説明

印刷装置、データ処理装置、印刷装置の制御方法及びプログラム

【課題】 複数のインタフェースを備える印刷装置において、データ処理装置との通信状態に適応したスリープモードで各インタフェースへの電源供給を切り替え制御する。
【解決手段】
複数のインタフェースを介して各データ処理装置と通信する印刷装置において、複数のインタフェースとの通信状態を判別する(S303、S309、S312)。ここで、通信状態に従い、いずれか1つのインタフェースの電源供給をオフする第1のスリープモードと、複数のインタフェースの電源供給を所定の時間間隔でオンまたはオフを繰り返す第2のスリープモードとを切り替え制御する(S305、S310、S313)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のインタフェースを備えてデータ処理装置と通信可能な印刷装置、印刷装置の電力制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷装置を含むさまざまな装置には使用しない場合に機器全体がスリープに入るモードが搭載されている。従来、複数のインタフェースが接続可能な印刷装置がスリープモードに入った場合、印刷装置内部のインタフェース制御部の電源を通信できる程度の少ない電力に落として機器全体にかかる消費電力を下げるというものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−309142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の例では、データ処理装置と接続していても使用していないインタフェース制御部にも電力を供給している。これでは、印刷装置がスリープモードになっても各インタフェース制御部にかかる電力が加算され印刷装置全体にかかる電力を節減することができない。
逆に、複数あるインタフェースのそれぞれの制御部の電源をすべて停止してしまうと、スリープモード時においてデータ処理装置と接続できなくなってしまうという課題がある。
さらに、データ処理装置側では、インタフェースの電源供給切り替えに連動して適切なメッセージが切り替え表示されていないため、データ処理装置側のユーザが印刷装置のスリープ状態を適切に判別できないという課題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、複数のインタフェースを備える印刷装置において、スリープモード時に、各インタフェースへの電源供給を間欠的に切り替え制御することで、各インタフェースへの電源供給を節減できる仕組みを提供することである。
さらに、データ処理装置において、データ処理装置側のユーザが印刷装置のスリープ状態を適切に判別できる表示を行える仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明の印刷装置は以下に示す構成を備える。
複数のインタフェースを介して各データ処理装置と通信する印刷装置であって、前記複数のインタフェースとの通信状態を判別する判別手段と、前記判別手段が判別する通信状態に従い、いずれか1つのインタフェースの電源供給をオフする第1のスリープモードと、複数のインタフェースの電源供給を所定の時間間隔でオンまたはオフを繰り返す第2のスリープモードとを切り替え制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数のインタフェースを備える印刷装置において、データ処理装置との通信状態に適応したスリープモードで各インタフェースへの電源供給を切り替え制御できる。
また、データ処理装置において、データ処理装置側のユーザが印刷装置のスリープ状態を適切に判別できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】印刷装置を適用する印刷システムの構成を説明するブロック図である。
【図2】データ処理装置が備える表示装置に表示可能なUI画面を示す図である。
【図3】図1に示した印刷装置の構成を説明するブロック図である。
【図4】図3に示した印刷装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【図5】印刷装置の電源制御方法を説明するフローチャートである。
【図6】ステータス通知コマンドの一例を示す図である。
【図7】印刷システムの電源制御方法を説明するフローチャートである。
【図8】印刷装置の電源制御方法を説明するフローチャートである。
【図9】データ処理装置におけるジョブ処理方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
【0009】
