説明

印刷装置、及び、印刷方法

【課題】インクの節約を実現することにある。
【解決手段】複数種類のインクが選択的に通過可能なノズルを有し、該ノズルからインクを媒体に吐出するヘッドユニットと、印刷ジョブを受け取って、該印刷ジョブが示すインク種類情報に基づいて前記複数種類のインクのうちの一のインクを前記ヘッドユニットに前記ノズルから吐出させることにより、前記印刷ジョブを実行して印刷を行う印刷処理を、複数回行うコントローラーと、を備える印刷装置であって、前記コントローラーは、前記印刷ジョブの実行順を、同一種類のインクが吐出される複数の前記印刷ジョブが連続して実行されるように、前記印刷ジョブの受取順から変更することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、及び、印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数種類のインクが選択的に通過可能なノズルを有し、該ノズルからインクを媒体に吐出するヘッドユニットと、印刷ジョブを受け取って、該印刷ジョブが示すインク種類情報に基づいて前記複数種類のインクのうちの一のインクを前記ヘッドユニットに前記ノズルから吐出させることにより、前記印刷ジョブを実行して印刷を行う印刷処理を、複数回行うコントローラーと、を備える印刷装置は既によく知られている。かかる複数種類のインクとしては、例えば、マットブラック(Mk)インクとフォトブラック(Pk)インクを挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−6527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数種類のインク(例えば、マットブラック(Mk)インク、フォトブラック(Pk)インク)間の切り換え時に、印刷に用いられることなくインクが消費される場合がある。したがって、当該無駄なインクの消費をなるべく抑えることが要請される。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インクの節約を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
主たる本発明は、複数種類のインクが選択的に通過可能なノズルを有し、該ノズルからインクを媒体に吐出するヘッドユニットと、
印刷ジョブを受け取って、該印刷ジョブが示すインク種類情報に基づいて前記複数種類のインクのうちの一のインクを前記ヘッドユニットに前記ノズルから吐出させることにより、前記印刷ジョブを実行して印刷を行う印刷処理を、
複数回行うコントローラーと、
を備える印刷装置であって、
前記コントローラーは、前記印刷ジョブの実行順を、同一種類のインクが吐出される複数の前記印刷ジョブが連続して実行されるように、前記印刷ジョブの受取順から変更することを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】画像記録装置1の構成を示す概略図である。
【図2】画像記録装置1の構成を示すブロック図である。
【図3】ブラックインク補給ユニット36のブロック図である。
【図4】切り替え処理が実行される前のブラックインク補給ユニット36の様子を示したブロック図である。
【図5】バルブの切り替えが行われた直後のブラックインク補給ユニット36の様子を示したブロック図である。
【図6】吸引処理が実行されているときのブラックインク補給ユニット36の様子を示したブロック図である。
【図7】メモリー63内の印刷ジョブの変遷を表した模式図である。
【図8】印刷ジョブを受け取ったときに当該印刷ジョブをどこに入れるかについての決定方法を示すフローチャートである。
【図9】第二実施形態における印刷ジョブの入れ先の、第一実施形態との相違を、説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
【0009】
複数種類のインクが選択的に通過可能なノズルを有し、該ノズルからインクを媒体に吐出するヘッドユニットと、
印刷ジョブを受け取って、該印刷ジョブが示すインク種類情報に基づいて前記複数種類のインクのうちの一のインクを前記ヘッドユニットに前記ノズルから吐出させることにより、前記印刷ジョブを実行して印刷を行う印刷処理を、
複数回行うコントローラーと、
を備える印刷装置であって、
前記コントローラーは、前記印刷ジョブの実行順を、同一種類のインクが吐出される複数の前記印刷ジョブが連続して実行されるように、前記印刷ジョブの受取順から変更することを特徴とする印刷装置。
かかる印刷装置によれば、インクの節約を実現することが可能となる。
【0010】
また、前記コントローラーは、
前記実行順の前記受取順からの変更を行うか否かについての可否情報を受け取って、
該可否情報が行うことを示しているときのみ、該変更を行うこととしてもよい。
かかる場合には、ユーザーの利便性が向上する。
【0011】
また、前記コントローラーは、
前記印刷ジョブを受け取る毎に、前記印刷ジョブの実行順を、同一種類のインクが吐出される複数の前記印刷ジョブが連続して実行されるように、前記印刷ジョブの受取順から変更することとしてもよい。
かかる場合には、印刷ジョブの実行順の受取順からの変更を綿密に行うことができる。
【0012】
また、前記コントローラーは、
前記印刷ジョブが示す媒体種類情報に基づいて、
前記印刷ジョブの実行順を、同一種類の媒体にインクが吐出される複数の前記印刷ジョブが連続して実行されるように、前記印刷ジョブの受取順から変更することとしてもよい。
かかる場合には、ユーザーの手間を少なくすることができる。
【0013】
次に、複数種類のインクが選択的に通過可能なノズルを有し、該ノズルからインクを媒体に吐出するヘッドユニットと、
印刷ジョブを受け取って、該印刷ジョブが示すインク種類情報に基づいて前記複数種類のインクのうちの一のインクを前記ヘッドユニットに前記ノズルから吐出させることにより、前記印刷ジョブを実行して印刷を行う印刷処理を、
複数回行うコントローラーと、
を備える印刷装置を準備することと、
前記印刷ジョブの実行順を、同一種類のインクが吐出される複数の前記印刷ジョブが連続して実行されるように、前記印刷ジョブの受取順から変更することと、
を有することを特徴とする印刷方法。
かかる印刷方法によれば、インクの節約を実現することが可能となる。
【0014】
===画像記録装置1の構成例について===
印刷装置の一例としての画像記録装置1(本実施の形態においては、インクジェット式プリンター)の構成例について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、画像記録装置1の概略断面図である。図2は、画像記録装置1のブロック図である。
なお、以下の説明において、「上下方向」、「左右方向」をいう場合は、図1に矢印で示した方向を基準として示すものとする。また、「前後方向」をいう場合は、図1において紙面に直交する方向を示すものとする。
また、本実施の形態においては、画像記録装置1が画像を記録する媒体の一例として、ロール状に巻かれた用紙(以下、ロール紙(連続紙)という)を用いて説明する。
【0015】
