説明

印刷装置、及び、充填状態切り替え方法

【課題】ヘッドに白インクが充填された状態とクリアインクが充填された状態との切り替えの際に消費されるクリアインクの節約ができる印刷装置の提供。
【解決手段】ヘッドにクリアインクが充填された第二充填状態からヘッドに白インクが充填された第一充填状態への第一切り替えを、選択部を操作してクリアインク用収容体とヘッドとが連通した状態から白インク用収容体とヘッドとが連通した状態へと移行させた後にインクをヘッドから第一所定量消費させることにより実行し、第一充填状態から第二充填状態への第二切り替えを、選択部を操作して白インク用収容体とヘッドとが連通した状態からクリアインク用収容体とヘッドとが連通した状態へと移行させた後にインクをヘッドから第一所定量よりも少ない第二所定量消費させることにより実行するコントローラーと、を有する印刷装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、及び、充填状態切り替え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体に複数色のインクを吐出するためのヘッドを備える印刷装置は既によく知られている。かかる印刷装置としては、紙や布、フィルムなどの各種媒体にインクを吐出して、モノクロ印刷及びカラー印刷の他に、白色印刷(白インクによる印刷)を行うインクジェットプリンターが知られている。
【0003】
また、かかるインクジェットプリンターの中には、当該白インクとヘッドにおける目詰まりを防止するためのクリアインクとが選択的に充填されるヘッドを備えるものがある。そして、このような選択的充填を実現するために、当該インクジェットプリンターには、白インクを収容する白インク用収容体と、クリアインクを収容するクリアインク用収容体と、白インク用収容体及びクリアインク用収容体のいずれかをヘッドに連通させる選択部とが備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−162023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記インクジェットプリンターにおいては、ヘッドに白インクを充填させるために、ヘッドにクリアインクが充填された第二充填状態からヘッドに白インクが充填された第一充填状態への第一切り替えが実施され、ヘッドにクリアインクを充填させるために、第一充填状態から第二充填状態への第二切り替えが実施されることになる。そして、第一切り替えは、選択部を操作してクリアインク用収容体とヘッドとが連通した状態から白インク用収容体とヘッドとが連通した状態へと移行させた後にインクをヘッドから消費させることにより実行され、第二切り替えは、選択部を操作して白インク用収容体とヘッドとが連通した状態からクリアインク用収容体とヘッドとが連通した状態へと移行させた後にインクをヘッドから消費させることにより実行される。
このように、切り替えの際には、ヘッドからインクが消費されることとなり、なるべくインクの消費量が抑えられることが望ましい。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、クリアインクの節約をすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
主たる本発明は、媒体に複数色のインクを吐出するためのヘッドであって、白インクと該ヘッドにおける目詰まりを防止するためのクリアインクとが選択的に充填されるヘッドと、前記白インクを収容する白インク用収容体と、前記クリアインクを収容するクリアインク用収容体と、前記白インク用収容体及び前記クリアインク用収容体のいずれかを前記ヘッドに連通させる選択部と、前記ヘッドに前記クリアインクが充填された第二充填状態から前記ヘッドに前記白インクが充填された第一充填状態への第一切り替えを、前記選択部を操作して前記クリアインク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態から前記白インク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態へと移行させた後にインクを前記ヘッドから第一所定量消費させることにより実行し、前記第一充填状態から前記第二充填状態への第二切り替えを、前記選択部を操作して前記白インク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態から前記クリアインク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態へと移行させた後にインクを前記ヘッドから前記第一所定量よりも少ない第二所定量消費させることにより実行するコントローラーと、を有することを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係るプリンター1のブロック図である。
【図2】プリンター1の概略を示す斜視図である。
【図3】プリンター1の概略を示す斜視図である。
【図4】ヘッド42に形成されたノズル列を示した概念図である。
【図5】図5Aは、ヘッド42の充填室70とインクカートリッジ44を示した概念図である。図5Bは、ヘッド42の充填室70を示した概念図である。
【図6】インク吸引ユニット32を示した概念図である。
