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印刷版材料及び印刷版材料の画像形成方法
説明

印刷版材料及び印刷版材料の画像形成方法

【課題】 本発明の目的は、露光装置汚染や印刷機汚染が少なく、地汚れ防止性、耐刷性に優れ、かつ可視画性に優れる印刷版材料及び印刷版材料の画像形成方法を提供することにある。
【解決手段】 親水性表面を有する基材上に画像形成層を有する印刷版材料において、該親水性表面の反射濃度が1.0以上であり、該画像形成層の反射濃度が該親水性表面の反射濃度より0.2以上低いことを特徴とする印刷版材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷版材料及び印刷版材料の画像形成方法に関し、特にコンピューター・トゥー・プレート(CTP)方式により画像形成が可能な印刷版材料及び印刷版材料の画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、印刷の分野においては、印刷画像データのデジタル化に伴い、CTP方式による印刷が行われるようになってきているが、この印刷においては、安価で取り扱いが容易で従来の所謂PS版と同等の印刷適性を有したCTP方式用印刷版材料が求められている。
【0003】
特に近年、特別な薬剤(例えばアルカリ、酸、溶媒など)を含む処理液による現像処理を必要とせず、従来の印刷機に適用可能である印刷版材料が求められており、例えば、全く現像処理を必要としない相変化タイプの印刷版材料、水もしくは水を主体とした実質的に中性の処理液で処理をする印刷版材料、印刷機上で印刷の初期段階で現像処理を行い特に現像工程を必要としない印刷版材料などの、ケミカルフリータイプ印刷版材料やプロセスレスタイプ印刷版材料と呼ばれる印刷版材料が知られている。
【0004】
一方、これらのCTP方式においても従来のPS版と同様に所謂検版という作業が、現状のワークフローにおいては必要とされ、また印刷機に取り付ける際に必要なパンチング(取り付け用の穴あけ)を現像後に行う場合には、トンボ画像を専用装置で読み取って正確な位置調整を行うため、装置で読み取り可能なように画像部と非画像部とで、反射濃度に差があることが必要とされる場合があり、所謂現像可視画性をもつことが必要とされてる。
【0005】
又、全く現像処理を必要としない印刷版材料や印刷機上で現像を行うプロセスレスタイプの印刷版材料においては、印刷機に取り付ける際に必要なパンチングを露光後に行うため、所謂露光可視画性をもつことが必要とされている。
【0006】
上記の水もしくは水を主体とした実質的に中性の処理液で処理をする印刷版材料としては、例えば、アルミ砂目上に熱可塑性微粒子、水溶性の結合剤、光熱変換剤、着色剤等を含有し、水もしくは水を主体とした実質的に中性の処理液で除去可能な熱融着画像形成層を設けた熱融着画像層タイプの印刷版材料が挙げられる(特許文献1参照)。
【0007】
上記印刷版材料は露光部の画像形成層が発熱し、熱可塑性微粒子が融着して水等の処理液で除去されない親油性の画像部となるネガ版であって、着色剤としては、アルミ砂目(灰色)に対してコントラストが得られるよう、濃度の高い着色剤が選ばれる。
【0008】
例えば、着色剤としてカーボンブラック等の黒色の着色剤を用いることで光熱変換剤と着色剤とを兼ねて用いられる。
【0009】
しかしながら、上記のような構成の画像形成層は水等の処理液で除去可能な状態で形成されるため、洗浄後にも画像部には部分的に耐水性が低い領域が残存することは避け難い。したがって、湿し水を用いた印刷においては、上記処理より強い力が画像部に加わるために上述の耐水性が低い領域が印刷機上で除去される場合があり、この際画像形成層に濃度の高い着色剤が用いられていると、湿し水やインクに着色剤が混入して印刷機汚染(所謂色濁り)となる場合がある。
【0010】
また、プロセスレスタイプの印刷版材料の画像形成に主として用いられるのは近赤外〜赤外線の波長を有するサーマルレーザー記録方式である。この方式で画像形成可能なサーマルプロセスレスプレートには、大きく分けて、後述するアブレーションタイプと熱融着画像層機上現像タイプ、および相変化タイプが存在する。
【0011】
アブレーションタイプとしては、例えば、特開平8−507727号、同6−186750号、同6−199064号、同7−314934号、同10−58636号、同10−244773号に記載されているものが挙げられる。
【0012】
これらは、例えば、基材上に親水性層と親油性層とをいずれかの層を表層として積層したものである。表層が親水性層であれば、画像様に露光し、親水性層をアブレートさせて画像様に除去して親油性層を露出することで画像部を形成することができる。ただし、アブレートした表層の飛散物による露光装置内部の汚染が問題となるため、親水性層上にさらに水溶性の保護層を設けてアブレートした表層の飛散を防止し、印刷機上で保護層とともにアブレートした表層を除去する方式も提案されている。
【0013】
アブレーションタイプの場合、表層とその下の層との色相を異なるものとしておくことで露光可視画性を付与することが可能であるが、そのためには表層を完全にアブレートさせて除去する必要がある。これは、例えば露光装置内にアブレーション飛散物を吸引除去するようなクリーナーを設置することで達成は可能であるが装置コストが大幅に上がるという問題点がある。
【0014】
上述のような保護層を設けたタイプでは、アブレーション飛散物が残存するため、たとえ表層とその下の層との色相を異なるものとしておいたとしても良好な露光可視画性は得ることは難しい。
【0015】
又、上記を解決する手段として、「印刷機上で除去可能な親水性オーバーコート層に、露光によって光学濃度を変化させることのできるシアニン系赤外線吸収色素を20質量%以上含有させる」方法が開示されている(特許文献2参照。)。
【0016】
この方法によれば確かに良好な露光可視画性が得られるが、印刷機上で除去される層中に多量の色素を含有させ、露光によって色素をさらに発色させるにしろ退色させるにしろ、露光部もしくは未露光部のいずれかは発色濃度の高い層となるため、機上現像による印刷機汚染は避けるのは難しい。
【0017】
一方、熱融着画像層機上現像タイプとしては、特許2938397号や特許2938397号に開示されているような、親水性層もしくはアルミ砂目上に画像形成層に熱可塑性微粒子と水溶性の結合剤とを用いたものが挙げられる。
【0018】
このタイプで露光可視画性を付与するには、赤外線吸収色素の露光退色を利用したものが挙げられるが、このような色素を画像形成層に添加した場合、未露光部と露光部との色差を大きくして露光可視画性を向上させることは、即ち未露光部の着色濃度を上げることになり、未露光部の機上現像時の印刷機汚染が大きくなる。(特許文献3参照。)。
【0019】
また、相変化タイプとしては、印刷時に除去されない親水性層中に、疎水化前駆体粒子を含有させ、露光部を親水性から親油性へと相変化させるというものが挙げられる。
【0020】
このタイプで露光可視画性を付与するには、上述のような赤外線吸収色素の露光退色を利用したものが挙げられる。しかし、親水性層の親水性を維持するためには含有させる赤外線吸収色素も親水性、つまりは水溶性のものを使用することが好ましいが、この場合は印刷中に色素が湿し水中に溶出する場合があり、上記同様の印刷機汚染が多くなる。
【0021】
一方で、色素の溶出がないように非水溶性の色素を用いると、親水性層の親水性が低下し、地汚れ等の問題が生じる。
【0022】
又、印刷機上で現像可能な印刷版材料として、画像形成層中にロイコ色素とその顕色剤といったような感熱発色する素材を含有させ、露光部、即ち親油性の画像部のみを発色させる印刷版材料が知られている(特許文献1参照)。
【0023】
この印刷版材料では、印刷機上で除去される非画像部の画像形成層は比較的着色濃度が低いため、露光退色を利用する方法よりも印刷機汚染(色濁り)は低減するが、発色した画像部にはやはり部分的に耐水性が低い領域が残存することは避けられず、発色画像部による印刷機汚染(色濁り)が生ずることがあったり、印刷枚数が多くなると小点の再現性が悪くなる場合があった。
【0024】
このように、従来の技術では、ケミカルフリーCTPやプロセスレスCTPにおいて、露光装置汚染や印刷機汚染を少なくして、地汚れを防止し、高耐刷性を保ち、かつ充分な可視画性を付与することが非常に困難であった。
【特許文献1】特開2000−225780号公報