本実施の形態に係る画像記録装置1は、図1及び図2に示すように、搬送ユニット20、及び、該搬送ユニット20がロール紙2を搬送する搬送経路(図1において、当該搬送経路は、巻軸18から巻き取り駆動軸92までの間の、ロール紙2が位置する部分により表されている)に沿って、給送ユニット10、プラテン29、巻き取りユニット90、を有し、さらに、搬送経路上の画像記録領域Rにおいて複数種類のインクを吐出して画像記録を行うヘッドユニット30と、インク補給ユニット35と、キャリッジユニット40と、クリーニングユニット43と、ヒーターユニット70と、プラテン29上のロール紙2に風を送る送風ユニット80と、これらのユニット等を制御し画像記録装置1としての動作を司るコントローラー60と、検出器群50と、を有している。
【0016】
給送ユニット10は、ロール紙2を搬送ユニット20に給送するものである。この給送ユニット10は、ロール紙2が巻かれ回転可能に支持される巻軸18と、巻軸18から繰り出されたロール紙2を巻き掛けて搬送ユニット20に導くための中継ローラー19と、を有している。
【0017】
搬送ユニット20は、給送ユニット10により送られたロール紙2を、予め設定された搬送経路に沿って搬送するものである。この搬送ユニット20は、図1に示すように、中継ローラー19に対して水平右方に位置する中継ローラー21と、中継ローラー21から見て右斜め下方に位置する中継ローラー22と、中継ローラー22から見て右斜め上方(プラテン29から見て搬送方向上流側)に位置する第一搬送ローラー23と、中継ローラー22と第一搬送ローラー23との間に位置するステアリングユニット(舵取りユニット)20aと、第一搬送ローラー23から見て右方(プラテン29から見て搬送方向下流側)に位置する第二搬送ローラー24と、第二搬送ローラー24から見て鉛直下方に位置する反転ローラー25と、反転ローラー25から見て右方に位置する中継ローラー26と、中継ローラー26から見て上方に位置する送り出しローラー27と、を有している。
【0018】
中継ローラー21は、中継ローラー19から送られたロール紙2を、左方から巻き掛けて下方に向かって弛ませるローラーである。
【0019】
中継ローラー22は、中継ローラー21から送られたロール紙2を、左方から巻き掛けて右斜め上方に向かって搬送するローラーである。
【0020】
第一搬送ローラー23は、不図示のモーターにより駆動される第一駆動ローラー23aと、該第一駆動ローラー23aに対してロール紙2を挟んで対向するように配置された第一従動ローラー23bとを有している。この第一搬送ローラー23は、下方に弛ませたロール紙2を上方に引き上げ、プラテン29に対向する画像記録領域Rへ搬送するローラーである。第一搬送ローラー23は、画像記録領域R上のロール紙2の部位に対して画像印刷がなされている期間、一時的に搬送を停止させるようになっている。なお、コントローラー60の駆動制御により、第一駆動ローラー23aの回転駆動に伴って第一従動ローラー23bが回転することによって、プラテン29上に位置させるロール紙2の搬送量が調整される。
【0021】
搬送ユニット20は、上述したとおり、中継ローラー21、22と第一搬送ローラー23との間に巻き掛けたロール紙2の部位を下方に弛ませて搬送する機構を有している。このロール紙2の弛みは、コントローラー60により、不図示の弛み検出用センサーからの検出信号に基づき監視される。具体的には、中継ローラー21、22と第一搬送ローラー23との間において弛ませたロール紙2の部位を、弛み検出用センサーが検出した場合には、該部位に適切な大きさの張力が与えられていることになるため、搬送ユニット20はロール紙2を弛ませた状態で搬送することが可能となる。一方、弛み検出用センサーが弛ませたロール紙2の部位を検出しない場合は、該部位に過剰な大きさの張力が与えられていることになるため、搬送ユニット20によるロール紙2の搬送が一時的に停止され、張力が適切な大きさに調整される。
【0022】
ステアリングユニット20aは、図1に示すように、傾斜した状態で搬送経路上に位置し、回動することによりロール紙2の幅方向位置(幅方向(図1に示す前後方向)においてロール紙2が位置する位置)を変化させるためのものである。すなわち、ロール紙2が搬送経路に沿って搬送される際、中継ローラー等の軸ずれや組み付け誤差等によりロール紙2に作用する張力が変動すること等に起因して、ロール紙2の幅方向位置が変位する場合がある。そして、当該ステアリングユニット20aは、ロール紙2の当該幅方向位置を調整するためのものである。
【0023】
第二搬送ローラー24は、不図示のモーターにより駆動される第二駆動ローラー24aと、該第二駆動ローラー24aに対してロール紙2を挟んで対向するように配置された第二従動ローラー24bとを有している。この第二搬送ローラー24は、ヘッドユニット30により画像が記録された後のロール紙2の部位を、プラテン29の支持面に沿って水平右方向に搬送した後に鉛直下方に搬送するローラーである。これにより、ロール紙2の搬送方向が転換されることになる。なお、コントローラー60の駆動制御により、第二駆動ローラー24aの回転駆動に伴って第二従動ローラー24bが回転することによって、プラテン29上に位置するロール紙2の部位に対して付与される所定の張力が調整される。
【0024】
反転ローラー25は、第二搬送ローラー24から送られたロール紙2を、左側上方から巻き掛けて右斜め上方に向かって搬送するローラーである。
【0025】
中継ローラー26は、反転ローラー25から送られたロール紙2を、左側下方から巻き掛けて上方に向かって搬送するローラーである。
【0026】
送り出しローラー27は、中継ローラー26から送られたロール紙2を、左側下方から巻き掛けて巻き取りユニット90に送り出すようになっている。
【0027】
このように、ロール紙2が各ローラーを順次経由して移動することにより、ロール紙2を搬送するための搬送経路が形成されることになる。なお、ロール紙2は、搬送ユニット20により、画像記録領域Rと対応した領域単位で間欠的にその搬送経路に沿って搬送される。
【0028】
ヘッドユニット30は、搬送経路上の画像記録領域Rに位置するロール紙2の部位に画像を記録するためのものである。すなわち、ヘッドユニット30は、搬送ユニット20により搬送経路上の画像記録領域Rに(プラテン29上に)送り込まれたロール紙2の部位に、ノズルからインクを吐出して画像を形成する。本実施の形態において、このヘッドユニット30は、15個のヘッド31を有している。
【0029】
各々のヘッド31は、その下面に、列方向にノズルが並んだノズル列を有している。本実施の形態においては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)等の色毎にそれぞれ複数のノズル♯1〜♯Nからなるノズル列を有している。各ノズル列の各ノズル♯1〜♯Nは、ロール紙2の搬送方向に交差する交差方向(つまり、当該交差方向が前述した列方向である)に直線状に配列されている。各ノズル列は、当該搬送方向に沿って相互に間隔をあけて平行に配置されている。
【0030】
