説明

印刷物、印刷物を利用した情報提供システム、サーバ、プログラム、及び、記録媒体

【課題】 二次元バーコードが印刷された印刷物を利用して、効果的な情報提供を行う情報提供システムを提供すること。
【解決手段】 ユーザ104は、携帯電話103を用いて、店舗Aから配布された印刷物107に印刷された二次元バーコード131を読み取り、サーバ101にアクセスし、サーバ101は所定の情報を携帯端末103に提供する。二次元バーコード131には、店舗、印刷物の種類やページ、機能を識別する情報が含まれており、それによりサーバから提供される情報も異なる。サーバ101は、ユーザ104の利用した二次元バーコード131等の情報を記録、保持し、店舗Aに提供することで、店舗Aはユーザ104に関する個人情報を得ることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元バーコードが印刷された印刷物を利用した情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話の利用が飛躍的に高まり、携帯電話からインターネットに接続して情報を得る利用者が増えている。
一方、企業もインターネットを利用して更なる販売促進活動や顧客情報の収集などを行っている。
最近では、企業の商品やサービスを知らせるポスター、チラシ、パンフレット、ダイレクトメールといった様々な媒体に、QRコード(Quick Response;QRコードはデンソーウェーヴ(株)の登録商標)などの二次元バーコードが印刷されている。この二次元バーコードは、企業が提供するインターネットサイトのURL(Uniform
Resource Locator)の情報を暗号化したものであり、二次元バーコード対応の携帯電話でその二次元バーコードを撮影し、読み取らせることで、携帯電話用の関連Webサイトに簡単にアクセスすることが可能である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−140823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、チラシ、パンフレットといった印刷物の利用期間は一般的に短く、利用期間が終了すると、印刷物は廃棄されてしまう。このため、利用者に携帯電話を利用して自社のホームページ等に再度アクセスしてもらうために、企業は次々に二次元バーコードを印刷した印刷物を作成して、配布しなければならず、そのための多大なコストが発生する。
また、この場合でも、アクセスするかどうかは携帯電話ユーザに依存するため、企業側からの積極的な販売促進や来店誘導を目的とする活動ができないばかりか、携帯電話ユーザの個人情報を収集することも困難である。
積極的な販売促進活動等を行うために、携帯電話ユーザを会員登録して、携帯電話に対して定期的に広告メール等を送ることも可能であるが、この場合、広告メールが携帯電話ユーザのニーズに合わない、或いはメール受信料金などを携帯電話ユーザが払わなければいけない場合もあるという問題がある。
また、これまでの二次元バーコードは主にURLの情報を示す場合が多く、携帯電話ユーザからの接続先も、そこから提供されるサービスや情報も同一なものに限られていた。
【0005】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、店舗、印刷物の種類やページ、機能を識別する情報を含んだ二次元バーコードが印刷された印刷物を用いて、携帯電話ユーザに対してより効果的な情報を提供し、かつ、販売促進やユーザの個人情報の収集を効率的に行うことができる情報提供システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために第1の発明は、サーバと、ネットワークを介して、前記サーバと通信可能な携帯電話と、を具備する情報提供システムであって、 前記携帯電話は、印刷物に印刷され、識別コード情報を有する二次元バーコードを用いて、サーバにアクセスし、前記サーバは、前記携帯電話のユーザ情報を保持するユーザ情報保持手段と、前記店舗から提供されたコンテンツやサービス情報を保持するコンテンツ情報保持手段と、前記識別コード情報の内容に従って、前記携帯電話に対して、前記コンテンツ情報保持手段に保持された情報を提供する情報提供手段と、を具備することを特徴とする情報提供システムである。
第1の発明では、二次元バーコードは識別コード情報のみを有し、そのコード情報に従って、サーバは携帯電話に対してコンテンツやサービス情報を提供する。