【特許文献2】特開平11−140270号公報
【特許文献3】特開2002−205466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明の目的は、露光装置汚染や印刷機汚染が少なく、地汚れ防止性、耐刷性に優れ、かつ可視画性に優れる印刷版材料及び印刷版材料の画像形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の目的は、下記手段により達成される。
【0027】
(請求項1)
親水性表面を有する基材上に画像形成層を有する印刷版材料において、該親水性表面の反射濃度が1.0以上であり、該画像形成層の反射濃度が該親水性表面の反射濃度より0.2以上低いことを特徴とする印刷版材料。
【0028】
(請求項2)
前記画像形成層の反射濃度が前記親水性表面の反射濃度より0.3以上低いことを特徴とする請求項1に記載の印刷版材料。
【0029】
(請求項3)
前記画像形成層の反射濃度が前記親水性表面の反射濃度より0.4以上低いことを特徴とする請求項2に記載の印刷版材料。
【0030】
(請求項4)
前記画像形成層が白色顔料を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷版材料。
【0031】
(請求項5)
前記画像形成層が実質的に水で現像可能な層であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷版材料。
【0032】
(請求項6)
前記画像形成層が印刷機上現像可能な層であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の印刷版材料。
【0033】
(請求項7)
請求項1乃至6に記載の印刷版材料を画像露光および現像処理を行い、画像露光での未露光部の画像形成層を除去することを特徴とする印刷版材料の画像形成方法。
【0034】
(請求項8)
請求項1に記載の印刷版材料に画像露光を行い、該画像露光による露光部の印刷版材料表面の反射濃度を露光前の印刷版材料表面の反射濃度に対して0.2以上増加させることを特徴とする印刷版材料の画像形成方法。
【0035】
(請求項9)
前記画像形成層が熱溶融性白色顔料を含有することを特徴とする請求項8に記載の印刷版材料の画像形成方法。
【0036】
(請求項10)
請求項8または9に記載の、印刷版材料の画像形成方法に用いられることを特徴とする印刷版材料。
【発明の効果】
【0037】
本発明の構成により、露光装置汚染や印刷機汚染が少なく、地汚れ防止性、耐刷性に優れ、かつ可視画性に優れる印刷版材料及び印刷版材料の画像形成方法が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明は、親水性表面を有する基材上に画像形成層を有する印刷版材料において、該親水性表面の反射濃度が1.0以上であり、該画像形成層の反射濃度が該親水性表面の反射濃度より0.2以上低いことを特徴とする(以下第一の態様と称する)。
【0039】
又、本発明は印刷版材料の画像形成方法において、上記印刷版材料を画像露光および現像処理を行い、画像露光での未露光部の画像形成層を除去することを特徴とする(以下第二の態様と称する)。
【0040】
さらに、本発明は、親水性表面を有する基材上に画像形成層を有する印刷版材料であって、この親水性表面の反射濃度が1.0以上であり、この画像形成層の反射濃度がこの親水性表面の反射濃度より0.2以上低い印刷版材料に画像露光を行い、この画像露光による露光部の印刷版材料表面の反射濃度を露光前の印刷版材料表面の反射濃度に対して0.2以上増加させることを特徴とする(以下第三の態様と称する)。
【0041】
本発明における反射濃度とは、Gretag−Macbeth社製の反射濃度計:D−196を用い、絶対白基準で濃度測定を行なって得られた濃度の数値である。
【0042】
親水性表面を有する基材が光透過性である場合には、測定を白色台(具体的には印刷に用いるコート紙を4枚重ねたものを敷いた台)上で行なう。
【0043】
本発明に係る親水性表面とは、印刷時に非画像部となり得る層の表面であり、親水性表面の反射濃度とは、前記非画像部となり得る層の表面の反射濃度のことをいい、現像により画像形成層が除去された印刷版材料の表面の反射層度を測定することにより得られた値をいう。
【0044】
画像形成層の反射濃度とは、前記基材上にこの画像形成層を設けた後、この印刷版材料の画像形成層が設けられた側の表面を測定することにより得られた値をいう。
【0045】
(第一、二の態様)
上記第一及び第二の態様は、以下のステップにより達成できる。
【0046】
a.その表面の反射濃度が1.0以上である親水性表面を有する基材を作成するステップ。
【0047】
b.この親水性表面を有する基材上に画像形成層を形成して表面反射濃度を0.2以上低減させた印刷版材料とするステップ。
【0048】
c.この印刷版材料を画像露光して露光部の画像形成層をこの親水性表面を有する基材上に固定するステップ。
【0049】
d.露光後の印刷版材料を現像処理し、未露光部の画像形成層を除去するステップ。
【0050】
(親水性表面を有する基材)
本発明に係る親水性表面を有する基材は、その表面の反射濃度が可視画性の面から1.0以上であることが必要であり、1.0〜3.0が好ましく、1.5〜3.0が特に好ましい。
【0051】
親水性表面を有する基材としては、以下の(A)、(B)が挙げられるが、これに限られるものではない。
【0052】
(A)アルミニウム、アルミニウム合金板に粗面化処理、陽極酸化処理を行い、さらに陽極酸化層に公知の着色処理を行なって反射濃度を1.0以上とした基材。
【0053】
(B)任意の基材上に着色剤を含有する親水性層を形成して反射濃度を1.0以上とした基材。
【0054】
(A)の基材の粗面化処理、陽極酸化処理については、アルミ砂目製造の公知の方法を適宜適用することができる。陽極酸化層の着色処理としては、電解着色法による着色が好ましい。
【0055】
具体的には、特開2000−267291号に記載されているような方法を用いることができる。陽極酸化層の着色処理の後に、公知の親水化処理を行なうことが好ましい。
【0056】
(B)の基材については、着色剤の色相は特に限定されるものではないが、光熱変換能を有する着色剤であることが感度向上の点から好ましく、光熱変換効率をより向上させるために黒色顔料であることがより好ましい。
【0057】
また親水性層の親水性を低下させないために、着色剤は金属酸化物であるか、もしくは、金属酸化物で被覆されていることが好ましい。
【0058】
このような良好な光熱変換能を有し、かつ、親水性を低下させない着色剤としては、チタンブラックや、特開2002−370465号に記載されているCu−Fe−Mnの複合金属酸化物顔料や、黒色酸化鉄顔料、特開2001−47755号に記載のシリカ素材で被覆されたカーボンブラック顔料等を挙げることができる。これらの光熱変換能を有する着色剤としては、後述の光熱変換材を挙げることができる。
【0059】
親水性層の反射濃度を1.0以上とするには、親水性層中の上記顔料のような着色剤粒子の粒子径、分散度、含有量、親水性層乾燥付量等を適宜制御することで達成することが可能である。
【0060】
具体的には、親水性層中の着色剤含有量は感度、耐刷性の面から10質量%〜80質量%であることが好ましく、20質量%〜70質量%であることがより好ましい。
【0061】
親水性層の乾燥付量としては、反射濃度、親水性層の基材への接着性などの面から0.5g/m2〜20g/m2であることが好ましく、1g/m2〜10g/m2であることがより好ましい。
【0062】
本発明においては、表面反射濃度を比較的簡便に1.0以上に、好ましくは1.5以上にすることが可能である点から、(B)の親水性層を形成した基材を用いることが好ましい態様である。この親水性には、親水性素材を含む。
【0063】
親水性層に用いられる親水性素材としては、実質的に水に不溶で親水性の素材が好ましく、特に金属酸化物が好ましい。
【0064】
金属酸化物としては、金属酸化物微粒子を含むことが好ましい。例えば、コロイダルシリカ、アルミナゾル、チタニアゾル、その他の金属酸化物のゾルが挙げられる。
【0065】
金属酸化物微粒子の形態としては、球状、針状、羽毛状、その他の何れの形態でも良い。平均粒径としては、3〜100nmであることが好ましく、平均粒径が異なる数種の金属酸化物微粒子を併用することもできる。又、粒子表面に表面処理がなされていても良い。
