印刷装置、及び印刷装置の消費電力制御方法
【課題】本発明は消費電力を削減する印刷装置、及び印刷装置の消費電力制御方法に関し、特に印刷装置が待機中、及び稼動中においても使用しない期間印字ヘッドを低消費電力モードに移行し、印刷装置の消費電力の低減するものである。
【解決手段】印刷装置であって、印刷データのコマンド解析を行い、描画データを作成する描画データ作成手段と、該描画データ作成手段から転送される前記描画データに従って記録媒体に印字を行う印字ヘッドと、該印字ヘッドによる上記記録媒体への印字処理が終了すると、上記印字ヘッドを省電力モードに設定する省電力モード設定手段と、次の印刷データのコマンド解析が行われ、再度上記印字ヘッドに描画データが転送されると、上記省電力モードから印刷モードに設定する印刷モード設定手段とを有することを特徴とする。
【解決手段】印刷装置であって、印刷データのコマンド解析を行い、描画データを作成する描画データ作成手段と、該描画データ作成手段から転送される前記描画データに従って記録媒体に印字を行う印字ヘッドと、該印字ヘッドによる上記記録媒体への印字処理が終了すると、上記印字ヘッドを省電力モードに設定する省電力モード設定手段と、次の印刷データのコマンド解析が行われ、再度上記印字ヘッドに描画データが転送されると、上記省電力モードから印刷モードに設定する印刷モード設定手段とを有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は消費電力を削減する印刷装置、及び印刷装置の消費電力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、地球環境の保持が世界的に叫ばれ、地球温暖化防止会議を中心として温室効果ガスの排出規制が実現化に向かっている。このような状況において、プリンタ装置や複写機等の印刷装置においても、消費電力の削減を図ることが要望されている。
【0003】
従来、一定時間印刷指示がない場合、定着ヒータをオフして(スリープモードとして)消費電力を低減する処理が行われている。また、LED素子を印字ヘッドに使用し、カラーモードとモノクロモードの切換が可能な画像形成装置では、印字ヘッドも低消費電力モードに切り換えて消費電力の削減を図っている。
【0004】
特許文献1はデジタル複写機等の画像処理装置に関し、原稿読み取りや、画像の書き込みに必要な場合にのみ、電源部から原稿読取機能部に電源供給を行い、消費電力の削減を図る発明を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−217075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の方法では、印刷装置がスリープモードに移行した時、印字ヘッドも低消費電力モードに切り換えて消費電力の削減を図っている。このため、印刷装置が待機中、及び稼動中においては印字ヘッドが低消費電力モードに移行することがなく、印字ヘッドも駆動可能状態に維持され、無駄な電力を消費している。
【0007】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、印刷装置が待機中、及び稼動中においても使用しない期間、印字ヘッドを低消費電力モードに移行し、印刷装置の消費電力の低減を図るものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は第1の発明によれば、印刷データのコマンド解析を行い、描画データを作成する描画データ作成手段と、該描画データ作成手段から転送される前記描画データに従って記録媒体に印字を行う印字ヘッドと、該印字ヘッドによる前記記録媒体への印字処理が終了すると、前記印字ヘッドを省電力モードに設定する省電力モード設定手段と、次の印刷データのコマンド解析が行われ、再度前記印字ヘッドに描画データが転送されると、前記省電力モードから印刷モードに設定する印刷モード設定手段と、を有する印刷装置を提供することによって達成できる。
【0009】
また、上記課題は第2の発明によれば、前記印刷モード設定手段は、前記記録媒体の後端が前記印字ヘッドを通過した後、前記印字ヘッドを印刷モードに設定する印刷装置を提供することによって達成できる。
【0010】
また、上記課題は第3の発明によれば、前記省電力モードから印刷モードに設定する際、前記印字ヘッドに光量補正データを書き込む構成の印刷装置を提供することによって達成できる。
【0011】
また、上記課題は第4の発明によれば、前記光量補正データは、前記印字ヘッドの不揮発性メモリに記憶されている構成の印刷装置を提供することによって達成できる。
【0012】
さらに、上記課題は第5の発明によれば、印刷データのコマンド解析を行い、描画データを作成する描画データ作成処理と、該描画データに従って印字ヘッドによって記録媒体に印字を行う印字処理と、前記記録媒体への印字処理が終了すると、前記印字ヘッドを省電力モードに設定する省電力モード設定処理と、次の印刷データのコマンド解析が行われ、再度前記印字ヘッドに描画データが転送されると、前記省電力モードから印刷モードに設定する印刷モード設定処理と、を行う印刷装置の消費電力制御方法を提供することによって達成できる。
【0013】
また、上記課題は第6の発明によれば、前記印刷モード設定手段は、前記記録媒体の後端が前記印字ヘッドを通過した後、前記印字ヘッドを印刷モードに設定する印刷装置の消費電力制御方法を提供することによって達成できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、印刷装置が待機中及び稼動中においても使用しない印字ヘッドを低消費電力モードに移行し、連続ページ印刷中における紙間や、印刷装置の待機中においても消費電力の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態のヘッド制御部の構成、及びビデオI/F制御部の構成を具体的に説明する図である。
