説明

印刷情報読取装置

【課題】撮像範囲を一定以上に維持或いはそれ以上に拡大した上で、装置のさらなる薄型化を可能にする。
【解決手段】カメラ10に設けられる接眼レンズを液体レンズ102により構成している。そして、処理部14の制御の下、この液体レンズ102に印加する電圧を変化させることにより液体レンズ102の焦点距離を印刷シート20上の撮像範囲の最も遠い位置から近い位置までの範囲で段階的に変化させて、その時の合焦撮像領域の撮像画像データをイメージセンサ101からそれぞれ取り込み、これらの撮像画像データを合成して印刷シート20上の撮像対象範囲全体を表す合成画像データを生成する。そして、この合成画像データから二次元コードを解読してその解読データを通信部13から送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カメラを使用して二次元コード等の印刷情報を読み取る印刷情報読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二次元コードを利用した情報の検索サービスや提供サービスが普及している。この種のサービスは、例えば新聞や雑誌等の印刷物に表示された、QRコード(登録商標)に代表される二次元コードをカメラにより撮像し、その画像データから上記二次元コードに含まれるURL(Uniform Resource Locator)を認識する。そして、このURLをもとにインターネットに対しアクセスすることにより、対応するWebサーバから検索情報や商業情報を取得するものである。この種のサービスを利用すると、ユーザはURLをキー操作により入力する必要がなくなり、また誤ったアクセスを減らすことができるので大変便利である。しかしながら、二次元コードを読み取る際、一般にユーザはカメラが内蔵された読取装置を手で把持して二次元コードを撮像する。このため、二次元コードの全体がカメラの撮像範囲(フレーム)内に収まらず、その結果二次元コードを正しく読み取ることができない場合がある。
【0003】
そこで従来では、例えば携帯電話機等のようにディスプレイを備えた装置を使用し、読み取りに先立ちカメラで撮像した二次元コードの画像をディスプレイに表示させて、読取対象の二次元コードが撮像範囲内に収まっているか否かを確認できるようにしている。しかし、電子ディスプレイを使ってカメラを撮影対象へ位置合わせしようとすると、電子ディスプレイに表示される映像と直接視できる携帯電話の周囲との間に視差が生じているため、撮影対象が携帯電話機で隠れてしまい、位置合わせが困難になることがある。また、電子ディスプレイの更新にはどうしても遅延が伴うため、電子ディスプレイを見ながら素早く位置合わせをすることが困難になることもある。さらに、携帯電話機を空中で把持して位置合わせするため、手ぶれ等の影響により二次元コードの読取精度が低下しやすい。
【0004】
一方、これらの問題を解決するために、ファインダとしての機能とスキャナとしての機能を併せ持った透明な窓を有する光学ユニットを設け、この窓を撮影対象である印刷情報に密着させて当該情報を読み取る装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−108114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、最近の装置をさらに薄型化することが要望されている。ところが、特許文献1に記載された装置をさらに薄くする場合、一定の薄さを保ったまま撮影範囲を広げることは難しい。なぜならば、使用されている内部全反射のためのプリズムをより扁平化して装置を薄くすることは可能であるが、このようにするとカメラが撮像面をより低い角度から捉えることになり、撮像範囲全体に焦点を合わせることが難しくなるからである。