【図7】電源がONされた後に、コントローラー60が白切り替えを実行する例を示したフローチャートである。
【図8】電源がOFFされる際に、コントローラー60がクリア切り替えを実行する例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
【0010】
媒体に複数色のインクを吐出するためのヘッドであって、白インクと該ヘッドにおける目詰まりを防止するためのクリアインクとが選択的に充填されるヘッドと、
前記白インクを収容する白インク用収容体と、
前記クリアインクを収容するクリアインク用収容体と、
前記白インク用収容体及び前記クリアインク用収容体のいずれかを前記ヘッドに連通させる選択部と、
前記ヘッドに前記クリアインクが充填された第二充填状態から前記ヘッドに前記白インクが充填された第一充填状態への第一切り替えを、前記選択部を操作して前記クリアインク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態から前記白インク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態へと移行させた後にインクを前記ヘッドから第一所定量消費させることにより実行し、
前記第一充填状態から前記第二充填状態への第二切り替えを、前記選択部を操作して前記白インク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態から前記クリアインク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態へと移行させた後にインクを前記ヘッドから前記第一所定量よりも少ない第二所定量消費させることにより実行するコントローラーと、
を有することを特徴とする印刷装置。
かかる印刷装置によれば、クリアインクの節約をすることが可能となる。
【0011】
媒体に複数色のインクを吐出するためのヘッドであって、白インクと該ヘッドにおける目詰まりを防止するためのクリアインクとが選択的に充填されるヘッドに、前記クリアインクが充填された第二充填状態から、前記ヘッドに前記白インクが充填された第一充填状態への第一切り替えを、
白インク用収容体及びクリアインク用収容体のいずれかを前記ヘッドに連通させる選択部を操作して前記クリアインク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態から前記白インク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態へと移行させた後にインクを前記ヘッドから第一所定量消費させることにより実行することと、
前記第一充填状態から前記第二充填状態への第二切り替えを、前記選択部を操作して前記白インク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態から前記クリアインク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態へと移行させた後にインクを前記ヘッドから前記第一所定量よりも少ない第二所定量消費させることにより実行することと、
を有することを特徴とする充填状態切り替え方法。
かかる充填状態切り替え方法によれば、クリアインクの節約をすることが可能となる。
【0012】
===本実施形態に係るプリンター1について===
先ず、本実施の形態に係るプリンター1の概略について、図1乃至図6を用いて説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る印刷装置の一例としてのインクジェットプリンター(以下、プリンター1ともいう)のブロック図である。図2及び図3は、プリンター1の概略を示す斜視図である。図4は、ヘッド42に形成されたノズル列を示した概念図である。図5Aは、ヘッド42の充填室70とインクカートリッジ44を示した概念図である。図5Bは、ヘッド42の充填室70を示した概念図である。図6は、インク吸引ユニット32を示した概念図である。
【0014】
なお、図2に示すプリンター1と、図3に示すプリンター1とでは、後述するキャリッジ48の位置が異なっている。また、図5A及び図5Bにおいては、図を分かり易くするために、ノズル72、圧力室74、及び、ピエゾ素子78の数が実際の数(360個)より少ない7個であることとして、図が描かれている。また、図6においては、図を分かり易くするために、5つの吸引ポンプ35のうちの一つのみを表している(4つの吸引ポンプ35の記載を省略している)。
【0015】
プリンター1は、例えばロール紙や大型の印刷用紙(これらが、媒体に相当)に対応しており、図2及び図3に示す例においては、当該プリンター1にロール紙Sが備えられている。プリンター1は、図1に示すように、搬送ユニット20、ヘッドユニット40、インク吸引ユニット32、検出器群50、及び、コントローラー60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データ(印刷指令)を受信したプリンター1は、コントローラー60によって各ユニット(搬送ユニット20、ヘッドユニット40等)を制御する。例えば、コントローラー60は、コンピュータ110から印刷データ(印刷指令)を受信し、受信した印刷データ(印刷指令)に基づいて、各ユニットを制御し、ロール紙Sに画像を印刷する。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
