説明

印刷方法および印刷装置

【課題】印刷物による情報の漏洩を防止できるとともに、ユーザが意に反して印刷装置の前で長時間印刷の完了を待たなくて済む印刷装置、印刷方法およびコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】MFPは、機密印刷のための印刷データを受信し(S201)、受信した印刷データが他の印刷装置から転送されたものであるか否かを判断して(S202)、受信した印刷データの出力先を、鍵により開閉可能な鍵付き出力ビン、およびユーザ認証に基づいて印刷のために取り出し可能な保持部のいずれかに決定する。鍵付き出力ビンが使用できない状態である場合、印刷データは使用可能な鍵付き出力ビンを持つ他の印刷装置に転送される。印刷データが他の印刷装置から転送されたものである場合、鍵付き出力ビンが使用できる状態であるか否かの判断を経ることなく、印刷データの出力先が鍵付き出力ビンに決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷方法およびコンピュータプログラムに関し、特に、機密印刷のための印刷装置、印刷方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスでプリンタを使用する場合、情報の漏洩防止のための配慮が必要である。このため、複数のユーザで共有されるMFP(Multi−Function Peripheral)などの印刷装置には、印刷物を第三者に見られることを防止するために、機密印刷の機能が搭載されている。
【0003】
機密印刷の機能としては、一般に、印刷データをMFPに送った後に、ユーザがMFPを操作してユーザ認証が完了した場合に、印刷出力を開始する方式が知られている(特許文献1および2参照)。
【0004】
しかし、印刷枚数が多い場合、印刷用紙のサイズが大きい場合、あるいはカラー印刷や両面印刷などの印刷モードが設定されている場合には、認証操作後の印刷動作に多大の時間を要することとなる。この場合、ユーザは、結局、MFPの前で長時間印刷の完了を待たなければならなくなる。一方、ユーザがかかる待ち時間の発生を嫌って通常印刷を行えば、機密印刷の利用率が低下し、情報漏洩に対する対策が不徹底になる虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−314659号公報
【特許文献2】特開2004−94816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、印刷物による情報の漏洩を防止できるとともに、ユーザが意に反して印刷装置の前で長時間印刷の完了を待たなくて済む印刷装置、印刷方法およびコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0008】
(1)機密印刷のための印刷データを受信する受信部と、受信した前記印刷データが他の印刷装置から転送されたものであるか否かを判断する転送判断部と、前記印刷データが用紙に印刷された形態で出力され得る、鍵により開閉可能な鍵付き出力ビンと、前記鍵付き出力ビンが使用できる状態であるか否かを判断する状態判断部と、受信した前記印刷データの出力先を、前記鍵付き出力ビン、および前記印刷データを保持し得るとともに保持した前記印刷データをユーザ認証に基づいて印刷のために取り出し可能な保持部のいずれかに決定する制御部と、を有し、前記制御部は、前記印刷データの出力先を前記鍵付き出力ビンに決定した場合であって前記状態判断部によって前記鍵付き出力ビンが使用できない状態であると判断された場合、前記印刷データを使用可能な前記鍵付き出力ビンを持つ他の印刷装置に転送し、前記転送判断部によって前記印刷データが他の印刷装置から転送されたものであると判断された場合、前記状態判断部の判断を経ることなく前記印刷データの出力先を前記鍵付き出力ビンに決定することを特徴とする印刷装置。
【0009】
(2)前記受信部はさらに、前記鍵を解除するための情報を受信することを特徴とする上記(1)に記載の印刷装置。
【0010】
(3)前記制御部は、前記印刷データが他の印刷装置から転送されたものでない場合、前記印刷データに関する情報に応じて、前記印刷データの出力先を決定することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の印刷装置。
【0011】
(4)前記印刷データに関する情報は、当該印刷データの印刷条件に基づいて算出される当該印刷データの印刷に要する予想時間であり、前記制御部は、前記予想時間が予め設定された閾値以上の場合には前記印刷データの出力先を前記鍵付き出力ビンに決定し、前記予想時間が前記閾値よりも小さい場合には前記印刷データの出力先を前記保持部に決定することを特徴とする上記(3)に記載の印刷装置。
【0012】
(5)前記印刷データに関する情報は、当該印刷データに基づく印刷枚数であり、前記制御部は、前記印刷枚数が予め設定された閾値以上の場合には前記印刷データの出力先を前記鍵付き出力ビンに決定し、前記印刷枚数が前記閾値よりも小さい場合には前記印刷データの出力先を前記保持部に決定することを特徴とする上記(3)に記載の印刷装置。
【0013】
(6)前記制御部は、前記印刷データの機密の重要度に基づいて修正された前記印刷データに関する情報に応じて、前記印刷データの出力先を決定することを特徴とする上記(3)〜(5)のいずれか1つに記載の印刷装置。
【0014】
(7)前記保持部は、自己の印刷装置内に設けられることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の印刷装置。
【0015】
(8)前記保持部は、印刷データをビットマップ形式のデータに変換し当該データを当該印刷装置に転送する印刷制御装置内に設けられることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の印刷装置。
【0016】
(9)前記保持部は、当該印刷装置と通信可能なネットワーク上の機器内に設けられることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の印刷装置。
