説明

印刷物、該印刷物の品質管理方法及び真偽判別方法

【課題】 印刷物製造時に、印刷や箔等を重ねる際のわずかな位置ずれを用いて簡易的な情報を付与することで、あらたな設備を増設することなく検査、品質管理及び真偽判別が確実にできる印刷物、該印刷物の品質管理方法及び真偽判別方法を提供する。
【解決手段】 基材上の一方の面に設けられた箔押し領域に所定の図柄が形成され、形成された所定の図柄上に重ねて又は基材の他方の面に、箔押し領域の位置と同じ位置になるように、金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部となっている箔が貼付され、所定の図柄と、箔の金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部となっている部分が同じ位置に配置されていることを特徴とする印刷物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物、該印刷物の品質管理方法及び真偽判別方法に関する。特に、銀行券、有価証券、各種証明書、貴重書類等の印刷物製造時に、基材上の選択された領域に箔を貼付する際に生ずるわずかな位置ズレを利用するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行券、有価証券、各種証明書、貴重書類等の印刷物の偽造及び変造防止策として、主に印刷物に金属箔等を貼付する方法がある。
偽造者を退けるために、印刷物等に金属箔等を貼付した偽造及び変造防止策は、近年あまりに多くの貴重印刷物や商品に採用されているために、原理が習得されてしまい、偽造又は複製されやすくなってきており、また、微細加工技術の向上により、一見しただけでは判別できないほどの再現性の良い金属箔が出回っている。
また、金属箔等は記番号のように個別の情報を有していないため、再現性の良い金属箔が大量に製造され、貴重製品として出回ったとき、真偽判別が非常に困難となってしまう。
【0003】
さらに、印刷物等に金属箔等が貼付された箔押し製品の貼付精度の検査としては、箔押し部分以外の印刷模様や用紙端との位置を測定し、適正位置に貼付されているかどうか行うものであり、品質管理として用いられるものではなかった。
【0004】
例えば、箔押し機で箔が貼付された用紙の品質を確認するには、排紙部に排出された用紙を抜取り、人手による目視検査をして貼付品質を確認していた。このような人手による貼付品質検査を改善するために、箔貼付機に、箔押しした後の残箔の図柄箔が抜けた部分に光を照射して抜け落ちた部分の面積を測定し、その面積が所定範囲以内であるか否かにより、箔押しが確実に行われたどうかを判断する箔貼付検査機構を設けた箔押検査方法及び装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、印刷面の一部に金属箔が圧着された箔押し印刷物の検査において、検査対象に係る箔押し印刷物の印刷面と対向して配置された光電変換形撮像カメラにより、良品に係る印刷物について正反射及び乱反射を撮像して得た撮像信号のそれぞれを処理し、正反射用メモリと乱反射用メモリとに個別に記録し、これら両メモリに記録された信号を合成して印刷検査用基準パターンを得て、この後カメラで乱反射撮像された検査対象の印刷物についての撮像信号を処理して被検査パターンを取得し、両パターンを比較及び照合することで検査する、箔押し印刷検査方法とその装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平2002−39729号公報
【特許文献2】特許第3486018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述した箔等の材料は、製造工程上、可変で情報を付与することが困難である。また、人工物メトリクスを用いた判別では、判定時間が長い、スキャナやコンピュータ等の装置が必要となり、損傷時の読み取りが困難となるなどの問題が考えられる。
【0008】
特許文献1は、箔押しした後の残箔の図柄箔が抜けた部分に光を照射して抜け落ちた部分の面積を測定し、その面積が所定範囲以内であるか否かにより、箔押しが確実に行われたどうかを判断するため、図柄箔の領域及びその他の領域の全面に箔が蒸着される蒸着フィルムの場合には対応できるが、図柄箔及びレジスタマークをベースフィルム上に部分的に蒸着し、その他の領域(透明部)を透明にした蒸着フィルムにおいては、刻印の大きさで箔押しした場合、下部又は上部から光を透過させても、図柄箔が抜け落ちた領域とそれと隣接する領域(透明部)とが透明であるため、図柄箔が抜け落ちた部分の面積を測定することができず、箔押しの検査ができないという問題があった。
【0009】
さらに、この箔押検査方法及び装置は、箔押し機にカメラを増設するため、箔押し機にカメラを収納するためのスペースに余裕がないと取付けが不可能である。
【0010】