【0016】
搬送ユニット20は、ロール紙Sを搬送方向に搬送するためのものである。この搬送ユニット20は、紙送りモータ31と、紙送りモータ31により駆動されロール紙Sを搬送方向(以下、副走査方向とも呼ぶ)へ送るスマップローラー24と、ロール紙Sをセットするためのロール紙ホルダ27と、ロール紙Sを前記スマップローラー24に押圧するための紙押さえローラー29と、ロール紙Sを支持するプラテン26と、を有している。
【0017】
ロール紙Sは、ロール紙ホルダ27にセットされる。ロール紙Sは、紙押さえローラー29によりスマップローラー24に押圧され、スマップローラー24が回転することでプラテン26の表面上を搬送方向へ送られる。
【0018】
ヘッドユニット40は、ロール紙Sにインク(インクとは、水性インク及び油性インクの双方を含む概念である。本実施の形態においては、水性インク)を吐出するためのものである。このヘッドユニット40は、ヘッド42と、該ヘッド42へ供給するためのインクを収容する収容体の一例としてのインクカートリッジ44と、ヘッド42を支持し該ヘッド42を移動方向(以下、主走査方向とも呼ぶ)に移動させるためのキャリッジ48と、キャリッジモータ49と、キャリッジモータ49によって駆動されキャリッジ48を移動させる牽引ベルト46と、キャリッジ48を案内するためのガイドレール47と、を有している。キャリッジ48は、キャリッジモータ49により駆動される牽引ベルト46により牽引されて、ガイドレール47に沿って主走査方向に移動する。そして、キャリッジ48が主走査方向に移動しながらヘッド42がインクを吐出する動作と前述した搬送ユニット20がロール紙Sを送る動作とが繰り返されることにより、ロール紙Sにドットが形成され画像がロール紙Sに印刷される。
【0019】
ここで、本実施の形態に係るプリンター1においては、通常のモノクロ印刷及びカラー印刷の他に、白色印刷(白インクによる印刷)を実行することが可能となっている。すなわち、プリンター1は、印刷モードとして、白色印刷を行う印刷モード(白インクを使用する印刷モード)、モノクロ印刷を行う印刷モード(白インクを使用しない印刷モード)、カラー印刷を行う印刷モード(白インクを使用しない印刷モード)を備えている。
【0020】
そして、本実施の形態に係るプリンター1においては、これらの印刷モードの実現のために、白色印刷用の白インクとモノクロ・カラー印刷用のブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクが用意されている。
【0021】
なお、本実施の形態に係る白インクは、例えば、特開2003−313481号公報に記述されているものである。この白インクは、水性顔料インクであり、この白インクに係る特徴的な事項としては、中空樹脂を備えている点を挙げることができる。中空樹脂が液体インク中に存在する場合には、中空部(空洞)は水分で満たされている。そして、インクが吐出され媒体上に置かれると、中空部(空洞)内の水分が蒸発し、中空部(空洞)は空気で満たされるようになる。そして、この中空部(空洞)のサイズは、可視光を有効に(つまり、インクを白く見せるように)散乱させるように設計されており、したがって、当媒体上に置かれたインクにより形成された画像を見た場合には、当該画像が白く見えることとなる。
【0022】
ヘッド42には、インクが充填される室(以下、便宜上、充填室70と呼ぶ)が5色のインク毎に(色毎に)設けられている。この充填室70は、図5A及び図5Bに示すように、ノズル72、圧力室74、リザーバー76等から構成されている。
【0023】
ノズル72は、ヘッド42の下面に備えられたインクの吐出口であり、図4に示すように、5色のインク毎に(色毎に)、360個ずつ設けられている。すなわち、本実施の形態においては、白インクが吐出されるノズル、シアンインクが吐出されるノズル、マゼンタインクが吐出されるノズル、イエローインクが吐出されるノズル、ブラックインクが吐出されるノズルが、それぞれ360個(合計で、360×5=1800個)備えられている。そして、それぞれの360個のノズルは、副走査方向に沿って列状に並んでおり、ホワイトノズル列W、シアンノズル列C、マゼンタノズル列M、イエローノズル列Y、ブラックノズル列Kを形成している。
【0024】
圧力室74は、図5A及び図5Bに示すように、ノズル72と連通した室である。この圧力室74と隣接する位置には、インクを吐出させるための駆動素子(ピエゾ素子78)が設けられている。そして、印刷が行われる際には、ピエゾ素子78が、ユニット制御回路64から出力される駆動信号に含まれる駆動パルスに基づいて伸縮動作を行う。すると、当該伸縮動作により、圧力室74の容量が変化して、ノズル72からインクが吐出されるようになっている。
【0025】
