説明

印刷回路基板用印刷装置

【課題】マスクの下部に弾性支持構造物を備えてマスクの垂れ下がりを防止し、ソルダーペーストを印刷する間、印刷回路基板からマスクを自動的に分離することができる印刷回路基板用印刷装置を提供すること。
【解決手段】開口部121を有するマスク120と、該マスク120の下部に配置され、印刷回路基板110が取り付けられるテーブル100と、該マスク120の両側下部に各々配置され、該マスク120を支持する弾性支持構造物150と、該マスク120の上部を移動するスキージ部とを含む印刷回路基板用印刷装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、印刷回路基板用印刷装置に関し、特に、マスクの下部に弾性支持構造物を備えてマスクの垂れ下がりを防止すると共に、ソルダーペーストを印刷する間に印刷回路基板からマスクを自動的に分離することができる印刷回路基板用印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷回路基板は、家電製品を始めとして最先端の通信機器にいたるまで、全ての電子製品で広く使われている部品である。こうした印刷回路基板は、半導体チップや電気抵抗チップなどの電子部品のいくつかを電気的に接続させる役割を担っている。
【0003】
印刷回路基板は、多数の電子部品を電気的に接続するための回路パターンを含んで構成される。ここで、前記印刷回路基板には、回路パターンに電気的に接続されたバンプが含まれており、電子部品はバンプと電気的に接続して、前記印刷回路基板に実装される。これによって、前記電子部品と前記回路パターンとは互いに電気的に接続する。
【0004】
前記バンプは、平板印刷技法によって設けられる。平板印刷技法によるバンプの形成方法としては、まず印刷回路基板上に数十μmの薄いメタルマスクを位置合わせし、その後、導電性のソルダーペーストを該メタルマスクの上面に配置する。続いて、スキージが前記メタルマスクの上部を押し付けて移動するにしたがって、前記ソルダーペーストがメタルマスクの開口部に満たされ、それによって、前記印刷回路基板上にバンプが設けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記バンプが設けられた後、前記印刷回路基板から前記メタルマスクを分離する過程で、前記ソルダーペーストの有する粘性力によって、前記メタルマスクが前記印刷回路基板に凝着することがある。そのため、前記メタルマスクが、下方向即ち前記印刷回路基板に向かって垂れ下がるようになり、印刷回路基板上に設けられたバンプが破損することがある。
【0006】
ここで、前記バンプが破損してしまうと、前記バンプの高さにばらつきが生じ、製品不良を引き起こすと同時に、当該電子部品を採用して製造された電子製品の信頼性を低下させてしまうという不都合があった。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであって、本発明は、マスクの下部に弾性支持構造物を備えてマスクの垂れ下がりを防止し、ソルダーペーストを印刷する間に印刷回路基板からマスクを自動的に分離することができる印刷回路基板用印刷装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様によれば、開口部を有するマスクと、前記マスクの下部に配置され、印刷回路基板が取り付けられるテーブルと、前記マスクの両側下部に各々配置され、前記マスクを支持する弾性支持構造物と、前記マスクの上部を移動するスキージ部とを含む印刷回路基板用印刷装置が提供される。
【0009】
ここで、前記弾性支持構造物には、前記マスクを支持する弾性体及び該弾性体を支持するフレームが含まれる。また、前記フレームには前記弾性体を挿入するための溝が備えられる。また、前記テーブルには、前記弾性支持構造物を固定する固定部材を含むことができる。また、前記印刷回路基板は、前記弾性支持構造物によって前記マスクと離間されている。
【0010】
前記スキージ部は、前記マスク及び前記弾性支持構造物上に配置され、前記マスクと共に前記弾性支持構造物を押し付ける。また、前記弾性支持構造物は、前記テーブルの両側に各々配置されることができる。また、前記弾性支持構造物は、前記テーブル上に固定されることができる。また、前記弾性支持構造物は、一列に多数配置されたスプリングプランジャ(spring plunger)を含むことができる。
【0011】
前記弾性支持構造物は、前記スプリングプランジャを固定及び支持するフレームを含むことができる。また、前記スプリングプランジャは、スプリングと、該スプリング上に配置された押圧部と、該スプリングを覆うケースとを含むことができる。さらに、前記押圧部の上部に塗布された保護部材を含むことができる。また、さらに、前記弾性支持構造物の外側に配置された少なくとも一つ以上の補助弾性支持構造物を含むことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の印刷回路基板用印刷装置によれば、マスクの下部に弾性支持構造物が備えられることによって、印刷回路基板からマスクを自動的に分離することができ、従来における印刷回路基板からマスクを分離する際のマスクの垂れ下がりの発生によるバンプの崩れを防止することができる。
【0013】
また、前記バンプの崩れを防止することができるため、ファインピッチの印刷回路基板を製造することができる。