特許文献2は、被検査パターンと基準パターンとを比較し、相違があれば欠点があるものと判断できるため、簡易な手法として有用であるが、基準パターンは金属箔全体の反射情報を有しており、印刷検査用と箔検査用の二つの撮像カメラと照明手段を必要とする大掛かりなものとなるという問題があった。
【0011】
通常の箔押し等の位置精度の検査は、箔押し部分に加え、用紙端及び印刷模様を観察するため測定対象範囲が広く、画像処理による各模様の位置の特定、用紙に対する相対的な貼付位置の測定等処理が多く、検査装置に大きな負荷をかけていた。
【0012】
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、印刷物に貼付される箔等の貼付工程において、箔の貼付位置と印刷模様の位置に生じるわずかなあばれを、貼付する箔の金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部となっていることで、外観からではそのセキュリティ機能を感知することは困難な構成とし、箔に形成された透明又は穴が空いた非蒸着部から下地の印刷模様を観察することで、品質管理及び真偽判別が容易にできる印刷物を提供し,あらたに設備を増設することなく、これら印刷物に施された模様と印刷物に貼付された箔の組合せにより、印刷物の検査、品質管理及び真偽判別が確実にできる方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
印刷物表面の任意の領域に印刷インキで印刷図柄を施す印刷工程と、この印刷図柄を覆うように箔等を貼付する貼付工程とを別の装置で行っていることから、印刷物に箔を貼付する場合に、箔の貼付位置と印刷図柄の位置にわずかなあばれが生じ、箔の位置ずれの原因となっている。
本発明者は、今般、貼付する箔として、ディメタライズ(demetallize)等の手法により、金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部となっている箔を用いることで、貼付によるあばれの状態、すなわち、位置ずれが箔の金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部から基材上に印刷された印刷図柄の部分又は基材部分として観察される、ということを利用することにより、観察される印刷図柄の部分又は基材部分の現出状態に応じて、印刷図柄に対する箔の貼付位置ずれの量、箔に形成した一部が透明又は穴が空いた非蒸着部から観察される印刷図柄又は基材部分の形状や濃度等を観察することで検査が可能となり、製造工程において新たに設備を増設することなく容易に品質管理及び真偽判別を行うことができるという知見を得た。本発明は、かかる知見によるものである。
【0014】
すなわち、本発明の印刷物は、基材上の一方の面に設けられた箔押し領域に所定の図柄が形成され、形成された所定の図柄上に重ねて又は基材の他方の面に、箔押し領域の位置と同じ位置になるように、金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部となっている箔が貼付され、所定の図柄と、箔の金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部となっている部分が同じ位置に配置されていることを特徴とする印刷物である。
【0015】
また、本発明の別の態様としての印刷物の品質管理方法は、基材上の一方の面に設けられた箔押し領域に印刷された所定の印刷図柄に、金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部となっている箔を重ねて貼付する印刷物において、非蒸着部は、所定の印刷図柄とは異なる図柄が形成され、非蒸着部によって形成された図柄を介して印刷図柄の有無又は形状を検知し、箔の貼付ずれを検出する印刷物の品質管理方法において、所定の印刷図柄を基材上に印刷インキにより印刷し、印刷された所定の印刷図柄上に、所定の印刷図柄より大きい箔を重ねて貼付し、箔を介して所定面側から所定の光を照射し、照射された箔の透明部分における所定の印刷図柄の有無又は形状を検知し、検知した印刷図柄の有無又は形状と、あらかじめ登録してある正規の印刷図柄の形状とを比較することにより、箔の貼付ずれを検出するものである。
【0016】
さらに、本発明の別の態様としての印刷物の真偽判別方法は、基材上に、文字、記号及び数字から成る記番号を付与し、基材上に設けられた箔押し領域に印刷された所定の印刷図柄に、金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部となっている箔を重ねて貼付する印刷物において、非蒸着部によって形成された図柄を介して印刷図柄の形状を読み取り、印刷物の真偽を判別する印刷物の真偽判別方法であって、所定の印刷図柄を基材上に赤外線吸収インキ又は赤外線透過インキにより印刷し、印刷された所定の印刷図柄以外の部分を赤外線吸収インキ又は赤外線透過インキと同色の赤外線透過インキ又は赤外線吸収インキで印刷し、印刷された所定の印刷図柄上に、所定の印刷図柄より大きい箔を重ねて貼付し、箔を介して所定面側から赤外線を照射し、照射された箔の透明