説明

印刷流体カートリッジ、印刷流体供給装置、記録装置

【課題】印刷流体カートリッジの角部を面取り加工することができ、かつ、カートリッジ装着部の付勢部材の動作や印刷流体カートリッジの移動を安定して実現できる手段を提供する。
【解決手段】インクカートリッジ30は、カートリッジ装着部110の開口112へ挿入される本体31と、本体31の前壁40下側から挿入向き56へ突出されており、その突出端87がスライダ135と当接する突起86と、を具備する。突起86の突出端87は、左右方向51に延びる下側の縁部89の中央に、スライダ135と当接する当接領域88を有し、当接領域88の左右方向51の両側の角部90,91が当接領域88より本体31の前壁40側にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口を通じてカートリッジ装着部に装着可能であり、装着された状態において当該印刷流体カートリッジを開口へ向かって付勢部材が付勢する印刷流体カートリッジ、印刷流体供給装置、及び記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インクを用いて記録用紙に画像を記録する画像記録装置が知られている。この画像記録装置は、インクジェット方式の記録ヘッドを備え、記録ヘッドのノズルからインク滴を記録用紙へ向けて選択的に噴出する。このインク滴が記録用紙に着弾することによって、記録用紙に所望の画像が記録される。この画像記録装置には、記録ヘッドへ供給するインクを貯蔵する液体容器が設けられる。この液体容器として、カートリッジ形式が採用されたものが公知である。カートリッジ形式の液体容器は、画像記録装置に設けられた装着部に対して着脱可能である。このようなカートリッジ形式の液体容器はインクカートリッジとも称される。
【0003】
インクカートリッジ内のインクが無くなると、そのインクカートリッジが画像記録装置の装着部から取り外されて、インクを貯蔵する新たなインクカートリッジが装着部に装着される。装着部において、インクカートリッジの位置決めを行ったり、インクカートリッジの装着状態を保持したりするためのロック構造が公知である。また、ロック構造によりインクカートリッジがロックされている状態において、インクカートリッジが装着部から取り外される向きにインクカートリッジを付勢する付勢部材が公知である。装着部からインクカートリッジが取り外されるときに、ロック構造によるロックが解除され、インクカートリッジは付勢部材から受ける力によって開口へ向かって移動する。これにより、ユーザが装着部からインクカートリッジを取り出すことが容易となる(特許文献1)。
【0004】
また、インクカートリッジは、インクに気体が溶解することを抑制するために、インク室における空気層が減圧にされた保存されることがある。さらに、インク室の減圧状態を保持するために、内部空間を減圧にした包装材によりインクカートリッジが包装されることがある。包装材の内部空間が減圧にされると、包装材がインクカートリッジに圧着する。インクカートリッジの角が尖っていると、角部に圧着した包装材が破損するおそれがある。包装材の破損を防止するために、インクカートリッジの角は曲面に面取りされている(特許文献2,3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−152644号公報
【特許文献2】特開2008−137376号公報
【特許文献3】特開2005−288866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したように、包装材の破損を防止する観点からは、インクカートリッジにおける角部は、R加工と称される曲面に面取りされていることが望ましい。しかし、インクカートリッジがカートリッジ装着部に装着されたときに、カートリッジ装着部の部材と当接などの関わり合いをもつ部分を面取りすると、その部分における当接面積が小さくなる。その結果、カートリッジ装着部におけるインクカートリッジの位置決めを精度よく行わなければならないこととなるが、ユーザの操作の容易を考慮すると、インクカートリッジを挿入するときには、カートリッジ装着部に対してガタツキ(寸法の余裕)があることが望ましい。例えば、特許文献1に開示されるようなインクカートリッジを付勢する付勢部材とインクカートリッジの当接位置にバラツキがあると、インクカートリッジに加わる付勢力が不安定となり、付勢部材の動作やインクカートリッジの移動が不安定になるおそれがある。特に、バネなどの弾性部材による力が付勢部材に加わる位置と、インクカートリッジが付勢部材と当接する位置とが合致しない構造であるときに、かかる問題が顕著である。
【0007】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷流体カートリッジの角部を面取り加工することができ、かつ、カートリッジ装着部の付勢部材の動作や印刷流体カートリッジの移動を安定して実現できる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、開口を通じてカートリッジ装着部に装着可能であり、当該カートリッジ装着部に鉛直方向と交差する挿入向きへ装着された状態において、開口へ向かって付勢部材に付勢される印刷流体カートリッジに関する。上記印刷流体カートリッジは、上記開口へ挿入される本体と、装着姿勢における上記本体における挿入向きの前面の下側から挿入向きへ突出されており、その突出端が上記付勢部材と当接する突起と、を具備する。上記突起の突出端は、挿入向き及び上下方向と直交する左右方向に延びる下側の縁部の中央に、上記付勢部材と当接する当接領域を有し、当該当接領域の左右方向の両側の角部が当接領域より上記本体側にある。