【0066】
上記の中でも特にコロイダルシリカが好ましく使用できる。
【0067】
また金属酸化物として多孔質金属酸化物粒子を含むことが好ましい。
【0068】
多孔質金属酸化物粒子としては、多孔質シリカ又は多孔質アルミノシリケート粒子もしくはゼオライト粒子を好ましく用いることができる。
【0069】
多孔質金属酸化物粒子の粒径としては、親水性層に含有されている状態で、実質的に1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることが更に好ましい。
【0070】
本発明に用いることができる親水性層には、前記の着色剤に加えて後述の光熱変換材を含有させてもよい。
【0071】
また本発明に用いることができる親水性層中には親水性有機樹脂を含有させてもよい。
【0072】
親水性有機樹脂としては、例えばポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、ビニル系重合体ラテックス、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の樹脂及びオリゴ糖、多糖類、澱粉などのセルロース誘導体が挙げられる。
【0073】
また、親水性層形成のための親水性層塗布液には、塗布性改善等の目的で水溶性の界面活性剤を含有させることができる。Si系、又はF系等の界面活性剤を使用することができるが、特にSi元素を含む界面活性剤を使用することが印刷汚れを生じる懸念がなく、好ましい。
【0074】
(基材)
本発明に係る基材は画像形成層を担持し得る板状体あるいはフィルム体であり、印刷版の基材として使用される公知の材料を使用することができる。
【0075】
例えば、金属板、プラスチックフィルム、ポリオレフィン等で処理された紙、上記材料を適宜貼り合わせた複合基材等が挙げられる。
【0076】
基材の厚さとしては、印刷機に取り付け可能であれば特に制限されるものではないが、50〜500μmのものが一般的に取り扱いやすい。
【0077】
金属板としては、鉄、ステンレス、アルミニウム等が挙げられるが、比重と剛性との関係から特にアルミニウムが好ましい。アルミニウム板は、通常その表面に存在する圧延・巻取り時に使用されたオイルを除去するためにアルカリ、酸、溶剤等で脱脂した後に使用される。
【0078】
プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、セルロースエステル類等を挙げることができる。
【0079】
プラスチックフィルムとしては、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましい。
【0080】
これらプラスチックフィルムは塗布層との接着性を向上させるために、塗布面に易接着処理や下塗り層塗布を行うことが好ましい。易接着処理としては、コロナ放電処理や火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射処理等が挙げられる。また、下塗り層としては、ゼラチンやラテックスを含む層等が挙げられる。下塗り層に、有機または無機の公知の導電性素材を含有させることもできる。
【0081】
また、裏面のすべり性を制御する(例えば版胴表面との摩擦係数を低減させる)目的で、裏面コート層を設けた基材も好ましく使用することができる。
【0082】
(画像形成層)
本発明の画像形成層は、画像露光により露光された部分が印刷時インキを着肉する画像部となり、未露光部がインキ反発性で保水性である非画像部となる、ネガ型の画像形成層である。
【0083】
本発明に係る画像形成層を基材上に設けた際の反射濃度は親水性表面を有する基材の表面の反射濃度より0.2以上低い。
【0084】
上記の反射濃度を0.2以上低くするには、上記の基材上に、透明性が低く、淡色、好ましくは白色に着色している画像形成層、例えば層中に白色顔料を適宜含有させた画像形成層を設けることにより達成できる。
【0085】
本発明に係る画像形成層の反射濃度は親水性表面を有する基材の表面の反射濃度より0.2以上低いことが必要であるが、さらに0.3以上低いことが好ましく特に0.4以上低いことが好ましく、このような態様は、下記の白色顔料の粒径、含有量、画像形成層の付量などを調製することで達成できる。
【0086】
(白色顔料)
本発明に係る白色顔料は、白色を呈する粒子であり、それ自体が白色の粒子あるいは粒子状にすることにより白色を呈するものも含む。
【0087】
本発明に係る白色顔料としては、例えば公知の白色顔料(シリカ、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、酸化チタン等)を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0088】
第一、第二態様においては、白色顔料としては、画像形成層中への含有量を低く抑えることができ、また、画像形成層の乾燥付量も低く抑えることができるように、隠蔽力が高い白色顔料を用いることが好ましい。
【0089】
画像形成層中への白色顔料の含有量を低く抑えることで相対的に画像形成層中の画像形成素材含有量を増加させることができるため、耐刷性を向上させることが可能となり、また、画像形成層の乾燥付量も低く抑えることで、画像形成層の熱容量を低減させることができ、感度向上につなげることができる。
【0090】
このような隠蔽力の高い白色顔料としては、無機顔料としては酸化チタン、有機顔料としては、中空構造を有するポリマー粒子を挙げることができる。
【0091】
特に、中空ポリマー粒子は塗布液中での沈降が少なく、好ましく使用することができる。中空ポリマー粒子としては、例えばJSR社製のSX866(スチレンアクリル、外径:0.3μm、内径:0.2μm)やロームアンドハース社製のローペイクシリーズ等を挙げることができる。
【0092】
白色顔料の粒径としては、隠蔽力と解像度の両立という面から0.05μm〜2.0μmが好ましく、特に0.1μm〜1.0μmが好ましい。
【0093】
画像形成層中の白色顔料の含有量としては、隠蔽力、耐刷性の面から5〜90質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましい。
【0094】
また、画像形成層の乾燥付量としては、感度、隠蔽力の面から0.2〜4g/m2が好ましく、0.3〜1g/m2がより好ましい。
【0095】
(画像形成層の素材)
本発明に係る画像形成層は、画像露光により、実質的に水で現像可能な層であることが好ましい。
【0096】
実質的に水で現像可能とは、とは99質量%以上の水を含有し、pHが6〜8である水溶液で画像形成層の未露光部が除去可能なことをいう。
【0097】
本発明に係る画像形成層は、画像形成層の露光部を、露光前の実質的に水で親水性層上から除去されうる状態から除去されない状態へと画像形成層を変化させ得る画像形成素材を含有することが好ましい。
【0098】
画像形成素材としては、疎水性の熱溶融性素材、熱融着性素材、後述のイソシアネート等を好ましく用いることができる。
【0099】
熱溶融性素材あるいは熱融着性素材は微粒子の状態で用いるのが好ましい。
【0100】
熱溶融性微粒子は、熱可塑性素材の中でも特に溶融した際の粘度が低く、一般的にワックスとして分類される素材で形成された微粒子である。物性としては、軟化点40℃以上120℃以下、融点60℃以上150℃以下であることが好ましく、軟化点40℃以上100℃以下、融点60℃以上120℃以下であることが更に好ましい。融点が60℃未満では保存性が問題であり、融点が300℃よりも高い場合はインク着肉感度が低下する。
【0101】
使用可能な素材としては、パラフィン、ポリオレフィン、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、脂肪酸系ワックス等が挙げられる。これらは分子量800から10000程度のものである。又、乳化しやすくするためにこれらのワックスを酸化し、水酸基、エステル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ペルオキシド基などの極性基を導入することもできる。
【0102】
