説明

印刷装置、制御方法、及びプログラム

【課題】印刷装置の全長に依らずに、ユーザが表示装置に表示された故障等に対する修復方法を見ながら、印刷機の修復を行う。
【解決手段】印刷装置に、故障箇所を正しく把握する為のセンサーを備えることで故障箇所と故障内容を特定し、印刷装置の全体に亘って移動可能な表示装置によって故障箇所をユーザに示し、さらに印刷装置に故障回復の優先順位を表すテーブルを内蔵しているため、故障箇所、故障内容、優先順位から、表示装置の移動順を、優先順位が高い順、優先順位が同一の故障については総移動距離が最短になるような移動順を決定し、その後、決定した移動順に従い表示装置の移動と故障回復方法の表示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動可能な表示装置を有する印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現状、プリンタや複合機などの印刷装置では、ジャム等の故障が発生した場合、印刷機が持つパネル等の表示装置に故障の発生箇所、修復方法をステップ毎に表示し、ユーザはその指示を見ながら故障の復旧作業を行っている。
【0003】
しかしながら、近年では、デジタル印刷機などはオプションを含めると全長が10メートル程度に及ぶ機体が存在し、このような大型のデジタル印刷機の場合、紙詰まり等の故障が発生した場合に、修復方法をパネル等の表示装置に表示したとしても、修復作業を行う場所と表示装置の位置が離れている可能性があり、表示装置に表示している修復方法を見ながら作業を行うことが難しく、修復方法を確認するために表示装置がある位置まで何度も往復しなければならず、復旧作業に手間取ってしまう。
【0004】
そこで、故障箇所の近くで障害の回復方法を表示させる技術が考えられている。
【0005】
その1つとして、取り外し可能な表示装置を内蔵したICタグにより、ユーザの位置を把握することで、紙詰まりなどの故障の発生時にユーザは表示装置に表示された指示に従って表示装置を移動させ、故障箇所の近くに移動した際に表示装置に故障回復方法を表示させることで、故障回復方法を見ながら作業を行えるという技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−231675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ユーザが、表示装置に表示された故障箇所を正しく把握して表示装置を適切な位置に移動させなければならず、移動位置が不明瞭な場合、ユーザは移動位置を試行錯誤しなければならない可能性がある。
【0008】
また故障には、印刷装置の機能全体に支障をきたすような優先的に回復すべき故障と、印刷装置の一部機能に支障をきたすような前者よりは回復の優先順位が低い故障があり、両者が同時に発生したとして、前者の故障を優先的に回復しなかった場合には、印刷装置が使用できない時間、すなわちダウンタイムが長くなってしまう。
【0009】
よって特許文献1に記載された技術では、故障箇所が複数存在する場合は、どの故障を優先的に回復すべきかをユーザが判断して移動する必要がある。しかし、ある故障箇所で発生しうる故障内容は複数存在し得る為、故障箇所から故障内容を判断するのは困難である。
【0010】
さらに表示装置に故障箇所と故障内容を表示するなどして、ユーザが故障内容を分かったとしても、故障内容から回復の優先順位を判断するには専門知識を要するという問題が依然存在する。
【0011】
上記に加えて、回復の優先順位が同一の故障が複数箇所で発生した場合、移動の順番によって移動距離が異なる為、全故障の回復に要する時間に差異が生まれるのは明らかである。よって、回復の優先順位が同一の故障が複数箇所で発生した場合は、総移動距離が最短になるように移動するのが望ましいが、それをユーザ自身で判断するのは困難である。
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、印刷装置の全長に依らずに、ユーザが表示装置に表示された故障等に対する修復方法を見ながら、印刷機の修復を行うことが可能となる印刷装置、制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための第1の発明は、印刷装置を構成する機器の故障情報を表示する表示手段と、前記印刷装置に対する前記機器の位置情報を記憶する位置情報記憶手段と、前記機器に於いて故障が発生した場合、前記位置情報記憶手段に記憶した前記機器の位置情報から求まる前記表示手段の移動距離を用いて前記表示手段を移動させる移動制御手段と、を備えることを特徴とする印刷装置である。
【0014】
上記目的を達成するための第2の発明は、印刷装置の制御方法であって、前記印刷装置の表示手段は、印刷装置を構成する機器の故障情報を表示する表示ステップ、前記印刷装置の移動制御手段は、前記機器に於いて故障が発生した場合、前記印刷装置に対する前記機器の位置情報を記憶する位置情報記憶手段に記憶した前記機器の位置情報から求まる前記表示手段の移動距離を用いて前記表示手段を移動させる移動制御ステップ、を含むことを特徴とする印刷装置の制御方法。
【0015】
