのセグメントの長い部分を示す。9番目のセグメントの外側端は、10番目のセグメントの内側端に接続され、すなわち、同層内に在る1番目のセグメントと同一のトレースとなり、9つのセグメントは、さらにPCBコイルの内側端に向けて接続される。フィラメント316a−iの各々は、規則的な繰り返し方法で、同一の電流経路を本質的に追従することになる。図11A−Cは、PCBコイル320の一実施の3層302a−cのトレースを示す。図11A−Cは、図8Aおよび図8Bとの関連で上述した同一の表記方法を、PCBコイル320の中間層310を示すために本質的に使用している。例えば、参照番号AおよびA’は、中間層310において対向する端部を表現し、この端部は、2つの対応するセグメント314を電気的に接続する。また、参照番号BおよびB’は、中間層310において対向する別の端部を表現している。さらに、セグメント接続を、図12に示す。図12は、PCBコイル320の一部のためのすべての3層およびすべての3つのトレースを示す。また、図12は、中間層310および中間層コネクター312を示す。
【0026】
図13は、図10(上述)の関連で使用した同一表記方法を使用して、別の代替のコイル配置を示す。この代替の実施例において、コイル520は、3つの導体層502a−cを含み、導体層は、絶縁層(未表示)によって分離されている。最上層502aは、「3重」のトレース504a−cを含み、第2の層502bは、「4重」のトレース506a−dを含み、最下層502cは、「3重」のトレース508a−cを含む。図示のように、第2の層502bには、トレース506a−dが配置され、トレース506a−dが、最上層502aのトレース504a−cおよび最下層502cのトレース508a−cの間のギャップにおいて垂直方向に整列している。この結果、トレース504a−c、トレース506a−d、およびトレース508a−cは、重なっており、PCBコイル520を介して開いたままの垂直方向の経路は存在していない。層間を横断する重なったトレースの利用は、潜在的なギャップを減少すなわち取り除くことで、PCBコイル520の効率を向上させることができる。何故なら、磁束は、導体層によって妨害されること無く、ギャップを介して垂直方向に通過することが可能になるからである。
【0027】
図14は、他の代替の印刷回路基板コイル620を概略に表示する。図14の実施例のコイル620は、代替となる交差点の配置を含み、この配置は、抵抗の低減および容量の低減を提供する。ここでの表示は、コイル620の層602a−dを示し、これらの層は、箱によって表示されるセグメント618および箱を相互連結する線によって表示されるビアを有する1つの別の最上層に置かれる。図14の実施例において、コイル620は、4つの層602a−dを含み、各層は、単一のセグメント化されたトレース604a−dを有する。交差点の構想は、フィラメント608a−dを有するコイル620を提供し、このフィラメントは、トレース604a−dに沿って内方向/外方向にらせん運動するに従って、層から層へと上方向/下方向にうねる。図14において、フィラメント608a−dの各々は、共通の陰影を共有する複数の接続された箱によって表示される。表示のように、コイル620は、4つのフィラメント608a−dを含み、フィラメントの各々は、1度に単一層だけ上方向/下方向に移動する。例えば、1サイクル経過したフィラメント608aを追跡すると、層602aから開始され、第1の交差点622aで層602bに下方に、第2の交差点622bで層602cに下方に、最終的に第3の交差点622cで層602dに下方に移動する。最下層602dに到着した後、フィラメント608aは、第4の交差点622dを介して最下層602dに留まる。第5の交差点622eで、フィラメント608aは、第1の層602aに向けて戻る移動を開始する。より具体的には、フィラメント608aは、第5の交差点622eで層602cへと上方向に移動し、第6の交差点622fで層602bへと上方向に移動し、最終的に第7の交差点622gで最上層602aに戻る。最上層602aに戻った後、フィラメント608aは、次の交差点622d(図示例では、第8の交差点)中は最上層602aに留まり、そしてコイルの対向する端部に到着するまで、このサイクルを何度となく繰り返すことになる。図14の実施例において、残りのフィラメント608b−dも、オフセットを有するが、本質的にはコイルを介して並行する同一な経路を互いに追従することになる。何故なら、残りのフィラメントも、コイル620内の異なる層602b−dから開始するからである。