更には、軟化点を下げたり作業性を向上させるためにこれらのワックスにステアロアミド、リノレンアミド、ラウリルアミド、ミリステルアミド、硬化牛脂肪酸アミド、パルミトアミド、オレイン酸アミド、米糖脂肪酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド又はこれらの脂肪酸アミドのメチロール化物、メチレンビスステラロアミド、エチレンビスステラロアミドなどを添加することも可能である。又、クマロン−インデン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、アクリル樹脂、アイオノマー、これらの樹脂の共重合体も使用することができる。
【0103】
これらの中でもポリエチレン、マイクロクリスタリン、脂肪酸エステル、脂肪酸の何れかを含有することが好ましい。これらの素材は融点が比較的低く、溶融粘度も低いため、高感度の画像形成を行うことができる。又、これらの素材は潤滑性を有するため、印刷版材料の表面に剪断力が加えられた際のダメージが低減し、擦りキズ等による印刷汚れ耐性が向上する。
【0104】
又、熱溶融性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は機上現像性、解像度などの面より、0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。
【0105】
又、熱溶融性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。
【0106】
被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
層中の熱溶融性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
【0107】
本発明に用いられる熱融着性微粒子としては、熱可塑性疎水性高分子重合体微粒子が挙げられ、高分子重合体微粒子の軟化温度に特定の上限はないが、温度は高分子重合体微粒子の分解温度より低いことが好ましい。高分子重合体の重量平均分子量(Mw)は10、000〜1、000、000の範囲であることが好ましい。
【0108】
高分子重合体微粒子を構成する高分子重合体の具体例としては、例えば、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−ブタジエン共重合体等のジエン(共)重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の合成ゴム類、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、メチルアクリレート−(N−メチロールアクリルアミド)共重合体、ポリアクリロニトリル等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体等のビニルエステル(共)重合体、酢酸ビニル−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン等及びそれらの共重合体が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ビニルエステル(共)重合体、ポリスチレン、合成ゴム類が好ましく用いられる。
【0109】
高分子重合体微粒子は乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、気相重合法等、公知の何れの方法で重合された高分子重合体からなるものでもよい。溶液重合法又は気相重合法で重合された高分子重合体を微粒子化する方法としては、高分子重合体の有機溶媒に溶解液を不活性ガス中に噴霧、乾燥して微粒子化する方法、高分子重合体を水に非混和性の有機溶媒に溶解し、この溶液を水又は水性媒体に分散、有機溶媒を留去して微粒子化する方法等が挙げられる。又、何れの方法においても、必要に応じ重合あるいは微粒子化の際に分散剤、安定剤として、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の界面活性剤やポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を用いてもよい。
【0110】
又、熱融着性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は機上現像性、解像度などの面から0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。
【0111】
又、熱融着性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。
【0112】
被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
層中の熱可塑性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
【0113】
マイクロカプセルとしては、例えば特開2002−2135号や特開2002−19317号に記載されている疎水性素材を内包するマイクロカプセルを挙げることができる。
【0114】
マイクロカプセルは平均径で0.1〜10μmであることが好ましく、0.3〜5μmであることがより好ましく、0.5〜3μmであることがさらに好ましい。
【0115】
マイクロカプセルの壁の厚さは径の1/100〜1/5であることが好ましく、1/50〜1/10であることがより好ましい。
【0116】
マイクロカプセルの含有量は画像形成層全体の5〜100質量%であり、20〜95質量%であることが好ましく、40〜90質量%であることがさらに好ましい。
マイクロカプセルの壁材となる素材、およびマイクロカプセルの製造方法は公知の素材および方法を用いることができる。たとえば、「新版マイクロカプセルその製法・性質・応用」(近藤保、小石真純著/三共出版株式会社発行)に記載されているか、引用されている文献に記載されている公知の素材および方法を用いることができる。
【0117】
また、画像形成素材として特開2002−2135号や特開2002−19317号に記載されている疎水性素材を内包するマイクロカプセルも好ましく用いることができる。
【0118】
さらに、画像形成素材ちして下記のようなブロック化イソシアネート化合物も好ましく用いることができる。
【0119】
水による良好な除去性を付与するために、ブロック化イソシアネート化合物は水分散物として用いることが好ましい態様である。
【0120】
画像形成層に用いられるブロック化イソシアネート化合物の水分散物を説明する。
【0121】
(イソシアネート化合物)
イソシアネート化合物としては、芳香族ポリイソシアネート[ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(粗製MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)など];脂肪族ポリイソシアネート[1、6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンジイソシアネート(LDI)など];脂環式ポリイソシアネート[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネートなど];芳香脂肪族ポリイソシアネート[キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)など];これらの変性物(ビューレット基、イソシアヌレート基、カルボジイミド基、オキサゾリジン基含有変性物など);およびこれらのポリイソシアネートと分子量50〜5、000の活性水素含有化合物からなる末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが挙げられる。
【0122】
また、特開平10−72520に記載のポリイソシアネート化合物も好ましく用いることができる。
【0123】
上記の中では特にトリレンジイソシアネートが、反応性が速く好ましい。
【0124】
(ブロック化剤)
