説明

印刷装置、及び、印刷制御装置

【課題】ユーザにとって利便性の高い印刷装置、及び、印刷制御装置を実現することにある。
【解決手段】ロール紙に印刷を行う印刷装置であって、ロール紙を装着するための装着部と、該装着部に装着されたロール紙に印刷するための印刷ヘッドと、該印刷ヘッドを用いて、前記印刷装置に関する情報を前記装着部に装着されたロール紙に印刷するためのコントローラと、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、及び、印刷制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロール紙を装着するための装着部と印刷ヘッドとを備えた印刷装置は既によく知られている。かかる印刷装置は、当該印刷ヘッドを用いて前記装着部に装着されたロール紙に印刷を行う。
【特許文献1】特開平11−91091号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ロール紙を使い切る前に、ユーザが印刷装置に装着されているロール紙を印刷装置から取り外す場合がある。一例を挙げると、ユーザが、他の紙種のロール紙に印刷を行うために、印刷装置に装着されているロール紙を当該他の紙種のロール紙と交換する場合に、かかる状況が生じうる。
そして、ユーザが取り外されたロール紙をある一定の期間使用しない場合には、ユーザは当該ロール紙を保管することになるが、ユーザが当該ロール紙を再度使用する際に、以下の不都合が生ずる可能性がある。
すなわち、ユーザが、当該ロール紙をどの印刷装置に装着すべきか戸惑う可能性がある。例えば、当該ロール紙がどの印刷装置に装着されていたかをユーザが忘れてしまった場合や、当該ロール紙を取り外したユーザと当該ロール紙を再度使用しようとしているユーザとが異なる場合に、かかる状況が生じうる。
【0004】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザにとって利便性の高い印刷装置、及び、印刷制御装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
主たる本発明は、ロール紙に印刷を行う印刷装置であって、ロール紙を装着するための装着部と、該装着部に装着されたロール紙に印刷するための印刷ヘッドと、該印刷ヘッドを用いて、前記印刷装置に関する情報を前記装着部に装着されたロール紙に印刷するためのコントローラと、を有することを特徴とする印刷装置である。
【0006】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
【0008】
ロール紙に印刷を行う印刷装置であって、ロール紙を装着するための装着部と、該装着部に装着されたロール紙に印刷するための印刷ヘッドと、該印刷ヘッドを用いて、前記印刷装置に関する情報を前記装着部に装着されたロール紙に印刷するためのコントローラと、を有することを特徴とする印刷装置。
このようにすれば、ユーザにとって利便性の高い印刷装置を実現することが可能となる。
【0009】
また、前記印刷装置に関する情報は、前記印刷装置の機種名であることとしてもよい。
ユーザが、使い切る前のロール紙を印刷装置から取り外す際に、ロール紙に印刷装置の機種名を印刷しておけば、ユーザは、当該ロール紙を再度使用する際に、当該機種名を参照することにより、ロール紙をどの印刷装置に装着すべきか把握することができる。したがって、かかる場合には、ユーザにとって利便性の高い印刷装置が実現されることとなる。
【0010】
また、前記印刷装置に関する情報は、前記印刷装置の供給者情報であることとしてもよい。
ユーザが、使い切る前のロール紙を印刷装置から取り外す際に、ロール紙に印刷装置の供給者情報を印刷しておけば、ユーザは、当該ロール紙を再度使用する際に、当該供給者情報を参照することにより、ロール紙をどの印刷装置に装着すべきか把握することができる。したがって、かかる場合には、ユーザにとって利便性の高い印刷装置が実現されることとなる。
【0011】
また、前記印刷装置に関する情報は、前記印刷装置を個々に特定するID情報であることとしてもよい。
ユーザが、使い切る前のロール紙を印刷装置から取り外す際に、ロール紙に印刷装置のID情報を印刷しておけば、ユーザは、当該ロール紙を再度使用する際に、当該ID情報を参照することにより、ロール紙をどの印刷装置に装着すべきか把握することができる。したがって、かかる場合には、ユーザにとって利便性の高い印刷装置が実現されることとなる。
【0012】
また、前記コントローラは、前記装着部に装着されたロール紙に関する情報を該ロール紙に印刷することとしてもよい。
かかる場合には、当該ロール紙を印刷装置に装着して使用することが妥当かどうかを、ロール紙に関する情報を参照することにより判断することができる。
【0013】
また、前記ロール紙に関する情報は、該ロール紙を初めて装着した日付を示す情報であることとしてもよい。
かかる場合には、当該日付を参照して、当該ロール紙がどれくらい古いものであるかを把握した上で、ロール紙を使用すべきかどうか判断することが可能となる。
【0014】
また、前記コントローラは、ロール紙に画像を印刷することにより発生するランニングコスト、を示す情報を、前記装着部に装着されたロール紙に印刷することとしてもよい。
かかる場合には、ランニングコストを把握したいというユーザの要請、に応えることが可能となる。
【0015】
また、前記コントローラは、該印刷装置の使用環境を示す情報を、前記装着部に装着されたロール紙に印刷することとしてもよい。
かかる場合には、当該使用環境を示す情報を参照して、印刷装置の不具合発生時に不具合の発生要因を切り分けることができる。
【0016】
また、前記装着部に装着されたロール紙を切断するための切断部材を有し、前記コントローラは、前記情報を印刷した後に、前記切断部材による前記ロール紙の切断を行わないこととしてもよい。
かかる場合には、ユーザがロール紙を再度使用する際に、前記情報がユーザによって確実に参照される。
【0017】
また、情報印刷指令の入力をユーザから受け付けるための入力受け付け部を有し、該入力受け付け部にて前記情報印刷指令が入力された際に、前記コントローラが前記情報を印刷することとしてもよい。
かかる場合には、ユーザが、任意のタイミングで、印刷装置に情報を印刷させることができる。
【0018】
また、前記コントローラは、前記情報をバーコード化して印刷することとしてもよい。
かかる場合には、当該情報をより有効に利用することができる。
【0019】
また、バーコード化された前記情報を読み取るための読み取り部材を有することとしてもよい。
かかる場合には、当該情報をより一層有効に利用することができる。
【0020】
