説明

印刷物管理システム

【課題】
印刷情報の印刷、及び印刷物の動きを監視して、印刷者及び印刷物の持ち出しを管理する。
【解決手段】
ネットワークを介して接続された、PCで生成された印刷情報を印刷出力する印刷部と、印刷物の状態を管理するために、印刷出力された印刷物に固定された電子タグに、印刷物の印刷の時、印刷物の受け取り者及び印刷物の移動状態を管理する管理情報を記録する書き込み部とを有する印刷装置と、印刷物の印刷、印刷物の受け取り者及び印刷物の移動状態を管理する管理情報を登録するデータベースと、印刷物の受け取り、持ち出し、及び持ち帰り時に、印刷物の電子タグに記録された管理情報を記録し又は読み取る管理部と、管理部で読み取られた印刷物の管理情報に関して、データベースを参照して対応する印刷物の管理情報を更新する処理手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物管理システムに係り、特に印刷装置によって印刷した印刷物の管理や、社外への印刷物の持ち出しの管理に適用可能な印刷物の管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
2005年4月に個人情報保護法が施行され、企業は個人情報の不正流用防止のための管理を行う義務が生じ、個人は自分の個人情報の取り扱われ方について、高い関心を持つようになった。個人情報の流出事故が企業の社会的信用を大きく失墜させ、経営に与える影響も計り知れない。そのため、企業では、個人情報管理の重大性と責任に留意するとともに、個人情報の入手から廃棄までの管理の徹底をしている。
【0003】
個人情報や重要な情報の社外への流出は、ネットワークを介しての流出、記憶媒体の紛失による流出、印刷物の紛失による流出などが挙げられる。ネットワークを介してこれらの情報が流出する場合の対策としては、例えば、ID,パスワードによる利用者承認の実施(特開2005−158022公報(特許文献1))、データをダウンロードする場合の警告表示、ダウンロードが行われた情報をログに採取するなどの方法(特開2004−246831公報(特許文献2))が知られている。また、記憶媒体の紛失による流出の対策として、記憶媒体そのものに電子タグを取り付け、不正な持ち出しが行われないように管理する方法(特開2005−284505公報(特許文献3))がある。しかし、印刷物の紛失などによる情報流出の対策としては、持ち出し管理台帳を作成するような方法しか行われていないようである。
【0004】
【特許文献1】特開2005−158022公報
【特許文献2】特開2004−246831公報
【特許文献3】特開2005−284505公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の印刷物の管理方法では、誰がいつ何を印刷したかという情報は管理されておらず、印刷物を社外に持ち出しする際に、持ち出し管理台帳等に持ち出しについての情報を記載することで持ち出し管理を行っているのが実情である。そのため、持ち出し管理台帳への記入を怠った場合、印刷物を紛失して初めて印刷されていた事実や、社外に持ち出されていた事実が発覚するという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、印刷情報が不用意に印刷されることを防ぐとともに、印刷物の動きを追跡して監視する印刷物管理システムを提供することにある。具体的に言えば、例えば印刷物の社外への持ち出し、持ち帰り、廃棄管理を正確に行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る印刷物管理システムは、好ましくは、媒体への印刷情報の印刷出力、及び印刷された印刷物の移動を追跡して管理する印刷物管理システムにおいて、ネットワークを介して接続された、媒体に印刷する印刷情報を生成するPCと、PCから送られた印刷情報を印刷出力する印刷部と、印刷物の状態を管理するために、印刷出力された印刷物の特定情報部位に、印刷物の印刷の時、印刷物の受け取り者及び印刷物の移動状態を管理する管理情報を記録する書き込み部と、を有する印刷装置と、印刷物の印刷、印刷物の受け取り者及び印刷物の移動状態を管理する管理情報を登録するデータベースと、印刷物の受け取り、持ち出し、及び持ち帰り時に、印刷物の特定情報部位に所定の管理情報を記録し又は読み取る管理部と、管理部で読み取られた印刷物の管理情報に関して、データベースを参照して対応する印刷物の管理情報を更新する処理手段と、を有し、印刷物の移動状態を管理することを特徴とする印刷物管理システムとして構成される。
