説明

印刷装置、印刷システム、及びプログラム

【課題】 印刷物の回収を、効率よく他人に依頼し得る印刷装置、印刷システム、及びプログラムを提供する。
【解決手段】 印刷装置は、印刷を依頼する依頼者を識別するための依頼者識別情報、及び印刷データを受付ける印刷データ受付け手段と、複数の端末装置から識別情報、及び該端末装置の現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、現在位置情報と、自装置の設置位置情報とに基づいて、依頼を通知する対象を複数の端末装置から選択する通知対象選択手段と、選択された端末装置に、依頼者識別情報に基づく依頼者名情報、及び印刷の依頼を通知する依頼通知手段と、利用者の利用者識別情報を入力するための識別情報入力手段と、利用者識別情報から特定される利用者名が、依頼を通知した端末装置の識別情報から特定される利用者名と一致するとき、利用者の操作に応じ、印刷データに基づいて印刷を行う印刷手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パソコンなどの端末装置を操作して、LAN(Local Area Network)などの通信手段を介し、印刷装置から印刷を行った場合、印刷装置の場所に出向いて印刷物を取りに行く手間が生ずる。この手間を省くために、印刷を行った利用者は、他人に印刷物の回収を依頼してもよいが、印刷物が回収されるまで放置されてしまう。
【0003】
このような印刷装置に関連し、特許文献1には、プリンタサーバを用いることによって、特定の利用者が出力した印刷データを、他の利用者が任意の印刷装置に出力する点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−224627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、印刷物の回収を、効率よく他人に依頼し得る印刷装置、印刷システム、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の印刷装置は、他の装置と通信を行う通信手段と、前記通信手段を介して、印刷を依頼する依頼者を識別するための依頼者識別情報、及び印刷データを受付ける印刷データ受付け手段と、複数の端末装置から、前記通信手段を介して、該端末装置を識別するための識別情報、及び該端末装置が存在する位置を示す現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段により取得した前記現在位置情報と、自装置が存在する位置を示す設置位置情報とに基づいて、印刷の依頼を通知する対象を前記複数の端末装置から選択する通知対象選択手段と、前記通知対象選択手段により選択された端末装置に、前記通信手段を介して、前記依頼者識別情報に基づく依頼者名情報、及び印刷の依頼を通知する依頼通知手段と、利用者を識別するための利用者識別情報を入力するための識別情報入力手段と、前記識別情報入力手段により入力された利用者識別情報から特定される利用者名が、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致するとき、利用者の操作に応じ、前記印刷データに基づいて印刷を行う印刷手段とを有することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の印刷装置は、請求項1に記載の印刷装置において、前記通知対象選択手段は、前記位置情報取得手段により取得した前記現在位置情報に基づいて、前記複数の端末装置から、前記設置位置情報が示す位置に最も近い位置に存在する端末装置を選択することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の印刷装置は、請求項1に記載の印刷装置において、前記依頼者識別情報から特定される依頼者端末装置、及び前記複数の端末装置の各々について、特定の位置を示す特定位置情報を記録する特定位置記録手段を有し、前記通知対象選択手段は、前記複数の端末装置から、前記現在位置情報が示す位置が、前記設置位置情報が示す位置に近い順に選出して得た第1の候補、及び、前記複数の端末装置から、前記特定位置情報が示す位置が前記依頼者端末装置に近い順に選出して得た第2の候補の両方に含まれる端末装置の中から、印刷の依頼を通知する対象を選択することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の印刷装置は、請求項3に記載の印刷装置において、前記位置情報取得手段は、前記依頼者端末装置、及び前記複数の端末装置の各々について、間隔をおいて取得した前記現在位置情報に基づいて前記特定位置情報を生成し、前記位置情報記録手段に記録することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の印刷装置は、請求項4に記載の印刷装置において、前記位置情報取得手段は、間隔をおいて取得した前記現在位置情報が示す位置のうち、所定時間内に検出した回数が最も多い位置を、前記特定位置情報として生成することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の印刷装置は、請求項1乃至5の何れかに記載の印刷装置において、前記識別情報入力手段により入力された利用者識別情報から特定される利用者名が、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致するとき、前記印刷手段による印刷の可否を選択するための実行選択手段を有することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の印刷装置は、請求項6に記載の印刷装置において、前記通知対象選択手段は、前記実行選択手段により、前記印刷手段による印刷の非実行が選択されたとき、前記複数の端末装置のうち、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置を除く、他の端末装置から印刷の依頼を通知する対象を選択し、前記依頼通知手段は、前記通知対象選択手段により選択された端末装置に、前記通信手段を介して、印刷の依頼を再び通知することを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の印刷装置は、請求項1乃至7の何れかに記載の印刷装置において、前記通知対象選択手段は、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した前記端末装置から、前記通信手段を介して前記依頼の拒否通知を受けたとき、または、前記依頼通知手段が印刷の依頼を通知してから所定時間内に、前記印刷手段により印刷が実行されなかったとき、前記複数の端末装置のうち、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置を除く、他の前記端末装置から印刷の依頼を通知する対象を選択し、前記依頼通知手段は、前記通知対象選択手段により選択された端末装置に、前記通信手段を介して、印刷の依頼を再び通知することを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の印刷装置は、請求項3乃至5の何れかに記載の印刷装置において、前記印刷手段は、前記識別情報入力手段により入力された利用者識別情報から特定される利用者名が、前記第1の候補、及び前記第2の候補の両方に含まれる端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致するとき、利用者の操作に応じて、前記印刷データに基づき印刷を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の印刷装置は、請求項9に記載の印刷装置において、前記印刷手段は、前記識別情報入力手段により入力された利用者識別情報から特定される利用者名が、前記第1の候補、及び前記第2の候補の両方に含まれる端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致するとともに、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した前記端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致しない場合に、前記印刷データに基づく印刷を行ったとき、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置に、前記通信手段を介して印刷の実行を通知する。
【0016】
請求項11に記載の印刷装置は、請求項1乃至10の何れかに記載の印刷装置において
前記印刷手段は、前記印刷データに基づいて印刷を行ったとき、前記依頼者識別情報から特定される依頼者端末装置に、前記通信手段を介して印刷の実行を通知することを特徴とする。
【0017】
請求項12に記載の印刷装置は、請求項1乃至11の何れかに記載の印刷装置において、前記通知対象選択手段は、前記複数の端末装置の中に、選択する端末装置が存在しないとき、前記依頼者識別情報から特定される依頼者端末装置に、前記通信手段を介して印刷の未実行を通知することを特徴とする。
【0018】
請求項13に記載の印刷装置は、請求項1乃至12の何れかに記載の印刷装置において、前記識別情報入力手段は、前記利用者識別情報を前記端末装置から取得することを特徴とする。
【0019】
請求項14に記載の印刷システムは、請求項1乃至13の何れかに記載の印刷装置と、複数の端末装置とを含み、前記複数の端末装置は、それぞれ、他の装置と通信を行う端末装置側通信手段と、前記端末装置が存在する位置を示す位置情報を取得する端末装置側位置情報取得手段と、前記端末装置側通信手段を介して、前記端末装置を識別するための識別情報、及び前記端末装置側位置情報取得手段により取得した前記位置情報を前記印刷装置に送信する位置情報送信手段と、前記端末装置側通信手段を介して、前記印刷装置から通知を受け取る通知受け取り手段とを有することを特徴とする。
【0020】
請求項15に記載のプログラムは、印刷装置を、他の装置と通信を行う通信手段と、