また、ロール紙に印刷を行う印刷装置であって、ロール紙を装着するための装着部と、該装着部に装着されたロール紙に印刷するための印刷ヘッドと、該印刷ヘッドを用いて、前記印刷装置に関する情報を前記装着部に装着されたロール紙に印刷するためのコントローラと、を有し、前記印刷装置に関する情報は、前記印刷装置の機種名であり、前記印刷装置に関する情報は、前記印刷装置の供給者情報であり、前記印刷装置に関する情報は、前記印刷装置を個々に特定するID情報であり、前記コントローラは、前記装着部に装着されたロール紙に関する情報を該ロール紙に印刷し、前記ロール紙に関する情報は、該ロール紙を初めて装着した日付を示す情報であり、前記コントローラは、ロール紙に画像を印刷することにより発生するランニングコスト、を示す情報を、前記装着部に装着されたロール紙に印刷し、前記コントローラは、該印刷装置の使用環境を示す情報を、前記装着部に装着されたロール紙に印刷し、情報印刷指令の入力をユーザから受け付けるための入力受け付け部を有し、該入力受け付け部にて前記情報印刷指令が入力された際に、前記コントローラが前記情報を印刷し、前記コントローラは、前記情報をバーコード化して印刷し、バーコード化された前記情報を読み取るための読み取り部材を有することを特徴とする印刷装置も実現可能である。
このようにすれば、既述の殆どの効果を奏するため、本発明の目的がより有効に達成される。
【0021】
また、ロール紙に印刷を行う印刷制御装置であって、ロール紙を装着するための装着部と、該装着部に装着されたロール紙に印刷するための印刷ヘッドと、該印刷ヘッドを用いて、前記印刷制御装置に関する情報を前記装着部に装着されたロール紙に印刷するためのコントローラと、を有することを特徴とする印刷制御装置も実現可能である。
このようにすれば、ユーザにとって利便性の高い印刷制御装置を実現することが可能となる。
【0022】
また、情報印刷指令の入力をユーザから受け付けるための入力受け付け部を有し、該入力受け付け部にて前記情報印刷指令が入力された際に、前記コントローラが前記情報を印刷することとしてもよい。
かかる場合には、ユーザが、コンピュータが置かれている机上で、情報印刷指令の入力を実行可能な印刷制御装置が実現される。
【0023】
===印刷制御装置の構成例===
先ず、本実施の形態に係る印刷制御装置について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、印刷制御装置700の外観構成を示した説明図である。図2は、図1に示した印刷制御装置700の構成の一部を示すブロック図である。
【0024】
この印刷制御装置700は、印刷装置の一例としてのインクジェットプリンタ(以下、プリンタともいう)10と、当該プリンタ10と通信可能なコンピュータ702と、を備えている。また、コンピュータ702は、コンピュータ本体703と、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)、液晶表示装置、プラズマディスプレイ等の表示装置704と、キーボード708A、マウス708B等の入力装置708と、FD(フレキシブルドライブ)装置710A、CD−ROMドライブ装置710B、MO(Magneto Optical)ディスクドライブ装置(不図示)、DVD(Digital Versatile Disk)装置(不図示)等の読取装置710と、RAM等の内部メモリ(不図示)と、ハードディスクドライブユニット等の外部メモリ(不図示)と、を備えている。
【0025】
プリンタ10は、紙、布、フィルム等の媒体に印刷画像を印刷する印刷装置である。本実施の形態に係るプリンタ10は、ロール紙1が着脱可能となるように構成されており、プリンタ10は、当該プリンタ10に装着されたロール紙1に印刷画像を印刷する。なお、図1には、印刷制御装置700と共に、プリンタ10に着脱可能なロール紙1も示されている。
【0026】
コンピュータ702は、プリンタ10と電気的に接続されており、オペレーティングシステムと、当該オペレーティングシステムの下で動作するアプリケーションプログラム795、及び、プリンタドライバ796と、を有している。プリンタドライバ796には、画像処理部797と、表示インターフェース部801と、入力インターフェース部803と、ユーザインターフェース処理部805と、が備えられている。
【0027】
アプリケーションプログラム795は、プリンタ10に印刷を実施させるためのコンピュータ702上のプログラムである。アプリケーションプログラム795からの印刷実行命令により、アプリケーションプログラム上の画像データADが、プリンタドライバ796へ送られる。
【0028】
画像処理部797は、アプリケーションプログラム795により解釈され得る前記画像データADを受け取り、プリンタ10により解釈され得る印刷データPDに変換し、変換された印刷データPDを、各種制御信号COMと共にプリンタ10に送出する機能を有している。すなわち、プリンタドライバ796の画像処理部797は、上述した画像処理を行った後に、プリンタ10に対し、印刷の実行を指示する。当該機能を実現するために、画像処理部797は、例えば、解像度の変換や、色成分の変換等を実施する。
【0029】
表示インターフェース部801は、プリンタ10に関連する種々のユーザインターフェースウィンドウを表示装置704に表示する機能を有している。また、入力インターフェース部803は、ユーザが前記ユーザインターフェースウィンドウ上で入力装置708によって入力した入力情報、を受け取る機能を有している。
【0030】
ユーザインターフェース処理部805は、表示インターフェース部801又は入力インターフェース部803と、プリンタ10間のインターフェースを取る機能を有している。例えば、ユーザインターフェース処理部805は、入力インターフェース部803から前記入力情報を受け取って、当該入力情報を解釈する。そして、プリンタ10や画像処理部797へ各種制御信号COMを送出する。また、プリンタ10から受け取った各種制御信号COMを解釈して、表示インターフェース部801へ表示に係る情報を送出する。
【0031】
なお、コンピュータ702が備えるプリンタドライバ796は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。また、このようなコンピュータプログラムを、インターネットを介してコンピュータ702にダウンロードすることも可能である。
【0032】
なお、以上の説明においては、プリンタ10が、コンピュータ本体703、表示装置704、入力装置708、読取装置710、内部メモリ、外部メモリを備えたコンピュータ702、と電気的に接続されて印刷制御装置700が構成されている例について説明したが、プリンタ10に、コンピュータ本体703、表示装置704、入力装置708、読取装置710、内部メモリ、外部メモリがそれぞれ有する機能又は機構の一部を持たせてもよい。例えば、プリンタ10が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部を有する構成としてもよい。