【0009】
カートリッジ装着部に装着された印刷流体カートリッジは、突起の当接領域が付勢部材と当接する。これにより、付勢部材からの付勢力は当接領域に作用する。当接領域が突起の左右方向の中央に位置しているので、突起の左右方向に対してバランスよく付勢力が作用する。また、突起の下側の縁部において、左右方向の中央は大きな面取り加工を行う必要がないので、当接領域を下側へ広く確保することができる。一方、当接領域の両側の角部は当接領域より本体側にあるので、面取り加工を施すことができる。
【0010】
上記突起は、上記カートリッジ装着部に設けられた溝に嵌入して当該印刷流体カートリッジの挿入方向へ案内されるものであってもよい。突起の先端において左右方向の両側が本体側にあるので、左右方向に対して、溝へ突起を挿入しやすい。
【0011】
上記本体は、上記前面における上記突起の上側に、印刷流体を流出するための印刷流体供給口を有するものであってもよい。これにより、印刷流体供給口から垂れ落ちた印刷流体は突起に受けられるので、カートリッジ装着部内が印刷流体で汚されることが抑制される。
【0012】
本発明は、印刷流体カートリッジが開口を通じてカートリッジ装着部に装着可能であり、当該カートリッジ装着部に鉛直方向と交差する挿入向きへ装着された状態において、開口へ向かって付勢部材に付勢される印刷流体供給装置に関するものとして捉えられてもよい。上記印刷流体カートリッジは、上記開口へ挿入される本体と、上記本体における挿入向きの前面の下側から挿入向きへ突出されており、その突出端が上記付勢部材と当接する突起と、を具備する。上記突起の突出端は、挿入向き及び上下方向と直交する左右方向に延びる下側の縁部の中央に、上記付勢部材と当接する当接領域を有し、当該当接領域の左右方向の両側の角部が当接領域より上記本体側にある。
【0013】
また、上記付勢部材は、上記突起の上面より上側へ突出する当接片を有するものであり、上記当接片は、上記突起の当接領域と当接する第1面を下側に有し、当該第1面の上側に第1面より挿入向きへ凹んだ第2面を有するものであってもよい。これにより、印刷流体カートリッジがカートリッジ装着部へ挿入されるときに、上下方向に対して傾くような姿勢となっても、突起の当接領域が、付勢部材の当接片の第2面に当接することが防止される。突起の当接領域が付勢部材の当接片の第1面に安定して当接することにより、カートリッジ装着部の付勢部材の動作や印刷流体カートリッジの移動が安定する。
【0014】
本発明は、本体と、装着姿勢における上記本体における挿入向きの前面の下側から挿入向きへ突出された突起と、を具備する印刷流体カートリッジとして捉えられてもよい。上記突起の突出端は、挿入向き及び上下方向と直交する左右方向に延びる下側の縁部の中央に領域を有し、当該領域の左右方向の両側の角部が当該領域より上記本体側にある。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、当接領域を広く確保することができるので、カートリッジ装着部の付勢部材の動作や印刷流体カートリッジの移動を安定して実現できる。また、印刷流体カートリッジの突起の左右方向の両側となる角部を面取り加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係るインク供給装置100を備えたプリンタ10の内部構造を模式的に示す模式断面図である。
【図2】図2は、包装材13に包装されたインクカートリッジ30の外観構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、包装材13から取り出されたインクカートリッジ30の外観構成を示す斜視図である。
【図4】図4は、インクカートリッジ30の内部構成を示す断面図である。
【図5】図5は、突起86付近のインクカートリッジ30の拡大側面図である。
【図6】図5は、カートリッジ装着部110の内部構成を示す断面図である。
【図7】図7(A)及び図7(B)は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ挿入される過程を示す断面図である。
【図8】図8(A)は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態を示す断面図であり、図8(B)は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から脱抜される過程を示す断面図である。
【図9】図9は、変形例における、突起86付近のインクカートリッジ30の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0018】
[プリンタ10の概要]
図1に示されるように、プリンタ10は、インクジェット記録方式に基づいて、記録用紙に対してインク滴を選択的に吐出することにより画像を記録するものである。プリンタ10は、インク供給装置100を備えている。インク供給装置100には、カートリッジ装着部110が設けられている。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30が装着され得る。カートリッジ装着部110には、その一面が外部に開放された開口112が設けられている。インクカートリッジ30は、開口112を介してカートリッジ装着部110に挿入され、或いはカートリッジ装着部110から抜き出される。
【0019】