前記通信手段を介して、印刷を依頼する依頼者を識別するための依頼者識別情報、及び印刷データを受付ける印刷データ受付け手段と、複数の端末装置から、前記通信手段を介して、該端末装置を識別するための識別情報、及び該端末装置が存在する位置を示す現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段により取得した前記現在位置情報と、自装置が存在する位置を示す設置位置情報とに基づいて、印刷の依頼を通知する対象を前記複数の端末装置から選択する通知対象選択手段と、前記通知対象選択手段により選択された端末装置に、前記通信手段を介して、前記依頼者識別情報に基づく依頼者名情報、及び印刷の依頼を通知する依頼通知手段と、利用者を識別するための利用者識別情報を入力するための識別情報入力手段と、前記識別情報入力手段により入力された利用者識別情報から特定される利用者名が、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致するとき、利用者の操作に応じ、前記印刷データに基づいて印刷を行う印刷手段として機能させることを特徴とする。
【0021】
請求項16に記載のプログラムは、請求項15に記載のプログラムにおいて、前記通知対象選択手段は、前記位置情報取得手段により取得した前記現在位置情報に基づいて、前記複数の端末装置から、前記設置位置情報が示す位置に最も近い位置に存在する端末装置を選択することを特徴とする。
【0022】
請求項17に記載のプログラムは、請求項15に記載のプログラムにおいて、印刷装置を、さらに、前記依頼者識別情報から特定される依頼者端末装置、及び前記複数の端末装置の各々について、特定の位置を示す特定位置情報を記録する特定位置記録手段として機能させ、前記通知対象選択手段は、前記複数の端末装置から、前記現在位置情報が示す位置が、前記設置位置情報が示す位置に近い順に選出して得た第1の候補、及び、前記複数の端末装置から、前記特定位置情報が示す位置が前記依頼者端末装置に近い順に選出して得た第2の候補の両方に含まれる端末装置の中から、印刷の依頼を通知する対象を選択することを特徴とする。
【0023】
請求項18に記載のプログラムは、請求項17に記載のプログラムにおいて、前記位置情報取得手段は、前記依頼者端末装置、及び前記複数の端末装置の各々について、間隔をおいて取得した前記現在位置情報に基づいて前記特定位置情報を生成し、前記位置情報記録手段に記録することを特徴とする。
【0024】
請求項19に記載のプログラムは、請求項18に記載のプログラムにおいて、前記位置情報取得手段は、間隔をおいて取得した前記現在位置情報が示す位置のうち、所定時間内に検出した回数が最も多い位置を、前記特定位置情報として生成することを特徴とする。
【0025】
請求項20に記載のプログラムは、請求項15乃至19の何れかに記載のプログラムにおいて、前記識別情報入力手段により入力された利用者識別情報から特定される利用者名が、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致するとき、前記印刷手段による印刷の可否を選択するための実行選択手段を有することを特徴とする。
【0026】
請求項21に記載のプログラムは、請求項20に記載のプログラムにおいて、前記通知対象選択手段は、前記実行選択手段により、前記印刷手段による印刷の非実行が選択されたとき、前記複数の端末装置のうち、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置を除く、他の端末装置から印刷の依頼を通知する対象を選択し、前記依頼通知手段は、前記通知対象選択手段により選択された端末装置に、前記通信手段を介して、印刷の依頼を再び通知することを特徴とする。
【0027】
請求項22に記載のプログラムは、請求項15乃至21の何れかに記載のプログラムにおいて、前記通知対象選択手段は、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した前記端末装置から、前記通信手段を介して前記依頼の拒否通知を受けたとき、または、前記依頼通知手段が印刷の依頼を通知してから所定時間内に、前記印刷手段により印刷が実行されなかったとき、前記複数の端末装置のうち、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置を除く、他の前記端末装置から印刷の依頼を通知する対象を選択し、前記依頼通知手段は、前記通知対象選択手段により選択された端末装置に、前記通信手段を介して、印刷の依頼を再び通知することを特徴とする。
【0028】
請求項23に記載のプログラムは、請求項17乃至19の何れかに記載のプログラムにおいて、前記印刷手段は、前記識別情報入力手段により入力された利用者識別情報から特定される利用者名が、前記第1の候補、及び前記第2の候補の両方に含まれる端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致するとき、利用者の操作に応じて、前記印刷データに基づき印刷を行うことを特徴とする。
【0029】
請求項24に記載のプログラムは、請求項23に記載のプログラムにおいて、前記印刷手段は、前記識別情報入力手段により入力された利用者識別情報から特定される利用者名が、前記第1の候補、及び前記第2の候補の両方に含まれる端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致するとともに、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した前記端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致しない場合に、前記印刷データに基づく印刷を行ったとき、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置に、前記通信手段を介して印刷の実行を通知することを特徴とする。
【0030】
請求項25に記載のプログラムは、請求項15乃至24の何れかに記載のプログラムにおいて、前記印刷手段は、前記印刷データに基づいて印刷を行ったとき、前記依頼者識別情報から特定される依頼者端末装置に、前記通信手段を介して印刷の実行を通知することを特徴とする。
【0031】
請求項26に記載のプログラムは、請求項15乃至25の何れかに記載のプログラムにおいて、前記通知対象選択手段は、前記複数の端末装置の中に、選択する端末装置が存在しないとき、前記依頼者識別情報から特定される依頼者端末装置に、前記通信手段を介して印刷の未実行を通知することを特徴とする。
【0032】
請求項27に記載のプログラムは、請求項15乃至26の何れかに記載のプログラムにおいて、前記識別情報入力手段は、前記利用者識別情報を前記端末装置から取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
請求項1の発明によれば、印刷装置の位置と依頼対象者の現在位置とに基づいて、依頼に適した依頼対象者を選択して印刷の依頼を通知し、印刷を行うことができる。
【0034】
請求項2の発明によれば、印刷装置の位置に最も近い依頼対象者に依頼を通知して、依頼の通知から印刷が行われるまでの時間が短縮される。
【0035】
請求項3の発明によれば、現在位置が印刷装置の位置に近く、かつ、座席の位置が依頼者の座席位置にも近い依頼対象者に依頼を通知し、依頼の通知から印刷が行われるまでの時間が短縮されるとともに、依頼者が印刷された印刷物の回収にかかる時間も短縮される。
【0036】
請求項4の発明によれば、依頼者、及び対象者の座席の位置を登録する手間が省かれる。
【0037】
請求項5の発明によれば、依頼者、及び対象者の座席の位置が容易に決定される。
【0038】
請求項6の発明によれば、依頼を通知された依頼対象者が、都合が悪いときなどに、印刷を拒否することができる。
【0039】
請求項7の発明によれば、依頼を通知された依頼対象者が印刷を実行できないとき、他の依頼対象者が選択される。
【0040】
請求項8の発明によれば、依頼を通知された依頼対象者が印刷を実行できないとき、他の依頼対象者が選択される。
【0041】
請求項9の発明によれば、依頼を通知された依頼対象者だけでなく、他の依頼対象者も、印刷を実行することができる。
【0042】
請求項10の発明によれば、依頼を通知された依頼対象者ではない依頼対象者が印刷を行ったとき、依頼を通知された依頼対象者は、他者によって既に印刷が実行されたことを知るから、印刷を実行するために印刷装置の場所に移動する手間が省かれる。
【0043】
請求項11の発明によれば、依頼対象者によって印刷が実行されたとき、依頼者は、他者によって既に印刷が実行されたことを知るから、印刷を実行するために印刷装置の場所に移動する手間が省かれる。
【0044】
請求項12の発明によれば、印刷を依頼できる依頼対象者が存在しないとき、依頼者が、印刷が実行されていないことを知り、自ら印刷装置を操作して印刷を行うことができる。
【0045】
請求項13の発明によれば、利用者の識別情報が、端末装置から取得される。
【0046】
請求項14の発明によれば、印刷装置の位置と依頼対象者の現在位置とに基づいて、依頼に適した依頼対象者を選択して印刷の依頼を通知し、印刷を行うことができる。
【0047】
請求項15の発明によれば、印刷装置の位置と依頼対象者の現在位置とに基づいて、依頼に適した依頼対象者を選択して印刷の依頼を通知し、印刷を行うことができる。
【0048】
請求項16の発明によれば、印刷装置の位置に最も近い依頼対象者に依頼を通知して、依頼の通知から印刷が行われるまでの時間が短縮される。
【0049】
請求項17の発明によれば、現在位置が印刷装置の位置に近く、かつ、座席の位置が依頼者の座席位置にも近い依頼対象者に依頼を通知し、依頼の通知から印刷が行われるまでの時間が短縮されるとともに、依頼者が印刷された印刷物の回収にかかる時間も短縮される。
【0050】
請求項18の発明によれば、依頼者、及び対象者の座席の位置を登録する手間が省かれる。
【0051】
請求項19の発明によれば、依頼者、及び対象者の座席の位置を容易が決定される。
【0052】
請求項20の発明によれば、依頼を通知された依頼対象者が、都合が悪いときなどに、印刷を拒否することができる。
【0053】
請求項21の発明によれば、依頼を通知された依頼対象者が印刷を実行できないとき、他の依頼対象者が選択される。
【0054】
請求項22の発明によれば、依頼を通知された依頼対象者が印刷を実行できないとき、他の依頼対象者が選択される。
【0055】