図1は、本実施形態を示す印刷装置を適用する印刷システムの構成を説明するブロック図である。本例は、印刷装置103のインタフェースに複数のデータ処理装置が接続される印刷システム例である。なお、データ処理装置は、表示部、入力部、制御部を備え、表示装置には、印刷装置の状態を示すPSW(プリンタ・ステータス・ウインドウ)と呼ばれるアプリケーションがインストールされている。そして、データ処理装置は、PSWを介して、印刷装置103との通信でスリープモード状態を判別して、印刷装置の状態を後述するユーザインタフェース画面で更新表示する表示制御を実行する。
【0010】
図1において、105Aはステータス表示ウインドウで、データ処理装置101がHUB104を介してネットワーク接続される印刷装置103に関わるステータスを表示する。105Bはステータス表示ウインドウで、データ処理装置102がUSBケーブルを介してローカル接続される印刷装置103に関わるステータスを表示する。
【0011】
図2は、図1に示したデータ処理装置が備える表示装置に表示可能なユーザインタフェース画面の一例を示す図である。本例は、ユーザインタフェース画面は、ステータス表示ウインドウの例である。ここで、ステータス表示ウインドウには印刷装置103の状態に対応するメッセージが後述する制御に従って更新表示される。
【0012】
データ処理装置101と印刷装置103とは有線LANで接続されており有線LAN用HUB104を介する。データ処理装置102と印刷装置103とはUSBで接続されている。コントローラ部201は印刷装置103内部で印刷ジョブの処理や、印刷装置103の制御を行なう。
【0013】
データ処理装置101およびデータ処理装置102では、ユーザがデータ処理装置101またはデータ処理装置102上の画像やテキストの編集アプリケーションを使い印刷の命令を行なう。また、印刷する画像やテキストファイルを画像処理および印刷ジョブとして圧縮処理を行なう。
図3は、図1に示した印刷装置103の構成を説明するブロック図である。
図3において、印刷装置103は、データ処理装置101またはデータ処理装置102で圧縮処理された印刷ジョブを伸張し用紙への印刷を行なう。
【0014】
コントローラ部201は、印刷装置103の画像処理などを行なう。印刷部202は、印刷ジョブを紙媒体に印刷する。コントローラ部201内部にあるメイン制御IC203は、メイン制御部204、電源制御部209、タイマ制御部208、USB制御部205、LAN制御部206を含むICである。
なお、この例では前記各制御部をひとまとめにしたICとしてあらわしているが、各制御部が独立したICで構成されていてもよい。
メイン制御部204は、CPU、メモリ(RAM)、その他ロジック回路を合わせた部分でもある。
【0015】
電源制御部209とタイマ制御部208は、USB制御部205とLAN制御部206の電源供給制御を行なう重要な部分である。USB制御部205とLAN制御部206などに通電されている状態では、メイン制御部204は、電源制御部209を介してUSB_PWR信号とLAN_PWR信号を使ってスイッチ215、216をON状態(接続状態)にする。
【0016】
一方、USB制御部205とLAN制御部206などに通電されていない状態では、メイン制御部204は、電源制御部209を介してUSB_PWR信号とLAN_PWR信号を使ってスイッチ215、216の状態を電源214から電力が供給されないOFF状態(未接続状態)にする。メイン制御部204は、タイマ制御部208が制御するタイミングと電源制御部209の動作制御で上記のような動作を交互に行なう。
有線LANコネクタ211はデータ処理装置101とHUB104を介してLANケーブルで接続される。USBコネクタ210はデータ処理装置102とUSBケーブルで接続される。
【0017】
USB制御部205は、USB接続したデータ処理装置との通信制御を行なう。またUSB制御部205は、USBケーブルを介してデータ処理装置102と接続しているかどうかを検知し、そのことをメイン制御部204に知らせる役目もしている。
【0018】
LAN制御部206は、有線LAN上のデータ送受信方法やフレームの形式、誤り検出方法などを制御する。物理層チップ207は、LAN上の信号を直接制御する部分である。印刷装置103がスリープモードになる場合、有線LANの通信速度を落とすことでこの物理層チップ207自体の消費電力を落とすことも行なわれる。
【0019】
また、物理層チップ207は、LANケーブルを介してデータ処理装置101と接続しているかどうかを検知し、そのことをLAN制御部206を介してメイン制御部204に知らせる役目もしている。
【0020】
なお、図中のUSB_PWR信号は、USB制御部205の電源を供給・停止させる信号である。また、図中のLAN_PWR信号は、LAN制御部206と物理層チップ207の電源を同時に供給・停止させる信号である。
【0021】