【0014】
また、印刷過程において前記印刷回路基板からマスクが自動的に分離されるので、ソルダーペーストの粘度、印刷速度及び印刷圧力の影響を最小化することができ、印刷品質の一様性を確保することができ、生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置の断面図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態による印刷装置の側面図である。
【図3】図3は、図2に示されたA領域の断面図である。
【図4】図4は、図2に示されたB領域の断面図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置の断面図である。
【図6】図6は、本発明の第3の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置の断面図である。
【図7】図7は、従来の印刷回路基板用印刷装置が印刷する間におけるマスクの変位を示したグラフである。
【図8】図8は、従来の印刷回路基板用印刷装置を用いて設けられたバンプの写真である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置が印刷する間におけるマスクの変位を示したグラフである。
【図10】図10は、本発明の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置を用いて設けられたバンプの写真である。
【図11】図11は、本発明の第4の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置の断面図である。
【図12】図12は、図11に示したスプリングプランジャを拡大して表した断面図である。
【図13】図13は、本発明の第4の実施の形態による印刷装置の側面図である。
【図14】図14は、図13に示されたA領域の断面図である。
【図15】図15は、図13に示されたB領域の断面図である。
【図16】図16は、図13に示されたC領域の断面図である。
【図17】図17は、本発明の第5の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態による印刷回路基板用印刷装置について、詳細に説明する。本実施の形態においては、便宜上、その必要があるときは、複数のセクションまたは複数の実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、これらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等を含む)は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値及び範囲についても同様である。また、本実施の形態を説明するための全ての図において、同一の機能を有するものは同一の符号を付すようにし、繰り返される説明については、可能な限り省略する。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置の断面図である。図2は、本発明の第1の実施の形態による印刷装置の側面図である。図1及び図2を参照すると、印刷回路基板用印刷装置は、マスク120と、テーブル100と、弾性支持構造物150と、スキージ部160とを含む。
【0018】
マスク120は、印刷回路基板110が取り付けられたテーブル100上に配置される。マスク120は、開口部121を有する。この開口部121は、印刷回路基板110のバンプ形成領域に対応している。したがって、印刷回路基板110が含まれたマスク120上にソルダーペーストが配置された後、スキージ部160を押し付けながら移動させることによって、マスク120の開口部121に対応した印刷回路基板110上にバンプを設けることができる。
【0019】
マスク120は、ニッケルまたはニッケル合金などの金属から成る。ここで、マスク120は厚さ数十μmであるため、容易に変形がなされる。特に、バンプ形勢後のマスク120を印刷回路基板110から分離する過程においては、マスク120が前記ソルダーペーストの接着力によって下方向に垂れ下がってしまい、印刷回路基板110上に設けられたバンプを壊すことになる。そのため、印刷回路基板110の信頼性だけでなく、印刷回路基板110を採用した電子製品の信頼性をも低下させてしまっていた。
【0020】
マスク120が、下方向即ち印刷回路基板110に向けて垂れ下がるのを防止するために、マスク120の下部に弾性支持構造物150を配置する。弾性支持構造物150は、マスク120の両側下部に各々配置され、マスク120を支持することによって、マスク120の歪みを防止することができる。
【0021】
また、弾性支持構造物150は、印刷回路基板110上にバンプを形成すると同時に、マスク120を自動的に分離する役割をする。したがって、印刷作業を完了した後で、印刷回路基板110からマスク120を分離するための別工程を行わなくてもよい。また、分離工程を別に行わないため、その工程にて発生するマスク120の垂れ下がり不良が発生しない。
【0022】
弾性支持構造物150は、印刷回路基板110からマスク120を自動的に分離するため、スキージ部160が移動する方向に対応して長手方向を有する。即ち、弾性支持構造物150の幅とスキージ部160の幅とは、垂直をなすように配置される。