【0033】
したがって、「印刷制御装置」とは、狭義には、プリンタ10とコンピュータ702とを含むコンピュータシステムを意味するが、広義には、コンピュータ702に係る前記機能又は機構、を備えたプリンタ10等の印刷装置をも意味する。
【0034】
===印刷装置の構成例===
次に、印刷装置の一例としてのプリンタ10について、図3乃至図5を参照しながら説明する。図3は、プリンタ10の外観構成を示した説明図である。図4は、プリンタの構成を示したブロック図である。図5は、プリンタ10の構成要素の一部を模式的に表した模式図である。なお、図3においては、後述するホルダー14aの構成を明示するために、ロール紙装着ユニット14が、プリンタ10の筐体12及びロール紙1から取り外された状態にて、示されている。
【0035】
<<<プリンタ10の外観構成について>>>
先ず、プリンタ10の外観構成について、図3を用いて説明する。このプリンタ10は、筐体12と、装着部の一例としてのロール紙装着ユニット14と、給紙部16と、排紙部18と、入力受け付け部の一例としての操作パネル20と、を有している。
【0036】
筐体12は、プリンタ10の種々の構成要素を中に収める箱である。
ロール紙装着ユニット14は、ロール紙1を装着するためのものであり、装着されたロール紙1を保持する。ロール紙1は、芯材3と、芯材3の外周に巻き付けられた印刷用紙と、を備えている。なお、「ロール紙」とは、芯材3と芯材3の外周に巻き付けられた印刷用紙とを併せたものを意味するが、狭義には、当該印刷用紙のみをも意味する。
ロール紙装着ユニット14には、ホルダー14aが設けられている。当該ホルダー14aは、プリンタ10の背面の両側に対をなすように配置され、双方によりロール紙1を挟むようにしてロール紙1を保持する。なお、ロール紙装着ユニット14には、ロール紙1がロール紙装着ユニット14に装着されたことを検知するための装着検知センサ(不図示)も備えられている。
給紙部16は、プリンタ10の背面に設けられた、ロール紙1の筐体12内への挿入口である。排紙部18は、プリンタ10の前面に設けられた、ロール紙1の筐体12外への排出口である。すなわち、プリンタ10は、背面から挿入されたロール紙1を前面から排出する構成を備えている。なお、プリンタ10には、当該プリンタ10の不使用時に排紙部18を塞ぐ排紙トレー19、も設けられている。
操作パネル20は、プリンタ10の前面に設けられており、操作ボタン20aと、液晶表示部20bとを備えている。ユーザは、液晶表示部20bに表示された情報(メニュー画面等)を参照しながら操作ボタン20aを操作することによって、プリンタ10に対し種々の指令を与えることができる。
【0037】
<<<プリンタ10の内部構成について>>>
次に、プリンタ10の内部構成について、図4及び図5を用いて説明する。
プリンタ10は、カラー画像を印刷可能であり、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の色インクをロール紙1に吐出してドットを形成することによって印刷画像を形成する。なお、色インクとして、上記4色に加えて、ライトシアン(淡いシアン、LC)、ライトマゼンタ(淡いマゼンタ、LM)、ダークイエロー(暗いイエロー、DY)、ライトブラック(淡いブラック、LK)等を用いても良い。
【0038】
このプリンタ10は、搬送ユニット25と、キャリッジユニット30と、ヘッドユニット35と、カッターユニット40と、検出器群45と、タイマー50と、コントローラ60と、を有している。
【0039】
搬送ユニット25は、ロール紙1を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の搬送方向に所定の搬送量でロール紙1を搬送させるためのものである。搬送ユニット25は、ロール紙1の給紙、搬送、排紙等を行うための複数のローラや、これらのローラに回転力を与えるモータや、印刷中にロール紙1を支持するためのプラテン等を有している(図5には、これらの構成要素の一部、すなわち、搬送ローラ26、排紙ローラ27、及び、プラテン28、が示されている)。
【0040】
キャリッジユニット30は、印刷ヘッド36(図5)を所定の移動方向(図5において、紙面を貫く方向)に移動させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31(図5)や当該キャリッジ31を移動させるためのキャリッジモータ等を有している。キャリッジ31には印刷ヘッド36が搭載されており、当該キャリッジ31は前記移動方向に往復移動可能である。これにより、印刷ヘッド36が当該移動方向に沿って移動する。さらに、キャリッジ31には、読み取り部材の一例としてのバーコードリーダー47(図5)が搭載されており、当該バーコードリーダー47も、キャリッジ31の移動に伴って前記移動方向に移動する。なお、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。
【0041】
ヘッドユニット35は、ロール紙1にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット35は、印刷ヘッド36等を有している。印刷ヘッド36は、インク吐出部であるノズルを複数有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。この印刷ヘッド36は、キャリッジ31に設けられている。そのため、キャリッジ31が前記移動方向に移動すると、印刷ヘッド36も当該移動方向に移動する。そして、印刷ヘッド36が移動中にインクを断続的に吐出することによって、前記移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)がロール紙1に形成される。
【0042】
カッターユニット40は、ロール紙1を切断して、ロール紙1の印刷部分を切り離すためのものである。カッターユニット40は、切断部材の一例としての、回転刃を有するカッター41(図5)と、回転刃を回転させたり、カッター41をキャリッジ31の移動方向に沿った方向に移動させたりするためのモータ等を有している。回転刃が回転している状態でカッター41が前記方向に移動するとロール紙1が切断される。
【0043】
検出器群45には、前述したバーコードリーダー47、装着検知センサの他に、リニア式エンコーダ、ロータリー式エンコーダ、温湿度計等が含まれている。リニア式エンコーダは、キャリッジ31の移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダは、搬送ローラ26の回転量を検出するためのものである。温湿度計は、プリンタ10内の温度や湿度を検出するためのものである。
