印刷媒体供給機構
【課題】様々な径を有する巻芯部に印刷媒体が巻回されたロール体から印刷媒体を引き出して供給する印刷媒体供給機構において、印刷媒体の供給を安定化する。
【解決手段】この印刷媒体供給機構は、筐体に固定され、巻芯部の内側を貫通してロール体を回動可能に支持する支持軸と、支持軸が挿入される開口が形成され、筐体との間でロール体を挟み込むことによって、支持軸の長手方向におけるロール体の位置を規制するガイド板と、ガイド板に形成された長孔に沿って移動可能であり、巻芯部の内側面に接触することによって、支持軸の長手方向と直交する方向におけるロール体の揺れを軽減するスタビライザーと、ロール体から印刷媒体を引き出して搬送する搬送部とを含む。
【解決手段】この印刷媒体供給機構は、筐体に固定され、巻芯部の内側を貫通してロール体を回動可能に支持する支持軸と、支持軸が挿入される開口が形成され、筐体との間でロール体を挟み込むことによって、支持軸の長手方向におけるロール体の位置を規制するガイド板と、ガイド板に形成された長孔に沿って移動可能であり、巻芯部の内側面に接触することによって、支持軸の長手方向と直交する方向におけるロール体の揺れを軽減するスタビライザーと、ロール体から印刷媒体を引き出して搬送する搬送部とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台紙に仮着されたラベル、又は、タグ製造用の帯状のシート等の印刷媒体に印刷されたバーコードや文字等の印刷情報を読み取って印刷情報の検証を行う検査装置等において、巻芯部の外側に印刷媒体がロール状に巻回されたロール体から印刷媒体を引き出して供給する印刷媒体供給機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ラベルやタグにバーコードや文字等の印刷情報を印刷するプリンターにおいては、印刷媒体(以下においては、「用紙」ともいう)として、例えば、長尺帯状の台紙(セパレーター)上に所定長さのラベルが所定間隔で仮着されているラベル連続体や、タグ製造用の帯状のシートが用いられる。さらに、用紙に印刷情報が正確に印刷されたか否かを検証するために、用紙に印刷された印刷情報をスキャナーを用いて読み取って印刷情報の検証を行う検証部を備えたプリンターも知られている。
【0003】
しかしながら、プリンターに検証部が一体化されると、装置全体が大型化してしまうという問題がある。また、プリンターに一体化された検証部は、そのプリンター専用となるので汎用性に乏しく、プリンター毎に検証部を設ける場合には、装置のコストが上昇してしまうという問題がある。そこで、プリンターから独立した検証部を備えたスタンドアローンタイプの検査装置が望まれている。
【0004】
そのような検査装置は、例えば、プリンターによって印刷された用紙が巻芯部にロール状に巻回されたロール体から用紙を引き出して印刷情報の検証を行うと共に、用紙を再び巻き取ってロール状に巻回する。その際に、用紙供給機構が、用紙を安定して送り出すことができなければ、ロール体の下流側において用紙の搬送蛇行が発生してしまう。そのような搬送蛇行を防止するためには、用紙供給機構において、用紙が暴れないようにして、用紙の供給を安定化することが必要となる。
【0005】
関連する技術として、特許文献1には、ロール紙の振れを防止して用紙供給の安定化を図るプリンターのロール紙支持装置が開示されている。このロール紙支持装置は、ロール紙を軸方向に挟んで配設された一対の支持部材と、ロール紙の巻芯部より内側に伸張し、ロール紙を引っ掛けて回転可能に支持するロール紙支持軸とを備え、支持部材の少なくとも一方に、ロール紙の回転時に巻芯部の内側面に当接してロール紙支持軸を中心としたロール紙の振れを規制するロール紙振れ止めピンを設けたことを特徴とする。
【0006】
しかしながら、スタンドアローンタイプの検査装置は、汎用を目的としており、様々な径を有する巻芯部に巻回された用紙を対象とする必要があるので、単にロール紙振れ止めピンを設けただけでは、ロール紙の振れを有効に規制することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−292158号公報(請求項1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、巻芯部の外側に印刷媒体が巻回されたロール体から印刷媒体を引き出して供給する印刷媒体供給機構において、様々な径を有する巻芯部に印刷媒体が巻回されたロール体から印刷媒体を引き出して供給する際に、印刷媒体の供給を安定化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の1つの観点に係る印刷媒体供給機構は、巻芯部の外側に印刷媒体が巻回されたロール体から印刷媒体を引き出して供給する印刷媒体供給機構であって、筐体に固定され、巻芯部の内側を貫通してロール体を回動可能に支持する支持軸と、支持軸が挿入される開口が形成され、筐体との間でロール体を挟み込むことによって、支持軸の長手方向におけるロール体の位置を規制するガイド板と、ガイド板に形成された長孔に沿って移動可能であり、巻芯部の内側面に接触することによって、支持軸の長手方向と直交する方向におけるロール体の揺れを軽減するスタビライザーと、ロール体から印刷媒体を引き出して搬送する搬送部とを具備する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の1つの観点によれば、ガイド板に形成された長孔に沿って移動可能であり、巻芯部の内側面に接触することによって、支持軸の長手方向と直交する方向におけるロール体の揺れを軽減するスタビライザーを設けたことにより、様々な径を有する巻芯部に印刷媒体が巻回されたロール体から印刷媒体を引き出して供給する際に、印刷媒体の供給を安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷媒体供給機構を備えた検査装置を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る印刷媒体供給機構を備えた検査装置を示す斜視図である。
【図3】支持軸にロール体がセットされた状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるガイド板とスタビライザーを示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるガイド板とスタビライザーを別の角度で示す斜視図である。
【図6】図6の(a)は、本発明の一実施形態におけるスタビライザーの構成を示す正面図であり、図6の(b)は、本発明の一実施形態におけるスタビライザーの構成を示す一部断面側面図である。
【図7】ガイド板が支持軸に装着された状態を示す一部断面斜視図である。
【図8】ガイド板が支持軸に装着された状態を別の角度で示す一部断面斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態におけるスタビライザーの第1の変形例を示す正面図である。
【図10】本発明の一実施形態におけるスタビライザーの第2の変形例を示す正面図である。
【図11】図11の(a)は、本発明の一実施形態における脱着クリップの第1の部材を示す側面図であり、図11の(b)は、本発明の一実施形態における脱着クリップの第2の部材を示す側面図である。
【図12】組み立てられた脱着クリップを示す側面図である。
【図13】図1及び図2に示す検証部の内部構造を示す断面図である。
【図14】図1及び図2に示す巻取部及びフランジ部の構造を示す一部断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷媒体供給機構を備えた検査装置を示す正面図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る印刷媒体供給機構を備えた検査装置を示す斜視図である。この検査装置は、プリンターによって印刷された印刷媒体(用紙)1が巻芯部2の外側にロール状に巻回されたロール体3から用紙1を引き出して、用紙1に印刷されたバーコードや文字等の印刷情報の検証を行うと共に、用紙1を再び巻き取ってロール状に巻回する。
【0013】
ここで、用紙1としては、台紙に仮着されたラベル、又は、タグ製造用の帯状のシート等が用いられる。また、巻芯部2としては、紙管等が用いられる。例えば、300mの用紙が巻芯部に巻回された1巻のロール体を検査装置にセットすることにより、検査装置が、ロール体から用紙を引き出しながら、印刷情報の検証を連続して行うことができる。