各ノズル♯1〜♯Nには、インク滴を吐出するための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。ピエゾ素子は、その両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加すると、電圧の印加時間に応じて伸張し、インクの流路の側壁を変形させる。これによって、インクの流路の体積がピエゾ素子の伸縮に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、インク滴となって各色の各ノズル♯1〜♯Nから吐出される。
【0031】
そして、かかるヘッド31が、前記交差方向(前記列方向)において15個並べられ、このことにより、ヘッドユニット30が形成されている。そのため、ヘッドユニット30は、色毎に15×N個のノズルを有している。
【0032】
なお、本実施の形態においては、ブラック色に対応するノズルから、マットブラック(Mk)インク(以下、Mkインクとも呼ぶ)とフォトブラック(Pk)インク(以下、Pkインクとも呼ぶ)が選択的に吐出可能となっている。すなわち、ヘッドユニット30には、複数種類のインクが選択的に通過可能なノズルが15×N個設けられている。したがって、各ノズルへインクを導くためのヘッドユニット30内のインクの流路も、MkインクとPkインクの共通の流路となっている(すなわち、この流路を、MkインクとPkインクの双方が通過可能となっている)。
【0033】
インク補給ユニット35は、ヘッド31によるインクの吐出に起因してヘッドユニット30内のインクの量が減った際に、ヘッドユニット30にインクを補給するためのものである。なお、インク補給ユニット35については、後に詳述する(MkインクとPkインクの切り換えに係る機構についても、ここで説明する)。
【0034】
キャリッジユニット40は、ヘッドユニット30(ヘッド31)を移動させるためのものである。このキャリッジユニット40は、搬送方向(左右方向)に延びるキャリッジガイドレール41と(図1に二点鎖線で示す)、キャリッジガイドレール41に沿って搬送方向(左右方向)へ往復移動可能に支持されたキャリッジ42と、不図示のモーターとを有する。
【0035】
キャリッジ42には、ヘッドユニット30、すなわち、15個のヘッド31が設けられている。より具体的には、キャリッジ42は、4つのサブキャリッジ(第一サブキャリッジ乃至第四サブキャリッジ)に分かれており、第一サブキャリッジ乃至第三サブキャリッジには、それぞれ4個のヘッド31が、第四サブキャリッジには、3個のヘッド31が設けられている。
【0036】
換言すれば、15個のヘッド31は、4つのヘッド群、すなわち、第一ヘッド乃至第四ヘッドが属する第一ヘッド群302、第五ヘッド乃至第八ヘッドが属する第二ヘッド群304、第九ヘッド乃至第十二ヘッドが属する第三ヘッド群306、第十三ヘッド乃至第十五ヘッドが属する第四ヘッド群308を構成している。そして、第一ヘッド群302は第一サブキャリッジに、第二ヘッド群304は第二サブキャリッジに、第三ヘッド群306は第三サブキャリッジに、第四ヘッド群308は第四サブキャリッジに、それぞれ設けられている。
【0037】
そして、4つのサブキャリッジからなるキャリッジ42は、不図示のモーターの駆動により、ヘッドユニット30(換言すれば、4つのヘッド群、又は、15個のヘッド31)と一体となって搬送方向(左右方向)へ移動するよう構成されている。
【0038】
クリーニングユニット43(図1においては、不図示)は、ヘッド31をクリーニングするためのものである。このクリーニングユニット43は、ホームポジション(以下、HPと呼ぶ。図1参照)に設けられており、不図示のキャップと、吸引ポンプ43a(図3等参照)等とを有している。ヘッド31(キャリッジ42)が搬送方向(左右方向)に移動してHPに位置すると、ヘッド31の下面(ノズル面)に不図示のキャップが密着するようになっている。このようにキャップが密着した状態で吸引ポンプ43aが作動すると、ヘッド31内のインクが、増粘したインクや紙粉と共に吸引される。このようにして、目詰まりしたノズルが不吐出状態から回復することによってヘッドのクリーニングが完了する。
【0039】
また、搬送方向(左右方向)におけるHPとプラテン29との間には、フラッシングユニット44が設けられており、ヘッド31(キャリッジ42)が搬送方向(左右方向)に移動してフラッシングユニット44に対向する位置に位置すると、ヘッド31は前記ノズル列に属する各ノズルからインクを吐出してフラッシングを行なうフラッシング動作を実行する。
【0040】
プラテン29は、搬送経路上の画像記録領域Rに位置するロール紙2の部位を支持するとともに、該部位を加熱するものである。このプラテン29は、図1に示すように、搬送経路上の画像記録領域Rに対応させて設けられ、かつ、第一搬送ローラー23と第二搬送ローラー24との間の搬送経路に沿った領域に配置されている。そして、プラテン29は、ヒーターユニット70が発生させた熱の供給を受けることにより、ロール紙2の該部位を加熱することができる。
【0041】
ヒーターユニット70は、ロール紙2を加熱するためのものであり、不図示のヒーターを有している。このヒーターは、ニクロム線を有しており、当該ニクロム線をプラテン29内部に、プラテン29の支持面から一定距離となるように配置させて構成されている。このため、ヒーターは、通電されることによってニクロム線自体が発熱し、プラテン29の支持面上に位置するロール紙2の部位に熱を伝導させることができる。このヒーターは、プラテン29の全域にニクロム線を内蔵させて構成されているため、プラテン29上のロール紙2の部位に対して熱を均一に伝導することができる。本実施の形態において、プラテン上のロール紙2の部位の温度が45℃となるように、該ロール紙2の部位を均一に加熱する。これにより、該ロール紙2の部位に着弾されたインクを乾燥させることができる。
【0042】
送風ユニット80は、プラテン29上のロール紙2に風を送るためのものである。この送風ユニット80は、ファン81とファン81を回転させるモーター(不図示)とを備えている。ファン81は、回転することにより、プラテン29上のロール紙2に風を送り、ロール紙2に着弾されたインクを乾燥させるためのものである。このファン81は、図1に示すように、本体部に設けられた開閉可能なカバー(不図示)に複数設けられている。そして、この各々のファン81は、カバーが閉じた際に、プラテン29の上方に位置して、当該プラテン29の支持面(当該プラテン29上のロール紙2)と対向するようになっている。
【0043】
巻き取りユニット90は、搬送ユニット20により送られたロール紙2(画像記録済みのロール紙)を巻き取るためのものである。この巻き取りユニット90は、送り出しローラー27から送られたロール紙2を、左側上方から巻き掛けて右斜め下方へ搬送するための中継ローラー91と、回転可能に支持され中継ローラー91から送られたロール紙2を巻き取る巻き取り駆動軸92と、を有している。
【0044】
コントローラー60は、画像記録装置1の制御を行うための制御ユニットである。このコントローラー60は、図2に示すように、インターフェース部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64と、を有している。インターフェース部61は、外部装置であるホストコンピューター110と画像記録装置1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、画像記録装置1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従ったユニット制御回路64により各ユニットを制御する。