【0017】
(10)決定された印刷データの出力先を通知する通知部をさらに有することを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の印刷装置。
【0018】
(11)前記通知部はさらに、印刷データの印刷完了を、自己の印刷装置を特定するための情報とともに通知することを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の印刷装置。
【0019】
(12)機密印刷のための印刷データを受信する受信ステップと、受信した前記印刷データが他の印刷装置から転送されたものであるか否かを判断する転送判断ステップと、前記印刷データが用紙に印刷された形態で出力され得る、鍵により開閉可能な鍵付き出力ビンが使用できる状態であるか否かを判断する状態判断ステップと、受信した前記印刷データの出力先を、前記鍵付き出力ビン、および前記印刷データを保持し得るとともに保持した前記印刷データをユーザ認証に基づいて印刷のために取り出し可能な保持部のいずれかに決定する決定ステップと、を有し、前記決定ステップにおいて、前記印刷データの出力先を前記鍵付き出力ビンに決定した場合であって前記状態判断ステップによって前記鍵付き出力ビンが使用できない状態であると判断された場合、前記印刷データを使用可能な前記鍵付き出力ビンを持つ他の印刷装置に転送し、前記転送判断ステップによって前記印刷データが他の印刷装置から転送されたものであると判断された場合、前記状態判断ステップの判断を経ることなく前記印刷データの出力先が前記鍵付き出力ビンに決定されることを特徴とする印刷方法。
【0020】
(13)機密印刷のための印刷データを受信する受信手順と、受信した前記印刷データが他の印刷装置から転送されたものであるか否かを判断する転送判断手順と、前記印刷データが用紙に印刷された形態で出力され得る鍵により開閉可能な鍵付き出力ビンが使用できる状態であるか否かを判断する状態判断手順と、受信した前記印刷データの出力先を、前記鍵付き出力ビン、および前記印刷データを保持し得るとともに保持した前記印刷データをユーザ認証に基づいて印刷のために取り出し可能な保持部のいずれかに決定する決定手順と、を有し、前記決定手順において、前記印刷データの出力先を前記鍵付き出力ビンに決定した場合であって前記状態判断手順によって前記鍵付き出力ビンが使用できない状態であると判断された場合、前記印刷データを使用可能な前記鍵付き出力ビンを持つ他の印刷装置に転送し、前記転送判断手順によって前記印刷データが他の印刷装置から転送されたものであると判断された場合、前記状態判断手順の判断を経ることなく前記印刷データの出力先が前記鍵付き出力ビンに決定されるものである処理を印刷装置に実行させるためのコンピュータプログラム。
【0021】
(14)上記(13)請求項13に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、機密印刷のための印刷データを受信してこれを印刷出力する際の出力先として、鍵付き出力ビン及び保持部のうちいずれかとするようにしたので、機密性を確保した上で必要に応じた出力形態をとり得ることが可能となる。たとえば、印刷枚数が多い場合など、結果的に印刷時間が多大となることが予想される場合、印刷装置は、印刷データを用紙上に印刷して鍵付き出力ビンに出力することが可能となる。この場合、ユーザは、印刷完了を見計らって印刷装置の設置場所に行けば、印刷装置の前で待たされることなく鍵を使って印刷物を取得することができる。一方、印刷枚数が少ない場合など、結果的に印刷時間が僅かであることが予想される場合、印刷装置は、印刷データをユーザ認証に基づいて取り出し可能な保持部に出力することが可能となる。この場合、ユーザは、印刷装置の設置場所に行ってユーザ認証の完了後の僅かな時間で印刷物を取得することができる。
【0023】
このように本発明によれば、印刷物による情報の漏洩を防止できるとともに、ユーザが意に反して印刷装置の前で長時間印刷の完了を待たなくて済む。
【0024】
さらに、本発明では、出力先が鍵付き出力ビンに決定された場合であって、印刷データを受信した印刷装置の鍵付き出力ビンが使用できない状態であるとき、使用可能な鍵付き出力ビンを持つ他の印刷装置が検索され、印刷データが当該他の印刷装置に転送される。これにより、設置個数が限定されている鍵付き出力ビンが空くまで処理が待たされるといった事態の発生を防止することができ、ひいては機密印刷の機能の確保と利用の向上とが図られる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態にかかる印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】MFPの概略正面図である。
【図3】MFPのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】MFPにおける機密印刷の操作画面を通した処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】機密印刷の設定画面の一例を示す。
【図6】ユーザの登録画面の一例を示す。
【図7】機密印刷の実行画面の一例を示す。
【図8】MFPにおける機密印刷データの受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】図8から続く、MFPにおける機密印刷データの受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】出力先の決定処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】印刷完了の通知処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】印刷モード別の1枚当たりの印刷予想時間の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態にかかる印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【0028】