【0014】
図1及び図2に示すように、検査装置は、筐体10と、支持軸11と、搬送部30と、検証部40と、スイングローラー61と、補助ローラー62と、巻取部63と、フランジ部64と、操作・制御部70とを含んでいる。支持軸11及び搬送部30は、ロール体3から印刷媒体(用紙)1を引き出して検証部40に供給する印刷媒体供給機構の一部を構成している。
【0015】
支持軸11は、筐体10に固定され、巻芯部2の内側を貫通してロール体3を回動可能に支持する。即ち、支持軸11は、ロール体3を支えるための支柱となっており、ロール体3の重量に対して撓みが十分小さい2次モーメント耐久構造を有している。
【0016】
搬送部30は、支持軸11に支持されたロール体3から用紙1を引き出して搬送する。検証部40は、搬送部30によって搬送される用紙1に印刷された印刷情報を光学的に読み取って印刷情報の検証を行うことにより、用紙1に印刷情報が正確に印刷されたか否かを検査する。
【0017】
スイングローラー61は、検証部40から排出される用紙1に当接して、用紙1の弛みを吸収する。スイングローラー61は、その自重あるいは引っ張りバネの付勢力によって、最下点に移行するようになっている。従って、スイングローラー61の位置を検出するローラー位置センサーを設けることにより、用紙1にかかるテンションを測定することができる。
【0018】
補助ローラー62は、スイングローラー61と巻取部63との間で用紙1をガイドする。巻取部63は、検証部40から排出されてスイングローラー61及び補助ローラー62を通過した用紙1を巻き取る。フランジ部64は、巻取部63に巻き取られた用紙を挟み込んでガイドする。
【0019】
操作・制御部70は、オペレーターが検査装置を操作するために用いられる各種の操作ボタンと、巻取りの終了やエラーの発生を報知するためのブザーやLED等とを含んでもよい。また、操作・制御部70は、オペレーターが入力する各種の命令に従って、検査装置の各部の動作を制御する。
【0020】
図3は、支持軸にロール体がセットされた状態を示す斜視図である。スタンドアローンタイプの検査装置は、汎用を目的としており、様々な径を有する巻芯部2に巻回された用紙1を対象とする必要がある。例えば、巻芯部2の口径は、1インチ(25、4mm)〜4インチ(101、6mm)のように、大きく異なる場合がある。
【0021】
巻芯部2の内径が支持軸11の外径よりも大きい場合には、用紙1を搬送する際に、ロール体3の回転に伴ってロール体3が支持軸11の長手方向に自由に移動し、特に、ロール体3の重量が減少するに伴い、用紙1を引き出す力によってロール体3の移動や揺れが大きくなり、それによって用紙1の搬送蛇行が発生する。用紙1の搬送蛇行が一旦発生すると、ロール体3の移動や揺れがさらに大きくなり、最終的には用紙ジャムが発生するおそれがある。
【0022】
そこで、本実施形態においては、用紙供給側において用紙1の供給を安定化するために、図4に示すように、脱着クリップ22が取り付けられたガイド板21と、ガイド板21に設けられたスタビライザー23とが用いられる。脱着クリップ22は、ガイド板21を支持軸11に対して脱着可能とする。ガイド板21、脱着クリップ22、及び、スタビライザー23も、印刷媒体供給機構の一部を構成している。
【0023】
ガイド板21は、支持軸11が挿入される開口が形成され、脱着クリップ22によって支持軸11に装着されたときに、筐体10との間でロール体3を挟み込むことによって、支持軸11の長手方向におけるロール体3の位置を規制する。これにより、支持軸11の長手方向におけるロール体3の移動、暴れ、ガタが抑制される。しかしながら、支持軸11の長手方向と直交する方向、例えば、上下方向においては、ロール体3の揺れが発生する。
【0024】
そこで、ガイド板21にスタビライザー23が設けられている。ガイド板21には、支持軸11の長手方向と略直交する方向に所定の長さを有する孔(長孔)21aが形成されている。スタビライザー23は、この長孔21aに沿って移動可能であり、巻芯部2の内側面に接触することによって、支持軸11の長手方向と直交する方向におけるロール体3の揺れを軽減する。その結果、用紙供給側にスイングローラーを設けなくても、用紙の供給を安定化することができる。
【0025】
図5は、ガイド板とスタビライザーを別の角度で示す斜視図である。また、図6の(a)は、スタビライザーの構成を示す正面図であり、図6の(b)は、スタビライザーの構成を示す一部断面側面図である。スタビライザー23は、ガイド板21の長孔21aに沿って移動可能な軸部23aと、軸部23aをガイド板21に固定するための固定部(図5においては、固定ネジ23bを示す)と、少なくとも1つの回転体(図5においては、2つのローラー23cを示す)とを含んでいる。
【0026】
軸部23aは、ガイド板21の一方の面(図6の(b)において右側の主面)から長孔21aに嵌合しながら長孔21aに沿って平行移動可能となっている。固定ネジ23bは、ガイド板21の他方の面(図6の(b)において左側の主面)から軸部23aに螺合することによって、軸部23aをガイド板21に固定する。図6に示すように、軸部23aは、ガイド板21に対して回転することができない形状を有しているので、固定ネジ23bを回転させても軸部23aが回転することはない。
【0027】
ローラー23cは、例えば、ボールベアリングによって軸部23aに回動可能に取り付けられ、巻芯部2の内側面に接触したときに回転する。従って、巻芯部2との摩擦や摺動抵抗等の発生が小さいので、ロール体3の回転を妨げることなく、ロール体3の揺れを軽減することが可能となる。その結果、用紙1を搬送する搬送部30のモーターのトルクを増加させる必要がなく、用紙1の搬送速度の増加や減少に対しても十分に追従することができる。
【0028】
図7及び図8は、ガイド板が支持軸に装着された状態を示す一部断面斜視図である。オペレーターは、スタビライザー23が支持軸11に近い位置においてガイド板21に固定された状態で、脱着クリップ22を操作することによってガイド板21を支持軸11に装着してもよい。
【0029】
次に、オペレーターは、固定ネジ23bを第1の回転方向に回転させて緩めることによってスタビライザー23を移動可能とし、固定ネジ23bを摘んでスタビライザー23を適切な位置(ローラー23cが巻芯部2の内側面に接触する位置)に移動させた後に、固定ネジ23bを第2の回転方向に回転させて締めることによってスタビライザー23をガイド板21に固定してもよい。
以上においては、ガイド板21に1つのスタビライザー23を設ける場合について説明したが、ガイド板21に複数のスタビライザーを設けるようにしてもよい。
【0030】
図9は、本発明の一実施形態におけるスタビライザーの第1の変形例を示す正面図である。第1の変形例においては、用紙が搬送される際に、軸部23aがガイド板21の長孔に沿って移動可能であり、ローラー23cが巻芯部2の内側面に接触するように軸部23aを付勢する少なくとも1つのバネ23dが設けられている。
【0031】
例えば、バネ23dは、軸部23aに螺合された固定ネジ23bと、巻芯部2の外側においてガイド板21に固定されたピン23eとの間に掛け渡され、固定ネジ23bを巻芯部2の外側に向けて付勢する。あるいは、バネホルダー内において圧縮されたバネが、軸部23aに螺合された固定ネジ23bと、巻芯部2の内側においてガイド板21に固定されたピンとの間に挿入され、固定ネジ23bを巻芯部2の外側に向けて付勢するようにしてもよい。
【0032】
オペレーターは、スタビライザー23が支持軸11に近い位置においてガイド板21に固定された状態で、脱着クリップ22を操作することによってガイド板21を支持軸11に装着してもよい。次に、オペレーターが、固定ネジ23bを第1の回転方向に回転させて緩めることによって軸部23aを移動可能にすると、ローラー23cが巻芯部2の内側面に接触するようにバネ23dが軸部23aを付勢する。あるいは、固定ネジ23bのネジ部及び軸部23aのネジ穴をテーパー形状とすることにより、固定ネジ23bを第2の回転方向に回し切っても軸部23aがガイド板21に固定されないようにしてもよい。
【0033】
巻芯部2が紙管である場合には、紙管の内側面が完全な円柱面ではない可能性がある。第1の変形例によれば、用紙が搬送される際に軸部23aを移動可能としてローラー23cを紙管の内側面に向けて付勢することにより、ローラー23cが紙管の内側面の凹凸に良好に追従できるようになる。
【0034】