インクカートリッジ30には、プリンタ10で使用可能なインクが貯留されている。カートリッジ装着部110に装着された状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とがインクチューブ20で接続されている。記録ヘッド21にはサブタンク28が設けられている。サブタンク28は、インクチューブ20を通じて供給されるインクを一時的に貯留する。記録ヘッド21は、インクジェット記録方式によって、サブタンク28から供給されたインクをノズル29から選択的に吐出する。記録ヘッド21が、記録部に相当する。
【0020】
給紙トレイ15から給紙ローラ23によって搬送路24へ送給された記録用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する記録用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、画像が記録用紙に記録される。プラテン26を通過した記録用紙は、排出ローラ対22によって、搬送路24の最下流側に設けられた排紙トレイ16に排出される。
【0021】
[インクカートリッジ30]
図2〜4に示されるように、インクカートリッジ30はインクが貯留される容器である。図2に示されるように、インクカートリッジ30は、製造後の保管や輸送の際には、包装材13に包装されている。包装材13は、例えばアルミニウム蒸着された合成樹脂フィルムのように、ガス透過性の低いシート材を袋形状に加工したものである。インクカートリッジ30は、その外表面に包装材13が密着することにより密封されている。また、包装材13とインクカートリッジ30との間に存在する空気は減圧されている。ここで、包装材13とインクカートリッジ30との間は真空状態であることが好ましいが、必ずしも真空である必要はなく、大気圧より十分に低い圧力であればよい。このような減圧は、インクカートリッジ30が大気圧が低い高所に置かれた場合に、インク室36から外部へインクが吹き出さないようにする目的でなされる。減圧の程度は、例えば高度4000mに置かれた場合を想定すると、約−40kPa以下であることが好ましい。インクカートリッジ30は、使用に際して包装材13から取り出される。
【0022】
図4に示されるように、インクカートリッジ30の内部に形成されている空間がインクを貯留するインク室36である。インク室36は、インクカートリッジ30の外観を形成している本体31の筐体とは別の部材である内部フレームによって形成されていても、本体31の筐体によって形成されていてもよい。
【0023】
インクカートリッジ30は、図3,4に示された起立状態、つまり、同図の下側の面を底面とし、同図の上側の面を上面として、カートリッジ装着部110に対して矢印50で示される方向(図6参照、以下「挿入及び取出方向50」と称する。)に沿って挿抜される。挿入及び取出方向50は水平方向に沿っている。インクカートリッジ30は、起立状態のままカートリッジ装着部110に挿抜される。この起立状態が、装着姿勢に相当する。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される向きが水平方向に沿った挿入向き56であり、取り出される向きが取出向き55である。また、起立状態における上下方向52が、重力方向(鉛直方向)に相当する。すなわち、インクカートリッジ30は、挿入及び取出方向50に沿ってカートリッジ装着部110に挿入され、また、挿入及び取出方向50に沿ってカートリッジ装着部110から抜き出される。なお、本実施形態では、挿入及び取出方向50が水平方向に沿っているが、挿入及び取出方向50は、重力方向や、水平方向及び重力方向と交差する方向であってもよい。
【0024】
図3,4に示されるように、インクカートリッジ30は、略直方体形状の本体31を有する。インクカートリッジ30は、全体として、左右方向51に細く、上下方向52と前後方向53が左右方向51よりも大きい扁平形状である。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着されるときに挿入向き56前方側となる壁が前壁40であり、挿入向き56後方側となる壁が後壁42である。前壁40と後壁42とは、挿入及び取出方向50において対向している。前壁40及び後壁42は、挿入及び取出方向50に延びる左右一対の側壁37,38、側壁37,38と前壁40及び後壁42とを接続し、かつ前壁40の上端から後壁42の上端に向けて延びる上壁39、及び前壁40の下端から後壁42の下端に向けて延びる下壁41、の4つの壁によりそれぞれ区画されている。なお、挿入及び取出方向50は前後方向53と平行である。前壁40の外面が前面に相当する。後壁42の外面が後面に相当する。上壁39の外面が上面に相当する。下壁41の外面が底面に相当する。
【0025】
[本体31]
本体31の前壁40の下側に、インク供給部34が設けられている。インク供給部34は、円筒形状の外形をなしており、前壁40から挿入及び取出方向50に沿って外側へ突出している。インク供給部34の突出端にはインク供給口71が形成されている。インク供給口71が、印刷流体供給口に相当する。
【0026】
インク供給口71からインク供給部34の内部空間を通じて、挿入及び取出方向50に延びてインク室36へ通ずるインク流路72が形成されている。インク供給口71は、インク供給バルブ70によって開閉可能に構成されている。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、カートリッジ装着部110に設けられたインクニードル122(図6参照)が、インク供給口71に挿入されてインク供給バルブ70を開く。これにより、インク流路72を通ってインク室36から、カートリッジ装着部110に設けられたインクニードル122へインクが流出される。
【0027】