【0007】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、撮像範囲を一定以上に維持或いはそれ以上に拡大した上で装置のさらなる薄型化を可能にした印刷情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためにこの発明の一つの観点は、媒体に印刷された印刷情報を読み取る印刷情報読取装置にあって、上面部に第1の窓を備えると共に底面部に第2の窓を備え、読み取り時に当該第2の窓が上記媒体上の印刷情報が印刷された範囲を含むように配置される筐体と、上記筐体内の上記第1の窓と第2の窓との間に配置され、上記第1の窓を介して第1の入射角度の範囲で入射された照明光を透過させたのち上記第2の窓を介して上記媒体の印刷情報に照射すると共に、当該照射により生成される上記印刷情報の光学像を上記第2の窓を介して導入したのち全反射させて上記筐体内へ導出する光学系と、上記筐体内に設けられ、上記光学系により筐体内に導出された上記印刷情報の光学像を受光して画像信号に変換し出力する撮像デバイスとを備え、さらに上記光学系と撮像デバイスとの間に、印加する電圧値により焦点距離が変化する液体レンズを配置する。そして、この液体レンズに印加する電圧値を変化させることにより当該液体レンズの焦点距離を複数段階に変化させて、これらの段階ごとに上記媒体上の異なる位置に合焦撮像領域を形成し、上記撮像デバイスから出力される上記複数の合焦撮像領域の画像信号を合成して、上記媒体上の印刷情報が印刷された範囲全体を表す画像情報を生成するようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
したがってこの発明の1つの観点によれば、液体レンズの焦点距離を複数段階に変化させることで媒体上の異なる位置に合焦撮像領域が形成され、これらの合焦撮像領域において撮像された画像信号が合成されて、上記媒体上の印刷情報が印刷された範囲全体を表す画像情報が生成される。このため、装置の厚さを薄くしたり、同じ厚さのまま撮像範囲を拡大しようとした場合でも、撮像範囲全体に渡り焦点が合った解像度の優れた画像情報を得ることができ、この画像データから二次元コードを精度良く解読することが可能となる。
【0010】
すなわち、この発明の一つの形態によれば、撮像範囲を一定以上に維持或いはそれ以上に拡大した上で、装置のさらなる薄型化を可能にした印刷情報読取装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の一実施形態に係る印刷情報読取装置の外観を示す斜視図。
【図2】図1に示した印刷情報読取装置の縦断面図。
【図3】図1に示した印刷情報読取装置の回路構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示した印刷情報読取装置による読み取り動作を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[一実施形態]
(構成)
図1はこの発明の一実施形態に係る印刷情報読取装置の外観を示す斜視図、図2はその縦断面図、図3は回路構成を示すブロック図である。
この実施形態に係わる印刷情報読取装置は、印刷情報として二次元コード(例えばQRコード(登録商標))を読み取るもので、テレビジョン受信機又はビデオ記録再生装置で使用されるリモートコントローラに設けられる。
【0013】
リモートコントローラ1Aは、薄型で長方形状をなすスティック型の筐体17aを有し、この筐体17aの上面にはテンキーボタン9と、二次元コードの読取指示を入力するための読取ボタン11と、読み取った二次元コードの解読データの送信指示を入力するための送信ボタン12が配設されている。
【0014】
また、筐体17aの先端部には通信用の窓(図示せず)が設けられ、この通信用の窓には通信部13が取着されている。この通信部13は、例えば赤外線を用いた信号送信器とその送信制御回路とからなり、図示しないテレビジョン受信機又はビデオ記録再生装置に向けて、遠隔操作信号や、読み取った二次元コードの解読データを送信するために使用される。
【0015】
さらに、筐体17aの先端側の上面部にはアクリル樹脂からなる透明な第1の窓18aが、また底面部には同じくアクリル樹脂からなる透明な第2の窓19aがそれぞれ設けられている。この第2の窓19aの面位置は筐体17aの底面の面位置と一致するように設定されている。また、筐体17a内の上記第1及び第2の窓18a,19a間には、読取用光学系30が設置されている。この読取光学系30は、第2の窓19a側に配置された読み取り用のプリズム31aと、第1の窓18a側に配置される補強用のプリズムカバー32aとから構成される。プリズム31aはアクリル樹脂をくさび形に成形したもので、先端部の角度が例えば10度に設定されている。
【0016】