図10は、本発明の一実施形態におけるスタビライザーの第2の変形例を示す正面図である。第2の変形例においては、ガイド板21に複数のスタビライザーが設けられる点が第1の変形例と異なっており、その他の点に関しては第1の変形例と同様である。図10においては、巻芯部2の中心を基準として、支持軸11が位置する角度に対して略+120°の位置に設けられたスタビライザー231と、支持軸11が位置する角度に対して略−120°の位置に設けられたスタビライザー232とが示されている。スタビライザー231及び232の構成は、図9に示すものと同様である。
【0035】
第2の変形例によれば、支持軸11とスタビライザー231とスタビライザー232との3点においてロール体を支持しながらロール体の揺れを防止するので、支持軸11と略直交する面内におけるロール体の揺れをさらに少なくして、用紙供給側において用紙の供給をさらに安定化することが可能となる。
【0036】
次に、本発明の一実施形態における脱着クリップの構成について説明する。
図11の(a)は、脱着クリップの第1の部材を示す側面図であり、図11の(b)は、脱着クリップの第2の部材を示す側面図である。図11の(a)に示す第1の部材22aは、第1の開閉片221を有し、所定の位置に開口223が形成されている。また、図11の(b)に示す第2の部材22bは、第2の開閉片222を有し、所定の位置に開口224が形成されている。
【0037】
図12は、組み立てられた脱着クリップを示す側面図である。図11の(a)に示す第1の部材22aと、図11の(b)に示す第2の部材22bとを、開口223及び224を貫通する軸22cを用いて回動可能に結合し、第1の部材22aと第2の部材22bとの間に弾性部材(図12においては、バネ22dを示す)を挿入することにより、脱着クリップ22が組み立てられる。なお、弾性部材としては、バネ22dの他に、樹脂等を用いることもできる。また、弾性部材は、第1の部材22a又は第2の部材22bと一体的に構成されていてもよい。
【0038】
図12に示すように、第1の部材22aは、ガイド板21から離れて位置する第1の開閉片221を有し、ガイド板21に固定されている。また、第2の部材22bは、第1の開閉片221に対向して位置する第2の開閉片222を有し、第1の部材22aに対して回動可能に取り付けられている。
【0039】
バネ22dは、第2の部材22bが第1の部材22aとの間で支持軸11を挟むように第1の部材22aと第2の部材22bとの間に回転力を与える。ここで、オペレーターが、第1の開閉片221及び第2の開閉片222を摘んで、バネ22dが与える回転力に逆らって第1の開閉片221と第2の開閉片222との間の距離を縮めることにより、第2の部材22bが支持軸11から離れて、ガイド板21が支持軸11から離脱可能となる。
【0040】
再び図1及び図2を参照すると、搬送部30は、補助ローラー31と、グリップローラー制御軸32と、グリップローラー33と、押さえローラー34とを含んでおり、ロール体3から用紙1を引き出して搬送する。補助ローラー31は、ロール体3から引き出される用紙1をガイドする。グリップローラー制御軸32によって所定の位置に配置されたグリップローラー33は、押さえローラー34との間に用紙1を挟み、図示しないモーターによって回転して用紙1を搬送する。搬送部30によって搬送される用紙1は検証部40に供給され、検証部40において、用紙1に印刷された印刷情報の検証が行われる。
【0041】
図13は、図1及び図2に示す検証部の内部構造を示す断面図である。以下においては、台紙に仮着されたラベルを用紙として用い、ラベルに印刷されたバーコードを検証する場合を例として説明する。検証部40は、搬送部30から供給されるラベルに印刷されたバーコードを、スキャナーを用いて読み取って、バーコードの検証を行う。
【0042】
検証部40は、複数の搬送ローラーを備えた上流側搬送部41、中間搬送部42、及び、下流側搬送部43を含む搬送機構と、スキャナー部44と、マーキング部45と、検証部40の各部の動作を制御する制御部46と、表示部47と、操作部48と、下側搬送ガイド板51と、上側搬送ガイド板52と、挿入センサー53と、上流側移動検出部54と、下流側移動検出部55と、ラベル位置検出部56と、モーター57と、エンコーダー58と、ベルト59とを含んでいる。
【0043】
搬送部30(図1)から供給される用紙は、検証部40の筐体に形成された用紙挿入口を通って、下側搬送ガイド板51と上側搬送ガイド板52との間に挿入される。挿入センサー53は、用紙挿入口の搬送方向下流側(図中左側)における直近に設けられ、挿入された用紙を検出して、検出信号を制御部46に出力する。制御部46は、挿入センサー53から検出信号を受信すると、用紙を搬送するように、上流側搬送部41〜下流側搬送部43を駆動するモーター57を制御する。図1に示すように搬送部30から検証部40に用紙が供給される場合には、検証部40における用紙の搬送速度を、搬送部30による用紙の供給速度に自動的に追従させることが望ましい。
【0044】
下側搬送ガイド板51には、複数の搬送用開口と、複数の検出用開口とが形成されている。上流側搬送部41の複数の搬送ローラー41a、中間搬送部42の複数の搬送ローラー42a、及び、下流側搬送部43の複数の搬送ローラー43aは、複数の搬送用開口を通して下側搬送ガイド板51の上方に突出している。また、上流側移動検出部54の複数の検出ローラー54a、及び、下流側移動検出部55の複数の検出ローラー55aは、複数の検出用開口を通して下側搬送ガイド板51の上方に突出している。
【0045】
上側搬送ガイド板52にも、複数の搬送用開口と、複数の検出用開口とが形成されている。上流側搬送部41の複数の搬送ローラー41b、中間搬送部42の複数の搬送ローラー42b、及び、下流側搬送部43の複数の搬送ローラー43bは、複数の搬送用開口を通して上側搬送ガイド板52の下方に突出している。また、上流側移動検出部54の複数の検出ローラー54b、及び、下流側移動検出部55の複数の検出ローラー55bは、複数の検出用開口を通して上側搬送ガイド板52の下方に突出している。
【0046】
搬送ローラー41aと搬送ローラー41bとは、互いに対向して接触するように配置されている。同様に、搬送ローラー42aと搬送ローラー42bとは、互いに対向して接触するように配置されており、搬送ローラー43aと搬送ローラー43bとは、互いに対向して接触するように配置されている。
【0047】
搬送ローラー41a〜43aは、図示しないベルト、トルクリミッター、及び、アイドルギアを介して、モーター57によって駆動される。トルクリミッターは、図1に示すように搬送部30から検証部40に用紙が供給される場合に、検証部40における用紙の搬送速度を搬送部30による用紙の供給速度に合わせるために、用紙にかかるテンションを制限するものである。
【0048】
搬送部30から供給される用紙を搬送する際には、まず、上流側搬送部41において、搬送ローラー41aが図中下方から用紙に接触すると共に、搬送ローラー41bが図中上方から用紙に接触し、モーター57の駆動力を受けて搬送ローラー41aが回転することにより、用紙を下流方向(図中左方向)に搬送する。
【0049】
中間搬送部42は、上流側搬送部41よりも搬送方向下流側であって、且つ、用紙のラベルに印刷された印刷情報をスキャナー部44が読み取る位置(図13における矢印Aの位置)の搬送方向下流側における近傍に設けられている。中間搬送部42において、搬送ローラー42aが図中下方から用紙に接触すると共に、搬送ローラー42bが図中上方から用紙に接触し、モーター57の駆動力を受けて搬送ローラー42aが回転することにより、用紙を下流方向に搬送する。中間搬送部42をこのような位置に設けることによって、矢印Aの位置における用紙の平面性を高めて、スキャナー部44による印刷情報の読み取りを精度良く行うことができる。
【0050】
下流側搬送部43は、中間搬送部42よりも搬送方向下流側であって、且つ、マーキング部45よりも搬送方向下流側に設けられている。下流側搬送部43において、搬送ローラー43aが図中下方から用紙に接触すると共に、搬送ローラー43bが図中上方から用紙に接触し、モーター57の駆動力を受けて搬送ローラー43aが回転することにより、用紙を下流方向に搬送する。下流側搬送部43をこのような位置に設けることによって、マーキング位置における用紙の平面性を高めて、マーキングを良好に行うことができる。
【0051】