上記目的を達成するための第3の発明は、印刷装置において実行されるプログラムであって、前記印刷装置を、印刷装置を構成する機器の故障情報を表示する表示手段と、前記印刷装置に対する前記機器の位置情報を記憶する位置情報記憶手段と、前記機器に於いて故障が発生した場合、前記位置情報記憶手段に記憶した前記機器の位置情報から求まる前記表示手段の移動距離を用いて前記表示手段を移動させる移動制御手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、故障発生箇所の近辺に表示装置を移動させ、当該発生箇所における故障に対する修復方法を表示装置に表示させることで、ユーザは修復方法を見ながら、印刷機の修復を行うことができるので、ユーザは、効率的に修復作業を行うことができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態における印刷装置の概略構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態における表示装置の概略構成を示す構成図である。
【図3】本発明の実施形態における印刷装置のハードウェアの概略構成を示す構成図である。
【図4】本発明の実施形態におけるメイン画面を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における故障発生画面を示す図である。
【図6】本発明の実施形態における移動中画面を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における故障回復方法画面(故障箇所に移動ボタン有り)を示す図である。
【図8】本発明の実施形態における故障回復方法画面(ボタン無し)を示す図である。
【図9】本発明の実施形態における故障回復画面を示す図である。
【図10】本発明の実施形態における表示装置移動処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態における機器情報テーブル作成処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態における移動順テーブル作成処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態における移動距離計算処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態における機器一覧、機器情報、移動順、故障回復優先順位を格納するテーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る印刷装置の概略構成を示す構成図である。
【0020】
図1において、100は表示装置である。200はプリンタ本体である。300はオプション装置であり、プリンタ本体200の左側および右側に、任意の台数を接続することができる。
【0021】
102はレールであり、表示装置100がプリンタ本体200およびオプション機器300の上部を移動する際に使用するものである。301は原点を示しており、表示装置100が移動する際の基準とする点である。
【0022】
原点301は印刷装置の左端であり、プリンタ本体200の左側にオプション機器300を接続している場合は左側の末端に接続したオプション機器300の左側面の位置となり、プリンタ本体200にオプション機器300を接続していない場合はプリンタ本体200の左側面の位置となる。以降、方向を示す際には図1を基準として記述する。つまり左とは図1を正面に見て向かって左を指すものとする。
【0023】
図2は、表示装置100の概略構成を示す構成図である。101は移動装置であり、表示装置100がプリンタ本体200およびオプション機器300の上を移動するための機能、および表示装置100の現在位置を測定する機能を備える。
【0024】
ここで、表示装置100の現在位置とは原点301からの距離である。レール102はプリンタ本体200およびオプション機器300の上部に敷設したものであり、移動装置101はレール102に沿って移動する。
【0025】
レール102は鉛直方向に直交して左右に延びており、プリンタ本体200およびオプション機器300を接続する方向と並行であり、かつカーブはしていないものとする。
【0026】
103は表示器であり、印刷装置の状態や印刷装置からの情報を表示するとともに、入力装置の機能も併せて備える。表示器103の入力装置の機能は、利用者の接触を感知するものであり、タッチパネル等の技術により実現したものであるとする。
【0027】
104はケーブルであり、表示装置100とプリンタ本体200を接続するものである。図2においてケーブル104は表示装置100とプリンタ本体200とを物理的に結線しているが、有線だけではなく無線であってもよい。
【0028】
以上により本発明である印刷装置の表示方式を実現する。
【0029】
図3は、図1に示した印刷装置に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成図である。
【0030】
図3において、201はプリンタ本体200に内蔵される制御部であり、本発明における計算機能や判断機能を実現する。202はCPUで、システムバス206に接続している各コントローラの制御機能、各デバイスの入出力機能および演算機能を有する。
【0031】
203はROMであり、CPU202の制御機能や入出力機能を実現するための基本的なソフトウェアであるBIOS(BASIC INPUT OUTPUT SYSTEM)等を記憶している。
【0032】
204は外部記憶装置であり、応用ソフトウェアを実行するために必要な基盤となるソフトウェアであるオペレーティングシステム(以下、OS)や、印刷装置が実行する機能を実現するために必要な後述する各種応用ソフトウェア等を記憶している。更に、応用ソフトウェアによって参照する各種テーブル情報を記憶している。なお、本実施形態では外部記憶装置204にオペレーティングシステム、応用ソフトウェア、各種テーブル情報等を記憶しているが、これらはROM203に記憶してもよい。
