印刷物
【課題】印刷物にホログラム画像等の光輝性層を有するシール状転写層を備え、その印刷物のカラーコピー機などによる複製防止と偽造および改竄を極めて困難にして不正行為を防止し、且つ、安全性を高めるように構成した抽選券、株券、債券、商品券などの印刷物に関する。
【解決手段】
株券、債券、商品券などの印刷物において、シート状の基材の全面に又は部分的に光輝性層が設けてあり、該光輝性層が設けてある領域内の少なくとも該基材を貫通する又は未貫通の微細孔が複数設けてあることを特徴とする印刷物。
【解決手段】
株券、債券、商品券などの印刷物において、シート状の基材の全面に又は部分的に光輝性層が設けてあり、該光輝性層が設けてある領域内の少なくとも該基材を貫通する又は未貫通の微細孔が複数設けてあることを特徴とする印刷物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、印刷物にホログラム画像等の光輝性層を有するシール状転写層を備え、その印刷物のカラーコピー機などによる複製防止と偽造および改竄を極めて困難にして不正行為を防止し、且つ、安全性を高めるように構成した抽選券、株券、債券、商品券などの印刷物に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、カラーコピー機を用いた印刷物の複製事件等が問題となっている。特に、紙幣（日本銀行券）についてはコピー機側での画像認識により複写できないようになっている。
【０００３】
しかしながら、株券や債券、商品券などの法人発行の印刷物については対象物が多く、コピー機のメーカー側では効果的な対策を施すことができないのが現状である。そのため、ホログラム画像等を備えたシール、金属蒸着膜シールなどの偽造防止用の転写層を印刷物の券面の一部領域若しくは全面に貼着した、有価証券および抽選券（例えば、特許文献１参照。）が知られている。
【０００４】
この有価証券および抽選券はロール状の光重合フォトポリマーにリップマンホログラムを作製し、拡散剤を塗布したロール状フィルムを光重合フォトポリマーに密着させて加熱を行なう。そして、光重合フォトポリマーに記録されている干渉縞の間隔を変化させて再生波長をシフトすることによりホログラムが作製される。
【０００５】
さらに、作製されたホログラムを、有価証券本体の一部若しくは全面に転写して成る有価証券において、上記ホログラムとして、拡散剤を塗布したロール状フィルムを光重合フォトポリマーに密着する前、若しくは密着後加熱する前に、当該拡散剤を塗布したロール状フィルムに紫外線露光を行ない、再生波長の異なるパターンを生成させることにより、連続番号，文字，図形等の各々異なる個別情報を連続的に記録してなるホログラムを備えたことを特徴としている。
【０００６】
上述したようなシールなどを転写するだけでは、この転写層を用紙の層間剥離などを利用して剥し、他の印刷物の券面に貼り替え実際に購入した金額より高額の券に改ざんされている。
【０００７】
また、最近の偽造紙幣のように、印刷物における用紙を表裏２枚に分割して改ざんするなどに対しては全く効果がないため、印刷物等の用紙の一部領域に複数の貫通孔を設け、該貫通孔を隠蔽するように用紙の表裏から、光輝性層を有するシール状転写層を熱転写したことを特徴とする偽造防止策を施した印刷物（例えば、特許文献２参照。）が知られている。
【０００８】
この偽造防止策を施した印刷物は用紙の一部領域に複数の貫通孔を設け、該貫通孔を隠蔽するように用紙の表裏面から、光輝性層を有し、且つ、前記用紙強度以上の強度を有するシール状転写層を熱転写している。そして、シール状転写層の接着剤を転写の際の熱により溶融させて、この貫通孔に埋め込み用紙を強化する。
【０００９】
以下に先行技術文献を示す。
【特許文献１】特開平７−１４９０８８号公報
【特許文献２】特開平９−３０１７２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
特許文献１の有価証券および抽選券はホログラムを備えていることにより偽装や改竄を防止している。しかし、上述したように有価証券や抽選券等の印刷用紙等の表裏あるいは中間層部分等を分割して改竄することが出来るという問題がある。
【００１１】
また、特許文献２の偽造防止策を施した印刷物は用紙の一部領域に複数の貫通孔を設け、該貫通孔を隠蔽するように用紙の表裏面から、光輝性層を有し、かつ、前記用紙強度以上の強度を有するシール状転写層を熱転写する。そして、熱転写の熱によってシール状転写層の接着剤で貫通孔を固着させるという素晴らしい発明である。
【００１２】
しかし、偽造防止策として設けた貫通孔が固着することによって、特許文献１で上述しような用紙等の表裏あるいは中間層部分等を分割し易くなるという問題がある。そして、より偽造を困難とさせるために形成した貫通孔を施す作業が無意味で無駄となるという問題がある。
【００１３】
さらに、貫通孔が固着されるため、表裏面を隠蔽するシール状転写層を通して貫通孔からの光等を確認することが難しくなるという問題がある。そして、偽造あるいは改竄された有価証券であるかどうかを確認する方法や機器の選択等が容易に出来ないという問題がある。
【００１４】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、偽造や改竄が困難であり、且つ、偽造や改竄されたものかが、高価で特殊の機器等を用いることなく容易に判別できる。そして、効率良く大量生産が可能な偽造防止策が施されている印刷物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１５】
上記問題点を解決するために、本発明の請求項１に係る発明は、
株券、債券、商品券などの印刷物において、シート状の基材の全面に又は部分的に光輝性層が設けてあり、該光輝性層が設けてある領域内の少なくとも該基材を貫通する又は未貫通の微細孔が複数設けてあることを特徴とする印刷物である。
【００１６】
次に、本発明の請求項２に係る発明は、
前記シート状の基材の全面または一部領域に設けられている複数の貫通する又は未貫通の微細孔が垂直又は斜めに設けてあることを特徴とする請求項１に記載の印刷物である。
【００１７】
次に、本発明の請求項３に係る発明は、
前記シート状の基材の全面または一部領域に設けられている複数の貫通する又は未貫通の微細孔が、イラスト、文字、絵柄、図形形状に設けられていることを特徴とする請求項１または２に記載の印刷物である。
【００１８】
次に、本発明の請求項４に係る発明は、
前記シートの基材に形成されている微細孔からなるイラスト、文字、絵柄、図形形状が光輝性層を有する転写層に形成されているイラスト、文字、絵柄、図形形状と対応して加熱加圧された形に転写されていることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の印刷物である。
【発明の効果】
【００１９】
本発明の印刷物は以上の構成からなるのでカラーコピー機等で複写した場合、光輝性層を有する転写層が転写されているのでオリジナルと違って複写される。そして、複製した場合でも真偽鑑定が容易に可能となる。
【００２０】
また、転写層を剥がそうとした場合、シート状の基材に形成されている貫通する又は未貫通の微細孔の一部が破壊されてしまう。そして、外観が損なわれる。
【００２１】
また、シート状の基材の貫通する又は未貫通の微細孔が垂直または斜めに形成されているため、印刷物に光等を通しただけで、真偽鑑定が容易に可能となる。
【００２２】
また、微細孔で形成されるイラスト、文字、絵柄、図形形状と転写層に形成されているイラスト、文字、絵柄、図形形状と対応して転写されていることにより、転写層を剥がそうとすると微細孔が破壊される。そして、剥がしたものを偽造または改竄した際、孔の形状が異なり、且つ、孔の一部がささくれだち真偽鑑定が容易に可能となる。