好ましい例では、前記特定情報部位は電子タグであり、前記管理部は、電子タグに管理情報を記録又は読み出す無線通信手段を有する。
また、他の例では、前記特定情報部位は二次元コードであり、前記管理部は、管理情報を二次元コードとして印刷する手段及び二次元コードを読み取る光学的手段を有する。
また、好ましくは、前記データベースとして、管理の対象とする資料の管理情報を登録する重要文書データベースと、印刷物通し番号、資料の管理情報、印刷日時、印刷者の情報、受け取り者の情報、受け取り日時、持ち出し日時、持ち出し者の情報、持ち帰り日時、持ち帰り者の情報、廃棄日時、廃棄者の情報を前記管理情報として登録する印刷管理情報データベースとを有し、前記処理手段は、前記データベースを参照して、予め設定された期限までに、印刷物の受け取り、又は持ち帰りに関する情報の登録があるかを監視し、その結果もしその登録が無ければ印刷者又は持ち出し者に対してメールを送信する。
また、好ましくは、前記ネットワークには更に、印刷物を廃棄する廃棄部と、廃棄される印刷物の特定情報部位から管理情報を読み取る読取部とを持つ廃棄装置を有し、前記処理手段は、読取部で読み取られた印刷物に関して、前記データベースを参照して、印刷物の状態に関する管理情報を更新する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、重要な印刷情報が不用意に印刷されることを防ぐとともに、印刷物の動きを追跡して監視することで、例えば印刷物の社外への持ち出し、持ち帰り、廃棄管理を徹底することが可能になる。また、重要な情報の印刷物を第三者が持ち去ることを防ぐことも可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面により詳細に説明する。
図1は、一実施例による印刷物管理システムを示す。
このシステムで扱われる印刷物(印刷情報を印刷した媒体)には、印刷物の動きを追跡して監視するための所定の情報を記憶する電子タグが固定される。このシステムは、ネットワーク9を介して、PC1,印刷物処理システム2、印刷装置3、管理端末4、及び廃棄装置5が接続して構成される。
【0010】
ここで、PC1は利用者が扱うコンピュータであり、種々の情報処理や印刷情報の作成、及び印刷指示、管理情報の入力及び処理等を行う。PC1で作成された印刷情報(印刷内容)はネットワーク9を介して印刷装置3に転送される。また、印刷管理情報は印刷物処理システム2に転送される。
【0011】
印刷物処理システム2は印刷物を管理するサーバであり、CPUで所定のプログラムを実行する情報処理手段及びデータベース(以下DBという)を有する。サーバは印刷物を誰がいつ印刷したか、印刷物の受け取り、持ち出し、持ち帰り、廃棄に関する、所謂追跡情報を管理する。そのために、印刷処理システム2は、印刷物を管理するためにその管理情報を格納する印刷管理情報DB21、重要文書を管理する重要文書管理DB22、印刷管理情報受付部23、重要文書登録受け付け部24、メール送付管理部25、受け取り者情報受付部26、持ち出し情報受付部27、持ち帰り情報受付部28、廃棄情報受付部29を有する。これら各部の機能は、上記情報処理手段によって実現される。
【0012】
ここで、印刷管理情報受付部23は、印刷物処理システム2とLANで接続された、あるPC1からの要求に応じて、印刷対象の文書に関する印刷管理情報を受信する。受信した印刷管理情報は印刷管理情報DB21に記憶される。重要文書登録受け付け部24は、要求のあったPC1からの重要文書の管理情報を受け付け、重要文書DB22にその管理情報を登録する。