プリズム31aは、二次元コード21の光学像を後述するカメラ10に結像させる第1の機能と、二次元コード21の光学像をユーザに視認させる第2の機能とを備える。第1の機能は、筐体17aの第1の窓18aから第1の入射角度の範囲で入射しかつ上記プリズム32a,31aを透過した照明光を、第2の窓19aを介して上記印刷シート20に照射する。そして、その反射像である二次元コード21の光学像OL1を、上記第2の窓19aからプリズム31aに導入したのち当該プリズム31a内でその上面及び下面により順次全反射させて側面から導出することにより、カメラ10に結像させる。
【0017】
第2の機能は、第1の窓18aから第2の入射角度の範囲で入射しかつ上記プリズム32a,31aを透過した照明光を、第2の窓19aを介して上記印刷シート20に照射する。そして、その反射光である二次元コード21の光学像をプリズム31aに導入して透過させ、さらにプリズム32aを透過させて第1の窓18aから二次元コード視認用の光学像OL2として筐体17aの上方へ導出する。
【0018】
なお、プリズム31aの上面とプリズムカバー32aの下面との間には、厚さの薄い空気層33aが介在するように設置される。これは、プリズム31aの上面において後述する二次元コード21の光学像を全反射させるためである。また、筐体17a内の上記プリズム31a及びプリズムカバー32aが収容される部位の内壁面は、上方に向かって開口するようにテーパ状に形成されている。これは、二次元コード21上に、筐体17aの壁面による照明光の陰が可能な限り生じないようにするためである。
【0019】
ところで、筐体17a内にはカメラ10と、リモートコントローラ1Aを動作させるために必要な処理部14が内蔵されている。
このうちカメラ10は、撮像素子として例えばCCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ101と、液体レンズ102とを備えている。
【0020】
液体レンズ102は、収納容器内に水溶液及びオイルを封じ込めたもので、収納容器の内面は部分的に撥水性コーティングが施されている。また、液体レンズには電極が設けられている。液体レンズ102は、この電極に電圧を印加していないときには、上記撥水コーティングの撥水効果によりはじかれた水溶液とオイルがほぼ平らな界面を作る。これは、無限遠に焦点が合った状態に相当する。一方、電極に電圧を印加したときには、絶縁部の周辺に電荷が集まって周囲の力関係の中で撥水性が相対的に弱まり、瞬時に水溶液とオイルとの界面は光を収斂させる形状になる。すなわち、電極に電圧を印加していないときに比べ、カメラ10に近い側に焦点位置が形成される。
【0021】
処理部14は、液体レンズ制御部141と、画像合成部142と、情報読取部143とを備えている。これらの液体レンズ制御部141、画像合成部142及び情報読取部143の処理機能は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)に図示しないプログラム・メモリに格納されたアプリケーション・プログラムを実行させることにより実現される。
【0022】
液体レンズ制御部141は、読取ボタン11の操作に応じて、液体レンズ102に印加する電圧を変化させることにより、液体レンズ102の焦点距離を予め設定した最も遠い位置から近い位置までの範囲で段階的に変化させる。この範囲は、印刷シート20上の印刷情報が印刷された領域を少なくとも含むように設定される。
【0023】
画像合成部142は、上記液体レンズ制御部141による液体レンズ102の焦点距離の可変動作に同期して、焦点距離が変化するごとに当該焦点距離に対応する印刷シート20上の合焦撮像領域の撮像画像データをイメージセンサ101から取り込み、図示しない画像メモリに記憶する。そして、全ての合焦撮像領域の撮像画像データが記憶されると、これらの撮像画像データを合成して印刷シート20上の撮像対象範囲全体を表す1枚の合成画像データを生成する。
【0024】
情報読取部143は、上記画像合成部142から合成画像データを受け取り、この受け取った合成画像データから当該画像データに含まれる二次元コード21を解読する。そして、解読処理が正しく行われたか否かを判定し、正しく行われた場合には、上記解読結果を表すデータを通信部13から赤外線信号として送信させる。
なお、通信部13は赤外線を使用するものに限らず、Bluetooth(登録商標)等の特定小電力を使用する無線インタフェースを使用することも可能である。
【0025】
(動作)
次に、以上のように構成された印刷情報読取装置による二次元コード21の読取動作を説明する。