【0045】
検出器群50は、画像記録装置1内の状況を監視するものであり、例えば、前述の弛み検出用センサー、搬送ローラーに取り付けられてロール紙2の搬送などの制御に利用されるロータリー式エンコーダー、搬送されるロール紙2の有無を検出する用紙検出センサー、キャリッジ42(又はヘッド31)の搬送方向(左右方向)の位置を検出するためのリニア式エンコーダー、ロール紙2の幅方向における紙端(エッジ)位置を検出する紙端位置検出センサー、後述するサブタンクセンサーなどがある。
【0046】
===インク補給ユニット35について===
<<<インク補給ユニット35の構成例について>>>
次に、インク補給ユニット35について、図1及び図3を用いて説明する。図3は、ブラックインク補給ユニット36のブロック図である。
【0047】
インク補給ユニット35は、前述したとおり、ヘッド31によるインクの吐出に起因してヘッドユニット30内のインクの量が減った際に、ヘッドユニット30にインクを補給(供給)するためのものである。
【0048】
このインク補給ユニット35は、インクの色毎に設けられている。すなわち、イエロー色のインクを補給するためのイエローインク補給ユニット、マゼンタ色のインクを補給するためのマゼンタインク補給ユニット、シアン色のインクを補給するためのシアンインク補給ユニット、ブラック色のインクを補給するためのブラックインク補給ユニット36等が設けられている。
【0049】
前述したとおり、ブラック色に対応するノズルからは、マットブラック(Mk)インクとフォトブラック(Pk)インクが選択的に吐出可能となっている。そのため、ブラックインク補給ユニット36は、他の色のインク補給ユニットの構成とは異なる構成を有している(一方で、他の色のインク補給ユニットの構成は、共通である)。以下では、これらの複数のインク補給ユニット35のうち、主としてブラックインク補給ユニット36について説明し、他の色のインク補給ユニットについては、ブラックインク補給ユニット36との構成の相違点のみを後に説明する。
【0050】
ブラックインク補給ユニット36は、図3に示すように、インクカートリッジ362と、サブタンク364と、インクの流路(通り道)となる多数のチューブと、当該チューブを開閉するための多数のバルブ(本実施の形態において、当該バルブはソレノイドバルブであるが、これに限定されるものではない)と、を有している。なお、当該インクカートリッジ362及び当該サブタンク364が設置されている場所を、図1における符号35及び36で表している。
【0051】
インクカートリッジ362は、ヘッドユニット30に供給するためのインクを収容する。このインクカートリッジ362は、画像記録装置本体に対して着脱可能に構成されている。また、インクカートリッジ362として、Mkインク用のインクカートリッジ(Mkインクカートリッジ362a)とPkインク用のインクカートリッジ(Pkインクカートリッジ362b)とが設けられている。
【0052】
また、インクカートリッジ362は、図3に示すように、インクカートリッジ362とサブタンク364を繋ぐチューブ(当該チューブを、便宜上、IC−ST間チューブ370と呼ぶ)を介して、サブタンク364に接続されている。
【0053】
サブタンク364は、インクカートリッジ362からヘッドユニット30へ供給されるインクを一時的に貯留するものである。このサブタンク364は、画像記録装置本体に固定されている。すなわち、サブタンク364は、インクカートリッジ362とは異なり、画像記録装置本体に対して着脱することができない構成を有している。また、サブタンク364として、Mkインク用のサブタンク(Mkサブタンク364a)とPkインク用のサブタンク(Pkサブタンク364b)とが設けられている。
【0054】
また、サブタンク364が、IC−ST間チューブ370を介して、インクカートリッジ362に接続されている点については既に説明したが、当該IC−ST間チューブ370には、図3に示すように、バルブ(当該バルブを、便宜上、IC−ST間バルブ390と呼ぶ)が備えられている。さらに、サブタンク364には、サブタンク364内のインクの量が閾値未満となるとその旨を検知するサブタンクセンサー(不図示)が備えられている。
【0055】
そして、コントローラー60が、サブタンクセンサーからの検知信号を受けることによりサブタンク364内のインクの量が閾値未満であることを把握すると、閉じていたIC−ST間バルブ390を開放して、インクカートリッジ362からサブタンク364へインクを流入させるようになっている。このように、サブタンク364においては、閾値以上の量のインクが常時存在するように(貯留されるように)、インクの量が制御されている。
【0056】
また、サブタンク364は、図3に示すように、サブタンク364とヘッドユニット30とを繋ぐ4つの供給チューブを介して、ヘッドユニット30に接続されている。この4つの供給チューブ(第一供給チューブ372、第二供給チューブ374、第三供給チューブ376、第四供給チューブ378)は、サブタンク364からヘッドユニット30へインクを供給するための供給流路としての役割を果たす。
【0057】
すなわち、画像記録(印刷)等が行われることによりインクがヘッドユニット30(ヘッド31)から吐出されて、ヘッドユニット30(ヘッド31)内のインクが消費されると、消費された当該インクを補うように、サブタンク364内のインクが第一供給チューブ372乃至第四供給チューブ378を通ってヘッドユニット30(ヘッド31)へ流入するようになっている。
【0058】
また、既に説明したとおり、本実施の形態に係るヘッドユニット30は、15個のヘッド31を有し、当該15個のヘッド31は、4つのヘッド群、すなわち、第一ヘッド群302乃至第四ヘッド群308を備えているが、4つの供給チューブの各々は、図3に示すように、それぞれ4つのヘッド群の各々に接続されている。換言すれば、4つの供給チューブの各々は、当該各々に対応するヘッド群へインクを供給する。
【0059】
すなわち、第一供給チューブ372は、第一ヘッド群302(第一ヘッド乃至第四ヘッド)に接続されており、第一ヘッド乃至第四ヘッドへインクを供給する。また、第二供給チューブ374は、第二ヘッド群304(第五ヘッド乃至第八ヘッド)に接続されており、第五ヘッド乃至第八ヘッドへインクを供給する。また、第三供給チューブ376は、第三ヘッド群306(第九ヘッド乃至第十二ヘッド)に接続されており、第九ヘッド乃至第十二ヘッドへインクを供給する。また、第四供給チューブ378は、第四ヘッド群308(第十三ヘッド乃至第十五ヘッド)に接続されており、第十三ヘッド乃至第十五ヘッドへインクを供給する。
【0060】