上流側移動検出部54は、上流側搬送部41の搬送方向下流側における直近に配置されており、検出ローラー54a及び54bと、プーリー54cとを含んでいる。下流側移動検出部55は、中間搬送部42の搬送方向下流側における直近に配置されており、検出ローラー55a及び55bと、プーリー55cとを含んでいる。また、エンコーダー58は、プーリー58cを含んでいる。
【0052】
上流側移動検出部54において、検出ローラー54aが図中下方から用紙に接触すると共に、検出ローラー54bが図中上方から用紙に接触することにより、用紙が搬送されると検出ローラー54a及び54bが回転する。同様に、下流側移動検出部55において、検出ローラー55aが図中下方から用紙に接触すると共に、検出ローラー55bが図中上方から用紙に接触することにより、用紙が搬送されると検出ローラー55a及び55bが回転する。
【0053】
プーリー54c、55c、及び、58cには、ベルト59が掛けられている。従って、プーリー54c及び55cの内のすくなくとも一方が回転すると、その回転がプーリー58cに伝播する。エンコーダー58は、ロータリーエンコーダーであり、プーリー58cの回転に基づいて検出信号を制御部46に出力する。
【0054】
ラベル位置検出部56は、好ましくは、反射型光センサーと透過型光センサーとの両方を含んでいる。反射型光センサーは、台紙の少なくとも一方の面においてラベルの位置に対応して印刷された位置検出マーク(アイマーク)を検出して、検出信号を制御部46に出力する。また、透過型光センサーは、台紙上においてラベルが存在する領域とラベルが存在しない領域との光透過率の差を検出して、検出信号を制御部46に出力する。
【0055】
反射型光センサーを用いる場合には、下側センサー56a又は上側センサー56bが反射型光センサーによって構成される。一方、透過型光センサーを用いる場合には、下側センサー56aが、透過型光センサーの発光部又は受光部によって構成され、上側センサー56bが、透過型光センサーの受光部又は発光部によって構成される。
【0056】
スキャナー部44は、搬送機構によって搬送される用紙をスキャンすることにより、ラベルに印刷されたバーコードを光学的に読み取って出力信号を生成する。例えば、スキャナー部44は、照明部と光センサー部とを有しており、照明部によって照明されたラベルに印刷されているバーコードを光センサー部が読み取って出力信号を生成する。光センサー部としては、1次元又は2次元CCD(電荷結合素子)イメージセンサー等の撮像素子を用いることができる。スキャナー部44によって生成される出力信号は、制御部46に出力される。
【0057】
マーキング部45は、制御部46の制御の下で、検証エラーが発生したバーコードが印刷されているラベルにマーキングを施す。例えば、スキャナー部44がバーコードを読み取ることができなかったり、スキャナー部44が読み取ったバーコードの内容が本来印刷すべきバーコードの内容と異なっていたりする場合には、マーキング部45が、そのバーコードが印刷されているラベルに、「不可」又は「NG」等の押印を行う。なお、マーキング部45は、レーザーやインクジェットを用いてマーキングを行っても良いし、ラベルの一部を切り欠いたり孔を開けたりしてマーキングを行っても良い。図1に示すように、検証部40から排出される用紙1は、スイングローラー61及び補助ローラー62を通過して、巻取部63によって巻き取られる。
【0058】
図14は、図1及び図2に示す巻取部及びフランジ部の構造を示す一部断面側面図である。図14に示すように、巻取部63は、モーターによって駆動されて回転する巻取軸63aと、巻取軸63aに取り付けられた巻取紙管アダプター63bとを含んでいる。巻取軸63aは、2つのベアリング63cによって回転可能に支持されており、巻取軸63aの一端には、駆動プーリー63dが固定されている。駆動プーリー63dは、駆動ベルト63eを介して、モーター63fによって駆動される。
【0059】
一方、巻取紙管アダプター63bには、用紙1の一端が接着された巻取紙管が装着される。巻取軸63aの回転力が巻取紙管アダプター63bに伝達されることにより、巻取紙管アダプター63bが、巻取紙管の内面をグリップして、巻取軸63aの回転を巻取紙管に伝達する。
【0060】
また、一方のフランジ64aは、巻取軸63aに固定されており、他方のフランジ64bは、巻取軸63aに対して脱着可能となっている。フランジ64bは、巻取紙管アダプター63bに巻取紙管が装着された後に、フランジロック機構64cによって巻取軸63aに取り付けられ、巻取部63に巻き取られた用紙をフランジ64aとの間で挟み込んでガイドする。
【0061】
以上においては、検査装置において用いられる印刷媒体供給機構の実施形態について説明したが、本発明に係る印刷媒体供給機構は、プリンター等において、巻芯部の外側に印刷媒体が巻回されたロール体から印刷媒体を引き出して印刷部に供給する場合にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0062】
1…用紙、2…巻芯部、3…ロール体、10…筐体、11…支持軸、21…ガイド板、21a…長孔、22…脱着クリップ、22a…第1の部材、22b…第2の部材、22c…軸、22d…バネ、221、222…開閉片、223、224…開口、23、231、232…スタビライザー、23a…軸部、23b…固定ネジ、23c…ローラー、23d…バネ、23e…ピン、30…搬送部、31…補助ローラー、32…グリップローラー制御軸、33…グリップローラー、34…押さえローラー、40…検証部、41…上流側搬送部、41a、41b…搬送ローラー、42…中間搬送部、42a、42b…搬送ローラー、43…下流側搬送部、43a、43b…搬送ローラー、44…スキャナー部、45…マーキング部、46…制御部、47…表示部、48…操作部、51…下側搬送ガイド板、52…上側搬送ガイド板、53…挿入センサー、54…上流側移動検出部、54a、54b…検出ローラー、54c…プーリー、55…下流側移動検出部、55a、55b…検出ローラー、55c…プーリー、56…ラベル位置検出部、56a…下側センサー、56b…上側センサー、57…モーター、58…エンコーダー、58c…プーリー、59…ベルト、61…スイングローラー、62…補助ローラー、63…巻取部、63a…巻取軸、63b…紙管アダプター、63c…ベアリング、63d…駆動プーリー、63e…駆動ベルト、63f…モーター、64…フランジ部、64a、64b…フランジ、64c…フランジロック機構、70…操作・制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、台紙に仮着されたラベル、又は、タグ製造用の帯状のシート等の印刷媒体に印刷されたバーコードや文字等の印刷情報を読み取って印刷情報の検証を行う検査装置等において、巻芯部の外側に印刷媒体がロール状に巻回されたロール体から印刷媒体を引き出して供給する印刷媒体供給機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ラベルやタグにバーコードや文字等の印刷情報を印刷するプリンターにおいては、印刷媒体(以下においては、「用紙」ともいう)として、例えば、長尺帯状の台紙(セパレーター)上に所定長さのラベルが所定間隔で仮着されているラベル連続体や、タグ製造用の帯状のシートが用いられる。さらに、用紙に印刷情報が正確に印刷されたか否かを検証するために、用紙に印刷された印刷情報をスキャナーを用いて読み取って印刷情報の検証を行う検証部を備えたプリンターも知られている。
【0003】
しかしながら、プリンターに検証部が一体化されると、装置全体が大型化してしまうという問題がある。また、プリンターに一体化された検証部は、そのプリンター専用となるので汎用性に乏しく、プリンター毎に検証部を設ける場合には、装置のコストが上昇してしまうという問題がある。そこで、プリンターから独立した検証部を備えたスタンドアローンタイプの検査装置が望まれている。
【0004】
そのような検査装置は、例えば、プリンターによって印刷された用紙が巻芯部にロール状に巻回されたロール体から用紙を引き出して印刷情報の検証を行うと共に、用紙を再び巻き取ってロール状に巻回する。その際に、用紙供給機構が、用紙を安定して送り出すことができなければ、ロール体の下流側において用紙の搬送蛇行が発生してしまう。そのような搬送蛇行を防止するためには、用紙供給機構において、用紙が暴れないようにして、用紙の供給を安定化することが必要となる。
【0005】