操作部212は、ユーザが印刷装置103の操作・設定などを行なう際の操作インタフェース部分である。また、操作部212上のキー213は、スリープ中の印刷装置103をスリープさせる要因や復帰させる要因として差動させる。
上記構成を用いて、以下に本実施例の詳細なシーケンスを図4を参照して説明する。
図4は、図3に示した印刷装置の動作を説明するタイミングチャートである。以下、「交互ON/OFF」の「ON」と「OFF」について説明する。
【0022】
図4は、印刷装置103が有線LANとUSBでデータ処理装置と接続している構成で、USB制御部205またはLAN制御部206と物理層チップ207への電源供給を交互に行なう場合の印刷装置103本体の電力変化を示している。また、前記電力変化は、電源制御部209から出力されるLAN_PWR信号とUSB_PWR信号の変化に同期している。この図4の中で、USB ON時間とは、USB_PWR信号「H」で、LAN_PWR信号が「L」となり、USB制御部205に電源供給されていて、LAN制御部206と物理層チップ207には電源供給されていない状態を示す。
【0023】
一方、LAN ON時間とは、USB_PWR信号「L」で、LAN_PWR信号が「H」となり、USB制御部205に電源供給されず、LAN制御部206と物理層チップ207には電源供給されている状態を示す。
【0024】
図5は、本実施形態を示す印刷装置の電源制御方法を説明するフローチャートである。本例は、印刷装置103の電源ONから交互ON/OFFスリープモードに入るまでの処理に対応する。なお、各ステップは、コントローラ部201が備えるCPUがROM等より制御プログラムをRAMにロードして実行することで実現される。以下、いずれか1つのインタフェースの電源供給をオフする第1のスリープモードと、複数のインタフェースの電源供給を所定の時間間隔でオンまたはオフを繰り返す第2のスリープモードとを切替制御する例を説明する。
まず、S301で、コントローラ部201は、図示しないメイン電源スイッチがONになったことを検知して電源214から印刷装置103全体に電源を供給する。
【0025】
そして、S302で、コントローラ部201はUSBと有線LANの初期設定を行ない、それぞれのインタフェースの通信プロトコルを動作させる。そして、S303では、S302で通信プロトコルを動作させた結果、コントローラ部201のメイン制御部204が両インタフェースが正常にデータ処理装置と接続が確立できたかどうかを通信状態から判断する。
【0026】
ここで、コントローラ部201が両方のインタフェースが接続されていると判断したらS304へ処理が移り、それ以外だと判断したらS309に処理が移る。なお、USB接続の判断は、USB制御部205がUSBケーブルを介してデータ処理装置102と接続しているかどうかを検知し、そのことをコントローラ部201に知らせる。
【0027】
また、LAN接続の判断は、物理層チップ207がLANケーブルを介してデータ処理装置101と接続しているかどうかを検知し、そのことをLAN制御部206を介してメイン制御部204に知らせる。
【0028】
このようにしてコントローラ部201がUSB接続と有線LAN接続が両方とも接続できたことを検知すると、S304へ進む。そして、S304で、コントローラ部201がスリープになった時に「交互ON/OFFスリープモード」になることをデータ処理装置101とデータ処理装置102に通知する。
【0029】
この場合、コントローラ部201は、図6に示す交互ON/OFFスリープコマンド701をデータ処理装置101とデータ処理装置102に通知する。そして、S305で、コントローラ部201がタイマまたは強制スリープスイッチによりスリープに入る。S306で、電源制御部209により、交互ON/OFFスリープモードが開始される。
【0030】
そして、S307では、コントローラ部201がスリープからの復帰要因を検知しているかどうかを判断する。ここで、スリープからの復帰要因を検知しているとコントローラ部201が判断した場合は、S308で、電源制御部209によるスリープモードを終了し、コントローラ部201によるスタンバイ状態になる。
一方、S307でスリープからの復帰要因を検知しないと判断した場合は、コントローラ部201のメイン制御部204は、復帰要因を検知し続ける。
【0031】
一方、S303で、コントローラ部201が両方のインタフェース接続の確立を検知しないと判断した場合はS309に進み、USB接続が確立しているかどうかを判断する。ここで、コントローラ部201がUSB接続の確立を検知していると判断した場合、S310に進む。そして、S310で、コントローラ部201のメイン制御部204は、USB接続が確立した状態でのスリープが「通常スリープモード」であることを通信可能なデータ処理装置102に通知する。
【0032】