印刷システムは、PC(パーソナルコンピュータ)100と、印刷制御装置としてのRIPサーバ200と、印刷装置としてのMFP300(MFP300A,300B,300Cの総称)とを備えており、これらはネットワーク500を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク500は、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI等の規格によりコンピュータやネットワーク機器同士を接続したLAN、あるいはLAN同士を専用線で接続したWAN等からなる。
【0029】
なお、RIPサーバ200とMFP300とは、直接機器間で接続されていてもよい。また、ネットワーク500に接続される機器の種類および台数は、図1に示す例に限定されない。
【0030】
PC100には、文書ファイルを作成・編集するためのアプリケーションがインストールされている。PC100は、アプリケーション上で印刷指示された文書ファイルに基づく印刷データをRIPサーバ200に送信する。
【0031】
RIPサーバ200は、PC100から受信した印刷データを、MFP300が解釈可能なビットマップ形式の印刷データ(ラスタデータ)に変換して、MFP300に送信する。このRIPサーバ200は、一般に、ワークステーションまたはPCを使用することにより実現される。
【0032】
図2は、MFP300の概略正面図、図3は、MFP300のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0033】
MFP300は、CPU301、メモリ302、ハードディスク303、操作パネル部304、ADF(Auto Document Feeder)305、画像読取部306、給紙部307、画像形成部308、用紙排出部309、および通信インタフェース310を含み、これらは信号をやり取りするためのバス311を介して相互に接続されている。
【0034】
CPU301は、プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理を行う。メモリ302は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。ハードディスク303は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや、各種データを格納する。
【0035】
また、ハードディスク303は、印刷データを保持し得るとともに保持した印刷データをユーザ認証に基づいて印刷のために取り出し可能な保持部であるデジタル出力ビンのための領域を有する。
【0036】
操作パネル部304は、タッチパネル、テンキー、スタートボタン、ストップボタン等を備えており、各種情報の表示および各種指示の入力に使用される。
【0037】
ADF305は、セットされた単数枚または複数枚の原稿を1枚ずつ画像読取部306の所定の読み取り位置まで搬送し、そして画像読み取り後の原稿を順次排出する。
【0038】
画像読取部306は、所定の読み取り位置にセットされた原稿またはADF305により所定の読み取り位置に搬送された原稿に蛍光ランプ等の光源で光を当て、その反射光をCCDイメージセンサ等の受光素子で光電変換して、その電気信号から画像データを生成する。
【0039】
給紙部307a〜307cは、印刷に使用される記録材としての用紙を収容する。給紙部307(307a〜307cの総称)は、収容された用紙を1枚ずつ画像形成部308に送り出す。
【0040】
画像形成部308は、帯電、露光、現像、転写および定着の各工程を含む電子写真式プロセス等の周知の作像プロセスを用いて、各種データを用紙上に印刷する。
【0041】
用紙排出部309は、画像形成部308から搬送される印刷された用紙を排出する。また、用紙排出部309は、通常出力ビン312と、鍵付き出力ビン313とを備えている。通常出力ビン312は、通常印刷において印刷データが印刷出力された用紙、あるいは機密印刷においてデジタル出力ビンに保持されていた印刷データがユーザ認証に基づいて印刷出力された用紙が排出され得るビンである。鍵付き出力ビン313は、機密印刷において印刷データが用紙に印刷された形態で出力され得る鍵により開閉可能なビンである。鍵は、本実施形態では電子的な鍵である。したがって、鍵付き出力ビン313は、鍵を解除するための鍵解除情報がユーザによって入力されることにより開かれ得る。ただし、本発明は、物理的な鍵が使用され得るように構成されてもよい。なお、図2では、鍵付き出力ビン313は、3個設けられているが、鍵付き出力ビン313の設置個数は任意である。
【0042】
通信インタフェース310は、たとえばLANカードであり、ネットワーク500を介して他の機器と通信するために使用される。
【0043】
なお、MFP300は、上記した構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記した構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0044】
次に、本実施形態におけるMFP300の動作について説明する。
【0045】
図4は、MFP300における機密印刷の操作画面を通した処理の手順を示すフローチャートである。なお、図4のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、MFP300のハードディスク303にプログラムとして記憶されており、CPU301によって実行される。
【0046】
まず、MFP300は、操作パネル部304に表示された機密印刷の操作画面上で、ユーザによる操作に基づいて「機密印刷の設定」が選択されたか否かを判断する(S101)。「機密印刷の設定」が選択されていない場合(S101でNO)、ステップS103に進む。
【0047】
「機密印刷の設定」が選択された場合(S101:YES)、機密印刷の設定画面が操作パネル部304に表示されて、機密印刷の設定画面を使用した機密印刷設定処理が行われる(S102)。
【0048】