関連する技術として、特許文献1には、ロール紙の振れを防止して用紙供給の安定化を図るプリンターのロール紙支持装置が開示されている。このロール紙支持装置は、ロール紙を軸方向に挟んで配設された一対の支持部材と、ロール紙の巻芯部より内側に伸張し、ロール紙を引っ掛けて回転可能に支持するロール紙支持軸とを備え、支持部材の少なくとも一方に、ロール紙の回転時に巻芯部の内側面に当接してロール紙支持軸を中心としたロール紙の振れを規制するロール紙振れ止めピンを設けたことを特徴とする。
【0006】
しかしながら、スタンドアローンタイプの検査装置は、汎用を目的としており、様々な径を有する巻芯部に巻回された用紙を対象とする必要があるので、単にロール紙振れ止めピンを設けただけでは、ロール紙の振れを有効に規制することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−292158号公報(請求項1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、巻芯部の外側に印刷媒体が巻回されたロール体から印刷媒体を引き出して供給する印刷媒体供給機構において、様々な径を有する巻芯部に印刷媒体が巻回されたロール体から印刷媒体を引き出して供給する際に、印刷媒体の供給を安定化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の1つの観点に係る印刷媒体供給機構は、巻芯部の外側に印刷媒体が巻回されたロール体から印刷媒体を引き出して供給する印刷媒体供給機構であって、筐体に固定され、巻芯部の内側を貫通してロール体を回動可能に支持する支持軸と、支持軸が挿入される開口が形成され、筐体との間でロール体を挟み込むことによって、支持軸の長手方向におけるロール体の位置を規制するガイド板と、ガイド板に形成された長孔に沿って移動可能であり、巻芯部の内側面に接触することによって、支持軸の長手方向と直交する方向におけるロール体の揺れを軽減するスタビライザーと、ロール体から印刷媒体を引き出して搬送する搬送部とを具備する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の1つの観点によれば、ガイド板に形成された長孔に沿って移動可能であり、巻芯部の内側面に接触することによって、支持軸の長手方向と直交する方向におけるロール体の揺れを軽減するスタビライザーを設けたことにより、様々な径を有する巻芯部に印刷媒体が巻回されたロール体から印刷媒体を引き出して供給する際に、印刷媒体の供給を安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷媒体供給機構を備えた検査装置を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る印刷媒体供給機構を備えた検査装置を示す斜視図である。
【図3】支持軸にロール体がセットされた状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるガイド板とスタビライザーを示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるガイド板とスタビライザーを別の角度で示す斜視図である。
【図6】図6の(a)は、本発明の一実施形態におけるスタビライザーの構成を示す正面図であり、図6の(b)は、本発明の一実施形態におけるスタビライザーの構成を示す一部断面側面図である。
【図7】ガイド板が支持軸に装着された状態を示す一部断面斜視図である。
【図8】ガイド板が支持軸に装着された状態を別の角度で示す一部断面斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態におけるスタビライザーの第1の変形例を示す正面図である。
【図10】本発明の一実施形態におけるスタビライザーの第2の変形例を示す正面図である。
【図11】図11の(a)は、本発明の一実施形態における脱着クリップの第1の部材を示す側面図であり、図11の(b)は、本発明の一実施形態における脱着クリップの第2の部材を示す側面図である。
【図12】組み立てられた脱着クリップを示す側面図である。
【図13】図1及び図2に示す検証部の内部構造を示す断面図である。
【図14】図1及び図2に示す巻取部及びフランジ部の構造を示す一部断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷媒体供給機構を備えた検査装置を示す正面図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る印刷媒体供給機構を備えた検査装置を示す斜視図である。この検査装置は、プリンターによって印刷された印刷媒体(用紙)1が巻芯部2の外側にロール状に巻回されたロール体3から用紙1を引き出して、用紙1に印刷されたバーコードや文字等の印刷情報の検証を行うと共に、用紙1を再び巻き取ってロール状に巻回する。
【0013】
ここで、用紙1としては、台紙に仮着されたラベル、又は、タグ製造用の帯状のシート等が用いられる。また、巻芯部2としては、紙管等が用いられる。例えば、300mの用紙が巻芯部に巻回された1巻のロール体を検査装置にセットすることにより、検査装置が、ロール体から用紙を引き出しながら、印刷情報の検証を連続して行うことができる。
【0014】
図1及び図2に示すように、検査装置は、筐体10と、支持軸11と、搬送部30と、検証部40と、スイングローラー61と、補助ローラー62と、巻取部63と、フランジ部64と、操作・制御部70とを含んでいる。支持軸11及び搬送部30は、ロール体3から印刷媒体(用紙)1を引き出して検証部40に供給する印刷媒体供給機構の一部を構成している。
【0015】
支持軸11は、筐体10に固定され、巻芯部2の内側を貫通してロール体3を回動可能に支持する。即ち、支持軸11は、ロール体3を支えるための支柱となっており、ロール体3の重量に対して撓みが十分小さい2次モーメント耐久構造を有している。
【0016】
搬送部30は、支持軸11に支持されたロール体3から用紙1を引き出して搬送する。検証部40は、搬送部30によって搬送される用紙1に印刷された印刷情報を光学的に読み取って印刷情報の検証を行うことにより、用紙1に印刷情報が正確に印刷されたか否かを検査する。
【0017】
スイングローラー61は、検証部40から排出される用紙1に当接して、用紙1の弛みを吸収する。スイングローラー61は、その自重あるいは引っ張りバネの付勢力によって、最下点に移行するようになっている。従って、スイングローラー61の位置を検出するローラー位置センサーを設けることにより、用紙1にかかるテンションを測定することができる。
【0018】
補助ローラー62は、スイングローラー61と巻取部63との間で用紙1をガイドする。巻取部63は、検証部40から排出されてスイングローラー61及び補助ローラー62を通過した用紙1を巻き取る。フランジ部64は、巻取部63に巻き取られた用紙を挟み込んでガイドする。
【0019】
操作・制御部70は、オペレーターが検査装置を操作するために用いられる各種の操作ボタンと、巻取りの終了やエラーの発生を報知するためのブザーやLED等とを含んでもよい。また、操作・制御部70は、オペレーターが入力する各種の命令に従って、検査装置の各部の動作を制御する。
【0020】
図3は、支持軸にロール体がセットされた状態を示す斜視図である。スタンドアローンタイプの検査装置は、汎用を目的としており、様々な径を有する巻芯部2に巻回された用紙1を対象とする必要がある。例えば、巻芯部2の口径は、1インチ(25、4mm)〜4インチ(101、6mm)のように、大きく異なる場合がある。
【0021】
巻芯部2の内径が支持軸11の外径よりも大きい場合には、用紙1を搬送する際に、ロール体3の回転に伴ってロール体3が支持軸11の長手方向に自由に移動し、特に、ロール体3の重量が減少するに伴い、用紙1を引き出す力によってロール体3の移動や揺れが大きくなり、それによって用紙1の搬送蛇行が発生する。用紙1の搬送蛇行が一旦発生すると、ロール体3の移動や揺れがさらに大きくなり、最終的には用紙ジャムが発生するおそれがある。
【0022】
そこで、本実施形態においては、用紙供給側において用紙1の供給を安定化するために、図4に示すように、脱着クリップ22が取り付けられたガイド板21と、ガイド板21に設けられたスタビライザー23とが用いられる。脱着クリップ22は、ガイド板21を支持軸11に対して脱着可能とする。ガイド板21、脱着クリップ22、及び、スタビライザー23も、印刷媒体供給機構の一部を構成している。
【0023】