イソシアネート基のブロック剤としては、公知のものを使用することができる。例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール系ブロック剤、フェノール、クレゾールなどのフェノール系ブロック剤、ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、メチルエチルケトキシム、メチルイソブチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシムなどのオキシム系ブロック剤、アセトアニリド、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどの酸アミド系ブロック剤、マロン酸ジメチル、アセト酢酸メチルなどの活性メチレン系ブロック剤、ブチルメルカプタンなどのメルカプタン系ブロック剤、コハン酸イミド、マレイン酸イミドなどのイミド系ブロック剤、イミダゾール、2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール系ブロック剤、尿素、チオ尿素などの尿素系ブロック剤、N−フェニルカルバミン酸フェニル等のカルバミン酸系ブロック剤、ジフェニルアミン、アニリン等のアミン系ブロック剤、エチレンイミン、ポリエチレンイミンなどのイミン系ブロック剤などが挙げられる。これらの中では特にオキシム系ブロック剤を用いることが好ましい。
【0125】
ブロック化剤の含有量としては、ブロック剤中の活性水素基がイソシアネート化合物のイソシアネート基に対して1.0〜1.1当量となるように含有させることが好ましいが、後述するポリオール等の活性水素基を有する添加剤と併用する場合は、ブロック剤と活性水素基を有するその他の添加剤とを合計した活性水素基が、イソシアネート基に対して1.0〜1.1当量となるように含有させることが好ましい。1.0未満では未反応のイソシアネート基が残存し、また、1.1を超えるとブロック剤等が過剰となるため好ましくない。
【0126】
ブロック剤の解離温度としては、80〜200℃であることが好ましく、80〜160℃であることがより好ましく、80〜130℃であることがより好ましい。
【0127】
(ポリオール)
本発明の印刷版材料においては、イソシアネート化合物はポリオールを含有する、イソシアネート化合物のポリオール付加物であることが好ましい態様である。
【0128】
ポリオールを含有させることにより、ブロック化イソシアネート化合物の保存安定性を向上させることができる。また、加熱して画像を形成した際の画像強度が向上し、耐刷性が向上する。
【0129】
ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、1、6−ヘキシレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、キシリレングリコール、ソルビトール、しょ糖などの多価アルコール、これらの多価アルコールあるいはポリアミンにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを、あるいは両者を付加重合して得られるポリエーテルポリオール類、ポリテトラメチレンエーテルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリカプロラクトンポリオール類、さらに上記多価アルコールとたとえばアジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、アゼライン酸などの多塩基酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール類、ポリブタジエンポリオール類、アクリルポリオール類、ヒマシ油、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールにビニルモノマーをグラフトして得られるポリマーポリオール類、エポキシ変性ポリオール類などが挙げられる。これらの中では、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、1、6−ヘキシレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、キシリレングリコール、ソルビトールなど分子量50〜5000のポリオールを好ましく使用することができ、特に分子量50〜500程度の低分子量ポリオールをより好ましく使用できる。
【0130】
ポリオールの好ましい含有量としては、ポリオール中の水酸基がイソシアネート化合物のイソシアネート基に対して0.1〜0.9当量となるような範囲であり、この範囲において特にブロック化イソシアネート化合物の保存安定性が向上する。
【0131】
(ブロック化方法)
イソシアネート化合物のブロック化方法としては、例えば、イソシアネート化合物を無水の条件下、不活性ガス雰囲気下で40〜120℃程度に加温し、攪拌しながらブロック剤を所定量滴下して混合し、攪拌を続けながら数時間かけて反応させるという方法が挙げられる。この際、何らかの溶媒を用いることもできる。また、公知の触媒、例えば、有機金属化合物、第3級アミン、金属塩等を用いることもできる。
有機金属触媒としては、たとえば、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレートなどのスズ系触媒、2−エチルヘキサン酸鉛などの鉛系触媒などが、第3級アミンとしては、たとえばトリエチルアミン、N、N−ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエチレンジアミン、N、N′−ジメチルピペラジン、ジアザビシクロ(2、2、2)−オクタンなどが、金属塩触媒としては、たとえば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸鉛酸化リチウムなどが挙げられる。これらの触媒の使用量は、ポリイソシアネート組成物100質量部に対し、通常0.001〜2質量部、好ましくは0.01〜1質量部である。
【0132】
本発明のブロック化イソシアネート化合物において、ポリオールとの化合物でもある態様の場合は、ブロック剤およびポリオールをイソシアネート化合物と反応させるが、先にイソシアネート化合物とポリオールとを反応させた後に、残ったイソシアネート基とブロック剤とを反応させてもよく、また、先にイソシアネート化合物とブロック剤とを反応させた後に、残ったイソシアネート基とポリオールとを反応させてもよい。
【0133】
本発明のブロック化イソシアネート化合物の好ましい平均分子量としては、重量平均分子量で500〜2000であることが好ましく、600〜1000であることがより好ましい。この範囲で反応性と保存安定性とのバランスが良好となる。
【0134】
(水分散物の製造)
上述のようにして得られたブロック化イソシアネート化合物は、例えば、界面活性剤と水とを加えて、ホモジナイザ等を用いて強力に混合攪拌することで水分散物とすることができる。
【0135】
界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル等のノニオン系界面活性剤、あるいはラウリルベタイン、ステアリルベタインの塩などのアルキルベタイン型の塩、ラウリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシンなどのアミノ酸型の両界面活性剤などを挙げることができる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中ではノニオン界面活性剤が好ましい。
【0136】
ブロック化イソシアネート化合物水分散物の固形分としては、10〜80質量%であることが好ましい。界面活性剤の添加量としては、水分散物の固形分中の0.01〜20質量%であることが好ましい。
【0137】
イソシアネート化合物のブロック化反応等に有機溶媒を用いた場合には、水分散物としてから有機溶媒を除去することもできる。
【0138】
その他の画像形成素材としては、WO0221215号や特開2004−21217号に記載されている感熱もしくは感光性の重合素材や、特表2003−527978号や特表2004−501800号に記載されている感熱スイッチャブルポリマーも用いることができる。
【0139】
(水溶性化合物)
本発明に係る画像形成層には水溶性化合物を含有させることが好ましい。水溶性化合物としては、20℃の水100gに0.5g以上溶解する化合物であれば、どのような化合物でも用いることができる。が、20℃の水100gに2g以上溶解する化合物であることが良好な、水による現像性を得るために好ましく、また、20℃で固体であることが画像形成層の強度維持のために好ましい。
【0140】
具体的には下記のような化合物が挙げられる。
【0141】
オリゴ糖:トレハロース、スクロース、マルトース、シクロデキストリン等。
【0142】
