説明

印刷装置、プログラム、印刷システム、及び印刷方法

【課題】印刷装置のオフモードの利便性を向上する。
【解決手段】印刷装置は、ホストコンピューターとネットワークを介して接続され、ネットワーク通信可能な第一モードと、ネットワーク通信不可能な第二モードとで動作する。印刷装置は、前記第二モードから前記第一モードに移行した場合に、印刷データの問い合わせを前記ホストコンピューターに送信する。そして、前記問い合わせに応じて前記ホストコンピューターから送信された印刷データを受信すると、前記印刷データに基づいて印刷を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、プログラム、印刷システム、及び印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機、複合機、プリンターなどの印刷装置であって、動作モードとして、通常モー
ドと通常モードよりも消費電力を低減した省電力モードとを有するものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、時間帯を設定したテーブルに基づいて、直ちに印刷ジョブの
実行が可能な通電モードと、該通電モードより消費電力が小さく該通電モードに移行する
のに所定の準備が必要な節電モードとを切り替える印刷装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−272637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、環境に対する要求が厳しくなっており、例えば、CPU、メモリー、印刷エンジ
ンなどの電源をオフにするだけでなく、ネットワーク通信も遮断する省電力モードを有す
る印刷装置が登場してきている。以下では、ネットワーク通信を遮断する省電力モードを
「オフモード」ともいう。
【0006】
オフモード中の印刷装置は、例えば、印刷装置が備える操作パネルなどの操作を検出し
た場合に、オフモードから復帰することができる。しかし、オフモード中の印刷装置は、
ネットワーク通信が遮断されているため、例えば、PC(Personal Computer)などのホ
ストから印刷指示が送信されても、オフモードから復帰することができない。この場合、
ホストでは、例えば、印刷エラーとして検出される。
【0007】
このように、ユーザーは、オフモード中の印刷装置を直接手で操作してオフモードから
復帰させないと、印刷を行えない。すなわち、ユーザーは、PCなどのホストからの遠隔
操作により印刷装置を復帰させることはできない。従って、このようなオフモードは、実
際にはユーザーにとって不便である。また、不便であるため、省電力性が高いにも関わら
ず、あまり使用されていない。
【0008】
そこで、本発明は、印刷装置のオフモードの利便性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための本発明の一態様は、ホストコンピューターとネットワーク
を介して接続され、ネットワーク通信可能な第一モードと、ネットワーク通信不可能な第
二モードとで動作する印刷装置であって、前記第一モードと前記第二モードとの相互の移
行を制御する制御手段と、前記第二モードから前記第一モードに移行した場合に、印刷デ
ータの問い合わせを前記ホストコンピューターに送信する送信手段と、前記問い合わせに
応じて前記ホストコンピューターから送信された印刷データを受信する受信手段と、前記
印刷データに基づいて印刷を行う印刷手段と、を有する。
【0010】
ここで、前記制御手段は、前記第一モードから前記第二モードに移行した場合、移行後
所定時間の経過後に前記第一モードに移行してもよい。
【0011】
また、前記制御手段は、前記問い合わせに応じて前記ホストコンピューターから印刷デ
ータが受信されなかった場合、前記第一モードから前記第二モードに移行してもよい。
【0012】
また、前記印刷装置であって、前記第一モードから前記第二モードへの移行を禁止する
予約時間帯を受け付けて設定する設定手段を有し、前記制御手段は、現在時刻が前記予約
時間帯内である場合に、前記第二モードから前記第一モードに移行してもよい。
【0013】
また、前記設定手段は、前記ホストコンピューターごとに前記予約時間帯を受け付け、
前記印刷手段は、前記予約時間帯内に、複数のホストコンピューターから印刷データが受
信された場合、当該予約時間帯に対応するホストコンピューターからの印刷データを、他
のホストコンピューターからの印刷データよりも優先して印刷してもよい。
【0014】
また、前記設定手段は、印刷頻度が所定値を超える時間帯を予約時間帯として設定して
もよい。
【0015】
上記の課題を解決するための本発明の他の態様は、印刷装置とネットワークを介して接
続されるコンピューターのプログラムであって、印刷データを取得する取得手段と、印刷
データの問い合わせを前記印刷装置から受信する受信手段と、前記印刷データを保存する
保存手段と、前記印刷装置と通信可能である場合、取得した印刷データを前記印刷装置に
送信し、前記印刷装置と通信可能でない場合、前記取得した印刷データを前記保存手段に
保存し、前記問い合わせが受信された場合に、前記保存された印刷データを前記印刷装置
に送信する送信手段として、前記コンピューターを機能させる。
【0016】
ここで、前記送信手段は、前記印刷装置と通信可能でないと判定した後、所定時間の計
測を行い、当該所定時間内に前記問い合わせが受信された場合に、前記保存された印刷デ
ータを前記印刷装置に送信してもよい。
【0017】
また、前記印刷装置は、一定間隔で前記問い合わせを送信し、前記所定時間は、前記所
定間隔よりも長い時間であってもよい。
【0018】
また、前記所定時間内に前記問い合わせが受信されなかった場合に、エラー情報を出力
する出力手段として、前記コンピューターを機能させてもよい。
【0019】
上記の課題を解決するための本発明の他の態様は、印刷装置とネットワークを介して接
続されるコンピューターのドライバープログラムであって、印刷データを取得する取得手
段と、印刷データの問い合わせを前記印刷装置から受信する受信手段と、前記印刷データ
を保存する保存手段と、前記印刷装置と通信可能である場合、取得した印刷データをスプ
ーラーに出力することにより前記印刷装置に送信し、前記印刷装置と通信可能でない場合