ここで、二次元バーコードの識別コード情報には、携帯端末ユーザに印刷物を配布した店舗、前記印刷物の種類とページ、提供情報内容に関する情報などが含まれる。
【0007】
第2の発明は、サーバと、ネットワークを介して、前記サーバと通信可能な携帯電話と、を具備する情報提供システムであって、前記携帯電話は、印刷物に印刷され、前記印刷物を配布した店舗、前記印刷物の種類とページ、提供情報内容に関する情報を含んだ二次元バーコードを用いて、サーバにアクセスし、前記サーバは、前記携帯電話のユーザ情報を保持するユーザ情報保持手段と、前記店舗から提供されたコンテンツやサービス情報を保持するコンテンツ情報保持手段と、前記二次元コードの情報の内容に従って、前記携帯電話に対して、前記コンテンツ情報保持手段に保持された情報を提供する情報提供手段と、を具備することを特徴とする情報提供システムである。
第2の発明では、携帯電話のユーザは、携帯電話を用いて、印刷物に印刷された二次元バーコードを読み取り、サーバにアクセスして、サーバは所定の情報を携帯電話に提供するものである。
ここで、印刷物は店舗からユーザに対して配布されたものであり、カレンダーや手帳といった、比較的利用期間の長い、店舗の販売促進用として配布されるものである。印刷物に印刷された二次元バーコードには、印刷物を配布した店舗を識別する情報、印刷物の種類やページを識別する情報、提供する情報の内容を識別する情報が含まれている。
サーバは携帯電話のユーザ情報と、店舗から提供されたコンテンツやクーポンなどのサービス情報などのコンテンツ情報を保持しており、携帯電話から二次元コードを用いたアクセスを受け付け、前述の二次元コードの情報に従って、コンテンツ情報を検索し、携帯電話に提供する。
【0008】
第3の発明は、ネットワークを介して、携帯電話に情報を提供するサーバであって、前記携帯電話のユーザ情報を保持するユーザ情報保持手段と、店舗から提供されたコンテンツやサービス情報を保持するコンテンツ情報保持手段と、前記携帯電話による、前記店舗から配布された印刷物に印刷された二次元バーコードを利用したアクセスを受け付ける手段と、前記携帯電話に対して、前記二次元バーコードの識別コード情報に従って、前記コンテンツ情報手段に保持された情報を提供する情報提供手段と、を具備することを特徴とするサーバである。
第4の発明は、ネットワークを介して、携帯電話に情報を提供するサーバであって、 前記携帯電話のユーザ情報を保持するユーザ情報保持手段と、店舗から提供されたコンテンツやサービス情報を保持するコンテンツ情報保持手段と、 前記携帯電話による、前記店舗から配布された印刷物に印刷された二次元バーコードを利用したアクセスを受け付ける手段と、前記携帯電話に対して、前記二次元バーコードに含まれる、前記店舗、前記印刷物の種類とページ、提供情報内容に関する情報に従って、前記コンテンツ情報手段に保持された情報を提供する情報提供手段と、を具備することを特徴とするサーバである。
【0009】
第5の発明は、店舗から携帯電話ユーザに配布される印刷物であって、配布した店舗、印刷物の種類とページ、提供情報内容に関する情報を含んだ二次元バーコードが印刷された印刷物である。
印刷物は、第2の発明や第4の発明で用いられる印刷物であり、例えば、店舗からユーザに配布されるカレンダーや手帳などである。携帯電話ユーザは、携帯電話で印刷物に印刷された二次元バーコードを読み取り、サーバにアクセスすることによって、サーバから情報を得ることができる。
【0010】
第6の発明は、コンピュータを第3の発明や第4の発明のサーバとして機能させるプログラムである。
第7の発明は、コンピュータを第3の発明や第4の発明のサーバとして機能させるプログラムを記録した記録媒体である。
【0011】
上述のプログラムをCD−ROM等の記録媒体に保持させて流通させてもよいし、このプログラムを通信回線を介して送受することもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、店舗、印刷物の種類やページ、機能を識別する情報を含んだ二次元バーコードが印刷された印刷物を用いて、携帯電話ユーザに対してより効果的な情報を提供し、かつ、販売促進やユーザの個人情報の収集を効率的に行うことができる情報提供システム等を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報提供システム等の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明および添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
【0014】