図5は、機密印刷の設定画面の一例を示す。機密印刷の設定画面600は、動作状態を「機密印刷の実行」、「機密印刷の設定」、および「ユーザの登録」のいずれかに切り替えるためのそれぞれの動作切替ボタン601、602、および603を有している。また、機密印刷の設定画面600は、現在の動作状態を示す状態表示部604と、設定作業の対象となるユーザの名前を示すユーザ表示部605とを有している。このユーザは、ユーザ選択部606において選択されることにより設定される。ここで、ユーザは上下のスクロール607を用いて選択される。ユーザの選択後、入力ボックス608にパスワードが入力される。そして、認証ボタン609が押されると認証動作が開始され、認証完了後に、具体的な機密印刷の設定が可能となる。
【0049】
設定項目には、受信した印刷データの出力先を、鍵付き出力ビン、およびデジタル出力ビンのいずれかに決定するための判断基準としての印刷データに関する情報が含まれる。具体的には、出力先を決定するための判断基準の設定項目には、出力先を鍵付き出力ビンに決定するための印刷データに基づく印刷枚数の下限値(閾値Pa)を入力するための入力ボックス610と、出力先を鍵付き出力ビンに決定するための印刷データの印刷に要する予想時間の下限値(閾値Ta)を入力するための入力ボックス611とが含まれる。また、出力先を決定するための判断基準として、印刷データに基づく印刷枚数、および印刷データの印刷に要する予想時間のいずれかを選択するためのチェックボックス612、613が設けられている。
【0050】
また、出力先を鍵付き出力ビンに決定したこと、および印刷データを印刷して鍵付き出力ビンに出力したことの通知方法として、チェックボックス614により、電子メールによって通知する方法と、チェックボックス615により、MFP300の操作パネル部304に表示することによって通知する方法とが選択可能である。同様に、出力先をデジタル出力ビンに決定したこと、およびデジタル出力ビンに保持されている印刷データを印刷して通常出力ビンに出力したことの通知方法として、チェックボックス616により、電子メールによって通知する方法と、チェックボックス617により、MFP300の操作パネル部304に表示することによって通知する方法とが選択可能である。
【0051】
機密印刷の設定が完了した場合にはユーザにより設定ボタン618が選択され、機密印刷の設定を中止する場合にはユーザにより中止ボタン619が選択される。
【0052】
さらに、機密印刷の設定画面600は、受信した印刷データを他のMFP等の印刷装置に転送することを禁止するためのチェックボックス620を有している。本実施形態では、後述するように、出力先が鍵付き出力ビンに決定された場合であって、印刷データを受信した印刷装置の鍵付き出力ビンが使用できない状態であるとき、使用可能な鍵付き出力ビンを持つ他の印刷装置が検索され、印刷データが当該他の印刷装置に転送されるように構成されているが、ユーザは、かかる転送を望まない場合にチェックボックス620をチェックして転送を禁止することが可能である。
【0053】
続いて、MFP300は、操作パネル部304に表示された機密印刷の操作画面上で、ユーザによる操作に基づいて「ユーザの登録」が選択されたか否かを判断する(S103)。「ユーザの登録」が選択されていない場合(S103でNO)、ステップS105に進む。
【0054】
「ユーザの登録」が選択された場合(S103:YES)、ユーザの登録画面が操作パネル部304に表示されて、ユーザの登録画面を使用したユーザ登録処理が行われる(S104)。
【0055】
図6は、ユーザの登録画面の一例を示す。ユーザの登録画面700は、機密印刷の設定画面600と同様に、動作切替ボタン601、602、および603と、状態表示部604とを有している。
【0056】
また、ユーザの登録画面700は、ユーザ名、パスワード、電子メールアドレスを入力するためのそれぞれの入力ボックス701、702、および703を有している。入力が完了した場合にはユーザにより登録ボタン704が選択され、ユーザの登録を中止する場合にはユーザにより中止ボタン705が選択される。
【0057】
なお、ユーザの登録画面700を表示する前に認証動作が行われることにより、ユーザ登録のための操作が制限されてもよい。電子メールアドレスは印刷データの出力先または印刷完了を通知するためのアドレスであり、この電子メールアドレスの入力は任意である。
【0058】
続いて、MFP300は、操作パネル部304に表示された機密印刷の操作画面上で、ユーザによる操作に基づいて「機密印刷の実行」が選択されたか否かを判断する(S105)。「機密印刷の実行」が選択されていない場合(S105でNO)、ステップS101に戻る。
【0059】
「機密印刷の実行」が選択された場合(S105:YES)、機密印刷の実行画面が操作パネル部304に表示されて、機密印刷の実行画面を使用した機密印刷実行処理が行われる(S106)。
【0060】
図7は、機密印刷の実行画面の一例を示す。機密印刷の実行画面800は、機密印刷の設定画面600と同様に、動作切替ボタン601、602、および603と、状態表示部604と、ユーザ表示部605とを有している。
【0061】
機密印刷の実行画面800において、ユーザ名が入力ボックス801に入力され、パスワードが入力ボックス802に入力される。そして、認証ボタン803が押されると認証動作が開始され、認証完了後に、機密印刷の対象となる文書ファイルの選択が可能となる。文書選択部804には、そのユーザにより保持されている印刷データに対応する文書ファイル名が表示される。また、文書ファイル名の横には、出力先が表示される。デジタル出力ビンに保持されている印刷データは、選択キー805によって選択された後、印刷ボタン806が押されると、印刷出力される。印刷出力を中止する場合にはユーザにより中止ボタン807が選択される。
【0062】
図8〜図11は、MFP300における機密印刷データの受信処理の手順を示すフローチャートである。なお、図8〜図11のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、MFP300のハードディスク303にプログラムとして記憶されており、CPU301によって実行される。
【0063】
まず、MFP300は、PC100からRIPサーバ200を経て機密印刷のための印刷データを受信する(S201)。
