説明

印刷装置、印刷方法、コンピュータプログラム

【課題】 画像を印刷装置へ送信するために用いられる情報を、ユーザ自身が携帯端末に手作業で入力することは、ユーザにとって煩雑であった。
【解決手段】 印刷装置は、画像処理装置を経由して画像を当該印刷装置へ送信するために情報処理装置が用いる情報の送信要求を、前記画像を有する前記情報処理装置から受信する。そして印刷装置は、前記送信要求を受信した場合、前記情報を前記情報処理装置へ送信する。そして印刷装置は、前記情報処理装置が前記情報を用いて送信した画像を取得して、前記取得された画像を印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷方法、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子データを、電子メールを用いて印刷する技術がある(特許文献1)。特許文献1では、印刷すべき画像などの電子データを電子メールに添付して、この電子メールを、印刷装置に対応する電子メールアドレス宛てに送信する。そして、印刷装置は、該電子メールを受信するメールサーバを経由してこの電子データを受信し、受信した電子データの印刷を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−184292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなシステムでは、ユーザは電子メールを送るために電子メールアドレスを携帯端末などの情報処理装置に入力する。この電子メールアドレス(言い換えると、画像などの電子データを、印刷装置へ送信するために用いられる情報)の入力を手作業で行うことはユーザにとって煩雑である。
本発明はこの事情に鑑みてなされたものであり、電子データを印刷装置へ送信するために用いられる情報を情報処理装置に送信する印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の印刷装置は、印刷装置であって、画像処理装置を経由して画像を当該印刷装置へ送信するために情報処理装置が用いる情報の送信要求を、前記画像を有する前記情報処理装置から受信する受信手段と、前記受信手段が前記送信要求を受信した場合、前記情報を前記情報処理装置へ送信する送信手段と、前記情報処理装置が前記情報を用いて送信した画像を取得して、前記取得された画像を印刷する印刷手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の印刷装置は、電子データを印刷装置へ送信するために用いられる情報を処理装置に送信するため、情報処理装置を操作するユーザが該情報を手作業で入力する煩雑さが解消される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1の印刷システムの構成の一例を示すブロック図。
【図2】実施例1の印刷システムにおける処理のフローチャート。
【図3】実施例1の印刷システムにおけるモバイルのプリントサービス検索リクエストの送信処理のフローチャート。
【図4】実施例1の印刷システムにおけるモバイルの電子データ選択画面と印刷デバイス選択画面。
【図5】実施例1の印刷システムにおける印刷デバイスのプリントサービス検索レスポンスの送信処理のフローチャート。
【図6】実施例1の印刷システムにおけるモバイルの電子データの送信処理のフローチャート。
【図7】実施例1の印刷システムにおけるサーバの電子データのデータフォーマットの変換処理のフローチャート。
【図8】実施例1の印刷システムにおける印刷データの印刷処理のフローチャート。
【図9】実施例1の印刷システムにおける印刷デバイスの印刷データリクエストの送信処理のフローチャート。
【図10】実施例1の印刷システムにおける印刷デバイスが送信するプリントサービス検索レスポンスに含まれる各属性の情報の一例を示す図。
【図11】実施例2の印刷システムにおけるモバイルの印刷データの送信処理のフローチャート。
【図12】実施例3の印刷システムにおける印刷デバイスの印刷データリクエストの送信する時間間隔を短縮する処理のフローチャート。
【図13】実施例4の印刷システムにおける印刷デバイスの電子メール属性応答スイッチ画面を示す図。
【図14】実施例5の印刷システムにおける電子データの送受信処理のフローチャート。
【図15】実施例6の印刷システムにおける電子データの送受信処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための実施例について図面を用いて説明する。
【0009】
(実施例1)
図1は本実施例の印刷システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0010】
このシステムでは、情報処理装置としての携帯端末(以下、モバイルと称する)110が、画像処理装置としてのサーバ120と、電子メールによって通信する。また、サーバ120は、WAN130などのネットワークを介して、印刷装置としての印刷デバイス140と接続し、通信する。さらに、モバイル110は、印刷デバイス140の属するローカルネットワーク131に接続し、印刷デバイス140と、マルチキャストによるプリントサービス検索プロトコルやIPP(InternetPrintingProtocol)などの印刷制御プロトコルを用いて通信する。また、このモバイル−印刷デバイス間の通信は、モバイル110が接続しているローカルネットワーク131内の同一グループ(例えば同一サブネット)に属する印刷デバイス140との間で行われる通信である。なお、本実施例では、モバイル110とサーバ120との通信は、直接通信であっても良いし、間にモバイル110の端末基地局のサーバなど1つ以上のサーバを経由した通信であっても良い。また、サーバ120と印刷デバイス140との接続は、WAN130だけに限られず、例えばLANを介したものであっても良い。
【0011】
モバイル110は、モバイル110全体の動作制御を司る制御部111、ユーザインターフェース(UI)である操作部113、操作部113による操作結果やモバイル110の電子メール送受信機能を利用する際の画面などを表示する表示部115、各種データを記憶する不図示の記憶部を有する。
【0012】
この制御部111は、モバイル110内の不図示のCPU、ROM、RAMなどにより構成される。制御部111の実行する処理は、CPUがROMや不図示の記憶部に記憶されているプログラムなどをRAMに読み出して実行することで実現される。
【0013】
モバイル110内の不図示の記憶部は、例えばフラッシュメモリなどであり、例えば以降で説明する各フローチャートにおけるモバイル110に関する各処理を、制御部111が実行するためのプログラムを記憶する。
【0014】
操作部113は、例えばキーボードやボタン、タッチパネルなどである。表示部115は、例えば液晶ディスプレイなどである。制御部111は、操作部113と表示部115と接続して、操作部113と表示部115の動作を制御する。
【0015】