請求項23の発明によれば、依頼を通知された依頼対象者だけでなく、他の依頼対象者も、印刷を実行することができる。
【0056】
請求項24の発明によれば、依頼を通知された依頼対象者ではない依頼対象者が印刷を行ったとき、依頼を通知された依頼対象者は、他者によって既に印刷が実行されたことを知るから、印刷を実行するために印刷装置の場所に移動する手間が省かれる。
【0057】
請求項25の発明によれば、依頼対象者によって印刷が実行されたとき、依頼者は、他者によって既に印刷が実行されたことを知るから、印刷を実行するために印刷装置の場所に移動する手間を省くことができる。
【0058】
請求項26の発明によれば、印刷を依頼できる依頼対象者が存在しないとき、依頼者が、印刷が実行されていないことを知り、自ら印刷装置を操作して印刷を行うことができる。
【0059】
請求項27の発明によれば、利用者の識別情報が、端末装置から取得される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】通信ネットワークの構成図である。
【図2】画像形成装置の機構構成図である。
【図3】CPUに形成される機能の構成図である。
【図4】画像形成装置の適用例であるオフィスのレイアウト図である。
【図5】通知対象者リストの作成処理を示すフロー図である。
【図6】通知対象者リストを示す。
【図7】端末装置の機能構成図を示す。
【図8】CPUの処理を示すフロー図である。
【図9】依頼通知の表示画面の例を示す。
【図10】画像形成装置における識別情報の入力画面の例を示す。
【図11】画像形成装置と認証装置の間の通信を示すラダーチャートである。
【図12】画像形成装置における依頼表示画面の例を示す。
【図13】他の実施形態における第1及び第2の候補者リストと通知対象者リストとを示す。
【図14】他の実施形態における第1の候補者リストの作成処理を示すフロー図である。
【図15】他の実施形態における第2の候補者リストの作成処理を示すフロー図である。
【図16】他の実施形態における通知対象者リストの作成処理を示すフロー図である。
【図17】他の実施形態における通信ネットワークの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1に示されるように、本実施形態における印刷システムは、画像形成装置1と、依頼者側第1、及び第2端末装置2a,2bと、依頼対象者側端末装置(A)〜(N)3a〜3nとを含んでいる。これらは、それぞれ、例えばLAN(Local Area Network)40を介して互いに通信可能である。ここで、依頼者とは、印刷の実行を依頼する者を指し、依頼対象者とは、その依頼を受け得る他者を指すものとする。
【0062】
画像形成装置1は、利用者に、コピー機能、プリント機能、スキャン機能、及びファックス機能を提供する装置である。本実施形態では、印刷装置として画像形成装置1を例示するが、これに限定されることはなく、例えば、上記の機能のうち、プリント機能のみを備えるプリンタ装置であってもよい。依頼者から印刷の依頼を受けた対象者は、画像形成装置1が設置された場所に移動して、これを操作し、依頼者が送信した印刷データに基づく印刷を実行する。
【0063】
依頼者側第1端末装置2aは、印刷の依頼を行う依頼者が所有するパソコンなどの端末装置である。依頼者は、この第1端末装置から文書の印刷データを、LAN40を介して画像形成装置1に送信する。一方、依頼者側第2端末装置2bは、該依頼者が所有する携帯電話機やスマートフォンなどの携帯型端末装置であり、無線通信手段によってLAN40と接続されている。依頼者は、この第2端末装置2bを用いて、画像形成装置1から印刷実行通知などの各種の通知を受信する。もっとも、ネットワーク構成は、このように第1、及び第2端末装置2a,2bを使い分ける形態に限定されることはなく、第1、及び第2端末装置2a,2bのうちの何れか一方のみを使うようにしてもよい。
【0064】
依頼対象者側端末装置(A)〜(N)3a〜3nは、印刷の依頼を受け得る複数の対象者がそれぞれ所有するスマートフォンなどの携帯型端末装置であり、無線通信手段によってLAN40と接続されている。対象者は、この端末装置(A)〜(N)3a〜3nを用いて、画像形成装置1に現在位置を送信し、また、画像形成装置1から印刷の依頼通知などの各種の通知を受信する。
【0065】
依頼対象者側端末装置(A)〜(N)3a〜3n、及び依頼者側第2端末装置2bは、説明の便宜上、異なる符号を割り当てて区別しているが、所有者の立場(つまり、依頼をする者、依頼を受ける者)が異なるだけであって、同様の機能を備えるものであってもよい。もっとも、依頼対象者側端末装置(A)〜(N)3a〜3n、及び依頼者側第2端末装置2bは、機能が互いに異なり、明確に区別されるものであってもよい。なお、依頼対象者側端末装置(A)〜(N)3a〜3nの個数に制限はない。
【0066】
まず、画像形成装置1の機能を、図2を参照して説明する。画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10と、ROM(Read Only Memory)11と、RAM(Random Access Memory)12と、不揮発性メモリ(NVRAM:Non−volatile RAM)13と、操作部160と、表示部161と、通信処理部17とを含む。
【0067】
CPU10は、画像形成装置1の全体的な制御を行う演算処理回路であって、依頼対象者側端末装置(A)〜(N)3a〜3nからの現在位置情報の収集、印刷の依頼を通知する対象の選択、該依頼の通知、及びプリント機能の実行などを行う。ROM11は、CPU10を動作させるプログラムが記録されている。RAM12は、このプログラムによりCPU10が動作するためのワーキングメモリである。本実施形態の画像形成装置1は、このようにソフトウェアにより機能するものとして構成されているが、特定用途向け集積回路などを含むハードウェアによって構成してもよい。
【0068】
不揮発性メモリ13は、例えばフラッシュメモリであり、利用者を識別する識別情報や電子メールアドレスなどの利用者管理テーブルと、装置の動作設定に関するパラメータなどが記録されている。ここで、利用者とは、画像形成装置を利用する者を指し、上述した依頼者と依頼対象者の両方を含むものとする。
【0069】
操作部160は、装置1の利用者が各種の操作などを行う操作手段であって、タッチパネルやハードキーなどを含む。具体的には、操作部160は、印刷を依頼された利用者がプリント機能などの実行可否を選択する実行選択手段、及び識別情報などの情報の入力手段などとして用いられる。表示部161は、例えば液晶パネルであり、上記のタッチパネルと重ね合わせられて用いられる。表示部161は、印刷依頼情報などの利用者への情報の表示手段、及び、タッチパネルによる入力画面などの表示手段として用いられる。
【0070】
通信処理部17は、外部の装置と通信を行う通信手段であり、LAN40に接続され、他の装置との通信を処理する回路により構成される。
【0071】
また、画像形成装置1は、識別情報取得部18と、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)14と、画像処理部150と、画像読取部151と、モデム153と、印刷処理部152とを含む。
【0072】
識別情報取得部18は、上述した操作部160とともに、利用者を識別するための識別情報を入力する識別情報入力手段として機能し、例えば、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)によって利用者のICカード60から識別番号を読み取るICカードリーダから構成される。識別情報取得部18は、画像形成装置1の本体部とUSB(Universal Serial Bus)インターフェースなどを介して接続される。
【0073】
識別情報としては、例えば、利用者ごとに割り当てられた固有番号である識別番号を用いるとよい。もっとも、識別情報は、識別番号に限定されることはなく、アルファベットなどの文字を含む文字列としてもよい。
【0074】
利用者は、画像形成装置1を利用する場合、ICカード60を識別情報取得部18に翳して、装置1に識別番号を認識させるか、または、操作部160から直接的に識別番号を入力する。つまり、利用者は、画像形成装置1のプリント機能を利用して印刷を実行する場合、識別番号の入力が必要となる。なお、識別情報取得部18は、識別情報を取得する取得手段であれば、他の装置により構成してもよい。例えば、利用者の磁気カード、または、上述した端末装置2b,3a〜3nから識別情報を読み取る装置を採用してもよい。
【0075】
ハードディスクドライブ14は、プリント機能などを実行するときに画像データなどを記録する。画像処理部150は、プリント機能などを実行するときに画像データの伸張処理、及び圧縮処理などを行う。画像読取部72は、コピー機能などを実行するときに画像データの読取を行う。モデム74は、ファックス機能を実行するときに電話回線に接続されてファックス通信を行う。印刷処理部73は、プリント機能を実行するときに印刷データなどの印刷処理を行う。
【0076】
上述した各部10〜14,17,18,150〜153,160,161は、バス19を介して互いに電気的に接続されている。
【0077】
次に、図3を参照して、CPU10の機能を説明する。CPU10は、ROM11に記録されたプログラムを読み込むと、位置情報取得部100と、通知対象選択部101と、依頼通知対象部102と、計時部103と、印刷データ受付け部104と、印刷部105とを、機能として形成する。
【0078】
印刷データ受付け部104は、通信処理部17を介して、印刷を依頼する依頼者を識別するための依頼者識別情報、及び印刷データを受付ける印刷データ受付け手段として機能する。依頼者識別情報は、印刷部105、通知対象選択部101、及び依頼通知部102に出力され、印刷データは印刷部105に出力される。本実施形態において、依頼者識別情報、及び印刷データは、依頼者側第1端末装置2aから送信されるものとするが、これに限定されず、依頼者側第2端末装置2bから送信されてもよい。
【0079】
位置情報取得部100は、複数の端末装置2b,3a〜3nから、通信処理部17を介して、該端末装置を識別するための識別情報、及び該端末装置が存在する位置を示す現在位置情報を取得する位置情報取得手段として機能する。ここで、識別情報としては、上述した利用者の識別番号を採用するとよいが、これに限定されることはない。例えば、端末装置2b,3a〜3nが送信する識別情報は、IPアドレス(IP:Internet Protocol)やMACアドレス(MAC:Media Access Control Access)などであってもよい。