【0023】
弾性支持構造物150には、マスク120を支持し弾性復元力を有する弾性体140と、弾性体140を支持固定するフレーム130が含まれる。ここで、弾性体140は、例えば、合成系ゴム、天然系ゴム及びこれらの混合物のうちのいずれか一つから成るものであって、具体的な弾性体140の例としては、ブタジエンスチレン系ゴム、ブチル系ゴム、ニトリル系ゴム、クロロプレン系ゴム、ウレタン系ゴム、シリコン系ゴム及びフルオロ系ゴムのうち、単一系のゴムまたは少なくとも二つ以上の混合された混合系ゴムが挙げられる。
【0024】
フレーム130は、弾性体140が挿入されるための溝が備えられる。ここで、弾性体140はこの溝に挿入されて固定される。これによって、弾性体140は、フレーム130に対して容易に着脱可能となる。
【0025】
スキージ部160は、マスク120の上部を移動する際に、該マスク120の開口部121をソルダーペーストが満たしながら移動し、印刷回路基板110上に該開口部121に対応したバンプを形成させる。ここで、スキージ部160は、マスク120と共に弾性支持構造物150上に配置され、前記ソルダーペーストを印刷する過程においては、該マスク120と共に弾性支持構造物150上を押し付けて移動するものとする。
【0026】
以下、図2〜図4を参照して、本発明の第1の実施の形態による印刷装置の印刷過程をより詳細に説明することにする。図3は、図2に示されたA領域の断面図である。図4は、図2に示されたB領域の断面図である。
【0027】
図2及び図3を参照すると、印刷装置のテーブル100上に印刷回路基板110が取り付けられる。ここで、印刷回路基板110としては、断面印刷回路基板、両面印刷回路基板及び多層印刷回路基板など、多様な形態を有することができ、本発明の実施の形態で示す形態に限定されない。また、印刷回路基板110は、回路層と電気的に接続されたパッド部111を備える。
【0028】
次に、印刷回路基板110上に、開口部を有するマスク120の位置合わせを行う。マスク120は、両側下部に夫々配置された弾性支持構造物150によって支持される。この時、マスク120と印刷回路基板110とは、弾性支持構造物150によって一定の間隔で離間された状態にある。
【0029】
マスク120上にソルダーペースト170が塗布され、その後、スキージ部160を押し付けながら、マスク120上を移動する。このソルダーペースト170を印刷する過程では、スキージ部160は、マスク120と一緒に弾性支持構造物150を圧縮しながら移動する。
【0030】
ここで、スキージ部160がマスク120上を移動する際、弾性支持構造物150は、スキージ部160の圧力によって収縮され、マスク120と印刷回路基板110が接触する。同時に、マスク120の開口部121はソルダーペースト170で満たされ、印刷回路基板110のパッド部111上にバンプ112が設けられる。
【0031】
図2及び図3を参照すると、スキージ部160が通り過ぎた後、弾性支持構造物150は弾性力によって元の状態に復元され、マスク120と印刷回路基板110とは自動的に分離される。
【0032】
ここで、マスク120と印刷回路基板110とは、バンプ112の形成と同時に部分的に分離されることによって、マスク120はソルダーペースト170の粘性力に対する影響を少なく受けるようになり、マスク120が垂れ下がることなく、印刷回路基板110からマスク120を分離することができる。
【0033】
また、印刷過程において、印刷回路基板110からマスク120が自動的に分離されることによって、印刷の垂れ下がりの改善のための要因、例えばソルダーペーストの粘度、印刷速度及び印刷圧力を考慮しなくてもよいので、印刷品質の一様性を確保でき、生産性を向上させることができる。
【0034】
本発明の実施の形態において、マスク120の両側下部に各々弾性支持構造物150を備えることによって、スキージ部160がソルダーペースト170を印刷する間は弾性支持構造物150が収縮し、マスク120と印刷回路基板110とは互いに接触しているが、スキージ部160が通過して印刷が完了した箇所では、マスク120と印刷回路基板110とは、弾性支持構造物150の復元力によって自動的に分離される。
【0035】
従って、印刷回路基板110からマスク120を分離する工程を別に行う必要がないので、印刷回路基板110からマスク120を分離する過程で発生するマスク120の垂れ下がりが発生しないと同時に、印刷工程をより単純化させることができる。また、マスク120の垂れ下がりが発生しないので、バンプの崩れを防止することができ、ファインピッチの印刷回路基板110を製造することができる。
【0036】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図5は、本発明の第2の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置の断面図である。本発明の第2の実施の形態においては、固定部材を除き、先に説明した第1の実施の形態と同一の構成を有する。従って、本発明の第2の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様の繰り返される説明を省略し、同一の構成に対しては同一の参照符号を付す。
【0037】