圧力室74は(ピエゾ素子78も)、ノズル72毎に設けられている。そのため、本実施の形態に係る圧力室74としては、白インク用圧力室、シアンインク用圧力室、マゼンタインク用圧力室、イエローインク用圧力室、ブラックインク用圧力室が、それぞれ360個(合計で、360×5=1800個)備えられている。なお、前述したとおり、図5A及び図5Bにおいては、ノズル72、圧力室74、及び、ピエゾ素子78の数が実際の数(360個)より少ない7個であることとして、図が描かれているが、図5Aには、左から順に、白インクが吐出される#4番ノズルとこれに対応した圧力室74及びピエゾ素子78、シアンインクが吐出される#4番ノズルとこれに対応した圧力室74及びピエゾ素子78、マゼンタインクが吐出される#4番ノズルとこれに対応した圧力室74及びピエゾ素子78、イエローインクが吐出される#4番ノズルとこれに対応した圧力室74及びピエゾ素子78、ブラックインクが吐出される#4番ノズルとこれに対応した圧力室74及びピエゾ素子78が、表されている。また、図5Bには、左から順に、白インクが吐出される#1、#2、#3・・・、#7番ノズルとこれに対応した圧力室74及びピエゾ素子78が、表されている。
【0026】
リザーバー76は、図5A及び図5Bに示すように、圧力室74と供給路75を介して連通した室である。このリザーバー76は、インクを貯留するためのものであり、5色のインク毎に(色毎に)1つずつ設けられている。すなわち、本実施の形態においては、白インク用リザーバー、シアンインク用リザーバー、マゼンタインク用リザーバー、イエローインク用リザーバー、ブラックインク用リザーバーが備えられており、各々のリザーバー76は360個の圧力室74と連通している。なお、図5Aには、左から順に、白インク用リザーバー、シアンインク用リザーバー、マゼンタインク用リザーバー、イエローインク用リザーバー、ブラックインク用リザーバーが表されているが、図5Bには、白インク用リザーバーのみが表されている。
【0027】
このように、ヘッド42には、5色のインク毎に(色毎に)、1つのリザーバー76と360個の圧力室74と360個のノズル72を備える充填室70が設けられている。すなわち、本実施の形態においては、白インクが充填される白インク充填室、シアンインクが充填されるシアンインク充填室、マゼンタインクが充填されるマゼンタインク充填室、イエローインクが充填されるイエローインク充填室、ブラックインクが充填されるブラックインク充填室が備えられている。
【0028】
そして、図5Aに示すように、ヘッド42(より具体的には、ヘッド42のリザーバー76)には、インクカートリッジ44が着脱可能に連結されており、インクカートリッジ44内のインクが充填室70に流入する(供給される)ことにより、充填室70が充填されるようになっている。ここで、図5Aからも明らかなように、シアンインク充填室、マゼンタインク充填室、イエローインク充填室、ブラックインク充填室の各々には、一つのインクカートリッジ44のみ(すなわち、シアンインク用インクカートリッジ、マゼンタインク用インクカートリッジ、イエローインク用インクカートリッジ、ブラックインク用インクカートリッジ)が連結されているのに対し、白インク充填室には、二つのインクカートリッジ44が連結されている。
【0029】
すなわち、本実施の形態においては、白インク充填室に、白インクだけでなくクリアインクも充填することができるようになっている。つまり、本実施の形態に係るプリンター1においては、白インクとクリアインクとが選択的に充填されるヘッド42(具体的には、充填室70)が実現されている。そして、このために、白インク充填室には、二つのインクカートリッジ44、すなわち、白インクが収容された白インク用インクカートリッジ及びクリアインクが収容されたクリアインク用インクカートリッジが、双方のカートリッジのいずれかをヘッド42(具体的には、充填室70)に連通させる選択部の一例としての切り替えスイッチ80を介して連結されており、切り替えスイッチ80により白インク充填室と白インク用インクカートリッジとが連通した際には、白インク充填室に白インクが充填され、白インク充填室とクリアインク用インクカートリッジとが連通した際には、白インク充填室にクリアインクが充填されるようになっている。
【0030】
なお、白インク及びクリアインクの選択的な充填の目的、白インクからクリアインク(クリアインクから白インク)への具体的な切り替え方法や切り替えタイミング例については、後に詳述する。
【0031】
インク吸引ユニット32は、インクを吸引するためのものである。このインク吸引ユニット32は、図2及び図3に示すように、キャリッジ48が主走査方向端部のホームポジションに位置する際に、ヘッド42が対向する位置に設けられている。そして、インク吸引ユニット32は、ヘッド42の吐出不良を解消するためのクリーニング処理や、白インクからクリアインク(クリアインクから白インク)への切り替え処理(切り替え処理の詳細については、後述)の際に、インクを吸引する。インク吸引ユニット32は、図6に示すように、ヘッドキャップ33とホース34と吸引ポンプ35とを備えている。
【0032】
ヘッドキャップ33においては、その内部空間が5つの吸引室33aに区画されている。そして、ヘッドキャップ33が上昇すると、ヘッドキャップ33はヘッド42の下面に密着し、このとき、5つの吸引室33aの各々は前述した5つのノズル列のうちの対応するノズル列を覆う閉塞空間を形成する。すなわち、ヘッドキャップ33は、上昇することにより、ヘッド42の下面(ノズル面)を封止するようになっている。
【0033】