タイマー50は、現在の日付、時刻を得るための時計である。
【0044】
コントローラ60は、プリンタ10の制御を行うためのものである。コントローラ60は、図4に示すように、インターフェース部62と、イメージバッファ64と、CPU66と、メモリ68と、ユニット制御回路70と、を有している。インターフェース部62は、コンピュータ702との間でデータや信号の送受信を行うためのものである。イメージバッファ64は、印刷データPDを格納するためのものである。CPU66は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ68は、プログラムや各種情報を格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等を有する。ユニット制御回路70は、各ユニット(搬送ユニット25、キャリッジユニット30、ヘッドユニット35、カッターユニット40)を制御するためのものである。
【0045】
コントローラ60が、コンピュータ702から印刷データPD及び制御信号COMをインターフェース部62で受信すると、印刷データPDは、イメージバッファ64に格納される。CPU66は、当該制御信号COMに基づいて、イメージバッファ64から印刷データPDを読み出しつつ各ユニット(搬送ユニット25、キャリッジユニット30、ヘッドユニット35、カッターユニット40)を、ユニット制御回路70を介して制御する。このようにして、コントローラ60は、ロール紙1に印刷画像を印刷し、ロール紙1の、印刷画像が印刷された部分、を適宜切り離す。なお、プリンタ10内の状況は検出器群45によって監視されており、検出器群45は、検出結果をコントローラ60に出力する。検出器群45から検出結果を受けたコントローラ60は、その検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
【0046】
また、本実施の形態に係るコントローラ60は、コンピュータ702がプリンタ10に電気的に接続されていない場合でも、ロール紙1に印刷画像を印刷することができる。かかる場合には、CPU66が、メモリ68内のプログラムに基づいて、メモリ68内の各種情報を適宜参照しながら、印刷データPDと制御信号COMを作成する。印刷データPDはイメージバッファ64に格納され、CPU66は、当該制御信号COMに基づいて、イメージバッファ64から印刷データPDを読み出しつつ各ユニットを制御する。このようにして、コントローラ60は、ロール紙1に印刷画像を印刷し、ロール紙1の、印刷画像が印刷された部分、を適宜切り離す。
【0047】
===印刷装置に関する情報、のロール紙への印刷について===
本実施の形態に係るプリンタ10においては、当該プリンタ10に関する情報(以下、プリンタ関連情報とも呼ぶ)が、ユーザが操作パネル20にて当該情報の印刷を指示することにより、ロール紙1に印刷される。
以下、プリンタ関連情報のロール紙1への印刷について、二つの例を挙げて説明する。
【0048】
<<<第一実施例>>>
本実施例に係るプリンタ10においては、プリンタ関連情報として、プリンタ10の機種名、プリンタ10の供給者情報、プリンタ10を個々に特定するID情報が印刷され、併せて、ロール紙1に関する情報(以下、ロール紙関連情報とも呼ぶ)として、ロール紙1の残量情報、ロール紙1の紙種情報、ロール紙1のサイズ情報、ロール紙1の使用開始日付、が印刷される。さらに、これらの情報を印刷した日付も印刷される。
【0049】
ここで、上述した各々の情報について、説明を加える。プリンタ10の機種名とは、プリンタ10の機種の名称である。プリンタ10の供給者情報とは、例えば、プリンタ10を供給する供給者の名称や、供給者を表すロゴ等である。ここで、供給者とは、製品の製造者の場合もあるし、製品の製造及び販売を行う者の場合もあるし、実質的には製造を行わずある製造者の製品のOEM供給を受けて販売する者の場合もある。プリンタ10を個々に特定するID情報とは、例えばプリンタ10の製造ID番号である。ロール紙1の残量情報とは、例えばあと何メートル分のロール紙1が残っているかを示す情報である。ロール紙1の紙種情報とは、例えば用紙の種類(普通紙、専用紙、光沢紙等の特殊用紙等)を示す情報である。ロール紙1のサイズ情報とは、ロール紙1のサイズ(A4、B5等)を示す情報である。ロール紙1の使用開始日付とは、ロール紙1を開封して当該ロール紙1を初めてプリンタに装着した日付を示す情報である。
【0050】
図6に、ロール紙1に上述した情報が印刷された様子を示す。本図に示されるように、上述した情報は、バーコードリーダーで読み取り可能となるようにバーコード化され、バーコードの形態でも印刷される。
【0051】
なお、上述した情報のうち、ロール紙1の残量(総量)情報、ロール紙1の紙種情報、ロール紙1のサイズ情報は、ロール紙1の出荷前(ロール紙1を工場にて製造するとき等)に、バーコードの形態でロール紙1に印刷される情報である。また、かかる際には、ロール紙1の出荷前にバーコード化された上記情報が印刷されたことを示すフラグ(情報)も、併せて、バーコードの形態でロール紙1に印刷される。
【0052】
前述したとおり、上述した情報は、ユーザが操作パネル20にて当該情報の印刷を指示することにより、ロール紙1に印刷される。以下、当該指示を受けて上記情報を印刷するプリンタ10の動作について、図7を用いて説明する。図7は、プリンタ10の動作を説明するためのフローチャートである。
【0053】
このフローチャートは、ユーザが操作パネル20にて情報の印刷を指示することから始まる(ステップS2)。操作パネル20は、情報印刷指令の入力をユーザから受け付けるための入力受け付け部となっており、以下に説明するように、当該操作パネル20にて情報印刷指令が入力された際にコントローラ60が情報を印刷するようになっている。
【0054】
コントローラ60内のCPU66は、情報印刷指令を読解し、図6に示した画像を作成する。かかる際に、CPU66は、先ず、プリンタ10の機種名、プリンタ10の供給者、プリンタ10を個々に特定するID、ロール紙1の残量、ロール紙1の紙種、ロール紙1のサイズ、及び、ロール紙1の使用開始日付に係る情報を、メモリ68に設けられているEEPROMから取得する(ステップS4)。プリンタ10に関する情報(プリンタ10の機種名、プリンタ10の供給者、及び、プリンタ10を個々に特定するID、に係る情報)は、不変の情報として、予めEEPROM内に格納されているが、ロール紙1に関する情報(ロール紙1の残量、ロール紙1の紙種、ロール紙1のサイズ、及び、ロール紙1の使用開始日付に係る情報)は、最新かつ正確な情報が常にEEPROMに格納されるように、コントローラ60内で管理される。なお、CPU66は、併せて、タイマー50から現在の日付を取得する(ステップS4)。