【００２３】
また、シート状の基材に設けられている微細孔の表面または裏面あるいは表裏両面にホログラムなどの光輝性を有する光輝性層を形成した転写層が加熱加圧された形で転写されている。このため、転写層が転写されている部分及びその周辺の一部領域の、シート状の基材強度を強くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２４】
本発明の印刷物を実施の形態に沿って以下に図面を参照にしながら詳細に説明する。
【００２５】
図１は、本発明の印刷物の一実施例の断面を示す概略断面図である。また、図２は本発明の印刷物の他の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【００２６】
本発明の印刷物とは、株券、債券、宝くじ、または商品券等の有価証券の類、各種の証明書、あるいは、その他の印刷物であって、特に偽造防止策を必要とする印刷物である。そして、本発明の印刷物は不正使用等を行っても容易に、鑑定することができる。さらに、不正使用者に偽造・改鼠等が行われていることを説得し易い。
【００２７】
このため、図１に示すように本発明の印刷物はシート状の基材１の全面または一部領域に複数の貫通する微細孔２０を形成する。そして、この微細孔２０の表面、または図に示していないが裏面、あるいは図２に示すように表裏面が、ホログラムなどの光輝性を有する光輝性層を形成した転写層６が加熱加圧された形に転写されて覆われている。
【００２８】
前記微細孔２０とは、貫通した孔、または、未貫通の孔のいずれでも良く、その開口部は、シート状の基材の表側、裏側、または、両側のいずれでも良い。
【００２９】
また、前記光輝性層とは、代表例として、表面レリーフ型のホログラム（または回析格子）が挙げられ、特に、光学効果を高める反射性薄膜が設けてあるものが好ましい。これら以外にも例えば、光学薄膜による光干渉を応用して観察する角度によって色が変化する多層薄膜とか、金属材料を用いた反射膜、等が挙げられる。
【００３０】
例えば、反射性薄膜が設けてある表面レリーフ型のホログラム（または回析格子）の場合は、回析構造に係る微細な凹凸と反射性薄膜の組み合わせによる光学作用の為に、単に印刷物を観察しただけでは微細孔の存在を視認することが困難である。しかし、この印刷物を光に翳して（またはバックライトに当てて）観察した場合は微細孔の存在を視認できる。この効果を簡単な真偽判定の手法として応用できる。
【００３１】
前記シート状の基材１の全面または一部領域に複数の貫通した微細孔２０を覆うホログラムあるいは、金属光沢などの光輝性を有する特殊画像を形成した転写層６を転写することにより、カラーコピー機による複写が防止できる。さらに、転写層６が転写された部分及びその周辺の一部領域の、シート状の基材１強度を強くすることができる。
【００３２】
また、前記シート状の基材１の全面または一部領域に設けられている、複数の貫通した微細孔２０の大きさは、特に限定するものではないが、直径１０μｍ〜１０００μｍ程度が好適である。また、微細孔２０の間隔、ピッチ、領域等は適宜選択される。さらに、同一シート状の基材１に形成される微細孔２０の大きさは全て同一直径であっても、各々の直径が異なっていても良い。
【００３３】
また、前記シート状の基材１の一部領域または全面に形成される貫通した微細孔２０の形成はＣＯ2レーザやＹＡＧレーザあるいは穿孔用プレスまたはミシン目、針等を用いた微細穴あけ装置などを用いることができる。そして、シート状の基材１に微細孔２０を形成する状態、例えば微細孔２０の大きさ、数（個数）、形状等によって装置や方法が適宜選択される。
【００３４】
さらに、シート状の基材１の一部領域または全面に形成される貫通した微細孔２０によってイラスト、文字、絵柄、図形形状などを形成することが出来る。そして、ホログラムなどの光輝性を有する光輝性層を形成した転写層６に形成されている同様のイラスト、文字、絵柄、図形形状などと見当合わせして転写することもできる。
【００３５】
上記シート状の基材１に微細孔２０で形成されているイラスト、文字、絵柄、図形形状などと転写層６に形成されている同様のイラスト、文字、絵柄、図形形状などと見当合わせして転写することにより、より一層印刷物の偽造・改鼠が防止され、且つ、不正使用等を行っても容易に、鑑定することができる。そして、不正使用者に偽造・改鼠等をしていることを説得し易い。
【００３６】
また、シート状の基材１に転写されている転写層６は図７（ａ）に示すように支持体３０の上に個別に設けてあるが、その他の態様として、転写層６が連続した層として形成され加熱加圧された形に転写されるように設計しても良い。
【００３７】
前記支持体３０に形成されているホログラムの転写層６は図７（ｂ）に示すように上層に剥離層５を形成し、該剥離層５上にホログラム形成層４を設け、該ホログラム形成層４上に反射性薄膜層３、該反射性薄膜層３上に接着層２が形成されている。そして、シート状の基材１の微細孔２０面上に接着層２と反射性薄膜層３とホログラム形成層４と剥離性保護層５が順次積層されている転写層６が加熱加圧転写により覆われる。
【００３８】
また、前記支持体３０に形成されているホログラムの転写層６の構成は特に限定されるものではない。例えば、前記ホログラム形成層４を設け、該ホログラム形成層４上にホログラムを形成した後、該ホログラム形成層４上に透過性薄膜層を形成し、該透過性薄膜層上に反射性薄膜層、該反射性薄膜層上に接着層２を形成したものでも良い。さらに、剥離層５とホログラム形成層４との間には図示しない保護層を設けることもできる。
【００３９】
前記反射性薄膜層３は、光輝性を有する金属蒸着層、金、銀インキ層、金属箔などのいずれかにより形成されている。そして、複写時にコピー機の光源を乱反射させる光輝性画像を形成した転写層６が作製される。
【００４０】
また、前記支持体３０は転写層６のベースシートであり、ある程度の剛性および表面の平滑性を有していればよく、とくに限定されるものではなく、例えばポリエステルフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ポリオレフィンフィルム等の高分子樹脂フィルムがあげられる。
【００４１】
次に剥離層５を形成するが、剥離層５はとくに限定されるものではなく、後加工において安定性を有していればよい。例えば、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、セルロース系樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂あるいはこれらにオイルシリコン、脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛を添加したものがある。また無機物であってもよい。剥離層５は図７（ａ）に示すように転写時にパターン状に転写されるように形成してもよく、目視して判別がつくように、特定の模様・マーク・文字などをパターンとして用いることができ、それぞれ用途に応じて任意に選択できる。
【００４２】
また、剥離層５の形成は上記樹脂または上記樹脂の混合物等を塗料化し、バーコート、ブレードコート、エアナイフコート、グラビアコート、ロールコート等のソルベントコート法、或いはスクリーン印刷方法等の既知の塗布方法による塗布をして乾燥することにより、厚さ１〜２μｍ程度の樹脂層を形成する。
【００４３】