この場合、コントローラ部201は、図6の(B)に示す通常スリープコマンド801をデータ処理装置102に通知する。その後、S311で、コントローラ部201がタイマまたはキー213を押す強制スリープスイッチにより通常スリープに入り、S307でスリープ復帰要因を待つ。
【0033】
一方、S309で、USB接続が確立していないとコントローラ部201が判断した場合、S312で、有線LANとの接続が確立しているかを判断する。ここで、コントローラ部201が有線LANと接続が確立していると判断した場合、S313で、コントローラ部201は有線LAN接続が確立した状態でのスリープが「通常スリープモード」であることを通信可能なデータ処理装置101に通知する。その後、S311で、メイン制御部204がタイマまたはキー213を押す強制スリープスイッチにより通常スリープに入る。そして、S307でスリープ復帰要因を待つ。
一方、312で、コントローラ部201が有線LANと接続が確立していない判断した場合、本処理を終了する。
【0034】
図7は、本実施形態を示す印刷システムの電源制御方法を説明するフローチャートである。本例は、印刷装置103とデータ処理装置101またはデータ処理装置102(以下、データ処理装置とする)との間の交互ON/OFFスリープモード復帰シーケンス処理に対応する。なお、図7の(A)に示すデータ処理装置側の各ステップは、データ処理装置のCPUがROM、ハードディスク(HDD)等より制御プログラムをRAMにロードして実行することで実現される。なお、上記制御プログラムには、後述する印刷装置用ドライバが含まれる。また、図7の(B)に示す印刷装置103側の各ステップは、電源制御部209が備えるCPUがROM等より制御プログラムをRAMにロードして実行することで実現される。
まず、S401およびS408では、データ処理装置と印刷装置103は、交互ON/OFFスリープモードで接続中である。
【0035】
そして、S402で、データ処理装置上の印刷装置用ドライバは、ユーザが操作するデータ処理装置上のアプリケーションから印刷ジョブが発生したことを検知する。そして、S403に進み、印刷装置103が現在交互ON/OFFスリープモード中のON時間であるかどうかを判断する。この際、図4の下段側にLAN_PWR信号とUSB_PWR信号の動作波形を示す。
【0036】
図4の上段側には下段側の各信号変化に伴う印刷装置103の総消費電力の推移を示している。例えばLAN_PWR信号が"High"から"Low"に変化したら、上段側の実線の有線LAN接続のみの電力変化も"High"から"Low"に変化する。
同様に、USB_PWR信号が"Low"から"High"に変化したら、上段側の点線の有線USB接続のみの電力変化も"Low"から"High"に変化する。
ここで、各信号の変化から印刷装置103の電力変化のディレイ時間はタイマ制御部208内部で任意の時間を設定可能である。
【0037】
また、図4に示す「USB ON時間」、「LAN ON時間」、「USB OFF時間」、「LAN OFF時間」もタイマ制御部208内部で任意の時間を設定可能である。前述した同様の動作をデータ処理装置上でも行なう。
【0038】
上記S403において、データ処理装置101のCPUは、図4に示す「(USBまたはLAN)ON時間」を見てまだON時間の間にあるかどうかを判断する。なお、印刷装置103は、前述の設定内容を後述する図8に示すS504においてデータ処理装置にその情報を送信しておく。
次に、S403で、データ処理装置のCPUがON期間であると判断した場合、S405で、データ処理装置は、図6の(C)に示すスリープ解除コマンド901を印刷装置103に送信する。
【0039】
S409で、印刷装置103のコントローラ部201のメイン制御部204は、図6の(C)に示すスリープ解除コマンド901を待つ。そして、S410で、印刷装置103のコントローラ部201のメイン制御部204が図6の(C)に示すスリープ解除コマンド901を検知したら、「交互ON/OFFスリープモード」を解除してスタンバイ状態に移行する。
この場合、印刷装置103の電源制御部209は、USB制御部205とLAN制御部206とLANの物理層チップ207への電源供給を行なう。
【0040】
次に、S411で、印刷装置103のコントローラ部201は、両方のデータ処理装置に対して「交互ON/OFFスリープモード」を解除したことを通知する。この場合、印刷装置103のコントローラ部201は、図6の(D)に示すスリープ解除応答コマンド1001をデータ処理装置へ送信する。
これはデータ処理装置がポーリングで印刷装置103からステータスを読み出す方法でもよい。
【0041】
次に、S406で、データ処理装置は、図6の(D)に示すスリープ解除応答コマンド1001を待機し、印刷装置103から送信されるスリープ解除応答コマンド1001を検知した場合、S407へ進む。そして、S407で、データ処理装置は印刷ジョブを印刷装置103へ送信して、本処理を終了する。