部分における所定の印刷図柄の形状及び基材上の記番号を読み取り、読み取った印刷図柄の形状及び基材上の記番号を、あらかじめ登録してある記番号情報及び該記番号情報に特定される所定の印刷図柄の形状とを比較して、印刷物の真偽判別をするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、印刷物等に貼付される箔等の貼付工程において、箔の貼付位置と印刷図柄の位置に生じるわずかなあばれを、貼付する箔の金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部となっていることで、外観からではそのセキュリティ機能を感知することは困難な構成とし、箔に形成された透明又は穴が空いた部分から下地の印刷図柄を観察することで、品質管理及び真偽判別が容易にできる印刷物を得ることができ、また、新たに設備を増設することなく、これら印刷物に施された図柄と印刷物に貼付された箔の組合せにより、印刷物の検査、品質管理及び真偽判別を確実にできる方法が提供できる。また、このような検査方法は銀行券、有価証券、各種証明書、貴重書類等の印刷物の偽造防止を要求される分野に好適に利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の基本原理は、基材上の選択された領域部分に所定の図柄を印刷してから、印刷図柄を被うように、金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部となっている箔を箔押しで貼付し、この透明又は穴を空けて形成した部分から下地の基材部分を確認すると、例えば、基材部分の図柄の印刷に光吸収度が高いインキを用いて印刷した場合、透過で観察すると箔の透明又は穴を空けて形成した部分を通して下地の基材部分に印刷された印刷図柄が如何に視認できるか、という着想に基づいている。
【0019】
一般に箔の構成としては、(ア)支持層、保護層、金属蒸着層及び接着層より構成されるもの、(イ)支持層、保護層、エンボス層、金属蒸着層及び接着層より構成されるもの等がある。本発明の実施の形態において用いる箔の構成としては、(ア)の箔構成のものを用いて説明する。その中で、箔の金属蒸着層の一部が透明又は穴が空いた、という表現による箔のデザインは、一般にディメタライズ(demetallize)といわれる金属蒸着層を部分的に取り除いた非金属層により形成されるものをいう。
【0020】
非金属層の形成については、箔作製工程時の金属蒸着層蒸着前にディメタライズ模様を印刷した場合は、印刷したディメタライズ模様を溶かして流すことにより、印刷部分が透明になる。同様に、箔作製工程時の金属蒸着層蒸着後に印刷した場合は、印刷したディメタライズ模様が金属蒸着層のマスクとなり、金属蒸着層を溶かして流すことにより、非印刷部分が透明になる。
他の方法としては、金属蒸着層にYVOレーザ等を照射するものであり、YVOレーザは、箔の金属蒸着部分のみにエネルギーが吸収されるため、照射した部分の金属が蒸発し、透明となる。
【0021】
本発明の実施の形態では、以上のようにして得られる箔を用いることで、貼付した箔の透明又は穴を空けた領域を通して、基材部分に施した所定の印刷図柄の一部が確認できるように設計することができる。
例えば、基材上に直径3mmの黒インキで印刷された印刷図柄部分を、印刷図柄に対応した箔の金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部のデザインとして、直径3mmの印刷図柄の中心を合わせた直径1mmの透明部分を箔に施し、貼付する。貼付が1mmまでのズレである場合は、箔の透明部分を通して、その透明部分全体が印刷図柄部分である黒い丸で観察できるのに対し、貼付が1mmを越え2mmまでのズレである場合は、直径1mmの透明部分の一部に基材部分が白く観察されるようになる。貼付が2mmを越えるズレである場合は、その透明部分全体が基材部分である白い丸で観察されるようになる。このように、貼付のズレ量を1mm、1.5mm等と設定し、そのズレ量に対応して印刷図柄と箔の金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部を設計することで、箔の透明又は穴の部分を通して視認できる印刷図柄により、ズレ量を把握することができることになる。
【0022】
このように、箔押し後の箔の透明又は穴の部分から、基材部分に施した所定の印刷図柄の一部分を肉眼や読み取り装置によって観察するものであり、既存の装置で容易に行うことが可能である。観察や読み取りは透過で確認するのが好ましいが、反射でも可能である。また、印刷と箔の関係と同様に、異なる印刷工程を用いたインキ同士を重ねることでも同様の効果を得ることができる。
【0023】