【0080】
複数の端末装置2b,3a〜3nの各々は、例えば、GPS(Global Positioning System)機能を備え、衛星からの電波に基づいて該装置の現在位置情報(つまり、緯度、及び経度)を取得する。そして、取得した現在位置情報を、LAN40を介して画像形成装置1に送信する。この送信は、位置情報取得部100から発せられる周期的な要求に応じて行われてもよいし、端末装置2b,3a〜3nが周期的に起動するアプリケーションによって自発的に行われてもよい。
【0081】
【表1】

【0082】
位置情報取得部100が取得した現在位置情報は、例えば、表1に示される利用者管理テーブルに記録される。利用者管理テーブルは、不揮発性メモリ13、またはHDD14などの記録手段に記録されている。利用者管理テーブルには、利用者ごとに、上述した識別番号、現在位置情報(緯度、経度)、及び電子メールアドレス情報とが、利用者名に対応付けられた形態で登録されている。利用者名は、表中にA,B,C,D・・・と記載されている。
【0083】
複数の端末装置2b,3a〜3nから取得される識別情報、または依頼者識別情報が、IPアドレスやMACアドレスなどのように、利用者の識別番号とは異なる情報である場合、この情報を、識別番号とは別に、利用者管理テーブルに含めるとよい。これにより、利用者の識別番号だけでなく、端末装置2b,3a〜3nの識別情報、または依頼者識別情報からも利用者名を特定することができる。
【0084】
この登録内容は、現在位置情報を除き、権限がある管理者によって、操作部160、またはLAN40を介して接続されたパソコンなどの端末装置から書き換え可能である。なお、利用者管理テーブルは、依頼対象者と依頼者の両方の情報が区別なく登録されている。
【0085】
通知対象選択部101は、位置情報取得部100により取得した現在位置情報と、画像形成装置1が存在する位置を示す設置位置情報とに基づいて、印刷の依頼を通知する対象を複数の依頼対象者側端末装置(A)〜(N)3a〜3nから選択する通知対象選択手段として機能する。本実施形態において、通知対象選択部101は、位置情報取得部100により取得した現在位置情報に基づいて、複数の端末装置(A)〜(N)3a〜3nから、画像形成装置1が存在する位置に最も近い位置に存在する端末装置を選択する。この選択方法に関し、図4〜図6を参照して説明する。
【0086】
まず、図4は、画像形成装置1が設置されたオフィスのレイアウトを例示している。図示されるように、例示されたオフィスは、互いに隣接する部屋(I)と部屋(II)が、廊下を挟み、互いに隣接する部屋(III)と部屋(IV)にそれぞれ対向するように配置されている。なお、各部屋(I)〜(IV)は、矩形状であるものとする。
【0087】
図中、丸で囲まれたアルファベットA〜N、Pは、それぞれ、依頼対象者側端末装置(A)〜(N)3a〜3n、及び依頼者側第2端末装置2bから収集した現在位置情報に基づく、依頼対象者A〜N、依頼者Pの現在位置を示している。また、符号Qは、画像形成装置1が設置された設置位置を示している。
【0088】
画像形成装置1は、位置Q(Xq,Yq)を示す設置位置情報を、不揮発性メモリ13、またはHDD14などの記録手段に記録している。この設置位置情報は、例えば、操作部160からの設定入力により取得してもよいし、画像形成装置1にGPS機能などを設けることによって取得してもよい。
【0089】
本例において、依頼者Pは、部屋(I)に在室しており、部屋(IV)に配置された画像形成装置1から文書の印刷を行うものとする。なお、図中、依頼者P、及び各依頼対象者A〜Nの座席位置が示されているが、本実施形態では使用されないため、本実施形態の説明では触れないものとする。
【0090】
【表2】

【0091】
また、画像形成装置1は、表2に示されるように、部屋(I)〜(IV)の平面視の領域を特定するために、部屋ごとに、四隅の位置情報R11〜R43を、領域情報として不揮発性メモリ13、またはHDD14などの記録手段に記録している。位置情報R11〜R43は、それぞれ、経度(Xn:n=1〜4)と緯度(Yn:n=1〜4)を含む。このような領域情報は、例えば、操作部160からの設定入力により取得してもよいし、部屋の四隅に、GPS機能などを有する位置情報の送信器を設置しておき、この装置から取得してもよい。
【0092】
本例では、平面視で矩形状の部屋が挙げられているが、他の形状の部屋についても同様に領域を特定する位置を記録すればよい。例えば、壁(部屋の境界線)の一部、または全部がカーブを描いている部屋の場合、該カーブを複数の直線により近似して、該直線の各端点の位置により領域を特定すればよい。
【0093】
このように、画像形成装置1は、依頼対象者A〜N、依頼者Pの現在位置だけでなく、在室する部屋も特定することができる。もっとも、画像形成装置1は、構成を簡単にするために、現在位置だけを特定するようにしてもよい。
【0094】
通知対象選択部101は、印刷依頼を通知する複数の対象を含む通知対象者リストを作成し、そのリスト内の優先度が高いものから順次に選択する。図5は、通知対象者リストの作成処理のフローを示している。
【0095】
まず、通知対象選択部101は、上述した設置位置情報、及び部屋の領域情報に基づいて、装置1が設置された部屋を特定する。図4の例の場合、設置位置Q(Xq、Yq)は、位置R11,R13,R22,R23で囲まれる領域内に存在することから、装置1は部屋(IV)に設置されていると判断する。具体的には、経度XqについてX1<Xq<X2、及び緯度YqについてY2<Yq<Y2の両条件の成否が判断される。
【0096】
次に、通知対象選択部101は、表1に示された利用者管理テーブルを参照して、依頼対象者A〜Nの何れかを選択し(ステップSt2)、この依頼対象者の現在位置(つまり緯度、経度)が、ステップSt1で特定した部屋(IV)の領域内であるか否かを判定する(ステップSt3)。この判定は、上述したように、緯度、及び経度の範囲に関する両条件の成否により行われる。なお、通知対象選択部101は、ステップSt2の選択処理において、印刷データ受付け部104からの依頼者識別情報に基づき、対象から依頼者Pを除外する。また、ステップSt2における対象者の選択順序は限定されない。
【0097】
通知対象選択部101は、依頼対象者の現在位置が、装置1が存在する部屋(IV)の領域内であるとき(ステップSt3のYES)、この依頼対象者を通知対象者リストに追加する(ステップSt4)。図4の例の場合、部屋(IV)に存室する対象者G,F,H,E,N,K,Cが、通知対象者リストに加えられることになる。一方、依頼対象者の現在位置が部屋(IV)の領域内ではないとき(ステップSt3のNO)、通知対象選択部101は、別の依頼対象者を選択して(ステップSt2)、再び同様の判断を行う(ステップSt3)。
【0098】
次に、通知対象選択部101は、他に選択されていない依頼対象者が利用者管理テーブルに存在する場合(ステップSt5のYES)、再びステップSt2から処理を行い、他方、存在しない場合(ステップSt5のNO)、通知対象者リストに加えられた対象者を、現在位置が画像形成装置1に近い順に並べる(ステップSt6)。つまり、通知対象選択部101は、利用者管理テーブルを参照し、画像形成装置1から対象者G,F,H,E,N,K,Cの端末装置3g、3f,3h,3e,3n,3k,3cまでの距離を、設置位置Qと各現在位置とに基づいて算出し、比較する。図4の例の場合、図6に示されるように、対象者G,F,H,E,N,K,Cが、この順に並べられる。なお、通知対象者リストは、利用者名A〜N、または各対象者の識別番号の何れにより構成されてもよい。
【0099】
通知対象選択部101は、このようにして得た通知対象者リストから、画像形成装置1の設置位置Qに最も近い位置に存在する端末装置3a〜3n、つまり、優先度が最も高い端末装置3a〜3nを選択して、その識別番号を依頼通知部102に通知する。これによると、印刷装置の位置に最も近い依頼対象者に依頼を通知するから、依頼の通知から印刷が行われるまでの時間が短縮される。なお、このフローでは、依頼対象者が在室する部屋を特定するようにしたが、これに限定されず、在室する部屋とは無関係に、設置位置Qからの距離のみに基づいて通知対象者を選ぶようにしてもよい。
【0100】
依頼通知部102は、通知対象選択部101により選択された端末装置3a〜3nに、通信処理部17を介して、依頼者識別情報に基づく依頼者名情報、及び印刷の依頼を通知する依頼通知手段として機能する。図4の例の場合、図6に示された通知対象者リストにおいて最優先とされる対象Gに、印刷の依頼が通知される。
【0101】
依頼通知は、例えば電子メールにより行うと好適であるが、これに限定されず、LAN40を介してメッセージを送信する手段であれば他の方法を採用してもよい。依頼通知部102は、依頼通知の宛先、及び依頼者名情報を、上述した利用者管理テーブルの電子メールアドレス情報、及び利用者名情報から取得する。
【0102】
依頼通知部102は、依頼を通知すると計時部103に計時の開始を指示する。計時部103は、依頼の通知を受けた対象者により印刷が実行されたか否かを監視するためのタイマである。計時部103は、印刷が実行されたとき、印刷部105から停止通知を受けることによって計時を停止し、タイマ値をリセットする。
【0103】
一方、印刷が所定時間内に実行されなかったとき、計時部103は、タイマの満了を通知対象選択部101に通知する。このとき、通知対象選択部101は、選択した対象者が依頼を拒否したものとして、該対象者を通知対象者リストから削除する。そして、通知対象選択部101は、他の対象者のうち、リスト中の最優先の対象者を再び選択して、その識別番号を依頼通知部102に通知する。図6に示されたリストの場合、通知対象選択部101は、対象者Gをリストから削除して、最も優先度が高い対象者Fを選択する。この場合、依頼通知部102は、通信処理部17を介して、選択された対象者の識別番号に該当する端末装置3fに再び依頼を通知する。
【0104】
