説明

印刷媒体の画像処理検査システム、印刷媒体の真偽鑑定方法及びそれらに適する撮像装置

【課題】低コストで、容易に印刷媒体の真偽鑑定を行う画像処理検査システムを提供する。
【解決手段】真正な印刷媒体2の表面に赤外線を吸収する顔料と色彩可変顔料を含有させた第1インキによる第1パターン27a及び赤外線を反射する顔料と色彩可変顔料を含有させた第2インキによる第2パターン27bを印刷し、可視光及び赤外光の照射角度をそれぞれ変化させながら印刷媒体2の表面を複数回撮像し、全画像データをそれぞれ第1パターン及び第2パターンに関するデータと比較し、第1画像データのいずれかに第1パターンに関するデータ及び第2パターンに関するデータが含まれ、且つ、第2画像データのいずれかに第1パターンに関するデータが欠落し、第2パターンに関するデータが含まれている場合又は第2画像データのいずれかに第2パターンに関するデータが欠落し、第1パターンに関するデータが含まれている場合に、鑑定対象印刷媒体を真正と判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パールインキなどの特殊機能インキを用いて印刷された印刷媒体の画像処理検査システム、印刷媒体の真偽鑑定方法及びそれらに適する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、有価証券、宝くじ、商品券などの印刷媒体の真偽を鑑定するために、パールインキなどによる色彩可変印刷層の一部に、特定情報をパターン化して隠蔽することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、色彩可変印刷層の上に、さらに紫外線又は赤外線によって蛍光を発するようなインキなどを用いて、真偽判定用のマークなどを印刷することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、赤外線吸収インキを用いた真偽判定用のマークの上から、赤外線を吸収しないインキを用いて別の真偽判定用のマークを重ねて印刷することも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
色彩可変印刷層としては、上記パールインキの他に、OVI(Optically Variable Inks)インキ、コレステリック液晶インキ、金インキや銀インキなどのメタリックインキなどの特殊機能インキを用いることができる。ところが、これら特殊機能インキを用いた印刷パターンは、光の反射及び干渉などを利用して、特定方向から観察したときにのみ所定の模様が見え、他の特定方向から観察したときには異なった模様が見えるように印刷されている。そして、例えば、印刷面に対してほぼ垂直な方向から照明した場合には、反射率を高くして、いずれの模様もほとんど観察できないように構成されている。
【0004】
従って、光源と撮像素子の位置関係が固定された従来の撮像装置を用いて印刷パターンを撮像した場合、本来撮像すべき模様が撮像されない可能性があり、画像処理検査によって真偽鑑定を行うことは容易ではなかった。このことは、色彩可変印刷層の上に赤外線吸収インキ又は赤外線反射インキを用いて真偽判定用のマークを印刷した場合も同様であり、特定の方向に対しては、色彩可変印刷層により反射された赤外線の影響により、赤外線吸収インキ又は赤外線反射インキを用いて描かれた真偽判定用のマークを撮像できない場合がある。
【0005】
ところで、真偽鑑定技術は、上記有価証券などに限られず、医薬品やたばこなどの商品パッケージの分野においても必要になってきつつある。すなわち、品質の劣る模造品に真物と同様のパッケージを施した模造品又は偽造品を識別して排除する必要がある。ところが、有価証券などと異なり、これらの商品のパッケージの真偽鑑定に関しては、画像処理検査システムなどにあまりコストをかけることはできない。また、商品を取り扱う現場において、容易に真偽鑑定を行いうることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−6564号公報
【特許文献2】特開2002−274000号公報