なお、インク供給口71は、必ずしもインク供給バルブ70によって開閉可能な構成に限定されず、例えば、インク供給口71がフィルムなどで閉塞されており、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、インクニードル122がフィルムを突き破ることによりインク供給口71が開かれる構成であってもよい。
【0028】
図3,4に示されるように、本体31の前壁40の下端には突起86が設けられている。したがって、突起86は、インク供給部34の下方に配置されている。突起86の幅は、前壁40の幅と同じである。突起86は、前壁40から後壁42から離れる向き(挿入向き56)へ突出されている。突起86の先端は、後壁42から離れる向き(挿入向き56)において、インク供給部34の先端であるインク供給口71の前側まで突出されている。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、突起86の突出端87は、カートリッジ装着部110のスライダ135(図6参照)と当接する。また、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されるに際して、突起86はガイド溝109(図6参照)に嵌入し、この嵌め合いによってインクカートリッジ30が挿入向き56へ案内される。
【0029】
図3,5に示されるように、突起86の突出端87は、左右方向51及び上下方向52へ拡がる平面である当接領域88を有する。当接領域88は、前後方向53の前側から視ると、長方形の下側の縁部89の両角部90,91が欠けた形状である。換言すると、当接領域88は、下方へ凸形状をなしている。突出端87における両角部90,91は、当接領域88と下壁41の外面である底面との接続部分がラウンド(R)加工されることによって面取りされている。したがって、両角部90,91は、当接領域88から底面に渡って曲面を形成してる。図5に示されるように、この面取りによって、両角部90,91は、当接領域88より本体31の前面40側となっており、縁部89の左右方向51の中央が、両角部90,91より前側へ突出している。縁部89は、両角部90,91のもつ曲率よりも小さな曲率を有して底面と当接領域88とを接続している。これにより、突起86の角全体に両角部90,91と同じ曲率のR加工を施したときよりも、当接領域88の面積が広くなっている。
【0030】
本体31の上壁39における前後方向53の中央付近には、係止部45が形成されている。係止部45は、インクカートリッジ30の左右方向51及び上下方向52に拡がる係止面46を有して上壁39から下側へ凹むように形成されている。係止面46には、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態で、後述される係合部材145が係合する。係止部45は、インクカートリッジ30を取出向き55に押し出させる付勢力を受けるものである。
【0031】
本体31の係止部45には、解除レバー80が設けられている。解除レバー80は、例えば、屈曲された平板形状をなしており、その長手方向が前後方向53に沿うように配置されている。解除レバー80は、その屈曲された位置に軸83を有する。この軸83が、本体31の係止面46から後壁42側へ離間された位置において回転可能に支持されている。解除レバー80は、軸83周りに回動可能である。解除レバー80において、前壁40側となる先端部81は、軸83から係止面46側へ延出されている。解除レバー80の後端部82は、軸83から後壁42側へ延出されている。
【0032】
解除レバー80に外力が付与されていない状態では、解除レバー80は、自重によって先端部81が上壁39に対して最も上側(先端部81が上壁39から最も離れた位置)に位置する。この状態において、後端部82は、本体31の上壁39より上側に位置する。先端部81は、本体31の外形よりも外側にはみ出るように位置される。解除レバー80の先端部81が下向きへ押し下げられることにより、解除レバー80は、例えば、自重に抗して図7における時計回りへ回動する。解除レバー80が最も時計回りに回動された状態において、先端部81は、係止面46より下側に位置する。なお、解除レバー80は本体31と一体にされていてもよい。また、解除レバー80は、コイルバネによって時計回りに付勢されていてもよい。その場合、解除レバー80は、後端部82が下向きに押し下げられることにより、コイルバネの付勢力に抗して反時計回りに回動される。
【0033】
[インク供給装置100]
図1に示されるように、インク供給装置100は、プリンタ10に設けられている。インク供給装置100は、プリンタ10が備える記録ヘッド21へインクを供給するものである。インク供給装置100は、インクカートリッジ30を装着可能なカートリッジ装着部110を備えている。なお、図1においては、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着された状態が示されている。
【0034】
[カートリッジ装着部110]
図6に示されるように、カートリッジ装着部110の筐体を形成するケース101は、プリンタ10の正面側に開口112を有する。開口112を通じてケース101へインクカートリッジ30が挿抜される。インクカートリッジ30は、ケース101の内部空間の天部を画定している天面に設けられたガイド溝108に上壁39側が挿入され、ケース101の内部空間の底部を画定している底面に設けられたガイド溝109に下壁41側が挿入されることによって挿入及び取出方向50へ案内される。ガイド溝108,109は、それぞれが天面及び底面から上下方向に凹んだものであり、挿入及び取出方向50に沿って直線形状に延びている。ガイド溝108,109の幅は、インクカートリッジ30の本体31の幅(左右方向51の外形寸法)より若干広く、挿入及び取出方向50に渡って概ね一定である。