なお、図1から明らかなように、インク補給ユニット35のサブタンク364とヘッドユニット30とは遠く離れた位置にある。そのため、第一供給チューブ372乃至第四供給チューブ378の各々は、非常に長いチューブとなっており、その長さは、5〜6メートルである。そして、図3に示すように、第一供給チューブ372乃至第四供給チューブ378を這わせるためのケーブルベア400が設けられており、第一供給チューブ372乃至第四供給チューブ378は当該ケーブルベア400内に収容されている。
【0061】
また、第一供給チューブ372乃至第四供給チューブの各々は(以下、第一供給チューブ372を例に挙げて説明するが、他の供給チューブについても同様)、図3に示すように、Mkインクのみが流れるMkインク流路382とPkインクのみが流れるPkインク流路384とMkインクとPkインクの双方が流れる共用流路386を備えており、これらの流路は接続部388にて接続している。そして、Mkサブタンク364a内のインクは、第一供給チューブ372のMkインク流路382、接続部388、共用流路386をこの順に通って、ヘッドユニット30(ヘッド31)へ流入するようになっており、また、Pkサブタンク364b内のインクは、第一供給チューブ372のPkインク流路384、接続部388、共用流路386をこの順に通って、ヘッドユニット30(ヘッド31)へ流入するようになっている。
【0062】
なお、図3に示すように、4つの供給チューブの各々には、2つのバルブ、すなわち、Mkインク流路382に設けられたMkインク流路バルブ382aとPkインク流路384に設けられたPkインク流路バルブ384aが設けられており、合計で8個のバルブが供給チューブに備えられている。そして、ヘッドユニット30のブラック色に対応するノズルからMkインクを吐出させる際には、コントローラー60が、Mkインク流路バルブ382aを開状態としPkインク流路バルブ384aを閉状態とすることにより、Mkインクのみをヘッドユニット30へ流入させるようになっている。一方、ヘッドユニット30のブラック色に対応するノズルからPkインクを吐出させる際には、コントローラー60が、Mkインク流路バルブ382aを閉状態としPkインク流路バルブ384aを開状態とすることにより、Pkインクのみをヘッドユニット30へ流入させるようになっている。
【0063】
なお、本実施の形態において、ブラック色のインク以外の他の色のインク補給ユニット35については、複数種類のインクが選択的に吐出可能な構成とはなっていない。そのため、第一供給チューブ372乃至第四供給チューブの各々には、前述した共用流路386や接続部388は設けられておらず、また、インクカートリッジ362及びサブタンク364についても、それぞれ一つのみが設けられている。
【0064】
<<<切り替え処理について>>>
ここでは、Mkインク、Pkインク間の切り換え処理、すなわち、Mkインクがノズルから吐出可能な状態(以下、便宜上、Mk吐出可能状態と呼ぶ)とPkインクがノズルから吐出可能な状態(以下、便宜上、Pk吐出可能状態と呼ぶ)の相互切り替え処理について、Mk吐出可能状態からPk吐出可能状態への切り替え処理を例に挙げて、図4乃至図6を用いて説明する。図4は、切り替え処理が実行される前のブラックインク補給ユニット36の様子を示したブロック図である。図5は、バルブの切り替えが行われた直後のブラックインク補給ユニット36の様子を示したブロック図である。図6は、吸引処理が実行されているときのブラックインク補給ユニット36の様子を示したブロック図である。
【0065】
前述したとおり、図4には、切り替え処理が実行される前のブラックインク補給ユニット36の様子が示されている。このときには、図4に示されているように、Mkインク流路バルブ382aは開状態となっており(“O”は、「バルブ開状態」を表す)、Pkインク流路バルブ384aは開状態となっている(“C”は、「バルブ閉状態」を表す)。つまり、ヘッドユニット30(ヘッド31)内のインクが消費された際には、Mkサブタンク364a内のインクがMkインク流路382、接続部388、共用流路386を通って、ヘッドユニット30(ヘッド31)へ流入するような状態となっている。
【0066】
そして、かかる状態で、バルブの切り替えが、コントローラー60により行われる。すなわち、コントローラー60は、Mkインク流路バルブ382aを開状態から閉状態へ切り替え、Pkインク流路バルブ384aを閉状態から開状態へ切り替える。そして、図5に示すように、ブラックインク補給ユニット36は、ヘッドユニット30(ヘッド31)内のインクが消費された際には、Pkサブタンク364b内のインクがPkインク流路384、接続部388、共用流路386を通って、ヘッドユニット30(ヘッド31)へ流入するような状態となる。
【0067】
また、図6に示すように、本実施の形態においては、かかる状態で、コントローラー60が、クリーニングユニット43の吸引ポンプ43aを作動させて、吸引ポンプ43aにインクを吸引させる(図6には示されていないが、切り替え処理の際には、ヘッドユニット30(ヘッド31)はHPに位置しており、ヘッド31の下面(ノズル面)にキャップが密着している)。
【0068】
すなわち、当該切り替え処理の実行前には、ブラックインク補給ユニット36はMk吐出可能状態となっていたために、共用流路386及びヘッドユニット30内のインクの流路(ノズルも含む)には、Mkインクが存在している。そして、ブラックインク補給ユニット36がPk吐出可能状態となった後には、Pkインクのみがノズルから吐出される必要があるため、当該Mkインクが共用流路386及びヘッドユニット30内のインクの流路に存在(残留)しているのは不都合である。
【0069】
そのため、本実施の形態に係るコントローラー60は、残留しているMkインクを共用流路386及びヘッドユニット30内のインクの流路から排出すべく、吸引ポンプ43aにインクを吸引させる。したがって、この吸引されたMkインクは、印刷に用いられることなく消費されることとなる(無駄なインクとなる)。
【0070】
そして、かかる吸引処理により、供給チューブやヘッドユニット30内のインクの流路は、Pkインクで充填され、Pkインクのみがノズルから吐出可能な状態となり、切り替え処理が完了する。
【0071】
===印刷ジョブの順番変更について===
上述したとおり、マットブラック(Mk)インク、フォトブラック(Pk)インク間の切り換え処理時、すなわち、Mk吐出可能状態、Pk吐出可能状態の切り替え処理時には、印刷に用いられることなく消費されるインク(無駄なインク)が生じる。つまり、Mk吐出可能状態からPk吐出可能状態への切り替え処理の際には、吸引処理によりMkインクが印刷に用いられることなく消費され、Pk吐出可能状態からMk吐出可能状態への切り替え処理の際には、吸引処理によりPkインクが印刷に用いられることなく消費されることとなる。
【0072】
また、当該切り替え処理時に、前記吸引処理(換言すれば、インクを強制的に排出する処理)が仮に行われなくても、無駄なインクが生じ得る。すなわち、このような処理を行わない場合には、切り替え処理直後の印刷において、マットブラック(Mk)インクとフォトブラック(Pk)インクが混ざった状態で画像が形成される。そして、このような画像は、使い物にならないため、同じ画像を再度形成し直す必要があり、かかる場合にも、使い物にならない画像のために費やしたインクが無駄となる。
【0073】