図1は、本発明の本実施の形態に係る、二次元バーコード131が印刷された印刷物107を利用した情報提供システム100の概略構成を示す図である。
【0015】
図1に示すように、情報提供システム100は、サーバ101、複数のユーザ104の携帯電話103、事業者105のコンピュータ141等が、ネットワーク109を介して接続されて構成される。
ネットワーク109は、インターネット等のネットワークであり、有線、無線を問わない。
【0016】
サーバ101は、サーバコンピュータ等であり、Webサーバ110、ユーザ管理手段111、コンテンツ管理手段112、事業者管理手段113等を有する。
Webサーバ110は、ネットワーク109を介して携帯電話103との通信を行い、携帯電話103からの要求等に従ってユーザ管理手段111、コンテンツ管理手段112、事業者管理手段113等を操作する。
【0017】
ユーザ管理手段111は、ユーザデータベース121を管理、操作する。ユーザデータベース121は携帯電話103のユーザ104に関する情報やサーバ101へのアクセス履歴等を保持し、Webサーバ110に呼び出されて、それらの情報を検索、参照、登録、削除等行う。
【0018】
コンテンツ管理手段112は、コンテンツデータベース122を管理、操作する。コンテンツデータベース122は、事業者105がサーバ101に管理登録依頼したコンテンツやサービス情報等を保持し、Webサーバ110によって呼び出されて、それらの情報を検索、参照、登録、削除等行う。
事業者管理手段113は、事業者データベース123を管理、操作する。事業者データベース123は事業者105に関する情報を保持し、Webサーバ110によって呼び出されて、それらの情報を検索、参照、登録、削除等行う。
【0019】
ユーザ104は、携帯電話103の利用者である。携帯電話103は、Webブラウザ機能を有し、ネットワーク109を介してサーバ101にアクセスして、コンテンツやサービス情報等を閲覧することが可能である。
【0020】
事業者105は、企業や会社等であり、複数の店舗、店舗A、店舗B、…を有する。各店舗、例えば、店舗Aは、ネットワーク109に接続可能なコンピュータ141と、コンピュータ141に接続された入力装置142、読取装置143等を有する。入力装置142はキーボード等の入力部を備えた端末装置、或いは入力部を備えたPOSシステム(Point Of Sales system)対応のレジ端末等である。読取装置143は二次元バーコードを読み取る装置である。
【0021】
ユーザ104には、事業者105の店舗Aから印刷物107が配布される。印刷物107は、カレンダーや手帳といった、事業者105の販促活動に用いられるものである。この印刷物107には二次元バーコード131が印刷される。
【0022】
次に、印刷物を利用した情報提供システム100の各構成について詳細に説明する。
図2は、サーバ101のハードウェア構成図である。
図2に示すように、サーバ101は、制御部201、記憶装置202(ハードディスク)、メディア入出力部203(CD−ROM)、通信制御部204(通信制御装置、通信ポート等)、入力部205(キーボード、マウス等)、印刷部206(プリンタ)、表示部207(ディスプレイ)等が、バス209を介して接続される。
【0023】
制御部201は、CPU、ROM、RAM等で構成され、大容量記憶媒体としての記憶装置202に格納されたプログラムに従って、バス209を介して接続された各装置を駆動制御する。
【0024】
記憶装置202には、各構成部分を駆動制御する制御プログラム、アプリケーションプログラム、及びユーザデータベース121、コンテンツデータベース122、事業者データベース123等が格納されている。
これらの各プログラムコードは、制御部201により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
【0025】
制御プログラムは、サーバ101の各構成部分を駆動制御するプログラムである。アプリケーションプログラムは、実行可能プログラムであり、Webサーバ110、ユーザ管理手段111、コンテンツ管理手段112、事業者管理手段113等に該当するプログラムである。
【0026】
メディア入出力部203(CD−ROMドライブ装置)は、制御部201のROMや記憶装置202に記憶されているプログラムや情報をバージョンアップ、機器設定等の設定を行う際に用いられる。
【0027】
通信制御部204は、通信制御装置、通信ポート等であり、ネットワーク109を介して、サーバ101と、携帯電話103、コンピュータ141との通信制御を行う。
【0028】