【0064】
続いて、受信した前記印刷データが他のMFPから転送されたものであるか否かが判断される(S202)。印刷データを受信したのが例えばMFP300Aである場合、印刷データが、PC100からではなく他のMFP300B,300C等の印刷装置から転送されたものであるか否かが判断される。ここで、本実施形態では、受信した前記印刷データに、鍵付き出力ビン313の鍵を解除するための鍵解除情報が付加されている場合に、印刷データが他の印刷装置から転送されたものであると判断される。ただし、印刷データの送信元のアドレスやマシン名等によって判断されることも可能である。
【0065】
受信した前記印刷データが他の印刷装置から転送されたものでない場合(ステップS202:NO)、受信した印刷データの出力先を、鍵付き出力ビン313、およびデジタル出力ビンのいずれかに決定するための決定処理が行われる(S203)。この出力先の決定処理の詳細は後述する。
【0066】
ステップS204では、ステップS203で決定された出力先が、鍵付き出力ビン313、およびデジタル出力ビンのいずれであるかが判断される。
【0067】
決定された出力先がデジタル出力ビンである場合(S204:デジタル出力ビン)、ステップS201で受信した印刷データはデジタル出力ビンに保持される(S205)。そして、MFP300は、機密印刷の実行画面800を使用した機密印刷実行処理において、ユーザ認証が完了するまで待機する(S206でNO)。ユーザ認証が完了した場合(S206:YES)、デジタル出力ビンに保持されている印刷データは、画像形成部308によって用紙に印刷され、用紙排出部309によって通常出力ビン312に排出される(S207)。
【0068】
ステップS208では、印刷が完了したことをユーザに通知するための印刷完了の通知処理が行われる。この印刷完了の通知処理の詳細は後述する。
【0069】
一方、決定された出力先が鍵付き出力ビンである場合(S204:鍵付き出力ビン)、図9のステップS209に進む。
【0070】
ステップS209では、MFP300は、鍵付き出力ビン313の鍵を解除するための鍵解除情報を発生させる。この鍵解除情報は、例えばPC100等の印刷データの送信元に通知される。ただし、鍵解除情報は、ユーザにより指定されて印刷データに付加されてもよく、この場合にはユーザにより指定された鍵解除情報が取得される。
【0071】
続いて、鍵付き出力ビン313が空いているか否かを含めて使用できる状態であるか否かが判断される(S210)。
【0072】
鍵付き出力ビン313が使用できる状態である場合(S210:YES)、MFP300は、使用しようとする鍵付き出力ビン313に対して、鍵解除情報を設定する(S211)。続いて、ステップS201で受信した印刷データは、画像形成部308によって用紙に印刷され、用紙排出部309によって鍵付き出力ビン313に排出される(S212)。
【0073】
鍵付き出力ビン313が使用できない状態である場合(S210:NO)、自己のMFPと通信可能であり使用可能な鍵付き出力ビン313を持つ他のMFPが存在するか否かが判断される(S213)。例えばMFP300Aは、ネットワーク500上の他のMFP300B,300Cに対して、使用可能な鍵付き出力ビン313を有する印刷装置であるか否かの問合せを送信し、その応答を受信する。こうして、使用可能な鍵付き出力ビン313を持つ他のMFPが検索される。
【0074】
ステップS213において、使用可能な鍵付き出力ビン313を持つ他のMFPが存在しないと判断された場合(S213:NO)、ステップS201で受信した印刷データはデジタル出力ビンに保持される(S214)。そして、機密印刷の実行画面800を使用した機密印刷実行処理において、ユーザ認証が完了した場合(S215:YES)、図8のステップS207に進む。なお、ユーザ認証が未だ完了していないと判断される場合には(S215:NO)、ステップS210に戻る。これにより、ユーザ認証が完了する前に鍵付き出力ビン313が使用可能となった場合、印刷データは用紙に印刷されて鍵付き出力ビン313に排出されることになる。
【0075】
一方、ステップS213において、使用可能な鍵付き出力ビン313を持つ他のMFPが存在すると判断された場合(S213:YES)、印刷データの転送が許可されているか否かが判断される(S216)。ここで、機密印刷の設定画面600を使用した機密印刷設定処理において、受信した印刷データを他のMFPに転送することを禁止するためのチェックボックス620がチェックされていない場合、印刷データの転送が許可されていると判断される。印刷データの転送が許可されていない場合(S216:NO)、ステップS214に進む。
【0076】
印刷データの転送が許可されている場合(S216:YES)、MFP300は、印刷データを用紙に印刷して鍵付き出力ビンに出力させるために、ステップS209で発生させられた鍵解除情報が付加された印刷データを、ステップS213において見つかった他のMFPに転送する(S217)。このように鍵付き出力ビンから印刷物を取り出すための鍵解除情報も転送されるので、印刷物を排出するMFPが変更されたとしても鍵を解除するためのユーザの操作に変化はなく、ユーザに違和感を与えなくて済む。
【0077】
なお、ステップS213において使用可能な鍵付き出力ビンを持つ他のMFPが複数見つかった場合、所定の優先順位の最も高いMFPに、印刷データが転送される。所定の優先順位としては、例えば物理的な距離の近い順番が挙げられる。
【0078】
一方、図8のステップS202において、受信した前記印刷データが他のMFPから転送されたものであると判断された場合(ステップS202:YES)、ステップS211に進む。つまり、ステップS203およびS204の処理を実行することなく、つまり印刷データに関する情報の内容にかかわらずに、印刷データの出力先が鍵付き出力ビンに決定される。ステップS211では、使用しようとする鍵付き出力ビン313に対して、他のMFPから受信した鍵解除情報が設定される。そして、他のMFPから受信した印刷データは、画像形成部308によって用紙に印刷されて、用紙排出部309によって鍵付き出力ビン313に排出され(S212)、ステップS208に進む。
