説明

印刷装置、および、ユーザ情報出力方法

【課題】入力装置が着脱可能な印刷装置において、入力装置の所在が不明になった場合に、その所在の確認を容易にできるようにする。
【解決手段】判定部29bが、装着部22に入力装置が装着されていない期間が所定の期間よりも長いか否かを判定し、判定部29bにより装着部22に入力装置が装着されていない期間が所定の期間よりも長いと判定された場合に、ユーザ特定部29cが、入力装置を最後に操作したユーザを特定し、情報出力部26が、ユーザ特定部29cにより特定されたユーザを示すユーザ情報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を印刷する印刷装置、および、印刷設定の入力をユーザから受け付ける入力装置が、原稿を印刷する印刷装置の印刷装置本体部が備える装着部に装着されていない場合に、ユーザに係るユーザ情報を出力するユーザ情報出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが離れた場所から指示を出し、原稿の印刷を行うことができる印刷装置が提案されている。例えば、特許文献1には、ユーザが印刷装置の操作パネルを直接操作することなく、認証印刷を行うシステムが開示されている。
【0003】
このシステムでは、ユーザがパーソナルコンピュータで認証印刷ジョブを発行すると、パーソナルコンピュータが、ユーザが使用する携帯デバイスと印刷装置とに関連付けて、その認証印刷ジョブを保存する。その後、ユーザが任意の時に任意の場所で、携帯デバイスから印刷要求をパーソナルコンピュータに送ると、パーソナルコンピュータは、携帯デバイスに関連付けられている認証印刷ジョブを抽出し、その認証印刷ジョブを、それに関連付けられている印刷装置に送る。
【0004】
さらに、近年では、操作パネルを印刷装置から着脱可能にする技術が提案されている。このような印刷装置では、ユーザが印刷装置から離れた位置で操作パネルを操作して印刷処理を行った場合、操作パネルを印刷装置に装着し忘れるといった事態が発生しやすい。また、操作パネルが印刷装置により充電される場合、操作パネルが印刷装置に適切に装着されないと、充電が行われないという問題も生じる。
【0005】
特許文献2には、タッチパネルを操作するためのタッチペンがタッチペン収容部に収容されているか否かを検出し、その検出結果をタッチパネルに表示する情報処理装置が開示されている。しかし、この情報処理装置は、タッチペンの所在が不明であるときに、タッチペンを容易に発見できるようにするものではない。
【0006】
特許文献3には、所在が不明なリモコンの発見を容易なものとする車載機器が開示されている。この車載機器は、リモコンが発した光を受光する2つの受光部を備える。そして、車載機器は、リモコンが発した光が2つの受光部に到達する時間の時間差から、リモコンがある位置の方向を特定する。また、車載装置は、リモコンが発した光がいずれかの受光部に到達する時間から、リモコンと車載機器との間の距離を算出する。そして、車載装置は、それらの算出結果に基づいてリモコンの位置を特定し、特定したリモコンの位置を車載装置のモニタ上に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−128859号公報
【特許文献2】特開2009−157638号公報
【特許文献3】特開2006−352224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献3の技術では、リモコンが発した光が車載機器に到達する時間を測定してリモコンの位置を特定するため、操作パネルを印刷装置本体から着脱可能にした印刷装置にその技術を適用することが難しい。具体的には、オフィスには、壁やパーティションなどがあるため、光の直進が妨げられ、操作パネルが発した光を印刷装置が受信することができない場合が発生し得る。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑み、入力装置が着脱可能な印刷装置において、入力装置の所在が不明になった場合に、その所在の確認を容易にすることができる印刷装置およびユーザ情報出力方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する為に、本発明の第1の技術手段は、原稿を印刷する印刷装置であって、印刷装置本体部と、印刷設定の入力をユーザから受け付ける入力装置と、前記印刷装置本体部に前記入力装置を装着する装着部と、前記装着部に前記入力装置が装着されていない期間が所定の期間よりも長いか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記装着部に前記入力装置が装着されていない期間が所定の期間よりも長いと判定された場合に、前記入力装置を最後に操作したユーザを特定するユーザ特定部と、前記ユーザ特定部により特定されたユーザを示すユーザ情報を出力する情報出力部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記印刷装置本体部と前記入力装置との間の距離を測定する距離測定部をさらに備え、前記判定部はさらに、前記距離測定部により測定された距離が所定の距離より長いか否かを判定し、前記ユーザ特定部は、前記判定部により前記装着部に前記入力装置が装着されていない期間が所定の期間よりも長く、かつ、前記距離測定部により測定された距離が所定の距離より長いと判定された場合に、前記ユーザを特定することを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の技術手段は、第1または第2の技術手段において、前記入力装置は、前記ユーザを特定する識別情報を読み取る識別情報読取部をさらに備え、前記ユーザ特定部は、前記識別情報に基づいて前記ユーザを特定することを特徴とする。
【0013】