【特許文献3】特開平8−153233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来例の問題を解決するためになされたものであり、比較的低コストで、且つ容易に印刷媒体の真偽鑑定を行いうる画像処理検査システム、印刷媒体の真偽鑑定方法及びそれらに適する撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る印刷媒体の画像処理検査システムは、表面に赤外線を吸収する顔料と色彩可変顔料を含有させた第1インキで印刷された第1パターン及び赤外線を反射する顔料と色彩可変顔料を含有させた第2インキで印刷された第2パターンを有する真正な印刷媒体と、真偽鑑定される鑑定対象印刷媒体の表面の所定領域に印刷されたパターンを、可視光及び赤外光を用いて撮像する撮像装置と、前記撮像装置から出力される画像データを用いて、前記鑑定対象印刷媒体が真正な印刷媒体であるか否かを判断する真偽判断装置を備えた印刷媒体の画像処理検査システムであって、前記撮像装置は、前記鑑定対象印刷媒体の表面に赤外光を遮蔽した状態で可視光を照射し、前記可視光の照射角度を変化させながら前記鑑定対象印刷媒体の表面の複数の第1画像を撮像すると共に、前記鑑定対象印刷媒体の表面に可視光を遮蔽した状態で赤外光を照射し、前記赤外光の照射角度を変化させながら前記鑑定対象印刷媒体の表面の複数の第2画像を撮像し、前記真偽判断装置は、前記複数の第1画像データ及び前記複数の第2画像データをそれぞれ前記第1パターンに関するデータ及び前記第2パターンに関するデータと比較し、前記複数の第1画像データのいずれかに前記第1パターンに関するデータ及び前記第2パターンに関するデータが含まれ、且つ、前記複数の第2画像データのいずれかに前記第1パターンに関するデータが欠落し、前記第2パターンに関するデータが含まれている場合、又は、前記複数の第2画像データのいずれかに前記第2パターンに関するデータが欠落し、前記第1パターンに関するデータが含まれている場合に、前記鑑定対象印刷媒体を真正な印刷媒体であると判断する。
【0009】
上記印刷媒体の画像処理検査システムにおいて、前記真偽判断装置は、前記撮像装置から得られた第2画像データを、所定の閾値を用いて2値化することが好ましい。
【0010】
また、前記真偽判断装置は、閾値を変えて第2画像データの2値化処理を複数回行うことが好ましい。
【0011】
また、前記色彩可変顔料は、パール顔料であることが好ましい。
【0012】
また、本発明の他の一態様に係る印刷媒体の真偽鑑定方法は、真正な印刷媒体の表面に赤外線を吸収する顔料と色彩可変顔料を含有させた第1インキで第1パターンを印刷すると共に、赤外線を反射する顔料と色彩可変顔料を含有させた第2インキで第2パターンを印刷し、真偽鑑定される鑑定対象印刷媒体の表面に赤外光を遮蔽した状態で可視光を照射し、前記可視光の照射角度を変化させながら前記鑑定対象印刷媒体の表面の複数の第1画像を撮像すると共に、前記鑑定対象印刷媒体の表面に可視光を遮蔽した状態で赤外光を照射し、前記赤外光の照射角度を変化させながら前記鑑定対象印刷媒体の表面の複数の第2画像を撮像し、前記複数の第1画像のいずれかに前記第1パターン及び前記第2パターンが含まれ、且つ、前記複数の第2画像のいずれかに前記第1パターンが含まれず、前記第2パターンが含まれている場合、又は、前記複数の第2画像のいずれかに前記第2パターンに関するデータが欠落し、前記第1パターンに関するデータが含まれている場合に、前記鑑定対象印刷媒体を真正な印刷媒体であると判断する。
【0013】
上記印刷媒体の真偽鑑定方法において、前記真偽判断装置は、前記撮像装置から得られた第2画像データを、所定の閾値を用いて2値化することが好ましい。
【0014】
また、前記真偽判断装置は、閾値を変えて第2画像データの2値化処理を複数回行うことが好ましい。
【0015】
また、前記色彩可変顔料は、パール顔料であることが好ましい。
【0016】
また、本発明のさらに他の一態様に係る撮像装置は、上記いずれかの印刷媒体の画像処理検査システム又は印刷媒体の真偽鑑定方法に適する撮像装置であって、真偽鑑定される鑑定対象印刷媒体の表面に密着され又は該鑑定対象印刷媒体の表面の少なくとも一部分を覆い、可視光及び赤外光を遮蔽する遮光体と、前記鑑定対象印刷媒体の表面をそれに垂直な方向から撮像する撮像素子と、前記鑑定対象印刷媒体の表面に対して、垂直とは異なる複数の照射角度で可視光及び赤外光を照射しうる照明装置と、前記照明装置を制御して、前記複数の照射角度のそれぞれから順に可視光を照射して、前記鑑定対象印刷媒体の表面の可視光による複数の第1画像データを出力させると共に、前記複数の照射角度のそれぞれから順に赤外光を照射して、前記鑑定対象印刷媒体の表面の赤外光による複数の第2画像データを出力させる撮像制御部と、前記複数の第1画像データ及び前記複数の第2画像データを記憶する記憶部を備える。
【0017】
上記撮像装置において、前記照明装置は、複数のLEDが環状に配置された複数のLEDアレイと、同心円状に配置された複数列のライトガイドを有し、前記ライトガイドの先端部に複数の斜面により形成された反射面が形成され、前記ライトガイドの後端面がそれぞれ環状に配列された複数のLEDアレイに対向することが好ましい。
【0018】