【0028】
図15A−Dは、コイル620の4つのトレース604a−dを示す。4つのトレース604a−dは、同一方向に示され、各図は、組み立てコイル620内での位置合わせを示すように重ねることができる。第1の2つのトレース604a−bは、単一の回路基板の対向する面に置くことができ、一方、第2の2つのトレース604c−dは、第2の回路基板の対向する面に置くことができる。4つのトレース604a−dを搭載する2つの回路基板は、4つの層602a−dおよび4つのトレース604a−dを有する組立品を形成することを確実に保証することができる。2つの回路基板は、接着材例えばエポキシ含浸のガラス繊維、または製作用の適した他の方法によって結合することができる。
【0029】
実施例となる交差点構成は、図16の関係で記載することができる。図16は、コイル620の一部分の表示であり、この表示部分は、並んだ配置で表示された4つの層602a−dを有するコイルの対応するセグメントを示している。4つの層は、組立コイル620内の異なる上に積層化されていると理解すべきである。これらは積層化されずに、開示するために単に並んで置かれている。一般に、コイル620は、2つの異なるタイプの交差点を含み、コイル620の長さを通過する毎に、次々と変更する。第1のタイプの交差点、すなわち交差点622aおよび622cとして例示する交差点は、層602aおよび層602bの間並びに層602cおよび層602dの間に「ブラインド(blind)」のビアを含む。ブラインドのビアは、層602a内の第1のセグメントと層602b内の第2のセグメントとを相互連結し、かつ、層602b内の第1のセグメントと層602a内の第2のセグメントとを相互連結する。同様に、ブラインドのビアは、層602c内の第1のセグメントと層602d内の第2のセグメントとを相互連結し、かつ、層602b内の第1のセグメントと層602c内の第2のセグメントとを相互連結する。見て判るように、第1のタイプの交差点は、第1の2つの層602aおよび602bを電気的に接続し、また第2の2つの層602cおよび602dを電気的に接続する。ブラインドのビアは、2つの回路基板を通過して掘削孔626によって製作され、例えば2つの基板をコイル620に組立てる前に製作される。掘削孔626は銅でめっきされ、上部の2つの層602aおよび602bとの間並びに下部の2つの層602cおよび602dとの間で電気的接続が提供できるようにする。銅めっきは、双方の層が互いに離れているときに、2つの基板内のブラインドのビアに対して行うことができる。
【0030】
1つの実施例において、図18に最適に示すように、各層602a−dは、複式ビア(multiple vias)を含む。すなわち、複式ビア626は、各回路基板を介して掘削される。他の実施例と同様に、掘削孔626は銅でめっきされ、異なる層間で電気的接続が提供できるようにする。
【0031】
第2のタイプの交差点は、交差点622bとして例示するように、組立品を介して完全に拡張されるビアを含み、層602bおよび602cに電気的に相互連結する。再度、図16を参照すると、第2のタイプの交差点は、層602bの第2のセグメントを層602cの第3のセグメントに相互連結し、かつ層602cの第2のセグメントを層602bの第3のセグメントに相互連結する。見て判るように、第2のタイプの交差点は、2つの層602bおよび602cの中間だけで電気的に接続する。第2のタイプの交差点は、組み立てられたコイル(例えば、2つの回路基板と2つ回路基板を分離する材料の両方)を介して孔626を完全に掘削し、銅めっきを孔626に施すことで製作することができる。図示のように、最上層602aのトレース604aおよび最下層602dのトレース604dは、拡張した間隙644を有し、この間隙が、トレース604aおよび604dから孔626内の銅めっき部を分離させる。間隙644から生じる抵抗および容量を低減させるために、同一層内の隣接する間隙644は、要求に従いトレースの長さに沿ってオフセットを有することができる。