本発明の第4の技術手段は、第3の技術手段において、前記判定部により前記装着部に前記入力装置が装着されていない期間が所定の期間よりも長いと判定された回数の情報を、前記ユーザ特定部により特定されたユーザに対応付けて記憶する記憶部と、前記ユーザの識別情報が前記識別情報読取部により読み取られた場合に、前記回数の情報に基づいて、前記ユーザに対する通知を行うか否かを判定する通知制御部とをさらに備え、前記情報出力部は、前記通知制御部により前記ユーザに対する通知を行うと判定された場合に、前記ユーザに対する通知情報を出力することを特徴とする。
【0014】
本発明の第5の技術手段は、第1〜第4のいずれか1つの技術手段において、前記入力装置を前記装着部に装着するように促す内容の電子メールを、前記ユーザ特定部により特定されたユーザ宛てに送信する電子メール送信部をさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明の第6の技術手段は、第1〜第5のいずれか1つの技術手段において、前記入力装置は、音声または音を出力する音声/音出力部をさらに備え、前記音声/音出力部は、前記ユーザ特定部によりユーザが特定された場合に、音声または音を出力することを特徴とする。
【0016】
本発明の第7の技術手段は、第1〜第6のいずれか1つの技術手段において、前記入力装置は、光を発する光出力部をさらに備え、前記光出力部は、前記ユーザ特定部によりユーザが特定された場合に、光を発することを特徴とする。
【0017】
本発明の第8の技術手段は、印刷設定の入力をユーザから受け付ける入力装置が、原稿を印刷する印刷装置の印刷装置本体部が備える装着部に装着されていない場合に、前記ユーザに係るユーザ情報を出力するユーザ情報出力方法であって、前記装着部に前記入力装置が装着されていない期間が所定の期間よりも長いか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて前記装着部に前記入力装置が装着されていない期間が所定の期間よりも長いと判定された場合に、前記入力装置を最後に操作したユーザを特定する特定ステップと、前記特定ステップにおいて特定されたユーザを示すユーザ情報を出力する情報出力ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、装着部に入力装置が装着されていない期間が所定の期間よりも長いか否かを判定し、装着部に入力装置が装着されていない期間が所定の期間よりも長いと判定された場合に、入力装置を最後に操作したユーザを特定し、特定されたユーザを示すユーザ情報を出力するので、入力装置が着脱可能な印刷装置において、入力装置の所在が不明になった場合に、入力装置を最後に操作したユーザの情報を容易に得ることができ、つぎに入力装置を操作するユーザがその所在の確認を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る印刷装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る印刷装置本体の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る入力装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明に係るユーザ情報出力処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係るユーザ情報出力処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係るユーザ情報出力処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る印刷装置10の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、この印刷装置10は、印刷装置本体部20、入力装置30を備える。
【0021】
入力装置30は、印刷装置本体部20に対して着脱可能な装置であり、印刷装置本体部20と入力装置30、および、入力装置30とICカード40とは無線通信により通信を行う。また、印刷装置本体部20は、ネットワーク50を介して、パーソナルコンピュータ60に接続される。
【0022】
印刷装置本体部20は、ユーザがパーソナルコンピュータ60を操作して送信した原稿のデータを受信し、その原稿の印刷処理などを行う装置である。この印刷装置本体部20は、ユーザの識別情報を入力装置30から受信する。
【0023】
そして、印刷装置本体部20は、印刷装置本体部20に設けられた装着部に入力装置30が装着されていない期間が所定の期間よりも長い場合に、入力装置30から受信した識別情報に基づいて、入力装置30を操作したユーザを特定し、そのユーザの情報を表示部に表示する。この印刷装置本体部20については、図2を用いて詳しく説明する。
【0024】
入力装置30は、印刷処理の設定情報などの入力をユーザから受け付ける処理などを行う装置である。この入力装置30は、ユーザ認証を行うため、ICカード40からユーザの識別情報を読み取る。そして、入力装置30は、読み取った識別情報を印刷装置本体部20に送信する。この識別情報を用いて、印刷装置本体部20はユーザ認証を行う。また、入力装置30は、印刷装置本体部20における印刷処理の進行状況の情報、印刷エラーの発生情報、印刷装置本体部20のメインテナンス情報などを表示する。この入力装置30については、図3を用いて詳しく説明する。
【0025】
ICカード40は、ユーザ認証に用いられる識別情報を記憶したICカードである。パーソナルコンピュータ60は、ユーザによる操作を受け付けて、原稿の印刷データを印刷装置本体部20に送信する処理などを行う装置である。
【0026】
つぎに、本発明に係る印刷装置本体部20の構成の一例について説明する。図2は、本発明に係る印刷装置本体部20の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、この印刷装置本体部20は、無線通信部21、装着部22、ネットワーク通信部23、計時部24、距離測定部25、情報出力部26、記憶部27、印刷処理部28、制御部29を備える。