また、前記遮光体は前記鑑定対象印刷媒体の表面に密着される遮光筒であり、前記撮像装置は、撮像レンズをさらに備え、前記遮光筒の先端が前記鑑定対象印刷媒体に当接した状態で、前記鑑定対象印刷媒体の表面が前記撮像レンズの物体側焦点位置となり、前記撮像素子が像側の焦点位置となることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、第1パターンは赤外線を吸収する顔料と色彩可変顔料を含有させた第1インキを用いて印刷されているので、照明光として可視光を照射すると、色彩可変顔料によって可視光が反射され、第1インクを用いて描かれたパターンが撮像される。また、照明光として赤外線を照射すると、第1パターンが印刷された部分では赤外線が吸収され、その部分からは赤外線が反射されないか又は反射光の光量が低下し、周りよりも暗く(黒く)なる。一方、第2パターンは赤外線を反射する顔料と色彩可変顔料を含有させた第2インキを用いて印刷されているので、照明光として可視光を照射すると、第2インクを用いて描かれたパターンが撮像される。また、照明光として赤外線を照射すると、第2パターンが印刷された部分では赤外線が反射され、その他の部分からの赤外線の反射光量よりも反射光の光量が多くなるので、周りよりも明るく(白く)なる。従って、撮像装置により得られた第2画像データを、所定の閾値を用いて2値化すると、閾値の設定次第で、第2画像データから第1パターンに関するデータが欠落し、第2パターンに関するデータが残るようにすることもできる。逆に、第2画像データから第2パターンに関するデータが欠落し、第1パターンに関するデータが残るようにすることも可能である。さらに、閾値を変えて第2画像データの2値化処理を複数回行うことも可能である。これらの処理を適宜実施することにより、真偽鑑定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係る印刷媒体の画像処理検査システムの構成を示す図。
【図2】第1実施形態における印刷媒体の一例を示す図。
【図3】第1実施形態における画像処理検査装置の構成を示す断面図。
【図4】本発明の第2実施形態に係る印刷媒体の画像処理検査システムの構成を示す図。
【図5】第2実施形態における印刷媒体の一例を示す図。
【図6】第2実施形態における撮像装置の構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る印刷媒体の画像処理検査システム及び印刷媒体の真偽鑑定方法について説明する。図1は、有価証券、宝くじ、商品券などのシート状印刷媒体における真偽鑑定に適する画像処理検査システムを示す図である。また、図3は、この画像処理検査システムに適する画像処理検査装置1の構成を示す断面図である。このシステムにおいては、シート状印刷媒体2を専用の画像処理検査装置1に挿入し、印刷媒体2の表面をスキャンして、印刷媒体2の表面の画像を撮像し、その表面に印刷された所定のパターンを読み取って真偽鑑定を行う。画像処理検査装置1は、鑑定対象の印刷媒体2の表面の画像を撮像する撮像装置3と、撮像装置3によって撮像された画像データを用いて、鑑定対象の印刷媒体2の真偽判断を行う真偽判断装置4などで構成されている。
【0022】
図2に示すように、印刷媒体2の表面には、可視光を吸収又は反射するインキを用いて、商標21、企業名22、金額23、番号24、バーコード25などの所定の情報が印刷されている。また、印刷媒体2の所定の位置(例えば中央部など)には、すかし26が設けられている。さらに、印刷媒体2の他の所定の位置(例えば周辺部など)には、パールインキなどの色彩可変インキを用いて真偽鑑定用のパターン27が印刷されている。
【0023】
真偽鑑定用のパターン27は、顔料成分の異なる複数のインキを用いて印刷され、観察する角度又は照明光の照射角度によって異なるパターンが観察されるように構成されている。より具体的には、赤外線を吸収する顔料と色彩可変顔料を含有させた第1インキと赤外線を反射する顔料と色彩可変顔料を含有させた第2インキを用いて、第1インキで所定の第1パターン27aが印刷され、第2インキで第1パターン27aとは異なる所定の第2パターン27bが印刷されている。赤外線を吸収する顔料及び赤外線を反射する顔料は、不可視(いわゆる無色透明)又はその表面の色と同色(用紙の地色など)であり、肉眼では直接認識できないように選択されている。第1パターン27a及び第2パターン27bの位置、大きさ、具体的内容は特に限定されず、1次元バーコードや2次元バーコードなどの識別コードであってもよいし、図形や記号などの識別マークであってもよい。
【0024】