【0079】
次に、図10を参照して、ステップS203における出力先の決定処理の手順について説明する。
【0080】
まず、MFP300は、機密印刷の設定画面600を使用した機密印刷設定処理において、印刷データの出力先を決定するための判断基準として、印刷予想時間が選択されているか否か、つまり出力先が印刷予想時間により決定されるものであるか否かを判断する(S301)。
【0081】
印刷データの出力先を決定するための判断基準として、印刷予想時間が選択されていない場合(S301:NO)、印刷データの出力先を決定するための判断基準として、印刷データに基づく印刷枚数が選択されているものとみなされ、印刷データに基づく印刷枚数が予め設定された閾値Pa以上であるか否かが判断される(S302)。
【0082】
ステップS302で印刷枚数が閾値Pa以上であると判断された場合(S302:YES)、ステップS306に進み、印刷枚数が閾値Paよりも小さいと判断された場合(S302:NO)、ステップS303に進む。
【0083】
ステップS303では、印刷データの出力先がデジタル出力ビンと決定される。一方、ステップS306では、印刷データの出力先が鍵付き出力ビン313と決定される。
【0084】
ステップS301において印刷データの出力先を決定するための判断基準として、印刷予想時間が選択されていると判断された場合(S301:YES)、受信した印刷データの印刷に要する予想時間Tが算出される(S304)。
【0085】
たとえば、印刷予想時間Tは、印刷モード別の1枚当たりの印刷予想時間をT0、印刷枚数をN、機密係数をKとした場合、
計算式T=T0*N*K
により算出される。
【0086】
印刷モード別の1枚当たりの印刷予想時間T0は、たとえば図12に示すように、カラー/モノクロ、および片面/両面の印刷モードと、用紙のサイズおよび向きとに応じて予め設定されており、MFP300のハードディスク303に保存される。
【0087】
機密係数Kは、印刷データの機密の重要度に応じた係数である。この機密係数Kは、印刷データを送信するPC100で、印刷データに対して設定される。たとえば「重要」、「秘密」、「社外秘」等のウォーターマークなどのセキュリティ情報が印刷データに設定されている場合、重要度が高いとみなされる。ここでは、重要度が高いほど、機密係数Kは小さく設定される。たとえば「重要」等のウォーターマークが設定されている場合、機密係数Kは0.8と設定され、それ以外の場合、機密係数Kは1.0と設定される。これは、重要度の高い印刷データは、印刷枚数が多くても、なるべくユーザがMFP300の設置場所に来てユーザ認証の完了後でないと印刷を開始しない方が好ましいというセキュリティポリシーによる。ただし、逆に、重要度の高い印刷データは、印刷枚数にかかわらずに、なるべくデジタル出力ビンに保持させずに鍵付き出力ビンに印刷出力させる方が好ましいというセキュリティポリシーを採用することもできる。この場合、重要度が高いほど、機密係数Kは大きく設定される。
【0088】
このように本実施形態では、印刷予想時間は、印刷データの機密の重要度に基づいて修正されるが、必ずしも修正される必要はない。なお、前述した印刷データの出力先を決定するための判断基準としての印刷データに基づく印刷枚数も、印刷データの機密の重要度に基づいて修正されてもよい。
【0089】
ステップS305では、算出された印刷予想時間Tが予め設定された閾値Ta以上であるか否かが判断される。
【0090】
ステップS305で印刷予想時間Tが閾値Ta以上であると判断された場合(S305:YES)、ステップS306に進み、閾値Taよりも小さいと判断された場合(S305:NO)、ステップS303に進む。
【0091】
ステップS307では、決定された印刷データの出力先をユーザに通知するための出力先の通知処理が行われる。ここで、ステップS303またはS306における決定結果に応じて、出力先がデジタル出力ビンに決定されたこと、あるいは出力先が鍵付き出力ビン313に決定されたことが、機密印刷の設定画面600を使用した機密印刷設定処理において予め設定された通知方法により通知される。なお、このステップS307の処理は、以下に説明するステップS207の処理と概ね同様に行われる。
【0092】
次に、図11を参照して、ステップS208における印刷完了の通知処理の手順について説明する。
【0093】
まず、MFP300は、機密印刷の設定画面600を使用した機密印刷設定処理において、電子メールによって通知する方法が選択されているか否かを判断する(S401)。なお、ここでは、出力先に対応して選択された通知方法が参照される(以降において同様)。
【0094】
電子メールによって通知する方法が選択されていない場合(S401:NO)、操作パネル部304に表示することによって通知する方法が選択されているか否かが判断される(S402)。操作パネル部304に表示することによって通知する方法が選択されていない場合(S402:NO)、図8のフローチャートに戻る。
【0095】
操作パネル部304に表示することによって通知する方法が選択されている場合(S402:YES)、印刷された用紙を鍵付き出力ビンまたは通常出力ビンに出力したことが、操作パネル部304に表示される(S403)。
【0096】
一方、ステップS401において電子メールによって通知する方法が選択されていると判断された場合(S401:YES)、ユーザの登録画面700を使用したユーザ登録処理において、該当するユーザの電子メールアドレスが設定されているか否かが判断される(S404)。
【0097】
該当するユーザの電子メールアドレスが設定されている場合(S404:YES)、印刷された用紙を鍵付き出力ビンまたは通常出力ビンに出力したことが、設定された電子メールアドレスに通知され(S405)、ステップS402に進む。ここで、出力完了の通知には、実際に印刷を行った自己のMFPを特定するための情報が含められることが望ましい。このように構成すれば、印刷データが最初に送られたMFPから他のMFPに転送された場合でも、ユーザは、印刷された用紙がどのMFPの鍵付き出力ビンに出力されたかを迅速に把握することが可能となる。
【0098】