入力部205は、キーボード、マウス等であり、表示部207(ディスプレイ)に表示された操作案内、各種処理、操作を行う。
印刷部206は、プリンタであり、印刷出力処理を行う。
【0029】
次に、ユーザ104の利用する携帯電話103のハードウェア構成を説明する。図3は、携帯電話103のハードウェア構成概略図である。
図3に示すように、携帯電話103は、制御部(CPU)301、記憶部(ROM、RAM)302、通信制御部303、入力部304、表示部305、コード読取部306等から構成される。
【0030】
制御部301は、CPU等で構成され、記憶部302に格納されたプログラムに従って、各装置を駆動制御する。記憶部302には、各構成部分を駆動制御するプログラム、携帯用のWebブラウザ等のアプリケーションプログラム等が格納されている。
【0031】
通信制御部303は、ネットワーク109を介して、サーバ101間との通信制御を行う。入力部304は、ダイヤルボタン等の操作ボタンである。表示部305は液晶ディスプレイ等であり、携帯用Webブラウザを用いてサーバ101から提供された情報等を表示する。コード読取部306はCCDカメラやバーコードリーダ等であり、携帯端末103は、CCDカメラで2次元バーコード131を撮影すると、コード読取部306で二次元バーコードの情報を読み取り、表示部305にその情報を表示する。
【0032】
次に、図4を参照して二次元バーコード131の印刷された印刷物107について説明する。ここでは、印刷物107の一例として、事業者105の店舗Aによってユーザ104に配布されたカレンダー11を例に説明する。
【0033】
図4に示すように、カレンダー11には、写真13、日付部15、事業者名17、二次元バーコード131等が印刷される。事業者名17は事業者105の名称である。
【0034】
図5は、二次元バーコード131の情報21を示す図である。二次元バーコード131は、最低限の情報としてバーコードを特定するための識別コードの情報を有する。その識別コードに対応して、図5に示すような情報21を有する。二次元バーコード131の情報21には、URL22、事業者ID23、店舗ID24、カレンダーID25、ページID26、機能ID27等が含まれる。
【0035】
URL22はインターネットの接続先を指定する情報である。事業者ID23は事業者105を特定する情報であり、店舗ID24は事業者105の中での店舗Aや店舗Bを識別する情報である。カレンダーID25はカレンダーを識別する情報であり、例えば事業者105が数種類のカレンダーを作成して配布した場合、ユーザ104に配布されたカレンダーはそのうちのどのカレンダーであるかを特定する情報である。ページID26は、カレンダーの中でのページを識別する情報である。機能ID27は機能を特定するIDであり、携帯電話に対して提供する情報の種類や内容等を設定するものである。
【0036】
以下に、二次元バーコード131の情報21の各IDを利用した情報提供の応用について説明する。
【0037】
まず、二次元バーコード131の情報21のうち、異なる店舗ID24を利用した情報提供の実施の形態について述べる。
例えば、事業者105の配布するカレンダー11において、写真13、日付部15、事業者名17は共通であるが、二次元バーコード131の店舗ID24を変えることにより、同じデザインであるが、店舗Aと店舗Bを区別するカレンダーとなる。これを利用することで店舗ごとの販促活動や情報収集を行うことが可能となる。
【0038】
以下、ユーザ104に事業者105の店舗Aからカレンダー11が配布された場合を例にとり、店舗Aの店舗ID24の情報を含んだ二次元バーコード131を利用した情報提供システム100の動作について説明する。
図6から図9は情報提供システム100による情報提供の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0039】
図6に示すように、ユーザ104は、携帯電話103によりカレンダー11の二次元バーコード131を読み取り、サーバ101にアクセスする(ステップ601)。二次元バーコード131の情報のうち、URL22により、携帯電話103はURLを入力することなく、容易にサーバ101の店舗A用の所定のサイトにアクセスすることができる。
【0040】
サーバ101の制御部201は、店舗A用に登録されたコンテンツやクーポン等のデータを携帯電話に送信する(ステップ602)。
【0041】
携帯電話103は、サーバ101から送信されたコンテンツやクーポンを表示部305に表示し、記憶部302に保存し(ステップ603)、ユーザ104は店舗Aに行き、保存したコンテンツやクーポン等を表示し、サービスを受ける(ステップ604)。