画像処理検査装置1は、鑑定対象となる印刷媒体2がその内部に挿入されると、その表面に可視光及び赤外光を照射して、CCDなどの撮像素子により、印刷媒体2の表面を撮像し、第1パターン27a及び第2パターン27bを読み込む。第1インキ及び第2インキは、それぞれ可視光を反射するので、撮像素子により撮像された画像には第1パターン27a及び第2パターン27bが含まれ、その画像データには第1パターン27a及び第2パターン27bに関する情報が含まれる。ところが、色彩可変顔料は、干渉などを利用して、見る角度によって、色彩が変化したり、特定のパターンが見えたり、見えなかったりするようにするものである。
【0025】
色彩可変顔料の一例であるパール顔料は、例えばマイカ、SiO、Alなどの基体表面にそれよりも屈折率の高い金属酸化物を塗布して形成された多層の透明薄膜からなる半透明の板状顔料である。金属酸化物層の表面で反射された光、金属酸化物層を透過し、基体表面で反射された光、基体を透過し、基体と他の金属酸化物層との界面で反射された光などが干渉することによって、特定波長の光が強め合い、また他の特定波長の光が打ち消し合うことによって、真珠のような光沢を表現する。また、パール顔料は、インキ中では層状に配向されているため、入射光線をスネルの法則に従って反射する性質を有している。そのため、基体や金属酸化物の屈折率及び膜厚、入射光線の波長及び入射角によっては、特定の角度から入射した光は、干渉によって強度が強められた状態で反射され、撮像素子に入射する。そして、撮像素子に入射した光の強度が所定の閾値よりも強すぎると、撮像素子の画素に蓄積される電荷がオーバーフローし、再生可能又は画像処理可能な画像データが得られない。
【0026】
図3に示すように、画像処理検査装置1の筐体11は外光を遮蔽するように密閉構造を有しており、撮像装置3の遮光体を兼ねる。筐体11の内部には、撮像装置3を構成する複数のLEDアレイ12a及び12bなどの照明装置12、レンズアレイ13、ラインCCDなどの撮像素子14、印刷媒体2を筐体11の内部に引き込むためのローラ15、モニタ装置16、CPU及びメモリ等で構成された真偽判断装置4(詳細は後述する)などが設けられている。真偽判断装置4のメモリのうち、RAMなどの揮発性メモリは、撮像素子14から出力された画像データを一時的に記憶し、撮像装置3の一部を兼ねる。
【0027】
照明装置12は、印刷媒体2の表面に照射する照明光の照射角度(印刷媒体2の表面への入射角度)を切り換えることができるように、複数組、例えば上記2組のLEDアレイ12a及び12bを備えている。また、各LEDアレイ12a及び12bは、可視光を照射するための可視光LEDと赤外線を照射するための赤外光LEDの2種類の光源を有している。なお、これら2種類の可視光LED及び赤外光LEDは、交互に一列に配列されていてもよいし、同じ種類のLED同士が2列に配列されていてもよい。
【0028】
第1実施形態では、2組のLEDアレイ12a及び12bを設けているので、例えば一方のLEDアレイ12aの照射角(印刷媒体2の表面への入射角度)を60度とし、他方の一方のLEDアレイ12aの照射角を30度としている。但し、LEDアレイの数及び照射角度は例示であり、これに限定されるものではなく、LEDアレイを3組以上設置してもよい。あるいは、1組のLEDアレイのみを使用し、そのLEDアレイの照射角を可変としてもよい。
【0029】
印刷媒体2が筐体11の挿入口11aに挿入されると、ローラ15を所定方向に回転させ、印刷媒体2を筐体11の内部に引き込みつつ、照明装置12の一方のLEDアレイ12aから印刷媒体2の表面に可視光を照射し、撮像素子14により印刷媒体2の表面の画像を撮像(スキャン)する。その結果、印刷媒体2の表面に印刷された第1パターン27a及び第2パターン27bの最初の第1画像が撮像され、最初の第1画像データが得られる。次に、ローラ15を反対方向に回転させ、印刷媒体2を一旦筐体11の外部に排出させつつ、他のLEDアレイ12bから印刷媒体2の表面に可視光を照射し、撮像素子14により印刷媒体2の表面をスキャンする。その結果、印刷媒体2の表面に印刷された第1パターン27a及び第2パターン27bの2番目の第1画像が撮像され、2番目の第1画像データが得られる。さらに、再度ローラ15を所定方向に回転させ、印刷媒体2を筐体11の内部に引き込みつつ、照明装置12の一方のLEDアレイ12aから印刷媒体2の表面に赤外光を照射し、撮像素子14により印刷媒体2の表面をスキャンする。その結果、印刷媒体2の表面に印刷された第1パターン27a及び第2パターン27bの最初の第2画像が撮像され、最初の第2画像データが得られる。次に、ローラ15を反対方向に回転させ、印刷媒体2を一旦筐体11の外部に排出させつつ、他のLEDアレイ12bから印刷媒体2の表面に赤外光を照射し、撮像素子14により印刷媒体2の表面をスキャンする。その結果、印刷媒体2の表面に印刷された第1パターン27a及び第2パターン27bの2番目の第2画像が撮像され、2番目の第2画像データが得られる。得られた各画像データは、撮像装置3の記憶部を兼ねる真偽判断装置4のメモリに記憶される。なお、第1パターン27a及び第2パターン27nの大きさ及び印刷された位置により、必ずしも印刷媒体2の全体を筐体11の外部に排出させる必要はなく、画像の読み取りに必要な距離だけ逆送させればよい。また、LEDアレイが3組以上も受けられている場合や、1組のLEDアレイの照射角を3段階以上に変化させる場合は、それらの数に応じて、適宜上記動作を繰り返せばよい。また、LEDアレイ12a及び12bをそれぞれ単独で発光させた後、LEDアレイ12a及び12bを同時に発光させ、第1画像データ及び第2画像データをそれぞれ3つずつ得るようにしてもよい。