制御部111は、モバイル110の備える機能の一つである電子メール送受信機能の実行を制御する。電子メールの送信にあたっては、制御部111が操作部113を介してのユーザ入力に従い、モバイル110内の不図示の記憶部に記憶されている電子データを電子メールに添付して送信することができる。なお、本実施例における電子データのことを、画像とも表現する。電子メールの受信にあたっては、制御部111が表示部115を制御して、サーバ120から受信した電子メールの内容を表示部115に表示させることができる。
【0016】
サーバ120は、サーバ120全体の動作制御を司る制御部121、各種データを記憶する不図示の記憶部を有する。
【0017】
この制御部121は、サーバ120内の不図示のCPU、ROM、RAMなどにより構成される。制御部121の実行する処理は、このCPUがROMやサーバ120内の不図示の記憶部に記憶されているプログラムなどをRAMに読み出して実行することで実現される。
【0018】
サーバ120内の不図示の記憶部は、例えばハードディスクドライブなどであり、例えば以降で説明する各フローチャートにおけるサーバ120に関する各処理を、制御部121が実行するためのプログラムを記憶する。また、サーバ120内の不図示の記憶部は、受信する電子データに対して画像処理を実行するためのプログラムを記憶する。
【0019】
制御部121は、WAN130を介して印刷デバイス140と接続されており、電子データの送受信を行う。制御部121は、モバイル110との電子メールの送受信を制御する。また、制御部121は、サーバ120と印刷デバイス140との間での電子データの送受信を実行する。また、制御部121は、画像処理のためのプログラムを実行することによって、モバイル110から受信した電子データに対して画像処理を実行する。なお、本実施例において、モバイル110から受信し、制御部121によって画像処理が施されてサーバ120内の不図示の記憶部に記憶された電子データ(例えば印刷データ)を、モバイル110が送信した画像とも表現する。
【0020】
印刷デバイス140は、印刷デバイス140全体の動作制御を司る制御部141、ユーザインターフェース(UI)である操作部143、画像出力デバイスのプリンタ部145、各種データを記憶する不図示の記憶部を有する。
【0021】
この制御部141は、印刷デバイス140内の不図示のCPU、ROM、RAMなどにより構成される。制御部141の実行する処理は、このCPUがROMや印刷デバイス140内の不図示の記憶部に記憶されているプログラムなどをRAMに読み出して実行することで実現される。
【0022】
印刷デバイス140内の不図示の記憶部は、例えばハードディスクドライブなどであり、例えば以降で説明する各フローチャートにおける印刷デバイス140に関する各処理を、制御部141が実行するためのプログラムを記憶する。
【0023】
制御部141は、操作部143とプリンタ部145と接続して、操作部143とプリンタ部145の動作を制御する。また、印刷デバイス140は、WAN130を介してサーバ120などと接続されており、制御部141は、印刷データなどの電子データや印刷デバイス140のデバイス情報の入出力を、サーバ120との間で実行する。制御部141は、プリンタ部145へ出力する出力画像データに対して、色変換、フィルタ処理、解像度変換等の処理を行う。
【0024】
図2は、本実施例の印刷システムにおける処理のフローチャートである。図2に示されるフローチャートは、ユーザがモバイル110の不図示の記憶部に記憶された印刷すべき電子データを選択指示してから、選択指示された電子データが印刷デバイス140により印刷されるまでの一連の処理フローである。
【0025】
S201では、図3に示される処理フローが実行される。
【0026】
続いてS202では、図5に示される処理フローが実行される。
【0027】
続いてS203では、図6に示される処理フローが実行される。
【0028】
続いてS204では、図7に示される処理フローが実行される。
【0029】
続いてS205では、図8に示される処理フローが実行される。
【0030】
図3を用いて、図2のS201で行われる処理の詳細について説明する。図3は、本実施例のモバイル110が行う処理のフローチャートであり、制御部111によって実行される。図3のフローチャートは、印刷すべき電子データを有するモバイル110が、印刷デバイス140の属するグループのネットワークにプリントサービス検索リクエストを送信する一連の処理フローである。
【0031】
S301においてモバイル110の制御部111は、電子データを、図4(a)に例示される選択画面でのユーザの選択指示に基づいて選択する。図4(a)を用いて、印刷すべき電子データの選択について説明する。
【0032】
まずモバイル110の制御部111は、モバイル110の不図示の記憶部に記憶されている電子データに対応するアイコンをモバイル110の表示部115に一覧表示する。ユーザは、モバイル110の操作部113を介して、表示部115に表示された電子データに対応するアイコンを選択することで、印刷すべき電子データの選択指示を行う。401は一覧表示された電子データに対応するアイコンである。ユーザによる電子データの選択指示の方法としては、操作部113が表示部115と一体となっているタッチパネル式のUIであれば、表示部115に一覧表示されたアイコンを押下することによって、電子データが選択指示される。操作部113が、表示部115に表示されているカーソルを操作するためのキーボードのUIであれば、操作部113を介して、カーソルをアイコンに合わせ、然るべき操作を行うことで、電子データが選択指示される。このようなユーザによる選択指示に基づき、モバイル110の制御部111は印刷すべき電子データを選択する。なお、電子データの選択指示の方法は本発明を限定しない。
【0033】
図3のフローチャートの説明に戻る。S302においてモバイル110の制御部111は、印刷デバイス140の接続するローカルネットワーク131内の、印刷デバイス140の属するグループに対してプリントサービス検索リクエストを送信する。
【0034】
プリントサービス検索リクエストは、プリントサービスを提供している印刷デバイス140をネットワーク上で検索するためのものである。プリントサービスを提供している印刷デバイス140は、プリントサービス検索リクエストに応答し、モバイル110に印刷デバイス140の有する電子メール属性情報を含む各属性の情報(図10参照)を返答する。
【0035】
プリントサービス検索リクエストの送信には、サービス検索プロトコルが用いられる。例えば、マルチキャストDNS(以下、mDNSと称する)を用いる場合、マルチキャストDNSで検索するサービスタイプを“_printer”、“_pdl−datastream”、“_ipp”とすることで実現できる。また、Service Location Protocol(以下、SLPと称する)を用いることによっても実現できる。
【0036】
すなわち、本実施例において、プリントサービス検索リクエストは、サービス検索プロトコルを用いてモバイル110が送信する電子メール属性情報の送信要求であるといえる。