【0042】
サーバ101の制御部201は、店舗ID24が「店舗A」である情報が入った二次元バーコード131を利用して、携帯電話103からアクセスがあったことを、アクセス履歴として記憶装置202に記録する(ステップ605)。
【0043】
このように、店舗ID24が「店舗A」である情報を含んだ二次元バーコード131を印刷したカレンダー11を利用することによって、店舗Aはユーザ104に来店を誘導し、販売促進を行うことができる。
【0044】
図6に示す動作では、ユーザ104に対してユーザ認証を行わなかったが、ユーザ認証を行うことによって、ユーザに関する個人情報を蓄積することも可能である。
図7〜図9はユーザ認証を行う場合の情報提供システム100による動作を示すフローチャートである。
【0045】
ユーザ104は、携帯電話103によりカレンダー11の二次元バーコード131を読み取り、サーバ101にアクセスする(ステップ701)。サーバ101の制御部201は、携帯電話103に対してユーザ認証画面のデータを送信する(ステップ702)。
【0046】
ユーザ104は、携帯電話103の表示部305にユーザ認証画面を表示し、入力部304からユーザ認証に必要なデータを入力し、携帯電話103の制御部301はそのデータをサーバ101に対して送信する(ステップ703)。サーバ101の制御部201は、送られたデータとユーザデータベース121に登録されたユーザ104のデータとを照合し、ユーザ認証を行う(ステップ704)。
【0047】
ここでは、ユーザ104は事前に空メールを所定のサイトに送ったり、店舗Aに来店時に登録処理を行うなどして、予めユーザ登録を行い、ユーザ認証に必要なユーザID、パスワード等を取得している場合を例に述べたが、予め登録をしていない場合でもステップ702の時点でユーザ登録を行うことも可能である。
【0048】
ステップ704においてユーザ104が正しく認証されると、サーバ101の制御部201は、店舗A用に登録されたコンテンツやクーポン等のデータを携帯電話103に送信する(ステップ705)。
【0049】
携帯電話103は、サーバ101から送信されたコンテンツやクーポンを表示部305に表示し、記憶部302に保存し(ステップ706)、ユーザ104は店舗Aに行き、保存したコンテンツやクーポン等を表示し、サービスを受ける(ステップ707)。サーバ101の制御部201はユーザ104によるアクセス履歴を記憶装置202に記録する(ステップ708)。
【0050】
ここで、アクセス履歴として記録される情報は、ユーザ104が、店舗ID24が「店舗A」である情報が入った二次元バーコード131を利用して携帯電話103からアクセスしたことや、ユーザ104にはどのようなコンテンツやクーポンを送信したかということである。これらの情報はユーザ104の個人情報として、ユーザデータベース121に蓄積される。
【0051】
ユーザデータベース121に蓄積されたユーザ104の個人情報は、定期的に、或いは店舗Aから要求があった場合に、店舗Aのコンピュータ141から照会することが可能である。
【0052】
情報提供システム100のサービスとしてはステップ707で完了する場合もあるし、引き続き情報提供サービスを行う場合もある(図8(E)へ)。
図8に示すように、店舗Aでは、ユーザ104がクーポン等を利用した時に、ユーザ情報を入力し、ユーザ104の利用履歴をサーバ101に送信する(ステップ801)。
【0053】
例えば、ユーザ104が店舗Aで買い物をし、会計時にステップ706で送られたクーポンを利用した場合、レジスターなどの入力装置142からユーザID等を入力することによって、コンピュータ141はユーザのクーポン利用履歴を取得し、ネットワーク109を介してサーバ101に送信する。
【0054】
サーバ101の制御部201は、ユーザ104の利用履歴をユーザデータベース121等に保持する(ステップ802)。店舗Aは、ユーザ104に対して更なるサービスを告知する告知メールの配信をするよう、サーバ101に指示する(ステップ803)。店舗Aからの指示を受けて、サーバ101の制御部201は、携帯電話103に対してサービス情報を告知する告知メールを送信する(ステップ804)。
【0055】
携帯電話103のユーザ104は、告知メールを受信し、その告知に従って情報の閲覧をサーバ101に対して要求する(ステップ805)。サーバ101の制御部201は、告知メールに従って、コンテンツやクーポン等のデータを携帯電話103に対して送信する(ステップ806)。
【0056】