また、図示されていない保護層は用途、目的に応じて、種々ある組成物から選択することができ、例えばポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコールまたはポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックなどの光学的に透明なものが積層される。
【００４４】
次にホログラム形成層４を形成するが、ホログラム形成層４は、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン（メタ）アクリレート、ポリエステル（メタ）アクリレート、エポキシ（メタ）アクリレート、ポリオール（メタ）アクリレート、メラミン（メタ）アクリレート、トリアジン（メタ）アクリレートなどの熱硬化性樹脂或いはこれらの混合物、さらにはラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質などが挙げられる。そして、ホログラム画像が形成することが可能な安定性を有するものであれば、いずれのものであっても良い。ホログラム画像はとくに限定されないが、例えば０．５〜２μｍ程度の微小な凹凸により像を表現するレリーフ型ホログラムなどがある。
【００４５】
また、ホログラム形成層４上に、図には示していないが透過性薄膜層を形成しても良い。透過性薄膜層は、ホログラムの使用条件を左右する重要な構成要素であり、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成できる。
【００４６】
次に、反射性薄膜層３を形成するが、この反射性薄膜層３は屈折率の異なるセラミックを交互に特定の膜厚で複数層積層したものであり、例えば、低屈折率層として、酸化マグネシウム（屈折率ｎ＝１．６）、二酸化珪素（ｎ＝１．５）、フッ化マグネシウム（ｎ＝１．４）、フッ化カルシウム（ｎ＝１．３〜１．４）、フッ化セリウム（ｎ＝１．６）、フッ化アルミニウム（ｎ＝１．３）、酸化アルミニウム（ｎ＝１．６）のうちの一つと、高屈折率層７として、二酸化チタン（ｎ＝２．４）、二酸化ジルコニウム（ｎ＝２．０）、硫化亜鉛（ｎ＝２．３）、酸化亜鉛（ｎ＝２．１）、酸化インジウム（ｎ＝２．０）、二化セリウム（ｎ＝２．３）、酸化タンタル（ｎ＝２．１）のうちの一つとを所定の膜厚で積層させた複合層である。この透明蒸着層は、上記の組み合わせからなる層を複数設けることもできる。
【００４７】
前記反射性薄膜層３は所定の波長領域の光線を反射あるいは透過させること、ならびに見る角度を変えることにより薄膜内の光路長が変化し、透過光或いは反射光の色が変わって見えるものである。これにより偽造防止性を発揮するものである。
【００４８】
また、前記反射性薄膜層３は膜厚の制御が可能であれば、いかなる成膜方法も用いることが可能である。なかでも薄膜の生成には乾式法が優れており、これには通常の真空蒸着法、スパッタリング等の物理的気相析出法やＣＶＤ法のような化学的気相析出法を用いることができる。
【００４９】
次に、反射性薄膜層３上に、接着層２を形成するが、反射性薄膜層３に接する場合はこれを変質させたり、冒すものでなければ通常用いられるものでよく、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル系接着剤、ポリエステル系ポリアミドなどがあるが、特にこれらに限定されるものではない。また、接着層２はパターン状に形成してもよく、目視して判別がつくものであればよく、特定の模様・マーク・文字などを用いることができ、それぞれ用途に応じて任意に選択できる。
【００５０】
そして、接着層２は、例えば、上記アクリル系樹脂、ビニール系樹脂等を主成分とし、上述したコート法で厚さは０．５〜２μｍ程度に形成される。
【００５１】
また、転写層６の接着層２を形成する接着剤としては、転写層６の接着強度がシート状の基材１のそれを上回るものであることが前提条件となる。そして、加熱加圧により転写層６をシート状の基材１に転写する場合には、常温では接着性はないが加熱されると活性化して接着性が発現するもので、加熱温度が低下しても接着力を持続するタイプである。
【００５２】
例えば、ポリエステル、アクリル、塩化ビニルなどを適宜な溶剤でワニス化した熱可塑性樹脂接着剤が用いられれる。そして、上述したコート法で、厚さは２〜２０μｍ程度に形成される。
【００５３】
前記接着剤２は転写層６を転写する際に、熱圧着ローラー、或いは加熱プレスにより転写層６の支持体３０側より熱転写する。そして、接着剤が溶融してシート状の基材１に形成されている複数の微細孔を覆う状態で転写層６がしっかりと密着させるとともに、シート状の基材１に固着し、一体化する。
【００５４】
前記転写層６がシート状の基材１に固着し、一体化することにより転写層６を剥そうとすると、層間剥離現象が起きず綺麗に剥離することができない。すなわち、表面あるいは表裏面の転写層６を１枚づつに分割することが難しい。さらに、無理に剥がそうとすると、表面あるいは表裏面のいずれかの側に転写された転写層６のいずれかの層が破壊されて再現することができない。
【００５５】
次に、図３は本発明の印刷物のまた他の一実施例の断面を示す概略断面図である。また、図４は本発明の印刷物のさらに他の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【００５６】
本発明の印刷物は図３および図４に示すようにシート状の基材１の全面または一部領域に複数の未貫通の微細孔２１を形成する。そして、この微細孔２１の表面、あるいは図４に示すように表裏面を、上述したホログラムなどの光輝性を有する光輝性層を形成した転写層６が加熱加圧転写により覆われている。
【００５７】
前記未貫通の微細孔２１の形成は、上述した装置や方法でなされる。そして、微細孔２１の大きさ、数（個数）、形状あるいはイラスト、文字、絵柄、図形形状などの形成等によって装置や方法が適宜選択される。
【００５８】
さらに、シート状の基材１の一部領域または全面に形成される未貫通の微細孔２１によってイラスト、文字、絵柄、図形形状などを形成することが出来る。そして、上述したと同様に、ホログラムなどの光輝性を有する光輝性層を形成した転写層６に形成されている同様のイラスト、文字、絵柄、図形形状などと見当合わせして転写することもできる。そして、微細孔２１のイラスト、文字、絵柄、図形形状と転写層６のイラスト、文字、絵柄、図形形状が対応していることにより偽造や改竄がより一層困難となる。さらに、偽造や改竄された物かどうかを寸時に鑑定することができる。
【００５９】
次に、図５は本発明の印刷物のまたさらに他の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【００６０】
図５に示すようにシート状の基材１の全面または一部領域に複数の未貫通の微細孔２１を形成する。そして、この微細孔２１の表面に上述したホログラムなどの光輝性を有する光輝性層を形成した転写層６が転写により覆われている。さらに転写した転写層６の上面からシート状の基材１に形成されている未貫通の微細孔２１の深さとほぼ同じ状態の複数の転写層６を貫通する貫通孔２２が形成されている。
【００６１】
上記転写層６およびシート状の基材１に転写層６を貫通する貫通孔２２を形成することにより、より一層転写層６を剥がすことが困難となる。そして、転写層６を貫通する貫通孔２２によりイラスト、文字、絵柄、図形形状などを形成することにより、より真偽鑑定が容易となる。
【００６２】
また、転写層６を貫通する貫通孔２２の大きさは、特に限定するものではないが、直径１０μｍ〜５００μｍ程度が好適である。また、転写層６を貫通する貫通孔２２の間隔（ピッチ）、領域等は適宜選択される。さらに、同一シート状の基材１に形成される転写層６を貫通する貫通孔２２の大きさは全て同一直径であっても、各々の直径が異なっていても良い。