オフセットの配置が、2つの間隙644の間の銅めっき部による電流への妨害を低減させる。しかし、層602cが指状の部分645を含み、この部分が、間隙644間のオフセット距離を埋めていることに注意すべきである。指状の部分645は、断面積を削減しているので、充分な断面積を有したトレースの部分と比較すると電流にいくらかの制限を与える可能性がある。結果として、間隙644間のオフセット距離と指状の部分645の長さに対応する増加との間で、バランスを取ることが望ましい。見て判るように、2つの中間層602bおよび602c内のトレース604bおよび604cは、間隙644を含んでいないが、むしろ銅めっき部とは直接的な電気的関係にある。結果として、銅めっき部は、第2の層602bおよび第3の層602cのセグメントと相互連結されている。第1のタイプの交差点(例:交差点622a)および第2のタイプの交差点(例:交差点622b)を替えることで、コイル620は、上述のフィラメントのうねりパターンを提供することになる。
【0032】
図17は、別の代替の実施例を表しており、この実施例において、図14の交差点構成が、6層において実施されている。この実施例は、図6および図14の関連で使用したと同一の技法を追従することになる。図示するように、コイル720は、3つの異なるタイプの交差点を含む。第1のタイプの交差点は、722a、722d、722g、および722jで例示するもので、ブラインド・ビアの3組を提供する。ブラインド・ビアの第1の組は、層702aおよび702bを相互連結し、第2の組は、層702cおよび702dを相互連結し、第3の組は、層702eおよび702fを相互連結する。ブラインド・ビアは、上述のコイル620のブラインド・ビア製作方法と本質的に同一の方法で製作することができる。第2のタイプの交差点は、交差点722b、722e、および722hで例示するように、層702bおよび702cのみを接続する。このタイプの交差点のために、層702bは、図16の交差点622bでの層602bの指状の部分と同様な部分を含むことができ、層702cは、図16の交差点622bでの層602cの指状の部分と同様な部分を含むことができる。層702bおよび702cを電気的に接続させる必要のあるビアを機能させるために、層702aおよび層702d−fは、コイル620の間隙644と類似の間隙を含むことができる。第3のタイプの交差点は、交差点722c、722f、および722iで例示するように、層702dおよび702eのみを相互連結する。このタイプの交差点のために、層702dは、図16の交差点622bでの層602bのフル・エンド(full end)と同様な部分を含むことができ、層702eは、図16の交差点622bでの層602cの指状の部分と同様な部分を含むことができる。層702dおよび702eを電気的に接続させる必要のあるビアを機能させるために、層702a−cおよび層702fは、コイル620の間隙644と類似の間隙を含むことができる。これら3つのタイプの交差点を介して繰り返して循環することで、フィラメント708a−fは、層702a−fを介して1回当たり1層のみを上下にうねっている。図示の実施例において、単一のフィラメント708aは、約3セグメントに等しい距離の間は層702aに留まり、1セグメントの間に層702bへ下方移動し、約2セグメントに等しい距離の間に層702cへ下方移動し、約2セグメントに等しい距離の間に層702dへ下方移動し、1セグメントの間に層702eへ下方移動し、そして約3セグメントに等しい距離の間に層702fに移動する。フィラメント708aは、最上層に戻るときに1層を移動するように、(ミラー内のような)同一パターンを追従する。
【0033】
上記内容は、本発明の現在の実施例である。種々の変形および変更が、「特許請求の範囲」で規定した発明の精神および上位概念から逸脱すること無く実施されることが可能であり、また「特許請求の範囲」は、均等論を含む特許法の原則に従って解釈されるべきものである。単数形で要求している要素について言及すると、例えば、冠詞「a」、「an」、「the]または「said」は、当該要素を単数に限定したものと解釈すべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペア・コイルとして使用する印刷回路基板コイルであって、
基板と、