【0035】
図6に示されるように、ケース101の終面102の下部に接続部103が設けられている。接続部103は、終面において、ケース101に装着された各インクカートリッジ30のインク供給部34に対応する位置に配置されている。
【0036】
接続部103は、インクニードル122と、保持部121とを有する。インクニードル122は、管状の樹脂針からなる。インクニードル122は、ケース101の終面と表裏をなす外面側でインクチューブ20に接続されている。各インクニードル122からケース101の終面と表裏をなす外面側へ引き出された各インクチューブ20は、プリンタ10の記録ヘッド21へインクを流通可能に延出されている。なお、図6においては、インクチューブ20は省略されている。
【0037】
保持部121は、円筒状に形成されている。保持部121の中心にインクニードル122が配置されている。図8(A)に示されるように、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、インク供給部34が保持部121の円筒の内側に挿入される。このとき、インク供給部34の外周面が保持部121の円筒の内周面に接触することにより、インク供給部34が保持部121に対して位置決めされつつ挿入される。インク供給部34が保持部121へ挿入されると、インクニードル122がインク供給部34のインク供給口71に挿入される。これにより、インク室36に貯留されているインクが外部へ流出可能となる。インク室36から流出されたインクは、インクニードル122へ流入する。インクニードル122が、印刷流体供給管に相当する。
【0038】
図6に示されるように、スライダ135は、カートリッジ装着部110の終面の下端側に形成された空間130に配置されている。空間130は、カートリッジ装着部110の内部空間と連続している。スライダ135は、空間130において挿入及び取出方向50に沿ってスライド可能である。スライダ135が、付勢部材に相当する。
【0039】
スライダ135は、概ね直方体の外形をなす基部136の上面から上側へ突出した当接片137を有する。基部136は、ガイド溝109の底面より下側にあり、インクカートリッジ30の突起86とは当接しない。当接片137は、ガイド溝109より上側まで突出しており、突起86と当接し得る。当接片137は、ガイド溝109に嵌入された突起86の上面の上側まで突出する。また、当接片137は、接続部103までは至っていない。当接片137において、開口112を向く面は、下側の第1面138と上側の第2面139とに区画されている。第1面138は、第2面139より開口112側にある。つまり、第1面138と第2面139とは、挿入及び取出方向50に対して段差がつけられており、第2面139が第1面138に対して奥側(開口112と反対側)へ凹んでいる。第1面138は、突起86の当接領域88と当接し得る。第2面139は、突起86の当接領域88とは当接しない。
【0040】
空間130にはコイルバネ140が設けられている。コイルバネ140は、スライダ135の基部136と、ケース101の底部の挿入向き56の端面とに接続されている。コイルバネ140は、スライダ135を開口112側、つまり、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から抜き出される向きへ、つまり開口112へ向かって、インクカートリッジ30を弾性付勢するものである。コイルバネ140が自然長である場合、つまり、スライダ135に外力が加えられていない状態では、スライダ135は、開口112側の所定の位置に配置される。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される過程で、インクカートリッジ30の突起86がスライダ135に当接して、スライダ135が空間130の終壁側へ押圧される。これにより、コイルバネ140が伸長されるとともに、スライダ135が終壁側の位置へスライドされる。伸長したコイルバネ140は、スライダ135を介してインクカートリッジ30を取出向き55へ付勢する。コイルバネ140が、弾性部材に相当する。
【0041】
図6に示されるように、係合部材145がケース101に設けられている。係合部材145は、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30を装着状態に保持するためのものである。係合部材145は、ケース101の開口112の上側に設けられている。
【0042】
係合部材145は、例えば、支軸147を中心に揺動可能に形成されている。支軸147は、例えば、係合部材145の開口112側の端部に設けられている。この支軸147は、例えば、ケース101に取り付けられている。これにより、係合部材145は、ケース101の開口112付近の上側において、支軸147を中心に開口112側に対して近づく/離れるように回動可能に支持される。係合端部146は、係合部材145の支軸147の他端側に配置される。係合端部146は、インクカートリッジ30の係止部45と係合可能である。係合端部146が係止部45と係合することにより、インクカートリッジ30がケース101に対して、スライダ135の付勢力に抗して、装着位置に保持される。係合端部146が係止部45と係合可能な位置となる係合部材145の回動位置(図8(A)参照)がロック位置と称され、係合端部146が係止部45と係合しない位置(図8(B)参照)がアンロック位置と称される。
【0043】