【００６３】
そして、この転写層６を貫通する貫通孔２２は図には示していないがシート状の基材１を貫通しても良い。また、図５に示すように垂直に形成する以外に、図には示していないが斜めに形成しても良い。
【００６４】
前記転写層６を貫通する貫通孔２２は上述したＣＯ2レーザやＹＡＧレーザあるいは穿孔用プレスまたはミシン目、針等を用いた微細穴あけ装置などが用いられる。そして、転写層６を貫通する貫通孔２２の状態、例えば転写層６を貫通する貫通孔２２の大きさ、数（個数）、形状等、によって装置や方法が適宜選択される。
【００６５】
次に、図６は本発明の印刷物のさらにまた他の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【００６６】
本発明の印刷物は図６に示すようにシート状の基材１の全面または一部領域に複数の貫通した斜めの微細孔２３を形成する。そして、この斜めの微細孔２３の表面、あるいは図には示していないが表裏面を、上述したホログラムなどの光輝性を有する光輝性層を形成した転写層６が加熱加圧転写により覆われている。
【００６７】
前記斜めの微細孔２３をシート状の基材１に形成することにより、シート状の基材１間から分割して偽造あるいは改竄する際に、目的とする部分から容易に分割することが困難となる。そして、分割されたことが容易に目視できる。
【００６８】
さらに、斜めの微細孔２３が形成されていることにより、光などの光源を所定の角度に形成しておくことにより、真偽鑑定が容易に可能となる。そして、不正使用者に偽造・改鼠等をしていることを説得し易い。
【００６９】
また、斜めの微細孔２３の形成は上述したＣＯ2レーザやＹＡＧレーザあるいは穿孔用プレスまたはミシン目、針等を用いた微細穴あけ装置などが用いられる。そして、シート状の基材１の材質や厚さあるいは目的、使用方法などによって装置や方法が適宜選択される。
【００７０】
次に、本発明の印刷物に用いられるシート状の基材１は印刷物としての使用に耐えうる機械特性、耐水性、耐薬品性、シート状の基材１面を印刷形成するための印刷特性等が要求される。
【００７１】
また、使用される環境等によって、プラスチックフィルムないしシート、アイボリー紙、ポストカード、上質紙、アート紙、コート紙等の紙、合成紙、金属箔、アルミニウム箔、あるいはそれらの複合体などを用いることができる。そして、特に限定されるものではない。
【００７２】
前記紙に耐水性、耐薬品性を附与する方法としては紙を抄造加工時に行う方法と抄造加工された紙に含浸あるいは塗工する方法がある。
【００７３】
例えば、紙を抄造加工時に行う方法で添加される耐水剤は、通常、抄紙前のパルプ縣濁液に内添する内添耐水剤であり、湿潤紙力増強剤として、尿素―ホルムアルデヒド樹脂、メラミンーホルムアルデヒド樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ジアルデヒドでんぷん、グリオキザール化ポリアクリルアミド樹脂等がある。この耐水剤の添加量は、使用するパルプの種類、薬剤の種類や目的とする耐水性により異なる。
【００７４】
また、抄造加工された紙に耐水性を附与す二次加工用薬剤としては、価格あるいは性能等のバランスが優れているカルナバワックス、バラフィン系ワックス、ポリエチレンワックス等のワックスが多く使用されている。
【００７５】
また、水に不溶なポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレンー酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデンー酢酸ビニル共重合体などの高分子溶液あるいはエマルジョンが用いられる。
【００７６】
また、抄造加工された紙に耐水性を附与す二次加工用薬剤としては、価格あるいは性能等のバランスが優れているカルナバワックス、バラフィン系ワックス、ポリエチレンワックス等のワックスが多く使用されている。
【００７７】
また、水に不溶なポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレンー酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデンー酢酸ビニル共重合体などの高分子溶液あるいはエマルジョンが用いられる。
【００７８】
また、上記抄造加工された紙に耐水剤あるいは耐油剤等の加工に際しては、ロールコーター、エアナイフコーター、メタリングバーコーター、ファウンテンブレードコーター、ベベルブレードコーター、ショート・ドゥエルコーターあるいはカーテンコーター等、特に限定されないが、いずれかの適宜の塗工機を用いて紙の表側面、あるいは裏側面、または両側面に塗工が施される。
【産業上の利用可能性】
【００７９】
本発明の印刷物は抽選券、株券、債券、商品券等の有価証券の類、各種の証明書等の偽造防止策を有する印刷物として優れていることはもとより、医薬品、精密部材等の模造品の防止用包装部材等にも使用できる素晴らしい発明である。
【図面の簡単な説明】
【００８０】
【図１】本発明の印刷物の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【図２】本発明の印刷物の他の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【図３】本発明の印刷物のまた他の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【図４】本発明の偽造防止策が施されている印刷物のさらに他の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【図５】本発明の印刷物のまたさらに他の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【図６】本発明の印刷物のさらにまた他の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【図７】（ａ）は本発明の印刷物に転写される転写層を説明するための概略図である。（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ′線断面を説明するための断面概略図である。
【符号の説明】
【００８１】
１…シート状の基材
２…接着層
３…反射薄膜層
４…ホログラム形成層
５…剥離層
６…転写層
２０…微細孔（貫通）
２１…微細孔（未貫通）
２２…転写層を貫通する貫通孔
３０…支持体
【技術分野】
【０００１】
本発明は、印刷物にホログラム画像等の光輝性層を有するシール状転写層を備え、その印刷物のカラーコピー機などによる複製防止と偽造および改竄を極めて困難にして不正行為を防止し、且つ、安全性を高めるように構成した抽選券、株券、債券、商品券などの印刷物に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、カラーコピー機を用いた印刷物の複製事件等が問題となっている。特に、紙幣（日本銀行券）についてはコピー機側での画像認識により複写できないようになっている。
【０００３】
しかしながら、株券や債券、商品券などの法人発行の印刷物については対象物が多く、コピー機のメーカー側では効果的な対策を施すことができないのが現状である。そのため、ホログラム画像等を備えたシール、金属蒸着膜シールなどの偽造防止用の転写層を印刷物の券面の一部領域若しくは全面に貼着した、有価証券および抽選券（例えば、特許文献１参照。）が知られている。
【０００４】