【図2】本実施形態を説明する印刷装置のシステム構成図である。
【図3】本実施形態の処理動作を説明するフローチャートである。
【図4】本実施形態の処理動作を説明するタイムチャートである。
【図5】画像が印刷される用紙の構成を示す図である。
【図6】カラー印刷時のタイムチャート、印刷又は省電力モードの別、及びヘッド消費電力を示す図である。
【図7】従来例のタイムチャート、印刷又は省電力モードの別、及びヘッド消費電力を示す図である。
【図8】カラー印刷時の従来と本例の消費電力を比較する図である。
【図9】モノクロ印刷時のタイムチャート、印刷又は省電力モードの別、及びヘッド消費電力を示す図である。
【図10】従来例のタイムチャート、印刷又は省電力モードの別、及びヘッド消費電力を示す図である。
【図11】モノクロ印刷時の従来と本例の消費電力を比較する図である。
【図12】ブラックの印字ヘッド以外の印字ヘッドを省電力モードとした際の、モノクロ印刷時のタイムチャート、印刷又は省電力モードの別、及びヘッド消費電力を示す図である。
【図13】従来例のタイムチャート、印刷又は省電力モードの別、及びヘッド消費電力を示す図である。
【図14】ブラックの印字ヘッド以外の印字ヘッドを省電力モードとした際の、モノクロ印刷時の従来と本例の消費電力を比較する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本実施形態を説明する印刷装置のシステム構成図である。同図において、印刷装置1はインターフェイスコントローラ(以下、I/Fコントローラで示す)2、エンジン制御部3で構成され、I/Fコントローラ2は受信制御部4、ROM5、フォント6、表示制御部7、ビデオI/F制御部8、メモリ(SDRAM)9、ASIC(DMA制御部)10、MPU11で構成されている。また、表示制御部7には不図示のオペレーションパネルが接続されている。
【0017】
一方、エンジン制御部3は印字ヘッド制御部(以下、単にヘッド制御部で示す)12、モータ制御部13、MPU14、定着制御部15、高圧制御部16、印字ヘッド17、メインモータ18、各種負荷19、各種センサ20、定着サーミスタ21、定着ヒータ22、高圧部23で構成されている。
【0018】
また、上記構成の印刷装置1には、USB(universal serial bus)インターフェイス、及びLAN(local area network)を介してパーソナルコンピュータ(PC)やプリンタサーバ等のホスト機器25から印刷データが供給される。ホスト機器25から供給された印刷データは、上記受信制御部4に転送され、所定量の印刷データが受信制御部4に転送されると、印刷データはメモリ(SDRAM)9に転送される。メモリ(SDRAM)9に転送された印刷データは、以後MPU11の制御に従って解析処理が行われ、ASIC(DMA制御部)10によって圧縮、伸張処理が行われた後、ビデオI/F制御部8からエンジン制御部3(ヘッド制御部12)に出力される。
【0019】
ヘッド制御部12に出力されたビデオデータには、後述する処理が施され、印字ヘッド17に出力される。尚、モータ制御部13は、メインモータ18の駆動制御を行い、MPU14はヘッド制御部12やモータ制御部13の制御を行うと共に、定着制御部15や高圧制御部16の駆動制御を行う。
【0020】
図1は、上記ヘッド制御部12の構成、及びビデオI/F制御部8の構成を具体的に説明する図である。尚、同図において、ビデオI/F制御部8は説明上ヘッド制御部12に含ませて説明する。
【0021】
ヘッド制御部12はヘッドI/F制御部30、ヘッド補正データ制御部31、基本タイミング生成部32、CPUI/F部33で構成されている。尚、ビデオI/F制御部8にはI/Fコントローラ2によって生成されたビデオデータを格納するビデオRAM8aが接続されている。
【0022】
ヘッドI/F制御部30はドットパターン生成部34、ヘッドデータ送信部35、ヘッド制御信号生成部36、ストローブ信号生成部37、及びRAM39で構成され、ドットパターン生成部34はビデオI/F制御部8から供給されたビデオデータの1画素を各階調値に基づき、不図示のパターン登録レジスタを参照してN個の微画素に展開したデータを生成する。
【0023】
ヘッドデータ送信部35はドットパターン生成部34によって生成したデータをヘッド制御信号生成部36から出力されるドットクロック(DCLK)に同期して印字ヘッド17に転送する。尚、ヘッド制御信号生成部36は上記ドットクロック(DCLK)の他、水平同期信号(HSYNC)の出力も行う。
【0024】
また、ストローブ信号生成部37はCPUI/F部33によって設定された階調情報に従って副走査方向をn分割し、対応するストローブ信号を印字ヘッド17に送信する。例えば、副走査方向が3分割の場合、サブライン(1/3)、(2/3)、(3/3)の3種類のストローブ信号を出力し、副走査方向が4分割の場合、サブライン(1/4)、(2/4)、(3/4)、(4/4)の4種類のストローブ信号を出力する。
【0025】
基本タイミング生成部32はCPUI/F部33によって設定される階調情報に従って、副走査方向をn分割した際の対応するタイミング信号を生成し、各部に出力する。CPUI/F部33は上記の階調情報を出力すると共に、アドレスデコード処理、及び各モジュールのレジスト処理等を行う。
【0026】
一方、ヘッド補正データ制御部31はシリアルインターフェース制御部(以下、シリアルI/F制御部で示す)40を備え、印字ヘッド17内のヘッド情報ROM41から光量補正データの供給を受ける。尚、ヘッド情報ROM41に記憶される光量補正データは、印字ヘッド17を構成する各発光素子の光量バラツキを予め測定し、この補正データが光量補正データとして記憶されている。