各々が複数の個別のコイル・セグメントを含む、複数の導体層と、
複数の個別のフィラメントを規定するために、異なる層のコイル・セグメントを電気的に相互連結する複数の中間層コネクターであって、前記フィラメントの各々は、オフセットを有するが、実質的に同一のうねりを前記複数の導体層を介して追従する、複数の中間層コネクターと、を有する印刷回路基板コイル。
【請求項2】
前記フィラメントの各々は、オフセットを有するが、実質的に同一で、かつ一定間隔で繰り返すうねりを、前記複数の層を介して追従する、請求項1の印刷回路基板。
【請求項3】
前記コイルは、第2のコイルとペアの関係にあり、かつ
前記セグメントおよび前記中間層コネクターは、各フィラメントが前記ペア・コイルに近い状態で実質的に等量の時間を費やすように構成され、この結果、印刷回路基板コイルは、リッツ線のコイルを擬態している、請求項1の印刷回路基板。
【請求項4】
前記導体層の隣接するペアの間に配置された絶縁層を更に含む、請求項1の印刷回路基板コイル。
【請求項5】
前記複数の導体層の各々は、らせん状のトレースを含む、請求項1の印刷回路基板コイル。
【請求項6】
前記トレースの各々は交差点を含み、前記中間層コネクターは、前記交差点を介して選択的に通過する複数のビア(via)を含む、請求項5の印刷回路基板コイル。
【請求項7】
前記らせん状のトレースの各々は、最内部の端部および最外部の端部を含み、前記セグメントの各々は、前記らせん状のトレースの最内部の端部に向かう内側の端部および前記らせん状のトレースの最外部の端部に向かう外側の端部を含み、
前記フィラメントの各々は、前記セグメントの一方の内側の端部を前記セグメントの他方の外側の端部に電気的に接続することによって、前記トレースの最外部の端部から前記トレースの最内部の端部へと連続した鎖になるように規定される、請求項1の印刷回路基板コイル。
【請求項8】
前記複数のセグメントは、第1のらせん状のトレースおよび第2のらせん状のトレースを各導体層上に規定し、そして
前記導体層の1つにおいて、前記第1のらせん状のトレースからの前記セグメントを前記第2のらせん状のトレースの前記セグメントに電気的に接続するための複数の中間層コネクターであって、前記中間層コネクターおよび前記中間層コネクターは、実質的に同一であるがオフセットのある、前記導体層の各々の範囲および前記複数の導体層の各々を経由するうねりに追従する前記フィラメントを協働して規定する複数の中間層コネクターを更に含む、請求項1の印刷回路基板コイル。
【請求項9】
前記導体層の第1の層は、複数のループを有するらせん状のトレースを含み、前記第1の導体層の前記トレースの各セグメントは、間隔を規定するために前記第1の導体層の隣接するいずれかのループの前記セグメントから相隔たり、そして
前記導体層の第2の層は、複数のループを有するらせん状のトレースを含み、前記導体層の第2の層の前記トレースの各セグメントは、前記第1の導体層の前記間隔に重なるように配置される、請求項1の印刷回路基板コイル。
【請求項10】
絶縁基板と、
前記絶縁基板上に配置され、かつ複数の個別の導体セグメントを有する第1のトレースを含む第1の導体層と、
前記絶縁基板上で前記第1の導体層の対向面に配置され、かつ複数の個別の導体セグメントを有する第2のトレースを含む第2の導体層と、
前記第1の導体層の導体セグメントおよび前記第2の導体層の導体セグメントを所定のパターンで相互連結する複数の中間層コネクターと、を備える印刷回路基板の組立品であって、
相互連結される前記導体セグメントは、少なくとも2つのフィラメントを規定し、前記フィラメントは、前記第1の導体層と前記第2の導体層との間において所定のパターンでうねる、印刷回路基板の組立品。
【請求項11】
前記第1の絶縁基板に隣接して配置される第2の絶縁基板と、
前記第2の絶縁基板上に配置され、かつ複数の個別の導体セグメントを有する第3のトレースを含む第3の導体層と、
前記第2の絶縁基板上で前記第3の導体層の対向面に配置され、かつ複数の個別の導体セグメントを有する第4のトレースを含む、第4の導体層と、
前記第1の導体層の導体セグメント、前記第2の導体層の導体セグメント、前記第3の導体層の導体セグメント、および前記第4の導体層の導体セグメントを、所定のパターンで電気的に相互連結する複数の中間層コネクターと、をさらに備える印刷回路基板のコイル組立品であって、