【0013】
メール送付管理部25は、システム内に保持されるタイマによって該当するプログラムが起動されて、印刷文書の受け取り期限の確認を行ない、印刷物の受け取り者や持ち出し者のPC1へフォローのためのメールを送信する。メールの宛先は、印刷者氏名番号又は持ち出し者氏名番号にリンクして記憶されたDBを検索してメールアドレスを取得する。また、メールの内容は、図19に例示されるように、予めテンプレートとしてシステム2内のメモリ又はDBに格納して保持される。
【0014】
受け取り者情報受付部26、持ち出し情報受付部27、持ち帰り情報受付部28は、管理端末5で、それぞれ印刷物の受け取り、印刷物の持ち出し又は持ち帰りが行われて、該当者が関連する操作を行った場合、管理端末5から送信され受信した各管理情報を処理して印刷管理情報DB21の内容を更新する機能である。また、廃棄情報受付部29は、廃棄装置5で印刷文書が廃棄された場合、管理端末5から送信される関連の管理情報を受け付けて、印刷管理情報DB21を更新する機能である。
【0015】
ここで、印刷管理情報DB21に記憶される管理情報としては、図11に示すように、印刷物通し番号1、資料管理番号2、秘密区分3、印刷年月日4、〜廃棄者氏名26の、26種類の情報を記憶する。なお、印刷者氏名番号6には、当該印刷者のメールアドレスがリンクして繋がっているものとする。
また、重要文書管理DB22に記憶される管理情報としては、図10示すように、使用管理番号1、秘密区分2、資料名3、〜資料管理責任者氏名7の、7種類の情報を記憶する。
【0016】
印刷装置3は、印刷管理情報書き込み部31、及び電子タグ処理部32、及び印刷部33を有する。印刷管理情報書き込み部31は印刷管理情報を電子タグに記録するための無線通信手段である。電子タグ貼り付け部32は印刷管理情報が書き込まれた電子タグを紙(印刷物)に貼り付ける。電子タグの印刷物への貼り付けは電子タグに接着剤を塗布して、それを印刷物の所定部位に固定することで行われる。印刷部33は、PC1から送られた印刷情報(印刷内容)を紙に印刷出力する。
図12に示すように、電子タグに記録される管理情報は、印刷物通し番号、資料管理番号2、〜受け取り時分13の13種類である。
【0017】
管理端末4は、例えばPCであり、受け取り管理部41、持ち出し管理部42、持ち帰り管理部43、廃棄管理部44を備え、印刷物の受け取り、持ち出し、持ち帰り、廃棄を管理する機能を有する。これらの機能は、CPUで所定のプログラムを実行することで実現される。なお、管理端末4は各管理部の操作を行うための入力インタフェース及び画面インタフェースを有している。
また、持ち出し管理部42及び持ち帰り管理部43は、電子タグに印刷管理情報を記録し及び読み取るための無線通信手段を有している。
【0018】
廃棄装置5は、例えば印刷物を裁断するシュレッダーであり、廃棄情報読み取り部51を有する。廃棄情報読み取り部51は、廃棄する印刷物の投入口に例えば無線通信手段を配置し、印刷物が投入口を通過する時に、印刷物の電子タグに記録された管理情報を無線通信手段によって読み取る。
【0019】
次に、印刷物の登録から廃棄に至るその管理情報の処理について、図2乃至図9のフローチャートを参照して説明する。
まず、図2を参照して、重要文書DB22への重要文書の管理情報の登録動作について説明する。PC1で入力して処理された重要文書の管理情報、すなわち資料管理番号、秘扱区分、資料名、資料管理部署番号、資料管理部署名、資料管理責任者社員番号、資料管理責任者氏名に関する管理情報は、印刷物処理システム2に送信される(S601)。印刷物処理システム2において、重要文書登録受付部24はその管理情報を受け取り、重要文書DB29に書き込む(S602)。この管理情報の登録は利用者のPC1から可能であり、そのための画面インタフェースの画面の遷移の一例を図13に示す。
【0020】
次に、図3を参照して、印刷管理情報の登録動作について説明する。