【0055】
ここで、コントローラ60が、ロール紙1に関する情報を管理する方法について、説明する。新品のロール紙1がロール紙装着ユニット14に装着されると、装着検知センサがロール紙1の装着を検知する。前述したとおり、新品のロール紙1には、ロール紙1の残量(総量)情報、ロール紙1の紙種情報、ロール紙1のサイズ情報、及び、ロール紙1の出荷前にバーコード化された上記情報が印刷されたことを示すフラグ(情報)が、バーコードの形態で印刷されている。コントローラ60は、装着検知センサの出力に基づいて、キャリッジ31を移動させつつバーコードリーダー47を動作させることにより、これらの情報を読み取る。コントローラ60は、読み取ったロール紙1の残量(総量)情報、ロール紙1の紙種情報、及び、ロール紙1のサイズ情報をEEPROMに格納する。また、前記フラグを解釈し、タイマー50から現在の日付を取得して当該日付に係る情報をEEPROMに格納する。
【0056】
ロール紙1を使い切る前に、ユーザがロール紙1をプリンタ10から取り外した後に、当該ロール紙1を再使用するために当該ロール紙1がロール紙装着ユニット14に装着される場合(すなわち、新品でないロール紙1が装着される場合)にも、装着検知センサがロール紙1の装着を検知する。前述したとおり、プリンタ10は、ロール紙1に関する情報(ロール紙1の残量情報、ロール紙1の紙種情報、ロール紙1のサイズ情報、及び、ロール紙1の使用開始日付に係る情報)をバーコード化してロール紙1に印刷するから、これらの情報がバーコードの形態でロール紙1に印刷されている。コントローラ60は、装着検知センサの出力に基づいて、キャリッジ31を移動させつつバーコードリーダー47を動作させることにより、これらの情報を読み取る。コントローラ60は、読み取った当該情報をEEPROMに格納する。なお、コントローラ60が、これらの情報を読み取る際にバーコード化された当該情報が印刷されていないことを検出した場合に、当該情報の入力をユーザに促すようにしてもよい。かかる場合には、ユーザによって入力された当該情報がEEPROMに格納される。
【0057】
また、ロール紙1に関する前述した情報のうち、ロール紙1の紙種情報、ロール紙1のサイズ情報、及び、ロール紙1の使用開始日付に係る情報は、ロール紙1の脱着が行われない限り不変の情報であるが、ロール紙1の残量に関する情報は、プリンタ10の使用に応じて変化する情報である。かかる情報は、例えば、前述したロータリー式エンコーダにより検出される搬送ローラ26の回転量からロール紙1の消費量が算出され、算出された当該消費量が前記残量から差し引かれることにより、随時更新される。
【0058】
上記のようにして、プリンタ10の機種名、プリンタ10の供給者、プリンタ10を個々に特定するID、ロール紙1の残量、ロール紙1の紙種、ロール紙1のサイズ、ロール紙1の使用開始日付、及び、現在の日付に係る情報を取得したCPU66は、これらの情報を含んだ図6に示す画像を作成する(ステップS6)。次に、CPU66は、作成された当該画像を印刷画像として印刷するための印刷データPDと制御信号COMに変換し(ステップS8)、当該印刷データPDをイメージバッファ64に格納する(ステップS10)。CPU66は、制御信号COMに基づいて、イメージバッファ64から印刷データPDを読み出しつつ各ユニットを制御して、ロール紙1に図6に示す印刷画像(情報)を印刷する(ステップS12)。そして、当該情報を印刷した後に、コントローラ60は、カッター41によるロール紙1の切断を行うことなく、印刷処理を終了する(ステップS14)。
【0059】
上述したとおり、本実施例に係るプリンタ10は、プリンタ関連情報をロール紙1に印刷するためのコントローラ60を有している。このことにより、ユーザにとって利便性の高い印刷装置、及び、印刷制御装置が実現される。
すなわち、発明が解決しようとする課題の項等で説明したとおり、ロール紙1を使い切る前に、ユーザがプリンタ10に装着されているロール紙1をプリンタ10から取り外す場合がある。一例を挙げると、ユーザが、他の紙種のロール紙1に印刷を行うために、プリンタ10に装着されているロール紙1を当該他の紙種のロール紙1と交換する場合に、かかる状況が生じうる。
【0060】
そして、ユーザが取り外されたロール紙1をある一定の期間使用しない場合には、ユーザは当該ロール紙1を保管することになるが、ユーザが当該ロール紙1を再度使用する際に、以下の不都合が生ずる可能性がある。
すなわち、ユーザが、当該ロール紙1をどのプリンタ10に装着すべきか戸惑う可能性がある。例えば、当該ロール紙1がどのプリンタ10に装着されていたかをユーザが忘れてしまった場合や、当該ロール紙1を取り外したユーザと当該ロール紙1を再度使用しようとしているユーザとが異なる場合に、かかる状況が生じうる。
【0061】
本実施例に係るプリンタ10は、プリンタ関連情報をロール紙1に印刷するから、かかる不都合を解消することができる。すなわち、ユーザが、使い切る前のロール紙1をプリンタ10から取り外す際に、ロール紙1にプリンタ関連情報を印刷しておけば、ユーザは、当該ロール紙1を再度使用する際に、当該プリンタ関連情報を参照することにより、ロール紙1をどのプリンタ10に装着すべきか把握することができる。したがって、本実施例によれば、ユーザにとって利便性の高い印刷装置、及び、印刷制御装置が実現されることとなる。
【0062】
また、本実施例においては、情報を印刷した後に、カッター41によるロール紙1の切断が行われないため、ユーザが使い切る前のロール紙1をプリンタ10から取り外したときには、取り外されたロール紙1自体に情報が印刷されていることとなる。したがって、本実施例の場合には、ユーザが当該ロール紙1を再度使用する際に、プリンタ関連情報がユーザによって確実に参照される。
【0063】
<<<第二実施例>>>
本実施例に係るプリンタ10においては、上述した情報、すなわち、プリンタ関連情報(プリンタ10の機種名、プリンタ10の供給者情報、プリンタ10を個々に特定するID情報)、ロール紙関連情報(ロール紙1の残量情報、ロール紙1の紙種情報、ロール紙1のサイズ情報、ロール紙1の使用開始日付)、情報を印刷した日付、に加えて、ランニングコスト、及び、プリンタ10の使用環境(以下、単に、使用環境と呼ぶ)、を示す情報が印刷される。
【0064】
ここで、ランニングコストを示す情報、及び、使用環境を示す情報について、説明を加える。
ランニングコストとは、ロール紙1に印刷画像を印刷することにより発生するコストである。すなわち、ランニングコストとは、ロール紙1に印刷画像を印刷する際に消費されるインク及びロール紙1、の値段である。なお、本実施例においては、ロール紙1の単位長さ(例えば、1m)あたり平均してどれ位のコストがかかっているかを、プリンタ10がランニングコストとして印刷することとするが、これに限定されるものではなく、例えば、1ページあたり平均してどれ位のコストがかかっているかを印刷することとしてもよい。