【0037】
なお、本実施例のモバイル110は、ネットワークのアクセスポイントを介して、ネットワークにアクセスする権限のあるモバイルである。このネットワークに対してパスワードなどを用いたアクセス制限が課せられている場合、モバイル110がネットワークへのアクセス権限を持たないと、プリントサービス検索リクエストをこのネットワークに送信することができない。
【0038】
次に図5を用いて、図2のS202で行われる処理の詳細について説明する。図5は本実施例の印刷デバイス140が行う処理のフローチャートであり、制御部141によって実行される。図5のフローチャートは、印刷デバイス140が、印刷すべき電子データを有するモバイル110からプリントサービス検索リクエストを受信した場合、電子メール属性情報などの情報を含んだプリントサービス検索レスポンスをモバイル110へ送信する一連の処理フローである。
【0039】
本実施例の印刷デバイス140は、モバイル110がプリントサービス検索リクエストを送信する際に接続するローカルネットワークに接続している。また、印刷デバイス140は、プリントサービス検索リクエストをモバイル110から受信すると、その応答として電子メール属性情報を含むプリントサービス検索レスポンスをモバイル110へ送信するように構成されている。
【0040】
S501において印刷デバイス140の制御部141は、印刷すべき電子データを有するモバイル110よりプリントサービス検索リクエストを受信する。ここでの制御部141は受信手段に相当する。プリントサービス検索リクエストは、モバイル110の接続するローカルネットワーク内の印刷デバイス140の属するグループに対して、前述のサービス検索プロトコルを用いて送信されるものである。
【0041】
S502において印刷デバイス140の制御部141は、プリントサービス検索リクエストを受信した場合、印刷デバイス140の電子メール属性情報(例えば電子メールアドレス)及び印刷デバイス140の名前属性情報(例えば印刷デバイス名)を含んだプリントサービス検索レスポンスを、モバイル110に送信する。ここでの制御部141は、送信手段に相当する。プリントサービス検索レスポンスに設定される各属性情報は、印刷デバイス140内の不図示の記憶部に記憶されている。プリントサービス検索レスポンスについては、図10を用いて後述する。なお、本実施例においては電子メール属性情報を電子メールアドレスとして説明する。
【0042】
図10を用いて、本実施例の印刷デバイス140が送信するプリントサービス検索レスポンスについて説明する。
【0043】
S502において印刷デバイス140の制御部141が送信する、プリントサービス検索レスポンスに含まれる属性情報の例が図10である。
【0044】
図10の1000は、印刷デバイス140の名前属性情報であり、印刷デバイス140の名前を示す。この名前は印刷デバイス140の管理者が任意で設定できるものである。
【0045】
図10の1001は、印刷デバイス140のPDL属性情報であり、印刷デバイス140が印刷できるデータフォーマットを示す。すなわち、PDL属性情報は、印刷デバイスにおいて処理可能な画像フォーマットを示す情報に相当する。本実施例では、印刷デバイス140がJPEG,TIFFデータフォーマットを印刷できることを示す。
【0046】
図10の1002は、印刷デバイス140のカラー属性情報であり、印刷デバイス140がカラー印刷できるか否かを示す。本実施例では、Trueが設定されているため印刷デバイス140がカラー印刷できることを示す。なお、Falseが設定されている場合、印刷デバイス140はモノクロ印刷しかできない。
【0047】
図10の1003は、両面印刷属性情報であり、印刷デバイス140が両面印刷できるか否かを示す。本実施例では、Falseが設定されているため印刷デバイス140が両面印刷できないことを示す。なお、Trueが設定されている場合、印刷デバイス140は両面印刷できる。
【0048】
図10の1004は、電子メール属性情報であり、印刷デバイス140に割り当てられている電子メールアドレスを示す。図10では、printer_kaihatsu1@xxx.canon.jpが印刷デバイス140に電子メール属性の情報として割り当てられていることを示す。なお、以下で明らかになるように、電子メール属性情報(例えば電子メールアドレス)は、サーバ120を経由して画像を印刷デバイス140へ送信するためにモバイル110が用いる情報である。なお、印刷デバイス140へ送信される画像とは、モバイル110が有している印刷すべき画像のことを指す。以下の説明において、電子メールアドレスと単に言った場合、電子メールアドレスという用語は、この情報のことを示している。
【0049】
次に図6を用いて、図2のS203で行われる処理の詳細について説明する。図6は、本実施例のモバイル110が行う処理のフローチャートであり、制御部111によって実行される。図6のフローチャートは、モバイル110が、プリントサービスを提供している印刷デバイス140から電子メール属性情報を含むプリントサービス検索レスポンスを受信し、電子メール属性情報を用いてモバイル110の有する電子データを送信する一連の処理フローである。
【0050】
S601においてモバイル110の制御部111は、印刷デバイス140からのプリントサービス検索レスポンスを受信する。
【0051】
S602においてモバイル110の制御部111は、プリントサービス検索レスポンスから電子メール属性情報及び名前属性情報などの各属性情報を抽出する。そして、制御部111は、抽出した各属性情報を印刷デバイス140の名前属性情報と関連付けてモバイル110の不図示の記憶部に記憶し、管理する。この電子メール属性情報の管理方法は、モバイル110に備わっているアドレス帳機能を用いたものであっても良い。例えば、モバイル110のアドレス帳機能を用いて各属性情報を管理する場合、印刷デバイス140の名前を検索すると、この印刷デバイス140に対応する電子メールアドレスが表示されるように管理すればよい。
【0052】
S603においてモバイル110の制御部111は、S601にて受信したプリントサービス検索レスポンスに電子メール属性情報を含む印刷デバイス140の名前を、モバイル110の表示部115にリスト表示する(図4(b))。このリスト表示される印刷デバイス140の名前はS602にて抽出された名前属性情報に基づくものであり、複数の印刷デバイス140からプリントサービス検索レスポンスを受信すると複数の印刷デバイス140の名前が表示されうる。ユーザは、リスト表示された印刷デバイス140の名前の中から所望の印刷デバイス140を選択することができる。
【0053】
S604においてモバイル110の制御部111は、ユーザの選択指示に基づき、印刷デバイス140を選択する。なお、印刷デバイス140の選択について、図4(b)を用いて説明する。
【0054】