【0033】
205はRAMであり、CPU202が実行するソフトウェアをROM203や外部記憶装置204からロードして保持する、または、実行する際の作業領域等として使用する。
【0034】
206はシステムバスであり、接続している各コントローラ、各デバイスの間にてデータを送受する際の経路である。
【0035】
表示・入力コントローラ207は、CPU202において実行するソフトウェアの指示に従い表示器103に画面を表示し、また表示器103からの入力を制御する。
【0036】
表示装置移動コントローラ208は、移動装置101にて測定した表示装置100の現在位置を取得し、CPU202において実行するソフトウェアの指示に従い移動装置101を制御し、また移動装置101の現在位置をCPU202に渡す。
【0037】
印刷コントローラ210は印刷装置の利用者からなされる印刷指示に従い印刷部209を制御する。印刷部209は印刷コントローラ210の指示に従い用紙を給紙し、印刷を実施し、印刷した用紙を排紙する。
【0038】
機器センサー211はプリンタ本体200に接続したオプション機器300を検知し、オプション機器300を一意に識別するための識別子である機器IDを取得する。この機器IDは、プリンタ本体200に対して左右どちら側の何番目に接続した機器の機器IDが何であるか対応付けが取れるものとする。
【0039】
機器センサーコントローラ212は機器センサー211の動作を制御し、機器センサー211から取得した機器IDをシステムバス206に渡す。
【0040】
故障検知センサー213はプリンタ本体200およびオプション機器300にて発生した故障を検知し、発生した故障を一意に識別するための識別子である故障ID、および故障の発生した機器の機器IDを取得する。
【0041】
故障検知センサーコントローラ214は故障検知センサー213の動作を制御し、故障検知センサー213から取得した故障ID、および機器IDをシステムバス206に渡す。
【0042】
以上の構成により、故障箇所への移動距離を計算し、故障回復の優先順位の順番に移動順を決定し、決定した移動順によって故障箇所へ表示装置100を移動し、ユーザに故障箇所を示すと共に、ユーザの近くで回復手順を表示することが可能となる。
【0043】
以下、図4〜図9を参照して、印刷装置にて故障が発生した際にユーザに回復手順を示し、回復に至るまでの表示例を説明する。
【0044】
図4は、印刷装置に故障が発生していない状態において表示する画面である。
【0045】
図5は、印刷装置に備わる故障検出センサーにより故障を検知した際に表示する画面で、ヘッダー部には故障発生を表示し、状態表示部には故障の内容を表示する。これによりユーザは印刷装置の故障の発生と故障の内容を認識することが出来る。
【0046】
フッター部には故障発生箇所まで表示装置100の移動開始を指示する「故障位置に移動」ボタンと、表示装置100を移動せずに故障回復方法の表示を指示する「故障回復方法を表示」ボタンを表示する。
【0047】
ここで、故障発生時に表示装置100を自動的に移動せず、ユーザの選択によって移動を開始するようにした理由は、レール102付近に器物や人間が存在し、表示装置100の予期せぬ移動によって器物の損壊や人体への傷害が発生するのを防ぐ為である。
【0048】
ただし、上記のようなリスクの存在しない環境において作業効率を向上させるため、図5の表示を省いて自動的に移動するような設定をオプションで選択可能とすることが望ましい。図5を表示している状態において故障が回復した場合は、図9を表示する。
【0049】
以下、故障が1箇所の場合と、故障が複数箇所の場合とを分けて説明する。まず故障が1箇所の場合について説明する。図6は、図5、図7の「故障位置に移動」ボタン、または図9の「元の位置に移動」ボタンを押下し、表示装置100が移動を開始する際に表示する画面で、ヘッダー部と状態表示部に表示装置100が移動中である事を表示する。
【0050】
図7は、図5の「故障回復方法を表示」ボタンを押下することで表示する画面で、状態表示部には故障の内容を表示し、機器表示部には故障回復手順を表示する。フッター部には故障発生箇所に表示装置100を移動する「故障位置に移動」ボタンを表示する。図7を表示している状態において故障が回復した場合は、図9を表示する。
【0051】
図8は、移動中であった表示装置100が故障発生箇所に停止した際に表示する画面で、状態表示部には故障の内容を表示し、機器表示部には故障回復手順を表示する。これによりユーザは表示装置100に表示している故障回復手順を参照しながら印刷装置の故障回復処置を行うことが出来る。図8を表示している状態において故障が回復した場合は、図9を表示する。
【0052】
次に故障が複数箇所で発生した場合について説明する。図6は、図5、図7、図9の「故障位置に移動」ボタンを押下し表示装置100が移動を開始する際に表示する画面で、ヘッダー部と状態表示部に表示装置100が移動中である事を表示する。
【0053】
図7は、図2の「故障回復方法を表示」ボタンを押下すると表示する画面で、状態表示部には故障の内容を表示し、機器表示部には故障回復手順を表示する。フッター部には故障発生箇所に表示装置100を移動する「故障位置に移動」ボタンを表示する。
【0054】
図7を表示している状態から1つの故障を回復した後、他にもまだ故障がある場合は、次の故障を表示する為に図5を表示する。但し、図7を表示している状態において全ての故障が回復すると図9を表示する。
【0055】