図5を参照すると、印刷回路基板用印刷装置は、開口部121を有するマスク120と、マスク120の下部に配置され、印刷回路基板110が取り付けられるテーブル100と、マスク120の両側下部に各々配置され、該マスク120を支持する弾性支持構造物150と、マスク120の上部を移動するスキージ部160とを含む。また、印刷回路基板用印刷装置は、テーブル100に弾性支持構造物150を固定する固定部材180が含まれる。
【0038】
弾性支持構造物150は、弾性体140とフレーム130とを含む。ここで、フレーム130には、フレーム130を貫通する貫通孔が備えられる。テーブル100には、該貫通孔と対応した挿入ホールが備えられる。
【0039】
固定部材180は、前記貫通孔を通過して前記挿入ホールに挿入されることによって、弾性支持構造物150をテーブル100に固定させることができる。これによって、テーブル100が上下に移動する場合、弾性支持構造物150も共に上下に移動することができ、テーブル100の位置に応じて弾性支持構造物150を新たにセットする必要がなくなる。即ち、テーブル100上に配置された印刷回路基板110とマスク120とは、弾性支持構造物150によって一定の離間間隔を有しなければならないため、テーブル100が移動する際に弾性支持構造物150も新たにセットする必要があり、作業を煩雑にさせていた。
【0040】
従って、本発明の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置では、テーブル100の側面に、弾性支持構造物150を固定させるための固定部材を備えることによって、テーブル100の移動に応じて弾性支持構造物150を新たにセットしなくてもよいので、より単純に工程を進行することができる。
【0041】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図6は、本発明の第3の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置の断面図である。本発明の第3の実施の形態においては、弾性支持構造物を除いて、先に説明した第1の実施の形態と同一の構成を有する。従って、本発明の第3の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様の説明は省略し、同一の構成に対しては同一の参照符号を付すものとする。
【0042】
図6を参照すると、印刷回路基板用印刷装置は、開口部121を有するマスク120と、該マスク120の下部に配置され、印刷回路基板110が取り付けられるテーブル100と、該マスク120の両側下部に各々配置され、該マスク120を支持する弾性支持構造物190と、マスク120の上部を移動するスキージ部160とを含む。ここで、弾性支持構造物190は、テーブル100上に固定され得る。
【0043】
弾性支持構造物190には弾性体が含まれる。弾性支持構造物190は、テーブル100上に接着部材によって固定される。また、弾性支持構造物190は、テーブル100に備えられた挿入溝に挿入されて固定される。
【0044】
これに加えて、図示されていないが、弾性支持構造物190は弾性体を支持するためのフレームを、さらに備えることができる。
【0045】
従って、弾性支持構造物190がテーブル100に固定されることによって、テーブル100の移動に応じて弾性支持構造物190の位置も変更されるので、印刷回路装置のセットを新たにしなくてもよいので、工程をより単純に進行することができる。
【0046】
図7は、従来の印刷回路基板用印刷装置が印刷する間におけるマスクの変位を示したグラフである。図8は、従来の印刷回路基板用印刷装置を用いて設けられたバンプの写真である。図9は、本発明の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置が印刷する間におけるマスクの変位を示したグラフである。図10は、本発明の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置を用いて設けられたバンプの写真である。
【0047】
図7によれば、従来の印刷装置で印刷する際に、時間に対するマスクの変位を観察した結果、印刷回路基板からマスクを分離する時点(S1)で、該マスクの変位が大きく変化するのを確認することができた。このことから、図8では、バンプ210の崩れを確認することができた。
【0048】
これに対して、図9は本発明の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置の印刷中のマスク変位グラフであり、これに示したように、本発明の実施の形態のように弾性支持構造物を備える場合、印刷装置で印刷する時間によるマスクの変位を観察したところ、印刷回路基板からマスクを分離する時点(S2)で、該マスクの変位の変化がほぼ発生しないことを確認することができた。このことから、図10を参照すると、バンプ220が崩れることなしに設けられたのを確認できた。
【0049】
従って、本発明の実施の形態のように、マスクの下部に弾性支持構造物を備えることによって、印刷回路基板からマスクを分離する過程で、マスクの垂れ下がりが発生しないため、バンプの崩れを防止することができ、ファインピッチの印刷回路基板を製造することができる。