PC1から文書の印刷を指示すると、その文書に関わる管理情報、すなわち印刷物通し番号、資料管理番号、秘扱区分、印刷年月日、印刷時分、印刷者氏名番号、印刷者氏名、印刷物全枚数、印刷物の通し番号、(ここで、印刷年月日、印刷時分は、印刷情報を登録した時間である)は印刷物処理システム2に送信される(S603)。印刷物処理システム2において、印刷管理情報受付部23はその管理情報を受け取り、それを印刷管理情報DB21に書き込む(S604)。
【0021】
次に、図4を参照して、受け取り期限の確認動作について説明する。
印刷物処理システム2のメール送付管理部24は、印刷物処理システム2内に有するタイマによって時間を計時しており、処理機能の起動時間になると自動起動される。この起動時間は、印刷物管理システム2のメモリ内に予め登録されている。印刷管理情報DB21に記憶されている印刷物の印刷年月日、印刷時分を参照して、それらとタイマの計時時刻を比べ、余り長時間、印刷物が受け取られていない対象を確認する(S605)。長時間受け取られていない印刷物がある場合、印刷管理情報DB21を参照して、その印刷物のデータの印刷者氏名、及び印刷者氏名番号を取得する。そして、その印刷者氏名番号にリンク付けられているメールアドレスに対して、メール送付管理部25は、受け取りを促す内容のメールを、当該利用者のPC1へ送信する(S606)。このメールの例示を図19(A)に示す。
【0022】
PC1は、印刷物処理システム2から送信されたメールを受け取る(S607)。また、長時間受け取られていない印刷物が無かった場合は、メール送付管理部24は何も処理を行わない(S608)。これにより、印刷を実行したままで受け取り登録のし忘れを防止することが可能となる。
【0023】
次に、図5を参照して、印刷物の受け取り登録動作について説明する。
この処理における画面インタフェースの画面の遷移を図15に示す。なお、図15の画面に遷移する前の案内画面を図14に示している。また、印刷物の受け取り登録動作に際しては、その前に印刷情報がPC1から印刷装置3へ転送されているものとする。
管理端末4の受け取り管理部41は、印刷物を受け取りに来た人(受け取り者)に対して個人認証する。個人認証の手段としては、各利用者が所持する専用のIDカードを用いて本人を認証する方法や、利用者の指紋認証、静脈認証等が挙げられる。個人認証の結果、正当である場合、受け取り者は印刷物を受領できる。
【0024】
受け取り管理部41は、画面インタフェースによって、PC1から受信した印刷物の管理情報であってその印刷物の受け取りが完了していない印刷物の管理情報の一覧を画面に表示する。その画面の表示の一例を図15に示す。受け取り者は表示された画面の内容を指定して印刷対象を選択できる。受け取り者が受け取るべき印刷物を選択すると、その個人認証の情報(受け取り者の氏名番号、受け取り者の氏名)と、選択された印刷物の管理情報(印刷物通し番号、資料管理番号、秘扱区分、印刷年月日、印刷時分、印刷者氏名番号、印刷者氏名、印刷物全枚数、印刷物の通し番号)が管理端末4から印刷物処理システム2の受け取り者情報受付部26へ送信される(S609)。
【0025】
印刷物処理システム2の受け取り者情報受付部26では、受け取り管理部41からその管理情報を受け付けると、受け取り対象となった印刷物の印刷管理情報DB21の秘扱区分を参照して(S610)、秘扱区分のレベルと受け取り者の役職等を照らし合わせ、印刷を許可するか否かを判断する(S611)。なお印刷の許可の条件については、例えば、社員番号によってなど、様々に変更可能である。この機能により、他人に成りすまして印刷を実行できたとしても、そのまま紙への印刷をせず、紙への印刷は受け取り者によって初めて可否決定されるため、他者が勝手に印刷を実行し、印刷物を持ち去ってしまうリスクを低下させることができる。
【0026】
上記判断の結果、印刷不可の場合は、受け取り者情報受付部26は、手続きを終了する(S612)。印刷許可の場合は、印刷管理情報DB21に、受け取り者の氏名番号、受け取り者の氏名、受け取り年月日、受け取り時分等の管理情報を記憶する(S613)。印刷管理情報DB21に登録された印刷物通し番号、資料管理番号、秘扱区分、印刷年月日、印刷時分、印刷者氏名番号、印刷者氏名、印刷物全枚数、印刷物の通し番号、受け取り者の氏名番号、受け取り者の氏名、受け取り年月日、受け取り時分等の管理情報は、受け取り者情報受付部26によって、印刷装置3の印刷管理情報書き込み部31に送られる(S614)。