水溶性高分子化合物:多糖類(デンプン類、セルロース類、ポリウロン酸、プルラン、キトサン、またはこれらの誘導体)、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等。
【0143】
(画像形成層に含有できるその他の素材)
本発明に係る画像形成層には、画像形成素材としてブロック化イソシアネート化合物を用いた場合には、ブロック化イソシアネート化合物のブロック剤の解離促進や、再生したイソシアネート基と他の官能基との反応を促進させる触媒機能を有する素材を含有させることができる。
【0144】
これは、公知の触媒、例えば、有機金属化合物、第3級アミン、金属塩等を用いることができる。
【0145】
(光熱変換材)
本発明に係る画像形成層には光熱変換材を含有させることもできる。
【0146】
光熱変換素材としては、カーボンブラック、グラファイト、金属粒子、金属化合物粒子といったいわゆる顔料、色素を挙げることができるが、画像形成層の反射濃度を好ましい範囲とするためには、後述の色素を用いることが好まし。
【0147】
色素としては赤外線吸収色素が好ましく用いられる。
【0148】
赤外線吸収色素の含有量としては、色素の可視光での着色の程度によって、画像形成層の着色、すなわち、画像形成層を形成した際の反射濃度低下の程度が変化するため、本発明の濃度範囲となるように含有量を調整する必要があるが、一般的に印刷版材料の単位面積あたりとして、0.001g/m2以上、0.2g/m2未満であることが好ましく、0.05g/m2未満であることがより好ましい。
【0149】
また、可視光での着色が少ない色素を用いることが好ましい。
【0150】
赤外線吸収色素の具体例としては、一般的な赤外線吸収色素であるシアニン系色素、クロコニウム系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素などの有機化合物、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系、ジチオール系、インドアニリン系の有機金属錯体などが挙げられる。具体的には、特開昭63−139191号、特開昭64−33547号、特開平1−160683号、特開平1−280750号、特開平1−293342号、特開平2−2074号、特開平3−26593号、特開平3−30991号、特開平3−34891号、特開平3−36093号、特開平3−36094号、特開平3−36095号、特開平3−42281号、特開平3−97589号、特開平3−103476号等に記載の化合物が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0151】
また、特開平11−240270号、特開平11−265062号、特開2000−309174号、特開2002−49147号、特開2001−162965号、特開2002−144750号、特開2001−219667号に記載の化合物も好ましく用いることができる。
【0152】
また、画像形成層には、界面活性剤を含有させることができる。Si系、又はF系、アセチレングリコール系等の界面活性剤を使用することができるが、特にSi系界面活性剤およびアセチレングリコール系界面活性剤を使用することが印刷汚れを生じる懸念がなく、好ましい。該界面活性剤の含有量は画像形成層(塗布液としては固形分)の0.01〜3質量%が好ましく、0.03〜1質量%が更に好ましい。
【0153】
さらに、pH調整のための酸(リン酸、酢酸等)またはアルカリ(水酸化ナトリウム、ケイ酸塩、リン酸塩等)を含有していても良い。
また、画像形成層は潤滑剤を含有させることができる。潤滑剤を含有させることで、画像形成層へのスクラッチ傷(印刷において汚れとなる懸念がある)を軽減させることができる。
【0154】
潤滑剤としては、公知のワックスが挙げられるが、その中でも脂肪酸アミドや脂肪酸Ca、脂肪酸Znなどが好ましい。また、これらの潤滑剤も水分散体として塗布液に添加することが好ましい。
【0155】
潤滑剤の含有量としては、画像形成層の0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
【0156】
(第三の態様)
上記第三の態様は、親水性表面を有する基材上に画像形成層を有する印刷版材料であって、この親水性表面の反射濃度が1.0以上であり、この画像形成層の反射濃度がこの親水性表面の反射濃度より0.2以上低い印刷版材料に画像露光を行い、この画像露光による露光部の印刷版材料表面の反射濃度を露光前の印刷版材料表面の反射濃度に対して0.2以上増加させることを特徴とするが、以下のステップにより達成できる。
【0157】
a.その表面の反射濃度が1.0以上である親水性表面を有する基材を作成するステップ。
【0158】
b.この親水性表面を有する基材上に画像形成層を形成して表面反射濃度を0.2以上低減させた印刷版材料とするステップ。
【0159】
c.この印刷版材料を画像露光して露光部の画像形成層をこの親水性表面を有する基材上に固定するとともにこの露光部の反射濃度を露光前の反射濃度より0.2以上増加するステップ。
【0160】
第三の態様のうち、特に親水性表面を有する基材上に画像形成層を有する印刷版材料であって、この親水性表面の反射濃度が1.0以上であり、この画像形成層の反射濃度がこの親水性表面の反射濃度より0.5以上低い印刷版材料に画像露光を行い、この画像露光による露光部の印刷版材料表面の反射濃度を露光前の印刷版材料表面の反射濃度に対して0.4以上増加させることを特徴とする態様が好ましい。
【0161】
前述の態様と同様に、例えば、反射濃度が1.0以上、好ましくは1.5以上の黒色の親水性層を基材上に設け、次いで、白色の画像形成層を親水性層に形成して反射濃度を0.2以上低減させる。次いで、画像露光により露光部の反射濃度を露光前の反射濃度より、0.2以上増加させるが、これは、画像形成層に熱溶融性の白色顔料を含有させることで、赤外線レーザー露光によって画像形成層中の白色顔料が溶融し、画像形成層の光透過度が増加して、露光部の反射濃度を0.2以上増加させることができる。
【0162】
画像形成層を形成することにより反射濃度を0.2以上、好ましくは0.5以上低減させることは、画像形成層中の熱溶融性白色顔料の素材、粒子径、含有量、画像形成層の乾燥付量等を適宜調整することで達成することが可能である。
【0163】
また、露光部の反射濃度を0.2以上、好ましくは0.4以上増加させることは、熱溶融性白色顔料の融点、粒子径、画像形成層の厚さ等を適宜調整することで達成することが可能である。
【0164】
(熱溶融性白色顔料)
熱溶融性白色顔料としては、融点が50〜200℃の範囲にある有機粒子顔料を用いることが好ましい。
【0165】
また、粒子を中空構造としたり、屈折率の異なる素材をコアシェル構造にしたりして、白色度を向上させることもできる。
【0166】
具体的には、パラフィン、ポリエチレン、カルナバ、マイクロクリスタリンといったワックスの粒子を用いることが好ましい。
【0167】
粒子径としては、解像度、感度、白色度調製の面から0.1〜10.0μmの範囲が好ましく、0.2〜5.0μmの範囲がより好ましく、0.3〜2.0μmの範囲がさらに好ましい。
【0168】
画像形成層中の熱溶融性白色顔料の含有量としては、画像形成層を設けて反射濃度を0.2以上低減させさらに露光で0.2以上増加させるために、40〜100質量%であることが好ましく、60〜98質量%であることがより好ましい。
【0169】
本態様においては、熱溶融性白色顔料自体が画像形成素材としても機能するため、熱溶融性白色顔料100質量%の画像形成層とすることも可能であるが、上述のその他の画像形成素材と併用することも可能である。
【0170】
また、画像形成層の未露光部を印刷機上で湿し水およびまたはインクを用いて現像する際の、機上現像性を向上させるために、画像形成層中に上述の水溶性素材を0.1〜40質量%含有させることが好ましい。
【0171】
画像形成層の乾燥付量としては、隠蔽力、機上現像性の面から0.2〜2g/m2が好ましく、0.3〜1g/m2がより好ましい。
【0172】
第三の態様に対応する画像形成層としては、上記と同様の画像形成層を用いることができるが、特に印刷機上現像可能な画像形成層が好ましく用いられる。
【0173】
印刷機上現像可能とは、露光後、平版印刷における湿し水及びまたは印刷インキにより非画像部の画像形成層が除去され得ることをいう。
【0174】