二次元コード21を読み取ろうとする場合、ユーザは先ずリモートコントローラ1Aの底面部を印刷シート20上に置く。この状態では、第1の窓18aを介して入射された照明光がプリズムカバー32a及びプリズム31aをそれぞれ透過して印刷シート20に照射され、当該印刷シート20の光学像がプリズム31a及びプリズムカバー32aをそれぞれ透過して第1の窓18aから視認用の光学像OL2として出射される。
【0026】
この状態で、ユーザは自身の視線方向を図2に示したようにプリズムカバー32aの上面、つまり第1の窓18aの上面に対し正面になるように合わせる。そうすると、ユーザは第1の窓18aを介して印刷シート20上の記載情報を視認可能となり、この状態でリモートコントローラ1Aを移動させることにより、図1に示すように印刷シート20の二次元コード21が印刷された範囲が第2の窓19a内に収容されるように位置決めすることができる。
【0027】
読み取り位置が決まると、例えば室内の照明光が、第1の窓18a、プリズムカバー32a、ブリズム31a及び第2の窓19aをそれぞれ透過して印刷シート20の二次元コード21に照射される。そして、この照明光の二次元コード21による反射光学像OL1が、第2の窓19aを介してプリズム31aに入射され、当該プリズム31a内でその上面及び下面により順次全反射されたのち、プリズム31aの側面から出射されてカメラ10に入射される。
【0028】
そして、この状態でユーザがリモートコントローラ1Aの読取ボタン11を押下すると、液体レンズ制御部141の制御により液体レンズ102の印加電圧が可変制御され、これにより液体レンズ102の焦点距離が印刷シート20上の撮像対象範囲における最も遠い位置から最も近い位置まで段階的に変化する。この結果、カメラ10による合焦撮像領域(フォーカス領域)がカメラ10に対し遠い側から近い側に向かって順次シフトする。例えば、いま液体レンズ102の焦点距離を3段階に変化させたとすると、図4に示すように3つのフォーカス領域Fn ,Fn+1 ,Fn+2 の位置が順次シフトする。
【0029】
このとき画像合成部142では、上記液体レンズ制御部141による液体レンズ102の焦点距離の可変動作に同期して、イメージセンサ101からその撮像画像データを取り込む処理が行われる。例えば、液体レンズ102の焦点距離が変化するごとに、当該焦点距離に対応するフォーカス領域Fn ,Fn+1 ,Fn+2 の撮像画像データPn ,Pn+1 ,Pn+2 がイメージセンサ101からそれぞれ取り込まれ、画像メモリに保存される。そして、全てのフォーカス領域Fn ,Fn+1 ,Fn+2 の撮像画像データPn ,Pn+1 ,Pn+2 の取り込みが終了すると、これらのフォーカス領域Fn ,Fn+1 ,Fn+2 の撮像画像データPn ,Pn+1 ,Pn+2 が画像メモリから読み出されて画像合成部142により合成され、これにより印刷シート20上の撮像対象範囲全体を表す1枚の合成画像データPが生成される。この生成された合成画像データPは、情報読取部143に渡される。
【0030】
情報読取部143では、上記画像合成部142から合成画像データPを受け取ると、この受け取った合成画像データPから当該合成画像データPに含まれる二次元コード21が解読される。そして、解読処理が正しく行われたか否かが判定され、正しく行われた場合には上記解読結果を表すデータが通信部13から赤外線信号として、図示しないテレビジョン受信機又はビデオ記録再生装置に向けて送信される。
【0031】
なお、上記解読処理の結果、解読が正しく行われた場合及び解読が正しく行われなかった場合のいずれにおいても、その旨の鳴音を図示しない効果音出力部から出力するようにしてもよい。また、解読が正しく行われたことを上記鳴音により確認し、ユーザが送信ボタン12を押下した場合に、上記二次元コード21の解読結果を表すデータをメモリから読み出して、通信部13から赤外線信号として送信するように制御することも可能である。
【0032】
テレビジョン受信機又はビデオ記録再生装置は、上記二次元コード21の解読結果を表すデータを受信すると、この受信したデータに基づいて例えば番組の録画予約の登録処理を行う。また、テレビジョン受信機又はビデオ記録再生装置がインターネット等の通信ネットワークに接続可能であれば、上記データをこの通信ネットワークを介してWebサーバへ送信し、Webサーバから配信される番組関連情報や商業サービス情報を受信して画面に表示させる。
【0033】
(実施形態の作用効果)