【0050】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図11及び図12は、本発明の第4の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置の断面図である。本発明の第4の実施の形態においては、弾性支持構造物を除いて、先に説明した第1の実施の形態と同一の構成を有する。従って、本発明の第4の実施の形態においては第1の実施の形態と同様の説明は省略し、同一の構成に対しては同一の参照符号を付す。
【0051】
図11は、本発明の第4の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置の断面図である。図12は、図11中のスプリングプランジャを拡大した断面図である。図11及び図12を参照すると、印刷回路基板用印刷装置はマスク120と、テーブル100と、弾性支持構造物250と、スキージ部160とを含む。
【0052】
弾性支持構造物250は、少なくとも一列に多数配置されたスプリングプランジャ240を有する。スプリングプランジャ240には、スプリング241と、スプリング241上に配置された押圧部242と、スプリング241を覆うケース243とが含まれる。押圧部242は、マスク120の上部を支持する。押圧部242は、ボールの形態を有してもよいが、これに限定されるのではなく、例えば、長方形、菱形などの多角形の形態を有してもよい。また、押圧部242は、プラスチックまたは金属によって構成することができる。
【0053】
マスク120は、平常時には、弾性支持構造物250によって、印刷回路基板110と一定の間隔で離間されている。しかし、マスク120上をスキージ部160が移動する際、スキージ部160の押し付けによって、押圧部242はスプリング241を下方に押圧し、スプリング241は収縮する。このとき、マスク120と印刷回路基板110とは互いに密着する。一方、スキージ部160が通過した後では、スプリング241を下方に押圧していた押圧部242の押圧力は解除され、スプリング241は、復元力によって元の状態に復旧し、マスク120と印刷回路基板110とは互いに一定間隔を有するようになる。即ち、マスク120と印刷回路基板110とは、印刷が終了すると同時に分離される。
【0054】
したがって、前記印刷作業を完了した後、印刷回路基板110からマスク120を分離するための工程を別に行う必要はない。また、分離工程を別途で行わないので、分離工程で生じるマスク120の垂れ下がり不良が発生しない。
【0055】
また、ケース243は、スプリング241を覆う形態を有することができる。ここで、ケース243は、印刷工程におけるスプリング241の汚染を防止する役割をする。
【0056】
このような特性を有するスプリングプランジャ240は、寸法公差の管理が容易で、生産条件による品質の差を低減することができる。また、弾性支持構造物250が、均一の特性を有するスプリングプランジャ240を多数備えることによって、スキージ部160の移動場所による剛性値の差を減らすことができる。即ち、スプリングプランジャ240によって位置別印刷度の違いを低減することができる。
【0057】
また、スプリングプランジャ240は、ゴム等の他の弾性体に比べて耐熱性、耐塩性及び耐薬品性に優れるという長所を有する。
【0058】
これに加えて、図示されていないが、押圧部242上には、さらに保護部材が塗布されてもよい。該保護部材は、耐化学性及び耐久性に優れた材質からなることが望ましく、印刷工程やクリーニング工程において押圧部242を保護するような役割を担う。また、前記保護部材は弾性付き材質からなり、押圧部242によってマスク120が損傷することを防止する役割をする。前記保護部材の材質としては、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂等を例として挙げられる。
【0059】
弾性支持構造物250は、印刷回路基板110からマスク120を自動的に分離するため、スプリングプランジャ240は、スキージ部160の移動する方向に対応した長手方向に配列されることが望ましい。
【0060】
弾性支持構造物250は、スプリングプランジャ240を固定及び支持するフレーム230をさらに含むことができる。フレーム230は、スプリングプランジャ240が挿入される溝を備えることができる。即ち、スプリングプランジャ240は、該溝に挿入され、フレーム230に固定される。
【0061】
テーブル100上に配置された印刷回路基板110とマスク120は、弾性支持構造物250によって、一定の離間間隔を有しなければならないので、テーブル100が移動する際、弾性支持構造物250を新たにセットしなおす必要があり、煩雑となる。これに対応するため、フレーム230はテーブル100に固定するための固定部材をさらに備える。これによって、テーブル100が上下に移動する場合、弾性支持構造物250も共に上下に移動することができるので、テーブル100の位置によって弾性支持構造物250を新たにセットしなくてもよく、工程をより単純に進行することができる。
【0062】
しかしながら、本発明の実施の形態において、弾性支持構造物250を備えることについて説明したが、この形態に限定されない。それは、例えば、弾性支持構造物250はテーブル100と共に上下に移動させるための別の移動部材を備えることも可能である。
【0063】