携帯電話103は、サーバ101から送信されたコンテンツやクーポンを表示部305に表示し、記憶部302に保存し(ステップ807)、ユーザ104は店舗Aに行き、保存したコンテンツやクーポン等を表示し、サービスを受け(ステップ808)、その利用履歴はユーザ情報とともにサーバ101に保持される(ステップ801)。サーバ101の制御部201はユーザ104によるアクセス履歴を記憶装置202に記録する(ステップ809)。
【0057】
このように、店舗Aは、来店してクーポンを利用したユーザ104に対して、更なるサービス情報を提供することができる。また、サーバ101のユーザデータベース121に蓄積されているユーザ104の情報利用履歴を参照することで、ユーザ104の個人情報が得られ、ユーザ104により合ったサービス情報を提供することができ、効果的な来店誘導活動、販売促進活動が行える。
【0058】
尚、ステップ801では、クーポン利用時にユーザIDなどのユーザ情報を入力するとしたが、ステップ705において、サーバ101が、ユーザIDといったユーザ情報とクーポン情報を含めた二次元バーコードを添付して携帯端末103に送信し、ステップ801において、その二次元バーコードを読取装置143に読み取らせることによってユーザ104の情報を読み取らせることも可能である。
【0059】
同様に、店舗ID24を含めた二次元バーコードを利用した別の販促活動の応用について説明する。図10は、カレンダー51を示す図である。カレンダー51には店舗Aの店舗ID24の情報を含めた二次元バーコード131−1が印刷されている。この応用例では、二次元バーコード131−1と店舗Aの折込チラシとを利用した販促活動である。
【0060】
カレンダー51に示されるように、4月第2週のチラシ折込日は「7日」であるとし、「7日」に折り込まれるチラシの対象セール期間は「8日〜10日」であるとする。この場合、例えば、ユーザ104は、「7日〜10日」の間に携帯端末103から2次元バーコード131−1を読み取り、例えば図6に示す操作に従ってサーバ101にアクセスした場合、チラシに書かれていたサービス、或いはそれ以上のサービス情報を得ることができるように設定することが可能である。
【0061】
同様に、ユーザ104が、「21日」に配布された折込チラシを見て、「21日〜24日」の間に携帯端末103から2次元バーコード131−1を読み取り、サーバ101にアクセスした場合、対象セール期間「22日〜24日」におけるサービス情報を得ることができる。
【0062】
また、例えば、「7日〜10日」のうち、「7日」に二次元バーコード131−1を用いてサーバ101へのアクセスがあった場合には、「8日」にアクセスした場合に比べて、より質の高いサービスを受けられるなどといった、サービスの差別化を計ることも可能である。
【0063】
「7日〜10日」以外に二次元バーコード131−1を用いてサーバ101へのアクセスがあった場合は、携帯端末103に「サービス対象期間外です」などと表示されるように、サーバ101を設定することも可能である。
【0064】
このように、店舗Aの店舗ID24を含む二次元バーコード131−1と、店舗Aの折込チラシとを組み合わせることによって、店舗A独自のサービスをユーザ104に提供することが可能となる。
【0065】
次に、図6に示す二次元バーコード131の情報21のうち、異なるカレンダーID25を利用した場合の情報提供システム100の実施例について説明する。図11は、カレンダー53とカレンダー55を示す図である。例えば、同じ店舗Aが販売促進用に作成したであっても、カレンダー53とカレンダー55のようにデザインが異なる場合がある。その場合、それぞれのカレンダーには異なる二次元バーコード131−2、131−3が付けられる。
【0066】
例えば、ユーザ104が、携帯電話103でカレンダー53の二次元バーコード131−1を読み取り、図6に示す操作に従ってサーバ101にアクセスした場合、通常のクーポンのサービス情報が得られるが、カレンダー55の二次元バーコード131−1を読み取り、サーバ101にアクセスした場合、通常のクーポンのサービス情報のほかに、画像13−3に関するコンテンツ情報を閲覧したり、画像13−3を壁紙としてダウンロードできる、といった設定が可能となる。
こうしてカレンダーごとに異なるサービスを設定できることから、店舗Aは、顧客ごとに配布するカレンダーを変えることによって、より効果的な販促活動が行える。
【0067】
次に、図6に示す二次元バーコード131の情報21のうち、異なるページID26を利用した場合の情報提供システム100の実施例について説明する。図12は、同じカレンダーのページ57とページ59を示す図である。それぞれのページ57、59には、ページIDの異なる二次元バーコード131−4、131−5が印刷される。