、前記取得した印刷データを前記保存手段に保存し、前記問い合わせが受信された場合に
、前記保存された印刷データを前記スプーラーに出力することにより前記印刷装置に送信
する送信手段として、前記コンピューターを機能させる。
【0020】
上記の課題を解決するための本発明の他の態様は、印刷装置とネットワークを介して接
続されるコンピューターのドライバープログラムであって、印刷データを取得する取得手
段と、印刷データの問い合わせを前記印刷装置から受信する受信手段と、前記印刷装置と
通信可能である場合、取得した印刷データをスプーラーに出力することにより前記印刷装
置に送信し、前記印刷装置と通信可能でない場合、前記取得した印刷データを前記スプー
ラーに出力して一時的に保存させ、前記問い合わせが受信された場合に、前記保存された
印刷データを前記スプーラーから出力させることにより前記印刷装置に送信する送信手段
として、前記コンピューターを機能させる。
【0021】
上記の課題を解決するための本発明の他の態様は、コンピューターと、ネットワーク通
信可能な第一モード及びネットワーク通信不可能な第二モードとで動作する印刷装置と、
を備える印刷システムであって、前記コンピューターは、印刷データを取得する取得手段
と、印刷データの問い合わせを前記印刷装置から受信する受信手段と、前記印刷データを
保存する保存手段と、前記印刷装置と通信可能である場合、取得した印刷データを前記印
刷装置に送信し、前記印刷装置と通信可能でない場合、前記取得した印刷データを前記保
存手段に保存し、前記問い合わせが受信された場合に、前記保存された印刷データを前記
印刷装置に送信する送信手段と、を有し、前記印刷装置は、前記第一モードと前記第二モ
ードとの相互の移行を制御する制御手段と、前記第二モードから前記第一モードに移行し
た場合に、前記問い合わせを前記コンピューターに送信する送信手段と、前記コンピュー
ターから送信された印刷データを受信する受信手段と、前記印刷データに基づいて印刷を
行う印刷手段と、を有する。
【0022】
上記の課題を解決するための本発明の他の態様は、コンピューターと、ネットワーク通
信可能な第一モード及びネットワーク通信不可能な第二モードとで動作する印刷装置と、
を備える印刷システムにおける印刷方法であって、前記コンピューターが、印刷データを
取得するステップと、前記コンピューターが、前記印刷装置と通信可能である場合、取得
した印刷データを前記印刷装置に送信するステップと、前記コンピューターが、前記印刷
装置と通信可能でない場合、前記取得した印刷データを保存手段に保存するステップと、
前記コンピューターが、印刷データの問い合わせを前記印刷装置から受信した場合に、前
記保存された印刷データを前記印刷装置に送信するステップと、前記印刷装置が、前記第
一モードと前記第二モードとの相互の移行を制御するステップと、前記印刷装置が、前記
第二モードから前記第一モードに移行した場合に、前記問い合わせを前記コンピューター
に送信するステップと、前記印刷装置が、前記コンピューターから送信された印刷データ
を受信するステップと、 前記印刷装置が、前記印刷データに基づいて印刷を行うステッ
プと、を含む。
【0023】
上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる

【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第一実施形態に係る印刷システムの概略構成の一例を示す図である。
【図2】印刷システムの機能構成の一例を示す図である。
【図3】プリンターの各動作モードの関係の一例を説明する図である。
【図4】プリンターの各動作モードの遷移の一例を説明する図である。
【図5】PCの印刷処理の一例を示すフロー図である。
【図6】プリンターの印刷処理の一例を示すフロー図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る、印刷システムの概略構成の一例を示す図である。
【図8】印刷システムの機能構成の一例を示す図である。
【図9】サーバーの印刷処理の一例を示すフロー図である。
【図10】本発明の第三実施形態に係る印刷システムの機能構成の一例を示す図である。
【図11】予約時間帯を設定する画面の一例を示す図である。
【図12】プリンターの各動作モードの状態遷移の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
本実施形態では、オフモードを有する印刷装置として、プリンターを例に挙げて説明す
る。もちろん、印刷装置は、プリンターに限られず、コピー機、複合機などであってもよ
い。
【0027】
図1は、本発明の第一実施形態に係る印刷システムの概略構成の一例を示す図である。
【0028】
印刷システム0は、プリンター1と、複数のPC3とを備える。プリンター1とPC3
とは、LAN(Local Area Network)などのネットワーク2を介して接続される。
【0029】
PC3は、例えば、プリンタードライバープログラムにより印刷データ(「印刷ジョブ
」ともいう)を生成し、ネットワーク2を介してプリンター1に印刷データを送信する。
プリンター1は、例えば、ネットワーク2を介して受信した印刷データに従って印刷を行
う。
【0030】
プリンター1は、例えば、インクジェット方式やレーザー方式のプリンターである。プ
リンター1は、コントローラー10と、操作パネル20と、印刷エンジン30と、ネット
ワークインターフェイス(I/F)40とを有する。
【0031】
コントローラー10は、例えば、プリンター1の主要機能を搭載したチップ(SoC:
System on Chip)などで構成され、プリンター1全体の動作を制御する。
【0032】
例えば、コントローラー10は、ネットワークI/F40を介して印刷データを受信す
ると、当該印刷データに基づいて印刷エンジン30に出力する印字データを生成し、印刷
エンジン30を制御して印字データに基づく印刷を実行させる。また、例えば、コントロ
ーラー10は、操作パネル20へのメニュー画面や各種設定画面の表示を行う。また、コ
ントローラー10は、操作パネル20を介してユーザーの操作を受け付け、各種設定の変
更を受け付ける。
【0033】
また、コントローラー10は、プリンター1の動作モードの制御を行う。詳細は後述す