【0027】
無線通信部21は、入力装置30との間で、電波を用いて無線通信を行う処理部である。装着部22は、入力装置30を装着する部分である。この装着部22は、入力装置30が装着部22に装着されているか否かを検出する。そして、装着部22は、入力装置30が装着部22に装着されていることを検出した場合に、入力装置30に対する充電処理を行う。
【0028】
また、装着部22は、印刷処理が実行された後、入力装置30が装着部22に装着されていない場合に、後に説明する判定部29bに対してその旨を通知する情報を送信する。また、装着部22は、入力装置30が装着部22に装着された場合に、判定部29bに対してその旨を通知する情報を送信する。
【0029】
ネットワーク通信部23は、ネットワーク50を介してパーソナルコンピュータ60と通信を行うLAN(Local Area Network)カードなどの通信デバイスである。計時部24は、時間を計測する処理部である。
【0030】
距離測定部25は、印刷装置本体部20と入力装置30との間の距離を測定する処理部である。具体的には、距離測定部25は、音声/音出力部26bを制御して、第1の強度の音波、第1の強度の音波よりも強度が小さい第2の強度の音波、第2の強度の音波よりも強度が小さい第3の強度の音波を音声/音出力部26bに発生させる。そして、距離測定部25は、第1の強度の音波、第2の強度の音波、あるいは、第3の強度の音波を検出した入力装置30からの応答信号を受信する。
【0031】
第3の強度の音波を音声/音出力部26bに発生させ、それに対する応答信号を入力装置30から受信した場合、距離測定部25は、印刷装置本体部20と入力装置30との間の距離が「近距離」と判定する。
【0032】
第3の強度の音波に対する応答信号を入力装置30から受信せず、第2の強度の音波に対する応答信号を入力装置30から受信した場合、距離測定部25は、印刷装置本体部20と入力装置30との間の距離が「中距離」と判定する。
【0033】
第3および第2の強度の音波に対する応答信号を入力装置30から受信せず、第1の強度の音波に対する応答信号を入力装置30から受信した場合、距離測定部25は、印刷装置本体部20と入力装置30との間の距離が「長距離」と判定する。なお、音声/音出力部26bが発生する音波の周波数は、人間に聞こえない周波数とするのが望ましい。
【0034】
なお、ここでは、距離測定部25は、音波を用いて距離を測定することとしたが、無線電波を用いて距離を測定してもよい。この場合、無線通信部21が入力装置30に対して無線通信により所定の信号を送信するよう要求する。入力装置30は、この要求に応じて所定の信号を送信する。そして、距離測定部25は、計時部24を制御して、所定の信号を送信するように要求してから、所定の信号を受信するまでの時間Tを計測する。
【0035】
その後、距離測定部25は、印刷装置本体部20と入力装置30との間の距離Lを、
L=(T−Tn)×V/2
により算出する。ここで、Tnは、入力装置30が所定の信号を送信する要求を受信してから所定の信号を送信するまでの時間であり、Vは電波の伝搬速度である。なお、Tnは、予め分かっているものとする。
【0036】
そして、距離測定部25は、Lが第1の閾値未満である場合に、印刷装置本体部20と入力装置30との間の距離が「近距離」と判定する。また、距離測定部25は、Lが第1の閾値以上で、かつ、第2の閾値未満である場合に、印刷装置本体部20と入力装置30との間の距離が「中距離」と判定する。さらに、距離測定部25は、Lが第2の閾値以上である場合に、印刷装置本体部20と入力装置30との間の距離が「遠距離」と判定する。
【0037】
あるいは、距離測定部25は、無線電波の代わりに光を用いて距離を測定してもよい。この場合、印刷装置本体部20と入力装置30には、光信号を送受信する送受信部が設けられる。そして、距離測定部25は、計時部24を制御して、光信号を用いて入力装置30に対して所定の光信号を送信するように要求してから、所定の光信号を入力装置30から受信するまでの時間Tを計測する。それ以後の処理は、無線電波を用いる場合と同様である。ただし、上記式におけるVは、光の伝搬速度となる。
【0038】
情報出力部26は、さまざまな情報を出力する処理部である。例えば、情報出力部26は、入力装置30を最後に操作したユーザを示す情報などを出力する。この情報出力部26は、表示部26a、音声/音出力部26bを備える。
【0039】
表示部26aは、さまざまな情報を表示する液晶ディスプレイなどの表示デバイスである。この表示部26aは、入力装置30が装着部22に装着されていない場合に、補助情報を表示するために用いられる。例えば、表示部26aは、入力装置30を最後に操作したユーザを示す情報を表示する。音声/音出力部26bは、さまざまな音声や音を出力するスピーカーである。例えば、音声/音出力部26bは、入力装置30を最後に操作したユーザを示す情報を音声で出力したり、鳴動音を出力したりする。
【0040】
記憶部27は、メモリやハードディスク装置などの記憶デバイスである。この記憶部27は、印刷データ27a、ユーザ情報27b、ユーザ識別情報27c、ユーザ履歴情報27dを記憶する。
【0041】
印刷データ27aは、パーソナルコンピュータ60などから受信した印刷を行う原稿のデータである。ユーザ情報27bは、印刷処理を行うことが許可されたユーザの識別情報、および、その識別情報に対応付けて登録されたユーザ名やユーザの電子メールアドレスなどのデータである。ユーザ識別情報27cは、入力装置30から受信したユーザの識別情報のデータである。
【0042】
ユーザ履歴情報27dは、後に説明する判定部29bにより、装着部22に入力装置30が装着されていない期間が所定の期間よりも長いと判定された回数(以下、この回数を入力装置30の放置回数と呼ぶ。)、および、その判定日時の情報(以下、この日時を入力装置30の放置日時と呼ぶ。)を、装着部22に入力装置30を装着しなかったユーザの識別情報に対応付けて登録したデータである。
