説明

印刷装置、印刷システム、プリンタドライバ及び印刷方法

【課題】他のユーザからの印刷ジョブと混在して印刷されることなく複数の印刷ジョブの印刷処理を実行可能であり、その際のユーザの設定が容易である印刷装置の提供。
【解決手段】印刷装置1は、情報端末2から受信した印刷ジョブを処理するものであって情報端末2から送信された印刷ジョブを画像記憶部15に蓄積し、印刷ジョブに含まれるユーザ識別情報で識別されるユーザ毎に、印刷ジョブの受信から所定時間の経過を計時するタイマ17aと、計時中は、該当するユーザから受信した印刷ジョブの印刷をスキップしユーザ識別情報を含まない印刷ジョブを先に印刷し、所定時間経過後に該当するユーザから受信した印刷ジョブを一括して印刷するよう印刷順を制御する制御部10と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部端末から受信した複数の印刷ジョブに基づいて印刷を行なう印刷装置、印刷システム、プリンタドライバ及び印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置は、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)などの情報端末から受信した印刷ジョブに基づいて印刷出力を行なうものであり、複数の情報端末に共有される。したがって、各利用者のために印刷出力された記録紙が印刷装置の排紙トレイ上で混在する。
【0003】
また、会議資料などは、PC上で文書ファイル、表計算ファイル、図面ファイルなど資料のカテゴリー毎に作成された複数のファイルを記録紙に印刷出力し、その記録紙を結合させて一つの資料とされる。したがって、利用者が他の利用者と共同使用している複合機を用いて会議資料の全てを印刷する場合には、複数のファイルを連続して複合機に入力しても、他の利用者の印刷指示と重なった場合には、会議資料の間に他の利用者用が出力指示した記録物が混じってしまう問題がある。
【0004】
また、印刷前に会議資料用の複数のファイルをPC上で一旦一つのファイルに結合させておくことも考えられるが、これら複数のファイルはタイプ(xls,doc,ppt,dxf)が異なり、1つに結合させるのはユーザにとって煩雑である。
【0005】
特許文献1に開示の技術では、複数のドキュメントファイルの印刷において、PC側でグループID及び印刷順ID等を印刷ジョブのヘッダに指定しておき、印刷装置側でグループID毎に印刷順IDの順番で印刷することにより複数のドキュメントファイルをグループ化して印刷することができる。よって、印刷実行時に他のユーザからの印刷ジョブと混在して印刷されるという不具合がなくなる。
【0006】
また、特許文献2に開示の技術では、クライアントコンピュータでユーザが印刷ジョブのグループ名や印刷順序を指定可能となっており、プリントサーバによって、クライアントコンピュータから送出される複数の印刷ジョブを印刷順序指定付きの印刷ジョブと印刷順序指定なしの印刷ジョブとに識別し、各印刷ジョブの印刷順序を指定順に並び替えて整列させ、印刷装置に送出する。これにより、複数の一連の印刷ジョブを同じ印刷装置指定された順にまとめて送出して連続印刷可能になっている。
【0007】
その他に、PCから受信した複数の印刷ジョブを印刷装置が記憶しておき、ユーザが印刷装置のタッチパネル等の操作部に対して操作を行ない、記憶されている印刷ジョブの処理順序を指示する技術などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−119940号公報
【特許文献2】特開2001−75768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の特許文献1,2に開示の方法では、ユーザが行う必要がある操作が煩雑である。
【0010】
本発明は、上述のような実情を鑑み、他のユーザからの印刷ジョブと混在して印刷されることなく複数の印刷ジョブの印刷処理を実行可能であり、その際のユーザの設定が容易である印刷装置、印刷システム、プリンタドライバ及び印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、外部端末から受信した印刷ジョブを処理する印刷装置であって、前記外部端末から送信された印刷ジョブを記憶部に蓄積し、前記印刷ジョブに含まれるユーザ識別情報で識別されるユーザ毎に、印刷ジョブの受信から所定時間の経過を計時するタイマと、前記計時中は、該当するユーザから受信した印刷ジョブの印刷をスキップし前記ユーザ識別情報を含まない印刷ジョブを先に印刷し、前記所定時間経過後に前記該当するユーザから受信した印刷ジョブを一括して印刷するよう印刷順を制御する制御部と、を備えたことを特徴としたものである。
【0012】
本発明の第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記タイマが、前記該当するユーザからの印刷ジョブの受信毎にタイマをリセットすることを特徴としたものである。