るが、コントローラー10は、通常モード及び複数の省電力モードの間の移行を制御する

【0034】
上記のような各種処理を実現するために、コントローラー10は、CPU(Central Pr
ocessing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only M
emory)13とを備える。なお、コントローラー10は、上記の各種処理を専用に行うよ
うに設計されたASICで構成されていてもよい。
【0035】
CPU11は、各種プログラムを実行する。RAM12は、印刷データや印字データな
どの各種データおよびプログラム等を一時的に記憶する。ROM13には、プリンター1
を制御するための各種データ、各種プログラム等があらかじめ不揮発的に記憶されている

【0036】
操作パネル20は、ユーザーとプリンター1のインターフェイスとして機能する。操作
パネル20は、例えば、画像等を表示するディスプレイと、ユーザーの操作を受け付ける
タッチパネルやボタン等の入力装置とを備える。
【0037】
印刷エンジン30は、コントローラー10からの指示に基づいて、コントローラー10
から出力された印字データを印刷媒体に印刷する。印刷エンジン30は、例えば、インク
ジェット方式やレーザー方式である。
【0038】
ネットワークI/F40は、ネットワーク2に接続して、PC3などのホストと通信す
るユニットである。
【0039】
PC3は、プリンター1のホストとして機能する。PC3は、例えば、CPU、RAM
、ROM、補助記憶装置、ネットワークI/F、ディスプレイ、マウスやキーボードなど
の入力装置を備える、一般的なコンピューターである。
【0040】
PC3には、例えば、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、プリ
ンタードライバープログラムなどがインストールされている。プリンタードライバーは、
例えば、アプリケーションで生成された印刷対象データに基づいて印刷データを生成し、
プリンター1に送信する。
【0041】
以上が、印刷システムの概略構成の一例である。ただし、この構成は、本願発明の特徴
を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上記の構成に限られない。また、
一般的な印刷システム、プリンター、及びPCが備える構成を排除するものではない。
【0042】
図2は、印刷システムの機能構成の一例を示す図である。
【0043】
PC3は、印刷データ生成部310と、印刷データ送信部320と、問い合わせ受信部
330と、印刷データ保存部340とを有する。
【0044】
これらの機能部は、例えば、CPUが補助記憶装置からRAMにロードした所定のプロ
グラムを実行することにより実現される。この所定のプログラムは、予め記補助記憶装置
に格納される。もちろん、ネットワークI/Fを介してネットワーク上からダウンロード
されてインストールおよび/または更新されてもよい。また、PCが可搬型の記憶媒体を
読み取る装置を有する場合は、当該記憶媒体から読み出されてインストールおよび/また
は更新されてもよい。
【0045】
印刷データ生成部310は、印刷データを生成する機能部である。印刷データ生成部3
10は、例えば、ユーザーの操作によりアプリケーションを介して印刷指示及び印刷対象
データの指定を受け付け、印刷対象データに基づいてプリンター1が解釈可能な印刷デー
タを生成する。
【0046】
印刷データ送信部320は、印刷データをプリンター1に送信する機能部である。印刷
データ送信部320は、例えば、印刷データ生成部310により印刷データが生成される
と、当該印刷データを取得し、ネットワークI/Fを介してプリンター1と通信が可能か
否かを判定する。
【0047】
プリンター1と通信が可能である場合、印刷データ送信部320は、取得した印刷デー
タをネットワークI/Fを介してプリンター1に送信する。プリンター1と通信が可能で
ない場合(ここでは、プリンター1がオフモードである場合)、取得した印刷データを、
印刷データ保存部340に保存する。
【0048】
印刷データの問い合わせがあったことを問い合わせ受信部330から通知された場合、
印刷データ送信部320は、印刷データ保存部340に保存した印刷データを取得し、プ
リンター1に送信する。
【0049】
問い合わせ受信部330は、プリンター1から印刷データの問い合わせを受信する機能
部である。問い合わせ受信部330は、問い合わせの受信を監視し、受信した場合、印刷
データ送信部320に通知する。
【0050】
印刷データ保存部340は、印刷データを保存する機能部である。印刷データ保存部3
40は、例えば、印刷データ送信部320から指示された印刷データを保存する。
【0051】
上述のPC3の各機能部は、例えば、プリンタードライバーにより実現することができ
る。この場合、より具体的には、印刷データ送信部320は、プリンター1と通信が可能
である場合、又は問い合わせが通知された場合に、印刷データ(印刷ジョブ)をOSが提
供するスプーラーに出力(登録)する。スプーラーは、登録された印刷データ(印刷ジョ
ブ)を、ネットワークI/Fを介してプリンター1に送信する。このような構成により、
プリンター1と通信不可能であることにより、スプーラーが印刷エラーと判断してしまう
のを防ぐことができる。
【0052】
もちろん、上述のPC3の各機能部の少なくとも一部は、プリンタードライバーでなく
、他のプログラムにより実現されてもよい。例えば、印刷データ保存部340をスプーラ
ーにより実現するようにしてもよい。この場合、印刷データ送信部320は、印刷データ
が生成されると、スプーラーに出力(登録)するとともに、当該印刷データ(印刷ジョブ
)を一時停止状態に設定する。そして、印刷データ送信部320は、プリンター1と通信
が可能である場合、又は問い合わせが通知された場合に、スプーラーに登録した印刷デー
タ(印刷ジョブ)の一時停止状態を解除する。このような構成でも、プリンター1と通信
不可能であることにより、スプーラーが印刷エラーと判断してしまうのを防ぐことができ
る。
【0053】
プリンター1は、印刷データ受信部110と、印刷制御部120と、問い合わせ送信部
130と、省電力制御部140とを有する。
【0054】