係合部材145は、自重又はコイルバネ(不図示)によって、重力方向下向きへ回動する。解除レバー80の先端部81が上側に移動することにより、係合部材145が支軸147を中心に上側へ回動し、ロック位置からアンロック位置へ移動する。また、各図には示されていないが、例えば、係合部材145の可動範囲は、アンロック位置より下方へ移動しないように回動が規制されている。
【0044】
[インクカートリッジ30の装着動作]
以下、図7,8が参照されつつ、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される動作が説明される。
【0045】
まず、インクカートリッジ30の使用に際して、包装材13が破断されて、インクカートリッジ30が包装材13から取り出される。そして、装着姿勢にされたインクカートリッジ30が、ケース101にインクカートリッジ30が挿入される。挿入に際して、インクカートリッジ30の最も前側にある突起86の突出端87が開口112に挿入される。図7(A)に示されるように、突出端87が、開口112に開口するガイド溝109に挿入されることにより、突起86がガイド溝109に嵌入される。突起86がガイド溝109に嵌入されることによって、インクカートリッジ30がケース101内において左右方向(図7,8に対して紙面と垂直な方向)に位置決めされる。突起86の底面がガイド溝109の底面に支持されることによって、インクカートリッジ30がケース101内において下方向に対して位置決めされる。突起86における両角部90,91はR加工されているので、突起86がガイド溝109に嵌入されるに際して、ガイド溝109の縁と両角部90,91とが接触したとしても、両角部90,91の曲面により突起86がガイド溝109内へ案内される。
【0046】
更にインクカートリッジ30がケース101の終面側へ挿入されると、係合部材145の係合端部146が、本体31の上壁39に乗りあがる。これにより、係合部材145が図7における反時計回りに回動して、ロック位置からアンロック位置へ移動する。更に、インクカートリッジ30がケース101の終面側へ挿入されると、係合部材145は、上壁39を係止部45側へ摺動していく。
【0047】
図7(B)に示されるように、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程において、突起86はスライダ135の当接片137と当接する。詳細には、突起86の当接領域88が、当接片137の第1面138と当接する。そして、更にインクカートリッジ30が終面102側へ挿入されることにより、当接片137の第1面138が奥側へ押圧される。これにより、スライダ135が、コイルバネ140を弾性的に伸長させながら奥側へ移動する。コイルバネ140が弾性的に伸長されることによって、当接片137を介して突起86の当接領域88に、取出向き55への付勢力が付与される。
【0048】
また、インクカートリッジ30のインク供給部34は保持部121に接し、インクニードル122が、インク供給部34のインク供給口71に挿入される。インクニードル122がインク供給口71に挿入されてバルブ70に接し、さらにインクカートリッジ30が挿入向き56へ移動されると、バルブ70がインクニードル122に押されてインク供給口71から離れる。そして、インク供給部34が保持部121に挿入され、かつ、インクニードル122がインク供給口71に挿入されることにより、インクカートリッジ30の本体31がケース101に対して、所定の位置に装着される。各図には示されていないが、インクニードル122の先端にはインク導入口が設けられているので、このインク導入口を通じて、インク室36からインクニードル122へインクが流入する。
【0049】
また、インクカートリッジ30が装着位置に到達すると、図8(A)に示されるように、本体31の係止部45における係止面46が、係合部材145の係合端部146を挿入向き56へ通り過ぎる。これにより、係合部材145が図8における時計回りへ回動して係合部45に位置し、係合端部146が係止面46に接する。係合部材145が係止部45に係合することにより、インクカートリッジ30が、コイルバネ140の付勢に抗して、装着位置に保持される。このようにして、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了する。
【0050】
カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着された状態においては、解除レバー80の先端部81は、係合部材145の係合端部146より下側に位置されている。また、解除レバー80の後端部82は、係止部45の底面から離間されて、本体31の上壁39より上側に位置されている。
【0051】
インクカートリッジ30のインク室36内のインクが消費されると、使用済みのインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から取り外され、新しいインクカートリッジ30が装着される。
【0052】
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から取り外されるときには、解除レバー80の後端部82が、ユーザによって下向きへ押し下げられる。これにより、解除レバー80の先端部81が上向きへ移動して、係止部45の底面から離間する。この先端部81の移動に伴って、係合部材145が、解除レバー80の先端部81により上側へ押し上げられる。これにより、係合部材145の係合端部146が係止面46より上側となるまで、つまり係合端部146が係止面46から離間するまで係合部材145が回動される。すなわち、係合部材145がロック位置からアンロック位置まで回動されて、係合部材145によるインクカートリッジ30の保持が解除される。