【0027】
また、ヘッド補正データ制御部31は、印字ヘッド17を省電力モードから印刷モードに移行する際、ヘッド情報ROM41から読み出した光量補正データをRAM39の補正テーブル39bに書き込む。また、RAM39はラインバッファ39aを備え、省電力モードから印刷モードに移行する際、補正テーブル39bに書き込まえた光量補正データをラインバッファ39aを介して、印字ヘッド17に送信する。
【0028】
上記構成において、以下に本例の処理動作を説明する。
図3は、本例の処理動作を説明するフローチャートである。また、図4は本例の処理動作を説明するタイムチャートである。
【0029】
先ず、ホスト機器25のアプリケーションによって作成された印刷データは、前述のようにホスト機器25からLAN又はUSB経由で受信制御部4に送信され、更にメモリ(SDRAM)9に転送され、MPU11の制御によって印刷データのコマンド解析が行われ、描画データが生成される。
【0030】
上記描画データは垂直同期信号(VSYNC)が出力される(ローレベルとなる)タイミングでページ開始処理が行われる(ステップ(以下、Sで示す)1)。具体的にはビデオI/F制御部8が描画データを受信し、ヘッドI/F制御部30に描画データを転送するタイミングでページ開始処理が行われる。
【0031】
印刷装置1は印刷モードの設定開始処理を行い(S2)、前述の印字ヘッド17のヘッド情報ROM41から各発光素子の光量バラツキを補正する光量補正データを読み出し(S3、図4に示すa)、シリアルI/F制御部40を介してヘッド補正データ制御部31からRAM39の補正テーブル39bに書き込む。そして、補正テーブル39bに書き込まれた光量補正データを印字ヘッド17に転送し(S4、図4に示すb)、印字ヘッド17の所定エリアに書き込む。
【0032】
その後、描画データは前述のように、ドットパターン生成部34の処理、及びヘッドデータ送信部35の送信処理によって印字ヘッド17に供給される(S5、図4に示すc)。
図5は画像が印刷される用紙Pの構成を示す図であり、用紙Pの排紙方向(搬送方向)に対して前方に先端余白P1が形成され、次に印刷エリアP2が形成され、最後の後端余白P3が形成される。上記先端余白P1が印字ヘッド17の直下を通過する間、光量補正データの読み出し処理(図4に示すa)や、印字ヘッド17への光量補正データの転送処理(図4に示すb)が行われ、印刷エリアP2が印字ヘッド17の直下を通過する際、用紙Pへの印刷処理が行われる。
【0033】
さらに、用紙Pの後端余白P3が印字ヘッド17の直下を通過し終わるとページの終了を判断し(S6がYES)、省電力モードへの移行処理を行う(S7、図4に示すd)。例えば、印字ヘッド17に対して所定のデータ又はコマンドを供給し、印字ヘッド17を省電力モードに設定する。また、この間は次の用紙Pへの印刷処理を行う際の紙間に対応し、この紙間、例えば60mm(444ms)の間、印字ヘッド17を省電力モードに維持する(図4に示すe)。尚、本例の用紙P(記録媒体)は、同図に示すように、先端及び後端余白が5.5mm、印字エリアが200mmの例を示している。
【0034】
その後、再度ページ開始指示があると(S1、図4に示すf)、印刷装置1は印刷モードの設定処理を行い(S2)、光量補正データの読み出し処理(S3、図4に示すa)、印字ヘッド17への光量補正データの転送処理(S4、図4に示すb)を繰り返す。
【0035】
以上のように処理することによって、印刷装置1の紙間の期間、印字ヘッド17は省電力モードに設定され、消費電力を低減することができる。
【0036】
図6は、カラー印刷時のタイムチャート、印刷又は省電力モードの別、及びヘッド消費電力を示す図であり、タイムチャートは同図のaに示し、印刷又は省電力モードの別は同図のbに示し、ヘッド消費電力は同図のcに示す。尚、同図の例は2枚連続で印刷処理を行う例である。
【0037】
同図の例は上記のようにカラー印刷であり、例えば初期時省電力モードに設定されているイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各印字ヘッド17は、垂直同期信号(VSYNC)の出力に従って印刷モードに切り替わり、対応する色の印字ヘッド17によって用紙Pへの印刷処理が行われ、印刷処理が終了すると、省電力モードに切り替わる。この場合、各色の印字ヘッド17の印刷モード時、消費電力は800mAであり、省電力モードでの消費電力は20mAであり、各印字ヘッド17の消費電力は同図のcに示すようになる。したがって、本例の場合、印刷モード時最大2420mAの電流を消費し、省電力モード時80mAの電流を消費することになる。
【0038】
一方、従来の場合、図7に示すように、本例と同じタイムチャート(同図のa)において、印刷モード時の消費電力は同じであるが、非印刷時(印刷モード(消灯))では500mAが消費され、消費電力は同図に示すようになる。すなわち、従来の場合、印刷モード時最大2900mAの電流を消費し、省電力モード時2000mAの電流を消費する。
【0039】
したがって、本例の印刷装置1は従来の装置に比べて、待機時の消費電力を96%低減することができ、印刷時の消費電力を17%低減させることができる。
【0040】
図8は従来と本例の消費電力を比較する図であり、使用する電流量を比較することによって、消費電力の差を明確にするものである。同図に示すように、待機時及び印刷時の何れにおいても、従来に比べて使用する電流量が少なく、従来に比べて消費電力の低減を図ることができる。
【0041】