これらの機能部は、例えば、CPU11がROM13からRAM12にロードした所定
のプログラムを実行することにより実現される。この所定のプログラムは、予め記ROM
13に格納される。もちろん、ネットワークI/F40を介してネットワーク上からダウ
ンロードされてインストールおよび/または更新されてもよい。また、プリンター1が可
搬型の記憶媒体を読み取る装置を有する場合は、当該記憶媒体から読み出されてインスト
ールおよび/または更新されてもよい。
【0055】
印刷データ受信部110は、印刷データを受信する機能部である。印刷データ受信部1
10は、例えば、ネットワークI/F40を介して、PC3から印刷データを受信すると
、当該印刷データを印刷制御部120に通知する。また、印刷データを受信したことを省
電力制御部140に通知する。
【0056】
印刷制御部120は、印刷エンジン30を制御する機能部である。印刷制御部120は
、例えば、印刷データ受信部110から印刷データを取得し、当該印刷データに基づいて
印刷エンジン30に出力する印字データを生成し、印刷エンジン30を制御して印字デー
タに基づく印刷を実行させる。
【0057】
問い合わせ送信部130は、外部装置に印刷データの問い合わせを送信する機能部であ
る。問い合わせ送信部130は、例えば、省電力制御部140の制御によりプリンター1
がオフモードから復帰した場合に、問い合わせをネットワークI/F40を介してネット
ワーク2に送出する。該問い合わせは、例えば、ブロードキャスト送信され、問い合わせ
受信部330を有するPC3により受信される。
【0058】
省電力制御部140は、通常モード及び複数の省電力モードの間の移行を制御する機能
部である。
【0059】
本実施形態の一例では、プリンター1は、例えば、図3に示すように、アイドリング状
態である通常モードと、エンジンスタンバイ状態である省電力モード1と、コントローラ
ースタンバイ状態である省電力モード2と、オフ状態である省電力モード3(オフモード
)とを有する。
【0060】
通常モードにおいては、プリンター1は、印刷データを受信して即時印刷をすることが
可能である。また、プリンター1は、印刷以外の操作、例えば、印刷に関する設定を変更
する操作を、PC3からネットワーク2を介して受け付け、それに応じた処理を実行する
ことができる。また、プリンター1は、ネットワーク通信を行うことが可能である。
【0061】
省電力モード1においては、プリンター1は、印刷エンジン30がスタンバイ状態であ
るため、即時印刷をすることができない。
【0062】
省電力モード2においては、プリンター1は、コントローラー10がスタンバイ状態で
あるため、即時印刷をすることができない。また、プリンター1は、印刷以外の操作を受
け付けて、それに応じた処理、例えば、印刷設定の変更を行うことができない。
【0063】
省電力モード3においては、プリンター1は、ネットワークI/F4がオフ状態である
ため、即時印刷、印刷以外の操作に応じた処理、ネットワーク通信を行うことができない

【0064】
このように、省電力モードは、省電力モード1〜3の順に省電力性が高く、節電効果が
大きい。
【0065】
省電力制御部140は、例えば、図4に示すように、上記の各動作モードの移行を制御
する。
【0066】
アイドリング状態(通常モード)において、省電力制御部140は、印刷データが受信
されず、かつ、一定時間が経過したか否かを監視する。この条件が成立した場合、省電力
制御部140は、印刷エンジン30をスタンバイ状態に切り替え、エンジンスタンバイ状
態(省電力モード1)に移行する。
【0067】
エンジンスタンバイ状態(省電力モード1)において、省電力制御部140は、印刷デ
ータが受信されたか否かを監視する。この条件が成立した場合、省電力制御部140は、
印刷エンジン30を通常状態に切り替え、アイドリング状態(通常モード)に移行する。
また、エンジンスタンバイ状態(省電力モード1)において、省電力制御部140は、操
作パネル20の操作がされず、かつ、一定時間が経過したか否かを監視する。この条件が
成立した場合、省電力制御部140は、コントローラー10をスタンバイ状態に切り替え
、コントローラースタンバイ状態(省電力モード2)に移行する。
【0068】
なお、省電力モード2においては、印刷データ受信部110と、問い合わせ送信部13
0と、省電力制御部140とが機能できる最低限の部分は、コントローラー10上で動作
するものとする。印刷制御部120は、機能していなくてもよい。
【0069】
コントローラースタンバイ状態(省電力モード2)において、省電力制御部140は、
印刷データが受信されたか否か、又は、印刷以外の操作がされたか否かを監視する。いず
れかの条件が成立した場合、省電力制御部140は、コントローラー10を通常状態に切
り替え、エンジンスタンバイ状態(省電力モード1)に移行する。また、コントローラー
スタンバイ状態(省電力モード2)において、省電力制御部140は、印刷以外の操作が
されず、かつ、一定時間が経過したか否かを監視する。この条件が成立した場合、省電力
制御部140は、ネットワークI/F40をオフ状態に切り替え、オフ状態(省電力モー
ド3)に移行する。
【0070】
なお、省電力モード3においては、省電力制御部140が機能できる最低限の部分は、
コントローラー10上で動作するものとする。印刷データ受信部110と、問い合わせ送
信部130と、印刷制御部120とは、機能していなくてもよい。
【0071】
オフ状態(省電力モード3)において、省電力制御部140は、オフ状態に移行してか
ら一定時間が経過したか否かを監視する。この条件が成立した場合、省電力制御部140
は、ネットワークI/F40をオン状態に切り替え、コントローラースタンバイ状態(省
電力モード2)に移行する。もちろん、操作パネル20の操作を検出した場合に、省電力
モード2に移行するようにしてもよい。
【0072】
なお、動作モードの種類、内容、遷移条件等は、上記に限られない。本実施形態の特徴
を説明する上では、プリンター1は、少なくとも通常モードとオフモードを有し、オフモ
ードから一定時間で復帰すれば、上記に限られない。
【0073】
以上の機能構成は、印刷システムの構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じ