一方、該当するユーザの電子メールアドレスが設定されていない場合には(S404:NO)、そのままステップS402に進む。
【0099】
このように本実施形態のMFP300は、機密印刷のための印刷データを受信し、受信した機密印刷のための印刷データの出力先を、印刷データが用紙に印刷された形で出力され得る鍵により開閉可能な鍵付き出力ビン、および印刷データを保持し得るとともに保持した印刷データをユーザ認証に基づいて印刷のために取り出し可能なデジタル出力ビンのいずれかに決定する。即ち、本実施形態においては、機密印刷のための印刷データを印刷出力するにあたり、その出力形態を2つの異なる出力形態から選択決定している。
【0100】
したがって、印刷枚数が多い場合など、結果的に印刷時間が多大となることが予想される場合、MFP300は、印刷データを印刷して鍵付き出力ビンに出力する形態を選ぶことが可能となる。この場合、ユーザは、印刷完了を見計らってMFP300の設置場所に行けば、MFP300の前で待たされることなく鍵を使って印刷物を取得することができる。一方、印刷枚数が少ない場合など、結果的に印刷時間が僅かであることが予想される場合、MFP300は、印刷データをユーザ認証に基づいて取り出し可能なデジタル出力ビンに出力することが可能となる。この場合、ユーザは、MFP300の設置場所に行ってユーザ認証の完了後の僅かな時間で印刷物を取得することができる。
【0101】
このように本実施形態によれば、印刷物による情報の漏洩を確実に防止できるとともに、ユーザが意に反してMFP300の前で長時間印刷の完了を待たなくて済む。
【0102】
さらに、本発明では、出力先が鍵付き出力ビンに決定された場合であって、印刷データを受信したMFPの鍵付き出力ビンが使用できない状態であるとき、使用可能な鍵付き出力ビンを持つ他のMFPが検索され、印刷データが当該他のMFPに転送される。これにより、設置個数が限定されている鍵付き出力ビンが空くまで処理が待たされるといった事態の発生を防止することができ、ひいては機密印刷の機能の確保と利用の向上とが図られる。
【0103】
本発明は、上記した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0104】
たとえば、上記実施形態では、印刷装置としてMFPが使用されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば複写機、およびプリンタなどの他の印刷装置が使用されてもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、デジタル出力ビンは、MFP300のハードディスク303内に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではない。デジタル出力ビンは、RIPサーバ200内に設けられていてもよく、さらには、MFP300と通信可能なネットワーク500上の機器内に設けられていてもよい。
【0106】
また、上記実施形態では、図8に示す処理はMFP300で実行されるが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば出力先の決定処理(S202)などの図8に示す処理の一部は、RIPサーバ200で実行されることも可能である。
【0107】
また、上記実施形態では、印刷データの出力先は、印刷データに関する情報に応じてMFP300で自動的に決定されるが、本発明はこれに限定されるものではない。印刷データの出力先は、印刷データを送信するPC100において、ユーザにより指示されてもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、RIPサーバ200は、MFP300と別体で構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、RIPサーバ200が各MFPにそれぞれ組み込まれて一体化された構成を使用するシステムにも適用可能である。
【0109】
本実施形態にかかる印刷システムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピュータのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえばフレキシブルディスクやCD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送されて記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、装置の一機能としてその装置のソフトウェアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0110】
100 PC、
200 RIPサーバ、
300(300A〜300C) MFP、
301 CPU、
302 メモリ、
303 ハードディスク、
304 操作パネル部、
305 ADF、
306 画像読取部、
307(307a〜307c) 給紙部、
308 画像形成部、
309 用紙排出部、
310 通信インタフェース、
311 バス、
312 通常出力ビン、
313 鍵付き出力ビン、
500 ネットワーク、
600 機密印刷の設定画面、
700 ユーザの登録画面、
800 機密印刷の実行画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機密印刷のための印刷データを受信する受信部と、
受信した前記印刷データが他の印刷装置から転送されたものであるか否かを判断する転送判断部と、
前記印刷データが用紙に印刷された形態で出力され得る、鍵により開閉可能な鍵付き出力ビンと、
前記鍵付き出力ビンが使用できる状態であるか否かを判断する状態判断部と、
受信した前記印刷データの出力先を、前記鍵付き出力ビン、および前記印刷データを保持し得るとともに保持した前記印刷データをユーザ認証に基づいて印刷のために取り出し可能な保持部のいずれかに決定する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記印刷データの出力先を前記鍵付き出力ビンに決定した場合であって前記状態判断部によって前記鍵付き出力ビンが使用できない状態であると判断された場合、前記印刷データを使用可能な前記鍵付き出力ビンを持つ他の印刷装置に転送し、