【0027】
印刷管理情報書き込み部31は、その管理情報を受け付け(S615)、その情報を電子タグ処理部32に送る。電子タグ処理部32は、印刷物通し番号、資料管理番号、秘扱区分、印刷年月日、印刷時分、印刷者氏名番号、印刷者氏名、印刷物全枚数、印刷物の通し番号、受け取り者の氏名番号、受け取り者の氏名、受け取り年月日、受け取り時分を含む印刷管理情報を電子タグに書き込む(S615)。そして、印刷情報を紙に印刷出力する(S617)。印刷管理情報が記録された電子タグは、貼り付け手段によって印刷情報が印刷された紙(印刷物)に1枚ずつ貼り付けられる(S618)。
【0028】
次に、図6を参照して、印刷物の持ち出し登録動作について説明する。
この処理における画面インタフェースの画面の遷移を図16に示す。利用者は画面のガイドに従って、順次登録動作を進めていく。
印刷物を持ち出す場合は、管理端末4の持ち出し管理部430で、個人認証を行い(S619)、電子タグに記録された印刷管理情報(印刷物通し番号、資料管理番号、秘扱区分、印刷年月日、印刷時分、印刷者氏名番号、印刷者氏名、印刷物全枚数、印刷物の通し番号、受け取り者の氏名番号、受け取り者の氏名、受け取り年月日、受け取り時分)を読み取り(S620)、持ち帰り期限日を設定して入力する(S621)。
【0029】
設定された管理情報(持ち出し年月日、持ち出し時間、持ち出し者氏名番号、持ち出し者氏名、持ち帰り期限)を印刷物処理システム2の持ち出し情報受付部27へ送られ(S622)、持ち出し情報受付部27は、受け取ったその管理情報を、印刷管理情報DB21に記憶する(S623)。
【0030】
次に、図7を参照して、印刷物の持ち帰り期限の確認動作について説明する。
印刷物処理システム2のメール送付管理部25は、1日1回定時に持ち帰り期限の確認処理を自動的起動する。この起動時間は印刷物管理システムに予め設定されている。印刷管理情報DB21の持ち帰り期限と、タイマが計時する日時とを比較して、持ち帰り期限が切れている印刷物がないかを確認する(S624)。
【0031】
確認の結果、期限を経過している印刷物がある場合、その印刷物のデータの持ち出し者氏名番号、持ち出し者氏名を参照し持ち出した人を特定し、持ち出した人とその上長のメールアドレス対して、持ち帰り登録を促す内容のメールをPCに送付する(S625)。PCはそのメールを受け取る(S626)。メールの内容を図19(B)に示す。なお、持ち出した人のメールアドレスとその上長のメールアドレスについては、持ち出し者氏名番号にリンクして設定されているものとする。
【0032】
一方、期限を過ぎている印刷物がなかった場合、メール送付管理部24は処理を行わない(S627)。これにより、持ち帰り登録漏れを防ぐことになり、また、上長にメールを送付することで、上長は持ち帰り登録できない理由(例えば紛失してしまったなど)を早急に把握することが可能となる。
【0033】
次に、図8を参照して、印刷物の持ち帰り登録動作について説明する。
この処理における画面インタフェースの画面の遷移を図17に示す。
利用者が印刷物を持ち帰った時、利用者は管理端末4の持ち帰り管理部413で、個人認証を行う(S628)。次に廃棄装置5で印刷物の廃棄を行う。その際、廃棄装置5の廃棄情報読み取り部51は、電子タグに記録された印刷管理情報(印刷物通し番号、資料管理番号、秘扱区分、印刷年月日、印刷時分、印刷者氏名番号、印刷者氏名、印刷物全枚数、印刷物の通し番号、受け取り者の氏名番号、受け取り者の氏名、受け取り年月日、受け取り時分)を読み取る(S629)。
【0034】
読み取られたその管理情報は、印刷物処理システム2の持ち帰り情報受付部28へ送られる(S630)。持ち帰り情報受付部28は、受信した管理情報を元に印刷管理情報DB21を参照し、該当する印刷物の管理情報に対応して、持ち帰り年月日、持ち帰り時間、持ち帰り者氏名番号、持ち帰り者氏名を書き込む(S631)。これにより印刷物の持ち帰り登録の際に印刷物の廃棄を確実に行い、持ち帰った印刷物が不正流用されることを防ぐ。また、廃棄登録をする前であれば、印刷管理情報DB21が印刷物の管理情報を保持しているため、何度でも同じ印刷情報の紙に出力することが可能である。