第三の態様においても先の態様に対応する基材と同様のものを用いることができる。
【0175】
(露光)
本発明に係る露光はレーザー光を用いることが好ましい。その中でも、特にサーマルレーザーによる露光によって画像形成を行うことが好ましい。
【0176】
例えば赤外及び/または近赤外領域で発光する、即ち700〜1500nmの波長範囲で発光するレーザーを使用した走査露光が好ましい。レーザーとしてはガスレーザーを用いてもよいが、近赤外領域で発光する半導体レーザーを使用することが特に好ましい。
【0177】
走査露光に好適な装置としては、該半導体レーザーを用いてコンピュータからの画像信号に応じて印刷版材料表面に画像を形成可能な装置であればどのような方式の装置であってもよい。
【0178】
一般的には、(1)平板状保持機構に保持された印刷版材料に一本もしくは複数本のレーザービームを用いて2次元的な走査を行って印刷版材料全面を露光する方式、(2)固定された円筒状の保持機構の内側に、円筒面に沿って保持された印刷版材料に、円筒内部から一本もしくは複数本のレーザービームを用いて円筒の周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて印刷版材料全面を露光する方式、(3)回転体としての軸を中心に回転する円筒状ドラム表面に保持された印刷版材料に、円筒外部から一本もしくは複数本のレーザービームを用いてドラムの回転によって周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて印刷版材料全面を露光する方式が挙げられる。又特に印刷装置上で露光を行う装置においては、(3)の露光方式が用いられる。
【実施例】
【0179】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例中「部」は特に断りのないかぎり「質量部」を表す。
【0180】
(基材1の作製)
厚さ175μmの二軸延伸ポリエステルフィルムフィルムの両面に、8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、次いで、一方の面に下記下引き塗布液aを乾燥膜厚0.8μmになるように塗設後にコロナ放電処理(8W/m2・分)を行ないながら下引き塗布液bを乾燥膜厚0.1μmになるように塗布し、各々180℃、4分間乾燥させた(下引き面A)。
【0181】
また反対側の面に下記下引き塗布液cを乾燥膜厚0.8μmになるように塗設後にコロナ放電処理(8W/m2・分)を行ないながら下引き塗布液dを乾燥膜厚1.0μmになるように塗布し、しそれぞれ180℃、4分間乾燥させた(下引き面B)。塗布後の25℃、25%相対湿度での表面電気抵抗は108Ωであった。このようにして、両面に下引き層を形成した基材1を得た。
【0182】
《下引き塗布液a》
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=60/39/1の3元系共重合ラテックス(Tg=75℃) (固形分基準)6.3部
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=20/40/40の3元系共重合ラテックス 1.6部
アニオン系界面活性剤S−1 0.1部
水 92.0部
《下引き塗布液b》
ゼラチン 1部
アニオン系界面活性剤S−1 0.05部
硬膜剤H−1 0.02部
マット剤(シリカ、平均粒子径3.5μm) 0.02部
防黴剤F−1 0.01部
水 98.9部
【0183】
【化1】

【0184】
《下引き塗布液c》
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=20/40/40の3元系共重合ラテックス (固形分基準)0.4
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート=39/40/20/1の4元系共重合ラテックス 7.6部
アニオン系界面活性剤S−1 0.1部
水 91.9部
《下引き塗布液d》
成分d−1/成分d−2/成分d−3=66/31/1の導電性組成物 6.4部
硬膜剤H−2 0.7部
アニオン系界面活性剤S−1 0.07部
マット剤(シリカ、平均粒子径3.5μm) 0.03部
水 92.8部
成分d−1;
スチレンスルホン酸ナトリウム/マレイン酸=50/50の共重合体からなるアニオン性高分子化合物
成分d−2;
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=40/40/20からなる3成分系共重合ラテックス
成分d−3;
スチレン/イソプレンスルホン酸ナトリウム=80/20からなる高分子活性剤
【0185】
【化2】

【0186】
(基材2の作成)
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を、50℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、溶解量が2g/m2になるように溶解処理を行い水洗した後、25℃の0.1質量%塩酸水溶液中に30秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。
【0187】
次いでこのアルミニウム板を、塩酸10g/L、アルミを0.5g/L含有する電解液により、正弦波の交流を用いて、ピーク電流密度が50A/dm2の条件で電解粗面化処理を行った。
【0188】
この際の電極と試料表面との距離は10mmとした。電解粗面化処理は8回に分割して行い、一回の処理電気量(陽極時)を40C/dm2とし、合計で320C/dm2の処理電気量(陽極時)とした。また、各回の粗面化処理の間に4秒間の休止時間を設けた。
【0189】
電解粗面化後は、50℃に保たれた1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、粗面化された面のスマット含めた溶解量が2g/m2になるようにエッチングし、水洗し、次いで25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。次いで、20%硫酸水溶液中で、20Vの定電圧条件で電気量が150C/dm2となるように陽極酸化処理を行い、さらに水洗した。
【0190】
次いで、水洗後の表面水をスクイーズした後、90℃に保たれた0.1質量%の酢酸アンモニウム水溶液(水酸化ナトリウム添加でpHを9.0に調整)に60秒間浸漬し、水洗を行った後に80℃で5分間乾燥し、基材2を得た。基材2の表面粗さはRaで0.35μmであった。
【0191】
[表面粗さの測定方法]
試料表面に白金ロジウムを1.5nmの厚さで蒸着した後、WYKO社製の非接触三次元粗さ測定装置:RSTplusを用いて、20倍の条件(222.4μmx299.4μmの測定範囲)で測定し、傾き補正およびMedianSmoothingのフィルターをかけて測定データを処理してRa値を求めた。測定は一試料について測定箇所を変えて5回行ない、その平均を求めてRa値とした。
【0192】
実施例1
(親水性表面基材を作成するステップ)
下表の組成の素材を、ホモジナイザを用いて、回転数5000回転で5分間混合分散した後、ろ過して固形分30質量%の親水性層用塗布液1を得た。この塗布液のpHは9.5であった。
【0193】
親水性層用塗布液1組成(表中の単位指定のない数字は質量部を表す)
【0194】
【表1】

【0195】
表3に示した基材上(基材1は下引き面A上、基材2は粗面化した面上)に親水性層塗布液を表1に示した乾燥付量となるようにワイヤーバーを用いて塗布し、120℃の乾燥炉で3分間乾燥した。次いで、これを60℃で24時間エイジング処理を行って、各親水性表面基材を得た。
【0196】
親水性層表面の反射濃度を、Gretag−Macbeth社製の反射濃度計:D−196を用いて測定し、表1に示した。これは、絶対白基準で濃度測定を行なって得られた濃度(ブラック)の数値である。
【0197】
また、基材1を用いた試料に関しては、試料の下に印刷用コート紙を4枚重ねで敷いて測定を行なった。
【0198】
(親水性表面基材上に画像形成層を形成して印刷版材料とするステップ)
下記の素材を十分に混合攪拌し、ろ過して、固形分10質量%の画像形成層用塗布液1〜3を作成した。
画像形成層用塗布液1〜3組成 (表中の単位指定のない数字は質量部を表す)
【0199】
【表2】

【0200】