て分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制限されるこ
とはない。プリンター1及びPC3の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素
に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分
類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよ
いし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0074】
図5は、PCの印刷処理の一例を示すフロー図である。
【0075】
S10では、印刷データ生成部310は、印刷指示がされたか否かを監視する。具体的
には、印刷データ生成部310は、例えば、アプリケーションから印刷指示がされたか否
かを判定する。印刷指示がされた場合(S10:YES)、処理をS20に進める。印刷
指示がされていない場合(S10:NO)、監視を継続する。
【0076】
S20では、印刷データ生成部310は、印刷データを生成する。具体的には、印刷デ
ータ生成部は、アプリケーションから印刷対象データを取得し、当該印刷対象データに基
づいて印刷データを生成する。そして、処理をS30に進める。
【0077】
S30では、印刷データ送信部320は、プリンター1と通信可能か否かを判定する。
具体的には、印刷データ送信部320は、所定のパケットを、ネットワークI/Fを介し
てプリンター1に送信し、応答があるか否かを判定する。通信可能である場合(S30:
YES)、処理をS80に進める。通信可能でない場合(S30:NO)、処理をS40
に進める。
【0078】
S40では、印刷データ送信部320は、印刷データを保存する。具体的には、印刷デ
ータ送信部320は、S20で生成された印刷データを印刷データ保存部340に保存す
る。そして、処理をS50に進める。なお、印刷データ送信部320は、S60の処理を
行うため、印刷データを保存したタイミングから所定時間の計測を開始する。プリンター
1と通信可能でないと判定したタイミングから所定時間の計測を開始してもよい。プリン
ター1と通信可能でないと判定したタイミングより後であれば、他のタイミングであって
もよい。
【0079】
S50では、問い合わせ受信部330は、プリンター1からの印刷データの問い合わせ
を受信したか否かを監視する。印刷データの問い合わせを受信した場合(S50:YES
)、印刷データ送信部320に通知し、処理をS80に進める。印刷データの問い合わせ
を受信していない場合(S50:NO)、処理をS60に進める。
【0080】
S60では、印刷データ送信部320は、所定時間が経過したか否かを判定する。ここ
で、所定時間は、プリンター1が問い合わせを送信する間隔よりも長い時間である。前記
の間隔とは、プリンター1が、省電力モード2において第一の問い合わせを送信してから
、省電力モード3に移行し、省電力モード3から省電力モード2に復帰して、次の第二の
問い合わせを送信するまでの間隔である。このようにすれば、例えば、PC3は、上記所
定時間の計測中に、少なくとも1回は問い合わせを受信できる。所定時間が経過した場合
(S60:YES)、処理をS70に進める。所定時間が経過していない場合(S60:
NO)、処理をS50に戻す。
【0081】
S70では、印刷データ送信部320は、エラー通知を行う。具体的には、印刷データ
送信部320は、例えば、印刷に失敗したことを示すエラー情報を操作パネル20に表示
(出力)する。所定時間待っても問い合わせを受信できない場合は、例えば、プリンター
1の電源がオフになっている場合や、ネットワークの障害が発生している場合などである
。印刷データ送信部320は、エラー通知後、処理をS10に戻す。なお、エラー通知を
行う場合、印刷データ保存部340に保存された印刷データを削除するようにしてもよい

【0082】
S80では、印刷データ送信部320は、印刷データを送信する。具体的には、S30
でYESと判定された場合、印刷データ送信部320は、S20で生成された印刷データ
をネットワークI/Fを介してプリンター1に送信する。S50でYESと判定された場
合、印刷データ送信部320は、S40で印刷データ保存部340に保存した印刷データ
を取得し、プリンター1に送信する。そして、処理をS10に戻す。
【0083】
以上のように、PC3は、プリンター1と通信できない場合、プリンター1からの問い
合わせを待って、印刷データを送信する。また、プリンター1からの問い合わせが所定時
間ない場合、ユーザーにエラーを通知する。
【0084】
図6は、プリンターの印刷処理の一例を示すフロー図である。本フローは、省電力制御
部140の制御により、プリンター1がオフ状態(省電力モード3)から省電力モード2
に移行したタイミングで開始される。
【0085】
S110では、問い合わせ送信部130は、プリンター1がオフモードから復帰したか
否かを監視する。具体的には、省電力制御部140の制御により、動作モードが、オフ状
態(省電力モード3)からコントローラースタンバイ状態(省電力モード2)に移行した
か否かを判定する。オフモードから復帰した場合(S110:YES)、処理をS120
に進める。オフモードから復帰していない場合(S110:NO)、監視を継続する。
【0086】
S120では、問い合わせ送信部130は、問い合わせを送信する。具体的には、問い
合わせをネットワークI/F40を介してネットワーク2に送出する。そして、処理をS
130に進める。
【0087】
S130では、印刷データ受信部110は、印刷データを受信したか否かを監視する。
具体的には、印刷データ受信部110は、例えば、問い合わせ送信から所定時間内に印刷
データを受信したか否かを判定する。印刷データを受信した場合(S130:YES)、
処理をS140に進める。印刷データを受信しなかった場合(S130:NO)、本フロ
ーを終了する。
【0088】
ここで、印刷データが受信された場合、プリンター1は、省電力制御部140の制御に
より、省電力モード1に復帰し、さらに通常モードに復帰する。印刷データが受信されな
かった場合は、省電力制御部140の制御により、上述の所定条件が成立すると再びオフ