【0043】
印刷処理部28は、原稿の印刷を行う処理部である。印刷処理部28は、印刷ドラムや紙を搬送する搬送ベルト、レーザー光で画像を形成するレーザーユニットなどを備える。この印刷処理部28は、パーソナルコンピュータ60により送信され、記憶部27に印刷データ27aとして記憶された印刷データの印刷を行う。
【0044】
制御部29は、印刷装置本体部20の全体を制御するCPU(Central Processing Unit)などの制御デバイスである。例えば、制御部29は、印刷装置本体部20の各機能部間のデータの送受信などを司る。この制御部29は、ユーザ認証部29a、判定部29b、ユーザ特定部29c、電子メール送信部29d、通知制御部29eを備える。
【0045】
ユーザ認証部29aは、入力装置30により送信されたユーザの識別情報に基づいて、ユーザ認証を行う処理部である。具体的には、ユーザ認証部29aは、入力装置30により送信されたユーザの識別情報を取得し、取得した識別情報がユーザ情報27bに登録されているか否かを判定する。
【0046】
そして、取得した識別情報がユーザ情報27bに登録されている場合、ユーザ認証部29aは、その識別情報に対応するユーザが印刷処理の実行を許可されたユーザであると判定し、無線通信部21を介して入力装置30に認証成功通知を送信する。
【0047】
一方、取得した識別情報がユーザ情報27bに登録されていない場合、ユーザ認証部29aは、その識別情報に対応するユーザが印刷処理の実行を許可されたユーザではないと判定し、パーソナルコンピュータ60から受信した印刷データを破棄するとともに、無線通信部21を介して入力装置30に認証失敗通知を送信する。
【0048】
判定部29bは、装着部22に入力装置30が装着されていない期間が所定の期間よりも長いか否かを判定するとともに、距離測定部25により測定された印刷装置本体部20と入力装置30との間の距離が所定の距離よりも長いか否かを判定する処理部である。
【0049】
具体的には、判定部29bは、印刷処理の実行後に、装着部22に入力装置30が装着されていない旨の通知を装着部22から受信する。そして、判定部29bは、計時部24に対して、入力装置30が装着部22に装着された旨の通知を装着部22から受け付けるまでの時間を計測するように指示をする。続いて、判定部29bは、計時部24により測定された時間が所定の時間を超えたか否かを判定する。
【0050】
また、判定部29bは、距離測定部25に対して、印刷装置本体部20と入力装置30との間の距離を測定するように指示をし、その測定結果の情報を取得する。そして、判定部29bは、印刷装置本体部20と入力装置30との間の距離の測定結果が所定の距離よりも長いか否かを判定する。
【0051】
具体的には、判定部29bは、装着部22と入力装置30との間の距離の測定結果が、「近距離」よりも長い「中距離」であるか否か、また、「中距離」よりも長い「遠距離」であるか否かを判定する。
【0052】
ユーザ特定部29cは、入力装置30を最後に操作したユーザを特定する処理を行う処理部である。また、ユーザ特定部29cは、ユーザを特定した後、ユーザ履歴情報27dに登録されている特定されたユーザの入力装置30の放置回数を1回増やすとともに、入力装置30の放置日時の情報をユーザ履歴情報27dに登録する処理を行う。
【0053】
具体的には、ユーザ特定部29cは、装着部22に入力装置30が装着されていない時間が所定の時間を超え、かつ、印刷装置本体部20と入力装置30との間の距離の測定結果が「近距離」よりも長い「中距離」、あるいは、「遠距離」であると判定された場合に、入力装置30により最後に送信されたユーザの識別情報を取得する。そして、ユーザ特定部29cは、ユーザ情報27bを参照し、その識別情報に対応するユーザのユーザ名や電子メールアドレスを取得することによりユーザを特定する。
【0054】
さらに、ユーザ特定部29cは、印刷処理の終了後、装着部22に入力装置30が装着されていない時間が所定の時間を超えた場合に、入力装置30に対して、入力装置30を装着部22に装着するようにユーザに促す内容の音声(例えば、「入力装置を装着部に装着して下さい。」という音声信号)、鳴動音などの音、あるいは、点滅光などの光の出力指示を送信する。この出力指示を受信した入力装置30は、その音声、音、あるいは、光を出力する。
【0055】
電子メール送信部29dは、印刷装置本体部20と入力装置30との間の距離の測定結果が「遠距離」であると判定された場合に、ユーザ特定部29cにより特定された電子メールアドレスを用いて、入力装置30を装着部22に装着するように促す内容の電子メール(例えば、「入力装置を装着部に装着して下さい。」という内容の電子メール)を送信する処理部である。
【0056】
このように、印刷装置本体部20と入力装置30との間の距離の測定結果が「中距離」、あるいは、「遠距離」であると判定された場合に、入力装置30を装着部22に装着し忘れたユーザを特定することにより、印刷装置本体部20の付近に入力装置30が無いという状況下で、入力装置30を最後に操作したユーザの情報を容易に得ることができ、つぎに入力装置30を操作するユーザがその所在の確認を容易に行うことができる。
【0057】
また、印刷装置本体部20と入力装置30との間の距離の測定結果が「遠距離」であると判定された場合に、入力装置30を装着部22に装着し忘れたユーザを特定し、電子メールを送信することにより、印刷装置本体部20の付近にそのユーザがいないという状況下で、そのユーザに入力装置30を装着部22に装着するように促すことができる。
【0058】
通知制御部29eは、装着部22に対する入力装置30の装着を頻繁に忘れるユーザに対して、その装着を忘れないようにユーザに通知する処理を制御する処理部である。具体的には、通知制御部29eは、入力装置30が装着部22から取り外された後、入力装置30により送信されたユーザの識別情報を無線通信部21が受信した場合に、ユーザ履歴情報27dを参照し、その識別情報に対応付けて登録された入力装置30の放置回数および入力装置30の放置日時の情報を取得する。