一方で、画像記録装置1におけるブラック色のインクを用いた印刷は、コントローラー60により以下のように行われる。すなわち、コントローラー60は、印刷ジョブを受け取って、該印刷ジョブが示すインク種類情報に基づいて複数種類のインクのうちの一のインクをヘッドユニット30にノズルから吐出させることにより、印刷ジョブを実行して印刷を行う印刷処理を、複数回行う。
【0074】
具体的に説明すると、コントローラー60は、印刷ジョブをホストコンピューター110等から受け取って、当該印刷ジョブに含まれる内容を解析し、該印刷ジョブが示すインク種類情報、すなわち、Mkインクによる印刷であるかPkインクによる印刷であるか、を把握する。そして、当該インク種類情報に基づいて、複数種類のインクのうちの一のインク(すなわち、Mkインク又はPkインク)をヘッドユニット30にノズルから吐出させることにより、印刷ジョブを実行して印刷を行う。すなわち、インク種類情報が「Mkインク」であれば、コントローラー60は、Mkインクをヘッドユニット30に吐出させることにより印刷を行う。一方、インク種類情報が「Pkインク」であれば、コントローラー60は、Pkインクをヘッドユニット30に吐出させることにより印刷を行う。
【0075】
そして、コントローラー60は、このような印刷ジョブ単位の印刷処理を、印刷ジョブ毎に複数回行う。
【0076】
つまり、印刷ジョブには、Mkインクを用いた印刷に対応した印刷ジョブ(以下、便宜上、Mkジョブと呼ぶ)とPkインクを用いた印刷に対応した印刷ジョブ(以下、便宜上、Pkジョブと呼ぶ)があり、コントローラー60は、どちらかの印刷ジョブを受け取る。そして、Mkジョブを受け取った場合には、Mkジョブを実行してMkインクによる印刷を行う印刷処理(以下、便宜上、Mk印刷処理と呼ぶ)を行う。一方、Pkジョブを受け取った場合には、Pkジョブを実行してPkインクによる印刷を行う印刷処理(以下、便宜上、Pk印刷処理と呼ぶ)を行う。
【0077】
そして、前述したとおり、Mk吐出可能状態、Pk吐出可能状態の切り替え処理時には、無駄なインクが生じることとなるため、Mkジョブの実行(Mk印刷処理)の次にPkジョブの実行(Pk印刷処理)が行われる場合や、Pkジョブの実行(Pk印刷処理)の次にMkジョブの実行(Mk印刷処理)が行われる場合には(これらの場合を、便宜上、ジョブ変えと呼ぶ)、双方のジョブの実行間に前記切り替え処理が入り、したがって、当該無駄なインクが生じてしまうこととなる。
【0078】
そこで、本実施の形態に係るコントローラー60は、当該無駄なインクをなるべく生じさせないようにするために、印刷ジョブの実行順を、同一種類のインクが吐出される複数の印刷ジョブが連続して実行されるように、印刷ジョブの受取順から変更するようになっている。
【0079】
具体例を挙げて、図7及び図8を参照しつつ説明する。図7は、メモリー63内の印刷ジョブの変遷を表した模式図である。図8は、印刷ジョブを受け取ったときに当該印刷ジョブをどこに入れるかについての決定方法を示すフローチャートである。
【0080】
ここでは、コントローラー60が、時間t1でMkジョブ(第一Mkジョブとする)を、時間t2でPkジョブ(第一Pkジョブとする)を、時間t3でPkジョブ(第二Pkジョブとする)を、時間t4でMkジョブ(第二Mkジョブとする)を、受け取る具体例に基づいて説明する。
【0081】
コントローラー60が、時間t1で第一Mkジョブを受け取ると、図8に基づいて当該第一Mkジョブのメモリー63における入れ先を決めるが、メモリー63には未だ何も入っていないので第一判定でNとなり、第一Mkジョブはメモリー63にそのまま入ることとなる(図7の一段目参照)。なお、時間t1時点での印刷ジョブの実行順は、図7の一段目に示す通りとなり、当然のことながら、時間t1における印刷ジョブの受取の際には、印刷ジョブの実行順の受取順からの変更は行われないこととなる。
【0082】
次に、コントローラー60が、時間t2で第一Pkジョブを受け取ると、図8に基づいて当該第一Pkジョブのメモリー63における入れ先を決める。メモリー63内にはMkジョブのみがあるため、第一判定でNとなり、第一Pkジョブはメモリー63内の最後尾(第一Mkジョブの後)に入ることとなる(図7の二段目参照。なお、図における実線四角は、時間t2でメモリー63に入ってきた印刷ジョブを示し、破線四角は、時間t2で既にメモリー63内にあった印刷ジョブを示している)。なお、時間t2時点での印刷ジョブの実行順は、図7の二段目に示す通りとなり、時間t2における印刷ジョブの受取の際には、印刷ジョブの実行順(第一Mkジョブ→第一Pkジョブ)の受取順(第一Mkジョブ→第一Pkジョブ)からの変更は行われないこととなる。
【0083】
次に、コントローラー60が、時間t3で第二Pkジョブを受け取ると、図8に基づいて当該第二Pkジョブのメモリー63における入れ先を決める。メモリー63内にはMkジョブとPkジョブの双方があるため、第一判定でYとなり、受け取った印刷ジョブと最後尾の印刷ジョブのインク種類は同じ(共に、Pkインク)なので、第二判定でもYとなる。したがって、第二Pkジョブはメモリー63内の最後尾(第一Pkジョブの後)に入ることとなる(図7の三段目参照)。なお、時間t3時点での印刷ジョブの実行順は、図7の三段目に示す通りとなり、時間t3における印刷ジョブの受取の際には、印刷ジョブの実行順(第一Mkジョブ→第一Pkジョブ→第二Pkジョブ)の受取順(第一Mkジョブ→第一Pkジョブ→第二Pkジョブ)からの変更は行われないこととなる。
【0084】
次に、コントローラー60が、時間t4で第二Mkジョブを受け取ると、図8に基づいて当該第二Mkジョブのメモリー63における入れ先を決める。メモリー63内にはMkジョブとPkジョブの双方があるため、第一判定でYとなり、受け取った印刷ジョブと最後尾の印刷ジョブのインク種類は異なる(前者がMkインク、後者がPkインク)ので、第二判定でNとなる。したがって、第二Mkジョブは、受け取った印刷ジョブ(つまり、第二Mkジョブ)と同一種類のインクが吐出される印刷ジョブ(つまり、Mkジョブ)のうち最後尾のもの(つまり、第一Mkジョブ)の次に入ることとなる(図7の四段目参照)。
【0085】
なお、時間t4時点での印刷ジョブの実行順は、第二Mkジョブが第一Mkジョブと第一Pkジョブの間に割り込んで入った結果、図7の四段目に示す通りとなる。したがって、時間t4における印刷ジョブの受取の際には、印刷ジョブの実行順(第一Mkジョブ→第二Mkジョブ→第一Pkジョブ→第二Pkジョブ)の受取順(第一Mkジョブ→第一Pkジョブ→第二Pkジョブ→第二Mkジョブ)からの変更が行われることとなる。
【0086】
すなわち、コントローラー60は、印刷ジョブの実行順を、同一種類のインクが吐出される複数の印刷ジョブ(すなわち、第一Mkジョブと第二Mkジョブ)が連続して実行されるように、印刷ジョブの受取順から変更することとなる。より具体的には、全てのMkジョブが属するジョブ群(以下、Mkジョブ群と呼ぶ)と全てのPkジョブが属するジョブ群(以下、Pkジョブ群と呼ぶ)の二つのジョブ群に分かれるように、第二MkジョブをMkジョブ群の中に入れることとなる。
【0087】