【0053】
係合部材145の係合端部146が係止面46から離間されることにより、突起86を介して本体31に付与されている外力、すなわちコイルバネ140による付勢力によって、本体31は、取出向き55へ移動しようとする。一方、ユーザが解除レバー80を下向きへ押し下げているので、コイルバネ126などによる付勢力は、解除レバー80を介して、ユーザの手によって受け止められる。そして、ユーザが本体31を取出向き55へ取り出すことにより、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から取り外される。
【0054】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30は、突起86の当接領域88が当接片137に当接する。このとき、当接片137は、コイルバネ140に近い側の第1面138が、遠い側の第2面139よりも開口112側に配置されているので、当接領域88は第1面138に優先的に当接する。これにより、コイルバネ140からの付勢力は当接領域88に作用する。当接領域88が突起86の左右方向51の中央に位置しているので、突起86の左右方向51に対してバランスよく付勢力が作用する。また、当接領域88が突起86の最も下側に位置しているので、当接片137より下側の基部136に作用するコイルバネ140の付勢力に対して、インクカートリッジ30の上下方向のオフセットを最小にすることができる。換言すると、スライダ135についてみれば、スライダ135は、コイルバネ140に近い側の第1面138においてインクカートリッジ30からの押圧力を受けるので、ケース101の底部に対して傾きにくい。したがって、スライダ135の挿入向き56へのスライドが円滑になる。これにより、カートリッジ装着部110におけるスライダ135の動作やインクカートリッジ30の移動が安定するという利点がある。
【0055】
また、突起86の下側の縁部89において、左右方向51の中央は大きな面取り加工を行う必要がないので、当接領域88を下側へ広く確保することができる。一方、当接領域88の両側の角部90,91は当接領域88より本体31の前壁40側にあるので、面取り加工を施すことができる。インクカートリッジ30が包装材13に包装されて、包装材13とインクカートリッジ30との間の空間が減圧されると、包装材13がインクカートリッジ30の外形に沿って密着するが、突起86の両角部90,91が面取り加工されているので、角部90,91によって包装材13が破断されるおそれが軽減される。
【0056】
また、カートリッジ装着部110に設けられたガイド溝109に突起86が嵌入されてインクカートリッジ30が挿入向き56へ案内されるが、突起86の両角部90,91が当接領域88より本体31の前壁40側にあるので、左右方向に対して、ガイド溝109へ突起86を挿入しやすい。
【0057】
また、インクカートリッジ30の本体31の前壁40における突起86の上側に、インク供給部34が設けられているので、インク供給部34から垂れ落ちたインクが突起86の上面に受けられる。これにより、インクカートリッジ30をカートリッジ装着部110へ装着又は取り出すときに、インク供給部34からインクが垂れ落ちても、カートリッジ装着部110内がインクで汚されることが抑制される。
【0058】
また、スライダ135の当接片137は、第1面138を下側に有し、第1面138より挿入向き56へ凹んだ第2面139を上側に有するので、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ挿入されるときに、上下方向に対して傾くような姿勢となっても、突起86の当接領域88が、当接片137の第2面139に当接することが防止される。突起86の当接領域88が当接片137の第1面138に安定して当接することにより、カートリッジ装着部110におけるスライダ135の動作やインクカートリッジ30の移動が安定する。また、当接片137は、突起86の当接領域88と当接した上において、突起867の上面より上側まで突出しているので、突起86の上面に垂れ落ちたインクが、当接片137を越えてカートリッジ装着部110の内部へ進入することが抑制される。
【0059】
[変形例]
なお、前述された実施形態では、突起86の両角部90,91が面取り加工されることによって、両角部90,91が当接領域88より本体31の前壁40側になる形状とされているが、突起86の突出端87において、挿入向き56へ膨出する半球面とされた当接領域92が形成されることによって、両角部90,91が当接領域92より本体31の前壁40側となる形状にされてもよい。
【0060】
図9に示されるように、突起86の突出端87は、左右方向51及び上下方向52へ拡がる平面である端面93から外側へ膨出する当接領域92を有する。当接領域92は、前後方向53の前側から視ると、長方形の下側の縁部89の中央に配置された半球形状である。突出端87における縁部89は、当接領域92以外の箇所は、両角部90,91に渡って、端面93と下壁41の外面である底面との接続部分がラウンド(R)加工されることによって面取りされている。したがって、縁部89における当接領域92以外の箇所は、端面93から底面に渡って曲面を形成してる。このような当接領域92が設けられることによって、両角部90,91は、当接領域92より本体31の前面40側となっており、縁部89の左右方向51の中央において、当接領域92が両角部90,91より前側へ突出している。このような当接領域92が設けられても、前述された実施形態と同様の作用効果が奏される。なお、この当接領域92は、両角部90,91の間に複数が形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10・・・プリンタ(画像記録装置)