一方、図9は、モノクロ印刷時のタイムチャート、印刷又は省電力モードの別、及びヘッド消費電力を示す図であり、前述と同様、タイムチャートは同図のaに示し、印刷又は省電力モードの別は同図のbに示し、ヘッド消費電力は同図のcに示す。尚、同図の例も2枚連続で印刷処理を行う例である。
【0042】
本例は上記のようにモノクロ印刷の例であり、初期時省電力モードに設定されていたブラック(K)の印字ヘッド17は、垂直同期信号(VSYNC)の出力に従って印刷モードに切り替わり、このブラックの印字ヘッド17によって用紙Pへの印刷処理が行われ、印刷処理が終了すると、省電力モードに切り替わる。この場合、前述と同様、印字ヘッド17の印刷モードでの消費電力を800mAとし、省電力モードでの消費電力を20mAとすると、ブラックの印字ヘッド17の消費電力は同図のcに示すようになる。したがって、本例の場合、印刷モード時最大860mAの電流を消費し、省電力モード時80mAの電流を消費する。
【0043】
一方、従来の場合、図10に示すように、本例と同じタイムチャート(同図のa)において、印刷モード時の消費電力は同じであるが、非印刷時(印刷モード(消灯))では500mAが消費され、消費電力は同図に示すようになる。すなわち、従来の場合、印刷モード時最大2300mAの電流を消費し、省電力モード時2000mAの電流を消費する。
【0044】
したがって、本例の印刷装置1では、モノクロ印刷の場合でも、従来の装置に比べて、待機時の消費電力を96%低減することができ、印刷時の消費電力を63%低減させることができる。
【0045】
図11は、モノクロの場合の従来と本例の消費電力を比較する図であり、使用する電流量を比較することによって、消費電力の差を明確にするものである。同図に示すように、待機時及び印刷時の何れにおいても、従来に比べて使用する電流量が少なく、従来に比べて消費電力の低減を図ることができる。
【0046】
また、図12は、モノクロ印刷時のタイムチャート、印刷又は省電力モードの別、及びヘッド消費電力を示す図であり、前述と同様、タイムチャートは同図のaに示し、印刷又は省電力モードの別は同図のbに示し、ヘッド消費電力は同図のcに示す。尚、同図の例も2枚連続で印刷処理を行う例であり、前述の図9との差はブラック以外の印字ヘッド17が全て省電力モードに設定されていることである。
【0047】
この場合、待機時80mAを消費し、印刷モード時860mAの電流を消費し、紙間時80mAの電流を消費する。一方、従来の場合、図13に示すように、待機時560mAを消費し、印刷モード時860mAの電流を消費し、紙間時560mAの電流を消費する。
【0048】
したがって、従来の装置に比べて、待機時の消費電力を86%低減することができ、紙間時も消費電力を86%低減させることができる。
【0049】
図14は、従来と本例の消費電力を比較する図であり、使用する電流量を比較することによって、消費電力の差を明確にするものである。同図に示すように、待機時及び印刷時の何れにおいても、従来に比べて使用する電流量が少なく、従来に比べて消費電力の低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0050】
1・・・印刷装置
2・・・I/Fコントローラ
3・・・エンジン制御部
4・・・受信制御部
5・・・ROM
6・・・フォント
7・・・表示制御部
8・・・ビデオI/F制御部
9・・・メモリ
10・・DMA制御部
11・・MPU
12・・ヘッド制御部
13・・モータ制御部
14・・MPU
15・・定着制御部
16・・高圧制御部
17・・印字ヘッド
18・・メインモータ
19・・各種負荷
20・・各種センサ
21・・定着サーミスタ
22・・定着ヒータ
23・・高圧部
24・・オペレーションパネル
25・・ホスト機器
30・・ヘッドI/F制御部
31・・ヘッド補正データ制御部
32・・基本タイミング生成部
33・・CPUI/F部
34・・ドットパターン生成部
35・・ヘッドデータ送信部
36・・ヘッド制御信号生成部
37・・ストローブ信号生成部
39・・RAM
39a・・ラインバッファ
39b・・補正テーブル
40・・シリアルI/F制御部
41・・ヘッド情報ROM
【技術分野】
【0001】
本発明は消費電力を削減する印刷装置、及び印刷装置の消費電力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、地球環境の保持が世界的に叫ばれ、地球温暖化防止会議を中心として温室効果ガスの排出規制が実現化に向かっている。このような状況において、プリンタ装置や複写機等の印刷装置においても、消費電力の削減を図ることが要望されている。
【0003】
従来、一定時間印刷指示がない場合、定着ヒータをオフして(スリープモードとして)消費電力を低減する処理が行われている。また、LED素子を印字ヘッドに使用し、カラーモードとモノクロモードの切換が可能な画像形成装置では、印字ヘッドも低消費電力モードに切り換えて消費電力の削減を図っている。
【0004】
特許文献1はデジタル複写機等の画像処理装置に関し、原稿読み取りや、画像の書き込みに必要な場合にのみ、電源部から原稿読取機能部に電源供給を行い、消費電力の削減を図る発明を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−217075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の方法では、印刷装置がスリープモードに移行した時、印字ヘッドも低消費電力モードに切り換えて消費電力の削減を図っている。このため、印刷装置が待機中、及び稼動中においては印字ヘッドが低消費電力モードに移行することがなく、印字ヘッドも駆動可能状態に維持され、無駄な電力を消費している。