ガイド板21は、支持軸11が挿入される開口が形成され、脱着クリップ22によって支持軸11に装着されたときに、筐体10との間でロール体3を挟み込むことによって、支持軸11の長手方向におけるロール体3の位置を規制する。これにより、支持軸11の長手方向におけるロール体3の移動、暴れ、ガタが抑制される。しかしながら、支持軸11の長手方向と直交する方向、例えば、上下方向においては、ロール体3の揺れが発生する。
【0024】
そこで、ガイド板21にスタビライザー23が設けられている。ガイド板21には、支持軸11の長手方向と略直交する方向に所定の長さを有する孔(長孔)21aが形成されている。スタビライザー23は、この長孔21aに沿って移動可能であり、巻芯部2の内側面に接触することによって、支持軸11の長手方向と直交する方向におけるロール体3の揺れを軽減する。その結果、用紙供給側にスイングローラーを設けなくても、用紙の供給を安定化することができる。
【0025】
図5は、ガイド板とスタビライザーを別の角度で示す斜視図である。また、図6の(a)は、スタビライザーの構成を示す正面図であり、図6の(b)は、スタビライザーの構成を示す一部断面側面図である。スタビライザー23は、ガイド板21の長孔21aに沿って移動可能な軸部23aと、軸部23aをガイド板21に固定するための固定部(図5においては、固定ネジ23bを示す)と、少なくとも1つの回転体(図5においては、2つのローラー23cを示す)とを含んでいる。
【0026】
軸部23aは、ガイド板21の一方の面(図6の(b)において右側の主面)から長孔21aに嵌合しながら長孔21aに沿って平行移動可能となっている。固定ネジ23bは、ガイド板21の他方の面(図6の(b)において左側の主面)から軸部23aに螺合することによって、軸部23aをガイド板21に固定する。図6に示すように、軸部23aは、ガイド板21に対して回転することができない形状を有しているので、固定ネジ23bを回転させても軸部23aが回転することはない。
【0027】
ローラー23cは、例えば、ボールベアリングによって軸部23aに回動可能に取り付けられ、巻芯部2の内側面に接触したときに回転する。従って、巻芯部2との摩擦や摺動抵抗等の発生が小さいので、ロール体3の回転を妨げることなく、ロール体3の揺れを軽減することが可能となる。その結果、用紙1を搬送する搬送部30のモーターのトルクを増加させる必要がなく、用紙1の搬送速度の増加や減少に対しても十分に追従することができる。
【0028】
図7及び図8は、ガイド板が支持軸に装着された状態を示す一部断面斜視図である。オペレーターは、スタビライザー23が支持軸11に近い位置においてガイド板21に固定された状態で、脱着クリップ22を操作することによってガイド板21を支持軸11に装着してもよい。
【0029】
次に、オペレーターは、固定ネジ23bを第1の回転方向に回転させて緩めることによってスタビライザー23を移動可能とし、固定ネジ23bを摘んでスタビライザー23を適切な位置(ローラー23cが巻芯部2の内側面に接触する位置)に移動させた後に、固定ネジ23bを第2の回転方向に回転させて締めることによってスタビライザー23をガイド板21に固定してもよい。
以上においては、ガイド板21に1つのスタビライザー23を設ける場合について説明したが、ガイド板21に複数のスタビライザーを設けるようにしてもよい。
【0030】
図9は、本発明の一実施形態におけるスタビライザーの第1の変形例を示す正面図である。第1の変形例においては、用紙が搬送される際に、軸部23aがガイド板21の長孔に沿って移動可能であり、ローラー23cが巻芯部2の内側面に接触するように軸部23aを付勢する少なくとも1つのバネ23dが設けられている。
【0031】
例えば、バネ23dは、軸部23aに螺合された固定ネジ23bと、巻芯部2の外側においてガイド板21に固定されたピン23eとの間に掛け渡され、固定ネジ23bを巻芯部2の外側に向けて付勢する。あるいは、バネホルダー内において圧縮されたバネが、軸部23aに螺合された固定ネジ23bと、巻芯部2の内側においてガイド板21に固定されたピンとの間に挿入され、固定ネジ23bを巻芯部2の外側に向けて付勢するようにしてもよい。
【0032】
オペレーターは、スタビライザー23が支持軸11に近い位置においてガイド板21に固定された状態で、脱着クリップ22を操作することによってガイド板21を支持軸11に装着してもよい。次に、オペレーターが、固定ネジ23bを第1の回転方向に回転させて緩めることによって軸部23aを移動可能にすると、ローラー23cが巻芯部2の内側面に接触するようにバネ23dが軸部23aを付勢する。あるいは、固定ネジ23bのネジ部及び軸部23aのネジ穴をテーパー形状とすることにより、固定ネジ23bを第2の回転方向に回し切っても軸部23aがガイド板21に固定されないようにしてもよい。
【0033】
巻芯部2が紙管である場合には、紙管の内側面が完全な円柱面ではない可能性がある。第1の変形例によれば、用紙が搬送される際に軸部23aを移動可能としてローラー23cを紙管の内側面に向けて付勢することにより、ローラー23cが紙管の内側面の凹凸に良好に追従できるようになる。
【0034】
図10は、本発明の一実施形態におけるスタビライザーの第2の変形例を示す正面図である。第2の変形例においては、ガイド板21に複数のスタビライザーが設けられる点が第1の変形例と異なっており、その他の点に関しては第1の変形例と同様である。図10においては、巻芯部2の中心を基準として、支持軸11が位置する角度に対して略+120°の位置に設けられたスタビライザー231と、支持軸11が位置する角度に対して略−120°の位置に設けられたスタビライザー232とが示されている。スタビライザー231及び232の構成は、図9に示すものと同様である。
【0035】
第2の変形例によれば、支持軸11とスタビライザー231とスタビライザー232との3点においてロール体を支持しながらロール体の揺れを防止するので、支持軸11と略直交する面内におけるロール体の揺れをさらに少なくして、用紙供給側において用紙の供給をさらに安定化することが可能となる。
【0036】
次に、本発明の一実施形態における脱着クリップの構成について説明する。
図11の(a)は、脱着クリップの第1の部材を示す側面図であり、図11の(b)は、脱着クリップの第2の部材を示す側面図である。図11の(a)に示す第1の部材22aは、第1の開閉片221を有し、所定の位置に開口223が形成されている。また、図11の(b)に示す第2の部材22bは、第2の開閉片222を有し、所定の位置に開口224が形成されている。
【0037】
図12は、組み立てられた脱着クリップを示す側面図である。図11の(a)に示す第1の部材22aと、図11の(b)に示す第2の部材22bとを、開口223及び224を貫通する軸22cを用いて回動可能に結合し、第1の部材22aと第2の部材22bとの間に弾性部材(図12においては、バネ22dを示す)を挿入することにより、脱着クリップ22が組み立てられる。なお、弾性部材としては、バネ22dの他に、樹脂等を用いることもできる。また、弾性部材は、第1の部材22a又は第2の部材22bと一体的に構成されていてもよい。
【0038】
図12に示すように、第1の部材22aは、ガイド板21から離れて位置する第1の開閉片221を有し、ガイド板21に固定されている。また、第2の部材22bは、第1の開閉片221に対向して位置する第2の開閉片222を有し、第1の部材22aに対して回動可能に取り付けられている。
【0039】
バネ22dは、第2の部材22bが第1の部材22aとの間で支持軸11を挟むように第1の部材22aと第2の部材22bとの間に回転力を与える。ここで、オペレーターが、第1の開閉片221及び第2の開閉片222を摘んで、バネ22dが与える回転力に逆らって第1の開閉片221と第2の開閉片222との間の距離を縮めることにより、第2の部材22bが支持軸11から離れて、ガイド板21が支持軸11から離脱可能となる。
【0040】
再び図1及び図2を参照すると、搬送部30は、補助ローラー31と、グリップローラー制御軸32と、グリップローラー33と、押さえローラー34とを含んでおり、ロール体3から用紙1を引き出して搬送する。補助ローラー31は、ロール体3から引き出される用紙1をガイドする。グリップローラー制御軸32によって所定の位置に配置されたグリップローラー33は、押さえローラー34との間に用紙1を挟み、図示しないモーターによって回転して用紙1を搬送する。搬送部30によって搬送される用紙1は検証部40に供給され、検証部40において、用紙1に印刷された印刷情報の検証が行われる。
【0041】