図8は、移動中であった表示装置100が故障発生箇所に停止すると表示する画面で、状態表示部には故障の内容を表示し、機器表示部には故障回復手順を表示する。これによりユーザは表示装置100に表示している故障回復手順を参照しながら印刷装置の故障回復処置を行うことが出来る。
【0056】
図8を表示している状態において1つの故障が回復した後、他に故障がある場合は、次の故障を表示する為に図5を表示する。しかし、図8を表示している状態にて全ての故障が回復すると図9を表示する。
【0057】
図9は、印刷装置の全ての故障が回復すると表示する画面であり、ヘッダー部と状態表示部には故障回復を表示し、フッター部には表示装置100を元の位置に戻す為の「元の位置に移動」ボタンを表示する。ここで表示装置100の元の位置とは原点301の場所である。
【0058】
図9の「元の位置に移動」ボタンを押下し、表示装置100が移動を開始すると図6を表示し、元の位置に停止すると図4を表示する。但し、図9を表示している状態において新たに故障を検知した場合は、図5を表示する。
【0059】
以上の表示により表示装置100は故障箇所および故障回復方法をユーザに示し、ユーザは優先順位の高い故障から、総移動距離が最短になるような順番で故障を回復することができる。
【0060】
以下、図10〜図14に示すフローチャートを参照して、本実施形態における表示装置100の移動処理、および移動処理を実施するにあたり必要となる処理について説明する。
【0061】
図10に示すフローチャートは表示装置100の移動処理の概要を示したものである。
【0062】
まず、ユーザが印刷装置の電源をONにすると、CPU202はROM203及び外部記憶装置204から、BIOS、OS、本実施形態を実施する応用ソフトウェア、機器一覧テーブルT100、故障回復優先順位テーブルT400等をRAM205へロードし、BIOS、OS及び応用ソフトウェアを順次実行する(S101)。
【0063】
以降、CPU202は本実施形態を実施する応用ソフトウェアの内容をRAM205から読み取り、1つずつ実行する。以下の説明は特記の無い限りCPU202にて実行する応用ソフトウェアにより実施されるものとする。
【0064】
次に、CPU202はRAM205の機器一覧テーブルT100を使用して機器情報テーブルT200を作成し、RAM205に保存する(S200)。この処理は後で詳しく説明する。
【0065】
CPU202はS200まで完了すると表示・入力コントローラ207に図4のメニュー画面の表示を指示する。表示器103は当該画面を表示する。
【0066】
CPU202は故障検知センサーコントローラ214へ故障の有無を問い合わせ、故障検知センサーコントローラ214は故障検知センサー213へ問い合わせることで故障の有無をCPU202へ渡す。CPU202は問い合わせ結果から故障の有無を判定する(S102)。
【0067】
故障が有る場合、CPU202は移動順テーブルT300を作成してRAM205に保存する(S300)。この処理は後で詳しく説明する。
【0068】
故障が無い場合、CPU202は印刷指示の有無を判定する(S103)。印刷指示は、例えば不図示のネットワークを介して印刷装置のユーザが印刷装置へ送信するものである。印刷指示の受付方法は本発明の範疇外である為、詳細については説明を割愛する。
【0069】
印刷指示が有る場合、CPU202は印刷コントローラ210に印刷指示を行い、印刷コントローラ210は印刷部209を制御して印刷を実施する(S104)。印刷方法は本発明の範疇外である為、詳細については説明を割愛する。その後、S102に戻る。印刷指示が無い場合は、S102に戻る。
【0070】
故障が有る場合でS300を実行後、CPU202は表示・入力コントローラ207に図5の故障発生表示を指示し、表示器103は当該画面を表示する。
【0071】
続いて、CPU202はS106〜S109の処理を、移動順テーブルレコード数の数分繰り返す(S105)。
【0072】
まず、CPU202はRAM205上の移動順テーブルT300のi番目のレコードから、原点301からの移動距離の取得処理を行う(S106)。ここでi番目とはS106〜S109の繰り返し処理において、何番目のレコードに着目して処理しているかを表す変数であり、iは1から移動順レコード数までの数を取る。
【0073】
次に、CPU202は表示装置100の移動の必要があるか否かを確認する(S107)。この確認は、表示中の図5の画面において、ユーザが「故障位置に移動」ボタンを押下した場合に限り必要であると判定する。なお、オプションの設定によって図5の表示を省略した場合は、常に移動が必要であると判定する。
【0074】
表示装置100の移動が必要な場合、CPU202は表示装置移動コントローラ208に移動を指示する。この時、移動距離を表示装置移動コントローラ208に渡す必要があるが、移動順テーブルT300に格納されている移動距離は、原点301からの移動距離である。
【0075】
そこで、表示装置100の移動距離を算出する為に以下の処理を行う。CPU202は表示装置移動コントローラ208に表示装置100の現在位置を問い合わせる。表示装置移動コントローラ208は移動装置101に問い合わせて表示装置100の現在位置を取得し、それをCPU202に渡す。CPU202はS106にて取得した移動距離から、表示装置100の現在位置を減算する。
【0076】
以上により、表示装置100の移動距離が算出できる。なお表示装置100の移動距離が負の場合は、表示装置100を左に移動することを意味し、正の場合は右に移動することを意味する。