【0059】
そして、通知制御部29eは、一定期間内における入力装置30の放置回数が所定の回数以上であるか否かを判定する。一定期間内における入力装置30の放置回数が所定の回数以上である場合、通知制御部29eは、入力装置30に対して、ユーザに対する通知を行うように指示する情報を送信する。この通知とは、入力装置30を装着部22に忘れずに装着するようにユーザに注意を促す通知(「入力装置を装着部に忘れずに装着して下さい。」という通知)である。一定期間内における入力装置30の放置回数が所定の回数以上でない場合、通知制御部29eは、上記情報の送信は行わない。
【0060】
この情報を受信した入力装置30の表示部35aは、上記通知を表示する。あるいは、入力装置30は、上記通知を音声で出力する。あるいは、入力装置30は、単に鳴動音などの音を出力することとしてもよい。このように、入力装置30の放置回数が多いユーザに対して通知を行うことにより、ユーザの注意を喚起することができ、ユーザが入力装置30を装着部22に装着せずに放置することを防止できる。
【0061】
つぎに、本発明に係る入力装置30の構成の一例について説明する。図3は、本発明に係る入力装置30の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、この入力装置30は、無線通信部31、識別情報読取部32、入力部33、発光部34、情報出力部35、距離測定用信号検出部36、制御部37を備える。
【0062】
無線通信部31は、印刷装置本体部20との間で、電波を用いて無線通信を行う処理部である。識別情報読取部32は、ICカード40に記憶されたユーザの識別情報を読み取るICカードリーダーである。入力部33は、ユーザからの入力操作を受け付けるタッチパッドなどの入力デバイスである。なお、ここでは、ユーザの識別情報をICカードから読み取ることとしたが、識別情報の入力をユーザから入力部33が受け付けることとしてもよい。このようにICカード等からユーザの識別情報を読み取ることにより、ユーザが入力装置30を装着部22に装着しなかった場合に、そのユーザを容易に特定することができる。
【0063】
発光部34は、光を発する発光ダイオードなどの発光デバイスである。この発光部34は、入力装置30が装着部22に装着されておらず、発光するように指示する情報を印刷装置本体部20から受信した場合に発光し、ユーザに対して入力装置30を装着部22に装着するように促す。このように、入力装置30を装着部22に装着し忘れたユーザに対して光で通知するので、入力装置30を装着部22に装着するようそのユーザに促すことができる。
【0064】
情報出力部35は、さまざまな情報を出力する処理部である。例えば、情報出力部35は、入力装置30を装着部22に装着するようユーザに促す情報の出力指示の情報を印刷装置本体部20から受信した場合に、その情報を出力する。この情報出力部35は、表示部35a、音声/音出力部35bを備える。
【0065】
表示部35aは、さまざまな情報を表示する液晶ディスプレイなどの表示デバイスである。例えば、表示部35aは、入力装置30を装着部22に装着するようにユーザに促す情報(例えば、「入力装置を装着部に装着して下さい。」という情報)を表示する。また、表示部35aは、印刷装置本体部20における印刷処理の進行状況の情報、印刷エラーの発生情報、印刷装置本体部20のメインテナンス情報などを表示する。
【0066】
音声/音出力部35bは、さまざまな音声や音を出力するスピーカーである。例えば、音声/音出力部35bは、入力装置30を装着部22に装着するようにユーザに促す音声(例えば、「入力装置を装着部に装着して下さい。」という音声)を出力する。あるいは、音声/音出力部35bは、鳴動音などの音を出力し、ユーザに対して入力装置30を装着部22に忘れずに装着するように促す。このように、入力装置30を装着部22に装着し忘れたユーザに対して音声、あるいは、音で通知するので、入力装置30を装着部22に装着するようそのユーザに促すことができる。
【0067】
距離測定用信号検出部36は、印刷装置本体部20の距離測定部25による音声/音出力部26bの制御により、音声/音出力部26bから出力された音波を検出する処理部である。具体的には、距離測定用信号検出部36は、印刷装置本体部20により出力された第1の強度の音波、第1の強度の音波よりも強度が小さい第2の強度の音波、あるいは、第2の強度の音波よりも強度が小さい第3の強度の音波を検出した場合に、第1の強度の音波、第2の強度の音波、あるいは、第3の強度の音波を検出したことを示す情報を、無線通信部31を介して印刷装置本体部20に送信する。
【0068】
制御部37は、入力装置30の全体を制御するCPUなどの制御デバイスである。例えば、制御部37は、入力装置30の各機能部間のデータの送受信などを司る。
【0069】
つぎに、本発明に係るユーザ情報出力処理の処理手順の一例について説明する。図4〜図6は、本発明に係るユーザ情報出力処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0070】
図4に示すように、まず、入力装置30の識別情報読取部32は、ICカード40からユーザの識別情報を読み取る(ステップS101)。そして、入力装置30の入力部33は、ユーザによりなされる印刷操作を受け付ける(ステップS102)。ここで、印刷操作とは、原稿の印刷部数や用紙サイズなどの印刷条件を設定する操作である。その後、入力装置30の無線通信部31は、ユーザの識別情報と印刷条件の情報を印刷装置本体部20に送信する(ステップS103)。
【0071】