吸引ポンプ35は、その周縁部近傍に2つの小ローラー35aを有しており、これら2つの小ローラー35aの周囲には、ホース34が巻回されている。そして、不図示のモータに駆動されて吸引ポンプ35が矢印方向に回転すると、小ローラー35aによってホース34内の空気が押され、これによってヘッドキャップ33内の閉塞空間において排気がなされるようになっている。そして、当該閉塞空間において排気が成されると、当該閉塞空間が負圧となり、ヘッド42の充填室70(ノズル72)からインクが吸引されることとなる。吸引されたインクはホース34を介して不図示の廃インク排出部に排出される。
【0034】
なお、前記ヘッドキャップ33は、吸引ポンプ35が作動することなく、以下の機能を発揮する。すなわち、プリンター1が印刷を行わないときには(そして、キャリッジ48がホームポジションに位置しているときには)、ヘッドキャップ33は上昇してヘッド42の下面に密着する。そして、このことにより、ノズル72からのインクの蒸発(換言すれば、インクの乾燥)を抑制する。すなわち、ヘッドキャップ33は、印刷休止中にヘッド42の下面(ノズル面)を封止して、インクの蒸発を抑制する蓋体としての機能を発揮する。
【0035】
また、図3に示すように、主走査方向においてインク吸引ユニット32と隣り合う位置(インク吸引ユニット32よりも内側に位置する位置)には、フラッシングボックス37が設けられている。印刷装置(プリンター1)においては、印刷処理の実行中(すなわち、コントローラー60が印刷指令を受けてからプリンター1が待機状態へ移行するまでの間)であって、ヘッド42が画像の印刷のためにインクを吐出する動作を実行していないときに、フラッシングが全てのノズル72(当該画像の印刷のために使われないノズル72も含まれる)を対象として実施される。フラッシングが行われる際には、ヘッド42が前記フラッシングボックス37と対向する位置にキャリッジ48が移動する。そして、この位置にて、前述したピエゾ素子78が、ユニット制御回路64から出力される駆動信号(この駆動信号は、フラッシング用の駆動信号であり、印刷用の駆動信号とは異なる)に含まれる駆動パルスに基づいて伸縮動作を行うと、圧力室74の容量が変化して、ノズル72からインクがフラッシングボックス37に向けて吐出される。フラッシングボックス37に向けて吐出されたインクは不図示の廃インク排出部に排出される。
【0036】
コントローラー60は、プリンター1の制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラー60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、揮発性のメモリであるRAM、不揮発性のメモリであるEEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
【0037】
===白インク及びクリアインクの選択的な充填について===
上述したとおり、本実施の形態においては、充填室70(白インク充填室)に、白インクだけでなくクリアインクも充填することができるようになっている。本項では、かかる事項につき、先ず、その目的について説明する。そして、その後に、白インクからクリアインクへの、及び、クリアインクから白インクへの、具体的な切り替え方法について説明し、これに引き続いて、白インクからクリアインクへの、及び、クリアインクから白インクへの、切り替えタイミングの例について説明する。
【0038】
<<<白インク及びクリアインクの選択的な充填の目的について>>>
ここでは、白インクとクリアインクとを白インク充填室に選択的に充填させるようにした目的について説明する。
【0039】
当該目的は、ヘッド42(白インク充填室)における目詰まりを防止することである。すなわち、白インクとクリアインクとを比較した場合に、当然のことながら、白インクの方が前記目詰まりを生じさせ易いインクであり、したがって、白インクが白インク充填室に充填された状態で長い間放置された場合には、白インクの増粘等が促進されて、ヘッド42(特に、ノズル72)において目詰まりが発生してしまう。そして、このことに鑑みて、本実施の形態においては、電源がOFFされているときに、ヘッド42における目詰まりを防止するためのクリアインクを白インク充填室に充填させるようにしている(詳細については、後述)。
【0040】
<<<インクの切り替え方法について>>>
ここでは、白インクからクリアインクへの切り替え方法(正確には、ヘッド42に白インクが充填された第一充填状態(以下、便宜上、白充填状態とも呼ぶ)からヘッドにクリアインクが充填された第二充填状態(以下、便宜上、クリア充填状態とも呼ぶ)への切り替え(第二切り替えに対応。以下、便宜上、クリア切り替えとも呼ぶ)方法)及びクリアインクから白インクへの切り替え方法(正確には、クリア充填状態から白充填状態への切り替え(第一切り替えに対応。以下、便宜上、白切り替えとも呼ぶ)方法)について説明する。
【0041】
クリア切り替え方法の実行の際には、先ず、コントローラー60が、ヘッドユニット40を制御して、前述した切り替えスイッチ80の切り替えを行う。すなわち、コントローラー60は、当該切り替えスイッチ80を操作して、白インク充填室と白インク用インクカートリッジとが連通した状態(以下、便宜上、白連通状態とも呼ぶ)から白インク充填室とクリアインク用インクカートリッジとが連通した状態(以下、便宜上、クリア連通状態とも呼ぶ)へと移行させる。
【0042】