また、このような原理は、製品の品質管理、検査、真偽判別、認証等に利用することが可能である。これは、箔押し工程では、基材に箔を貼付する場合、貼付位置にはわずかなあばれが生じ、同じもので製造された基材部分の所定領域に印刷された図柄及び金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部となっている箔であっても、箔押し工程において、個々の基材に印刷された図柄と金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部となっている箔の位置がずれるということを利用したものである。
【0024】
箔押し後の箔の透明又は穴の部分から観察される所定の印刷図柄の有無、位置、数、大きさ等を、貼付による位置ずれにより出現する所定の印刷図柄の状態として、あらかじめ情報として記録しておくことで、機械読み取りに利用することができ、明暗がはっきりしているため2値画像として利用可能となり、従来の用紙端や印刷模様を基準とした画像処理による機械読み取りと比較すると、容易に情報を読み取ることが可能となる。
【0025】
本発明の基本原理は、金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部となっている箔の他、普通の金属蒸着箔に加工した刻印でディメタライズ箔のように中抜きしたものや、箔ではなく隠蔽できる印刷又はシール等のステッカー類を貼り付けたものにも利用が可能である。
【0026】
印刷に用いるインキについては、光吸収度が高いインキが好ましく、通常インキや赤外線吸収インキ、赤外線透過インキ等の機能性インキを用いることができる。例えば、同色の赤外線吸収インキ、赤外線透過インキを組み合わせた場合、通常光では透明又は穴の部分から一様にインキ色が観察でき、箔押しによる位置ズレ等、特に違和感なく用いることができるが、赤外光で観察すると透明又は穴の部分から赤外線吸収インキが黒く、赤外線透過インキは白く観察されるため、位置ズレの度合いを容易に確認することができる。
また、基材上の一方の面に設けられた印刷図柄に金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部とした箔を積層する形態の他に、印刷図柄の上に重ねる箔や印刷を基材の他方の面に施してもよい。
【0027】
このように機能性インキを用いることにより、特殊な環境でのみ、その機能性インキの有無を観察できるので、品質管理、検査、券種判別、真偽判別、認証等を行う時にのみ所定の印刷図柄を出現させるようにすることで、箔の透明又は穴の部分から印刷図柄又は基材が観察されるかどうかに係わらず、通常の使用環境では、ユーザーに違和感を与えることもなく、透明となっていない又は穴の空いていない箔と全く同じものという認識で利用される。
また、種別ごとに分類される印刷物に貼付される箔について、箔に形成された透明又は穴の部分から見える印刷図柄を形成するインキの見え方が種別ごとに変わるように、印刷図柄及び/又は箔の金属蒸着部の一部に形成された透明又は穴が空いた非蒸着部のデザインを設計することで、その部分だけを読み取ることにより券種判別が可能となる。
【0028】
(実施例1)
図1に、本実施の形態の印刷物の実施例1を示す。すなわち、基材の箔押し領域に所定の図柄を印刷し、印刷された所定の図柄を被うように、所定の図柄に合わせた、金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部とした箔を重ねた領域を有する印刷物の印刷図柄と箔非蒸着部の図柄例1を示すものである。本実施例の印刷物の例としては、紙、プラスチック、フィルム等、印刷や貼付が可能な媒体を上げることができる。
【0029】
本実施例においては、パッチタイプの金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部とした箔(以下「透明部分を形成した箔」ともいう。)を用いて説明する。同様の効果を得る手法として、全面蒸着箔と刻印を用いる場合、刻印は、図1(b)の金属蒸着部分6を刻印の凸部とし、透明部分7を刻印の凹部とすれば、透明部分7は用紙に金属蒸着層は貼付されない。一方、全面蒸着箔にレーザ照射を用いる場合は、透明部分7となるところをレーザ照射することにより、金属蒸着部を蒸発させて透明部分として用いることができる。
【0030】
図1(a)は、用紙1に図柄2を印刷した印刷物3と、透明部分を形成した箔の貼付位置4を示す図であり、図1(b)は、貼付する透明部分7を形成した箔5で、金属蒸着部分6と透明部分7を示す図である。図柄2は、用紙1の箔貼付位置4の中央に通常インキで円形状に印刷し、印刷物3としたものであり、この円形状の通常インキの外周8が貼付位置許容範囲となる。透明部分7を形成した箔5は、金属蒸着部分6の中央に十字の図柄の透明部分7が設けてあり、この透明部分7の図柄は、貼付位置許容範囲内に入るように作製する。このように作製した透明部分を形成した箔5を印刷物3の箔貼付位置4に貼付することで、箔が貼付された印刷物が得られる。
【0031】
また、実施例1の別の形態である印刷物の場合は、図1(a)の図柄2を用紙1の裏面に印刷し、表面に図1(b)に示す透明部分を形成した箔5を貼付する。
【0032】
実施例1で得られた箔が貼付された印刷物を用いて、本実施の形態の印刷物の品質管理の一例を示す。