一方、印刷装置本体部20のネットワーク通信部23は、パーソナルコンピュータ60による原稿の印刷データの送信を待ち受ける(ステップS201)。そして、ネットワーク通信部23は、印刷する原稿の印刷データを受信する(ステップS202)。また、印刷装置本体部20の無線通信部21は、入力装置30により送信されたユーザの識別情報と印刷条件の情報を受信する(ステップS203)。
【0072】
その後、印刷装置本体部20のユーザ認証部29aは、入力装置30により送信されたユーザの識別情報がユーザ情報27bに登録されているか否かを判定することにより、その識別情報に対応するユーザが印刷処理の実行を許可された認証ユーザであるか否かを判定する(ステップS204)。
【0073】
識別情報に対応するユーザが認証ユーザでない場合(ステップS204においてNOの場合)、ユーザ認証部29aは、パーソナルコンピュータ60から受信した印刷データを破棄する(ステップS206)。そして、ユーザ認証部29aは、認証失敗通知を入力装置30に送信する(ステップS207)。その後、ステップS201に移行して、それ以降の処理が継続される。
【0074】
識別情報に対応するユーザが認証ユーザである場合(ステップS204においてYESの場合)、ユーザ認証部29aは、認証成功通知を入力装置30に送信する(ステップS205)。
【0075】
一方、図6に示すように、入力装置30の無線通信部31は、図4のステップS205、あるいは、ステップS207において、印刷装置本体部20の無線通信部21により認証成功情報、あるいは、認証失敗情報が送信された結果、認証成功情報、あるいは、認証失敗情報を受信したか否かを判定する(ステップS105)。
【0076】
認証成功情報、あるいは、認証失敗情報を受信した場合(ステップS105においてYESの場合)、入力装置30の表示部35aは、認証が成功したことをユーザに通知する情報、あるいは、認証が失敗したことをユーザに通知する情報を表示する(ステップS106)。なお、入力装置30の音声/音出力部35bが、受信した認証成功情報、あるいは、認証失敗情報を音声で出力することとしてもよい。一方、認証成功情報、あるいは、認証失敗情報を受信しなかった場合(ステップS105においてNOの場合)、ステップS106の処理は実行されない。
【0077】
図4のステップS205の処理の後、図5に示すように、印刷装置本体部20の通知制御部29eは、ユーザ履歴情報27dを参照し、ステップS203で取得した識別情報に対応するユーザの所定期間内の入力装置30の放置回数が所定の回数以上であるか否かを判定する(ステップS208)。
【0078】
入力装置30の放置回数が所定の回数以上である場合(ステップS208においてYESの場合)、通知制御部29eは、入力装置30に対して、ユーザに対する通知を行うように指示する通知指示を送信する(ステップS209)。この通知とは、入力装置30を装着部22に忘れずに装着するようにユーザに注意を促す通知である。
【0079】
一方、図6に示すように、入力装置30の無線通信部31は、図5のステップS209において、印刷装置本体部20の無線通信部21により通知指示が送信された結果、通知指示を受信したか否かを判定する(ステップS107)。
【0080】
通知指示を受信した場合(ステップS107においてYESの場合)、入力装置30の表示部35aは、入力装置30を装着部22に忘れずに装着するようにユーザに注意を促す通知情報を表示する。なお、入力装置30の音声/音出力部35bが、通知情報を音声で出力することとしてもよい。一方、通知指示を受信しなかった場合(ステップS107においてNOの場合)、ステップS108の処理は実行されない。
【0081】
図5のステップS208において入力装置30の放置回数が所定の回数以上でない場合(ステップS208においてNOの場合)、あるいは、ステップS209の処理の後、印刷装置本体部20の印刷処理部28は、ステップS202において印刷データを受信した原稿を、ステップS203で受信した印刷条件に従って印刷する(ステップS210)。
【0082】
その後、印刷装置本体部20の装着部22は、入力装置30が装着部22に装着されているか否かを判定する(ステップS211)。入力装置30が装着部22に装着されている場合(ステップS211においてYESの場合)、図4のステップS201に移行して、それ以後の処理が実行される。
【0083】
入力装置30が装着部22に装着されていない場合(ステップS211においてNOの場合)、印刷装置本体部20の判定部29bは、ステップS210における印刷処理の終了後の入力装置30が装着部22に装着されていない時間が所定値よりも長いか否かを判定する(ステップS212)。
【0084】
入力装置30が装着部22に装着されていない時間が所定値よりも長くない場合(ステップS212においてNOの場合)、ステップS211に移行して、入力装置30が装着部22に装着されたことが検出されるか(ステップS211においてYES)、あるいは、入力装置30が装着部22に装着されていない時間が所定値よりも長くなるまで(ステップS212においてYES)、ステップS211、ステップS212の処理が繰り返される。
【0085】
入力装置30が装着部22に装着されていない時間が所定値よりも長い場合(ステップS212においてYESの場合)、印刷装置本体部20のユーザ特定部29cは、入力装置30に対して、入力装置30を装着部22に装着するように促す音声信号、音信号、あるいは、光信号の出力指示を送信する(ステップS213)。
【0086】
一方、図6に示すように、入力装置30の無線通信部31は、図5のステップS213において、印刷装置本体部20の無線通信部21により音声信号、音信号、あるいは、光信号の出力指示が送信された結果、音声信号、音信号、あるいは、光信号の出力指示を受信したか否かを判定する(ステップS109)。
【0087】
音声信号、音信号、あるいは、光信号の出力指示を受信した場合(ステップS109においてYESの場合)、入力装置30の音声/音出力部35bは、ユーザに入力装置30を装着部22に装着するように促す内容(例えば、「入力装置を装着部に装着して下さい。」という内容)の音声、鳴動音などの音を出力し、あるいは、入力装置30の発光部34は、点滅光などを発光する(ステップS110)。