使用環境とは、プリンタ10が使用されているときの動作環境であり、例えば、温度や湿度がこれに該当する。
【0065】
図8に、ロール紙1に上述した情報が印刷された様子を示す。本図に示されるように、上述した情報は、バーコードリーダーで読み取り可能となるようにバーコード化され、バーコードの形態でも印刷される。
【0066】
前述したとおり、上述した情報は、ユーザが操作パネル20にて当該情報の印刷を指示することにより、ロール紙1に印刷される。以下、当該指示を受けて上記情報を印刷するプリンタ10の動作について、図9を用いて説明する。図9は、プリンタ10の動作を説明するためのフローチャートである。
【0067】
このフローチャートは、ユーザが操作パネル20にて情報の印刷を指示することから始まる(ステップS102)。操作パネル20は、情報印刷指令の入力をユーザから受け付けるための入力受け付け部となっており、以下に説明するように、当該操作パネル20にて情報印刷指令が入力された際にコントローラ60が情報を印刷するようになっている。
【0068】
コントローラ60内のCPU66は、情報印刷指令を読解し、図8に示した画像を作成する。かかる際に、CPU66は、先ず、プリンタ10の機種名、プリンタ10の供給者、プリンタ10を個々に特定するID、ロール紙1の残量、ロール紙1の紙種、ロール紙1のサイズ、ロール紙1の使用開始日付、及び、ランニングコスト、に係る情報を、メモリ68に設けられているEEPROMから取得する(ステップS104)。プリンタ10に関する情報は、不変の情報として、予めEEPROM内に格納されている一方で、ロール紙1に関する情報は、最新かつ正確な情報が常にEEPROMに格納されるように、コントローラ60内で管理されることについては、第一実施例の項で説明したが、ランニングコストを示す情報もコントローラ60内で管理される。なお、コCPU66は、併せて、タイマー50から現在の日付を、温湿度計から温度及び湿度を、それぞれ取得する(ステップS104)。
【0069】
ここで、コントローラ60が、ランニングコストを示す情報を管理する方法について、説明する。
ロール紙1とインクの消費量は、例えば印刷ジョブ毎に、算出される。ここで、ロール紙1の消費量については、前述したとおり、ロータリー式エンコーダにより検出される搬送ローラ26の回転量から算出される。一方、インクの消費量については、前述したプリンタドライバ796が、画像データADを印刷データPDに変換する際に、当該画像データADに基づいて算出する。算出されたインクの消費量は、印刷データPDと共に制御信号COMとしてコントローラ60に送出される。一方、EEPROMには、ロール紙1及びインクの単位量あたりの値段がデータベース化されており、コントローラ60は、算出式(インクの値段×インクの消費量+ロール紙1の値段×ロール紙1の消費量)により、コストを算出する。なお、ロール紙1及びインクの単位量あたりの値段については、ロール紙1やインクカートリッジが装着された際に、当該情報の入力をユーザに促すようにしてもよい。かかる場合には、ユーザによって入力された情報(値段)がEEPROMに格納される。
【0070】
このようにして、コントローラ60は、印刷ジョブ毎に、当該印刷ジョブにより印刷画像を印刷する際に発生するコストを算出し、当該コストを過去に発生したコスト(総コスト)に加算することにより、総コストを更新する。また、コントローラ60は、同様に、ロール紙1の消費量も更新する。そして、算出式(更新された総コスト÷ロール紙1の更新された消費量)により、ランニングコスト(ロール紙1の単位長さあたり平均してどれ位のコストがかかっているか)を算出し、コントローラ60は、当該ランニングコストを更新する。
【0071】
上記のようにして、プリンタ10の機種名、プリンタ10の供給者、プリンタ10を個々に特定するID、ロール紙1の残量、ロール紙1の紙種、ロール紙1のサイズ、ロール紙1の使用開始日付、ランニングコスト、使用環境、及び、現在の日付に係る情報を取得したCPU66は、これらの情報を含んだ図8に示す画像を作成する(ステップS106)。次に、CPU66は、作成された当該画像を印刷画像として印刷するための印刷データPDと制御信号COMに変換し(ステップS108)、当該印刷データPDをイメージバッファ64に格納する(ステップS110)。CPU66は、制御信号COMに基づいて、イメージバッファ64から印刷データPDを読み出しつつ各ユニットを制御して、ロール紙1に図8に示す印刷画像(情報)を印刷する(ステップS112)。そして、本実施例においては、第一実施例とは異なり、コントローラ60が、当該情報を印刷した後にカッター41を動作させてロール紙1を切断することにより、ロール紙1の、前記情報を印刷した部分を切り離して(ステップS114)、印刷処理を終了する(ステップS116)。
【0072】
上述したとおり、本実施例に係るプリンタ10においては、プリンタ関連情報等だけでなく、ランニングコストや使用環境を示す情報もロール紙1に印刷される。したがって、本実施例に係るプリンタ10の上述した情報印刷機能は、使い切る前に取り外されたロール紙1、を再度使用するときだけでなく、ユーザが、ランニングコストを知りたいときや、プリンタ10の不具合発生時に不具合の発生要因を切り分けるために使用環境を参照したいとき等においても、有効なものとなる。
【0073】
また、本実施例においては、情報を印刷した後に当該情報を印刷した部分が切り離されるため、使い切る前のロール紙1がプリンタ10から取り外されて保管されるときに、情報が印刷された紙をどこに保管するか、について、その選択肢が拡がる(例えば、ロール紙1を保管する箱に情報が印刷された紙を貼付したり、ロール紙1の管理者の机の中に情報が印刷された紙を入れたりすることができる)。
【0074】
このように、本実施例においては、情報印刷機能の活用パターンが拡がるというメリットが生じる。
なお、上記において、コントローラ60は、情報のみを単独で印刷することとしたが、情報を当該情報とは異なる印刷画像と共に印刷することとしてもよい。また、かかる際には、当該印刷画像及び情報を印刷するために消費されたインク及びロール紙1、の値段を、ランニングコストとして印刷することとしてもよい。
【0075】
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る印刷装置等を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0076】
なお、上記実施の形態においては、印刷装置として、インクジェットプリンタ10を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ドットインパクト式プリンタ等の印刷装置にも本発明を適用できる。