店舗Aからの指示により、サーバ101は、二次元バーコード131−4、131−5のそれぞれに異なるサービス情報を設定することも可能であり、ユーザ104はページが変わるごとにバーコードを用いてサーバ101にアクセスして、異なる情報を得ることが可能である。
【0068】
次に、図6に示す二次元バーコード131の情報21のうち、異なる機能ID27を利用した場合の情報提供システム100の実施例について説明する。図13はカレンダー61を示す図である。図13に示すように、カレンダー61には、異なる機能ID27を有する二次元バーコード131a、131b、131c、131d、131eが印刷されている。
【0069】
例えば、二次元バーコード131aの機能ID27には「全ての情報を配信」という情報サービスが、二次元バーコード131bの機能ID27には「クーポンメールを配信」という情報サービスが、二次元バーコード131cの機能ID27には「イベント情報を配信」という情報サービスが、二次元バーコード131dの機能ID27には「着メロを配信」という情報サービスが、二次元バーコード131eの機能ID27には「壁紙を配信」という情報サービスが設定されている。
【0070】
ユーザ104は、携帯電話を用いて、希望する情報サービスの二次元バーコードを読み取り、サーバ101にアクセスすることで、サーバ101は所定の情報サービスを携帯端末103に提供する。また、ユーザ104の利用した二次元バーコード131等の情報をサーバ101は記録、保持し、店舗Aに提供することで、店舗Aはユーザ104に関する個人情報を得ることが可能である。
【0071】
以上説明したように、本発明では、配布する印刷物107に二次元バーコード131を印刷し、その情報に、店舗(店舗ID24)、印刷物の種類やページ(カレンダーID25、ページID26)、機能(機能ID27)を識別する情報を含めることによって、サーバ101は、二次元バーコード131を用いてアクセスした携帯電話103に対して様々な情報を効果的に提供することが可能である。
【0072】
尚、本実施の形態では、印刷物107の例として、カレンダーを用いたが、これに限るものでなく、事業者105が販売促進や広告用に用いる全ての印刷物に適用可能である。
【0073】
尚、図6、図7、図8、図9等に示す処理を行うプログラムはCD−ROM等の記録媒体に保持させて流通させてもよいし、このプログラムを通信回線を介して送受することもできる。
【0074】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報提供システム等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本実施の形態に係る情報提供システム100の概略構成を示す図
【図2】サーバ101のハードウェア構成図
【図3】携帯電話103のハードウェア構成図
【図4】二次元バーコード131が印刷されたカレンダー11を示す図
【図5】二次元バーコード131の情報21を示す図
【図6】二次元バーコード131を利用した情報提供の処理手順を示すフローチャート
【図7】二次元バーコード131を利用した情報提供の処理手順を示すフローチャート(ユーザ認証を行う場合)
【図8】二次元バーコード131を利用した情報提供の処理手順を示すフローチャート(ユーザ認証を行う場合)
【図9】二次元バーコード131を利用した情報提供の処理手順を示すフローチャート(ユーザ認証を行う場合)
【図10】カレンダー51と折込チラシとを組み合わせる情報提供を説明する図
【図11】カレンダーIDの異なるカレンダーを示す図
【図12】ページIDの異なるカレンダーを示す図
【図13】機能IDの異なるバーコードが印刷されたカレンダーを示す図
【符号の説明】
【0076】
100………情報提供システム
101………サーバ
103………携帯端末
104………ユーザ
105………事業者
107………印刷物
109………ネットワーク
110………Webサーバ
111………ユーザ管理手段
112………コンテンツ管理手段
113………事業者管理手段
131………二次元バーコード
141………コンピュータ
142………入力装置
143………読取装置
21………二次元バーコード131の情報
22………URL
23………事業者ID
24………店舗ID
25………カレンダーID
26………ページID
27………機能ID

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、