相互連結される前記導体セグメントは、少なくとも2つのフィラメントを規定し、前記フィラメントは、前記第1の導体層、前記第2の導体層、前記第3の導体層、および前記第4の導体層の間において所定のパターンでうねる、請求項10の印刷回路基板コイルの組立品。
【請求項12】
前記第1の導体層は、複数の個別の導体セグメントを有する第2のトレースを含み、
さらに前記第1のトレースのセグメントを前記第3のトレースのセグメントに電気的に接続する複数の中間層コネクターを含むことで、前記フィラメントは、前記第1の導体層と前記第2の導体層との間、および前記第1のトレースと前記第2のトレースとの間にて、所定のパターンでうねる、請求項10の印刷回路基板コイルの組立品。
【請求項13】
前記第2の導体層は、複数の導体セグメントを有する第4のトレースを含み、
さらに前記第2のトレースのセグメントを前記第4のトレースのセグメントに電気的に接続する複数の中間層コネクターを含むことで、前記フィラメントは、前記第1の導体層と前記第2の導体層との間と、前記第1のトレースと前記第3のトレースとの間と、前記第2のトレースと前記第4のトレースとの間で、所定のパターンでうねる、請求項12の印刷回路基板コイルの組立品。
【請求項14】
前記フィラメントは、規則的な繰り返しパターンにて前記コイル周辺でうねる経路を、オフセットを有するが、実質的に並行して追従する、請求項10の印刷回路基板コイルの組立品。
【請求項15】
前記コイルは、最内部の端部と最外部の端部とを有し、
前記第1のトレースの前記セグメントの各々は、内側の端部と外側の端部とを有し、前記第2のトレースのセグメントの各々は、内側の端部と外側の端部とを有し、前記フィラメントの各々は、複数の前記セグメントによって規定され、前記セグメントは、前記コイルの前記外側の端部から前記コイルの前記内端部へと連続する鎖状になるように、前記セグメントの一方の内側の端部を前記セグメントの他方の外側の端部に電気的に接続することで相互連結される、請求項10の印刷回路基板コイルの組立品。
【請求項16】
複数の個別の導体セグメントを有する第1の導体層と、
前記第1の導体層に隣接して配置され、かつ複数の個別の導体セグメントを含む第2の導体層と、
前記第1の導体層の前記導体セグメントおよび前記第2の導体層の前記導体セグメントを所定のパターンで相互連結させる複数のコネクターと、を備える無線給電接続用の多層電磁石コイルであって、
前記相互連結される導体セグメントは、前記第1の導体層と前記第2の導体層との間を所定のパターンでうねる、少なくとも2つのフィラメントを規定する、多層電磁石コイル。
【請求項17】
前記導体セグメントおよび前記コネクターは、前記フィラメントがコイル全体において実質的に均一に分散するように配置され、この結果、前記フィラメントの各々は、前記コイルのインダクタンスが実質的に等しくなるのに寄与する、請求項16の多層コイル。
【請求項18】
前記第2の導体層に隣接して配置され、かつ複数の個別の導体セグメントを含む第3の導体層をさらに含み、
前記複数のコネクターは、前記第1の導体層の導体セグメント、前記第2の導体層の導体セグメント、および前記第3の導体層の導体セグメントを所定パターンで相互連結し、
前記相互連結される導体セグメントは、前記第1の導体層、前記第2の導体層、および前記第3の導体層の間を所定のパターンでうねる、少なくとも3つのフィラメントを規定し、前記フィラメントの各々は、前記コイルのインダクタンスが実質的に等しくなることに寄与する、請求項16の多層コイル。
【請求項19】
前記コイルと誘導的に結合する第2の誘導コイルとの組合せにおいて、前記フィラメントの各々が前記コイル全体において実質的に均一に分散するように、前記導体セグメントおよび前記コネクターを配置し、この結果、前記フィラメントの各々は、前記第2の誘導コイルから実質的に一定量の磁束を受け取る、請求項16の多層コイル。
【請求項20】
前記コイルと誘導的に結合する第2の誘導コイルとの組合せにおいて、
前記第2の導体層に隣接して配置され、かつ複数の個別の導体セグメントを含む第3の導体層を更に含み、
前記複数のコネクターは、前記第1の導体層の導体セグメント、前記第2の導体層の導体セグメント、および前記第3の導体層の導体セグメントを所定パターンで相互連結し、