【0030】
真偽判断装置4は、パターン・マッチングなどを実行するCPU、パターン・マッチングプログラムや第1パターン及び第2パターンに関する情報を記憶したROM、撮像装置3により撮像された画像データなどを一時的に記憶するRAMなどで構成されている。第1パターン27a及び第2パターン27bは、それぞれ赤外線を吸収する顔料と色彩可変顔料を含有させた第1インキと赤外線を反射する顔料と色彩可変顔料を含有させた第2インキを用いて印刷されている。そのため、照明光の照射角によっては、得られた画像データを画像処理できない場合がある。本実施形態では、照明光の種類及び照明光の照射角度を変えて複数の画像を撮像し、真偽判断装置4は、複数の第1画像データ及び前記複数の第2画像データをそれぞれ第1パターンに関するデータ及び第2パターンに関するデータと比較する。そして、複数の第1画像データのいずれかに第1パターンに関するデータ及び第2パターンに関するデータが含まれ、且つ、複数の第2画像データのいずれかに第1パターンに関するデータが欠落し、第2パターンに関するデータが含まれている場合、又は、複数の第2画像データのいずれかに第2パターンに関するデータが欠落し、第1パターンに関するデータが含まれている場合に、鑑定対象の印刷媒体2を真正な印刷媒体であると判断する。
【0031】
第1パターン27aは赤外線を吸収する顔料と色彩可変顔料を含有させた第1インキを用いて印刷されているので、照明光として可視光を照射すると、色彩可変顔料によって可視光が反射され、第1インクを用いて描かれたパターンが撮像される。また、照明光として赤外線を照射すると、第1パターン27aが印刷された部分では赤外線が吸収され、その部分からは赤外線が反射されないか又は反射光の光量が低下し、周りよりも暗く(黒く)なる。一方、第2パターン27bは赤外線を反射する顔料と色彩可変顔料を含有させた第2インキを用いて印刷されているので、照明光として可視光を照射すると、第2インクを用いて描かれたパターンが撮像される。また、照明光として赤外線を照射すると、第2パターン27bが印刷された部分では赤外線が反射され、その他の部分からの赤外線の反射光量よりも反射光の光量が多くなるので、周りよりも明るく(白く)なる。従って、撮像装置3から得られた第2画像データを、所定の閾値を用いて2値化すると、閾値の設定次第で、第2画像データから第1パターンに関するデータが欠落し、第2パターンに関するデータが残るようにすることもできれば、逆に、第2画像データから第2パターンに関するデータが欠落し、第1パターンに関するデータが残るようにすることも可能である。さらに、閾値を変えて第2画像データの2値化処理を複数回行うことも可能である。これらの処理を適宜実施することにより、真偽鑑定が可能となる。
【0032】
第1パターン27a及び第2パターン27bの内容が、所定の図形や記号など、取扱者の目視によっても容易に確認できる場合、撮像装置3により撮像された画像データはそのままモニタ装置16に出力される。最初に可視光を照射して得られた印刷媒体2の表面の画像が、モニタ装置16の画面上に第1画像として表示される。次に、赤外光を照射して得られた印刷媒体2の表面の画像が、モニタ装置16の画面上に第2画像として表示される。モニタ装置16の画面上に、第1画像として第1パターン27a及び第2パターン27bが表示され、さらに第2画像として、第1パターン27aのみ又は第2パターン27bのみが表示されたときに、あるいは、閾値を変えて上記2値化処理を複数回行った場合は第1パターン27aと第2パターン27bの両方が表示されたときに、取扱者は、印刷媒体を真物と判断し、そうでないときは偽物と判断することができる。
【0033】