ネットワークを介して、前記サーバと通信可能な携帯電話と、
を具備する情報提供システムであって、
前記携帯電話は、
印刷物に印刷され、識別コード情報を有する二次元バーコードを用いて、サーバにアクセスし、
前記サーバは、
前記携帯電話のユーザ情報を保持するユーザ情報保持手段と、
前記店舗から提供されたコンテンツやサービス情報を保持するコンテンツ情報保持手段と、
前記識別コード情報の内容に従って、前記携帯電話に対して、前記コンテンツ情報保持手段に保持された情報を提供する情報提供手段と、
を具備することを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記識別コード情報は、前記印刷物を配布した店舗、前記印刷物の種類とページ、提供情報内容に関する情報を有することを特徴とする情報提供システム。
【請求項3】
サーバと、
ネットワークを介して、前記サーバと通信可能な携帯電話と、
を具備する情報提供システムであって、
前記携帯電話は、
印刷物に印刷され、前記印刷物を配布した店舗、前記印刷物の種類とページ、提供情報内容に関する情報を含んだ二次元バーコードを用いて、サーバにアクセスし、
前記サーバは、
前記携帯電話のユーザ情報を保持するユーザ情報保持手段と、
前記店舗から提供されたコンテンツやサービス情報を保持するコンテンツ情報保持手段と、
前記二次元コードの情報の内容に従って、前記携帯電話に対して、前記コンテンツ情報保持手段に保持された情報を提供する情報提供手段と、
を具備することを特徴とする情報提供システム。
【請求項4】
前記ユーザ情報保持手段は、前記携帯電話のサーバへのアクセス履歴や前記携帯電話に提供した情報をユーザ情報として保持することを特徴とする請求項1及び請求項3記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記印刷物は、カレンダー、手帳であることを特徴とする請求項1及び請求項3記載の情報提供システム。
【請求項6】
ネットワークを介して、携帯電話に情報を提供するサーバであって、
前記携帯電話のユーザ情報を保持するユーザ情報保持手段と、
店舗から提供されたコンテンツやサービス情報を保持するコンテンツ情報保持手段と、
前記携帯電話による、前記店舗から配布された印刷物に印刷された二次元バーコードを利用したアクセスを受け付ける手段と、
前記携帯電話に対して、前記二次元バーコードの識別コード情報に従って、前記コンテンツ情報手段に保持された情報を提供する情報提供手段と、
を具備することを特徴とするサーバ。
【請求項7】
前記識別コード情報は、前記印刷物を配布した店舗、前記印刷物の種類とページ、提供情報内容に関する情報を有することを特徴とする請求項6記載のサーバ。
【請求項8】
ネットワークを介して、携帯電話に情報を提供するサーバであって、
前記携帯電話のユーザ情報を保持するユーザ情報保持手段と、
店舗から提供されたコンテンツやサービス情報を保持するコンテンツ情報保持手段と、
前記携帯電話による、前記店舗から配布された印刷物に印刷された二次元バーコードを利用したアクセスを受け付ける手段と、
前記携帯電話に対して、前記二次元バーコードに含まれる、前記店舗、前記印刷物の種類とページ、提供情報内容に関する情報に従って、前記コンテンツ情報手段に保持された情報を提供する情報提供手段と、
を具備することを特徴とするサーバ。
【請求項9】
前記ユーザ情報保持手段は、前記携帯電話のサーバへのアクセス履歴や前記携帯電話に提供した情報をユーザ情報として保持することを特徴とする請求項6及び請求項8記載のサーバ。
【請求項10】
前記印刷物は、カレンダー、手帳であることを特徴とする請求項6及び請求項8記載のサーバ。
【請求項11】
店舗から携帯電話ユーザに配布される印刷物であって、
配布した店舗、印刷物の種類とページ、提供情報内容に関する情報を含んだ二次元バーコードが印刷された印刷物。
【請求項12】
コンピュータを請求項6から請求項10のいずれかに記載のサーバとして機能させるプログラム。
【請求項13】
コンピュータを請求項6から請求項10のいずれかに記載のサーバとして機能させるプログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−236227(P2006−236227A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−53218(P2005−53218)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】