この有価証券および抽選券はロール状の光重合フォトポリマーにリップマンホログラムを作製し、拡散剤を塗布したロール状フィルムを光重合フォトポリマーに密着させて加熱を行なう。そして、光重合フォトポリマーに記録されている干渉縞の間隔を変化させて再生波長をシフトすることによりホログラムが作製される。
【０００５】
さらに、作製されたホログラムを、有価証券本体の一部若しくは全面に転写して成る有価証券において、上記ホログラムとして、拡散剤を塗布したロール状フィルムを光重合フォトポリマーに密着する前、若しくは密着後加熱する前に、当該拡散剤を塗布したロール状フィルムに紫外線露光を行ない、再生波長の異なるパターンを生成させることにより、連続番号，文字，図形等の各々異なる個別情報を連続的に記録してなるホログラムを備えたことを特徴としている。
【０００６】
上述したようなシールなどを転写するだけでは、この転写層を用紙の層間剥離などを利用して剥し、他の印刷物の券面に貼り替え実際に購入した金額より高額の券に改ざんされている。
【０００７】
また、最近の偽造紙幣のように、印刷物における用紙を表裏２枚に分割して改ざんするなどに対しては全く効果がないため、印刷物等の用紙の一部領域に複数の貫通孔を設け、該貫通孔を隠蔽するように用紙の表裏から、光輝性層を有するシール状転写層を熱転写したことを特徴とする偽造防止策を施した印刷物（例えば、特許文献２参照。）が知られている。
【０００８】
この偽造防止策を施した印刷物は用紙の一部領域に複数の貫通孔を設け、該貫通孔を隠蔽するように用紙の表裏面から、光輝性層を有し、且つ、前記用紙強度以上の強度を有するシール状転写層を熱転写している。そして、シール状転写層の接着剤を転写の際の熱により溶融させて、この貫通孔に埋め込み用紙を強化する。
【０００９】
以下に先行技術文献を示す。
【特許文献１】特開平７−１４９０８８号公報
【特許文献２】特開平９−３０１７２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
特許文献１の有価証券および抽選券はホログラムを備えていることにより偽装や改竄を防止している。しかし、上述したように有価証券や抽選券等の印刷用紙等の表裏あるいは中間層部分等を分割して改竄することが出来るという問題がある。
【００１１】
また、特許文献２の偽造防止策を施した印刷物は用紙の一部領域に複数の貫通孔を設け、該貫通孔を隠蔽するように用紙の表裏面から、光輝性層を有し、かつ、前記用紙強度以上の強度を有するシール状転写層を熱転写する。そして、熱転写の熱によってシール状転写層の接着剤で貫通孔を固着させるという素晴らしい発明である。
【００１２】
しかし、偽造防止策として設けた貫通孔が固着することによって、特許文献１で上述しような用紙等の表裏あるいは中間層部分等を分割し易くなるという問題がある。そして、より偽造を困難とさせるために形成した貫通孔を施す作業が無意味で無駄となるという問題がある。
【００１３】
さらに、貫通孔が固着されるため、表裏面を隠蔽するシール状転写層を通して貫通孔からの光等を確認することが難しくなるという問題がある。そして、偽造あるいは改竄された有価証券であるかどうかを確認する方法や機器の選択等が容易に出来ないという問題がある。
【００１４】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、偽造や改竄が困難であり、且つ、偽造や改竄されたものかが、高価で特殊の機器等を用いることなく容易に判別できる。そして、効率良く大量生産が可能な偽造防止策が施されている印刷物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１５】
上記問題点を解決するために、本発明の請求項１に係る発明は、
株券、債券、商品券などの印刷物において、シート状の基材の全面に又は部分的に光輝性層が設けてあり、該光輝性層が設けてある領域内の少なくとも該基材を貫通する又は未貫通の微細孔が複数設けてあることを特徴とする印刷物である。
【００１６】
次に、本発明の請求項２に係る発明は、
前記シート状の基材の全面または一部領域に設けられている複数の貫通する又は未貫通の微細孔が垂直又は斜めに設けてあることを特徴とする請求項１に記載の印刷物である。
【００１７】
次に、本発明の請求項３に係る発明は、
前記シート状の基材の全面または一部領域に設けられている複数の貫通する又は未貫通の微細孔が、イラスト、文字、絵柄、図形形状に設けられていることを特徴とする請求項１または２に記載の印刷物である。
【００１８】
次に、本発明の請求項４に係る発明は、
前記シートの基材に形成されている微細孔からなるイラスト、文字、絵柄、図形形状が光輝性層を有する転写層に形成されているイラスト、文字、絵柄、図形形状と対応して加熱加圧された形に転写されていることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の印刷物である。
【発明の効果】
【００１９】
本発明の印刷物は以上の構成からなるのでカラーコピー機等で複写した場合、光輝性層を有する転写層が転写されているのでオリジナルと違って複写される。そして、複製した場合でも真偽鑑定が容易に可能となる。
【００２０】
また、転写層を剥がそうとした場合、シート状の基材に形成されている貫通する又は未貫通の微細孔の一部が破壊されてしまう。そして、外観が損なわれる。
【００２１】
また、シート状の基材の貫通する又は未貫通の微細孔が垂直または斜めに形成されているため、印刷物に光等を通しただけで、真偽鑑定が容易に可能となる。
【００２２】
また、微細孔で形成されるイラスト、文字、絵柄、図形形状と転写層に形成されているイラスト、文字、絵柄、図形形状と対応して転写されていることにより、転写層を剥がそうとすると微細孔が破壊される。そして、剥がしたものを偽造または改竄した際、孔の形状が異なり、且つ、孔の一部がささくれだち真偽鑑定が容易に可能となる。
【００２３】
また、シート状の基材に設けられている微細孔の表面または裏面あるいは表裏両面にホログラムなどの光輝性を有する光輝性層を形成した転写層が加熱加圧された形で転写されている。このため、転写層が転写されている部分及びその周辺の一部領域の、シート状の基材強度を強くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２４】
本発明の印刷物を実施の形態に沿って以下に図面を参照にしながら詳細に説明する。
【００２５】
図１は、本発明の印刷物の一実施例の断面を示す概略断面図である。また、図２は本発明の印刷物の他の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【００２６】
本発明の印刷物とは、株券、債券、宝くじ、または商品券等の有価証券の類、各種の証明書、あるいは、その他の印刷物であって、特に偽造防止策を必要とする印刷物である。そして、本発明の印刷物は不正使用等を行っても容易に、鑑定することができる。さらに、不正使用者に偽造・改鼠等が行われていることを説得し易い。
【００２７】
このため、図１に示すように本発明の印刷物はシート状の基材１の全面または一部領域に複数の貫通する微細孔２０を形成する。そして、この微細孔２０の表面、または図に示していないが裏面、あるいは図２に示すように表裏面が、ホログラムなどの光輝性を有する光輝性層を形成した転写層６が加熱加圧された形に転写されて覆われている。
【００２８】
前記微細孔２０とは、貫通した孔、または、未貫通の孔のいずれでも良く、その開口部は、シート状の基材の表側、裏側、または、両側のいずれでも良い。
【００２９】