前記相互連結された導体セグメントは、前記第1の導体層、前記第2の導体層、および前記第3の導体層を介して、所定のパターンでうねる少なくとも3つのフィラメントを規定し、この結果、前記フィラメントの各々は、前記第2の誘導コイルから実質的に一定量の磁束を受け取る、請求項16の多層コイル。
【請求項21】
前記第1の導体層の前記導体セグメントは、第1のトレースおよび第2のトレースを規定し、
前記複数のコネクターは、前記第1のトレースおよび前記第2のトレースの前記導体セグメントを前記第2の導体層の前記導体セグメントに所定パターンで相互連結し、
前記相互連結された導体セグメントは、少なくとも2つのフィラメントを規定し、前記フィラメントは、前記第1の導体層の前記第1のトレース、前記第1の導体層の前記第2のトレース、および前記第2の導体層の前記第2のトレースの間を所定のパターンでうねる、請求項16の多層コイル。
【請求項22】
前記第1の導体層および前記第2の導体層は、前記ペア・コイルから等しい平均距離にある請求項16の多層コイル。
【請求項23】
前記第1の導体層および前記第2の導体層は、一定量の磁束を伝達するまたは受け取る請求項16の印刷回路基板。
【請求項24】
第1の導体セグメントおよび第2の導体セグメントを有する第1の導体層と、
前記第1の導体層に隣接して配置され、かつ第1の導体セグメント、第2の導体セグメント、および第3の導体セグメントを含む第2の導体層と、
前記第2の導体層に隣接して配置され、かつ第1の導体セグメント、第2の導体セグメント、および第3の導体セグメントを含む第3の導体層と、
前記第3の導体層に隣接して配置され、かつ第1の導体セグメントおよび第2の導体セグメントを含む第4の導体層と、
前記第1の導体層の前記第1の導体セグメントを前記第2の導体層の前記第2の導体セグメントに相互連結する第1の交差点と、
前記第1の導体層の前記第2の導体セグメントを前記第2の導体層の前記第1の導体セグメントに相互連結する第2の交差点と、
前記第3の導体層の前記第1の導体セグメントを前記第4の導体層の前記第2の導体セグメントに相互連結する第3の交差点と、
前記第3の導体層の前記第2の導体セグメントを前記第4の導体層の前記第1の導体セグメントに相互連結する第4の交差点と、
前記第2の導体層の前記第2の導体セグメントを前記第3の導体層の前記第3の導体セグメントに相互連結する第5の交差点と、
前記第2の導体層の前記第3の導体セグメントを前記第3の導体層の前記第2の導体セグメントに相互連結する第6の交差点と、を備える無線給電接続用の多層電磁石コイル。
【請求項25】
前記第1の導体層の前記第2の導体セグメントおよび前記第4の導体層の前記第2の導体セグメントは、各々が複数の空洞を含み、前記複数の空洞は、前記第5の交差点および前記第6の交差点を、前記第1の導体層の前記第2の導体セグメントおよび前記第4の導体層の前記第2の導体セグメントに相互連結することから防ぐ請求項24の多層電磁石コイル。
【請求項26】
前記第1の導体層、前記第2の導体層、前記第3の導体層、および前記第4の導体層は、一枚毎に積層された請求項24の多層電磁石コイル。
【請求項27】
前記導体層の各々は、ペア・コイルから等しい平均距離にある請求項24の多層電磁石コイル。
【請求項28】
前記導体層の各々は、一定量の磁束を伝達するまたは受け取る請求項24の多層電磁石コイル。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2011−504289(P2011−504289A)
【公表日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527171(P2010−527171)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/077830
【国際公開番号】WO2009/045888
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(302070822)アクセス ビジネス グループ インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー (122)
【Fターム(参考)】