通知対象選択部101は、通信処理部17を介して、選択した対象の端末装置3a〜3nから依頼の拒否が通知された場合、及び、依頼通知を受けた対象者が、操作部160を用いて印刷の非実行を選択した場合も、上述した処理を行う。そして、通知対象選択部101は、このような選択を繰り返した結果、通知対象者リストに選択可能な対象が存在しなくなったとき、通信処理部17を介して、印刷が実行されなかったことを、依頼者側第2端末2bに通知する。このとき、通知対象選択部101は、依頼者識別番号に基づいて利用者管理テーブルを参照することにより、依頼者、及びその電子メールアドレスを特定する。もっとも、未実行通知は、第1端末2aに対して行われてもよい。
【0105】
上述した印刷の未実行通知は、通知対象選択部101が作成した通知対象者リストに、作成時から対象者A〜Nが全く含まれていない場合にも行われる。このような場合としては、図4の例において、部屋(IV)に依頼対象者A〜Nが全く在室しない場合が考えられる。
【0106】
また、印刷部105は、識別情報取得部18、または操作部160により入力された利用者識別番号から特定される利用者名が、依頼通知部102により印刷の依頼を通知した端末装置の識別番号から特定される利用者名と一致するとき、利用者の操作に応じ、印刷データに基づいて印刷を行う印刷手段として機能する。
【0107】
具体的には、印刷部105は、利用者管理テーブルを参照して、通知対象選択部101が選択した識別番号に対応する利用者名を特定し、また、識別情報取得部18、または操作部160から取得した利用者の識別番号に対応する利用者名を特定する。そして、両方の利用者名を照合し、一致した場合、印刷部105は、表示部161に、印刷を行うか否かを選択する選択肢の表示を指示する。
【0108】
そして、利用者が操作部160を用いて印刷の実行を選択したとき、印刷部105は、印刷データ受付部104からの印刷データに基づき、印刷処理部152などを制御してプリント機能を実行する。印刷を行うと、印刷部105は、印刷データ受付部104から受け取った依頼者の識別番号に基づいて、依頼者側第2端末装置2bに印刷の実行を通知する。このとき、印刷部105は、依頼者識別番号に基づいて利用者管理テーブルを参照することにより、依頼者を特定する。なお、実行通知は、依頼者側第1端末装置2aに対して行われてもよい。
【0109】
一方、利用者が操作部160を用いて印刷の非実行を選択したとき、印刷部105は、印刷を実行しない。印刷の非実行が選択された場合、上述したように、通知対象選択部101は、通知対象者リストから該当する対象者を削除し、他の対象者から通知対象を再び選択する。なお、選択する対象者が存在しないとき、上述したように、通知対象選択部101は、印刷の未実行を、依頼者側第2端末装置2bに印刷の実行を通知する。このとき、通知対象選択部101は、依頼者識別番号に基づいて利用者管理テーブルを参照することにより、依頼者、及びその電子メールアドレスを特定する。なお、未実行通知は、依頼者側第1端末装置2aに対して行われてもよい。
【0110】
次に、端末装置2b,3a〜3nの機能構成を、図7を参照して説明する。端末装置2b,3a〜3nは、位置情報取得部30と、位置情報送信部31と、操作部32と、通知生成部33と、表示部34と、通知受け取り部35と、通信処理部36とを含む。端末装置2b,3a〜3nは、ソフトウェアにより機能するものとして構成しても、特定用途向け集積回路などを含むハードウェアによって構成してもよい。
【0111】
通信処理部36は、他の装置と通信を行う通信手段として機能し、LAN40に接続され、他の装置との通信を処理する回路により構成される。位置情報取得部30は、端末装置2b,3a〜3nが存在する位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段として機能し、例えばGPSアンテナを含んでいる。位置情報取得部30は、衛星から受信した電波に基づき、緯度、及び経度を位置情報として取得する。
【0112】
位置情報送信部31は、通信処理部36を介して、端末装置2b,3a〜3nを識別するための識別情報、及び位置情報取得部30により取得した位置情報を、上述した画像形成装置1に送信する。送信は、上述したように、画像形成装置1からの要求に応じて行われてもよいし、または、周期的に起動されるアプリケーションの制御に基づいて行われてもよい。
【0113】
また、識別情報としては、上述したように利用者ごとに登録された識別番号を用いると好適であるが、これに限定されず、IPアドレスやMACアドレスを用いてもよい。識別情報は、フラッシュメモリなどの不揮発性の記録手段に記録されている。なお、識別情報は、利用者の固有情報であるため、書き換え不可能とするのが好ましい。
【0114】
表示部34は、情報の表示手段として機能し、例えば液晶パネルなどの表示デバイスである。通知受け取り部35は、通信処理部36を介して、画像形成装置1から通知を受け取る通知受け取り手段として機能する。通知受け取り部35は、上述した印刷の依頼通知、実行通知、及び未実行通知を受け取り、その内容を表示部34に表示する。なお、通知は、電子メールであってもよいし、他の形式に基づくメッセージであってもよい。
【0115】
操作部32は、利用者が情報を入力するための入力手段であり、タッチパネルや入力キーなどを含む。通知生成部33は、画像形成装置1に対して送信する通知を生成する生成手段として機能する。通知生成部33は、操作部32の操作に応じて、上述した印刷の依頼通知に対する拒否の通知を生成し、通信処理部36を介して、画像形成装置1に送信する。
【0116】
次に、画像形成装置1のCPU10の処理を、図8を参照して説明する。図3に示される印刷データ受付部104が、印刷データを受付けると(ステップSt11のYES)、通知対象選択部101は、装置1が存在する位置を示す設置位置情報と、位置情報取得部100が取得した依頼対象者側端末装置3a〜3nの現在位置情報とに基づいて、通知対象者リストを作成する(ステップSt12)。この作成方法は、図4〜図6を参照して説明した通りである。
【0117】
次に、通知対象者リストに対象者が全く含まれていないとき、通知対象選択部101は、依頼者側第2端末装置2bに印刷の未実行を通知する(ステップSt25)。一方、通知対象者リストに対象者が含まれているとき、通知対象選択部101は、リスト中、優先度が最も高い対象者を選択し、依頼通知部102に通知する(ステップSt14)。
【0118】
そして、依頼通知部102は、利用者管理テーブルの該当する電子メールアドレスに基づいて、選択された対象者の端末装置3a〜3nに印刷の依頼通知を送信する(ステップSt15)。また、依頼通知部102は、計時部103に計時の開始を指示する(ステップSt16)。なお、ステップSt15とステップSt16の処理の順序は、図示される順に限定されない。
【0119】
図9は、依頼通知を受信した端末装置3a〜3nの表示部34に表示される画面の例を示している。図中、符号50は、印刷を依頼した依頼者の利用者名を表示する領域であり、符号51は、選択された対象者の利用者名を表示する領域である。なお、利用者名は、利用者管理テーブルから得られる。
【0120】
また、符号52は、印刷依頼の通知である旨を示す件名を表示する領域であり、符号53は、印刷依頼の内容を表示する領域である。この領域53には、依頼を拒否するためのリンク部530が含まれており、このリンク部530を操作部32によって選択すると、通知生成部33により拒否通知が生成されて、画像形成装置1に送信される。
【0121】
次に、依頼通知部102は、選択した対象者の端末装置3a〜3nから、上記の拒否通知を受信したか否かを判断する(ステップSt17)。拒否通知を受信した場合(ステップSt17のYES)、通知対象選択部101は、選択した対象者を通知対象者リストから削除して(ステップSt26)、再びステップSt13から処理する。
【0122】
一方、拒否通知を受信していない場合(ステップSt17のNO)、通知対象選択部101は、計時部103からの満了通知の有無に基づき、タイマが制限時間を経過したか否かを判断する(ステップSt18)。タイマが制限時間を経過した場合(ステップSt18のYES)、通知対象選択部101は、選択した対象者を通知対象者リストから削除して、再びステップSt13から処理する。これにより、通知対象選択部101は、依頼を通知された依頼対象者が印刷を実行できないとき、他の依頼対象者を選択する。
【0123】
一方、タイマが制限時間を経過していない場合(ステップSt18のYES)、印刷部105は、利用者からの識別番号の入力の有無を判断する(ステップSt19)。なお、ステップSt17〜St19の判断処理の実行順序は、図示される順に限定されない。
【0124】
上述したように、利用者は、ICカード60を識別情報取得部18に翳すことによって、または、操作部160を操作することによって、識別番号を入力する。図10は、操作部160を用いて入力する場合において、表示部161に表示される入力画面の例を示している。なお、この画面において、識別番号とともにパスワードを入力するようにしてもよい。
【0125】
また、図11に示されるように、画像形成装置1は、入力された識別番号を含む認証要求を、通信処理部17を介して外部の認証装置に送信し、認証結果を取得するようにしてもよい。もっとも、利用者の認証処理は、外部の認証装置ではなく、画像形成装置1が利用者管理情報に基づいて行ってもよい。
【0126】
利用者から識別番号の入力がないとき(ステップSt19のNO)、再びステップSt17から処理が行われ、他方、利用者から識別番号が入力されたとき(ステップSt19のYES)、印刷部105は、この識別番号から利用者管理テーブルに基づいて利用者名を特定し、他方、通知対象選択部101が選択した該当識別番号からも利用者名を特定し、両者を照合して、一致するか否かを判定する(ステップSt20)。一致しない場合(ステップSt20のNO)、再びステップSt17から処理が行われる。
【0127】
一方、一致する場合(ステップSt20のYES)、印刷部105は、図12に例示されるように、表示部161に、印刷の実行を選択する選択肢を表示する(ステップSt21)。図中、符号70は、利用者が入力した識別番号に基づく利用者名を表示する領域である。なお、利用者名は、利用者管理テーブルを参照して得られる。
【0128】
符号71は、件名を表示する領域である。符号72は、依頼の内容を表示する領域であり、印刷の実行可否を選択する選択肢720,721を含んでいる。利用者は、操作部160の操作によって、選択肢720,721の一方を選択する。このような選択肢720,721を設けることにより、依頼を通知された依頼対象者は、都合が悪いときなどに、印刷を拒否することができる。