【0035】
次に、図9を参照して、印刷物の廃棄登録動作について説明する。
この処理における画面インタフェースの画面の遷移を図18に示す。
印刷物を廃棄する場合、利用者は管理端末4の廃棄管理部44で個人認証を行う(S632)。その後、廃棄装置5にて印刷物が廃棄される。例えば、廃棄装置としてシュレッダーで廃棄する場合には、印刷物が投入口を通過する時、その電子タグに記録された管理情報(印刷物通し番号、資料管理番号、秘扱区分、印刷年月日、印刷時分、印刷者氏名番号、印刷者氏名、印刷物全枚数、印刷物の通し番号、受け取り者の氏名番号、受け取り者の氏名、受け取り年月日、受け取り時分)を読み取られる(S633)。読み取られた管理情報は、管理端末4の廃棄管理部44へ送信される。廃棄管理部44は読み取られた管理情報を受け取った時点で、印刷処理システム2に対して印刷管理情報DB21の情報削除登録を行う(S634)。
【0036】
廃棄情報受付部28は、廃棄管理部44から受信した管理情報から印刷物通し番号とそのデータを削除する指示を受け取ると、印刷物通し番号によって印刷管理情報DB21を参照し、該当する印刷物の情報を削除する(S635)。廃棄情報受付部29は、廃棄装置5の読み取り部51で取得された管理情報を受け付け、その照合を行うことで、対象とする印刷物の廃棄を確認することができる。
【0037】
以上、一実施例について説明したが、本発明は更に種々変形して実施し得る。例えば、上記実施例では、印刷処理システム2はサーバ内に構築される旨説明したが、変形例では、この印刷処理システム2の全て又は部分的な機能は印刷装置3内に具備させることも可能である。
また、上記実施例では、電子タグに管理情報を記憶した後にその電子タグを媒体に貼り付けるように構成したが、変形例によれば、予め電子タグを固定した印刷媒体を用意し、印刷時にその媒体の電子タグに管理情報を書き込むように構成してもよい。
【0038】
また、上記実施例では、電子タグに印刷管理情報を記録してそれを印刷物に貼り付けて、印刷物を追跡して管理するとした。しかし、代案では、電子タグに変わって二次元コード(例えば)を利用してもよい。その場合、電子タグへの記録再生手段は、二次元コードの印刷手段及び二次元コードの光学的読取手段に変更する。なお、二次元コードにはQRコード(デンソーウェーブの登録商標)などのマトリクス型二次元コードを用いる。また特定情報部位としてバーコード用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】一実施例による印刷物管理システムの構成を示す図、
【図2】印刷物管理システムにおける重要文書管理情報の処理を示すフローチャート、
【図3】印刷物管理システムにおける印刷管理情報の処理を示すフローチャート、
【図4】印刷物管理システムにおける印刷管理情報の処理を示すフローチャート、
【図5】印刷物管理システムにおける印刷管理情報の処理を示すフローチャート、
【図6】印刷物管理システムにおける印刷管理情報の処理を示すフローチャート、
【図7】印刷物管理システムにおける印刷管理情報の処理を示すフローチャート、
【図8】印刷物管理システムにおける印刷管理情報の処理を示すフローチャート、
【図9】印刷物管理システムにおける印刷管理情報の処理を示すフローチャート、
【図10】印刷物管理システムにおける重要DBの記憶情報の形式を示す図、
【図11】印刷物管理システムにおける印刷管理情報DB21の記憶情報の形式を示す図、
【図12】印刷物管理システムにおける電子タグの記憶情報の形式を示す図、
【図13】印刷物管理システムにおける重要文書登録時の画面の遷移を示す図、
【図14】印刷物管理システムにおける管理端末の画面の遷移を示す図、
【図15】印刷物管理システムにおける管理端末の画面の遷移を示す図、