【0007】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、印刷装置が待機中、及び稼動中においても使用しない期間、印字ヘッドを低消費電力モードに移行し、印刷装置の消費電力の低減を図るものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は第1の発明によれば、印刷データのコマンド解析を行い、描画データを作成する描画データ作成手段と、該描画データ作成手段から転送される前記描画データに従って記録媒体に印字を行う印字ヘッドと、該印字ヘッドによる前記記録媒体への印字処理が終了すると、前記印字ヘッドを省電力モードに設定する省電力モード設定手段と、次の印刷データのコマンド解析が行われ、再度前記印字ヘッドに描画データが転送されると、前記省電力モードから印刷モードに設定する印刷モード設定手段と、を有する印刷装置を提供することによって達成できる。
【0009】
また、上記課題は第2の発明によれば、前記印刷モード設定手段は、前記記録媒体の後端が前記印字ヘッドを通過した後、前記印字ヘッドを印刷モードに設定する印刷装置を提供することによって達成できる。
【0010】
また、上記課題は第3の発明によれば、前記省電力モードから印刷モードに設定する際、前記印字ヘッドに光量補正データを書き込む構成の印刷装置を提供することによって達成できる。
【0011】
また、上記課題は第4の発明によれば、前記光量補正データは、前記印字ヘッドの不揮発性メモリに記憶されている構成の印刷装置を提供することによって達成できる。
【0012】
さらに、上記課題は第5の発明によれば、印刷データのコマンド解析を行い、描画データを作成する描画データ作成処理と、該描画データに従って印字ヘッドによって記録媒体に印字を行う印字処理と、前記記録媒体への印字処理が終了すると、前記印字ヘッドを省電力モードに設定する省電力モード設定処理と、次の印刷データのコマンド解析が行われ、再度前記印字ヘッドに描画データが転送されると、前記省電力モードから印刷モードに設定する印刷モード設定処理と、を行う印刷装置の消費電力制御方法を提供することによって達成できる。
【0013】
また、上記課題は第6の発明によれば、前記印刷モード設定手段は、前記記録媒体の後端が前記印字ヘッドを通過した後、前記印字ヘッドを印刷モードに設定する印刷装置の消費電力制御方法を提供することによって達成できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、印刷装置が待機中及び稼動中においても使用しない印字ヘッドを低消費電力モードに移行し、連続ページ印刷中における紙間や、印刷装置の待機中においても消費電力の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態のヘッド制御部の構成、及びビデオI/F制御部の構成を具体的に説明する図である。
【図2】本実施形態を説明する印刷装置のシステム構成図である。
【図3】本実施形態の処理動作を説明するフローチャートである。
【図4】本実施形態の処理動作を説明するタイムチャートである。
【図5】画像が印刷される用紙の構成を示す図である。
【図6】カラー印刷時のタイムチャート、印刷又は省電力モードの別、及びヘッド消費電力を示す図である。
【図7】従来例のタイムチャート、印刷又は省電力モードの別、及びヘッド消費電力を示す図である。
【図8】カラー印刷時の従来と本例の消費電力を比較する図である。
【図9】モノクロ印刷時のタイムチャート、印刷又は省電力モードの別、及びヘッド消費電力を示す図である。
【図10】従来例のタイムチャート、印刷又は省電力モードの別、及びヘッド消費電力を示す図である。
【図11】モノクロ印刷時の従来と本例の消費電力を比較する図である。
【図12】ブラックの印字ヘッド以外の印字ヘッドを省電力モードとした際の、モノクロ印刷時のタイムチャート、印刷又は省電力モードの別、及びヘッド消費電力を示す図である。
【図13】従来例のタイムチャート、印刷又は省電力モードの別、及びヘッド消費電力を示す図である。
【図14】ブラックの印字ヘッド以外の印字ヘッドを省電力モードとした際の、モノクロ印刷時の従来と本例の消費電力を比較する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本実施形態を説明する印刷装置のシステム構成図である。同図において、印刷装置1はインターフェイスコントローラ(以下、I/Fコントローラで示す)2、エンジン制御部3で構成され、I/Fコントローラ2は受信制御部4、ROM5、フォント6、表示制御部7、ビデオI/F制御部8、メモリ(SDRAM)9、ASIC(DMA制御部)10、MPU11で構成されている。また、表示制御部7には不図示のオペレーションパネルが接続されている。
【0017】
一方、エンジン制御部3は印字ヘッド制御部(以下、単にヘッド制御部で示す)12、モータ制御部13、MPU14、定着制御部15、高圧制御部16、印字ヘッド17、メインモータ18、各種負荷19、各種センサ20、定着サーミスタ21、定着ヒータ22、高圧部23で構成されている。
【0018】
また、上記構成の印刷装置1には、USB(universal serial bus)インターフェイス、及びLAN(local area network)を介してパーソナルコンピュータ(PC)やプリンタサーバ等のホスト機器25から印刷データが供給される。ホスト機器25から供給された印刷データは、上記受信制御部4に転送され、所定量の印刷データが受信制御部4に転送されると、印刷データはメモリ(SDRAM)9に転送される。メモリ(SDRAM)9に転送された印刷データは、以後MPU11の制御に従って解析処理が行われ、ASIC(DMA制御部)10によって圧縮、伸張処理が行われた後、ビデオI/F制御部8からエンジン制御部3(ヘッド制御部12)に出力される。
【0019】