【0129】
印刷部105は、印刷の非実行が選択された場合(ステップSt22のNO)、つまり、選択肢721が選択されたとき、印刷を実行せず、さらに、通知対象選択部101は、選択した対象者を通知対象者リストから削除して(ステップSt26)、再びステップSt13から処理する。これにより、通知対象選択部101は、依頼を通知された依頼対象者が印刷を実行できないとき、他の依頼対象者を選択する。
【0130】
一方、印刷部105は、印刷の実行が選択された場合(ステップSt22のYES)、つまり、選択肢720が選択されたとき、印刷データ受付け部104からの印刷データに基づいて、印刷を実行する(ステップSt23)。印刷の実行後、印刷データは消去される。そして、印刷部105は、印刷の実行を、通信処理部17を介して依頼者側第2端末装置2bに通知する(ステップSt24)。これにより、依頼者は、印刷が実行されたことを知り、画像形成装置1の場所に移動する手間が省かれ、印刷した文書を回収した依頼対象者を待つ。
【0131】
このように、本実施形態の画像形成装置1は、その設置位置Qと依頼対象者A〜Nの現在位置とに基づいて、依頼に適した依頼対象者を選択して印刷の依頼を通知し、印刷が実行される。このため、依頼対象者A〜Nではない他者による印刷の実行、及び、印刷した文書の持ち去りが防止される。また、印刷を実行する依頼対象者が、依頼された印刷だけでなく、引き続き、他の文書の印刷も行う場合、画像形成装置1の待機時間が延びることによって消費電力が低減される。
【0132】
本実施形態において、印刷の依頼を通知した依頼対象者が印刷を実行するようにしたが、これに限定されることはなく、例えば、通知対象者リストに含まれている対象者であれば誰もが印刷できるようにしてもよい。この場合、印刷部105は、通知対象選択部101から通知対象者リストを受け取っておき、ステップSt20の判断処理において、入力された利用者の識別番号から特定される利用者名が、リスト中の何れかの対象者の識別番号から特定される利用者名と一致するとき、ステップSt21の処理を行うとよい。これによると、依頼を通知された依頼対象者だけでなく、他の依頼対象者も、印刷の実行が可能となる。なお、利用者名の特定は、既に述べたように利用者管理テーブルに基づいて行われる。
【0133】
さらに、この場合、ステップSt24の処理において、依頼者だけではなく、印刷の依頼を通知した依頼対象者の端末装置3a〜3nにも、印刷の実行通知を送信するようにするとよい。これによれば、依頼を通知された依頼対象者は、他者によって既に印刷が実行されたことを知るから、印刷を実行するために画像形成装置1の設置場所に移動する手間が省かれる。もっとも、拒否通知の受信、制限時間の経過、または非実行の選択(ステップSt17,18,22のNO)により、複数の依頼対象者に依頼が通知されている場合、その全員の端末装置3a〜3nに実行通知を送信することが望ましい。
【0134】
これまで述べた画像形成装置1は、印刷の依頼通知の対象者を、画像形成装置1の設置位置を基準として選択したが、選択方法は、これに限定されることはない。例えば、画像形成装置1の設置位置に加えて、依頼者の座席の位置を基準として選択することも可能である。以下に、この場合の選択方法について説明する。
【0135】
【表3】

【0136】
表3は、本実施形態における利用者管理テーブルの例を示している。この利用者管理テーブルは、依頼者側第2端末装置2b、及び複数の依頼対象者側端末装置3a〜3nの各々について、特定の位置を示す特定位置情報である座席位置情報を記録する特定位置記録手段として機能する。先に述べた実施形態との相違点は、この座席位置情報の有無である。座席位置情報は、図4に示された依頼者Pと対象者A〜Nの座席の位置を示す情報である。
【0137】
この座席位置情報は、例えば、操作部160からの設定入力により登録してもよいし、上述した位置情報取得部100が、依頼者側第2端末装置2b、及び複数の依頼対象者側端末装置3a〜3nの各々について、間隔をおいて取得した上記の現在位置情報に基づいて生成し、利用者管理テーブルに記録するようにしてもよい。後者に関し、位置情報取得部100は、例えば、オフィスの勤務時間内で検出した回数が最も多い位置を、座席位置情報として生成するようにするとよい。これによると、座席の位置を登録する手間が省かれるだけでなく、各座席の位置が容易に決定される。
【0138】
本実施形態における通知対象選択部101は、複数の依頼対象者側端末装置3a〜3nから、現在位置情報が示す位置が画像形成装置1に近い順に選出して得た第1の候補、及び、複数の依頼対象者側端末装置3a〜3nから、座席置情報が示す位置が依頼者側第2端末装置2bに近い順に選出して得た第2の候補の両方に含まれる端末装置の中から、印刷の依頼を通知する対象を選択する。
【0139】
この方法は、具体的には図13〜図16に示されている。図13に示されるように、通知対象選択部101は、まず、図4の例における画像形成装置1の設置位置Qを基準とする第1の候補者リスト、及び依頼者Pの座席位置Poを基準とする第2の候補者リストを作成する。そして、通知対象選択部101は、第1の候補者リストと第2の候補者リストの両方に含まれている候補者(図中、点線で描かれた丸印を参照)から通知対象者リストを作成する。
【0140】
第1の候補者リストの作成処理は、図14に示されている。図14を図5と対比すると理解されるように、第1の候補者リストの作成処理は、先の実施形態における通知対象者リストの作成処理と同様である。したがって、詳しい説明は省略するが、第1の候補者リストは、図4の例の場合、画像形成装置1が設置された部屋(IV)内において、現在位置情報が示す位置が画像形成装置1に近い順に選出して得られる(ステップSt31〜St36)。第1の候補者リストは、図13に示されるように、対象者G,F,H,E,N,K,Cが、この順に並べられて構成される。
【0141】
一方、第2の候補者リストの作成処理は、図15に示されている。まず、通知対象選択部101は、図4の例の場合、表2に示された領域情報に基づいて、依頼者Pの座席位置Poが存在する部屋を特定する(ステップSt41)。図4の例の場合、座席位置Po(Xp、Yp)は、位置R31,R32,R41,R42で囲まれる領域内に存在することから、座席は部屋(I)に設置されていると判断する。具体的には、経度XpについてX3<Xp<X4、及び緯度YpについてY1<Yp<Y3の両条件の成否が判断される。
【0142】
次に、通知対象選択部101は、表3に示された利用者管理テーブルを参照して、依頼対象者A〜Nの何れかを選択し(ステップSt42)、この依頼対象者の座席位置(つまり緯度、経度)が、ステップSt41で特定した部屋(I)の領域内であるか否かを判定する(ステップSt43)。この判定は、上述したように、緯度、及び経度の範囲に関する両条件の成否により行われる。なお、通知対象選択部101は、ステップSt42の選択処理において、印刷データ受付け部104からの依頼者識別番号に基づき、選択対象から依頼者Pを除外する。
【0143】
通知対象選択部101は、依頼対象者の現在位置が部屋(I)の領域内であるとき(ステップSt43のYES)、この依頼対象者を第2の候補者リストに追加し(ステップSt44)、他方、依頼対象者の座席位置が部屋(I)の領域内ではないとき(ステップSt43のNO)、別の依頼対象者を選択して(ステップSt42)、再び同様の判断を行う(ステップSt43)。図4の例の場合、座席位置が部屋(I)内に存在する対象者A〜Fが、第2の候補者リストに加えられることになる。
【0144】
次に、通知対象選択部101は、他に選択されていない依頼対象者が利用者管理テーブルに存在する場合(ステップSt45のYES)、再びステップSt42から処理を行い、他方、存在しない場合(ステップSt45のNO)、第2の候補者リストに加えられた対象者を、座席位置が依頼者Pの座席位置Poに近い順に並べる(ステップSt46)。つまり、座席位置Poから対象者A〜Fの座席位置までの距離を、利用者管理テーブルの座席位置情報に基づいて算出し、比較する。図4の例の場合、図13に示されるように、対象者A〜Fが、この順に並べられる。なお、第2の候補者リストは、利用者名A〜N、または該当する識別番号の何れにより構成されてもよい。
【0145】
このようにして得られた第1及び第2の候補者リストから通知対象者リストが作成される。図16は、通知対象者リストの作成処理を示している。
【0146】
通知対象選択部101は、第1及び第2の候補者リストを互いに照合して、共通に含まれている対象者を抽出する(ステップSt51)。図4の例の場合、図13に示されるように、対象者C,E,Fが抽出される。
【0147】
次に、通知対象選択部101は、抽出した対象者を、その座席位置が依頼者の座席位置Poに近い順に並べる(ステップSt52)。並べる手法は、既に述べたように距離計算に基づく。図4の例の場合、図13に示されるように、対象者C,E,Fが、この順に並べられる。なお、通知対象者リストは、利用者名A〜N、または該当する識別番号の何れにより構成されてもよい。
【0148】
図16の例では、座席位置を基準として通知対象者リストを作成したが、逆に、現在位置を基準としてもよい。すなわち、ステップSt52において、利用者管理テーブルに基づき、対象者の現在位置C,E,Fが、依頼者の現在位置Pに近い順に並べてもよい。この場合、通知対象者リストは、対象者F,E,Cが、この順に並べられて構成されることになる。
【0149】
本実施形態の画像形成装置1によれば、現在位置が画像形成装置1の位置に近く、かつ、座席の位置が依頼者の座席位置にも近い依頼対象者に依頼を通知することにより、依頼の通知から印刷が行われるまでの時間が短縮されるとともに、印刷物の回収にかかる時間も短縮される。
【0150】
本実施形態の画像形成装置1は、印刷物の回収にかかる時間をさらに短縮するために、依頼を通知された依頼対象者だけでなく、他の依頼対象者A〜Nも、印刷を実行するようにしてもよい。この場合、印刷部105は、利用者管理テーブルに基づいて、操作部160、または識別情報取得部18により得た利用者識別情報から利用者名を特定し、他方、上記の第1及び第2の候補者リストの両方に含まれる端末装置3a〜3nの識別情報から各利用者名を特定する。そして、印刷部105は、互いの利用者名を照合して、両者が一致するとき、利用者の操作に応じて、印刷データに基づき印刷を行う。例えば、印刷部105は、通知対象選択部101から通知対象者リストを受け取っておき、図8のステップSt20の判断処理において、入力された利用者の識別番号から特定した利用者名が、リスト中の識別番号から特定された何れかの利用者名と一致するとき、ステップSt21の処理を行うとよい。