図4(b)の画面は、モバイル110の表示部115に表示される、印刷デバイス140の選択指示の画面(印刷デバイス選択画面)である。なお、図4(b)の画面は、ユーザが図4(a)の電子データ選択画面において印刷すべき電子データを選択した後に、遷移し表示される。図4(b)の画面を表示する前に、モバイル110の制御部111は図3で説明したプリントサービス検索処理を行う。
【0055】
モバイル110の表示部115は、S603の処理にて検索された印刷デバイスの名前一覧402を表示する。印刷デバイスの名前一覧402に一覧表示された印刷デバイスは、ユーザが操作部113を介して選択指示することが可能である。この選択指示の方法は、S301の電子データの選択指示の方法と同様である。
【0056】
フローチャートの説明に戻る。S605においてモバイル110の制御部111は、選択した印刷デバイス140に対応する電子メール属性情報(例えば電子メールアドレス)を、S602において抽出した各属性情報より読み出す。そして、モバイル110の制御部111は、読みだされた電子メール属性情報である電子メールアドレス宛てに、S301にて選択した電子データ(例えばPDFデータ)を添付した電子メールを送信する。すなわちモバイル110は、電子メール属性情報を用いてモバイル110の有する電子データを送信する。なお、ここでの電子データは、モバイル110が電子メール属性情報を用いて送信した画像とも言う。なお、本実施例において、印刷デバイス140に対応する電子メールアドレスのドメイン部分は共通(例えば、xxx.canon.jp)であり、このドメインを宛先とした電子メールは、サーバ120へと届けられる。
【0057】
次に図7を用いて、図2のS204で行われる処理の詳細について説明する。図7は、本実施例のサーバ120が行う処理のフローチャートであり、制御部121によって実行される。図7のフローチャートは、サーバ120が、S203にて送信された電子データを受信し、必要であれば、受信した電子データを印刷デバイス140が印刷処理できるデータフォーマットのデータに変換する一連の処理フローである。以下で説明するサーバ120は、印刷デバイス140に対応する電子メールアドレスのドメイン宛ての電子メールを受信するメールサーバとして機能している。
【0058】
S701においてサーバ120の制御部121は、印刷デバイス140に対応する電子メールアドレス宛て(印刷デバイス宛て)の電子メールを受信する。
【0059】
S702においてサーバ120の制御部121は、受信した電子メールに添付された電子データを抽出し、サーバ120内の不図示の記憶部に保存する。
【0060】
S703においてサーバ120の制御部121は、S702にて受信した電子データを解析し、電子データのデータフォーマットの変換の要否を判断する。すなわち、制御部121は、印刷デバイス140が、制御部121の受信した電子データのデータフォーマットのまま、この電子データを印刷できるかどうかを判断する。なお、サーバ120は、印刷デバイス140において処理可能なデータフォーマットを記録したテーブルをあらかじめ保持するものとする。本テーブルの生成方法としては、例えば、印刷デバイス140がサーバ120に、該印刷デバイス140において処理可能なデータフォーマットを通知し、サーバ120がそれをテーブルに登録することにより生成する。
【0061】
電子データのデータフォーマットが、印刷デバイス140の印刷できるデータフォーマットでない場合(すなわち、印刷デバイス140において処理可能なデータフォーマットの電子データでない場合)、S704においてサーバ120の制御部121は、電子データのデータフォーマットを、印刷デバイス140において処理可能なデータフォーマットのデータに変換する。そして、変換されたデータを印刷データとしてサーバ120内の不図示の記憶部に記憶する。また、電子データのデータフォーマットが印刷デバイス140において処理可能なデータフォーマットである場合(すなわち、印刷デバイス140において処理可能なデータフォーマットの電子データである場合)、制御部121が受信した電子データを印刷データとしてそのままサーバ120内の不図示の記憶部に記憶し、処理を終了する。本実施例では、印刷デバイス140において処理可能なデータフォーマットのデータは、例えばJPEGデータである。
【0062】
なお、印刷データがサーバ120内の不図示の記憶部に記憶される際、サーバ120の制御部121は、印刷データを、S701において受信した電子メールの宛先である電子メールアドレスと対応づけて記憶する。この電子メールアドレスは印刷デバイス140に対応しているので、電子メールアドレスは、印刷データと該印刷データを受信すべき印刷デバイス140とを対応づけるために用いられる情報として機能する。この印刷データと印刷デバイス140の対応関係は、この対応関係を示すデータ−デバイス対応情報として、制御部121によってサーバ120内の不図示の記憶部に記憶される。
【0063】
次に図8を用いて、図2のS205で行われる処理の詳細について説明する。図8は、本実施例のサーバ120及び印刷デバイス140が実行する処理のフローチャートであり、サーバ120の制御部121および印刷デバイス140の制御部141によって実行される。図8のフローチャートは、印刷デバイス140が図7の一連の処理フローの結果サーバ120内の不図示の記憶部に記憶された印刷データをサーバ120から受信して、受信したデータの印刷を行う一連の処理フローである。
【0064】
S801において印刷デバイス140の制御部141は、サーバ120に印刷データリクエストを送信する。なお、ここでの制御部141は取得手段としても機能する。印刷データリクエストとは、印刷デバイス140がサーバ120に対して送信する、サーバ120の有する印刷データの送信要求のことである。なお、ここでの印刷データを、モバイル110が電子メール属性情報を用いて送信した画像とも言う。
【0065】
印刷データリクエストの送信は、例えば定期的なポーリングによって実現される(図9参照)。すなわち、印刷デバイス140の制御部141は、印刷データリクエストを送信し(S901)、所定の時間間隔であるtime時間、処理を待機し(S902)、再びS901からの処理を繰り返す。本実施例でのポーリングの時間間隔であるtimeは、例えば1分に設定されているものとする。ここでの制御部141は取得手段に相当する。
【0066】
S802おいてサーバ120の制御部121は、印刷デバイス140から印刷データリクエストを受信する。
【0067】
S803においてサーバ120の制御部121は、印刷データリクエストを送信した印刷デバイス140宛ての印刷データがサーバ120内の不図示の記憶部に記憶されているかを確認する。この確認の際、サーバ120の制御部121は、サーバ120内の不図示の記憶部に記憶されているデータ−デバイス対応情報を参照して印刷データの有無を確認する。
【0068】
印刷デバイス140宛ての印刷データが存在する場合、S804においてサーバ120の制御部121は、印刷デバイス140に印刷データを送信する。印刷デバイス140宛ての印刷データが存在しない場合、処理は終了する。
【0069】