モードに移行する。問い合わせに応じて所定時間内に印刷データが受信されなかった場合
は、直ちにオフモードに移行するようにしてもよい。
【0089】
S140では、印刷制御部120は、印刷を実行する。具体的には、印刷制御部120
は、印刷データを印刷データ受信部110から取得し、当該印刷データに基づいて印刷エ
ンジン30に出力する印字データを生成し、印刷エンジン30を制御して印字データに基
づく印刷を実行させる。なお、複数の印刷データが受信された場合は、受信された順に印
刷を行う。印刷を実行後、本フローを終了する。
【0090】
以上のように、プリンター1は、一定時間が経過することによりオフモードから復帰し
た際に、問い合わせをPC3に送信する。そして、問い合わせに応じてPC3から印刷デ
ータを受信した場合、印刷を実行する。印刷データを受信しなかった場合、再びオフモー
ドに移行する。
【0091】
以上、本発明の第一実施形態の一例について説明した。本実施形態によれば、印刷装置
のオフモードの利便性を向上することができる。
【0092】
すなわち、本実施形態では、印刷装置は、ネットワーク通信が遮断されるオフモードに
移行しても、一定時間経過した場合は、ネットワーク通信可能な状態に復帰する。また、
復帰した際に、印刷データの問い合わせを行い、印刷データがあれば印刷を行う。一方、
ホストは、印刷装置と通信できない場合は、問い合わせを受信するまで、印刷データを保
存しておく。このような構成により、省電力性の高いオフモードを使用しつつも、ユーザ
ーは遠隔から印刷を行うことができる。そのため、オフモードの利便性が向上するととも
に、オフモードを用いた省電力化を図ることができる。
【0093】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。以下では
、上述の第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0094】
図7は、本発明の第二実施形態に係る印刷システムの概略構成の一例を示す図である。
【0095】
印刷システム0Aは、プリンター1と、PC3Aと、サーバー4とを備える。サーバー
4は、ネットワーク2に接続される。
【0096】
サーバー4は、例えば、プリントサーバーであり、ネットワーク2を介してPC3Aか
ら印刷データを受信し、一時的に保存する。サーバー4は、受信した印刷データを、プリ
ンター1に送信する。PC3Aは、サーバー4を仮想的なプリンター1として扱い、サー
バー4に印刷データを送信する。
【0097】
サーバー4は、例えば、CPU、RAM、ROM、補助記憶装置、ネットワークI/F
、ディスプレイ、マウスやキーボードなどの入力装置を備える、一般的なコンピューター
である。
【0098】
図8は、印刷システムの機能構成の一例を示す図である。
【0099】
PC3Aは、図2で説明したPC3と異なり、印刷データを生成し、サーバー4に送信
する。プリンター1は、図2で説明したプリンター1と同様である。
【0100】
サーバー4は、印刷データ受信部410と、印刷データ送信部420と、問い合わせ受
信部430と、印刷データ保存部440とを有する。これらの機能部は、例えば、CPU
が補助記憶装置からRAMにロードした所定のプログラムを実行することにより実現され
る。
【0101】
印刷データ送信部420、問い合わせ受信部430、及び印刷データ保存部440は、
図2で説明したPC3の印刷データ送信部320、問い合わせ受信部330、及び印刷デ
ータ保存部340と同様であるので説明を省略する。なお、印刷データ送信部420は、
印刷データ受信部410が受信した印刷データをプリンター1への送信対象のデータとし
て処理する。
【0102】
印刷データ受信部410は、印刷データを受信する機能部である。印刷データ受信部4
10は、PC3Aから送信された印刷データを受信する。すなわち、他の装置から印刷デ
ータを取得する。
【0103】
図9は、サーバーの印刷処理の一例を示すフロー図である。
【0104】
S10aでは、印刷データ受信部410は、印刷データを受信したか否かを監視する。
印刷データを受信した場合(S10a:YES)、処理をS30に進める。印刷データを
受信していない場合(S10a:NO)、監視を継続する。
【0105】
S30〜S80は、図5のS30〜S80と同様であるので説明を省略する。なお、S
70では、エラー通知を印刷データの送信元であるPC3Aに送信(出力)してもよい。
この場合、PC3Aは、エラー通知を受信して、例えば、ディスプレイに表示する。
【0106】
以上、本発明の第二実施形態の一例について説明した。本実施形態によれば、第一実施
形態と同様に、印刷装置のオフモードの利便性を向上することができる。PCのユーザー
は、印刷装置のオフモードを意識することなく、従来どおりの印刷操作を行うことができ
る。また、PCが印刷データの送信後に電源オフとなっても、サーバーとプリンターによ
り印刷が実行される。
【0107】
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。以下では
、上述の第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0108】
図10は、本発明の第三実施形態に係る印刷システムの機能構成の一例を示す図である

【0109】
PC3は、図2で説明したPC3と同様である。プリンター1は、図2で説明したプリ
ンター1と異なり、予約時間帯設定部150を有する。
【0110】
予約時間帯設定部150は、オフモードへの移行を禁止する予約時間帯の設定を受け付
ける。予約時間帯の設定は、例えば、操作パネル20を介して受け付ける。PC3のプリ
ンタードライバーが所定の画面を表示して予約時間帯の設定を受け付け、プリンター1に
送信するようにしてもよい。
【0111】
予約時間帯設定部150は、例えば、PC3ごと(ユーザーごと)に、予約時間帯を受
け付ける。時間帯は、例えば、hh:mm(時:分)形式で、その時間帯の開始時刻及び
終了時刻を設定すればよい。予約時間帯は、例えば、PC3の識別情報(ユーザーの識別
情報)と、開始時刻と、終了時刻とを対応付けて記録すればよい。
【0112】
予約時間帯は、例えば、図11に示すようなGUI画面により受け付けることができる
。GUI画面には、24時間の時間帯が円グラフで表示される。該円グラフには、ユーザ