【0151】
さらに、この場合、ステップSt24の処理において、依頼者だけではなく、印刷の依頼を通知した依頼対象者の端末装置3a〜3nにも、印刷の実行通知を送信するようにするとよい。これによれば、依頼を通知された依頼対象者は、他者によって既に印刷が実行されたことを知るから、印刷を実行するために印刷装置の場所に移動する手間が省かれる。もっとも、拒否通知の受信、制限時間の経過、または非実行の選択(ステップSt17,18,22のNO)があった場合、依頼を通知した全員の端末装置3a〜3nに、実行通知を送信することが望ましい。
【0152】
これまで述べた実施形態では、依頼者が、第1端末装置1aから印刷データを画像形成装置1に直接的に送信するものであったが、これに限定されず、例えば図17に示されるように、プリンタサーバ8を介して送信するようにしてもよい。この場合、印刷システムは、LAN40に接続された、複数の画像形成装置(I)〜(III)1a〜1cと、プリンタサーバ8と、依頼対象者側端末3a〜3nと、依頼者側端末2a,2bとを含む。
【0153】
複数の画像形成装置(I)〜(III)1a〜1cは、それぞれ、上述した画像形成装置1と同様である。プリンタサーバ8は、これらの画像形成装置(I)〜(III)1a〜1cから1つを選択して、依頼者側第2端末装置2bから受信した印刷データを送信する。なお、プリンタサーバ8は、印刷データを依頼者側第1端末装置2aから受信してもよい。
【0154】
【表4】

【0155】
プリンタサーバ8は、上述した画像形成装置1と同様の利用者管理テーブル(表3参照)と、表4に示される装置管理テーブルとを、ハードディスクドライブなどの記録手段に記録している。装置管理テーブルには、複数の画像形成装置(I)〜(III)1a〜1cのそれぞれについて、その設置位置(緯度、経度)を示す設置位置情報が登録されている。この設置位置情報は、予め管理者によって登録されたものでもよいし、画像形成装置(I)〜(III)1a〜1cにGPS機能などの位置情報取得手段を設け、位置情報取得手段からLAN40を介して送信されたものであってもよい。
【0156】
プリンタサーバ8は、印刷データとともに送信された利用者識別情報を、利用者管理テーブルの識別情報と照合し、依頼者の座席位置情報を得る。そして、プリンタサーバ8は、この座席位置情報と、装置管理テーブルに含まれる設置位置情報とに基づいて、複数の画像形成装置(I)〜(III)1a〜1cから、依頼者の座席位置に最も近いものを選択し、印刷データと識別情報とを送信する。なお、装置の選択は、座席位置と設置位置の距離を算出して行われる。
【0157】
本実施形態によれば、複数の画像形成装置(I)〜(III)1a〜1cは、それぞれ、上述した画像形成装置1と同様であるから、これまで述べたものと同様の作用効果を得ることができる。
【0158】
また、これまで述べた実施形態では、現在位置情報や座席位置情報をGPS機能により取得するようにしたが、これに限定されることはない。画像形成装置1は、これらの情報を、例えば、LAN40内の無線LANルータ装置や無線LANブリッジ装置などの無線通信装置(いわゆるアクセスポイント)から取得してもよい。
【0159】
LAN40内には複数個の無線通信装置が設けられており、端末装置2b,3a〜3nは、そのうち、受信電波が最も強い無線通信装置と通信可能に接続される。したがって、接続中の無線通信装置の設置位置は、端末装置2b,3a〜3nのおおよその位置とみなされる。このため、画像形成装置1は、各無線通信装置から設置位置情報、及び、接続中の端末装置2b,3a〜3nの識別情報を取得することにより、端末装置2b,3a〜3nの現在位置情報、及び座席位置情報が得られる。もっとも、画像形成装置1は、予めHDD14などの記録手段に無線通信装置ごとの設置位置情報を記録しておき、各無線通信装置から取得した装置識別情報に基づいて、端末装置2b,3a〜3nの現在位置情報、及び座席位置情報を得てもよい。
【0160】
この実施形態は、GPS機能を用いた先の実施形態と比較すると、端末装置2b,3a〜3nの現在位置情報、及び座席位置情報を、3次元空間内の位置として取得可能な点において有効である。GPS機能によると、現在位置情報、及び座席位置情報は、緯度、及び経度からなる2次元平面内の位置情報として取得される。これに対して、本実施形態は、建物内において、無線通信装置が、例えば部屋、またはエリアを単位として設置されることから、設置位置情報に基づき、建物の階数、すなわち、高さ位置を含めた3次元空間内の位置検出を可能とする。したがって、本実施形態は、建物内の複数階にわたるオフィスなどに適用すると好ましい。
【0161】
これまで述べた実施形態と同様の作用効果は、上述した各機能を実現するためのプログラムが記録された記録媒体を印刷装置に供給し、該装置内のコンピュータが上記のプログラムを実行することによっても得られる。なお、記録媒体は、コンピュータが読み出し可能なものであれば、CD−ROM、DVD、またはSDカードなどのうち、何れであってもよい。
【0162】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
【符号の説明】
【0163】
1 画像形成装置
10 CPU
100 位置情報取得部
101 通知対象選択部
102 依頼通知部
103 計時部
104 印刷データ受付け部
105 印刷部
160 操作部
17 通信処理部
18 識別情報取得部
2a 依頼者側第1端末装置
2b 依頼者側第2端末装置
3a〜3n 依頼対象者側端末装置
30 位置情報取得部
31 位置情報送信部
35 通知受け取り部
36 通信処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の装置と通信を行う通信手段と、
前記通信手段を介して、印刷を依頼する依頼者を識別するための依頼者識別情報、及び印刷データを受付ける印刷データ受付け手段と、
複数の端末装置から、前記通信手段を介して、該端末装置を識別するための識別情報、及び該端末装置が存在する位置を示す現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段により取得した前記現在位置情報と、自装置が存在する位置を示す設置位置情報とに基づいて、印刷の依頼を通知する対象を前記複数の端末装置から選択する通知対象選択手段と、
前記通知対象選択手段により選択された端末装置に、前記通信手段を介して、前記依頼者識別情報に基づく依頼者名情報、及び印刷の依頼を通知する依頼通知手段と、
利用者を識別するための利用者識別情報を入力するための識別情報入力手段と、
前記識別情報入力手段により入力された利用者識別情報から特定される利用者名が、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致するとき、利用者の操作に応じ、前記印刷データに基づいて印刷を行う印刷手段とを有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記通知対象選択手段は、前記位置情報取得手段により取得した前記現在位置情報に基づいて、前記複数の端末装置から、前記設置位置情報が示す位置に最も近い位置に存在する端末装置を選択することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記依頼者識別情報から特定される依頼者端末装置、及び前記複数の端末装置の各々について、特定の位置を示す特定位置情報を記録する特定位置記録手段を有し、
前記通知対象選択手段は、前記複数の端末装置から、前記現在位置情報が示す位置が、前記設置位置情報が示す位置に近い順に選出して得た第1の候補、及び、前記複数の端末装置から、前記特定位置情報が示す位置が前記依頼者端末装置に近い順に選出して得た第2の候補の両方に含まれる端末装置の中から、印刷の依頼を通知する対象を選択することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記位置情報取得手段は、前記依頼者端末装置、及び前記複数の端末装置の各々について、間隔をおいて取得した前記現在位置情報に基づいて前記特定位置情報を生成し、前記位置情報記録手段に記録することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記位置情報取得手段は、間隔をおいて取得した前記現在位置情報が示す位置のうち、所定時間内に検出した回数が最も多い位置を、前記特定位置情報として生成することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記識別情報入力手段により入力された利用者識別情報から特定される利用者名が、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致するとき、前記印刷手段による印刷の可否を選択するための実行選択手段を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の印刷装置。
【請求項7】
前記通知対象選択手段は、前記実行選択手段により、前記印刷手段による印刷の非実行が選択されたとき、前記複数の端末装置のうち、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置を除く、他の端末装置から印刷の依頼を通知する対象を選択し、
前記依頼通知手段は、前記通知対象選択手段により選択された端末装置に、前記通信手段を介して、印刷の依頼を再び通知することを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記通知対象選択手段は、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した前記端末装置から、前記通信手段を介して前記依頼の拒否通知を受けたとき、または、前記依頼通知手段が印刷の依頼を通知してから所定時間内に、前記印刷手段により印刷が実行されなかったとき、前記複数の端末装置のうち、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置を除く、他の前記端末装置から印刷の依頼を通知する対象を選択し、