スキージ部160がマスク120の上部を移動する際、マスク120の開口部121にソルダーペーストを満たしながら、開口部121に対応する印刷回路基板110上に、バンプが設けられる。ここで、スキージ部160は、マスク120と共に弾性支持構造物250上に配置され、前記ソルダーペーストを印刷する過程でマスク120と共に弾性支持構造物250を押し付けて移動する。
【0064】
以下、図13〜図16を参照して、本発明の第4の実施の形態にかかる印刷装置の印刷過程をより詳細に説明する。説明の便宜上、弾性支持構造物のケースを省略して図示した。
【0065】
図13は、本発明の第4の実施の形態による印刷装置の側面図である。図14は、図13に示されたA領域の断面図である。図15は、図13に示されたB領域の断面図である。図16は、図13に示されたC領域の断面図である。
【0066】
図13及び図14を参照すると、印刷装置のテーブル100上に印刷回路基板110を取り付ける。ここで、印刷回路基板110は、図示されていないが回路層と電気的に接続されたパッド部111を備える。
【0067】
その後、印刷回路基板110上に開口部を有するマスク120を位置合わせする。ここで、マスク120は、両側下部に各々配置された弾性支持構造物250によって支持される。この時、マスク120と印刷回路基板110とは、弾性支持構造物250によって一定の間隔で離間されている。
【0068】
マスク120上にソルダーペースト170を塗布した後、スキージ部160はマスク120を押し付けて移動する。この時、ソルダーペースト170を印刷する過程で、スキージ部160はマスク120と共に弾性支持構造物250の上部を押し付けて移動するようにする。
【0069】
ここで、スキージ部160がマスク120を移動する前に、マスク120は弾性支持構造物250によって支持される。この時、マスク120と印刷回路基板110とは、弾性支持構造物250によって一定の間隔を維持している。
【0070】
図13及び図15を参照すると、ソルダーペースト170を印刷するために、スキージ部160がマスク120上を通過する際、弾性支持構造物250はスキージ部160の圧力によって収縮し、マスク120と印刷回路基板110とは互いに密着する。同時に、マスク120の開口部にソルダーペースト170が満たされ、印刷回路基板110のパッド部上にバンプ112が設けられる。
【0071】
図13及び図16を参照すると、スキージ部160が通過した後、弾性支持構造物250は弾性復元力によって元の状態に復元され、マスク120と印刷回路基板110とは自動的に分離される。
【0072】
ここで、マスク120と印刷回路基板110とは、バンプ112が設けられると同時に部分的に分離されることによって、マスク120はソルダーペースト170の粘性力に対する影響を少なく受けるようになる。その結果、マスク120の垂れ下がりが起こることなく、印刷回路基板110からマスク120を分離することができる。
【0073】
また、印刷過程において印刷回路基板110からマスク120が自動的に分離されることによって、ソルダーペーストの粘度、印刷速度及び印刷圧力等の印刷垂れ下がりの改善のための因子について考慮しなくてもよいので、印刷品質の一様性を確保すると共に生産性を向上させることができる。
【0074】
本発明の実施の形態によれば、マスク120の両側下部に夫々弾性支持構造物250を備えることによって、スキージ部160がソルダーペースト170を印刷する間は、弾性支持構造物250が収縮してマスク120と印刷回路基板110とは互いに接触しているが、スキージ部160が過ぎて印刷が既に完了した場所では、弾性支持構造物250の弾性復元力によってマスク120と印刷回路基板110とは互いに自動的に分離される。
【0075】
従って、印刷回路基板110からマスク120を分離する工程が別途に行われなくてもよく、印刷回路基板110からマスク120を分離する過程で発生するマスク120の垂れ下がりが発生しないと共に、工程をより単純化させることができる。
【0076】
また、マスク120の垂れ下がりが発生しないため、バンプの崩れを防止することができ、ファインピッチの印刷回路基板110を製造することができる。
【0077】
以下、本発明の第5の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置を説明する。本発明の第5の実施の形態においては、補助弾性支持構造物を除いて、先に説明した第4の実施の形態と同一の構成を有する。従って、本発明の第5の実施の形態では、第4の実施の形態と同様の説明は省略し、同一の構成に対しては同一の参照符号を付す。
【0078】
図17は、本発明の第5の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置の断面図である。図17を参照して、印刷回路基板用印刷装置は多数の開口部121を有するマスク120と、該マスク120の下部に配置され、印刷回路基板110が取り付けられるテーブル100と、該マスク120の両側下部に夫々少なくとも一列に多数配置されたスプリングプランジャ(spring plunger)240を備える弾性支持構造物250と、マスク120の上部を移動するスキージ部160とを含む。
【0079】
弾性支持構造物250の外側に各々配置された補助弾性支持構造物350を、さらに含むことができる。ここで、補助弾性支持構造物350はスキージ部160の外側に配置される。