前記転送判断部によって前記印刷データが他の印刷装置から転送されたものであると判断された場合、前記状態判断部の判断を経ることなく前記印刷データの出力先を前記鍵付き出力ビンに決定することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記受信部はさらに、前記鍵を解除するための情報を受信することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記印刷データが他の印刷装置から転送されたものでない場合、前記印刷データに関する情報に応じて、前記印刷データの出力先を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記印刷データに関する情報は、当該印刷データの印刷条件に基づいて算出される当該印刷データの印刷に要する予想時間であり、
前記制御部は、前記予想時間が予め設定された閾値以上の場合には前記印刷データの出力先を前記鍵付き出力ビンに決定し、前記予想時間が前記閾値よりも小さい場合には前記印刷データの出力先を前記保持部に決定することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記印刷データに関する情報は、当該印刷データに基づく印刷枚数であり、
前記制御部は、前記印刷枚数が予め設定された閾値以上の場合には前記印刷データの出力先を前記鍵付き出力ビンに決定し、前記印刷枚数が前記閾値よりも小さい場合には前記印刷データの出力先を前記保持部に決定することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記印刷データの機密の重要度に基づいて修正された前記印刷データに関する情報に応じて、前記印刷データの出力先を決定することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の印刷装置。
【請求項7】
前記保持部は、自己の印刷装置内に設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の印刷装置。
【請求項8】
前記保持部は、印刷データをビットマップ形式のデータに変換し当該データを当該印刷装置に転送する印刷制御装置内に設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の印刷装置。
【請求項9】
前記保持部は、当該印刷装置と通信可能なネットワーク上の機器内に設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の印刷装置。
【請求項10】
決定された印刷データの出力先を通知する通知部をさらに有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の印刷装置。
【請求項11】
前記通知部はさらに、印刷データの印刷完了を、自己の印刷装置を特定するための情報とともに通知することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の印刷装置。
【請求項12】
機密印刷のための印刷データを受信する受信ステップと、
受信した前記印刷データが他の印刷装置から転送されたものであるか否かを判断する転送判断ステップと、
前記印刷データが用紙に印刷された形態で出力され得る、鍵により開閉可能な鍵付き出力ビンが使用できる状態であるか否かを判断する状態判断ステップと、
受信した前記印刷データの出力先を、前記鍵付き出力ビン、および前記印刷データを保持し得るとともに保持した前記印刷データをユーザ認証に基づいて印刷のために取り出し可能な保持部のいずれかに決定する決定ステップと、を有し、
前記決定ステップにおいて、
前記印刷データの出力先を前記鍵付き出力ビンに決定した場合であって前記状態判断ステップによって前記鍵付き出力ビンが使用できない状態であると判断された場合、前記印刷データを使用可能な前記鍵付き出力ビンを持つ他の印刷装置に転送し、
前記転送判断ステップによって前記印刷データが他の印刷装置から転送されたものであると判断された場合、前記状態判断ステップの判断を経ることなく前記印刷データの出力先が前記鍵付き出力ビンに決定されることを特徴とする印刷方法。
【請求項13】
機密印刷のための印刷データを受信する受信手順と、
受信した前記印刷データが他の印刷装置から転送されたものであるか否かを判断する転送判断手順と、
前記印刷データが用紙に印刷された形態で出力され得る鍵により開閉可能な鍵付き出力ビンが使用できる状態であるか否かを判断する状態判断手順と、
受信した前記印刷データの出力先を、前記鍵付き出力ビン、および前記印刷データを保持し得るとともに保持した前記印刷データをユーザ認証に基づいて印刷のために取り出し可能な保持部のいずれかに決定する決定手順と、を有し、
前記決定手順において、
前記印刷データの出力先を前記鍵付き出力ビンに決定した場合であって前記状態判断手順によって前記鍵付き出力ビンが使用できない状態であると判断された場合、前記印刷データを使用可能な前記鍵付き出力ビンを持つ他の印刷装置に転送し、
前記転送判断手順によって前記印刷データが他の印刷装置から転送されたものであると判断された場合、前記状態判断手順の判断を経ることなく前記印刷データの出力先が前記鍵付き出力ビンに決定されるものである処理
を印刷装置に実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−11783(P2012−11783A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191996(P2011−191996)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【分割の表示】特願2009−182599(P2009−182599)の分割
【原出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】