【0077】
表示装置100の移動距離がCPU202から表示装置移動コントローラ208に渡された後、表示装置移動コントローラ208は移動装置101を制御することで表示装置100の移動処理を行う(S108)。
【0078】
この時CPU202は表示装置移動コントローラ208より移動開始を検知すると、表示・入力コントローラ207に図6の移動中画面の表示を指示する。表示・入力コントローラ207は表示器103に図6の表示を指示し、表示器103は当該画面を表示する。
【0079】
表示装置100の移動開始後、CPU202が表示装置移動コントローラ208より移動停止を検知すると、CPU202は表示・入力コントローラ207に図5の故障回復画面の表示を指示する。表示・入力コントローラ207は表示器103に図5の表示を指示し、表示器103は当該画面を表示する。
【0080】
表示装置100の移動が不要な場合、表示中の図5の画面においてユーザが「故障回復方法を表示」ボタンを押下した場合に限り、CPU202は表示・入力コントローラ207に図8の故障回復方法画面(故障位置に移動ボタン有)の表示を指示する。表示・入力コントローラ207は表示器103に図8の表示を指示し、表示器103は当該画面を表示する。
【0081】
そして、CPU202は故障検知センサーコントローラ214に問い合わせてi番目の故障が回復したか否かを確認する(S109)。確認にあたり、故障検知センサーコントローラ214は故障検知センサー213に問い合わせて、故障の有無、および故障がある場合は故障ID、機器IDを取得する。故障検知センサーコントローラ214は取得した情報をCPU202に渡す。CPU202は渡された情報に、移動順テーブルT300のi番目のレコードの機器IDが含まれていないことをもって故障が回復したと判定する。
【0082】
故障が回復した場合はS106に戻り、移動順テーブルT300の次のレコードの処理を実施する(S110)。故障が回復していない場合はS107に戻る。
【0083】
すべての故障が回復した場合、CPU202は表示・入力コントローラ207に図9の故障回復画面の表示を指示する。表示・入力コントローラ207は表示器103に図9の表示を指示し、表示器103は当該画面を表示する。
【0084】
S110は繰り返しの終端である。そして、CPU202は表示装置100の現在位置がデフォルト位置であるか否かを判定する(S111)。ここでデフォルト位置とは原点301のことである。表示装置100がデフォルト位置である場合、S102に戻る。
【0085】
表示装置100がデフォルト位置では無い場合、CPU202は移動距離の計算を行う(S112)。移動距離の計算は以下の手順で行う。まずCPU202が表示・入力コントローラ207に表示装置100の現在位置を問い合わせる。表示・入力コントローラ207は移動装置101に問い合わせて、原点からの表示装置100の現在位置を特定し、CPU202に渡す。CPU202は原点からの表示装置100の現在位置に−1を掛けて表示装置100の移動距離を算出する。ここで、表示装置100の移動距離が負であることは、表示装置100を左に移動することを意味する。
【0086】
表示装置100の移動距離の計算後、CPU202は表示装置100の移動処理を行う(S113)。移動処理は以下のように実施する。
【0087】
まずCPU202は表示装置100の移動距離を表示装置移動コントローラ208に渡して移動を指示する。表示装置移動コントローラ208は移動装置101を制御して表示装置100を移動する。この際CPU202は表示装置移動コントローラ208より移動開始を検知すると、表示・入力コントローラ207に図5の移動中画面の表示を指示する。表示・入力コントローラ207は表示器103に図5の表示を指示し、表示器103は当該画面を表示する。
【0088】
表示装置100の移動開始後、表示装置移動コントローラ208より移動停止を検知すると、CPU202は表示・入力コントローラ207に図4のメニュー画面の表示を指示する。表示・入力コントローラ207は表示器103に図4の表示を指示し、表示器103は当該画面を表示する。
【0089】
以上の手順により、本実施例における表示装置100の移動処理が実現できる。
【0090】
以下、図11を参照して機器情報テーブル作成S200の手順を説明する。
【0091】
まず、CPU202は空の機器情報テーブルT200をRAM205に配置する(S201)。
【0092】
次に、CPU202は本体の機器IDを持つレコードを、RAM205上の機器一覧テーブルT100から取得する(S202)。
【0093】
CPU202はS202において取得したレコードを、機器情報テーブルT200に挿入する(S203)。
【0094】
CPU202はRAM205上に変数である接続機器数の領域を確保し、その値を0で初期化する(S204)。
【0095】
CPU202は機器センサーコントローラ212に、プリンタ本体200に接続している全てのオプション機器300の機器ID一覧を問い合わせる。機器センサーコントローラ212は、機器センサー211に問い合わせて、プリンタ本体200に接続している全てのオプション機器300の機器ID一覧を取得してCPU202に返す。CPU202は機器ID一覧をRAM205に置く(S205)。
【0096】
CPU202はRAM205上の機器情報テーブルT200から先頭レコードを取得する。そして当該レコードの機器IDを取得する(これを当該機器IDとする)。それから当該機器IDを、RAM205に置いた機器ID一覧から検索し、当該機器IDに対応する機器の左側に、オプション機器300が接続されているか判定する(S206)。この判定は、前述した機器センサー211の仕様により判定可能である。