【0077】
また、上記実施の形態においては、印刷されるプリンタ関連情報として、プリンタ10の機種名、プリンタ10の供給者情報、及び、プリンタ10を個々に特定するID情報を例に挙げて説明したが、これらに限定されるものではない。例えば、カラープリンタかモノクロプリンタかを示す情報であってもよい。
【0078】
また、上記実施の形態において、コントローラ60は、プリンタ関連情報だけでなく、ロール紙関連情報も、ロール紙1に印刷することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、コントローラ60は、ロール紙関連情報を印刷しないこととしてもよい。
【0079】
ただし、ロール紙関連情報も印刷することとすれば、ユーザが、ロール紙1を再度使用する際に、プリンタ関連情報を参照することにより、ロール紙1をどのプリンタ10に装着すべきか把握することができるとともに、このロール紙1をプリンタ10に装着して使用することが妥当かどうかを、ロール紙関連情報を参照することにより、判断することができる。例えば、ユーザは、ロール紙1の残量情報を参照し、その残量が多いか少ないかに基づいて、このロール紙1を使用すべきかどうか判断することができる。また、ロール紙1の紙種情報やサイズ情報を参照して、このロール紙1が、使用したいロール紙であるかどうか判別することができる。また、ロール紙1の使用開始日付を参照して、このロール紙1がどれくらい古いものであるかを把握した上で、当該ロール紙1を使用すべきかどうか判断することができる。
【0080】
なお、上記実施の形態においては、印刷されるロール紙関連情報として、ロール紙1の残量情報、ロール紙1の紙種情報、ロール紙1のサイズ情報、及び、ロール紙1を初めて装着した日付(ロール紙1の使用開始日付)を示す情報、を例に挙げて説明したが、これらに限定されるものではない。例えば、ロール紙1の色情報やロール紙1の供給者情報であってもよい。
【0081】
また、上記実施の形態において、コントローラ60は、情報をバーコード化して印刷することとしたが、これに限定されるものではなく、情報をバーコード化して印刷しないこととしてもよい。
【0082】
ただし、情報がバーコード化して印刷されることとすれば、以下のメリットが生じる。例えば、バーコード化された当該情報としてロール紙関連情報がロール紙1に印刷されている場合には、前述したとおり、ロール紙関連情報をユーザに入力させることなく、当該ロール紙関連情報をコントローラが得ることが可能となる。また、プリンタドライバが、当該ロール紙関連情報に基づいて、印刷条件に係るパラメータを設定することが可能となる。また、バーコード化された当該情報としてプリンタ関連情報がロール紙1に印刷されている場合には、コントローラが、バーコードリーダーを動作させることにより当該プリンタ関連情報を読み込み、読み込まれたプリンタ関連情報をコントローラが予め備えているプリンタ関連情報と比較し、双方が異なる場合にプリンタに警告メッセージを報知させること、も可能となる。
【0083】
このように、情報がバーコード化して印刷されれば、当該情報をより有効に利用することができる。したがって、かかる点で上記実施の形態の方がより望ましい。
【0084】
なお、情報がバーコード化して印刷されることによる上記メリットは、本実施の形態に係るプリンタ10からロール紙1を取り外して、本実施の形態に係るプリンタ10とは異なる他のプリンタに、当該ロール紙1を再装着する場合においても発生し得る。すなわち、本実施の形態に係るプリンタ10にバーコードリーダーが設けられていない場合にも、上記メリットは発生し得るが、本実施の形態に係るプリンタ10にバーコードリーダーが設けられている場合には、本実施の形態に係るプリンタ10からロール紙1を取り外して、本実施の形態に係るプリンタ10に当該ロール紙1を再装着する場合においても、上記メリットを享受することができる。したがって、かかる点で、上記実施の形態の方がより望ましい。
【0085】
また、上記実施の形態においては、操作パネル20にて情報印刷指令が入力された際にコントローラ60が情報を印刷することとしたが、情報が印刷されるタイミングについては、これに限定されるものではなく、例えば、プリンタが、ロール紙取り外しボタンが押されることにより初めてロール紙が取り外し可能となる構成、を有しており、ユーザが当該ロール紙取り外しボタンを押した際に、コントローラが前記情報を印刷することとしてもよい。
ただし、ユーザが、任意のタイミングで、プリンタ10に情報を印刷させることができる点で、上記実施の形態の方がより望ましい。
【0086】
また、上記実施の形態においては、プリンタ10が、情報印刷指令の入力をユーザから受け付けるための入力受け付け部(すなわち、操作パネル20)、を備えていることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、コンピュータ702等が有するプリンタドライバ796が、当該入力受け付け部(例えば、前述した入力インターフェース部803)を備えていることとしてもよい。
プリンタドライバ796が、入力受け付け部を備えている場合には、ユーザが、コンピュータが置かれている机上で、情報印刷指令の入力を行えるというメリットが生じる。
【0087】
また、上記実施の形態においては、図6又は図8に示した画像の作成(ステップS6、ステップS106)や、作成された当該画像の印刷データPD及び制御信号COMへの変換(ステップS8、ステップS108)は、プリンタ10が有するコントローラ60内で行われることとしたが、これに限定されるものでない。例えば、当該作成や当該変換が、コンピュータ702等が有するプリンタドライバ796内で行われることとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】印刷制御装置700の外観構成を示した説明図である。
【図2】図1に示した印刷制御装置700の構成の一部を示すブロック図である。
【図3】プリンタ10の外観構成を示した説明図である。
【図4】プリンタの構成を示したブロック図である。
【図5】プリンタ10の構成要素の一部を模式的に表した模式図である。
【図6】ロール紙1に情報が印刷された様子を示す模式図である。
【図7】プリンタ10の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】ロール紙1に情報が印刷された様子を示す模式図である。
【図9】プリンタ10の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0089】
1 ロール紙 3 芯材
10 インクジェットプリンタ 12 筐体
14 ロール紙装着ユニット 14a ホルダー
16 給紙部 18 排紙部
19 排紙トレー 20 操作パネル