表3に示した組み合わせで、親水性表面基材上に画像形成層塗布液を表3に示した乾燥付量となるようにワイヤーバーを用いて塗布し、55℃で3分間乾燥した。
【0201】
次いで、50℃で48時間エイジング処理を行って、各印刷版材料を得た。
【0202】
印刷版材料表面の反射濃度を同様の方法で測定し、結果を表3に示した。
【0203】
(印刷版材料に赤外線レーザーを照射して露光部の画像形成層を親水性表面基材上に固定するステップ)
各印刷版材料を露光ドラムに巻付け固定した。露光には波長830nm、スポット径約18μmのレーザービームを用い、2400dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)、175線で画像を形成した。
【0204】
露光した画像はベタ画像と1〜99%の網点画像と2400dpi(同上)のラインアンドスペース細線画像とを含むものである。露光エネルギーは200mJ/cm2から50mJ/cm2刻みで500mJ/cm2まで変化させて行なった。
【0205】
(露光後の印刷版材料を水溶液を用いて現像し、未露光部の画像形成層を除去するステップ)
露光後の各印刷版材料表面を、流水下で製版スポンジを用いてこすり、未露光部の画像形成層を除去した。次いで、55℃で5分間乾燥して各印刷版を得た。
【0206】
[感度評価]
現像後の版面をルーペで観察し、1%網点画像が欠けなく再現されている最低露光エネルギーを求め、これを感度の指標とした。結果を表3に示した。500mJ/cm2の露光エネルギーでも1%網点画像に欠けが見られた場合には、感度不良と表記した。
【0207】
[目視可視画性評価]
各印刷版のベタ露光部(上記で求めた感度の露光エネルギーで露光された部分)と未露光部の露出した親水性表面基材の表面反射濃度を同様の方法で測定し、濃度差の絶対値(ΔD)を求めて表3に示した。また、目視による可視画性評価を行い、下記のような判定を行なって、結果を表3に示した。
◎:非常に良好、○:良好、△:識別可能、×:識別困難、××:可視画性なし
[印刷評価]
印刷機:三菱重工業社製DAIYA1F−1を用いて、コート紙、湿し水:アストロマーク3(日研化学研究所製)2質量%、インク(東洋インク社製トーヨーキングハイユニティM紅)を使用して、PS版と同様の印刷条件および刷り出しシークエンスを用いて印刷を行なった。
【0208】
各印刷版ともに、非画像部の汚れがなく、また、ベタ画像部のインク着肉性も良好であった。
【0209】
[小点画像強度(耐刷性評価)]
刷り出しから5000枚目の印刷物をルーペで観察し、感度評価で感度の指標とした露光エネルギー(感度不良の場合は500mJ/cm2)における1%網点画像の再現性を確認し、下記のような判定をして、耐刷性の指標とした。結果を表3に示した。
○:網点の欠け1/4未満
△:網点の欠け1/4以上、1/2未満
×:網点の欠け1/2以上
【0210】
【表3】

【0211】
上記および表3から、本発明の印刷版材料及び画像形成方法を用いることで、水溶液で現像可能な画像形成層を有する印刷版材料の現像後の可視画性を非常に良好なものとすることができ、かつ、小点画像強度が良好で耐刷性に優れていることがわかる。
【0212】
実施例2
(親水性表面基材を作成するステップ)
実施例1に用いた親水性層用塗布液を用い、表5に示した基材上(基材1は下引き面A上、基材2は粗面化した面上)に親水性層塗布液を表5に示した乾燥付量となるようにワイヤーバーを用いて塗布し、120℃の乾燥炉で3分間乾燥した。
【0213】
次いで、これを60℃で24時間エイジング処理を行って、各親水性表面基材を得た。
【0214】
実施例1と同様にして、親水性層表面の反射濃度を測定し、結果を表5に示した。
【0215】
(親水性表面基材上に画像形成層を形成して印刷版材料とするステップ)
下記の素材を十分に混合攪拌し、ろ過して、固形分10質量%の画像形成層用塗布液4〜7を作成した。
【0216】
画像形成層用塗布液4〜7組成(表中の単位指定のない数字は質量部を表す)
【0217】
【表4】

【0218】
表5に示した組み合わせで、親水性表面基材上に画像形成層塗布液を表5に示した乾燥付量となるようにワイヤーバーを用いて塗布し、55℃で3分間乾燥した。
【0219】
次いで、50℃で48時間エイジング処理を行って、各印刷版材料を得た。印刷版材料表面の反射濃度を同様の方法で測定し、結果を表5に示した。
【0220】
(印刷版材料に赤外線レーザーを照射して露光部の画像形成層を親水性表面基材上に固定するとともに露光部の印刷版材料表面濃度を増加させるステップ)
実施例1と同様にして、各印刷版材料に赤外線レーザー露光を行なった。各印刷版材料に適用した露光エネルギーを表6に示した。
【0221】
各印刷版材料のベタ露光部分の表面反射濃度を同様の方法で測定し、結果を表6に示した。また、未露光部の表面反射濃度との差の絶対値(ΔD)を求め、表6に示した。
【0222】
また、実施例1と同様にして目視による可視画性評価を行い、結果を表6に示した。
【0223】
[印刷評価]
印刷機:三菱重工業社製DAIYA1F−1を用いて、コート紙、湿し水:アストロマーク3(日研化学研究所製)2質量%、インク(東洋インク社製トーヨーキングハイユニティM紅)を使用して印刷を行なった。
【0224】
露光後の印刷版材料をそのまま印刷機の版胴に取り付け、PS版と同様の印刷条件および刷り出しシークエンスを用いて印刷を行なった。
【0225】
[刷り出し性評価(地汚れ防止性評価)]
刷り出しから何枚目の印刷物で良好な画像が得られるかを求め、地汚れ防止性の指標とした。良好な画像とは、地汚れがなく、かつ、ベタ画像部の濃度が1.5以上であることとした。結果を表6に示した。
【0226】
[小点再現性評価(耐刷性評価)]
1000枚目、および5000枚目の印刷物で、小点の再現性を確認し、耐刷性の指標とした。再現している最小%の網点画像をルーペ観察で確認し、結果を表6に示した。
【0227】
【表5】

【0228】
【表6】

【0229】
表5及び6から分かるように、本発明の印刷版材料及び画像形成方法を用いることで、機上現像可能な画像形成層を有する印刷版材料の露光後の可視画性を非常に良好なものとすることができ、かつ、地汚れ防止性、耐刷性にすぐれており、印刷性能が良好に維持されていることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親水性表面を有する基材上に画像形成層を有する印刷版材料において、該親水性表面の反射濃度が1.0以上であり、該画像形成層の反射濃度が該親水性表面の反射濃度より0.2以上低いことを特徴とする印刷版材料。
【請求項2】
前記画像形成層の反射濃度が前記親水性表面の反射濃度より0.3以上低いことを特徴とする請求項1に記載の印刷版材料。
【請求項3】
前記画像形成層の反射濃度が前記親水性表面の反射濃度より0.4以上低いことを特徴とする請求項2に記載の印刷版材料。
【請求項4】
前記画像形成層が白色顔料を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷版材料。
【請求項5】
前記画像形成層が実質的に水で現像可能な層であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷版材料。
【請求項6】
前記画像形成層が印刷機上現像可能な層であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の印刷版材料。
【請求項7】
請求項1乃至6に記載の印刷版材料を画像露光および現像処理を行い、画像露光での未露光部の画像形成層を除去することを特徴とする印刷版材料の画像形成方法。
【請求項8】
請求項1に記載の印刷版材料に画像露光を行い、該画像露光による露光部の印刷版材料表面の反射濃度を露光前の印刷版材料表面の反射濃度に対して0.2以上増加させることを特徴とする印刷版材料の画像形成方法。
【請求項9】
前記画像形成層が熱溶融性白色顔料を含有することを特徴とする請求項8に記載の印刷版材料の画像形成方法。
【請求項10】
請求項8または9に記載の、印刷版材料の画像形成方法に用いられることを特徴とする印刷版材料。

【公開番号】特開2006−3783(P2006−3783A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182304(P2004−182304)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】