【0097】
当該機器IDに対応する機器の左側にオプション機器300が接続されている場合、CPU202はRAM205上の機器ID一覧から、左側に接続されたオプション機器300の機器IDを取得する。さらに、その機器IDを持つレコードを、RAM205上の機器一覧テーブルT100から検索し、そのレコードを取得する(S207)。
【0098】
CPU202は取得したレコードをRAM205上の機器情報テーブルT200の先頭に挿入する(S208)。
【0099】
CPU202はRAM205上の変数である接続機器数を1増やす(S209)。その後、S206に戻る。
【0100】
S206にて左側にオプション機器300が接続されていない場合、CPU202はRAM205上の機器情報テーブルT200から末尾レコードを取得する。そして当該レコードの機器IDを取得する(これを当該機器IDとする)。
【0101】
それから当該機器IDを、RAM205に置いた機器ID一覧から検索し、当該機器IDに対応する機器の左側に、オプション機器300が接続されているか判定する(S210)。この判定は、前述した機器センサー211の仕様により判定可能である。
【0102】
当該機器IDに対応する機器の右側にオプション機器300が接続されている場合、CPU202はRAM205上の機器ID一覧から、右側に接続されたオプション機器300の機器IDを取得する。さらに、その機器IDを持つレコードを、RAM205上の機器一覧テーブルT100から検索し、そのレコードを取得する(S211)。
【0103】
CPU202は取得したレコードをRAM205上の機器情報テーブルT200の末尾に挿入する(S212)。
【0104】
CPU202はRAM205上の変数である接続機器数を1増やす(S213)。その後、S210に戻る。
【0105】
S210にて右側にオプション機器300が接続されていない場合、CPU202は機器情報テーブルT200の作成を終了する。
【0106】
以上の手順により、本実施例における機器情報テーブルT200の作成が実現できる。
【0107】
以下、図12を参照して移動順テーブル作成S300の手順を説明する。
【0108】
まず、CPU202は空の移動順テーブルT300をRAM205に配置する(S301)。
【0109】
次に、CPU202はRAM205上に変数である移動順テーブルレコード数の領域を確保し、その値を0で初期化する(S302)。
【0110】
続いて、CPU202はS304〜S314の処理を、故障発生数の数分繰り返す(S303)。
【0111】
CPU202は故障検知センサーコントローラ214に、i番目の故障が発生している機器の機器IDと故障IDを問い合わせる。故障検知センサーコントローラ214は故障検知センサー213からi番目の故障の故障IDと、発生箇所の機器の機器IDを取得してCPU202に渡す(S304)。ここで、故障は発生順に並んでいるものとする。
【0112】
CPU202はS304で取得したi番目の故障IDを用いて、RAM205上の故障回復優先順位テーブルT400から対応するレコードを検索し、そのレコードに格納されている故障回復の優先順位を取得する(S305)。
【0113】
CPU202はS304で取得した機器IDを元に移動距離計算を行う(S400)。この移動距離は原点301から、機器IDに対応する機器までの距離であり、実際に表示装置100が移動する距離はS108にて算出する。S400の移動距離計算は後で詳しく説明する。
【0114】
CPU202はS304で取得した機器ID、S305で取得した優先順位、S400にて算出した移動距離からなるレコードをRAM205上に作成する(S306)。以下、このレコードを移動距離レコードとする。
【0115】
続いて、CPU202はS308〜S311の処理を、移動順テーブルレコード数の数分繰り返す(S307)。ここで、RAM205上の移動順テーブルT300が空の場合は、S313に進む。
【0116】
まず、CPU202は移動順テーブルT300のj番目のレコードの優先順位を、RAM205上に確保した変数Aに設定する。ここで、j番目とはS308〜S311の繰り返しの中で対象としている移動順テーブルT300のレコードが、先頭から何番目にあるかを示すものである。また、RAM205上の移動距離レコードの優先順位を、RAM205上に確保した変数Bに設定する(S308)。
【0117】
CPU202は変数Aと変数Bとを比較する(S309)。
【0118】
S309にて変数Aと変数Bとの値が等しい場合は総最短距離が最小になるよう故障の回復順を決定するために表示装置100からの移動距離を計算する。
【0119】
CPU202は変数C、DをRAM205上に確保し、変数Cには移動順テーブルT300のj番目のレコードの移動距離から、表示装置100の現在位置を減算した値の絶対値を設定し、変数Dには移動距離レコードの移動距離から、表示装置100の現在位置を減算した値の絶対値を設定する(S310)。
【0120】
そしてCPU202は変数Cと変数Dとの値を比較する(S311)。
【0121】
S311にて変数Cよりも変数Dの値が大きい場合、S313へ進む。CとDの値が等しい、もしくは変数Dよりも変数Cが大きい場合、S312へ進む。
【0122】
S309にて変数Bよりも変数Aの値が大きい場合、S312に進む。S309にて変数Aよりも変数Bの値が大きい場合、S313に進む。
【0123】
繰り返しの後、CPU202は移動順テーブルT300のj番目に移動距離レコードを挿入する(S313)。