【0088】
あるいは、音声、音、あるいは、光を出力する代わりに、入力装置30の表示部35aが、入力装置30を装着部22に装着するようユーザに促す内容の通知を表示することとしてもよい。その後、入力装置30側のユーザ情報出力処理は終了する。音声信号、音信号、あるいは、光信号の出力指示を受信しなかった場合(ステップS109においてNOの場合)も、入力装置30側のユーザ情報出力処理は終了する。
【0089】
図5のステップS213の処理の後、印刷装置本体部20の距離測定部25は、印刷装置本体部20と入力装置30との間の距離を測定する(ステップS214)。具体的には、距離測定部25は、印刷装置本体部20と入力装置30との間の距離が「近距離」、「中距離」、「遠距離」のいずれであるかを判定する。
【0090】
その後、図6に示すように、印刷装置本体部20の判定部29bは、測定された距離が「中距離」、あるいは、「遠距離」であるか否かを判定する(ステップS215)。距離が「中距離」、あるいは、「遠距離」である場合、印刷装置本体部20のユーザ特定部29cは、入力装置30により識別情報が最後に送信されたユーザを特定する(ステップS216)。具体的には、ユーザ特定部29cは、図4のステップS203で受信したユーザの識別情報に対応するユーザのユーザ名をユーザ情報27bから取得して、ユーザを特定する。
【0091】
そして、印刷装置本体部20の表示部26aは、特定したユーザのユーザ名の情報を表示し、最後に入力装置30を操作したユーザが、つぎに入力装置30を操作しようとしているユーザに分かるようにする(ステップS217)。その後、印刷装置本体部20の判定部29bは、距離が「遠距離」であるか否かを判定する(ステップS218)。
【0092】
距離が「遠距離」である場合、印刷装置本体部20の電子メール送信部29dは、特定したユーザの電子メールアドレスの情報をユーザ情報27bから取得し、取得した電子メールアドレスを宛て先に設定して、入力装置30を装着部22に装着するように促す内容の電子メールを送信する(ステップS219)。
【0093】
その後、印刷装置本体部20のユーザ特定部29cは、ユーザ履歴情報27dに登録されている特定されたユーザの入力装置30の放置回数を1回増やすとともに、ユーザ履歴情報27dに入力装置30の放置日時の情報を登録する処理を行い、ユーザ履歴情報27dを更新する(ステップS220)。その後、印刷装置本体部20側のユーザ情報出力処理は終了する。
【0094】
さて、これまで印刷装置およびユーザ情報出力方法の実施形態を中心に説明を行ったが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、印刷装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムとしての形態、あるいは、当該コンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体の形態として本発明が実施されることとしてもよい。
【0095】
ここで、記録媒体としては、ディスク系(例えば、磁気ディスク、光ディスク等)、カード系(例えば、メモリカード、光カード等)、半導体メモリ系(例えば、ROM、不揮発性メモリ等)、テープ系(例えば、磁気テープ、カセットテープ等)等、さまざまな形態のものを採用することができる。
【0096】
これら記録媒体に上記実施形態における印刷装置の機能を実現させるコンピュータプログラム、または、ユーザ情報出力方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを記録して流通させることにより、コストの低廉化、及び可搬性や汎用性を向上させることができる。
【0097】
そして、コンピュータに上記記録媒体を装着し、コンピュータにより記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み出してメモリに格納し、コンピュータが備えるプロセッサ(CPU:Central Processing Unit、MPU:Micro Processing Unit)が当該コンピュータプログラムをメモリから読み出して実行することにより、本実施形態に係る印刷装置の機能を実現し、ユーザ情報出力方法を実行することができる。
【0098】
また、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正が可能である。
【0099】
例えば、上記実施形態では、ユーザ認証処理、装着部22に入力装置30が装着されていない期間が所定の期間よりも長いか否かを判定する処理、距離測定部25により測定された印刷装置本体部20と入力装置30との間の距離が所定の距離よりも長いか否かを判定する処理、入力装置30を最後に操作したユーザを特定する処理、特定されたユーザに電子メールを送信する処理、装着部22に対する入力装置30の装着を頻繁に忘れるユーザに対して、その装着を忘れないようにユーザに通知する処理を印刷装置本体部20が行うこととしたが、それらの処理を入力装置30が行うこととしてもよい。
【0100】
この場合、入力装置30には、図2に示したユーザ情報27b、ユーザ識別情報27c、および、ユーザ履歴情報27dを記憶する記憶部が備えられる。また、入力装置30には、図2に示した計時部24、距離測定部25、ユーザ認証部29a、判定部29b、ユーザ特定部29c、電子メール送信部29d、および、通知制御部29eと同様の処理を行う処理部が備えられる。そして、入力装置30側で、上記各処理が実行される。
【0101】
なお、入力装置30が距離を測定する場合には、入力装置30は、音声/音出力部35bを制御して、第1の強度の音波、第1の強度の音波よりも強度が小さい第2の強度の音波、第2の強度の音波よりも強度が小さい第3の強度の音波を音声/音出力部35bに発生させる。そして、入力装置30は、第1の強度の音波、第2の強度の音波、あるいは、第3の強度の音波を検出した印刷装置本体部20からの応答信号を受信し、距離の測定を行う。