【0013】
本発明の第3の技術手段は、第1の技術手段において、前記タイマが、前記該当するユーザからの最初の印刷ジョブの受信から所定時間の経過を計時することを特徴としたものである。
【0014】
本発明の第4の技術手段は、第1〜3いずれか1項の技術手段において、前記所定時間が可変であることを特徴としたものである。
【0015】
本発明の第5の技術手段は、外部端末が送信した印刷ジョブを印刷装置が受信し処理する印刷システムであって、前記外部端末が、一括印刷の指示入力により前記印刷装置に送信する印刷ジョブにユーザ識別情報を含めて送信し、前記印刷装置が、前記外部端末から送信された印刷ジョブを記憶部に蓄積し、前記印刷ジョブに含まれるユーザ識別情報で識別されるユーザ毎に、印刷ジョブの受信から所定時間の経過を計時するタイマと、前記計時中は、該当するユーザから受信した印刷ジョブの印刷をスキップし前記ユーザ識別情報を含まない印刷ジョブを先に印刷し、前記所定時間経過後に前記該当するユーザから受信した印刷ジョブを一括して印刷するよう印刷順を制御する制御部と、を備えたことを特徴としたものである。
【0016】
本発明の第6の技術手段は、コンピュータを第5の技術手段の外部端末として機能させるプリンタドライバである。
【0017】
本発明の第7の技術手段は、外部端末が送信した印刷ジョブを印刷装置が受信し処理する印刷方法であって、前記外部端末が、一括印刷の指示入力により前記印刷装置に送信する印刷ジョブにユーザ識別情報を含めて送信するステップと、前記印刷装置が、前記外部端末から送信された印刷ジョブを記憶部に蓄積するステップと、前記印刷装置が、前記印刷ジョブに含まれるユーザ識別情報で識別されるユーザ毎に、印刷ジョブの受信から所定時間の経過を計時するステップと、前記印刷装置が、前記計時中は、該当するユーザから受信した印刷ジョブの印刷をスキップし前記ユーザ識別情報を含まない印刷ジョブを先に印刷し、前記所定時間経過後に前記該当するユーザから受信した印刷ジョブを一括して印刷するよう印刷順を制御するステップと、を含むことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、他のユーザからの印刷ジョブと混在して印刷されることなく複数の印刷ジョブの印刷処理を実行できる。また、その際のユーザの設定が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態である印刷システムの一例の機能ブロック図である。
【図2】図1の印刷装置において印刷ジョブを受信した場合のジョブキューの管理方法の一例を説明するフローチャートである。
【図3】図1の印刷装置の経過判定部における判定処理に伴うジョブキューの管理方法の一例を説明するフローチャートである。
【図4】図1の印刷装置における印刷処理の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の一実施形態である印刷システムの一例の機能ブロック図である。図1の印刷システムは、印刷装置1と外部端末としての情報端末2とがLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等のネットワークNを介して接続され、データの送受信が可能なように構成されている。
【0021】
印刷装置1は、例えば、電子写真方式で印刷を行なうものであり、情報端末2からネットワークNを介して、所定のページ記述言語で記述された印刷ジョブを受信し、印刷ジョブに含まれる制御データに応じて印刷を行う。
【0022】
印刷装置1は、制御部10、通信部11、操作/表示部12、転写部13、RAM(Random Access Memory)14、ROM15、スプーラ16、画像処理部17により構成され、各部はバスにより接続されている。
【0023】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)によりROM(Read Only Memory)に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM14内に展開し、展開されたプログラムに従って、印刷装置1各部の動作を集中制御する。
【0024】
操作/表示部11は、LCD(Liquid Crystal Display)などで構成された表示部と、数字ボタン、スタートボタン等の各種操作ボタンやスイッチなどで構成された操作部とを有する。
【0025】
印刷部12は、給紙部、感光ドラム、露光部、トナーを用いた現像部、定着部、排出部等を備えて構成され、制御部10からの印刷指示に従って、印刷ジョブに含まれる制御データにより指示されたサイズ、向きの用紙を給紙部から搬送して、画像処理部15から入力された画像を記録用紙上に印刷する。
【0026】