図2は、図1で作製した透明部分7を形成した箔5が貼付された印刷物3に対して、箔5部分を通常の環境で観察したものである。印刷物3に貼付した透明部分7が形成された箔5の透明部分7の位置が、貼付位置許容範囲内となる。すなわち、透明部分7の十字の図柄が通常インキで印刷した円形状の図柄2の範囲内であれば、図2(a)のように、用紙1の部分は確認されない。これに対し、透明部分7が形成された箔5が、貼付位置許容範囲を越えて大きくずれて貼付された場合は、箔5の透明部分7の十字の図柄の一部が、通常インキで印刷した円形状の図柄2の印刷範囲を越えることになるため、図2(b)のように、ずれた方向の度合いに対応して用紙の一部9が確認できるようになる。このような印刷物は、損紙として処理される。
このように、観察される部分があるか否か、また、所定の印刷図柄の一部分が観察されるか否かで、貼付位置ずれを検出することができ、品質管理が可能となる。
【0033】
また、別の形態として、図1(a)の図柄2を用紙1の裏面に印刷し、表面に図1(b)に示す透明部分7を形成した箔5を貼付した印刷物を透過で観察した場合も、通常インキで印刷した円形状の図柄2の範囲内であれば、図2(a)のように、また、通常インキで印刷した円形状の図柄2の範囲内を超えた場合は、図2(b)のように用紙の一部が白く(9)観察されるので、品質管理が可能となる。
【0034】
箔押し後の箔の透明又は穴の部分から観察される所定の印刷模様の見え方に対して、貼付位置ずれによって見える印刷図柄の一部分の形、位置、数等をあらかじめ情報としてデータベース化しておくことで、印刷物に付与された情報として機械読み取りに利用が可能となる。
【0035】
(実施例2)
図3に、本実施の形態の印刷物の実施例2を示す。箔押し領域の所定の図柄を機能性インキを用いて印刷するものである。本実施例2において貼付する形態及び手法については、実施例1と同様である。
【0036】
図3(a)は、用紙1に図柄10及び11を機能性インキを用いて印刷した印刷物3と箔の貼付位置4を示す図であり、図3(b)は、透明部分7を形成した箔5であり、金属蒸着部分6と透明部分7を示す図である。
図柄10は、用紙1の箔貼付位置4の中央に赤外線吸収インキで円形状に印刷し、図柄11は、この赤外線吸収インキと同色の赤外線透過インキで図柄10の外周に沿ってドーナツ状に印刷する。この印刷物3は、円形状の図柄10の外周8が貼付位置許容範囲となる。透明部分7が形成された箔5は、金属蒸着部分6の中央に十字の図柄の透明部分7を設けてあり、この透明部分7の図柄は、貼付位置許容範囲内に入るように作製する。このように作製した透明部分7を形成した箔5を印刷物3の箔貼付位置4に貼付することで、箔が貼付された印刷物が得られる。
【0037】
また、実施例2の別の形態である印刷物の場合は、図3(a)の図柄10及び11を用紙の裏面に印刷し、表面に図3(b)に示す透明部分7を形成した箔5を貼付する。
【0038】
実施例2で得られた印刷物を用いて、本実施の形態の印刷物の品質管理の一例を示す。
図3の印刷物を、通常環境下で目視で観察する場合を説明する。図柄10は、赤外線吸収インキで円形状に印刷し、図柄11は、図柄10の赤外線吸収インキと同色の赤外線透過インキで図柄10の外周をドーナツ状に印刷しているので、例えば、印刷物に貼付された透明部分7を形成した箔5が、赤外線透過インキで印刷された部分まで位置ずれして貼付されていたとしても、通常の環境で観察した場合には、印刷された図柄10及び11が同色に見えるので位置ずれを観察することはできない。
【0039】
次に、図3の印刷物を赤外線で観察する場合を説明する。図4(a)は、図3で作製した透明部分7を形成した箔5を貼付する前の印刷物3を、赤外線画像で観察した図を示す。図柄10の部分は、赤外線吸収インキで印刷しているため、図柄12に示すように黒く観察され、図柄11の部分は、赤外線透過インキで印刷しているため、図柄13に示すように用紙1を観察していることになり、白く観察される。
【0040】
印刷物3に貼付した箔5の透明部分7の位置が、貼付位置許容範囲内、すなわち、図柄10として印刷した円形状の範囲内であれば、図4(b)のように透明部分7が現れない。一方、透明部分7を形成した箔5が貼付位置許容範囲を越えて大きくずれて貼付された場合は、透明部分7を形成した箔5の透明部分7の十字の図柄の一部が、図柄10の範囲を越え、図柄11の部分にも掛かるため、図4(c)のように、ずれた方向の度合いに対応した用紙14部分が白く現れるようになる。これは、赤外線で観察しているときに見られるものであり、通常の環境下では、上述したように、図4(b)及び(c)は、図2(a)のように全く同じように観察される。
【0041】
また、図3(a)の図柄10及び11を裏面に印刷し、表面に図3(b)に示す透明部分7を形成した箔5を貼付した印刷物を赤外線環境下において透過で観察した場合、貼付位置許容範囲内であれば、図4(b)のように貼付位置許容範囲内を超えた場合、図4(c)のように白く(14)観察される。通常の環境下ではどちらも図4(b)のように観察される。