ーごとに異なる表示態様で、そのユーザーの予約時間帯に対応する領域が表示される。ユ
ーザーは、例えば、操作パネル30を操作して、開始時刻と終了時刻を入力することによ
り、予約時間帯を決定する。
【0113】
省電力制御部140は、設定された予約時間帯に基づいて、例えば、図12に示すよう
に、上記の各動作モードの移行を制御する。図4と異なる点を中心に説明する。
【0114】
オフ状態(省電力モード3)において、省電力制御部140は、現在時刻を取得し、該
現在時刻がいずれかのユーザーの予約時間内であるか否かを監視する。この条件が成立し
た場合、省電力制御部140は、ネットワークI/F40をオン状態に切り替え、コント
ローラー10を通常状態に切り替え、さらに印刷エンジン30を通常状態に切り替え、ア
イドリング状態(通常モード)に移行する。
【0115】
コントローラースタンバイ状態(省電力モード2)において、省電力制御部140は、
現在時刻が予約時間外であり、かつ、印刷以外の操作がされず、かつ、一定時間が経過し
たか否かを監視する。この条件が成立した場合、省電力制御部140は、ネットワークI
/F40をオフ状態に切り替え、オフ状態(省電力モード3)に移行する。
【0116】
問い合わせ送信部130は、省電力制御部140の制御により、プリンター1が、オフ
モードから、アイドリング状態(通常モード)又はコントローラースタンバイ状態(省電
力モード2)に復帰した場合に、問い合わせをネットワーク2に送出する。
【0117】
印刷制御部120は、複数のPC3から問い合わせに応じて印刷データが受信された場
合、予約時間帯に基づいて印刷順序を決定する。すなわち、各印刷データの送信元のPC
の識別情報と、現在時刻が属する予約時間帯に対応するPCの識別情報とを比較する。そ
して、現在時刻が属する予約時間帯に対応するPCの識別情報の印刷データを、他の印刷
データよりも優先して印刷する。
【0118】
以上、本発明の第三実施形態の一例について説明した。本実施形態によれば、第一実施
形態と同様に、印刷装置のオフモードの利便性を向上することができる。また、予約時間
帯には、オフモードに移行しないため、利便性が向上する。また、予約時間帯中にオフモ
ードから復帰した場合には、予約時間帯を設定したユーザーの印刷が優先されるため、利
便性が向上する。
【0119】
<第四実施形態>
次に、本発明の第四実施形態の一例について説明する。以下では、上述の第三実施形態
と異なる点を中心に説明する。
【0120】
本実施形態では、予約時間帯設定部150は、プリンター1の利用状況に応じて、予約
時間帯を設定する。例えば、予約時間帯設定部150は、毎日24時間の1時間ごとに、
印刷回数をカウントする生成する。すなわち、ヒストグラムを生成する。そして、このヒ
ストグラムに基づいて、24時の各1時間のうち、印刷回数が所定回数以上の時間を特定
し、特定した時間を予約時間帯として決定する。すなわち、印刷頻度が多い時間帯を予約
時間帯として設定する。例えば、9:00〜21:00の各時の印刷回数が所定回数を超
えていれば、この時間帯を予約時間帯として決定する。
【0121】
以上、本発明の第四実施形態の一例について説明した。本実施形態によれば、第一実施
形態と同様に、印刷装置のオフモードの利便性を向上することができる。また、予約時間
帯には、オフモードに移行しないため、利便性が向上する。また、予約時間帯中にオフモ
ードから復帰した場合には、予約時間帯を設定したユーザーの印刷が優先されるため、利
便性が向上する。また、予約時間帯が自動的に設定されるため、利便性が向上する。
【0122】
上記の本発明の実施形態は、本発明の要旨と範囲を例示することを意図し、限定するも
のではない。多くの代替物、修正および変形例が当業者にとって明らかである。また、上
記の各実施形態は、一以上を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0123】
0:印刷システム、1:プリンター、2:ネットワーク、3:PC、4:サーバー、10
:コントローラー、11:CPU、12:RAM、13:ROM、20:操作パネル、3
0:印刷エンジン、40:ネットワークI/F、110:印刷データ受信部、120:印
刷制御部、130:問い合わせ送信部、140:省電力制御部、150:予約時間帯設定
部、310:印刷データ生成部、320:印刷データ送信部、330:問い合わせ受信部
、340:印刷データ保存部、410:印刷データ受信部、420:印刷データ送信部、
430:問い合わせ受信部、440:印刷データ保存部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストコンピューターとネットワークを介して接続され、ネットワーク通信可能な第一
モードと、ネットワーク通信不可能な第二モードとで動作する印刷装置であって、
前記第一モードと前記第二モードとの相互の移行を制御する制御手段と
前記第二モードから前記第一モードに移行した場合に、印刷データの問い合わせを前記
ホストコンピューターに送信する送信手段と、
前記問い合わせに応じて前記ホストコンピューターから送信された印刷データを受信す
る受信手段と、
前記印刷データに基づいて印刷を行う印刷手段と、を有する、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記制御手段は、前記第一モードから前記第二モードに移行した場合、移行後所定時間
の経過後に前記第一モードに移行する、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の印刷装置であって、
前記制御手段は、前記問い合わせに応じて前記ホストコンピューターから印刷データが
受信されなかった場合、前記第一モードから前記第二モードに移行する、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の印刷装置であって、
前記第一モードから前記第二モードへの移行を禁止する予約時間帯を受け付けて設定す
る設定手段を有し、
前記制御手段は、現在時刻が前記予約時間帯内である場合に、前記第二モードから前記
第一モードに移行する、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷装置であって、