印刷デバイス140がサーバ120から印刷データを受信した場合、S805において印刷デバイス140の制御部141は、受信した印刷データの印刷を行う。この印刷の処理において、制御部141は受信した印刷データをレンダリングして、プリンタ部145に中間データ(例えばDisplayListデータ、DLデータ)として送られることで、印刷が行われる。印刷デバイス140が印刷データを受信することを、画像を取得するとも表現する。なお、この画像は、モバイル110が電子メール属性情報(例えば電子メールアドレス)を用いて送信した画像である。
【0070】
以上が、印刷デバイス140の印刷データの受信・印刷の処理のフローである。
【0071】
以上説明した通り、本実施例において、モバイル110は、電子データを印刷する印刷デバイス140に対応する電子メールアドレスを、印刷デバイス140に対して直接問合せて受信する。そのため、モバイル110を扱うユーザは、簡単に電子メールアドレスを得ることできる。また、本実施例は、ユーザによる電子データの選択と連動して、印刷デバイス140の検索と印刷デバイス140に対応する電子メールアドレスの受信を自動的に行うことで、ユーザに煩雑な操作を行わせることなく、電子データの送信が可能となる。
【0072】
なお、本実施例では、電子データを印刷するには、電子データ選択後、プリントサービス検索リクエストを送信して電子メールアドレスを受信する構成をとっているが、本発明はこれに限られない。例えば、一度、印刷デバイスに対応する電子メールアドレスをS202において受信し、モバイル110のアドレス帳などに記憶しておく。そのようにすれば、次に電子データを印刷デバイスで印刷しようとした場合、アドレス帳に記憶されている電子メールアドレスから直接にモバイル110の電子メール送信アプリケーションを利用して、電子データを送信することができる。
【0073】
(実施例2)
実施例1では、モバイル110が電子データのデータフォーマットによらず、電子データを電子メールに添付してサーバ120へ送信していた(図6のS605)。本実施例では、印刷すべき電子データを、モバイル110が電子データのデータフォーマットに応じて、電子メールに添付してサーバ120へ送信するか、印刷デバイス140の属するネットワークを介して直接に印刷デバイス140に送信するかを決定する構成について説明する。本実施例は、電子データのデータフォーマットに応じて、電子データの送信方法を決定することで、高速に印刷処理を行う。なお、本実施例の構成は、特に断りがなければ、実施例1の構成と同様のものである。また、以下の説明において、電子データのデータフォーマットとは、画像の画像フォーマットのことでもある。また、印刷デバイスにおいて処理可能なデータフォーマットとは、印刷デバイスにおいて処理可能な画像フォーマットのことでもある。
【0074】
図11を用いて、本実施例のモバイル110における印刷データの送信処理の詳細について説明する。図11は、本実施例のモバイル110における処理のフローチャートであって、制御部111によって実行される。なお、図11のフローチャートの一連の処理は、実施例1で説明した図6のS605の処理に対応する。
【0075】
S1101においてモバイル110の制御部111は、図6のS604で選択した印刷デバイス140に関し、該印刷デバイス140において処理可能なデータフォーマットを、プリントサービス検索レスポンスに含まれるPDL属性情報から読みだす。例えば、図10の1001に示されるデータフォーマット(JPEG、TIFF)が読みだされる。
【0076】
S1102においてモバイル110の制御部111は、図3のS301で選択した電子データのデータフォーマットがS1101で読み出したデータフォーマットに含まれているかどうか判断する。すなわち、モバイル110の制御部111は、モバイル110の有する印刷すべき電子データが印刷デバイスにおいて処理可能なデータフォーマットのデータであるか否かを判断する。
【0077】
S1102における判断結果がYESである場合、S1103においてモバイル110の制御部111は、選択した電子データを、選択した印刷デバイス140に電子メールアドレスを用いずに直接送信し、処理を終了する。このような一連の処理により、印刷デバイス140は、サーバ120を経由せずに、モバイル110が電子メールアドレスを用いずに送信した電子データを受信する。直接送信する具体的方法としては、例としてLPR(Line PRinter daemon protocol)やIPP(Internet Printing Protocol)などの印刷プロトコルを利用する。この場合、印刷デバイス140は、この電子データを処理可能な印刷データとして受信し、受信したデータを印刷する。
【0078】
S1102における判断結果がNOである場合、S1104においてモバイル110の制御部111は、実施例1で説明した図6のS605の処理と同様に、選択した印刷デバイス140に対応する電子メールアドレス宛てに、電子データを添付した電子メールを送信し、処理を終了する。そして、実施例1で説明したように、S204、S205の処理が実行される。このような一連の処理により、S1104にてモバイル110が電子メールアドレスを用いて送信した電子データは、サーバ120を経由することで図7のS704の処理が施され、印刷デバイス140において処理可能なデータフォーマットのデータへと変換される。そして、印刷デバイスは、変換されたデータを印刷データとして受信し、受信したデータを印刷する。
【0079】
以上説明した本実施例は、印刷すべき電子データのデータフォーマットが印刷デバイス140において処理可能なデータフォーマットであれば、サーバ120経由ではなく、印刷デバイス140の属するネットワークを介して直接に印刷デバイスに送信する。通常、電子メールの送信において利用される通信帯域よりもLANなどのネットワークの方が広い通信帯域を持ち、通信パフォーマンスが高いため、データフォーマット変換の必要がない電子データが直接に印刷デバイス140に送信されることにより、より高速な印刷処理が実現される。また、印刷デバイス140が印刷データリクエストを送信して印刷データを受信するまでの、印刷デバイス140の処理待ちの時間が減少するため、より高速な印刷処理が実現される。
【0080】
(実施例3)
実施例1において、印刷デバイス140は、プリントサービス検索リクエストの受信有無にかかわらず、常に一定間隔で印刷データリクエストをサーバ120へ送信していた。プリントサービス検索リクエストは、ユーザによって印刷すべき電子データ(電子データ)が送信されるであろうことを、印刷デバイス140に通知するものであると考えられる。そこで、本実施例では、プリントサービス検索リクエストの受信と連動して、印刷デバイス140が印刷データリクエストを送信する時間間隔を短くすることで、印刷デバイス140あての印刷データを早く受信し、印刷を高速に行うことを可能にする構成について説明する。なお、本実施例の構成は、特に断りがなければ、実施例1の構成と同様のものである。
【0081】