また、前記光輝性層とは、代表例として、表面レリーフ型のホログラム（または回析格子）が挙げられ、特に、光学効果を高める反射性薄膜が設けてあるものが好ましい。これら以外にも例えば、光学薄膜による光干渉を応用して観察する角度によって色が変化する多層薄膜とか、金属材料を用いた反射膜、等が挙げられる。
【００３０】
例えば、反射性薄膜が設けてある表面レリーフ型のホログラム（または回析格子）の場合は、回析構造に係る微細な凹凸と反射性薄膜の組み合わせによる光学作用の為に、単に印刷物を観察しただけでは微細孔の存在を視認することが困難である。しかし、この印刷物を光に翳して（またはバックライトに当てて）観察した場合は微細孔の存在を視認できる。この効果を簡単な真偽判定の手法として応用できる。
【００３１】
前記シート状の基材１の全面または一部領域に複数の貫通した微細孔２０を覆うホログラムあるいは、金属光沢などの光輝性を有する特殊画像を形成した転写層６を転写することにより、カラーコピー機による複写が防止できる。さらに、転写層６が転写された部分及びその周辺の一部領域の、シート状の基材１強度を強くすることができる。
【００３２】
また、前記シート状の基材１の全面または一部領域に設けられている、複数の貫通した微細孔２０の大きさは、特に限定するものではないが、直径１０μｍ〜１０００μｍ程度が好適である。また、微細孔２０の間隔、ピッチ、領域等は適宜選択される。さらに、同一シート状の基材１に形成される微細孔２０の大きさは全て同一直径であっても、各々の直径が異なっていても良い。
【００３３】
また、前記シート状の基材１の一部領域または全面に形成される貫通した微細孔２０の形成はＣＯ2レーザやＹＡＧレーザあるいは穿孔用プレスまたはミシン目、針等を用いた微細穴あけ装置などを用いることができる。そして、シート状の基材１に微細孔２０を形成する状態、例えば微細孔２０の大きさ、数（個数）、形状等によって装置や方法が適宜選択される。
【００３４】
さらに、シート状の基材１の一部領域または全面に形成される貫通した微細孔２０によってイラスト、文字、絵柄、図形形状などを形成することが出来る。そして、ホログラムなどの光輝性を有する光輝性層を形成した転写層６に形成されている同様のイラスト、文字、絵柄、図形形状などと見当合わせして転写することもできる。
【００３５】
上記シート状の基材１に微細孔２０で形成されているイラスト、文字、絵柄、図形形状などと転写層６に形成されている同様のイラスト、文字、絵柄、図形形状などと見当合わせして転写することにより、より一層印刷物の偽造・改鼠が防止され、且つ、不正使用等を行っても容易に、鑑定することができる。そして、不正使用者に偽造・改鼠等をしていることを説得し易い。
【００３６】
また、シート状の基材１に転写されている転写層６は図７（ａ）に示すように支持体３０の上に個別に設けてあるが、その他の態様として、転写層６が連続した層として形成され加熱加圧された形に転写されるように設計しても良い。
【００３７】
前記支持体３０に形成されているホログラムの転写層６は図７（ｂ）に示すように上層に剥離層５を形成し、該剥離層５上にホログラム形成層４を設け、該ホログラム形成層４上に反射性薄膜層３、該反射性薄膜層３上に接着層２が形成されている。そして、シート状の基材１の微細孔２０面上に接着層２と反射性薄膜層３とホログラム形成層４と剥離性保護層５が順次積層されている転写層６が加熱加圧転写により覆われる。
【００３８】
また、前記支持体３０に形成されているホログラムの転写層６の構成は特に限定されるものではない。例えば、前記ホログラム形成層４を設け、該ホログラム形成層４上にホログラムを形成した後、該ホログラム形成層４上に透過性薄膜層を形成し、該透過性薄膜層上に反射性薄膜層、該反射性薄膜層上に接着層２を形成したものでも良い。さらに、剥離層５とホログラム形成層４との間には図示しない保護層を設けることもできる。
【００３９】
前記反射性薄膜層３は、光輝性を有する金属蒸着層、金、銀インキ層、金属箔などのいずれかにより形成されている。そして、複写時にコピー機の光源を乱反射させる光輝性画像を形成した転写層６が作製される。
【００４０】
また、前記支持体３０は転写層６のベースシートであり、ある程度の剛性および表面の平滑性を有していればよく、とくに限定されるものではなく、例えばポリエステルフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ポリオレフィンフィルム等の高分子樹脂フィルムがあげられる。
【００４１】
次に剥離層５を形成するが、剥離層５はとくに限定されるものではなく、後加工において安定性を有していればよい。例えば、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、セルロース系樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂あるいはこれらにオイルシリコン、脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛を添加したものがある。また無機物であってもよい。剥離層５は図７（ａ）に示すように転写時にパターン状に転写されるように形成してもよく、目視して判別がつくように、特定の模様・マーク・文字などをパターンとして用いることができ、それぞれ用途に応じて任意に選択できる。
【００４２】
また、剥離層５の形成は上記樹脂または上記樹脂の混合物等を塗料化し、バーコート、ブレードコート、エアナイフコート、グラビアコート、ロールコート等のソルベントコート法、或いはスクリーン印刷方法等の既知の塗布方法による塗布をして乾燥することにより、厚さ１〜２μｍ程度の樹脂層を形成する。
【００４３】
また、図示されていない保護層は用途、目的に応じて、種々ある組成物から選択することができ、例えばポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコールまたはポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックなどの光学的に透明なものが積層される。
【００４４】
次にホログラム形成層４を形成するが、ホログラム形成層４は、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン（メタ）アクリレート、ポリエステル（メタ）アクリレート、エポキシ（メタ）アクリレート、ポリオール（メタ）アクリレート、メラミン（メタ）アクリレート、トリアジン（メタ）アクリレートなどの熱硬化性樹脂或いはこれらの混合物、さらにはラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質などが挙げられる。そして、ホログラム画像が形成することが可能な安定性を有するものであれば、いずれのものであっても良い。ホログラム画像はとくに限定されないが、例えば０．５〜２μｍ程度の微小な凹凸により像を表現するレリーフ型ホログラムなどがある。
【００４５】
また、ホログラム形成層４上に、図には示していないが透過性薄膜層を形成しても良い。透過性薄膜層は、ホログラムの使用条件を左右する重要な構成要素であり、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成できる。
【００４６】
次に、反射性薄膜層３を形成するが、この反射性薄膜層３は屈折率の異なるセラミックを交互に特定の膜厚で複数層積層したものであり、例えば、低屈折率層として、酸化マグネシウム（屈折率ｎ＝１．６）、二酸化珪素（ｎ＝１．５）、フッ化マグネシウム（ｎ＝１．４）、フッ化カルシウム（ｎ＝１．３〜１．４）、フッ化セリウム（ｎ＝１．６）、フッ化アルミニウム（ｎ＝１．３）、酸化アルミニウム（ｎ＝１．６）のうちの一つと、高屈折率層７として、二酸化チタン（ｎ＝２．４）、二酸化ジルコニウム（ｎ＝２．０）、硫化亜鉛（ｎ＝２．３）、酸化亜鉛（ｎ＝２．１）、酸化インジウム（ｎ＝２．０）、二化セリウム（ｎ＝２．３）、酸化タンタル（ｎ＝２．１）のうちの一つとを所定の膜厚で積層させた複合層である。この透明蒸着層は、上記の組み合わせからなる層を複数設けることもできる。