このように、上述した具体例においては、印刷ジョブの受取順が第一Mkジョブ→第一Pkジョブ→第二Pkジョブ→第二Mkジョブなのに対し、印刷ジョブの実行順が第一Mkジョブ→第二Mkジョブ→第一Pkジョブ→第二Pkジョブとなっている。したがって、印刷ジョブの受取順のまま印刷ジョブを実行する場合(比較例の場合)には、無駄なインクを発生させる前述したジョブ変えが2回起こるのに対し、本実施の形態においては、当該ジョブ変えが1回しか起こらないこととなる。
【0088】
このように、本実施の形態においては、コントローラー60が、印刷ジョブの実行順を、同一種類のインクが吐出される複数の印刷ジョブ(すなわち、第一Mkジョブと第二Mkジョブ)が連続して実行されるように、印刷ジョブの受取順から変更することとしたため、無駄なインクを発生させるジョブ変えの回数を1回減らすことが可能となり、したがって、インクの節約を実現することができる。
【0089】
===その他の実施の形態===
上記の実施の形態は、主として印刷装置について記載されているが、印刷方法等の開示も含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0090】
また、上記実施の形態においては、媒体としてロール紙2を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、カット紙、フィルム、布であってもよい。
【0091】
また、上記実施の形態においては、ヘッドユニット30が複数(15個)のヘッド31を有していることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ヘッドユニット30が、一つのヘッド31からなることとしてもよい。
【0092】
また、上記実施の形態においては、複数種類のインクとしてMkインク及びPkインクを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、他の複数種類のインクであってもよい。また、この複数種類のインクは、Mkインク及びPkインクのような同系統のインクでなくても構わない。また、複数種類のインクは、必ずしも二種類のインクである必要はなく、三種類以上のインクであっても構わない。
【0093】
また、上記実施の形態においては、Mk吐出可能状態、Pk吐出可能状態の切り替え処理時に、吸引処理によりインクの排出を行うこととしたが、これに限定されるものではない。例えば、フラッシング処理によりインクの排出を行うこととしてもよい。
【0094】
また、コントローラー60が実行順の受取順からの変更を行うか否かについての可否情報を受け取って、該可否情報が行うことを示しているときのみ、該変更を行うようにすれば、ユーザーの利便性の向上という観点でさらに有効である。例えば、当該実行順の受取順からの変更を行うインク節約モードと、当該変更を行わない(すなわち、前記比較例と同様に受取順どおり印刷ジョブを実行する)通常モードとが画像記録装置1に用意されており、ユーザーからホストコンピューター等を経由してインク節約モードを実施するか否かについての情報(すなわち、前記可否情報)をコントローラー60が受け取って、インク節約モードの実施をするということであれば(当該情報がインク節約モードの実施を示しているときのみ)、実行順の受取順からの変更を行うようにしてもよい。
【0095】
かかる場合には、ユーザーが、コスト面(インクの節約)を重視している場合にはインク節約モードを選択し、印刷ジョブの実行順を受取順から崩したくない場合には通常モードを選択することができる。そのため、ユーザーの利便性が向上する点で優位性を有する。
【0096】
また、上記実施の形態においては、コントローラー60が、印刷ジョブを受け取る毎に、印刷ジョブの実行順を、同一種類のインクが吐出される複数の印刷ジョブが連続して実行されるように、印刷ジョブの受取順から変更することとした(なお、当然のことながら、「印刷ジョブを受け取る毎に」とは、同一種類のインクが吐出される複数の印刷ジョブが連続して実行されるような変更の仕方がない場合にも当該変更を行うという意味ではなく、このような変更の仕方がある場合に変更を行うという意味である)。しかしながら、これに限定されるものではない。
【0097】
例えば、印刷ジョブを受け取る毎ではなく、所定時間毎にこのような変更を行うようにしてもよい。但し、印刷ジョブの実行順の受取順からの変更を綿密に行うことができる点で、上記実施の形態の方が望ましい。
【0098】
また、上記実施の形態においては、印刷ジョブが直接的にインク種類情報を示す例を挙げた。すなわち、印刷ジョブが、Mkインクによる印刷であるかPkインクによる印刷であるかを示していることとした。しかしながら、これに限定されるものではなく、印刷ジョブが間接的にインク種類情報を示していてもよい。
【0099】
一例を挙げると、上質紙にはMkインクを、それ以外の媒体にはPkインクを、それぞれ用いるのが通常であるため、印刷ジョブが上質紙への印刷であることを示していれば、コントローラー60は、Mkインクによる印刷であると解釈して動作し、印刷ジョブがそれ以外の媒体への印刷であることを示していれば、コントローラー60は、Pkインクによる印刷であると解釈して動作することが可能である。かかる場合には、印刷ジョブが、上質紙への印刷であるかそれ以外の媒体への印刷であるかを示していれば、間接的にMkインクによる印刷であるかPkインクによる印刷であるかを示していることとなる。そして、このような場合であっても構わない。
【0100】
また、上記実施の形態においては、コントローラー60が、印刷ジョブの実行順を、同一種類のインクが吐出される複数の印刷ジョブが連続して実行されるように、印刷ジョブの受取順から変更することとしたが、これに加えて、印刷ジョブが示す媒体種類情報に基づいて、印刷ジョブの実行順を、同一種類の媒体にインクが吐出される複数の印刷ジョブが連続して実行されるように、印刷ジョブの受取順から変更することとしてもよい。
【0101】
すなわち、この例(以下、上記実施の形態を第一実施形態と呼び、この例を第二実施形態と呼ぶ)においては、印刷ジョブが示すインク種類情報だけでなく媒体種類情報も加味して、印刷ジョブの実行順の受取順からの変更を行う。
【0102】
具体例を挙げて、図9を参照しつつ説明する。図9は、第二実施形態における印刷ジョブの入れ先の、第一実施形態との相違を、説明するための説明図である。
【0103】
前述したとおり、印刷ジョブには、Mkインクを用いた印刷に対応したMkジョブとPkインクを用いた印刷に対応したPkジョブがあるが、媒体種類(ここでは、一例として、紙幅の異なる二種類の紙(便宜上、幅狭紙と幅広紙とする)を挙げて説明する)も加味すると、以下の四つのジョブがあることとなる。すなわち、Mkインクを用いて幅狭紙に印刷するジョブ(Mk幅狭ジョブとする)と、Mkインクを用いて幅広紙に印刷するジョブ(Mk幅広ジョブとする)と、Pkインクを用いて幅狭紙に印刷するジョブ(Pk幅狭ジョブとする)と、Pkインクを用いて幅広紙に印刷するジョブ(Pk幅広ジョブとする)である。
【0104】
そして、ある時点でのこれらの印刷ジョブの実行順が、例えば、図9に示すようになっていた場合に、コントローラー60が、第三Mk幅狭ジョブを受け取ると、第一実施形態においては媒体種類が加味されていないため、第三Mk幅狭ジョブは、第二Mk幅広ジョブの後に入ることとなっていた(図9の破線矢印参照)。これに対し、第二実施形態においては、媒体種類が加味され、第三Mk幅狭ジョブは、第二Mk幅狭ジョブの後に入ることとなる(図9の実線矢印参照)。