図12を用いて、印刷デバイス140の行う印刷データリクエストの送信処理(図9参照)のポーリングの時間間隔であるtime時間を短い時間に設定する処理について説明する。図12は、本実施例の印刷デバイス140における処理のフローチャートであって、制御部141によって制御される。
【0082】
S1201において印刷デバイス140の制御部141は、実施例1で説明した図5のS501でプリントサービス検索リクエストが受信されたかどうかを判定する。
【0083】
S1202において印刷デバイス140の制御部141は、S501にてプリントサービス検索リクエストを受信した場合、一定期間、プリントサービス検索リクエストを受信する前よりtimeの値をより小さい値に設定する。すなわち、印刷デバイス140の制御部141は、プリントサービス検索リクエストを受信してから一定期間、印刷デバイス140の行う印刷データリクエストの送信(図9参照)におけるサーバ120へのポーリングの時間間隔を、プリントサービス検索リクエストを受信する前に比べて短くする。なお、S1202にて制御部141がプリントサービス検索リクエストを受信してから一定時間が経過した後、timeの値は変更される前の値に戻される。すなわち、印刷デバイス140の制御部141は、プリントサービス検索リクエストを受信してからの一定期間において、印刷データリクエストの送信に関するサーバ120へのポーリングの時間間隔を短くする。このtimeの値の変更について、例えば、印刷デバイス140の制御部141は、通常時(プリントサービス検索リクエストの受信前)においてtimeを1分間に設定し、プリントサービス検索リクエストを受信した後の一定期間においてtimeを5秒間に設定する。なお、S1201において、プリントサービス検索リクエストが受信されていない場合、timeの値は変更されない。
【0084】
以上説明した本実施例は、プリントサービス検索リクエストを受信した場合に一定期間だけ、印刷デバイス140のサーバ120への印刷データリクエストのポーリング間隔が短くなる。印刷データリクエストのポーリング間隔を短くすることで、印刷デバイス140はサーバ120に保存される印刷データを早く受信でき、印刷の開始を早めることができる。また、本実施例は、常にポーリング間隔を短くするのではなく、プリントサービス検索リクエストを受信した場合に一定期間だけ、ポーリング間隔を短くするため、ポーリングを受け付けるサーバ120の負荷をそれほど増やすことなく、印刷の開始を早電子メールことができる。
【0085】
また、本実施例は、実施例2と組み合わせて実現されても良い。
【0086】
(実施例4)
実施例1において、印刷デバイス140は、サービス検索リクエストを受信すると、電子メール属性情報を含むプリントサービス検索レスポンスをモバイル110に送信する。電子メール属性情報をレスポンスとして送信する印刷デバイスが複数ある場合、モバイル110の表示部115には複数の印刷デバイス140が表示され、ユーザは複数の印刷デバイス140から所望の印刷デバイス140を選択することになる。本実施例では、印刷デバイス140に電子メール属性情報の応答スイッチを設けることで、モバイル110の表示部115に表示される印刷デバイスを選択できるようにし、ユーザが所望の印刷デバイスを選択しやすくする構成について説明する。具体的には、印刷デバイス140が電子メール属性情報の応答スイッチを持ち、ユーザがこの応答スイッチを有効(ON)にすることで、印刷デバイス140は一定期間、プリントサービス検索リクエストの応答として、電子メール属性情報をモバイル110に送信することが許可されるようになる。本実施例では、この応答スイッチは印刷デバイス140の操作部143の不図示の操作ディスプレイ上に表示されるボタン形状のGUIとして説明するが、印刷デバイス140に備えられるハードスイッチであっても良い。また、本実施例の構成は、特に断りがなければ、実施例1の構成と同様のものである。
【0087】
図13を用いて、本実施例の印刷デバイス140の電子メール属性情報の応答スイッチ画面の詳細について説明する。図13は、プリントサービス検索についての設定画面であり、操作部143の操作ディスプレイ上に表示される画面である。
【0088】
本実施例において、通常は、応答スイッチ1301はOFFに設定されている。印刷デバイス140の制御部141は、応答スイッチ1301の設定に基づき、S501においてモバイル110からのプリントサービス検索リクエストを受信しても、S502において電子メール属性情報を含めずにプリントサービス検索レスポンスをモバイル110へ送信する。
【0089】
ユーザは電子データを印刷する印刷デバイス140の応答スイッチ1301をONに設定する。応答スイッチ1301の設定がONに変更されると、印刷デバイス140の制御部141は、応答スイッチ1301がONに設定されてから一定期間(例えば1分間)、プリントサービス検索レスポンスに電子メール属性情報を含めるように設定を変更する。
【0090】
すなわち、応答スイッチ1301は、電子メール属性情報のモバイル110への送信を許可するか否かを設定する設定手段に相当する。応答スイッチ1301がONに設定されていると、電子メール属性情報のモバイル110への送信を許可する許可する旨が設定されることになり、印刷デバイス140の制御部141がプリントサービス検索リクエストを受信すると、電子メール属性情報はモバイル110へ送信される。応答スイッチ1301がOFFに設定されていると、電子メール属性情報のモバイル110への送信を許可しない旨が設定されることになり、印刷デバイス140の制御部141がプリントサービス検索リクエストを受信すると、電子メール属性情報はモバイル110へ送信されない。
【0091】
応答スイッチ1301がONに設定されている期間中に、モバイル110が印刷デバイス140に対してプリントサービス検索リクエストを送信すれば、電子メール属性情報の含まれたプリントサービス検索レスポンスが返答され、そのレスポンスに対応した印刷デバイス140がモバイル110の表示部115に表示される。そしてユーザは表示部115に表示された所望の印刷デバイス140を選択することで電子データのサーバ120への送信が実行される。なお、応答スイッチ1301がONに設定されてから一定期間の経過後、応答スイッチ1301はOFFに自動的に設定される。すなわち、電子メール属性情報の送信を許可する旨が設定されてから一定期間の経過後、応答スイッチ1301は、電子メール属性情報の送信を許可しない旨に設定を変更する。
【0092】
以上説明した本実施例は、ユーザが応答スイッチ1301をONに設定した印刷デバイスだけを表示部115に表示させるため、所望の印刷デバイスを特定しやすくなり、所望の印刷デバイスを選択するユーザの手間を軽減することができる。
【0093】
また、本実施例は、実施例2または3と組み合わせて実現されても、あるいは、実施例2と3を組み合わせたものと組み合わせて実現されても良い。
【0094】
(実施例5)