【００４７】
前記反射性薄膜層３は所定の波長領域の光線を反射あるいは透過させること、ならびに見る角度を変えることにより薄膜内の光路長が変化し、透過光或いは反射光の色が変わって見えるものである。これにより偽造防止性を発揮するものである。
【００４８】
また、前記反射性薄膜層３は膜厚の制御が可能であれば、いかなる成膜方法も用いることが可能である。なかでも薄膜の生成には乾式法が優れており、これには通常の真空蒸着法、スパッタリング等の物理的気相析出法やＣＶＤ法のような化学的気相析出法を用いることができる。
【００４９】
次に、反射性薄膜層３上に、接着層２を形成するが、反射性薄膜層３に接する場合はこれを変質させたり、冒すものでなければ通常用いられるものでよく、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル系接着剤、ポリエステル系ポリアミドなどがあるが、特にこれらに限定されるものではない。また、接着層２はパターン状に形成してもよく、目視して判別がつくものであればよく、特定の模様・マーク・文字などを用いることができ、それぞれ用途に応じて任意に選択できる。
【００５０】
そして、接着層２は、例えば、上記アクリル系樹脂、ビニール系樹脂等を主成分とし、上述したコート法で厚さは０．５〜２μｍ程度に形成される。
【００５１】
また、転写層６の接着層２を形成する接着剤としては、転写層６の接着強度がシート状の基材１のそれを上回るものであることが前提条件となる。そして、加熱加圧により転写層６をシート状の基材１に転写する場合には、常温では接着性はないが加熱されると活性化して接着性が発現するもので、加熱温度が低下しても接着力を持続するタイプである。
【００５２】
例えば、ポリエステル、アクリル、塩化ビニルなどを適宜な溶剤でワニス化した熱可塑性樹脂接着剤が用いられれる。そして、上述したコート法で、厚さは２〜２０μｍ程度に形成される。
【００５３】
前記接着剤２は転写層６を転写する際に、熱圧着ローラー、或いは加熱プレスにより転写層６の支持体３０側より熱転写する。そして、接着剤が溶融してシート状の基材１に形成されている複数の微細孔を覆う状態で転写層６がしっかりと密着させるとともに、シート状の基材１に固着し、一体化する。
【００５４】
前記転写層６がシート状の基材１に固着し、一体化することにより転写層６を剥そうとすると、層間剥離現象が起きず綺麗に剥離することができない。すなわち、表面あるいは表裏面の転写層６を１枚づつに分割することが難しい。さらに、無理に剥がそうとすると、表面あるいは表裏面のいずれかの側に転写された転写層６のいずれかの層が破壊されて再現することができない。
【００５５】
次に、図３は本発明の印刷物のまた他の一実施例の断面を示す概略断面図である。また、図４は本発明の印刷物のさらに他の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【００５６】
本発明の印刷物は図３および図４に示すようにシート状の基材１の全面または一部領域に複数の未貫通の微細孔２１を形成する。そして、この微細孔２１の表面、あるいは図４に示すように表裏面を、上述したホログラムなどの光輝性を有する光輝性層を形成した転写層６が加熱加圧転写により覆われている。
【００５７】
前記未貫通の微細孔２１の形成は、上述した装置や方法でなされる。そして、微細孔２１の大きさ、数（個数）、形状あるいはイラスト、文字、絵柄、図形形状などの形成等によって装置や方法が適宜選択される。
【００５８】
さらに、シート状の基材１の一部領域または全面に形成される未貫通の微細孔２１によってイラスト、文字、絵柄、図形形状などを形成することが出来る。そして、上述したと同様に、ホログラムなどの光輝性を有する光輝性層を形成した転写層６に形成されている同様のイラスト、文字、絵柄、図形形状などと見当合わせして転写することもできる。そして、微細孔２１のイラスト、文字、絵柄、図形形状と転写層６のイラスト、文字、絵柄、図形形状が対応していることにより偽造や改竄がより一層困難となる。さらに、偽造や改竄された物かどうかを寸時に鑑定することができる。
【００５９】
次に、図５は本発明の印刷物のまたさらに他の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【００６０】
図５に示すようにシート状の基材１の全面または一部領域に複数の未貫通の微細孔２１を形成する。そして、この微細孔２１の表面に上述したホログラムなどの光輝性を有する光輝性層を形成した転写層６が転写により覆われている。さらに転写した転写層６の上面からシート状の基材１に形成されている未貫通の微細孔２１の深さとほぼ同じ状態の複数の転写層６を貫通する貫通孔２２が形成されている。
【００６１】
上記転写層６およびシート状の基材１に転写層６を貫通する貫通孔２２を形成することにより、より一層転写層６を剥がすことが困難となる。そして、転写層６を貫通する貫通孔２２によりイラスト、文字、絵柄、図形形状などを形成することにより、より真偽鑑定が容易となる。
【００６２】
また、転写層６を貫通する貫通孔２２の大きさは、特に限定するものではないが、直径１０μｍ〜５００μｍ程度が好適である。また、転写層６を貫通する貫通孔２２の間隔（ピッチ）、領域等は適宜選択される。さらに、同一シート状の基材１に形成される転写層６を貫通する貫通孔２２の大きさは全て同一直径であっても、各々の直径が異なっていても良い。
【００６３】
そして、この転写層６を貫通する貫通孔２２は図には示していないがシート状の基材１を貫通しても良い。また、図５に示すように垂直に形成する以外に、図には示していないが斜めに形成しても良い。
【００６４】
前記転写層６を貫通する貫通孔２２は上述したＣＯ2レーザやＹＡＧレーザあるいは穿孔用プレスまたはミシン目、針等を用いた微細穴あけ装置などが用いられる。そして、転写層６を貫通する貫通孔２２の状態、例えば転写層６を貫通する貫通孔２２の大きさ、数（個数）、形状等、によって装置や方法が適宜選択される。
【００６５】
次に、図６は本発明の印刷物のさらにまた他の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【００６６】
本発明の印刷物は図６に示すようにシート状の基材１の全面または一部領域に複数の貫通した斜めの微細孔２３を形成する。そして、この斜めの微細孔２３の表面、あるいは図には示していないが表裏面を、上述したホログラムなどの光輝性を有する光輝性層を形成した転写層６が加熱加圧転写により覆われている。
【００６７】
前記斜めの微細孔２３をシート状の基材１に形成することにより、シート状の基材１間から分割して偽造あるいは改竄する際に、目的とする部分から容易に分割することが困難となる。そして、分割されたことが容易に目視できる。
【００６８】
さらに、斜めの微細孔２３が形成されていることにより、光などの光源を所定の角度に形成しておくことにより、真偽鑑定が容易に可能となる。そして、不正使用者に偽造・改鼠等をしていることを説得し易い。
【００６９】
また、斜めの微細孔２３の形成は上述したＣＯ2レーザやＹＡＧレーザあるいは穿孔用プレスまたはミシン目、針等を用いた微細穴あけ装置などが用いられる。そして、シート状の基材１の材質や厚さあるいは目的、使用方法などによって装置や方法が適宜選択される。
【００７０】