本実施例においては、機能性インキを用いて図柄を印刷しているので、通常の環境下で観察した場合は位置ずれを観察できないが、赤外線環境下において観察した場合は、位置ずれが観察されるので、品質管理が可能となる。
【0042】
(実施例3)
図5に、本実施の形態の印刷物の実施例3を示す。基材の箔押し領域の所定の図柄として微細なランダムドット模様を用いて印刷するものである。
【0043】
図5(a)は、用紙1に微細なランダムドット模様15を印刷し、ランダムドット模様15の余白部16を持つ印刷物3を示す図であり、図5(b)は、貼付する透明部分を形成した箔17であり、金属蒸着部分6と透明部分18を示す図である。ランダムドット模様15は、用紙1の箔貼付位置19の中央に通常インキで印刷したものである。透明部分18を形成した箔17は、金属蒸着部分6の中央に複数の微細な点状の透明部分18を設けたものを作製する。このように作製した透明部分18を形成した箔17を印刷物3の箔貼付位置19に貼付することで、箔が貼付された印刷物が得られる。
【0044】
また、実施例3の別の形態である印刷物の場合は、図5(a)の微細なランダムドット模様15を用紙1の一方の面に印刷し、他方の面に図5(b)に示す透明部分18を形成した箔17を貼付する。
【0045】
図6は、図5で作製した透明部分18が形成された箔17を貼付した印刷物3に対して、通常の環境下で観察した図を示す。図6(a)と(b)は、印刷物の製造過程において、用紙上に印刷工程で同様のランダムドット模様が印刷され、貼付工程において、同様に処理された透明部分18を形成した箔17を、箔貼付位置19に貼付したものであるが、図6(a)の20と図6(b)の21のように、貼付時のわずかなズレによって箔17の透明部分18から観察されるランダムドット模様15のインキ部分又はランダムドット模様15の余白部16の見え方が異なっているのが分かる。箔17の透明部分18が微細な場合、その部分から観察されるランダムドット模様15のインキ部分又はランダムドット模様15の余白部16のどちらかが認識できることになる。
【0046】
また、図5(a)の微細なランダムドット模様15を用紙1の一方の面に印刷し、他方の面に図5(b)に示す透明部分18を形成した箔17を貼付した印刷物を透過で観察した場合も、図6(a)の透明部分から確認されるランダムドット模様の余白部20と、図6(b)の透明部分18から確認されるランダムドット模様のインキ部分21のように観察され、透明部分18が微細であれば、その部分から観察されるランダムドット模様15のインキ部分又はランダムドット模様15の余白部16のどちらかが認識できることになる。
【0047】
本実施例においては、ランダムドット模様の印刷部と余白部とで形成される模様を2値画像として捉えることができるので、箔17の透明部分18から観察されるランダムドット模様を、その印刷物を識別する固有の情報として用いることが可能となる。
【0048】
(実施例4)
図7に、本実施の形態の別の態様の印刷物を実施例4として示す。基材の箔押し領域の所定の図柄として、ランダムドット模様22とランダムドット模様の余白部23を機能性インキを用いて印刷するものである。本実施例4において貼付する形態及び手法については、実施例3と同様である。
【0049】
図7(a)の印刷物3のランダムドット模様22を赤外線吸収インキで印刷し、ランダムドット模様22の余白部23を、この赤外線吸収インキと同色の赤外線透過インキで印刷する。このように作製した印刷物3の箔貼付位置19に、図7(b)の透明部分18を形成した箔17を貼付することで、箔が貼付された印刷物が得られる。
【0050】
図8は、図7で得られた箔が貼付された印刷物を赤外線で観察した状態を説明する図である。図8(a)は、赤外環境での箔17の透明部分から確認される、ランダムドット模様22の余白部23を印刷した赤外線透過インキ部分を透過して観察される用紙の一部24であり、図8(b)は、赤外環境での箔の透明部分から確認されるランダムドット模様22を印刷した赤外線吸収インキ部分25である。このように貼付時のわずかなズレによって、箔17の透明部分18から観察されるランダムドット模様22の赤外線吸収インキ又はランダムドット模様22の余白部23に印刷した同色の赤外線透過インキの見え方が異なる。
【0051】
図8(c)は、図8(a)、図8(b)の貼付状態を通常の環境下で観察したときの図である。通常光では、図8(a)、図8(b)は、箔17の透明部分18から観察される赤外線吸収インキによるランダムドット模様22と赤外線吸収インキと同色の赤外線透過インキによるランダムドット模様22の余白部23に印刷したものは同じものと観察されるため、箔17の透明部分18からは、赤外線吸収インキ部分と赤外線透過インキ部分は全く同じに観察される(26)ので、位置ずれを観察することができない。実施例4において、ランダムドット模様22を赤外線透過インキで印刷し、ランダムドット模様22の余白部23をこの赤外線透過インキと同色の赤外線吸収インキで印刷した場合も、図8(a)と図8(b)で観察される対象が変わるだけで、同様のことがいえる。