【0042】
一方、S412で、印刷装置103のメイン制御部204がデータ処理装置から印刷ジョブを受信するのを待機し、当該印刷ジョブを受信したら、S413で、メイン制御部204は、データ処理装置から受信した印刷ジョブを印刷して、本処理を終了する。
【0043】
図8は、本実施形態を示す印刷装置の電源制御方法を説明するフローチャートである。本例は、印刷装置103が実行する図5のS305およびS306の詳細手順例である。なお、各ステップは、コントローラ部201が備えるCPUがROM等より制御プログラムをRAMにロードして実行することで実現される。
【0044】
まず、S501で、コントローラ部201はスリープへの移行を検知する。ここで、スリープへの移行条件はコントローラ部201内部のタイマ制御部208が制御するスリープ時間カウントアップ要因でもよい。また、印刷装置103上の操作部212上のキー213を押すことでスリープ移行してもよい。
また、データ処理装置101またはデータ処理装置102上にある、印刷装置103の状態を監視しているステータス表示ウインドウ105のスリープ移行操作でもよい。
【0045】
次に、S502で、コントローラ部201のメイン制御部204はデータ処理装置101およびデータ処理装置102から時間情報を取得する。この時間情報はリアルタイムである。次に、S503で、コントローラ部201のメイン制御部204は時間情報の誤差を算出してタイマ制御部208内部のメモリに保持する。
【0046】
次に、S504で、コントローラ部201のタイマ制御部208は、算出した誤差値を用いたON/OFF開始時間や先にONするインタフェース(逆に先にOFFするインタフェース)をどっちにするかを決めて、各データ処理装置に送信する。これにより、印刷装置103のオンとオフとが同期するように表示タイミングを調整することができる。次に、S505で、コントローラ部201のタイマ制御部208は、タイマ制御部208内部の交互ON/OFFタイマを初期化する。
【0047】
そして、S506で、コントローラ部201は先にONするインタフェース制御部に電源制御部209が電源214からの電源を供給して、先にOFFするインタフェース制御部の電源供給を止める。
【0048】
例えば、先にONするインタフェース制御部をUSB制御部205とした場合、USB_PWR信号を"High"にしてUSB制御部205に電源供給する。逆に、先にOFFするインタフェース制御部をLAN制御部206とした場合、LAN_PWR信号を"Low"にしてLAN制御部206と物理層チップ207への電源供給を止める。
【0049】
次に、S507で、コントローラ部201内のタイマ制御部208内部の交互ON/OFFタイマをスタートさせる。また、コントローラ部201内のタイマ制御部208内部にあるタイマ補正時間を監視するタイマ補正時間監視タイマをセットする。このタイマ補正時間監視タイマをセットすることで、データ処理装置との間で交互にON/OFFする時間のずれを定期的に監視する役目を持つ。また、タイマ補正時間監視タイマにセットする時間は任意の時間とする。
【0050】
次に、S508で、コントローラ部201は、電源214が電源供給している方のインタフェースのON時間を検知する。ここで、ON時間の計時が終了しているとコントローラ部201が判断したら、S509で、電源制御部209は、ONになっているインタフェース制御部への電源供給を止める(OFFにする)。そして、S510で、電源制御部209は、OFFになっていたインタフェース制御部の電源供給を始める(ONにする)。
一方、S508で、ON時間検知の間も、S519で、コントローラ部201は、スリープ復帰要因を検知する。ここで、コントローラ部201がスリープ復帰要因を検知していない場合は、S508へ戻り、コントローラ部201がスリープ復帰要因を検知している場合は、S512へ進む。
この後、コントローラ部201の電源制御部209は、S509とS510を繰り返すため、S511へ進み、コントローラ部201の電源制御部209がスリープ復帰要因を検知しているかどうかを判断する。
【0051】
ここで、コントローラ部201がスリープ復帰要因を検知したと判断した場合、S512へ進み、スリープ復帰要因が無い判断した場合は、S514へ進む。そして、S514で、コントローラ部201がタイマ制御部208内部にあるタイマ補正時間監視タイマがON/OFFのずれ補正を行なう時間かどうかを判断する。ここで、コントローラ部201がタイマ補正時間でないと判断した場合は、S508へ戻る。