通信部13は、例えばLANカード等の通信制御カードにより構成され、LANケーブル等の通信回線を介してネットワークNに接続された情報端末2との間で各種データの送受信及び入出力を行 う。
【0027】
RAM14は、制御部10により実行制御される各種処理において、ROMから読み出されたプログラム、入力、若しくは出力データ及びパラメータ等の一時的な格納領域となる。また、RAM14は、印刷ジョブを処理する順番(ジョブキュー)の情報であるジョブキュー情報を記憶するジョブキュー情報記憶部14aを有している。
【0028】
画像記憶部15は、HDD(Hard Disc Drive)や不揮発性の半導体メモリ等により構成され、情報端末2から送信された印刷ジョブを蓄積する。
【0029】
画像処理部16は、情報端末2から送信された印刷ジョブ中のページ毎の印刷データをイメージデータとして展開する画像処理を行ない、印刷部12に出力する。
経過判定部17については後述する。
【0030】
次に、情報端末2について説明する。情報端末2は、PC等により構成され、アプリケーションソフトで作成した文書データや画像データを、所定のページ記述言語によって印刷装置で印刷可能なデータ形式に変換したものに制御データを付加したスクリプトを印刷ジョブとしてネットワークNを介して印刷装置1に送信する。なお、制御データには、印刷部数、印刷用紙の種類、印刷形態(白黒、カラー)等を指定するための情報や、後述の一括印刷情報、ユーザ識別情報が含まれる。
【0031】
情報端末2は、CPU20、通信部21、操作部22、表示部23、RAM24、ROM25等により構成され、各部はバスにより接続されている。
【0032】
CPU20は、ROM24に格納されている各種プログラムの中から指定されたプログラムをRAM25内のワークエリアに展開し、当該プログラムに従って各部を集中制御する。また、処理結果をRAM25内のワークメモリに格納するとともに、処理結果を表示するための表示情報を生成して表示部23へ出力する。そして、RAM24に格納した処理結果をROM25の所定領域に保存させる。
【0033】
通信部21は、例えばLANカード等の通信制御カードにより構成され、LANケーブル等の通信回線を介してネットワークNに接続された印刷装置1との間で各種データの送受信を行 う。
【0034】
操作部22は、キーボードやマウス等からなり、ユーザの操作を受け付ける。
【0035】
表示部23は、例えばLCD等によって構成され、印刷設定画面などの各種設定画面を表示する。
【0036】
RAM24は、CPU20により実行制御される各種処理において、ROM25から読み出されたプログラム、入力、若しくは出力データ及びパラメータ等の一時的な格納領域となる。
【0037】
ROM25は、プログラムやデータ等があらかじめ記憶されている記録媒体を有しており、この記録媒体は磁気的、光学的記録媒体、若しくは半導体メモリで構成されている。この記録媒体はROM25に固定的に設けられるもの、若しくは着脱自在に装着するものであり、この記録媒体にはシステムプログラム、当該システムに対応する各種処理プログラム、各種処理プログラムで処理されたデータ等を記憶する。具体的には、ROM25は印刷装置1への印刷制御を行うためのプリンタドライバが格納されている。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPU20は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0038】
このような情報端末2では、操作部22より印刷装置1における印刷設定が開始されると、CPU20が、ROM25に記憶されているプリンタドライバのプログラムに従い、印刷設定画面を表示部23に表示させる。また、情報端末2は、操作部22により一括印刷が指示されると、一括印刷を行なうか否かの設定をONとした一括印刷情報と、一括印刷を指示したユーザのユーザ識別情報とを含む印刷ジョブを通信部21により印刷装置1に送信する。一括印刷の指示は、例えば、印刷設定画面中の一括印刷設定用のチェックボックスをチェックした状態で同画面中の「OK」ボタンが押下することにより行なわれる。なお、ユーザ識別情報とは、例えば、ログインユーザIDであり、予め情報端末2に登録され、RAM24に記憶されている。
【0039】
印刷装置1は、通信部13により情報端末2から上述のような印刷ジョブを受信すると、画像記憶部15に蓄積する。
また、印刷装置1では、画像記憶部15に蓄積している印刷ジョブの送信ユーザ毎に、当該ユーザからの印刷ジョブを受信してから所定時間経過しているか否かの判定を経過判定部17によりタイマ17aを用いて行なう。
そして、ある送信ユーザについて、所定時間経過したと判定された場合、該当する送信ユーザから受信し画像記憶部15に蓄積された印刷ジョブを一括して印刷部12により処理する。
【0040】
また、情報端末20では、CPU20が、一括印刷ではなく通常印刷が指示された場合は、一括印刷を行なうか否かの設定をOFFとした一括印刷情報を含みユーザ識別情報を含まない印刷ジョブを通信部21により印刷装置1に送信する。