次に、コントローラー60は、クリア連通状態において、インクをヘッド42から消費させる。より具体的には、コントローラー60は、インク吸引ユニット32を制御して、インクの吸引を実行する。このことにより、白インク充填室に充填されていた白インクが廃インク排出部に排出され、白インクと置き換わるように、クリアインク用インクカートリッジからクリアインクが白インク充填室に充填される。
【0043】
また、白切り替え方法の実行の際にも、先ず、コントローラー60が、ヘッドユニット40を制御して、前述した切り替えスイッチ80の切り替えを行う。すなわち、コントローラー60は、当該切り替えスイッチ80を操作して、クリア連通状態から白連通状態へと移行させる。
【0044】
次に、コントローラー60は、白連通状態において、インクをヘッド42から消費させる。より具体的には、コントローラー60は、インク吸引ユニット32を制御して、インクの吸引を実行する。このことにより、白インク充填室に充填されていたクリアインクが廃インク排出部に排出され、クリアインクと置き換わるように、白インク用インクカートリッジから白インクが白インク充填室に充填される。
【0045】
このように、クリア切り替えと白切り替えは、ヘッドユニット40及びインク吸引ユニット32がコントローラー60により順次制御されて、切り替えスイッチ80の切り替え及びインクの消費(インクの吸引)が順次実行されることにより成される点で共通しているが、以下の点で異なっている。すなわち、コントローラー60は、クリア切り替えが実行される際のインクの消費量(インクの吸引量)と白切り替えが実行される際のインクの消費量(インクの吸引量)とを異ならせている。本実施の形態に係るコントローラー60は、インク吸引ユニット32を制御して、白切り替えの際に3.3グラム分インクが吸引されるようにインクの吸引を実行し、クリア切り替えの際に1グラム分インクが吸引されるようにインクの吸引を実行する。このように、コントローラー60は、切り替えスイッチ80を操作してクリア連通状態から白連通状態へと移行させた後にインクをヘッド42から第一所定量(本実施の形態においては、3.3グラム)吸引することにより、白切り替えを実行する一方で、切り替えスイッチ80を操作して白連通状態からクリア連通状態へと移行させた後にインクをヘッド42から第一所定量よりも少ない第二所定量(本実施の形態においては、1グラム)吸引することにより、クリア切り替えを実行するようになっている。
【0046】
なお、前記第一所定量(3.3グラム)及び第二所定量(1.0グラム)は、以下のようにして決められている。すなわち、第一所定量は、白インク充填室に充填されていたインク(殆どがクリアインク)を吸引することにより、該クリアインクを白インクに完全に置き換わらせるような吸引量(つまり、第一所定量吸引後白インク充填室にクリアインクが残留しないようにする吸引量)である。一方、第二所定量は、白インク充填室に充填されたインク(全てが白インク)を吸引することにより、該白インクをクリアインクに完全には置き換わらせずに、クリアインクの量の方が白インクの量よりも多い状態で双方のインクを白インク充填室に混在させるような吸引量である。また、本実施の形態においては、第一所定量は、白インク充填室に収容可能なインク量よりも多い量であり、第二所定量は、白インク充填室に収容可能なインク量よりも少ない量となっている。
【0047】
なお、クリア切り替えが実行される際のインクの消費量(インクの吸引量)と白切り替えが実行される際のインクの消費量(インクの吸引量)とを異ならせた理由については、後述する。
【0048】
<<<インクの切り替えタイミングについて>>>
次に、クリア切り替え及び白切り替えの切り替えタイミングの例について説明する。上述したとおり、本実施の形態においては、電源がOFFされているときに、白インク充填室の状態をクリア充填状態とする。そのため、概略としては、電源がOFFされると、コントローラー60が、クリア切り替えを実行し、電源ONされた後に、コントローラー60が、白切り替えを実行する(白充填状態に戻す)。
【0049】
以下では、上記について、図7及び図8を用いて、より詳しく説明する。図7は、電源がONされた後に、コントローラー60が白切り替えを実行する例を示したフローチャートである。図8は、電源がOFFされる際に、コントローラー60がクリア切り替えを実行する例を示したフローチャートである。
【0050】
なお、本切り替えが実行されるときのプリンター1の各種動作は、主としてコントローラー60により実現される。特に、本実施の形態においては、メモリ63に格納されたプログラムをCPU62が処理することにより実現される。そして、このプログラムは、以下に説明する各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0051】
先ず、電源がONされた後に、コントローラー60が白切り替えを実行する例について説明する。図7のフローチャートは、電源がユーザによりONされることから始まる(ステップS2)。なお、前述したとおり、本実施の形態においては、電源がOFFされているときにクリアインクが白インク充填室に充填されている(前記クリア充填状態となっている)。そして、電源がONされる際には、白切り替えは実行されず、当該クリア充填状態が維持される。
【0052】