前記依頼通知手段は、前記通知対象選択手段により選択された端末装置に、前記通信手段を介して、印刷の依頼を再び通知することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の印刷装置。
【請求項9】
前記印刷手段は、前記識別情報入力手段により入力された利用者識別情報から特定される利用者名が、前記第1の候補、及び前記第2の候補の両方に含まれる端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致するとき、利用者の操作に応じて、前記印刷データに基づき印刷を行うことを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載の印刷装置。
【請求項10】
前記印刷手段は、前記識別情報入力手段により入力された利用者識別情報から特定される利用者名が、前記第1の候補、及び前記第2の候補の両方に含まれる端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致するとともに、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した前記端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致しない場合に、前記印刷データに基づく印刷を行ったとき、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置に、前記通信手段を介して印刷の実行を通知することを特徴とする請求項9に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記印刷手段は、前記印刷データに基づいて印刷を行ったとき、前記依頼者識別情報から特定される依頼者端末装置に、前記通信手段を介して印刷の実行を通知することを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の印刷装置。
【請求項12】
前記通知対象選択手段は、前記複数の端末装置の中に、選択する端末装置が存在しないとき、前記依頼者識別情報から特定される依頼者端末装置に、前記通信手段を介して印刷の未実行を通知することを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の印刷装置。
【請求項13】
前記識別情報入力手段は、前記利用者識別情報を前記端末装置から取得することを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の印刷装置。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れかに記載の印刷装置と、複数の端末装置とを含み、
前記複数の端末装置は、それぞれ、
他の装置と通信を行う端末装置側通信手段と、
前記端末装置が存在する位置を示す位置情報を取得する端末装置側位置情報取得手段と、
前記端末装置側通信手段を介して、前記端末装置を識別するための識別情報、及び前記端末装置側位置情報取得手段により取得した前記位置情報を前記印刷装置に送信する位置情報送信手段と、
前記端末装置側通信手段を介して、前記印刷装置から通知を受け取る通知受け取り手段とを有することを特徴とする印刷システム。
【請求項15】
印刷装置を、
他の装置と通信を行う通信手段と、
前記通信手段を介して、印刷を依頼する依頼者を識別するための依頼者識別情報、及び印刷データを受付ける印刷データ受付け手段と、
複数の端末装置から、前記通信手段を介して、該端末装置を識別するための識別情報、及び該端末装置が存在する位置を示す現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段により取得した前記現在位置情報と、自装置が存在する位置を示す設置位置情報とに基づいて、印刷の依頼を通知する対象を前記複数の端末装置から選択する通知対象選択手段と、
前記通知対象選択手段により選択された端末装置に、前記通信手段を介して、前記依頼者識別情報に基づく依頼者名情報、及び印刷の依頼を通知する依頼通知手段と、
利用者を識別するための利用者識別情報を入力するための識別情報入力手段と、
前記識別情報入力手段により入力された利用者識別情報から特定される利用者名が、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致するとき、利用者の操作に応じ、前記印刷データに基づいて印刷を行う印刷手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
前記通知対象選択手段は、前記位置情報取得手段により取得した前記現在位置情報に基づいて、前記複数の端末装置から、前記設置位置情報が示す位置に最も近い位置に存在する端末装置を選択することを特徴とする請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
印刷装置を、さらに、
前記依頼者識別情報から特定される依頼者端末装置、及び前記複数の端末装置の各々について、特定の位置を示す特定位置情報を記録する特定位置記録手段として機能させ、
前記通知対象選択手段は、前記複数の端末装置から、前記現在位置情報が示す位置が、前記設置位置情報が示す位置に近い順に選出して得た第1の候補、及び、前記複数の端末装置から、前記特定位置情報が示す位置が前記依頼者端末装置に近い順に選出して得た第2の候補の両方に含まれる端末装置の中から、印刷の依頼を通知する対象を選択することを特徴とする請求項15に記載のプログラム。
【請求項18】
前記位置情報取得手段は、前記依頼者端末装置、及び前記複数の端末装置の各々について、間隔をおいて取得した前記現在位置情報に基づいて前記特定位置情報を生成し、前記位置情報記録手段に記録することを特徴とする請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記位置情報取得手段は、間隔をおいて取得した前記現在位置情報が示す位置のうち、所定時間内に検出した回数が最も多い位置を、前記特定位置情報として生成することを特徴とする請求項18に記載のプログラム。
【請求項20】
前記識別情報入力手段により入力された利用者識別情報から特定される利用者名が、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致するとき、前記印刷手段による印刷の可否を選択するための実行選択手段を有することを特徴とする請求項15乃至19の何れかに記載のプログラム。
【請求項21】
前記通知対象選択手段は、前記実行選択手段により、前記印刷手段による印刷の非実行が選択されたとき、前記複数の端末装置のうち、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置を除く、他の端末装置から印刷の依頼を通知する対象を選択し、
前記依頼通知手段は、前記通知対象選択手段により選択された端末装置に、前記通信手段を介して、印刷の依頼を再び通知することを特徴とする請求項20に記載のプログラム。
【請求項22】
前記通知対象選択手段は、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した前記端末装置から、前記通信手段を介して前記依頼の拒否通知を受けたとき、または、前記依頼通知手段が印刷の依頼を通知してから所定時間内に、前記印刷手段により印刷が実行されなかったとき、前記複数の端末装置のうち、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置を除く、他の前記端末装置から印刷の依頼を通知する対象を選択し、
前記依頼通知手段は、前記通知対象選択手段により選択された端末装置に、前記通信手段を介して、印刷の依頼を再び通知することを特徴とする請求項15乃至21の何れかに記載のプログラム。
【請求項23】
前記印刷手段は、前記識別情報入力手段により入力された利用者識別情報から特定される利用者名が、前記第1の候補、及び前記第2の候補の両方に含まれる端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致するとき、利用者の操作に応じて、前記印刷データに基づき印刷を行うことを特徴とする請求項17乃至19の何れかに記載のプログラム。
【請求項24】
前記印刷手段は、前記識別情報入力手段により入力された利用者識別情報から特定される利用者名が、前記第1の候補、及び前記第2の候補の両方に含まれる端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致するとともに、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した前記端末装置の前記識別情報から特定される利用者名と一致しない場合に、前記印刷データに基づく印刷を行ったとき、前記依頼通知手段により印刷の依頼を通知した端末装置に、前記通信手段を介して印刷の実行を通知することを特徴とする請求項23に記載のプログラム。
【請求項25】
前記印刷手段は、前記印刷データに基づいて印刷を行ったとき、前記依頼者識別情報から特定される依頼者端末装置に、前記通信手段を介して印刷の実行を通知することを特徴とする請求項15乃至24の何れかに記載のプログラム。
【請求項26】
前記通知対象選択手段は、前記複数の端末装置の中に、選択する端末装置が存在しないとき、前記依頼者識別情報から特定される依頼者端末装置に、前記通信手段を介して印刷の未実行を通知することを特徴とする請求項15乃至25の何れかに記載のプログラム。
【請求項27】
前記識別情報入力手段は、前記利用者識別情報を前記端末装置から取得することを特徴とする請求項15乃至26の何れかに記載のプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−67049(P2013−67049A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205937(P2011−205937)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】