図13は、図1及び図2に示す検証部の内部構造を示す断面図である。以下においては、台紙に仮着されたラベルを用紙として用い、ラベルに印刷されたバーコードを検証する場合を例として説明する。検証部40は、搬送部30から供給されるラベルに印刷されたバーコードを、スキャナーを用いて読み取って、バーコードの検証を行う。
【0042】
検証部40は、複数の搬送ローラーを備えた上流側搬送部41、中間搬送部42、及び、下流側搬送部43を含む搬送機構と、スキャナー部44と、マーキング部45と、検証部40の各部の動作を制御する制御部46と、表示部47と、操作部48と、下側搬送ガイド板51と、上側搬送ガイド板52と、挿入センサー53と、上流側移動検出部54と、下流側移動検出部55と、ラベル位置検出部56と、モーター57と、エンコーダー58と、ベルト59とを含んでいる。
【0043】
搬送部30(図1)から供給される用紙は、検証部40の筐体に形成された用紙挿入口を通って、下側搬送ガイド板51と上側搬送ガイド板52との間に挿入される。挿入センサー53は、用紙挿入口の搬送方向下流側(図中左側)における直近に設けられ、挿入された用紙を検出して、検出信号を制御部46に出力する。制御部46は、挿入センサー53から検出信号を受信すると、用紙を搬送するように、上流側搬送部41〜下流側搬送部43を駆動するモーター57を制御する。図1に示すように搬送部30から検証部40に用紙が供給される場合には、検証部40における用紙の搬送速度を、搬送部30による用紙の供給速度に自動的に追従させることが望ましい。
【0044】
下側搬送ガイド板51には、複数の搬送用開口と、複数の検出用開口とが形成されている。上流側搬送部41の複数の搬送ローラー41a、中間搬送部42の複数の搬送ローラー42a、及び、下流側搬送部43の複数の搬送ローラー43aは、複数の搬送用開口を通して下側搬送ガイド板51の上方に突出している。また、上流側移動検出部54の複数の検出ローラー54a、及び、下流側移動検出部55の複数の検出ローラー55aは、複数の検出用開口を通して下側搬送ガイド板51の上方に突出している。
【0045】
上側搬送ガイド板52にも、複数の搬送用開口と、複数の検出用開口とが形成されている。上流側搬送部41の複数の搬送ローラー41b、中間搬送部42の複数の搬送ローラー42b、及び、下流側搬送部43の複数の搬送ローラー43bは、複数の搬送用開口を通して上側搬送ガイド板52の下方に突出している。また、上流側移動検出部54の複数の検出ローラー54b、及び、下流側移動検出部55の複数の検出ローラー55bは、複数の検出用開口を通して上側搬送ガイド板52の下方に突出している。
【0046】
搬送ローラー41aと搬送ローラー41bとは、互いに対向して接触するように配置されている。同様に、搬送ローラー42aと搬送ローラー42bとは、互いに対向して接触するように配置されており、搬送ローラー43aと搬送ローラー43bとは、互いに対向して接触するように配置されている。
【0047】
搬送ローラー41a〜43aは、図示しないベルト、トルクリミッター、及び、アイドルギアを介して、モーター57によって駆動される。トルクリミッターは、図1に示すように搬送部30から検証部40に用紙が供給される場合に、検証部40における用紙の搬送速度を搬送部30による用紙の供給速度に合わせるために、用紙にかかるテンションを制限するものである。
【0048】
搬送部30から供給される用紙を搬送する際には、まず、上流側搬送部41において、搬送ローラー41aが図中下方から用紙に接触すると共に、搬送ローラー41bが図中上方から用紙に接触し、モーター57の駆動力を受けて搬送ローラー41aが回転することにより、用紙を下流方向(図中左方向)に搬送する。
【0049】
中間搬送部42は、上流側搬送部41よりも搬送方向下流側であって、且つ、用紙のラベルに印刷された印刷情報をスキャナー部44が読み取る位置(図13における矢印Aの位置)の搬送方向下流側における近傍に設けられている。中間搬送部42において、搬送ローラー42aが図中下方から用紙に接触すると共に、搬送ローラー42bが図中上方から用紙に接触し、モーター57の駆動力を受けて搬送ローラー42aが回転することにより、用紙を下流方向に搬送する。中間搬送部42をこのような位置に設けることによって、矢印Aの位置における用紙の平面性を高めて、スキャナー部44による印刷情報の読み取りを精度良く行うことができる。
【0050】
下流側搬送部43は、中間搬送部42よりも搬送方向下流側であって、且つ、マーキング部45よりも搬送方向下流側に設けられている。下流側搬送部43において、搬送ローラー43aが図中下方から用紙に接触すると共に、搬送ローラー43bが図中上方から用紙に接触し、モーター57の駆動力を受けて搬送ローラー43aが回転することにより、用紙を下流方向に搬送する。下流側搬送部43をこのような位置に設けることによって、マーキング位置における用紙の平面性を高めて、マーキングを良好に行うことができる。
【0051】
上流側移動検出部54は、上流側搬送部41の搬送方向下流側における直近に配置されており、検出ローラー54a及び54bと、プーリー54cとを含んでいる。下流側移動検出部55は、中間搬送部42の搬送方向下流側における直近に配置されており、検出ローラー55a及び55bと、プーリー55cとを含んでいる。また、エンコーダー58は、プーリー58cを含んでいる。
【0052】
上流側移動検出部54において、検出ローラー54aが図中下方から用紙に接触すると共に、検出ローラー54bが図中上方から用紙に接触することにより、用紙が搬送されると検出ローラー54a及び54bが回転する。同様に、下流側移動検出部55において、検出ローラー55aが図中下方から用紙に接触すると共に、検出ローラー55bが図中上方から用紙に接触することにより、用紙が搬送されると検出ローラー55a及び55bが回転する。
【0053】
プーリー54c、55c、及び、58cには、ベルト59が掛けられている。従って、プーリー54c及び55cの内のすくなくとも一方が回転すると、その回転がプーリー58cに伝播する。エンコーダー58は、ロータリーエンコーダーであり、プーリー58cの回転に基づいて検出信号を制御部46に出力する。
【0054】
ラベル位置検出部56は、好ましくは、反射型光センサーと透過型光センサーとの両方を含んでいる。反射型光センサーは、台紙の少なくとも一方の面においてラベルの位置に対応して印刷された位置検出マーク(アイマーク)を検出して、検出信号を制御部46に出力する。また、透過型光センサーは、台紙上においてラベルが存在する領域とラベルが存在しない領域との光透過率の差を検出して、検出信号を制御部46に出力する。
【0055】
反射型光センサーを用いる場合には、下側センサー56a又は上側センサー56bが反射型光センサーによって構成される。一方、透過型光センサーを用いる場合には、下側センサー56aが、透過型光センサーの発光部又は受光部によって構成され、上側センサー56bが、透過型光センサーの受光部又は発光部によって構成される。
【0056】
スキャナー部44は、搬送機構によって搬送される用紙をスキャンすることにより、ラベルに印刷されたバーコードを光学的に読み取って出力信号を生成する。例えば、スキャナー部44は、照明部と光センサー部とを有しており、照明部によって照明されたラベルに印刷されているバーコードを光センサー部が読み取って出力信号を生成する。光センサー部としては、1次元又は2次元CCD(電荷結合素子)イメージセンサー等の撮像素子を用いることができる。スキャナー部44によって生成される出力信号は、制御部46に出力される。
【0057】
マーキング部45は、制御部46の制御の下で、検証エラーが発生したバーコードが印刷されているラベルにマーキングを施す。例えば、スキャナー部44がバーコードを読み取ることができなかったり、スキャナー部44が読み取ったバーコードの内容が本来印刷すべきバーコードの内容と異なっていたりする場合には、マーキング部45が、そのバーコードが印刷されているラベルに、「不可」又は「NG」等の押印を行う。なお、マーキング部45は、レーザーやインクジェットを用いてマーキングを行っても良いし、ラベルの一部を切り欠いたり孔を開けたりしてマーキングを行っても良い。図1に示すように、検証部40から排出される用紙1は、スイングローラー61及び補助ローラー62を通過して、巻取部63によって巻き取られる。
【0058】