電源がONされるとプリンター1は印刷を待機している待機状態となるが(ステップS4:N)、かかる状態においても、白切り替えは実行されず、クリア充填状態が維持される。
【0053】
そして、暫くすると、プリンター1(コントローラー60)はコンピュータ110から印刷指令を受信する(ステップS4:Y)。そして、この電源ON後の最初の印刷指令の受信の際に、コントローラー60は、当該印刷指令が白インクを使用する印刷モード(すなわち、白色印刷を行う印刷モード。以下、白使用モードと省略する)及び白インクを使用しない印刷モード(すなわち、モノクロ印刷やカラー印刷を行う印刷モード。以下、白不使用モードと省略する)のうちのどちらを示しているかをチェックする(ステップS6)。そして、当該印刷指令が白使用モードを示していた場合には(ステップS6:Y)、コントローラー60は白切り替え(つまり、切り替えスイッチ操作後3.3グラムインク吸引)を実行し(ステップS8)、当該印刷指令が白不使用モードを示していた場合には(ステップS6:N)、コントローラー60は白切り替えを実行することなくクリア充填状態を維持させる。
【0054】
また、電源ON後の最初の印刷指令の受信の際に、印刷モードの前記チェックが行われて白切り替えが実行されなかった場合には(ステップS6:N)、電源がONされた後二度目以降の印刷指令が受信されて白使用モードがチェックされるまで(ステップS6:Y)、コントローラー60は白切り替えを実行することなくクリア充填状態を維持させる。すなわち、コントローラー60は、クリア充填状態が維持されている状態で、電源がONされた後二度目以降の印刷指令を受信した際にも(ステップS4:Y)、印刷モードの前記チェックを行う(ステップS6)。そして、コントローラー60は、該二度目以降の印刷指令が白使用モードを示している場合には(ステップS6:Y)、白切り替えを実行するが(ステップS8)、該二度目以降の印刷指令が白不使用モードを示している場合には(ステップS6:N)、白切り替えを実行することなくクリア充填状態を維持させる。
【0055】
次に、電源がOFFされる際に、コントローラー60がクリア切り替えを実行する例について説明する。図8のフローチャートは、電源がユーザによりOFFされることから始まる(ステップS12)。なお、前述したとおり(また、図7に示されるように)、電源がONされている際(電力がプリンター1に供給されている間)には、白インク充填室の状態は、クリア充填状態と白充填状態の双方を取り得る。そのため、電源がOFFされる直前においては、クリア充填状態と白充填状態の双方の可能性がある。
【0056】
コントローラー60は、電源OFF指令を受信すると、白インク充填室の状態がクリア充填状態及び白充填状態のいずれであるかをチェックする(ステップS14。例えば、クリア切り替え及び白切り替えの履歴をメモリ63に記憶するようにすれば、履歴がメモリ63から参照されることにより、このチェックが実現可能となる)。そして、クリア充填状態である場合には(ステップS14:N)、コントローラー60は何も行わないが、白充填状態である場合には(ステップS14:Y)、クリア切り替え(つまり、切り替えスイッチ操作後1グラムインク吸引)を実行する(ステップS16)。
【0057】
===本実施の形態に係るプリンター1の有効性について===
上述したとおり、本実施の形態においては、コントローラー60が、切り替えスイッチ80を操作してクリア連通状態から白連通状態へと移行させた後にインクをヘッド42から第一所定量(3.3グラム)吸引する(消費させる)ことにより、白切り替えを実行する一方で、切り替えスイッチ80を操作して白連通状態からクリア連通状態へと移行させた後にインクをヘッド42から第一所定量よりも少ない第二所定量(1グラム)吸引する(消費させる)ことにより、クリア切り替えを実行する。すなわち、コントローラー60は、白切り替えの際のインク吸引量よりもクリア切り替えの際のインク吸引量を少なくしている。そして、このことにより、クリアインクの節約をすることが可能となる。
【0058】
従来例(比較例)においては、白切り替えの際のインク吸引量とクリア切り替えの際の吸引量との間には、特に差を設けておらず、双方の切り替えにおいて、ヘッド42内の白インクがクリアインクに(クリアインクが白インクに)確実に(完全に)切り替わるように、吸引量が決められていた(例えば、3.3グラムに決められていた)。
【0059】
これに対し、本実施の形態においては、次の事項に着目して、白切り替えの際のインク吸引量よりもクリア切り替えの際のインク吸引量を少なくした。すなわち、白切り替えをする目的は白色印刷を行うためであり、したがって、白色印刷により得られる画像の画質の劣化を防止することを考慮すると白切り替えの際にはクリアインクを白インクに確実に(完全に)切り替える必要がある(すなわち、白切り替え後にクリアインクが残留していることは画質の点から好ましくない)。一方で、クリア切り替えをする目的はヘッドにおける目詰まりを防止するためであり、したがって、クリア切り替えの際には白インクをクリアインクに確実に(完全に)切り替える必要性は必ずしもない(多少、白インクが残留していても、クリアインクによる目詰まり防止機能は十分に発揮される)。そして、本実施の形態においては、かかる観点に基づいて、クリア切り替えの際のインク吸引量を白切り替えの際のインク吸引量よりも少なくし、クリアインクの節約を可能としている。
【0060】