この場合、印刷装置1は、ユーザ識別情報を含む印刷ジョブを受信した場合と同様、印刷ジョブを画像記憶部15に蓄積するが、ユーザ識別情報を含む印刷ジョブを受信した場合と異なり、経過判定部17による判定を行なわず、すなわち、所定時間待つことなく、印刷ジョブを個別に印刷部12により処理する。ただし、印刷ジョブ受信時に、一括印刷や他の通常印刷を行なっている場合は、それらの処理が終了してから処理を行なう。
【0041】
したがって、印刷装置1により、他のユーザからの印刷ジョブと混在して印刷されることなく複数の印刷ジョブを一括して処理することができる。また、一括印刷時にユーザが行う必要のある操作は、ユーザ識別情報を印刷ジョブに含めるための操作のみ、例えば印刷設定画面のチェックボックスのチェック操作のみであり、一括印刷の設定が容易である。
【0042】
続いて、印刷ジョブの実行順序すなわちジョブキューの管理方法の一例について具体的に説明する。
印刷装置1では、受信した印刷ジョブをジョブキューに登録して印刷ジョブの実行順序を管理する。ジョブキューには、ジョブを識別するジョブ番号(管理のための単なる通し番号)に対応させて、ユーザ識別情報、後述するようなタイマ起動フラグが記憶される。なお、印刷ジョブが一括印刷を行なうか否かの設定をOFFとした一括印刷情報を含みユーザ識別情報を含まないジョブの場合、ジョブキューにおける当該印刷ジョブのユーザ識別情報は空となる。
【0043】
図2は、図1の印刷装置1において印刷ジョブを受信した場合のジョブキューの管理方法の一例を説明するフローチャートである。
【0044】
図2の例では、印刷装置1は、情報端末2から印刷ジョブを受信すると(ステップS1)、画像記憶部15に蓄積し(ステップS2)、受信した印刷ジョブの一括印刷情報がONとなっているか否かを判定する(ステップS3)。
【0045】
ステップS3において、一括印刷情報がONとなっている場合(YESの場合)、すなわち当該印刷ジョブを一括印刷する設定になっている場合、当該印刷ジョブの送信ユーザについてタイマ17aが起動中であるか否かを判定する(ステップS4)。この判定は、ジョブキュー中に、当該印刷ジョブと同じユーザ識別情報を持ちタイマ起動フラグがONの印刷ジョブが登録されているか否かに基づいて行なわれる。
【0046】
ステップS4において、受信した印刷ジョブの送信ユーザについてタイマ17aが起動中でない場合(NOの場合)、すなわち、同じユーザ識別情報を持ちタイマ起動フラグがONの印刷ジョブが登録されていない場合、該当するユーザについてタイマ17aを開始し(ステップS5)、タイマ起動フラグをONにするようにして当該印刷ジョブをジョブキューの最後に登録する(ステップS6)。
【0047】
ステップS4において、受信した印刷ジョブの送信ユーザについてタイマ17aが起動中である場合(YESの場合)、すなわち、同じユーザ識別情報を持ちタイマ起動フラグがONの印刷ジョブが登録されている場合、その登録済みの印刷ジョブに、受信した印刷ジョブを結合し(ステップS7)、すなわち、その登録済みの印刷ジョブのうち最後尾の印刷ジョブの後ろに、重視した印刷ジョブを登録する。このとき、受信した印刷ジョブのタイマ起動フラグをONにする。
【0048】
また、ステップS3において、一括印刷情報がONとなっていない場合(NOの場合)、すなわち当該印刷ジョブを一括印刷でなく通常印刷する設定になっている場合、当該印刷ジョブをジョブキューの最後に登録する(ステップS8)。
【0049】
図3は、図1の印刷装置1の経過判定部17における判定処理に伴うジョブキューの管理方法の一例を説明するフローチャートである。
図3の例では、印刷装置1は、経過判定部17での判定の結果、1つ目の印刷ジョブを受信してから所定時間経過しているユーザがいるか否か判定し(ステップS11)、いない場合(NOの場合)はステップS21に戻るが、いる場合(YESの場合)は、当該ユーザから受信した印刷ジョブのタイマ起動フラグがOFFになるようジョブキューを変更する(ステップS12)。
【0050】
図4は、図1の印刷装置1における印刷処理の一例を説明するフローチャートである。
図4の例では、印刷装置1は、ジョブキューに印刷ジョブが登録されていると、ジョブキュー内の先頭の印刷ジョブのタイマ起動フラグがOFFになっているか否か判定する(ステップS21)。
【0051】
OFFの場合(YESの場合)は、その先頭の印刷ジョブを画像記憶部15から抽出し画像処理部16によって画像処理を行なった上で印刷ジョブ12により印刷処理し(ステップS22)、当該印刷ジョブをジョブキューから消去する(ステップS23)。そして、まだジョブキューに登録されている印刷ジョブがあるか否か判定し(ステップS24)、印刷ジョブがある場合(YESの場合)はステップS21に戻り、ない場合(NOの場合)は終了する。
【0052】