【0124】
そして、CPU202はRAM205上の移動順テーブルレコード数を1増やす(S314)。
【0125】
S315は繰り返しの終端である。S304〜S314の繰り返しが続く場合はS303に戻る。繰り返しが終了する場合は移動順テーブルT300作成処理を終了する。
【0126】
以上の手順により、故障回復の優先順位順・移動距離の最短順に並べた移動順テーブルT300を作成する移動順テーブル作成処理が実現できる。
【0127】
以下、図13を参照して移動距離計算の手順を説明する。これにより原点301から目的とする機器までの距離を計算する。
【0128】
まず、CPU202は故障が発生している機器の機器IDを取得する。(S401)。これはS305で取得した機器IDである。
【0129】
次に、CPU202はRAM205上に、原点からの移動距離を表す変数Lを確保し、その値を0で初期化する。(S402)。
【0130】
続いて、CPU202はS404〜S406の処理を、接続機器数+1個分繰り返す(S403)。
【0131】
CPU202はRAM205上の機器情報テーブルT200からi番目のレコードの機器IDおよび機器サイズを取得する(S404)。ここでi番目とはS404〜S406の繰り返し処理において、機器情報テーブルT200の何番目のレコードを処理しているかを表す数である。
【0132】
CPU202はS401で取得した故障が発生している機器の機器IDと、i番目の機器IDを比較する(S405)。
【0133】
故障発生機器の機器IDとi番目の機器IDが等しい場合、CPU202はRAM205上の機器情報テーブルT200のi番目のレコードから機器サイズを取得し、RAM205上の変数Lに、L+(i番目の機器サイズ÷2)を設定する(S407)。2で割るのは表示装置をプリンタ本体200またはオプション機器300に移動する際、その機器の中央に停止させるためである。そして繰り返しを終了する。
【0134】
故障発生機器の機器IDとi番目の機器IDが等しくない場合、CPU202はRAM205上の機器情報テーブルT200のi番目のレコードから機器サイズを取得し、RAM205上の変数Lに、L+i番目の機器サイズを設定する(S406)。そして繰り返しが続く場合はS404に戻る。
【0135】
S404〜S406の繰り返しが終了した時点で、移動距離計算を終了する。
【0136】
以上により、本実施例における移動距離計算が実現できる。

【0137】
以下、図14を参照して、図10〜図13の処理にて使用するテーブルを説明する。
【0138】
機器一覧テーブルT100は、プリンタ本体200およびプリンタ本体200に接続可能な全てのオプション機器300について、200および300を一意に識別することができる識別子である機器IDと、機器の横幅を表す機器サイズの組を1レコードとして格納するものである。
【0139】
ここで機器の横幅とは図1におけるプリンタ本体200およびオプション機器300の、左右方向の寸法であるものとする。レコードの並び順は任意である。機器一覧テーブルT100の内容は印刷装置の構成には依存せず不変であり、プリンタ本体200の出荷時に予め外部記憶装置204またはROM203に記憶しておくものとする。
【0140】
機器情報テーブルT200は、印刷装置を構成するプリンタ本体200およびオプション機器300の機器ID、機器サイズの組を1レコードとして格納するものである。機器情報テーブルT200のレコードの並び順は、最も左に接続されているオプション機器300が先頭のレコードとなり、以後順次右に向けてオプション機器300やプリンタ本体200が並ぶ。
【0141】
プリンタ本体200の左側にオプション機器300を接続していない場合は、プリンタ本体200が機器情報テーブルT200の先頭レコードに入る。機器情報テーブルT200の内容は印刷装置の構成によって異なる為、外部記憶装置204またはROM203には記憶せず、本発明を実現する応用ソフトウェアによって随時計算し、RAM205に置くものとする。
【0142】
移動順テーブルT300は、機器ID、故障回復の優先順位、原点からの移動距離の3つを組み合わせたデータを1レコードとして格納するものである。移動順テーブルT300のレコードの並び順は、S200で作成した機器情報テーブルT200を基に、故障回復の優先順位が高い順で並べるものとし、優先順位が同一である故障については表示装置100の総移動距離が最短となる順に並べる。
【0143】
故障回復優先順位テーブルT400は、プリンタ本体200およびオプション機器300で発生しうる全ての故障を一意に識別する識別子である故障IDと、その故障を回復する優先順位を組にしたデータを1レコードとして格納するものである。レコードの並び順は任意である。故障回復優先順位テーブルT400の内容は不変であり、プリンタ本体200の出荷時に予め外部記憶装置204またはROM203に記憶しておくものとする。
【0144】
以上説明したように、本実施形態によれば、故障発生箇所の近辺に表示装置を移動させ、当該発生箇所における故障に対する修復方法を表示装置に表示させることで、ユーザは修復方法を見ながら、印刷機の修復を行うことができるので、ユーザは、効率的に修復作業を行うことができる。
【0145】
また、この処理を応用して、消耗品の補給、メンテナンス作業も作業箇所に拠らず表示装置に表示された説明を見ながら、作業を行うことも可能となる。
【0146】
故障の発生箇所を一目瞭然で認識でき、かつ表示装置の移動を故障回復の優先順位が高い順に行い、優先順位が同一の故障については総移動距離が最短となる順に移動を行うことで、ダウンタイムを最小限に抑えることが可能である。