【図16】印刷物管理システムにおける管理端末の画面の遷移を示す図、
【図17】印刷物管理システムにおける管理端末の画面の遷移を示す図、
【図18】印刷物管理システムにおける管理端末の画面の遷移を示す図、
【図19】印刷物管理システムにおける利用者への送信メールの例を示す図。
【符号の説明】
【0040】
1:PC 2:印刷処理システム 3:印刷装置 4:管理端末 5:廃棄装置 21:印刷管理情報DB 22:重要文書管理DB 23:印刷管理情報受付部 24:重要文書登録受付部 25:メール送付管理部 26:受け取り者情報受付部 27:持ち出し情報受付部 28:持ち帰り情報受付部 29:廃棄情報受付部 31:印刷管理情報書き込み部 32:電子タグ貼り付け部 33:印刷部 41:受け取り管理部 42:持ち出し管理部 43:持ち帰り管理部 44:廃棄管理部 51:廃棄情報読み取り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体への印刷情報の印刷出力、及び印刷された印刷物の移動を追跡して管理する印刷物管理システムにおいて、ネットワークを介して接続された、
媒体に印刷する印刷情報を生成するPCと、
該PCから送られた該印刷情報を印刷出力する印刷部と、該印刷物の状態を管理するために、印刷出力された該印刷物の特定情報部位に、該印刷物の印刷の時、該印刷物の受け取り者及び該印刷物の移動状態を管理する管理情報を記録する書き込み部と、を有する印刷装置と、
該印刷物の印刷、該印刷物の受け取り者及び該印刷物の移動状態を管理する管理情報を登録するデータベースと、
該印刷物の受け取り、持ち出し、及び持ち帰り時に、該印刷物の該特定情報部位に所定の該管理情報を記録し又は読み取る管理部と、
該管理部で読み取られた該印刷物の該管理情報に関して、該データベースを参照して対応する該印刷物の該管理情報を更新する処理手段と、を有し、該印刷物の移動状態を管理することを特徴とする印刷物管理システム。
【請求項2】
前記特定情報部位は電子タグであり、前記管理部は、該電子タグに該管理情報を記録又は読み出す無線通信手段を有することを特徴とする請求項1の印刷物管理システム。
【請求項3】
前記特定情報部位は二次元コードであり、前記管理部は、該管理情報を該二次元コードとして印刷する手段及び該二次元コードを読み取る光学的手段を有することを特徴とする請求項1の印刷物管理システム。
【請求項4】
前記データベースとして、管理の対象とする資料の管理情報を登録する重要文書データベースと、該印刷物通し番号、該資料の管理情報、印刷日時、印刷者の情報、受け取り者の情報、受け取り日時、持ち出し日時、持ち出し者の情報、持ち帰り日時、持ち帰り者の情報、廃棄日時、廃棄者の情報を前記管理情報として登録する印刷管理情報データベースとを有し、前記処理手段は、前記データベースを参照して、予め設定された期限までに、該印刷物の受け取り、又は持ち帰りに関する情報の登録があるかを監視し、その結果もしその登録が無ければ該印刷者又は持ち出し者に対してメールを送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの印刷物管理システム。
【請求項5】
前記ネットワークには更に、該印刷物を廃棄する廃棄部と、廃棄される印刷物の該特定情報部位から該管理情報を読み取る読取部とを持つ廃棄装置を有し、
前記処理手段は、該読取部で読み取られた該印刷物に関して、前記データベースを参照して、該印刷物の状態に関する管理情報を更新することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの印刷物管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−176480(P2008−176480A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−8210(P2007−8210)
【出願日】平成19年1月17日(2007.1.17)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】