また、ステップS21において、ジョブキュー内の先頭の印刷ジョブのタイマ起動フラグがONの場合(NOの場合)、当該印刷ジョブの処理はスキップし、ジョブキュー内にタイマ起動フラグOFFの印刷ジョブが存在するか否か判定する(ステップS25)。
存在しない場合(NOの場合)はそのままステップS21に戻るが、存在する場合(YESの場合)はジョブキューの中でタイマ起動フラグがOFFになっている先頭の印刷ジョブを画像記憶部15から抽出し画像処理部16によって画像処理を行なった上で印刷ジョブ12により印刷処理し(ステップS26)、当該印刷ジョブをジョブキューから消去し(ステップS27)、ステップS21に戻る。
【0053】
なお、経過判定部17のタイマ17aは、上述のように該当するユーザからの最初の印刷ジョブの受信から所定時間の経過を計時してもよいし、ユーザ識別情報を含む印刷ジョブを受信する毎に、該当する送信ユーザについての計時をリセットするようにしてもよい。
また、上述の所定時間は、RAM14等の記憶部に記憶されており、情報端末2から、あるいは、印刷装置1の操作/表示部11から変更可能であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…印刷装置、2…情報端末、11…操作/表示部、12…印刷部、13…通信部、14…RAM、14a…ジョブキュー情報記憶部、15…画像記憶部、16…画像処理部、17…経過判定部、17a…タイマ、20…CPU、21…通信部、22…操作部、23…表示部、24…RAM、25…ROM。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部端末から受信した印刷ジョブを処理する印刷装置であって、
前記外部端末から送信された印刷ジョブを記憶部に蓄積し、
前記印刷ジョブに含まれるユーザ識別情報で識別されるユーザ毎に、印刷ジョブの受信から所定時間の経過を計時するタイマと、
前記計時中は、該当するユーザから受信した印刷ジョブの印刷をスキップし前記ユーザ識別情報を含まない印刷ジョブを先に印刷し、前記所定時間経過後に前記該当するユーザから受信した印刷ジョブを一括して印刷するよう印刷順を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記タイマは、前記該当するユーザからの印刷ジョブの受信毎にタイマをリセットすることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記タイマは、前記該当するユーザからの最初の印刷ジョブの受信から所定時間の経過を計時することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記所定時間は、可変であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
外部端末が送信した印刷ジョブを印刷装置が受信し処理する印刷システムであって、
前記外部端末は、一括印刷の指示入力により前記印刷装置に送信する印刷ジョブにユーザ識別情報を含めて送信し、
前記印刷装置は、
前記外部端末から送信された印刷ジョブを記憶部に蓄積し、
前記印刷ジョブに含まれるユーザ識別情報で識別されるユーザ毎に、印刷ジョブの受信から所定時間の経過を計時するタイマと、
前記計時中は、該当するユーザから受信した印刷ジョブの印刷をスキップし前記ユーザ識別情報を含まない印刷ジョブを先に印刷し、前記所定時間経過後に前記該当するユーザから受信した印刷ジョブを一括して印刷するよう印刷順を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項6】
コンピュータを請求項5に記載の外部端末として機能させるプリンタドライバ。
【請求項7】
外部端末が送信した印刷ジョブを印刷装置が受信し処理する印刷方法であって、
前記外部端末が、一括印刷の指示入力により前記印刷装置に送信する印刷ジョブにユーザ識別情報を含めて送信するステップと、
前記印刷装置が、前記外部端末から送信された印刷ジョブを記憶部に蓄積するステップと、
前記印刷装置が、前記印刷ジョブに含まれるユーザ識別情報で識別されるユーザ毎に、印刷ジョブの受信から所定時間の経過を計時するステップと、
前記印刷装置が、前記計時中は、該当するユーザから受信した印刷ジョブの印刷をスキップし前記ユーザ識別情報を含まない印刷ジョブを先に印刷し、前記所定時間経過後に前記該当するユーザから受信した印刷ジョブを一括して印刷するよう印刷順を制御するステップと、を含むことを特徴とする印刷方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−95024(P2013−95024A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238723(P2011−238723)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】