【0052】
(実施例5)
図9に、本実施の形態の別の態様の印刷物を実施例5として示す。本実施例5は、実施例3及び実施例4がパッチタイプであったのに対し、ストライプタイプの透明部分を形成した箔を用いた場合の例である。
図9(a)は、用紙1にランダムドット模様15を印刷し、ランダムドット模様15の余白部16を持つ印刷物3を示す図であり、図9(b)は、ストライプタイプの透明部分を形成した箔27であり、透明部分28を示す図である。ストライプタイプの箔の貼付については、印刷物に貼付する透明部分を形成した箔27は、幅方向は箔貼付位置29のように位置制御されているが、貼付時にはわずかなズレが発生する。流れ方向については位置制御されていない。
【0053】
図10は、図9の印刷物を、通常環境下で目視で観察した場合を説明するものである。図10(a)は、透明部分から確認されるランダムドット模様の余白部30が観察され、図10(b)は、透明部分から確認されるランダムドット模様のインキ部分31が観察される。
【0054】
以上、実施例1〜5において詳述したように、一般的には印刷機と貼付装置が異なり、ワンパスで箔の貼付を行うことができないため、印刷物の箔押し領域に対して、あらかじめ施された所定の印刷図柄に、透明又は穴の部分を形成した箔を重ねて又は印刷物の他方の面に箔押し領域の位置と同じ位置になるように箔を貼付するときの位置精度は、わずかなズレが生じ、本実施例で説明したように、箔貼付後の箔の透明又は穴の部分から観察される所定の印刷図柄の部分が異なる図柄として出現するものである。このように異なる図柄が出現することを利用することで、新たに機械を増設することなく、また、作業工程を変えることもなく、品質管理、検査、真偽判別、認証等を行うことが可能となる。また、貼付装置による位置ずれの範囲や製品としての許容範囲、検査方法を考慮した印刷図柄、箔に施す金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部の図柄をあらかじめデザインすることで、容易に位置ずれの度合いを確認することができる。
【0055】
上記の実施例より、箔貼付位置精度の情報をデータベース化することで、貼付装置の貼付精度を正確に把握することができる。
本発明は、上述した実施例に限定されるものでなく、上述した実施例と同様の効果を奏する態様も含まれるのは当然である。
【0056】
(実施例6)
以上詳述した各実施例で得られた印刷物を用いて、本実施の形態の印刷物の真偽判別方法の一例を示す。本実施例では、実施例4で得られた箔押し領域の所定の図柄が、ランダムドット模様を赤外線吸収インキ(又は赤外線透過インキ)で印刷し、ランダムドット模様の余白部を前記赤外線吸収インキ(又は赤外線透過インキ)と同色の赤外線透過インキ(又は赤外線吸収インキ)により印刷された印刷物に、透明部分を形成した箔を貼付した印刷物を用いて説明する。
上述したランダムドット模様とランダムドット模様の余白部の印刷構成は一例であり、一方を同色の通常インキを用いてもよい。
【0057】
図11は、本実施の形態の印刷物の真偽判別方法の一例を説明するものである。
印刷物の箔貼付位置以外の任意の箇所に、文字、記号及び数字から成る記番号を印刷した印刷物を作製する。そして、各印刷物に貼付した透明部分を形成した箔を赤外環境で機械読み取りする。図11の上段は、箔の透明部分から確認される赤外線透過インキを透過した用紙の一部32が読み取り、この読み取った形状を情報として、記番号と対応させてデータベース34に登録するものである。図11の下段は、箔の透明部分から確認されるランダムドット模様の赤外線吸収インキ部分33が読み取られ、この読み取った形状を情報として、同様に記番号と対応させてデータベース34に登録するものである。
このように、箔の透明部分から機械読み取りすることで箔の貼付位置における位置ずれの形状を情報として読み取り、読み取った情報と記番号とを対応させて、あらかじめデータベース34に登録しておく。
次に、真偽判別する測定対象の印刷物に貼付された箔を読取装置で読み取り、箔の透明部分から読み取った印刷図柄の形状と、該印刷物に付与されている記番号とを読み取って、あらかじめデータベース化されている記番号と箔の透明部分から観察された所定の印刷図柄の形状とを比較することで真偽判別する。つまり、貼付による位置ずれの度合いを照合することである。
【0058】
このように、認証や真偽判別の必要性が生じた場合には、ネットワークからデータベースにアクセスし、機械読取装置で読み取った箔の貼付位置ずれの形状の情報と記番号とを、データベースにあらかじめ登録されている情報と照合することにより、認証や真偽判別が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】実施例1を示す図である。
【図2】実施例1を示す図である。
【図3】実施例2を示す図である。
【図4】実施例2を示す図である。
【図5】実施例3を示す図である。
【図6】実施例3を示す図である。
【図7】実施例4を示す図である。