実施例1において、モバイル110は、電子メールを用いて印刷すべき電子データをサーバ120へ送信する構成であった。本実施例は、モバイル110が電子データをサーバ120に送信するのではなく、印刷デバイス140が電子データを電子メールに添付して送信する構成について説明する。本実施例によって、モバイル110は印刷すべき電子データを印刷デバイスにネットワークを介して直接送信するだけであるため、モバイル110の実行する処理の負荷を軽減することができる。なお、本実施例においても、モバイル110はプリントサービス検索リクエストをネットワークに送信することで、印刷デバイス140の検索を行い、検索された印刷デバイス140を図4(b)のように表示部115に表示する。しかし、本実施例は実施例1とは異なり、モバイル110は、印刷デバイス140からのプリントサービス検索レスポンス中の電子メール属性情報の有無にかかわらず、レスポンスを送信した印刷デバイス140を選択可能なように表示部115に表示する。そして、ユーザは図4(b)のような印刷デバイス140の選択画面にて印刷デバイス140の選択し、モバイル110は印刷デバイス140に電子データを送信する。この電子データの送信において、モバイル110は、図11のS1103で説明した手段によって直接に電子データを印刷デバイス140に送信する。本実施例の構成は、特に断りがなければ、実施例1の構成と同様のものである。
【0095】
図14を用いて、本実施例の印刷デバイス140における印刷データの受信処理の詳細について説明する。図14は、本実施例のモバイル110が送信する電子データを、印刷デバイス140が電子メールに添付して送信する処理のフローチャートである。これらの処理は、モバイル110の制御部111および印刷デバイスの制御部141によって実行される。なお、本実施例において、制御部141は、電子メール送受信機能を有しており、電子メールをサーバ120へ送信することが可能となっている。本実施例は、実施例1の図2で説明したS203の処理を、以下で説明する図14に示されるフローチャートの一連の処理とすることによって実現される。
【0096】
S1401およびS1402の処理は、実施例1で説明した図6のS601およびS602と同様である。
【0097】
S1403においてモバイル110の制御部111は、S603と同様に、S1401にて制御部111が受信したプリントサービス検索レスポンスを送信した印刷デバイスの名前を、モバイル110の表示部115にリスト表示する。
【0098】
S1404においてモバイル110の制御部111は、S604と同様に、ユーザの選択指示に基づき、印刷デバイス140を選択する。
【0099】
S1405においてモバイル110の制御部111は、S605と同様に、選択した印刷デバイス140に、図3のS301にて選択した電子データを送信する。
【0100】
S1406において印刷デバイス140の制御部141は、モバイル110から電子データを受信する。
【0101】
S1407において印刷デバイス140の制御部141は、受信した電子データを印刷デバイス140に対応する電子メールアドレス(つまり、自機に割り当てられている電子メールアドレス)宛ての電子メールに添付して、この電子メールを送信する。これにより、電子データはサーバ120へ送信される。この印刷デバイス140の電子メールの送信処理において、印刷デバイス140は予め自機に割り当てられている電子メールアドレスを記憶しており、その電子メールアドレスを用いて電子メールを送信する。そして印刷デバイス140は図8で説明した印刷データの受信処理を行い、印刷データを受信して印刷を行う。
【0102】
以上説明した本実施例は、モバイル110が印刷デバイス140に電子データを直接送信するだけで印刷が可能となり、簡易にモバイル110の有する電子データを印刷することができる。
【0103】
なお、本実施例では、S1407にて電子メールを用いて電子データを送信したが、本発明はこれに限られない。すなわち、電子データを受信した印刷デバイス140は、電子メール以外の方法(例えばHTTP)を用いることで、電子データを送信しても良い。この場合、制御部141は、送信される電子データが送信元である印刷デバイス140で印刷されることを確かにする情報(例えば、印刷デバイス140に対応する電子メールアドレス)を、該電子データと関連付けて送信することになる。
【0104】
また、本実施例は、実施例3のようにポーリングの間隔を短くする構成または実施例4のようにプリントサービス検索レスポンス内の内容を切り替える構成と組み合わせて実現されても良い。あるいは、実施例3と4のようなそれらの構成を組み合わせたものと組み合わせて、本実施例が実現されても良い
(実施例6)
実施例5において、印刷デバイス140がモバイル110から受信した電子データのデータフォーマットに応じて電子メールに添付して印刷データを送信するか、印刷デバイスでそのまま印刷処理を実行するかを制御する構成について説明する。本実施例の構成は、特に断りがなければ、実施例5の構成と同様のものであり、本実施例は、実施例5で説明した図14のS1407の処理を、以下で説明する図15のフローチャートの一連の処理とすることで実現される。
【0105】
図15を用いて、本実施例の印刷デバイス140における電子データの送信処理の詳細について説明する。図15は、本実施例の印刷デバイス140における処理のフローチャートであって、制御部141によって実行される。
【0106】
S1502において印刷デバイス140の制御部141は、モバイル110から受信した電子データを解析し、該電子データのデータフォーマットが印刷デバイス140にて直接に印刷処理できるデータフォーマットであるか判断する。
【0107】
データフォーマットが印刷デバイス140で印刷処理できるデータフォーマットであるとS1502にて判断される場合、印刷デバイス140の制御部141は、S1503において電子データの印刷処理を実行する。
【0108】
データフォーマットが印刷デバイス140で印刷処理できるデータフォーマットでないとS1502にて判断される場合、印刷デバイス140の制御部141は、S1504において、モバイル110から受信した電子データを添付した電子メールを送信する。この電子メールは、印刷デバイス140に対応する電子メールアドレス(つまり、自機に割り当てられている電子メールアドレス)を宛先としたものである。これにより、電子データはサーバ120へ送信される。この印刷デバイス140の電子メールの送信処理において、印刷デバイス140は予め自機に割り当てられている電子メールアドレスを記憶しており、その電子メールアドレスを用いて電子メールを送信する。そして印刷デバイス140は、図8で説明した印刷データの受信処理を行い、印刷データを受信して印刷を行う。
【0109】
以上説明した本実施例は、実施例5で説明したように、モバイル110が印刷デバイス140に電子データを直接送信するだけで印刷が可能となり、簡易にモバイル110の有する電子データを印刷することができる。さらに、本実施例における印刷デバイス140は、モバイル110から受信した電子データを直接に印刷することが可能な場合、その電子データをサーバ120へ送信することなしに、印刷を開始できるのでより高速な印刷が可能となる。
【0110】