【0102】
この場合、印刷装置本体部20に距離測定用信号検出部が設けられ、この距離測定用信号検出部は、入力装置30の音声/音出力部35bにより出力された第1の強度の音波、第2の強度の音波、あるいは、第3の強度の音波を検出した場合に、第1の強度の音波、第2の強度の音波、あるいは、第3の強度の音波を検出したことを示す情報を、無線通信部21を介して入力装置30に送信する。
【0103】
また、入力装置30がユーザを特定し、印刷装置本体部20の表示部26aにユーザ名を表示させる場合には、入力装置30は、特定したユーザのユーザ名の情報を印刷装置本体部20に送信する。また、入力装置30が電子メールを送信する場合は、入力装置30は、特定したユーザの電子メールアドレスの情報を印刷装置本体部20に送信し、印刷装置本体部20に電子メールを送信させる。
【符号の説明】
【0104】
10…印刷装置、20…印刷装置本体部、21…無線通信部、22…装着部、23…ネットワーク通信部、24…計時部、25…距離測定部、26…情報出力部、27…記憶部、27a…印刷データ、27b…ユーザ情報、27c…ユーザ識別情報、27d…ユーザ履歴情報、28…印刷処理部、29…制御部、29a…ユーザ認証部、29b…判定部、29c…ユーザ特定部、29d…電子メール送信部、29e…通知制御部、30…入力装置、40…ICカード、50…ネットワーク、60…パーソナルコンピュータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を印刷する印刷装置であって、
印刷装置本体部と、
印刷設定の入力をユーザから受け付ける入力装置と、
前記印刷装置本体部に前記入力装置を装着する装着部と、
前記装着部に前記入力装置が装着されていない期間が所定の期間よりも長いか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記装着部に前記入力装置が装着されていない期間が所定の期間よりも長いと判定された場合に、前記入力装置を最後に操作したユーザを特定するユーザ特定部と、
前記ユーザ特定部により特定されたユーザを示すユーザ情報を出力する情報出力部と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷装置本体部と前記入力装置との間の距離を測定する距離測定部をさらに備え、前記判定部はさらに、前記距離測定部により測定された距離が所定の距離より長いか否かを判定し、前記ユーザ特定部は、前記判定部により前記装着部に前記入力装置が装着されていない期間が所定の期間よりも長く、かつ、前記距離測定部により測定された距離が所定の距離より長いと判定された場合に、前記ユーザを特定することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記入力装置は、前記ユーザを特定する識別情報を読み取る識別情報読取部をさらに備え、前記ユーザ特定部は、前記識別情報に基づいて前記ユーザを特定することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記判定部により前記装着部に前記入力装置が装着されていない期間が所定の期間よりも長いと判定された回数の情報を、前記ユーザ特定部により特定されたユーザに対応付けて記憶する記憶部と、前記ユーザの識別情報が前記識別情報読取部により読み取られた場合に、前記回数の情報に基づいて、前記ユーザに対する通知を行うか否かを判定する通知制御部とをさらに備え、前記情報出力部は、前記通知制御部により前記ユーザに対する通知を行うと判定された場合に、前記ユーザに対する通知情報を出力することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記入力装置を前記装着部に装着するように促す内容の電子メールを、前記ユーザ特定部により特定されたユーザ宛てに送信する電子メール送信部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記入力装置は、音声または音を出力する音声/音出力部をさらに備え、前記音声/音出力部は、前記ユーザ特定部によりユーザが特定された場合に、音声または音を出力することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記入力装置は、光を発する光出力部をさらに備え、前記光出力部は、前記ユーザ特定部によりユーザが特定された場合に、光を発することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項8】
印刷設定の入力をユーザから受け付ける入力装置が、原稿を印刷する印刷装置の印刷装置本体部が備える装着部に装着されていない場合に、前記ユーザに係るユーザ情報を出力するユーザ情報出力方法であって、
前記装着部に前記入力装置が装着されていない期間が所定の期間よりも長いか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて前記装着部に前記入力装置が装着されていない期間が所定の期間よりも長いと判定された場合に、前記入力装置を最後に操作したユーザを特定する特定ステップと、
前記特定ステップにおいて特定されたユーザを示すユーザ情報を出力する情報出力ステップと、
を含むことを特徴とするユーザ情報出力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−192535(P2012−192535A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56218(P2011−56218)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】