ヘッド制御部12に出力されたビデオデータには、後述する処理が施され、印字ヘッド17に出力される。尚、モータ制御部13は、メインモータ18の駆動制御を行い、MPU14はヘッド制御部12やモータ制御部13の制御を行うと共に、定着制御部15や高圧制御部16の駆動制御を行う。
【0020】
図1は、上記ヘッド制御部12の構成、及びビデオI/F制御部8の構成を具体的に説明する図である。尚、同図において、ビデオI/F制御部8は説明上ヘッド制御部12に含ませて説明する。
【0021】
ヘッド制御部12はヘッドI/F制御部30、ヘッド補正データ制御部31、基本タイミング生成部32、CPUI/F部33で構成されている。尚、ビデオI/F制御部8にはI/Fコントローラ2によって生成されたビデオデータを格納するビデオRAM8aが接続されている。
【0022】
ヘッドI/F制御部30はドットパターン生成部34、ヘッドデータ送信部35、ヘッド制御信号生成部36、ストローブ信号生成部37、及びRAM39で構成され、ドットパターン生成部34はビデオI/F制御部8から供給されたビデオデータの1画素を各階調値に基づき、不図示のパターン登録レジスタを参照してN個の微画素に展開したデータを生成する。
【0023】
ヘッドデータ送信部35はドットパターン生成部34によって生成したデータをヘッド制御信号生成部36から出力されるドットクロック(DCLK)に同期して印字ヘッド17に転送する。尚、ヘッド制御信号生成部36は上記ドットクロック(DCLK)の他、水平同期信号(HSYNC)の出力も行う。
【0024】
また、ストローブ信号生成部37はCPUI/F部33によって設定された階調情報に従って副走査方向をn分割し、対応するストローブ信号を印字ヘッド17に送信する。例えば、副走査方向が3分割の場合、サブライン(1/3)、(2/3)、(3/3)の3種類のストローブ信号を出力し、副走査方向が4分割の場合、サブライン(1/4)、(2/4)、(3/4)、(4/4)の4種類のストローブ信号を出力する。
【0025】
基本タイミング生成部32はCPUI/F部33によって設定される階調情報に従って、副走査方向をn分割した際の対応するタイミング信号を生成し、各部に出力する。CPUI/F部33は上記の階調情報を出力すると共に、アドレスデコード処理、及び各モジュールのレジスト処理等を行う。
【0026】
一方、ヘッド補正データ制御部31はシリアルインターフェース制御部(以下、シリアルI/F制御部で示す)40を備え、印字ヘッド17内のヘッド情報ROM41から光量補正データの供給を受ける。尚、ヘッド情報ROM41に記憶される光量補正データは、印字ヘッド17を構成する各発光素子の光量バラツキを予め測定し、この補正データが光量補正データとして記憶されている。
【0027】
また、ヘッド補正データ制御部31は、印字ヘッド17を省電力モードから印刷モードに移行する際、ヘッド情報ROM41から読み出した光量補正データをRAM39の補正テーブル39bに書き込む。また、RAM39はラインバッファ39aを備え、省電力モードから印刷モードに移行する際、補正テーブル39bに書き込まえた光量補正データをラインバッファ39aを介して、印字ヘッド17に送信する。
【0028】
上記構成において、以下に本例の処理動作を説明する。
図3は、本例の処理動作を説明するフローチャートである。また、図4は本例の処理動作を説明するタイムチャートである。
【0029】
先ず、ホスト機器25のアプリケーションによって作成された印刷データは、前述のようにホスト機器25からLAN又はUSB経由で受信制御部4に送信され、更にメモリ(SDRAM)9に転送され、MPU11の制御によって印刷データのコマンド解析が行われ、描画データが生成される。
【0030】
上記描画データは垂直同期信号(VSYNC)が出力される(ローレベルとなる)タイミングでページ開始処理が行われる(ステップ(以下、Sで示す)1)。具体的にはビデオI/F制御部8が描画データを受信し、ヘッドI/F制御部30に描画データを転送するタイミングでページ開始処理が行われる。
【0031】
印刷装置1は印刷モードの設定開始処理を行い(S2)、前述の印字ヘッド17のヘッド情報ROM41から各発光素子の光量バラツキを補正する光量補正データを読み出し(S3、図4に示すa)、シリアルI/F制御部40を介してヘッド補正データ制御部31からRAM39の補正テーブル39bに書き込む。そして、補正テーブル39bに書き込まれた光量補正データを印字ヘッド17に転送し(S4、図4に示すb)、印字ヘッド17の所定エリアに書き込む。
【0032】
その後、描画データは前述のように、ドットパターン生成部34の処理、及びヘッドデータ送信部35の送信処理によって印字ヘッド17に供給される(S5、図4に示すc)。
図5は画像が印刷される用紙Pの構成を示す図であり、用紙Pの排紙方向(搬送方向)に対して前方に先端余白P1が形成され、次に印刷エリアP2が形成され、最後の後端余白P3が形成される。上記先端余白P1が印字ヘッド17の直下を通過する間、光量補正データの読み出し処理(図4に示すa)や、印字ヘッド17への光量補正データの転送処理(図4に示すb)が行われ、印刷エリアP2が印字ヘッド17の直下を通過する際、用紙Pへの印刷処理が行われる。
【0033】
さらに、用紙Pの後端余白P3が印字ヘッド17の直下を通過し終わるとページの終了を判断し(S6がYES)、省電力モードへの移行処理を行う(S7、図4に示すd)。例えば、印字ヘッド17に対して所定のデータ又はコマンドを供給し、印字ヘッド17を省電力モードに設定する。また、この間は次の用紙Pへの印刷処理を行う際の紙間に対応し、この紙間、例えば60mm(444ms)の間、印字ヘッド17を省電力モードに維持する(図4に示すe)。尚、本例の用紙P(記録媒体)は、同図に示すように、先端及び後端余白が5.5mm、印字エリアが200mmの例を示している。