【図8】実施例4を示す図である。
【図9】実施例5を示す図である。
【図10】実施例5を示す図である。
【図11】実施例6を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
1 用紙
2 通常インキ
3 印刷物
4、19、29 箔貼付位置
5、17、27 透明部分を形成した箔
6 金属蒸着部分
7、18、28 透明部分
8 貼付位置許容範囲
9 透明部分から確認される用紙の一部
10、22 赤外線吸収インキ
11、23 赤外線透過インキ
12 赤外環境での赤外線吸収インキ
13 赤外環境での赤外線透過インキ
14 赤外環境での透明部分から確認される用紙の一部
15 ランダムドット印刷のインキ部分
16 ランダムドット印刷の余白部分
20、30 透明部分から確認されるランダムドット印刷の余白部分
21、31 透明部分から確認されるランダムドット印刷のインキ部分
24 赤外環境での透明部分から確認される赤外線透過インキを透過した用紙の一部
25 赤外環境での透明部分から確認されるランダムドット印刷の赤外線吸収インキ部分
26 通常環境での透明部分から確認されるランダムドット印刷の赤外線吸収インキ部分と赤外線透過インキ部分
32 図8(a)のサンプルが貼付された印刷物
33 図8(b)のサンプルが貼付された印刷物
34 データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上の一方の面に設けられた箔押し領域に所定の図柄が形成され、前記形成された所定の図柄上に重ねて又は前記基材の他方の面に、前記箔押し領域の位置と同じ位置になるように、金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部となっている箔が貼付され、前記所定の図柄と、前記箔の金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部となっている部分が同じ位置に配置されていることを特徴とする印刷物。
【請求項2】
前記所定の図柄は印刷インキで形成され、前記印刷インキは、機能性材料を用いたインキである請求項1記載の印刷物。
【請求項3】
前記機能性材料を用いたインキは、赤外線吸収インキ、赤外線透過インキ及び/又は紫外線発光インキである請求項2記載の印刷物。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷物の品質管理用又は真偽判別用としての使用。
【請求項5】
基材上に設けられた箔押し領域に印刷された所定の印刷図柄に、金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部となっている箔を重ねて貼付する印刷物において、前記非蒸着部は、前記所定の印刷図柄とは異なる図柄が形成され、前記非蒸着部によって形成された図柄を介して前記印刷図柄の有無又は形状を検知し、前記箔の貼付ずれを検出する印刷物の品質管理方法において、
前記所定の印刷図柄を前記基材上に印刷インキにより印刷し、
前記印刷された所定の印刷図柄上に、前記所定の印刷図柄より大きい前記箔を重ねて貼付し、
前記箔を介して所定面側から所定の光を照射し、
前記照射された箔の透明部分における前記所定の印刷図柄の有無又は形状を検知し、
前記検知した印刷図柄の有無又は形状と、あらかじめ登録してある正規の印刷図柄の形状とを比較することにより、前記箔の貼付ずれを検出する印刷物の品質管理方法。
【請求項6】
基材上に、文字、記号及び数字から成る記番号と、前記基材上に設けられた箔押し領域に印刷された所定の印刷図柄に、金属蒸着部の一部が透明又は穴が空いた非蒸着部となっている箔を重ねて貼付する印刷物において、前記非蒸着部によって形成された図柄を介して前記印刷図柄の形状を読み取り、前記印刷物の真偽を判別する印刷物の真偽判別方法であって、
前記所定の印刷図柄を前記基材上に赤外線吸収インキ又は赤外線透過インキにより印刷し、
前記印刷された所定の印刷図柄以外の部分を前記赤外線吸収インキ又は前記赤外線透過インキと同色の赤外線透過インキ又は赤外線吸収インキにより印刷し、
前記印刷された所定の印刷図柄上に、前記所定の印刷図柄より大きい前記箔を重ねて貼付し、
前記箔を介して所定面側から赤外線を照射し、
前記照射された箔の透明部分における前記所定の印刷図柄の形状及び前記印刷図柄により特定された基材上の記番号を読み取り、
前記読み取った印刷図柄の形状及び基材上の記番号を、あらかじめ登録してある所定の印刷図柄の形状及び前記基材上の記番号情報とを比較して、前記印刷物の真偽判別をする印刷物の真偽判別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−172811(P2009−172811A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−12132(P2008−12132)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】