21・・・記録ヘッド(記録部)
30・・・インクカートリッジ(印刷流体カートリッジ)
31・・・本体
34・・・インク供給部(印刷流体供給口)
40・・・前壁(前面)
86・・・突起
87・・・突出端
88,92・・・当接領域
89・・・縁部
90,91・・・角部
100・・・インク供給装置(印刷流体供給装置)
109・・・ガイド溝(溝)
110・・・カートリッジ装着部
112・・・開口
122・・・インクニードル(印刷流体供給管)
135・・・スライダ(付勢部材)
137・・・当接片
138・・・第1面
139・・・第2面
140・・・コイルバネ(弾性部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を通じてカートリッジ装着部に装着可能であり、当該カートリッジ装着部に鉛直方向と交差する挿入向きへ装着された状態において、開口へ向かって付勢部材に付勢される印刷流体カートリッジであって、
上記印刷流体カートリッジは、
上記開口へ挿入される本体と、
装着姿勢における上記本体における挿入向きの前面の下側から挿入向きへ突出されており、その突出端が上記付勢部材と当接する突起と、を具備し、
上記突起の突出端は、挿入向き及び上下方向と直交する左右方向に延びる下側の縁部の中央に、上記付勢部材と当接する当接領域を有し、当該当接領域の左右方向の両側の角部が当接領域より上記本体側にある印刷流体カートリッジ。
【請求項2】
上記当接領域は、上下方向及び左右方向へ拡がる平面である請求項1に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項3】
上記当接領域は、挿入向きへ膨出する半球面である請求項1に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項4】
上記角部は、曲面である請求項1から3のいずかに記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項5】
上記突起は、上記カートリッジ装着部に設けられた溝に嵌入して当該印刷流体カートリッジの挿入方向へ案内されるものである請求項1から4のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項6】
上記本体は、上記前面における上記突起の上側に、印刷流体を流出するための印刷流体供給口を有するものである請求項1から5のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項7】
印刷流体カートリッジが開口を通じてカートリッジ装着部に装着可能であり、当該カートリッジ装着部に鉛直方向と交差する挿入向きへ装着された状態において、開口へ向かって付勢部材に付勢される印刷流体供給装置であって、
上記印刷流体カートリッジは、
上記開口へ挿入される本体と、
上記本体における挿入向きの前面の下側から挿入向きへ突出されており、その突出端が上記付勢部材と当接する突起と、を具備し、
上記突起の突出端は、挿入向き及び上下方向と直交する左右方向に延びる下側の縁部の中央に、上記付勢部材と当接する当接領域を有し、当該当接領域の左右方向の両側の角部が当接領域より上記本体側にある印刷流体供給装置。
【請求項8】
上記当接領域は、上下方向及び左右方向へ拡がる平面である請求項7に記載の印刷流体供給装置。
【請求項9】
上記当接領域は、挿入向きへ膨出する半球面である請求項7に記載の印刷流体供給装置。
【請求項10】
上記角部は、曲面である請求項7から9のいずかに記載の印刷流体供給装置。
【請求項11】
上記カートリッジ装着部は、内部空間の底面に挿入方向へ延びる溝を有しており、
上記突起は、上記カートリッジ装着部の溝に嵌入して当該印刷流体カートリッジの挿入方向を案内するガイドである請求項7から10のいずれかに記載の印刷流体供給装置。
【請求項12】
上記本体は、上記前面における上記突起の上側に、印刷流体を流出するための印刷流体供給口を有するものであり、
上記カートリッジ装着部は、上記印刷流体カートリッジの開口に挿入されてインクが流入する印刷流体供給管を有する請求項7から11のいずれかに記載の印刷流体供給装置。
【請求項13】
上記付勢部材は、上記突起の上面より上側へ突出する当接片を有するものであり、
上記当接片は、上記突起の当接領域と当接する第1面を下側に有し、当該第1面の上側に第1面より挿入向きへ凹んだ第2面を有するものである請求項7から12のいずれかに記載の印刷流体供給装置。
【請求項14】
上記付勢部材は、上記当接片の下側において弾性部材から挿入向きと反対向きの付勢力を受けているものである請求項13に記載の印刷流体供給装置。
【請求項15】
請求項7から14のいずれかに記載の印刷流体供給装置と、
上記液体供給装置から供給された印刷流体を被記録媒体に付着させて画像記録を行う記録部と、を具備する画像記録装置。
【請求項16】
本体と、
装着姿勢における上記本体における挿入向きの前面の下側から挿入向きへ突出された突起と、を具備し、
上記突起の突出端は、挿入向き及び上下方向と直交する左右方向に延びる下側の縁部の中央に領域を有し、当該領域の左右方向の両側の角部が当該領域より上記本体側にある印刷流体カートリッジ。
【請求項17】
上記領域は、平面であり、上記角部は、曲面である請求項16に記載の印刷流体カートリッジ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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