一方、S514で、コントローラ部201がタイマ補正時間であると判断した場合は、S515で、コントローラ部201は、データ処理装置101およびデータ処理装置102から時間情報を取得する。この時間情報はリアルタイムである。次に、S516で、コントローラ部201は、時間情報の誤差を算出してタイマ制御部208内部のメモリに保持する。
次に、S517で、コントローラ部201は、S516で算出した誤差値を用いたON/OFF開始時間を各データ処理装置との間で調整する。次に、S518で、コントローラ部201の内部のタイマ制御部208内部の交互ON/OFFタイマを再スタートさせる。さらに、コントローラ部201は、タイマ制御部208内部にあるタイマ補正時間を監視するタイマ補正時間監視タイマを再セットし、S508に戻る。
一方、S511で、スリープ復帰要因を検知したとコントローラ部201が判断した場合、S512で、両方のインタフェース制御部へ電源214からの電源供給を行なう。そして、S513で、コントローラ部201は、「交互ON/OFFスリープモード」から抜けて、本処理を終了する。
以下は、印刷装置103とデータ処理装置101およびデータ処理装置102との間のON/OFFタイミングのずれを補正するためのフローを説明する。
【0052】
なお、上記S511に戻って、スリープ要因を検知しないと判断した場合は、交互ON/OFFスリープモードを続けるためS508にフローが戻る。ただし、コントローラ部201は、S508に戻る間に、ON/OFFのずれを補正する必要があるかどうかを判断する(S514)。ここで、ON/OFFのずれ補正を行なう時間ではないと判断した場合にS508に戻る。
【0053】
本実施形態では、S514において、タイマ補正時間監視タイマがON/OFFのずれ補正を行なう時間になったと判断した場合に、S515へ進むように制御している。
図9は、本実施形態を示すデータ処理装置におけるジョブ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、データ処理装置側の動作、特にステータス表示ウインドウ105の表示内容の変化させる処理例である。なお、各ステップは、データ処理装置のCPUがROMやHDDに記憶された制御プログラムをRAMにロードして実行することで実現される。
【0054】
S601で、データ処理装置のCPUが印刷装置103と接続されているかどうかを検知する。ここでは、印刷装置103自体に電源が入っていなかったり、インタフェースのケーブルが抜けていたり破損した場合を想定して検知する。
【0055】
ここで、データ処理装置のCPUが印刷装置103と接続されていないと判断すると、S602に進み、データ処理装置の表示装置の画面上に、ステータス表示ウインドウ105には図6の(C)に示す「通信エラー」を表示するUI画面を表示する。ここで、印刷装置103と接続されていないと判断する要因としては、印刷装置103の電源がONになっていないことや、ケーブルが接続されていないなどが考えられる。
【0056】
一方、S601で、データ処理装置のCPUが印刷装置103と接続されていると判断した場合、S603に進み、データ処理装置のCPUは交互ON/OFFスリープコマンドを受信したかどうかを判断する。ここで、交互ON/OFFスリープコマンドを受信しているとデータ処理装置のCPUが判断した場合、S604に進む。ここで、データ処理装置のCPUは、ON/OFF開始時間、ON時間、OFF時間、ON/OFFを開始するインタフェースの順番などの情報を問い合わせて印刷装置103から受信する(S604)。なお、ON/OFF開始時間、ON時間、OFF時間、ON/OFFを開始するインタフェースの順番などの情報は、図7に示したS403において説明済みである。
【0057】
次に、S605で、各データ処理装置のCPUは、交互ON/OFFの開始時間に従って交互ON/OFFスリープを開始する。この時、各データ処理装置は、交互ON/OFFスリープモード中に、定期的に印刷装置103から取得するタイミングに同期して、ステータス表示ウインドウ105上の表示を更新する制御を行う。具体的には、各データ処理装置のCPUは、ステータス表示ウインドウ105に表示すべき情報を、図4に示したUSB ON時間(またはLAN ON時間)の期間に合わせて印刷装置103から取得するように制御する。
【0058】
S606で、各データ処理装置のCPUは、ステータス表示ウインドウ105上に図2の(b)に示すように「スリープ中」と表示する。次に、S607で、データ処理装置のCPUは、ステータス表示ウインドウ105の表示内容を更新すべき、スリープ復帰要因があるかどうかを判断する。ここで、各データ処理装置のCPUがスリープ復帰要因を検知した場合、S608へ進み、各データ処理装置のCPUは印刷ジョブがあるかどうかを判断する。ここで、印刷ジョブがあると各データ処理装置のCPUが判断した場合は、S609で、各データ処理装置のCPUは、ステータス表示ウインドウ105上に、図2の(d)に示す「印刷中」を表示する。