なお、本実施例では、S1504にて電子メールを用いて電子データを送信したが、本発明はこれに限られない。すなわち、電子データを受信した印刷デバイス140は、電子メール以外の方法(例えばHTTP)を用いることで、電子データを送信しても良い。この場合、制御部141は、送信される電子データが送信元である印刷デバイス140で印刷されることを確かにする情報(例えば、印刷デバイス140に対応する電子メールアドレス)を、該電子データと関連付けて送信することになる。
【0111】
また、本実施例は、実施例3のようにポーリングの間隔を短くする構成または実施例4のようにプリントサービス検索レスポンス内の内容を切り替える構成と組み合わせて実現されても良い。あるいは、実施例3と4のようなそれらの構成を組み合わせたものと組み合わせて、本実施例が実現されても良い
(その他の実施例)
上述した実施例において、サーバ120を経由して画像を印刷デバイス140へ送信するためにモバイル110が用いる情報として、印刷デバイス140に対応する電子メールアドレスを例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、印刷デバイス140を一意に特定するためのキーコードとサーバ120に対応する電子メールアドレスをプリントサービス検索レスポンスに含めても良い。そしてモバイル110は、サーバ120に対応する弟子メールアドレス宛に画像(電子データ)とキーコードを送信するようにすればよい。
【0112】
上述した実施例において、本発明に関わる各フローチャートの処理は、モバイル110、サーバ120、印刷デバイス140の各制御部がプログラム(コンピュータプログラム)を実行することで実現するものであっても、ハードウェア回路によって構成された各制御部が実行することで実現するものであっても良い。また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。その処理は、上述した実施例の機能を実現させるソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは各装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置であって、
画像処理装置を経由して画像を当該印刷装置へ送信するために情報処理装置が用いる情報の送信要求を、前記画像を有する前記情報処理装置から受信する受信手段と、
前記受信手段が前記送信要求を受信した場合、前記情報を前記情報処理装置へ送信する送信手段と、
前記情報処理装置が前記情報を用いて送信した画像を取得して、前記取得された画像の印刷を行う印刷手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記情報処理装置の接続するローカルネットワークに接続し、
前記受信手段は、
前記ローカルネットワーク内の当該印刷装置が属するグループに対してサービス検索プロトコルを用いて送信される前記情報の送信要求を、前記画像を有する前記情報処理装置から受信することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷手段は、
前記情報処理装置の有する前記画像が当該印刷装置において処理可能な画像フォーマットの画像でない場合、前記画像処理装置を経由することで当該印刷装置において処理可能な画像フォーマットに変換された、前記情報処理装置が前記情報を用いて送信した前記画像を取得して、前記取得された画像の印刷を行い、
前記情報処理装置の有する前記画像が当該印刷装置において処理可能な画像フォーマットの画像である場合、前記画像処理装置を経由せずに、前記情報処理装置が前記情報を用いずに送信した前記画像を取得して、前記取得された画像の印刷を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記送信手段が送信する前記情報は、当該印刷装置において処理可能な画像フォーマットに関する情報を含むことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記情報処理装置が前記情報を用いて送信した画像を有する前記画像処理装置に対して画像の送信を定期的に要求し、画像を取得する取得手段を有し、
前記印刷手段は、前記取得手段が取得した画像を取得して印刷を行い、
前記取得手段は、
前記受信手段が前記情報の送信要求を受信した場合、前記画像の送信の要求を行う時間間隔を、前記受信手段が前記情報の送信要求を受信する前に行っていた前記画像の送信の要求の時間間隔よりも短くすることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記取得手段は、前記受信手段が前記情報の送信要求を受信してからの一定期間において、前記画像の送信の要求を行う時間間隔を短くすることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記情報の前記情報処理装置への送信を許可するか否かを設定する設定手段を有し、
前記送信手段は、
前記情報の送信を許可する旨が前記設定手段により設定されている場合に前記受信手段が前記情報の送信要求を受信すると、前記情報を前記情報処理装置へ送信し、前記情報の送信を許可しない旨が前記設定手段により設定されている場合に前記受信手段が前記情報の送信要求を受信すると、前記情報を前記情報処理装置へ送信しないことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記設定手段は、前記情報の送信を許可する旨が設定されてから一定期間の経過後、前記設定を、前記情報の送信を許可しない旨に変更することを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記送信手段が送信する前記情報は、当該印刷装置に対応する電子メールアドレスに関する情報を含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項10】
画像処理装置を経由して画像を印刷装置へ送信するために情報処理装置が用いる情報の送信要求を、前記画像を有する前記情報処理装置から受信する受信工程と、
前記受信工程で前記送信要求が受信された場合、前記情報を前記情報処理装置へ送信する送信工程と、
前記情報処理装置が前記情報を用いて送信した画像を取得して、前記取得された画像の印刷を行う印刷工程と、
を有することを特徴とする印刷方法。
【請求項11】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の各手段として、コンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−43429(P2013−43429A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184619(P2011−184619)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】