一方、第1パターン27a及び第2パターン27bの内容が、バーコードなど、取扱者の目視によっても容易に確認できない場合、撮像装置3により撮像された画像データは真偽判断装置4に入力され、所定の画像処理が施される。パターン・マッチングなどの画像処理の結果、複数の第1画像データのいずれかの中に第1パターン27a及び第2パターン27bに関するデータが存在することが確認され、複数の第2画像データのいずれか中に第1パターン27aのみ又は第2パターン27bのみ、あるいは第1パターン27aと第2パターン27bの両方が存在することが確認されたときには、真偽判断装置4は印刷媒体2を真物と判断し、そうでないときは偽物と判断する。そして、それぞれモニタ装置16の画面上に所定の警告を表示し及び/又は音声や警報ランプの点滅などによって、取扱者に警告する。
【0034】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る印刷媒体の画像処理検査システム及び印刷媒体の真偽鑑定方法について説明する。図4は、商品パッケージなどの立体的な印刷媒体における真偽鑑定に適する画像処理検査システムを示す図である。このシステムにおいては、立体的な印刷媒体3の表面に、画像処理検査装置1を構成するハンディタイプの撮像装置6を当接させ、印刷媒体5の表面の画像を撮像し、その表面に印刷された所定のパターンを読み取って真偽鑑定を行う。
【0035】
図5に示すように、印刷媒体5は、例えば紙箱などの立体的な印刷媒体であり、その表面には、可視光を吸収又は反射するインキを用いて、商品名、商標、企業名、ロゴマーク、金額など(図示せず)及びこれらを符号化したバーコード51などが印刷されている。これらのうち、商標やロゴマークなどの印刷には、パールインキの他、金インキや銀インキなどのメタリックインキが用いられることも少なくない。これらメタリックインキは顔料として金属粉を含んでおり、反射率が高く、入射光線をスネルの法則に従って反射する性質を有している。従って、撮像素子、照明光の照射角、メタリックインキによる印刷パターンの位置によっては、撮像素子に入射する光量が多くなり、撮像素子の画素に蓄積される電荷がオーバーフローし、再生可能又は画像処理可能な画像データが得られない場合もあり得る。従って、第2実施形態に係る撮像装置6においても、照明光の照射角度が変えられるように構成されている。
【0036】
また、商品パッケージなどの立体的な印刷媒体5の場合、印刷媒体5の大きさだけでなく、その中身の重量も、取り扱い上の制約となる。そのため、画像処理検査装置1のうち少なくとも撮像装置6は、取扱者が手持ち可能であることが好ましい。そのため、図4に示すように、撮像装置6は、モニタ装置16及び真偽判断装置4とは別に設けられたハンディタイプに構成されている。
【0037】
図6に、ハンディタイプの撮像装置6の具体的な構成を示す。撮像装置6は、撮像レンズ61と、撮像素子62と、LEDアレイ63及び64と、ライトガイド65及び66と、保護キャップ67と、外乱光を遮蔽するための遮光筒68などで構成されている。撮像素子62は、撮像レンズ61の像側焦点位置に設けられ、2次元CCDなどで構成されている。LEDアレイ63及び64は、撮像レンズ61の周囲に配置され、例えば複数のLEDが環状に複数列(例えば2列)に配列されている。LEDアレイ63及び64は、それぞれ可視光を照射するための可視光LEDと赤外線を照射するための赤外線LEDの2種類の光源を有しており、これら2種類のLEDが、例えば交互に配列されている。
【0038】
ライトガイド65及び66は、例えばアクリルなどの透光性樹脂で形成されており、同心円状に複数列(例えば2つ)配置されている。また、内側に配置されたライトガイド65の外周面は遮光性塗料により塗装されている。なお、遮光筒(遮光体)68を設ける代わりに、外側に配置されたライトガイド66の外周面を遮光性塗料により塗装してもよい。ライトガイド65及び66の先端部には、複数の斜面により形成された反射面65a及び66aが形成されている。また、ライトガイド65及び66の内径及び外径は、ライトガイド65及び66の後端面がそれぞれ環状に配列されたLEDアレイ63及び64に対向できるような寸法に設定されている。
【0039】
また、ライトガイド65及び66の反射面65a及び66aの角度は、ライトガイド65及び66中を直進し、反射面65a及び66aで反射された光が、所定の照射角(印刷媒体5の表面への入射角度)が、例えば30度及び60度となるように設定されている。さらに、ライトガイド65及び66の長さは、反射面65a及び66aで反射された光が、所定の直径を有する被撮像対象領域を一定以上の輝度で照射するように設定されている。さらに、撮像レンズ61の物体側及び像側の焦点距離は、遮光筒68の先端に装着された保護キャップ67が印刷媒体5に当接した状態で、印刷媒体5の表面が撮像レンズ61の物体側焦点位置となり、撮像素子62が像側の焦点位置となるように設定されている。
【0040】