【0034】
その後、再度ページ開始指示があると(S1、図4に示すf)、印刷装置1は印刷モードの設定処理を行い(S2)、光量補正データの読み出し処理(S3、図4に示すa)、印字ヘッド17への光量補正データの転送処理(S4、図4に示すb)を繰り返す。
【0035】
以上のように処理することによって、印刷装置1の紙間の期間、印字ヘッド17は省電力モードに設定され、消費電力を低減することができる。
【0036】
図6は、カラー印刷時のタイムチャート、印刷又は省電力モードの別、及びヘッド消費電力を示す図であり、タイムチャートは同図のaに示し、印刷又は省電力モードの別は同図のbに示し、ヘッド消費電力は同図のcに示す。尚、同図の例は2枚連続で印刷処理を行う例である。
【0037】
同図の例は上記のようにカラー印刷であり、例えば初期時省電力モードに設定されているイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各印字ヘッド17は、垂直同期信号(VSYNC)の出力に従って印刷モードに切り替わり、対応する色の印字ヘッド17によって用紙Pへの印刷処理が行われ、印刷処理が終了すると、省電力モードに切り替わる。この場合、各色の印字ヘッド17の印刷モード時、消費電力は800mAであり、省電力モードでの消費電力は20mAであり、各印字ヘッド17の消費電力は同図のcに示すようになる。したがって、本例の場合、印刷モード時最大2420mAの電流を消費し、省電力モード時80mAの電流を消費することになる。
【0038】
一方、従来の場合、図7に示すように、本例と同じタイムチャート(同図のa)において、印刷モード時の消費電力は同じであるが、非印刷時(印刷モード(消灯))では500mAが消費され、消費電力は同図に示すようになる。すなわち、従来の場合、印刷モード時最大2900mAの電流を消費し、省電力モード時2000mAの電流を消費する。
【0039】
したがって、本例の印刷装置1は従来の装置に比べて、待機時の消費電力を96%低減することができ、印刷時の消費電力を17%低減させることができる。
【0040】
図8は従来と本例の消費電力を比較する図であり、使用する電流量を比較することによって、消費電力の差を明確にするものである。同図に示すように、待機時及び印刷時の何れにおいても、従来に比べて使用する電流量が少なく、従来に比べて消費電力の低減を図ることができる。
【0041】
一方、図9は、モノクロ印刷時のタイムチャート、印刷又は省電力モードの別、及びヘッド消費電力を示す図であり、前述と同様、タイムチャートは同図のaに示し、印刷又は省電力モードの別は同図のbに示し、ヘッド消費電力は同図のcに示す。尚、同図の例も2枚連続で印刷処理を行う例である。
【0042】
本例は上記のようにモノクロ印刷の例であり、初期時省電力モードに設定されていたブラック(K)の印字ヘッド17は、垂直同期信号(VSYNC)の出力に従って印刷モードに切り替わり、このブラックの印字ヘッド17によって用紙Pへの印刷処理が行われ、印刷処理が終了すると、省電力モードに切り替わる。この場合、前述と同様、印字ヘッド17の印刷モードでの消費電力を800mAとし、省電力モードでの消費電力を20mAとすると、ブラックの印字ヘッド17の消費電力は同図のcに示すようになる。したがって、本例の場合、印刷モード時最大860mAの電流を消費し、省電力モード時80mAの電流を消費する。
【0043】
一方、従来の場合、図10に示すように、本例と同じタイムチャート(同図のa)において、印刷モード時の消費電力は同じであるが、非印刷時(印刷モード(消灯))では500mAが消費され、消費電力は同図に示すようになる。すなわち、従来の場合、印刷モード時最大2300mAの電流を消費し、省電力モード時2000mAの電流を消費する。
【0044】
したがって、本例の印刷装置1では、モノクロ印刷の場合でも、従来の装置に比べて、待機時の消費電力を96%低減することができ、印刷時の消費電力を63%低減させることができる。
【0045】
図11は、モノクロの場合の従来と本例の消費電力を比較する図であり、使用する電流量を比較することによって、消費電力の差を明確にするものである。同図に示すように、待機時及び印刷時の何れにおいても、従来に比べて使用する電流量が少なく、従来に比べて消費電力の低減を図ることができる。
【0046】
また、図12は、モノクロ印刷時のタイムチャート、印刷又は省電力モードの別、及びヘッド消費電力を示す図であり、前述と同様、タイムチャートは同図のaに示し、印刷又は省電力モードの別は同図のbに示し、ヘッド消費電力は同図のcに示す。尚、同図の例も2枚連続で印刷処理を行う例であり、前述の図9との差はブラック以外の印字ヘッド17が全て省電力モードに設定されていることである。
【0047】
この場合、待機時80mAを消費し、印刷モード時860mAの電流を消費し、紙間時80mAの電流を消費する。一方、従来の場合、図13に示すように、待機時560mAを消費し、印刷モード時860mAの電流を消費し、紙間時560mAの電流を消費する。
【0048】
したがって、従来の装置に比べて、待機時の消費電力を86%低減することができ、紙間時も消費電力を86%低減させることができる。
【0049】
図14は、従来と本例の消費電力を比較する図であり、使用する電流量を比較することによって、消費電力の差を明確にするものである。同図に示すように、待機時及び印刷時の何れにおいても、従来に比べて使用する電流量が少なく、従来に比べて消費電力の低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0050】
1・・・印刷装置
2・・・I/Fコントローラ
3・・・エンジン制御部
4・・・受信制御部
5・・・ROM