次に、本発明の印刷物に用いられるシート状の基材１は印刷物としての使用に耐えうる機械特性、耐水性、耐薬品性、シート状の基材１面を印刷形成するための印刷特性等が要求される。
【００７１】
また、使用される環境等によって、プラスチックフィルムないしシート、アイボリー紙、ポストカード、上質紙、アート紙、コート紙等の紙、合成紙、金属箔、アルミニウム箔、あるいはそれらの複合体などを用いることができる。そして、特に限定されるものではない。
【００７２】
前記紙に耐水性、耐薬品性を附与する方法としては紙を抄造加工時に行う方法と抄造加工された紙に含浸あるいは塗工する方法がある。
【００７３】
例えば、紙を抄造加工時に行う方法で添加される耐水剤は、通常、抄紙前のパルプ縣濁液に内添する内添耐水剤であり、湿潤紙力増強剤として、尿素―ホルムアルデヒド樹脂、メラミンーホルムアルデヒド樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ジアルデヒドでんぷん、グリオキザール化ポリアクリルアミド樹脂等がある。この耐水剤の添加量は、使用するパルプの種類、薬剤の種類や目的とする耐水性により異なる。
【００７４】
また、抄造加工された紙に耐水性を附与す二次加工用薬剤としては、価格あるいは性能等のバランスが優れているカルナバワックス、バラフィン系ワックス、ポリエチレンワックス等のワックスが多く使用されている。
【００７５】
また、水に不溶なポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレンー酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデンー酢酸ビニル共重合体などの高分子溶液あるいはエマルジョンが用いられる。
【００７６】
また、抄造加工された紙に耐水性を附与す二次加工用薬剤としては、価格あるいは性能等のバランスが優れているカルナバワックス、バラフィン系ワックス、ポリエチレンワックス等のワックスが多く使用されている。
【００７７】
また、水に不溶なポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレンー酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデンー酢酸ビニル共重合体などの高分子溶液あるいはエマルジョンが用いられる。
【００７８】
また、上記抄造加工された紙に耐水剤あるいは耐油剤等の加工に際しては、ロールコーター、エアナイフコーター、メタリングバーコーター、ファウンテンブレードコーター、ベベルブレードコーター、ショート・ドゥエルコーターあるいはカーテンコーター等、特に限定されないが、いずれかの適宜の塗工機を用いて紙の表側面、あるいは裏側面、または両側面に塗工が施される。
【産業上の利用可能性】
【００７９】
本発明の印刷物は抽選券、株券、債券、商品券等の有価証券の類、各種の証明書等の偽造防止策を有する印刷物として優れていることはもとより、医薬品、精密部材等の模造品の防止用包装部材等にも使用できる素晴らしい発明である。
【図面の簡単な説明】
【００８０】
【図１】本発明の印刷物の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【図２】本発明の印刷物の他の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【図３】本発明の印刷物のまた他の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【図４】本発明の偽造防止策が施されている印刷物のさらに他の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【図５】本発明の印刷物のまたさらに他の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【図６】本発明の印刷物のさらにまた他の一実施例の断面を示す概略断面図である。
【図７】（ａ）は本発明の印刷物に転写される転写層を説明するための概略図である。（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ′線断面を説明するための断面概略図である。
【符号の説明】
【００８１】
１…シート状の基材
２…接着層
３…反射薄膜層
４…ホログラム形成層
５…剥離層
６…転写層
２０…微細孔（貫通）
２１…微細孔（未貫通）
２２…転写層を貫通する貫通孔
３０…支持体
【特許請求の範囲】
【請求項１】
株券、債券、商品券などの印刷物において、シート状の基材の全面に又は部分的に光輝性層が設けてあり、該光輝性層が設けてある領域内の少なくとも該基材を貫通する又は未貫通の微細孔が複数設けてあることを特徴とする印刷物。
【請求項２】
前記シート状の基材の全面または一部領域に設けられている複数の貫通する又は未貫通の微細孔が垂直又は斜めに設けてあることを特徴とする請求項１に記載の印刷物。
【請求項３】
前記シート状の基材の全面または一部領域に設けられている複数の貫通する又は未貫通の微細孔が、イラスト、文字、絵柄、図形形状に設けられていることを特徴とする請求項１または２に記載の印刷物。
【請求項４】
前記シートの基材に形成されている微細孔からなるイラスト、文字、絵柄、図形形状が光輝性層を有する転写層に形成されているイラスト、文字、絵柄、図形形状と対応して加熱加圧された形に転写されていることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の印刷物。
【請求項１】
株券、債券、商品券などの印刷物において、シート状の基材の全面に又は部分的に光輝性層が設けてあり、該光輝性層が設けてある領域内の少なくとも該基材を貫通する又は未貫通の微細孔が複数設けてあることを特徴とする印刷物。
【請求項２】
前記シート状の基材の全面または一部領域に設けられている複数の貫通する又は未貫通の微細孔が垂直又は斜めに設けてあることを特徴とする請求項１に記載の印刷物。
【請求項３】
前記シート状の基材の全面または一部領域に設けられている複数の貫通する又は未貫通の微細孔が、イラスト、文字、絵柄、図形形状に設けられていることを特徴とする請求項１または２に記載の印刷物。
【請求項４】
前記シートの基材に形成されている微細孔からなるイラスト、文字、絵柄、図形形状が光輝性層を有する転写層に形成されているイラスト、文字、絵柄、図形形状と対応して加熱加圧された形に転写されていることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の印刷物。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００８−１３２６９６（Ｐ２００８−１３２６９６Ａ）
【公開日】平成２０年６月１２日（２００８．６．１２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−３２１４１９（Ｐ２００６−３２１４１９）
【出願日】平成１８年１１月２９日（２００６．１１．２９）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年６月１２日（２００８．６．１２）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年１１月２９日（２００６．１１．２９）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
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