LED63又は64から出力された光は、ライトガイド65又は66の内部を直進し、あるいはライトガイド65又は66と空気との界面で繰り返し反射されながらライトガイド65又は66の内部を進み、反射面65a又は66aにより反射されてライトガイド65又は66から出射され、印刷媒体5の表面に入射する。印刷媒体5の表面には、上記所定の入射角を有する照明光の他に、それ以外の入射角を有する照明光も入射するが、LEDからの出力光は指向性が高いため、上記所定の入射角を有する照明光が支配的である。
【0041】
このハンディタイプの撮像装置6を印刷媒体5の表面に当接させ、その表面に印刷された第1パターン及び第2パターンを読み取って真偽鑑定を行う場合、一方のLEDアレイ63の可視光LEDを発光させて撮像素子62により撮像を行い、LEDアレイ63の赤外光LEDを発光させて撮像素子62により撮像を行う。次に、他方のLEDアレイ64の可視光LEDを発光させて撮像素子62により撮像を行い、LEDアレイ64の赤外光LEDを発光させて撮像素子62により撮像を行う。それにより、連続して4つの画像が撮像され、第1画像データ及び第2画像データが2つずつ得られる。これら照明光の切り換えと撮像は短時間に行われるが、より確実に撮像を行うために、撮像完了時に音声信号などを出力することが好ましい。換言すれば、音声信号が出力されるまで、ユーザに撮像装置6を印刷媒体5の表面に当接させ続けることが好ましい。真偽判断装置4における第1画像データ及び第2画像データの処理は、上記第1実施形態の場合と同様であるため、その説明を省略する。
【0042】
なお、第2実施形態は、上記商品パッケージやその包装フィルム(外装)に第2パターンを印刷する場合に限定されず、錠剤やカプセル剤を個装するPTP(press through package)などの内装材の表面に印刷する場合にも応用することができる。例えば、医療機関の薬局などにおいて、処方箋に従って医薬品を提供する際、この画像処理検査システムを用いてその医薬品が真正品か模造品かを鑑定することができる。PTPの裏面の印刷面は金属光沢を有しているので、上記のような照明装置を備えた撮像装置6が有効である。
【0043】
また、上記ライトガイド65及び66の反射面65a及び66aを構成する複数の斜面の角度は一定である必要はなく、順に少しずつ変化させてもよい。さらに、LEDアレイ63及び64の発光順序は特に限定されず、可視光LEDを続けて発光させ、その後に赤外光LEDを続けて発光させてもよい、さらにその逆の順番であってもよい。さらに、LEDアレイ63及び64をそれぞれ単独で発光させた後、LEDアレイ63及び64を同時に発光させ、第1画像データ及び第2画像データをそれぞれ3つずつ得るようにしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 画像処理検査装置
2 (シート状)印刷媒体
3 撮像装置
4 真偽判断装置
5 (立体的な)印刷媒体
6 撮像装置
11 筐体
12 照明装置
12a,12b LEDアレイ
13 レンズアレイ
14 撮像素子
16 モニタ装置
27a 第1パターン
27b 第2パターン
61 撮像レンズ
62 撮像素子
63、64 LEDアレイ
64、65 ライトガイド
65a、65b 反射面
68 遮光筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に赤外線を吸収する顔料と色彩可変顔料を含有させた第1インキで印刷された第1パターン及び赤外線を反射する顔料と色彩可変顔料を含有させた第2インキで印刷された第2パターンを有する真正な印刷媒体と、
真偽鑑定される鑑定対象印刷媒体の表面の所定領域に印刷されたパターンを、可視光及び赤外光を用いて撮像する撮像装置と、
前記撮像装置から出力される画像データを用いて、前記鑑定対象印刷媒体が真正な印刷媒体であるか否かを判断する真偽判断装置を備えた印刷媒体の画像処理検査システムであって、
前記撮像装置は、前記鑑定対象印刷媒体の表面に赤外光を遮蔽した状態で可視光を照射し、前記可視光の照射角度を変化させながら前記鑑定対象印刷媒体の表面の複数の第1画像を撮像すると共に、前記鑑定対象印刷媒体の表面に可視光を遮蔽した状態で赤外光を照射し、前記赤外光の照射角度を変化させながら前記鑑定対象印刷媒体の表面の複数の第2画像を撮像し、
前記真偽判断装置は、前記複数の第1画像データ及び前記複数の第2画像データをそれぞれ前記第1パターンに関するデータ及び前記第2パターンに関するデータと比較し、前記複数の第1画像データのいずれかに前記第1パターンに関するデータ及び前記第2パターンに関するデータが含まれ、且つ、前記複数の第2画像データのいずれかに前記第1パターンに関するデータが欠落し、前記第2パターンに関するデータが含まれている場合、又は、前記複数の第2画像データのいずれかに前記第2パターンに関するデータが欠落し、前記第1パターンに関するデータが含まれている場合に、前記鑑定対象印刷媒体を真正な印刷媒体であると判断することを特徴とする印刷媒体の画像処理検査システム。