図14は、図1及び図2に示す巻取部及びフランジ部の構造を示す一部断面側面図である。図14に示すように、巻取部63は、モーターによって駆動されて回転する巻取軸63aと、巻取軸63aに取り付けられた巻取紙管アダプター63bとを含んでいる。巻取軸63aは、2つのベアリング63cによって回転可能に支持されており、巻取軸63aの一端には、駆動プーリー63dが固定されている。駆動プーリー63dは、駆動ベルト63eを介して、モーター63fによって駆動される。
【0059】
一方、巻取紙管アダプター63bには、用紙1の一端が接着された巻取紙管が装着される。巻取軸63aの回転力が巻取紙管アダプター63bに伝達されることにより、巻取紙管アダプター63bが、巻取紙管の内面をグリップして、巻取軸63aの回転を巻取紙管に伝達する。
【0060】
また、一方のフランジ64aは、巻取軸63aに固定されており、他方のフランジ64bは、巻取軸63aに対して脱着可能となっている。フランジ64bは、巻取紙管アダプター63bに巻取紙管が装着された後に、フランジロック機構64cによって巻取軸63aに取り付けられ、巻取部63に巻き取られた用紙をフランジ64aとの間で挟み込んでガイドする。
【0061】
以上においては、検査装置において用いられる印刷媒体供給機構の実施形態について説明したが、本発明に係る印刷媒体供給機構は、プリンター等において、巻芯部の外側に印刷媒体が巻回されたロール体から印刷媒体を引き出して印刷部に供給する場合にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0062】
1…用紙、2…巻芯部、3…ロール体、10…筐体、11…支持軸、21…ガイド板、21a…長孔、22…脱着クリップ、22a…第1の部材、22b…第2の部材、22c…軸、22d…バネ、221、222…開閉片、223、224…開口、23、231、232…スタビライザー、23a…軸部、23b…固定ネジ、23c…ローラー、23d…バネ、23e…ピン、30…搬送部、31…補助ローラー、32…グリップローラー制御軸、33…グリップローラー、34…押さえローラー、40…検証部、41…上流側搬送部、41a、41b…搬送ローラー、42…中間搬送部、42a、42b…搬送ローラー、43…下流側搬送部、43a、43b…搬送ローラー、44…スキャナー部、45…マーキング部、46…制御部、47…表示部、48…操作部、51…下側搬送ガイド板、52…上側搬送ガイド板、53…挿入センサー、54…上流側移動検出部、54a、54b…検出ローラー、54c…プーリー、55…下流側移動検出部、55a、55b…検出ローラー、55c…プーリー、56…ラベル位置検出部、56a…下側センサー、56b…上側センサー、57…モーター、58…エンコーダー、58c…プーリー、59…ベルト、61…スイングローラー、62…補助ローラー、63…巻取部、63a…巻取軸、63b…紙管アダプター、63c…ベアリング、63d…駆動プーリー、63e…駆動ベルト、63f…モーター、64…フランジ部、64a、64b…フランジ、64c…フランジロック機構、70…操作・制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻芯部の外側に印刷媒体が巻回されたロール体から印刷媒体を引き出して供給する印刷媒体供給機構であって、
筐体に固定され、前記巻芯部の内側を貫通して前記ロール体を回動可能に支持する支持軸と、
前記支持軸が挿入される開口が形成され、前記筐体との間で前記ロール体を挟み込むことによって、前記支持軸の長手方向における前記ロール体の位置を規制するガイド板と、
前記ガイド板に形成された長孔に沿って移動可能であり、前記巻芯部の内側面に接触することによって、前記支持軸の長手方向と直交する方向における前記ロール体の揺れを軽減するスタビライザーと、
前記ロール体から印刷媒体を引き出して搬送する搬送部と、
を具備する印刷媒体供給機構。
【請求項2】
前記スタビライザーが、
前記ガイド板の一方の面から前記長孔に嵌合しながら前記長孔に沿って平行移動可能な軸部と、
前記ガイド板の他方の面から前記軸部に螺合することによって、前記軸部を前記ガイド板に固定する固定部と、
前記軸部に回動可能に取り付けられ、前記巻芯部の内側面に接触したときに回転する少なくとも1つの回転体と、
を含む、請求項1記載の印刷媒体供給機構。
【請求項3】
前記スタビライザーが、
前記ガイド板の長孔に沿って移動可能な軸部と、
前記軸部に回動可能に取り付けられ、前記巻芯部の内側面に接触したときに回転する少なくとも1つの回転体と、
前記少なくとも1つの回転体が前記巻芯部の内側面に接触するように前記軸部を付勢する少なくとも1つのバネと、
を含む、請求項1記載の印刷媒体供給機構。
【請求項4】
前記ガイド板に取り付けられ、前記ガイド板を前記支持軸に対して脱着可能とする脱着クリップをさらに具備する、請求項1〜3のいずれか1項記載の印刷媒体供給機構。
【請求項5】
前記脱着クリップが、
前記ガイド板から離れて位置する第1の開閉片を有し、前記ガイド板に固定された第1の部材と、
前記第1の開閉片に対向して位置する第2の開閉片を有し、前記第1の部材に対して回動可能に取り付けられた第2の部材と、
前記第2の部材が前記第1の部材との間で前記支持軸を挟むように前記第1の部材と前記第2の部材との間に回転力を与える弾性部材と、
を含み、前記弾性部材が与える回転力に逆らって前記第1の開閉片と前記第2の開閉片との間の距離を縮めることにより、前記第2の部材が前記支持軸から離れて、前記ガイド板が前記支持軸から離脱可能となる、請求項4記載の印刷媒体供給機構。
【請求項1】
巻芯部の外側に印刷媒体が巻回されたロール体から印刷媒体を引き出して供給する印刷媒体供給機構であって、
筐体に固定され、前記巻芯部の内側を貫通して前記ロール体を回動可能に支持する支持軸と、
前記支持軸が挿入される開口が形成され、前記筐体との間で前記ロール体を挟み込むことによって、前記支持軸の長手方向における前記ロール体の位置を規制するガイド板と、
前記ガイド板に形成された長孔に沿って移動可能であり、前記巻芯部の内側面に接触することによって、前記支持軸の長手方向と直交する方向における前記ロール体の揺れを軽減するスタビライザーと、
前記ロール体から印刷媒体を引き出して搬送する搬送部と、
を具備する印刷媒体供給機構。
【請求項2】
前記スタビライザーが、
前記ガイド板の一方の面から前記長孔に嵌合しながら前記長孔に沿って平行移動可能な軸部と、
前記ガイド板の他方の面から前記軸部に螺合することによって、前記軸部を前記ガイド板に固定する固定部と、
前記軸部に回動可能に取り付けられ、前記巻芯部の内側面に接触したときに回転する少なくとも1つの回転体と、
を含む、請求項1記載の印刷媒体供給機構。
【請求項3】
前記スタビライザーが、
前記ガイド板の長孔に沿って移動可能な軸部と、
前記軸部に回動可能に取り付けられ、前記巻芯部の内側面に接触したときに回転する少なくとも1つの回転体と、
前記少なくとも1つの回転体が前記巻芯部の内側面に接触するように前記軸部を付勢する少なくとも1つのバネと、
を含む、請求項1記載の印刷媒体供給機構。
【請求項4】
前記ガイド板に取り付けられ、前記ガイド板を前記支持軸に対して脱着可能とする脱着クリップをさらに具備する、請求項1〜3のいずれか1項記載の印刷媒体供給機構。
【請求項5】
前記脱着クリップが、
前記ガイド板から離れて位置する第1の開閉片を有し、前記ガイド板に固定された第1の部材と、
前記第1の開閉片に対向して位置する第2の開閉片を有し、前記第1の部材に対して回動可能に取り付けられた第2の部材と、
前記第2の部材が前記第1の部材との間で前記支持軸を挟むように前記第1の部材と前記第2の部材との間に回転力を与える弾性部材と、
を含み、前記弾性部材が与える回転力に逆らって前記第1の開閉片と前記第2の開閉片との間の距離を縮めることにより、前記第2の部材が前記支持軸から離れて、前記ガイド板が前記支持軸から離脱可能となる、請求項4記載の印刷媒体供給機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−43704(P2013−43704A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180286(P2011−180286)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)サトーホールディングス株式会社 (1,153)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)サトーホールディングス株式会社 (1,153)
【Fターム(参考)】
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