6・・・フォント
7・・・表示制御部
8・・・ビデオI/F制御部
9・・・メモリ
10・・DMA制御部
11・・MPU
12・・ヘッド制御部
13・・モータ制御部
14・・MPU
15・・定着制御部
16・・高圧制御部
17・・印字ヘッド
18・・メインモータ
19・・各種負荷
20・・各種センサ
21・・定着サーミスタ
22・・定着ヒータ
23・・高圧部
24・・オペレーションパネル
25・・ホスト機器
30・・ヘッドI/F制御部
31・・ヘッド補正データ制御部
32・・基本タイミング生成部
33・・CPUI/F部
34・・ドットパターン生成部
35・・ヘッドデータ送信部
36・・ヘッド制御信号生成部
37・・ストローブ信号生成部
39・・RAM
39a・・ラインバッファ
39b・・補正テーブル
40・・シリアルI/F制御部
41・・ヘッド情報ROM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データのコマンド解析を行い、描画データを作成する描画データ作成手段と、
該描画データ作成手段から転送される前記描画データに従って記録媒体に印字を行う印字ヘッドと、
該印字ヘッドによる前記記録媒体への印字処理が終了すると、前記印字ヘッドを省電力モードに設定する省電力モード設定手段と、
次の印刷データのコマンド解析が行われ、再度前記印字ヘッドに描画データが転送されると、前記省電力モードから印刷モードに設定する印刷モード設定手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷モード設定手段は、前記記録媒体の後端が前記印字ヘッドを通過した後、前記印字ヘッドを印刷モードに設定することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記省電力モードから印刷モードに設定する際、前記印字ヘッドに光量補正データを書き込むことを特徴とする請求項1、又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記光量補正データは、前記印字ヘッドの不揮発性メモリに記憶されていることを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
印刷データのコマンド解析を行い、描画データを作成する描画データ作成処理と、
該描画データに従って印字ヘッドによって記録媒体に印字を行う印字処理と、
前記記録媒体への印字処理が終了すると、前記印字ヘッドを省電力モードに設定する省電力モード設定処理と、
次の印刷データのコマンド解析が行われ、再度前記印字ヘッドに描画データが転送されると、前記省電力モードから印刷モードに設定する印刷モード設定処理と、
を行うことを特徴とする印刷装置の消費電力制御方法。
【請求項6】
前記印刷モード設定処理は、前記記録媒体の後端が前記印字ヘッドを通過した後、前記印字ヘッドを印刷モードに設定することを特徴とする請求項5に記載の印刷装置の消費電力制御方法。
【請求項1】
印刷データのコマンド解析を行い、描画データを作成する描画データ作成手段と、
該描画データ作成手段から転送される前記描画データに従って記録媒体に印字を行う印字ヘッドと、
該印字ヘッドによる前記記録媒体への印字処理が終了すると、前記印字ヘッドを省電力モードに設定する省電力モード設定手段と、
次の印刷データのコマンド解析が行われ、再度前記印字ヘッドに描画データが転送されると、前記省電力モードから印刷モードに設定する印刷モード設定手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷モード設定手段は、前記記録媒体の後端が前記印字ヘッドを通過した後、前記印字ヘッドを印刷モードに設定することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記省電力モードから印刷モードに設定する際、前記印字ヘッドに光量補正データを書き込むことを特徴とする請求項1、又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記光量補正データは、前記印字ヘッドの不揮発性メモリに記憶されていることを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
印刷データのコマンド解析を行い、描画データを作成する描画データ作成処理と、
該描画データに従って印字ヘッドによって記録媒体に印字を行う印字処理と、
前記記録媒体への印字処理が終了すると、前記印字ヘッドを省電力モードに設定する省電力モード設定処理と、
次の印刷データのコマンド解析が行われ、再度前記印字ヘッドに描画データが転送されると、前記省電力モードから印刷モードに設定する印刷モード設定処理と、
を行うことを特徴とする印刷装置の消費電力制御方法。
【請求項6】
前記印刷モード設定処理は、前記記録媒体の後端が前記印字ヘッドを通過した後、前記印字ヘッドを印刷モードに設定することを特徴とする請求項5に記載の印刷装置の消費電力制御方法。
【図2】
【図3】
【図5】
【図1】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図3】
【図5】
【図1】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−46138(P2011−46138A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197577(P2009−197577)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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