20a 操作ボタン 20b 液晶表示部
25 搬送ユニット 26 搬送ローラ
27 排紙ローラ 28 プラテン
30 キャリッジユニット 31 キャリッジ
35 ヘッドユニット 36 印刷ヘッド
40 カッターユニット 41 カッター
45 検出器群 47 バーコードリーダー
50 タイマー 60 コントローラ
62 インターフェース部 64 イメージバッファ
66 CPU 68 メモリ
70 ユニット制御回路
700 印刷制御装置 702 コンピュータ
703 コンピュータ本体 704 表示装置
708 入力装置
708A キーボード 708B マウス
710 読取装置
710A FD装置 710B CD−ROMドライブ装置
795 アプリケーションプログラム
796 プリンタドライバ
797 画像処理部
801 表示インターフェース部
803 入力インターフェース部
805 ユーザインターフェース処理部
AD 画像データ
COM 制御信号
PD 印刷データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール紙に印刷を行う印刷装置であって、
ロール紙を装着するための装着部と、
該装着部に装着されたロール紙に印刷するための印刷ヘッドと、
該印刷ヘッドを用いて、前記印刷装置に関する情報を前記装着部に装着されたロール紙に印刷するためのコントローラと、を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置において、
前記印刷装置に関する情報は、前記印刷装置の機種名であることを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1に記載の印刷装置において、
前記印刷装置に関する情報は、前記印刷装置の供給者情報であることを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1に記載の印刷装置において、
前記印刷装置に関する情報は、前記印刷装置を個々に特定するID情報であることを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の印刷装置において、
前記コントローラは、前記装着部に装着されたロール紙に関する情報を該ロール紙に印刷することを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項5に記載の印刷装置において、
前記ロール紙に関する情報は、該ロール紙を初めて装着した日付を示す情報であることを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の印刷装置において、
前記コントローラは、ロール紙に画像を印刷することにより発生するランニングコスト、を示す情報を、前記装着部に装着されたロール紙に印刷することを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の印刷装置において、
前記コントローラは、該印刷装置の使用環境を示す情報を、前記装着部に装着されたロール紙に印刷することを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の印刷装置において、
前記装着部に装着されたロール紙を切断するための切断部材を有し、
前記コントローラは、前記情報を印刷した後に、前記切断部材による前記ロール紙の切断を行わないことを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の印刷装置において、
情報印刷指令の入力をユーザから受け付けるための入力受け付け部を有し、
該入力受け付け部にて前記情報印刷指令が入力された際に、前記コントローラが前記情報を印刷することを特徴とする印刷装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10に記載の印刷装置において、
前記コントローラは、前記情報をバーコード化して印刷することを特徴とする印刷装置。
【請求項12】
請求項11に記載の印刷装置において、
バーコード化された前記情報を読み取るための読み取り部材を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項13】
ロール紙に印刷を行う印刷装置であって、
ロール紙を装着するための装着部と、
該装着部に装着されたロール紙に印刷するための印刷ヘッドと、
該印刷ヘッドを用いて、前記印刷装置に関する情報を前記装着部に装着されたロール紙に印刷するためのコントローラと、を有し、
前記印刷装置に関する情報は、前記印刷装置の機種名であり、
前記印刷装置に関する情報は、前記印刷装置の供給者情報であり、
前記印刷装置に関する情報は、前記印刷装置を個々に特定するID情報であり、
前記コントローラは、前記装着部に装着されたロール紙に関する情報を該ロール紙に印刷し、
前記ロール紙に関する情報は、該ロール紙を初めて装着した日付を示す情報であり、
前記コントローラは、ロール紙に画像を印刷することにより発生するランニングコスト、を示す情報を、前記装着部に装着されたロール紙に印刷し、
前記コントローラは、該印刷装置の使用環境を示す情報を、前記装着部に装着されたロール紙に印刷し、
情報印刷指令の入力をユーザから受け付けるための入力受け付け部を有し、
該入力受け付け部にて前記情報印刷指令が入力された際に、前記コントローラが前記情報を印刷し、
前記コントローラは、前記情報をバーコード化して印刷し、
バーコード化された前記情報を読み取るための読み取り部材を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項14】
ロール紙に印刷を行う印刷制御装置であって、
ロール紙を装着するための装着部と、
該装着部に装着されたロール紙に印刷するための印刷ヘッドと、
該印刷ヘッドを用いて、前記印刷制御装置に関する情報を前記装着部に装着されたロール紙に印刷するためのコントローラと、を有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項15】
請求項14に記載の印刷制御装置において、
情報印刷指令の入力をユーザから受け付けるための入力受け付け部を有し、
該入力受け付け部にて前記情報印刷指令が入力された際に、前記コントローラが前記情報を印刷することを特徴とする印刷制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−7710(P2006−7710A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191501(P2004−191501)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】