===その他の実施の形態===
上記の実施の形態は、主として印刷装置について記載されているが、充填状態切り替え方法等の開示も含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0061】
また、上記実施の形態においては、印刷装置をインクジェットプリンターに具体化したが、この限りではなく、本発明は他の印刷装置に適用することもできる。
【0062】
また、上記実施の形態に係るインク切り替え方法においては、切り替えスイッチ80の切り替え後に、インク吸引を実行することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、切り替えスイッチ80の切り替え後に、インク吸引に代えて前述したフラッシングを行ってもよいし、フラッシングとインク吸引の双方を行うようにしてもよい。すなわち、インクをヘッド42から消費させることの例示として、インク吸引を実行する例を挙げたが、これに限定されるものではなく、フラッシングの実行やフラッシングとインク吸引の双方の実行であってもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 プリンター、20 搬送ユニット、24 スマップローラー、26 プラテン、27 ロール紙ホルダ、29 紙押さえローラー、31 紙送りモータ、32 インク吸引ユニット、33 ヘッドキャップ、33a 吸引室、34 ホース、35 吸引ポンプ、35a 小ローラー、37 フラッシングボックス、40 ヘッドユニット、42 ヘッド、44 インクカートリッジ、46 牽引ベルト、47 ガイドレール、48 キャリッジ、49 キャリッジモータ、50 検出器群、60 コントローラー、61 インターフェース部、62 CPU、63 メモリ、64 ユニット制御回路、70 充填室、72 ノズル、74 圧力室、75 供給路、76 リザーバー、78 ピエゾ素子、80 切り替えスイッチ、110 コンピュータ、S ロール紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に複数色のインクを吐出するためのヘッドであって、白インクと該ヘッドにおける目詰まりを防止するためのクリアインクとが選択的に充填されるヘッドと、
前記白インクを収容する白インク用収容体と、
前記クリアインクを収容するクリアインク用収容体と、
前記白インク用収容体及び前記クリアインク用収容体のいずれかを前記ヘッドに連通させる選択部と、
前記ヘッドに前記クリアインクが充填された第二充填状態から前記ヘッドに前記白インクが充填された第一充填状態への第一切り替えを、前記選択部を操作して前記クリアインク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態から前記白インク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態へと移行させた後にインクを前記ヘッドから第一所定量消費させることにより実行し、
前記第一充填状態から前記第二充填状態への第二切り替えを、前記選択部を操作して前記白インク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態から前記クリアインク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態へと移行させた後にインクを前記ヘッドから前記第一所定量よりも少ない第二所定量消費させることにより実行するコントローラーと、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
媒体に複数色のインクを吐出するためのヘッドであって、白インクと該ヘッドにおける目詰まりを防止するためのクリアインクとが選択的に充填されるヘッドに、前記クリアインクが充填された第二充填状態から、前記ヘッドに前記白インクが充填された第一充填状態への第一切り替えを、
白インク用収容体及びクリアインク用収容体のいずれかを前記ヘッドに連通させる選択部を操作して前記クリアインク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態から前記白インク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態へと移行させた後にインクを前記ヘッドから第一所定量消費させることにより実行することと、
前記第一充填状態から前記第二充填状態への第二切り替えを、前記選択部を操作して前記白インク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態から前記クリアインク用収容体と前記ヘッドとが連通した状態へと移行させた後にインクを前記ヘッドから前記第一所定量よりも少ない第二所定量消費させることにより実行することと、
を有することを特徴とする充填状態切り替え方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−280182(P2010−280182A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−136601(P2009−136601)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】