次に、S610で、各データ処理装置のCPUが印刷装置103から印刷終了を示すステータスを受信したかどうかを判断する。ここで、印刷終了を示すステータスを印刷装置103から受信していると各データ処理装置のCPUが判断した場合、S611へ進む。そして、S611で、各データ処理装置のCPUがステータス表示ウインドウ105上に、図2の(a)に示すように「印刷できます」と表示して、S601に戻る。
一方、S608で、印刷ジョブがないと各データ処理装置のCPUが判断した場合は、S601へ戻り、印刷装置103との接続があるかどうかを判断する。
また、S607で、各データ処理装置のCPUがスリープ復帰要因を検知していないと判断した場合は、S606へ戻る。
【0059】
本実施形態によれば、印刷装置が有する複数のインタフェースにデータ処理装置がそれぞれ接続されていてもインタフェースの通信を切断することなく、印刷装置全体の消費電力を抑えることが可能な印刷装置を提供する。
また、余計なエラー表示を出さず、ユーザに不安を与えることのない印刷システムを提供することができる。
【0060】
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0061】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0062】
101、102 データ処理装置
103 印刷装置
104 HUB
105 ステータス表示ウインドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のインタフェースを介して各データ処理装置と通信する印刷装置であって、
前記複数のインタフェースとの通信状態を判別する判別手段と、
前記判別手段が判別する通信状態に従い、いずれか1つのインタフェースの電源供給をオフする第1のスリープモードと、複数のインタフェースの電源供給を所定の時間間隔でオンまたはオフを繰り返す第2のスリープモードとを切り替え制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
スリープモードが前記第2のスリープモードに切り替わる場合にタイマが計時する所定の時間間隔で複数のインタフェースをオンまたはオフを繰り返すよう電源手段を制御する電源制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記判別手段が判別する通信状態に従い、前記第1のスリープモードあるいは前記第2のスリープモードに移行することを対応するインタフェースを介して通信可能なデータ処理装置に通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項4】
複数のインタフェースを備える印刷装置といずれかのインタフェースを用いて通信するデータ処理装置であって、
前記印刷装置から通知されるスリープモード状態に従い、前記印刷装置の状態を表示部に表示するメッセージを更新する表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、前記印刷装置から複数のインタフェースの電源供給を所定の時間間隔でオンまたはオフを繰り返すスリープモードが通知された場合、前記表示部に表示するメッセージを前記所定の時間間隔で更新することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項5】
前記印刷装置から複数のインタフェースの電源供給を所定の時間間隔でオンまたはオフを繰り返すスリープモードが通知された場合、前記印刷装置のオンとオフとが同期するように表示タイミングを調整する調整手段を備えることを特徴とする請求項4記載のデータ処理装置。
【請求項6】
複数のインタフェースを介して各データ処理装置と通信する印刷装置の制御方法であって、
前記複数のインタフェースとの通信状態を判別する判別工程と、
前記判別工程が判別する通信状態に従い、いずれか1つのインタフェースの電源供給をオフする第1のスリープモードと、複数のインタフェースの電源供給を所定の時間間隔でオンまたはオフを繰り返す第2のスリープモードとを切り替え制御する制御工程と、
を備えることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の印刷装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−232539(P2012−232539A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104054(P2011−104054)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】