以上詳述したようにこの実施形態では、カメラ10に設けられる接眼レンズを液体レンズ102により構成している。そして、処理部14の制御の下、この液体レンズ102に印加する電圧を変化させることにより液体レンズ102の焦点距離を印刷シート20上の撮像範囲の最も遠い位置から近い位置までの範囲で段階的に変化させて、その時の合焦撮像領域の撮像画像データをイメージセンサ101からそれぞれ取り込み、これらの撮像画像データを合成して印刷シート20上の撮像対象範囲全体を表す合成画像データを生成する。そして、この合成画像データから二次元コードを解読してその解読データを通信部13から送信するようにしている。
したがって、装置筐体17aの厚さを薄くしたり、同じ厚さのまま撮像範囲を拡大しようとした場合でも、撮像範囲全域に渡り焦点が合った解像度の優れた画像情報を得ることができ、この画像データから二次元コードを精度良く解読することが可能となる。
【0034】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記一実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では印刷シート20上の撮像対象範囲を3つの合焦撮像領域に分割してその画像を読み取り合成する場合を例にとって説明したが、撮像対象範囲を2つ或いは4つ以上の合焦撮像領域に分割してその画像を読み取り合成するようにしてもよい。
【0035】
また、前記一実施形態では、テレビジョン受信機又はビデオ記録再生装置のリモートコントローラに印刷情報読取装置を設けた場合を例にとって説明したが、パーソナル・コンピュータや調理機器、カーナビゲーション機器等で使用するリモートコントローラにも、この発明は適用可能である。
その他、装置の種類とその構成、液体レンズの構成、処理部による処理手順と処理内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
【0036】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1A…印刷情報読取装置(リモートコントローラ)、9…テンキーボタン、10…カメラ、101…イメージセンサ、102…液体レンズ、11…読取ボタン、12…送信ボタン、13…通信部、14…処理部、141…液体レンズ制御部、142…画像合成部、143…情報読取部、17a…筐体、18a…第1の窓、19a…第2の窓、20…印刷シート、21…二次元コード(QRコード)、30…読取光学系、31a…読み取り用のプリズム、32a…プリズムカバー、33a…空気層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に印刷された印刷情報を読み取る印刷情報読取装置において、
上面部に第1の窓を備えると共に底面部に第2の窓を備え、読み取り時に当該第2の窓が前記媒体上の印刷情報が印刷された範囲を含むように配置される筐体と、
前記筐体内の前記第1の窓と第2の窓との間に配置され、前記第1の窓を介して第1の入射角度の範囲で入射された照明光を透過させたのち前記第2の窓を介して前記媒体の印刷情報に照射すると共に、当該照射により生成される前記印刷情報の光学像を前記第2の窓を介して導入したのち全反射させて前記筐体内へ導出する光学系と、
前記筐体内に設けられ、前記光学系により筐体内に導出された前記印刷情報の光学像を受光して画像信号に変換し出力する撮像デバイスと、
前記光学系と撮像デバイスとの間に配置され、印加する電圧値により焦点距離が変化する液体レンズと、
前記液体レンズに対し印加する電圧値を変化させることにより当該液体レンズの焦点距離を複数段階に変化させ、これらの段階ごとに前記媒体上の異なる位置に合焦撮像領域を形成する液体レンズ制御部と、
前記撮像デバイスから出力される前記複数の合焦撮像領域の画像信号を合成して、前記媒体上の印刷情報が印刷された範囲全体を表す画像情報を生成する画像合成部と
を具備することを特徴とする印刷情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−25507(P2013−25507A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158463(P2011−158463)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】