【0080】
補助弾性支持構造物350は、補助スプリングプランジャ340と、補助スプリングプランジャ340を固定及び支持する補助フレーム330とを備える。ここで、補助スプリングプランジャ340は、補助スプリング341と、該補助スプリング341上に配置された補助押圧部342と、該補助スプリング341を覆う補助ケース343とを含むことができる。また、補助フレーム330は、弾性支持構造物250のフレーム230と一体になされる。
【0081】
補助弾性支持構造物350は、マスク120の外郭を支持する役割をする。この時、補助弾性支持構造物350は、マスク120と印刷回路基板110とが自動的に分離される場合、マスク120のぶれを防止する役割をする。即ち、マスク120から印刷回路基板110が分離される時、補助弾性支持構造物350の補助スプリングプランジャ340はマスク120の外郭からのぶれを吸収し、該マスク120の振れによる印刷品質が低下することを防止することができる。
【0082】
本発明の実施の形態において、補助弾性支持構造物350は、弾性支持構造物250の外側に一つが配置されたとして示したが、これに限定されるのではなく、二つまたはそれ以上の多数が配置されてもよい。
【0083】
従って、本発明の実施の形態による印刷回路基板用印刷装置は少なくとも一つ以上の補助弾性支持構造物をさらに備えることによって、マスクの振れ現象などを防止することができ、印刷品質をより向上させることができる。
【0084】
今回開示された実施の形態は例示に過ぎず、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0085】
100 テーブル
110 印刷回路基板
120 マスク
130 フレーム
140 弾性体
150、190、250 弾性支持構造物
180 固定部材
350 補助弾性支持構造物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有するマスクと、
前記マスクの下部に配置され、印刷回路基板が取り付けられるテーブルと、
前記マスクの両側下部に各々配置され、前記マスクを支持する弾性支持構造物と、
前記マスクの上部を移動するスキージ部と、
を含むことを特徴とする印刷回路基板用印刷装置。
【請求項2】
前記弾性支持構造物は、前記マスクを支持する弾性体と、該弾性体を支持するフレームとを含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板用印刷装置。
【請求項3】
前記フレームは、前記弾性体が挿入されるための溝を備えることを特徴とする請求項2に記載の印刷回路基板用印刷装置。
【請求項4】
前記テーブルに前記弾性支持構造物を固定する固定部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板用印刷装置。
【請求項5】
前記印刷回路基板は、前記弾性支持構造物によって前記マスクと離間されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板用印刷装置。
【請求項6】
前記スキージ部は、前記マスク及び前記弾性支持構造物上に配置され、前記マスクと共に前記弾性支持構造物を押し付けることを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板用印刷装置。
【請求項7】
前記弾性支持構造物は、前記テーブルの両側に各々配置されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板用印刷装置。
【請求項8】
前記弾性支持構造物は、前記テーブル上に固定されることを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板用印刷装置。
【請求項9】
前記弾性支持構造物は、一列に多数配置されたスプリングプランジャを含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板用印刷装置。
【請求項10】
前記弾性支持構造物が、前記スプリングプランジャを固定及び支持するフレームを含むことを特徴とする請求項9に記載の印刷回路基板用印刷装置。
【請求項11】
前記スプリングプランジャは、スプリングと、該スプリング上に配置された押圧部と、該スプリングを覆うケースとを含んで構成されることを特徴とする請求項9に記載の印刷回路基板用印刷装置。
【請求項12】
前記押圧部の上部に塗布された保護部材を、さらに含むことを特徴とする請求項11に記載の印刷回路基板用印刷装置。
【請求項13】
前記弾性支持構造物の外側に配置された少なくとも一つ以上の補助弾性支持構造物を、さらに含むことを特徴とする請求項9に記載の印刷回路基板用印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図8】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−87460(P2010−87460A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31919(P2009−31919)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】