前記設定手段は、前記ホストコンピューターごとに前記予約時間帯を受け付け、
前記印刷手段は、前記予約時間帯内に、複数のホストコンピューターから印刷データが
受信された場合、当該予約時間帯に対応するホストコンピューターからの印刷データを、
他のホストコンピューターからの印刷データよりも優先して印刷する、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の印刷装置であって、
前記設定手段は、印刷頻度が所定値を超える時間帯を予約時間帯として設定する、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
印刷装置とネットワークを介して接続されるコンピューターのプログラムであって、
印刷データを取得する取得手段と、
印刷データの問い合わせを前記印刷装置から受信する受信手段と、
前記印刷データを保存する保存手段と、
前記印刷装置と通信可能である場合、取得した印刷データを前記印刷装置に送信し、前
記印刷装置と通信可能でない場合、前記取得した印刷データを前記保存手段に保存し、前
記問い合わせが受信された場合に、前記保存された印刷データを前記印刷装置に送信する
送信手段として、前記コンピューターを機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムであって、
前記送信手段は、前記印刷装置と通信可能でないと判定した後、所定時間の計測を行い
、当該所定時間内に前記問い合わせが受信された場合に、前記保存された印刷データを前
記印刷装置に送信する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムであって、
前記印刷装置は、一定間隔で前記問い合わせを送信し、
前記所定時間は、前記所定間隔よりも長い時間である、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のプログラムであって、
前記所定時間内に前記問い合わせが受信されなかった場合に、エラー情報を出力する出
力手段として、前記コンピューターを機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
印刷装置とネットワークを介して接続されるコンピューターのドライバープログラムで
あって、
印刷データを取得する取得手段と、
印刷データの問い合わせを前記印刷装置から受信する受信手段と、
前記印刷データを保存する保存手段と、
前記印刷装置と通信可能である場合、取得した印刷データをスプーラーに出力すること
により前記印刷装置に送信し、前記印刷装置と通信可能でない場合、前記取得した印刷デ
ータを前記保存手段に保存し、前記問い合わせが受信された場合に、前記保存された印刷
データを前記スプーラーに出力することにより前記印刷装置に送信する送信手段として、
前記コンピューターを機能させる、
ことを特徴とするドライバープログラム。
【請求項12】
印刷装置とネットワークを介して接続されるコンピューターのドライバープログラムで
あって、
印刷データを取得する取得手段と、
印刷データの問い合わせを前記印刷装置から受信する受信手段と、
前記印刷装置と通信可能である場合、取得した印刷データをスプーラーに出力すること
により前記印刷装置に送信し、前記印刷装置と通信可能でない場合、前記取得した印刷デ
ータを前記スプーラーに出力して一時的に保存させ、前記問い合わせが受信された場合に
、前記保存された印刷データを前記スプーラーから出力させることにより前記印刷装置に
送信する送信手段として、前記コンピューターを機能させる、
ことを特徴とするドライバープログラム。
【請求項13】
コンピューターと、ネットワーク通信可能な第一モード及びネットワーク通信不可能な
第二モードとで動作する印刷装置と、を備える印刷システムであって、
前記コンピューターは、
印刷データを取得する取得手段と、
印刷データの問い合わせを前記印刷装置から受信する受信手段と、
前記印刷データを保存する保存手段と、
前記印刷装置と通信可能である場合、取得した印刷データを前記印刷装置に送信し、前
記印刷装置と通信可能でない場合、前記取得した印刷データを前記保存手段に保存し、前
記問い合わせが受信された場合に、前記保存された印刷データを前記印刷装置に送信する
送信手段と、を有し、
前記印刷装置は、
前記第一モードと前記第二モードとの相互の移行を制御する制御手段と
前記第二モードから前記第一モードに移行した場合に、前記問い合わせを前記コンピュ
ーターに送信する送信手段と、
前記コンピューターから送信された印刷データを受信する受信手段と、
前記印刷データに基づいて印刷を行う印刷手段と、を有する、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項14】
コンピューターと、ネットワーク通信可能な第一モード及びネットワーク通信不可能な
第二モードとで動作する印刷装置と、を備える印刷システムにおける印刷方法であって、
前記コンピューターが、印刷データを取得するステップと、
前記コンピューターが、前記印刷装置と通信可能である場合、取得した印刷データを前
記印刷装置に送信するステップと、
前記コンピューターが、前記印刷装置と通信可能でない場合、前記取得した印刷データ
を保存手段に保存するステップと、
前記コンピューターが、印刷データの問い合わせを前記印刷装置から受信した場合に、
前記保存された印刷データを前記印刷装置に送信するステップと、
前記印刷装置が、前記第一モードと前記第二モードとの相互の移行を制御するステップ
と、
前記印刷装置が、前記第二モードから前記第一モードに移行した場合に、前記問い合わ
せを前記コンピューターに送信するステップと、
前記印刷装置が、前記コンピューターから送信された印刷データを受信するステップと
、 前記印刷装置が、前記印刷データに基づいて印刷を行うステップと、を含む、
ことを特徴とする印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−14059(P2013−14059A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148005(P2011−148005)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】