【請求項2】
前記真偽判断装置は、前記撮像装置から得られた第2画像データを、所定の閾値を用いて2値化することを特徴とする請求項1に記載の印刷媒体の画像処理検査システム。
【請求項3】
前記真偽判断装置は、閾値を変えて第2画像データの2値化処理を複数回行うことを特徴とする請求項2に記載の印刷媒体の画像処理検査システム。
【請求項4】
前記色彩可変顔料は、パール顔料であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の印刷媒体の画像処理検査システム。
【請求項5】
真正な印刷媒体の表面に赤外線を吸収する顔料と色彩可変顔料を含有させた第1インキで第1パターンを印刷すると共に、赤外線を反射する顔料と色彩可変顔料を含有させた第2インキで第2パターンを印刷し、
真偽鑑定される鑑定対象印刷媒体の表面に赤外光を遮蔽した状態で可視光を照射し、前記可視光の照射角度を変化させながら前記鑑定対象印刷媒体の表面の複数の第1画像を撮像すると共に、前記鑑定対象印刷媒体の表面に可視光を遮蔽した状態で赤外光を照射し、前記赤外光の照射角度を変化させながら前記鑑定対象印刷媒体の表面の複数の第2画像を撮像し、
前記複数の第1画像のいずれかに前記第1パターン及び前記第2パターンが含まれ、且つ、前記複数の第2画像のいずれかに前記第1パターンが含まれず、前記第2パターンが含まれている場合、又は、前記複数の第2画像のいずれかに前記第2パターンに関するデータが欠落し、前記第1パターンに関するデータが含まれている場合に、前記鑑定対象印刷媒体を真正な印刷媒体であると判断する印刷媒体の真偽鑑定方法。
【請求項6】
前記第2画像に関するデータを、所定の閾値を用いて2値化することを特徴とする請求項5に記載の印刷媒体の真偽鑑定方法。
【請求項7】
前記第2画像に関するデータの2値化処理を複数回行うことを特徴とする請求項6に記載の印刷媒体の真偽鑑定方法。
【請求項8】
前記色彩可変顔料は、パール顔料であることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の印刷媒体の真偽鑑定方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の印刷媒体の画像処理検査システム又は請求項5乃至請求項8のいずれか一項に記載の印刷媒体の真偽鑑定方法に適する撮像装置であって、
真偽鑑定される鑑定対象印刷媒体の表面に密着され又は該鑑定対象印刷媒体の表面の少なくとも一部分を覆い、可視光及び赤外光を遮蔽する遮光体と、
前記鑑定対象印刷媒体の表面をそれに垂直な方向から撮像する撮像素子と、
前記鑑定対象印刷媒体の表面に対して、垂直とは異なる複数の照射角度で可視光及び赤外光を照射しうる照明装置と、
前記照明装置を制御して、前記複数の照射角度のそれぞれから順に可視光を照射して、前記鑑定対象印刷媒体の表面の可視光による複数の第1画像データを出力させると共に、前記複数の照射角度のそれぞれから順に赤外光を照射して、前記鑑定対象印刷媒体の表面の赤外光による複数の第2画像データを出力させる撮像制御部と、
前記複数の第1画像データ及び前記複数の第2画像データを記憶する記憶部を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
前記照明装置は、複数のLEDが環状に配置された複数のLEDアレイと、同心円状に配置された複数列のライトガイドを有し、
前記ライトガイドの先端部に複数の斜面により形成された反射面が形成され、前記ライトガイドの後端面がそれぞれ環状に配列された複数のLEDアレイに対向することを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記遮光体は前記鑑定対象印刷媒体の表面に密着される遮光筒であり、
前記撮像装置は、撮像レンズをさらに備え、前記遮光筒の先端が前記鑑定対象印刷媒体に当接した状態で、前記鑑定対象印刷媒体の表面が前記撮像レンズの物体側焦点位置となり、前記撮像素子が像側の焦点位置となることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−22455(P2012−22455A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158983(P2010−158983)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【出願人】(000106221)パナソニック電工SUNX株式会社 (578)
【出願人】(000162113)共同印刷株式会社 (488)
【Fターム(参考)】