【0105】
すなわち、第一実施形態においては、全てのMkジョブが属するMkジョブ群と全てのPkジョブが属するPkジョブ群の二つのジョブ群に分かれるように、受け取った印刷ジョブをMkジョブ群及びPkジョブ群のうちのどちらかの最後尾に入れることとしていた。
【0106】
これに対し、第二実施形態においては、Mkジョブ群とPkジョブ群の二つのジョブ群に分かれるように、受け取った印刷ジョブをMkジョブ群及びPkジョブ群のうちのどちらかに入れるものの、入れ先は媒体種類を加味して決定される。すなわち、Mkジョブ群に入れる場合には、全てのMk幅狭ジョブが属するMk幅狭ジョブ群と全てのMk幅広ジョブが属するMk幅広ジョブ群の二つのジョブ群に分かれるように、受け取った印刷ジョブをMk幅狭ジョブ群及びMk幅広ジョブ群のうちのどちらかの最後尾に入れる。また、Pkジョブ群に入れる場合には、全てのPk幅狭ジョブが属するPk幅狭ジョブ群と全てのPk幅広ジョブが属するPk幅広ジョブ群の二つのジョブ群に分かれるように、受け取った印刷ジョブをPk幅狭ジョブ群及びPk幅広ジョブ群のうちのどちらかの最後尾に入れる。
【0107】
そして、第二実施形態は、第一実施形態と比べて、以下で説明する優位性を有することとなる。すなわち、幅広ジョブの実行の次に幅狭ジョブの実行が行われる場合や、幅狭ジョブの実行の次に幅広ジョブの実行が行われる場合には(これらの場合を、便宜上、第二ジョブ変えと呼ぶ)、双方のジョブの実行間に紙の交換作業が必要となり、ユーザーへ手間を与えることとなる。
【0108】
一方、図9に示したように、第一実施形態(つまり、第三Mk幅狭ジョブが第二Mk幅広ジョブの後に入る場合)においては、ユーザーへ紙の交換作業という手間を与える第二ジョブ変えが、Mkジョブ(群)の実行の際に2回起こるのに対し、第二実施形態(つまり、第三Mk幅狭ジョブが第二Mk幅狭ジョブの後に入る場合)においては、当該第二ジョブ変えが1回しか起こらないこととなる。このように、第二実施形態は、ユーザーの手間を少なくすることができる点で、優位性を有する。
【0109】
一方で、第一実施形態は、第二実施形態と比べて、コントローラー60による制御が簡易なものとなる点で、優位性を有する。
【符号の説明】
【0110】
1 画像記録装置、2 ロール紙
10 給送ユニット、18 巻軸、19 中継ローラー
20 搬送ユニット、20a ステアリングユニット、21 中継ローラー
22 中継ローラー
23 第一搬送ローラー、23a 第一駆動ローラー、23b 第一従動ローラー
24 第二搬送ローラー、24a 第二駆動ローラー、24b 第二従動ローラー
25 反転ローラー、26 中継ローラー、27 送り出しローラー、29 プラテン
30 ヘッドユニット、31 ヘッド
35 インク補給ユニット、36 ブラックインク補給ユニット
40 キャリッジユニット、41 ガイドレール、42 キャリッジ
43 クリーニングユニット、43a 吸引ポンプ、44 フラッシングユニット
50 検出器群、60 コントローラー、61 インターフェース部
62 CPU、63 メモリー、64 ユニット制御回路
70 ヒーターユニット、80 送風ユニット、81 ファン
90 巻き取りユニット、91 中継ローラー、92 巻き取り駆動軸
110 ホストコンピューター
302 第一ヘッド群、304 第二ヘッド群
306 第三ヘッド群、308 第四ヘッド群
362 インクカートリッジ
362a Mkインクカートリッジ、362b Pkインクカートリッジ
364 サブタンク
364a Mkサブタンク、364b Pkサブタンク
370 IC−ST間チューブ
372 第一供給チューブ、374 第二供給チューブ
376 第三供給チューブ、378 第四供給チューブ
382 Mkインク流路、382a Mkインク流路バルブ
384 Pkインク流路、384a Pkインク流路バルブ
386 共用流路、388 接続部
390 IC−ST間バルブ、400 ケーブルベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のインクが選択的に通過可能なノズルを有し、該ノズルからインクを媒体に吐出するヘッドユニットと、
印刷ジョブを受け取って、該印刷ジョブが示すインク種類情報に基づいて前記複数種類のインクのうちの一のインクを前記ヘッドユニットに前記ノズルから吐出させることにより、前記印刷ジョブを実行して印刷を行う印刷処理を、
複数回行うコントローラーと、
を備える印刷装置であって、
前記コントローラーは、前記印刷ジョブの実行順を、同一種類のインクが吐出される複数の前記印刷ジョブが連続して実行されるように、前記印刷ジョブの受取順から変更することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置において、
前記コントローラーは、
前記実行順の前記受取順からの変更を行うか否かについての可否情報を受け取って、
該可否情報が行うことを示しているときのみ、該変更を行うことを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の印刷装置において、
前記コントローラーは、
前記印刷ジョブを受け取る毎に、前記印刷ジョブの実行順を、同一種類のインクが吐出される複数の前記印刷ジョブが連続して実行されるように、前記印刷ジョブの受取順から変更することを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の印刷装置において、
前記コントローラーは、
前記印刷ジョブが示す媒体種類情報に基づいて、
前記印刷ジョブの実行順を、同一種類の媒体にインクが吐出される複数の前記印刷ジョブが連続して実行されるように、前記印刷ジョブの受取順から変更することを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
複数種類のインクが選択的に通過可能なノズルを有し、該ノズルからインクを媒体に吐出するヘッドユニットと、
印刷ジョブを受け取って、該印刷ジョブが示すインク種類情報に基づいて前記複数種類のインクのうちの一のインクを前記ヘッドユニットに前記ノズルから吐出させることにより、前記印刷ジョブを実行して印刷を行う印刷処理を、
複数回行うコントローラーと、
を備える印刷装置を準備することと、
前記印刷ジョブの実行順を、同一種類のインクが吐出される複数の前記印刷ジョブが連続して実行されるように、前記印刷ジョブの受取順から変更することと、
を有することを特徴とする印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−99863(P2013−99863A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243730(P2011−243730)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ケーブルベア
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】