【0147】
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0148】
また、本発明におけるプログラムは、各処理方法をコンピュータが実行可能(読み取り可能)なプログラムであり、本発明の記憶媒体は、各処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。
【0149】
なお、本発明におけるプログラムは、各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0150】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読取り実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0151】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0152】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0153】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータで稼働しているOS等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0154】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0155】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。
【0156】
この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0157】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステム、あるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0158】
100 表示装置
101 移動装置
102 レール
103 表示器
104 ケーブル
200 プリンタ本体
201 制御部
202 CPU
203 ROM
204 外部記憶装置
205 RAM
206 システムバス
207 表示・入力コントローラ
208 表示装置移動コントローラ
209 印刷装置
210 印刷コントローラ
211 機器センサー
212 機器センサーコントローラ
213 故障検知センサー
214 故障検知センサーコントローラ
300 オプション機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置を構成する機器の故障情報を表示する表示手段と、
前記印刷装置に対する前記機器の位置情報を記憶する位置情報記憶手段と、
前記機器に於いて故障が発生した場合、前記位置情報記憶手段に記憶した前記機器の位置情報から求まる前記表示手段の移動距離を用いて前記表示手段を移動させる移動制御手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記表示手段は、故障の回復を検知した際に、前記回復した機器と異なる故障が発生した機器の故障情報を表示し、
前記移動制御手段は、前記位置記憶手段に記憶した前記回復した機器の位置情報と前記異なる故障が発生した機器との位置情報とから求まる前記表示手段の移動距離を用いて前記表示手段を移動させることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記表示手段は、故障が発生した位置へ移動した後、当該位置から特定される故障した機器の故障情報と共に故障への対処方法を表示することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記移動制御手段は、前記機器に於いて故障が発生した場合、故障内容によって前記表示手段の移動順序を優先的に決定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
印刷装置の制御方法であって、
前記印刷装置の表示手段は、印刷装置を構成する機器の故障情報を表示する表示ステップ、
前記印刷装置の移動制御手段は、前記機器に於いて故障が発生した場合、前記印刷装置に対する前記機器の位置情報を記憶する位置情報記憶手段に記憶した前記機器の位置情報から求まる前記表示手段の移動距離を用いて前記表示手段を移動させる移動制御ステップ、
を含むことを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項6】
印刷装置において実行されるプログラムであって、
前記印刷装置を、
印刷装置を構成する機器の故障情報を表示する表示手段と、
前記印刷装置に対する前記機器の位置情報を記憶する位置情報記憶手段と、
前記機器に於いて故障が発生した場合、前記位置情報記憶手段に記憶した前記機器の位置情報から求まる前記表示手段の移動距離を用いて前記表示手段を移動させる移動制御手段と、
して機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−139858(P2012−139858A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292840(P2010−292840)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】